IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ DOWAホールディングス株式会社の特許一覧 ▶ 国立大学法人東北大学の特許一覧

特開2025-154807シミュレーション装置及びプログラム
<>
  • 特開-シミュレーション装置及びプログラム 図1
  • 特開-シミュレーション装置及びプログラム 図2
  • 特開-シミュレーション装置及びプログラム 図3
  • 特開-シミュレーション装置及びプログラム 図4
  • 特開-シミュレーション装置及びプログラム 図5
  • 特開-シミュレーション装置及びプログラム 図6A
  • 特開-シミュレーション装置及びプログラム 図6B
  • 特開-シミュレーション装置及びプログラム 図7
  • 特開-シミュレーション装置及びプログラム 図8
  • 特開-シミュレーション装置及びプログラム 図9
  • 特開-シミュレーション装置及びプログラム 図10
  • 特開-シミュレーション装置及びプログラム 図11
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2025154807
(43)【公開日】2025-10-10
(54)【発明の名称】シミュレーション装置及びプログラム
(51)【国際特許分類】
   B02C 17/14 20060101AFI20251002BHJP
   B02C 17/18 20060101ALI20251002BHJP
【FI】
B02C17/14 A
B02C17/18 Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】3
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2024058001
(22)【出願日】2024-03-29
(71)【出願人】
【識別番号】000224798
【氏名又は名称】DOWAホールディングス株式会社
(71)【出願人】
【識別番号】504157024
【氏名又は名称】国立大学法人東北大学
(74)【代理人】
【識別番号】100147485
【弁理士】
【氏名又は名称】杉村 憲司
(74)【代理人】
【識別番号】230118913
【弁護士】
【氏名又は名称】杉村 光嗣
(74)【代理人】
【識別番号】100179903
【弁理士】
【氏名又は名称】福井 敏夫
(74)【代理人】
【識別番号】100161148
【弁理士】
【氏名又は名称】福尾 誠
(72)【発明者】
【氏名】小島 拓也
(72)【発明者】
【氏名】加納 純也
(72)【発明者】
【氏名】久志本 築
(72)【発明者】
【氏名】久枝 譲
(72)【発明者】
【氏名】岡 大輔
【テーマコード(参考)】
4D063
【Fターム(参考)】
4D063FF08
4D063FF35
4D063GC40
(57)【要約】
【課題】振動ボールミル装置におけるミル容器内の球形媒体の挙動をシミュレーション可能とする。
【解決手段】シミュレーション装置は、ミル容器壁面の相対座標位置(MB)を求め、各球形媒体の壁面との接触点位置での球形媒体の接触方向(H1)を算出し、接触点位置における壁面の振動速度ベクトル(V1)及び壁面の運動速度ベクトル(VT)を算出し、球形媒体が壁面から受ける力(J0)を算出し、各球形媒体間の接触方向(H2)を算出し、球形媒体間の接触点位置における運動速度ベクトル(VP)を算出し、球形媒体が他の球形媒体から受ける力(JP)を算出し、力(J0)、力(JP)、重力(G)、及び微小単位時間(Δt)に基づき球形媒体の運動速度ベクトル(V)及び微小時間変位(U)を求め、微小時間変位(U)から微小単位時間(Δt)後の媒体中心座標(P)を求め、運動速度ベクトル(V)及び媒体中心座標(P)を更新する。
【選択図】図7
【特許請求の範囲】
【請求項1】
内部に多数の球形媒体を装填した軸対称形状のミル容器を振動動作させる振動ボールミル装置における、前記球形媒体の挙動をシミュレーションするシミュレーション装置であって、制御部を備え、
前記制御部は、
座標中心を固定した座標系である絶対座標系(K1)における球形媒体の中心位置の座標である媒体中心座標(P)と、前記絶対座標系(K1)における前記球形媒体の運動速度ベクトル(V)と、数値解析を行う微小単位時間(Δt)と、前記球形媒体の半径(R)とを初期パラメータとして入力し、
前記絶対座標系(K1)における、前記ミル容器のZ軸方向の中心のXY座標をミル中心座標(M)として求め、該ミル中心座標(M)に基づき、前記ミル容器の壁面の相対座標位置(MB)を求め、
前記媒体中心座標(P)、前記球形媒体の半径(R)、及び前記相対座標位置(MB)に基づいて、多数の前記球形媒体のそれぞれについて前記壁面との接触点位置の座標である接触点座標(D)を求め、該接触点座標(D)、及び前記媒体中心座標(P)から、前記絶対座標系(K1)における前記接触点位置での前記球形媒体の接触方向(H1)を算出し、
