IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 日立造船株式会社の特許一覧

特開2025-154313情報処理装置、情報処理プログラム、情報処理システムおよび情報端末装置
<>
  • 特開-情報処理装置、情報処理プログラム、情報処理システムおよび情報端末装置 図1
  • 特開-情報処理装置、情報処理プログラム、情報処理システムおよび情報端末装置 図2
  • 特開-情報処理装置、情報処理プログラム、情報処理システムおよび情報端末装置 図3
  • 特開-情報処理装置、情報処理プログラム、情報処理システムおよび情報端末装置 図4
  • 特開-情報処理装置、情報処理プログラム、情報処理システムおよび情報端末装置 図5
  • 特開-情報処理装置、情報処理プログラム、情報処理システムおよび情報端末装置 図6
  • 特開-情報処理装置、情報処理プログラム、情報処理システムおよび情報端末装置 図7
  • 特開-情報処理装置、情報処理プログラム、情報処理システムおよび情報端末装置 図8
  • 特開-情報処理装置、情報処理プログラム、情報処理システムおよび情報端末装置 図9
  • 特開-情報処理装置、情報処理プログラム、情報処理システムおよび情報端末装置 図10
  • 特開-情報処理装置、情報処理プログラム、情報処理システムおよび情報端末装置 図11
  • 特開-情報処理装置、情報処理プログラム、情報処理システムおよび情報端末装置 図12
  • 特開-情報処理装置、情報処理プログラム、情報処理システムおよび情報端末装置 図13
  • 特開-情報処理装置、情報処理プログラム、情報処理システムおよび情報端末装置 図14
  • 特開-情報処理装置、情報処理プログラム、情報処理システムおよび情報端末装置 図15
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2025154313
(43)【公開日】2025-10-10
(54)【発明の名称】情報処理装置、情報処理プログラム、情報処理システムおよび情報端末装置
(51)【国際特許分類】
   G06Q 50/26 20240101AFI20251002BHJP
【FI】
G06Q50/26
【審査請求】未請求
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2024057236
(22)【出願日】2024-03-29
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用申請有り ・公開場所 大阪市立築港小学校(大阪府大阪市港区築港1丁目10-38) 公開日 令和5(2023)年10月20日 ・イベント名 ECO縁日 開催場所 花博記念公園鶴見緑地内 花博記念公園鶴見緑地(大阪府大阪市鶴見区緑地公園2-163) 公開日 令和5(2023)年11月11日 ・イベント名 環境ふれあい広場城東 開催場所 城東スギタクレストホール(大阪府大阪市城東区3丁目5番45号) 公開日 令和5(2023)年11月23日 ・インスタグラムのアドレス 以下のURLに示す大阪市児童いきいき放課後事業のインスタグラム(jidouikiiki) https://www.instagram.com/p/C0IkXjUhv1e/ インスタグラムにおける投稿日 令和5(2023)年11月27日 ・公開場所 大阪市立八幡屋小学校(大阪府大阪市港区八幡屋3丁目3-5) 公開日 令和5(2023)年12月6日 ・公開場所 大阪市立池島小学校(大阪府大阪市港区池島2丁目5-47) 公開日 令和6(2024)年2月21日
(71)【出願人】
【識別番号】000005119
【氏名又は名称】カナデビア株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000338
【氏名又は名称】弁理士法人 HARAKENZO WORLD PATENT & TRADEMARK
(72)【発明者】
【氏名】長尾 智佳子
(72)【発明者】
【氏名】山下 誠一郎
(72)【発明者】
【氏名】林 翔太
(72)【発明者】
【氏名】宇志呂 将
(72)【発明者】
【氏名】吉永 京平
【テーマコード(参考)】
5L050
【Fターム(参考)】
5L050CC35
(57)【要約】
【課題】ごみが最終処分場にどのような影響を及ぼすかについてユーザに知得させる。
【解決手段】サーバ(1)は、分別の対象となる対象ごみに対する分別種を受け付ける受付部(111)と、受付部(111)により受け付けられた分別種と対象ごみとの組合せの適否を判定する判定部(112)と、対象ごみの最終処分場における仮想的な処分可能量を含む情報を生成する生成部(113)と、を備える。生成部(113)は、上記の判定毎に、判定された適否に応じた所定量により処分可能量を更新する。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
分別の対象となる対象ごみに対する分別種を受け付ける受付部と、
当該受付部により受け付けられた前記分別種と前記対象ごみとの組合せの適否を判定する判定部と、
前記対象ごみの最終処分場における仮想的な処分可能量を含む情報を生成する生成部と、を備え、
前記生成部は、前記判定毎に、前記適否に応じた所定量により前記処分可能量を更新する、
情報処理装置。
【請求項2】
前記生成部は、前記処分可能量を模した画像を前記情報として生成する、
請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項3】
前記画像は、
前記最終処分場における処理総量を示す、順に配列された複数のマスで構成されるルートと、
前記ルート上に配される、前記処分可能量を示すコマと、を含む、
請求項2に記載の情報処理装置。
【請求項4】
前記生成部は、前記所定量と、前記処分可能量の変更量を含む1または複数の変更情報を記憶する記憶部から抽出された変更情報に含まれる前記変更量とにより前記処分可能量を更新する、
請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項5】
前記変更情報は、さらに、得点の変更量を含み、
前記組合せが適切であると判定された場合に所定の得点を付与し、前記抽出された変更情報に含まれる前記得点の変更量により付与された前記得点を更新する得点計算部をさらに備える、
請求項4に記載の情報処理装置。
【請求項6】
前記判定部は、前記処分可能量が残存していれば前記適否の判定を継続し、前記処分可能量が残存していなければ前記適否の判定を終了する、
請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項7】
前記判定部は、前記分別種を提示する提示者が居住する自治体のごみ分別規定に基づいて前記適否を判定する、
請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項8】
請求項1から7のいずれか1項に記載の情報処理装置としてコンピュータを機能させるための情報処理プログラムであって、各部としてコンピュータを機能させるための情報処理プログラム。
【請求項9】
サーバと、
前記サーバと通信可能に設けられたクライアントと、を備え、
前記サーバまたは前記クライアントのいずれか一方は、請求項1から7のいずれか1項に記載の情報処理装置であり、
前記クライアントは、
前記対象ごみを表示する表示部と、
