(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2025154274
(43)【公開日】2025-10-10
(54)【発明の名称】受付装置及び受付システム
(51)【国際特許分類】
G07C 9/25 20200101AFI20251002BHJP
【FI】
G07C9/25
【審査請求】有
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2024057186
(22)【出願日】2024-03-29
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用申請有り ・令和5年4月1日 西日本旅客鉄道株式会社近畿統括本部吹田総合車両所 にて公開 ・令和5年6月1日 ホテルグランヴィア広島 にて公開 ・令和5年9月1日 金沢百番街にて公開 ・令和5年11月 『「スタンドアロン型受付機 B-Smart」のチラシ』にて公開 ・令和5年11月17日 https://www.jr-bs.co.jp/ https://www.jr-bs.co.jp/news/ https://www.jr-bs.co.jp/news/2023/news/%e3%80%8cjr%e8%a5%bf%e6%97%a5%e6%9c%ac%e3%82%b0%e3%83%ab%e3%83%bc%e3%83%97%e3%82%a4%e3%83%8e%e3%83%99%e3%83%bc%e3%82%b7%e3%83%a7%e3%83%b3%ef%bc%86%e3%83%81%e3%83%a3%e3%83%ac%e3%83%b3%e3%82%b8%e3%83%87/にて公開 ・令和5年11月21日 https://www.jr-bs.co.jp/ https://www.jr-bs.co.jp/news/ https://www.jr-bs.co.jp/news/2023/news/%e5%bd%93%e7%a4%be%e3%82%aa%e3%83%aa%e3%82%b8%e3%83%8a%e3%83%ab%e3%81%ae%e5%8f%97%e4%bb%98%e6%a9%9f%e3%80%8cb-smart%e3%80%8d%e3%82%92%e9%96%8b%e7%99%ba%e3%81%97%e3%81%be%e3%81%97%e3%81%9f%ef%bc%81/にて公開 ・令和5年12月12日~13日 JR西日本グループイノベーション&チャレンジデイ2023 にて公開 ・令和6年3月16日 くるふ福井駅 にて公開
(71)【出願人】
【識別番号】397068001
【氏名又は名称】株式会社ジェイアール西日本総合ビルサービス
(74)【代理人】
【識別番号】110002527
【氏名又は名称】弁理士法人北斗特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】丸岡 拓真
【テーマコード(参考)】
3E138
【Fターム(参考)】
3E138AA01
3E138BB04
3E138JA03
3E138JB12
3E138JC05
3E138JC14
3E138JC19
(57)【要約】
【課題】受付装置及び受付システムの導入の容易化を図る。
【解決手段】受付装置1は、タッチパネルディスプレイ12と、処理部11と、発券部14と、記憶部13と、第1筐体2と、第2筐体3と、を備える。処理部11は、来訪者による操作入力を受け付ける受付画面をタッチパネルディスプレイ12に表示させる。処理部11は、操作入力に基づいて来訪者に関する情報を取得する。発券部14は、処理部11が情報を取得したことを条件として、予め施設のセキュリティを解除するための権限が付与されたICカード4を、発券口から発券する。記憶部13は、発券されたICカード4と、処理部11によって取得された情報とを対応付けて記憶する。第1筐体2は、タッチパネルディスプレイ12と、処理部11と、記憶部13と、を収容する。第2筐体3は、発券部14を収容する。
【選択図】
図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
タッチパネルディスプレイと、
施設の来訪者による操作入力を受け付ける受付画面を前記タッチパネルディスプレイに表示させ、前記操作入力に基づいて前記来訪者に関する情報を取得する処理部と、
前記処理部が前記情報を取得したことを条件として、予め前記施設のセキュリティを解除するための権限が付与されたICカードを、発券口から発券する発券部と、
発券された前記ICカードと、前記処理部によって取得された前記情報とを対応付けて記憶する記憶部と、
前記タッチパネルディスプレイと、前記処理部と、前記記憶部と、を収容する第1筐体と、
前記発券部を収容する第2筐体と、
を備える、
受付装置。
【請求項2】
返却口に投入された前記ICカードを回収する回収部を更に備え、
前記第2筐体は、前記回収部を収容する、
請求項1に記載の受付装置。
【請求項3】
前記発券口と前記返却口とが共通である、
請求項2に記載の受付装置。
【請求項4】
前記回収部は、前記記憶部に登録されていない前記ICカードが前記返却口に投入された場合、投入された前記ICカードを吐き出す、
請求項2又は3に記載の受付装置。
【請求項5】
前記来訪者を撮像して撮像画像を生成する撮像部を更に備え、
前記記憶部は、発券された前記ICカードと、前記処理部によって取得された前記情報と、前記撮像画像とを対応付けて記憶する、
請求項1に記載の受付装置。
【請求項6】
前記処理部は、前記タッチパネルディスプレイに管理用画面を表示させ、
前記管理用画面は、前記ICカードを未返却の前記来訪者に関する前記情報を示す、
請求項1に記載の受付装置。
【請求項7】
前記処理部は、前記施設における案内事項を前記来訪者に通知する案内画像を含む表示画面を、前記タッチパネルディスプレイに表示させる、
請求項1に記載の受付装置。
【請求項8】
前記記憶部は、前記案内画像を複数種類記憶しており、
前記処理部は、前記タッチパネルディスプレイに管理用画面を表示させ、
前記管理用画面は、前記案内画像を変更する操作を受け付ける、
請求項7に記載の受付装置。
【請求項9】
互いに通信可能に構成された2つの受付装置を備える受付システムであって、
前記2つの受付装置の各々は、
タッチパネルディスプレイと、
施設の来訪者による操作入力を受け付ける受付画面を前記タッチパネルディスプレイに表示させ、前記操作入力に基づいて前記来訪者に関する情報を取得する処理部と、
