(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2025155173
(43)【公開日】2025-10-14
(54)【発明の名称】支援装置、支援方法及びプログラム
(51)【国際特許分類】
G06Q 10/10 20230101AFI20251006BHJP
【FI】
G06Q10/10
【審査請求】有
【請求項の数】11
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2024058772
(22)【出願日】2024-04-01
(11)【特許番号】
(45)【特許公報発行日】2025-01-16
(71)【出願人】
【識別番号】399037405
【氏名又は名称】楽天グループ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100110135
【弁理士】
【氏名又は名称】石井 裕一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100132883
【弁理士】
【氏名又は名称】森川 泰司
(74)【代理人】
【識別番号】100148633
【弁理士】
【氏名又は名称】桜田 圭
(74)【代理人】
【識別番号】100163452
【弁理士】
【氏名又は名称】南郷 邦臣
(74)【代理人】
【識別番号】100180312
【弁理士】
【氏名又は名称】早川 牧子
(72)【発明者】
【氏名】齊藤 保則
(72)【発明者】
【氏名】今沢 慶
【テーマコード(参考)】
5L010
【Fターム(参考)】
5L010AA20
(57)【要約】
【課題】オペレータの作業負担を軽減させることが可能な支援装置、支援方法及びプログラムを提供する。
【解決手段】ネットワーク上に掲載される情報を取得し、その内容について、予め定められた規約違反に対応している可能性を示すスコアを算出する。そして算出したスコアに基づいて、規約違反の情報を、オペレータの操作する情報端末へ送信し、オペレータにより選択された規約違反の情報を取得する。そのうえで、取得した規約違反の情報を、取得したネットワーク上に掲載される情報と対応付けて記録する。スコアの算出は、取得した情報により示される内容と、予め定められた規約違反との関連度が高いほど、高いスコアとなるよう学習された学習モデルを用いて算出する。
【選択図】
図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ネットワーク上に掲載される情報を取得する情報取得部と、
前記情報取得部で取得した情報により示される内容について、予め定められた規約違反に対応している可能性を示すスコアを算出するスコア算出部と、
前記スコア算出部で算出した前記スコアに基づいて、前記規約違反の情報を、オペレータの操作する情報端末へ送信する送信部と、
前記送信部で送信した前記規約違反の情報のうち、前記オペレータにより選択された前記規約違反の情報を取得する規約違反情報取得部と、
前記規約違反情報取得部で取得した前記規約違反の情報を、前記情報取得部で取得した情報と対応付けて記録する記録部と、を備え、
前記スコア算出部は、前記情報取得部で取得した情報により示される内容と、前記予め定められた規約違反との関連度が高いほど、高いスコアとなるよう学習された学習モデルを用いて前記スコアを算出する、
ことを特徴とする支援装置。
【請求項2】
前記スコア算出部で算出した前記スコアに基づいて、前記情報取得部で取得した情報により示される内容に対応する前記規約違反の順序を配列する配列部をさらに備え、
前記情報取得部は、前記ネットワーク上に掲載される情報のうち、前記オペレータの操作により選択された情報を、前記情報端末から取得し、
前記送信部は、前記配列部により配列した前記規約違反の情報を、前記オペレータの操作する前記情報端末へ送信し、
前記記録部は、前記規約違反情報取得部で取得した前記規約違反の情報を、前記情報取得部で取得した前記オペレータの操作により選択された情報と対応付けて記録する、
ことを特徴とする請求項1に記載の支援装置。
【請求項3】
前記情報取得部は、ネットワーク上で掲載される商品またはサービスの情報を取得し、
前記スコア算出部は、前記情報取得部で取得した前記商品またはサービスの情報について、予め設定された単位毎に順次前記スコアを算出し、
前記送信部は、前記商品またはサービスの情報のうち、前記スコア算出部で算出した前記単位毎の前記スコアが予め定められた値以上である部分の背景を、特殊態様として前記情報端末へ送信し、
前記記録部は、前記規約違反情報取得部で取得した前記規約違反の情報を、前記商品またはサービスの情報のうち、前記スコア算出部で算出した前記単位毎の前記スコアが予め定められた値以上である部分と対応付けて記録する、
ことを特徴とする請求項1に記載の支援装置。
【請求項4】
前記学習モデルは、前記記録部により記録された前記規約違反の情報と前記情報取得部で取得した情報とに基づいて、さらに学習する、
ことを特徴とする請求項1~3のいずれか1項に記載の支援装置。
【請求項5】
前記予め設定された単位は、前記情報取得部で取得した前記商品またはサービスの情報に係るテキストから、所定文字数ずつシフトさせ所定長文字列を抽出したものである、
ことを特徴とする請求項3に記載の支援装置。
【請求項6】
前記予め設定された単位は、前記情報取得部で取得した前記商品またはサービスの情報に係る画像から、所定ピクセルずつシフトさせ所定範囲データを抽出したものである、
ことを特徴とする請求項3に記載の支援装置。
【請求項7】
前記予め設定された単位は、前記情報取得部で取得した前記商品またはサービスの情報に係るテキストから、空白間の文字列を前記文字列単位でシフトさせ抽出したものである、
ことを特徴とする請求項3に記載の支援装置。
【請求項8】
前記予め設定された単位は、前記情報取得部で取得した前記商品またはサービスの情報に係るテキストを形態素解析して得られた形態素を、前記テキストから前記形態素単位でシフトさせ抽出したものである、
ことを特徴とする請求項3に記載の支援装置。
【請求項9】
前記送信部は、前記商品またはサービスの情報のうち、前記スコア算出部で算出した前記単位毎の前記スコアが予め定められた値以上である部分の背景を、前記スコアに応じて異なる態様として前記情報端末へ送信する、
ことを特徴とする請求項3に記載の支援装置。
【請求項10】
前記情報取得部は、ネットワーク上で掲載される前記商品またはサービスの情報のうち、説明情報および画像情報を取得し、
前記スコア算出部は、前記情報取得部で取得した前記説明情報および画像情報について、前記説明情報および画像情報それぞれについて、予め設定された単位毎に順次スコアを算出する、
ことを特徴とする請求項3に記載の支援装置。
【請求項11】
支援装置による支援方法であって、
ネットワーク上に掲載される情報を取得する情報取得ステップと、
前記情報取得ステップで取得した情報により示される内容について、予め定められた規約違反に対応している可能性を示すスコアを算出するスコア算出ステップと、
前記スコア算出ステップで算出した前記スコアに基づいて、前記規約違反の情報を、オペレータの操作する情報端末へ送信する送信ステップと、
前記送信ステップで送信した前記規約違反の情報のうち、前記オペレータにより選択された前記規約違反の情報を取得する規約違反情報取得ステップと、
