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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2025154485
(43)【公開日】2025-10-10
(54)【発明の名称】生活見守りシステム及びプログラム
(51)【国際特許分類】
   G08B 25/04 20060101AFI20251002BHJP
   G08B 25/00 20060101ALI20251002BHJP
   G08B 21/02 20060101ALI20251002BHJP
   G06Q 50/22 20240101ALI20251002BHJP
【FI】
G08B25/04 K
G08B25/00 510M
G08B21/02
G06Q50/22
【審査請求】未請求
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2024057521
(22)【出願日】2024-03-29
(71)【出願人】
【識別番号】000108085
【氏名又は名称】セコム株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110003339
【氏名又は名称】弁理士法人南青山国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】北山 亜紗美
【テーマコード(参考)】
5C086
5C087
5L099
【Fターム(参考)】
5C086AA22
5C086BA01
5C086CA28
5C086CB36
5C086DA33
5C086DA40
5C086FA18
5C087AA02
5C087AA03
5C087AA25
5C087BB20
5C087DD03
5C087DD24
5C087EE05
5C087FF01
5C087FF02
5C087FF04
5C087FF16
5C087GG02
5C087GG67
5L099AA13
(57)【要約】
【課題】見守り者の見守り負担を抑制しつつ、被見守り者の生活行動を直感的に把握すること。
【解決手段】生活見守りシステムは、建物に居住する被見守り者の生活状況を示す情報を見守り者に提供する生活見守りシステムであって、取得部と、制御部とを具備する。前記取得部は、前記建物内の見守りエリアにおける前記被見守り者の動きを検知した検知データを取得する。前記制御部は、所定期間における前記検知データから得られる前記被見守り者の行動履歴から、少なくとも一部の期間の行動履歴を間引いた要約動画を生成し、当該要約動画を出力する。前記制御部は、前記被見守り者を検知した前記見守りエリアの種別に応じた間引き量で前記要約動画を生成する。
【選択図】図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
建物に居住する被見守り者の生活状況を示す情報を見守り者に提供する生活見守りシステムであって、
前記建物内の見守りエリアでおける前記被見守り者の動きを検知した検知データを取得する取得部と、
所定期間における前記検知データから得られる前記被見守り者の行動履歴から、少なくとも一部の期間の行動履歴を間引いた要約動画を生成し、当該要約動画を出力する制御部と、を具備し、
前記制御部は、前記被見守り者を検知した前記見守りエリアの種別に応じた間引き量で前記要約動画を生成する
生活見守りシステム。
【請求項2】
請求項1に記載の生活見守りシステムであって、
前記行動履歴は、前記被見守り者がとった行動種別を時系列に表す情報を含み、
前記制御部は、前記所定期間における前記被見守り者の行動種別を判定し、当該判定した行動種別のうち所定の行動種別が検知された期間を間引き対象として、前記見守りエリアの種別に応じた間引き量で前記要約動画を生成する
生活見守りシステム。
【請求項3】
請求項2に記載の生活見守りシステムであって、
前記制御部は、前記判定した行動種別のうち動き量が小さい行動種別が検知された期間を前記間引き対象とする
生活見守りシステム。
【請求項4】
請求項3に記載の生活見守りシステムであって、
複数の前記建物のそれぞれは、前記見守りエリアとして、前記被見守り者の就寝スペースがある第1見守りエリア、及び、前記就寝スペースがない第2見守りエリアのうち少なくとも一方を有し、
前記制御部は、
前記第1見守りエリアで前記間引き対象の行動種別が検知された期間について、第1の間引き量で前記要約動画を生成し、
前記第2見守りエリアで前記間引き対象の行動種別が検知された期間について、前記第1の間引き量よりも大きい第2の間引き量で前記要約動画を生成する
生活見守りシステム。
【請求項5】
請求項1に記載の生活見守りシステムであって、
前記検知データは、少なくとも前記被見守り者の姿勢を示す情報を含み、
複数の前記建物のそれぞれは、前記見守りエリアとして、前記被見守り者の就寝スペースがある第1見守りエリア、及び、前記就寝スペースがない第2見守りエリアのうち少なくとも一方を有し、
前記制御部は、
前記第1見守りエリアで前記被見守り者の臥位状態が継続した期間について、前記被見守り者が就寝中のアニメーションを生成して前記要約動画に含め、
前記第2見守りエリアで前記被見守り者の臥位状態が継続した期間について、前記要約動画から省略する
生活見守りシステム。
【請求項6】
請求項2乃至4のいずれかに記載の生活見守りシステムであって、
前記制御部は、前記判定した被見守り者の行動種別を時系列で時間軸上に表示した時系列グラフを生成し、
生成した前記要約動画とともに、当該要約動画の再生中の位置を時間軸上に示した前記時系列グラフを、表示部に出力する
生活見守りシステム。
【請求項7】
コンピュータに、
建物内の見守りエリアにおける被見守り者の動きを検知した検知データから得られる当該被見守り者の行動履歴と、前記見守りエリアの種別を示すエリア種別情報とをサーバ装置から受信するステップと、
所定期間における前記行動履歴から少なくとも一部の期間の行動履歴を間引いた要約動画を、前記見守りエリアの種別に応じた間引き量で生成するステップと、
前記要約動画を再生するステップと
を実行させるプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、建物に居住する高齢者等の被見守り者の生活状況に関する情報を見守り者に提供する生活見守りシステム及びそのプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、住宅等の建物内の被見守り者を各種センサにより見守るシステムが存在する。
