IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 日本トーカンパッケージ株式会社の特許一覧

(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2025015443
(43)【公開日】2025-01-30
(54)【発明の名称】ブランク
(51)【国際特許分類】
   B65D 5/30 20060101AFI20250123BHJP
【FI】
B65D5/30 A
【審査請求】未請求
【請求項の数】14
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2024102579
(22)【出願日】2024-06-26
(31)【優先権主張番号】P 2023118302
(32)【優先日】2023-07-20
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用申請有り 公開日:令和5年12月20日、公開場所:株式会社シプソル内、公開者:河野好宣
(71)【出願人】
【識別番号】506100990
【氏名又は名称】日本トーカンパッケージ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100152984
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 秀明
(74)【代理人】
【識別番号】100148080
【弁理士】
【氏名又は名称】三橋 史生
(74)【代理人】
【識別番号】100168985
【弁理士】
【氏名又は名称】蜂谷 浩久
(74)【代理人】
【識別番号】100149401
【弁理士】
【氏名又は名称】上西 浩史
(72)【発明者】
【氏名】上原 克司
(72)【発明者】
【氏名】鈴木 彩栄夏
(72)【発明者】
【氏名】遠藤 杏実
【テーマコード(参考)】
3E060
【Fターム(参考)】
3E060AA03
3E060AB18
3E060BA08
3E060BA21
3E060BC02
3E060BC04
3E060CE15
3E060CE18
3E060CE22
3E060CF05
3E060DA14
3E060DA25
3E060EA06
(57)【要約】
【課題】 第1面板及び第2面板が底面板に対して折り曲げられて連結している状態を、良好に維持できるブランクを提供する。
【解決手段】 本発明のブランクは、多角形状の底面板と、第1面板と、第2面板とを備え、底面板に対して第1面板及び第2面板が折り曲げられて箱体を構成し、折り曲げられた第1面板及び第2面板の連結状態を保持するロック構造部を少なくとも1つ有する。ロック構造部は、第1面板における第2面板側の端から第1方向に沿って突出する突出片部と、第2面板に設けられたスリット部と、第2面板にて第2方向においてスリット部よりも突出片部側に設けられて第2方向に沿って延びた切れ目と、を備え、スリット部及び切れ目が開口して形成される空隙部に、基端にて折り曲げられた突出片部が挿入されることで連結状態を保持する。
【選択図】図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
多角形状の底面板と、前記底面板の頂点を挟んで隣接する二辺のうちの一辺から延出した第1面板と、前記二辺のうちの他辺から延出した第2面板とを備え、前記底面板に対して前記第1面板及び前記第2面板が折り曲げられて箱体を構成するブランクであって、
折り曲げられた前記第1面板及び前記第2面板が前記頂点を挟んで連結している連結状態を保持するロック構造部を少なくとも1つ有し、
前記ロック構造部は、
前記第1面板における前記第2面板側の端から、前記第2面板が延出する第1方向に沿って突出し、且つ前記第1方向における基端にて折り曲げ可能な突出片部と、
前記第2面板に設けられたスリット部と、
前記第2面板にて、前記第1方向と交差する第2方向において前記スリット部よりも前記突出片部側に設けられ、且つ前記スリット部から前記第2方向に沿って延びた切れ目と、
を備え、前記スリット部及び前記切れ目が開口して形成される空隙部に、前記基端にて折り曲げられた前記突出片部が挿入されることで前記連結状態を保持する、ブランク。
【請求項2】
前記ロック構造部は、前記第2方向における前記切れ目から延びており、前記切れ目と交差した交差切れ目をさらに有し、
前記交差切れ目は、前記第1方向において前記底面板側に延びた部分を有する、請求項1に記載のブランク。
【請求項3】
前記ロック構造部は、前記第2方向における前記切れ目から延びており、前記切れ目と交差した交差切れ目をさらに有し、
前記交差切れ目は、前記第1方向において前記底面板とは反対側に延びた部分を有する、請求項1に記載のブランク。
【請求項4】
前記ロック構造部は、前記第2方向における前記切れ目から延びており、前記切れ目と交差した交差切れ目をさらに有し、
前記交差切れ目は、前記第1方向において前記底面板側に延びた部分、及び、前記第1方向において前記底面板とは反対側に延びた部分の双方を有する、請求項1に記載のブランク。
【請求項5】
前記交差切れ目において、前記切れ目から前記底面板側に延びた部分と、前記切れ目から前記底面板とは反対側に延びた部分とが、一直線状に連続している、請求項4に記載のブランク。
【請求項6】
前記第2面板が、前記第2方向に沿って形成された折曲線にて折り曲げられる場合に、前記切れ目が前記折曲線上に設けられている、請求項1乃至5のいずれか一項に記載のブランク。
【請求項7】
前記第2面板のうち、前記第1方向における前記底面板とは反対側に位置する外縁部分には、前記第1方向に沿って形成された切り欠きが設けられている、請求項1乃至5のいずれか一項に記載のブランク。
【請求項8】
前記第2面板のうち、前記第1方向における前記底面板とは反対側に位置する端部には、前記第1方向に沿って形成された端部折曲線が設けられている、請求項1乃至5のいずれか一項に記載のブランク。
【請求項9】
前記スリット部は、前記第1方向に沿って延びた第1延出部分と、前記第1延出部分と交差して延びた第2延出部分とを有し、
前記第2方向において、前記第2延出部分における前記突出片部とは反対側の端は、前記第1延出部分における前記第2延出部分側とは反対側の端よりも、前記突出片部から離れており、
前記切れ目は、前記第2延出部分、又は前記第1延出部分と前記第2延出部分との交点から前記第2方向に沿って延びている、請求項1に記載のブランク。
【請求項10】
前記突出片部に形成され、前記突出片部を破断させる破断線が設けられている、請求項1に記載のブランク。
【請求項11】
前記破断線は、前記突出片部の基端に設けられた突出片部折曲線上に形成され、前記第2方向に沿った切り取り線からなる、請求項10に記載のブランク。
【請求項12】
前記スリット部は、前記第1方向に沿って延びた第1延出部分と、前記第1延出部分と交差して延びており前記第1方向に対して傾斜した傾斜部分を含む第2延出部分とを有し、
前記第2面板には、前記スリット部を開口させる場合に前記第2面板のうち、前記第1延出部分とは反対側で前記第2延出部分と隣接する部分を折り曲げる際の折曲線である開口用折曲線が設けられており、
前記開口用折曲線は、前記第2面板において、前記傾斜部分よりも前記底面板から離れた位置から、前記傾斜部分に向かって延びている、請求項1に記載のブランク。
【請求項13】
前記開口用折曲線は、前記第2延出部分のうち、前記傾斜部分の両端よりも前記傾斜部分の中央に近い箇所に向かって前記第1方向に沿って延びている、請求項12に記載のブランク。
【請求項14】
前記第2面板は、前記箱体の側面部をなし前記第1方向において前記底面板と連接した側板を含み、
前記スリット部の前記第1延出部分及び前記第2延出部分と、前記開口用折曲線とが、前記側板に設けられている、請求項12又は13に記載のブランク。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、折り曲げられることで箱体を形成するブランクに関する。
【背景技術】
【0002】
包装箱等の箱体を組み立てるためのブランクとしては、これまでに様々な構造のものが開発されている。その一例としては、特許文献1に記載のブランクが挙げられる。
【0003】
特許文献1に記載のブランク(以下、文献1のブランク)は、箱体を形成するためのブランクであり、多角形状の底面板と、その底面板の頂点を挟んで隣接する2辺のうちの一方の辺に折り曲げ可能に連設された第1面板と、他方の辺に折り曲げ可能に連設された第2面板とを有する。第1面板は、底面板と第1面板との間に設けられた第1折曲線にて折り曲げ可能であり、第1折曲線と隣り合う位置には、箱体の側面板を形成する第1側板部を有する。第2面板は、底面板と第2面板との間に設けられた第2折曲線にて折り曲げ可能であり、第2折曲線と隣り合う位置には、箱体の側面板を形成する第2側板部を有する。
【0004】
また、文献1のブランクは、第1面板及び第2面板がともに折り曲げられたときに第1面板と第2面板との連結構造が底面板の頂点で形成されるように構成されたロック構造部を少なくとも有する。ロック構造部は、第1側板部の端縁に設けられ、第1折曲線に対して直交方向に連設されたフラップ部と、第2面板の端縁側において、第2面板の端縁より内側の第2面板に設けられ、第2側板部から第2折曲線に対して外方に延びる鉤型状のスリット部とにより構成される。そして、第2面板が底面板に対して第2折曲線に沿って折り曲げられたときに、スリット部は、開口して、空隙部、及び第2面板押圧部を形成する。かかる状態にあるときに、第1面板が折り返され、フラップ部が折り返されると、フラップ部の先端がスリット部及び空隙部に挿入されて、第2面板押圧部によって押圧されて連結構造が形成される。
【0005】
以上のように構成された文献1のブランクによれば、箱体を容易に組み立てることができる。また、文献1のブランクを、第1面板及び第2面板の双方が折り曲げられた状態の箱体、すなわち仮組立状態の箱体の自立性及び収納性を確保することができる。これにより、例えば、仮組立状態の箱体を複数積み重ねて箱体を収納するときの収納効率(以下では、スタック性とも言う)を向上させることができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2022-123864号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
ところで、文献1のブランクに設けられたロック構造部において、フラップ部が空隙部に挿入されると、フラップ部の先端が空隙部の縁に係止され、且つ第2面板押圧部によって押圧されることで、フラップ部が空隙部に挿入された状態を維持(ロック)することができる。
【0008】
一方、フラップ部を空隙部に容易に挿入できることが好ましいが、例えば、厚みを有するブランクを用いた場合には、フラップ部を折り曲げた際に反発力が生じるために、折り曲げられたフラップ部が折り曲げ前の状態に戻ろうとし、フラップ部の先端が空隙部に挿入し難くなる。また、フラップ部を空隙部に挿入し易くする目的で、例えばスリット部をより大きくすると、空隙部に挿入されたフラップ部の先端が空隙部から抜け易くなり、フラップ部が空隙部に挿入された状態を維持し難くなる。
以上の点から、ロック構造部を有するブランクについては、フラップ部を空隙部にスムーズに挿入しつつ、フラップ部が空隙部に挿入された状態を適切に維持(ロック)できること、換言すると、第1面板と第2面板との連結構造をより良好に維持できることが求められている。
【0009】
本発明は、上記従来技術の問題点を解決し、具体的には、第1面板及び第2面板が底面板に対して折り曲げられて連結している状態を、良好に維持できるブランクを提供することを目的とする。
【0010】
また、本発明の第2の目的は、封函後に容易に開封可能な箱体を構成するブランクを提供することである。
また、本発明の第3の目的は、ロック構造部が備える突出片部(フラップ部)をより容易に空隙部に挿入することが可能なブランクを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上記の目的を達成するために、本発明のブランクは、多角形状の底面板と、底面板の頂点を挟んで隣接する二辺のうちの一辺から延出した第1面板と、二辺のうちの他辺から延出した第2面板とを備え、底面板に対して第1面板及び第2面板が折り曲げられて箱体を構成するブランクであって、折り曲げられた第1面板及び第2面板が頂点を挟んで連結している連結状態を保持するロック構造部を少なくとも1つ有し、ロック構造部は、第1面板における第2面板側の端から、第2面板が延出する第1方向に沿って突出し、且つ第1方向における基端にて折り曲げ可能な突出片部と、第2面板に設けられたスリット部と、第2面板にて、第1方向と交差する第2方向においてスリット部よりも突出片部側に設けられ、且つスリット部から第2方向に沿って延びた切れ目と、を備え、スリット部及び切れ目が開口して形成される空隙部に、基端にて折り曲げられた突出片部が挿入されることで連結状態を保持することを特徴とする。