前記接触点位置における前記壁面の振動動作による、前記絶対座標系(K1)における前記壁面の振動速度ベクトルを壁面振動速度ベクトル(V1)として算出するとともに、前記振動速度ベクトル(V1)から、前記絶対座標系(K1)における前記接触点位置での前記壁面の運動速度ベクトルを壁面運動速度ベクトル(VT)として算出し、
前記運動速度ベクトル(V)、前記接触方向(H1)、及び前記壁面運動速度ベクトル(VT)に基づいて、前記球形媒体が前記壁面から受ける力(J0)を算出し、
前記媒体中心座標(P)から各球形媒体間の中心間距離(L)を求め、該中心間距離(L)及び前記球形媒体の半径(R)から前記球形媒体間の接触を判定し、該判定に基づいて、前記媒体中心座標(P)から前記各球形媒体間の接触方向(H2)を算出し、
前記絶対座標系(K1)において、前記運動速度ベクトル(V)に基づいて、前記球形媒体間の接触点位置における運動速度ベクトル(VP)を算出し、
前記接触方向(H2)及び前記運動速度ベクトル(VP)に基づいて、前記球形媒体が他の球形媒体から受ける力(JP)を算出し、
前記力(J0)、前記力(JP)、重力(G)、及び前記微小単位時間(Δt)に基づいて運動方程式を数値解析することにより、前記球形媒体の前記微小単位時間(Δt)後の運動速度ベクトル(V)及び微小時間変位(U)を求め、該微小時間変位(U)から前記微小単位時間(Δt)後の前記球形媒体の媒体中心座標(P)を求め、前記運動速度ベクトル(V)及び前記媒体中心座標(P)を更新する、
シミュレーション装置。
【請求項2】
前記制御部は、
前記ミル中心座標(M)の楕円振動軌道の長軸半径(A)、短軸半径(B)、及び傾き(DW)と、前記ミル容器の振動数(C)とを初期パラメータとして入力し、
楕円の媒介変数表示である次式
【数1】
における角度φを前記振動数(C)と時間(t)で変動するように次式
【数2】
を設定し、前記傾き(DW)だけ回転する回転行列をかけた次式
【数3】
により前記ミル中心座標(M)の成分(Xm,Ym)を求める、請求項1に記載のシミュレーション装置。
【請求項3】
コンピュータを、請求項1に記載のシミュレーション装置として機能させるためのプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、振動ボールミル装置におけるミル容器内の球形媒体の挙動をシミュレーションするシミュレーション装置及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
被加工物を粉砕あるいは混合するボールミル装置としては、容器回転型の転動ボールミル装置、攪拌回転型の攪拌ボールミル装置、ミル容器を固定された回転軸を中心として回転駆動する回転ミル装置、さらにミル容器を回転させつつ揺動する回転揺動ミル装置等、様々な装置がある。
【0003】
回転揺動ミル装置における容器内の球形媒体の挙動をシミュレーショする媒体挙動シミュレーション装置としては、例えば特許文献1に開示されている。特許文献1に開示された媒体挙動シミュレーション装置は、ミル容器を回転させるとともに回転軸が揺動する回転揺動ミル装置における、ミル容器内の球形媒体の挙動をシミュレーションするものである。
【0004】
この媒体挙動シミュレーション装置は、シミュレーション技術として、微小時間毎に個々の粒子に作用する力を算出し、この算出結果に基づいて運動方程式を差分的に計算し、粒子の変位を逐次数値解析する離散要素法が用いられる。なお、離散要素法については、例えば非特許文献1に具体的な計算方法が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2009-119433号公報
【非特許文献】
【0006】
【非特許文献1】日本機械学会論文集(B編)、57巻、534号、60、1991年
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
近年、ボールミル装置の中でも、振動ボールミル装置は、転動ボールミル装置と比べて生産性に優れており、無機材料の粉砕、銀粉・銅粉をはじめとした金属粉の扁平化等で注目されている。
【0008】
振動ボールミル装置は、アンバランスウェイトを取り付け、ミル容器を偏心させた状態で設置し、モーターが回転することにより振動が発生するものである。前述のとおり、ミル容器を支えながら振動を実現させるため、ミル容器を設置する下面にはスプリングを備え、振動は主に、円運動のような周期的運動をする。振動ボールミル装置は、アンバランスウェイトの取り付け重量又は取り付け位置を変更することで、振動の振幅を調整することができる。
