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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2025154481
(43)【公開日】2025-10-10
(54)【発明の名称】測定装置および選別装置
(51)【国際特許分類】
   B07C 3/14 20060101AFI20251002BHJP
【FI】
B07C3/14
【審査請求】未請求
【請求項の数】3
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2024057510
(22)【出願日】2024-03-29
(71)【出願人】
【識別番号】000001812
【氏名又は名称】株式会社サタケ
(74)【代理人】
【識別番号】110003052
【氏名又は名称】弁理士法人勇智国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】岸本 光平
(72)【発明者】
【氏名】檜田 康平
【テーマコード(参考)】
3F079
【Fターム(参考)】
3F079BA05
3F079CA32
3F079CB25
3F079CB29
3F079CB35
3F079CC03
(57)【要約】
【課題】 対象物の透明部材への付着防止性能を高める。
【解決手段】 対象物の状態を測定するための測定装置は、移送経路上を移送中の対象物に電磁波を照射するように構成された電磁波照射源と、電磁波照射源から照射され、対象物に関連付けられた電磁波を検出するように構成されたセンサと、対象物に関連付けられた電磁波に関してセンサによって取得される信号に基づいて、対象物の状態を識別するように構成された識別部と、電磁波照射源およびセンサが位置する第1の側と、移送経路が位置する第2の側と、を仕切る透明部材と、除電エアを生成するように構成されたイオナイザと、第2の側において、透明部材と平行に、または、透明部材に向けて除電エアを噴射するように構成された除電エア噴射部と、を備えている。
【選択図】図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
対象物の状態を測定するための測定装置であって、
移送経路上を移送中の前記対象物に電磁波を照射するように構成された電磁波照射源と、
前記電磁波照射源から照射され、前記対象物に関連付けられた電磁波を検出するように構成されたセンサと、
前記対象物に関連付けられた電磁波に関して前記センサによって取得される信号に基づいて、前記対象物の状態を識別するように構成された識別部と、
前記電磁波照射源および前記センサが位置する第1の側と、前記移送経路が位置する第2の側と、を仕切る透明部材と、
除電エアを生成するように構成されたイオナイザと、
前記第2の側において、前記透明部材と平行に、または、前記透明部材に向けて前記除電エアを噴射するように構成された除電エア噴射部と
を備える測定装置。
【請求項2】
請求項1に記載の測定装置であって、
前記除電エア噴射部からの前記除電エアの噴射を制御するように構成されたコントローラを備え、
前記コントローラは、
前記対象物が前記移送経路上を移送されている間、常時、前記除電エアを噴射する第1の制御と、
前記対象物が前記移送経路上を移送されない所定のタイミングで前記除電エアを噴射する第2の制御と
を実行するように構成され、
前記第2の制御における前記除電エアの噴射風量および噴射圧力の少なくとも一方は、前記第1の制御における前記除電エアの前記噴射風量および前記噴射圧力の少なくとも一方よりも大きい
測定装置。
【請求項3】
選別装置であって、
請求項1または請求項2に記載の測定装置と、
前記識別部の識別結果に基づいて前記対象物の選別を行うように構成された選別部と
を備える選別装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は光学式測定技術に関する。
【背景技術】
【0002】
移送経路上を移送中の選別対象物(以下、単に対象物とも呼ぶ)に光源から光を照射した際に光学センサによって得られる光情報を使用して、対象物に含まれる異物や不良品を識別して除去する光学式選別機(以下、単に選別機とも呼ぶ)が従来から知られている。この種の選別機では、光源および光学センサの設置スペースと、移送経路と、を区切る透明部材が設置されることがある。これにより、対象物の移送にともって発生する粉塵や、対象物自体が、光源および光学センサの設置スペース内に侵入することを防止できる。しかしながら、このような構成においても、粉塵や対象物が透明部材に付着すると、透明部材の光透過性が阻害されて光学センサの検出感度が低下したり、付着した対象物が光学センサによって得られる画像に映り込んで、異物や不良品の識別性能が低下したりする恐れがある。
【0003】