【0012】
本発明のブランクでは、上記の構成によって、空隙部がより広く形成されることで、突出片部が空隙部に挿入され易くなる結果、折り曲げられた第1面板及び第2面板の連結状態をより良好に維持することができる。
【0013】
また、本発明のブランクにおいて、ロック構造部は、第2方向における切れ目から延びており、切れ目と交差した交差切れ目をさらに有し、交差切れ目は、第1方向において底面板側に延びた部分を有してもよい。
【0014】
また、本発明のブランクにおいて、ロック構造部は、第2方向における切れ目から延びており、切れ目と交差した交差切れ目をさらに有し、交差切れ目は、第1方向において底面板とは反対側に延びた部分を有してもよい。
【0015】
また、本発明のブランクにおいて、ロック構造部は、第2方向における切れ目から延びており、切れ目と交差した交差切れ目をさらに有し、交差切れ目は、第1方向において底面板側に延びた部分、及び、第1方向において底面板とは反対側に延びた部分の双方を有してもよい。
さらに、上記の構成では、交差切れ目において、切れ目から底面板側に延びた部分と、切れ目から底面板とは反対側に延びた部分とが、一直線状に連続していると、より好適である。
【0016】
また、本発明のブランクにおいて、第2面板が、第2方向に沿って形成された折曲線にて折り曲げられる場合に、切れ目が折曲線上に設けられてもよい。
【0017】
また、本発明のブランクにおいて、第2面板のうち、第1方向における底面板とは反対側に位置する外縁部分には、第1方向に沿って形成された切り欠きが設けられてもよい。
【0018】
また、本発明のブランクにおいて、第2面板のうち、第1方向における底面板とは反対側に位置する端部には、第1方向に沿って形成された端部折曲線が設けられてもよい。
【0019】
また、本発明のブランクにおいて、スリット部は、第1方向に沿って延びた第1延出部分と、第1延出部分と交差して延びた第2延出部分とを有し、第2方向において、第2延出部分における突出片部とは反対側の端は、第1延出部分における第2延出部分側とは反対側の端よりも、突出片部から離れてもよい。この場合、切れ目は、第2延出部分、又は第1延出部分と第2延出部分との交点から第2方向に沿って延びているとよい。
【0020】
また、本発明のブランクにおいて、突出片部に形成され、突出片部を破断させる破断線が設けられているとよい。
また、上記の構成において、破断線は、突出片部の基端に設けられた突出片部折曲線上に形成され、第2方向に沿った切り取り線からなるとよい。
【0021】
また、本発明のブランクにおいて、スリット部は、第1方向に沿って延びた第1延出部分と、第1延出部分と交差して延びており第1方向に対して傾斜した傾斜部分を含む第2延出部分とを有してもよい。この場合、第2面板には、スリット部を開口させる場合に第2面板のうち、第1延出部分とは反対側で第2延出部分と隣接する部分を折り曲げる際の折曲線である開口用折曲線が設けられているとよい。そして、開口用折曲線は、第2面板において、傾斜部分よりも底面板から離れた位置から、傾斜部分に向かって延びているとよい。
また、上記の構成において、開口用折曲線は、第2延出部分のうち、傾斜部分の両端よりも傾斜部分の中央に近い箇所に向かって第1方向に沿って延びていてもよい。
さらに、上記の構成において、第2面板は、箱体の側面部をなし第1方向において底面板と連接した側板を含み、スリット部の第1延出部分及び第2延出部分と、開口用折曲線とが、側板に設けられてもよい。
【発明の効果】
【0022】
本発明によれば、底面板に対して折り曲げられた第1面板及び第2面板の連結構造を、良好に維持(ロック)できるブランクが提供可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0023】
図1】本発明の一つの実施形態に係るブランク(左図)と、ブランクを折り曲げて組み立てられる箱体(右図)とを示す図である。
図2】本発明の一つの実施形態に係るブランクの平面図である。
図3】ロック構造部の拡大図である。
図4】突出片部が空隙部に挿入される直前の状態を示す図である。
図5】突出片部が空隙部に挿入された状態を示す図である。
図6】突出片部が空隙部に挿入された状態で第1面板が第2面板に対して倒れた状況を示す図である。
図7図6中の突出片部付近を拡大して示す図である。
図8図7のI-I断面を示す図である。
図9】交差切れ目の変形例を示す図である。
図10】第1変形例に係るロック構造部を示す図である。
図11】第3変形例に係るロック構造部を示す図である。
図12】第4変形例に係るロック構造部を示す図である。
図13】第5変形例に係るロック構造部を示す図である。
図14】第6変形例に係るブランクの構成を示す図である。
図15】第7変形例に係るブランクの構成を示す図である。
図16】第8変形例に係るブランクの構成を示す図である。
図17】第9変形例に係るブランクの構成を示す図である。
図18】第9変形例の特徴を有する第1参考例に係るブランクの構成を示す図である。
図19】第8変形例及び第9変形例に係るブランクのバリエーションを示す図である(その1)。
図20】第8変形例及び第9変形例に係るブランクのバリエーションを示す図である(その2)。
図21】第8変形例及び第9変形例に係るブランクのバリエーションを示す図である(その3)。
図22】第8変形例及び第9変形例の特徴を有する第2参考例に係るブランクの構成を示す図であり、図19と対応する図である。
図23】第8変形例及び第9変形例の特徴を有する第3参考例に係るブランクの構成を示す図であり、図20と対応する図である。
図24】第8変形例及び第9変形例の特徴を有する第3参考例に係るブランクの構成を示す図であり、図23に示す構成の変形例である。
図25】第8変形例及び第9変形例の特徴を有する第4参考例に係るブランクの構成を示す図であり、図21と対応する図である。
【発明を実施するための形態】
【0024】
以下、本発明のブランクについて、具体的な実施形態を挙げて説明する。
なお、以下に説明する実施形態は、本発明の理解を容易にするために挙げた例にすぎず、本発明を限定するものではない。すなわち、本発明は、その趣旨を逸脱しない限りにおいて、以下に説明する実施形態から変更又は改良され得る。また、本発明には、その等価物が含まれる。
【0025】
また、本明細書において、「同じ」、「同一」及び「等しい」という意味には、本発明が属する技術分野で一般的に許容される誤差の範囲が含まれ得る。
【0026】
また、本明細書において、「直交」、「垂直」及び「平行」は、本発明が属する技術分野において許容される誤差の範囲を含むものとする。例えば、本明細書の「直交」、「垂直」及び「平行」は、厳密な直交、垂直又は平行に対して±10°未満の範囲内であること等を意味する。
なお、厳密な直交(垂直)、又は厳密な平行からの誤差は、5°以下であることが好ましく、3°以下であることがより好ましい。
【0027】
[ブランクの全体構成]
本発明の一つの実施形態(以下、本実施形態という)に係るブランク10は、包装箱等の箱体を形成するためのシート状部材又は板状部材である。ブランク10は、展開状態では、図1の左図に示すような略T字形状をなしており、ブランク各箇所を折り曲げた状態では、図1の右図に示すような箱体1を構成する。つまり、一枚のブランク10が折り曲げられることで、底面部と側面部と天板部とを有する箱体1が組み立てられる。
【0028】
ブランク10は、例えば、段ボール又は厚紙等の紙材料によって構成される。紙材料は、特に限定されず、また、紙質を改質するためのコーティングが施された紙材料が用いられてもよい。また、ブランク10は、紙以外の材料、例えば、樹脂材料又は金属からなるシート体又は板体でもよい。
以下では、ブランク10を構成する紙材料が、段ボールシートであり、詳しくは、表裏2つのライナの間に中しんが挟み込まれた構造の板紙である場合を例に挙げて説明することとする。
【0029】
本実施形態のブランク10は、図1に示すように、折り曲げられてN式の箱体1を形成するものである。N式の箱体1の天板部は、内フラップ部の外側に外フラップ部が重ねられて構成される。
なお、本発明のブランクは、N式の箱体を形成するものに限定されず、例えば、奴型(たとう式)の箱体、A式の箱体、B式の箱体、あるいはC式の箱体を形成するものでもよい。また、ブランクを折り曲げて形成されるN式の箱体は、差込みタイプ(詳しくは、上差込み式又はサイド差込み式)でもよく、あるいは額縁タイプでもよい。
【0030】
ブランク10の各箇所には、図2に示すように、箱体1を形成する際の曲げ起点となる折曲線、具体的には、突出片部折曲線22、第1折曲線24、第2折曲線26、第1天板折曲線38、前側折曲線42、及び差込片折曲線46等が形成されている。これらの折曲線は、その周辺より低剛性であればよく、例えば、ミシン目でもよいし、あるいはエンボス加工等によって形成された溝状の凹部でもよい。
【0031】
また、ブランク10を構成する段ボールシートの中しんは、波板形状をなしており、その波の連続する方向(図2では、図中の破線円の内部に描かれた縞の方向)が、段ボールシートの目の方向に相当する。段ボールシートの目の方向は、特に限定されないが、後述のX方向及びY方向の各々に対して交差してもよく、例えば、各方向に対して45度傾いた方向でもよい。この場合、ブランク10の折り畳み性を高めることができる。
【0032】
ブランク10は、図2に示すように、底面板12、複数の第1面板14、及び複数の第2面板16を、ブランク10の主要構成要素として有する。底面板12は、図2に示すように、ブランク10に設けられた多角形状の部分であり、箱体1が形成された段階では箱体1の底面部をなす。本実施形態の底面板12は、図2に示すように矩形状であり、4つの頂点と、一対の長辺及び一対の短辺とを有する。底面板12において各頂点から延びている長辺及び短辺は、当該頂点を挟んで隣接する二辺に相当し、二辺のうちの一方が一辺に、他方が他辺に相当する。
なお、底面板12の形状は、矩形に限定されず、方形、台形又は平行四辺形を含む方形以外の四角形、あるいは四角形以外の多角形でもよい。
【0033】
以下では、底面板12の輪郭をなす矩形の四辺のうち、長辺が延びる方向をX方向と呼び、短辺が延びる方向をY方向と呼ぶこととする。ここで、X方向は、本発明の第1方向に相当する方向であり、Y方向は、本発明の第2方向に相当する方向である。ただし、これに限定されず、上記の短辺方向をX方向(第1方向)とし、上記の長辺方向をY方向(第2方向)としてもよい。
また、以下では、X方向及びY方向において、ブランク10の中央(具体的には底面板12の中央)に近づく側を「内側」と呼ぶこととし、その反対側、すなわち、ブランク10の中央から離れる側を「外側」と呼ぶこととする。
【0034】
第1面板14は、ブランク10において底面板12と連続しており、底面板12の長辺からY方向に延出した部分であり、図2に示すように、Y方向において底面板12の両側に1つずつ設けられている。各第1面板14と底面板12との間、厳密には、両面板の境界位置には、X方向に沿って形成された第1折曲線24が設けられている。
【0035】
第1折曲線24は、底面板12の各長辺上に形成されており、より詳しくは、底面板12の各長辺の一端に相当する頂点から、他端に相当する頂点まで形成されており、本実施形態では、X方向に対して平行な直線をなしている。各第1面板14は、第1折曲線24にて折り曲げ可能に構成されおり、箱体1を形成する際には、第1折曲線24にて底面板12に対して垂直に折り曲げられる。
【0036】
2つの第1面板14のそれぞれは、図2に示すように、略矩形状の第1側板34を有する。第1側板34は、Y方向において底面板12に連設されており、ブランク10が折り曲げられて箱体1が形成された段階では箱体1の側面部をなす。2つの第1面板14のうちの一方(以下、一方の第1面板14a)は、図2に示すように、Y方向において第1側板34の外側に第1天板36を有する。
【0037】
