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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2025155093
(43)【公開日】2025-10-14
(54)【発明の名称】無人飛行体、および、防衛システム
(51)【国際特許分類】
   G08B 13/196 20060101AFI20251006BHJP
   G08B 21/00 20060101ALI20251006BHJP
   H04N 7/18 20060101ALI20251006BHJP
   G05D 1/648 20240101ALI20251006BHJP
   G05D 1/46 20240101ALI20251006BHJP
   G06V 10/40 20220101ALI20251006BHJP
   G06T 7/00 20170101ALI20251006BHJP
   B64U 10/14 20230101ALI20251006BHJP
   B64U 20/87 20230101ALN20251006BHJP
   B64U 101/31 20230101ALN20251006BHJP
【FI】
G08B13/196
G08B21/00 A
H04N7/18 D
G05D1/648
G05D1/46
G06V10/40
G06T7/00 660B
G06T7/00 350B
B64U10/14
B64U20/87
B64U101:31
【審査請求】未請求
【請求項の数】16
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2024058445
(22)【出願日】2024-04-01
(71)【出願人】
【識別番号】000232807
【氏名又は名称】三菱ロジスネクスト株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000475
【氏名又は名称】弁理士法人みのり特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】卯路 彰
【テーマコード(参考)】
5C054
5C084
5C086
5H301
5L096
【Fターム(参考)】
5C054CA04
5C054CB04
5C054CC02
5C054CE00
5C054DA07
5C054FC00
5C054FC12
5C054HA19
5C084AA02
5C084AA07
5C084AA13
5C084AA18
5C084CC16
5C084DD11
5C084EE01
5C084EE02
5C084EE05
5C084FF02
5C084GG78
5C084HH02
5C086AA27
5C086BA20
5C086BA30
5C086CA28
5C086CB36
5C086DA33
5C086FA06
5H301AA02
5H301AA06
5H301AA10
5H301BB07
5H301BB10
5H301CC03
5H301CC04
5H301CC06
5H301CC07
5H301DD01
5H301FF06
5H301GG07
5H301GG08
5H301GG09
5L096BA02
5L096CA02
5L096DA03
5L096DA05
5L096JA11
5L096KA04
(57)【要約】
【課題】監視対象の領域に侵入した者に対する防衛を目的とする無人飛行体および防衛システムを提供する。
【解決手段】
監視領域1に侵入した侵入者Xを含む画像データが撮影手段によって取得される。当該画像データに基づいて、侵入者Xの外見に関する特徴情報が取得される。当該特徴情報に基づいて、外見に関する事項を含む警告を示すテキストデータが作成される。テキストデータが音声データに変換される。無人飛行体3は、スピーカから、音声データを再生する。すなわち、無人飛行体3は、音声データが示す警告を音声出力する。特徴情報は、例えば、侵入者Xの着用している被服に関する情報である。
【選択図】図7
【特許請求の範囲】
【請求項1】
所定の監視領域を飛行するように構成された無人飛行体であって、
撮影装置と、
前記撮影装置によって取得された画像データに基づいて前記監視領域に侵入した侵入者を検出する判定部と、
前記撮影装置によって取得された前記侵入者を含む画像データに基づいて当該侵入者の外見に関する特徴情報を取得する特徴特定部と、
前記特徴情報に基づいて前記外見に関する事項を含む警告を示すテキストデータを作成する警告作成部と、
前記テキストデータを音声データに変換する変換部と、
前記音声データが示す前記警告を音声出力するためのスピーカと、を備える、
無人飛行体。
【請求項2】
前記無人飛行体は、さらに、
人物を含む画像データを入力データとし当該人物の外見に関する特徴情報を出力データとする教示データを用いた機械学習を行うことによって生成された学習済みモデルが格納されたモデル記憶媒体を備え、
前記特徴特定部は、
取得された前記侵入者を含む画像データを前記学習済みモデルに入力して当該侵入者の前記特徴情報を取得する取得部を備える、
請求項1に記載の無人飛行体。
【請求項3】
前記特徴特定部は、さらに、
前記取得部によって取得された前記特徴情報をテキスト化するテキスト化部を備え、
前記警告作成部は、
テキスト化された前記特徴情報を用いて前記警告を示す前記テキストデータを作成する、
請求項1に記載の無人飛行体。