前記処理部が前記情報を取得したことを条件として、前記施設のセキュリティを解除するための権限が予め付与されたICカードを、発券口から発券する発券部と、
記憶部と、
前記タッチパネルディスプレイと、前記処理部と、前記記憶部と、を収容する第1筐体と、
前記発券部を収容する第2筐体と、
を備え、
前記2つの受付装置の少なくとも一方の前記記憶部は、前記2つの受付装置の各々の前記発券部から発券された前記ICカードと、前記2つの受付装置の各々の前記処理部によって取得された前記情報とを対応付けて記憶する、
受付システム。
【請求項10】
請求項9に記載の受付システムにおける前記2つの受付装置の少なくとも一方として用いられる受付装置であって、
前記タッチパネルディスプレイと、
前記処理部と、
前記発券部と、
前記記憶部と、
前記第1筐体と、
前記第2筐体と、
を備える、
受付装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、一般に受付装置及び受付システムに関し、より詳細には、ICカードを発券する受付装置及び受付システムに関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、セキュリティカード管理サービスシステムが開示されている。セキュリティカード管理サービスシステムは、入退出管理システムを有する。
【0003】
入退出管理システムは、認証システム、ゲートシステム、及びカード発券・カード回収システムと連携する。カード発券・カード回収システムは、認証システムにより本人確認がなされた場合に、初期化フォーマットしたカードにアクセス権を書き込み、カードを発券する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1に記載されているようなカード発券・カード回収システムでは、認証システム及びゲートシステム等と連携しているため、認証システム及びゲートシステムと連携させるための設定等が必要であり、導入時の手間が大きいという問題がある。
【0006】
本開示は上記事由に鑑みてなされており、導入の容易化を図ることができる受付装置及び受付システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本開示の一態様に係る受付装置は、タッチパネルディスプレイと、処理部と、発券部と、記憶部と、第1筐体と、第2筐体と、を備える。前記処理部は、施設の来訪者による操作入力を受け付ける受付画面を前記タッチパネルディスプレイに表示させる。前記処理部は、前記操作入力に基づいて前記来訪者に関する情報を取得する。前記発券部は、前記処理部が前記情報を取得したことを条件として、予め前記施設のセキュリティを解除するための権限が付与されたICカードを、発券口から発券する。前記記憶部は、発券された前記ICカードと、前記処理部によって取得された前記情報とを対応付けて記憶する。前記第1筐体は、前記タッチパネルディスプレイと、前記処理部と、前記記憶部と、を収容する。前記第2筐体は、前記発券部を収容する。
【0008】
本開示の一態様に係る受付システムは、通信可能に構成された2つの受付装置を備える受付システムである。前記2つの受付装置の各々は、タッチパネルディスプレイと、処理部と、発券部と、記憶部と、第1筐体と、第2筐体と、を備える。前記処理部は、施設の来訪者による操作入力を受け付ける受付画面を前記タッチパネルディスプレイに表示させる。前記処理部は、前記操作入力に基づいて前記来訪者に関する情報を取得する。前記発券部は、前記処理部が前記情報を取得したことを条件として、前記施設のセキュリティを解除するための権限が予め付与されたICカードを、発券口から発券する。前記第1筐体は、前記タッチパネルディスプレイと、前記処理部と、前記記憶部と、を収容する。前記第2筐体は、前記発券部を収容する。前記2つの受付装置の少なくとも一方の前記記憶部は、前記2つの受付装置の各々の前記発券部から発券された前記ICカードと、前記2つの受付装置の各々の前記処理部によって取得された前記情報とを対応付けて記憶する。
【0009】
本開示の一態様に係る受付装置は、前記受付システムにおける前記2つの受付装置の少なくとも一方として用いられる受付装置である。前記受付装置は、タッチパネルディスプレイと、処理部と、発券部と、記憶部と、第1筐体と、第2筐体と、を備える。
【発明の効果】
【0010】
本開示によれば、受付装置及び受付システムの導入の容易化を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【
図1】
図1は、実施形態1に係る受付装置の外観を示す概略図である。
【
図2】
図2は、同上の受付装置の設置例を示す概略図である。
【
図3】
図3は、同上の受付装置の構成を示す概略図である。
【
図4】
図4は、同上の受付装置が表示する表示画面の遷移を示す概略図である。
【
図5】
図5は、同上の受付装置が表示する待受画面を示す概略図である。
【
図6】
図6は、同上の受付装置が表示する受付画面を示す概略図である。
【
図7】
図7は、同上の受付装置が表示する表示画面を示す概略図である。
【
図8】
図8は、同上の受付装置が表示する管理用ホーム画面を示す概略図である。
【
図9】
図9は、同上の受付装置が表示する未返却カード画面を示す概略図である。
【
図10】
図10は、同上の受付装置の動作を示すフローチャートである。
【
図11】
図11は、実施形態2に係る受付システムの構成を示す概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、本開示に関する好ましい各実施形態について図面を参照しつつ詳細に説明する。なお、以下に説明する各実施形態において共通する要素には同一符号を付しており、共通する要素についての重複する説明は省略する場合がある。なお、以下の各実施形態及び変形例は、本開示の様々な実施形態の一部に過ぎない。また、以下の各実施形態及び変形例は、本開示の目的を達成できれば、設計等に応じて種々の変更が可能である。
【0013】
本開示において説明する各図は、模式的な図であり、各図中の各構成要素の大きさ及び厚さのそれぞれの比が、必ずしも実際の寸法比を反映しているとは限らない。
【0014】
(実施形態1)
(1)概要
まず、実施形態1に係る受付装置1の概要について、
図1~
図3を参照して説明する。
【0015】
実施形態1の受付装置1は、施設200(
