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特開2025-15479生理学的情報推定方法、コンピュータプログラム及びユーザ端末
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2025015479
(43)【公開日】2025-01-30
(54)【発明の名称】生理学的情報推定方法、コンピュータプログラム及びユーザ端末
(51)【国際特許分類】
   A61B 10/00 20060101AFI20250123BHJP
   G01N 21/47 20060101ALI20250123BHJP
   A61B 5/00 20060101ALI20250123BHJP
【FI】
A61B10/00 E
G01N21/47 B
A61B5/00 M
【審査請求】有
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2024114156
(22)【出願日】2024-07-17
(31)【優先権主張番号】10-2023-0092976
(32)【優先日】2023-07-18
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(31)【優先権主張番号】10-2023-0097534
(32)【優先日】2023-07-26
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(31)【優先権主張番号】10-2023-0137670
(32)【優先日】2023-10-16
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用申請有り Journal of Biomedical Optics 第28巻 第7号 075005 第1~9頁 2023年7月31日発行
(71)【出願人】
【識別番号】523297963
【氏名又は名称】メディシングス カンパニー リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110002871
【氏名又は名称】弁理士法人坂本国際特許商標事務所
(72)【発明者】
【氏名】キム、セファン
(72)【発明者】
【氏名】キム、アラム
(72)【発明者】
【氏名】ジェシ、ホウラム
【テーマコード(参考)】
2G059
4C117
【Fターム(参考)】
2G059AA01
2G059BB12
2G059CC09
2G059CC16
2G059CC18
2G059EE01
2G059EE02
2G059EE11
2G059EE12
2G059GG02
2G059HH01
2G059HH06
2G059JJ01
2G059KK01
2G059MM01
4C117XB01
4C117XD05
4C117XE03
4C117XE33
4C117XE36
4C117XE37
(57)【要約】
【課題】生理学的情報推定方法を提供する。
【解決手段】本方法は、フォトダイオード(photodiode)により、複数のLED(Light Emitting Diode)から第1の物質に照射した光と関連した第1のセットの光データを受信するステップと、フォトダイオードにより、複数のLEDから第2の物質に照射した光と関連した第2のセットの光データを受信するステップと、第1のセットの光データ及び第2のセットの光データに基づいて、複数のLEDと関連した第1の補正データを算出するステップと、第1の補正データ及び複数のLEDと関連したプロファイルデータに基づいて、複数のLEDと関連した第2の補正データを算出するステップと、第1の補正データ及び第2の補正データに基づいて、第2の物質と関連した生理学的情報を推定するステップと、を含む。
【選択図】図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも一つのプロセッサにより遂行される、生理学的情報推定方法において、
フォトダイオードにより、複数のLEDから第1の物質に照射した光と関連した第1のセットの光データを受信するステップと、
前記フォトダイオードにより、前記複数のLEDから第2の物質に照射した光と関連した第2のセットの光データを受信するステップと、
前記第1のセットの光データ及び前記第2のセットの光データに基づいて、前記複数のLEDと関連した第1の補正データを算出するステップと、
前記第1の補正データ及び前記複数のLEDと関連したプロファイルデータに基づいて、前記複数のLEDと関連した第2の補正データを算出するステップと、
前記第1の補正データ及び前記第2の補正データに基づいて、前記第2の物質と関連した生理学的情報を推定するステップと、を含む、生理学的情報推定方法。
【請求項2】
前記第1の物質は、前記第1の物質に照射した光の反射率情報を予め認知している物質であり、
前記第2の物質は、試験対象物質である、請求項1に記載の生理学的情報推定方法。
【請求項3】
前記第2の補正データを算出するステップは、前記複数のLEDと関連したプロファイルデータに基づいて、前記複数のLEDに係る正規化した加重値データを算出するステップを含む、請求項1に記載の生理学的情報推定方法。
【請求項4】
前記第2の補正データを算出するステップは、前記正規化した加重値データ及び拡散モデルに基づいて、前記複数のLEDに係るシミュレーションした拡散反射率データを算出するステップをさらに含む、請求項3に記載の生理学的情報推定方法。
【請求項5】
前記拡散モデルは、クロモフォアの濃度及び吸光係数に基づいて、光が照射した媒質に対する拡散反射率を予測するモデルである、請求項4に記載の生理学的情報推定方法。
【請求項6】
前記第2の補正データを算出するステップは、前記第1の補正データ及び前記複数のLEDに係るシミュレーションした拡散反射率データに基づいて、前記第2の補正データを算出するステップをさらに含む、請求項4に記載の生理学的情報推定方法。
【請求項7】
前記第2の補正データを算出するステップは、前記第1の補正データの一部及び前記シミュレーションした拡散反射率データの一部に基づいて、前記シミュレーションした拡散反射率データのスケールを調整することで、前記第2の補正データを算出するステップをさらに含む、請求項4に記載の生理学的情報推定方法。
【請求項8】
前記生理学的情報は、水分(HO)に関する情報及び脂肪(fat)に関する情報を含む、請求項1に記載の生理学的情報推定方法。
【請求項9】
請求項1~8のいずれか一項に記載の方法をコンピュータで実行するために、コンピュータ読み取り可能なコンピュータプログラム。
【請求項10】
ユーザ端末であって、
通信モジュールと、
メモリと、
前記メモリと連結され、前記メモリに含まれたコンピュータ読み取り可能な少なくとも一つのプログラムを実行するように構成される少なくとも一つのプロセッサと、を含み、
前記少なくとも一つのプログラムは、
フォトダイオードにより、複数のLEDから第1の物質に照射した光と関連した第1のセットの光データを受信し、
前記フォトダイオードにより、前記複数のLEDから第2の物質に照射した光と関連した第2のセットの光データを受信し、
前記第1のセットの光データ及び前記第2のセットの光データに基づいて、前記複数のLEDと関連した第1の補正データを算出し、
前記第1の補正データ及び前記複数のLEDと関連したプロファイルデータに基づいて、前記複数のLEDと関連した第2の補正データを算出し、
前記第1の補正データ及び前記第2の補正データに基づいて、前記第2の物質と関連した生理学的情報を推定するための命令語等を含む、ユーザ端末。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、生理学的情報推定方法、コンピュータプログラム及びユーザ端末に関し、具体的には、身体の光学的データを補正して精密に生理学的情報を推定する方法、コンピュータプログラム及びユーザ端末に関する。
【背景技術】
【0002】
水分維持は人間の生存のために必須的であるが、光学的な方法を用いて持続的かつ携帯用にモニタリングすることは困難である。体水分損失10%の脱水症は、深刻な運動能力及び認知機能の低下を招く、体水分損失がさらに進行されると死亡することもある。このように、身体の組織水分は、乳癌研究、皮膚科、重患者治療医学など、他の分野でも重要なバイオマーカー(biomarker)に該当する。従来の技術は、拡散光学分光法(diffuse optical spectroscopy)、空間周波数ドメインイメージング(Spatial Frequency Domain Imaging; SFDI)のような近赤外線(Near-Infrared; NIR)光学技術を用いて水分含有量を推定した。
【0003】