前記表示部に表示された前記対象ごみに対する前記分別種を特定する操作が行なわれる操作部と、を備え、
前記表示部は、前記操作により特定された前記分別種と前記対象ごみとの組合せの適否に応じた所定量により更新される前記処分可能量の情報を表示する、
情報処理システム。
【請求項10】
分別の対象となる対象ごみを表示する表示部と、
前記表示部に表示された前記対象ごみに対する分別種を特定する操作が行なわれる操作部と、を備え、
前記表示部は、前記操作により特定された前記分別種と前記対象ごみとの組合せの適否に応じた所定量により更新される、前記対象ごみの最終処分場における仮想的な処分可能量の情報を表示する、
情報端末装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ごみの分別に関する情報を処理する情報処理装置等に関する。
【背景技術】
【0002】
ごみの分別を正しく行なうための啓蒙活動の一環として、ゲームを利用して正しい分別方法を広める試みが成されている。例えば、特許文献1には、表示したごみが分別アイテムのいずれに該当するかが指定されると、当該指定の正解・不正解を判定して結果を表示するごみ分別ゲーム装置が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特許第4117278号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
実際のごみ処理において、分別されて回収されたごみは、リサイクルなどで再生される他、可燃ごみや不燃ゴミのように最終処分場へ廃棄される。これに対し、上記のごみ分別ゲーム装置では、分別されて回収されたごみがどのように処理されるかまではゲーム化されていない。このため、上記のごみ分別ゲーム装置でゲームを行なっても、分別されて回収されたごみが最終処分場にどのような影響を及ぼすかについては知得することができない。
【0005】
本発明の一態様は、ごみが最終処分場にどのような影響を及ぼすかについてユーザに知得させることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記の課題を解決するために、本発明の一態様に係る情報処理装置は、分別の対象となる対象ごみに対する分別種を受け付ける受付部と、当該受付部により受け付けられた前記分別種と前記対象ごみとの組合せの適否を判定する判定部と、前記対象ごみの最終処分場における仮想的な処分可能量を含む情報を生成する生成部と、を備え、前記生成部は、前記判定毎に、前記適否に応じた所定量により前記処分可能量を更新する。
【0007】
上記の課題を解決するために、本発明の一態様に係る情報端末装置は、分別の対象となる対象ごみを表示する表示部と、前記表示部に表示された前記対象ごみに対する分別種を特定する操作が行なわれる操作部と、を備え、前記表示部は、前記操作により特定された前記分別種と前記対象ごみとの組合せの適否に応じた所定量により更新される、前記対象ごみの最終処分場における仮想的な処分可能量の情報を表示する。
【発明の効果】
【0008】
本発明の一態様によれば、ごみが最終処分場にどのような影響を及ぼすかについてユーザに知得させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】本発明の実施形態1,2に係るごみ分別ゲームシステムの概略構成を示すブロック図である。
図2】実施形態1に係るごみ分別ゲームシステムの詳細な構成を示すブロック図である。
図3】上記サーバに記憶されるごみデータの内容を示す図である。
図4】上記サーバに記憶される得点・マス数データの内容を示す図である。
図5】上記サーバに記憶されるイベントデータの内容を示す図である。
図6】上記クライアントに表示される出題画面を示す図である。
図7】上記クライアントに表示される正解画面を示す図である。
図8】上記クライアントに正解時に表示される最終処分場画面を示す図である。
図9】上記クライアントに表示される不正解画面を示す図である。
図10】上記クライアントに不正解時に表示される最終処分場画面を示す図である。
図11】上記クライアントに表示されるイベント発生画面を示す図である。
図12】上記クライアントに表示されるイベント結果画面を示す図である。
図13】上記クライアントに表示されるゲーム結果画面を示す図である。
図14】上記ごみ分別ゲームシステムによるごみ分別ゲームの実行時の処理手順を示すフローチャートである。
図15】実施形態2に係るごみ分別ゲームシステムの詳細な構成を示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
〔実施形態1〕
以下、本発明の実施形態1について詳細に説明する。
【0011】
〈ごみ分別ゲームシステムの概略構成〉
図1は、本発明の実施形態1,2に係るごみ分別ゲームシステム101の概略構成を示すブロック図である。
【0012】
図1に示すように、ごみ分別ゲームシステム101(情報処理システム)は、サーバ1(情報処理装置)と、複数のクライアント2(情報端末装置)とを備えている。クライアント2は、LAN(Local Area Network)のようなネットワーク100を介して、サーバ1と相互に通信を行なう。
【0013】
サーバ1は、ごみ分別ゲームを実行するための各種の処理を実行する。クライアント2は、ごみ分別ゲームのプレイヤーがごみ分別ゲームを行なうための操作、およびごみ分別ゲームにおける各ステージで提示される各種の画面を表示する。
【0014】
ごみ分別ゲームは、プレイヤーが、分別の対象として提示されたごみ(対象ごみ)の分別種をクライアント2の操作により決定すると、サーバ1が、決定された分別種の適否を判定し、分別種に応じた得点をプレイヤーに付与する。具体的には、サーバ1は、分別種が正しければ、得点(1点以上の得点)をプレイヤーに付与し、分別種が正しくなければ、0点をプレイヤーに付与する(得点を付与しない)。また、ごみ分別ゲームは、提示された対象ごみが最終処分場で処分される場合、クライアント2が、最終処分場における処分可能量を模した最終処分場画像上で、最終処分場における処分可能量が減少していく様子を表示する。
【0015】
最終処分場画像は、具体的には、最終処分場における処理総量を示す、順に配列された複数のマスで構成されるルートと、当該ルート上に配される、最終処分場の処分可能量を示すコマとで表わされる画像である。最終処分場画像において、ルート上でのコマの現在位置の次のマスからルートの終点のマスまでのマス数が処分可能量を模している。ここで、次のマスが終点のマスである場合、処分可能量を模したマス数は1となる。提示された対象ごみが最終処分場で処分される場合、処分可能量が減少していく様子は、コマが、ルート上の複数のマスを対象ごみに応じたマス数だけ進むことにより、処分可能量が減少していくことで表わされる。
【0016】
例えば、後述する図8を参照すれば、最終処分場画像602は、複数のマス602aが順に配列されて線で結ばれることによりルートが構成され、当該ルート上のマス602aの間で処分可能量を示すコマ602bを移動させる。このように、最終処分場画像602は、コマ602bの位置により処分可能量を表わしている。したがって、最終処分場画像602におけるコマ602bがルート上を進んでいくことにより、処分可能量が減少していくことを直感的に把握することができる。
【0017】
このように、ごみ分別ゲームは、ごみ分別についての理解を深めるとともに、対象ごみが最終処分場にどのような影響を及ぼすかについて、ごみ分別ゲームシステム101のユーザであるプレイヤーに知得させることを目的としている。ごみ分別ゲームについては、後に詳しく説明する。