このようなことから、下記の特許文献1は、送風機と排風機とを用いて透明部材に平行にエアカーテンを形成する技術を開示している。この技術によれば、移送経路から透明部材に向けて飛散する粉塵や対象物が透明部材に到達することがエアカーテンによって抑制され、その結果、粉塵や対象物が透明部材に付着することが抑制される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開昭57-65367号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特許文献1の技術では、付着防止性能を高めるためにエアカーテンの風量を大きくすると、対象物の円滑な移送を阻害することになるので、風量に制限が生じる。その結果、高い付着防止性能を得ることができない。対象物が透明部材に付着しやすい場合、対象物の供給を停止して、透明部材の清掃を頻繁に行う必要が生じるので、処理効率が低下する。特に、水分量が少なく軽量な対象物(例えば、破砕プラスチック、樹脂ペレット、ごま、コーヒー皮)は、選別機に投入される前から静電気を帯びやすい。静電気を帯びた対象物がエアカーテンを通過して透明部材に付着すると、透明部材も帯電するので、対象物が透明部材にますます付着しやすくなる。また、静電気を帯びた対象物が一旦、透明部材に付着すると、付着した対象物が静電気によって除去しにくくなる。このようなことから、対象物の透明部材への付着防止性能を高めること、および/または、透明部材に付着した対象物を除去しやすくすることが期待される。また、このことは、選別機に限らず、対象物の状態を測定するための測定装置にも共通する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、上述の課題の少なくとも一部を解決するためになされたものであり、例えば、以下の形態として実現することが可能である。
【0007】
本発明の第1の形態によれば、対象物の状態を測定するための測定装置が提供される。この測定装置は、移送経路上を移送中の対象物に電磁波を照射するように構成された電磁波照射源と、電磁波照射源から照射され、対象物に関連付けられた電磁波を検出するように構成されたセンサと、対象物に関連付けられた電磁波に関してセンサによって取得される信号に基づいて、対象物の状態を識別するように構成された識別部と、電磁波照射源およびセンサが位置する第1の側と、移送経路が位置する第2の側と、を仕切る透明部材と、除電エアを生成するように構成されたイオナイザと、第2の側において、透明部材と平行に、または、透明部材に向けて除電エアを噴射するように構成された除電エア噴射部と、を備えている。
【0008】
電磁波照射源は、可視光、近赤外光、X線のうちの少なくとも一つを照射してもよい。「対象物に関連付けられた電磁波」とは、対象物で反射した光である反射電磁波であってもよいし、対象物を透過した光である透過光であってもよいし、あるいは、反射電磁波と透過電磁波との両方であってもよい。
【0009】
この測定装置によれば、除電エアが透明部材と平行に噴射される場合には、静電気を帯びた対象物が移送経路から透明部材に向かって飛散したとしても、当該対象物は、除電エアと接触して除電される。このため、対象物が透明部材に付着しにくくなる。また、この対象物が透明部材に付着したとしても、透明部材が帯電することが抑制される。したがって、静電気に起因して対象物が透明部材に付着しやすくなることを抑制できる。あるいは、上述した従来のエアカーテン方式と比べて、小さい風量で必要な付着防止効果を得ることができる。このため、除電エアが対象物の円滑な移送を阻害することがない。また、除電エアが透明部材に向けて噴射される場合には、除電エアが透明部材と平行に噴射される場合と同様に、対象物が透明部材に付着しにくくなる。また、透明部材が帯電したとしても、除電エアが透明部材に接触することによって、透明部材も除電される。このため、透明部材が帯電して、静電気を帯びた対象物が付着しやすくなることを抑制できる。しかも、対象物が透明部材に到達または付着したとしても、当該対象物が除電エアと接触して除電されるので、静電気による付着力が解除される。このため、透明部材に到達または付着した対象物を除電エアによって容易に除去できる。あるいは、当該対象物を小さい風量で除去できる。
【0010】
本発明の第2の形態によれば、第1の形態において、除電エア噴射部は、透明部材に向けて除電エアを噴射するように構成される。この形態によれば、上述の効果を得ることができる。
【0011】
本発明の第3の形態によれば、第2の形態において、除電エア噴射部は、除電エアを噴射するための開口であって、透明部材に対して30度以上、60度以下の角度で角度付けられた方向に開口する開口を備えている。この構成によれば、除電エアが透明部材(ひいては、透明部材に付着した対象物)に対して30度以上、60度以下の角度で噴射されることになる、その結果、付着した対象物を除電エアによって吹き飛ばして除去する効果を高めることができる。
【0012】
本発明の第4の形態によれば、第1ないし第3のいずれかの形態において、測定装置は、除電エア噴射部からの除電エアの噴射を制御するように構成されたコントローラを備えている。コントローラは、対象物が移送経路上を移送されている間、常時、除電エアを噴射するように構成される。この形態によれば、除電エアが常時噴射されるので、対象物の透明部材への付着防止効果、および/または、透明部材に付着した対象物の除去効果を常時、得ることができる。したがって、光学センサの検出感度の低下や、異物や不良品の識別性能の低下を効果的に抑制できる。
【0013】
