(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2025155192
(43)【公開日】2025-10-14
(54)【発明の名称】遊技機
(51)【国際特許分類】
A63F 7/02 20060101AFI20251006BHJP
【FI】
A63F7/02 304D
【審査請求】有
【請求項の数】2
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2024058843
(22)【出願日】2024-04-01
(71)【出願人】
【識別番号】000154679
【氏名又は名称】株式会社平和
(74)【代理人】
【識別番号】100131303
【弁理士】
【氏名又は名称】吉村 徳人
(74)【代理人】
【識別番号】100070183
【弁理士】
【氏名又は名称】吉村 公一
(72)【発明者】
【氏名】伊藤 康仁
(72)【発明者】
【氏名】末竹 佑輔
【テーマコード(参考)】
2C088
【Fターム(参考)】
2C088DA07
2C088EB78
(57)【要約】
【課題】 簡易な構成により可動体の位置を固定する。
【解決手段】 パチンコ機1では、変位させることが可能な可動体ユニット610,620を備えている。そして、遊技盤ユニット10に対して着脱可能な固定具630,640を用いて、遊技盤ユニット10において可動体ユニット610,620の位置を固定することが可能となっている。これによって、簡易な構成により可動体ユニット610,620の位置を固定することが可能となる。
【選択図】
図24
【特許請求の範囲】
【請求項1】
変位させることが可能な可動体を備え、
遊技盤に対して着脱可能な固定具を用いて、前記遊技盤において前記可動体の位置を固定することが可能であることを特徴とする遊技機。
【請求項2】
前記可動体には、前記固定具が備える固定部が挿入される挿入部が設けられ、
前記挿入部は、前記可動体が初期位置に配置されている状態において、遊技者による視認が困難となる位置に設けられていることを特徴とする請求項1に記載の遊技機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、可動体を備える遊技機に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、可動体を備える遊技機が知られている(特許文献1参照)。この遊技機では、電子ディスプレイの前側に出没させることが可能な装飾可動体を備えている。特に、装飾可動体の出現動作を阻止するロック部材が設けられている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、従来の遊技機では、可動体の位置を固定するにあたって、遊技盤の構成が複雑化する恐れがある。
本発明の課題は、簡易な構成により可動体の位置を固定することにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記目的を達成するために、第一の発明に係る遊技機は、変位させることが可能な可動体を備え、遊技盤に対して着脱可能な固定具を用いて、前記遊技盤において前記可動体の位置を固定することが可能であることを特徴とする。
第一の発明に係る遊技機では、遊技盤に対して着脱可能な固定具を用いて、遊技盤において可動体の位置を固定することが可能となっている。これによって、簡易な構成により可動体の位置を固定することが可能となる。
【0006】
第二の発明に係る遊技機は、第一の発明に係る遊技機において、前記可動体には、前記固定具が備える固定部が挿入される挿入部が設けられ、前記挿入部は、前記可動体が初期位置に配置されている状態において、遊技者による視認が困難となる位置に設けられていることを特徴とする。
第二の発明に係る遊技機では、遊技者において、挿入部が視認される事態を抑制することが可能となり、演出性が低下する事態を抑制することが可能となる。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、簡易な構成により可動体の位置を固定することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図5】遊技盤の正面を示し、特に説明に必要な部分を模式的に示した図である。
【
図7】
図6に示す循環ユニット500から一部の部品を取り外した状態を示す図である。
【
図8】パチンコ機の制御系の構成を示すブロック図である。
【
図9】枠制御コマンド受信時処理を示すフローチャートである。
【
図10】持ち球減少報知管理処理を示すフローチャートである。
【
図11】持ち球数監視処理を示すフローチャートである。
【
図12】持ち球ゼロ報知管理処理を示すフローチャートである。
【
図13】賞球監視処理を示すフローチャートである。
【
図14】持ち球増加報知管理処理を示すフローチャートである。
【
図16】遊技盤ユニット10の背面のうち上部を示す斜視図である。
【
図17】遊技盤ユニット10の背面のうち下部を示す斜視図である。
【
図18】上可動体ユニット610の正面側を示す斜視図である。
【
図19】下可動体ユニット620の正面側を示す斜視図である。
【
図20】上可動体固定具630の正面側を示す斜視図である。
【
図21】上可動体固定具630の背面側を示す斜視図である。
【
図22】下可動体固定具640の正面側を示す斜視図である。
【
図23】下可動体固定具640の背面側を示す斜視図である。
【
図24】上可動体固定具630により上可動体ユニット610の位置が固定されている状態を示す側面図である。
【
図25】下可動体固定具640により下可動体ユニット620の位置が固定されている状態を示す側面図である。
【
図26】上可動体固定具630及び下可動体固定具640を取り付けて、前扉ユニット4を閉鎖した状態を示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本発明の実施形態について図面を参照しながら説明する。
本実施形態では、本発明に係る遊技機を、パチンコ機1に適用している。
パチンコ機1は、当該遊技機内で循環される所定個数(本形態では、45[球])の遊技球を遊技に使用することで、遊技球の貸し出しや賞球の払い出しを遊技者に対して直接行うことなく(すなわち、遊技者が遊技球に直接触れることなく)遊技を進行することが可能な遊技機(所謂、「管理遊技機」)となっている。パチンコ機1では、遊技者が所有する遊技球の数(以下、「持ち球数」とする)が、数値データとして管理される。
【0010】
(専用ユニットUN)
パチンコ機1には、外部装置として、専用ユニットUN(
図8参照)が接続されている。
専用ユニットUNは、紙幣挿入口、カード挿入口、表示装置、貸出ボタン等を含んで構成されている。
紙幣挿入口には、紙幣を挿入することが可能となっている。カード挿入口には、遊技球の数に対応する価値情報が記憶される記憶媒体(カード)を挿入することが可能となっている。表示装置には、挿入されている記憶媒体に記憶されている価値情報等を表示することが可能となっている。
専用ユニットUNは、紙幣又はカードが挿入された上で、貸出ボタンが押下操作されるごとに、パチンコ機1に対して、所定の貸し球数(本実施形態では、125[球])の遊技球の貸し出しを指定する貸し出しコマンドを送信する。そして、パチンコ機1は、専用ユニットUNから貸し出しコマンドを受信するごとに、管理されている持ち球数に、所定の貸し球数を加算する。これによって、遊技者は、パチンコ機1において、管理されている持ち球数分の遊技球を発射することが可能となる。
また、パチンコ機1は、管理されている持ち球数が1[球]以上のときに、後述する計数操作が実行されると、持ち球数を価値情報に変換して記憶媒体に記憶させるため、専用ユニットUNに対して、後述する計数コマンドを送信する。
【0011】
(パチンコ機1の全体構成)