【0018】
ごみ分別ゲームシステム101は、主に、ごみ焼却場などの自治体の施設において設置されている。特に、クライアント2は、当該施設の見学者や訪問者がごみ分別ゲームを体験するために、見学エリア、展示エリアなどに設置される。あるいは、ごみ分別ゲームシステム101は、サーバ1とクライアント2とが異なる場所に分散して設置されていてもよい。例えば、クライアント2は、上記の見学エリア、展示エリアなどに設置される一方、サーバ1は、自治体の施設とは異なる場所、例えばごみ分別ゲームを管理する管理者が所在する場所に設置されていてもよい。
【0019】
〈サーバの構成〉
図2は、ごみ分別ゲームシステム101の詳細な構成を示すブロック図である。図3は、サーバ1に記憶されるごみデータの内容を示す図である。図5は、サーバ1に記憶される得点・マス数データの内容を示す図である。図5は、サーバ1に記憶されるイベントデータの内容を示す図である。図6図13は、クライアント2に表示される各種の画面を示す図である。図6は、出題画面400を示す図である。図7は、正解画面500を示す図である。図8は、正解時に表示される最終処分場画面600を示す図である。図9は、不正解画面700を示す図である。図10は、不正解時に表示される最終処分場画面600を示す図である。図11は、イベント発生画面800を示す図である。図12は、イベント結果画面900を示す図である。図13は、ゲーム結果画面1000を示す図である。
【0020】
サーバ1は、制御部11と、記憶部12と、通信部13とを有している。通信部13は、ネットワーク100を介してクライアント2との通信を行なう。
【0021】
記憶部12は、ごみ分別ゲームで使用される各種のデータを記憶している。具体的には、記憶部12は、イラストデータと、ごみデータと、特定・マス数データと、イベントデータとを記憶している。ここで、各データについて詳しく説明する。
【0022】
イラストデータは、最終処分場、ごみ箱、一言コメント枠、最終処分場のコマ、プレイヤーなどの各種の画像ファイルを含んでいる。
【0023】
最終処分場は、上述した最終処分場画像のファイルである。ごみ箱は、後述する出題画面(図6参照)に表示される分別種を表わす、ごみ箱の絵と分別種を記述した文言とを含む画像のファイルである。分別種は、対象ごみを分別する種類である。一言コメント枠は、後述する正解画面500(図7参照)および不正解画面700(図9参照)に含まれるコメントをその内側に記載する枠の画像のファイルである。最終処分場のコマは、最終処分場画像上で移動する上述したコマを表わす画像のファイルである。プレイヤーは、後述するイベント結果画面900(図12参照)および後述するゲーム結果画面1000(図13参照)に含まれる人形(ひとがた)を表わす画像のファイルである。
【0024】
図3に示すように、ごみデータは、ごみ名称と、分別種と、一言コメントと、ごみイラストデータとを対応付けている。一言コメントは、上述した一言コメント枠の内側に記載されるコメントであり、対象ごみの廃棄に関する注意事項などである。分別種は、対象ごみを分別する種類である。ごみイラストデータは、対象ごみの絵を含む画像のファイルである。
【0025】
図4に示すように、得点・マス数データは、分別種と、得点と、正解時進行マス数とを対応付けている。得点は、プレイヤーが決定した分別種が正解である場合にプレイヤーに付与される得点であり、分別種に応じた点数が設定されている。正解時進行マス数は、プレイヤーが決定した分別種が正解である場合に、当該分別種で分別される対象ごみが最終処分場で処分されるごみであるときの、当該対象ごみに応じて最終処分場画像上でコマが進むマス数である。正解時進行マス数が0である対象ごみは、最終処分場で処分されないごみである。
【0026】
図5に示すように、イベントデータは、イベント内容と、得点と、マス増減とを対応付けている。イベントは、分別種以外の得点取得およびマス数の変更の要素となる事柄である。イベント内容は、イベントの内容を具体的に表わしている。得点は、イベント内容に応じてプレイヤーに付与される。具体的には、最終処分場の処分可能量がなくなるまでの期間を長引かせる延命化に貢献するイベント内容に対しては加点される。また、最終処分場の延命化や正確な分別に反するイベント内容に対しては減点される。また、ごみ削減とは関係のないイベント内容に対しては0点とされる。
【0027】
マス増減は、正のマス数と、負のマス数と、0のマス数とを含んでいる。正のマス数は、処分可能量の延命化に反するイベント内容に対してコマを現在位置から進行させるマス数である。負のマス数は、最終処分場の延命化に貢献するイベント内容に対して報奨の観点でコマを現在位置から後退させるマス数である。0のマス数は、処分可能量の延命化に影響を与えない(増減させない)マス数である。
【0028】
制御部11は、ゲームプログラムを実行することにより、ごみ分別ゲームをプレイ可能にプレイヤーに提供するように記憶部12および通信部13を制御する。具体的には、制御部11は、後述する受付部111および生成部113により作成された各種の画面のデータをクライアント2に送信するように通信部13を制御する。また、制御部11は、クライアント2から送信されるプレイヤーの操作情報を受信して後述する受付部111および生成部113に与える。
【0029】
制御部11は、受付部111と、判定部112と、生成部113とを有している。受付部111、判定部112および生成部113は、ゲームプログラムが制御部11により実行されることにより実現される機能ブロックの部分である。
【0030】
受付部111は、図示しないタイトル画面をクライアント2に提供する。タイトル画面は、タイトル表示領域と、スタートボタンとを含んでいる。タイトル表示領域は、ゲームのタイトルである「ごみ分別ゲーム」を表示する。スタートボタンには、ゲームを開始させる操作をプレイヤーに促すように「ここを押してスタート」という文言が記述されている。
【0031】
受付部111は、図示しない人数選択画面をクライアント2に提供する。人数選択画面は、問いかけ表示領域と、複数の人数選択ボタンとを含んでいる。問いかけ表示領域には、ゲームのプレイヤーの人数を選択するように促す「何人であそぶ?」という文言が記されている。人数選択ボタンは、それぞれ人数を表わす数字が記されており、一人から五人までの人数を選択できるように5つ設けられている。人数選択ボタンの数は5つに限定されない。
【0032】
受付部111は、図6に示す出題画面400を作成してクライアント2に提供する。受付部111は、記憶部12における、上述したイラストデータに含まれる「ごみ箱」と、図3に示すごみデータの「ごみ名称」に対応する「ごみイラストデータ」に基づいて出題画面400を作成する。
【0033】
出題画面400は、プレイヤー表示領域401と、分別種表示領域402と、対象ごみ表示領域403と、指示表示領域404とを含んでいる。プレイヤー表示領域401は、現在プレイしているプレイヤーを1から5の番号を付記して表わす。分別種表示領域402には、分別種に対応する各種の「ごみ箱」の画像が配置されている。対象ごみ表示領域403には、各種ごみに対応する「ごみイラストデータ」から受付部111により選択された1つについての画像が表示される。指示表示領域404は、対象ごみ表示領域403に表示された対象ごみを、分別種表示領域402におけるいずれかのごみ箱に捨てる操作を行なう指示を表示する。