【0003】
例えば、下記特許文献1には、宅内に設置された複数の人感センサなどを用いて検知した被見守り者(高齢者)の一日の生活行動パターンを時系列で生活動作の種類に応じて色分けして一覧表示することで、見守り者(子供)が被見守り者の行動を把握するシステムが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2005-122292号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上記特許文献1の技術では、時系列グラフを用いて1日の生活行動パターンの一覧を表示するもので、被見守り者の生活行動を直感的に把握することは難しい。また、被見守り者の行動履歴を時系列に沿って詳細に確認することは、見守り者にとって大きな負担となる。
【0006】
以上のような事情に鑑み、本発明の目的は、見守り者の見守り負担を抑制しつつ、被見守り者の生活行動を直感的に把握することが可能な生活見守りシステム及びプログラムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するため、本発明の一形態に係る生活見守りシステムは、建物に居住する被見守り者の生活状況を示す情報を見守り者に提供する生活見守りシステムであって、取得部と、制御部とを具備する。前記取得部は、前記建物内の見守りエリアにおける前記被見守り者の動きを検知した検知データを取得する。前記制御部は、所定期間における前記検知データから得られる前記被見守り者の行動履歴から、少なくとも一部の期間の行動履歴を間引いた要約動画を生成し、当該要約動画を出力する。前記制御部は、前記被見守り者を検知した前記見守りエリアの種別に応じた間引き量で前記要約動画を生成する。
【0008】
これにより生活見守りシステムは、見守りエリアの種別に応じて要約動画における行動履歴の間引き量を可変することで、見守りエリアごとに見守り者が確認すべき被見守り者の行動履歴を最適化し、見守り者の見守り負担を抑制しつつ、被見守り者の生活行動を直感的に把握することができる。ここで見守りエリアは、上記建物内に1つ以上存在する。要約動画は、例えばアニメーションや映像である。検知部は、例えばミリ波などの電波、カメラ撮影(可視光、赤外、熱)、TOF(Time Of Flight)センサ等の距離センサなどを含む。間引き量の違いは、例えば被見守り者の行動履歴を所定間隔で間引く場合における所定間隔の違いであってもよいし、被見守り者の所定行動期間を全てカットするか、または一部カットするか等の違いであってもよい。
【0009】
前記行動履歴は、前記被見守り者がとった行動種別を時系列に表す情報を含んでもよい。この場合制御部は、前記所定期間における前記被見守り者の行動種別を判定し、当該判定した行動種別のうち所定の行動種別が検知された期間を間引き対象として、前記見守りエリアの種別に応じた間引き量で前記要約動画を生成してもよい。
【0010】
前記制御部は、前記判定した行動種別のうち動き量が小さい行動種別が検知された期間を前記間引き対象としてもよい。
【0011】
これにより生活見守りシステムは、被見守り者の動き量が少ない行動を間引いて要約動画を作成する場合でも、見守りエリアの用途によっては動き量が少ない行動も見守り者に確認させることができる。ここで間引き量の違いには、見守りエリアの違いで間引きの有無を変更する場合や、間引き量の割合を変更する場合が含まれる。
【0012】
複数の前記建物のそれぞれは、前記見守りエリアとして、前記被見守り者の就寝スペースがある第1見守りエリア、及び、前記就寝スペースがない第2見守りエリアのうち少なくとも一方を有してもよい。この場合前記制御部は、前記第1見守りエリアで前記間引き対象の行動種別が検知された期間について、第1の間引き量で前記要約動画を生成し、前記第2見守りエリアで前記間引き対象の行動種別が検知された期間について、前記第1の間引き量よりも大きい第2の間引き量で前記要約動画を生成してもよい。
【0013】
これにより生活見守りシステムは、就寝用の第1見守りエリアでは就寝も正常な(重要な)行動であるためそれを見守り者に伝える一方、非就寝用の第2見守りエリアでは就寝は重要度が高くないため間引くことで見守り者の負担を軽減できる。
【0014】
前記検知データは、少なくとも前記被見守り者の姿勢を示す情報を含んでもよい。また複数の前記建物のそれぞれは、前記見守りエリアとして、前記被見守り者の就寝スペースがある第1見守りエリア、及び、前記就寝スペースがない第2見守りエリアのうち少なくとも一方を有してもよい。この場合前記制御部は、前記第1見守りエリアで前記被守り者の臥位状態が継続した期間について、前記被見守り者が就寝中のアニメーションを生成して前記要約動画に含め、前記第2見守りエリアで前記被守り者の臥位状態が継続した期間について、前記要約動画から省略してもよい。
【0015】
これにより生活見守りシステムは、被見守り者が同じ行動をとった場合でも、その行動をとった見守りエリアに応じてそれを要約動画にアニメーションとして含めるか否かを決定することができる。
【0016】
前記制御部は、前記判定した被見守り者の行動種別を時系列で時間軸上に表示した時系列グラフを生成し、生成した前記要約動画とともに、当該要約動画の再生中の位置を時間軸上に示した前記時系列グラフと、表示部に出力してもよい。
【0017】
これにより生活見守りシステムは、見守り者に、被見守り者の行動を要約動画で確認させながら、被見守り者の行動が、見守りを行った所定時間のうちのどの時間に発生したものであるかを一目で把握させることができる。
【0018】
本発明他の形態に係るプログラムは、コンピュータに、
建物内の見守りエリアにおける被見守り者の動きを検知した検知データから得られる当該被見守り者の行動履歴と、前記見守りエリアの種別を示すエリア種別情報とをサーバ装置から受信するステップと、
所定期間における前記行動履歴から少なくとも一部の期間の行動履歴を間引いた要約動画を、前記見守りエリアの種別に応じた間引き量で生成するステップと、
前記要約動画を再生するステップと、を実行させる。
【発明の効果】
【0019】
以上説明したように、本発明によれば、見守り者の見守り負担を抑制しつつ、被見守り者の生活行動を直感的に把握することができる。しかし、当該効果は本発明を限定するものではない。
【図面の簡単な説明】