第1天板36は、底面板12と略同一の形状及びサイズを有する矩形状部分である。また、第1天板36と第1側板34との間には、第1天板折曲線38が設けられ、第1天板折曲線38は、X方向に沿って直線状に形成されており、第1折曲線24に対して平行に延びている。第1天板36は、第1天板折曲線38を介して第1側板34に連設されており、第1天板折曲線38に沿って折り曲げ可能である。そして、第1天板36は、ブランク10が折り曲げられて箱体1が組み立てられた段階では箱体1の天板部(外フラップ部)をなす。
【0038】
さらに、一方の第1面板14aは、図2に示すように、Y方向において第1天板36の外側(第1側板34とは反対)に前面板40を有する。前面板40は、Y方向の外側に位置する2つの角部が面取りされた略矩形状部分であり、第1天板36よりも若干短い長さ(X方向の寸法)と、第1側板34と略同じ幅(Y方向の寸法)とを有する。
【0039】
前面板40と第1天板36との間には、前側折曲線42が設けられ、前側折曲線42は、X方向に沿って直線状に形成されており、第1折曲線24に対して平行に延びている。前面板40は、前側折曲線42を介して第1側板34とは反対側で第1天板36と連設されており、前側折曲線42に沿って折り曲げ可能である。そして、前面板40は、ブランク10が折り曲げられて箱体1が形成された段階では箱体1の前面部、詳しくは、箱体1の正面側にて側面部に覆い被さる蓋部をなす。
【0040】
さらに、一方の第1面板14aは、図2に示すように、Y方向において前面板40の外側に差込片44を有する。差込片44は、前面板40のY方向外側の端に位置する外縁のうち、X方向中央部分から突出している。差込片44は、幅が狭い基部を有し、当該基部と隣接する部分では基部より幅が広くなり、且つ、先端に向かうにつれて幅が徐々に狭くなる略台形状をなしている。差込片44は、差込片44と前面板40との境界位置に形成された差込片折曲線46に沿って折り曲げ可能である。
【0041】
2つの第1面板14のうちの他方(以下、他方の第1面板14b)には、図2に示すように、差込片44を差し込むための切り込みである差込線48が設けられている。他方の第1面板14bと底面板12との境界には、2つの第1折曲線24がX方向において間隔を空けて設けられており、差込線48は、X方向において2つの第1折曲線24の間に位置し、Y方向において第1折曲線24と略同じ位置にある。
【0042】
そして、他方の第1面板14bを第1折曲線24にて折り曲げると、他方の第1面板14bと底面板12とがなす角部分のうち、差込線48と隣接する部分に差込孔が形成される。この差込孔には、ブランク10が折り曲げられて箱体1が組み立てられる際に差込片44が差し込まれる。これにより、上端開口が第1天板36(外フラップ)によって閉じた状態の箱体1が形成される。
【0043】
第2面板16は、ブランク10において底面板12と連続しており、底面板12の短辺からX方向に延出した部分であり、図2に示すように、X方向において底面板12の両側に1つずつ設けられている。各第2面板16と底面板12との間、詳しくは底面板12の各短辺上には、Y方向に沿って形成された第2折曲線26が設けられている。第2折曲線26は、底面板12の各短辺の一端に相当する頂点から、他端に相当する頂点まで形成されており、本実施形態では、Y方向に対して平行な直線をなしている。
【0044】
各第2面板16は、第2折曲線26にて底面板12に対して折り曲げ可能に構成されており、箱体1を組み立てる際には、第2折曲線26にて底面板12に対して垂直に折り曲げられる。第2折曲線26が、ブランク10を構成する段ボールシートの目の方向に対して直交している場合には、第2面板16において突出片部折曲線22での折り曲げに対する反発力が強くなる。その場合、第2折曲線26にて第2面板16を内方に折り曲げた際に、第2折曲線26を起点とした外方への反発力が発生する。これにより、後述するスリット部28及び切れ目62が容易に開口して空隙部60を形成し易くなり、その結果、後述する突出片部20を空隙部60に挿入し易くなる。
ここで、「内方」は、ブランク10を折り曲げて箱体1が完成した状態を想定したときの箱体1の内側(つまり、箱体1の収容空間を向く側)を意味し、「外方」は、箱体1の外側(すなわち、箱体1の収容空間とは反対側)を意味する。
【0045】
2つの第2面板16のそれぞれは、図2に示すように、略矩形状の第2側板50と、X方向において第2側板50よりも外側に位置する略台形状の第2天板52とを有する。
【0046】
第2側板50は、X方向において底面板12に連設されており、ブランク10が折り曲げられて箱体1が組み立てられた段階では箱体1の側面部、詳しくは、第1側板34がなす側面部と隣り合う側面部をなす。第2側板50と底面板12との境界位置には、前述の第2折曲線26が設けられている。また、第2側板50のうち、X方向において底面板12側の端部(裾部)は、X方向外側に向かうにつれて幅(Y方向の寸法)が徐々に狭くなる形状をなしている。
【0047】
第2天板52は、図2に示すように、X方向外側に向かうにつれて漸次的に幅(Y方向の寸法)が狭くなる形状をなしている。第2天板52では、第2側板50の裾部における幅の変化に比べて緩やかに幅が変化している。また、第2天板52と第2側板50との間には、Y方向に沿って直線状に形成された折曲線である第2天板折曲線54が設けられている。第2天板52は、第2天板折曲線54に沿って折り曲げ可能に構成されており、ブランク10が折り曲げられて箱体1が組み立てられた段階では、箱体1において、第1天板36の下方位置で第1天板36と重なって箱体1の天板部(内フラップ部)をなす。
【0048】
また、図2に示すように、第2天板52のX方向外側の端、すなわちX方向の外縁のうち、Y方向における端よりも幾分中央側に位置する部分に、V字状の切り欠き部56が設けられている。本実施形態では、各第2天板52の外縁部に、2つの切り欠き部56がY方向において互いに離れた位置に設けられている。
【0049】
さらに、第2天板52におけるX方向外側の端部には、図2に示すように、X方向に沿って形成された端部折曲線58が設けられている。各第2天板52において、端部折曲線58は、Y方向の端よりも幾分中央側に位置する部分に設けられ、詳しくは、Y方向において切り欠き部56の最奧部(底部)と略同じ位置に形成されている。また、各第2天板52には、2つの切り欠き部56と対応させて、2つの端部折曲線58がY方向において互いに離れた位置に設けられている。各端部折曲線58は、X方向において切り欠き部56の底部と後述のスリット部28の第2延出部分末端部32aとの間に設けられている(図3参照)。
【0050】
ところで、ブランク10は、図2に示すように、矩形状の底面板12が備える四つの頂点のそれぞれにロック構造部18を有する。ロック構造部18は、ブランク10を折り曲げて箱体1を形成する際に、底面板12の頂点を挟んで互いに隣り合う第1面板14と第2面板16との連結状態を保持する。すなわち、第1折曲線24にて折り曲げられた第1面板14、及び第2折曲線26にて折り曲げられた第2面板16の双方は、当該双方の間に位置する頂点に設けられたロック構造部18により、互いに連結した状態で保持される。
【0051】
本実施形態では、図1及び2に示すように、底面板12における四つの頂点のすべてに対して、ロック構造部18が一つずつ設けられている。換言すると、ブランク10は、四つのロック構造部18を有する。ただし、これに限定されず、四つの頂点のうちの少なくとも一つにロック構造部18が設けられればよく、四つの頂点のうち、いずれか一つ、いずれか二つ、あるいはいずれか三つの頂点に対して、ロック構造部18が設けられてもよい。
【0052】
なお、ロック構造部18が二つ配置される場合、互いに対角の位置にある二つの頂点にロック構造部18がそれぞれ配置されることが好ましい。底面板12が、四つの頂点を有する矩形又は方形の形状である場合、四つの頂点のそれぞれにロック構造部18が配置されることが最も好ましい。この場合、第1面板14及び第2面板16の双方が底面板12に対して起立するように折り曲げられたときに、四つの頂点のそれぞれに設けられたロック構造部18により、第1面板14と第2面板16との連結構造が、底面板12が有する四つの頂点のすべてにおいて一斉に形成される。
【0053】
各ロック構造部18は、図3に示すように、X方向における第1面板14の端位置からX方向の外側に突出した突出片部20と、第2面板16のY方向端部に形成されたスリット部28とを有する。また、ロック構造部18は、図3に示すように、スリット部28からY方向に沿って外側(最寄りの突出片部20が位置する側)に向かって延出した切れ目62と、切れ目62と交差した交差切れ目64とを有する。
【0054】
ロック構造部18では、ブランク10を折り曲げて箱体1を形成する際、スリット部28及び切れ目62が開口して空隙部60が形成され、この空隙部60に突出片部20が挿入される(図4及び5参照)。これにより、各々のロック構造部18が、第1面板14と第2面板16との連結状態を保持する。
【0055】
突出片部20は、第1面板14が有する第1側板34における第2面板16側の端、つまり、X方向における第1面板14の端(側端)からX方向に沿って突出した部分である。突出片部20は、図3に示すように、Y方向において、第2面板16と隣り合い、突出片部20と第2面板16との間には若干の隙間が設けられている。また、図3に示すように、突出片部20と第1側板34との境界位置、つまり突出片部20の基端位置には、Y方向に沿って形成された突出片部折曲線22が設けられている。突出片部折曲線22は、Y方向と平行な直線をなし、X方向において第2折曲線26より若干外側に設けられている。
【0056】
そして、突出片部20は、突出片部折曲線22にて第1面板14の第1側板34に対して折り曲げ可能に構成されている。ここで、突出片部折曲線22が、ブランク10を構成する段ボールシートの目の方向に対して直交している場合には、突出片部折曲線22での折り曲げに対する反発力が強くなる。これにより、突出片部20を空隙部60に挿入した際の、ロック構造部18による保持力が向上し、第1面板14と第2面板16との連結状態がより適切に保持(ロック)される。
【0057】
本実施形態の突出片部20は、図3に示すように、突出片基部20aと、突出片先端部20bとを有する。突出片基部20aは、突出片部折曲線22を介して第1側板34に連接しており、Y方向において第1側板34と同じ長さ(幅)を有する。突出片先端部20bは、X方向において突出片基部20aの外側で突出片基部20aと連続しており、Y方向の両端部が切り込まれて突出片基部20aよりも幅狭で細くなっており、略五角形の形状をなしている。突出片部20を空隙部60に挿入する際には、突出片先端部20bが空隙部60に挿入されることになる。
【0058】
また、図3に示すように、突出片先端部20bにおいて第2面板16とは反対側の端部には突出片切込み部20cが設けられている。突出片切込み部20cは、X方向に長く形成されており、突出片切込み部20cのうち、X方向の中央部分では、X方向の両端部分に比べて切込み量が大きくなっている。そのため、突出片切込み部20cは、Y方向において第2面板16側に向かって尖った形状となっている。
【0059】
突出片切込み部20cが突出片部20に設けられていることで、突出片先端部20bが空隙部60に挿入された後、反力によって第1面板14が折り曲げ前の状態に戻ろうとした際に、突出片切込み部20cが空隙部60の外縁の上辺部分に係合する。その結果、組立て途中で未だ上端開口が開いた状態にある箱体1の上端開口を広げることができるため、当該箱体1の積み重ね易さを向上させることができる。すなわち、第1面板14が底面板12に対して外方に倒れるように傾いた際に、空隙部60に挿入された突出片先端部20bが空隙部60の縁に係止されることで、第1面板14の傾き状態を維持することができ、仮組立段階の箱体1のスタック性が向上する。
【0060】
また、第1天板36及び第2天板52により箱体1の上端開口が閉じた状態では、空隙部60に挿入された突出片先端部20bが空隙部60の縁に係止されることで、突出片部20が第1天板36及び第2天板52によって確実に係止される。これにより、ロック構造部18が、第1面板14と第2面板16との連結状態を確実に保持(ロック)する。この際、上述した突出片切込み部20cの作用により、箱体1の上端開口が開いた状態、及び、上端開口が閉じた状態のいずれにおいても、突出片部20が空隙部60に挿入された状態を維持し、突出片部20が空隙部60から脱離するのを抑制することができる。
【0061】