図3参照)に導入される。本開示では、施設200は、オフィスである。本開示でいう「施設」は、居住用途で用いられる住宅施設、並びに店舗(テナント)、オフィス、福祉施設、教育施設、病院及び工場等の非住宅施設を含む。非住宅施設には、飲食店、遊技場、イベント会場、ホテル、旅館、幼稚園、保育所及び公民館等も含む。つまり、施設200は、マンション等の住宅施設であってもよいし、オフィスビル等の非住宅施設であってもよい。さらに、施設200は、例えば、低層階が店舗で高層階が住戸というように、住宅施設と非住宅施設とが混在する態様の施設も含む。
【0016】
受付装置1は、施設200内における管理領域202(
図2参照)への来訪者H1(
図2参照)の立ち入りを可能にするIC(Integrated Circuit)カード4を発券する装置である。施設200では、ICカード4が読取部(又は認証部)91(
図2参照)にかざされて認証が成功することにより、扉9(
図2参照)等のセキュリティゲートが解錠又は開放される。
【0017】
図3に示すように、実施形態1の受付装置1は、タッチパネルディスプレイ12と、処理部11と、発券部14と、記憶部13と、第1筐体2と、第2筐体3と、を備える。
【0018】
処理部11は、施設200の来訪者H1による操作入力を受け付ける受付画面D2(
図6参照)をタッチパネルディスプレイ12に表示させる。また、処理部11は、来訪者H1による操作入力に基づいて、来訪者H1に関する情報である来訪者情報を取得する。
【0019】
発券部14は、処理部11が来訪者情報を取得したことを条件として、予め施設200のセキュリティを解除するための権限が付与されたICカード4を、発券口141(
図1参照)から発券する。
【0020】
記憶部13は、発券されたICカード4と、処理部11によって取得された来訪者情報とを対応付けて記憶する。
【0021】
第1筐体2は、タッチパネルディスプレイ12と、処理部11と、記憶部13と、を収容する。
【0022】
第2筐体3は、発券部14を収容する。
【0023】
実施形態1の受付装置1は、発券の際に施設200のセキュリティを解除するための権限をICカード4に付与して発券するのではなく、予め施設200のセキュリティを解除するための権限が付与されたICカード4を発券する。そのため、実施形態1の受付装置1は、施設200における管理領域202に関する入退管理を行うような入退管理システム等との連携を必要としない。これにより、入退管理システム等との連携をするための設定等が不要となるため、実施形態1の受付装置1は、導入が容易であるという利点を有する。また、実施形態1の受付装置1によれば、来訪者H1に応対してICカード4を来訪者H1に貸与するといった施設200の管理人等の仕事を、軽減することができる。
【0024】
(2)詳細
以下、実施形態1に係る受付装置1の詳細な構成について、
図1~
図9を参照して説明する。
【0025】
(2.1)受付装置の構成
上述のように、実施形態1の受付装置1は、施設200内における管理領域202への来訪者H1の立ち入りを可能にするICカード4を発券する装置である。本開示でいう「管理領域」は、例えば扉9等のセキュリティゲートより内部の領域である。受付装置1は、施設200内における非管理領域201(
図2参照)に設置される。本開示でいう「非管理領域」は、扉9等のセキュリティゲートの外側の領域であり、ICカード4を必要とすることなく入ることが可能な領域である。
【0026】
図1に示すように、実施形態1の受付装置1は、第1筐体2と、第2筐体3と、を備える。実施形態1では、第1筐体2と第2筐体3とは別体型の筐体である。ただし、第1筐体2と第2筐体3とは、一体型の筐体であってもよい。第1筐体2及び第2筐体3は、受付装置1が備える各構成を収容する。なお、本開示でいう「収容」は、筐体に収容された構成の一部が筐体の外部に露出している状態を含む。
【0027】
図3に示すように、受付装置1は、発券部14と、回収部15と、カードストッカ18と、読取部19と、を備える。実施形態1では、発券部14、回収部15、カードストッカ18、及び読取部19は、第2筐体3に収容されている。また、第2筐体3には、発券口141及び返却口151が設けられている。発券口141及び返却口151は、ICカード4が通る開口部である。実施形態1では、発券口141と返却口151とが共通である。つまり、実施形態1では、第2筐体3に設けられた一の開口部が、発券口141及び返却口151として機能する。これにより、発券口141と返却口151とを別途設けなくてもよいため、受付装置1の小型化を図ることができる。ただし、発券口141と返却口151とは、別の開口部であってもよい。
【0028】
カードストッカ18は、複数のICカード4を収容可能に構成されている。複数のICカード4の各々には、例えば施設200の入退管理システムにより、予め施設200のセキュリティを解除するための権限が付与されている。本開示でいう「施設200のセキュリティを解除するための権限」とは、扉9等のセキュリティゲートを来訪者H1が通過可能となる権限を含む。複数のICカード4の各々は、複数のICカード4の各々を識別可能とする識別情報を有する。
【0029】
発券部14は、ICカード4を搬送する搬送機構を有する。発券部14は、処理部11が来訪者情報を取得したことを条件として、ICカード4を発券口141から発券する。実施形態1の発券部14は、処理部11から出力される発券指示に基づいて、ICカード4を発券口141から発券する。より具体的には、発券部14は、発券指示にて指定された枚数のICカード4を、カードストッカ18から発券口141に搬送することで、ICカード4を発券する。
【0030】
また、実施形態1の発券部14は、搬送途中のICカード4が記憶部13に登録されていないICカード4である場合、搬送途中のICカード4を、例えば回収容器に搬送して回収する。搬送途中のICカード4が記憶部13に登録されているICカード4であるか否かの判断は、処理部11が行う。実施形態1の発券部14は、ICカード4を発券している最中に処理部11から発券中止指示が出力された場合、搬送途中のICカード4を、例えば回収容器に搬送して回収する。これにより、偽造カード等を含むICカード4とは異なるカードがカードストッカ18に混入している場合でも、ICカード4と異なるカードを来訪者H1に発券してしまうことを抑制することができる。
【0031】
回収部15は、ICカード4を搬送する搬送機構を有する。回収部15は、返却口151に投入されたICカード4を回収する。より具体的には、回収部15は、返却口151に投入されたICカード4を、返却口151から例えば回収容器に搬送することで、ICカード4を回収する。受付装置1にてICカード4の回収を行うことができるため、ICカード4の回収装置等を別途設置せずともICカード4の回収を行うことができ、コスト及び設置スペースの削減を図ることができる。