【請求項4】
前記特徴情報は、前記侵入者の被服に関する被服情報である、
請求項1に記載の無人飛行体。
【請求項5】
前記被服情報は、被服の色、被服の種類、および、被服の柄のうち少なくともいずれかを含み、
前記警告は、前記被服の色、前記被服の種類、および、前記被服の柄のうち少なくともいずれかに関する事項を含む、
請求項4に記載の無人飛行体。
【請求項6】
防衛システムであって、
監視領域において飛行するように構成された少なくとも1機の無人飛行体と、
前記無人飛行体と無線通信しかつ前記無人飛行体を管理する管理装置と、
前記監視領域を撮影するための撮影手段と、
音声変換部と、を備え、
前記管理装置は、判定部と、特徴特定部と、警告作成部と、制御指令部と、を備え、
前記少なくとも1機の無人飛行体には、スピーカを備える無人飛行体が含まれ、
前記判定部は、前記撮影手段によって取得された画像データに基づいて前記侵入者を検出し、
前記特徴特定部は、前記撮影手段によって取得された前記侵入者を含む画像データに基づいて当該侵入者の外見に関する特徴情報を取得し、
前記警告作成部は、前記特徴情報に基づいて、前記外見に関する事項を含む警告を示すテキストデータを作成し、
前記音声変換部は、前記テキストデータを音声データに変換し、
前記制御指令部は、前記スピーカを備える前記無人飛行体に音声出力指令を送信して、当該無人飛行体の当該スピーカに、前記音声データが示す前記警告を音声出力させる、
防衛システム。
【請求項7】
前記防衛システムは、さらに、
人物を含む画像データを入力データとし当該人物の外見に関する特徴情報を出力データとする教示データを用いた機械学習を行うことによって生成された学習済みモデルが格納されたモデル記憶媒体を備え、
前記特徴特定部は、
取得された前記侵入者を含む画像データを前記学習済みモデルに入力して当該侵入者の前記特徴情報を取得する取得部を備える、
請求項6に記載の防衛システム。
【請求項8】
前記特徴特定部は、さらに、
前記取得部によって取得された前記特徴情報をテキスト化するテキスト化部を備え、
前記警告作成部は、
テキスト化された前記特徴情報を用いて前記警告を示す前記テキストデータを作成する、
請求項7に記載の防衛システム。
【請求項9】
前記特徴情報は、前記侵入者の被服に関する被服情報である、
請求項6に記載の防衛システム。
【請求項10】
前記被服情報は、被服の色、被服の種類、および、被服の柄のうち少なくともいずれかを含み、
前記警告は、前記被服の色、前記被服の種類、および、前記被服の柄のうち少なくともいずれかに関する事項を含む、
請求項9に記載の防衛システム。
【請求項11】
前記音声変換部は、前記スピーカを備える前記無人飛行体に備えられており、前記制御指令部は、前記音声出力指令と共に前記テキストデータを当該無人飛行体に送信する、
請求項6に記載の防衛システム。
【請求項12】
前記音声変換部は、前記管理装置に備えられており、前記制御指令部は、前記音声出力指令と共に前記音声データを、前記スピーカを備える前記無人飛行体に送信する、
請求項6に記載の防衛システム。
【請求項13】
前記少なくとも1機の無人飛行体には、
前記スピーカを備える前記無人飛行体と、
前記撮影手段としての撮影装置を備える無人飛行体とが含まれる、
請求項6に記載の防衛システム。
【請求項14】
前記少なくとも1機の無人飛行体には、前記撮影手段としての撮影装置および前記スピーカを備える無人飛行体が含まれる、
請求項6に記載の防衛システム。
【請求項15】
前記判定部は、前記撮影装置によって取得されて前記無人飛行体から前記管理装置へ無線送信された前記画像データに前記侵入者が含まれているか否かを判定することで、前記侵入者の検出を行う、
請求項13または請求項14に記載の防衛システム。
【請求項16】
前記撮影手段は、前記監視領域に設置された複数の監視カメラである、
請求項6に記載の防衛システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願は、無人飛行体、および、無人飛行体を用いた防衛システムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、工場または倉庫等の作業領域において、ドローンと称する無人飛行体が用いられている。例えば、特許文献1には、オペレータが操作する有人搬送車と、空中停止可能な一機の無人飛行体と、無人飛行体を制御する管理装置と、を備える誘導システムが記載されている。
【0003】
特許文献1に記載の誘導システムにおいて、無人飛行体は、路面に対して誘導画像を投影するプロジェクタを備えている。誘導画像は、例えば、特定した方向を指し示す矢印が表示されており、有人搬送車の前方の路面に投影される。これにより、有人搬送車を操作中のオペレータは、誘導画像を確認することで、荷役位置に誘導される。
【0004】
また近年では、有人搬送車の替わりに無人搬送車を用いて無人化することで、労働負荷を低減することができる無人搬送システムの普及が進んでいる。しかしながら、工場または倉庫等の作業領域において無人化したシステムを採用する場合、当該作業領域に無断で侵入した人物によって、作業領域の棚等に保管されている荷物や備品が盗まれたり壊されたりするおそれがある。この点、侵入者に対して効果的に警告できる手段があれば、侵入者の排除や侵入の抑止が期待できるであろう。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2020-52629号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本願は、監視対象の領域に侵入した者に対する防衛を目的とする無人飛行体および防衛システムを提供する。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本願の無人飛行体は、