【0020】
図1】本発明の一実施形態に係る生活見守りシステムの構成を示した図である。
図2】上記生活見守りシステムのサーバ装置のハードウェア構成を示した図である。
図3】上記サーバ装置が生成する被見守り者の行動履歴情報の再生画面の例を示した図である。
図4】上記要約動画の再生画面中に表示される時系列グラフの例を示した図である。
図5】上記サーバ装置が生成する要約動画の、見守りエリアによる生成方法の相違について示した表である。
図6】上記サーバ装置が生成する要約動画の対象となる被見守り者の行動種別について示した表である。
図7】上記サーバ装置が生成する要約動画の、非検知期間の警備モード(在不在)による生成方法の相違について示した表である。
図8】上記サーバ装置によるリビングの要約動画再生処理の流れを示したフローチャートである。
図9】上記サーバ装置が生成したリビングの要約動画の表示遷移を概念的に示した図である。
図10】上記サーバ装置による寝室の要約動画再生処理の流れを示したフローチャートである。
図11】上記サーバ装置が生成した寝室の要約動画の表示遷移を概念的に示した図である。
図12】本発明の変形例においてサーバ装置が生成する要約動画の対象となる被見守り者の行動種別について示した図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
以下、図面を参照しながら、本発明の実施形態を説明する。
【0022】
[システムの構成]
図1は、本実施形態に係る生活見守りシステムの構成を示した図である。
【0023】
同図に示すように、生活見守りシステムは、被見守り者が所在する建物(監視対象エリア)への侵入等の異常を監視する監視サービスと、高齢者等の被見守り者の状況を見守る見守りサービスとを提供する。この見守りサービスでは、被見守り者の日常生活の中で検知された行動履歴を示す情報が、被見守り者と離れて暮らす家族(子供)等の見守り者に提供される。これにより、見守り者は、被見守り者の状況を認識でき、被見守り者を見守ることができる。
【0024】
生活見守りシステムは、サーバ装置100と、ユーザ端末200と、監視装置300と、複数の侵入監視センサ400と、見守りセンサ500とを備える。監視装置300、侵入監視センサ400及び見守りセンサ500は、被見守り者の住居等の建物内に設置され、LAN(Local Area Network)等のネットワークを介して接続されている。
【0025】
サーバ装置100は、監視サービス及び見守りサービスを提供する事業者により運営される監視センタに設置される。サーバ装置100は、監視装置300から受信した被見守り者の姿勢及び位置の検知結果の時系列変化から被見守り者の行動を判定して行動履歴を作成し、被見守り者の生活の様子(行動履歴)をアニメーション動画や映像等を用いて見守り者に提供する。
【0026】
ユーザ端末200は、見守り者により所持され、見守り者が被見守り者の活動状況を示す情報等の見守りサービスに関する各種の情報を閲覧するために用いられる。ユーザ端末200としては、スマートフォン、携帯電話機、パーソナルコンピュータ、タブレット端末、及びウェアラブル端末等が挙げられる。ユーザ端末200には、上記見守りサービスに関する各種情報の閲覧に対応したアプリケーション(以下、「見守りアプリ」ともいう。)がインストールされている。
【0027】
サーバ装置100、監視装置300及びユーザ端末200は、インターネットと移動体通信ネットワークを含むネットワーク50を介して接続されている。
【0028】
侵入監視センサ400は、建物への侵入者を検知して検知情報を出力する。建物が住居である場合、侵入監視センサ400には、住居の屋内(例えば玄関扉や窓等の開口部、住居内における通路等の動線部分や居室)に設置されるセンサと、住居の屋外(例えば庭や門扉)に設置されるセンサとが含まれる。
【0029】
侵入監視センサ400としては、例えば窓や扉等に設置される開閉センサや人感センサが用いられる。人感センサとしては、人体が発する熱線の変動により人の存在を検知するセンサ、音波や高周波により人の存在を検知するセンサ、監視カメラの撮影画像を画像処理することで人の存在を検知するセンサ、及び投光部からの入射光が遮られることにより人の存在を検知するセンサ等が挙げられる。その他、侵入監視センサ400としてTOF(Time Of Flight)センサや超音波(ミリ波、マイクロ波)センサ等が用いられてもよい。また侵入監視センサ400が見守り用途に用いられてもよい。
【0030】
見守りセンサ500は、建物内の見守りエリア(部屋やスペース)に設置され、当該見守りエリアにおける被見守り者の動き(動き量及び姿勢)を検知し、その検知結果を示す検知情報を出力する。
【0031】
見守りセンサ500としては例えば、超音波センサ(ミリ波やマイクロ波等)、TOFセンサ、カメラ等が用いられる。見守りセンサ500として動画を撮影可能なカメラが用いられる場合、撮影フレーム数毎に被見守り者の位置及び姿勢を検知する。姿勢の検知手法としては、例えば、背景差分法により画像から抽出した人物像と予め登録されている各々の姿勢の像とのパターンマッチング処理や、姿勢検知用に各種の姿勢の画像で学習された学習済みモデルによる認証処理等の公知の手法を用いる。また、見守りセンサ500として超音波センサが用いられる場合、例えば毎秒、被見守り者の位置及び姿勢を検知する。姿勢の検知手法としては、例えば、超音波センサから得られる点群データと予め登録されている各々の姿勢の点群データとのパターンマッチング処理等の公知の手法を用いる。見守りセンサ500は、見守りエリア内の人物の位置とその人物の姿勢(例えば、立位、座位、臥位等)を検知し、人物の位置と姿勢の変化からその人物の動き量を算出する。動き量は、単位時間あたりの位置の変化量と、姿勢の変化とをそれぞれスコア化して加算して求める。そして、見守りセンサ500は、算出した動き量と姿勢を検知データとして出力する。なお、動き量は位置の変化量のみから求めてもよい。また、動き量に代えて動きの有無を検知データに含めてもよい。また、見守りセンサ500からは位置と姿勢の検知結果をサーバ100に送り、サーバ100が動き量を算出する構成としてもよい。なお、見守りセンサ500が上記侵入監視用途に利用されてもよい。
【0032】
監視装置300は、侵入監視センサ400を用いて被見守り者が所在する建物への侵入監視を行うとともに、見守りセンサ500を用いて被見守り者の行動を検知する。
【0033】
