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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2025154449
(43)【公開日】2025-10-10
(54)【発明の名称】ダイカスト品のガス量推定方法
(51)【国際特許分類】
   B22D 17/32 20060101AFI20251002BHJP
   G01N 33/2025 20190101ALI20251002BHJP
   B22D 46/00 20060101ALI20251002BHJP
   B22D 17/02 20060101ALI20251002BHJP
   B22D 18/08 20060101ALI20251002BHJP
   B22D 17/28 20060101ALI20251002BHJP
   B22D 17/30 20060101ALI20251002BHJP
【FI】
B22D17/32 Z
G01N33/2025
B22D46/00
B22D17/02
B22D17/32
B22D18/08 501Z
B22D17/28 Z
B22D17/30 Z
【審査請求】有
【請求項の数】4
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2024057453
(22)【出願日】2024-03-29
(71)【出願人】
【識別番号】000006943
【氏名又は名称】リョービ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110003742
【氏名又は名称】弁理士法人海田国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】山田 洋二
(72)【発明者】
【氏名】村島 泉
【テーマコード(参考)】
2G055
【Fターム(参考)】
2G055AA05
2G055BA02
2G055EA05
(57)【要約】
【課題】汎用性が高く、予測精度が良好なダイカスト品のガス量推定方法を提供する。
【解決手段】複数の鋳造条件で鋳造したアルミダイカスト品10を融点前の所定温度で所定時間加熱し、加熱後のアルミダイカスト品10の比重を測定する比重測定工程と、比重測定工程で用いたアルミダイカスト品10と同条件である複数の鋳造条件で鋳造したアルミダイカスト品10を用意し、これら複数の鋳造条件で鋳造したアルミダイカスト品10のそれぞれを真空溶融して発生するガス量を測定するガス量測定工程と、比重測定工程で測定した比重と、ガス量測定工程で測定したガス量に基づき、複数の鋳造条件ごとでの比重とガス量の関係性が最も現れる加熱条件を抽出し、当該加熱条件を実行したアルミダイカスト品10の比重を測定することで、測定された比重からアルミダイカスト品10のガス量を推定するガス量推定工程と、を実行する。
【選択図】図5
【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の鋳造条件で鋳造したアルミダイカスト品を融点前の所定温度で所定時間加熱し、加熱後のアルミダイカスト品の比重を測定する比重測定工程と、
前記比重測定工程で用いたアルミダイカスト品と同条件である複数の鋳造条件で鋳造したアルミダイカスト品を用意し、これら複数の鋳造条件で鋳造したアルミダイカスト品のそれぞれを真空溶融して発生するガス量を測定するガス量測定工程と、
前記比重測定工程で測定した比重と、前記ガス量測定工程で測定したガス量に基づき、複数の鋳造条件ごとでの比重とガス量の関係性が最も現れる加熱条件を抽出し、当該加熱条件を実行したアルミダイカスト品の比重を測定することで、測定された比重から前記アルミダイカスト品のガス量を推定するガス量推定工程と、
を実行することを特徴とするダイカスト品のガス量推定方法。
【請求項2】
請求項1に記載のダイカスト品のガス量推定方法であって、
前記アルミダイカスト品の複数の鋳造条件は、アルミダイカスト品の鋼種を含むことを特徴とするダイカスト品のガス量推定方法。
【請求項3】
請求項1に記載のダイカスト品のガス量推定方法であって、
前記加熱条件のうちの加熱温度は、前記アルミダイカスト品の液相線温度の94%~95%の温度であることを特徴とするダイカスト品のガス量推定方法。
【請求項4】
請求項3に記載のダイカスト品のガス量推定方法であって、
前記加熱条件のうちの加熱時間は、30分であることを特徴とするダイカスト品のガス量推定方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ダイカスト品のガス量推定方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