【0034】
受付部111は、イラストデータから取得した「ごみ箱」の画像ファイルに基づいて、出題画面400における分別種表示領域402に全ての分別種の「ごみ箱」の画像を組み込む。また、受付部111は、ごみデータの「ごみイラストデータ」から無作為に選択して取得した1つに基づいて、出題画面400における対象ごみ表示領域403に対象ごみの画像を組み込む。
【0035】
受付部111は、出題画面400において、プレイヤーによる対象ごみを捨てる操作が行なわれると、対象ごみに対する分別種を受け付ける。当該操作は、例えば、出題画面400上で対象ごみ表示領域403の対象ごみの画像をドラッグして分別種表示領域402におけるごみ箱の画像上にドロップする操作である。あるいは、当該操作は、出題画面400上で対象ごみ表示領域403の対象ごみの画像をタップした後に、分別種表示領域402におけるごみ箱の画像をタップする操作であってもよい。受付部111は、対象ごみと、上記の操作により選択されたごみ箱、すなわち分別種を受け付けて、当該分別種と対象ごみとの組合せを判定部112に与える。
【0036】
なお、受付部111は、出題画面400に予め表示される対象ごみに対して選択された分別種を受け付けるが、分別種の受け付けについては、これに限定されない。例えば、対象ごみおよび分別種がそれぞれリスト形式で選択できる他の出題画面が用意され、受付部111は、当該出題画面上で選択された対象ごみおよび分別種を受け付けて、両者の組合せを判定部112に与えてもよい。つまり、対象ごみはクライアント2から提示されたものであってもよく、プレイヤーにより選択されたものであってもよいが、受付部111は、少なくとも選択された分別種を受け付けることができればよい。
【0037】
判定部112は、受付部111により受け付けられた分別種と、対象ごみとの組合せの適否を、図3に示すごみデータにおける「ごみ名称」と「分別種」との対応関係に基づいて判定する。特に、判定部112は、分別種を提示する提示者が居住する自治体のごみ分別規定に基づいて、分別種と対象ごみとの組合せの適否を判定する。判定部112は、判定した適否(正解または不正解)および正解の分別種を生成部113に通知する。
【0038】
判定部112は、処分可能量が残存していれば適否の判定を継続し、処分可能量が残存していなければ適否の判定を終了する。具体的には、判定部112は、後述する生成部113から処分可能量が残存しているという通知を受けると、適否の判定を継続する一方、生成部113から処分可能量が残存していないという通知を受けると、適否の判定を終了する。
【0039】
生成部113は、判定部112によって上記の判定が行なわれる毎に、判定の結果としての適否に応じた所定量により仮想的な処分可能量を更新する。具体的には、生成部113は、判定の結果が適切である正解の場合、所定量として図4に示す得点・マス数データの「正解時進行マス数」により処分可能量を更新する。また、生成部113は、判定の結果が不適切である不正解の場合、プレイヤーの操作によりマス数を決定して、当該マス数により処分可能量を更新する。
【0040】
プレイヤーの操作によりマス数を決定するのは、ごみ分別ゲームに遊戯性を高めるためである。ごみ分別をテーマにしたゲームは、教育的および啓蒙的な要素が高いため、プレイヤーの操作によりマス数を決定することにより、遊戯性を高めるようにしている。
【0041】
プレイヤーの操作によりマス数を決定させる決定方法としては、例えば、数字がランダムに変化する画面を用いる方法がある。この方法では、当該画面上で、プレイヤーがタップすると数字を変化させ、プレイヤーが再度タップすると数字の変化を停止させて、停止したときの数字をマス数として決定する。あるいは、この方法では、当該画面上で、プレイヤーがタップすると数字を変化させ、所定時間後に数字の変化を停止させて、停止したときの数字をマス数として決定してもよい。
【0042】
あるいは、他の決定方法としては、ソフトウェアにより実現されるサイコロやルーレットを利用する方法がある。具体的には、生成部113は、クライアント2に表示されたサイコロを表示する画面において、プレイヤーがサイコロを振るボタンをタップするとサイコロ画像が回転して止まったときのサイコロ面の数値をマス数として決定する。また、生成部113は、クライアント2に表示された、分割された各領域に数字が記載されたルーレットを表示する画面において、プレイヤーがスピンボタンをタップするとルーレット画像が回転して止まったときの指示位置の領域の数字をマス数として決定する。
【0043】
なお、プレイヤーの操作により決定される最大のマス数は、最終処分場画像602における最大のマス数に応じて適度に処分可能量が減少していくように適宜設定される。例えば、当該最大のマス数が15である場合、プレイヤーの操作により決定されるマス数は最大で3程度に設定される。
【0044】
生成部113は、分別種と対象ごみとの組合せが判定部112によって適切と判定された場合に、判定部112からの正解および正解の分別種の通知を受けると、プレイヤーに当該分別種に応じた所定の得点を付与する。また、生成部113は、当該場合に、図7に示す正解画面500および図8に示す最終処分場画面600を作成してクライアント2に提供する。
【0045】
生成部113は、記憶部12における、上述したイラストデータに含まれる「一言コメント枠」、図3に示すごみデータの「一言コメント」および図4に示す得点・マス数データの「得点」に基づいて正解画面500を作成する。生成部113は、記憶部12における、イラストデータに含まれる「最終処分場」および「最終処分場のコマ」および図4に示す得点・マス数データの「正解時進行マス数」に基づいて最終処分場画面600を作成する。
【0046】
正解画面500は、正解表示領域501と、得点表示領域502と、コメント表示領域503とを含んでいる。正解表示領域501は、プレイヤーが対象ごみを捨てる操作により選択した分別種が正解であることを「正解!!」という文言で示している。得点表示領域502には、獲得した得点が表示される。コメント表示領域503には、対象ごみについてのコメントがある場合、当該コメントが表示される。
【0047】
生成部113は、正解の分別種に対応した得点を得点・マス数データから取得して正解画面500における得点表示領域502に組み込む。また、生成部113は、イラストデータから取得した「一言コメント枠」の枠の画像ファイルと、ごみデータから取得した「一言コメント」とに基づいて、正解画面500におけるコメント表示領域503に、枠で囲まれたコメントを組み込む。
【0048】
最終処分場画面600は、コメント表示領域601と、上述した最終処分場画像602とを含んでいる。コメント表示領域601は、正解の分別種に対応したコメントを表示する。例えば、正解についての最終処分場画面600は分別種毎に用意されている。それぞれの最終処分場画面600におけるコメント表示領域601には、分別種に応じたコメントとして、最終処分場で処分されるか否か、コマを進めるか否かといったコメントが予め記載されている。
【0049】
最終処分場画像602は、上述したように、ルートを構成する複数のマス602aおよび当該ルート上を移動するコマ602bを有している。また、最終処分場画像602において、コマ602bが始点のマス602aSにあるとき、最終処分場における仮想的な処分可能量は最も多いことを表わし、コマ602bが終点のマス602aEにあるとき、最終処分場の処分可能量は0であること(残存していないこと)を表わす。