所定の監視領域を飛行するように構成された無人飛行体であって、
撮影装置と、
前記撮影装置によって取得された画像データに基づいて前記監視領域に侵入した侵入者を検出する判定部と、
前記撮影装置によって取得された前記侵入者を含む画像データに基づいて当該侵入者の外見に関する特徴情報を取得する特徴特定部と、
前記特徴情報に基づいて前記外見に関する事項を含む警告を示すテキストデータを作成する警告作成部と、
前記テキストデータを音声データに変換する変換部と、
前記音声データが示す前記警告を音声出力するためのスピーカと、を備える。
【0008】
本願の防衛システムは、
監視領域において飛行するように構成された少なくとも1機の無人飛行体と、
前記無人飛行体と無線通信しかつ前記無人飛行体を管理する管理装置と、
前記監視領域を撮影するための撮影手段と、
音声変換部と、を備え、
前記管理装置は、判定部と、特徴特定部と、警告作成部と、制御指令部と、を備え、
前記少なくとも1機の無人飛行体には、スピーカを備える無人飛行体が含まれ、
前記判定部は、前記撮影手段によって取得された画像データに基づいて前記侵入者を検出し、
前記特徴特定部は、前記撮影手段によって取得された前記侵入者を含む画像データに基づいて当該侵入者の外見に関する特徴情報を取得し、
前記警告作成部は、前記特徴情報に基づいて、前記外見に関する事項を含む警告を示すテキストデータを作成し、
前記音声変換部は、前記テキストデータを音声データに変換し、
前記制御指令部は、前記スピーカを備える前記無人飛行体に音声出力指令を送信して、当該無人飛行体の当該スピーカに、前記音声データが示す前記警告を音声出力させる。
【0009】
前記防衛システムにおいて、前記音声変換部は、前記スピーカを備える前記無人飛行体に備えられ、前記制御指令部は、前記音声出力指令と共に前記テキストデータを当該無人飛行体に送信してもよい。
【0010】
若しくは、前記音声変換部は、前記管理装置に備えられており、前記制御指令部は、前記音声出力指令と共に前記音声データを、前記スピーカを備える前記無人飛行体に送信してもよい。
【0011】
前記防衛システムにおいて、前記少なくとも1機の無人飛行体には、前記スピーカを備える前記無人飛行体と、前記撮影手段としての撮影装置を備える無人飛行体とが含まれてもよい。
【0012】
前記防衛システムにおいて、前記少なくとも1機の無人飛行体には、前記撮影手段としての撮影装置および前記スピーカを備える無人飛行体が含まれてもよい。
【0013】
そして、前記判定部は、前記撮影装置によって取得されて前記無人飛行体から前記管理装置へ無線送信された前記画像データに前記侵入者が含まれているか否かを判定することで、前記侵入者の検出を行ってもよい。
【0014】
若しくは、前記撮影手段は、前記監視領域に設置された複数の監視カメラであってもよい。
【0015】
人物を含む画像データを入力データとし当該人物の外見に関する特徴情報を出力データとする教示データを用いた機械学習を行うことによって生成された学習済みモデルが格納されたモデル記憶媒体が設けられ、
前記特徴特定部は、
取得された前記侵入者を含む画像データを前記学習済みモデルに入力して当該侵入者の前記特徴情報を取得する取得部を備えてもよい。
【0016】
前記特徴特定部は、さらに、
前記取得部によって取得された前記特徴情報をテキスト化するテキスト化部を備え、
前記警告作成部は、
テキスト化された前記特徴情報を用いて前記警告を示す前記テキストデータを作成してもよい。
【0017】
前記特徴情報は、前記侵入者の被服に関する被服情報でもよい。
【0018】
前記被服情報は、被服の色、被服の種類、および、被服の柄のうち少なくともいずれかを含み、
前記警告は、前記被服の色、前記被服の種類、および、前記被服の柄のうち少なくともいずれかに関する事項を含んでもよい。
【図面の簡単な説明】
【0019】
図1図1は、例示の防衛システムを示す概略図である。
図2図2は、例示の無人飛行体を示す図である。
図3図3は、無人飛行体の例示の制御装置のブロック図である。
図4図4は、例示の教師データの概念図である。
図5図5A図5Bは、例示の特徴情報(被服情報)である。
図6図6は、一実施形態の無人飛行体が行う防衛処理のフロー図である。
図7図7は、例示の防衛処理を説明するための概略図である。
図8図8は、別の例示の制御装置のブロック図である。
図9図9は、例示の管理装置のブロック図である。
図10図10は、さらに別の例示の防衛システムを示す概略図である。
図11図11は、さらに別の例示の防衛システムを示す概略図である。
図12図12は、さらに別の例示の管理装置のブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、添付図面を参照して、本発明の実施形態に係る無人飛行体および防衛システムが説明される。以下は、本発明の単なる例示に過ぎない。図面は、概略的なものにすぎず、正寸で描かれていない場合がある。また、図全体を通して同じ参照符号を使用して同一または類似の構成要素を表していることも理解されたい。