【0009】
一方、振動ボールミル装置は上記のように部品が多く、ミル容器そのものが浮いているような状態であるため、粉砕媒体、被粉砕物の種類、被粉砕物の装入量、振動数、アンバランスウェイト、スプリング等の要因が複雑的に影響し、ミル容器の振動は完全な円運動ではなく、円運動の長軸・短軸の長さ及び傾きも条件によって様々である。振動ボールミル装置の複雑な振動形状が一因となり、ミル容器内の球形媒体の挙動をシミュレーションすることは困難であった。
【0010】
かかる事情に鑑みてなされた本発明の目的は、振動ボールミル装置におけるミル容器内の球形媒体の挙動を容易且つ正確に逐次シミュレーション可能とすることにある。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上記目的を達成するための本発明の要旨構成は、以下のとおりである。
【0012】
(1)内部に多数の球形媒体を装填した軸対称形状のミル容器を振動動作させる振動ボールミル装置における、前記球形媒体の挙動をシミュレーションするシミュレーション装置であって、制御部を備え、
前記制御部は、
座標中心を固定した座標系である絶対座標系(K1)における球形媒体の中心位置の座標である媒体中心座標(P)と、前記絶対座標系(K1)における前記球形媒体の運動速度ベクトル(V)と、数値解析を行う微小単位時間(Δt)と、前記球形媒体の半径(R)とを初期パラメータとして入力し、
前記絶対座標系(K1)における、前記ミル容器のZ軸方向の中心のXY座標をミル中心座標(M)として求め、該ミル中心座標(M)に基づき、前記ミル容器の壁面の相対座標位置(MB)を求め、
前記媒体中心座標(P)、前記球形媒体の半径(R)、及び前記相対座標位置(MB)に基づいて、多数の前記球形媒体のそれぞれについて前記壁面との接触点位置の座標である接触点座標(D)を求め、該接触点座標(D)、及び前記媒体中心座標(P)から、前記絶対座標系(K1)における前記接触点位置での前記球形媒体の接触方向(H1)を算出し、
前記接触点位置における前記壁面の振動動作による、前記絶対座標系(K1)における前記壁面の振動速度ベクトルを壁面振動速度ベクトル(V1)として算出するとともに、前記振動速度ベクトル(V1)から、前記絶対座標系(K1)における前記接触点位置での前記壁面の運動速度ベクトルを壁面運動速度ベクトル(VT)として算出し、
前記運動速度ベクトル(V)、前記接触方向(H1)、及び前記壁面運動速度ベクトル(VT)に基づいて、前記球形媒体が前記壁面から受ける力(J0)を算出し、
前記媒体中心座標(P)から各球形媒体間の中心間距離(L)を求め、該中心間距離(L)及び前記球形媒体の半径(R)から前記球形媒体間の接触を判定し、該判定に基づいて、前記媒体中心座標(P)から前記各球形媒体間の接触方向(H2)を算出し、
前記絶対座標系(K1)において、前記運動速度ベクトル(V)に基づいて、前記球形媒体間の接触点位置における運動速度ベクトル(VP)を算出し、
前記接触方向(H2)及び前記運動速度ベクトル(VP)に基づいて、前記球形媒体が他の球形媒体から受ける力(JP)を算出し、
前記力(J0)、前記力(JP)、重力(G)、及び前記微小単位時間(Δt)に基づいて運動方程式を数値解析することにより、前記球形媒体の前記微小単位時間(Δt)後の運動速度ベクトル(V)及び微小時間変位(U)を求め、該微小時間変位(U)から前記微小単位時間(Δt)後の前記球形媒体の媒体中心座標(P)を求め、前記運動速度ベクトル(V)及び前記媒体中心座標(P)を更新する、
シミュレーション装置。
【0013】
(2)前記制御部は、
前記ミル中心座標(M)の楕円振動軌道の長軸半径(A)、短軸半径(B)、及び傾き(DW)と、前記ミル容器の振動数(C)とを初期パラメータとして入力し、
楕円の媒介変数表示である次式
【数1】
における角度φを前記振動数(C)と時間(t)で変動するように次式
【数2】
を設定し、前記傾き(DW)だけ回転する回転行列をかけた次式
【数3】
により前記ミル中心座標(M)の成分(Xm,Ym)を求める、上記(1)又は(2)に記載のシミュレーション装置。
【0014】
(3)コンピュータを、上記(1)又は(2)に記載のシミュレーション装置として機能させるためのプログラム。
【発明の効果】
【0015】
本発明によれば、振動ボールミル装置におけるミル容器内の球形媒体の挙動を容易且つ正確に逐次シミュレーションすることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
図1】振動ボールミル装置の構成を示す図である。
図2】一実施形態に係るシミュレーション装置の構成例を示すブロック図である。
図3】一実施形態に係るシミュレーション装置における制御部の構成例を示すブロック図である。
図4】絶対座標系における、ミル中心座標の楕円振動軌道を示す図である。