【0050】
生成部113は、イラストデータから取得した「最終処分場」および「最終処分場のコマ」の画像ファイルに基づいて、最終処分場画面600における最終処分場画像602を描画する。また、生成部113は、得点・マス数データから取得した「正解時進行マス数」に基づいて、最終処分場画像602における位置を変更するようにコマ602bを描画する。
【0051】
生成部113は、分別種と対象ごみとの組合せが判定部112によって不適切と判定された場合に、判定部112からの不正解および正解の分別種の通知を受けると、プレイヤーに得点を付与しない。また、生成部113は、当該場合に、図9に示す不正解画面700および図10に示す最終処分場画面600を作成してクライアント2に提供する。
【0052】
生成部113は、記憶部12における、上述したイラストデータに含まれる「一言コメント枠」および図3に示すごみデータの「一言コメント」に基づいて不正解画面700を作成する。生成部113は、記憶部12における、イラストデータに含まれる「最終処分場」ならびに「最終処分場のコマ」、およびプレイヤーの操作により決定されたマス数に基づいて最終処分場画面600を作成する。
【0053】
不正解画面700は、不正解表示領域701と、正解分別種表示領域702と、コメント表示領域703とを含んでいる。不正解表示領域701は、プレイヤーが対象ごみを捨てる操作により選択した分別種が不正解であることを「残念!」という文言で示している。正解分別種表示領域702には、正解の分別種が表示される。コメント表示領域703には、対象ごみについてのコメントがある場合、当該コメントが表示される。
【0054】
最終処分場画面600において、コメント表示領域601は、不正解の場合の定型のコメントを表示する。当該コメントとしては、例えば、分別の誤りが最終処分場に与える影響、プレイヤーの操作により決定されたマス数、例えばサイコロの出目だけコマ602bを進めることなどが含まれる。例えば、不正解についての最終処分場画面600は、コメント表示領域601に上記の定型コメントを含むものが1つ用意されている。
【0055】
生成部113は、判定部112から通知された正解の分別種を不正解画面700における正解分別種表示領域702に組み込む。また、生成部113は、イラストデータから取得した「一言コメント枠」の枠の画像ファイルと、ごみデータから取得した「一言コメント」とに基づいて、不正解画面700におけるコメント表示領域703に、枠で囲まれたコメントを組み込む。
【0056】
生成部113は、イラストデータから取得した「最終処分場」および「最終処分場のコマ」の画像ファイルに基づいて、最終処分場画面600における最終処分場画像602を描画する。また、生成部113は、プレイヤーの操作により決定されたマス数に基づいて、最終処分場画像602における位置を変更するようにコマ602bを描画する。
【0057】
生成部113(得点計算部)は、分別種の正解および不正解に関わらず、さらに、分別種以外の得点取得およびマス数の変更の要素として、図5に示すイベントデータ(変更情報)の「イベント内容」に基づいてイベントを発生する。生成部113は、イベントの発生に伴って、図11に示すイベント発生画面800を作成してクライアント2に提供する。また、生成部113は、発生したイベントに対応する、イベントデータの「得点」(得点の変更量)に基づいて、得点を更新する。また、生成部113は、発生したイベントに対応する、イベントデータの「マス増減」(変更量)に基づいて、処分可能量を更新する。
【0058】
イベント発生画面800は、イベント発生コメント表示領域801と、イベント表示領域802とを含んでいる。イベント発生コメント表示領域801には、イベント発生を意味する文言として、例えば「今日はどんな日だったかな?」という定型の文言が表示される。イベント表示領域802には、イベントの内容が表示されるとともに、最終処分場画像602におけるコマ602bの位置の変更量が表示される。
【0059】
生成部113は、「イベント内容」と、当該「イベント内容」に対応した「マス増減」とを得点・マス数データから取得してイベント発生画面800におけるイベント表示領域802に組み込む。
【0060】
生成部113は、イベントの発生の結果として、図12に示すイベント結果画面900を作成してクライアント2に提供する。生成部113は、記憶部12における、上述したイラストデータの「プレイヤー」、および最終処分場画像602における現状のコマ602bの位置に基づいてイベント結果画面900を作成する。
【0061】
イベント結果画面900は、得点表示領域901と、最終処分場表示領域902とを含んでいる。得点表示領域901は、全てのプレイヤーについての得点を表示する。最終処分場表示領域902は、「現在の最終処分場」という文言および残りのマス数と併せて、最終処分場画像602を表示する。
【0062】
生成部113は、イラストデータから取得した、プレイヤー毎の「プレイヤー」の画像ファイルと、レジスタなどに一時的に積算して記憶しているプレイヤー毎の総得点数とに基づいて、イベント結果画面900における得点表示領域901にプレイヤー毎の半身画像および総得点数を組み込む。また、生成部113は、最新の最終処分場画面600における最終処分場画像602のデータに基づいて、イベント結果画面900における最終処分場表示領域902に、最終処分場画像602および残りのマス数を組み込む。
【0063】
生成部113は、残りのマス数を、最終処分場画像602におけるコマ602bの現在の位置に基づいて算出する。具体的には、生成部113は、始点のマス602aSから現在のコマ602bの位置まで進んだマス数を、最終処分場画像602における全マス数から減算することにより残りのマス数を算出する。
【0064】
生成部113は、上記の残りのマス数が0に達していなければ、処分可能量が残存していることを判定部112に通知する。また、生成部113は、上記の残りのマス数が0に達していれば、処分可能量が残存していないことを判定部112に通知する。
【0065】
生成部113は、上記の残りのマス数が0に達していれば、ゲームが終了したと判定して、図13に示すゲーム結果画面1000を作成してクライアント2に提供する。生成部113は、記憶部12における、上述したイラストデータの「プレイヤー」に基づいてゲーム結果画面1000を作成する。
【0066】
ゲーム結果画面1000は、最終得点表示領域1001と、勝利プレイヤー表示領域1002とを含んでいる。最終得点表示領域1001には、全てのプレイヤーについての最終得点が表示される。勝利プレイヤー表示領域1002は、勝利したプレイヤーが表示される。
【0067】
生成部113は、イラストデータから取得した、プレイヤー毎の「プレイヤー」の画像ファイルと、レジスタなどに一時的に積算して記憶しているプレイヤー毎の総得点数とに基づいて、ゲーム結果画面1000における最終得点表示領域1001にプレイヤー毎の半身画像および最終特定を組み込む。また、生成部113は、ゲーム結果画面1000における最終得点表示領域1001に最終得点の最も多いプレイヤーを組み込む。
【0068】
〈クライアントの構成〉
図2に示すように、クライアント2は、表示部21と、操作部22と、制御部23と、通信部24とを備えている。通信部13は、ネットワーク100を介してサーバ1との通信を行なう。
【0069】