前記規約違反情報取得ステップで取得した前記規約違反の情報を、前記情報取得ステップで取得した情報と対応付けて記録する記録ステップと、を備え、
前記スコア算出ステップでは、前記情報取得ステップで取得した情報により示される内容と、前記予め定められた規約違反との関連度が高いほど、高いスコアとなるよう学習された学習モデルを用いて前記スコアを算出する、
ことを特徴とする支援方法。
【請求項12】
支援装置を、
ネットワーク上に掲載される情報を取得する情報取得部、
前記情報取得部で取得した情報により示される内容について、予め定められた規約違反に対応している可能性を示すスコアを算出するスコア算出部、
前記スコア算出部で算出した前記スコアに基づいて、前記規約違反の情報を、オペレータの操作する情報端末へ送信する送信部、
前記送信部で送信した前記規約違反の情報のうち、前記オペレータにより選択された前記規約違反の情報を取得する規約違反情報取得部、
前記規約違反情報取得部で取得した前記規約違反の情報を、前記情報取得部で取得した情報と対応付けて記録する記録部、として機能させ、
前記スコア算出部は、前記情報取得部で取得した情報により示される内容と、前記予め定められた規約違反との関連度が高いほど、高いスコアとなるよう学習された学習モデルを用いて前記スコアを算出する、
ことを特徴とするプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、支援装置、支援方法及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
ネットワーク上に掲載される商品や広告などについては、予め定められた基準を満たしているか否かを判定する必要がある。そのため、このような判定を行うための様々な技術が提案されている。例えば、特許文献1には、オンライン広告がシステムの方針を順守しているか否かを自動的に検査する方法が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上記の方法では、ネットワーク上の広告以外の商品やサービスにおける様々な法令順守についての応用については、改正や新たな規約が設けられるなどの理由から困難であり、最終的にはオペレータが対応する必要がある。そのため、オペレータの作業負担を軽減させるという点で未だ改善の余地があった。
【0005】
本発明は、上記のような課題を解決するもので、オペレータの作業負担を軽減させることが可能な支援装置、支援方法及びプログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の第1の観点に係る支援装置は、
ネットワーク上に掲載される情報を取得する情報取得部と、
前記情報取得部で取得した情報により示される内容について、予め定められた規約違反に対応している可能性を示すスコアを算出するスコア算出部と、
前記スコア算出部で算出した前記スコアに基づいて、前記規約違反の情報を、オペレータの操作する情報端末へ送信する送信部と、
前記送信部で送信した前記規約違反の情報のうち、前記オペレータにより選択された前記規約違反の情報を取得する規約違反情報取得部と、
前記規約違反情報取得部で取得した前記規約違反の情報を、前記情報取得部で取得した情報と対応付けて記録する記録部と、を備え、
前記スコア算出部は、前記情報取得部で取得した情報により示される内容と、前記予め定められた規約違反との関連度が高いほど、高いスコアとなるよう学習された学習モデルを用いて前記スコアを算出する、
ことを特徴とする。
【0007】
また、上記観点に係る支援装置において、
前記スコア算出部で算出した前記スコアに基づいて、前記情報取得部で取得した情報により示される内容に対応する前記規約違反の順序を配列する配列部をさらに備え、
前記情報取得部は、前記ネットワーク上に掲載される情報のうち、前記オペレータの操作により選択された情報を、前記情報端末から取得し、
前記送信部は、前記配列部により配列した前記規約違反の情報を、前記オペレータの操作する前記情報端末へ送信し、
前記記録部は、前記規約違反情報取得部で取得した前記規約違反の情報を、前記情報取得部で取得した前記オペレータの操作により選択された情報と対応付けて記録する、
ことを特徴とする。
【0008】
また、上記観点に係る支援装置において、
前記情報取得部は、ネットワーク上で掲載される商品またはサービスの情報を取得し、
前記スコア算出部は、前記情報取得部で取得した前記商品またはサービスの情報について、予め設定された単位毎に順次前記スコアを算出し、
前記送信部は、前記商品またはサービスの情報のうち、前記スコア算出部で算出した前記単位毎の前記スコアが予め定められた値以上である部分の背景を、特殊態様として前記情報端末へ送信し、
前記記録部は、前記規約違反情報取得部で取得した前記規約違反の情報を、前記商品またはサービスの情報のうち、前記スコア算出部で算出した前記単位毎の前記スコアが予め定められた値以上である部分と対応付けて記録する、
ことを特徴とする。
【0009】
また、上記観点に係る支援装置において、
前記学習モデルは、前記記録部により記録された前記規約違反の情報と前記情報取得部で取得した情報とに基づいて、さらに学習する、
ことを特徴とする。
【0010】
また、上記観点に係る支援装置において、
前記予め設定された単位は、前記情報取得部で取得した前記商品またはサービスの情報に係るテキストから、所定文字数ずつシフトさせ所定長文字列を抽出したものである、
ことを特徴とする。
【0011】
また、上記観点に係る支援装置において、
前記予め設定された単位は、前記情報取得部で取得した前記商品またはサービスの情報に係る画像から、所定ピクセルずつシフトさせ所定範囲データを抽出したものである、
ことを特徴とする。
【0012】
また、上記観点に係る支援装置において、
前記予め設定された単位は、前記情報取得部で取得した前記商品またはサービスの情報に係るテキストから、空白間の文字列を前記文字列単位でシフトさせ抽出したものである、
ことを特徴とする。
【0013】
また、上記観点に係る支援装置において、
前記予め設定された単位は、前記情報取得部で取得した前記商品またはサービスの情報に係るテキストを形態素解析して得られた形態素を、前記テキストから前記形態素単位でシフトさせ抽出したものである、
ことを特徴とする。
【0014】
また、上記観点に係る支援装置において、
前記送信部は、前記商品またはサービスの情報のうち、前記スコア算出部で算出した前記単位毎の前記スコアが予め定められた値以上である部分の背景を、前記スコアに応じて異なる態様として前記情報端末へ送信する、
ことを特徴とする。
【0015】
また、上記観点に係る支援装置において、
前記情報取得部は、ネットワーク上で掲載される前記商品またはサービスの情報のうち、説明情報および画像情報を取得し、
前記スコア算出部は、前記情報取得部で取得した前記説明情報および画像情報について、前記説明情報および画像情報それぞれについて、予め設定された単位毎に順次スコアを算出する、
ことを特徴とする。
【0016】
本発明の第2の観点に係る支援方法は、
支援装置による支援方法であって、
ネットワーク上に掲載される情報を取得する情報取得ステップと、
前記情報取得ステップで取得した情報により示される内容について、予め定められた規約違反に対応している可能性を示すスコアを算出するスコア算出ステップと、