【0021】
[第1実施形態]
図1は、例示の防衛システムを概略的に示す。防衛システムは、所定の監視対象の領域(以下、監視領域1とする)に侵入した侵入者Xを撮影し、警告を行って、侵入者Xから監視領域1(例えば、監視領域1内の物や設備)を防衛するシステムである。
【0022】
図1の防衛システムは、監視領域1と、少なくとも1台の作業車2と、少なくとも1機の無人飛行体3と、作業車2および無人飛行体3を遠隔で管理および制御する管理装置4とを備える。管理装置4は、無人飛行体3および作業車2と無線通信可能であり、情報や制御指令の送受信を行うことができる。管理装置4は、演算装置および記憶装置を備えるコンピュータで構成される。
【0023】
監視領域1は、無人飛行体3が監視を行う領域あり、無人飛行体3は、監視領域1内を飛行するように構成されている。例えば、監視領域1は、工場または倉庫等を含む任意の施設内の作業領域である。図1の例示では、作業領域には、複数の棚10が設けられており、棚10には、荷物が保管されている。棚10は、固定された固定棚でもよいし、管理装置4の制御下で移動可能に構成された移動棚でもよいし、その両方を含んでいてもよい。監視領域1は、屋外であってもよい。
【0024】
作業車2は、作業領域内で作業を行う車両である。作業車2は、例えば、荷役作業を行うフォークリフトである。作業車2は、有人作業車でも無人作業車でもよい。図1の例示では、作業車2は無人フォークリフトであり、作業領域(例えば、施設の壁面)には、作業車2をレーザー誘導するための複数の反射板(図示略)が設けられている。
【0025】
従って、図1の作業車2は、レーザーをレーザースキャナから周囲へ投光し、複数の反射板からの反射光を検出し、三角測量の原理に基づいて自己位置をリアルタイムに推定する。これにより、作業車2は、推定した自己位置に基づいて、管理装置4が決定した移動経路に従って走行し、棚10に対して荷役を行うことができる。
【0026】
図1の例示では、1機の無人飛行体3が用いられる。複数の無人飛行体3が用いられてもよい。図2の通り、無人飛行体3は、本体30と、回転翼31と、脚部32と、撮影装置33と、ライト34と、スピーカ35と、通信機36と、制御装置37とを備える。
【0027】
本体30は、ライト34、スピーカ35、通信機36、および、制御装置37が組み込まれた機体と、機体から放射状に延びる複数(この例では4本)のアームとを備える。各アームの先端上部には、回転翼31が設けられており、機体の下部には、一対の脚部32および撮影装置33が取り付けられている。
【0028】
撮影装置33は、カメラであって、制御装置37の制御下で、無人飛行体3の飛行中において、監視領域1の動画及び/又は静止画を撮影し、取得した画像データを、通信機36を介して管理装置4に無線送信する。撮影装置33は、撮影時に光を照射する照明を備えていてもよい。
【0029】
ライト34は、可視光を出力し、例えば、少なくとも1つのLEDライトで構成されてよい。ライト34は、可視光の出力状態を変化させてもよい。例えば、常時点灯する光であってもよいし、点滅する光であってもよい。また、ライト34には、可視光の照射角度を可変させることができる照射角度調整機構が備えられてよい。
【0030】
スピーカ35は、制御装置37の制御下で音を出力する。スピーカ35は、音声データを再生するように構成されている。すなわち、スピーカ35は、音声データが示す音声を出力する。スピーカ35は、指向性のあるスピーカであることが好ましい。
【0031】
通信機36は、管理装置4との間で無線通信を行うためのものであり、これにより、管理装置4との間で情報の送受信を行うことができる。
【0032】
制御装置37は、不図示のセンサ(配向センサや高度センサなど)の出力および管理装置4からの制御指令に基づいて、自機の各構成要素の動作を制御する。制御装置37は、演算装置および記憶装置で構成されている。
【0033】
第1実施形態の制御装置37の構成が、図3に示されている。制御装置37の以下の機能部370~374、50~54は、演算装置の1つ又は複数のプロセッサが記憶装置(ハードディスクやメモリ)に記憶されたプログラムを実行することで実現される。
【0034】
制御装置37は、位置情報取得部370と、フライト制御部371と、撮影制御部372と、ライト制御部373と、スピーカ制御部374と、を備える。制御装置37は、記憶媒体55を備える。記憶媒体55は、記憶装置によって構成されている。記憶媒体55は、監視領域1の環境地図が格納された地図記憶媒体550と、後述の学習済みモデルが格納されたモデル記憶媒体551とを備える。
【0035】
位置情報取得部370は、自機(本体30)の位置情報を取得可能に構成されたものであり、例えば、GPS等の衛星測位システムを利用したものである。位置情報には、例えば、緯度情報、経度情報および高度情報が含まれる。位置情報取得部370は、取得した位置情報をフライト制御部371に出力するとともに、当該位置情報を管理装置4に送信する。なお、位置情報取得部370は、GPS等の衛星測位システムに限定されるものではなく、公知の任意の構成を採用でき、例えば、特許文献1に記載の構成を採用できる。ただし、特許文献1に記載の構成を採用する場合、監視領域1の天井に天井マーカを設けておく必要があり、当該マーカ、および、地図記憶媒体550に格納された監視領域1の環境地図を用いて監視領域1における自機の位置を取得してもよい。
