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特開2025-154410おしゃぶり器、及びおしゃぶりシステム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2025154410
(43)【公開日】2025-10-10
(54)【発明の名称】おしゃぶり器、及びおしゃぶりシステム
(51)【国際特許分類】
   A61J 17/00 20060101AFI20251002BHJP
【FI】
A61J17/00 C
【審査請求】未請求
【請求項の数】8
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2024057396
(22)【出願日】2024-03-29
(71)【出願人】
【識別番号】524124086
【氏名又は名称】北道電設株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100134072
【弁理士】
【氏名又は名称】白浜 秀二
(72)【発明者】
【氏名】齊藤 法弥
【テーマコード(参考)】
4C047
【Fターム(参考)】
4C047PP34
4C047PP40
(57)【要約】
【課題】乳幼児等の顎から直接的に、リラックスできる体内音を伝えることができるおしゃぶり器を得ることを目的とする。
【解決手段】乳首部102を本体部101に有するおしゃぶり器100は、乳首部102の内側に配置された顎振動伝達部111と、リラックス体内音を生成するリラックス体内音生成部108と、リラックス体内音に基づき振動を発生させ、顎振動伝達部111に伝える振動発生部110とを備え、リラックス体内音生成部108は、母体が発生する体内音をリラックス体内音として取得する取得部135と、これを振動情報に変換するリラックス体内音変換部133とを有する。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
乳首部を本体部に有するおしゃぶり器であって、
前記乳首部の内側に配置された顎振動伝達部と、
リラックス体内音を生成するリラックス体内音生成部と、前記リラックス体内音に基づき振動を発生させ、前記顎振動伝達部に伝える振動発生部とを備え、
前記リラックス体内音生成部は、母体が発生する体内音を前記リラックス体内音として取得する取得部と、これを振動情報に変換するリラックス体内音変換部とを有する、おしゃぶり器。
【請求項2】
前記リラックス体内音生成部は、前記リラックス体内音を記憶する記憶部を有し、前記リラックス体内音は、複数種類記憶されており、選択されたいずれかの前記リラックス体内音を生成して前記リラックス体内音変換部を実行する、請求項1記載のおしゃぶり器。
【請求項3】
前記リラックス体内音は、母体の心音、又は胎動時の音である、請求項2記載のおしゃぶり器。
【請求項4】
前記おしゃぶり器は、姿勢センサを有しており、前記おしゃぶり器をくわえた幼児の姿勢を3軸座標系で定義する3軸座標軸を備え、前記幼児の姿勢を報知する、請求項1記載のおしゃぶり器。
【請求項5】
乳首部を本体部に有するおしゃぶり器と、携帯端末とを有するおしゃぶりシステムであって、
前記乳首部の内側に配置された顎振動伝達部と、
リラックス体内音を生成するリラックス体内音生成部と、前記リラックス体内音に基づき振動を発生させ、前記顎振動伝達部に伝える振動発生部とを備え、
前記リラックス体内音生成部は、母体が発生する体内音を前記リラックス体内音として取得する取得部と、これを振動情報に変換するリラックス体内音変換部とを有し、
前記携帯端末は、収音マイクからの母体の体内音をリラックス体内音として取得する取得部と、
前記おしゃぶり器と通信を行って、前記リラックス体内音を前記記憶部に記憶する通信部と、
前記おしゃぶり器と通信を行って前記記憶部の前記リラックス体内音を再生させる再生部とを有する、おしゃぶりシステム。
【請求項6】
前記リラックス体内音生成部は、前記リラックス体内音を記憶する記憶部を有し、前記リラックス体内音は、複数種類記憶されており、選択されたいずれかの前記リラックス体内音を生成して前記リラックス体内音変換部を実行する、請求項5記載のおしゃぶりシステム。
【請求項7】
前記リラックス体内音は、母体の心音、又は胎動時の音である、請求項5記載のおしゃぶりシステム。
【請求項8】
前記おしゃぶり器は、姿勢センサを有しており、前記姿勢センサのデータを前記携帯端末に送信する送信部と、前記おしゃぶり器をくわえた幼児の姿勢を3軸座標系で定義する3軸座標軸とを備え、前記幼児の姿勢を画面に表示する、請求項5記載のおしゃぶりシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、おしゃぶり器、及びおしゃぶりシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