また、従来の技術は、狭帯域拡散反射率分光法(narrowband Diffuse Reflectance Spectroscopy; nb-DRS)が、絶対水分量と密接に追跡される水分比率(又は、RHO)を計算できることを立証した。これは、広帯域ランプ(broadband lamp)及び分光器(spectrometer)を用いて、遠赤外線900~1000nmの波長領域で拡散反射率を分析することにより立証できる。ここで、RHOは、次の数1の式のように、水(HO)及び脂質(FAT)の割合で定義できる。
【0004】
【数1】
【0005】
一方、nb-DRSは、ハードウェア要求事項が低いため、ウェアラブル水分モニタとして小型化するのに適切である。光源の場合、広帯域ランプの代わりに、小サイズ、低電力及び安価な代替品として、多重波長LEDが用いられる。しかしながら、光源を感知するために、分光器を用いてフォトダイオード(photodiode)に転換する場合、フォトダイオードが波長情報を処理出来ないため、高解像度スペクトルデータが損失するという限界がある。また、LEDが無視しにくい半値全幅(Full-Width at Half Maximum; FWHM)を有するため、潜在的にスペクトルクロストーク(cross-talk)を発生させるという問題点がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】韓国公開特許公報第10-2023-0146347号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本開示は、前記問題点を解決するための生理学的情報推定方法、コンピュータプログラム及び装置(システム)を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本開示は、方法、装置(システム)又は読み取り可能な保存媒体に保存されたコンピュータプログラムを含む多様な方式により具現化できる。
【0009】
本開示の一実施例によれば、生理学的情報推定方法は、フォトダイオード(photodiode)により、複数のLED(Light Emitting Diode)から第1の物質に照射した光と関連した第1のセットの光データを受信するステップと、フォトダイオードにより、複数のLEDから第2の物質に照射した光と関連した第2のセットの光データを受信するステップと、第1のセットの光データ及び第2のセットの光データに基づいて、複数のLEDと関連した第1の補正データを算出するステップと、第1の補正データ及び複数のLEDと関連したプロファイルデータに基づいて、複数のLEDと関連した第2の補正データを算出するステップと、第1の補正データ及び第2の補正データに基づいて、第2の物質と関連した生理学的情報を推定するステップとを含むことができる。
【0010】
本開示の一実施例に係る方法をコンピュータで実行するために、コンピュータ読み取り可能なコンピュータプログラムが提供される。
【0011】
本開示の一実施例によれば、ユーザ端末が提供される。このユーザ端末は、通信モジュールと、メモリと、メモリと連結され、メモリに含まれたコンピュータ読み取り可能な少なくとも一つのプログラムを実行するように構成される少なくとも一つのプロセッサとを含み、少なくとも一つのプログラムは、フォトダイオードにより、複数のLEDから第1の物質に照射した光と関連した第1のセットの光データを受信し、フォトダイオードにより、複数のLEDから第2の物質に照射した光と関連した第2のセットの光データを受信し、第1のセットの光データ及び第2のセットの光データに基づいて、複数のLEDと関連した第1の補正データを算出し、第1の補正データ及び複数のLEDと関連したプロファイルデータに基づいて、複数のLEDと関連した第2の補正データを算出し、第1の補正データ及び第2の補正データに基づいて、第2の物質と関連した生理学的情報を推定するための命令語等を含むことができる。
【発明の効果】
【0012】
本開示の一部の実施例によれば、医療装置から取得した光データに基づいて生理学的情報を推定できる。付加的に、推定された生理学的情報は、ユーザ端末を介してユーザに提供できる。このように、本開示に係る発明は、医者などの専門家のサポートなしに、生理学的情報をユーザに提供できる。また、本開示に係る発明は、簡単な使用方法によりユーザの便宜性が高まり、個人向けとして需要者の接近性が高まる。
【0013】
本開示の一部の実施例によれば、多重波長LED及びフォトダイオードを使用しながらも、生理学的情報をより正確に推定することで、クロストークを低減させることができる。これにより、分光技術の単純化及び小型化を促進させることができる。また、本開示に係る方法は、ウェアラブル水分モニタのように、狭帯域LED基盤装置で有用に使用できる。
【0014】
本開示の効果は、これに制限されず、言及されない他の効果等は、請求範囲の記載から本開示が属する技術分野における通常の知識を有した者(以下、「当業者」という)に明確に理解されるべきである。
【図面の簡単な説明】
【0015】
本開示の実施例等は、以下の添付図面に基づいて説明される。ここで、類似の参照符号は類似の要素を示すが、これに限定されるものではない。
図1】本開示の一実施例に係る生理学的情報を推定するための医療装置の例を示す概要図である。
図2】本開示の一実施例に係る生理学的情報を推定するために、情報処理システム、医療装置及び複数のユーザ端末間の通信可能であるように連結される構成を示す概要図である。
図3】本開示の一実施例に係るユーザ端末及び情報処理システムの内部構成を示すブロック図である。
図4】本開示の一実施例に係る生理学的情報推定方法の例を示す図である。
図5】本開示の一実施例に係るLEDのスペクトル及びクロモフォア吸収スペクトルの例を示す図である。
図6】本開示の一実施例に係るシミュレーション結果の例を示す図である。
図7】本開示の一実施例に係るエマルジョンファントム結果の例を示す図である。
図8】本開示の一実施例に係る方法の例を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0016】
<発明の概要>
本開示の一実施例によれば、第1の物質は、第1の物質に照射した光の反射率情報を予め認知している物質であり、第2の物質は、試験対象物質であり得る。
【0017】
本開示の一実施例によれば、第2の補正データを算出するステップは、複数のLEDと関連したプロファイルデータに基づいて、複数のLEDに係る正規化した加重値データを算出するステップを含むことができる。
【0018】
本開示の一実施例によれば、第2の補正データを算出するステップは、正規化した加重値データ及び拡散モデルに基づいて、複数のLEDに係るシミュレーションした拡散反射率(simulated diffuse reflectance)データを算出するステップをさらに含むことができる。
【0019】
本開示の一実施例によれば、拡散モデルは、クロモフォア(chromophore)の濃度及び吸光係数に基づいて、光が照射した媒質に対する拡散反射率を予測するモデルであり得る。
【0020】
本開示の一実施例によれば、第2の補正データを算出するステップは、第1の補正データ及び複数のLEDに係るシミュレーションした拡散反射率データに基づいて、第2の補正データを算出するステップをさらに含むことができる。
【0021】
本開示の一実施例によれば、第2の補正データを算出するステップは、第1の補正データの一部及びシミュレーションした拡散反射率データの一部に基づいて、シミュレーションした拡散反射率データのスケールを調整することで、第2の補正データを算出するステップをさらに含むことができる。
【0022】
本開示の一実施例によれば、生理学的情報は、水分(HO)に関する情報及び脂肪(fat)に関する情報を含むことができる。
【0023】
<発明の詳細な説明>
以下、本開示の実施のための具体的な内容を添付図面に基づいて詳細に説明する。ただし、以下の説明では、本開示の要旨を不要に不明瞭にする恐れがある場合、公知の機能や構成に関する具体的な説明は省略する。
【0024】
添付図面において、同一又は対応する構成要素には同一の参照符号が付与される。また、以下の実施例の説明において、同一又は対応する構成要素について重複する記述は省略され得る。しかしながら、構成要素に関する記述が省略されても、そのような構成要素が、ある実施例に含まれないものと意図してはならない。
【0025】
開示の実施例の利点及び特徴、そして、それらを達成する方法は、添付図面に基づいて、後述する実施例を参照すれば明確になる。しかしながら、本開示は、以下で開示される実施例に限定されず、互いに異なる多様な形態で具現化され得る。但し、本実施例は、本開示が完全になるようにし、本開示が当業者に発明のカテゴリを正確に認識させるために提供されるだけである。
【0026】