前記スコア算出ステップで算出した前記スコアに基づいて、前記規約違反の情報を、オペレータの操作する情報端末へ送信する送信ステップと、
前記送信ステップで送信した前記規約違反の情報のうち、前記オペレータにより選択された前記規約違反の情報を取得する規約違反情報取得ステップと、
前記規約違反情報取得ステップで取得した前記規約違反の情報を、前記情報取得ステップで取得した情報と対応付けて記録する記録ステップと、を備え、
前記スコア算出ステップでは、前記情報取得ステップで取得した情報により示される内容と、前記予め定められた規約違反との関連度が高いほど、高いスコアとなるよう学習された学習モデルを用いて前記スコアを算出する、
ことを特徴とする。
【0017】
本発明の第3の観点に係るプログラムは、
支援装置を、
ネットワーク上に掲載される情報を取得する情報取得部、
前記情報取得部で取得した情報により示される内容について、予め定められた規約違反に対応している可能性を示すスコアを算出するスコア算出部、
前記スコア算出部で算出した前記スコアに基づいて、前記規約違反の情報を、オペレータの操作する情報端末へ送信する送信部、
前記送信部で送信した前記規約違反の情報のうち、前記オペレータにより選択された前記規約違反の情報を取得する規約違反情報取得部、
前記規約違反情報取得部で取得した前記規約違反の情報を、前記情報取得部で取得した情報と対応付けて記録する記録部、として機能させ、
前記スコア算出部は、前記情報取得部で取得した情報により示される内容と、前記予め定められた規約違反との関連度が高いほど、高いスコアとなるよう学習された学習モデルを用いて前記スコアを算出する、
ことを特徴とする。
【0018】
上記プログラムは、非一時的な(non-transitory)記録媒体に記録されてもよい。非一時的な記録媒体は、コンピュータとは独立して配布・販売することができる。ここで、非一時的な記録媒体とは、有形な(tangible)記録媒体をいう。非一時的な記録媒体は、例えば、コンパクトディスク、フレキシブルディスク、ハードディスク、光磁気ディスク、ディジタルビデオディスク、磁気テープ、半導体メモリ等である。また、一時的な(transitory)記録媒体とは、伝送媒体(伝搬信号)それ自体を示す。一時的な記録媒体は、例えば、電気信号、光信号、電磁波等である。なお、一時的な(temporary)記憶領域とは、データやプログラムを一時的に記憶するための領域であり、例えば、RAM(Random Access Memory)等の揮発性メモリである。
【発明の効果】
【0019】
本発明によれば、オペレータの作業負担を軽減させることが可能な支援装置、支援方法及びプログラムを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【
図1】支援装置および情報端末の関係を示す図である。
【
図4】候補提供処理の一例を示すフローチャートである。
【
図5】オペレータによる選択領域の一例を示す説明図である。
【
図8】オペレータへの候補の提供例を示す説明図である。
【
図9】オペレータへの候補の選択後における学習モデルの学習例を示す説明図である。
【
図10】変形例における商品説明の選択候補の表示例を示す説明図である。
【
図11】変形例における商品画像の選択候補の表示例を示す説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
(全体構成)
本発明を実施するための形態に係る支援装置、支援方法およびプログラムについて、図面を参照して詳細に説明する。なお、図中同一または相当する部分には同一符号を付す。
図1に示すように、本発明の実施形態に係る支援装置100は、情報端末200と、インターネット等のコンピュータ通信網400を介して通信可能に接続する。
【0022】
支援装置100は、サーバなどのコンピュータであり、ネットワーク上に掲載される商品やサービスについて、複数の規約のうち、いずれの規約違反となる可能性があるか、ということをオペレータに提供する機能を有している。具体的に、オペレータは、規約に違反しているためネットワーク上に掲載すべきではない商品やサービスについて、その理由を特定して当該商品やサービスの提供者に提示する必要がある。そのため、この実施の形態における支援装置100は、違法な商品やサービス、不適切な説明文が含まれているなど、規約に違反しているためネットワーク上に掲載すべきではない商品やサービスについて、掲載すべきではない理由の候補を適切にオペレータに提示する機能を有している。
【0023】
情報端末200は、ネットワーク上に掲載される商品やサービスについて、当該商品やサービスが規約に違反しているか否かを審査するオペレータが使用するスマートフォン、タブレットやPC(Personal Computer)などの情報端末(所謂コンピュータ)である。情報端末200は、図示を省略した商品管理サーバから、ネットワーク上に掲載される予定の商品やサービスのページを取得し、当該商品やサービスが規約に違反しているか否かを審査する。
【0024】
(支援装置の機能構成)
次に、
図2を参照し、支援装置100の構成について説明する。
【0025】
図2に示すように、支援装置100は、記憶部110と、制御部120と、入出力部130と、通信部140と、これらを相互に接続するシステムバス(図示省略)と、を備えている。
【0026】
記憶部110は、ROM(Read Only Memory)やRAM(Random Access Memory)等を備える。ROMは制御部120が実行するプログラム111と、プログラム111を実行する上で予め必要な各種データ(図示省略)と、学習モデル112及び過去情報113を記憶する。
【0027】
プログラム111は、後述する候補提供処理を実行するプログラムであり、予め記憶部110に記憶されている。
【0028】
学習モデル112は、ネットワーク上に掲載される商品やサービスについての商品(サービス)説明や商品(サービス)画像についてオペレータが選択した部分である選択領域と、当該オペレータが選択した規約違反の理由に基づいて機械学習された学習モデルである。
【0029】
具体的に、学習モデル112は、
図3に示すように、商品説明に含まれる「必ず痩せる」という部分が選択領域としてオペレータにより選択され、規約違反の理由として「景品表示法違反(5)」が選択されたという、後述する過去情報113の内容に基づいて学習した学習モデルである。図示する例では、この他にも、過去情報113に、サービス説明における「宿泊費:XXX円」と「特典金額:YYY円」の部分が選択領域として選択され、規約違反の理由として「特典割合違反(4)」が選択されたという内容が含まれ、この内容に基づいて学習されていることを表している。なお、景品表示法違反や特典割合違反など、規約違反については、さらに細分化される。そのため、「景品表示法違反(5)」は、景品表示法違反に含まれる複数種類の違反のうち、予め設定されている5番目の種類の違反に該当することを示している。「特典割合違反(4)」についても同様に、特典割合違反に含まれる複数種類の違反のうち、予め設定されている4番目の種類の違反に該当することを示している。
【0030】
図2に戻り、過去情報113は、オペレータが領域選択した中身の情報と、その中身の情報についてオペレータが選んだ理由の組み合わせが蓄積されるデータベースの履歴情報である。すなわち、