【0036】
フライト制御部371は、位置情報取得部370の位置情報、管理装置4からの制御指令などに基づいて、本体30の飛行制御を行う。具体的には、フライト制御部371は、本体30の飛行制御として回転翼31の回転制御を行う。フライト制御部371は、各回転翼31の電動モータの回転速度を同じにして無人飛行体3をホバリング(空中停止)させ、ホバリング状態の各電動モータの回転速度を同時に同程度増加させて無人飛行体3を上昇させ、また、4つの電動モータの回転速度を異なる割合で変化させて無人飛行体3の進行方向を変化させることができる。これにより、無人飛行体3は、管理装置4が決定した飛行経路に従って監視領域1内を飛行したり、侵入者Xの検出後に、当該侵入者Xを追跡したりすることができる。
【0037】
撮影制御部372は、撮影装置33に、飛行中の動画及び/又は静止画を撮影させ、それにより得られた画像データを、通信機36を介して管理装置4に送信する。撮影装置33が照明を備える場合、撮影制御部372は、照明の制御も行う。撮影制御部372は、動画及び/又は静止画を自機の記憶媒体55に一時的に保持する。
【0038】
制御装置37は、判定部50、位置特定部51、特徴特定部52、警告作成部53、および、音声変換部54をさらに備える。
【0039】
判定部50は、無人飛行体3が監視領域1において監視目的で飛行しているときに、撮影装置33が監視領域1を撮影して取得した画像データを公知の方法で解析して、画像データに人物(すなわち、侵入者X)が含まれているか否かを判定することで、当該侵入者Xの検出を行う。
【0040】
位置特定部51は、判定部50の侵入者Xの検出をトリガーとして、侵入者Xの位置を特定する。位置特定部51は、画像データを公知の方法で解析することにより、侵入者Xの位置情報(位置座標)を取得する。あるいは、第1無人飛行体3が対象物(侵入者X)までの距離を測定するための距離センサ(例えば、LiDAR、ミリ波レーダーまたはステレオカメラ)を備える場合、位置特定部51は、無人飛行体3の位置情報(位置情報取得部370から取得)と、当該距離センサで測定した測定結果に関する情報と、無人飛行体3(撮影装置33)が向いている方角と、環境地図とに基づいて、侵入者Xの位置を特定してもよい。
【0041】
特徴特定部52は、撮影装置33によって取得される侵入者Xを含む画像データ(以下、侵入者Xの画像データとする)に基づいて当該侵入者Xの外見に関する特徴情報を取得し、さらには、この特徴情報を、後述の警告文の作成のためにテキスト化する。外見に関する特徴情報は、ここでは、侵入者Xの着用している被服に関する被服情報である。被服は、例えば、上衣、下衣、帽子、覆面、靴を含む。以下、特徴情報が、被服情報であるものとして説明される。
【0042】
人物(侵入者X)の被服情報は、より具体的には、被服の色、被服の種類、及び/又は、被服の柄を含んでよい。被服の色は、例えば、赤、青などであり、デザインのある服もあるので、服の大部分を構成する色であってよい。被服の種類は、上衣:ジャージ、Tシャツ、ジャケットなど、下衣:ズボン(ロングパンツ)、ハーフパンツ、スカートなど、帽子:ニット帽、キャップ、未着など、覆面:フルフェイス、マスク(目鼻だけ覆うもの)、未着用など、靴:スニーカー、サンダル、未着(裸足)などであり、帽子、覆面、靴に関しては着用してないことも被服の種類に含まれてよい。被服の柄は、無地、チェック、ストライプ、ボーダーなどである。例えば、上衣、下衣、帽子、覆面、靴のうちいずれか1つまたは複数が規定されていなくてもよい。例えば、帽子、覆面、靴の種類は、着用か未着用かだけで分類されてもよい。
【0043】
特徴特定部52は、学習済みモデルを用いて被服情報(特徴情報の一例)を取得する取得部520と、取得部520が取得した被服情報をテキスト化するテキスト化部521とを備える。
【0044】
取得部520は、侵入者Xの画像データを学習済みモデルに入力して、当該学習済みモデルからの出力を用いて、被服情報を取得するように構成されている。当該学習済みモデルは、モデル記憶媒体551に格納されている。学習済みモデルは、人物の画像を入力データとしかつ当該人物の着用している被服に関する被服情報を出力データとする教師データを用いてニューラルネットワークを機械学習させることにより生成されたものである。すなわち、当該学習済みモデルは、人物を含む画像データの入力を受けると、当該人物の被服情報を出力する被服認識モデルである。
【0045】
教師データの一例が、図4に概念的に示されている。教師データは、被服を着用した人物の全体を含む画像データ(入力データ)と、当該人物の被服情報として、帽子、覆面、上衣、下衣、靴毎の色および種類からなる被服情報(出力データ:正解データ)とからなる。なお、覆面が「フルフェイス」の場合、顔だけでなく頭部も覆われているので、帽子の種類も「フルフェイス」とされてもよい。図4では、説明を簡単にするために、服の柄が情報として含まれていないが、そのような態様が当然ながらあってもよい。この例示の学習済みモデルは、このような複数の教師データを用いた機械学習によって生成されたものである。こうして、取得部520は、後述の通り、侵入者Xの画像データを当該学習済みモデルに入力することで、その侵入者Xの帽子、覆面、上衣、下衣、靴毎の色および種類を示す情報を取得する。
【0046】