本開示で使用される用語について簡略に説明し、開示の実施例について具体的に説明する。本開示で使用される用語は、本開示での機能を考慮しつつ、可能な限り現在広く使用される一般的な用語を選択したが、これは、関連分野に従事する技術者の意図又は判例、新技術の出現などにより変化し得る。また、特定の場合は、出願人が任意で選定した用語もあり得るが、これらの意味は当該発明の説明の部分において詳細に記載する。よって、本開示で使用される用語は、単純な用語の名称ではなく、その用語が持つ意味と本開示の全般にわたる内容に基づいて定義されるべきである。
【0027】
本開示において、文脈上において明確に特定しない限り、単数の表現は複数の表現を含み、複数の表現は単数の表現を含むことができる。明細書の全般に渡り、ある部分がある構成要素を「含む」とすれば、これは、特に反対の記載がない限り、他の構成要素を排除するものではなく、他の構成要素をさらに含むこともできることを意味する。
【0028】
また、明細書で使用される「モジュール」又は「部」という用語は、ソフトウェアやハードウェア構成要素を意味し、「モジュール」又は「部」はある役割を遂行する。しかしながら、「モジュール」又は「部」はソフトウェアやハードウェアに限定される意味ではない。「モジュール」又は「部」は、アドレッシング可能な保存媒体にあるように構成してもよく、一つ又はそれ以上のプロセッサを再生させるように構成してもよい。したがって、一例として、「モジュール」又は「部」は、ソフトウェア構成要素、オブジェクト指向ソフトウェア構成要素、クラス構成要素、タスク構成要素のような構成要素、並びに、プロセス、関数、属性、プロシージャ、サブルーチン、プログラムコードのセグメント、ドライバー、ファームウェア、マイクロコード、回路、データ、データベース、データ構造、テーブル、アレイ、又は変数のうちの少なくとも一つを含むことができる。構成要素と「モジュール」又は「部」は、内部で提供される機能はさらに小さい数の構成要素及び「モジュール」又は「部」で結合され、又は、追加的な構成要素と「モジュール」又は「部」にさらに分離され得る。
【0029】
本開示の一実施例によれば、「モジュール」又は「部」は、プロセッサ及びメモリで具現化され得る。「プロセッサ」は、汎用プロセッサ、中央処理装置(CPU)、マイクロプロセッサ、デジタル信号プロセッサ(DSP)、制御器、マイクロ制御器、状態マシンなどを含むように広く解釈されるべきである。いくつかの環境では、「プロセッサ」は、特定用途向け半導体(ASIC)、プログラム可能なロジックデバイス(PLD)、フィールドプログラム可能なゲートアレイ(FPGA)等を称することもできる。「プロセッサ」は、例えば、DSPとマイクロプロセッサの組合せ、複数のマイクロプロセッサの組合せ、DSPコアと結合した一つ以上のマイクロプロセッサの組合せ、若しくは、任意の他のそのような構成等の組合せといった処理デバイスの組合せを称することもできる。また、「メモリ」は、電子情報を保存可能な任意の電子コンポーネントを含むように、広く解釈されるべきである。「メモリ」は、RAM(Random Access Memory)、ROM(Read Only Memory)、NVRAM(Non-Volatile Random Access Memory)、PROM(Programmable Read-Only Memory)、EPROM(Erasable Programmable Read-Only Memory)、EEPROM(Electrically Erasable Programmable Reda-Only Memory)、フラッシュメモリ、磁気又は光学データストレージ装置、レジスタなどのようなプロセッサで読取り可能な媒体の多様な類型を称することもできる。プロセッサがメモリから情報を読取り/読取ったりメモリに情報を記録できる場合、メモリは、プロセッサと電子通信状態にあると言われる。プロセッサに集積されたメモリは、プロセッサと電子通信状態にある。
【0030】
本開示において、「システム」は、サーバ装置及びクラウド装置の少なくとも一つを含むことのできるが、これに限定されるものではない。例えば、システムは、一つ以上のサーバ装置からなることができる。他の例として、システムは、一つ以上のクラウド装置からなることができる。また他の例として、システムは、サーバ装置及びクラウド装置の全部からなって動作されることもできる。
【0031】
本開示において、「ディスプレイ」は、コンピューティング装置と関連した任意のディスプレイ装置を称することのできるが、例えば、コンピューティング装置により制御されるか、又は、コンピューティング装置から提供される任意の情報/データを表示できる任意のディスプレイ装置を称することができる。
【0032】
本開示において、「複数のAの各々」は、複数のAに含まれた全ての構成要素の各々を称したり、複数のAに含まれた一部の構成要素の各々を称したりできる。
【0033】
LED(Light Emitting Diode)は、小サイズ、安価及び単純性により、組織分光学(tissue spectroscopy)において一般に使用されている。しかしながら、LEDは、比較的広いスペクトル帯域幅を有しているにも関わらず、単一波長素子として推定される場合が多い。また、LEDをフォトダイオードと共に用いる場合、フォトダイオードにより感知された光の波長情報は損失する恐れがある。これにより、LED及びフォトダイオードを用いてクロモフォア(chromophore)の濃度を計算する場合、計算のエラーを発生させる恐れがある。特に、こうしたエラーは、LEDのスペクトル帯域幅が分析領域の大部分を包括できる900~1000nmの範囲において水及び脂肪を分析するときに著しく発生し、これは、深刻なクロストーク(cross-talk)を招く恐れがある。
【0034】
本開示では、LEDのスペクトル帯域幅を補正するためのスペクトル補正(Spectral Correction; SC)方法を提供する。本開示の方法は、スペクトルが広くて重複するLEDを使用する狭帯域技法(narrowband technique)に適用できる。具体的に、本開示では、混濁媒体における水分比率(RHO)を定量化できる技術である、狭帯域拡散反射分光法(narrowband Diffuse Reflectance Spectroscopy; nb-DRS)が用いられる。一般に、nb-DRSは、広帯域光源及び分光器が必要である。しかしながら、本開示では、ハードウェアを5個のLED及び1個のフォトダイオードに低減し、スペクトルクロストークを補正するためのスペクトル補正方法を用いる。本開示のスペクトル補正方法の効果は、シミュレーション、エマルジョンファントム(emulsion phantom)及び人体組織でのテストにより確認できる。
【0035】
シミュレーション結果によれば、本開示のスペクトル補正方法は、LEDのスペクトル帯域幅によって計算されたRHOの誤差を補正できる。また、エマルジョンファントム結果によれば、本開示のスペクトル補正方法が適用されない場合、平均8.7%(最大誤差14%)の誤差が発生し得る。これに対し、本開示のスペクトル補正方法が適用される場合、平均誤差を2.2%(最大誤差6.4%)に低減させることができる。このように、スペクトルが非常に広くて重複する多数個のLEDを使用したにも関わらず、本開示のスペクトル補正方法は、狭帯域方式の性能を、より大きいプール広帯域システムと類似した水準に復元できる。
【0036】
本開示は、スペクトル補正のためのアルゴリズムを提供することで、スペクトルが広くて重複する多数個のLEDを使用する場合にも、狭帯域技術のクロストークを緩和させることができる。本開示の効果は、シミュレーション、広範囲なRHO値に従うエマルジョンファントム及び人体組織(例えば、人の腹部組織や拇指球(thenar)組織など)でのテストにより証明できる。本開示のスペクトル補正方法は、nb-DRSを用いた組織水分モニタの開発を促進させ、他のモダリティ(modality)にも適用できる。
【0037】
図1は、本開示の一実施例に係る生理学的情報を推定するための医療装置100の例を示す概要図である。図に示すように、医療装置100は、ユーザ端末120と送受信可能に通信部を含むことができる。また、医療装置100は、複数のフォトダイオード112_1~112_20及び複数の光源群114_1~114_4を含むことができる。医療装置100は、複数のフォトダイオード112_1~112_20及び複数の光源群114_1~114_4を用いて、身体と関連した光データを取得できる。ユーザ端末120は、身体と関連した光データを受信し、受信した光データに基づいてユーザの生理学的情報を推定できる。図1では、医療装置100に20個のフォトダイオード112_1~112_20及び4個の光源群114_1~114_4が含まれたものを示しているが、これに限定されるものではない。すなわち、医療装置100に含まれたフォトダイオード及び光源群の数は、必要に応じて変更できる。
【0038】