ダイカスト品の品質を悪化させる要因として、ダイカスト品の鋳造過程において生じるガスの存在が挙げられる。当該ガスは、ダイカスト品内部に引け巣やブローホールといった欠陥を生じさせるため、適切な処理を行わなければ不良発生につながる。
【0003】
ところで、ダイカスト品内部のガス量を測定する方法として、従来、真空引きされたチャンバー内でダイカスト品を溶解した上で、発生するガスの体積を測定することが行われていた。しかしながら、対象のすべてのダイカスト品に対し当該方法を実行するには、多大な時間とコストを要する。そこで、近年、ダイカスト品のガス量を直接測定せずに、関連する指標を用いて推定することが行われている。例えば、下記特許文献1では、ダイカスト品における溶接部近傍に形成された試験片を切り取り、当該試験片の熱処理前後の比重値を基に算出した膨れ率を指標として、所定の閾値と比較することで、ダイカスト品内部のガス量が基準値よりも多いか否かを判定する方法が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2005-279667号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上記方法は、ダイカスト品の加熱温度や鋼種によっては、閾値を設定することが困難な場合があり、予測精度の面で改善の余地があった。
【0006】
本発明は、上述した課題に鑑みて成されたものであって、その目的は、汎用性が高く、予測精度が良好なダイカスト品のガス量推定方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
以下、本発明について説明する。なお、本発明の理解を容易にするために添付図面の参照番号を括弧書きにて付記するが、それにより本発明が図示の形態に限定されるものではない。
【0008】
本発明に係るダイカスト品のガス量推定方法は、複数の鋳造条件で鋳造したアルミダイカスト品(10)を融点前の所定温度で所定時間加熱し、加熱後のアルミダイカスト品(10)の比重を測定する比重測定工程と、前記比重測定工程で用いたアルミダイカスト品(10)と同条件である複数の鋳造条件で鋳造したアルミダイカスト品(10)を用意し、これら複数の鋳造条件で鋳造したアルミダイカスト品(10)のそれぞれを真空溶融して発生するガス量を測定するガス量測定工程と、前記比重測定工程で測定した比重と、前記ガス量測定工程で測定したガス量に基づき、複数の鋳造条件ごとでの比重とガス量の関係性が最も現れる加熱条件を抽出し、当該加熱条件を実行したアルミダイカスト品の比重を測定することで、測定された比重から前記アルミダイカスト品(10)のガス量を推定するガス量推定工程と、を実行することを特徴とするものである。
【0009】
本発明に係るダイカスト品のガス量推定方法において、前記アルミダイカスト品(10)の複数の鋳造条件は、アルミダイカスト品(10)の鋼種を含むことができる。
【0010】
また、本発明に係るダイカスト品のガス量推定方法において、前記加熱条件のうちの加熱温度は、前記アルミダイカスト品(10)の液相線温度の94%~95%の温度であることが好適である。
【0011】
さらに、本発明に係るダイカスト品のガス量推定方法において、前記加熱条件のうちの加熱時間は、30分とすることができる。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、汎用性が高く、予測精度が良好なダイカスト品のガス量推定方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1】本実施形態に係るアルミダイカスト品を示した図であり、図中の分図(a)は平面図であり、図中の分図(b)は正面図である。
図2】鋼種Aにおける加熱条件、比重およびガス量の対応関係を表したグラフであり、図中の分図(a)は、加熱温度が560℃の場合の対応関係を示した図であり、図中の分図(b)は、加熱温度が570℃の場合の対応関係を示した図である。
図3】鋼種Bにおける加熱条件、比重およびガス量の対応関係を表したグラフであり、図中の分図(a)は、加熱温度が550℃の場合の対応関係を示した図であり、図中の分図(b)は、加熱温度が560℃の場合の対応関係を示した図である。
図4】鋼種Cにおける加熱条件、比重およびガス量の対応関係を表したグラフであり、図中の分図(a)は、加熱温度が540℃の場合の対応関係を示した図であり、図中の分図(b)は、加熱温度が550℃の場合の対応関係を示した図である。
図5】鋼種Aを570℃の加熱温度で30分間加熱させた後におけるガス量と比重との対応関係を示した図である。