まず、パチンコ機1の全体構成を説明する。
図1は、パチンコ機1の斜視図である。
図2は、パチンコ機1の平面図である。
図3は、
図2に示すA-A線に沿う断面図である。
図4は、前扉ユニット4の斜視図である。なお、
図1は、前扉ユニット4を開放している状態を示している。また、
図1から
図4では、前扉ユニット4に含まれる上部装飾ユニットの表示を省略している。
図1及び
図2に示すように、パチンコ機1は、外枠ユニット2と、内枠ユニット3と、前扉ユニット4と、遊技盤ユニット10(
図5参照)と、循環ユニット500(
図6参照)と、を含んで構成されている。
【0012】
(外枠ユニット2)
外枠ユニット2、内枠ユニット3及び前扉ユニット4は、ヒンジ機構を介して、互いに固定されている。これによって、内枠ユニット3は、外枠ユニット2に対して開閉することが可能となっている。また、前扉ユニット4は、内枠ユニット3及び外枠ユニット2のそれぞれに対して開閉することが可能となっている。
外枠ユニット2は、矩形の枠体(外枠)を含んで構成されている。そして、外枠ユニット2が備える外枠は、遊技場の島設備に対して固定される。
【0013】
(内枠ユニット3)
内枠ユニット3は、矩形の枠体(内枠)を含んで構成されている。内枠ユニット3は、外枠ユニット2の内側に配置される。
【0014】
(前扉ユニット4)
前扉ユニット4は、矩形の扉状に形成されている。前扉ユニット4は、矩形の枠体と、枠体の略中央部に配設された透明板4aと、透明板4aを取り囲むように配置された上部装飾ユニット(図示せず)及び下部装飾ユニット40と、下部装飾ユニット40の右側に配置された発射ハンドルユニット6と、を含んで構成されている。
透明板4aは、樹脂、ガラス等の透明な材料により平板状に形成されている。
上部装飾ユニットは、透明板4aの上側に配置されている。上部装飾ユニットは、正面側に向かって膨出する形状を有する膨出部となっている。上部装飾ユニットの内部には、音発生装置(スピーカ)22が配置されている。本実施形態では、上部装飾ユニットの左側の角部において、第1の音発生装置22が配置されており、上部装飾ユニットの右側の角部において、第2の音発生装置22が配置されている。上部装飾ユニットには、枠ランプ20(
図8参照)が配設されている。枠ランプ20は、ダイナミック点灯制御により駆動される複数の発光素子(LED)を含んで構成されている。
下部装飾ユニット40は、透明板4aの下方に配置されている。下部装飾ユニット40は、正面側に向かって膨出する形状を有する膨出部となっている。下部装飾ユニット40の内部には、音発生装置(スピーカ)22が配置されている。本実施形態では、下部装飾ユニット40の左側の端部において、第3の音発生装置22が配置されており、下部装飾ユニット40の右側の端部において、第4の音発生装置22が配置されている。
【0015】
図1から
図4に示すように、下部装飾ユニット40は、計数操作ユニット41と、設定ボタンユニット42と、演出ボタンユニット43と、を含んで構成されている。
計数操作ユニット41は、持ち球数表示部41aと、計数ボタン41bと、を含んで構成されている。具体的に、計数操作ユニット41は、箱状に形成されており、その上面(以下、「表示面」とする)において、持ち球数表示部41aと、計数ボタン41bと、が設けられている。
持ち球数表示部41aは、横並びに配設された所定数(本実施形態では、6個)のデシマルポイント付き7セグメント表示器(発光手段)により構成されており、枠制御基板400において管理されている持ち球数を表示することが可能となっている。持ち球数表示部41aは、計数操作ユニット41の表示面において構成されている。持ち球数表示部41aの表示は、枠制御基板400により制御される。
計数ボタン41bは、遊技者による押下操作が可能となっている。計数操作ユニット41の内部には、計数ボタン41bの押下操作を検出する計数検出スイッチ23(
図8参照)が配置されている。計数検出スイッチ23は、計数ボタン41bが押下操作されるごとに、検出信号を枠制御基板400(
図8参照)に対して出力する。本実施形態では、計数ボタン41bが、円筒状に形成されている。そして、計数ボタン41bの上面(以下、「操作面」とする)は、計数操作ユニット41の表示面に平行している。
【0016】
計数操作ユニット41の表示面は、正面側に向かって傾斜している。すなわち、計数操作ユニット41の表示面は、正面側が低くなり、背面側が高くなるように、傾斜している。これに伴い、計数ボタン41bの操作面についても、正面側に向かって傾斜している。すなわち、計数ボタン41bの操作面についても、正面側が低くなり、背面側が高くなるように、傾斜している。これによって、計数ボタン41bを押下操作する際において、計数ボタン41bを押下する方向が、鉛直方向ではなく、奥側に向かって傾斜した方向(下側かつ奥側の斜め方向)となる。
これによって、計数操作ユニット41の表示面(計数ボタン41bの操作面)が水平に配置されている場合と比較して、計数ボタン41bの押下操作が容易となり、計数ボタン41bの操作性を向上することが可能となる。
また、計数操作ユニット41の表示面(持ち球数表示部41a)が水平に配置されている場合と比較して、枠ランプ20や後述する盤面ランプ21の発光が持ち球数表示部41aに映り込む事態が抑制され、持ち球数表示部41aに表示される持ち球数の視認性が低下する事態を抑制することが可能となる。
さらに、計数操作ユニット41の表示面(持ち球数表示部41a)が水平に配置されている場合と比較して、持ち球数表示部41aに表示される持ち球数(発光)が透明板4aに映り込む事態が抑制され、透明板4aに持ち球数表示部41aの光が反射して視認されることで、遊技者の視点で、遊技盤11の遊技領域30を流下する遊技球の視認性が阻害されたり、盤面ランプ21による発光演出が阻害されたりする事態を抑制することが可能となり、遊技の興趣の低下を抑制することが可能となる。
【0017】
計数操作ユニット41は、下部装飾ユニット40の上面に配置されている。ここで、パチンコ機1では、正面側から見て、発射ハンドルユニット6(発射ハンドル)が、下部装飾ユニット40の右側に配置されている。そこで、本実施形態では、計数操作ユニット41を、下部装飾ユニット40の左右方向の中央よりも左側(すなわち、発射ハンドルユニット6の逆側)に配置している。これによって、遊技者において、右手により発射ハンドルユニット6(発射ハンドル)を操作しつつ、左手により計数ボタン41bを操作することが可能となり、遊技を進行しつつ、計数操作を実行する場合の操作性を向上することが可能となる。
特に、本実施形態では、正面側から見て、専用ユニットUNが、パチンコ機1の左側に配置されている。そこで、計数操作ユニット41を、下部装飾ユニット40の左右方向の中央よりも左側(すなわち、専用ユニットUN側)に配置することで、計数操作ユニット41を、下部装飾ユニット40の左右方向の中央よりも右側(すなわち、専用ユニットUNの逆側)に配置した場合と比較して、専用ユニットUNの表示装置と持ち球数表示部41aとの間隔を狭くすることが可能となり、計数操作・貸し玉操作の実行時に、視線移動の距離を短くすることが可能となる。