一実施例において、医療装置100の一面に、複数のフォトダイオード112_1~112_20及び複数の光源群114_1~114_4を配置できる。このとき、当該一面が身体に向かうように、医療装置100を身体に付着できる。一例として、当該一面が膀胱部位に向かうように、医療装置100を身体に付着できる。
【0039】
一実施例において、複数の光源群114_1~114_4の各々に含まれた複数の光源は、互いに異なる波長の光を照射するように構成できる。ここで、複数の光源は、LED(Light emitting diode)であり得る。また、複数の光源群114_1~114_4の各々に含まれた複数の光源は、連続波(Continuous Wave)の光を照射できる。
【0040】
一実施例において、複数のフォトダイオード112_1~112_20は、光を検出して光データを生成できる。具体的に、複数のフォトダイオード112_1~112_20は、身体から拡散した光である拡散光の強度を検出できる。また、複数のフォトダイオード112_1~112_20は、複数の光源群114_1~114_4に含まれた光源により照射された光源と関連した拡散光を検出できる。また、各フォトダイオード112_1~112_20は、拡散光を検出して拡散光の強度に対応する電圧値を測定できる。
【0041】
一実施例において、ユーザ端末120は、光データ検出要請を医療装置100に送信できる。医療装置100は、光データ検出要請に応じて、複数の光源群114_1~114_4の作動及び複数のフォトダイオード112_1~112_20の検出を遂行できる。これとは異なり、医療装置100は、ユーザ端末120から光データ検出要請を受信せずに、周期的に光データを検出してユーザ端末120に転送することもできる。
【0042】
一実施例において、医療装置100は、複数のフォトダイオード112_1~112_20から検出された複数の光データを、ユーザ端末120に送信できる。ユーザ端末120に含まれたプロセッサは、複数の光データに基づいて生理学的情報を推定できる。ここで、生理学的情報は、水分(HO)に関する情報や脂肪(fat)に関する情報などを含むことができる。複数の光データに基づいて生理学的情報を推定する方法は、図4に基づいて詳細に後述する。これとは異なり、医療装置100は、光データをユーザ端末120に転送せずに、直接光データに基づいて生理学的情報を推定することもできる。
【0043】
かかる構成により、医療装置から取得した光データに基づいて生理学的情報を推定できる。付加的に、推定された生理学的情報は、ユーザ端末を介してユーザに提供できる。このように、本開示に係る発明は、医者などの専門家のサポートなしに、生理学的情報をユーザに提供できる。また、本開示に係る発明は、簡単な使用方法によりユーザの便宜性が高まり、個人向けとして需要者の接近性が高まる。
【0044】
図2は、本開示の一実施例に係る生理学的情報を推定するために、情報処理システム230、 医療装置240及びが複数のユーザ端末210_1、210_2、210_3間が通信可能であるように連結される構成を示す概要図である。図に示すように、複数のユーザ端末210_1、210_2、210_3は、ネットワーク220を介して生理学的情報推定サービスを提供できる情報処理システム230及び医療装置240と連結され得る。ここで、複数のユーザ端末210_1、210_2、210_3は、生理学的情報推定サービスを提供されるユーザの端末を含むことができる。
【0045】
一実施例によれば、情報処理システム230は、生理学的情報推定サービスの提供と関連したコンピュータ実行可能なプログラム(例えば、ダウンロード可能なアプリケーション)や、データを保存、提供及び実行できる一つ以上のサーバ装置及び/又はデータベースや、クラウドコンピューティング(cloud computing)サービス基盤の一つ以上の分散コンピューティング装置及び/又は分散データベースを含むことができる。
【0046】
情報処理システム230により提供される生理学的情報推定サービスは、複数のユーザ端末210_1、210_2、210_3の各々に設置された生理学的情報推定サービスアプリケーションなどを介してユーザに提供され得る。例えば、情報処理システム230は、生理学的情報推定サービスアプリケーションなどを介して、ユーザ端末210_1、210_2、210_3及び/又は医療装置240から受信される生理学的情報推定と関連した情報を提供したり、対応する処理を遂行したりできる。
【0047】
一実施例によれば、情報処理システム230は、光データに基づいて生理学的情報を推定できる。ここで、光データは、医療装置240により測定されたデータであり得る。情報処理システム230は、医療装置240から光データを直接受信したり、ユーザ端末210_1、210_2、210_3を介して光データを受信したりできる。情報処理システム230は、生理学的情報推定結果をユーザ端末210_1、210_2、210_3及び/又は医療装置240に提供できる。
【0048】
複数のユーザ端末210_1、210_2、210_3は、ネットワーク220を介して情報処理システム230及び医療装置240と通信できる。ネットワーク220は、複数のユーザ端末210_1、210_2、210_3、情報処理システム230及び医療装置240間の通信が可能であるように構成できる。ネットワーク220は、設置環境に応じて、例えば、イーサネット(Ethernet)(登録商標)、PLC(Power Line Communication)、電話線通信装置及びRS-serial通信などのような有線ネットワーク、移動通信網、WLAN(Wireless LAN)、Wi-Fi(登録商標)、Bluetooth(登録商標)及びZigBee(登録商標)などのような無線ネットワーク又はその組合せからなることができる。通信方式は制限されず、ネットワーク220を含むことができる通信網(例えば、移動通信網、有線インターネット、無線インターネット、放送網、衛星網など)を活用する通信方式だけでなく、ユーザ端末210_1、210_2、210_3間の近距離無線通信も含まれ得る。
【0049】
図2では、携帯電話端末210_1、タブレット端末210_2及びPC端末210_3をユーザ端末の例として示したが、これに限定されず、ユーザ端末210_1、210_2、210_3は、有線及び/又は無線通信が可能であり、生理学的情報推定サービスアプリケーション又はウェブブラウザがインストールされて実行できる任意のコンピューティング装置であり得る。例えば、ユーザ端末は、Alスピーカ、スマートフォン、携帯電話、ナビゲーション、デスクトップコンピュータ、ラップトップコンピュータ、デジタル放送用端末、PDA(Personal Digital Assistants)、PMP(Portable Multimedia Player)、タブレットPC、ゲームコンソール(game console)、ウェアラブルデバイス(wearable device)、IoT(internet of things)デバイス、VR(virtual reality)デバイス、AR(augmented reality)デバイス、セットトップボックスなどを含むことができる。また、図2では、3つのユーザ端末210_1、210_2、210_3がネットワーク220を介して情報処理システム230及び医療装置240と通信するものを示したが、これに限定されず、異なる数のユーザ端末がネットワーク220を介して情報処理システム230及び医療装置240と通信するように構成されることもできる。
【0050】
図3は、本開示の一実施例に係るユーザ端末210及び情報処理システム230の内部構成を示すブロック図である。ユーザ端末210は、生理学的情報推定サービスアプリケーションなどが実行可能であり、有/無線通信が可能な任意のコンピューティング装置を指すことができ、例えば、図2の携帯電話端末210_1、タブレット端末210_2及びPC端末210_3などを含むことができる。図に示すように、ユーザ端末210は、メモリ312、プロセッサ314、通信モジュール316及び入出力インタフェース318を含むことができる。同様に、情報処理システム230は、メモリ332、プロセッサ334、通信モジュール336及び入出力インタフェース338を含むことができる。図3に示すように、ユーザ端末210及び情報処理システム230は、各々の通信モジュール316、336を用いて、ネットワーク220を介して情報及び/又はデータが通信できるように構成され得る。また、入出力装置320は、入出力インタフェース318を介して、ユーザ端末210に情報及び/又はデータを入力したり、ユーザ端末210から生成された情報及び/又はデータを出力したりするように構成され得る。
【0051】