例えば侵入監視センサ400により侵入者が検知されると、監視装置300は、建物へ侵入者が侵入したことをサーバ装置100へ通知する。監視装置300は、監視装置300は、無人警戒モード、有人警戒モード、及び解除モードの3つの警備モードを有する。
【0034】
無人警戒モードは、建物全体を監視する警備モードである。無人警戒モードは、被見守り者が外出して建物が無人であるときに用いられる。無人警戒モードにおいては、複数の侵入監視センサ400のいずれかから検知情報が出力されると、監視装置300からサーバ装置100に異常信号が送信される。当該無人警戒モードでは見守りセンサ500の検知結果は非検知となり、被見守り者は外出中として取り扱われる。
【0035】
有人警戒モードは、建物の一部を監視する警備モードである。有人警戒モードは、建物に被見守り者が居る場合において、被見守り者が居ない部分における侵入者の監視を行うときに用いられる。例えば有人警戒モードにおいては、複数の侵入監視センサ400のうち、外部から建物への侵入を検知するために玄関扉、窓、門扉、住居の屋外などの予め定められた外周エリアが監視される。或いは、建物に含まれる複数の区域のうち、被見守り者の操作に応じて指定された区域(2階など)が監視されてもよい。
【0036】
有人警戒モードにおいては、外周エリア又は指定された区域に設置された侵入監視センサ400から検知情報が出力されると、監視装置300からサーバ装置100に異常信号が送信される。一方、外周エリア又は指定された区域以外の場所に設置された侵入監視センサ400から検知情報が出力されてもこの検知情報は無視され、監視装置300からサーバ装置100に異常信号は送信されない。当該有人警戒モードでは、建物内の指定された区域以外の場所に被見守り者が居り、当該場所に設置された見守りセンサ500の検知結果が行動履歴として記録される。
【0037】
解除モードは、建物の監視を行わない警備モードである。解除モードは、建物に被見守り者が居る場合において、侵入者を監視する必要がないときに用いられる。解除モードにおいては、建物への侵入者の監視が行われず、侵入監視センサ400から検知情報が出力されても、この検知情報は無視され、監視装置300からサーバ装置100に異常信号は送信されない。当該解除モードでは、専ら見守りセンサ500の検知結果が被見守り者の行動履歴の記録に用いられる。
【0038】
図示しないが、監視装置300は、監視装置300の警備モードを設定する操作を受け付けるために玄関等に設置される設定ユニットと接続されている。
【0039】
サーバ装置100は、監視装置300から異常信号を受信すると、建物や被見守り者の情報を出力することにより、監視センサの管制員に被見守り者への確認や建物へ駆けつける警備員への対処を促す。また、サーバ装置100は、見守りセンサ500の検知結果に応じて被見守り者の行動を判定し、その行動履歴情報を見守り者のユーザ端末200に提供する。
【0040】
[サーバ装置の構成]
図2は、上記サーバ装置100の構成を示した図である。同図に示すように、サーバ装置100は、CPU(Central Processing Unit)11、ROM(Read Only Memory)12、RAM(Random Access Memory)13、入出力インタフェース15、及び、これらを互いに接続するバス14を備える。
【0041】
CPU11は、必要に応じてRAM13等に適宜アクセスし、各種演算処理を行いながらサーバ装置100の各ブロック全体を統括的に制御する。ROM12は、CPU11に実行させるOS、プログラムや各種パラメータなどのファームウェアが固定的に記憶されている不揮発性のメモリである。RAM13は、CPU11の作業用領域等として用いられ、OS、実行中の各種アプリケーション、処理中の各種データを一時的に保持する。
【0042】
入出力インタフェース15には、表示部16、操作受付部17、記憶部18、通信部19等が接続される。
【0043】
表示部16は、例えばLCD(Liquid Crystal Display)、OELD(Organic ElectroLuminescence Display)、CRT(Cathode Ray Tube)等を用いた表示デバイス(内蔵ディスプレイ)である。
【0044】
操作受付部17は、例えば、タッチパネル、ボタン、キー、その他の入力装置である。操作受付部17がタッチパネルである場合、そのタッチパネルは表示部16と一体となり得る。
【0045】
記憶部18は、例えばフラッシュメモリ(SSD;Solid State Drive)やその他の固体メモリ、HDD(Hard Disk Drive)等の不揮発性メモリである。当該記憶部18には、上記OSや各種アプリケーション、各種データが記憶される。
【0046】
特に本実施形態では、記憶部18は、上記見守りセンサ500の検知結果を基に被見守り者の行動履歴情報を生成してユーザ端末200に表示させるためのプログラム及びデータを記憶している。
【0047】
通信部19は、例えばEthernet用のNIC(Network Interface Card)や無線LAN等の無線通信用の各種モジュールであり、上記ネットワーク50を介したユーザ端末200及び監視装置300との間の通信処理を担う。
【0048】
[行動履歴情報]
次に、サーバ装置100が生成しユーザ端末200に表示される被見守り者の行動履歴情報について説明する。
【0049】
サーバ装置100は、見守りセンサ500から取得した検知データに基づき、被見守り者の行動履歴を時系列に記憶する。行動履歴は、動きの有無且つ姿勢の種類に基づき区分されており、動きの有無と姿勢の種類とから定まる行動種別が同一である連続する期間を、他の行動種別を示す期間と区別して記憶される。行動種別は、例えば、動きあり立位、動きなし立位、座位、臥位(横たわった姿勢)、非検知(人物を検知していない状態)に分類される。また、姿勢の変化も動きの有無に関わる情報であるため、姿勢変化を行動種別の一つとして記憶してよい。また、検知データに含まれる動き量を各行動種別と共に時系列に記憶する。ここで、動きあり立位と姿勢変化は比較的に動き量が大きい行動種別であり、動きなし立位、座位、臥位は比較的に動き量が小さい行動種別として扱われる。
【0050】
ユーザ端末200は、サーバ装置100から、上記見守りアプリを介して、行動履歴情報を受信して表示する。行動履歴情報は、上述のように例えばアニメーション動画として生成される。図3は、ユーザ端末200における当該行動履歴情報の再生画面の例を示した図である。
