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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2025015420
(43)【公開日】2025-01-30
(54)【発明の名称】コイル部品
(51)【国際特許分類】
   H01F 27/29 20060101AFI20250123BHJP
【FI】
H01F27/29 123
H01F27/29 125
H01F27/29 P
【審査請求】未請求
【請求項の数】28
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2024073567
(22)【出願日】2024-04-30
(31)【優先権主張番号】10-2023-0094559
(32)【優先日】2023-07-20
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(31)【優先権主張番号】10-2023-0158359
(32)【優先日】2023-11-15
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(71)【出願人】
【識別番号】594023722
【氏名又は名称】サムソン エレクトロ-メカニックス カンパニーリミテッド.
(74)【代理人】
【識別番号】110000877
【氏名又は名称】弁理士法人RYUKA国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】キム、タエ ヒュン
(72)【発明者】
【氏名】リー、ドン フワン
(72)【発明者】
【氏名】リー、ドン ジン
(72)【発明者】
【氏名】クォン、スーン クワン
(72)【発明者】
【氏名】キム、ボウム セオック
【テーマコード(参考)】
5E070
【Fターム(参考)】
5E070AA01
5E070BB03
5E070CB18
5E070EA04
5E070EB04
(57)【要約】
【課題】振動または外部からの衝撃にもコイル部品内でコイルと外部電極との間の連結信頼性が維持されることができ、外部電極の端部の一領域が本体上に形成されたリセスに向かって折り曲げられて、本体と外部電極との間の物理的結合力を強化させる。
【解決手段】
本発明の一側面によるコイル部品は、第1方向に向かい合う第1面と第2面、及び上記第1面と第2面を連結する第3面を含む本体、上記本体内に配置され、上記第1面または第2面に引き出される引き出し部を含むコイル、及び上記本体上に配置されて上記引き出し部と連結され、第1金属層及び第2金属層を含む外部電極を含み、上記第1金属層は、上記本体に向かう内側面及び上記内側面と向かい合う外側面を含み、上記第2金属層は、上記第1金属層の上記内側面及び上記外側面のそれぞれに配置されることができる。
【選択図】図5
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1方向に向かい合う第1面と第2面、及び前記第1面と第2面を連結する第3面を含む本体と、
前記本体内に配置され、前記第1面または第2面に引き出される引き出し部を含むコイルと、
前記本体上に配置されて前記引き出し部と連結され、第1金属層及び第2金属層を含む外部電極と、を含み、
前記第1金属層は、前記本体に向かう内側面及び前記内側面と向かい合う外側面を含み、
前記第2金属層は、前記第1金属層の前記内側面及び前記外側面のそれぞれに配置される、コイル部品。
【請求項2】
前記第1金属層は前記第2金属層によってコーティングされた、請求項1に記載のコイル部品。
【請求項3】
前記第1面及び前記第3面とそれぞれ垂直な断面上で、
前記第2金属層は前記第1金属層を囲む、請求項1に記載のコイル部品。
【請求項4】
前記第1金属層は銅(Cu)を含む、請求項1に記載のコイル部品。
【請求項5】
前記第2金属層はニッケル(Ni)を含む、請求項1に記載のコイル部品。
【請求項6】
前記引き出し部に含まれた金属と前記第2金属層に含まれた金属は、互いに接触した領域で全率固溶体を形成する、請求項1に記載のコイル部品。
【請求項7】
前記全率固溶体が形成された領域には、前記引き出し部に含まれた金属と前記第2金属層に含まれた金属の含有量比が1:1である地点が存在する、請求項6に記載のコイル部品。
【請求項8】
前記第1金属層に含まれた結晶粒は、長軸方向が前記本体の表面に平行に整列する、請求項1に記載のコイル部品。
【請求項9】
前記本体を貫通し、前記第1方向に並んだ仮想の延長線を基準に、
前記第1金属層に含まれた結晶粒の長軸と前記延長線が成す内角は80度以上110度以下である、請求項8に記載のコイル部品。
【請求項10】
前記本体内に配置されて前記コイルを支持する支持部材をさらに含む、請求項1に記載のコイル部品。
【請求項11】
前記本体の第3面に配置される絶縁層をさらに含み、
前記絶縁層の少なくとも一部は、前記本体の第3面と前記外部電極との間に延びる、請求項1に記載のコイル部品。
【請求項12】
前記引き出し部と前記第2金属層との間に配置される第3金属層をさらに含む、請求項1に記載のコイル部品。
【請求項13】
前記第3金属層は、前記第1面及び前記第2面の少なくとも1つを覆う、請求項12に記載のコイル部品。
【請求項14】
前記第3金属層は銅(Cu)を含む、請求項12に記載のコイル部品。
【請求項15】
前記第3金属層に含まれた金属と前記第2金属層に含まれた金属は、互いに接触した領域で全率固溶体を形成する、請求項12に記載のコイル部品。
【請求項16】
前記全率固溶体が形成された領域には、前記第3金属層に含まれた金属と前記第2金属層に含まれた金属の含有量比が1:1である地点が存在する、請求項15に記載のコイル部品。
【請求項17】
前記本体は、前記第3面と向かい合う第4面をさらに含み、
前記第4面は少なくとも1つのリセスを含み、
前記外部電極の少なくとも一部は前記リセスに延びる、請求項12に記載のコイル部品。
【請求項18】
前記リセスは、前記第1面及び第2面とそれぞれ離隔した、請求項17に記載のコイル部品。
【請求項19】
前記外部電極は一端部に形成された折り曲げ部を含み、前記折り曲げ部は前記リセスに向かって折り曲げられた、請求項17に記載のコイル部品。
【請求項20】
前記本体の第3面と前記外部電極との間に配置される接着層をさらに含む、請求項1または12または17のいずれか一項に記載のコイル部品。
【請求項21】
前記接着層は導電性ペーストを含む、請求項20に記載のコイル部品。
【請求項22】
第1方向に向かい合う第1面と第2面、及び前記第1面と第2面を連結する第3面を含む本体と、
前記本体内に配置され、前記第1面または第2面に引き出される引き出し部を含むコイルと、
前記本体上に配置されて、前記引き出し部と連結される導電性樹脂層と、
前記導電性樹脂層上に配置され、第1金属層及び第2金属層を含む外部電極と、を含み、
前記第1金属層は、前記本体に向かう内側面及び前記内側面と向かい合う外側面を含み、
前記第2金属層は、前記第1金属層の前記内側面及び前記外側面のそれぞれに配置され、
前記導電性樹脂層は、前記引き出し部と前記第2金属層との間に配置され、少なくとも一部が前記第3面に延びる、コイル部品。
【請求項23】
前記第3面に延びた導電性樹脂層は、複数の層で形成される、請求項22に記載のコイル部品。
【請求項24】
前記導電性樹脂層は、銀(Ag)または銅(Cu)の少なくとも一つを含む、請求項22に記載のコイル部品。
【請求項25】
前記第1金属層は銅(Cu)を含み、前記第2金属層はニッケル(Ni)を含む、請求項22に記載のコイル部品。
【請求項26】
前記第1金属層に含まれた結晶粒は、長軸方向が前記本体の表面に平行に整列する、請求項22に記載のコイル部品。
【請求項27】
前記本体を貫通し、前記第1方向に並んだ仮想の延長線を基準に、
前記第1金属層に含まれた結晶粒の長軸と前記延長線が成す内角は80度以上110度以下である、請求項26に記載のコイル部品。
【請求項28】
前記本体は少なくとも1つのリセスを含み、
前記外部電極の一端部は前記本体の表面に沿って折り曲げられて前記リセスに挿入される、請求項22に記載のコイル部品。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、コイル部品に関するものである。
【背景技術】
【0002】
コイル部品の1つであるインダクタ(inductor)は、抵抗(resistor)及びキャパシタ(capacitor)と一緒に電子機器に用いられる代表的な受動電子部品である。