さらに、本実施形態では、後述するように、遊技盤11(遊技領域30)において、複数の発光素子からなる盤面ランプ21が配設されている。この際、正面側から見て、遊技盤11(遊技領域30)の正面について、左右方向の中央を通る鉛直線により、左右に2分割した場合に、左右方向の中央を通る鉛直線より左側の領域に配置されている発光素子(盤面ランプ21を構成する発光素子)の数が、左右方向の中央を通る鉛直線より右側の領域に配置されている発光素子(盤面ランプ21を構成する発光素子)の数より少なくなっている。特に、正面側から見て、遊技盤11(遊技領域30)の正面について、左右方向の中央を通る鉛直線と、上下方向の中央を通る水平線と、により、上下左右に4分割した場合に、左右方向の中央を通る鉛直線より左側、かつ、上下方向の中央を通る水平線より下側の領域に配置されている発光素子(盤面ランプ21を構成する発光素子)の数が、他の各領域(左右方向の中央を通る鉛直線より左側、かつ、上下方向の中央を通る水平線より上側の領域、左右方向の中央を通る鉛直線より右側、かつ、上下方向の中央を通る水平線より下側の領域、左右方向の中央を通る鉛直線より右側、かつ、上下方向の中央を通る水平線より上側の領域)に配置されている発光素子(盤面ランプ21を構成する発光素子)の数より少なくなっている。その上で、計数操作ユニット41を、下部装飾ユニット40の左右方向の中央よりも左側(すなわち、盤面ランプ21を構成する発光素子の数が少ない領域側)に配置している。これによって、盤面ランプ21の発光が持ち球数表示部41aに映り込む事態が抑制され、持ち球数表示部41aに表示される持ち球数の視認性が低下する事態を抑制することが可能となる。
【0018】
下部装飾ユニット40の前面側上部には、壁部44が設けられている。壁部44は、下部装飾ユニット40の前面側上部から後方側に向けて上方に傾斜して延設される(立ち上がる)ように形成されている。壁部44は、計数操作ユニット41の正面側の位置、かつ、第3の音発生装置22の上側の位置において、左右方向に沿って延びるように設けられている。この際、壁部44は、計数操作ユニット41の正面側に対向する(遮る)ように、壁状に形成されている。
壁部44の正面は、下部装飾ユニット40の正面(第3の音発生装置22の正面)に対して、滑らかに連続している。
図2に示すように、壁部44の背面は、傾斜面44aと、鉛直面(図示せず)と、を含んで構成されている。傾斜面44aは、壁部44の頂部から、背面側、かつ、下側に向かって延びる傾斜面となっている。鉛直面は、傾斜面44aの下端から、下側に向かって延びる鉛直面となっている。
特に、計数操作ユニット41は、遊技者が、下部装飾ユニット40の前面側に形成された壁部44に手を置いた状態(手のひらの一部を密着させた状態)で、計数ボタン41bの押下操作が可能となる位置に配置されている。具体的に、遊技者は、左手の各指を壁部44の傾斜面44aや鉛直面に掛けることで、下部装飾ユニット40の一部を把持した状態となり、下部装飾ユニット40に対して左手の重量を預けた状態で、しっかりと左手を置くことが可能となっている。そして、計数操作ユニット41は、遊技者が左手の各指を壁部44に掛けた状態で、指(特に、人差し指)を動かすだけで、計数ボタン41bの押下操作を行うことが可能となる位置に配置されている。この際、傾斜面44aが設けられていることで、指先を計数ボタン41b側に向かって延びるように配置しつつ、鉛直面が設けられていることで、指先による壁部44の把持力が高まり、手振れを防止することが可能となる。以上により、計数ボタン41bの操作性を向上することが可能となる。
また、本実施形態では、壁部44の頂部が、計数ボタン41bの頂部より高い位置に配置されている。これによって、指先による計数ボタン41bの押下操作を容易とすることが可能となる。
さらに、本実施形態では、正面側から見て、壁部44の頂部が、左右方向の外側(本実施形態では、左側)が低く、左右方向の内側(本実施形態では、右側)が高くなるように、傾斜している。これによって、遊技者において、左手の各指を壁部44に掛け易くすることが可能となる。
【0019】
ここで、遊技者が左手の各指を壁部44に掛けると、当該左手の手の平が、第3の音発生装置22の正面に(第3の音発生装置22を覆うように)配置される。そこで、計数操作の実行に伴い、第3の音発生装置22から、重低音(非可聴音域)が出力される構成としても構わない。これによって、計数操作が実行されるごとに、遊技者の左手に微振動を感じさせることが可能となり、計数操作が実行されたことを報知することが可能となる。
例えば、本実施形態では、持ち球数が第1所定数(本実施形態では、1[球])以上のときに、計数ボタン41bの短押し(計数ボタン41の押下操作の継続時間が基準時間未満となる計数操作)が実行されるごとに、持ち球数から第1所定数(本実施形態では、1[球])が減算され、第1所定数を指定する計数コマンドが、枠制御基板400から専用ユニットUNに送信される。一方、持ち球数が第2所定数(本実施形態では、250[球])以上のときに、計数ボタン41bの長押し(計数ボタン41の押下操作の継続時間が基準時間以上となる計数操作)が実行されるごとに、持ち球数から第2所定数が減算され、第2所定数を指定する計数コマンドが、枠制御基板400から専用ユニットUNに送信される。そこで、計数ボタン41bの長押しが実行されるごとに、第3の音発生装置22から、重低音(非可聴音域)が出力され、計数ボタン41bの短押しが実行されるごとに、第3の音発生装置22から、重低音(非可聴音域)が出力されない構成としても構わない。これによって、枠制御基板400から専用ユニットUNへ第2所定数の持ち球が送信されるごとに、遊技者の左手に微振動を感じさせることが可能となり、第2所定数の持ち球が送信されたことを報知することが可能となる。また、計数ボタン41bが4秒以上継続して操作された場合には、遊技者が計数ボタン41bから手指を離した場合であっても、その後の期間において計数ボタン41bが長押しされたものと見做し、全ての持ち球数が第2所定数ずつ計数される「全計数」処理を行うように構成することもできる。「全計数」処理は、持ち球数が残存している状況下で遊技者が計数ボタン41bを操作することで解除可能とすることで、遊技者が一部の持ち球数を継続して遊技に使用することができるように構成することが好ましい。
【0020】
設定ボタンユニット42は、下部装飾ユニット40の上面に配置されている。設定ボタンユニット42は、光量調整ボタン42aと、音量調整ボタン42bと、十字キーボタン42cと、を含んで構成されている。
光量調整ボタン42aは、遊技者による押下操作が可能な2つの操作部(第1の操作部・第2の操作部)を含んで構成されている。設定ボタンユニット42の内部には、各操作部の押下操作を検出する光量調整スイッチ24(
図8参照)が配置されている。光量調整スイッチ24は、第1の操作部が押下操作されるごとに、第1の検出信号を演出制御基板300に対して出力し、第2の操作部が押下操作されるごとに、第2の検出信号を演出制御基板300に対して出力する。光量調整ボタン42aは、枠ランプ20及び盤面ランプ21の光量の調整に使用される。
【0021】
音量調整ボタン42bは、遊技者による押下操作が可能な2つの操作部(第3の操作部・第4の操作部)を含んで構成されている。設定ボタンユニット42の内部には、各操作部の押下操作を検出する音量調整スイッチ25(
図8参照)が配置されている。音量調整スイッチ25は、第3の操作部が押下操作されるごとに、第3の検出信号を演出制御基板300に対して出力し、第4の操作部が押下操作されるごとに、第4の検出信号を演出制御基板300に対して出力する。音量調整ボタン42bは、音発生装置22、又は、ワイヤレスイヤホンから出力される音量の調整に使用される。
十字キーボタン42cは、遊技者による押下操作が可能な4つの操作部(上キーボタン・下キーボタン・左キーボタン・右キーボタン)を含んで構成されている。設定ボタンユニット42の内部には、各操作部の押下操作を検出する十字キースイッチ26(
図8参照)が配置されている。十字キースイッチ26は、上キーボタンが押下操作されるごとに、第5の検出信号を演出制御基板300に対して出力し、下キーボタンが押下操作されるごとに、第6の検出信号を演出制御基板300に対して出力し、左キーボタンが押下操作されるごとに、第7の検出信号を演出制御基板300に対して出力し、右キーボタンが押下操作されるごとに、第8の検出信号を演出制御基板300に対して出力する。十字キーボタン42cは、メニュー画面における各種演出に関する設定に使用される。
【0022】