おしゃぶり器は、従来から使用されており、近年、以下のような効果が研究で明らかになった。すなわち、乳幼児等が哺乳する際に、自己の上顎に存在する凹部である「吸啜窩」に、乳首等が吸啜窩に配置されると、「吸啜反射」が起き、乳幼児等は、舌の蠕動様運動を開始する。
【0003】
このため、おしゃぶりは、乳幼児等の「吸啜反射」を満足させるという効果を発揮し、このような効果が生じることで、乳幼児等の心身の安静を促すものであることが明らかになった。一方、音と音楽は、乳幼児の注意を引きつける。この音楽を乳幼児等に感じさせるものが特許文献1に開示されている。
【0004】
特許文献1のミュージックおしゃぶりは、音の振動を乳幼児の顎を通り、乳幼児の耳に直接伝えることができるミュージックおしゃぶりを提供するものである。具体的には、おしゃぶりフレームと、フレームの側面に位置する乳首と、前記フレームのもう一つの側面に位置する収容部を含む。そして、収容部内に、音楽IC及び電源、絶縁ハウス、及び振動トランスデューサーを有する。軟質材料でできている絶縁ハウスは、振動を絶縁するために用いる。振動トランスデューサーは、事前に格納された音楽を振動へ変換するために用いる。振動トランスデューサーは、前記ハウス内に位置する。振動トランスデューサーは、上記音楽ICと接続する。振動タングは、前記振動トランスデューサーによって生じた振動を乳幼児の顎に伝えるために用いられる。振動タングは、上記ハウス内の前記振動トランスデューサーの接触部分、および前記ハウスから突き出し且つ前記乳首内に延びるタングを含む。と記載している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】実用新案登録第3169145号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、特許文献1のおしゃぶりは、乳首内に振動タングと称するものを設けて、この振動タングに音楽ICからの音楽を振動トランスデューサーを介して伝えるものであるので、乳幼児等のリラックスを与えるにはつたない。
【0007】
本発明は以上の課題を鑑みてなされたものであり、軽量な構成で、かつ乳幼児等の顎に直接的に、リラックスできる体内音を伝えることができるおしゃぶりを得ることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は以上の問題に鑑みてなされたものであって、請求項1に係る発明は、乳首部を本体部に有するおしゃぶり器であって、前記乳首部の内側に配置された顎振動伝達部と、リラックス体内音を生成するリラックス体内音生成部と、前記リラックス体内音に基づき振動を発生させ、前記顎振動伝達部に伝える振動発生部とを備え、前記リラックス体内音生成部は、母体が発生する体内音を前記リラックス体内音として取得する取得部と、これを振動情報に変換するリラックス体内音変換部とを有する、おしゃぶり器である。
【0009】
請求項2に係る発明は、前記リラックス体内音生成部は、前記リラックス体内音を記憶する記憶部を有し、前記リラックス体内音は、複数種類記憶されており、選択されたいずれかの前記リラックス体内音を生成して前記リラックス体内音変換部を実行する、上記のおしゃぶり器である。
【0010】
請求項3に係る発明は、前記リラックス体内音は、母体の心音、又は胎動時の音である、上記のおしゃぶり器である。
【0011】
請求項4に係る発明は、 前記おしゃぶり器は、姿勢センサを有しており、前記おしゃぶり器をくわえた幼児の姿勢を3軸座標系で定義する3軸座標軸を備え、前記幼児の姿勢を報知する、上記のおしゃぶり器である。
【0012】
請求項5に係る発明は、乳首部を本体部に有するおしゃぶり器と、携帯端末とを有するおしゃぶりシステムであって、前記乳首部の内側に配置された顎振動伝達部と、リラックス体内音を生成するリラックス体内音生成部と、前記リラックス体内音に基づき振動を発生させ、前記顎振動伝達部に伝える振動発生部とを備え、前記リラックス体内音生成部は、母体が発生する体内音を前記リラックス体内音として取得する取得部と、これを振動情報に変換するリラックス体内音変換部とを有し、前記携帯端末は、収音マイクからの母体の体内音を前記リラックス体内音として取得する取得部と、前記おしゃぶり器と通信を行って、前記リラックス体内音を前記記憶部に記憶する通信部と、前記おしゃぶり器と通信を行って前記記憶部の前記リラックス体内音を再生させる再生部とを有する、おしゃぶりシステムである。
【0013】