図3に示す「必ず痩せる」という部分が、オペレータが領域選択した中身の情報(選択領域の情報)であり、「景品表示法違反(5)」の部分が、その中身の情報についてオペレータが選んだ理由の情報である。過去情報113は、オペレータにより選択されたこれらの組み合わせの過去情報を蓄積したデータである。
【0031】
図2に示す制御部120は、CPU(Central Processing Unit)やASIC(Application Specific Integrated Circuit)等から構成される。制御部120は、記憶部110に記憶されたプログラム111に従って動作し、当該プログラム111に従った処理を実行する。制御部120は、記憶部110に記憶されたプログラム111により提供される主要な機能部として、選択領域取得部121と、スコア算出部122と、候補順序配列部123と、候補提供部124と、候補取得部125と、取得情報記録部126を備える。
【0032】
選択領域取得部121は、オペレータが選択した選択領域の情報を収録する機能部である。具体的に、選択領域取得部121は、商品やサービスの説明情報や商品やサービスの画像などから、オペレータが規約違反の可能性があると判定して選択した部分である選択領域の情報を、情報端末200から取得する機能部である。例えば、
図5に示す例において、選択領域取得部121は、オペレータが情報端末200を操作して選択した商品説明のうちの「誰でも必ず痩せます」の部分を、選択領域として取得する。
【0033】
スコア算出部122は、選択領域取得部121で選択した選択領域の情報について、予め設定されている各規約違反のスコアを算出する機能部である。具体的に、スコア算出部122は、選択領域取得部121で選択した選択領域の情報と、予め設定されている各規約違反との関連度を算出し、関連性の高い規約違反であるほど高いスコアとなるよう、学習モデル112を用いてスコアを算出する機能部である。例えば、
図5に示すように、選択領域取得部121が「誰でも必ず痩せます」の部分を、選択領域として取得した場合、スコア算出部122は、学習モデル112を用いて、
図6に示すように「景品表示法違反(5)」のスコアが最も高くなるように、スコアを算出する。これは、
図3に示すように、「必ず痩せる」の選択領域を選択した際に、オペレータが「景品表示法違反(5)」の規約違反を選択したことを学習モデル112が学習しており、当該選択領域取得部121が取得した「誰でも必ず痩せます」は、「必ず痩せる」との類似度が高いことから、
図6に示すように「景品表示法違反(5)」のスコアが最も高くなる。なお、この実施の形態では、
図6に示すように1~10までの10段階のスコアが算出される例を示しているが、5段階であってもよいし、20段階あってもよい。また、全ての規約違反についてスコアが算出される例を示しているが、同一の規約違反名称のもののみとしてもよい。すなわち、規約違反の名称を特定し、その後、その種類についてのみスコアを算出してもよい。具体的に、「誰でも必ず痩せます」の部分を、選択領域として取得した場合、景品表示法違反を特定し、その後、その種類(例えば景品表示法違反(1)~景品表示法違反(5))についてのスコアのみを算出してもよい。なお、この実施の形態では、スコア算出部122が学習モデル112を用いてAI(artificial intelligence)によりスコアを算出する例を示したが、これとは異なり、スコア算出部122は、過去情報113を参照し、過去に選択された選択領域と規約違反に基づいてスコアを算出してもよい。具体的に、選択領域の類似度に応じて、規約違反のスコアを算出すればよい。例えば、
図6に示す例において、「誰でも必ず痩せます」の部分と
図3に示すように、「必ず痩せる」の選択領域との類似度を算出し、当該類似度を10に乗算した値を、当該過去情報113により示される規約違反のスコアとして算出してもよい。
【0034】
図2に戻り、候補順序配列部123は、スコア算出部122の機能により算出したスコア順に、規約違反の項目を配列する機能部である。具体的に、候補順序配列部123は、例えば、スコア算出部122により算出したスコアが
図6に示す状態である場合、
図7に示すように、景品表示法違反(5)が最初となるよう、規約違反項目、すなわちオペレータへの提供候補を、スコアの高い順番から低い順番(降順)に配列する。
【0035】
図2に示す候補提供部124は、候補順序配列部123にて配列した規約違反項目を、オペレータに提供する機能部である。具体的に、候補提供部124は、
図7に示すように候補順序配列部123にて配列した規約違反項目である候補を、情報端末200へ送信することにより、
図8に示すようにオペレータへ提供する。これにより、オペレータに対して違反候補が提供されることとなる。なお、この実施の形態では、スコア算出部122が算出したスコアの順に違反候補が提供されるため、当該オペレータが選択した選択領域に対応する規約違反への整合性が高くなっている。
【0036】
候補取得部125は、候補提供部124がオペレータに提供した規約違反項目である候補の中から、当該オペレータが選択した候補を取得する機能部である。具体的に、候補取得部125は、候補提供部124がオペレータに提供した候補のうち、オペレータが選択した候補の情報を、選択領域の情報とともに、情報端末200から取得する機能部である。例えば、候補提供部124の機能により、
図8に示す内容がオペレータに提供され、図示するように「景品表示法違反(5)」が選択された場合、候補取得部125は、当該「景品表示法違反(5)」の情報を、「誰でも必ず痩せます」といった選択領域の情報とともに取得する。
【0037】
取得情報記録部126は、候補取得部125の機能により取得した候補の情報を、選択領域の情報と対応付けて過去情報113に記録する機能部である。具体的に、取得情報記録部126は、候補取得部125の機能により、
図8に示す「景品表示法違反(5)」の情報を「誰でも必ず痩せます」といった選択領域の情報とともに取得した場合、
図9に示すように、過去情報113の最終行に当該取得内容を記録する。これにより、学習モデル112は、新たに記録された内容に基づいて学習を行うこととなる。
【0038】
入出力部130は、キーボード、マウス、カメラ、マイク、液晶ディスプレイ、有機EL(Electro-Luminescence)ディスプレイ等から構成され、各種データの入出力を行うための装置である。
【0039】
通信部140は、支援装置100が、コンピュータ通信網400を介して、情報端末200などといった他の情報端末と通信を行うためのデバイスである。以上が、支援装置100の構成である。
【0040】
(動作)
続いて支援装置100の動作について説明する。
図4は、支援装置100における候補提供処理の一例を示すフローチャートである。この実施の形態における候補提供処理は、情報端末200を操作するオペレータからのリクエストを受信することにより実行を開始する。なお、この実施の形態では、理解を容易にするため、
図5に示す商品Aの商品説明における「誰でも必ず痩せます」の記載がオペレータにより選択された場合(すなわち、選択領域が「誰でも必ず痩せます」である場合)を例に、以下説明する。
【0041】
図4に示す候補提供処理を開始すると、制御部120は、選択領域取得部121の機能により、情報端末200を操作するオペレータにより選択された選択領域の情報を取得する(ステップS11)。具体的に、ステップS11の処理において選択領域取得部121は、