演出ボタンユニット43は、下部装飾ユニット40の上面に配置されている。演出ボタンユニット43は、演出ボタン5bを含んで構成されている。演出ボタン5bは、遊技者による押下操作が可能となっている。演出ボタンユニット43の内部には、演出ボタン5bの押下操作を検出する演出ボタンスイッチ27(
図8参照)が配置されている。演出ボタンスイッチ27は、演出ボタン5bが押下操作されるごとに、所定の検知信号を演出制御基板300(
図8参照)に対して出力する。演出ボタン5bは、遊技中に実行されるボタン演出(後述する特別図柄抽選の結果を示唆する演出)において使用される。
【0023】
上記のように、前扉ユニット4は、内枠ユニット3及び外枠ユニット2のそれぞれに対して開閉することが可能となっている。本実施形態では、外枠ユニット2、内枠ユニット3及び前扉ユニット4について、左右方向の左側の端部においてヒンジ機構が設けられ、当該ヒンジ機構により互いに固定されている。これによって、
図1に示すように、前扉ユニット4は、内枠ユニット3及び外枠ユニット2に対して、左右方向の右側(以下、「開放側」とも言う)を開閉(開放)することが可能となっている。
本実施形態では、設定ボタンユニット42(光量調整ボタン42a・音量調整ボタン42b・十字キーボタン42c)、及び、演出ボタンユニット43(演出ボタン5b)が、計数操作ユニット41(計数ボタン41b)に対して、左右方向の開放側(本実施形態では、右側)に配置されている。また、設定ボタンユニット42(光量調整ボタン42a・音量調整ボタン42b・十字キーボタン42c)が、演出ボタンユニット43(演出ボタン5b)に対して、左右方向の開放側(本実施形態では、右側)に配置されている。
ここで、パチンコ機1の開発時・出荷時には、前扉ユニット4を開放した状態で、計数ボタン41bを押下操作することにより、計数ボタン41bの動作確認を行う必要がある。この際、計数ボタン41bを左右方向の開放側(本実施形態では、右側)から見たときに、設定ボタンユニット42及び演出ボタンユニット43のうち何れかのユニットが、計数ボタン41bに重なっていると、計数ボタン41bの操作が困難となる。換言すると、計数ボタン41bを左右方向の開放側(本実施形態では、右側)から見たときに、設定ボタンユニット42及び演出ボタンユニット43のうち何れかのユニットにより、計数ボタン41bが隠蔽されていると、計数ボタン41bの操作が困難となる。
そこで、パチンコ機1では、計数ボタン41bを左右方向の開放側(本実施形態では、右側)から見たときに、設定ボタンユニット42及び演出ボタンユニット43が、計数ボタン41b(計数ボタン41bの少なくとも一部)に重ならない構成となっている。換言すると、計数ボタン41bを左右方向の開放側(本実施形態では、右側)から見たときに、設定ボタンユニット42及び演出ボタンユニット43により、計数ボタン41b(計数ボタン41bの少なくとも一部)が隠蔽されない構成となっている。
【0024】
具体的に、
図3に示すように、演出ボタンユニット43(演出ボタン5b)の高さ(演出ボタン5bの頂部の高さ)は、計数操作ユニット41(計数ボタン41b)の高さ(計数ボタン41bの頂部の高さ)より高くなっている。そこで、前後方向の位置について、計数操作ユニット41(計数ボタン41b)の位置が、操作ユニット41(計数ボタン41b)の位置に対して、正面側にずれるように、演出ボタンユニット43(演出ボタン5b)を配置している。すなわち、演出ボタンユニット43の背面側の端部が、計数操作ユニット41(計数ボタン41b)の正面側の端部より正面側に位置するように、演出ボタンユニット43(演出ボタン5b)を配置している。
また、上下方向の位置について、設定ボタンユニット42(光量調整ボタン42a・音量調整ボタン42b・十字キーボタン42c)の位置が、操作ユニット41(計数ボタン41b)の位置に対して、下側にずれるように、設定ボタンユニット42(光量調整ボタン42a・音量調整ボタン42b・十字キーボタン42c)を配置している。すなわち、設定ボタンユニット42(光量調整ボタン42a・音量調整ボタン42b・十字キーボタン42c)の高さ(光量調整ボタン42a・音量調整ボタン42b・十字キーボタン42cの頂部の高さ)が、計数操作ユニット41(計数ボタン41b)の高さより低くなるように、設定ボタンユニット42(光量調整ボタン42a・音量調整ボタン42b・十字キーボタン42c)を配置している。
【0025】
特に、本実施形態では、
図2に示すように、パチンコ機1を上側から見たときに、左右方向に沿って延びる仮想線のうち、計数ボタン41bの操作面の上端(背面側の端)を通る仮想線を第1仮想線L1とし、計数ボタン41bの操作面の下端(正面側の端)を通る仮想線を第2仮想線L2とした場合に、第1仮想線L1及び第2仮想線L2について、演出ボタンユニット43(演出ボタン5b)に重ならないように構成されている。これによって、左右方向の開放側(本実施形態では、右側)から見たときに、演出ボタンユニット43が、計数ボタン41b(計数ボタン41bの少なくとも一部)に重なる事態を防止することが可能となる。
また、本実施形態では、パチンコ機1を上側から見たときに、第1仮想線L1及び第2仮想線L2について、設定ボタンユニット42(光量調整ボタン42a・音量調整ボタン42b・十字キーボタン42c)に重なるように構成されている。これによって、パチンコ機1の開発時・出荷時において、手を左右方向(
図2に示す左右方向)に沿って直線的に移動させるだけで、計数ボタン41b、光量調整ボタン42a、音量調整ボタン42b、及び、十字キーボタン42cを押下操作することが可能となり、各ボタンの動作確認を容易とすることが可能となる。
【0026】
発射ハンドルユニット6は、発射ハンドル(図示せず)と、タッチセンサ411(
図8参照)と、発射停止ボタン(図示せず)と、を含んで構成されている。
発射ハンドルは、遊技者による回転操作が可能となっている。発射ハンドルユニット6の内部には、発射ハンドルが回転操作された角度を検出する発射ボリューム410(
図8参照)が配置されている。発射ボリューム410は、検出した角度に応じた検出信号を枠制御基板400(
図8参照)に対して出力する。
タッチセンサ411は、静電容量の変化に基づいて、遊技者による発射ハンドルへの接触(把持)を検出する。そして、タッチセンサ411は、遊技者による発射ハンドルへの接触が検出されているときに、タッチ信号を枠制御基板400に対して出力する(タッチ信号をON状態とする)。一方、タッチセンサ411は、遊技者による発射ハンドルへの接触が検出されていないときに、枠制御基板400に対するタッチ信号の出力を停止する(タッチ信号をOFF状態とする)。
発射停止ボタンは、遊技者による押下操作が可能となっている。発射ハンドルユニット6の内部には、発射停止ボタンの押下操作を検出する発射停止スイッチ412(
図8参照)が配置されている。発射停止スイッチ412は、発射停止ボタンの押下操作が検出されていないときに、発射停止信号を枠制御基板400に対して出力する(発射停止信号をON状態とする)。一方、発射停止スイッチ412は、発射停止ボタンの押下操作が検出されているときに、枠制御基板400に対する発射停止信号の出力を停止する(発射停止信号をOFF状態とする)。
【0027】
(遊技盤ユニット10)
次に、遊技盤ユニット10の構成を説明する。
図5は、遊技盤の正面を示し、特に説明に必要な部分を模式的に示した図である。なお、
図5では、上可動体ユニット610、及び、下可動体ユニット620の表示を省略している。
遊技盤ユニット10は、内枠ユニット3により支持されている。具体的に、遊技盤ユニット10は、内枠ユニット3が備える内枠の内側に取り付けられている。これによって、遊技盤ユニット10は、前扉ユニット4の背面側に配置される。そして、遊技者は、透明板4aを介して、後述する遊技盤11(遊技領域30)を視認することが可能となっている。本実施形態では、透明板4aの背面と遊技盤11の正面との間に、後述する遊技領域30が構成される。