テキスト化部521は、取得部520が取得した被服情報を、後述の警告文の作成に用いるべく、テキスト化する。この例示のテキスト化部521は、図5A図5Bの通り、服(帽子、覆面、上衣、下衣、靴)毎に、その被服情報をテキスト化する。なお、帽子、覆面や靴を着用していなかった場合には、その部分はテキスト化しなくてもよい(図5Aの(null)参照)。
【0047】
このように、特徴特定部52は、画像データからそこに含まれる人物(侵入者X)の被服情報を抽出し、それをテキスト化する。こうして得られたテキスト化された被服情報(被服データ)は記憶媒体55に格納される。
【0048】
警告作成部53は、被服情報(特徴情報の一例)に基づいて、侵入者Xの着用している被服に関する事項を含む警告を示すテキストデータを作成する。警告は、監視領域1からの退出や、投降・降参を呼びかけるものや、侵入者Xを威嚇するものであってよい。この例示の警告作成部53は、テキスト化された被服情報の一部または全部と、警告文のテキストテンプレートとを用いて警告をテキストデータの形式で作成する。
【0049】
テキストテンプレートは、例えば、「<被服情報>をちゃくようしたしんにゅうしゃをけんちしました ろくがをかいししています けいさつにつうほうしました そこをうごかないでください」(<被服情報>を着用した侵入者を検知しました。録画を開始しています。警察に通報しました。そこを動かないでください。)である。他の例では、テキストテンプレートは、「<被服情報>をちゃくようしたしんにゅうしゃ ただちにここをでていきなさい」(<被服情報>を着用した侵入者、直ちにここを出ていきなさい。)である。
【0050】
防衛システムは、このようなテキストテンプレートを、複数、記憶媒体55に格納しておき、防衛システムのユーザが管理装置4のユーザインターフェースによって無人飛行体3と通信して、警告作成部53が使用する1つのテンプレートを選択できるように構成されていてもよい。また、防衛システムは、警告作成部53が使用するテキストテンプレートを、ユーザインターフェースからの入力によって作成し、これを無人飛行体3に送信できるように構成されてもよい。
【0051】
警告作成部53は、テンプレートにおける<被服情報>に、テキスト化された侵入者Xの被服情報(テキスト)の一部または全部を当てはめることで、警告文を完成させて、警告を示すテキストデータを作成する。
【0052】
例えば、図5Aのテキスト化された被服情報(被服データ)が取得された場合、警告作成部53は、「みどりのじゃけっとをちゃくようしたしんにゅうしゃをけんちしました ろくがをかいししています けいさつにつうほうしました そこをうごかないでください」(緑のジャケットを着用した侵入者を検知しました。録画を開始しています。警察に通報しました。そこを動かないでください。)との警告文を作成する。
【0053】
また、例えば、図5Bのテキスト化された被服情報(被服データ)が取得された場合、警告作成部53は、「しろのてぃーしゃつをちゃくようしたしんにゅうしゃをけんちしました ろくがをかいししています けいさつにつうほうしました そこをうごかないでください」(白のTシャツを着用した侵入者を検知しました。録画を開始しています。警察に通報しました。そこを動かないでください。)との警告文を作成する。
【0054】
この例では、警告作成部53は、上衣のテキストを用いているが、これに加えて、または、これに代えて、帽子、覆面、下衣、及び/又は靴のテキストを用いてもよい。防衛システムは、ユーザインターフェースからの入力によって、帽子、覆面、上衣、下衣、及び/又は靴のテキストのうち、警告作成部53が使用するものを事前に選択できるように構成されてもよい。
【0055】
なお、特徴特定部52は、機械学習などの人工知能技術を用いずに、公知の被服認識のアルゴリズムを適用して、画像データから人物を抽出し、当該人物の被服情報(例えば、上衣の色)を特定し、そして、警告作成部53が、それに基づいて警告を示すテキストデータ(例えば、「赤い服を着た侵入者・・・・」などを示すテキストデータ)を作成してもよい。また、警告作成部53の構成は、上記に限定されるものではない。
【0056】
音声変換部54は、警告を示すテキストデータを音声データに変換する。音声変換部54の具体的構成としては、テキスト音声変換(TTS:Text to Speech)技術といった公知のテキスト音声合成技術を採用することができる。
【0057】
管理装置4は、第1実施形態では詳細が説明されないが、無人飛行体3と無線通信するように構成されている。管理装置4は、監視指令を監視用の飛行経路と共に無人飛行体3に送信する。無人飛行体3(制御装置37)は、監視指令を受信することにより、以下の防衛処理を実行する。
【0058】
図6の通り、ステップS1において、無人飛行体3は、監視指令を受信したことに応答して、監視用の飛行経路に従って飛行し、撮影装置33で監視領域1を撮影することで、監視領域1を監視している(図1参照)。すなわち、判定部50が、撮影装置33によって取得された画像データに侵入者Xが含まれているか否かを判定している。
【0059】
判定部50が、画像データに侵入者Xが含まれず、侵入者Xを検出しない場合(S2でNO)、制御装置37は、監視飛行を継続する。判定部50が、画像データに侵入者Xが含まれ、侵入者Xを検出した場合(S2でYES)、制御装置37は、次のステップS3に進む。
【0060】
ステップS3では、制御装置37は、撮影装置33に映り込む侵入者Xの位置を参考に、無人飛行体3を侵入者Xに近づけてから、撮影装置33によって撮影を行って、被服情報(特徴情報の一例)取得用の侵入者Xの画像データを取得する。なお、制御装置37は、この段階で、撮影装置33で動画を撮影して、記憶媒体55に記録してもよい。