また、図3に示すように、突出片先端部20bの外縁部分のうち、Y方向において第2面板16側の角部は、面取りされている。また、図3に示すように、突出片先端部20bのうち、Y方向において第2面板16側の端部には、略三角形状の窪みからなる突出片窪み部20dが設けられている。突出片窪み部20dは、突出片窪み部20dの外縁をなす2辺のうち、突出片部20の基端側に位置する辺は、Y方向に沿っており、もう一方の辺は、Y方向に対して傾斜している。
【0062】
さらに、突出片窪み部20dが突出片部20に設けられることで、突出片部20が空隙部60に挿入された状態では、突出片部20において突出片窪み部20dと隣接する部分が、空隙部60の縁のうち、スリット部28の末端部(詳しくは、第1延出部分末端部30a)と隣接する部分に接触して係合する。これにより、突出片部20が空隙部60に挿入された状態を、より確実に維持(ロック)することができる。
なお、突出片窪み部20dを設けることにより、突出片部20が空隙部60に挿入された状態において突出片先端部20bが空隙部60の縁と接触しないようにしてもよい。
【0063】
スリット部28は、図3に示すように、鈍角状に屈曲したカット線からなり、第2面板16のうち、Y方向において突出片部20と隣り合う端よりも内側に位置する部分に設けられている。スリット部28は、図3に示すように、X方向に沿って延出した第1延出部分30と、第1延出部分30の一端から第1延出部分30と交差する方向に延出した第2延出部分32とを有する。
【0064】
第1延出部分30は、X方向に対して若干傾いた方向に、底面板12に向かって直線状に延出しており、底面板12に近づくにつれてY方向内側に変位する。第1延出部分30におけるX方向外側の端(一端)は、図3に示すように、X方向において第2天板折曲線54と同じ位置にある。第1延出部分30のうち、X方向内側に位置する端部(以下、第1延出部分末端部30a)は、図3に示すように、円弧状又は半円状に湾曲しており、X方向において第2折曲線26よりも若干外側に位置している。換言すると、X方向において、第1延出部分末端部30aと第2折曲線26との間には、間隔が設けられている。
【0065】
第1延出部分30の端位置及び形状等は、特に限定されず、第1延出部分30は、X方向において第2天板折曲線54を超えて延出し、第1延出部分30の一端が第2天板折曲線54よりも外側に位置してもよい。反対に、第1延出部分30の一端が、X方向において第2天板折曲線54よりも内側に位置してもよい。また、第1延出部分30は、X方向内側の端が第2折曲線26上に位置する(達する)まで延出してもよい。
【0066】
第2延出部分32は、第1延出部分30の一端からY方向に対して傾斜した方向に、Y方向の内側に向かって延出しており、Y方向の内側に向かうにつれてX方向外側に変位する。第2延出部分32の延出方向とY方向とがなす傾斜角度(鋭角)は、特に限定されないが、30°~60°の範囲内にあるとよい。また、第2延出部分32の一端(第1延出部分30側の端)は、図3に示すように、第1延出部分30の一端と一致しているため、第2天板折曲線54上に存在している。
【0067】
また、第2延出部分32は、Y方向において、第2面板16に設けられた切り欠き部56及び端部折曲線58と略同じ位置まで延出し、さらに、第2延出部分32のうち、Y方向において、より内側に位置する端部(以下、第2延出部分末端部32a)は、円弧状又は半円状に湾曲している。第2延出部分末端部32aは、図3に示すように、Y方向において第1延出部分末端部30aよりも内側に位置しており、換言すると、第1延出部分末端部30aよりも突出片部20から離れている。
【0068】
なお、第2延出部分32の端位置及び形状等は、特に限定されず、第2延出部分32の一端、つまり第1延出部分30側の端は、X方向において第2天板折曲線54よりも外側に位置してもよく、反対に第2天板折曲線54よりも内側に位置してもよい。また、第2延出部分末端部32aは、Y方向において切り欠き部56及び端部折曲線58よりも外側、あるいは内側に位置してもよい。
【0069】
切れ目62は、カット線からなり、本実施形態では、スリット部28の屈曲箇所、つまり、第1延出部分30及び第2延出部分32の各々の端部の交点から直線状に延出している。切れ目62は、Y方向においてスリット部28よりも外側に位置し、且つY方向に対して平行に延びており、本実施形態では、図3に示すように第2天板折曲線54と重なる位置に設けられている。切れ目62の長さ(Y方向における延出量)は、比較的短く、Y方向における第2延出部分32の延出量に比べて小さくなっており、例えば1~5mm程度である。
【0070】
なお、切れ目62は、Y方向においてスリット部28より外側に位置していればよく、Y方向に対して傾斜した方向に延びてもよい。また、切れ目62は、第2天板折曲線54と重ならない位置、例えば、X方向において第2天板折曲線54より内側に設けられてもよく、換言すると、スリット部28の第1延出部分30から延出してもよい。あるいは、切れ目62は、X方向において第2天板折曲線54より外側に設けられてもよく、換言すると、スリット部28の第2延出部分32から延出してもよい。
【0071】
交差切れ目64は、カット線からなり、図3に示すように、切れ目62のY方向外側の端(先端)から、切れ目62と交差する方向に延出している。本実施形態において、交差切れ目64は、図3に示すように、X方向において外側(すなわち、底面板12とは反対側)に延びた外側部分64aと、X方向において内側(すなわち、底面板12側)に延びた内側部分64bとを有する。外側部分64a及び内側部分64bの各々の長さ(X方向における延出量)は、X方向における第1延出部分30の延出量に比べて小さく、例えば1~5mm程度である。
【0072】
外側部分64a及び内側部分64bは、いずれも、X方向に対して平行に延びており、切れ目62と直交している。また、交差切れ目64において、外側部分64aと内側部分64bとが一直線状に連続している。このような構成であれば、第2面板16において、外側部分64aと内側部分64bとを有する交差切れ目64を簡単に設けることができる。ただし、これに限定されず、外側部分64a及び内側部分64bのうちの少なくとも一方が、他方と交差する方向に延出してもよい。例えば、外側部分64a及び内側部分64bの双方が、互いに交差する方向に延出し、交差横向きV字状の交差切れ目64が形成されてもよい。また、交差切れ目64のうち、外側部分64a及び内側部分64bのいずれか一方のみが設けられており、もう一方が設けられていなくてもよい。
【0073】
以上のように構成されたロック構造部18によれば、突出片部20の先端部(突出片先端部20b)が、図4及び5に示すように、スリット部28及び切れ目62が開口して形成される空隙部60に挿入されて差し込まれる。これにより、底面板12に対して折り曲げられた第1面板14及び第2面板16の連結状態が維持される。
なお、「スリット部28及び切れ目62が開口する」とは、第2面板16においてスリット部28及び切れ目62を介して互い隣り合う2つの部分のうち、スリット部28よりもY方向内側に位置する部分が箱体1(厳密には、組立て途中の箱体1)の外方に向かって押圧されることで、当該2つの部分の間に隙間が形成されることである。
【0074】
より詳しく説明すると、第2面板16を第2折曲線26にて折れ曲げ、第1面板14を第1折曲線24にて折れ曲げると、図4に示すように、突出片部20が第1折曲線24を中心にして第2面板16側に回動する。これにより、第2面板16の第2側板50の外側に回り込む。その後、第2面板16のうち、Y方向においてスリット部28より内側に位置する部分が、箱体1の外方に向かって押圧されることで、図4に示すように、スリット部28及びが開口して空隙部60が形成される。そして、突出片先端部20bが空隙部60に挿入されて、空隙部60を通じて第2面板16の外側から第2面板16の内側に入り込む。これにより、図5に示すように、突出片先端部20bが、空隙部60を通じて第2面板16の内側に完全に挿入される。
【0075】
以上により、底面板12が有する四つの頂点のそれぞれが位置する箇所において、第1面板14と第2面板16との連結構造が、第2面板16の外側、厳密には第2側板50の外側に形成される。また、突出片部20が空隙部60に挿入されると、第2面板16のうち、スリット部28のY方向内側でスリット部28(より詳しくは、第1延出部分30)と隣り合う部分が、第2面板押圧部66を構成する。なお、第2面板押圧部66とは反対側、すなわちY方向外側でスリット部28と隣接する部分を、以下では隣接部分68と呼ぶこととする。
【0076】
第2面板押圧部66には、ブランク10を構成する紙材料(詳しくは、段ボールシート)の剛性により、元の状態に戻ろうとする力が作用する。第2面板押圧部66は、この復元力を利用し、空隙部60に挿入された突出片部20を突出片部20の外側から内側に押圧することができる。その結果、突出片部20が空隙部60に挿入された状態、つまり、折り曲げられた第1面板14及び第2面板16の連結状態が確実に保持(ロック)される。
【0077】
また、本実施形態では、スリット部28が屈曲しており、換言すると、互いに交差し合う第1延出部分30及び第2延出部分32によってスリット部28が構成されている。これにより、スリット部28が開口して形成される空隙部60に、突出片部20を挿入する場合、空隙部60の縁と突出片部20との接触を極力少なくし、突出片部20をよりスムーズに空隙部60に挿入することができる。
特に、本実施形態では、Y方向において、第2延出部分32の突出片部20とは反対側の端である第2延出部分末端部32aが、第1延出部分30の突出片部20とは反対側の端である第1延出部分末端部30aよりも、突出片部20から離れている。これにより、スリット部28をより大きく開口させることができ、突出片部20をさらにスムーズに空隙部60に挿入することができる。
【0078】
また、本実施形態では、第1延出部分末端部30aが第2折曲線26よりもX方向外側に位置しており、換言すると、X方向において第1延出部分末端部30aと第2折曲線26との間には間隔が設けられている。これにより、突出片部20が空隙部60に挿入されると、突出片先端部20bが、空隙部60の縁のうち、第1延出部分末端部30aを含む第1延出部分30のX方向外側の端部と隣り合う部分に係止される。これにより、突出片部20が底面板12に対して上側に回動する(すなわち、倒れ込む)のを防止し、第1面板14及び第2面板16が底面板12に対して垂直に起立した状態を良好に維持することができる。この結果、ブランク10を折り曲げて組み立てた箱体1内の収容空間のサイズが適切に維持される。
【0079】
また、本実施形態では、第2折曲線26が底面板12の各短辺の両端に位置する頂点の間に設けられ、Y方向に対して平行な直線をなしている。このような構成によれば、突出片部20を、底面板12の頂点を起点にして空隙部60に挿入することができる。これにより、突出片部20を空隙部60に挿入する際、突出片基部20aと第2面板16との隙間(ギャップ)を極力小さくすることができる。また、突出片先端部20bは、第2面板16のうち、スリット部28と隣り合う部分、すなわち第2面板押圧部66によって押圧されながら、空隙部60に挿入される。
【0080】
より詳しく説明すると、突出片部20を空隙部60に挿入する際、隣接部分68が突出片基部20aを箱体1(厳密には、組立て途中の箱体1)の外方に押し、第2面板押圧部66が突出片先端部20bを箱体1の内方に向かって押圧する。これにより、空隙部60に挿入された突出片部20は、第2面板16においてスリット部28を介して隣り合う2つの部分によって挟まれるため、突出片部20と第2面板16とが隙間なく当接し、この結果、空隙部60に挿入された突出片部20に対する係止力を向上させることができる。
【0081】
また、本実施形態では、X方向において突出片部折曲線22が第2折曲線26よりも外側にオフセットしている。そのため、突出片部20を空隙部60に挿入する際、突出片部20は、底面板12に対して起立した第2面板16よりも、第2面板16の板厚分だけ外側を移動する。これにより、突出片部20を、第2面板16との干渉を避けながら空隙部60にスムーズに挿入することができる。
【0082】