表示部21は、サーバ1から提供される上述した各種の画面を表示する。表示部21が表示する画面には、対象ごみを含む出題画面400と、処分可能量の情報を含む最終処分場画面600とが含まれる。また、最終処分場画面600は、上述したように、対象ごみの最終処分場における仮想的な処分可能量の情報を最終処分場画像602として含んでいる。当該情報は、出題画面400に対するプレイヤーの操作部22を用いた操作により特定された分別種と対象ごみとの組合せが判定部112によって判定された適否に応じたマス数により更新される。
【0070】
操作部22は、上記の各種の画面のうち、プレイヤーの操作を必要とする画面、例えば、タイトル画面、人数選択画面および出題画面400に対する操作を受け付ける。特に、操作部22は、出題画面400に対する分別種を特定する操作が行なわれる。操作部22としては、タイトル画面、人数選択画面および出題画面400における操作が可能となるように、表示部21の表示面に重ねられるタッチパネルが好適に設けられる。
【0071】
制御部23は、表示部21、操作部22および通信部24を制御する。具体的には、制御部23は、操作部22によるプレイヤーの操作内容を操作情報としてサーバ1に送信するように通信部24を制御する。また、制御部23は、サーバ1から送信される各種の画面のデータを受信して表示部21に表示させる。
【0072】
制御部23は、サーバ1から取得したタイトル画面のデータに基づいて、タイトル画面を常時表示するように表示部21を制御する。これにより、ごみ分別ゲームシステム101が設置される施設の見学者等が、特別な操作を行なうことなく、すぐにゲームを行なうことができる。
【0073】
〈ごみ分別ゲームの実行〉
図14は、ごみ分別ゲームシステム101によるごみ分別ゲームの実行時の処理手順を示すフローチャートである。
【0074】
図14に示すように、まず、クライアント2において、表示部21は、サーバ1から提供されたデータに基づいて、タイトル画面と人数選択画面とを順次表示する(ステップS1)。
【0075】
まず、プレイヤーは、表示部21に表示されたタイトル画面において、スタートボタンを押す。これに応じて、操作部22は、スタートボタンが押されたという操作情報を出力する。クライアント2の制御部23は、通信部24に上記の操作情報をサーバ1へ送信させる。サーバ1は、当該操作情報を受信すると、通信部13に、制御部11の受付部111により作成された人数選択画面のデータをクライアント2へ送信させる。クライアント2は、当該データを受信すると、当該データに基づいて表示部21に人数選択画面を表示させる。
【0076】
次いで、制御部23は、人数選択画面においてプレイ人数が選択されたか否かを判定する(ステップS2)。制御部23は、ステップS2においてプレイ人数が選択されていないと判定すると(NO)、プレイ人数の選択を待機する。また、ステップS2において、制御部23によりプレイ人数が選択されたと判定されると(YES)、表示部21は、出題画面400を表示する(ステップS3)。
【0077】
選択されたプレイ人数がクライアント2からサーバ1に通知されると、サーバ1は、通信部13に、受付部111により作成された出題画面400のデータをクライアント2へ送信させる。クライアント2は、当該データを受信すると、当該データに基づいて表示部21に出題画面400を表示させる。これにより、プレイヤーに対してごみ分別の出題が行なわれる。
【0078】
プレイヤーが、出題画面400の対象ごみ表示領域403に表示される対象ごみを分別種表示領域402における1つのごみ箱に捨てる操作を行なう。この操作の操作情報がクライアント2からサーバ1に送信されると、サーバ1の判定部112は、プレイヤーにより選択された分別種が適切であるか否かを判定する(ステップS4)。
【0079】
ステップS4において、プレイヤーにより選択された分別種が判定部112により適切(正解)であると判定されると(YES)、クライアント2の表示部21は、正解画面500を表示する(ステップS5)。サーバ1の生成部113は、判定部112による上記の判定を受けて正解画面500のデータを作成する。サーバ1は、通信部13に、当該データをクライアント2へ送信させる。クライアント2は、当該データを受信すると、当該データに基づいて表示部21に正解画面500を表示させる。
【0080】
続いて、表示部21は、サーバ1の生成部113から提供されたデータに基づいて、最終処分場画面600を表示する。最終処分場画面600においては、生成部113により、最終処分場画像602上のコマ602bを、得点・マス数データの「正解時進行マス数」に基づいて、正解時のマス数進める(ステップS6)。ただし、マス数が0である場合はコマ602bを進めない。
【0081】
さらに、表示部21は、サーバ1の生成部113から提供されたデータに基づいて、イベント発生画面800を表示する(ステップS7)。引き続き、表示部21は、サーバ1の生成部113から提供されたデータに基づいて、イベント結果画面900を表示する(ステップS8)。イベント結果画面900においては、生成部113により、最終処分場画像602上のコマ602bを、イベントデータの「マス増減」に基づいたマス数進める。ここで、生成部113は、マス数が正の値である場合はコマ602bを進め、マス数が0である場合はコマ602bを現在位置に留め、マス数が負の値である場合はコマ602bを後退させる。
【0082】
そして、サーバ1の生成部113は、イベント結果画面900における最終処分場画像602上でコマ602bが終点のマス602aEに達したか否かを判定する(ステップS9)。ステップS9において、生成部113は、コマ602bが終点のマス602aEに達したと判定すると(YES)、ゲーム結果画面1000のデータをクライアント2へ提供する。表示部21は、当該データに基づいてゲーム結果画面1000を表示して(ステップS10)、処理を終えて、ごみ分別ゲームを終了する。
【0083】
なお、コマ602bを進める前の位置から終点のマス602aEまでの残りのマス数よりも多いマス数でコマ602bを進めることになっても、生成部113により、コマ602bが終点のマス602aEに達したと判定して、ごみ分別ゲームを終了してよい。例えば、コマ602bを、終点のマス602aEの1つ手前のマス602aから2つのマス数で進める場合、終点のマス602aEに達するまでのマス数が1つ多い。このような場合、生成部113は、コマ602bが終点のマス602aEに達したと見なす。
【0084】
また、ステップS6,S12においてコマ602bをマス数進めた結果、コマ602bが終点のマス602aEに達しても、ステップS8においてイベント内容に応じてコマ602bを後退させる場合がある。このような場合、生成部113は、ステップS6,S12においてコマ602bを終点のマス602aEに一旦進めておく。そして、生成部113は、イベント内容に応じたマス数が0または正の値であるときに、コマ602bが終点のマス602aEに達したと判定する。また、生成部113は、当該マス数が負の値であるときに、コマ602bが終点のマス602aEに達していないと判定し、コマ602bを後退させる。この場合は、処理がステップS13に移行して、ごみ分別ゲームが継続される。
【0085】
また、ステップS4において、プレイヤーにより選択された分別種が判定部112により不適切(不正解)であると判定されると(NO)、クライアント2の表示部21は、サーバ1の生成部113により作成されたデータに基づいて不正解画面700を表示する(ステップS11)。続いて、表示部21は、サーバ1の生成部113から提供されたデータに基づいて、最終処分場画面600を表示する。最終処分場画面600においては、生成部113により、最終処分場画像602上のコマ602bを、プレイヤーの操作により決定されたマス数進めて(ステップS12)、処理をステップS7に移行させる。