【0003】
電子機器が徐々に高性能化、小型化するにつれて、電子機器に用いられる電子部品もその数が増加して小型化している。
【0004】
一方、支持部材上にコイルをめっき形成する薄膜型コイル部品の場合、小型化に有利であるが、外部電極とコイルとの間の結合力が低下するという問題があり、振動や衝撃にもコイルと外部電極との間の連結信頼性が維持されることができるように結合力が強化した構造に対する要求がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2022-074828号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明の実施形態による目的の一つは、振動または外部からの衝撃にもコイル部品内でコイルと外部電極との間の連結信頼性が維持されることができるコイル部品を提供することである。
【0007】
本発明の実施形態による目的のもう一つは、外部電極の端部の一領域が本体上に形成されたリセスに向かって折り曲げられて、本体と外部電極との間の物理的結合力を強化させることである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の一側面によると、第1方向に向かい合う第1面と第2面、及び上記第1面と第2面を連結する第3面を含む本体、上記本体内に配置され、上記第1面または第2面に引き出された引き出し部を含むコイル、及び上記本体上に配置されて上記引き出し部と連結され、第1金属層及び第2金属層を含む外部電極を含み、上記第1金属層は、上記本体に向かう内側面、及び上記内側面と向かい合う外側面を含み、上記第2金属層は、上記第1金属層の上記内側面及び上記外側面のそれぞれに配置されたコイル部品が提供されることができる。
【0009】
本発明の他の側面によると、第1方向に向かい合う第1面と第2面、及び上記第1面と第2面を連結する第3面を含む本体、上記本体内に配置され、上記第1面または第2面に引き出される引き出し部を含むコイル、上記本体上に配置されて上記引き出し部と連結される導電性樹脂層、及び上記導電性樹脂層上に配置され、第1金属層及び第2金属層を含む外部電極を含み、上記第1金属層は、上記本体に向かう内側面及び上記内側面と向かい合う外側面を含み、上記第2金属層は、上記第1金属層の上記内側面及び上記外側面のそれぞれに配置され、上記導電性樹脂層は、上記引き出し部と上記第2金属層との間に配置され、少なくとも一部が上記第3面に延びたコイル部品が提供されることができる。
【発明の効果】
【0010】
本発明の実施形態によると、振動または外部からの衝撃にもコイル部品内でコイルと外部電極との間の連結信頼性が維持されることができる。
【0011】
本発明の実施形態によると、外部電極の端部の一領域が本体上に形成されたリセスに向かって折り曲げられた構造によって、本体と外部電極との間の物理的結合力が強化されることができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1】本発明の第1実施例に係るコイル部品を概略的に示した斜視図である。
図2図1の分解斜視図である。
図3】第1外部電極に対するL-T断面図である。
図4図1のI-I'線に沿った断面を示した図面である。
図5図1のII-II'線に沿った断面及びA領域拡大図である。
図6図5のB領域及びC領域の追加拡大図である。
図7】本発明の第2実施例に係るコイル部品のL-T断面及びD領域拡大図であり、図5に対応する図面である。
図8】本発明の第3実施例に係るコイル部品のL-T断面を示したものであり、図7に対応する図面である。
図9】本発明の第4実施例に係るコイル部品のL-T断面を示したものであり、図5に対応する図面である。
図10】本発明の第4実施例の変形例に係るコイル部品のL-T断面を示したものであり、図9に対応する図面である。
図11】本発明の第5実施例に係るコイル部品のL-T断面を示したものであり、図9に対応する図面である。
図12】本発明の第5実施例の変形例に係るコイル部品のL-T断面を示したものであり、図11に対応する図面である。
図13】本発明の第1実施例に係るコイル部品の製造工程の一部を概略的に示した図面である。
図14】本発明の第1実施例に係るコイル部品の製造工程の一部を概略的に示した図面である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
本出願で用いられた用語は、単に特定の実施例を説明するために用いられたものであり、本発明を限定する意図ではない。単数の表現は、文脈上明らかに異なるものを意味しない限り、複数の表現を含む。本出願において、「含む」または「有する」などの用語は、明細書上に記載の特徴、数字、段階、動作、構成要素、部品、またはこれらを組み合わせたものが存在することを指定するものであり、一つまたはそれ以上の他の特徴や数字、段階、動作、構成要素、部品、またはこれらを組み合わせたものの存在または付加可能性を予め排除しないものと理解する必要がある。そして、明細書全体において、「上に」とは、対象部分の上または下に位置することを意味するものであり、必ずしも重力方向を基準に上側に位置することを意味するものではない。
【0014】
なお、結合とは、各構成要素間の接触関係において、各構成要素間に物理的に直接接触する場合のみを意味するものではなく、他の構成が各構成要素間に介在して、他の構成に構成要素がそれぞれ接触している場合まで包括する概念で用いる。
【0015】
図面に示される各構成の大きさ及び厚さは説明の便宜のために任意に示したものであり、本発明が必ずしも示されたものに限定されない。
【0016】
図面において、L方向は第1方向または長さ方向、W方向は第2方向または幅方向、T方向は第3方向または厚さ方向と定義することができる。
【0017】
以下、本発明の実施形態に係るコイル部品を添付図面を参照して詳細に説明し、添付図面を参照して説明することにおいて、同一又は対応する構成要素には同一の図面番号を付与し、これに対する重複する説明は省略する。
【0018】
電子機器には様々な種類の電子部品が用いられるが、このような電子部品の間にはノイズ除去等を目的に様々な種類のコイル部品が適宜用いられることができる。
【0019】
すなわち、電子機器においてコイル部品は、パワーインダクタ(Power Inductor)、高周波インダクタ(HF Inductor)、通常のビード(General Bead)、高周波用ビード(GHz Bead)、共通モードフィルタ(Common Mode Filter)などに用いられることができる。
【0020】
第1実施例
図1は、本発明の第1実施例によるコイル部品1000を概略的に示した斜視図であり、図2は、図1の分解斜視図であり、図3は、第1外部電極410に対するL-T断面図であり、図4は、図1のI-I'線に沿った断面を示した図面であり、図5は、図1のII-II'線に沿った断面及びA領域拡大図であり、図6は、図5のB領域及びC領域の追加拡大図である。
【0021】
一方、図1及び図2では、構成要素間の結合をより明確に示すために、本実施形態に適用され得る本体100上の絶縁層500は省略して示した。
【0022】
図1図6を参照すると、本発明の第1実施例によるコイル部品1000は、本体100、コイル300、及び外部電極410、420を含むことができ、支持部材200、絶縁層500、及び接着層610、620をさらに含むことができる。
【0023】
本実施形態に係るコイル部品1000は、本体100上に外部電極410、420をめっき形成した構造とは異なり、第1金属層411、421及びこれをコーティングする第2金属層412、422を含む外部電極410、420を圧延等の工程を介して別途形成した後、本体100に露出した引き出し部331、332と超音波ウェルディング、レーザウェルディング、または抵抗ウェルディング等を介して融着させた構造を有することができる。
【0024】
これにより、本実施形態のコイル部品1000は、外部電極410、420が圧延等の工程を介して形成されることにより、外部電極410、420の第1金属層411、421に含まれた結晶粒の長軸方向が本体100の表面に平行に形成されることができる。
【0025】
また、引き出し部331、332と外部電極410、420が超音波ウェルディング、レーザウェルディング、または抵抗ウェルディング等による融着により接触連結されることで、引き出し部331、332と第2金属層412、422が互いに接触する領域に全率固溶体が形成されることができる。
【0026】