図6】鋼種Bを560℃の加熱温度で30分間加熱させた後におけるガス量と比重との対応関係を示した図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
本発明に係るダイカスト品のガス量推定方法を創案するに当たり、発明者らが鋭意研究を行ったところ、アルミダイカスト品内部に生じるガス量とアルミダイカスト品の比重との間に一定の相関があり、さらに、その相関の度合いはアルミダイカスト品の加熱条件によって異なるとの着想を得た。以下では、その着想の過程を説明する。まず、図1を用いて、上記相関を調べるために用いた本実施形態に係るアルミダイカスト品10の構成を説明する。ここで、図1は、本実施形態に係るアルミダイカスト品10を示した図であり、図中の分図(a)は平面図であり、図中の分図(b)は正面図である。
【0015】
図1に示すように、本実施形態に係るアルミダイカスト品10は、平面が略矩形の平板形状として形成され、ダイカスト金型を構成する固定型と可動型によって画成されるキャビティに溶湯を射出し、当該溶湯をキャビティ内で凝固させることにより形成される。なお、アルミダイカスト品10は、平板形状に限らず、用途に応じたさまざまな形状を用いることができる。
【0016】
また、アルミダイカスト品10は、溶湯を構成する鋼種が異なる複数の鋳造条件により形成される。ここで、アルミダイカスト品10の鋼種として、リョービ株式会社製RMH-TMH(鋼種A)と、10Si(鋼種B)と、ADC12にT3処理を施したADC12-T3(鋼種C)と、を用いた。なお、アルミダイカスト品10は、上記の鋼種以外にも、さまざまな鋼種を採用することができる。
【0017】
以上、本実施形態に係るアルミダイカスト品10の構成を説明した。発明者らは、各鋼種を用いてアルミダイカスト品10を鋳造した上で、アルミダイカスト品10の加熱条件、比重およびガス量の対応関係を調べるために、以下の工程を実施した。
【0018】
[比重測定工程]
まず、各鋼種により鋳造したアルミダイカスト品10について、加熱前(加熱時間0分)の比重を測定した。次に、アルミダイカスト品10に対する加熱温度を、各鋼種それぞれにおける融点前の所定の温度に上昇させ、加熱時間が30分の時点と、加熱時間が60分の時点での比重をそれぞれ測定した。なお、各鋼種の融点前の温度として、鋼種Aは560℃および570℃、鋼種Bは550℃および560℃、鋼種Cは540℃および550℃を選択した。また、比重の測定は、アルミダイカスト品10の空気中における重量と、比重が既知の液体(例えば、水)中におけるアルミダイカスト品10の重量とを計測し、アルミダイカスト品10の浮力を算出するとともに、当該浮力と液体の比重からアルミダイカスト品10の体積を算出した上で、アルミダイカスト品10の空気中における重量を当該体積で除すことにより算出した。さらに、アルミダイカスト品10の加熱は、電気炉を用いた。
【0019】
[ガス量測定工程]
次に、比重測定工程で用いたアルミダイカスト品10と同条件の鋼種で鋳造するとともに、同条件の加熱条件で加熱したアルミダイカスト品10を用意し、各鋼種および加熱条件に対応するアルミダイカスト品10それぞれのガス量を測定した。なお、ガス量の測定は、真空引きされたチャンバー内でダイカスト品10を溶解した上で、発生するガスの体積を測定することにより行った。
【0020】
[加熱条件、比重およびガス量の関連付け]
以上の工程によって得られたアルミダイカスト品10の加熱条件、比重およびガス量に対し、それらの関連付けを行った。その結果を、図2~4に示す。ここで、図2は、鋼種Aにおける加熱条件、比重およびガス量の対応関係を表したグラフであり、図中の分図(a)は、加熱温度が560℃の場合の対応関係を示した図であり、図中の分図(b)は、加熱温度が570℃の場合の対応関係を示した図である。また、図3は、鋼種Bにおける加熱条件、比重およびガス量の対応関係を表したグラフであり、図中の分図(a)は、加熱温度が550℃の場合の対応関係を示した図であり、図中の分図(b)は、加熱温度が560℃の場合の対応関係を示した図である。さらに、図4は、鋼種Cにおける加熱条件、比重およびガス量の対応関係を表したグラフであり、図中の分図(a)は、加熱温度が540℃の場合の対応関係を示した図であり、図中の分図(b)は、加熱温度が550℃の場合の対応関係を示した図である。
【0021】