【0051】
同図に示すように、当該行動履歴情報の再生画面は、アニメーション動画表示欄31と時系列グラフ表示欄32を有する。
【0052】
アニメーション動画表示欄31は、見守りエリアの空間を模した画像上で、当該見守りエリアにおける被見守り者の位置及び行動を示すアイコン33を有し、所定期間における行動履歴情報として、被見守り者の移動の軌跡に応じて当該アイコン33の位置が変化するとともに、被見守り者の行動種別に応じてアイコン33の表示内容が変化するようなアニメーションが再生される。
【0053】
なお同図は見守りエリアがリビングである場合の行動履歴情報の表示例を示しているが、例えばアニメーション動画表示欄31の右端に、他の見守りエリア(例えば寝室)における行動履歴情報の再生画面に遷移するためのボタンが設けられてもよい。
【0054】
時系列グラフ表示欄32には、被見守り者の行動種別と、当該行動種別に対応する見守りセンサ500の検知データの検知時間とを対応付けて時系列で表示した時系列グラフ34が表示される。
【0055】
当該時系列グラフ34では、ある時点(例えば現在)を起点として例えばその24時間前までの行動履歴が、行動種別に応じて色分けされて表示される。当該時系列グラフ34上の、上記アニメーション動画表示欄31で再生されている被見守り者の行動の検知時刻を示す位置には、ポインタ36が表示され、上記アニメーション動画における再生時刻に同期してポインタ36の位置が移動する。また時系列グラフ34の例えば上部には、アニメーション動画における再生時刻が表示される。
【0056】
当該時系列グラフ表示欄32に下部の凡例に表示されているように、アニメーション動画及び時系列グラフ34の表示対象となる検知行動種別としては、例えば、動き有り立位、動き無し立位、座位、臥位(睡眠または横になった状態)、外出、及び非検知がある。動き有り立位とは、立ったまま比較的動き量の大きな行動(例えば運動や掃除)をしていた状態等であり、動き無し立位とは、立ったまま比較的動き量の小さな行動(例えば料理等)をしていた状態である。
【0057】
時系列グラフ34の例えば下部には、上記アニメーション動画の再生を要求するための再生ボタン35が設けられる。サーバ装置100は、当該再生ボタン35による再生要求をトリガとしてアニメーション動画の生成及び表示を開始する。当該再生ボタン35によらずに、見守りアプリが起動したときに見守りアプリからサーバ装置100へ再生要求が送信されアニメーション動画が自動再生されてもよい。
【0058】
なお、上記アニメーション動画及び時系列グラフ34は、見守りエリアがリビングの場合は朝の時間帯(6時以降等)から現在まで、寝室の場合は夜の時間帯から(18時以降等)現在までの行動履歴情報を用いて作成されてもよい。
【0059】
上記アニメーション動画の再生モードとしては、通常再生モードと要約再生モードとがある。当該2つのモードは、例えば画面右上端部のモード切替ボタン37により切替可能であってもよい。同図では要約再生モードが選択された状態を示している。
【0060】
通常再生モードは、検知結果である行動履歴情報の全てを時系列で再生するモードである。通常再生モードでは、例えば見守りセンサ500としてのカメラ/ミリ波の1フレーム毎又は1秒毎の検知結果のアニメーション動画が時系列グラフ34と共に表示される。
【0061】
一方要約再生モードは、被見守り者の行動履歴情報から、見守り者にその情報を提供するべき行動以外を間引き、要約動画を生成して表示するモードである。すなわち、要約再生モードは、見たい/見せたいシーンに絞ってコンテンツを時短再生する、所謂ダイジェスト再生モードである。要約再生モードでは、サーバ装置100は、上記1フレーム又は1秒毎の検知結果の時系列変化による被見守り者の行動から特定行動を抽出し、特定行動以外は省略(間引く)した要約動画を生成する。
【0062】
また上記に代えて、サーバ装置100は、通常再生モードにおいて、所定期間の検知結果のうち被見守り者の代表的な行動を抽出して再生してもよい。すなわち、例えば1分/5分/10分等所定単位の時間幅で行動履歴情報を区切り、各時間幅において代表的な行動を抽出し、その行動のみを用いて作成したアニメーション動画及び時系列グラフ34を生成して再生させてもよい。
【0063】
この場合、区切った時間幅において、上記要約再生モードであれば間引く対象の行動があったとしても、それが代表的な行動であれば間引かずに再生する。代表的な行動とは、例えば活動量(動き量)が最も多い行動でもよいし、当該時間幅に占める時間割合が最も大きい行動でもよい。
【0064】
例えば、12時~12時5分、12時5分~12時10分、12時10分~12時15分の各行動履歴情報が、12時~12時5分:動きあり立位、5分~10分:動きあり立位・座位、10分~15分:座位である場合、代表的な行動として、12時~12時5分は動きあり立位、12時5分~12時10分は動きあり立位、12時10分~12時15分は座位表示する。
【0065】
なお、上記通常再生モードにおける上記2つの異なる表示手法を1つの画面で実現してもよい。例えば、アニメーション動画として、上記1フレーム又は1秒毎の検知結果の時系列変化をそのまま表示し、時系列グラフ34には上記時間幅毎の代表的な行動を抽出して表示してもよい。
【0066】
また、上記通常再生モードにおいて代表的な行動を抽出した結果から、後述する間引き処理に基づいて間引く行動以外を抽出して要約動画を生成してもよい。
【0067】
例えば、通常再生モードにおいて各時間幅の代表的な行動が、12時~12時5分:動きあり立位、12時5分~12時10分:動きあり立位、12時10分~12時15分:座位である場合、要約再生モードにおいては、12時~12時10分の間の動きあり立位の行動を抽出(座位を間引く)して要約動画を生成し倍速表示する。なおこの場合、12時10分~15分の座位は全カットするのではなく、立位から座位に姿勢変化した様子を表示するために、座位姿勢を示すアニメーション動画を数フレーム要約に入れても良い。
【0068】
また、上記通常再生モードと要約再生モードの切替操作をせず、アニメーション動画表示欄31においてユーザ操作により表示する動画を変えても良い。例えば、時系列グラフ34の任意の時刻選択時や再生ボタン35の押下時は、アニメーション動画表示欄31に、1フレーム又は1秒毎の検知結果の時系列変化をそのまま通常表示して時系列グラフ34には時間幅毎の代表的な行動を抽出して表示し(通常再生モードに相当)、図3の直近の振り返りボタンの押下時や見守りアプリ起動時などを要約再生要求とし、要約再生要求を受けたときはアニメーション動画表示欄31に作成した要約動画を再生する。