上記構成により、本実施形態のコイル部品1000は、コイル300と外部電極410、420との間の結合力及び連結信頼性が向上するにつれて、振動または外部からの衝撃に強い特性を有することができる。
【0027】
以下、本実施形態に係るコイル部品1000を構成する主要構成要素を詳細に説明する。
【0028】
本体100は、本実施形態に係るコイル部品1000の外観をなし、内部に支持部材200及びコイル300を埋設することができる。
【0029】
本体100は、全体的に六面体状に形成されることができる。
【0030】
本体100は、長さ方向L(第1方向)に互いに向かい合う第1面101と第2面102、厚さ方向T(第2方向)に互いに向かい合う第3面103と第4面104、幅方向W(第3方向)に互いに向かい合う第5面105と第6面106を含む。本体100の第1面101、第2面102、第5面105、及び第6面106のそれぞれは、本体100の第3面103と第4面104を連結する本体100の壁面に該当する。
【0031】
本体100は、例示的に、外部電極410、420を含む本実施形態によるコイル部品1000が、2.5mmの長さ、2.0mmの幅及び0.8mmの厚さを有するか、2.0mmの長さ、1.2mmの幅及び0.6mmの厚さを有するか、1.6mmの長さ、0.8mmの幅、0.6mmの厚さを有するか、1.6mmの長さ、0.8mmの幅、0.4mmの厚さを有するか、1.4mmの長さ、1.2mmの幅、0.65mmの厚さを有するか、1.0mmの長さ、0.7mmの幅、0.65mmの厚さを有するか、0.8mmの長さ、0.4mmの幅、0.65mmの厚さを有するか、0.8mmの長さ、0.4mmの幅、0.5mmの厚さを有するように形成されることができるが、これに制限されない。
【0032】
一方、コイル部品1000の長さ、幅及び厚さに対する上述した例示的な数値は、工程誤差を反映していない数値をいうため、工程誤差と認められ得る範囲の数値は上述した例示的な数値に該当すると見なければならない。
【0033】
上述したコイル部品1000の長さとは、コイル部品1000の幅方向Wの中央部でとった長さ方向L-厚さ方向Tの断面(cross-section)に対する光学顕微鏡イメージまたはSEM(Scanning Electron Microscope)イメージを基準に、上記イメージに示したコイル部品1000の長さ方向Lに向かい合う2つの最外側境界線を長さ方向Lと平行に連結し、厚さ方向Tで互いに離隔した複数の線分のそれぞれの数値(dimension)の最大値を意味することができる。または、コイル部品1000の長さは、上述した複数の線分のそれぞれの数値(dimension)のうち最小値を意味することができる。または、コイル部品1000の長さは、上述した複数の線分のそれぞれの数値(dimension)の少なくとも3つ以上の算術平均値を意味することができる。ここで、長さ方向Lと平行な複数の線分は、厚さ方向Tに互いに等間隔であることができるが、本発明の範囲がこれに制限されるものではない。
【0034】
上述したコイル部品1000の厚さとは、コイル部品1000の幅方向Wの中央部でとった長さ方向L-厚さ方向Tの断面(cross-section)に対する光学顕微鏡イメージ又はSEM(Scanning Electron Microscope)イメージを基準に、上記イメージに示したコイル部品1000の厚さ方向Tに向かい合う2つの最外側境界線を厚さ方向Tと平行に連結し、長さ方向Lで互いに離隔した複数の線分のそれぞれの数値(dimension)のうち最大値を意味することができる。または、コイル部品1000の厚さは、上述した複数の線分のそれぞれの数値(dimension)のうち最小値を意味することができる。または、コイル部品1000の厚さは、上述した複数の線分のそれぞれの数値(dimension)の少なくとも3つ以上の算術平均値を意味することができる。ここで、厚さ方向Tと平行な複数の線分は、長さ方向Lに互いに等間隔であることができるが、本発明の範囲がこれに制限されるものではない。
【0035】
上述したコイル部品1000の幅とは、コイル部品1000の厚さ方向Tの中央部でとった長さ方向L-幅方向Wの断面(cross-section)に対する光学顕微鏡イメージまたはSEM(Scanning Electron Microscope)イメージを基準に、上記イメージに示したコイル部品1000の幅方向Wに向かい合う2つの最外側境界線を幅方向Wと平行に連結し、長さ方向Lに互いに離隔した複数の線分のそれぞれの数値(dimension)のうち最大値を意味することができる。または、コイル部品1000の幅は、上述した複数の線分のそれぞれの数値(dimension)のうち最小値を意味することができる。または、コイル部品1000の幅は、上述した複数の線分のそれぞれの数値(dimension)の少なくとも3つ以上の算術平均値を意味することができる。ここで、幅方向Wと平行な複数の線分は、長さ方向Lに互いに等間隔であることができるが、本発明の範囲がこれに制限されるものではない。
【0036】
または、コイル部品1000の長さ、幅及び厚さのそれぞれは、マイクロメータ測定法で測定されることもできる。マイクロメータ測定法は、Gage R&R(Repeatability and Reproducibility)されたマイクロメータでゼロ点を設定し、マイクロメータのチップ(tip)間に本実施形態に係るコイル部品1000を挿入し、マイクロメータの測定レバー(lever)を回して測定することができる。一方、マイクロメータ測定法でコイル部品1000の長さを測定することにおいて、コイル部品1000の長さは1回測定された値を意味することもでき、複数回測定された値の算術平均を意味することもできる。これは、コイル部品1000の幅及び厚さにも同様に適用されることができる。
【0037】
本体100は、磁性物質と樹脂を含むことができる。具体的には、本体100は、磁性物質が樹脂に分散した磁性複合シートを1つ以上積層して形成されることができる。但し、本体100は、磁性物質が樹脂に分散した構造以外に他の構造を有することもできる。例えば、本体100は、フェライトなどの磁性物質からなることもでき、非磁性体からなることもできる。
【0038】
磁性物質はフェライトまたは金属磁性粉末であり得る。
【0039】
フェライトは、例えば、Mg-Zn系、Mn-Zn系、Mn-Mg系、Cu-Zn系、Mg-Mn-Sr系、Ni-Zn系等のスピネル型フェライト、Ba-Zn系、Ba-Mg系、Ba-Ni系、Ba-Co系、Ba-Ni-Co系等の六方晶型フェライト類、Y系等のガーネット型フェライト及びLi系フェライトの少なくとも一つ以上であることができる。
【0040】
金属磁性粉末は、鉄(Fe)、シリコン(Si)、クロム(Cr)、コバルト(Co)、モリブデン(Mo)、アルミニウム(Al)、ニオブ(Nb)、銅(Cu)及びニッケル(Ni)からなる群から選択されたいずれか1つ以上を含むことができる。例えば、金属磁性粉末は、純鉄粉末、Fe-Si系合金粉末、Fe-Si-Al系合金粉末、Fe-Ni系合金粉末、Fe-Ni-Mo系合金粉末、Fe-Ni-Mo-Cu系合金粉末、Fe-Co系合金粉末、Fe-Ni-Co系合金粉末、Fe-Cr系合金粉末、Fe-Cr-Si系合金粉末、Fe-Si-Cu-Nb系合金粉末、Fe-Ni-Cr系合金粉末、Fe-Cr-Al系合金粉末の少なくとも1種以上であることができる。
【0041】
金属磁性粉末は非晶質または結晶質であることができる。例えば、金属磁性粉末は、Fe-Si-B-Cr系非晶質合金粉末であることができるが、必ずしもこれに制限されるものではない。
【0042】
フェライト及び金属磁性粉末は、それぞれ平均直径が約0.1μm~30μmであり得るが、これらに制限されない。
【0043】
本体100は、樹脂に分散した2種類以上の磁性物質を含むことができる。ここで、磁性物質が異なる種類とは、樹脂に分散した磁性物質が平均直径、組成、結晶性、及び形状のいずれか一つで互いに区別されることを意味する。
【0044】
樹脂は、エポキシ(epoxy)、ポリイミド(polyimide)、液晶結晶性ポリマー(Liquid Crystal Polymer)などを単独または混合して含むことができるが、これらに限定されない。
【0045】
本体100は、支持部材200及びコイル300を貫通するコア110を含むことができる。コア110は、磁性複合シートが支持部材200の貫通孔を充填することで形成されることができるが、これに制限されない。
【0046】