本発明の第5の形態によれば、第1ないし第4のいずれかの形態において、測定装置は、除電エア噴射部からの除電エアの噴射を制御するように構成されたコントローラを備えている。コントローラは、対象物が移送経路上を移送されない所定のタイミングで除電エアを噴射するように構成される。対象物が移送経路上を移送されていないタイミングを利用して、透明部材に付着した対象物を除去できる。対象物が移送経路上を移送されていないタイミングでは、除電エアの流れが対象物の円滑な移送を阻害することがないので、透明部材に付着した対象物を大きな噴射風量および/または大きな噴射圧力で確実に除去できる。
【0014】
本発明の第6の形態によれば、第1ないし第3のいずれかの形態において、測定装置は、除電エア噴射部からの除電エアの噴射を制御するように構成されたコントローラを備えている。コントローラは、対象物が移送経路上を移送されている間、常時、除電エアを噴射する第1の制御と、対象物が移送経路上を移送されない所定のタイミングで除電エアを噴射する第2の制御と、を実行するように構成される。第2の制御における除電エアの噴射風量および噴射圧力の少なくとも一方は、第1の制御における除電エアの噴射風量および噴射圧力の少なくとも一方よりも大きい。この形態によれば、第4の形態の効果と第5の形態の効果とを両立させることができる。
【0015】
本発明の第7の形態によれば、選別装置が提供される。この選別装置は、第1ないし第6のいずれかの形態の測定装置と、識別部の識別結果に基づいて対象物の選別を行うように構成された選別部と、を備えている。この選別装置によれば、第1ないし第6のいずれかの形態と同様の効果が得られる。
【0016】
本発明の第8の形態によれば、選別部は、識別部の識別結果に基づいて決定される特定の対象物に対してエアを噴射する噴射ノズルを備えている。選別部は、噴射ノズルから噴射されるエアによって特定の対象物の移送軌道を変更することによって特定の対象物を選別するように構成される。除電エア噴射部は、さらに、噴射ノズルに向けて除電エアを噴射するように構成される。この形態によれば、対象物が移送経路から噴射ノズルに向けて飛散して噴射ノズルの上に堆積したとしても、当該対象物を除電エアで吹き飛ばして除去できる。しかも、対象物が静電気を帯びている場合であっても、第1の形態と同様に静電気による付着力を解除できるので、付着した対象物を除電エアによって容易に除去できる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
図1】一実施形態による選別装置の概略構成を示す模式図である。
図2】選別装置の内部構造を示す部分斜視図である。
図3図2の部分拡大図であり、除電エアによって形成されたエアカーテンが示されている。
図4】除電エアを噴射するための構成を示すブロック図である。
図5】除電エアの噴射方向を示す模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
図1は、本発明の第1実施形態としての光学式選別機(以下、単に選別機と呼ぶ)10の概略構成を示す模式図である。本実施形態では、選別機10は、対象物90としての樹脂ペレットから異物および不良品(例えば、異形、連粒、他の材料の混入物など)を選別するために使用される。ただし、対象物90は、樹脂ペレットに限られるものではなく、任意の固体であってもよい。例えば、対象物90は、米、籾、麦粒、ごま、豆類(大豆、ひよこ豆、枝豆、コーヒー豆など)、他の樹脂材料、破砕プラスチック、ゴム片等であってもよい。
【0019】
図1に示すように、選別機10は、光学検出部20と、貯留タンク31と、フィーダ32と、シュート33と、良品排出樋34と、不良品排出樋35と、選別部50と、コントローラ80と、を備えている。コントローラ80は、選別機10の動作全般を制御する。コントローラ80は、識別部81および除電エア制御部82としても機能する。コントローラ80の機能は、所定のプログラムをCPUが実行することによって実現されてもよいし、専用回路によって実現されてもよいし、これらの組み合わせによって実現されてもよい。識別部81および除電エア制御部82は、一体的な一つの装置によって実現されてもよい。例えば、識別部81および除電エア制御部82は、一つのCPUによって実現される二つの機能であってもよい。あるいは、識別部81および除電エア制御部82は、それぞれ個別の装置として実現されてもよい。コントローラ80の機能の詳細については後述する。
【0020】
貯留タンク31は、対象物90を一時的に貯留する。フィーダ32は、貯留タンク31に貯留された対象物90を、対象物移送手段の一例としてのシュート33上に供給する。シュート33上に供給された対象物90は、シュート33上を下方に向けて滑走し、シュート33の下端から落下する。シュート33は、多数の対象物90を同時に落下させることができる所定幅(図2に示すシュート幅方向D2の幅)を有している。シュート33の下端から空中に放たれた対象物90は、概ねシュート33の傾斜方向に落下する(空中を移送される)。このときの対象物90が落下する方向を対象物90の移送方向D1とも呼ぶ。
【0021】