請求項6に係る発明は、前記リラックス体内音生成部は、前記リラックス体内音を記憶する記憶部を有し、前記リラックス体内音は、複数種類記憶されており、選択されたいずれかの前記リラックス体内音を生成して前記リラックス体内音変換部を実行する、上記のおしゃぶりシステムである。
【0014】
請求項7に係る発明は、前記リラックス体内音は、母体の心音、又は胎動時の音である、上記のおしゃぶりシステムである。
【0015】
請求項8に係る発明は、前記おしゃぶり器は、姿勢センサを有しており、前記姿勢センサのデータを前記携帯端末に送信する送信部と、前記おしゃぶり器をくわえた幼児の姿勢を3軸座標系で定義する3軸座標軸とを備え、前記幼児の姿勢を画面に表示する、上記のおしゃぶりシステムである。
【発明の効果】
【0016】
以上のように本発明のおしゃぶり器によれば、幼児の顎にリラックス体内音を効率良く、伝導できるので、幼児はリラックスできて睡眠ができる。特に、母親の心拍音又は胎動の音を顎に伝導するので効果が高い。また、本発明のおしゃぶりシステムによれば、携帯端末側でリラックス体内音をおしゃぶり器に記憶して再生させるので、離れていても例えば親は、好みの時間帯で睡眠させることが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
図面は、本開示に係る本発明の特定の実施の形態を示し、発明の不可欠な構成ばかりでなく、選択的及び好ましい実施の形態を含む。
図1】おしゃぶり器の斜視図。
図2】おしゃぶり器の断面図。
図3】おしゃぶり器の変形例の断面図。
図4】コンピュータ部の概略構成図。
図5】おしゃぶりシステムの概略構成図。
図6】リラックス体内音の収集を説明するシステム図。
図7】おしゃぶりシステムのコンピュータ部の構成図。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下に、本発明の好ましい実施形態を、図面を参照して詳しく説明する。なお、以下に説明する実施形態は、本発明の好適な具体例であるから、技術的に好ましい種々の限定が付されているが、本発明の範囲は、以下の説明において特に本発明を限定する旨の記載がない限り、これらの態様に限られるものではない。また、各図面中、同様の構成要素には同一の符号を付して詳細な説明は適宜省略する。
【0019】
<実施の形態1>
図1及び図2に示すように、本発明のおしゃぶり器100は、硬質プラスチックでできているおしゃぶりのフレームである本体部101と、おしゃぶりのフレームである本体部101の第一側面に位置するシリカゲルの乳首部102と、おしゃぶりのフレームである本体部101の第二側面(第一側面と反対側)に位置する振動モジュールとを含む。穴は、おしゃぶりのフレームである本体部101に位置する。シリカゲルの乳首部102の後部は、穴を通過し、その後部にある突出104を通じて、おしゃぶりのフレームである本体部101の第二側面に接触する。
【0020】
振動モジュールは、おしゃぶりのフレームである本体部101の第二側面に位置し、本体部101と接続する収容部105を含む。ロッキングアイ106は、本体部101の第二側面に位置し、ロッキングタブ107は、収容部105上に位置する。ロッキングタブ107とロッキングアイ106は、互いに合わさり、取り外し可能になっている。乳首部102をきれいにしなければいけない場合は、本体部101から収容部105を取り外すことによって行うことができる。これによって、収容部105内の電子回路のショートやダメージを回避することができる。
【0021】
第一貫通孔は、収容部105のロッキングタブ107内に位置する。リラックス体内音生成部108と、及び振動を遮断するために用いられるハウス109は、収容部105内に位置している。振動トランスデューサー(振動発生部)110及び顎振動伝達部111は、ハウス109内に位置する。ハウス109は、ゴム、シリカゲルなどのような軟質材料でできている。ハウス109は、振動トランスデューサー110及び顎振動伝達部111の周りを覆っており、これらが収容部105内で宙に浮くように構成している。これは、この二つの部品の振動を緩和して、振動が収容部105及び本体部101に伝わらないようにし、これによって、共鳴及び音の発生を防ぐことができる。
【0022】
図2のように、ハウス109とリラックス体内音生成部108との間に隙間があり、互いは接触していない。ハウス109は、突出112を有し、収容部105のロッキングアイ106内の第一貫通孔から突出する。第二貫通孔は、ハウス109の突出112に位置する。振動トランスデューサー110は、収容部105内に位置し、リラックス体内音生成部108と電気的に接続し、事前に格納した音を振動に変換する。顎振動伝達部111が“T”字型の断面を形成している。接触部分は、振動トランスデューサー110の弧振動面と接触する。振動トランスデューサー110が振動するとき、顎振動伝達部111に振動を伝える。