【0032】
また、実施形態1の回収部15は、記憶部13に登録されていないICカード4が返却口151に投入された場合、投入されたICカード4を吐き出す。返却口151に投入されたICカード4が記憶部13に登録されているICカード4であるか否かの判断は、処理部11が行う。実施形態1の回収部15は、記憶部13に登録されていないICカード4が返却口151に投入された場合、処理部11の吐出指示に基づいて、投入されたICカード4を吐き出す。これにより、偽造カード等の受付装置1が発券したICカード4とは別のICカードを回収してしまうことを抑制することができる。
【0033】
読取部19は、ICカード4の識別情報を、例えば非接触で読み取る。読取部19は、発券部14によってカードストッカ18から発券口141に搬送されているICカード4の識別情報を読み取る。読取部19は、発券部14によって発券口141に搬送されているICカード4の識別情報を読み取ると、読み取った識別情報を含む発券時識別情報を処理部11に出力する。なお、読取部19がICカード4の識別情報の読取に失敗した場合、読取部19は、読取失敗を示す情報を、発券時識別情報として処理部11に出力する。
【0034】
また、読取部19は、回収部15によって返却口151から回収容器に搬送されているICカード4の識別情報を読み取る。読取部19は、回収部15によって返却口151から回収容器に搬送されているICカード4の識別情報を読み取ると、読み取った識別情報を含む返却時識別情報を処理部11に出力する。なお、読取部19がICカード4の識別情報の読取に失敗した場合、読取部19は、読取失敗を示す情報を、返却時識別情報として処理部11に出力する。
【0035】
また、受付装置1は、処理部11と、タッチパネルディスプレイ12と、記憶部13と、撮像部16と、を備える。実施形態1では、処理部11、タッチパネルディスプレイ12、記憶部13、及び撮像部16は、第1筐体2に収容されている。また、実施形態1の受付装置1は、パーソナルコンピュータ(PC)等の情報装置と通信可能に構成されている。情報装置は、例えば受付装置1の管理人が用いる管理用端末である。
【0036】
タッチパネルディスプレイ12は、受付装置1の表示部及び操作部として機能する。タッチパネルディスプレイ12は、待受画面D1(
図4参照)等の表示画面D0を表示する。また、タッチパネルディスプレイ12は、来訪者H1等の人の操作を受け付ける。
【0037】
撮像部16は、例えばレンズ等の光学部品と、撮像素子とを有するカメラである。撮像部16は、来訪者H1を撮像して撮像画像G1を生成する。実施形態1では、撮像画像G1は、静止画である。ただし、撮像画像G1は、動画又はコマ送りの画像であってもよい。「撮像画像G1を生成する」とは、画像データを生成することを含む。
【0038】
例えば、撮像部16は、タッチパネルディスプレイ12の操作を行う来訪者H1を撮像可能な位置に設けられる。例えば、撮像部16は、処理部11による制御に基づいて、タッチパネルディスプレイ12の操作を行う来訪者H1を撮像する。なお、実施形態1の撮像部16は、来訪者H1の顔を含む上半身を撮像する。
【0039】
処理部11は、1以上のプロセッサ及びメモリを有するコンピュータシステムを主構成とする。コンピュータシステムのメモリ又は記憶部13に記録されたプログラムを、コンピュータシステムのプロセッサが実行することにより、処理部11の機能が実現される。プログラムは、メモリ又は記憶部13に記録されていてもよいし、インターネット等の電気通信回線を通して提供されてもよく、メモリカード等の非一時的記録媒体に記録されて提供されてもよい。
【0040】
処理部11は、タッチパネルディスプレイ12、記憶部13、発券部14、回収部15、及び撮像部16等の受付装置1の各構成の制御を行う。
【0041】
処理部11は、タッチパネルディスプレイ12を制御し、タッチパネルディスプレイ12に待受画面D1等の表示画面D0を表示させる。また、処理部11は、タッチパネルディスプレイ12に対する来訪者H1等の人の操作入力を受け付ける。
【0042】
図4は、受付装置1が表示する表示画面D0の遷移の流れを示す。ただし、
図4に示す遷移の流れは、一例に過ぎず、遷移の流れは適宜変更されてもよい。例えば、各表示画面D0の表示中にエラーが発生した場合に、エラー画面が表示されてもよい。エラー画面は、エラー内容の情報、エラーの修正方法の案内の情報等を示す表示画面D0である。
【0043】
待受画面D1(
図5参照)は、タッチパネルディスプレイ12に表示される表示画面D0の中で基本となる画面であって、いわゆるホーム画面(又はトップ画面)に相当する。待受画面D1の詳細については、「(2.2)表示画面の詳細」の欄で説明する。
【0044】
待受画面D1に来訪者H1等による所定の操作がなされることで、待受画面D1は、受付画面D2、返却画面D5、又は管理用ホーム画面D7のいずれかに遷移する。
【0045】
受付画面D2(
図6参照)は、来訪者H1に関する情報である来訪者情報の入力を受け付ける表示画面D0である。受付画面D2の詳細については、「(2.2)表示画面の詳細」の欄で説明する。待受画面D1に来訪者H1による所定の操作がなされることで、受付画面D2は、確認画面D3に遷移する。
【0046】
確認画面D3は、来訪者H1が入力した来訪者情報を確認するための表示画面D0である。つまり、確認画面D3は、来訪者H1が入力した来訪者情報を示す。確認画面D3に来訪者H1による所定の操作がなされることで、発券口141からICカード4が発券され、確認画面D3は、受付後画面D4に遷移する。
【0047】
確認画面D3に来訪者H1による所定の操作がなされると、処理部11は、発券部14に対して発券指示を出力する。また、処理部11は、来訪者H1が入力した来訪者情報を取得する。
【0048】
また、処理部11は、ICカード4が発券される際に読取部19から発券時識別情報を取得する。処理部11は、記憶部13に登録されている複数のICカード4のうちに、発券時識別情報に対応するICカード4があるか否かを判断する。
【0049】