図5に示すように、遊技盤ユニット10は、遊技盤11と、遊技盤11に取り付けられた各種演出装置(画像表示装置31、盤面ランプ21、上可動体ユニット610、下可動体ユニット620等)と、を備えている。
【0028】
遊技盤11は、樹脂により、平板状に形成されている。
遊技盤11の正面には、発射ハンドルの回転操作に応じて打ち出された遊技球が流下する遊技領域30が形成されている。具体的に、遊技盤11の正面には、内レール部材12と、外レール部材13と、が取り付けられている。そして、遊技盤11の正面では、内レール部材12、外レール部材13等によって、遊技領域30が区画されている。
内レール部材12は、樹脂等により形成されている。内レール部材12は、正面側から見て、円弧状に構成されている。そして、内レール部材12の外周面は、遊技球を誘導する内側誘導面(内レール)12aを構成する。
外レール部材13は、樹脂等により形成されている。外レール部材13は、正面側から見て、円弧状に構成されている。そして、外レール部材13の内周面は、遊技球を誘導する外側誘導面(外レール)13aを構成する。
本実施形態では、遊技盤11の正面(盤面)において、遊技領域30として、画像表示装置31(表示画面31a)の左側に形成された左側遊技領域RLと、画像表示装置31の右側に形成された右側遊技領域RRと、が形成されている。そして、遊技者は、発射ハンドルの回転操作量を調整することによって、意図する遊技領域RL,RRに対して、遊技球を打ち出す(流入させる)ことが可能となっている。
具体的に、遊技盤11の正面では、内レール部材12の内側誘導面12a、及び、外レール部材13の外側誘導面13aが、所定の間隔で、互いに向き合った状態で配置されている。そして、内側誘導面12aと外側誘導面13aとの間において、発射ハンドルの回転操作に応じて打ち出された遊技球を遊技領域30へ誘導する発射通路r1が構成されている。
また、遊技領域30には、発射通路r1から打ち出された遊技球を右側経路へ誘導(案内)する誘導通路r2が形成されている。誘導通路r2は、遊技領域30の上端部に形成されている。誘導通路r2は、誘導通路r2は、正面側から見て、円弧状に延びている。
そして、発射ハンドルの回転操作に応じて打ち出された遊技球は、発射通路r1を通過して、遊技領域へ流入する。この際、打ち出された遊技球の勢いが弱い場合、発射通路r1を通過した遊技球は、左側遊技領域RLへ流入する。一方、打ち出された遊技球の勢いが強い場合、発射通路r1を通過した遊技球は、誘導通路r2を通過して、右側遊技領域RRへ流入する。
【0029】
左側遊技領域RLには、遊技球が流下する経路(通路)として、複数の経路が形成されている。そして、遊技者は、発射ハンドルの回転操作量を調整することによって、意図する経路に対して、遊技球を打ち出す(流入させる)ことが可能となっている。
左側遊技領域RLには、第1始動口51と、左上他入賞口55aと、左中他入賞口55bと、左下他入賞口55cと、が設けられている。
第1始動口51は、ポケット状に形成されている。第1始動口51は、上向きに開口しており、常時、遊技球の入球が可能となっている。第1始動口51は、左側遊技領域RLを流下する遊技球の入球が可能となっている。
遊技盤11の背面側には、特
図1始動口スイッチ101(
図8参照)が配設されている。特
図1始動口スイッチ101は、第1始動口51へ入球した遊技球(第1始動口51への遊技球の入球)の検出に応じて、検出信号を主制御基板200に対して出力する。主制御基板200は、特
図1始動口スイッチ101からの検出信号の入力に応じて、第1特別図柄抽選を実行する。
各他入賞口55a~55cは、ポケット状に形成されている。各他入賞口55a~55cは、上向きに開口しており、常時、遊技球の入球が可能となっている。各他入賞口55a~55cは、左側遊技領域RLを流下する遊技球の入球が可能となっている。
遊技盤11の背面側には、左入賞口スイッチ106(
図8参照)が配設されている。左入賞口スイッチ106は、左上他入賞口55aに入球した遊技球(左上他入賞口55aへの遊技球の入球)、左中他入賞口55bに入球した遊技球(左中他入賞口55bへの遊技球の入球)、及び、左下他入賞口55cに入球した遊技球(左下他入賞口55cへの遊技球の入球)の検出に応じて、検出信号を主制御基板200に対して出力する。主制御基板200は、左入賞口スイッチ106からの検出信号の入力に応じて、枠制御装置400に対して賞球指定コマンドを送信する。
左側遊技領域RLには、各入賞口51,55a~55cへ遊技球を導くように複数の釘(図示せず)が配置されている。
【0030】
遊技盤11は、上アタッカーユニット70と、下アタッカーユニット80と、を含んで構成されている。上アタッカーユニット70及び下アタッカーユニット80は、個別のユニットとなっている。下アタッカーユニット80は、上アタッカーユニット70の下方(下流側)に配置されている。そして、遊技盤11では、上アタッカーユニット70及び下アタッカーユニット80により、右側遊技領域RRが形成されている。この際、上アタッカーユニット70は、右側遊技領域RRの上流側を形成し、下アタッカーユニット80は、右側遊技領域RRの下流側を形成する。
上アタッカーユニット70は、始動ゲート41と、第2大入賞口54と、を含んで構成されている。また、下アタッカーユニット80は、第1大入賞口53と、第2始動口52と、作動口56と、を含んで構成されている。
【0031】
右側領域RRの最上流には、始動ゲート41が配置されている。始動ゲート41は、常時、遊技球による通過が可能となるように形成されている。始動ゲート41は、右側遊技領域RRを流下する遊技球による通過が可能となっている。
始動ゲート41には、第1ゲートスイッチ104a(
図8参照)が配設されている。第1ゲートスイッチ104aは、始動ゲート41を通過する遊技球(遊技球による始動ゲート41の通過)の検出に応じて、検出信号を主制御基板200に対して出力する。主制御基板200は、第1ゲートスイッチ104aからの検出信号の入力に応じて、普通図柄抽選を実行する。
【0032】
右側領域RRにおける始動ゲート41の下流側には、第2大入賞口54が配置されている。第2大入賞口54は、右側遊技領域RRを流下する遊技球の入球が可能となっている。
第2大入賞口54は、正面側に向かって開口している。第2大入賞口54には、第2大入賞口54への遊技球の入球を困難(不可能)にする閉鎖状態と、第2大入賞口54への遊技球の入球を容易(可能)にする開放状態と、に変位することが可能な第2特別電動役物(特別電役)54aが設けられている。
第2特別電動役物54aは、第2大入賞口ソレノイド66(
図8参照)によって開閉される。第2大入賞口54は、通常時は、第2特別電動役物54aが閉鎖状態とされて、遊技球の入球が不可能となっているが、大当り遊技状態が生起された場合に、第2特別電動役物54aが開放状態とされて、遊技球の入球が可能となる。
第2大入賞口54内には、第2カウントスイッチ103b(
図8参照)が配設されている。第2カウントスイッチ103bは、第2大入賞口54に入球した遊技球(第2大入賞口54への遊技球の入球)の検出に応じて、検出信号を主制御基板200に対して出力する。主制御基板200は、第2カウントスイッチ103bからの検出信号の入力に応じて、枠制御装置400に対して賞球指定コマンドを送信する。
【0033】
右側領域RRにおける第2大入賞口54の下流側には、第1大入賞口53が配置されている。第1大入賞口53は、右側遊技領域RRを流下する遊技球の入球が可能となっている。
第1大入賞口53は、上側に向かって開口している。第1大入賞口53には、第1大入賞口53への遊技球の入球を困難(不可能)にする閉鎖状態と、第1大入賞口53への遊技球の入球を容易(可能)にする開放状態と、に変位することが可能な第1特別電動役物(特別電役)53aが設けられている。
第1特別電動役物53aは、第1大入賞口ソレノイド65(