【0023】
おしゃぶり器100は、スイッチボタン115と、リラックス体内音生成部108に接続するUSB端子116を含む。スイッチボタン115は、収容部105から延びる。スイッチボタン115を押したときにリラックス体内音生成部108の電源が入り、心音等が発信され、顎振動伝達部111が振動する。スイッチボタン115をもう一度押したときに、心音等が止まる。おしゃぶり器100は、USB端子116を介して、リラックス体内音生成部108を外部電源にUSB120及びケーブル121を介し接続することによって再充電できる。
【0024】
乳幼児が乳首部102をしゃぶるとき、歯または顎が、乳首部102を介して顎振動伝達部111に接触し、事前に格納された心音等は、振動によって、乳幼児の顎に伝えられ、それから、乳幼児の内耳に伝えられる。従って、心音、胎動等を聞くことができるようになる。ハウス109は軟質材料でできているので、振動は、絶縁される。これは、おしゃぶりの他の部分の共鳴によって、音が外へ伝わるのを防ぐ。周囲の人々は音を聞くことができない。その結果、おしゃぶり器100は静寂を必要とする場所に適している。
【0025】
<実施の形態2>
図2及び図3に示すように、おしゃぶり器100aは、乳首部102(後述の顎当接部125の上側に配置されている。図2では図示していていない)の座部となる本体部(プラスチック)101と、この本体部101の下方に乳幼児の顎に当接するL型形状の顎当接部(プラスチック)125を連接している。乳首部102は、硬度および厚みなどを合わせて考慮した上で、哺乳瓶の乳首部と同等の硬さで形成されている。例えば、シリコーンゴムやイソプレンゴム、天然ゴム、ポリプロピレン等からなる熱可塑性エラストマー等が挙げられる。この構成により、乳幼児がうつむけになっても危険は回避される。
【0026】
さらに、前述の顎当接部125とリラックス体内音生成部108との関係を図2を用いて説明する。図2に示すように、顎当接部125は、顎の下に入るL部と、リラックス体内音生成部108側に入るT型凸部とが一体化されている。このT型凸部の表面には圧電素子部130が張り付けられている。従って、トランスデューサー(金属振動板)、コイル、磁石を用いないので小型、軽量である。
【0027】
顎当接部125は、縦長が15mm~30mmで、横幅が10mm~25mm程度が好ましい(S用、M用、L用)。一方、リラックス体内音生成部108は、内部にコンピュータ部108aを設けている。このコンピュータ部108a及びT型凸部は、収容部(プラスチック)105によって覆われている。さらに、収容部105には、コンピュータ部108aを起動又は停止させるスイッチボタン115と、USBケーブルを取付けるUSBコネクタ136a等が設けられている。なお、収容部105には、適当に空気穴を設けるのがよい。
【0028】
図4はコンピュータ部108aの概略構成図である。コンピュータ部108aは、リラックス体内音生成部108に備えられている。図3に示すように、コンピュータ部108aは、MPU(マイクロプロセッサユニット)131と、リラックス体内音等を記憶する記憶部132と、充電部134と、音を振動情報に変換する振動情報変換部133と、心音、胎動音等の体内音を取得する取得部135等で構成されており、USBコネクタ136aにこれらが接続されている。
【0029】
記憶部132には、母体の心音、胎動音等が複数種類記憶されている。例えば、朝(6時~7時又は8時)、昼(12時~13時)、夕方(17時~18時)、夜(10時~11時)等の心音が記憶されている。又は、心音に限らずに、お腹に胎児がいたときの、胎動の音を聴診器等で収集して、上記のように複数記憶してもよい。若しくは、リラックスする体内音を複数記憶してもよい。これらの音を総称して本実施の形態ではリラックス体内音と称する。
【0030】
さらに、本実施の形態では、充電部134を有しており、USBコネクタ136aからの電力を充電電池に充電する。一方、スイッチボタン115の投入で、MPU131のプログラムは、記憶部132に記憶されているいずれかのリラックス体内音を生成し、この生成信号を変換し振動発生部(圧電素子等)137に出力する。
【0031】
振動発生部(圧電素子等)137は、この生成信号の電力で振動する。このため、この振動がT型凸部(プラスチック)を介して、図2では、顎当接部125を伝導する。従って、この伝導が乳幼児等の顎に伝わる。なお、前述のリラックス体内音の選択設定は後述するスマートフォンで設定するのが好ましい。
【0032】
<実施の形態3>
図5は実施の形態3のおしゃぶりシステム199aの概略構成図である。前述のリラックス体内音の選択機能は、図4に示すように、スマートフォン200(携帯端末)のアプリとして備えるのが好ましい。このアプリは、図4に示すように、リラックス体内音生成ボタン201と、リラックス体内音記憶ボタン202と、リラックス体内音選択ボタン203と、リラックス体内音オンボタン204と、リラックス体内音オフボタン205等よりなる。