発券時識別情報に対応するICカード4が記憶部13に登録されていない場合、処理部11は、発券部14に発券中止指示を出力する。なお、発券時識別情報が読取失敗を示す情報である場合にも、処理部11は、発券部14に発券中止指示を出力する。これにより、管理のできないICカード4を来訪者H1に発券してしまうこと、及び、セキュリティを解除できない可能性の高いICカード4を来訪者H1に発券してしまうことを抑制することができる。これらの効果は、管理人等が来訪者H1にICカード4を直接貸与するような場合と比べて顕著である。
【0050】
一方、発券時識別情報に対応するICカード4が記憶部13に登録されている場合、処理部11は、発券されたICカード4(つまりICカード4の識別情報)と、処理部11によって取得された来訪者情報とを対応付けて記憶部13に記憶させる。
【0051】
さらに、実施形態1の処理部11は、撮像部16にて来訪者H1を撮像した撮像画像G1を、ICカード4の識別情報及び来訪者情報と対応付けて、記憶部13に記憶させる。撮像画像G1は、適宜のタイミングで生成されればよい。例えば、撮像画像G1は、来訪者H1が来訪者情報を入力している最中、来訪者H1が確認画面D3に対して所定の操作を行ったタイミングに生成される。これにより、どのような来訪者H1にICカード4を発券したのかを、より把握しやすいものとすることができる。
【0052】
来訪者情報等と対応付けられて記憶部13に記憶されたICカード4は、ICカード4が返却されるまでの間、貸出中のICカード4として記憶部13に記憶される。
【0053】
受付後画面D4は、ICカード4が発券された後に表示される表示画面D0である。受付後画面D4は、施設200における案内事項を来訪者H1に通知する案内画像を含む。つまり、処理部11は、案内画像を含む表示画面D0を、タッチパネルディスプレイ12に表示させる。例えば、案内事項は、ICカード4の発券後の流れ、施設200又は管理領域202での注意事項、及び管理領域202の地図等を含む。これにより、来訪者H1に対して、施設200における案内事項を通知することができる。
【0054】
返却画面D5は、ICカード4の返却を受け付けるための表示画面D0である。返却画面D5は、例えば、ICカード4の返却方法等の案内事項を来訪者H1に通知する案内画像を示す。ICカード4が返却された後に、返却画面D5に来訪者H1による所定の操作がなされることで、返却画面D5は、返却後画面D6に遷移する。なお、ICカード4が返却されたことを条件として、返却画面D5が自動的に返却後画面D6に遷移されるように設定されてもよい。
【0055】
ICカード4が返却される際に、処理部11は、読取部19から返却時識別情報を取得する。返却時識別情報に対応するICカード4が貸出中のICカード4として記憶部13に記憶されている場合、処理部11は、返却時識別情報に対応するICカード4が返却されたことを示す情報を、記憶部13に記憶させる。これにより、返却時識別情報に対応するICカード4は、返却済みのICカード4として記憶部13に記憶される。一方、返却時識別情報に対応するICカード4が貸出中のICカード4として記憶部13に記憶されていない場合、つまり記憶部13に登録されていないICカード4が返却口151に投入された場合、処理部11は、回収部15に吐出指示を出力する。なお、返却時識別情報が読取失敗を示す情報である場合にも、処理部11は、回収部15に吐出指示を出力する。
【0056】
返却後画面D6は、ICカード4の返却後に表示される表示画面D0である。返却後画面D6は、例えば、ICカード4の返却後の流れ等を説明するための案内事項を来訪者H1に通知する案内画像を含む。例えば案内事項は、ICカード4の返却後の注意事項を含む。
【0057】
管理用ホーム画面D7(
図8参照)は、受付装置1の管理人向けの表示画面D0である。以後の説明においては、管理人向けの表示画面D0のことを、「管理用画面」と呼ぶことがある。つまり、実施形態1の処理部11は、タッチパネルディスプレイ12に管理用画面を表示させる。管理用ホーム画面D7は、タッチパネルディスプレイ12に表示される管理用画面の中で基本となる画面であって、管理用画面の中のいわゆるホーム画面(又はトップ画面)に相当する。管理用ホーム画面D7に管理人による所定の操作がなされることで、管理用ホーム画面D7は、装置設定画面D8、未返却カード画面D9、又は画像設定画面D10のいずれかに遷移する。管理用ホーム画面D7の詳細については、「(2.2)表示画面の詳細」の欄で説明する。
【0058】
装置設定画面D8は、受付装置1の各種設定を行うための管理用画面である。装置設定画面D8では、例えばICカード4の発券時に撮像部16にて来訪者H1を撮像するか否か等の設定をすることができる。
【0059】
未返却カード画面D9(
図9参照)は、未返却であるICカード4に関する情報を表示するための管理用画面である。また、未返却カード画面D9は、ICカード4を未返却の来訪者H1に関する来訪者情報を示す。未返却カード画面D9の詳細については、「(2.2)表示画面の詳細」の欄で説明する。
【0060】
画像設定画面D10は、各種表示画面D0に含まれる案内画像を設定するための管理用画面である。つまり、処理部11は、タッチパネルディスプレイ12に案内画像の設定可能な管理用画面を表示させる。画像設定画面D10では、例えば記憶部13に記憶されている複数種類の案内画像のうちから、各表示画面D0に配置される案内画像を選択又は変更することが可能である。つまり、画像設定画面D10は、各表示画面D0に配置される案内画像の選択又は変更する操作を受け付ける。実施形態1の受付装置1によれば、管理用画面上で案内画像の選択又は変更を行うことができるため、プログラミング等のスキルを有さない管理人であっても容易に案内画像の選択又は変更ができる。
【0061】
記憶部13は、書き込み可能なROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)、又はEEPROM(Electrically Erasable Programmable Read Only Memory)等の半導体メモリである。なお、記憶部13は、半導体メモリに限らず、ハードディスクドライブ等であってもよい。
【0062】
実施形態1の記憶部13は、予め施設200のセキュリティを解除するための権限が付与された複数のICカード4の各々のカード情報を記憶している。カード情報は、ICカード4のカードの種類に関する情報、又はカード番号等の識別情報を含む。なお、本開示における記憶部13に登録されているICカード4とは、記憶部13にカード情報が記憶されているICカード4のことである。また、記憶部13は、発券されたICカード4と、処理部11によって取得された来訪者情報と、撮像部16にて撮像した来訪者H1の撮像画像G1とを対応付けて記憶する。また、記憶部13は、各表示画面D0に配置可能な複数種類の案内画像を記憶している。