メモリ312、332は、非一時的な任意のコンピュータ読み取り可能な記録媒体を含むことができる。一実施例によれば、メモリ312、332は、ROM(read only memory)、ディスクドライブ、SSD(solid state drive)及びフラッシュメモリ(flash memory)などのような永久的な大容量保存装置(permanent mass storage device)を含むことができる。他の例として、ROM、SSD、フラッシュメモリ及びディスクドライブなどのような永久的な大容量保存装置は、メモリとは区分される別の永久保存装置としてユーザ端末210又は情報処理システム230に含まれることができる。また、メモリ312、332には、オペレーティングシステムと少なくとも一つのプログラムコード(例えば、ユーザ端末210にインストールされて駆動される生理学的情報推定サービスアプリケーションなどのためのコード)が保存され得る。
【0052】
このようなソフトウェア構成要素は、メモリ312、332とは別のコンピュータ読み取り可能な記録媒体からローディングできる。このような別のコンピュータ読み取り可能な記録媒体は、このようなユーザ端末210及び情報処理システム230に直接連結可能な記録媒体を含むことのできるが、例えば、フロッピードライブ、ディスク、テープ、DVD/CD-ROMドライブ及びメモリカードなどのようなコンピュータ読み取り可能な記録媒体を含むことができる。他の例として、ソフトウェア構成要素等は、コンピュータ読み取り可能な記録媒体ではなく、通信モジュール316、336を介してメモリ312、332にローディングされることもできる。例えば、少なくとも一つのプログラムは、開発者又はアプリケーションのインストールファイルを配信するファイル配信システムが、ネットワーク220を介して提供するファイルによりインストールされるコンピュータプログラムに基づいてメモリ312、332にローディングされることができる。
【0053】
プロセッサ314、334は、基本的な算術、ロジック及び入出力演算を実行することで、コンピュータプログラムの命令を処理するように構成できる。命令は、メモリ312、332又は通信モジュール316、336によりプロセッサ314、334に提供され得る。例えば、プロセッサ314、334は、メモリ312、332のような記録装置に保存されたプログラムコードによって受信される命令を実行するように構成できる。
【0054】
通信モジュール316、336は、ネットワーク220を介して、ユーザ端末210と情報処理システム230とが互いに通信するための構成や機能を提供でき、ユーザ端末210及び/又は情報処理システム230が、他のユーザ端末又は他のシステム(例えば、別のクラウドシステムなど)と通信するための構成や機能を提供できる。一例として、ユーザ端末210のプロセッサ314がメモリ312などのような記録装置に保存されたプログラムコードによって生成した要請又はデータ(例えば、光データ及び生理学的情報推定要請など)は、通信モジュール316の制御により、ネットワーク220を介して情報処理システム230に伝達され得る。反対に、情報処理システム230のプロセッサ334の制御により提供される制御信号や命令が、通信モジュール336及びネットワーク220を経て、ユーザ端末210の通信モジュール316を介してユーザ端末210に受信され得る。
【0055】
入出力インタフェース318は、入出力装置320とのインタフェースのための手段であり得る。一例として、入力装置は、オディーオセンサ及び/又はイメージセンサを含むカメラ、キーボード、マイクロホン、マウスなどのような装置を含み、出力装置はディスプレイ、スピーカ、ハプティック(触覚)フィードバックデバイス(haptic feedback device)などのような装置を含むことができる。他の例として、入出力インタフェース318は、タッチスクリーンなどのように入力及び出力を実行するための構成又は機能が一つで統合された装置とのインタフェースのための手段であり得る。例えば、ユーザ端末210のプロセッサ314がメモリ312にローディングされたコンピュータプログラムの命令を処理する際に、情報処理システム230や他のユーザ端末が提供する情報及び/又はデータを用いて構成されるサービス画面などが入出力インタフェース318を介してディスプレイに表示され得る。図3では、入出力装置320がユーザ端末210に含まれないように示したが、これに限定されず、ユーザ端末210と一体に構成することもできる。また、情報処理システム230の入出力インタフェース338は、情報処理システム230と連結するか、又は、情報処理システム230が含むことのできる入力や出力のための装置(図示せず)とのインタフェースのための手段であり得る。図3では、入出力インタフェース318、338がプロセッサ314、334と別に構成された要素として示されているが、これに限定されず、入出力インタフェース318、338がプロセッサ314、334に含まれるように構成することもできる。
【0056】
ユーザ端末210及び情報処理システム230は、図3に示す構成要素よりも多くの構成要素を含むことができる。しかしながら、大部分の従来技術的構成要素を明確に示す必要はない。一実施例によれば、ユーザ端末210は、前述した入出力装置320の少なくとも一部を含むように具現化できる。また、ユーザ端末210は、トランシーバー(transceiver)、GPS(Global Positioning system)モジュール、カメラ、各種センサ及びデータベースなどのような他の構成要素をさらに含むことができる。例えば、ユーザ端末210がスマートフォンである場合、一般にスマートフォンが有する構成要素を含むことができ、例えば、加速度センサ、ジャイロセンサ、イメージセンサ、近接センサ、タッチセンサ、照度センサ、カメラモジュール、各種物理的なボタン、タッチパネルを用いたボタン、入出力ポート及び振動のための振動器などのような多様な構成要素がユーザ端末210にさらに含まれるように具現化できる。
【0057】
生理学的情報推定サービスアプリケーションなどのためのプログラムが動作される際に、プロセッサ314は、入出力インタフェース318と連結されたタッチスクリーン、キーボード、オディーオセンサ及び/又はイメージセンサを含むカメラ、マイクロホンなどのような入力装置により入力又は選択されたテキスト、イメージ、映像、音声及び/又は動作などを受信でき、受信されたテキスト、イメージ、映像、音声及び/又は動作などをメモリ312に保存したり、通信モジュール316及びネットワーク220を介して情報処理システム230に提供したりできる。
【0058】
ユーザ端末210のプロセッサ314は、入出力装置320、他のユーザ端末、情報処理システム230及び/又は複数の外部システムから受信された情報及び/又はデータを管理、処理及び/又は保存するように構成できる。プロセッサ314により処理された情報及び/又はデータは、通信モジュール316及びネットワーク220を介して情報処理システム230に提供され得る。ユーザ端末210のプロセッサ314は、入出力インタフェース318を介して入出力装置320に情報及び/又はデータを転送して出力できる。例えば、プロセッサ314は、受信した情報及び/又はデータをユーザ端末210の画面にディスプレイすることができる。
【0059】
情報処理システム230のプロセッサ334は、複数のユーザ端末210及び/又は複数の外部システムから受信された情報及び/又はデータを管理、処理及び/又は保存するように構成できる。プロセッサ334により処理された情報及び/又はデータは、通信モジュール336及びネットワーク220を介してユーザ端末210に提供できる。
【0060】
図4は、本開示の一実施例に係る生理学的情報推定方法の例を示す図である。一実施例において、フォトダイオードにより、複数のLEDから第1の物質に照射した光と関連した第1のセットの光データ410が受信され得る。ここで、フォトダイオード及び複数のLEDは、図1の医療装置100に含まれたフォトダイオード及びLEDの一部であり得る。また、第1の物質は、第1の物質に照射した光の反射率情報を予め認知している物質(又は、コントロール物質)であり得る。付加的に、第1のセットの光データ410は、複数のLEDの個数だけベクトルで表現される基準値であり得る。
【0061】
一実施例において、フォトダイオードにより、複数のLEDから第2の物質に照射した光と関連した第2のセットの光データ420が受信され得る。ここで、第2の物質は、試験対象物質であり得る。例えば、第2の物質は、被実験者の腹部組織や拇指球組織などを含むことができる。また、第2のセットの光データ420は、複数のLEDの個数だけベクトルで表現される測定値であり得る。
【0062】
一実施例において、第1のセットの光データ410及び第2のセットの光データ420に基づいて、複数のLEDと関連した第1の補正データ430を算出できる。ここで、第1の補正データ430は、複数のLEDの個数だけベクトルで表現される実測補正値であり得る。第1の補正データ430は、次の数2の式のように表現できる。