まず、鋼種Aおよび鋼種Bにおける加熱条件、比重およびガス量の関連を調べた。図2中の分図(a)で示すように、アルミダイカスト品10の加熱温度が比較的低い場合、加熱時間が長くなるにつれて、比重のばらつきが大きくなるとともに、比重とガス量との間に相関は認められなかった。また、図3中の分図(a)で示すように、アルミダイカスト品10の加熱温度が比較的低い場合、加熱時間の長さにかかわらず、比重は一定値を取るとともに、比重とガス量との間に相関は認められなかった。一方、図2中の分図(b)および図3中の分図(b)で示すように、加熱温度が比較的高い場合、加熱時間が長くなるにつれて、アルミダイカスト品10のガス量が多いほど比重が小さくなる傾向を示した。
【0022】
次に、鋼種Cにおける加熱条件、比重およびガス量の関連を調べた。ここで、ガス量測定工程におけるガス量測定の結果によると、鋼種Cにより鋳造されたアルミダイカスト品10は、いずれもガス量が少ない値を示したものである。図4中の分図(a)に示すように、アルミダイカスト品10の加熱温度が比較的低い場合、加熱時間が長くなるにつれて、比重にばらつきがみられた。一方、図4中の分図(b)に示すように、アルミダイカスト品10の加熱温度が比較的高い場合、加熱時間の長さにかかわらず、比重のばらつきが比較的小さくなる傾向を示した。
【0023】
以上のように、加熱温度が比較的高い場合、アルミダイカスト品10のガス量に応じた比重の差異が明確になるとともに、ガス量が同程度のアルミダイカスト品10間の比重のばらつきは小さくなる傾向が認められた。また、上記の傾向は、加熱時間を30分とすれば十分に観測することができることが示された。一方、加熱温度が比較的低い場合、比重とガス量との間に相関は認められなかった。
【0024】
[加熱温度の決定]
次に、発明者らは、アルミダイカスト品10における比重とガス量の関係性が最も現れる加熱条件を調べた。すなわち、アルミダイカスト品10のガス量に応じた比重の差異が明確になるとともに、ガス量が同程度のアルミダイカスト品10間において、比重のばらつきが小さくなる傾向を示す加熱温度を調べた。以下、その結果を表1に示す。ここで、表1は、鋼種A、鋼種Bおよび鋼種Cにおける液相線温度と、液相線温度の93%~96%に対応する温度を示した図表である。
【0025】
【表1】
【0026】
図2図4で示したように、アルミダイカスト品10の比重とガス量の関係性が現れる加熱温度は、鋼種Aにおいては570℃、鋼種Bにおいては560℃、鋼種Cにおいては550℃であり、当該温度は、表1において、液相線温度の94%~95%の温度範囲に対応する。なお、アルミダイカスト品10の液相線温度の94%未満の温度において、比重とガス量との間の相関を確認したところ、上記の傾向は認められなかった。また、アルミダイカスト品10の液相線温度の95%を超える温度においては、アルミダイカスト品10の一部が熱変形し、十分な測定結果を得ることができなかった。以上により、加熱条件のうちの加熱温度は、アルミダイカスト品10の液相線温度の94%~95%の温度が好適であることが認められた。
【0027】
[ガス量推定工程]
最後に、発明者らは、アルミダイカスト品10の加熱時間、比重およびガス量の対応関係を用いて、比重からガス量を推測することを試みた。すなわち、アルミダイカスト品10の液相線温度の94%~95%に対応する温度(鋼種Aにおいては570℃、鋼種Bにおいては560℃)を加熱温度としたときの、アルミダイカスト品10の比重とガス量との関係を、図5および図6により求めた。ここで、図5は、鋼種Aを570℃の加熱温度で30分間加熱させた後におけるガス量と比重との対応関係を示した図である。また、図6は、鋼種Bを560℃の加熱温度で30分間加熱させた後におけるガス量と比重との対応関係を示した図である。
【0028】
発明者らは、アルミダイカスト品10におけるガス量と比重との対応関係を示す実験データに対し、図5および図6の破線で示すように、一次関数によるあてはめを行った。当該一次関数における決定係数(R)を算出したところ、鋼種Aにおける決定係数がR=0.9727、鋼種Bにおける決定係数がR=0.9397となり、一次関数で実験データを良好に近似できることが認められた。ここで、決定係数(R)とは、データに対する推定された回帰式の当てはまりの良さを表し、この値が1に近づくほど、データに対し良好に近似できていることを示す指標である。
【0029】
以上により、アルミダイカスト品10の比重から、ガス量を精度良く推定できることが認められた。なお、本実施形態において、加熱条件のうちの加熱温度として、各鋼種を用いて鋳造したアルミダイカスト品10の液相線温度の94%~95%の温度を抽出した。このように、液相線温度を基準に加熱温度を決定する方法を採用することで、鋼種を変更した場合でも、当該鋼種に応じた加熱温度を即座に決定することができ、汎用性の高いダイカスト品のガス量推定方法を提供できる。つまり、本発明におけるアルミダイカスト品の複数の鋳造条件には、あらゆる鋼種のアルミダイカスト品を含むことができる。