【0063】
(2.2)表示画面の詳細
図5を参照して、待受画面D1の詳細について説明する。
図5に示すように、待受画面D1は、第1領域A1と、第2領域A2とを含む。待受画面D1内において、第1領域A1は、第2領域A2の上方に配置される。第1領域A1内には、例えば待受画面D1に対する操作方法等の案内事項を来訪者H1に通知するための案内画像が配置される。第2領域A2内には、受付ボタンB1、返却ボタンB2、及び管理ボタンB3が配置される。
【0064】
受付ボタンB1に対してタッチ操作が行われることで、待受画面D1は受付画面D2に遷移する。返却ボタンB2に対してタッチ操作が行われることで、待受画面D1は返却画面D5に遷移する。管理ボタンB3に対してタッチ操作が行われることで、待受画面D1は管理用ホーム画面D7に遷移する。なお、実施形態1の受付装置1では、管理ボタンB3に対するタッチ操作が行われた後、管理用パスワードが入力されたことを条件として、待受画面D1は管理用ホーム画面D7に遷移する。
【0065】
次に、
図6を参照して、受付画面D2の詳細について説明する。
図6に示すように、受付画面D2は、第3領域A3と、第4領域A4とを含む。受付画面D2内において、第3領域A3は、第4領域A4の上方に配置される。
【0066】
第3領域A3内には、来訪者H1に関する情報である来訪者情報を入力するための操作入力を受け付ける選択欄及び入力欄が配置される。選択欄及び入力欄は、来訪者情報として、「来訪者H1の所属名(又は会社名)」、「来訪者H1の氏名」、「ICカード4の発券枚数」、「来訪者H1の用件」、「来訪者H1の訪問先」、及び「来訪者H1の電話番号」等の入力を受け付ける。なお、ICカード4の発券枚数が複数枚である場合、選択欄及び入力欄に入力された一の来訪者情報と、複数枚のICカード4とが対応付けられて記憶部13に記憶される。
【0067】
また、第3領域A3内には、ボタンB4及びボタンB5が配置される。ボタンB4に対してタッチ操作が行われることで、受付画面D2は確認画面D3に遷移する。ボタンB5に対してタッチ操作が行われることで、受付画面D2は待受画面D1に遷移する。
【0068】
第4領域A4内には、入力欄に来訪者情報を入力するための、ソフトウェアキーボードが配置される。
【0069】
次に、
図7を参照して、受付後画面D4、及び返却後画面D6の詳細について説明する。受付後画面D4及び返却後画面D6は、第5領域A5を含む。第5領域A5内には、各種の案内画像が配置される。例えば受付後画面D4では、ICカード4の発券後の流れ、施設200又は管理領域202での注意事項、又は管理領域202の地図の案内事項を来訪者H1に通知するための案内画像が、第5領域A5内に配置される。また、例えば返却後画面D6では、ICカード4の返却後の流れ等の案内事項を来訪者H1に通知するための案内画像が、第5領域A5内に配置される。
【0070】
次に、
図8を参照して、管理用ホーム画面D7の詳細について説明する。管理用ホーム画面D7は、待受画面D1からの遷移することで、タッチパネルディスプレイ12に表示される。また、管理用ホーム画面D7は、受付装置1に管理用端末が接続されることでタッチパネルディスプレイ12に表示されてもよい。なお、受付装置1に管理用端末が接続される場合、各管理用画面に対する入力操作は、管理用端末が備える又は接続されたタッチパネルディスプレイ、マウス、及びキーボード等の入力装置を用いて行われてもよい。例えば、各管理用画面におけるボタンに対するタッチ操作は、マウスによるクリック操作であってもよい。
【0071】
図8に示すように、管理用ホーム画面D7には、ボタンB6~ボタンB9が配置される。
【0072】
ボタンB6に対してタッチ操作が行われることで、管理用ホーム画面D7は装置設定画面D8に遷移する。また、ボタンB7に対してタッチ操作が行われることで、管理用ホーム画面D7は未返却カード画面D9に遷移する。また、ボタンB8に対してタッチ操作が行われることで、管理用ホーム画面D7は画像設定画面D10に遷移する。また、ボタンB9に対してタッチ操作が行われることで、管理用ホーム画面D7は待受画面D1に遷移する。
【0073】
次に、
図9を参照して、未返却カード画面D9の詳細について説明する。
図9に示すように、未返却カード画面D9は、第6領域A6と、第7領域A7と、第8領域A8とを含む。未返却カード画面D9内において、第6領域A6は、第7領域A7及び第8領域A8の上方に配置される。また、未返却カード画面D9内において、第7領域A7は、第8領域A8の左方に配置される。
【0074】
第6領域A6内には、未返却であるICカード4に対応付けられた来訪者情報が表示される。管理人等は、第6領域A6内に表示される来訪者情報を見ることで、ICカード4を返却していない来訪者H1が誰であるのかを把握することができる。第7領域A7内には、未返却であるICカード4に対応付けられた来訪者H1の撮像画像G1が配置される。管理人等は、第7領域A7内に配置される撮像画像G1を見ることで、ICカード4を返却していない来訪者H1の顔を把握することができる。また、実施形態1の撮像画像G1は、来訪者H1の顔を含む上半身を被写体とした画像である。したがって、管理人等は、撮像画像G1を見ることで、来訪者H1どのような服装をしているのかを把握することができる(つまり、来訪者H1の着衣情報を知ることができる)。これにより、ICカード4を貸与した来訪者H1の特定が容易になるという利点がある。
【0075】
第8領域A8内には、ボタンB10~ボタンB12が配置される。ボタンB10及びボタンB11は、未返却カード画面D9が表示する情報を、未返却である別のICカード4に関する情報に変更するためのボタンである。ボタンB10又はボタンB11に対してタッチ操作が行われることで、未返却である別のICカード4に対応付けられた来訪者情報及び撮像画像G1が未返却カード画面D9に表示される。また、ボタンB12に対してタッチ操作が行われることで、未返却カード画面D9は管理用ホーム画面D7に遷移する。
【0076】
(3)受付装置の動作
次に、
図10を参照して受付装置1が行う受付方法の処理について説明する。
【0077】
受付装置1は、起動すると、待受画面D1を表示する(ステップS1)。次に、受付装置1は、受付画面D2を表示するための所定の操作を受け付けると(ステップS2)、受付画面D2をタッチパネルディスプレイ12に表示する(ステップS3)。