支持部材200は本体100内に配置されることができる。支持部材200は、コイル300を支持する構成である。一方、コイル300が巻線型コイルに該当するか、コアレス(coreless)構造を有する場合など、実施形態によっては支持部材200が除外される場合もある。
【0047】
支持部材200は、エポキシ樹脂などの熱硬化性絶縁樹脂、ポリイミドなどの熱可塑性絶縁樹脂または感光性絶縁樹脂を含む絶縁資材で形成されるか、このような絶縁樹脂にガラス繊維または無機フィラーなどの補強材が含浸された絶縁資材で形成されることができる。例えば、支持部材200は、プリプレグ(Prepreg)、ABF(Ajinomoto Build-up Film)、FR-4、BT(Bismaleimide Triazine)樹脂、PID(Photo Imagable Dielectric)、銅箔積層板(Copper Clad Laminate、CCL)などの資材で形成されることができるが、これに制限されるものではない。
【0048】
無機フィラーとしては、シリカ(SiO)、アルミナ(Al)、炭化ケイ素(SiC)、硫酸バリウム(BaSO)、タルク、泥、雲母粉、水酸化アルミニウム(Al(OH))、水酸化マグネシウム(Mg(OH))、炭酸カルシウム(CaCO)、炭酸マグネシウム(MgCO)、酸化マグネシウム(MgO)、窒化ホウ素(BN)、ホウ酸アルミニウム(AlBO)、チタン酸バリウム(BaTiO)及びジルコン酸カルシウム(CaZrO)からなる群から選択された少なくとも1つ以上が用いられることができる。
【0049】
支持部材200が補強材を含む絶縁資材で形成される場合、支持部材200はより優れた剛性を提供することができる。支持部材200がガラス繊維を含まない絶縁資材で形成される場合、支持部材200とコイル300の全体の厚さ(図1の第2方向Tに沿ったコイル300と支持部材200のそれぞれの数値(dimension)の合計を意味する)を薄型化して部品の厚さを減少させるのに有利である。支持部材200が感光性絶縁樹脂を含む絶縁資材で形成される場合、コイル300を形成するための工程数が減って、生産費の節減に有利であり、微細なビア320を形成することができる。支持部材200の厚さは、例えば、10μm以上50μm以下であることができるが、これに制限されるものではない。
【0050】
コイル300は支持部材200に配置される。コイル300は本体100に埋め込まれて、コイル部品の特性を発現する。例えば、本実施形態のコイル部品1000がパワーインダクタとして活用される場合、コイル300は電場を磁場に蓄えて出力電圧を維持することで電子機器の電源を安定させる役割を果たすことができる。
【0051】
コイル300は、支持部材200の互いに向かい合う両面の少なくとも一つに形成され、少なくとも一つのターン(turn)を形成する。本実施形態の場合、コイル300は、コイルパターン311、312、ビア320、及び引き出し部331、332を含むことができる。
【0052】
図1図4及び図5を参照すると、第1コイルパターン311及び第2コイルパターン312のそれぞれは、支持部材200の互いに向かい合う両面に配置されて、本体100のコア110を軸に少なくとも1つのターン(turn)を形成した平面らせんの形態であり得る。例えば、図1の方向に基づいて、第1コイルパターン311は支持部材200の上面に配置されて、コア110を軸に少なくとも1つのターン(turn)を形成する。第2コイルパターン312は、支持部材200の下面に配置されて、コア110を軸に少なくとも1つのターン(turn)を形成する。第1及び第2コイルパターン311、312のそれぞれは、引き出し部331、332と連結される最外側ターン(turn)の端部が本体100の第1面101及び第2面102の方向にそれぞれ延びた形態で形成される。
【0053】
引き出し部331、332は、コイルパターン311、312から本体100の第1面101または第2面102に延びることができる。
【0054】
具体的には、第1引き出し部331は、第1コイルパターン311の外側端部から本体100の第1面101に延びて第1外部電極410と連結されることができる。また、第1引き出し部331は、第1コイルパターン311と一体に形成されることができる。
【0055】
同様に、第2引き出し部332は、第2コイルパターン312の外側端部から本体100の第2面102に延びて第2外部電極420と連結されることができる。また、第2引き出し部332は、第2コイルパターン312と一体に形成されることができる。
【0056】
図4を参照すると、コイル300は、第1コイルパターン311と第2コイルパターン312を連結するビア320をさらに含むことができる。具体的には、ビア320は、支持部材200を貫通して第1及び第2コイルパターン311、312のそれぞれの最内側ターン(turn)の内側端部を互いに連結することができる。したがって、第1外部電極410に入力される信号は、第1引き出し部331、第1コイルパターン311、ビア320、第2コイルパターン312、及び第2引き出し部332を経て第2外部電極420に出力されることができる。このような構成により、コイル300の各構成は、全体的に、第1及び第2外部電極410、420の間で連結された1つのコイルとして機能することができる。
【0057】
コイルパターン311、312、ビア320、及び引き出し部331、332の少なくとも1つは、少なくとも1つ以上の導電層を含むことができる。
【0058】
一例として、第1コイルパターン311、ビア320、及び第1引き出し部331を支持部材200の上面(図1の方向基準)にめっきで形成する場合、第1コイルパターン311、ビア320、及び第1引き出し部331のそれぞれは、シード層と電解めっき層を含むことができる。シード層は、無電解めっき法またはスパッタリングなどの気相蒸着法で形成されることができる。シード層及び電解めっき層のそれぞれは、単層構造であっても多層構造であってもよい。多層構造の電解めっき層は、いずれか一つの電解めっき層を他方の電解めっき層が覆うコンフォーマル(conformal)な膜構造で形成されることもでき、いずれか一つの電解めっき層の一面にのみ他方の電解めっき層が積層された形状に形成されることもできる。第1コイルパターン311のシード層、ビア320のシード層、及び第1引き出し部331のシード層は一体に形成されて相互間に境界が形成されないことがあるが、これに制限されるものではない。第1コイルパターン311の電解めっき層、ビア320の電解めっき層及び第1引き出し部331の電解めっき層は一体に形成されて、相互間に境界が形成されないことがあるが、これに制限されるものではない。
【0059】
コイルパターン311、312、ビア320、及び引き出し部331、332のそれぞれは、銅(Cu)、アルミニウム(Al)、銀(Ag)、スズ(Sn)、金(Au)、ニッケル(Ni)、鉛(Pb)、チタン(Ti)、クロム(Cr)、モリブデン(Mo)またはこれらの合金などの導電性物質を含むことができるが、これらに限定されない。
【0060】
図1図2、及び図5を参照すると、本実施形態によるコイル部品1000は、本体100上に配置されてコイル300と連結される外部電極410、420を含むことができる。
【0061】
外部電極410、420は、本実施形態に係るコイル部品1000を回路基板等に実装する際に、コイル部品1000と回路基板との間を電気的に連結させる構成である。例として、本体100の第3面103に互いに離隔して配置された第1及び第2外部電極410、420と回路基板の接続部が電気的に連結されることができる。
【0062】
具体的には、第1外部電極410は、本体100の第1面101に配置されて、本体100の第1面101に延びた第1引き出し部331と接触連結され、第2外部電極420は、本体100の第2面102に配置されて、本体100の第2面102に延びた第2引き出し部332と接触連結されることができる。
【0063】
第1外部電極410は、本体100の第1面101に配置されて、本体100の第3面から第6面103、104、105、106の少なくとも一部に延びることができる。
【0064】
第2外部電極420は、本体100の第2面102に配置されて、本体100の第3面から第6面103、104、105、106の少なくとも一部に延びることができる。
【0065】
第1外部電極410が本体100の第3面から第6面103、104、105、106の少なくとも一部に延びた領域と、第2外部電極420が本体100の第3面から第6面103、104、105、106の少なくとも一部に延びた領域は、互いに離隔することができる。
【0066】