図8参照)によって開閉される。第1大入賞口53は、通常時は、第1特別電動役物53aが閉鎖状態とされて、遊技球の入球が不可能となっているが、小当り遊技状態が生起された場合に、第1特別電動役物53aが開放状態とされて、遊技球の入球が可能となる。
第1大入賞口53内には、第1カウントスイッチ103a(
図8参照)が配設されている。第1カウントスイッチ103aは、第1大入賞口53に入球した遊技球(第1大入賞口53への遊技球の入球)の検出に応じて、検出信号を主制御基板200に対して出力する。主制御基板200は、第1カウントスイッチ103aからの検出信号の入力に応じて、枠制御装置400に対して賞球指定コマンドを送信する。
また、第1大入賞口53内には、V領域(図示せず)と、排出領域(図示せず)と、第1大入賞口53内に入球した遊技球を、V領域及び排出領域のうち、一方の領域へ振り分ける振分手段53bと、が設けられている。
V領域には、V領域スイッチ105a(
図8参照)が配設されている。V領域スイッチ105aは、V領域を通過する遊技球(遊技球によるV領域の通過)の検出に応じて、検出信号を主制御基板200に対して出力する。主制御基板200は、V領域スイッチ105aからの検出信号の入力を契機として、大当り遊技状態を生起させる。
排出領域には、排出領域スイッチ105b(
図8参照)が配設されている。排出領域スイッチ105bは、排出領域を通過する遊技球(遊技球による排出領域の通過)の検出に応じて、検出信号を主制御基板200に対して出力する。主制御基板200は、第1カウントスイッチ103aから入力される検出信号と、V領域スイッチ105aから入力される検出信号と、排出領域スイッチ105bから入力される検出信号と、に基づいて、不正入賞エラーの判定を実行する。
振分手段53bは、第1大入賞口53内に入球した遊技球をV領域(後述する第1分岐通路Ra)へ振り分けることが可能となるV通過状態と、第1大入賞口53内に入球した遊技球を排出領域(後述する第2分岐通路Rb)へ振り分けることが可能となる非V通過状態と、に変位することが可能となっている。すなわち、振分手段53bがV通過状態に変位されている場合、第1大入賞口53内に入球した遊技球は、全て、V領域(第1分岐通路Ra)へ振り分けられる。一方、振分手段53bが非V通過状態に変位されている場合、第1大入賞口53内に入球した遊技球は、全て、排出領域(第2分岐通路Rb)へ振り分けられる(第1大入賞口53内に入球した遊技球によるV領域の通過が不可能となる)。
振分手段53bは、V振分ソレノイド67(
図8参照)によって変位される。
第1大入賞口53内に入球した遊技球は、まず、第1カウントスイッチ103aにより検出され、その後、振分手段53bにより、V領域(第1分岐通路Ra)及び排出領域(第2分岐通路Rb)のうち、一方の領域(通路)へ振り分けられ、当該領域(通路)を通過した後に、遊技盤11の背面側(アウト通路)へ排出される。
【0034】
右側領域RRにおける第1大入賞口53の下流側には、第2始動口52が設けられている。第2始動口52は、右側遊技領域RRを流下する遊技球の入球が可能となっている。
第2始動口52は、右側に向かって開口している。第2始動口52には、第2始動口52への遊技球の入球を困難(不可能)にする閉鎖状態と、第2始動口52への遊技球の入球を容易(可能)にする開放状態と、に変位することが可能な普通電動役物(普通電役)52a(いわゆる「電動チューリップ」)が設けられている。
普通電動役物52aは、普通電動役物ソレノイド64(
図8参照)によって開閉される。第2始動口52は、通常時は、普通電動役物52aが閉鎖状態とされて、遊技球の入球が不可能となっているが、普通図柄抽選に当選した場合に、普通電動役物52aが開放状態とされて、遊技球の入球が可能となる。
第2始動口52内には、特
図2始動口スイッチ102(
図8参照)が配設されている。特
図2始動口スイッチ102は、第2始動口52に入球した遊技球(第2始動口52への遊技球の入球)の検出に応じて、検出信号を主制御基板200に対して出力する。主制御基板200は、特
図2始動口スイッチ102からの検出信号の入力に応じて、第2特別図柄抽選を実行する。
【0035】
右側領域RRにおける第2始動口52の下流側には、作動口56が設けられている。作動口56は、右側遊技領域RRを流下する遊技球の入球が可能となっている。
作動口56は、上向きに開口した入球口であり、常時、遊技球の入球が可能となっている。
作動口56内には、第2ゲートスイッチ104b(
図8参照)が配置されている。第2ゲートスイッチ104bは、作動口56に入球した遊技球(作動口56への遊技球の入球)の検出に応じて、検出信号を主制御基板200に対して出力する。主制御基板200は、第2作動口スイッチ104bからの検出信号の入力に応じて、普通図柄抽選を実行する。
【0036】
右側領域RRにおける作動口56の右方には、アウト口57が設けられている。アウト口57は、右側遊技領域RRを流下する遊技球の入球が可能となっている。
アウト口57は、右側に向かって開口しており、常時、遊技球の入球が可能となっている。
また、遊技領域30における最下流には、いずれの入賞口51~56にも入球(入賞)しなかった遊技球を排出するためのアウト口58が設けられている。
ここで、内枠ユニット3には、遊技領域30から排出された遊技球が通過するアウト通路(図示せず)が含まれている。具体的には、アウト通路は、内枠ユニット3が備える内枠の背面側に取り付けられている。そして、パチンコ機1では、遊技領域30に打ち出された全ての遊技球(遊技領域30から排出された全ての遊技球)が、アウト通路を通過するように構成されている。すなわち、遊技領域30に打ち出された遊技球は、いずれかの入賞口51~56に入球することによって、又は、アウト口57,58を通過することによって、遊技領域30から排出され、アウト通路へ流入する。
具体的には、各入賞口51~56に入球した遊技球は、当該入賞口内に配設されたスイッチ101,102,103a,103b,104b,105a,105b,106により検出された後に、アウト通路に誘導される。また、アウト口57,58から排出された遊技球は、アウト通路に誘導される。
内枠ユニット3には、アウト球スイッチ571(
図8参照)が配設されている。そして、アウト球スイッチ571は、アウト通路を通過する遊技球(遊技領域30から排出された遊技球)の検出に応じて、検出信号を枠制御基板400に対して出力する。これによって、遊技領域30から排出された全ての遊技球は、アウト球スイッチ571によって検出される。
さらに、遊技領域30には、各入賞口51~56に遊技球を導くように複数の釘(図示せず)が配置されている。
【0037】
遊技盤11の遊技領域30には、盤面ランプ21(
図8参照)が配設されている。盤面ランプ21は、ダイナミック点灯制御により駆動される発光素子(LED)を含んで構成されている。
画像表示装置31は、液晶ディスプレイ、CRT(Cathode Ray Tube)ディスプレイ等の可変表示装置によって構成される。画像表示装置31は、演出画像を表示することが可能な表示画面31aを有している。画像表示装置31の表示は、演出制御基板300により制御される。
表示画面31aには、第1演出図柄z1(図示せず)が表示される3つの第1演出図柄表示領域a1~a3(図示せず)と、第2演出図柄z2(図示せず)が表示される1つの第2演出図柄表示領域a4(図示せず)と、を構成することが可能となっている。
第1演出図柄z1は、数字、文字、記号、キャラクター等の識別情報(図柄)を含んで構成されている。各第1演出図柄表示領域a1~a3では、第1演出図柄z1の変動表示及び停止表示を行うことが可能となっている。第2演出図柄z2は、カラーバーから構成されている。第2演出図柄表示領域a4では、第2演出図柄z2の変動表示及び停止表示を行うことが可能となっている。
演出図柄z1,z2の変動表示とは、各第1演出図柄表示領域a1~a3において、第1演出図柄z1が移動(スクロール)され、かつ、第2演出図柄表示領域a4に表示されている第2演出図柄z2の種類が変更される(カラーバーが表す色が、順次、変更される)表示をいう。