【0069】
本実施形態において、サーバ装置100は、上記要約動画を生成・再生する際に、上記見守りエリア(リビング/寝室等)に応じて、活動量(動き量)が少ない行動種別を要約動画に含める(要約動画から間引く)度合いを変更する。
【0070】
またサーバ装置100は、見守りエリアで上記見守りセンサ500により被見守り者を検知できない非検知期間において、被見守り者が建物に存在するか否かの情報(在不在情報)に応じて、非検知期間を要約動画に含める(要約動画から間引く)度合いを変更する。
【0071】
当該見守りエリアに応じた要約動画の間引き処理及び被見守り者の在不在情報に応じた要約動画の間引き処理の詳細について以下説明する。
【0072】
[見守りエリアに応じた要約動画の間引き処理]
図4は、上記時系列グラフ34の例を見守りエリアがリビングの場合と寝室の場合とでそれぞれ示した図である。また図5は、当該見守りエリアによる要約動画の間引き処理の相違について示した表である。また図6は、要約動画の対象となる被見守り者の行動種別について示した表である。サーバ装置100は、図5及び図6に相当するテーブル等のデータを上記記憶部18に記憶している。
【0073】
これらの図に示すように、サーバ装置100は、被見守り者の行動のうち、見守りセンサ500の検知データにおける動き量(活動量)が多い行動は、被見守り者が積極的に活動していた期間を示すため、リビングの要約動画においても寝室の要約動画においても間引きせずに含める。
【0074】
一方、検知データにおける動き量(活動量)が少ない行動は、被見守り者が積極的に動いていたことを示す期間ではないため、サーバ装置100は、リビングの要約動画においては間引く(カットする)が、寝室は就寝するエリアであり、就寝も見守るべき正常な行動であるため、寝室の要約動画においては間引かずに含める。
【0075】
リビングの時系列グラフ34においては、検知した行動のうち動き有り立位は要約動画に含めるが、動き無し立位、座位、臥位については要約動画から省略する。またその他、異なる行動種別間の姿勢変化を検知した場合(例えば臥位から座位)には、動き量が大きい行動として、要約動画に含める。
【0076】
なお、見守りエリアに応じて要約動画の間引き量を変更する手法は、上記の全表示/非表示のパターンのみならず、リビングと寝室のいずれにおいても動き量が少ない行動を間引くものの、リビングの間引き量を寝室の間引き量よりも大きくしてもよい。
【0077】
また、見守りエリアがリビングと寝室を兼用するエリアである場合には、リビング監視モードと寝室監視モードとを備え、ユーザ操作により選択されたモードに対応する要約動画を表示してもよい。
【0078】
[在不在情報に応じた要約動画の間引き処理]
図7は、非検知期間の被見守り者の在不在による要約動画の間引き処理の相違について示した表である。サーバ装置100は、当該図7に相当するテーブル等のデータを上記記憶部18に記憶している。
【0079】
本実施形態では、サーバ装置100は、被見守り者の建物への在または不在を、上記監視装置300における警備モードで判断する。すなわち、見守りセンサ500の非検知期間において、警備モードが無人警戒モードである場合は被見守り者が外出中のため外で活動していたと判定する。
【0080】
要約動画は、被見守り者の日常生活の様子である活動していた期間を見守り者に知らせるものであるため、サーバ装置100は、非検知期間における警備モードが無人警戒モードであった場合には、外出行動として要約動画に含める。
【0081】
また非検知期間における警備モードが有人警戒モードまたは解除モードであった場合は、被見守り者は在宅中と判定できるが、見守りエリア以外の他のエリアでの行動は検知できないため、サーバ装置100は、当該非検知期間は要約動画から省略する。図7の右側に示すように、サーバ装置100は、当該非検知期間を要約動画から省略するのに代えて、一部を要約動画に含めてもよい。すなわち、有人警戒モードまたは解除モードの場合の要約動画における間引き量が、上記無人警戒モードの場合の間引き量よりも多ければよい。
【0082】
なお被見守り者の在不在を警備モードから判断するのに代えて、例えば玄関ドア施錠の検知かつ玄関の人感センサが人物を検知したことをもって外出を検知したり、被見守り者が所持するスマートフォンやウェアラブル端末の位置情報から在不在を判定してもよい。
【0083】
また寝室の要約動画においては、見守り者は夜間の被見守り者の睡眠の様子を確認したいと考えられるため、日中の非検知期間は要約動画に含めない(上述のとおり寝室における日中の動き量が多い行動及び動き量が少ない行動は要約動画に含める)。また、夜間の非検知期間は、設定された警備モード(在不在)によらず要約動画に含める。
【0084】
[生活見守りシステムの動作]
次に、以上のように構成された生活見守りシステムの動作について説明する。当該動作は、サーバ装置100のCPU11や通信部19等のハードウェアと、記憶部18に記憶されたソフトウェア(監視アプリケーション)との協働により実行される。以下の説明では、便宜上、サーバ装置100のCPU11を動作主体とする。
【0085】
図8は、上記サーバ装置100によるリビングの要約動画再生処理の流れを示したフローチャートである。また図9は、リビングの要約動画の表示遷移を概念的に示した図である。
【0086】
図8に示すように、サーバ装置100のCPU11はまず、ユーザ端末200から、上記見守りアプリを介して、リビングの要約動画再生要求を受信したか否かを判断する(ステップ81)。上述の通り当該要約動画再生要求は、上記再生ボタン35の押下または見守りアプリの起動をトリガに送信される。
【0087】
続いてCPU11は、当該再生要求対象のリビングの要約動画に含める行動履歴情報を抽出する(ステップ82)。すなわちCPU11は、所定期間(1日、半日、3時間など)の行動履歴情報のうち、要約表示対象の行動を検知した期間を抽出する(要約表示対象外の期間は省略する)。例えば、3時間の行動履歴情報のうち、動き量が多い行動(動き有り立位、姿勢変化)の期間を抽出する。
【0088】
なおCPU11は、上記見守りセンサ500から検知データを受信すると、そのたびに、または定期的に、当該検知データにおける位置、姿勢、動き量等を解析することで、その行動種別を判定し、行動種別情報を含む行動履歴情報を上記記憶部18に記憶している。