【0078】
次に、受付装置1は、来訪者H1による来訪者情報の操作入力を受け付けると(ステップS4)、来訪者情報を取得する(ステップS5)。例えば、ステップS5の処理において、受付装置1は、撮像部16にて来訪者H1を撮像することで、来訪者H1の撮像画像G1を取得する。
【0079】
次に、受付装置1は、来訪者H1の操作入力に対応する枚数のICカード4を発券し(ステップS6)、発券されたICカード4と、取得した来訪者情報と、来訪者H1の撮像画像G1とを対応付けて記録する(ステップS7)。これにより、
図10に示す一連の処理が完了する。
【0080】
上述のステップS1~ステップS7の処理において、受付装置1は、管理領域202に関する入退管理を行うような入退管理システム等との連携を行っていない。つまり、実施形態1の受付装置1によれば、入退管理システム等との連携を行うことなく、来訪者H1にICカード4を発券することができるため、受付装置1の導入を比較的容易なものとすることができる。
【0081】
なお、
図10に示すフローチャートは、一例に過ぎず、処理の順番が適宜変更されてもよいし、処理が適宜追加又は削除されてもよい。
【0082】
(実施形態2)
実施形態2の受付システム100について、
図11を参照して説明する。受付システム100は、互いに通信可能に構成された受付装置1A(第1受付装置)と、受付装置1B(第2受付装置)とを備える。なお、本開示でいう「通信可能」とは、有線通信又は無線通信の適宜の通信方式により、直接、又はネットワーク若しくは中継器等を介して間接的に、信号を授受できることを意味する。以下の説明では、受付装置1Aと受付装置1Bとを区別しない場合、受付装置1A及び受付装置1Bの各々のことを「受付装置1」と呼ぶことがある。つまり、実施形態2の受付システム100は、互いに通信可能に構成された2つの受付装置1を備える。
【0083】
実施形態2の受付装置1は、実施形態1の受付装置1と同様に、第1筐体2と、第2筐体3と、処理部11と、タッチパネルディスプレイ12と、記憶部13と、発券部14と、回収部15と、撮像部16と、カードストッカ18と、読取部19と、を備える。
【0084】
実施形態2の受付装置1は、通信部17を更に備える。通信部17は、他の受付装置1と通信可能なインタフェースを含む。実施形態2では、受付装置1Aと受付装置1Bとが有線通信を行う場合を例示する。
【0085】
受付装置1Aと受付装置1Bとは、施設200内において、互いに違う場所に配置される。例えば、管理領域202の出入口が2つあるような場合、受付装置1Aは2つの出入口の一方(第1出入口)の外側に配置され、受付装置1Bは2つの出入口の他方(第2出入口の外側に配置される。
【0086】
つまり、実施形態2の受付システム100によれば、管理領域202の出入口が複数あるような場合であっても、入退管理システム等との連携を行うことなく、各出入口にて来訪者H1にICカード4を発券することができる。これにより、受付システム100の導入を比較的容易なものとすることができる。
【0087】
実施形態2の受付システム100では、2つの受付装置1の少なくとも一方の記憶部13は、2つの受付装置1の各々の発券部14から発券されたICカード4(つまりICカード4の識別情報)と、2つの受付装置1の各々の処理部11によって取得された来訪者情報とを対応付けて記憶する。さらに、実施形態2の受付システム100では、2つの受付装置1の少なくとも一方の記憶部13は、2つの受付装置1の各々の発券部14から発券されたICカード4と、2つの受付装置1の各々の処理部11によって取得された来訪者情報と、2つの受付装置1の各々の撮像部16にて生成された撮像画像G1とを対応付けて記憶する。実施形態2では、2つの受付装置1のうちの受付装置1Aが、2つの受付装置1の各々が発券したICカード4と、2つの受付装置1の各々が取得した来訪者情報と、2つの受付装置1の各々が生成した撮像画像G1とを対応付けて記憶する場合を例示する。
【0088】
受付装置1Bは、ICカード4を発券する毎に、発券したICカード4の識別情報と、発券したICカード4に対応付けた来訪者情報及び撮像画像G1とを、受付装置1Aに送信する。受付装置1Aは、受信した識別情報、来訪者情報、及び撮像画像G1を、対応付けて受付装置1Aの記憶部13に記憶する。
【0089】
また、受付装置1Bは、ICカード4を回収する度に、回収したICカード4の識別情報を、受付装置1Aに送信する。受付装置1Aは、受信した識別情報に対応するICカード4が返却されたことを示す情報を、受付装置1Aの記憶部13に記憶する。
【0090】
実施形態2の受付システム100によれば、受付装置1Aの記憶部13に、2つの受付装置1の各々が発券したICカード4と、2つの受付装置1の各々が取得した来訪者情報と、2つの受付装置1の各々が生成した撮像画像G1とが対応付けて記憶される。したがって、管理人等は、受付装置1Aの例えば未返却カード画面D9を確認することで、受付システム100全体での未返却のICカード4の情報を把握することができる。つまり、実施形態2の受付システム100では、受付システム100全体でのICカード4の返却情報等を、専用のサーバ等の情報装置を用いることなく1つの受付装置1にて確認することができる。したがって、実施形態2の受付システム100によれば、導入コストを低減を図ることが可能である。
【0091】
(変形例)
以下、実施形態1及び実施形態2の変形例を列挙する。
【0092】
実施形態2では、2つの受付装置1の一方(受付装置1A)が、2つの受付装置1の各々が発券したICカード4と、2つの受付装置1の各々が取得した来訪者情報と、2つの受付装置1の各々が生成した撮像画像G1とを対応付けて記憶する場合を例示した。しかし、2つの受付装置1の両方が、2つの受付装置1の各々が発券したICカード4と、2つの受付装置1の各々が取得した来訪者情報と、2つの受付装置1の各々が生成した撮像画像G1とを対応付けて記憶するようにしてもよい。
【0093】
実施形態2では、受付システム100が2つの受付装置1を備える場合を例示した。しかし、受付システム100は、3以上の受付装置1を備えていてもよい。また、3以上の受付装置1のうちの少なくとも1つの受付装置1は、3以上の受付装置1の各々が発券したICカード4と、3以上の受付装置1の各々が取得した来訪者情報と、3以上の受付装置1の各々が生成した撮像画像G1とを対応付けて記憶するように構成されていてもよい。
【0094】