図5】絶対座標系における、ミル中心座標の楕円振動軌道及びミル容器を示す図である。
図6A】フォークトモデルにおける圧縮力のモデルを示す図である。
図6B】フォークトモデルにおける剪断力のモデルを示す図である。
図7】シミュレーションの動作例を示すフローチャートである。
図8】条件1において、シミュレーション装置による球形媒体の挙動のシミュレーション結果と、振動ボールミル装置による球形媒体の状態とを示す図である。
図9】条件2において、シミュレーション装置による球形媒体の挙動のシミュレーション結果と、振動ボールミル装置による球形媒体の状態とを示す図である。
図10】条件3において、シミュレーション装置による球形媒体の挙動のシミュレーション結果と、振動ボールミル装置による球形媒体の状態とを示す図である。
図11】条件4において、シミュレーション装置による球形媒体の挙動のシミュレーション結果と、振動ボールミル装置による球形媒体の状態とを示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照して詳細に説明する。
【0018】
本発明は、振動ボールミル装置内の複数の球形媒体の挙動解析を計算処理して、球形媒体の挙動を逐次シミュレーションするものである。
【0019】
図1に、振動ボールミル装置の構成を示す。図1に示す振動ボールミル装置6は、SUSボール等の複数の球形媒体(ボール)8及び被加工物(金属粉)9が装填されるミル容器7と、アンバランスウェイト11を有する振動駆動部(モータ)10と、ミル容器7を支えるスプリング12と、を備える。
【0020】
振動ボールミル装置6は、軸対称形状のミル容器7を短時間に高速で円運動のような周期的な振動動作をさせることにより、ミル容器7内において被加工物9を効率良く粉砕又は混合することができる。ミル容器7が振動動作を行うことから、ミル容器7内における複数の球形媒体8は、振動動作に伴うX軸方向、Y軸方向、及びZ軸方向の挙動が生じる。
【0021】
図2に、一実施形態に係るシミュレーション装置の構成例を示す。図2に示すシミュレーション装置1は、入力部2と、記憶部3と、制御部4と、出力部5と、を備える。シミュレーション装置1は、ミル容器7内において3次元運動を行う球形媒体8の挙動をシミュレーションするために、座標中心を固定した座標系である、絶対座標系K1を規定する。
【0022】
入力部2は、少なくとも1つの入力用インターフェースを含む。入力用インターフェースは、例えば物理キー、静電容量キー、ポインティングデバイス、ディスプレイと一体的に設けられたタッチスクリーン等である。入力部2は、シミュレーション装置1の動作に用いられるデータを入力する操作を受け付ける。入力部2は、シミュレーション装置1に備えられる代わりに、外部の入力機器としてシミュレーション装置1に接続されてもよい。接続用インターフェースとしては、USB(Universal Serial Bus)、HDMI(High-Definition Multimedia Interface、登録商標)、Bluetooth(登録商標)等の規格に対応した任意のインターフェースを用いることができる。
【0023】
記憶部3は、少なくとも1つの半導体メモリ、少なくとも1つの磁気メモリ、少なくとも1つの光メモリ、又はこれらの任意の組合せを含む。半導体メモリは、例えばRAM(random access memory)、ROM(read only memory)、又はフラッシュメモリである。RAMは、例えばSRAM(static random access memory)又はDRAM(dynamic random access memory)である。ROMは、例えばEEPROM(electrically erasable programmable read only memory)である。フラッシュメモリは、例えばSSD(solid-state drive)である。磁気メモリは、例えばHDD(hard disk drive)である。記憶部3は、例えば主記憶装置、補助記憶装置、又はキャッシュメモリとして機能する。記憶部3は、シミュレーション装置1の動作に用いられる初期パラメータ、シミュレーション装置1の動作によって得られた情報等を記憶する。
【0024】
制御部4は、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)、FPGA(Field-Programmable Gate Array)等の専用のハードウェアによって構成されてもよいし、プロセッサによって構成されてもよいし、双方を含んで構成されてもよい。制御部4は、離散要素法を用いて、振動ボールミル装置6のミル容器7内に装填された各球形媒体8の挙動を逐次シミュレーションする。離散要素法については、例えば非特許文献1に具体的な計算方法が開示されている。