【0089】
続いてCPU11は、上記行動種別を基に、行動履歴情報中に、動き量が少ない行動種別(動き無し立位、座位、臥位)の期間が有るか否かを判断する(ステップ83)。
【0090】
動き量が少ない行動種別の期間があると判断した場合(ステップ83のYes)、CPU11は、当該期間を要約動画から省略する(間引く)(ステップ84)。
【0091】
続いてCPU11は、行動履歴情報中から非検知期間を抽出し、当該非検知期間且つ在宅期間が有るか否かを判断する(ステップ85)。すなわちCPU11は、非検知期間がある場合、その期間において設定されていた警備モードの情報を監視装置300から取得し、当該期間が在宅期間(有人警戒モード/解除モード)か否かを判断する。
【0092】
非検知期間且つ在宅期間が有ると判断した場合(ステップ85のYes)、CPU11は、当該期間を要約動画から省略する(間引く)(ステップ86)。
【0093】
そしてCPU11は、上記抽出した所定期間の行動が要約動画(アニメーション動画)の秒数に合わせて倍速再生されるように生成し、上記時系列グラフ34と同期して表示されるように設定して、ユーザ端末200へ送信して再生させる(ステップ87)。
【0094】
例えば、10秒で要約動画を再生する場合は、CPU11は、3時間の行動履歴情報のうち抽出した時間の合計が20分の場合、20分の情報(映像又は行動検知結果)を115倍速で表示するよう設定する。
【0095】
例えば、リビングにおいて20分の中で、動きあり立位(移動)が合計10分、外出モード且つ非検知時間が合計8分、姿勢変化行動が合計2分の場合、通常は動きあり立位を5秒、非検知時間を4秒、姿勢変化を1秒で表示させる。
【0096】
図9に示すように、上記要約動画(アニメーション動画)において、抽出した行動及び被見守り者の位置を示すアイコン33の表示内容を、行動種別及び位置の変化に応じて変更する。例えば同図に示すように座位の場合は人がソファに座っている様子を示すアイコン33が表示される。またリビングにおける臥位の場合は、(布団やベッドではなく)横になっている様子を示すアイコンが表示される。また非検知期間且つ無人警戒モードの期間は、外出中である旨の表示(外出中のマークやキャラクターアイコン等)を行う。
【0097】
また動きあり立位の検知期間については、被見守り者の位置情報を基に、移動軌跡を倍速表示させる。また姿勢変化としては、姿勢が変化した前後所定時間の行動履歴情報を抽出して表示させる。例えば、姿勢変化前後の行動履歴情報である姿勢変化前の10秒と姿勢変化後の10秒を抽出し、倍速再生を行う。なおCPU11は、姿勢変化の前後のいずれかまたは前後とも要約に含めない行動である場合(例えば座位から臥位等)であってもその姿勢変化は要約動画に含めてもよい。
【0098】
図10は、上記サーバ装置100による寝室の要約動画再生処理の流れを示したフローチャートである。また図11は、寝室の要約動画の表示遷移を概念的に示した図である。
【0099】
図10に示すように、サーバ装置100のCPU11はまず、ユーザ端末200から、上記見守りアプリを介して、寝室の要約動画再生要求を受信したか否かを判断する(ステップ91)。
【0100】
続いてCPU11は、当該再生要求対象の寝室の要約動画に含める行動履歴情報を抽出する(ステップ92)。すなわちCPU11は、寝室において動き量が多い行動及び動き量が少ない行動の期間を抽出する。動き量が少ない行動の期間は、検知した合計時間が何時間であっても規定時間(例えば、1分)に省略する。なお規定時間ではなく合計時間のうち所定割合(例えば、臥位が2時間の1割である12分等)を検知した期間としてもよい。
【0101】
続いてCPU11は、上記行動種別を基に、行動履歴情報中に、動き量が少ない行動種別(動き無し立位、座位、臥位)の期間が有るか否かを判断する(ステップ93)。
【0102】
動き量が少ない行動種別の期間があると判断した場合(ステップ93のYes)、CPU11は、当該期間を要約動画から一部省略する(一部間引く)(ステップ94)。
【0103】
続いてCPU11は、行動履歴情報中から夜間の非検知期間が有るか否かを判断する(ステップ95)。
【0104】
夜間の非検知期間が有ると判断した場合(ステップ95のYes)、CPU11は、当該非検知期間を要約動画から一部省略する(一部間引く)(ステップ96)。
【0105】
そしてCPU11は、上記抽出した所定期間の行動が要約動画(アニメーション動画)の秒数に合わせて倍速再生されるように生成し、上記時系列グラフ34と同期して表示されるように設定して、ユーザ端末200へ送信して再生させる(ステップ97)。
【0106】
例えば20分の中で、動きあり立位(移動)が合計18分、臥位が1分、姿勢変化が1分である場合、動きありを8秒、臥位を1秒、姿勢変化を1秒で再生させる。なお、20分の中で一部表示の期間があった場合は、表示時間を短縮して他の行動履歴の表示に時間を当てても良く、その場合は動きあり立位を優先して表示する。
【0107】
図11に示すように、上記要約動画(アニメーション動画)において、抽出した行動及び被見守り者の位置を示すアイコン33の表示内容を、行動種別及び位置の変化に応じて変更する。例えば同図に示すように座位の場合は人がソファに座っている様子を示すアイコン33が表示され、臥位の場合は人がベッドで寝ている様子を示すアイコンが表示される。
【0108】
以上説明したように、本実施形態によれば、生活見守りシステムは、見守りエリアの種別に応じて要約動画における行動履歴の間引き量を可変することで、見守りエリアごとに見守り者が確認すべき被見守り者の行動履歴を最適化し、見守り者の見守り負担を軽減することができる。また、被見守り者の在不在情報に応じて要約動画における非検知期間の間引き量を可変することで、非検知期間も含めて見守り者が確認すべき被見守り者の行動履歴を最適化し、見守り者の見守り負担を軽減することができる。また、見守り者は要約表示等を確認することで、普段の行動と異なる行動等を気付くことができ、被見守り者へ連絡することで不調等を早期に発見できる。
【0109】
[変形例]
本発明は上述の実施形態にのみ限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々変更され得る。
【0110】