また、本実施形態では、スリット部28からY方向の外側に向かって切れ目62が延びていることで、突出片部20を空隙部60によりスムーズに挿入し、且つ、突出片部20が空隙部60に挿入された状態をより確実に保持(ロック)することができる。具体的に説明すると、第2面板16のうち、Y方向においてスリット部28の内側でスリット部28と隣接する部分が、箱体1の外方に向かって変位することで、スリット部28が開口する。このとき、切れ目62が設けられている分、第2面板16のうち、スリット部28と隣接する部分(詳しくは、隣接部分68)は、切れ目62におけるY方向端部を起点として箱体1の内方に変位し易くなるため、スリット部28がより開口し易くなる。この結果、空隙部60が広がり、突出片部20を空隙部60により容易に挿入することができる。
【0083】
また、本実施形態では、図3に示すように、第2面板16に第2天板52に端部折曲線58が設けられていることで、スリット部28及び切れ目62がより開口し易くなる。詳しく説明すると、不図示の押圧具からの押圧力、及び、第2面板16を第2折曲線26にて折り曲げる際の力が、第2面板16のうち、スリット部28と隣接する部分に作用することで、当該部分が外方に押圧されることで、スリット部28が開口する。さらに、このとき、上記の力が、端部折曲線58に付与されるようになり、第2面板16においてスリット部28とY方向外側で隣接する部分、すなわち隣接部分68が端部折曲線58にて内方に折れ曲がる。この結果、スリット部28がより広く開口でき、より大きな空隙部60が形成されるようになる。さらに、切れ目62が設けられることで、空隙部60は、より一層広げられる。
【0084】
さらにまた、本実施形態では、第2天板52の外縁部にV字状の切り欠き部56を設けることで、切り欠き部56に応力を集中させることで、より容易に第2面板16を端部折曲線58にて折ることができる。より詳しく説明すると、突出片部20を空隙部60に挿入するに際して、第2面板16において第2面板押圧部66が押圧され、その押圧力と、第2面板16が第2折曲線26を起点に折れ曲げるための力とが、切り欠き部56を経由して端部折曲線58に付与される。この結果、スリット部28及び切れ目62を一段と大きく開口させ、空隙部60をより広げることができるため、突出片部20をより一層容易に空隙部60に挿入することができる。
【0085】
ところで、突出片部20を空隙部60に挿入するためには、突出片部20の寸法、突出片部20とスリット部28との位置関係、並びに、X方向及びY方向におけるスリット部28の長さを適切に設計する必要がある。ここで、図3に示すように、Y方向における突出片先端部20bの長さ(幅)をAとし、X方向における突出片部20の長さ(突出量)をBとする。また、第2折曲線26からスリット部28の第2延出部分32におけるX方向外側の端までの距離をCとし、第1折曲線24から第2延出部分32におけるY方向内側の端までの距離をDとする。このとき、本実施形態では、下記の式(1)及び式(2)を満たすようにロック構造部18が構成されている。
C≧A 式(1)
D≧B 式(2)
【0086】
そして、上記の式(1)及び式(2)を満たすことで、折り曲げられた第1面板14及び第2面板16の連結状態が安定して維持(ロック)される。より詳しく説明すると、第1面板14及び第2面板16を不図示の押圧具を用いて折り曲げた際に、底面板12に対して垂直に立ち上がった第1面板14及び第2面板16のそれぞれに作用していた押圧力、すなわち垂直に起立させる力は、押圧具が第1面板14及び第2面板16から離間することでなくなってしまう。これにより、第1面板14及び第2面板16の各々は、図6に示すように、折り曲げによって生じる反力によって外方に若干倒れるようになる。
【0087】
一方、本実施形態では、突出片先端部20bの幅Aが、第2折曲線26からスリット部28の第2延出部分32におけるX方向外側の端までの距離Cより小さい。この場合、第1面板14が外方に倒れた際、図6に示すように、空隙部60に挿入された突出片部20が、その先端部が少し持ち上がるように回動する。その結果、突出片先端部20bが、空隙部60の縁の上端部分に係止され、突出片部20が空隙部60から脱離するのを抑えることができる。
【0088】
また、本実施形態では、第2面板16に切れ目62が設けられていることで、突出片部20が上記のように回動した際に、第2面板16のうち、切れ目62の直上で切れ目62と隣接する部分(以下、切れ目の縁部分という)が、突出片先端部20bを係止する。より詳しく説明すると、図7及び8に示すように、突出片先端部20bが、箱体1の高さ方向から見た場合に切れ目の縁部分に対してX字状に交差した状態で、切れ目の縁部分と当接する。これにより、突出片先端部20bが切れ目の縁部分と当接する位置に突出片部20を留めておき、突出片部20のさらなる回動を抑えることができる。この結果、突出片部20が空隙部60から脱離するのを、より効果的に抑えることができる。
【0089】
上述した効果は、ブランク10の厚みが増えた場合には、特に有効である。すなわち、ブランク10を構成する紙材料が厚くなるほど、スリット部28が開口した際にスリット部28周りに生じる反発力が大きくなる。そのため、空隙部60が閉じ易くなり、空隙部60の開口サイズが減少し易くなる。また、ブランク10の厚みが増えるほど、ブランク10を折り曲げた際の反発力も大きくなるため、空隙部60に挿入された突出片部20が回動し易くなる結果、突出片部20が空隙部60から脱離し易くなる。
【0090】
これに対し、本実施形態では、スリット部28から切れ目62が延出していることで、スリット部28付近では反発力が発生し難くなるため、その反発力による空隙部60の開口サイズの減少を抑えることができる。この結果、ブランク10の厚みが大きくなった場合にも、突出片部20を空隙部60に容易に挿入することができる。また、空隙部60に挿入された突出片部20が回動したとしても、前述したように突出片先端部20bが切れ目の縁部分に係止されるため、突出片部20が空隙部60から脱離するのを、より効果的に抑えることができる。
【0091】
また、本実施形態では、第2面板16において、切れ目62が折り曲げ用罫線、詳しくは第2天板折曲線54上に第2天板折曲線54に沿って形成されている。これにより、突出片部20が空隙部60から脱離するのをより一層適切に防止することができる。
より詳しく説明すると、切れ目62は、スリット部28からY方向に沿って延出しており、スリット部28が開口する際、第2面板16のうち、切れ目62が起点となって空隙部60が形成される。つまり、切れ目62が裂けることで隙間が形成され、その隙間の分だけ空隙部60が広がるので、突出片部20を空隙部60に挿入することがより容易になる。ただし、空隙部60が広がると、その分、突出片部20が空隙部60から脱離し易くなってしまう。
【0092】
これに対して、本実施形態では、切れ目62が第2天板折曲線54の上に形成されているため、突出片部20が空隙部60に挿入された後に第2面板16が第2天板折曲線54にて折り曲げられると、第2面板16のうち、第2天板折曲線54と隣接する部分により、切れ目62が裂けて形成された隙間が塞がれる。このように隙間が塞がれることで、空隙部60に挿入された突出片部20が空隙部60から脱離するのを適切に抑えることができる。
【0093】
また、第2面板16には、切れ目62と交差する交差切れ目64が設けられており、交差切れ目64は、図3に示すように、X方向外側に向かって延出した外側部分64aを有する。これにより、スリット部28は、外側部分64aを起点として開口することができ、外側部分64aが設けられていない場合と比較して、より大きく開口することができる。これにより、空隙部60がより広がるので、突出片部20を空隙部60に一段と容易に挿入することができる。
【0094】
さらに、交差切れ目64としての外側部分64aが設けられていることで、切れ目の縁部分が外方に変位し易くなり、突出片先端部20bに対する切れ目の縁部分がなす角度(交差角度)をより大きくすることができる。これにより、突出片先端部20bのうち、切れ目の縁部分に当接する領域が増えるため、突出片先端部20bが切れ目の縁部分に係止され易くなる。この結果、突出片部20が空隙部60から脱離するのを、さらに効果的に抑えることができる。
【0095】
より詳しく説明すると、突出片部20を空隙部60に挿入する際、第2面板16においてスリット部28のY方向外側でスリット部28(詳しくは、第2延出部分32)と隣り合う部分が、突出片部20によって箱体1(厳密には、組立て途中の箱体1)の内方に押される。一方、切れ目62よりX方向外側に位置する部分は、切れ目62があることで、突出片部20によって箱体1の内方に押される部分とは断絶しており、その部分とともに箱体1の内方に押されることはない。これにより、第2面板16のうち、切れ目62よりX方向外側に位置する部分、具体的には第2天板52における第2側板50側の端部は、箱体1の内方に押される部分とは分離して、箱体1の外方に向かって変位する(開く)ことができる。したがって、空隙部60に挿入された突出片部20に対して、第2天板52における第2側板50側の端部と当接する部分が増える。この結果、突出片先端部20bが切れ目の縁部分に係止され易くなり、突出片部20が空隙部60から脱離するのを、一段と効果的に抑えることができる。
【0096】
さらにまた、交差切れ目64は、X方向内側に向かって延出した内側部分64bを有する。これにより、スリット部28及び切れ目62が開口する際に、第2面板16のうち、スリット部28とはY方向外側で隣接する部分を、箱体1の内方に変位させ易くなる。すなわち、交差切れ目64の内側部分64bが設けられていることで、スリット部28及び切れ目62が開口する際の開口長さを、より長くすることができる。これにより、スリット部28及び切れ目62が一段と開口し易くなり、結果として、開口サイズ(開口面積)が広がって、突出片部20を空隙部60に挿入することが、益々容易になる。
【0097】
一方、切れ目62が開口すると、切れ目62の形成位置にて第2面板16が裂けて隙間が形成され、その隙間の分、空隙部60を広げることができるが、切れ目62がさらに延びて第2面板16が過度に裂ける虞がある。これに対して、本実施形態では、上述の交差切れ目64を構成する外側部分64a及び内側部分64bの双方が、X方向に沿って直線状に連続して延びている。かかる構成により、第2面板16が切れ目62を起点として必要以上に裂けるのを抑えることができる。
【0098】
なお、本実施形態では、交差切れ目64を構成する外側部分64a及び内側部分64bの各々が、切れ目62の先端から延出しているが、これに限定されない。例えば、図9に示すように、外側部分64a及び内側部分64bの双方が切れ目62の途中位置から延出してもよい。また、外側部分64a及び内側部分64bのうちのいずれか一方が切れ目62の先端から延出し、もう一方が切れ目62の途中位置から延出してもよい。ただし、外側部分64a及び内側部分64bの双方が切れ目62の先端から延出していれば、上述した交差切れ目64を設けることによる効果が、最大限に発揮される。
また、交差切れ目64が切れ目62の途中位置から延出する構成において、外側部分64a及び内側部分64bのうちのいずれか一方のみが設けられてもよいが、上述の効果をより有効に発揮させる観点では、外側部分64a及び内側部分64bの双方が設けられている方が好ましい。
【0099】
さらに、突出片先端部20bのうち、Y方向において第2面板16とは反対側の端部には、前述したように突出片切込み部20cが設けられている。突出片部20が空隙部60に挿入された状態では、突出片先端部20bにおいて突出片切込み部20cと隣接する部分が、空隙部60の縁と強固に係合する。これにより、上端開口が開いた状態の箱体1になるまでにブランク10を折り曲げた段階で、折り曲げの反力によって第1面板14が外方に倒れた際に、折り曲げられた第1面板14及び第2面板16の連結状態を保持し、箱体1の積み重ね易さ(スタック性)を向上させることができる。
【0100】
以上のように、本実施形態では、突出片部20を空隙部60に挿入することで、第1面板14及び第2面板16の連結状態を保持(ロック)できる。これにより、ブランク10を折り曲げて箱体1を組み立てる際に、熟練した技能を必要とすることなく、容易に且つ適切に箱体1を組み立てることができる。
【0101】
また、上端開口が開いた状態の箱体となるまでブランク10を折り曲げると、上述したように、折り曲げられた第1面板14及び第2面板16の各々が、折り曲げの反力によって、底面板12に対して垂直に立ち上がった状態から若干外方に傾く。これにより、上端開口が開き、箱体1が自立して当該箱体1を効率よく収納できるようになり、その結果、箱体1の収容作業(具体的には、積み重ね作業)の効率を高めることができる。
【0102】