【0025】
出力部5は、少なくとも1つの出力用インターフェースを含む。出力用インターフェースは、例えばディスプレイ、スピーカ、又はプリンタであり、制御部4から入力したデータをユーザに提示する。ディスプレイは、例えばLCD(liquid crystal display)、又は有機EL(electro luminescent)ディスプレイである。出力部5は、シミュレーション装置1に備えられる代わりに、外部の出力機器としてシミュレーション装置1に接続されてもよい。接続用インターフェースとしては、USB、HDMI、Bluetooth等の規格に対応した任意のインターフェースを用いることができる。
【0026】
図3に、制御部4の構成例を示す。制御部4は、初期パラメータ入力部41と、壁面相対座標位置導出部42と、第1接触方向導出部43と、速度ベクトル導出部44と、第1力導出部45と、第2接触方向導出部46と、第2力導出部47と、挙動解析部48と、解析結果出力部49と、を備える。
【0027】
初期パラメータ入力部41は、入力部2を介して初期パラメータを入力する。記憶部3に初期パラメータが記憶されている場合には、初期パラメータ入力部41は、記憶部3から初期パラメータを取得する。初期パラメータは、例えば、座標中心を固定した座標系である絶対座標系K1における球形媒体の中心位置の座標である媒体中心座標Pと、絶対座標系K1における球形媒体8の運動速度ベクトルVと、後述する楕円振動軌道の長軸半径A、短軸半径B、及び傾きDWと、ミル容器7の振動数Cと、数値解析を行う微小単位時間Δtと、球形媒体8の半径Rと、球形媒体8をそれぞれ識別する媒体識別指標Fと、を含む。このうち、媒体中心座標P及び運動速度ベクトルVは、シミュレーションによって更新されるパラメータである。
【0028】
壁面相対座標位置導出部42は、絶対座標系K1における、ミル容器7のZ軸方向の中心のXY座標(以下、「ミル中心座標」という。)Mを求める。ミル中心座標Mの算出方法の具体例は後述する。そして、壁面相対座標位置導出部42は、ミル中心座標Mに基づき、ミル容器壁面7Aの相対座標位置(以下、「壁面相対座標位置」という。)MBを求める。
【0029】
第1接触方向導出部43は、媒体中心座標P、球形媒体8の半径R、及び壁面相対座標位置MBに基づいて、各球形媒体8とミル容器壁面7Aとの接触判定を行う。そして、第1接触方向導出部43は、接触判定の判定結果に基づき、球形媒体8とミル容器壁面7Aとの接触点位置dの座標である接触点座標Dを求める。次に、第1接触方向導出部43は、接触点座標D、媒体中心座標P、及び媒体識別指標Fから、球形媒体8の絶対座標系K1における接触点位置dでの接触方向H1を算出する。
【0030】
速度ベクトル導出部44は、接触点位置dにおけるミル容器壁面7Aの振動動作による、絶対座標系K1における振動速度ベクトル(以下、「壁面振動速度ベクトル」という。)V1を算出する。そして、速度ベクトル導出部44は、壁面振動速度ベクトルV1に基づき、接触点位置dでのミル容器壁面7Aの絶対座標系K1における運動速度ベクトル(以下、「壁面運動速度ベクトル」という。)VTを算出する。
【0031】
第1力導出部45は、運動速度ベクトルV、第1接触方向導出部43により算出された接触方向H1、及び速度ベクトル導出部44により算出された壁面運動速度ベクトルVTに基づいて、球形媒体8がミル容器壁面7Aから受ける力J0を算出する。
【0032】
第2接触方向導出部46は、媒体中心座標P及び媒体識別指標Fから、各球形媒体8間の中心間距離Lを求め、中心間距離L及び球形媒体の半径Rから、球形媒体8間の接触を判定する。そして、第2接触方向導出部46は、球形媒体8間の接触判定に基づいて、媒体中心座標Pから、各球形媒体8間の接触方向H2を算出する。
【0033】
第2力導出部47は、絶対座標系K1において、運動速度ベクトルVに基づいて、球形媒体8が他の球形媒体8から受ける運動速度ベクトル(球形媒体8間の接触点位置における運動速度ベクトル)VPを算出する。そして、第2力導出部47は、第2接触方向導出部48により算出された接触方向H2、及び運動速度ベクトルVPに基づいて、球形媒体8が他の球形媒体8から受ける力JPを算出する。
【0034】
挙動解析部48は、離散要素法を用いて微小時間Δtごとに数値計算を繰り返すことにより、ミル容器7内における球形媒体8の挙動を解析する。具体的には、挙動解析部48は、第1力導出部45により算出された力J0、第2力導出部47により算出された力JP、球形媒体8に作用する重力G、及び微小単位時間Δtに基づいて運動方程式を数値解析することにより、球形媒体8の微小単位時間Δt後の運動速度ベクトルV、及び微小時間変位Uを求める。ここで求めた運動速度ベクトルVは、ミル容器壁面7A及び他の球形媒体8からの影響をすべて含めた、1個の球形媒体8に作用する運動速度ベクトルである。そして、挙動解析部48は、微小時間変位Uから微小単位時間Δt後の球形媒体8の媒体中心座標Pを求める。