上述の各実施形態においては、サーバ装置100は、被見守り者の動き量が多い行動として動き有り立位を要約動画に含め、動き量が少ない行動として動き無し立位、座位及び臥位を要約動画から間引いていた。しかし、要約動画から間引く対象となる被見守り者の行動種別はこれに限られない。
【0111】
例えば図12に示すように、サーバ装置100は、各姿勢において、動き有り立位及び移動有り立位を動き量が多い行動として要約動画に含めるとともに、被見守り者の位置は変化しないものの、立位や座位、臥位でも運動(ラジオ体操、腕を大きく回す等)していたことを検知できる場合、動き量が多い行動とし、動き無しの各姿勢の行動を動き量が少ない行動として要約動画に含める度合を決定してもよい。
【0112】
上述の各実施形態において、サーバ装置100は、見守りエリアに応じた要約動画の間引き処理において、見守りエリアはリビングと寝室を対象にしたがそれ以外の部屋を見守りエリアとし、見守りエリアの種別に応じて要約表示に含める特定行動を異ならせても良い。例えば、キッチンを見守りエリアとする場合は、リビングでは要約表示に含めなかった料理をしている行動である動きなし立位を特定行動として要約表示に含める。また、書斎を見守りエリアとする場合は、リビングでは要約表示に含めなかった本を読む行動や書き物をしている行動である座位を特定行動として要約表示に含める。
【0113】
上述の実施形態では、サーバ装置100は、特定行動以外は省略(間引く)した要約動画を生成するか、複数の時間幅の検知結果のうち被見守り者の代表的な行動を抽出して要約動画を生成していた。これに代えてサーバ装置100は、所定期間(3時間等)の行動履歴情報を時系列に沿って所定時間間隔(例えば、5分毎:12時~12時5分、12時5分~12時10分等)に区切り、区切った単位で要約表示する行動を抽出して要約動画を生成してもよい。
【0114】
この場合サーバ装置100は、動き量の多い行動(動きあり立位)は間引かず抽出し、一部間引き表示する行動(動き量の少ない行動、または姿勢変化)は、例えば5分の行動履歴情報から所定時間(例えば3秒)分の行動を抽出する。その他の行動については、所定時間分全て間引く。
【0115】
例えば見守りセンサ500が、4fpsで撮影するカメラの場合、サーバ装置100は、一部間引く期間として、5分の間で任意の位置(例えば、その期間の開始位置)の12フレーム(変化前姿勢6フレームと変化後姿勢6フレーム)を抽出する。
【0116】
また立位と座位の姿勢変化があった期間は、例えば座位の姿勢を検知した6フレームを抽出し、立位から座位への変化の場合は動き有り立位を表示後に上記座位6フレームを要約表示し、座位から立位への変化の場合は座位6フレームを表示した後、動き有り立位を要約表示する。
【0117】
また非検知期間且つ無人警戒モード設定期間については、非検知であり人物を撮影した画像がないため、外出中である旨を示したアイコン等を12フレーム要約表示する。
【0118】
なお、5分の間の行動が全カットする行動だったが姿勢変化(座位→臥位等)があった場合は、変化したタイミングである姿勢変化前6フレームと変化後6フレームを抽出して要約表示する。なお、姿勢が変化したことを要約表示できれば良いため、変化したタイミング前後以外の時間から姿勢変化前と後を各6フレームずつ抽出してもよい。
【0119】
上述の実施形態では、要約動画としてアイコン33を用いたアニメーション動画が生成される例が示された。これに代えて、要約動画として被見守り者をカメラで撮影した映像から所定フレームが間引かれた要約映像が生成されてもよい。
【0120】
上述の実施形態では、要約動画(アニメーション動画)と共に時系列グラフ34が表示されたが、当該時系列グラフ34は表示されなくてもよい。要約動画のみを表示する場合、各行動の検知期間に応じて、要約表示する各行動の表示時間を決定する。
【0121】
上述の実施形態においては、見守りセンサ500の検知結果のみを要約動画の生成に用いた。しかし、上記侵入監視センサ400の検知結果も要約動画の生成に用いられてもよい。例えば、非検知期間に侵入監視センサが検知したら、当該結果を時系列グラフ34上に表示してもよい。
【0122】
上述の実施形態では、サーバ装置100が要約動画を生成してそれをユーザ端末200へ送信し、ユーザ端末200に表示させていた。しかし、要約動画をユーザ端末200の上記見守りアプリが生成して表示してもよい。
【0123】
すなわち、見守りアプリは、見守りエリアにおいて見守りセンサ500に検知された被見守り者の動きを示す検知データから得られる当該被見守り者の行動履歴と、見守りエリアの種別を示すエリア種別情報とをサーバ装置100から受信し、当該検知データ及びエリア種別情報を基に、所定期間における被見守り者の行動履歴から少なくとも一部の期間の行動履歴を間引いた要約動画を、見守りエリアの種別に応じた間引き量で生成し、当該要約動画を再生してもよい。
【0124】
また見守りアプリは、見守りエリアにおいて見守りセンサ500に検知された被見守り者の動きを示す検知データから得られる当該被見守り者の行動履歴と、被見守り者の建物への在または不在を示す在不在情報とをサーバ装置100から受信し、所定期間における行動履歴から少なくとも一部の期間の行動履歴を間引いた要約動画を、所定期間における在不在情報に応じた間引き量で生成し、当該要約動画を再生してもよい。
【0125】
上述の実施形態では、サーバ装置100は1台のみ示したが、サーバ装置100が実行する処理は、複数のサーバで分散して実行されても構わない。例えば、見守りセンサ500から出力された検知データを取得して被見守り者の行動を判定し行動履歴情報を生成する処理と、当該行動履歴情報を基に上記見守りエリア及び在不在に応じて間引き量の異なる要約動画を生成する処理とが別個のサーバで実行されてもよい。
【0126】
本発明の一実施形態にかかる表示装置及びプログラムは、健康寿命の延伸、生活の質(QOL)向上、超高齢社会による独居高齢者の増加などの社会課題の解決に貢献し得るものである。また、本発明の一実施形態にかかる表示装置及びプログラムは、国連で採択された持続可能な開発目標(SDGs)の目標3「すべての人に健康と福祉を」の達成に貢献できる。
【符号の説明】
【0127】
11…CPU
16…表示部
18…記憶部
19…通信部
33…アイコン
34…時系列グラフ
100…サーバ装置
200…ユーザ端末
300…監視装置
400…侵入監視センサ
500…見守りセンサ
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12