【0061】
次いで、制御装置37は、ステップS4に進む。ステップS4では、特徴特定部52が、侵入者Xの画像データに基づいて被服情報を取得しテキスト化する。すなわち、取得部520が、画像データを学習済みモデルに入力することにより、侵入者Xの被服情報を取得し、テキスト化部521が、当該被服情報をテキスト化する。
【0062】
次いで、制御装置37は、ステップS5に進む。ステップS5では、警告作成部53が、S4にて取得されたテキスト化被服情報を用いて、上記の通り、侵入者Xの被服に関する事項を含む警告を示すテキストデータを作成する。
【0063】
次いで、制御装置37は、ステップS6に進む。ステップS6では、侵入者Xに対して音声警告を行う。このために、音声変換部54が、テキストデータを音声データに変換する。制御装置37は、無人飛行体3を既に侵入者Xに近づけており、撮影装置33で侵入者Xの位置を参照しながら、自機の位置および向きを調整し、指向性のあるスピーカ35を侵入者Xに向ける。そして、制御装置37は、スピーカ35に、音声データを再生させることで、当該音声データが示す警告を、侵入者Xに対して音声出力する(図7参照)。
【0064】
本例示において、図5Aの被服情報の場合、無人飛行体3は、スピーカ35から、「緑のジャケットを着用した侵入者を検知しました。録画を開始しています。警察に通報しました 。そこを動かないでください。」と音声出力する。また、図5Bの被服情報の場合、無人飛行体3は、スピーカ35から、「白のTシャツを着用した侵入者を検知しました。録画を開始しています。警察に通報しました。そこを動かないでください。」と音声出力する。
【0065】
このように、防衛システムでは、無人飛行体3は、侵入者Xの具体的な外見的特徴を交えて警告を読み上げるので、強い驚きや畏怖や被監視感を侵入者Xに与え、侵入者Xを効果的に監視領域1から退け得る。すなわち、高い防衛効果が期待される。図1では、無人作業車2のための作業領域内の荷物、備品、設備などをより効果的に防衛できることが期待される。
【0066】
なお、無人飛行体3は、警告出力後に所定の待機位置に戻ってもよいし、侵入者Xが監視領域1から退去するまで警告を継続してもよい(繰り返してもよい)。管理装置4は、侵入者Xが検出されたときに、実際に、警察や警備会社に通報を行ってもよい。
【0067】
[第2実施形態]
以下、第2実施形態が説明される。監視領域1は、図1の構成と同様である。この実施形態の無人飛行体3は、図2の構成、および、図8の通り、第1実施形態と同様の制御部370~374および音声変換部54を備える。無人飛行体3の撮影装置33が、本発明の「防衛システム」における「撮影手段」として機能する。
【0068】
この実施形態の管理装置4は、図9の通り、通信機40、ユーザインターフェース41、ディスプレイ42、および、制御指令部43を備え、さらに、記憶媒体55、判定部50、位置特定部51、特徴特定部52、および、警告作成部53を備える。各部43、50~53は、管理装置4を構成する演算装置の1つ又は複数のプロセッサが記憶装置(ハードディスクやメモリ)に記憶されたプログラムを実行することで実現される。
【0069】
このように、第2実施形態は、機能部50~53が管理装置4に設けられている点で第1実施形態と異なる。無人飛行体3(制御装置37)は、自身が取得した各情報(画像データや位置情報など)を管理装置4にリアルタイムで無線送信する。
【0070】
通信機40は、無人飛行体3との無線通信のために用いられる。ユーザインターフェース41は、防衛処理機能の開始を選択したり、上記の通り、使用するテキストテンプレートを選択したり、各種の設定をしたりするために用いられる。ディスプレイ42は、無人飛行体3の撮影装置33によって取得されて無線送信される監視領域1の様子を示す画像データをリアルタイムで表示し、侵入者Xが検出されたときにその旨を表示する。
【0071】
この実施形態の判定部50は、無人飛行体3から無線送信される画像データを公知の方法で解析して、当該画像データに人物(侵入者X)が含まれているか否かを判定することにより、侵入者Xの検出を行う。
【0072】
位置特定部51は、監視領域1の環境地図(地図記憶媒体550に格納された)、無人飛行体3の位置情報(無人飛行体3から無線送信される)、画像処理によって割り出される侵入者Xと無人飛行体3との距離などに基づいて、侵入者Xの位置を特定する。
【0073】
特徴特定部52および警告作成部53は、第1実施形態と同様である。
【0074】
制御指令部43は、無人飛行体3に制御指令(監視指令、飛行指令、撮影指令、音声出力指令など)を送信して、無人飛行体3の動作を制御する。制御指令部43は、また、侵入者Xの位置、無人飛行体3の位置、環境地図など基づいて、侵入者Xまでの飛行経路を決定する。
【0075】
この例では、管理装置4の制御指令部43が、監視指令を無人飛行体3に送信すると、第1実施形態と同様に無人飛行体3が監視飛行を開始する。無人飛行体3は、撮影装置33で撮影して取得した画像データをリアルタイムで送信し、管理装置4の判定部50が侵入者Xの検出を行う。
【0076】
侵入者Xが検知されると、制御指令部43が撮影指令を送信し、無人飛行体3は、これを受信すると、第1実施形態と同様に、侵入者Xに近づいて、特徴情報の取得のための撮影を行い、侵入者Xの画像データを管理装置4に送信する。