また、本実施形態では、突出片部20のうち、突出片先端部20bのみが、空隙部60に挿入されて第2面板16の外側から内側に入り込む。これにより、上端開口が開いた箱体1を積み重ねてスタックすることがより容易となる。つまり、突出片先端部20bのみが空隙部60に挿入されれば、上端開口が開いた箱体1を複数積み重ねる際に、上下に隣り合う2つの箱体1の間で、互いに干渉し合う部分が少なくなるため、箱体同士を良好に積み重ねることができる。
さらに、第1面板14と第2面板16が底面板12に対して垂直に立ち上がった状態から若干外方に傾くことにより、所謂滑り台効果が生じ、箱体1の中に、別の箱体1がスムーズに入り込むようになる。これにより、箱体1を積み重ねてスタックすることが、より一層容易になる。
【0103】
[本発明のブランクにおけるロック構造部の変形例]
本発明のブランクが備えるロック構造部の構成については、上述の実施形態(すなわち、本実施形態)に限定されず、他の例(変形例)が考えられ得る。以下、第1~第5変形例に係るロック構造部の構成について説明する。
なお、以下の説明中、既に説明した実施形態と同じ構成要素、及び、既に説明した実施形態と共通する内容については、説明を省略し、また、図面では、上述の実施形態と同じ符号を付すこととする。
【0104】
(第1変形例)
第1変形例に係るロック構造部(以下、ロック構造部118)は、図10に示すように、突出片部20と、スリット部128と、切れ目62及び交差切れ目64を有する。突出片部20は、本実施形態の突出片部20と略同様の構成及び形状を備える。
【0105】
スリット部128は、図10に示すように、X方向に沿って底面板12側に延出した第1延出部分130と、第1延出部分130と交差しY方向内側に向かって延出した第2延出部分132とを有する。第1延出部分130の一端は、X方向において第2天板折曲線54上にある。第1延出部分130は、X方向に対して若干傾斜した方向に延出し、第1延出部分末端部130aを除く部分は、底面板12に近づくにつれてY方向内側に変位する。また、第1延出部分末端部130aは、半円状に湾曲しており、第1延出部分130のうち、第1延出部分末端部130aとは反対側の端部は、底面板12から離れるほどY方向内側に向かうように円弧状に湾曲している。
【0106】
第2延出部分132は、図10に示すように、第1延出部分130の一端からY方向に対して平行に延出した平行部分132aと、平行部分132aのY方向内側の端からY方向に対して傾斜した方向に延出した傾斜部分132bとを有する。平行部分132aは、Y方向内側に向かって延出し、X方向において第2天板折曲線54と略同一線上にある。傾斜部分132bは、X方向外側に向かって延出している。
【0107】
また、第2延出部分132には、図10に示すように、平行部分132aと傾斜部分132bとの交点部分には、X方向に対して平行に、且つX方向内側に向かって延出した縦切れ目132cがさらに設けられてもよい。この縦切れ目132cが設けられることで、スリット部128及び切れ目62が開口して形成される空隙部60をより広げることができ、突出片部20を空隙部60により容易に挿入することができる。
【0108】
以上のように構成された第1変形例では、スリット部128及び切れ目62が開口して空隙部60が形成され、突出片部20が空隙部60に挿入されると、空隙部60の縁のうち、第2延出部分132の平行部分132aと隣り合う部分に突出片先端部20bが係止される。また、第2面板押圧部66によって突出片部20が押圧され、これにより、突出片部20が空隙部60に挿入された状態が良好に保持(ロック)される。
【0109】
また、空隙部60に挿入された状態の突出片先端部20bは、スリット部128の第1延出部分末端部130aにも係止される。このような構成によれば、第1面板14及び第2面板16が底面板12に対して略垂直に立ち上がった状態が良好に維持される。
【0110】
なお、スリット部128の第2延出部分132は、傾斜部分132bを有する構成に限定されず、傾斜部分132bを有しない構成でもよい。ただし、傾斜部分132bが設けられている場合には、スリット部128が開口して形成される空隙部60の開口サイズをより広げることができ、この結果、空隙部60に突出片部20をより容易に挿入することができる。
【0111】
(第2変形例)
第2変形例に係るロック構造部では、図示を省略するが、突出片部20が、先端(X方向外側の端)が平坦となった突出片先端部20bを有する。これにより、突出片部20の空隙部60への挿入がより容易になる。その余の点について、第2変形例に係る突出片部20は、本実施形態における突出片部20の構成と同様の構成である。
なお、第2変形例において、スリット部128は、第1変形例と同様の構成であり、平行部分132aと傾斜部分132bとの交点からX方向内側に延出した縦切れ目132cを、さらに備えてもよい。
【0112】
(第3変形例)
第3変形例に係るロック構造部(以下、ロック構造部318)では、図11に示すように、突出片部320が、突出片基部320a、突出片先端部320b、及び突出片窪み部320dを有する一方で、突出片切込み部を有しない。また、第3変形例では、突出片先端部320bが、突出片突起部320tを有する。突出片突起部320tは、図11に示すように、Y方向と平行に、第2面板16とは反対側に向かって突出している。突出片突起部320tの基端には、X方向に平行な突起折曲線320sが設けられている。
【0113】
第3変形例のスリット部328は、図11に示すように、X方向に沿って底面板12側に延出した第1延出部分330と、第1延出部分330と交差しY方向内側に向かって延出した第2延出部分332とを有する。
第1延出部分330は、Y方向において第2天板折曲線54の端位置から少し内側に位置し、X方向において第2天板折曲線54を跨いで延出しており、その一端は、第2天板折曲線54よりもY方向外側に位置している。第1延出部分330は、Y方向に対して若干傾斜した方向に延びており、底面板12に近づくにつれてY方向内側に変位する。第1延出部分末端部330aは、半円状に湾曲している。
【0114】
第2延出部分332は、図11に示すように、傾斜部分332aと平行部分332bとを有する。傾斜部分332aは、第1延出部分330の一端からY方向に対して傾斜した方向にX方向外側に向かって延出している。平行部分332bは、傾斜部分332aのY方向内側の端から、Y方向と平行に、Y方向内側に向かって延出している。平行部分332bのY方向内側の端部である第2延出部分末端部332cは、半円状に湾曲している。
【0115】
第3変形例では、スリット部328が、第1延出部分330のX方向内側(底面板12側)の端と、平行部分332bのY方向外側の端を起点として開口し、それにより形成される空隙部60の大きさは、本実施形態と比べて、より広くなる。
【0116】
また、第1延出部分330及び傾斜部分332aは、Y方向において、第2面板16のY方向外側の端に比較的近い位置に設けられている。さらに、第1延出部分330と傾斜部分332aとの交点からは、Y方向外側に向かって切れ目62が延出している。これにより、突出片突起部320tを備えるために突出片先端部320bのサイズが大きくなっても、突出片先端部320bが入る程度にスリット部328を十分に開口させることができ、空隙部60に突出片部320を適切に挿入することができる。
【0117】
また、突出片部320を空隙部60に挿入した後、第2面板16を第2天板折曲線54にて折り曲げると、突出片突起部320tが突起折曲線320sにて折れ曲がる。このとき、突出片突起部320tは、突出片部320が空隙部60に挿入される方向に対して略垂直に折れ曲がる。これにより、突出片突起部320tが空隙部60の縁に係止されるため、空隙部60から突出片部320が脱離するのを適切に抑えることができる。さらに、突出片部320が空隙部60に挿入されると、突出片先端部320bが、空隙部60の縁のうち、スリット部328の平行部分332bと隣り合う部分に係止されて、突出片部320が空隙部60に挿入された状態が良好に保持(ロック)される。
【0118】
(第4変形例)
第4変形例に係るロック構造部(以下、ロック構造部418)では、図12に示すように、突出片部420が、突出片基部420a及び突出片先端部420bを有する。また、第4変形例に係るスリット部328は、図12に示すように、第3変形例のスリット部328と同様の構成である。
【0119】
突出片先端部420bは、第2変形例と同様、その先端(X方向外側の端)がY方向に対して平行であり、且つ平坦な形状をなしている。また、突出片先端部420bのうち、Y方向において第2面板16側の端部は、Y方向において第2面板16側に突出した半円状の突出片突起部420tを構成している。
また、突出片部420のうち、Y方向において第2面板16側の端部には、突出片基部420aと突出片先端部420bとの間に位置し、且つY方向に対して平行に形成された突出片窪み部420dが設けられている。また、突出片先端部420bのうち、Y方向において第2面板16とは反対側の端部には、突出片切込み部420cが形成されている。
【0120】
以上のように構成されたロック構造部418では、空隙部60に突出片部420が挿入されると、突出片先端部420bにおいて突出片窪み部420dと隣り合う部分が、空隙部60の縁のうち、スリット部328の第1延出部分末端部330aと隣接する部分に当接して第1延出部分末端部330aに係止される。
【0121】
また、第4変形例では、突出片部420に突出片突起部420tが備えられているため、突出片部420が空隙部60に挿入された状態において、第2面板押圧部66との接触面積を増やすことができる。また、突出片突起部420tが設けられていることで、突出片先端部420bのうち、当該空隙部60の縁に係止される部分が増えるため、空隙部60から突出片部420が脱離するのを抑えることができる。
【0122】
突出片突起部420tは、前述したようにY方向に対して平行に突出している。一方、第1面板14が第1折曲線24にて折り曲げられ、突出片部420が第1折曲線24を起点として回動する際、突出片部420は、スリット部328の第1延出部分330に対して略直交する方向に移動して空隙部60に挿入される。このとき、突出片突起部420tは、空隙部60の縁のうち、第1延出部分末端部330aと隣接する部分に対して広く当接し、第2面板押圧部66により広範囲に亘って押圧される。これにより、突出片部420が空隙部60に挿入された状態を良好に保持(ロック)することができる。
【0123】
(第5変形例)
第5変形例に係るロック構造部(以下、ロック構造部618)において、突出片部620は、図13に示すように、突出片基部620a及び突出片先端部620bを有する。突出片部620のうち、Y方向における第2面板16側の端部には、突出片基部620aと突出片先端部620bとの間に突出片窪み部620dが形成されている。突出片窪み部620dは、第2面板16に近づくにつれて、突出片部折曲線22に近づくように(図13では、右下に向かって)傾斜している。
【0124】
また、突出片先端部620bのうち、Y方向において第2面板16側の端部には突出片突起部620uが、第2面板16とは反対側の端部には突出片突起部620tが、それぞれ設けられている。突出片突起部620uは、第2面板16に近づくにつれて突出片部折曲線22に近づくように(図13では、右下に向かって)傾斜している。突出片突起部620tは、Y方向に対して平行に、第2面板16とは反対側に向かって突出している。第5変形例では、突出片先端部620bのY方向両端に2つの突出片突起部620t、620uを備える突出片部620であっても、空隙部60に確実に挿入することができる。また、2つの突出片突起部620t、620uの各々が空隙部60の縁に係止され、且つ、第2面板押圧部66によって突出片先端部620bが押圧されることで、突出片部620が空隙部60に挿入された状態が良好に保持(ロック)される。
【0125】
第5変形例において、スリット部628は、図13に示すように、第1延出部分630及び第2延出部分632を有する。第1延出部分630は、X方向の外側に向かって、且つX方向に対して若干傾斜した方向に延出している。第1延出部分630のうち、X方向内側の端部は、X方向の外側に向かうにつれてY方向内側に位置するように傾斜している。第1延出部分630のうち、X方向において第2天板折曲線54より若干内側の位置から第2天板折曲線54を超える位置まで延びた部分は、X方向の外側に向かうにつれてY方向外側に位置するように傾斜している。第1延出部分末端部630aは、半円状に湾曲している。