【0030】
また、本発明によれば、アルミダイカスト品10の比重とガス量の関係性が最も現れる上記の加熱温度を採用することで、予測精度が良好なダイカスト品のガス量推定方法を提供することができる。
【0031】
以上、本発明の好適な実施形態について説明したが、本発明の技術的範囲は上記実施形態に記載の範囲には限定されない。上記実施形態には、多様な変更又は改良を加えることが可能である。その様な変更又は改良を加えた形態も本発明の技術的範囲に含まれ得ることが、特許請求の範囲の記載から明らかである。
【符号の説明】
【0032】
10 アルミダイカスト品。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
【手続補正書】
【提出日】2025-08-20
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0010
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0010】
また、本発明に係る他のダイカスト品のガス量推定方法は、複数の鋳造条件で鋳造したアルミダイカスト品(10)を融点前の所定温度で所定時間加熱し、加熱後のアルミダイカスト品(10)の比重を測定する比重測定工程と、前記比重測定工程で用いたアルミダイカスト品(10)と同条件である複数の鋳造条件で鋳造したアルミダイカスト品(10)を用意し、これら複数の鋳造条件で鋳造したアルミダイカスト品(10)のそれぞれを真空溶融して発生するガス量を測定するガス量測定工程と、を実行することで、予めアルミダイカスト品(10)におけるガス量と比重との対応関係を見出しておき、さらに、アルミダイカスト品(10)を、当該アルミダイカスト品(10)の液相線温度の94%~95%の温度で加熱し、当該加熱を実行したアルミダイカスト品(10)の比重を測定することで、測定された比重から前記アルミダイカスト品(10)のガス量を推定するガス量推定工程を実行することを特徴とするものである。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0011
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0011】
発明に係る他のダイカスト品のガス量推定方法において、前記アルミダイカスト品(10)の複数の鋳造条件は、アルミダイカスト品(10)の鋼種を含むことができる。
【手続補正3】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の鋳造条件で鋳造したアルミダイカスト品を融点前の所定温度で所定時間加熱し、加熱後のアルミダイカスト品の比重を測定する比重測定工程と、
前記比重測定工程で用いたアルミダイカスト品と同条件である複数の鋳造条件で鋳造したアルミダイカスト品を用意し、これら複数の鋳造条件で鋳造したアルミダイカスト品のそれぞれを真空溶融して発生するガス量を測定するガス量測定工程と、
前記比重測定工程で測定した比重と、前記ガス量測定工程で測定したガス量に基づき、複数の鋳造条件ごとでの比重とガス量の関係性が最も現れる加熱条件を抽出し、当該加熱条件を実行したアルミダイカスト品の比重を測定することで、測定された比重から前記アルミダイカスト品のガス量を推定するガス量推定工程と、
を実行することを特徴とするダイカスト品のガス量推定方法。
【請求項2】
請求項1に記載のダイカスト品のガス量推定方法であって、
前記アルミダイカスト品の複数の鋳造条件は、アルミダイカスト品の鋼種を含むことを特徴とするダイカスト品のガス量推定方法。
【請求項3】
複数の鋳造条件で鋳造したアルミダイカスト品を融点前の所定温度で所定時間加熱し、加熱後のアルミダイカスト品の比重を測定する比重測定工程と、
前記比重測定工程で用いたアルミダイカスト品と同条件である複数の鋳造条件で鋳造したアルミダイカスト品を用意し、これら複数の鋳造条件で鋳造したアルミダイカスト品のそれぞれを真空溶融して発生するガス量を測定するガス量測定工程と、
を実行することで、予めアルミダイカスト品におけるガス量と比重との対応関係を見出しておき、さらに、
アルミダイカスト品を、当該アルミダイカスト品の液相線温度の94%~95%の温度で加熱し、当該加熱を実行したアルミダイカスト品の比重を測定することで、測定された比重から前記アルミダイカスト品のガス量を推定するガス量推定工程を実行することを特徴とするダイカスト品のガス量推定方法。
【請求項4】
請求項3に記載のダイカスト品のガス量推定方法であって、
前記アルミダイカスト品の複数の鋳造条件は、アルミダイカスト品の鋼種を含むことを特徴とするダイカスト品のガス量推定方法。