【0035】
解析結果出力部49は、挙動解析部48で求めた運動速度ベクトルV及び媒体中心座標Pを、記憶部3に格納する。これにより、運動速度ベクトルV及び媒体中心座標Pは更新される。
【0036】
(ミル中心座標)
図4に、絶対座標系K1における、ミル中心座標Mの楕円振動軌道13を示す。なお、本明細書において、「楕円」とは円を含むものとする。シミュレーション装置1は、図4に示す楕円形状を再現することで正確なシミュレーションを行う。シミュレーション装置1は、絶対座標系K1中のZ軸方向におけるXY座標系において、入力したミル半径(ミル容器7の半径)CE及び長軸半径Aから、ミル容器7全体が第一象限上に位置するように振動中心Q0を設定する。振動は、ミル中心座標M(Xm,Ym)が、図4に示す楕円振動軌道13上を矢印の方向に動くものとする。ミル容器壁面7Aは、絶対座標系K1中のZ軸方向におけるXY座標系において、ミル中心座標M(Xm,Ym)からミル半径CE分の距離を持つ箇所に位置する。ミル容器壁面7Aは、Z軸方向にはZ1=0~ミル胴長(ミル容器7の胴長)OHまでの範囲で位置し、Z1=0及びZ1=ミル胴長OHの箇所ではXY平面に並行な面に位置する。
【0037】
シミュレーション装置1は、楕円形状を再現するにあたり、振動はミル容器7の軸中心が動き、ミル容器7も同時に動くものとした。楕円振動軌道13の長軸半径をAとし短軸半径をB(A≧B)としたときの、楕円の媒介変数表示を式(1)に示す。
【数4】
【0038】
媒介変数表示から、角度φにおけるX座標、Y座標が求められることから、シミュレーション装置1は、角度φを振動数Cと時間tで変動するように式(2)を設定する。この時、φは1秒あたりに動く角度を示し、φ>2πの時点で2πを差し引き、楕円振動軌道13が正の座標範囲に入るように設定する。
【数5】
【0039】
シミュレーション装置1は、この楕円に傾きDWを付与することで、楕円振動しているミル中心座標M(Xm、Ym)を設定する。式(3)に示すように、式(1)に傾きDWだけ回転する回転行列をかけることで、楕円に傾きDWが付与される。
【数6】
【0040】
シミュレーションする際に、負の値が座標に設定されると計算が複雑化するため、シミュレーション装置1は、ミル中心座標M(Xm,Ym)、及びすべての球形媒体8の媒体中心座標Pに、ミル半径CE及び長軸半径Aを足しあわせたものをそれぞれ初期座標として設定する。
【0041】
図5に、絶対座標系における、ミル中心座標Mの楕円振動軌道13、及びミル容器7を示す。シミュレーション装置1は、式(3)を用いて、ミル中心座標Mの楕円振動軌道13を図5に示すように設定する。また、本発明では、簡単のために式(3)に記載のA及びBは、それぞれ長軸半径A、短軸半径Bに対応する。
【0042】
シミュレーション装置1は、時間tにおける壁面振動速度ベクトルV1を、時間tでのミル中心座標M1(Xm1,Ym1)と前の時間ステップt-Δtでのミル中心座標M2(Xm2,Ym2)を用いて、式(4)により求める。
【数7】
【0043】
球形媒体8に作用する力学的モデルは、一般的に知られている粘弾性力学モデルのフォークトモデルを用いてもよい。図6に、フォークトモデルの概念図を示す。図6Aは圧縮力を示しており、図6Bは剪断力を示している。フォークトモデルは、球形媒体8の弾性的性質を表すスプリング14と、非弾性的性質(粘性)を表すダッシュポット15を並列に接続して、球形媒体8に作用する力を表している。剪断力では、球形媒体8群の接触に付随する摩擦相互作用を表すために、相互作用力の接線方向成分として、摩擦スライダー16が装入されている。
【0044】
シミュレーション装置1は、離散要素法にフォークトモデルを適用し、楕円形状の軌道を有するミル容器7内の、球形媒体8の挙動をシミュレーションする。
【0045】
(シミュレーション装置の動作)
次に、図7を参照して、上記の制御部4を備えるシミュレーション装置1の動作について説明する。シミュレーション装置1は、球形媒体8の座標情報について絶対座標系K1を設定し、制御部4において、図7に示した手順に従って、離散要素法を用いて微小時間Δtごとに数値計算を繰り返してミル容器7における球形媒体8の挙動をシミュレーションし、その結果を出力部5により出力する。
【0046】
ステップS101では、シミュレーション装置1は、振動ボールミル装置6に対して、座標中心を固定した座標系である絶対座標系K1を規定する。
【0047】
ステップS102では、シミュレーション装置1は、入力部2により、数値解析を行うために必要な材料定数、振動条件等の初期パラメータを入力し、記憶部3に記憶する。