【0063】
【数2】
ここで、Rは第1の補正データ430を示し、Dは第2のセットの光データ420を示し、Cは第1のセットの光データ410を示すことができる。例えば、3個のLEDを用いた場合、C=[C(1)、C(2)、C(3)]であり、D=[D(1)、D(2)、D(3)]であり、R=[R(1)、R(2)、R(3)]=[D(1)/C(1)、D(2)/C(2)、D(3)/C(3)]であり得る。
【0064】
一実施例において、複数のLEDと関連したプロファイルデータ440に基づいて、複数のLEDに係る正規化した加重値データ450を算出できる。ここで、複数のLEDと関連したプロファイルデータ440は、複数のLEDスペクトルの波長に従う光の強度と関連したデータを含むことができる。一般に、LEDは、単一波長の光ではない一定帯域の光を照射するので、LEDスペクトルの波長に対する光の強度が一定ではない。これにより、分光器を用いて複数のLED別スペクトルの波長に対する光の強度を測定できる。その後、次の数3の式のように、正規化した加重値データ450を算出できる。
【0065】
【数3】
ここで、Snormは正規化した加重値データを示し、SはLEDスペクトルの波長に従う光の強度を示し、max(S)はLEDスペクトルの波長内における最大光の強度を示すことができる。これにより、正規化した加重値データ450は、各波長の相対的な光の強度として、0~1の値を有することができる。
【0066】
一実施例において、正規化した加重値データ450及び拡散モデル460に基づいて、複数のLEDに係るシミュレーションした拡散反射率(simulated diffuse reflectance)データ470を算出できる。ここで、拡散モデル460は、クロモフォア(chromophore)の濃度、吸光係数、屈折率及び散乱係数などの拡散モデルに必要な定数に基づいて、光が照射した媒質に対する拡散反射率を予測するモデルであり得る。また、シミュレーションした拡散反射率データ470は、複数のLEDの個数だけベクトルで表現される理論値であり得る。シミュレーションした拡散反射率データ470は、次の数4の式のように表現できる。
【0067】
【数4】
ここで、Rsimはシミュレーションした拡散反射率データを示し、fは拡散モデルを示し、Nはクロモフォアの濃度を示し、εは吸光係数を示し、λはLEDの波長を示し、θは屈折率及び散乱係数などの拡散モデルに必要な定数を示すことができる。ここで、拡散モデル460は、1mm-1の一定な散乱減少を有することができる。このように、波長別拡散モデル460により予測された拡散反射率及び正規化した加重値データ450に基づいて、複数のLEDの各々の理論値であるシミュレーションした拡散反射率データ470を算出できる。例えば、LEDが3個適用される場合、Rsim=[Rsim (1)、Rsim(2)、Rsim (3)]であり得る。
【0068】
一実施例において、第1の補正データ430及びシミュレーションした拡散反射率データ470に基づいて、第2の補正データ480を算出できる。第1の補正データ430は、第1の物質を用いて補正されるが、シミュレーションした拡散反射率データ470は、分光器から測定されたLEDスペクトルの波長に従う光の強度を用いて補正されるので、第1の補正データ430及びシミュレーションした拡散反射率データ470のスケールは異なることができる。このとき、第1の補正データ430の一部及びシミュレーションした拡散反射率データ470の一部に基づいてスケールを調整することで、第2の補正データ480を正規化し得る。これにより、第2の補正データ480は、次の数5の式のように表現できる。
【0069】
【数5】
ここで、Rnormは第2の補正データ480を示し、R(1)は第1のLEDに対する第1の補正データを示し、Ssim(1)は第1のLEDに対するシミュレーションした拡散反射率データを示すことができる。数5の式では、第1のLEDに基づいてスケールを調整するものと表現されているが、これに限定されず、第2のLEDなどに基づいてもスケールを調整できる。
【0070】
一実施例において、第1の補正データ430及び第2の補正データ480に基づいて、第2の物質と関連した生理学的情報を推定できる。ここで、第2の物質と関連した生理学的情報は、第2の物質内のクロモフォアの濃度を含むことができる。第2の物質と関連した生理学的情報は、次の数6の式のように、最小二乗法(Least Square Method)を用いて推定できる。
【0071】
【数6】
ここで、Nはクロモフォアの濃度を示すことができる。すなわち、実測補正値を示す第1の補正データ430と、理論補正値を示す第2の補正データ480との差の二乗が最小になるとき、クロモフォアの濃度を決定できる。これにより、第2の物質と関連した生理学的情報は、次の数7の式を用いて算出できる。ここで、生理学的情報は、水分に関する情報、脂肪に関する、RHOに関する情報などを含むことができる。
【0072】
【数7】
ここで、NH2Oは第1の物質の水分濃度を示し、NFATは第2の物質の脂肪濃度を示すことができる。
【0073】
前述した生理学的情報推定方法の擬似コード(pseudo code)は、次の表1のように表現できる。
【0074】
【表1】
【0075】
かかる構成により、多重波長LED及びフォトダイオードを利用しながらも、生理学的情報をより正確に推定することで、クロストークを低減させることができる。これにより、分光技術の単純化及び小型化を促進させることができる。また、本開示の方法は、ウェアラブル水分モニタのように、狭帯域LED基盤装置で有用に使用できる。
【0076】
図5は、本開示の一実施例に係るLEDのスペクトル及びクロモフォア吸収スペクトルの例を示す図である。第1のグラフ510は、LEDのスペクトルを示す例である。本開示のnb-DRS方法を適用するために、第1のグラフ510に示すように、スペクトルを有する5個のLEDが用いられる。ここで、LEDの各々のピーク波長は、907nm、929nm、944nm、949nm、976nmであり、LEDの各々のFWHM(半値全幅;Full-Width at Half Maximum)は、29nm、38nm、56nm、35nm、53nmであり得る。また、第1のグラフ510において、縦点線はnb-DRSの波長分析領域を示すことができ、各々のLEDがピーク波長によってラベリングして表示され得る。付加的に、第1のグラフ510の縦軸は、図4に示す正規化した加重値データに従うLED別の相対的な光の強度を示すことができる。
【0077】
第2のグラフ520は、12.6μMのオキシヘモグロビン(HbO2)、27.9μMのデオキシヘモグロビン(HbR)、45.1%の水分(HO)及び29.8%の脂肪(FAT)を含む人の乳房組織に対するクロモフォア吸収スペクトルを示す例である。第2のグラフ520に示すように、オキシヘモグロビン、デオキシヘモグロビン、水分及び脂肪のクロモフォアを含む組織の一般的な吸収スペクトルと比較すれば、本開示で使用されたLEDのスペクトルは、nb-DRSの波長分析領域において、脂肪及び水分の吸収ピークだけでなく、LED間でも互いに重複するほどに十分に広いことができる。特に、944nm、949nm、976nmのLEDのスペクトルは、脂肪及び水分の吸収ピークと重複するほどに広いことができる。
【0078】
図6は、本開示の一実施例に係るシミュレーション結果の例を示す図である。図6に示すグラフは、本開示のスペクトル補正方法(又は、SC)が適用される場合及び適用されない場合の生理学的情報(例えば、RHO)を推定したシミュレーション結果の例を示す。ここで、点線は、アイデンティティ(identity)ラインを示すことができる。また、スペクトル補正方法が適用されない場合、各々のLEDの波長はピーク波長として仮定し得る。
【0079】
シミュレーションした広帯域反射率スペクトルセットは、多様なRHO値及び1mm-1の一定な散乱減少を有する安全状態拡散モデル(steady-state diffusion model)を用いて生成され得る。ここで、拡散モデルは、クロモフォアの濃度及び吸光係数に基づいて、光が照射した媒質に対する拡散反射率を予測するモデルであり得る。デバイスの中心波長と同じ波長を有するLEDプロファイルは、10nmから60nmまで増加するFWHM値を有するガウス曲線を用いてシミュレーションできる。その後、シミュレーションした広帯域反射率を、ガウス曲線を用いてシミュレーションしたLED反射率に変換できる。
【0080】