光学検出部20は、シュート33から滑り落ちた対象物90(つまり、シュート33から落下中の対象物90)に対して光を照射し、対象物90に関連付けられた光(具体的には、対象物90を透過した透過光、および/または、対象物90によって反射された反射光)を検出する。図1に示すように、光学検出部20は、電磁波照射源の一例としての第1の光源21aおよび第2の光源21bと、第1の光学センサ23aと第2の光学センサ23bとを備えている。第1の光源21aおよび第1の光学センサ23aは、対象物90の移送経路95(換言すれば、落下軌跡)に対して一方側(フロント側とも呼ぶ)に配置されている。一方、第2の光源21bおよび第2の光学センサ23bは、対象物90の移送経路95に対して他方側(リア側とも呼ぶ)に配置されている。
【0022】
本実施形態では、第1の光源21aおよび第2の光源21bの各々は、移送経路95上を移送中の対象物90に可視光を照射するための光源ユニットである。第1の光源21aおよび第2の光源21bは、第1の光22aおよび第2の光22bをそれぞれ放出する。光22a,22bの各々は、赤色に対応する波長と、緑色に対応する波長と、青色に対応する波長と、を有している。本実施形態では、光源21a,21bの各々は、いわゆるカラーLEDを備えている。
【0023】
第1の光学センサ23aおよび第2の光学センサ23bは、第1の光源21aおよび第2の光源21bから照射され、対象物90に関連付けられた光を検出する。具体的には、フロント側の第1の光学センサ23aは、フロント側の第1の光源21aから照射され、対象物90で反射した第1の光22aと、リア側の第2の光源21bから照射され、対象物90を透過した第2の光22bと、を検出可能である。リア側の第2の光学センサ23bは、リア側の第2の光源21bから照射され、対象物90で反射した第2の光22bと、フロント側の第1の光源21aから照射され、対象物90を透過した第1の光22aと、を検出可能である。
【0024】
第1の光学センサ23aおよび第2の光学センサ23bの各々は、本実施形態では、シュート幅方向D2に直線状に配列された複数の受光素子を有するラインセンサである。ただし、光学センサ23a,23bの各々は、エリアセンサであってもよい。また、光学センサ23a,23bの各々は、本実施形態では、カラーCCDセンサであり、赤色光、緑色光および青色光をそれぞれ個別に検出可能である。ただし、光学センサ23a,23bは、カラーCMOSセンサなどの他の形式のセンサであってもよい。
【0025】
光学検出部20は、さらに、第1の透明部材40aおよび第2の透明部材40bを備えている。第1の透明部材40aは、フロント側に配置され、第1の光源21aおよび第1の光学センサ23aが位置する側と、移送経路95が位置する側と、を仕切っている。同様に、第2の透明部材40bは、リア側に配置され、第2の光源21bおよび第2の光学センサ23bが位置する側と、移送経路95が位置する側と、を仕切っている。この構成によれば、対象物90の移送に伴って発生する粉塵や対象物90自体が飛散して、移送経路95から第1の光源21aおよび第1の光学センサ23aの設置スペース、ならびに、第2の光源21bおよび第2の光学センサ23bの設置スペースに侵入することを防止できる。
【0026】
第1の光学センサ23aおよび第2の光学センサ23bからの出力、すなわち、検出された光の強度を表すアナログ信号は、AC/DCコンバータ(図示省略)によって所定のゲインで増幅され、さらに、デジタル信号に変換される。このデジタル信号は、画像データとしてコントローラ80に入力される。コントローラ80は、識別部81の処理として、入力された画像に基づいて対象物90の状態を識別する。そのような識別は、対象物90の各々について行われる。
【0027】
本実施形態では、識別部81によって決定される状態には、色彩的な状態(換言すれば、光学的な状態)と、形状的および/または寸法的な状態と、の少なくとも一方が含まれる。また、状態には、物理量によって表される特徴量と、特徴量に基づいて判定される品質と、の少なくとも一方が含まれる。
【0028】
色彩的な状態の特徴量には、対象物90を表す画像の各画素の色階調値が含まれる。形状的および/または寸法的な状態の特徴量には、例えば、対象物90の全体および/または一部分の面積、高さ、幅、外周長さ、および、円形度の少なくとも一つが含まれ得る。
【0029】
本実施形態では、「品質」には、例えば、良品(つまり、品質が相対的に高い樹脂ペレット)と不良品(つまり、品質が相対的に樹脂ペレット、および/または、異物)との区分が含まれる。ただし、「品質」には、不良の種別が含まれてもよい。あるいは、「品質」には、選別部50において除去すべき物と、除去すべきではない物と、の区分が含まれてもよい。また、「品質」には、色彩的な状態に基づいて決定される品質と、形状的および/または寸法的な状態に基づいて決定される品質と、が含まれる。色彩的な状態に基づいて決定される不良品には、例えば、純度の低い(つまり、他の材料が混入した)樹脂ペレットが含まれ得る。形状的および/または寸法的な状態に基づいて決定される不良品には、例えば、異形や連粒が含まれ得る。
【0030】