図5に示す商品Aの商品説明における「誰でも必ず痩せます」の情報を、選択領域の情報として、情報端末200から取得する。なお、ステップS11の処理を実行する選択領域取得部121およびステップS11は、情報取得部および情報取得ステップに対応する。
【0042】
図4に示すステップS11の処理を実行した後、制御部120は、スコア算出部122の機能により、ステップS11の処理で取得した選択領域の情報について、予め設定されている各規約違反のスコアを算出する(ステップS12)。具体的に、ステップS12の処理においてスコア算出部122は、ステップS11の処理で取得した選択領域の情報と、予め設定されている各規約違反との関連度を算出し、関連性の高い規約違反であるほど高いスコアとなるよう、学習モデル112を用いてスコアを算出する。すなわち、ステップS12の処理においてスコア算出部122は、ステップS11の処理で取得した選択領域「誰でも必ず痩せます」について、学習モデル112を用いて、
図6に示すように「景品表示法違反(5)」のスコアが最も高くなるように、各規約違反(候補)に対応するスコアを算出する。なお、ステップS12の処理を実行するスコア算出部122およびステップS12は、スコア算出部およびスコア算出ステップに対応する。
【0043】
図4に示すステップS12の処理を実行した後、制御部120は、候補順序配列部123の機能により、ステップS12の処理で算出したスコア順に、規約違反の項目を配列する(ステップS13)。具体的に、ステップS13の処理において候補順序配列部123は、
図7に示すように、規約違反項目、すなわちオペレータへの提供候補を、ステップS12の処理で算出したスコアの高い順番から低い順番(降順)に配列する。ステップS13の処理を実行する候補順序配列部123は、配列部に対応する。
【0044】
図4に示すステップS13の処理を実行した後、制御部120は、候補提供部124の機能により、オペレータの選択候補として規約違反項目を、ステップS13の処理で配列した順に、オペレータに提供する(ステップS14)。具体的に、ステップS14の処理において候補提供部124は、
図8に示すように、ステップS13の処理にて配列した規約違反項目である候補を、当該配列順序にて情報端末200へ送信することにより、オペレータへ提供する。これにより、オペレータに対して規約違反候補が提供されることとなる。なお、ステップS14の処理では、
図8に示すように、
図4のステップS11で取得した選択領域の情報である「誰でも必ず痩せます」の情報が、規約違反項目(候補)とともに情報端末200へ送信されればよく、情報端末200の表示画面に重畳して表示されればよい。これにより、オペレータは、これらの規約違反候補から、該当する規約違反を選択すればよい。また、この実施の形態では、スコアの順に違反候補が提供されるため、選択領域に対応する規約違反への整合性が高く、先頭に表示されている規約違反が、当該選択領域に該当する規約違反である可能性が高くなっている。したがって、オペレータの作業負担を軽減させることができる。なお、ステップS14の処理では、例えばスコアが3以上の規約違反項目(候補)のみ提供するなど、スコアの値に応じて提供される規約違反項目(候補)が選定されてもよい。ステップS14の処理を実行する候補提供部124およびステップS14は、送信部および送信ステップに対応する。
【0045】
図4に示すステップS14の処理を実行した後、制御部120は、候補取得部125の機能により、ステップS14の処理にてオペレータに提供した規約違反項目である候補の中から、当該オペレータが選択した候補の情報(選択候補情報)を取得する(ステップS15)。具体的に、ステップS15の処理において候補取得部125は、
図8に示す「景品表示法違反(5)」がオペレータにより選択された場合、当該「景品表示法違反(5)」の情報を、「誰でも必ず痩せます」といった選択領域の情報とともに取得する。なお、ステップS15の処理では、選択された候補の情報のみを取得し、選択領域の情報については、
図4のステップS11の処理で取得した情報を用いてもよい。ステップS15の処理を実行する候補取得部125およびステップS15は、規約違反情報取得部および規約違反情報取得ステップに対応する。
【0046】
図4に示すステップS15の処理を実行した後、制御部120は、取得情報記録部126の機能により、ステップS14の処理で取得した情報、すなわち選択領域の情報と選択候補情報とを、対応付けて過去情報113に記録し(ステップS16)、候補提供処理を終了する。具体的に、ステップS16の処理において取得情報記録部126は、
図9に示すように、過去情報113の最終行に、「誰でも必ず痩せます」といった選択領域の情報と、選択候補情報である「景品表示法違反(5)」の情報とを対応付けて記録する。これにより、過去情報113の内容が更新されることとなる。これに伴い、学習モデル112は、更新された過去情報113の内容に基づいて、再度学習されることとなる。すなわち、学習モデル112は、過去情報113の内容が更新される度に学習が行われる。ステップS16の処理を実行する取得情報記録部126およびステップS16は、記録部および記録ステップに対応する。
【0047】
以上が支援装置100の動作である。このように、この実施の形態における支援装置100によれば、オペレータの選択した選択領域に対応する可能性の高い規約違反が、スコア順に提供されることとなる。すなわち、先頭に表示されている規約違反が選択領域に対応する規約違反への整合性が高くなっている。したがって、オペレータの作業負担を軽減させることができる。
【0048】
(変形例)
なお、この発明は、上記実施の形態に限定されず、様々な変形及び応用が可能である。例えば、上記実施の形態に係る支援装置100や情報端末200は、上記で示した全ての技術的特徴を備えるものでなくてもよく、従来技術における少なくとも1つの課題を解決できるように、上記実施の形態で説明した一部の構成を備えたものであってもよい。また、下記の変形例それぞれについて、少なくとも一部を組み合わせてもよい。
【0049】
上記実施の形態では、
図5に示すように、情報端末200を操作するオペレータにより選択された選択領域の情報を取得し、当該選択領域の情報に対応する規約違反についてのスコアを算出する例を示したが、これは一例である。これに加え、例えば、オペレータにより選択領域が選択される前に、商品説明や商品画像全体の情報を取得し、取得した情報についてのスコアを算出してもよい。この場合、スコアが一定値以上高い場合、オペレータに当該部分を該当可能性の高い部分として提示してもよい。
【0050】
具体的に、支援装置100は、情報端末200を操作するオペレータからのリクエストを受信時に、
図10に示す商品説明や
図11に示す商品画像全体の情報を取得する。そして、商品説明の場合は、
図10(A)および
図10(B)に示すように、予め設定された文字数毎に順次対象文字列をシフトしていき、それぞれの対象文字列についてのスコアを、上記実施の形態と同様にして算出すればよい。
【0051】
図10に示す例では、設定文字数が5文字に設定されている例を示している。