図6に示すように、LEDのスペクトルの幅(又は、FWHM)が増加するほど、スペクトル補正方法が適用される場合及び適用されない場合の生理学的情報を推定したシミュレーション結果の誤差は、益々増加し得る。具体的に、図6に示す反射率スペクトルは、FWHMが10nm~60nm範囲のLEDを用いてシミュレーションできる。その後、スペクトル補正方法が適用される場合及び適用されない場合の各々にnb-DRSを用いることで、生理学的情報を推定できる。図に示すように、LEDのFWHMが10nmである場合、アイデンティティラインと比較するとき、スペクトル補正方法が適用される場合及び適用されない場合の各々の性能は、誤差範囲1%未満として類似する。しかしながら、LEDのFWHMが増加するほど、スペクトル補正方法が適用される場合及び適用されない場合の各々の誤差は、益々増加し得る。例えば、LEDのFWHMが60nmである場合、スペクトル補正方法が適用されない場合、生理学的情報の推定値及びアイデンティティラインの平均絶対誤差は、13.4に急増し得る。これに対し、スペクトル補正方法が適用される場合、生理学的情報の推定値は、シミュレーションした全てのLEDのFWHMに対して、同じ水準の正確度(1%未満)に維持し得る。
【0081】
図7は、本開示の一実施例に係るエマルジョンファントム結果の例を示す図である。図7に示すグラフ700は、広帯域光源(broadband light source)、スペクトル補正方法が適用されないLED及びスペクトル補正方法が適用されるLEDを用いて、nb-DRSにより測定されたエマルジョンファントム(emulsion phantom)の結果を示す。ここで、点線はアイデンティティ(identity)ラインを示し、エマルジョンファントムは図4で前述した第1の物質(又は、コントロール物質)であり得る。各ステップにおいて追加された希薄体積は100mlに維持されたが、総エマルジョンファントムの体積は経時的に増加し得る。その結果、エマルジョンファントム実験の初期にはRHOがさらに多く増加し、実験の後期に近づくほど、RHOがさらに少なくて変化する非線形希薄化の趨勢を確認できる。
【0082】
エマルジョンファントムは、固体ゼラチンの代わりに、液状でファントムを維持させるために少し修正して製作できる。乳化剤として重量2%の大豆レシチン(soy lecithin)を使用して、初期のオイル対水の比率を90対10に調整することで、オイル及び水のエマルジョンファントムを製造できる。次に、高速真空ブレンダを用いて溶液を混合できる。その後、ステップ別に100mLの水を追加して、ファントムを希薄させることができる。水を連続媒質(continuous medium)に維持することで、ファントムを構成成分の分離なしに希薄させることができる。こうした方式を用いる場合、ステップ別に新しいファントムを構成することなく、広範囲なファントムのRHO値を測定できる。15個のステップの希薄過程を行った後、最終の予想RHOは74.3%であり得る。全てのステップが終了した後、ハンドヘルド(hand-held)ミキサーを用いてファントムを均質化し得る。
【0083】
グラフ700に示すように、3つの方法がエマルジョンファントムを用いて比較されることで、スペクトル補正方法をテストできる。まず、広帯域光源及びスペクトロメータ検出器(spectrometer detector)を使用した方法は、平均及び標準偏差の誤差が1.4±0.7%として最も正確に遂行できる。このとき、最大誤差は2.2%に該当できる。
【0084】
次に、LED及び光ダイオード検出器を使用した方法の場合、スペクトルクロストークの影響は、正確度だけでなく感度によっても認識され得る。例えば、929nmのLEDは、ピーク波長が脂質吸収ピークと一致するため、脂肪に敏感であると見なされる。しかしながら、実際では、LEDの広いスペクトル帯域幅により、水分及び脂肪の全てがLEDを使用した反射率測定に影響を及ぼすことができる。これは、本開示のスペクトル補正方法がないと、動的範囲がよくないことを意味する。このような点は、シミュレーション及びエマルジョンファントム実験により確認できる。スペクトル補正方法が適用されない場合、ファントムエマルジョンでの誤差は8.7±4.4%、最大誤差は14.1%に該当できる。
【0085】
最後に、同じデータセットを用いてスペクトル補正方法が適用される場合、ファントムエマルジョンでの誤差は2.2±1.7%、最大誤差は6.4%に改善させることができる。また、スペクトル補正方法が適用される場合、広帯域光源を用いた方法と類似の傾きを持って感度が回復するのを確認できる。
【0086】
図8は、本開示の一実施例に係る方法800の例を示すフローチャートである。一実施例において、方法800は、少なくとも一つのプロセッサにより遂行できる。方法800は、プロセッサがフォトダイオードにより、複数のLEDから第1の物質に照射した光と関連した第1のセットの光データを受信することにより開始することができる(S810)。ここで、第1の物質は、第1の物質に照射した光の反射率情報を予め認知している物質であり得る。
【0087】
その後、プロセッサは、フォトダイオードにより、複数のLEDから第2の物質に照射した光と関連した第2のセットの光データを受信できる(S820)。ここで、第2の物質は試験対象物質であり得る。また、プロセッサは、第1のセットの光データ及び第2のセットの光データに基づいて、複数のLEDと関連した第1の補正データを算出できる(S830)。
【0088】
続いて、プロセッサは、第1の補正データ及び複数のLEDと関連したプロファイルデータに基づいて、複数のLEDと関連した第2の補正データを算出できる(S840)。具体的に、プロセッサは、複数のLEDと関連したプロファイルデータに基づいて、複数のLEDに係る正規化した加重値データを算出できる。また、プロセッサは、正規化した加重値データ及び拡散モデルに基づいて、複数のLEDに係るシミュレーションした拡散反射率(simulated diffuse reflectance)データを算出できる。ここで、拡散モデルは、クロモフォア(chromophore)の濃度及び吸光係数に基づいて、光が照射した媒質に対する拡散反射率を予測するモデルであり得る。付加的に、プロセッサは、第1の補正データ及び複数のLEDに係るシミュレーションした拡散反射率データに基づいて、第2の補正データを算出できる。付加的又は代替的に、プロセッサは、第1の補正データの一部及びシミュレーションした拡散反射率データの一部に基づいて、シミュレーションした拡散反射率データのスケールを調整することで、第2の補正データを算出できる。
【0089】
その後、プロセッサは、第1の補正データ及び第2の補正データに基づいて、第2の物質と関連した生理学的情報を推定できる(S850)。ここで、生理学的情報は、水分(HO)に関する情報及び脂肪(fat)に関する情報を含むことができる。
【0090】
2人の健康な人体被験者(31歳男性、30歳女性)を対象として生理学的情報の測定を行った。腹部(abdomen)及び拇指球(thenar)部位は、各々脂肪(fat)組織及び非脂肪(lean)組織の代表的な例示であり得る。すなわち、腹部組織及び拇指球組織は、図4で前述した第2の物質であり得る。このとき、信号対雑音の比を改善させるために、LED及びフォトダイオード組合の光源-検出器の距離が短縮され得る。ヘモグロビンは、クロモフォアのフィッティング時に含まれることができる。
【0091】
本開示は、2人の被験者の人体組織での実験結果を示す表2のように、広帯域光源を使用する方法と共に、人体の腹部組織及び拇指球組織を明確に区分できる。腹部組織に脂肪が多く存在するため、腹部組織のRHOは、広帯域光源を使用する方法の場合に18.9%~37.8%、スペクトル補正方法が適用されるLEDを使用する方法の場合に22.7%~37.8%、低いことができる。
【0092】
これに対し、広帯域光源を使用する方法の結果からわかるように、拇指球組織は、約77%であって、さらにスリムな組織であり得る。スペクトル補正方法が適用されるLEDを使用する方法では、69%~80.7%間の範囲を確認できる。このような不一致は、光源-検出器間の分離差(15mm対11mm)により、体積測定値が若干異なるためである。両方法は、腹部組織が拇指球組織よりも非常に低いRHOを有しながら、両組織のタイプを明確に区分できる。
【0093】
しかしながら、スペクトル補正方法が適用されない場合、両組織のタイプを明確に区分し難い。ファントムエマルジョン実験には水及び脂肪のみが含まれているが、生きている人体組織にはヘモグロビン因子が含まれているため、スペクトルクロストークを悪化させる恐れがある。このように、複雑な組織は、ヘモグロビンのような他の要因及び説明し難いクロモフォアなどの存在により、計算的にややこしい。このとき、LEDをさらに追加し、ミオグロビンやメラニンのような他のクロモフォアを含むことで、正確度を向上させることができる。
【0094】
【表2】
【0095】
本開示は、狭い波長領域で重複する広いスペクトルのLEDを使用するにも関わらず、nb-DRSを用いてRHOの測定の正確度を高める方法を提供する。具体的に、知られているLEDのスペクトルをクロモフォア計算に活用することで、RH2の測定の正確度を向上させることができる。その結果は、シミュレーション、エマルジョンファントム及びnb-DRSを用いた人体組織での実験により確認できる。本開示は、分光技術の単純化及び小型化を促進させ、特に、狭帯域LED基盤装置で有用に使用できる。