【0048】
数値解析を行う材料定数は、例えば、球形媒体8について、密度ρ、ヤング率G、ポアソン比v、半径R、摩擦係数μ、転がり摩擦係数μr、仕込み重量W、媒体識別指標F、球個数N等である。なお、球個数Nは、仕込み重量W、密度ρ、及び半径Rを用いて算出される。
【0049】
数値解析を行う振動条件は、例えば、ミル半径CE、ミル胴長OH、数値解析を行う微小単位時間Δt、長軸半径A、短軸半径B、傾きDW、振動数C、球形媒体8の媒体中心座標P、球形媒体8の運動速度ベクトルV等である。なお、初期パラメータとして入力される球形媒体8の運動速度ベクトルVは、通常「0」又は極めて小さい値である。
【0050】
ステップS103では、シミュレーション装置1は、絶対座標系K1におけるミル容器7のミル中心座標M、及び壁面相対座標位置MBを求め、各球形媒体8について、記憶部3に記憶する。
【0051】
ステップS104では、シミュレーション装置1は、多数の球形媒体8のそれぞれについて、媒体中心座標P、球形媒体の半径R、及び壁面相対座標位置MBに基づいて、球形媒体8とミル容器壁面7Aとの接触を判定する。シミュレーション装置1は、媒体中心座標Pと壁面相対座標位置MBとの距離が、球形媒体8の半径R以下となる場合に、球形媒体8がミル容器壁面7Aの所定位置に接触したと判定する。
【0052】
ステップS105では、シミュレーション装置1は、球形媒体8のミル容器壁面7Aへの接触判定に基づいて、絶対座標系K1における球形媒体8とミル容器壁面7Aとの接触点位置dの座標である接触点座標Dを求める。
【0053】
ステップS106では、シミュレーション装置1は、接触点座標Dに基づき、媒体中心座標P及び媒体識別指標Fを用いて、絶対座標系K1における接触点位置dでの球形媒体8の接触方向H1を算出する。
【0054】
ステップS107では、シミュレーション装置1は、接触点座標Dに基づき、ミル容器7の振動動作による、接触点位置dにおけるミル容器壁面7Aの壁面振動速度ベクトルV1を算出する。
【0055】
ステップS108では、シミュレーション装置1は、壁面振動速度ベクトルV1から、絶対座標系K1における接触点位置dにおける壁面運動速度ベクトルVTを算出する。
【0056】
ステップS109では、シミュレーション装置1は、球形媒体8の数が多く相互の衝突を無視することができない場合に、媒体中心座標P及び媒体識別指標Fから、各球形媒体8間の中心間距離Lを求める。そして、シミュレーション装置1は、中心間距離L、及び記憶部3に記憶した球形媒体8の半径Rを用いて、球形媒体8間の接触を判定する。
【0057】
ステップS110では、シミュレーション装置1は、球形媒体8間の接触判定に基づいて、媒体中心座標P及び媒体識別指標Fから球形媒体8間の接触方向H2を算出する。
【0058】
ステップS111では、シミュレーション装置1は、絶対座標系K1において、球形媒体8が他の球形媒体8から受ける運動速度ベクトルVPを算出する。
【0059】
ステップS112では、シミュレーション装置1は、運動速度ベクトルV、ミル容器壁面7Aにおける球形媒体8の接触方向H1、及び壁面運動速度ベクトルVTに基づいて、球形媒体8がミル容器壁面7Aから受ける第1の力J0を算出する。また、シミュレーション装置1は、球形媒体8間の接触方向H2、及び運動速度ベクトルVPに基づいて、球形媒体8が他の球形媒体8から受ける第2の力JPを算出する。
【0060】
ステップS113では、シミュレーション装置1は、第1の力J0、第2の力JP、球形媒体8に作用する重力G、及び微小単位時間Δtに基づいて運動方程式を数値解析することにより、各球形媒体8の運動速度ベクトルV及び微小時間変位Uを算出する。
【0061】
ステップS114では、シミュレーション装置1は、各球形媒体8の運動速度ベクトルV及び微小時間変位Uを、記憶部3に順次格納する。
【0062】
ステップS115では、シミュレーション装置1は、全球形媒体8に関する微小時間変位Uに基づいて、ミル容器7内における球形媒体8の挙動のシミュレーション結果を出力部5により出力する。なお、シミュレーション装置1の動作は、必ずしも図7に示す順に従わなくてもよく、矛盾のない範囲で処理順を変更可能である。例えば、シミュレーション装置1は、ステップS108の直後に第1の力J0を算出してもよい。
【0063】
(シミュレーション結果)
次に、シミュレーション装置1による球形媒体8の挙動のシミュレーション結果と、振動ボールミル装置6による球形媒体8の状態とを比較する。表1及び表2に、シミュレーションに用いたパラメータを示す。
【0064】
【表1】
【0065】
【表2】
【0066】