【0086】
また、ステップS9において、ステップS9において、生成部113は、コマ602bが終点のマス602aEに達していないと判定すると(NO)、プレイヤーのターン数(現在プレイしているプレイヤーのプレイヤー番号)から次のプレイヤーを判定して(ステップS13)、処理をステップS3に移行させる。これにより、最終処分場画像602上でコマ602bが終点のマス602aEに達していなければ、プレイヤーを交代してゲームが続行される。
【0087】
〈ごみ分別ゲームシステムの効果〉
上記のように、本実施形態にごみ分別ゲームシステム101において、サーバ1は、受付部111と、判定部112と、生成部113とを備えている。受付部111は、対象ごみに対する分別種を受け付ける。判定部112は、受付部111により受け付けられた分別種と対象ごみとの組合せの適否を判定する。生成部113は、対象ごみの最終処分場における仮想的な処分可能量を含む情報を最終処分場画像602として生成し、判定された適否に応じた所定量としてのマス数により処分可能量を更新する。
【0088】
上記構成によれば、対象ごみと分別種との組合せの適否に応じて最終処分場の処分可能量が変わることを、最終処分場画像602上でコマ602bにより得ることができる。これにより、対象ごみの分別の適否を得ることができるだけでなく、その適否に応じて最終処分場の処分可能量にどのような影響を及ぼすかを得ることができる。したがって、対象ごみの分別についての認識をより高めることができる。
【0089】
また、生成部113は、処分可能量を模した最終処分場画像602を対象ごみの最終処分場における仮想的な処分可能量を含む情報として生成するので、処分可能量が画像により可視化される。これにより、処分可能量を容易に理解することができる。しかも、最終処分場画像602は、最終処分場における処理総量を示す、順に配列された複数のマス602aで構成されるルートと、当該ルート上に配される、処分可能量を示すコマ602bとを含んでいる。これにより、処分可能量がすごろくの盤のように表される。それゆえ、判定部112による組合せの判定に基づく処分可能量の更新に遊戯性を持たせることができる。
【0090】
記憶部12は、1または複数のイベントデータを変更情報として記憶している。イベントデータは、処分可能量の変更量を「マス増減」として含んでいる。生成部113は、所定量すなわちマス数と、記憶部12から抽出された「マス増減」とにより処分可能量を更新する。
【0091】
これにより、対象ごみと分別種との組合せの適否だけでなく、変更量に応じて最終処分場の処分可能量を変えることができる。ごみ分別の適否による得点を複数のプレイヤーで争うのみでは、対象ごみの分別方法の知識差によって勝敗が決まる可能性が高くなる。これに対し、イベントデータに基づいて処分可能量を更新することにより、処分可能量の更新がごみ分別の知識差に依存する可能性を低減することができる。それゆえ、分別方法の知識差によって勝敗が決まることを緩和することができる。また、分別以外で最終処分場の延命化に効果がある事項をイベントによりプレイヤーに知得させることができる。
【0092】
イベントデータは、さらに、得点の変更量を含んでいる。生成部113は、対象ごみと分別種との組合せが適切であると判定された場合に所定の得点を付与し、抽出されたイベントデータに含まれる得点の変更量により付与された得点を更新する。このように、得点を付与することにより、対象ごみと分別種とを組み合わせることにゲーム性を持たせることができる。
【0093】
判定部112は、処分可能量が残存していれば適否の判定を継続し、処分可能量が残存していなければ適否の判定を終了する。これにより、処分可能量が残存しなくなったことでゲームを終了させることができる。
【0094】
判定部112は、分別種を提示する提示者が居住する自治体のごみ分別規定に基づいて適否を判定してもよい。これにより、組合せの適否の判定結果に基づいて、提示者に自身が居住する自治体のごみ分別規定を認識させることができる。
【0095】
クライアント2は、分別の対象となる対象ごみを表示する表示部21と、表示部21に表示された出題画面400における対象ごみに対する分別種を特定する操作が行なわれる操作部22とを備えている。表示部21は、操作部22の操作により特定された分別種と対象ごみとの組合せの適否に応じた所定量により更新される、対象ごみの最終処分場における仮想的な処分可能量の情報を表示する。これにより、クライアント2を所望の場所に設置して、当該場所において処分可能量の情報を表示することができる。
【0096】
〔実施形態2〕
本発明の実施形態2について、以下に説明する。なお、説明の便宜上、上述した実施形態1にて説明した構成要素と同じ機能を有する構成要素については、同じ符号を付記し、その説明を繰り返さない。
【0097】
図15は、本発明の実施形態2に係るごみ分別ゲームシステム102の詳細な構成を示すブロック図である。
【0098】
図1に示すように、ごみ分別ゲームシステム102(情報処理システム)は、サーバ1Aと、複数のクライアント2A(情報処理装置,情報端末装置)とを備えている。クライアント2Aは、ネットワーク100を介して、サーバ1Aと相互に通信を行なう。
【0099】
クライアント2Aは、ごみ分別ゲームを実行するための各種の処理を実行するとともに、ごみ分別ゲームのプレイヤーがごみ分別ゲームを行なうための操作、およびごみ分別ゲームにおける各ステージで提示される各種の画面を表示する。サーバ1Aは、クライアント2Aが上記の処理を実行するために必要なイラストデータ、ごみデータ、得点・マス数データおよびイベントデータを記憶し、管理する。
【0100】
図15に示すように、サーバ1Aは、記憶部12と、通信部13と、データ管理部14とを有している。データ管理部14は、記憶部12におけるイラストデータ、ごみデータ、得点・マス数データおよびイベントデータに対するクライアント2Aからのアクセスを受け付ける。
【0101】
クライアント2Aは、表示部21と、操作部22と、通信部24と、制御部25とを有している。制御部25は、受付部251と、判定部252と、生成部253とを有している。受付部251、判定部252および生成部253は、それぞれ、実施形態1におけるサーバ1の受付部111、判定部112および生成部113と同等の機能を備えている。受付部251は、サーバ1Aの記憶部12にアクセスして、上述した出題画面400を作成するために、イラストデータおよびごみデータを参照する。生成部253は、記憶部12にアクセスして、正解画面500、最終処分場画面600、不正解画面700、イベント発生画面800、イベント結果画面900およびゲーム結果画面1000を作成するために、イラストデータ、ごみデータ、得点・マス数データおよびイベントデータを参照する。
【0102】
上記のように構成されるごみ分別ゲームシステム102は、クライアント2Aが各種の画面を作成して表示する機能を備えている。このような構成によっても、ごみ分別ゲームを実施することができる。
【0103】
〔SDGsへの貢献〕
上述の実施形態1,2の構成によれば、ごみ分別だけでなく、ごみ分別が最終処分場に及ぼす影響についてのゲーム体験者の意識を高めることが可能になる。したがって、持続可能な開発目標(SDGs)の目標11「住み続けられるまちづくりを(住宅、環境、輸送等)」の達成に貢献できる。