実施形態2の受付システム100では、複数の受付装置1には、ICカード4の発券専用の受付装置1及びICカード4の回収専用の受付装置1の少なくとも一方が含まれていてもよい。例えば受付システム100が3つの受付装置1を備える場合、3つの受付装置1は、ICカード4の発券及び回収を行う受付装置1、ICカード4の発券専用の受付装置1、及びICカード4の回収専用の受付装置1であってもよい。
【0095】
(まとめ)
以上述べた実施形態及び変形例から明らかなように、第1の態様に係る受付装置(1)は、タッチパネルディスプレイ(12)と、処理部(11)と、発券部(14)と、記憶部(13)と、第1筐体(2)と、第2筐体(3)と、を備える。処理部(11)は、施設(200)の来訪者(H1)による操作入力を受け付ける受付画面(D2)をタッチパネルディスプレイ(12)に表示させる。処理部(11)は、操作入力に基づいて来訪者(H1)に関する情報を取得する。発券部(14)は、処理部(11)が情報を取得したことを条件として、予め施設(200)のセキュリティを解除するための権限が付与されたICカード(4)を、発券口(141)から発券する。記憶部(13)は、発券されたICカード(4)と、処理部(11)によって取得された情報とを対応付けて記憶する。第1筐体(2)は、タッチパネルディスプレイ(12)と、処理部(11)と、記憶部(13)と、を収容する。第2筐体(3)は、発券部(14)を収容する。
【0096】
この態様によれば、受付装置(1)の導入の容易化を図ることができる。
第2の態様に係る受付装置(1)は、第1の態様において、回収部(15)を更に備える。回収部(15)は、返却口(151)に投入されたICカード(4)を回収する。第2筐体(3)は、回収部(15)を収容する。
【0097】
この態様によれば、コスト及び設置スペースの削減を図ることができる。
【0098】
第3の態様に係る受付装置(1)では、第2の態様において、発券口(141)と返却口(151)とが共通である。
【0099】
この態様によれば、受付装置(1)の小型化を図ることができる。
【0100】
第4の態様に係る受付装置(1)では、第2又は第3の態様において、回収部(15)は、記憶部(13)に登録されていないICカード(4)が返却口(151)に投入された場合、投入されたICカード(4)を吐き出す。
【0101】
この態様によれば、受付装置(1)が発券したICカード(4)とは別のICカードを回収してしまうことを抑制することができる。
【0102】
第5の態様に係る受付装置(1)は、第1~第4のいずれかの態様において、撮像部(16)を更に備える。撮像部(16)は、来訪者(H1)を撮像して撮像画像(G1)を生成する。記憶部(13)は、発券されたICカード(4)と、処理部(11)によって取得された情報と、撮像画像(G1)とを対応付けて記憶する。
【0103】
この態様によれば、どのような来訪者(H1)にICカード(4)を発券したのかを、より把握しやすいものとすることができる。
【0104】
第6の態様に係る受付装置(1)では、第1~第5のいずれかの態様において、処理部(11)は、タッチパネルディスプレイ(12)に管理用画面(未返却カード画面D9)を表示させる。管理用画面は、ICカード(4)を未返却の来訪者(H1)に関する情報を示す。
【0105】
この態様によれば、ICカード(4)を返却していない来訪者(H1)に関する情報を管理人等に通知することができる。
【0106】
第7の態様に係る受付装置(1)では、第1~第6のいずれかの態様において、処理部(11)は、施設(200)における案内事項を来訪者(H1)に通知する案内画像を含む表示画面(D0)を、タッチパネルディスプレイ(12)に表示させる。
【0107】
この態様によれば、来訪者(H1)に対して、施設(200)における案内事項を通知することができる。
【0108】
第8の態様に係る受付装置(1)では、第7の態様において、記憶部(13)は、案内画像を複数種類記憶している。処理部(11)は、タッチパネルディスプレイ(12)に管理用画面(画像設定画面D10)を表示させる。管理用画面は、案内画像を変更する操作を受け付ける。
【0109】
この態様によれば、プログラミング等のスキルを有さない管理人であっても容易に案内画像の選択又は変更ができる。
【0110】
第1の態様以外の構成については、受付装置(1)に必須の構成ではなく、適宜省略可能である。
【0111】
第9の態様に係る受付システム(100)は、通信可能に構成された2つの受付装置(1A、1B)を備える受付システムである。2つの受付装置(1A、1B)の各々は、タッチパネルディスプレイ(12)と、処理部(11)と、発券部(14)と、記憶部(13)と、第1筐体(2)と、第2筐体(3)と、を備える。処理部(11)は、施設(200)の来訪者(H1)による操作入力を受け付ける受付画面(D2)をタッチパネルディスプレイ(12)に表示させる。処理部(11)は、操作入力に基づいて来訪者(H1)に関する情報を取得する。発券部(14)は、処理部(11)が情報を取得したことを条件として、施設(200)のセキュリティを解除するための権限が予め付与されたICカード(4)を、発券口(141)から発券する。第1筐体(2)は、タッチパネルディスプレイ(12)と、処理部(11)と、記憶部(13)と、を収容する。第2筐体(3)は、発券部(14)を収容する。2つの受付装置(1A、1B)の少なくとも一方の記憶部(13)は、2つの受付装置(1A、1B)の各々の発券部(14)から発券されたICカード(4)と、2つの受付装置(1A、1B)の各々の処理部(11)によって取得された情報とを対応付けて記憶する。
【0112】
この態様によれば、受付システム(100)の導入を比較的容易なものとすることができる。
【0113】
第10の態様に係る受付装置(1)は、第9の態様に係る受付システム(100)における2つの受付装置(1A、1B)の少なくとも一方として用いられる受付装置(1)である。受付装置(1)は、タッチパネルディスプレイ(12)と、処理部(11)と、発券部(14)と、記憶部(13)と、第1筐体(2)と、第2筐体(3)と、を備える。
【0114】
この態様によれば、受付システム(100)の導入を比較的容易なものとすることができる。
【符号の説明】
【0115】
1,1A,1B 受付装置
2 第1筐体
200 施設
3 第2筐体
4 ICカード
11 処理部
12 タッチパネルディスプレイ
13 記憶部
14 発券部
141 発券口
15 回収部
151 返却口
16 撮像部
D2 受付画面
D9 未返却カード画面(管理用画面)
D10 画像設定画面(管理用画面)
H1 来訪者