【0096】
前述した方法は、コンピュータで実行するために、コンピュータ読み取り可能な記録媒体に保存されたコンピュータプログラムとして提供され得る。媒体は、コンピュータで実行可能なプログラムを継続的に保存したり、実行又はダウンロードのために一時保存したりするものであり得る。また、媒体は、単一又は多数のハードウェアが結合された形態の多様な記録手段又は保存手段であり得るが、あるコンピュータシステムに直接接続される媒体に限定されず、ネットワーク上に分散して存在するものであり得る。媒体の例としては、ハードディスク、フロッピーディスク及び磁気テープのような磁気媒体、CD-ROMやDVDのような光記録媒体、フロプティカルディスク(floptical disk)のような磁気-光媒体(magneto-optical medium)、及び、ROM、RAM、フラッシュメモリなどを含み、プログラム命令語が保存されるように構成されたものが挙げられる。また、他の媒体の例としては、アプリケーションを流通するアプリストアやその他の多様なソフトウェアを供給乃至流通するサイト、サーバなどで管理する記録媒体乃至保存媒体も挙げられる。
【0097】
本開示の方法、動作又は技法は多様な手段により具現化できる。例えば、このような技法は、ハードウェア、ファームウェア、ソフトウェア、若しくはこれらの組合せで具現化できる。本願の開示により説明された多様な例示的な論理的ブロック、モジュール、回路及びアルゴリズムステップは、電子ハードウェア、コンピュータソフトウェア、若しくは両方の組合せで具現化できることを、当業者であれば理解できるはずである。ハードウェア及びソフトウェアのこのような相互の代替を明確に説明するために、多様な例示的な構成要素、ブロック、モジュール、回路及びステップが、それらの機能的観点から一般的に前述された。そのような機能が、ハードウェアとして具現化されるか、若しくは、ソフトウェアとして具現化されるかは、特定のアプリケーション及び全体システムに付加される設計要求事項によって変化する。当業者は、各々の特定のアプリケーションのために多様な方式により説明された機能を具現化することもできるが、そのような具現化は本開示の範囲から逸脱するものと解釈してはならない。
【0098】
ハードウェアの具現化において、技法の遂行に利用されるプロセッシングユニットは、一つ以上のASIC、DSP、デジタル信号処理デバイス(digital signal processing devices DSPD)、プログラム可能な論理デバイス(programmable logic devices PLD)、フィールドプログラム可能なゲートアレイ(field programmable gate arrays FPGA)、プロセッサ、制御器、マイクロ制御器、マイクロプロセッサ、電子デバイス、本開示に説明された機能を遂行するように設計された他の電子ユニット、コンピュータ、若しくはこれらの組合せ内で具現化されることもできる。
【0099】
したがって、本開示により説明された多様な例示的な論理ブロック、モジュール及び回路は、汎用プロセッサ、DSP、ASIC、FPGAや他のプログラム可能な論理デバイス、離散ゲートやトランジスタロジック、離散ハードウェアコンポーネント、若しくは、本願に説明された機能を遂行するように設計されたもの等の任意の組合せで具現化又は遂行されることもできる。汎用プロセッサはマイクロプロセッサであり得るが、代替的に、プロセッサは、任意の従来のプロセッサ、制御器、マイクロ制御器、若しくは状態マシンであり得る。プロセッサは、また、コンピューティングデバイスの組合せ、例えば、DSPとマイクロプロセッサ、複数のマイクロプロセッサ、DSPコアと関連付けた一つ以上のマイクロプロセッサ、若しくは任意の他の構成の組合せで具現化されることもできる。
【0100】
ファームウェア及び/又はソフトウェアの具現化において、技法は、RAM(random access memory)、ROM(read-only memory)、NVRAM(non-volatile random access memory)、PROM(programmable read-only memory)、EPROM(erasable programmable read-only memory)、EEPROM(electrically erasable PROM)、フラッシュメモリ、CD(compact disc)、磁気又は光学データストレージデバイスなどのようなコンピュータ読み取り可能な媒体上に保存された命令として具現化できる。命令は、一つ以上のプロセッサによって実行可能であり得、プロセッサが本開示に説明された機能の特定の様態を遂行するようにできる。
【0101】
ソフトウェアとして具現化される場合、前記技法は、一つ以上の命令又はコードとしてコンピュータ読み取り可能な媒体上に保存されたり、コンピュータ読み取り可能な媒体を介して転送されたりできる。コンピュータ読み取り可能な媒体は、ある場所から他の場所にコンピュータプログラムの転送を容易にする任意の媒体を含み、コンピュータ保存媒体及び通信媒体の両方を含む。保存媒体は、コンピュータによってアクセスできる任意の利用可能な媒体であり得る。非制限的な例として、このようなコンピュータ読み取り可能な媒体は、RAM、ROM、EEPROM、CD-ROMや他の光学ディスクストレージ、磁気ディスクストレージや他の磁気ストレージデバイス、若しくは、所望のプログラムコードを命令又はデータ構造の形態に移送又は保存するために使用されることができ、コンピュータによってアクセスできる任意の他の媒体を含むことができる。また、任意の接続がコンピュータ読み取り可能な媒体として適切に行われる。
【0102】
例えば、ソフトウェアが同軸ケーブル、光ファイバーケーブル、鉛線、デジタル加入者回線(DSL)、又は、赤外線、無線及びマイクロ波のような無線技術を用いて、ウェブサイト、サーバ又は他の遠隔ソースから転送される場合、同軸ケーブル、光ファイバーケーブル、鉛線、デジタル加入者回線、又は、赤外線、無線及びマイクロ波などのような無線技術は、媒体の定義内に含まれる。本願で使用されたディスク(disk)及びディスク(disc)は、CD、レーザーディスク、光ディスク、DVD(digital versatile disc)、フロッピーディスク及びブルーレイディスクを含み、ここで、通常、ディスク(disk)は磁気的にデータを再生するのに対し、ディスク(disc)はレーザーを用いて光学的にデータを再生する。前記組合せ等も、コンピュータ読み取り可能な媒体等の範囲内に含まれなければならない。
【0103】
ソフトウェアモジュールは、RAMメモリ、フラッシュメモリ、ROMメモリ、EPROMメモリ、EEPROMメモリ、レジスタ、ハードディスク、移動式ディスク、CD-ROM、又は、公知された任意の他の形態の保存媒体内に常駐することもできる。例示的な保存媒体は、プロセッサが保存媒体から情報を読み取る、或いは、保存媒体に情報を書き込むように、プロセッサに連結できる。代替的に、保存媒体はプロセッサに統合されることもできる。プロセッサ及び保存媒体はASIC内に存在することもできる。ASICはユーザ端末内に存在することもできる。代替的に、プロセッサ及び保存媒体はユーザ端末で個別構成要素として存在することもできる。
【0104】
以上で説明された実施例は、一つ以上の独立型コンピュータシステムで現在開示された主題の態様を活用するものとして記述しているが、本開示は、これに限定されず、ネットワークや分散コンピューティング環境のような任意のコンピューティング環境によって具現化できる。さらには、本開示における主題の態様は複数のプロセッシングチップや装置で具現化されることもでき、ストレージは複数の装置に亘り、同様に影響を受ける場合もある。このような装置は、PC、ネットワークサーバ及び携帯用装置を含むこともできる。
【0105】
本明細書では、本開示が一部の実施例によって説明されてきたが、本開示の発明が属する技術分野における通常の技術者が理解し得る本開示から逸脱しない範囲内で多様な変形や変更が可能である。また、そのような変形や変更は、本明細書に添付された特許請求の範囲内に属するものと理解されるべきである。
【符号の説明】
【0106】
100、240 医療装置
112_1 第1のフォトダイオード
112_2 第2のフォトダイオード
112_20 第20のフォトダイオード
114_1 第1の光源群
114_2 第2の光源群
114_3 第3の光源群
114_4 第4の光源群
120、210 ユーザ端末
図1
図2
図3
図4
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図6
図7
図8