本実施形態では、識別部81は、色彩的な状態の特徴量(換言すれば、画像データの階調値)と、予め定められた閾値と、を比較することによって(換言すれば、色彩的な状態の特徴量が、予め定められた正常範囲にあるか否かに基づいて)、対象物90が良品であるか、それとも、不良品であるかを決定する。そのような決定は、対象物90の画像を構成する複数の画素の階調値の代表値(例えば、平均値、中央値、最大値、最小値など)に基づいて行われてもよい。あるいは、不良品には、所定以上の大きさの部分的不良を有する対象物90が含まれてもよい。そのような部分的不良は、対象物90の画像を構成する複数の画素のうち、階調値が正常範囲にない画素の数が所定数以上である(換言すれば、不良部分の面積が所定値以上である)ことを基準として決定されてもよい。
【0031】
さらに、本実施形態では、識別部81は、形状的および/または寸法的な状態の特徴量と、予め定められた閾値と、を比較することによって(換言すれば、形状的および/または寸法的な特徴量が、予め定められた正常範囲にあるか否かに基づいて)、対象物90が良品であるか、それとも、不良品であるかを決定する。
【0032】
選別部50は、識別部81によって決定された状態に基づいて、対象物90の選別を行う。この選別は、特定の対象物90の軌道を変更するための軌道変更動作によって行われる。具体的には、選別部50は、図1に示すように、シュート幅方向D2方向に配列される複数の噴射ノズル51と、複数のバルブ53と、を備えている。図1では、図示を簡略化するために、噴射ノズル51の数とバルブ53の数とが同じであるように示しているが、噴射ノズル51の数とバルブ53の数との対応関係は、実際には、噴射ノズル51が有する開口52の数に依存する。典型的には、一つの噴射ノズル51は、シュート幅方向D2方向に配列された複数の開口52を備えている。本実施形態では、バルブ53の数と開口52の数とは同じであるが、一つのバルブ53に対して複数の開口52が設けられてもよい。
【0033】
より具体的には、コントローラ80の識別部81は、識別部81によって決定された状態に基づいて、軌道変更動作の対象とすべき特定の対象物90を決定し、特定の対象物90に対応する位置のバルブ53に制御信号を出力する。本実施形態では、特定の対象物90は、異物または不良品であると識別された対象物90である。ただし、特定の対象物90は、任意に設定され得る。例えば、良品であると識別された対象物90に対してエア54が噴射されてもよい(いわゆる逆打ち)。
【0034】
上記の制御信号に応答して、当該バルブ53が開かれ、対応する噴射ノズル51の対応する開口52からエア54が噴射される。特定の対象物90は、エア54によって吹き飛ばされ、移送方向D1に沿った落下軌道から逸脱して不良品排出樋35に導かれる(図1に対象物91として示す)。一方、良品であると決定された対象物90には、エア54は噴射されない。このため、良品であると決定された対象物90は、落下軌道を変えることなく、良品排出樋34に導かれる(図1に対象物92として示す)。このようにして、対象物90は、良品と、異物および不良品と、に選別される。
【0035】
このような選別機10では、移送経路95上での対象物90の移送に伴って飛散した粉塵や対象物90が第1の透明部材40aおよび第2の透明部材40bに付着することを抑制するとともに、もし付着しても除去できる構成を備えている。以下、そのような構成について説明する。図1に示すように、選別機10は、第1の除電エア噴射部60aおよび第2の除電エア噴射部60bを備えている。第1の除電エア噴射部60aは、フロント側において、第1の透明部材40aに対して移送経路95が位置する側に配置される。第2の除電エア噴射部60bは、リア側において、第2の透明部材40bに対して移送経路95が位置する側に配置される。
【0036】
第1の除電エア噴射部60aおよび第2の除電エア噴射部60bは、第1の除電エア62aおよび第2の除電エア62bをそれぞれ噴射するための第1の開口61aおよび第2の開口61bをそれぞれ備えている。「除電エア」とは、プラスイオンおよび/またはマイナスイオンを含むエアである。対象物90は、その特性(例えば、種類、性状、搬送方法など)に応じて、貯留タンク31への投入前、または、選別機10での移送中にプラスまたはマイナスの静電気を帯びることがある。除電エア62a,62bの極性は、その対象物90の静電気を中和可能な極性のイオンを含むように予め決定される。
【0037】
図2および図3に示すように、本実施形態では、第1の除電エア噴射部60aは、複数の第1の開口61aがシュート幅方向D2方向に配列された丸パイプの形態である。この点については、第2の除電エア噴射部60bも同様である。ただし、除電エア噴射部60a,60bの形態は特に限定されず、除電エア62a,62bを噴射可能な任意の構造に変形され得る。
【0038】
図1に示すように、本実施形態では、第1の除電エア噴射部60aおよび第2の除電エア噴射部60bは、第1の透明部材40aおよび第2の透明部材40bに向けて第1の除電エア62aおよび第2の除電エア62bをそれぞれ噴射するように構成される。図5は、除電エアの噴射方向を示す模式図である。図5では、代表的に、第2の除電エア62bの噴射方向を示している。図5に示すように、第2の透明部材40bは、第1の光源21aおよび第1の光学センサ23aが位置する第1の側25と、移送経路95が位置する第2の側26と、を仕切っている。第2の側26に配置された第2の除電エア噴射部60bの第2の開口61bは、第2の透明部材40bに向けられた方向に開口している。これにより、第2の除電エア62bは、第2の透明部材40bに向けて噴射される。代替実施形態では、風向を偏向するための偏向板によって、第2の除電エア62bの噴射方向が方向付けられてもよい。この場合、偏向板は、その向きを変更可能に(換言すれば、噴射方向を変更可能に)構成されてもよい。