【0033】
図6に示すように、収音マイク300を母体400の心臓付近に接着させて、USBケーブル301とUSB端子302でスマートフォン200に接続し、かつおしゃぶり器100のリラックス体内音生成部108に、USB端子152、USBケーブル121を介しUSB120を接続する。そして、リラックス体内音生成ボタン201を押すと、アプリが、例えば朝(6時~7時又は8時)、昼(12時~13時)、夕方(17時~18時)、夜(10時~11時)の項目を画面に表示(図示せず)する。母親はいずれかの項目であるリラックス体内音選択ボタン203を選択する。この項目に、収集した心音、胎動音等と、年月日時刻とが関連付けられておしゃぶり器100のリラックス体内音記憶ボタン202を押下し記憶部132に記憶される。
【0034】
リラックス体内音の記憶は、おしゃぶり器100のリラックス体内音生成部108と接続しないで、スマートフォン200に記憶して、数時間後又は後日、おしゃぶり器100のリラックス体内音生成部108と接続して記憶させてもよい。一方、母、父、祖母、祖父、兄弟又は他の人は、おしゃぶり器100のリラックス体内音生成部108にUSBケーブル121で接続し、スマートフォン200の画面より好適なリラックス体内音を選択する。
【0035】
この選択で、アプリが例えば朝(6時~7時又は8時)、昼(12時~13時)、夕方(17時~18時)又は夜(10時~11時)の項目を画面に表示(図示せず)する。選択者(母、父、祖母、祖父、兄弟又は他の人)は、幼児の状態を見て、考えて適当と思われるリラックス体内音楽の項目を選択する。この選択されたリラックス体内音(データ)は、USBケーブル121で送信され、MPU131によって記憶部132に記憶される。
【0036】
そして、選択者は、おしゃぶり器100のスイッチボタン115を押すと、MPU131が記憶部132のリラックス体内音を再生し、この再生信号を振動発生部110、又は圧電素子137に出力する。振動発生部110、又は圧電素子137は、この再生信号で振動する。このため、この振動が顎振動伝達部111、又はT型凸部(プラスチック)を介して、幼児の耳に伝導する。従って、母、父、祖父、祖母、兄弟或いは他人でも、幼児を落ち着かせて眠らせることが可能となる。なお、上記実施の形態では、おしゃぶり器100のスイッチでオンオフをすると説明したが、図4に示すようにスマートフォンの画面にリラックス体内音オンボタン204、リラックス体内音オフボタン205が表示されているので、これらのボタンでオンオフさせてもよい。
【0037】
<実施の形態4>
図7は実施の形態4のおしゃぶりシステム199bのコンピュータ部108bの構成図である。図6に示すように、コンピュータ部108bは姿勢センサ138と、Wi-Fi部136b(以下、近距離無線通信部という)を有している。姿勢センサ138は、XYZの直交する座標系を定義して、その座標軸の各方向を示す、データをMPU131に出力する。MPU131は、近距離無線通信部136bを介してスマートフォン200と通信をして、互いの識別コード、プロトコルを設定する。そして、スマートフォン200から姿勢データの要求が近距離無線通信部136bを介して受信した場合は、XYZ値を年月日時刻と共に姿勢データとしてスマートフォン200に送信する。
【0038】
スマートフォン200のアプリは、姿勢確認ボタン(図示せず)を画面に表示している。この姿勢確認ボタンの押下で、アプリは姿勢要求信号(スマートフォン識別コード、近距離無線通信部識別コード)を送信して、おしゃぶり器100側から姿勢データを受信する。スマートフォンのアプリは、幼児の基準的な3軸座標系を有しており、姿勢データのXYZをこの座標系に定義する。そして、横向き状態206か、うつ伏せ状態207か、仰向け(正常)状態208かを解析し、この解析結果を画面に表示する(図6参照)。従って、離れていても、幼児が仰向けか、横向きか、うつ伏せかが確認できるので、安全である。
【0039】
さらに、実施の形態1~4を適宜組み合わせることも可能である。このように、おしゃぶりを咥え続けることができるため、精神的に落ち着かせて啼泣を抑え身体への負担を軽減したり、経口哺乳に必要な吸啜反射や口腔内刺激を維持あるいは促進したりすることができる。
【符号の説明】
【0040】
100 おしゃぶり器
101 本体部
102 乳首部
108 リラックス体内音生成部
110 振動トランスデューザー(振動発生部)
111 顎振動伝達部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7