演出図柄z1,z2の停止表示とは、各第1演出図柄表示領域a1~a3の抽選結果表示位置において、一の種類の第1演出図柄z1が停止され、かつ、第2演出図柄表示領域a4において、一の種類の第2演出図柄z2が表示される(カラーバーが所定の色を表す)表示をいう。
そして、3つの第1演出図柄表示領域a1~a3において停止表示された第1演出図柄z1と、第2演出図柄表示領域a4において停止表示された第2演出図柄z2と、の組み合わせによって、特別図柄抽選(第1特別図柄抽選又は第2特別図柄抽選)の結果が表示される。
また、表示画面31aには、保留図柄hz(図示せず)が表示される保留図柄表示領域b1,b2(図示せず)を構成することが可能となっている。
保留図柄表示領域b1には、報知表示(特別図柄の変動表示及び停止表示)中の始動情報に対応する保留図柄hzが表示される。保留図柄表示領域b2には、報知表示が保留されている始動情報に対応する保留図柄hzが表示される。
【0038】
遊技盤11には、メイン表示器60が配設されている。メイン表示器60は、複数の点灯素子(セグメント)を含んで構成されている。各点灯素子は、発光素子(本実施形態では、LED)により構成されている。メイン表示機60の表示は、主制御基板200により制御される。
メイン表示器60には、遊技に関する情報が表示される。すなわち、メイン表示器60は、特
図1表示装置と、特
図2表示装置と、普図表示装置と、状態表示装置と、を含んで構成されている。
具体的には、メイン表示器60は、32の点灯素子(LED1~LED32)を含んで構成されている。そして、メイン表示器60では、LED1~LED8が、特
図1表示装置となり、LED7~LED16が、特
図2表示装置となり、LED17~LED24が、普図表示装置となり、LED25~LED32が、状態表示装置となっている。
【0039】
特
図1表示装置は、数字や図柄等からなる第1特別図柄の変動表示及び停止表示を行うことが可能となっている。そして、特
図1表示装置では、停止表示された第1特別図柄によって、第1特別図柄抽選の結果が表示される。
特
図2表示装置は、数字や図柄等からなる第2特別図柄の変動表示及び停止表示を行うことが可能となっている。そして、特
図2表示装置では、停止表示された第2特別図柄によって、第2特別図柄抽選の結果が表示される。
ここで、特図表示装置における特別図柄(第1特別図柄又は第2特別図柄)の表示と、演出図柄表示領域a1~a4における演出図柄z1,z2の表示とは、変動表示が開始される時期、停止表示が開始される時期、及び、停止表示された図柄が示す抽選結果のそれぞれについて対応付けられている。
そして、特
図1表示装置に停止表示された第1特別図柄(停止図柄)が特定の図柄(小当り図柄)となった場合、又は、特
図2表示装置において停止表示された第2特別図柄(停止図柄)が特定の図柄(小当り図柄)となった場合には、遊技者に有利な遊技状態である小当り遊技状態が生起される。
【0040】
普図表示装置は、数字や図柄等からなる普通図柄の変動表示及び停止表示を行うことが可能となっている。そして、普図表示装置では、停止表示された普通図柄によって、普通図柄抽選の結果が表示される。そして、普図表示装置に停止表示された普通図柄が特定の図柄(普図当り図柄)となった場合には、遊技者に有利な遊技状態である普図当り遊技状態が生起される。
状態表示装置には、第1特別図柄抽選の抽選結果の表示が保留されている回数(特
図1保留数)、第2特別図柄抽選の抽選結果の表示が保留されている回数(特
図2保留数)、普通図柄抽選の抽選結果の表示が保留されている回数(普図保留数)、右側遊技領域RRへの遊技球の打ち出しの指示等が表示される。
【0041】
また、パチンコ機1には、各種の異常状態を検出する検出センサが配設されている。
本実施形態では、検出センサとして、ガラス枠開放センサ107、内枠開放センサ108、振動検出センサ113、電波検出センサ114、磁気検出センサ115等が配設されている。
ガラス枠開放センサ107は、内枠ユニット3に対する前扉ユニット4の開放を検出する。そして、ガラス枠開放センサ107は、内枠ユニット3に対する前扉ユニット4の開放に応じて、検出信号を、枠制御基板400に対して送信する。
内枠開放センサ108は、外枠ユニット2に対する内枠ユニット3の開放を検出する。そして、内枠開放センサ108は、外枠ユニット2に対する内枠ユニット3の開放に応じて、検出信号を、枠制御基板400に対して送信する。
振動検出センサ113は、遊技盤11の振動を検出する。本実施形態では、振動検出センサ113は、遊技盤11に配設されている。そして、振動検出センサ113は、遊技盤11の振動の検出に応じて、検出信号を、主制御基板200に対して送信する。
【0042】
電波検出センサ114は、遊技盤11の周辺に発生する電波を検出する。本実施形態では、遊技盤11において、2つの電波検出センサ114が配設されている。そして、各電波検出センサ114は、電波の検出に応じて、検出信号を、主制御基板200に対して送信する。
磁気検出センサ115は、遊技盤11の周辺に発生する磁気を検出する。本実施形態では、遊技盤11において、磁気検出センサ115が配設されている。そして、磁気検出センサ115は、磁気の検出に応じて、検出信号を、主制御基板200に対して送信する。
【0043】
(搬送時における各可動体ユニット610,620の位置の固定方法)
次に、搬送時における各可動体ユニット610,620の位置の固定方法について説明する。
図15は、遊技盤ユニット10の正面図である。
図16は、遊技盤ユニット10の背面のうち上部を示す斜視図である。
図17は、遊技盤ユニット10の背面のうち下部を示す斜視図である。
図18は、上可動体ユニット610の正面側を示す斜視図である。
図19は、下可動体ユニット620の正面側を示す斜視図である。
図20は、上可動体固定具630の正面側を示す斜視図である。
図21は、上可動体固定具630の背面側を示す斜視図である。
図22は、下可動体固定具640の正面側を示す斜視図である。
図23は、下可動体固定具640の背面側を示す斜視図である。
図24は、上可動体固定具630により上可動体ユニット610の位置が固定されている状態を示す側面図である。
図25は、下可動体固定具640により下可動体ユニット620の位置が固定されている状態を示す側面図である。
図26は、上可動体固定具630及び下可動体固定具640を取り付けて、前扉ユニット4を閉鎖した状態を示す斜視図である。
なお、
図15では、遊技盤11に配置されている各種構成部材(上アタッカーユニット70、下アタッカーユニット80等)の表示を省略している。
【0044】
図15に示すように、遊技盤ユニット10は、上可動体ユニット610と、下可動体ユニット620と、を含んで構成されている。
図16及び
図17に示すように、各可動体ユニット610,620は、遊技盤11の背面側に配置されている。
図18に示すように、上可動体ユニット610は、ベース部611と、ベース部611の正面側に取り付けられた装飾部612と、を含んで構成されている。ベース部611の左端部には、後述する固定ピン632の先端部が挿入されるピン挿入孔613が設けられている。ピン挿入孔613は、前後方向に沿って延びている。ピン挿入孔613の内径は、固定ピン632の外径と略同一となっている。ピン挿入孔613の入口(正面側の端部)には、入口側(正面側)に向かうほど内径が大きくなるテーパー部が設けられている。装飾部612の正面には、装飾(意匠)が施されている。
上可動体ユニット610は、遊技盤11に対して、上下方向に沿って変位させることが可能となっている。具体的に、上可動体ユニット610は、初期位置(