【0104】
〔ソフトウェアによる実現例〕
サーバ1およびクライアント2A(以下、「装置」と呼ぶ)の機能は、当該装置としてコンピュータを機能させるためのプログラム(情報処理プログラム)により実現することができる。当該プログラムは、当該装置の各制御ブロック(特にサーバ1の制御部11およびクライアント2Aの制御部25)としてコンピュータを機能させるためのプログラムである。
【0105】
この場合、上記装置は、上記プログラムを実行するためのハードウェアとして、少なくとも1つの制御装置(例えばプロセッサ)と少なくとも1つの記憶装置(例えばメモリ)を有するコンピュータを備えている。この制御装置と記憶装置により上記プログラムを実行することにより、上記実施形態で説明した各機能が実現される。
【0106】
上記プログラムは、一時的ではなく、コンピュータ読み取り可能な、1または複数の記録媒体に記録されていてもよい。この記録媒体は、上記装置が備えていてもよいし、備えていなくてもよい。後者の場合、上記プログラムは、有線または無線の任意の伝送媒体を介して上記装置に供給されてもよい。
【0107】
なお、上記プログラムがクラウドサーバ上に存在しており、上述した見学エリア、展示エリアなどに設けられた操作端末を操作することにより、上記プログラムを動作させてごみ分別ゲームを実行できるようにしてもよい。また、スマートフォンなどの携帯端末機器にクラウドサーバ上の上記プログラムをダウンロードすることにより、当該携帯端末機器を、ごみ分別ゲームを実行できる端末装置として機能させるようにしてもよい。
【0108】
〔まとめ〕
本発明の態様1に係る情報処理装置は、分別の対象となる対象ごみに対する分別種を受け付ける受付部と、当該受付部により受け付けられた前記分別種と前記対象ごみとの組合せの適否を判定する判定部と、前記対象ごみの最終処分場における仮想的な処分可能量を含む情報を生成する生成部と、を備え、前記生成部が、前記判定毎に、前記適否に応じた所定量により前記処分可能量を更新する。
【0109】
上記構成によれば、対象ごみと分別種との組合せの適否に応じて最終処分場の処分可能量が変わることを得ることができる。これにより、対象ごみの分別の適否を得ることができるだけでなく、その適否に応じて最終処分場の処分可能量にどのような影響を及ぼすかを得ることができる。したがって、対象ごみの分別についての認識をより高めることができる。よって、ごみが最終処分場にどのような影響を及ぼすかについてユーザに知得させることができるという効果を奏する。
【0110】
本発明の態様2に係る情報処理装置は、上記態様1において、前記生成部は、前記処分可能量を模した画像を前記情報として生成してもよい。
【0111】
上記構成によれば、処分可能量が画像により可視化されるので、処分可能量を容易に理解することができる。
【0112】
本発明の態様3に係る情報処理装置は、上記態様2において、前記画像が、前記最終処分場における処理総量を示す、順に配列された複数のマスで構成されるルートと、前記ルート上に配される、前記処分可能量を示すコマとを含んでいてもよい。
【0113】
上記構成によれば、処分可能量がすごろくの盤のように表されるので、組合せの判定に基づく処分可能量の更新に遊戯性を持たせることができる。
【0114】
本発明の態様4に係る情報処理装置は、上記態様1において、前記生成部が、前記所定量と、前記処分可能量の変更量を含む1または複数の変更情報を記憶する記憶部から抽出された変更情報に含まれる前記変更量とにより前記処分可能量を更新してもよい。
【0115】
上記構成によれば、対象ごみと分別種との組合せの適否だけでなく、変更量に応じて最終処分場の処分可能量を変えることができる。これにより、情報処理装置をゲームとして複数の参加者で利用する場合、変更情報の変更量を処分可能量の更新に用いることで、処分可能量の更新がごみ分別方法の知識差に依存する可能性を低減することができる。それゆえ、対象ごみの分別方法の知識差によって勝敗が決まることを緩和することができる。
【0116】
本発明の態様5に係る情報処理装置は、上記態様4において、前記変更情報が、さらに、得点の変更量を含み、前記組合せが適切であると判定された場合に所定の得点を付与し、前記抽出された変更情報に含まれる前記得点の変更量により付与された前記得点を更新する得点計算部をさらに備えていてもよい。
【0117】
上記構成では、得点の付与により、対象ごみと分別種とを組み合わせることにゲーム性を持たせることができる。
【0118】
本発明の態様6に係る情報処理装置は、上記態様1において、前記判定部が、前記処分可能量が残存していれば前記適否の判定を継続し、前記処分可能量が残存していなければ前記適否の判定を終了してもよい。
【0119】
上記構成によれば、情報処理装置をゲームとして利用する場合、処分可能量が残存しなくなったことでゲームを終了させることができる。
【0120】
本発明の態様7に係る情報処理装置は、上記態様1において、前記判定部は、前記分別種を提示する提示者が居住する自治体のごみ分別規定に基づいて前記適否を判定してもよい。
【0121】
上記構成によれば、組合せの適否の判定結果に基づいて、提示者に自身が居住する自治体のごみ分別規定を認識させることができる。
【0122】
本発明の態様8に係る情報処理プログラムは、上記態様1から7のいずれかの情報処理装置としてコンピュータを機能させるための情報処理プログラムであって、各部としてコンピュータを機能させる。
【0123】
本発明の態様9に係る情報処理システムは、サーバと、前記サーバと通信可能に設けられたクライアントと、を備え、前記サーバまたは前記クライアントのいずれか一方が、請求項1から7のいずれか1項に記載の情報処理装置であり、前記クライアントが、前記対象ごみを表示する表示部と、前記表示部に表示された前記対象ごみに対する前記分別種を特定する操作が行なわれる操作部と、を備え、前記表示部は、前記操作により特定された前記分別種と前記対象ごみとの組合せの適否に応じた所定量により更新される前記処分可能量の情報を表示する。
【0124】
本発明の態様10に係る情報端末装置は、分別の対象となる対象ごみを表示する表示部と、前記表示部に表示された前記対象ごみに対する分別種を特定する操作が行なわれる操作部と、を備え、前記表示部が、前記操作により特定された前記分別種と前記対象ごみとの組合せの適否に応じた所定量により更新される、前記対象ごみの最終処分場における仮想的な処分可能量の情報を表示する。
【0125】
上記構成によれば、情報端末装置を所望の場所に設置して、当該場所において処分可能量の情報を表示することができる。
【0126】
〔付記事項〕
本発明は上述した各実施形態に限定されるものではなく、請求項に示した範囲で種々の変更が可能である。また、本発明は、各実施形態にそれぞれ開示された技術的手段を適宜組み合わせて得られる構成についても本発明の技術的範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0127】
1 サーバ(情報処理装置)
2 クライアント(情報端末装置)
2A クライアント(情報処理装置,情報端末装置)
21 表示部
22 操作部
101,102 ごみ分別ゲームシステム(情報処理システム)
111,251 受付部
112,252 判定部
113,253 生成部(得点計算部)
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15