【0039】
図5に示すように、第2の透明部材40bに向けて噴射された第2の除電エア62bは、第2の透明部材40bに衝突し、その後、第2の透明部材40bに沿って下方に流れる。このような第2の除電エア62bの流れは、図3に点線で示すように、第2の透明部材40bと移送経路95とを仕切るエアカーテンを形成する。この点は、第1の除電エア62aについても同様である。
【0040】
対象物90が静電気を帯びると、対象物90が透明部材40a,40bに付着しやすくなり、また、一旦、付着すると、除去しにくくなる。しかしながら、透明部材40a,40bに向けて除電エア62a,62bを噴射する上記の構成によれば、静電気を帯びた対象物90が透明部材40a,40bに向けて飛散したとしても、当該対象物90が除電エア62a,62bと接触して除電される。このため、対象物90が透明部材40a,40bに付着しにくくなる。また、透明部材40a,40bが帯電したとしても、除電エア62a,62bが透明部材40a,40bに接触することによって、透明部材40a,40bが除電される。このため、透明部材40a,40bが帯電して、静電気を帯びた対象物90が付着しやすくなることを抑制できる。しかも、対象物90が透明部材40a,40bに到達または付着したとしても、当該対象物90が除電エア62a,62bと接触して除電されるので、静電気による付着力が解除される。このため、透明部材40a,40bに到達または付着した対象物90を除電エア62a,62bによって吹き飛ばして容易に除去できる。あるいは、当該対象物90を小さい風量で除去できる。除電エア62a,62bの風量を小さく設定すれば、移送経路95上での対象物90の円滑な移送を阻害することがない。
【0041】
図5に示すように、第2の除電エア62bは、第2の光学センサ23bの視野領域41bのみに当たるように噴射されてもよい。この点については、第1の除電エア62aについても同様である。こうすれば、除電エア62a,62bの消費量を節約しつつ、必要な付着防止効果及び付着物除去効果を得ることができる。
【0042】
図5に示すように、除電エア62a,62bの噴射方向は、透明部材40a,40bに対する噴射角度θによって定義付けられる。本実施形態では、噴射角度θは45度である。このようにすれば、付着した対象物90を除電エア62a,62bによって吹き飛ばして除去する効果を最大化できる。ただし、噴射角度θは、0度よりも大きく、90度よりも小さい任意の角度で設定可能である。噴射角度θを30度以上、60度以下とすれば、除去効果を高めることができる。
【0043】
このような除電エア62a,62bの噴射は、コントローラ80の除電エア制御部82の処理として制御される。本実施形態では、除電エア制御部82は、第1の制御と第2の制御とを実行可能に構成される。第1の制御では、対象物90が移送経路95上を移送されている間(換言すれば、フィーダ32が稼働している間)、常時、除電エア62a,62bが噴射される。第2の制御では、対象物90が移送経路95上を移送されない所定のタイミングで除電エア62a,62bが噴射される。第1の制御および第2の制御のいずれか一方、または、両方を実行するための設定は、選別機10が備えるユーザインタフェースを介したユーザの入力によって行われる。
【0044】
第1の制御によれば、除電エア62a,62bが常時噴射されるので、対象物90の透明部材40a,40bへの付着を常時、抑制できるとともに、透明部材40a,40bに付着した対象物90を随時、除去することができる。したがって、光学センサ23a,23bの検出感度の低下や、識別部81の識別性能の低下を効果的に抑制できる。
【0045】
第2の制御によれば、対象物90が移送経路95上を移送されていない所定のタイミングを利用して、透明部材40a,40bに付着した対象物を除去できる。所定のタイミングは、対象物90の供給を停止して、キャリブレーションを行うタイミングを含んでいてもよい。ここでのキャリブレーションとは、例えば、対象物90の供給を停止した状態での光学センサ23a,23bの出力が基準範囲内に納まるように、光源21a,21bの光量、および/または、光学センサ23a,23bのゲインを調整することであってもよい。
【0046】
また、所定のタイミングは、透明部材40a,40bへの異物または対象物90(不良品のみであってもよいし、良品および不良品の両方であってもよい)の付着をコントローラ80が検出した時を含んでいてもよい。例えば、異物または不良品の付着は、同一のバルブ53に所定回数連続して制御信号が出力され、対応する開口52から連続してエア54が噴射されたことを検出することによって検出できる。また、光学センサ23a,23bを介して取得される画像において、所定時間、同一の対象物90が同一位置に留まっていることを検出することによって検出できる。対象物90の同一性の判断には、例えば、パターンマッチングの手法を利用できる。
【0047】