一方、図1図2及び図5を参照すると、本実施形態に係るコイル部品1000は、本体100の第1面101及び第2面102にそれぞれ配置された第1及び第2外部電極410、420がそれぞれ本体100の第3面103にのみ延びた構造を有することができる。
【0067】
この場合、第1外部電極410は、本体100の第3面103に配置される第1パッド部、及び本体100の第1面101に配置されて第1引き出し部331と第1パッド部を連結する第1延長部を含むことができる。
【0068】
また、第2外部電極420は、本体100の第3面103において第1パッド部と離隔配置される第2パッド部、及び本体100の第2面102に配置されて第2引き出し部332と第2パッド部を連結する第2延長部を含むことができる。
【0069】
パッド部と延長部は、同じ工程で一緒に形成されて、相互間に境界が現れることなく一体に形成されることができる。
【0070】
図3及び図5を参照すると、本実施形態の外部電極410、420は、第1金属層411、421、及び第2金属層412、422を含むことができる。
【0071】
外部電極410、420の第1金属層411、421は、本体100に向かう内側面及び上記内側面と向かい合う外側面を含み、外部電極410、420の第2金属層412、422は、第1金属層411、421の内側面及び外側面にそれぞれ配置されることができる。すなわち、外部電極410、420は、コイル部品1000の内側から外側方向の基準で、第2金属層412、422、第1金属層411、421、及び第2金属層412、422が順に配置されることができる。
【0072】
外部電極410、420の第1金属層411、421は、第2金属層412、422によってコーティングされることができる。すなわち、本実施形態のコイル部品1000のL-T断面を基準に、外部電極410、420の第2金属層412、422は、第1金属層411、421を囲む形態で配置されることができる。但し、これに制限されるものではなく、外部電極410、420の両端部においては、第2金属層412、422が第1金属層411、421の一部領域を露出させる形態で配置されることもできる。
【0073】
外部電極410、420の第1金属層411、421は銅(Cu)を含むことができ、第2金属層412、422はニッケル(Ni)を含むことができる。例として、本実施形態の外部電極410、420は、銅(Cu)の表面にニッケル(Ni)がコーティングされた形態に該当することができる。
【0074】
図5を参照すると、外部電極410、420の第2金属層412、422は、本体100の第1面101または第2面102で引き出し部331、332と直接接触することができ、超音波ウェルディング、レーザウェルディング、または抵抗ウェルディングなどの工程を介して互いに融着することができる。
【0075】
その結果、引き出し部331、332に含まれた金属と第2金属層412、422に含まれた金属は、互いに接触した領域で全率固溶体を形成することができる。ここで、全率固溶体とは、固溶体の一種であり、2つの物質をどの割合で混合しても単一の組成からなって結晶構造が変わらない固溶体を意味する。
【0076】
図5のA領域拡大図は、第2引き出し部332と第2外部電極420との間の接触領域を詳細に示したものであり、第2引き出し部332に含まれた金属と第2外部電極420の第2金属層422に含まれた金属が互いに接触した領域で全率固溶体の領域CS1を形成することができる。
【0077】
全率固溶体が形成された領域CS1には、第2引き出し部332に含まれた金属と第2金属層422に含まれた金属の含有量比が1:1の地点が存在することができる。これは、全率固溶体の領域CS1において、金属間化合物(Intermetallic Compound、IMC)とは異なり、2つの金属の含有量が段階的に変化するにつれて現れる特徴であり得る。
【0078】
例として、第2引き出し部332に銅(Cu)が含まれ、第2金属層422にニッケル(Ni)が含まれた場合、第2引き出し部332と第2外部電極420が超音波ウェルディング、レーザウェルディング、または抵抗ウェルディングなどの工程を介して融着時に、第2引き出し部332の銅(Cu)と第2金属層422のニッケル(Ni)は、全率固溶体を形成することができる。全率固溶体の領域(CS1)において、第2引き出し部332から第2金属層422に向かうほど銅(Cu)含有量は徐々に減少し、ニッケル(Ni)含有量が徐々に増加することができ、中間領域では銅(Cu)とニッケル(Ni)の含有量比が1:1の地点が存在することができる。
【0079】
図6は、図5のA領域において、第2引き出し部332に含まれたB領域に対する拡大図、及び第1金属層421に含まれたC領域に対する拡大図である。
【0080】
図6を参照すると、B領域拡大図及びC領域拡大図では、それぞれ金属の結晶粒G1、G2が観察されることができる。例として、B領域では、第2引き出し部332に含まれた銅(Cu)の結晶粒G1が観察されることができ、C領域では第1金属層421に含まれた銅(Cu)の結晶粒G2が観察されることができる。
【0081】
B領域拡大図とC領域拡大図を比較すると、第1金属層421に含まれた銅(Cu)の結晶粒G2は、第2引き出し部332に含まれた銅(Cu)の結晶粒G1よりもサイズが大きく、方向性を有することができる。
【0082】
コイル300の一構成である引き出し部331、332の場合、支持部材200上に電解めっきによって形成されるのに対し、外部電極410、420の第1金属層421はローラによる加圧及び加熱を含む圧延工程によって形成されるため、再結晶作用により結晶粒G2の大きさが大きくなり、方向性を有することができる。
【0083】
ここで、結晶粒G1、G2のサイズは、例として、ラインインターセプト法(line intercept method)で決定されることができるが、これに制限されるものではない。
【0084】
図5及び図6を参照すると、第1金属層421に含まれた結晶粒G2は、長軸La方向が本体100の表面に平行に整列することができる。すなわち、第1金属層421が本体100の第2面102に配置された領域において、結晶粒G2は、長軸La方向が第2方向Tに平行に整列することができ、第1金属層421が本体100の第3面103に配置された領域において、結晶粒G2は、長軸La方向が第1方向Lに平行に整列することができる。
【0085】
ここで、第1金属層421に含まれた結晶粒G2の長軸La方向が第2方向Tに平行に整列したという意味は、本体100を貫通して第1方向Lに並んだ仮想の延長線VLを基準として、第1金属層421に含まれた結晶粒G2の長軸Laと延長線VLが成す内角θが80度以上110度以下である場合と定義することができる。
【0086】
同様に、第1金属層421に含まれた結晶粒G2の長軸La方向が第1方向Lに平行に整列したという意味は、本体100を貫通して第2方向Tに並んだ仮想の延長線を基準として、第1金属層421に含まれた結晶粒G2の長軸Laと延長線が成す内角θが80度以上110度以下である場合と定義することができる。
【0087】
このとき、第1金属層421に含まれた結晶粒G2の長軸Laは、結晶粒G2内での最大長さを有する直線を意味することができ、コイル部品1000の第3方向Wの中央部でとったL-T断面に対する光学顕微鏡イメージまたはSEM(Scanning Electron Microscope)イメージ上で観察することができる。
【0088】
一方、本体100の表面と垂直な仮想の延長線VLと結晶粒G2の長軸Laが成す内角θは、上記SEMイメージ上で20μm×20μm以上の領域内に現れた結晶粒G2のそれぞれについて長軸Laと延長線VLが成す角度を測定した後、算術平均した値を意味することができる。
【0089】
外部電極410、420は、第1金属層411、421の表面に第2金属層412、422をコーティングした後、ローラ等を用いた圧延工程で形成することができるが、これに制限されるものではなく、第1金属層411、421をまず圧延工程によって形成した後、表面に第2金属層412、422をスパッタリング等の気相蒸着法及び/又はめっき法で形成することもできる。
【0090】
上記方法を介して形成された外部電極410、420は、本体100上に配置されて、超音波ウェルディング、レーザウェルディング、または抵抗ウェルディングなどによって引き出し部331、332と接触連結されることができ、外部電極410、420と引き出し部331、332との間の接触領域の少なくとも一部には、引き出し部331、332に含まれた金属と外部電極410、420の第2金属層412、422に含まれた金属間で全率固溶体が形成されることができる。