第2延出部分632は、第3変形例の第2延出部分332と同様であり、図13に示すように、傾斜部分632aと平行部分632bとを有し、第2延出部分末端部632cは、半円状に湾曲している。
【0126】
第5変形例では、突出片部620が空隙部60に挿入されると、突出片窪み部620dが、空隙部60の縁、詳しくはスリット部628の第1延出部分630におけるX方向内側の端部と隣接する部分に係合し、当該部分に突出片先端部620bが係止される。また、突出片突起部620uが、第2面板16に近づくにつれて突出片部折曲線22に向かうように傾斜しているため、空隙部60に挿入された突出片部620が上側に回動すると、突出片先端部620bが、空隙部60の縁のうち、第1延出部分末端部630aと隣接する部分に係止される。また、空隙部60に挿入された突出片部620は、第2面板16のうち、スリット部628と隣り合う部分、すなわち第2面板押圧部66によって押圧される。これにより、突出片部620が空隙部60に挿入された状態で良好に保持(ロック)することができる。
【0127】
[本発明のさらなる変形例]
本発明のブランクについては、さらなる変形例として、第6変形例~第9変形例が考えられ得る。以下、これらの変形例について説明する。
【0128】
(第6変形例)
以上までに説明してきたブランク10では、第2折曲線26が一直線上に設けられていることとした。これに対して、第6変形例に係るブランク10Xでは、図14に示すように、X方向において互いに位置が異なる複数の直線によって第2折曲線26Xが構成されている。より詳しく説明すると、図14に図示のブランク10Xでは、第2折曲線26が、X方向の端部をなす折曲線(以下、側端部折曲線26a)と、X方向の中央部をなす折曲線(以下、中央部折曲線26b)とを有する。つまり、ブランク10Xは、2つの側端部折曲線26aの間に中央部折曲線26bが配置された構成となっている。
【0129】
側端部折曲線26a及び中央部折曲線26bは、それぞれ、Y方向に平行な直線からなる折曲線である。一方、中央部折曲線26bは、X方向において側端部折曲線26aに対してオフセットされており、側端部折曲線26aよりも若干(例えば、2mm程度)X方向外側に位置している。また、図14に示すように、各側端部折曲線26aのY方向内側の端は、当該側端部折曲線26aと隣り合うスリット部28のX方向内側の端(詳しくは、第1延出部分30の端)に接続されている。
以上のような構成によれば、第2面板16を底面板12に対して垂直に立ち上がるように第2折曲線26Xにて折り曲げた際に、第2面板16のうち、Y方向の端部が側端部折曲線26aにて折れ曲がり、Y方向の中央部が中央部折曲線26bにて折れ曲がる。これにより、第2面板16を底面板12に対して垂直に立ち上がった状態では、第2面板16のY方向中央部が、Y方向端部よりも箱体1の外方に位置する。この結果、より容易に、スリット部28及び切れ目62が開口して空隙部60を形成することができる。また、第2面板16においてスリット部28と隣り合う部分が、より容易に、第2面板押圧部66を形成することができる。
【0130】
(第7変形例)
上述の実施形態では、突出片部折曲線22が、Y方向において第2折曲線26よりも若干外側にオフセットしていることとした。これに対して、第7変形例では、突出片部折曲線22Xが、図15に示すように、Y方向において第2折曲線26と同じ位置に設けられている。換言すると、第2折曲線26は、Y方向において、突出片部折曲線22の延長線上に位置し、第2折曲線26と、底面板12の頂点(図3中、黒丸の点にて示す)と、突出片部折曲線22Xとが一直線上に連続している。
【0131】
以上のように構成された第7変形例では、突出片部20を空隙部60に挿入する際、底面板12の頂点、すなわち第1折曲線24を起点にして第1面板14が底面板12に対して回動することで、突出片部20が空隙部60に向かう。このとき、突出片先端部20bは、第2面板16のうち、Y方向においてスリット部28と隣り合う部分、すなわち第2面板押圧部66と隙間なく当接して第2面板押圧部66から押圧されながら、スムーズに空隙部60に挿入される。
また、突出片部20が空隙部60に挿入されると、突出片先端部20bが空隙部60の縁に対して、ガタツキなく係止される。これにより、突出片先端部20bと空隙部60の縁との接合領域がより広くなり、この結果、突出片先端部20bに対する空隙部60の縁の係止力が向上する。
【0132】
(第8変形例)
上述の実施形態では、突出片部20が第1面板14と連続しており、第1面板14から切り離すことができないこととした。これに対して、第8変形例では、図16に示すように、突出片部20を破断させる破断線70が設けられ、破断線70に沿って突出片部20を第1面板14から切り離すことができる。破断線70は、突出片部20の基端に設けられた突出片部折曲線22上に形成され、Y方向(第2方向)に沿って延びている。この切り取り線は、例えば、突出片部折曲線22の一端から他端に亘って断続的に設けられたミシン目、又は、突出片部折曲線22に沿って形成されたハーフカット線及び切り込み等によって構成されるとよい。また、上記のミシン目、ハーフカット線及び切り込みは、突出片部折曲線22に対して斜めに形成されてもよい。
なお、破断線70は、突出片部20を切り取ることができる構成であれば、特に限定されず、公知の技術によって形成されるものであればよい。
【0133】
なお、第8変形例のブランク(以下、ブランク10Y)は、奴型(たとう式)の箱体を形成するものであり、図1に示すN式の箱を形成するブランク10とは種類及び形状が異なるものの、基本的な構成については、破断線70を備える点を除いて同様である。そのため、図16及び第8変形例に関する以降の説明では、ブランク10Yの各部分に対して、図1に示すブランク10のうち、対応する部分と同じ符号を付すこととし、例えば、図16中、ブランク10Yの底面板に相当する部分には、符号「12」が付けられている。
【0134】
また、図16に示すように、ブランク10Yにおける一方の第1面板14aが備える第1天板36には、切り取り可能な帯状部分であるジッパー部36aがX方向に沿って設けられてもよい。この場合、ジッパー部36aの両側端(Y方向における両端)には、ミシン目又は切り込み等からなるジッパー切り取り線36bが形成されるとよい。
また、ブランク10Yの材質は、図1に示すブランク10と同様、特に限定されないが、例えば、段ボール、厚紙、コートボール紙、板紙、及びプラスチック段ボール等がブランク10Yの素材として利用可能である。
【0135】
第8変形例では、突出片部20を破断線70に沿って破って第1面板14から切り離すことが可能となることで、封函された箱体1を容易に開封することができる。つまり、封函された箱体1において、突出片部20が第1面板14から切り離されることで、ロック構造部18によるロック状態、すなわち、第1面板14と第2面板16との連結状態が解除される。これにより、第1面板14は、第2面板16から離れるように移動することができ、具体的には、第1面板14に含まれる第1側板34及び第1天板36が、箱体1の外側に向かって開くように移動することができる。この結果、箱体1の側面及び天面(つまり、第1側板34及び第1天板36によって閉じられていた面)が開封され、開封された箇所にて箱体1の収容空間が箱体1の外に対して露出するようになる。そして、箱体1の側面及び天面が開封されることで、箱体1内の収容物を容易に取り出すことができる。
【0136】
上記の効果は、収容物のサイズ(厳密には、収容物を箱体1の天面側から見た場合のサイズであり、以下、同様とする)が天面のサイズと略等しい場合に、特に有効である。より詳細に説明すると、従来の箱体としては、開封口が底面に設けられた箱体が挙げられ得る。そのような箱体の内部に、天面のサイズと同じサイズの収容物が収容されていると、箱体の底面のうち、開封口を塞ぐ部分を指等で押す等して開封させる際に、指等で押された部分が収容物にぶつかってしまう場合があり得る。その場合、底面の開封口が開き難く、箱体内の収容物を取り出すことが困難である。
【0137】
これに対して、第8変形例に係る箱体1は、前述した通り、側面及び天面を開くことができるため、箱体1の収容空間における開口が広く開けられる。これにより、箱体1の所持者は、箱体1内の収容物を上記の開口から容易に取り出すことができ、詳しくは、片手で箱体1の側方から収容物を取り出すことができる。このとき、第1側板34及び第1天板36は、箱体1の外側に向かって開いて、底面板12と略同一平面上に並ぶようになるため、収容物は、その平面上を滑るように移動することができ、結果として、収容物をよりスムーズ取り出すことができる。
【0138】
なお、突出片部20を破断線70に沿って第1面板14から切り離す場合、箱体1の所持者は、箱体1のうち、破断線70付近の部分を持ち上げる。この持ち上げ操作により当該破断線70付近の部分に作用する力によって、突出片部20を破断線70に沿って破れることができる。
また、突出片部20が破れて第1面板14から切り離されると、第1面板14には、ブランク10Yを構成する紙材料の剛性に起因する復元力(抵抗力)が作用し、この力により、第1側板34及び第1天板36が、外側に開く向きに移動しやすくなる。この結果、第1側板34及び第1天板36を開くこと、すなわち、箱体1の開封がより容易になる。
【0139】
また、第8変形例では、突出片部折曲線22上に破断線70を設けるという比較的簡単な設計により、箱体1(換言するとブランク10Y)の形状及び構造を大きく変えずに、箱体1の開封容易性を向上させることができる。そのため、ブランク10Yを折り曲げて箱体1を製函したり封函したりする機械設備を、破断線70を設けていない場合の仕様から変えずに利用し続けることができる。換言すると、箱体1の開封容易性を向上させながらも、箱体1の製函及び封函の作業についての機械適正を保つことができる。
【0140】
(第9変形例)
第9変形例では、上述の実施形態を改良し、突出片部20をより容易に空隙部60に挿入できる構成とした。具体的には、第9変形例では、図17に示すように、第2面板16のスリット部728付近に開口用折曲線72が設けられている。開口用折曲線72は、谷折りされることが好ましい。そして、スリット部28を開口させて空隙部60を形成する際、上記の開口用折曲線72にて第2面板16が折れ曲がることにより、空隙部60が形成されやすくなっている。
【0141】
より詳しく説明すると、図17に示すように、第9変形例において、スリット部728は、第3変形例と同様、第1延出部分730及び第2延出部分732を有する。第1延出部分730は、X方向に沿って底面板12側に延出している。第2延出部分732は、図17に示すように傾斜部分732aと平行部分732bとを有する。傾斜部分732aは、第1延出部分730と交差する方向において、第1延出部分730の一端(詳しくは、X方向外側の端)からX方向外側に向かって延びており、且つ、X方向に対してY方向内側に向かって傾斜している。平行部分732bは、Y方向と平行な方向において、傾斜部分732aのY方向内側の端からY方向内側に向かって延出している。また、平行部分732bのY方向内側の端部(末端部)は、半円状に湾曲していることが好ましい。
【0142】
また、第9変形例において、第2面板16には、前述の開口用折曲線72が設けられている。開口用折曲線72は、図17に示すように、第2面板16において、第2延出部分732の傾斜部分732aよりも底面板12から離れた位置から、傾斜部分732aに向かって延びている。
【0143】
より詳しく説明すると、開口用折曲線72は、傾斜部分732aのうち、Y方向における傾斜部分732aの両端よりも傾斜部分732aの中央に近い箇所に向かって、X方向に沿って延びている。図17に示す形態では、開口用折曲線72が、Y方向における傾斜部分732aの略中央に向かって、X方向と略平行に延びている。ただし、開口用折曲線72は、X方向に対して傾いた方向に延びた線(罫線)でもよい。
【0144】
以上のように構成された開口用折曲線72は、スリット部728を開口させる場合に第2面板16のうち、第1延出部分730とは反対側、つまり第1延出部分730よりもX方向外側で傾斜部分732aと隣接する部分(以下、開口用折曲部分)を折り曲げる際の折曲線として機能する。そして、スリット部728を開口させる際に、開口用折曲部分が開口用折曲線72に沿って箱体1の内側に折り曲げられることで、スリット部728をより大きく開口させることができ、より幅広な空隙部60が形成される。その結果、突出片部20をより容易に空隙部60に挿入できる。また、傾斜部分732aよりもX方向の外側に開口用折曲線72が設けられていることで、開口用折曲部分を折り曲げる際の外力(入力)が開口用折曲線72から空隙部60に向かい空隙部60に集中しやすくなるため、スリット部728を開口させやすくなる。その結果、突出片部20をより一層容易に空隙部60に挿入できる。