具体的には、中央化工機商事製B-1のSUS製円筒ポット(内径14.65cm、胴長19cm、内容積3.2L)内に、φ5mmのSUSボールからなる球形媒体8を、仕込み重量5.9kgで装填し、それぞれミル容器7を所定の駆動条件で駆動した場合の同一時間における球形媒体8の挙動の経時変化を比較した。なお、同比較実験においては、球形媒体8の挙動をより正確に得るために、ミル容器内7内に被加工物を充填せずに行った。振幅及び振動数は、シンフォニアテクノロジー製Vチェッカーを用いて測定した。ミル容器7の内部の球形媒体8の動きは、ノビテック株式会社製ハイスピードカメラPhantom Miro C110を用いて観察した。
【0067】
図8から図11に、それぞれ表2に示す条件1から条件4における、シミュレーション装置1による球形媒体8の挙動のシミュレーション結果と、振動ボールミル装置6による球形媒体8の状態とを示す。ここでは、ボール仕込み重量を5.9kgとし、駆動開始からミル容器7が2回転する間の球形媒体8の挙動を示している。条件1で実施する場合、ミル容器7が1回転するのに要する時間は0.076秒であり、図8は0秒後、0.03秒後、0.06秒後、0.09秒後、0.12秒後、及び0.15秒後のミル容器7内における球形媒体8の挙動を示している。条件2から条件4で実施する場合、ミル容器7が1回転するのに要する時間は0.050秒であり、図9から図11は、0秒後、0.02秒後、0.04秒後、0.06秒後、0.08秒後、及び0.10秒後のミル容器7内における球形媒体8の挙動を示している。
【0068】
図8から図11から明らかなように、ミル容器7をいずれの条件で駆動した場合でも、シミュレーション装置1は、振動ボールミル装置6における実際の状態と極めて近似した、球形媒体8の挙動の正確なシミュレーションを行うことが可能となる。すなわち、本発明は、座標中心を固定した絶対座標系K1を規定し、振動ボールミル装置6のミル容器7内で3次元運動を行う多数の球形媒体8の挙動を、離散要素法を適用して容易且つ正確に逐次シミュレーションすることが可能となる。
【0069】
(プログラム)
上述したシミュレーション装置1として機能させるために、プログラム命令を実行可能なコンピュータを用いることも可能である。ここで、コンピュータは、汎用コンピュータ、専用コンピュータ、ワークステーション、PC、モバイル端末等であってもよい。プログラム命令は、必要なタスクを実行するためのプログラムコード、コードセグメント等であってもよい。
【0070】
制御部4は、CPU(Central Processing Unit)、MPU(Micro Processing Unit)、GPU(Graphics Processing Unit)、DSP(Digital Signal Processor)、SoC(System on a Chip)等のプロセッサであり、同種又は異種の複数のプロセッサにより構成されてもよい。プロセッサは、記憶部3からプログラムを読み出して実行することで、上述した処理を行う。なお、これらの処理内容の少なくとも一部をハードウェアで実現することとしてもよい。
【0071】
プログラムは、コンピュータが読み取り可能な記録媒体に記録されていてもよい。このような記録媒体を用いれば、プログラムをコンピュータにインストールすることが可能である。ここで、プログラムが記録された記録媒体は、非一過性(non-transitory)の記録媒体であってもよい。非一過性の記録媒体は、特に限定されるものではないが、例えば、CD-ROM、DVD-ROM、USB(Universal Serial Bus)メモリ等であってもよい。また、このプログラムは、ネットワークを介して外部装置からダウンロードされる形態としてもよい。
【0072】
上述の実施形態は代表的な例として説明したが、本発明の趣旨及び範囲内で、多くの変更及び置換ができることは当業者に明らかである。したがって、本発明は、上述の実施形態によって制限するものと解するべきではなく、特許請求の範囲から逸脱することなく、種々の変形又は変更が可能である。例えば、実施形態に記載の構成ブロック又は処理ステップについて、複数を1つに組み合わせたり、1つを複数に分割したりすることが可能である。
【符号の説明】
【0073】
1 シミュレーション装置
2 入力部
3 記憶部
4 制御部
5 出力部
6 振動ボールミル装置
7 ミル容器
7A ミル容器壁面
8 球形媒体(ボール)
9 被加工物(金属粉)
10 振動駆動部
11 アンバランスウェイト
12 スプリング
13 ミル中心座標の楕円振動軌道
14 スプリング
15 ダッシュポット
16 摩擦スライダー
41 初期パラメータ入力部
42 壁面相対座標位置導出部
43 第1接触方向導出部
44 速度ベクトル導出部
45 第1力導出部
46 第2接触方向導出部
47 第2力導出部
48 挙動解析部
49 解析結果出力部
図1
図2
図3
図4
図5
図6A
図6B
図7
図8
図9
図10
図11