図10(A)に示すように、まず、支援装置100は、当該商品説明の最初の文字列である「ABCDE」を抽出し、当該文字列が、上記実施の形態における選択領域として選択された場合と同様にして、各規約違反のスコアを算出する。次に、支援装置100は、
図10(B)に示すように、1文字シフトさせ、「BCDEF」の文字列を対象文字列として抽出し、当該「BCDEF」が、上記実施の形態における選択領域として選択された場合と同様にして、各規約違反のスコアを算出する。なお、
図10(A)および
図10(B)に示す「BCDE」のように、対象文字列の一部は互いに重複している。また、この例では、所定文字数(1文字)ずつシフトさせて所定文字列長(設定文字数が5文字)を抽出する例を示しているが、所定文字数および所定文字列長については任意に変更可能である。このように、当該商品説明全体について、対象文字列をシフトしてスコアを算出する。その上で、支援装置100は、予め設定されたスコア以上(例えば8以上)のスコアの対象文字列について、
図10(C)に示すように、背景色を特殊態様とし、オペレータに提供すればよい。
図10(C)に示す例では、対象文字列「PKKKK」のスコアが8以上であり、背景色を特殊態様とした例を示している。なお、例えばスコアが10の場合には、背景色を特殊態様とは異なる特別態様により表示させてもよい。
【0052】
また、例えば、商品説明が英語等の場合には、対象文字列を単語単位でシフトさせて、当該単語単位でスコアを算出してもよい。さらに、日本語の場合には、商品説明のテキストを形態素解析して単語列(形態素)に分解し、単語列を1単語列ずつシフトさせ(1形態素毎にシフトさせ)、すなわち対象文字列を1単語列ずつシフトさせて、単語列毎のスコア(形態素毎のスコア)を算出してもよい。なお、商品説明が英語等の場合には、空白毎に1単語を判定すればよく、日本語の場合には、辞書と文法を使って1単語列を判定すればよい。すなわち、商品説明が英語等の場合には、空白間の文字列を1単語として、1単語ずつシフトしてスコアを算出すればよい。
【0053】
一方、商品画像の場合は、
図11(A)および
図11(B)に示すように、予め設定されたピクセル数毎に順次対象領域をシフトしていき、それぞれの対象領域についてのスコアを、上記実施の形態と同様にして算出すればよい。
【0054】
図11に示す例では、設定ピクセル数が5×5ピクセルに設定されている例を示している。
図11(A)に示すように、まず、支援装置100は、当該商品説明の最初の領域である「XXXXX」が、上記実施の形態における選択領域として選択された場合と同様にして、各規約違反のスコアを算出する。次に、支援装置100は、
図11(B)に示すように、1単位(5ピクセル分)シフトさせ、「YYYPP」の部分を対象領域として抽出し、当該「YYYPP」が、上記実施の形態における選択領域として選択された場合と同様にして、各規約違反のスコアを算出する。なお、この例では、所定ピクセル(5ピクセル)ずつシフトさせて所定サイズ(設定ピクセル数が5×5ピクセル)を抽出する例を示しているが、所定ピクセルおよび所定サイズについては任意に変更可能である。また、
図10(A)および
図10(B)に示す「BCDE」と同様に、選択領域の一部は互いに重複してもよい。このように、当該商品画像全体について、対象領域をシフトしてスコアを算出する。その上で、支援装置100は、予め設定されたスコア以上(例えば8以上)のスコアの対象領域について、
図11(C)に示すように、背景色を特殊態様とし、オペレータに提供すればよい。
図11(C)に示す例では、対象領域に記載されている「必ず痩せる」のスコアが8以上であり、背景色を特殊態様とした例を示している。なお、例えばスコアが10の場合には、背景色を特殊態様とは異なる特別態様により表示させてもよいことについては、商品説明の場合と同様である。
【0055】
このように、商品説明や商品画像全体の情報を取得し、予め規約違反に該当する可能性の高い部分をオペレータに提供することにより、オペレータの作業負担をより軽減させることができる。なお、この他にも、例えばスコアが5~7であれば黄色、8以上はオレンジ、10であれば赤、といったように、スコアが高くなるほど背景色が濃くなるなど、段階的な表示態様で表示してもよい。つまり、スコアに応じて異なる態様としてもよい。また、商品説明と商品画像の両方が表示されるような商品ページの場合には、それぞれについて、予め規約違反に該当する可能性の高い部分をオペレータに提供すればよい。すなわち、商品説明部分と商品画像部分とのページ全体について、当該変形例の処理を実行すればよい。なお、商品説明部分や商品画像部分について、シフトさせる単位については、任意に変更可能であってよい。
【0056】
また、商品説明や商品画像全体の情報を取得し、予め規約違反に該当する可能性の高い部分をオペレータに提供した場合は、候補提供処理を行わず、例えばオペレータが規約違反に該当する可能性の高い部分(すなわち背景色が特殊態様で表示されている部分)を選択した際に、
図8に示すような表示画面が表示されればよい。そして、オペレータにより選択された規約違反の内容を、当該背景色が特殊態様で表示されている部分の内容と対応付けて、過去情報113へ記録すればよい。
【0057】
また、上記実施の形態では、当該支援装置100が、ネットワーク上に掲載される商品やサービスについての規約違反についての判定支援を行う例を示したが、これは一例であり、例えば、広告やニュース記事、ブログ記事などについての規約違反の判定支援を行うことも可能である。すなわち、支援装置100は、ネットワーク上に掲載される情報について、掲載内容の規約違反の判定支援が可能である。
【0058】
また、上記実施の形態では、
図4に示すステップS13の処理にて配列順序を変更してからオペレータに規約違反の項目、すなわち候補を提供する例を示したが、ステップS13の処理を実行せず、配列順を変更せずにオペレータに提供してもよい。
【0059】
なお、上記実施の形態に係る支援装置100および情報端末200は、専用の装置によらず、通常のコンピュータを用いて実現可能である。例えば、コンピュータに上述のいずれかを実行するためのプログラムを格納した記録媒体から当該プログラムをコンピュータにインストールすることにより、上述の処理を実行する支援装置100を構成してもよい。また、複数のコンピュータが協働して動作することによって、1つの支援装置100および情報端末200を構成してもよい。
【0060】
また、上述の機能を、OS(Operating System)とアプリケーションとの分担、またはOSとアプリケーションとの協働により実現する場合等には、OS以外の部分のみを媒体に格納してもよい。
【0061】
また、搬送波にプログラムを重畳し、通信ネットワークを介して配信することも可能である。例えば、通信ネットワーク上の掲示板(BBS、Bulletin Board System)に当該プログラムを掲示し、ネットワークを介して当該プログラムを配信してもよい。そして、これらのプログラムを起動し、オペレーティングシステムの制御下で、他のアプリケーションプログラムと同様に実行することにより、上述の処理を実行できるように構成してもよい。
【0062】
以下、本開示の諸態様を付記としてまとめて記載する。
【0063】
(付記1)
ネットワーク上に掲載される情報を取得する情報取得部と、
前記情報取得部で取得した情報により示される内容について、予め定められた規約違反に対応している可能性を示すスコアを算出するスコア算出部と、