【0091】
これにより、外部電極410、420がめっき形成される場合に比べて、外部電極410、420と引き出し部331、332との間の結合力及び連結信頼性が向上することができる。
【0092】
本実施形態に係るコイル部品1000は、本体100の第3面から第6面103、104、105、106に配置される絶縁層500をさらに含むことができる。絶縁層500は、本体100の表面のうち外部電極410、420が配置された領域以外の領域に配置されることができる。
【0093】
本体100の第3面から第6面103、104、105、106のそれぞれに配置された絶縁層500の少なくとも一部は、互いに同じ工程で形成されて、両者間に境界が形成されていない一体の形態で形成されることができるが、本発明の範囲がこれに制限されるものではない。
【0094】
図5を参照すると、絶縁層500の少なくとも一部は、本体100の第3面103と外部電極410、420との間に延びることができる。
【0095】
絶縁層500が本体100の第3面103と外部電極410、420との間に延びる場合、第1及び第2外部電極410、420間の絶縁距離が増加することにより、第1及び第2外部電極410、420間で発生するおそれがある電流漏れを効果的に防止することができる。
【0096】
本実施形態によるコイル部品1000が後述する接着層610、620を含む場合、絶縁層500は本体100の第3面103と接着層610、620との間に延びることができる。
【0097】
絶縁層500が本体100の第3面103と接着層610、620との間に延びる場合、第1及び第2外部電極410、420の間で発生する可能性がある電流漏れを防止する効果がより高くなることができ、絶縁層500と接着層610、620との間の結合力が強く、外部電極410、420と本体100との間の結合力も強化することができる。
【0098】
絶縁層500は、印刷法、気相蒸着、スプレー塗布法、フィルム積層法などの方法で形成されることができるが、これに制限されるものではない。
【0099】
絶縁層500は、ポリスチレン系、酢酸ビニル系、ポリエステル系、ポリエチレン系、ポリプロピレン系、ポリアミド系、ゴム系、アクリル系等の熱可塑性樹脂、フェノール系、エポキシ系、ウレタン系、メラミン系、アルキド系などの熱硬化性樹脂、感光性樹脂、パラリン、SiOxまたはSiNxを含むことができる。絶縁層500は、無機フィラーなどの絶縁フィラーをさらに含むことができるが、これに制限されない。
【0100】
図1図2、及び図5を参照すると、本実施形態によるコイル部品1000は、本体100の第3面103と外部電極410、420との間に配置される接着層610、620をさらに含むことができる。接着層610、620は、本体100と外部電極410、420との間の結合力を強化するための構成である。
【0101】
具体的には、本体100の第3面103と第1外部電極410との間に第1接着層610が配置されることができ、本体100の第3面103と第2外部電極420との間に第2接着層620が配置されることができる。
【0102】
本実施形態の接着層610、620は、導電性樹脂または非導電性樹脂を含むことができる。例として、接着層610、620は導電性ペーストを含むことができる。また、接着層610、620は、エポキシ、ポリウレタン、シリコン、ポリイミド、フェノール、ポリエステル系熱硬化性樹脂のうち1つ以上を含むことができるが、これに制限されない。
【0103】
図4及び図5を参照すると、絶縁膜IFは、コイル300を覆うようにコイル300と本体100との間に配置される。絶縁膜IFは、支持部材200及びコイル300の表面に沿って形成されることができる。絶縁膜IFは、コイル300を本体100から絶縁させるためのものであり、パラリンなどの公知の絶縁物質を含むことができるが、これに制限されるものではない。絶縁膜IFは気相蒸着などの方法で形成されることができるが、これに制限されるものではなく、絶縁フィルムを支持部材200の両面に積層することにより形成されることもできる。
【0104】
第2実施例
図7は、本発明の第2実施例に係るコイル部品2000のL-T断面及びD領域拡大図であり、図5に対応する図面である。
【0105】
図7図5と比較すると、本実施形態によるコイル部品2000は、本体100と第2金属層412、422との間に第3金属層430、440がさらに介在する点、及びこれによる全率固溶体の領域CS2の形成位置が異なる。
【0106】
したがって、本実施形態を説明することにおいて、本発明の第1実施例とは異なる第3金属層430、440、及び全率固溶体の領域CS2の形成位置についてのみ説明し、残りの構成については本発明の第1実施例における説明がそのまま適用されることができる。
【0107】
図7を参照すると、本実施形態によるコイル部品2000は、引き出し部331、332と第2金属層412、422との間に配置される第3金属層430、440をさらに含むことができる。
【0108】
第3金属層430、440は、本体100の第1面101及び第2面102の少なくとも一つを覆うように配置されることができる。
【0109】
第3金属層430、440は電解めっきにより形成されることができ、例えば、銅(Cu)、アルミニウム(Al)、銀(Ag)、スズ(Sn)、金(Au)、ニッケル(Ni)、鉛(Pb)、チタン(Ti)、クロム(Cr)、モリブデン(Mo)またはこれらの合金などの導電性物質を含むことができるが、これらに限定されない。
【0110】
本実施形態の第3金属層430、440は、引き出し部331、332と同種の金属を含むことができ、これにより、引き出し部331、332と外部電極410、420との間の連結信頼性及び物理的結合力がさらに強化されることができる。
【0111】
一方、図7を参照すると、第3金属層430、440に含まれた金属と第2金属層412、422に含まれた金属は、互いに接触した領域で全率固溶体を形成することができる。
【0112】
すなわち、第1実施例とは異なり、全率固溶体の領域CS2は、第3金属層430、440と第2金属層412、422との間で形成されることができる。
【0113】
例として、D領域拡大図を参照すると、第3金属層440と第2金属層422が接触する領域の少なくとも一部で全率固溶体の領域CS2が形成されることができる。
【0114】
上記全率固溶体が形成された領域CS2には、第3金属層440に含まれた金属と第2金属層422に含まれた金属の含有量比が1:1の地点が存在することができる。これは、全率固溶体の領域CS2において、金属間化合物(Intermetallic Compound、IMC)とは異なり、2つの金属の含有量が段階的に変化するにつれて現れる特徴であり得る。
【0115】
例として、第3金属層440に銅(Cu)が含まれ、第2金属層422にニッケル(Ni)が含まれた場合、第3金属層440と第2外部電極420が超音波ウェルディング、レーザウェルディング、または抵抗ウェルディングなどの工程を介して融着時に、第3金属層440の銅(Cu)と第2金属層422のニッケル(Ni)は全率固溶体を形成することができる。全率固溶体の領域CS2において、第3金属層440から第2金属層422に向かうほど銅(Cu)含有量は徐々に減少し、ニッケル(Ni)含有量が徐々に増加することができ、中間領域では銅(Cu)とニッケル(Ni)の含有量比が1:1の地点が存在してもよい。
【0116】
本実施形態のコイル部品2000の場合、先めっき層に該当する第3金属層430、440を先ず引き出し部331、332が露出した本体100面、すなわち、第1面101と第2面102に配置した後、別途形成された外部電極410、420を超音波ウェルディング、レーザウェルディング、または抵抗ウェルディング等により第3金属層430、440と融着させることにより融着面の面積が広がるにつれてコイル300と外部電極410、420との間の連結信頼性及び結合力がさらに強化されることができる。
【0117】
第3実施例
図8は、本発明の第3実施例に係るコイル部品3000のL-T断面を示したものであり、図7に対応する図面である。
【0118】
図8図7と比較すると、本実施形態に係るコイル部品3000は、本体100上にリセスR1、R2が形成された点、及び外部電極410、420がリセスR1、R2に延びる折り曲げ部BP1、BP2を含む点が第2実施例とは異なる。
【0119】
したがって、本実施形態を説明することにおいて、本発明の第2実施例とは異なるリセスR1、R2、及びリセスR1、R2に延びた折り曲げ部BP1、BP2についてのみ説明し、本実施形態の残りの構成については、本発明の第2実施例における説明がそのまま適用されることができる。