【0145】
なお、第9変形例のブランク(以下、ブランク10Z)は、天板を有しないトレー型の箱体を形成するものであり、図1に示すブランク10とは種類及び形状が異なるものの、基本的な構成については、天板を有しない点、及び、上述の開口用折曲線72が設けられている点を除いて同様である。そのため、図17及び第9変形例に関する以降の説明では、ブランク10Zの各部分に対して、図1に示すブランク10のうち、対応する部分と同じ符号を付すこととし、例えば、図17中、ブランク10Zの第2面板に相当する部分には、符号「16」が付けられている。
【0146】
また、ブランク10Zでは、第2面板16が、側板としての第2側板50を含んでおり、第2側板50は、トレー型の箱体の側面部をなし、X方向において底面板12と連接している。そして、図17に示す構成では、スリット部728の第1延出部分730及び第2延出部分732と、開口用折曲線72と、開口用折曲部分が、すべて第2側板50に設けられている。これにより、開口用折曲部分を折り曲げる際の外力(入力)を、空隙部60により集中させやすくなる。その結果、スリット部728を一段と開口させやすくなり、突出片部20をさらに容易に空隙部60に挿入できる。
【0147】
また、ブランク10Zの材質は、図1に示すブランク10と同様、特に限定されないが、例えば、段ボール、厚紙、コートボール紙、板紙、及びプラスチック段ボール等がブランク10Yの素材として利用可能である。なお、より硬い紙材、又はより厚い紙材によってブランク10Zが構成される場合には、開口用折曲線72を設けて突出片部20を空隙部60に挿入させ易くする効果が、より際立って発揮されるようになる。
【0148】
また、第9変形例では、第2面板16に開口用折曲線72を設けるという比較的簡単な設計により、箱体(換言するとブランク10Z)の形状及び構造を大きく変えずに、箱体の組み立て性、詳しくは、空隙部60への突出片部20の挿入し易さを向上させることができる。そのため、ブランク10Zを折り曲げて箱体を製函したり封函したりする機械設備を、開口用折曲線72を設けていない場合の仕様から変えずに利用し続けることができる。換言すると、箱体の組み立て性を向上させながらも、箱体の製函及び封函の作業についての機械適正を保つことができる。
【0149】
なお、第2面板16に開口用折曲線72を設ける効果は、図18に図示のブランク800のように、突出片部20及びスリット部728を備える一方で切れ目62及び交差切れ目64を備えていない構成においても発揮される。ブランク800は、本発明とは異なる参考例に係るブランクであるが、当該参考例においても、第2面板16に開口用折曲線72を設けることで、スリット部728を開口させやすくなり、突出片部20を容易に空隙部60に挿入できる。ただし、スリット部728をより開口させ易くし、突出片部20を空隙部60により一層容易に挿入することができる点では、切れ目62及び交差切れ目64を備える方が好ましい。
ちなみに、上記の参考例に係るブランク800は、切れ目62及び交差切れ目64を備えていない点を除き、第9変形例に係るブランク10Zと略同じ構成を有する。そのため、図18に示すブランク800の各部分に対しては、図17に示すブランク10Zのうち、対応する部分と同じ符号が付けられている。
【0150】
(他の形状のブランクに対する変形例の適用)
上述した第8変形例及び第9変形例のそれぞれについて、図16及び17に示すブランク10Y、10Zを例に挙げて説明したが、これらのブランクは、あくまでも一例に過ぎない。すなわち、上記2つの変更例の構成は、図16及び17に示すブランク10Y、10Z以外の形状のブランク、例えば、図19に示すブランク810にも適用され得る。
ブランク810は、Y方向一端側の第1天板36の端から突出した差込突出片74と、Y方向他端側の第1天板36に形成された差込スリット76とを有し、差込突出片74を差込スリット76に差し込むことで封函される奴型(たとう式)の箱体を形成するためのブランクである。また、ブランク810は、図19に示すように、突出片部20の基端に破断線70を備えており、且つ、第2面板16に開口用折曲線72を備えている。
なお、ブランク810の基本構成は、図16に示すブランク10Yと略同様であるため、図19において、ブランク810の各部分に対しては、図16に示すブランク10Yのうち、対応する部分と同じ符号を付している。また、図19中、底面板12の中央部分にある破線円の内部に描かれた縞は、ブランク810を構成する段ボールシートの中しんの目を示しており、縞の線の方向が、中しんの目の方向に相当する。
【0151】
また、上述した複数の変形例のうち、2つ以上の変形例を組み合わせた構成のブランクも考えられ得る。例えば、図20に示すように、第8変形例に係るブランク10Yのスリット部728の形状を、第1変形例のスリット部128の形状に置き換えたブランク820が一例として挙げられ得る。
ブランク820は、図20に示すように、突出片部20の基端に破断線70を備えており、且つ、第2面板16に開口用折曲線72を備えている。また、ブランク820では、スリット部128と開口用折曲線72とが、すべて第2面板16の第2側板50に設けられている。
なお、ブランク820の基本構成は、スリット部128の形状を除き、図16に示すブランク10Yと略同様であるため、図20において、ブランク820のうち、スリット部を除く各部分に対しては、図16に示すブランク10Yのうち、対応する部分と同じ符号を付している。一方、ブランク820のスリット部については、図10に示した第1変形例のスリット部128と同じ符号を付している。
【0152】
また、図20中、底面板12の中央部分にある破線円の内部に描かれた縞は、ブランク820を構成する段ボールシートの中しんの目を示しており、縞の線の方向が、中しんの目の方向に相当する。図20に示すブランク820では、中しんの目の方向がX方向と平行である。また、図20に示すように、開口用折曲線72は、X方向と略平行に延びている。すなわち、図20に示すブランク820では、開口用折曲線72が、中しんの目に沿って形成されている。かかる構成によれば、開口用折曲部分を開口用折曲線72にて一層折り曲げやすくなり、スリット部128がより開口しやすくなるため、突出片部20を一段と容易に空隙部60に挿入できる。
【0153】
また、図1に図示したブランク10(すなわち、上述した本実施形態に係るブランク10)に第8変形例及び第9変形例の構成を適用してもよく、その一例としては、図21に示すブランク830が挙げられる。
ブランク830は、図21に示すように、突出片部20の基端に破断線70を備えており、且つ、第2面板16に開口用折曲線72を備えている。
なお、ブランク830の基本構成は、図1に示すブランク10と略同様であるため、図21において、ブランク830の各部分に対しては、図1に示すブランク10のうち、対応する部分と同じ符号を付している。
また、図21中、底面板12の中央部分にある破線円の内部に描かれた縞は、ブランク830を構成する段ボールシートの中しんの目を示しており、縞の線の方向が、中しんの目の方向に相当する。
また、図21に示すブランク830では、スリット部28(詳しくは、スリット部28が備える第1延出部分30)におけるX方向内側の端部が、第2折曲線26に達している。かかる構成であれば、スリット部28がさらに開口させ易くなり、突出片部20を空隙部60に一段と容易に挿入することができる。かかる効果は、切れ目62及び交差切れ目64が設けられている場合に、より一層顕著に発揮される。ただし、これに限定されず、スリット部28の第1延出部分30におけるX方向内側の端が、X方向において第2折曲線26よりも外側に位置してもよい。
【0154】
突出片部20が破断線70に沿って切り取り可能とする効果、及び、第2面板16に開口用折曲線72を設ける効果は、図22~24に図示のブランク840、850、860のように、突出片部20及びスリット部28、128、728を備える一方で切れ目62及び交差切れ目64を備えていない構成においても発揮される。
ブランク840、850、860は、本発明とは異なる参考例に係るブランクであるが、当該参考例においても、第2面板16に開口用折曲線72を設けることで、スリット部28、128、728を開口させやすくなり、突出片部20を容易に空隙部60に挿入できる。ただし、スリット部128,728をより開口させ易くし、突出片部20を空隙部60により一層容易に挿入することができる点では、切れ目62及び交差切れ目64を備える方が好ましい。
ちなみに、図22に図示のブランク840は、切れ目62及び交差切れ目64を備えていない点を除き、図19に図示のブランク810と略同じ構成を有する。そのため、図22に示すブランク840の各部分に対しては、図19に示すブランク810のうち、対応する部分と同じ符号が付けられている。
同様に、図23に図示のブランク850は、切れ目62及び交差切れ目64を備えていない点を除き、図20に図示のブランク820と略同じ構成を有するため、図23に示すブランク850の各部分に対しては、図20に示すブランク820のうち、対応する部分と同じ符号が付けられている。なお、図23に示すブランク850の変形例として、図24に示すように、第1延出部分130の末端部(X方向内側の端部)が、第2折曲線26に達している構成であってもよい。かかる構成であれば、スリット部128がさらに開口させ易くなり、突出片部20を空隙部60により容易に挿入することができる。
また、図25に図示のブランク860は、切れ目62及び交差切れ目64を備えていない点を除き、図21に図示のブランク830と略同じ構成を有するため、図25に示すブランク860の各部分に対しては、図21に示すブランク830のうち、対応する部分と同じ符号が付けられている。なお、図25に示すブランク860では、スリット部28(詳しくは、スリット部28が備える第1延出部分30)におけるX方向内側の端部が、第2折曲線26に達している。かかる構成であれば、スリット部28がさらに開口させ易くなり、突出片部20を空隙部60に一段と容易に挿入することができる。ただし、これに限定されず、スリット部28の第1延出部分30におけるX方向内側の端が、X方向において第2折曲線26よりも外側に位置してもよい。
【符号の説明】
【0155】
1 箱体
10,10X,10Y,10Z ブランク
12 底面板
14 第1面板
14a 一方の第1面板
14b 他方の第1面板
16 第2面板
18,118,318,418,618 ロック構造部
20,320,620 突出片部
20a,320a,420a,620a 突出片基部
20b,320b,420b,620b 突出片先端部
20c,420c 突出片切込み部
20d,320d,420d,620d 突出片窪み部
22 突出片部折曲線
24 第1折曲線
26,26X 第2折曲線
26a 側端部折曲線
26b 中央部折曲線
28,128,328,428,628,728 スリット部
30,130,330,630,730 第1延出部分
30a,130a,330a,630a 第1延出部分末端部
32,132,332,632,732 第2延出部分
32a,332c,632c 第2延出部分末端部
34 第1側板
36 第1天板
36a ジッパー部
36b ジッパー切り取り線
38 第1天板折曲線
40 前面板
42 前側折曲線
44 差込片
46 差込片折曲線
48 差込線
50 第2側板
52 第2天板
54 第2天板折曲線
56 切り欠き部
58 端部折曲線
60 空隙部
62 切れ目
64 交差切れ目
64a 外側部分
64b 内側部分
66 第2面板押圧部
68 隣接部分
70 破断線
72 開口用折曲線
74 差込突出片
76 差込スリット
132a,332b,632b,732b 平行部分
132b,332a,632a,732a 傾斜部分
132c 縦切れ目
320s 突起折曲線
320t,420t,620t,620u 突出片突起部
800、810,820,830,840,850、860 ブランク
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18
図19
図20
図21
図22
図23
図24
図25