本実施形態では、第2の制御における除電エア62a,62bの噴射風量は、第1の制御における除電エア62a,62bの噴射風量よりも大きく設定される。上記の所定のタイミングでは、対象物90の移送が停止中であるから、除電エア62a,62bの噴射風量を大きくしても、除電エア62a,62bの流れが対象物90の円滑な移送を阻害することがない。このため、第2の制御では、透明部材40a,40bに付着した対象物90を大きな噴射風量で、より確実に除去できる。代替実施形態では、噴射風量に代えて、または、加えて、第2の制御での噴射圧力が第1の噴射制御の噴射圧力よりも大きく設定されてもよい。さらなる代替実施形態では、第1の制御と第2の制御との間で、噴射風量および/または噴射圧力が同レベルに設定されてもよい。
【0048】
コントローラ80が第1の制御および第2の制御の両方を実行する構成によれば、対象物90が移送されている状態では、除電エア62a,62bの消費量を節約するとともに、対象物90の円滑な移送を阻害することを防止しつつ、透明部材40a,40bへの対象物90の付着を抑制でき、対象物90が移送されていない状態では、透明部材40a,40bに付着した対象物90を確実に除去できる。
【0049】
図4は、除電エア62a,62bを噴射するための構成を示すブロック図である。図4に示すように、選別機10は、噴射ノズル51からエア54を噴射するための構成として、エアタンク55と、圧力調整弁56と、複数のマニホールド57と、複数の噴射ノズル51と、を備えている。この構成は周知であるから、ここでは詳しい説明を省略する。本実施形態では、上述のバルブ53は、マニホールド57内に収容されている。ただし、バルブ53は、マニホールド57の外部に配置されていてもよい。
【0050】
さらに、選別機10は、除電エア62a,62bを噴射するための構成として、第1の電磁弁72と、第2の電磁弁73と、第1のスピードコントローラ74と、第2のスピードコントローラ75と、第1のイオナイザ70と、第2のイオナイザ71と、上述の第1の除電エア噴射部60aおよび第2の除電エア噴射部60bと、を備えている。エアタンク55と圧力調整弁56とを接続する配管58には、配管76が接続されている、配管76は、二つに分岐しており、その分岐先がそれぞれ第1の電磁弁72および第2の電磁弁73に接続されている。第1の電磁弁72および第2の電磁弁73は、第1のスピードコントローラ74および第2のスピードコントローラ75にそれぞれ接続されており、その先は、一旦合流した後に、分岐して、第1のイオナイザ70および第2のイオナイザ71にそれぞれ接続されている。第1のイオナイザ70および第2のイオナイザ71には、並列配置された第1の除電エア噴射部60aおよび第2の除電エア噴射部60bの一端および他端がそれぞれ接続されている。
【0051】
第1の制御が実行される場合、コントローラ80の除電エア制御部82は、第1の電磁弁72を開けて、第2の電磁弁73を閉める。これにより、エアタンク55からエアが配管76および第1の電磁弁72を介して第1のスピードコントローラ74に流入し、風量が調整された後、第1のイオナイザ70および第2のイオナイザ71に流入する。一方、第2の制御が実行される場合、コントローラ80の除電エア制御部82は、第1の電磁弁72を閉じて、第2の電磁弁73を開ける。これにより、エアタンク55からエアが配管76および第2の電磁弁73を介して第2のスピードコントローラ75に流入し、風量が調整された後、第1のイオナイザ70および第2のイオナイザ71に流入する。
【0052】
イオナイザ70,71では、流入した空気にプラスイオンまたはマイナスイオンが付与され、除電エア62a,62bが生成される。イオナイザ70,71には、公知の任意の方式を採用することができる。本実施形態では、イオナイザ70,71は、コロナ放電式である。イオナイザ70,71で生成された除電エア62a,62bは、第1の除電エア噴射部60aおよび第2の除電エア噴射部60bに供給され、上述の通り、第1の開口61aおよび第2の開口61bからそれぞれ噴射される。上記のように、第1の除電エア噴射部60aおよび第2の除電エア噴射部60bを並列的に配置し、その両端にそれぞれ第1のイオナイザ70および第2のイオナイザ71を接続することにより、シュート幅方向D2に沿った各位置に安定して除電エア62a,62bを供給できる。上記のように、送風機を使用せずに除電エア62a,62bを噴射することによって、送風機を使用する場合と比べて、除電エア62a,62bの噴射風量を小さくすることができる。その結果、除電エア62a,62bが対象物90の円滑な移送を阻害することを抑制できる。
【0053】
代替実施形態では、第1の除電エア噴射部60aおよび第2の除電エア噴射部60bは、第1の透明部材40aおよび第2の透明部材40bに平行に(つまり、図5に示した噴射角度θがゼロになるように)除電エア62a,62bを噴射してもよい。このような構成によっても従来の単なるエアカーテンの構成と比べて、対象物90の付着防止性能を高めることができる。
【0054】
さらなる代替実施形態では、第1の除電エア噴射部60aは、第1の透明部材40aに平行に第1の除電エア62aを噴射する第1角度噴射部と、第1の透明部材40aに向けて第1の除電エア62aを噴射する第2角度噴射部と、を備えていてもよい。この場合、第1角度噴射部および第2角度噴射部の両方が第1の制御および第2の制御の両方で使用されてもよい。あるいは、第1の制御では第1角度噴射部が使用され、第2の制御では第2角度噴射部が使用されてもよい。第1角度噴射部第2角度噴射部は、別体であってもよいし、開口方向が異なる2種類の開口を有する単一の部材であってもよい。これらの点は、第2の除電エア噴射部60bについても同様である。