前記スコア算出部で算出した前記スコアに基づいて、前記規約違反の情報を、オペレータの操作する情報端末へ送信する送信部と、
前記送信部で送信した前記規約違反の情報のうち、前記オペレータにより選択された前記規約違反の情報を取得する規約違反情報取得部と、
前記規約違反情報取得部で取得した前記規約違反の情報を、前記情報取得部で取得した情報と対応付けて記録する記録部と、を備え、
前記スコア算出部は、前記情報取得部で取得した情報により示される内容と、前記予め定められた規約違反との関連度が高いほど、高いスコアとなるよう学習された学習モデルを用いて前記スコアを算出する、
ことを特徴とする支援装置。
【0064】
(付記2)
前記スコア算出部で算出した前記スコアに基づいて、前記情報取得部で取得した情報により示される内容に対応する前記規約違反の順序を配列する配列部をさらに備え、
前記情報取得部は、前記ネットワーク上に掲載される情報のうち、前記オペレータの操作により選択された情報を、前記情報端末から取得し、
前記送信部は、前記配列部により配列した前記規約違反の情報を、前記オペレータの操作する前記情報端末へ送信し、
前記記録部は、前記規約違反情報取得部で取得した前記規約違反の情報を、前記情報取得部で取得した前記オペレータの操作により選択された情報と対応付けて記録する、
ことを特徴とする付記1に記載の支援装置。
【0065】
(付記3)
前記情報取得部は、ネットワーク上で掲載される商品またはサービスの情報を取得し、
前記スコア算出部は、前記情報取得部で取得した前記商品またはサービスの情報について、予め設定された単位毎に順次前記スコアを算出し、
前記送信部は、前記商品またはサービスの情報のうち、前記スコア算出部で算出した前記単位毎の前記スコアが予め定められた値以上である部分の背景を、特殊態様として前記情報端末へ送信し、
前記記録部は、前記規約違反情報取得部で取得した前記規約違反の情報を、前記商品またはサービスの情報のうち、前記スコア算出部で算出した前記単位毎の前記スコアが予め定められた値以上である部分と対応付けて記録する、
ことを特徴とする付記1に記載の支援装置。
【0066】
(付記4)
前記学習モデルは、前記記録部により記録された前記規約違反の情報と前記情報取得部で取得した情報とに基づいて、さらに学習する、
ことを特徴とする付記1~3のいずれか1つに記載の支援装置。
【0067】
(付記5)
前記予め設定された単位は、前記情報取得部で取得した前記商品またはサービスの情報に係るテキストから、所定文字数ずつシフトさせ所定長文字列を抽出したものである、
ことを特徴とする付記3に記載の支援装置。
【0068】
(付記6)
前記予め設定された単位は、前記情報取得部で取得した前記商品またはサービスの情報に係る画像から、所定ピクセルずつシフトさせ所定範囲データを抽出したものである、
ことを特徴とする付記3に記載の支援装置。
【0069】
(付記7)
前記予め設定された単位は、前記情報取得部で取得した前記商品またはサービスの情報に係るテキストから、空白間の文字列を前記文字列単位でシフトさせ抽出したものである、
ことを特徴とする付記7に記載の支援装置。
【0070】
(付記8)
前記予め設定された単位は、前記情報取得部で取得した前記商品またはサービスの情報に係るテキストを形態素解析して得られた形態素を、前記テキストから前記形態素単位でシフトさせ抽出したものである、
ことを特徴とする付記3に記載の支援装置。
【0071】
(付記9)
前記送信部は、前記商品またはサービスの情報のうち、前記スコア算出部で算出した前記単位毎の前記スコアが予め定められた値以上である部分の背景を、前記スコアに応じて異なる態様として前記情報端末へ送信する、
ことを特徴とする付記3または4に記載の支援装置。
【0072】
(付記10)
前記情報取得部は、ネットワーク上で掲載される前記商品またはサービスの情報のうち、説明情報および画像情報を取得し、
前記スコア算出部は、前記情報取得部で取得した前記説明情報および画像情報について、前記説明情報および画像情報それぞれについて、予め設定された単位毎に順次スコアを算出する、
ことを特徴とする付記3~5のいずれか1つに記載の支援装置。
【0073】
(付記11)
支援装置による支援方法であって、
ネットワーク上に掲載される情報を取得する情報取得ステップと、
前記情報取得ステップで取得した情報により示される内容について、予め定められた規約違反に対応している可能性を示すスコアを算出するスコア算出ステップと、
前記スコア算出ステップで算出した前記スコアに基づいて、前記規約違反の情報を、オペレータの操作する情報端末へ送信する送信ステップと、
前記送信ステップで送信した前記規約違反の情報のうち、前記オペレータにより選択された前記規約違反の情報を取得する規約違反情報取得ステップと、
前記規約違反情報取得ステップで取得した前記規約違反の情報を、前記情報取得ステップで取得した情報と対応付けて記録する記録ステップと、を備え、
前記スコア算出ステップでは、前記情報取得ステップで取得した情報により示される内容と、前記予め定められた規約違反との関連度が高いほど、高いスコアとなるよう学習された学習モデルを用いて前記スコアを算出する、
ことを特徴とする支援方法。
【0074】
(付記12)
支援装置を、
ネットワーク上に掲載される情報を取得する情報取得部、
前記情報取得部で取得した情報により示される内容について、予め定められた規約違反に対応している可能性を示すスコアを算出するスコア算出部、
前記スコア算出部で算出した前記スコアに基づいて、前記規約違反の情報を、オペレータの操作する情報端末へ送信する送信部、
前記送信部で送信した前記規約違反の情報のうち、前記オペレータにより選択された前記規約違反の情報を取得する規約違反情報取得部、
前記規約違反情報取得部で取得した前記規約違反の情報を、前記情報取得部で取得した情報と対応付けて記録する記録部、として機能させ、
前記スコア算出部は、前記情報取得部で取得した情報により示される内容と、前記予め定められた規約違反との関連度が高いほど、高いスコアとなるよう学習された学習モデルを用いて前記スコアを算出する、
ことを特徴とするプログラム。
【0075】
本開示は、本開示の広義の精神と範囲を逸脱することなく、様々な実施の形態及び変形が可能とされるものである。また、上述した実施の形態は、この開示を説明するためのものであり、本開示の範囲を限定するものではない。すなわち、本開示の範囲は、実施の形態ではなく、特許請求の範囲によって示される。そして、特許請求の範囲内及びそれと同等の開示の意義の範囲内で施される様々な変形が、この開示の範囲内とみなされる。
【産業上の利用可能性】
【0076】
本発明によれば、オペレータの作業負担を軽減させることが可能な支援装置、支援方法及びプログラムを提供することができる。
【符号の説明】
【0077】
100 支援装置
110 記憶部
111 プログラム
112 学習モデル
113 過去情報
120 制御部
121 選択領域取得部
122 スコア算出部
123 候補順序配列部
124 候補提供部
125 候補取得部
126 取得情報記録部
130 入出力部
140 通信部
200 情報端末
400 コンピュータ通信網
【手続補正書】
【提出日】2024-11-19
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ネットワーク上に掲載される情報を取得する情報取得部と、