【0120】
図8を参照すると、本体100の上面、すなわち第4面104は、少なくとも1つのリセスR1、R2を含むことができる。本実施形態のリセスR1、R2は、本体100に形成されて、外部電極410、420の一部を収容することにより、本体100と外部電極410、420との間の物理的固定力をさらに発生させることができる構成である。
【0121】
外部電極410、420の少なくとも一部はリセスR1、R2に延びることができる。また、リセスR1、R2は、本体100の第1面101及び第2面102とそれぞれ離隔するように形成されることができる。また、リセスR1、R2は、本体100の第5面105及び第6面106まで延びることができる。
【0122】
具体的には、本実施形態の本体100の第4面104には、第1及び第2リセスR1、R2が形成されることができ、第1リセスR1は本体100の第1面101と一定間隔で離隔するように形成されて、第1外部電極410の端部の少なくとも一部を収容及び固定することができる。同様に、第2リセスR2は、本体100の第2面102と一定間隔で離隔するように形成されて、第2外部電極420の端部の少なくとも一部を収容及び固定することができる。
【0123】
図8を参照すると、本実施形態の外部電極410、420は、一端部に形成された折り曲げ部BP1、BP2を含み、折り曲げ部BP1、BP2はリセスR1、R2に向かって折り曲げられることができる。
【0124】
具体的には、第1外部電極410は本体100の第1面101に配置され、本体100の第1面101と第1リセスR1が離隔した領域に沿って本体100の第4面104に延び、延びた端部は、第1リセスR1に収容されるように折り曲げられた第1折り曲げ部BP1を含むことができる。
【0125】
同様に、第2外部電極420は、本体100の第2面102に配置され、本体100の第2面102と第2リセスR2が離隔した領域に沿って本体100の第4面104に延び、延びた端部は、第2リセスR2に収容されるように折り曲げられた第2折り曲げ部BP2を含むことができる。
【0126】
折り曲げ部BP1、BP2が折り曲げられる角度は、折り曲げ部BP1、BP2とリセスR1、R2との間に物理的固定力が付与できる角度であれば、0度超過180度未満の範囲内で制限なしで選択されることができる。
【0127】
本実施形態に係るコイル部品3000は、本体100上にリセスR1、R2が形成され、外部電極410、420の端部に形成された折り曲げ部BP1、BP2がリセスR1、R2に収容されることによって、本体100と外部電極410、420との間の物理的固定力がさらに付与され得るため、外部からの衝撃や振動に強い特性を有することができる。
【0128】
第4実施例及び変形例
図9は、本発明の第4実施例に係るコイル部品4000のL-T断面を示したものであり、図5に対応する図面である。
【0129】
図9図5と比較すると、本体100の第3面103に配置された接着層610、620が省略され、L字状の第1導電性樹脂層711、721が第2金属層412、422と本体100との間に介在する点が異なる。
【0130】
したがって、本実施形態を説明することにおいて、本発明の第1実施例とは異なるL字状の第1導電性樹脂層711、721についてのみ説明し、残りの構成については本発明の第1実施例における説明がそのまま適用されることができる。
【0131】
図9を参照すると、本実施形態によるコイル部品4000は、外部電極410、420と本体100との間に配置された第1導電性樹脂層711、721をさらに含むことができる。本実施形態の場合、第1実施例の接着層610、620の機能も第1導電性樹脂層711、721に代えることができるため、接着層610、620は省略が可能である。
【0132】
本実施形態の第1導電性樹脂層711、721は、本体100上に配置されて、引き出し部331、332と連結されることができる。また、第1導電性樹脂層711、721は、引き出し部331、332と外部電極410、420との間を連結することができる。
【0133】
また、第1導電性樹脂層711、721は、引き出し部331、332と外部電極410、420の第2金属層412、422との間に配置され、少なくとも一部が本体100の第3面103に延びることができる。
【0134】
本実施形態の第1導電性樹脂層711、721は、樹脂、及び樹脂内に分散した金属成分を含む層で形成されることができる。樹脂は熱硬化性樹脂としてエポキシ(epoxy)を含むことができる。金属成分の場合、銀(Ag)または銅(Cu)成分を含むことができる。例として、本実施形態における第1導電性樹脂層711、721は、Ag epoxy層またはCu epoxy層であることができるが、これに制限されない。
【0135】
第1導電性樹脂層711、721は、金属成分を含んで電流が流れることができ、柔軟性及び弾力性を有する樹脂成分を含んで金属層に比べて振動や外部からの衝撃等に強い特性を有してもよい。
【0136】
また、本実施形態に係るコイル部品4000は、本体100上に直接第1導電性樹脂層711、721を配置することにより、本体100の樹脂成分と第1導電性樹脂層711、721の樹脂成分間の結合によって本体100と外部電極410、420との間の結合力及び柔軟性が強化される効果を有することができる。
【0137】
図10は、本発明の第4実施例の変形例に係るコイル部品4000'のL-T断面を示したものであり、図9に対応する図面である。
【0138】
図10図9と比較すると、第1導電性樹脂層711、721のうち本体100の第3面103に配置される領域と第2金属層412、422との間に第2導電性樹脂層712、722がさらに配置される点が第4実施例とは異なる。
【0139】
したがって、本変形例を説明することにおいて、本発明の第4実施例とは異なる第2導電性樹脂層712、722についてのみ説明し、残りの構成については本発明の第4実施例における説明がそのまま適用されることができる。
【0140】
図10を参照すると、本変形例によるコイル部品4000'は、本体100の第3面103に延びた導電性樹脂層が複数の層で形成されることができる。
【0141】
具体的には、第1導電性樹脂層711、721が本体100の第1面101に配置され、一部が第3面103に延びることができ、第1導電性樹脂層711、721が第3面103に延びた領域上に第2導電性樹脂層712、722がさらに配置されることができる。
【0142】
本実施形態の第2導電性樹脂層712、722は、樹脂、及び樹脂内に分散した金属成分を含む層で形成されることができる。樹脂は熱硬化性樹脂としてエポキシ(epoxy)を含むことができる。金属成分の場合、銀(Ag)または銅(Cu)成分を含むことができる。例として、本実施形態における第2導電性樹脂層712、722は、Ag epoxy層またはCu epoxy層であることができるが、これに制限されない。
【0143】
本変形例に係るコイル部品4000'は、外部電極410、420のうち回路基板に実装されて応力が集中する部分であるパッド部に、第1導電性樹脂層711、721及び第2導電性樹脂層712、722の2層構造を有する導電性樹脂層を配置することにより、本体100と外部電極410、420との間の結合力を強化することができる。
【0144】
また、導電性樹脂層の樹脂成分の柔軟性及び弾力性により振動や外部からの衝撃にもより強くなることができ、第2導電性樹脂層712、722をパッド部領域のみに配置することにより、引き出し部331、322と外部電極410、420との間の直流抵抗(Rdc)特性は劣化しないことができる。
【0145】
第5実施例及び変形例
図11は、本発明の第5実施例に係るコイル部品5000のL-T断面を示したものであり、図9に対応する図面である。
【0146】
図11図9と比較すると、本実施形態に係るコイル部品5000は、本体100上にリセスR1、R2が形成された点、及び外部電極410、420がリセスR1、R2に延びた折り曲げ部BP1、BP2を含む点が第4実施例とは異なる。
【0147】
したがって、本実施形態を説明することにおいて、本発明の第4実施例とは異なるリセスR1、R2、及びリセスR1、R2に延びた折り曲げ部BP1、BP2についてのみ説明し、本実施形態の残りの構成については、本発明の第4実施例における説明がそのまま適用されることができる。
【0148】