【0055】
さらなる代替実施形態では、第1の除電エア噴射部60aは、さらに、噴射ノズル51に向けて第1の除電エア62aを噴射するように構成されてもよい。この場合、第1の除電エア噴射部60aは、第1の透明部材40aに向けて、または、第1の透明部材40aに平行に第1の除電エア62aを噴射する第1角度噴射部と、噴射ノズル51に向けて第1の除電エア62aを噴射する第2角度噴射部と、を備えていてもよい。このような構成によれば、対象物90が移送経路95からノズル51に向けて飛散して噴射ノズル51の上に堆積したとしても、当該対象物90を第1の除電エア62aで吹き飛ばして除去できる。しかも、対象物90が静電気を帯びている場合であっても、静電気による付着力を解除できるので、付着した対象物90を第1の除電エア62aによって容易に除去できる。この点は、第2の除電エア噴射部60bについても同様である。
【0056】
以上、本発明の実施形態について説明してきたが、上記した実施形態は、本発明の理解を容易にするためのものであり、本発明を限定するものではない。本発明は、その趣旨を逸脱することなく、変更、改良され得るとともに、本発明にはその均等物が含まれる。また、上述した課題の少なくとも一部を解決できる範囲、または、効果の少なくとも一部を奏する範囲において、特許請求の範囲および明細書に記載された各構成要素の任意の組み合わせ、または、任意の省略が可能である。
【0057】
例えば、フロント側の第1の光源21aおよびリア側の第2の光源21bの一方が省略されてもよい。あるいは、フロント側の第1の光学センサ23aおよびリア側の第2の光学センサ23bの一方が省略されてもよい。この場合、光源および光学センサがフロント側およびリア側の一方のみに配置される場合には、他方側では、透明部材および除電エア噴射部が省略されてもよい。
【0058】
さらに、可視光を放出する光源に代えて、または、加えて、任意の電磁波源が設置されてもよい。そのような電磁波源には、例えば、近赤外線源および/またはX線源が含まれ得る。この場合、近赤外線源および/またはX線源は、対象物90の移送経路の一方側のみに配置されてもよいし、両側に配置されてもよい。また、近赤外線を検出するセンサ、および/または、X線を検出するセンサが、対象物90の移送経路の一方側のみに配置されてもよいし、両側に配置されてもよい。また、電磁波源が近赤外線源を含む場合には、識別部81によって決定される対象物90の状態には、有機物および無機物の区分が含まれてもよい。
【0059】
さらに、シュート33から落下した後の対象物90に向けて光を照射して、対象物90に関連付けられた光を光学センサによって検出する構成に代えて、シュート33上を滑走中の対象物90に向けて光を照射して、対象物90に関連付けられた光を光学センサによって検出する構成が採用されてもよい。あるいは、移送手段として、シュート33に代えて、ベルトコンベヤが使用されてもよい。この場合、ベルトコンベヤの一端から落下する対象物90に向けて光を照射して、対象物90に関連付けられた光を光学センサによって検出する構成が採用されてもよいし、あるいは、ベルトコンベヤ上で搬送中の対象物90に向けて光を照射して、対象物90に関連付けられた光を光学センサによって検出する構成が採用されてもよい。これらの場合、透明部材は、光源および光学センサが位置する第1の側と、移送経路が位置する第2の側と、を仕切る任意の場所に配置され得る。
【0060】
さらに、本発明は、選別装置に限られず、種々の形態で実現可能である。例えば、本発明は、対象物の状態を測定するための測定装置として実現されてもよい。そのような測定装置は、例えば、上述した選別装置10から選別部50および不良品排出樋35が取り除かれた構成を備えていてもよい。
【符号の説明】
【0061】
10...光学式選別機
20...光学検出部
21a...第1の光源
21b...第2の光源
22a...第1の光
22b...第2の光
23a...第1の光学センサ
23b...第2の光学センサ
25...第1の側
26...第2の側
31...貯留タンク
32...フィーダ
33...シュート
34...良品排出樋
35...不良品排出樋
40a...第1の透明部材
40b...第2の透明部材
41b...視野領域
50...選別部
51...噴射ノズル
52...開口
53...バルブ
54...エア
55...エアタンク
56...圧力調整弁
57...マニホールド
58...配管
60a...第1の除電エア噴射部
60b...第2の除電エア噴射部
61a...第1の開口
61b...第2の開口
62a...第1の除電エア
62b...第2の除電エア
70...第1のイオナイザ
71...第2のイオナイザ
72...第1の電磁弁
73...第2の電磁弁
74...第1のスピードコントローラ
75...第2のスピードコントローラ
76...配管
80...コントローラ
81...識別部
82...除電エア制御部
90,91,92...対象物
95...移送経路
図1
図2
図3
図4
図5