前記情報取得部で取得した情報により示される内容について、予め定められた規約違反に対応している可能性を示すスコアを算出するスコア算出部と、
前記スコア算出部で算出した前記スコアに基づいて、前記規約違反の情報を、オペレータの操作する情報端末へ送信する送信部と、
前記送信部で送信した前記規約違反の情報のうち、前記オペレータにより選択された前記規約違反の情報を取得する規約違反情報取得部と、
前記規約違反情報取得部で取得した前記規約違反の情報を、前記情報取得部で取得した情報と対応付けて記録する記録部と、
前記スコア算出部で算出した前記スコアに基づいて、前記情報取得部で取得した情報により示される内容に対応する前記規約違反の順序を配列する配列部と、を備え、
前記情報取得部は、前記ネットワーク上に掲載される情報のうち、前記オペレータの操作により選択された情報を、前記情報端末から取得し、
前記スコア算出部は、前記情報取得部で取得した情報により示される内容と、前記予め定められた規約違反との関連度が高いほど、高いスコアとなるよう学習された学習モデルを用いて前記スコアを算出し、
前記送信部は、前記配列部により配列した前記規約違反の情報を、前記オペレータの操作する前記情報端末へ送信し、
前記記録部は、前記規約違反情報取得部で取得した前記規約違反の情報を、前記情報取得部で取得した前記オペレータの操作により選択された情報と対応付けて記録する、
ことを特徴とする支援装置。
【請求項2】
前記情報取得部は、ネットワーク上で掲載される商品またはサービスの情報を取得し、
前記スコア算出部は、前記情報取得部で取得した前記商品またはサービスの情報について、予め設定された単位毎に順次前記スコアを算出し、
前記送信部は、前記商品またはサービスの情報のうち、前記スコア算出部で算出した前記単位毎の前記スコアが予め定められた値以上である部分の背景を、特殊態様として前記情報端末へ送信し、
前記記録部は、前記規約違反情報取得部で取得した前記規約違反の情報を、前記商品またはサービスの情報のうち、前記スコア算出部で算出した前記単位毎の前記スコアが予め定められた値以上である部分と対応付けて記録する、
ことを特徴とする請求項1に記載の支援装置。
【請求項3】
前記学習モデルは、前記記録部により記録された前記規約違反の情報と前記情報取得部で取得した情報とに基づいて、さらに学習する、
ことを特徴とする請求項1または2に記載の支援装置。
【請求項4】
前記予め設定された単位は、前記情報取得部で取得した前記商品またはサービスの情報に係るテキストから、所定文字数ずつシフトさせ所定長文字列を抽出したものである、
ことを特徴とする請求項2に記載の支援装置。
【請求項5】
前記予め設定された単位は、前記情報取得部で取得した前記商品またはサービスの情報に係る画像から、所定ピクセルずつシフトさせ所定範囲データを抽出したものである、
ことを特徴とする請求項2に記載の支援装置。
【請求項6】
前記予め設定された単位は、前記情報取得部で取得した前記商品またはサービスの情報に係るテキストから、空白間の文字列を文字列単位でシフトさせ抽出したものである、
ことを特徴とする請求項2に記載の支援装置。
【請求項7】
前記予め設定された単位は、前記情報取得部で取得した前記商品またはサービスの情報に係るテキストを形態素解析して得られた形態素を、前記テキストから形態素単位でシフトさせ抽出したものである、
ことを特徴とする請求項2に記載の支援装置。
【請求項8】
前記送信部は、前記商品またはサービスの情報のうち、前記スコア算出部で算出した前記単位毎の前記スコアが予め定められた値以上である部分の背景を、前記スコアに応じて異なる態様として前記情報端末へ送信する、
ことを特徴とする請求項2に記載の支援装置。
【請求項9】
前記情報取得部は、ネットワーク上で掲載される前記商品またはサービスの情報のうち、説明情報および画像情報を取得し、
前記スコア算出部は、前記情報取得部で取得した前記説明情報および画像情報について、前記説明情報および画像情報それぞれについて、予め設定された単位毎に順次スコアを算出する、
ことを特徴とする請求項2に記載の支援装置。
【請求項10】
支援装置による支援方法であって、
ネットワーク上に掲載される情報を取得する情報取得ステップと、
前記情報取得ステップで取得した情報により示される内容について、予め定められた規約違反に対応している可能性を示すスコアを算出するスコア算出ステップと、
前記スコア算出ステップで算出した前記スコアに基づいて、前記規約違反の情報を、オペレータの操作する情報端末へ送信する送信ステップと、
前記送信ステップで送信した前記規約違反の情報のうち、前記オペレータにより選択された前記規約違反の情報を取得する規約違反情報取得ステップと、
前記規約違反情報取得ステップで取得した前記規約違反の情報を、前記情報取得ステップで取得した情報と対応付けて記録する記録ステップと、
前記スコア算出ステップで算出した前記スコアに基づいて、前記情報取得ステップで取得した情報により示される内容に対応する前記規約違反の順序を配列する配列ステップと、を備え、
前記情報取得ステップでは、前記ネットワーク上に掲載される情報のうち、前記オペレータの操作により選択された情報を、前記情報端末から取得し、
前記スコア算出ステップでは、前記情報取得ステップで取得した情報により示される内容と、前記予め定められた規約違反との関連度が高いほど、高いスコアとなるよう学習された学習モデルを用いて前記スコアを算出し、
前記送信ステップでは、前記配列ステップにて配列した前記規約違反の情報を、前記オペレータの操作する前記情報端末へ送信し、
前記記録ステップでは、前記規約違反情報取得ステップで取得した前記規約違反の情報を、前記情報取得ステップで取得した前記オペレータの操作により選択された情報と対応付けて記録する、
ことを特徴とする支援方法。
【請求項11】
支援装置を、
ネットワーク上に掲載される情報を取得する情報取得部、
前記情報取得部で取得した情報により示される内容について、予め定められた規約違反に対応している可能性を示すスコアを算出するスコア算出部、
前記スコア算出部で算出した前記スコアに基づいて、前記規約違反の情報を、オペレータの操作する情報端末へ送信する送信部、
前記送信部で送信した前記規約違反の情報のうち、前記オペレータにより選択された前記規約違反の情報を取得する規約違反情報取得部、
前記規約違反情報取得部で取得した前記規約違反の情報を、前記情報取得部で取得した情報と対応付けて記録する記録部、
前記スコア算出部で算出した前記スコアに基づいて、前記情報取得部で取得した情報により示される内容に対応する前記規約違反の順序を配列する配列部、として機能させ、
前記情報取得部は、前記ネットワーク上に掲載される情報のうち、前記オペレータの操作により選択された情報を、前記情報端末から取得し、
前記スコア算出部は、前記情報取得部で取得した情報により示される内容と、前記予め定められた規約違反との関連度が高いほど、高いスコアとなるよう学習された学習モデルを用いて前記スコアを算出し、
前記送信部は、前記配列部により配列した前記規約違反の情報を、前記オペレータの操作する前記情報端末へ送信し、
前記記録部は、前記規約違反情報取得部で取得した前記規約違反の情報を、前記情報取得部で取得した前記オペレータの操作により選択された情報と対応付けて記録する、
ことを特徴とするプログラム。