図11を参照すると、本体100の上面、すなわち第4面104は、少なくとも1つのリセスR1、R2を含むことができる。本実施形態のリセスR1、R2は、本体100に形成されて、外部電極410、420の一部を収容することにより、本体100と外部電極410、420との間の物理的固定力をさらに発生させることができる構成である。
【0149】
外部電極410、420の少なくとも一部はリセスR1、R2に延びることができる。また、リセスR1、R2は、本体100の第1面101及び第2面102とそれぞれ離隔するように形成されることができる。また、リセスR1、R2は、本体100の第5面105及び第6面106まで延びることができる。
【0150】
具体的には、本実施形態の本体100の第4面104には、第1及び第2リセスR1、R2が形成されることができ、第1リセスR1は本体100の第1面101と一定間隔で離隔するように形成されて、第1外部電極410の端部の少なくとも一部を収容及び固定することができる。同様に、第2リセスR2は、本体100の第2面102と一定間隔で離隔するように形成されて、第2外部電極420の端部の少なくとも一部を収容及び固定することができる。
【0151】
図11を参照すると、本実施形態の外部電極410、420は、一端部に形成された折り曲げ部BP1、BP2を含み、折り曲げ部BP1、BP2はリセスR1、R2に向かって折り曲げられることができる。
【0152】
具体的には、第1外部電極410は本体100の第1面101に配置され、本体100の第1面101と第1リセスR1が離隔した領域に沿って本体100の第4面104に延び、延びた端部は、第1リセスR1に収容されるように折り曲げられた第1折り曲げ部BP1を含むことができる。
【0153】
同様に、第2外部電極420は、本体100の第2面102に配置され、本体100の第2面102と第2リセスR2が離隔した領域に沿って本体100の第4面104に延び、延びた端部は、第2リセスR2に収容されるように折り曲げられた第2折り曲げ部BP2を含むことができる。
【0154】
折り曲げ部BP1、BP2が折り曲げられる角度は、折り曲げ部BP1、BP2とリセスR1、R2との間に物理的固定力が付与できる角度であれば、0度超過180度未満の範囲内で制限なしで選択されることができる。
【0155】
本実施形態に係るコイル部品5000は、本体100上にリセスR1、R2が形成され、外部電極410、420の端部に形成された折り曲げ部BP1、BP2がリセスR1、R2に収容されることによって、本体100と外部電極410、420との間の物理的固定力がさらに付与できるため、外部からの衝撃や振動に強い特性を有することができる。
【0156】
また、本実施形態に係るコイル部品5000は、外部電極410、420と本体100との間に介在した第1導電性樹脂層711、721を含むため、第1導電性樹脂層711、721の樹脂成分が有する柔軟性及び弾力性によって振動や外部からの衝撃に強い特性を有することができる。
【0157】
すなわち、本実施形態のコイル部品5000が回路基板に実装されて、振動や外部からの衝撃の多い環境に晒されても、第1導電性樹脂層711、721による柔軟性及び弾力性、及びリセスR1、R2と折り曲げ部BP1、BP2による物理的固定力によって本体100と外部電極410、420との間の結合力やコイル300と外部電極410、420との間の連結信頼性がさらに強化することができる。
【0158】
図12は、本発明の第5実施例の変形例に係るコイル部品5000'のL-T断面を示したものであり、図11に対応する図面である。
【0159】
図12図11と比較すると、第1導電性樹脂層711、721のうち本体100の第3面103に配置される領域と第2金属層412、422との間の第2導電性樹脂層712、722がさらに配置される点が第5実施例とは異なる。
【0160】
したがって、本変形例を説明することにおいて、本発明の第5実施例とは異なる第2導電性樹脂層712、722についてのみ説明し、残りの構成については本発明の第5実施例における説明がそのまま適用できる。
【0161】
図12を参照すると、本変形例によるコイル部品5000'は、本体100の第3面103に延びた導電性樹脂層が複数の層で形成されることができる。
【0162】
具体的には、第1導電性樹脂層711、721が本体100の第1面101に配置され、一部が第3面103に延びることができ、第1導電性樹脂層711、721が第3面103に延びた領域上に第2導電性樹脂層712、722がさらに配置されることができる。
【0163】
本実施形態の第2導電性樹脂層712、722は、樹脂、及び樹脂内に分散した金属成分を含む層で形成されることができる。樹脂は熱硬化性樹脂としてエポキシ(epoxy)を含むことができる。金属成分の場合、銀(Ag)または銅(Cu)成分を含むことができる。例として、本実施形態における第2導電性樹脂層712、722は、Ag epoxy層またはCu epoxy層であることができるが、これに制限されない。
【0164】
本変形例に係るコイル部品5000'は、外部電極410、420のうち回路基板に実装されて応力が集中する部分であるパッド部に、第1導電性樹脂層711、721及び第2導電性樹脂層712、722の2層構造を有する導電性樹脂層を配置することにより、本体100と外部電極410、420との間の結合力を強化することができる。
【0165】
また、導電性樹脂層の樹脂成分の柔軟性及び弾力性により振動や外部からの衝撃にもより強くなることができ、第2導電性樹脂層712、722をパッド部領域のみに配置することにより、引き出し部331、322と外部電極410、420との間の直流抵抗(Rdc)特性は劣化しないことができる。
【0166】
コイル部品の製造工程
図13図14は、本発明の第1実施例によるコイル部品1000の製造工程の一部を概略的に示した図面である。
【0167】
図13を参照すると、電極フレームEFと連結された外部電極410、420をローラ等を用いた圧延工程を介して形成することができる。ここで、外部電極410、420は、第1金属層の表面に第2金属層をコーティングした後、ローラ等を用いた圧延工程で形成することができるが、これに制限されるものではなく、第1金属層をまず圧延工程を介して形成した後、表面に第2金属層をスパッタリングなどの気相蒸着法及び/またはめっき法で形成することもできる。
【0168】
次に、電極フレームEFと連結された外部電極410、420のうちパッド部領域に接着層610、620を配置し、内部にコイル300が埋め込まれた本体100をローディングすることができる。
【0169】
ここで、接着層610、620の代わりに導電性樹脂層などを配置することもでき、導電性樹脂層を配置する場合、パッド部領域に限らず、コイル300の引き出し部と接する領域まで拡張して配置することができる。
【0170】
次に、図14を参照すると、個別コイル部品1000を形成するために、電極フレームEFと連結された外部電極410、420をトリミング部材TMを用いてカッティングすることができる。
【0171】
次に、外部電極410、420のうち本体100に配置されていない部分、すなわちパッド部を除いた領域に対して、ベンディング部材BMを用いて上方に圧力を加えて外部電極410、420を曲げて本体100の側面に密着させることができる。
【0172】
次に、本体100の側面に露出したコイル300の引き出し部と外部電極410、420との間を超音波ウェルディング、レーザウェルディング、または抵抗ウェルディングなどを用いて融着させることができる。
【0173】
以上、本発明の一実施例について説明したが、該当技術分野における通常の知識を有する者であれば、特許請求の範囲に記載された本発明の思想から逸脱しない範囲内で、構成要素の追加、変更又は削除等により本発明を多様に修正及び変更することができ、これも本発明の権利範囲内に含まれる。
【符号の説明】
【0174】
100 本体
110 コア
200 支持部材
300 コイル
311、312 コイルパターン
320 ビア
331、332 引き出し部
410、420 外部電極
411、421 第1金属層
412、422 第2金属層
430、440 第3金属層
500 絶縁層
610、620 接着層
711、721 第1導電性樹脂層
712、722 第2導電性樹脂層
IF 絶縁膜
BP1、BP2 折り曲げ部
CS1、CS2 全率固溶体の領域
G1、G2 結晶粒
La 長軸
R1、R2 リセス
EF 電極フレーム
TM トリミング部材
BM ベンディング部材
1000、2000、3000、4000、4000'、5000、5000' コイル部品
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14