【0077】
そして、管理装置4にて、特徴特定部52および警告作成部53が、第1実施形態と同様に警告を示すテキストデータを作成する。
【0078】
それから、制御指令部43は、音声出力指令をテキストデータと共に無人飛行体3に送信する。
【0079】
無人飛行体3は、音声出力指令をテキストデータと共に受信すると、第1実施形態と同様に、音声変換部54によって変換された音声データが示す警告を、侵入者Xに対して音声出力する(図6参照)。
【0080】
[第3実施形態]
第3実施形態は、第2実施形態の変形例である。防衛処理のために、図10の通り、2機の無人飛行体3a、3bが準備され、一方の無人飛行体3aは、監視飛行および撮影用に用いられ、他方の無人飛行体3bは、音声出力のために用いられる。無人飛行体3a、3bは、図2および図8の構成を備えているが、無人飛行体3aは、スピーカ35、スピーカ制御部374、音声変換部54を備えていなくてもよい。
【0081】
無人飛行体3aが監視飛行をして侵入者Xを検出した段階で、制御指令部43が、待機中の無人飛行体3bの侵入者Xまでの飛行経路を決定し、飛行指令を、飛行経路と共に送信する。無人飛行体3bは、飛行指令を受信すると、飛行経路に従って飛行して侵入者Xのところ(自機の撮影装置33で侵入者Xを捉えることができる位置)まで飛行する。また、制御指令部43は、テキストデータが無人飛行体3aの撮影装置33により取得された侵入者Xの画像データに基づいて作成されると、音声出力指令を、テキストデータと共に無人飛行体3bに送信する。無人飛行体3bは、侵入者Xのとろこまで飛行し、かつ、音声出力指令およびテキストデータを受信すると、先と同様の方法で、警告を音声出力する(図10参照)。
【0082】
[第4実施形態]
以下、第4実施形態が説明される。図11の通り、第4実施形態では、監視領域1(例えば作業領域の壁、天井、棚10など)に複数の監視カメラ11が設置されており、管理装置4に接続されている。この複数の監視カメラ11が、本発明の「防衛システム」の「撮影手段」となる。無人飛行体3は、図2および図8の構成を有する。
【0083】
この実施形態では、判定部50は、各監視カメラ11によって取得される各画像データを公知の方法で解析して、当該画像データに人物(侵入者X)が含まれているか否かを判定することにより、侵入者Xの検出を行う。位置特定部51は、監視領域の環境地図、各監視カメラ11の位置情報、画像処理によって割り出される侵入者Xと監視カメラ11との距離など基づいて、侵入者Xの位置を特定する。特徴特定部52は、監視カメラ11によって取得される侵入者Xの画像データを用いる。
【0084】
図12の通り、管理装置4は、さらに、各監視カメラ11を制御する監視カメラ制御部44を備える。各監視カメラ11は、固定されたものでも、監視カメラ制御部44の制御下で動かされて一定の範囲を走査するものでもよい。また、各監視カメラ11は、監視カメラ制御部44の制御下で、対象を拡大して撮影できる機能を有してもよい。
【0085】
第4実施形態では、以下のように防衛処理が行われる。
【0086】
例えば、防衛システムのユーザよって、ユーザインターフェース41を通じて、防衛処理の開始が入力されると、監視カメラ制御部44は、各監視カメラ11を作動させて、監視領域1を監視する。判定部50は、各監視カメラ11からの画像データに基づいて侵入者Xの検出を行う。
【0087】
そして、判定部50による侵入者Xの検出をトリガーとして、監視カメラ制御部44は、侵入者Xを発見した監視カメラ11を制御し、必要に応じて侵入者Xを拡大した上で、特徴情報取得のための侵入者Xの撮影を行い、侵入者Xの画像データを特徴特定部52に出力する。
【0088】
同時に、位置特定部51は、侵入者Xの位置を特定し、制御指令部43が、侵入者Xまでの飛行経路を決定し、飛行指令を、決定した飛行経路と共に、待機中の無人飛行体3に送信する。
【0089】
無人飛行体3は、飛行指令を飛行経路と共に受信すると、待機位置から侵入者Xのところまで飛行する(図11参照)。
【0090】
それ以降の工程は、第2実施形態と同様であるため省略される。
【0091】
図11の通り、監視領域1に複数の侵入者Xa、Xbが同時に侵入することがあり得るが、この場合、管理装置4は、侵入者Xaに無人飛行体3cを、侵入者Xbに無人飛行体3dを割り当てて、防衛処理を個々に行ってよい。
【0092】
以上の通り、第2~第4実施形態もまた、第1実施形態と同様の防衛効果を期待できる。なお、第2~第4実施形態において、音声変換部54は、管理装置4に備えられてもよい。この場合、制御指令部43は、音声出力指令を、変換された音声データとともに管理装置4から無人飛行体3に送信する。
【0093】
第1~第4実施形態において、特徴情報は、被服情報であったが、これに代えて、またはこれに加えて、侵入者の体格及び/又は身長などを含んでもよい。
【符号の説明】
【0094】
1 監視領域
11 監視カメラ(撮影手段の一例)
3(3a、3b、3c、3d) 無人飛行体
33 撮影装置(撮影手段の一例)
35 スピーカ
4 管理装置
43 制御指令部
50 判定部
52 特徴特定部
520 取得部
521 テキスト化部
53 警告作成部
54 音声変換部
X(Xa、Xb) 侵入者
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12