図15参照)と、初期位置に対して下方の演出位置(図示せず)と、に変位させることが可能となっている。上可動体ユニット610が初期位置に配置されているときには、上可動体ユニット610の上部について、遊技盤11の背面側に隠蔽され、正面側から見て、遊技者による視認が困難となる。特に、上可動体ユニット610が初期位置に配置されているときには、ピン挿入孔613について、遊技盤11の背面側に隠蔽され、正面側から見て、遊技者による視認が困難となる。一方、上可動体ユニット610が演出位置に配置されているときには、上可動体ユニット610の略全体について、遊技盤11の内側の孔から露出して、正面側から見て、遊技者による視認が容易となる。ただし、上可動体ユニット610が初期位置に配置されているときには、ピン挿入孔613について、遊技盤11の背面側に隠蔽され、正面側から見て、遊技者による視認が困難となる。
上可動体ユニット610は、駆動機構(図示せず)により駆動(変位)される。駆動機構は、モータと、リンク機構と、を含んで構成されている。モータは、ステッピングモータとなっている。そして、モータを駆動することにより、リンク機構を介して、上可動体ユニット610を駆動(変位)することが可能となっている。また、遊技盤ユニット10には、位置検出センサ(図示せず)が設けられている。位置検出センサは、フォトセンサ等によって構成されている。位置検出センサは、上可動体ユニット610の位置を検出する。そして、演出制御基板300では、位置検出センサからの検出信号の入力状況によって、上可動体ユニット610が初期位置に配置されているか否かを検出することが可能となっている。
【0045】
図19に示すように、下可動体ユニット620は、ベース部621と、ベース部621の正面側に取り付けられた装飾部622と、を含んで構成されている。ベース部621の下端部には、後述する固定ピン642の先端部が挿入されるピン挿入孔623が設けられている。ピン挿入孔623は、前後方向に沿って延びている。ピン挿入孔623の内径は、固定ピン642の外径と略同一となっている。ピン挿入孔623の入口(正面側の端部)には、入口側(正面側)に向かうほど内径が大きくなるテーパー部が設けられている。装飾部622の正面には、装飾(意匠)が施されている。
下可動体ユニット620は、遊技盤11に対して、上下方向に沿って変位させることが可能となっている。具体的に、下可動体ユニット620は、初期位置(
図15参照)と、初期位置に対して上方の演出位置(図示せず)と、に変位させることが可能となっている。下可動体ユニット620が初期位置に配置されているときには、下可動体ユニット610の下部について、遊技盤11の背面側に隠蔽され、正面側から見て、遊技者による視認が困難となる。特に、下可動体ユニット620が初期位置に配置されているときには、ピン挿入孔623について、遊技盤11の背面側に隠蔽され、正面側から見て、遊技者による視認が困難となる。一方、下可動体ユニット620が演出位置に配置されているときには、下可動体ユニット620の略全体について、遊技盤11の内側の孔から露出して、正面側から見て、遊技者による視認が容易となる。ここで、下可動体ユニット620が初期位置に配置されているときには、ピン挿入孔623について、遊技盤11の内側の孔から露出して、正面側から見て、遊技者による視認が容易となる。
下可動体ユニット620は、駆動機構(図示せず)により駆動(変位)される。駆動機構は、モータと、リンク機構と、を含んで構成されている。モータは、ステッピングモータとなっている。そして、モータを駆動することにより、リンク機構を介して、上可動体ユニット620を駆動(変位)することが可能となっている。また、遊技盤ユニット10には、位置検出センサ(図示せず)が設けられている。位置検出センサは、フォトセンサ等によって構成されている。位置検出センサは、下可動体ユニット620の位置を検出する。そして、演出制御基板300では、位置検出センサからの検出信号の入力状況によって、下可動体ユニット620が初期位置に配置されているか否かを検出することが可能となっている。
【0046】
パチンコ機1又は遊技盤ユニット10の搬送時には、各可動体ユニット610,620について、振動等により初期位置から動いてしまうと、他の部材との衝突により破損する恐れがある。
従来、パチンコ機1又は遊技盤ユニット10の搬送時において、両可動体ユニット610,620の間においてスポンジを挟み込むことにより、各可動体ユニット610,620の位置を固定する方法が採られていた。しかしながら、この方法では、スポンジ屑が機械の内部に進入してしまい、不具合の原因となる恐れがある。
そこで、本実施形態では、パチンコ機1又は遊技盤ユニット10の搬送時において、上可動体固定具630を用いて、上可動体ユニット610の位置を固定(本実施形態では、初期位置に固定)するとともに、下可動体固定具640を用いて、下可動体ユニット620の位置を固定(本実施形態では、初期位置に固定)する構成としている。
各固定具630,640は、遊技盤ユニット10に対して、着脱可能に構成されている。そして、各固定具630,640は、パチンコ機1又は遊技盤ユニット10の搬送時においてのみ、遊技盤ユニット10に対して装着され、パチンコ機1又は遊技盤ユニット10の搬送が完了して設置された後(特に、遊技中)においては、遊技盤ユニット10から取り外される。
【0047】
図20及び
図21に示すように、上可動体固定具630は、ベース板631と、固定ピン632と、を含んで構成されている。
ベース板631は、樹脂により、平板状に形成されている。ベース板631の正面には、一対の規制片631aが設けられている。各規制片631aは、ベース板631の正面から正面側に向かって突出するように設けられている。ベース板631の背面には、嵌合凸部631bが設けられている。嵌合凸部631bは、ベース板631の背面から背面側に向かって突出するように設けられている。ここで、外レール部材13には、嵌合凸部631bを嵌合することが可能な嵌合凹部635(
図15参照)が設けられている。ベース板631(特に、規制片631aの先端部)では、各角部について、角取りがなされている。これによって、ベース板631が透明板4aに接触した際に、透明板4aを破損する事態を抑制している。
固定ピン632は、ステンレス等の金属により、直線的に延びる棒状(円柱状)に形成されている。固定ピン632は、ベース板631の背面側に取り付けられている。固定ピン632は、ベース板631の背面から背面側に向かって延びている。すなわち、固定ピン632は、前後方向に沿って延びている。固定ピン632の先端部には、先端側(背面側)に向かうほど外径が小さくなるテーパー部が設けられている。
【0048】
図22及び
図23に示すように、下可動体固定具640は、ベース板641と、固定ピン642と、を含んで構成されている。
ベース板641は、樹脂により、平板状に形成されている。ベース板641の正面には、一対の規制片641aが設けられている。各規制片641aは、ベース板641の正面から正面側に向かって突出するように設けられている。ベース板641の背面には、一対の嵌合凸部641bが設けられている。各嵌合凸部641bは、ベース板641の背面から背面側に向かって突出するように設けられている。ここで、内レール部材12には、一対の嵌合凹部645(
図15参照)が設けられている。一対の嵌合凹部645は、アウト口58を挟み込むように設けられている。そして、各嵌合凹部645には、各嵌合凸部641bを嵌合することが可能となっている。ベース板641(特に、規制片641aの先端部)では、各角部について、角取りがなされている。これによって、ベース板641が透明板4aに接触した際に、透明板4aを破損する事態を抑制している。
固定ピン642は、ステンレス等の金属により、直線的に延びる棒状(円柱状)に形成されている。固定ピン642は、ベース板641の背面側に取り付けられている。固定ピン642は、ベース板641の背面から背面側に向かって延びている。すなわち、固定ピン642は、前後方向に沿って延びている。固定ピン642の先端部には、先端側(背面側)に向かうほど外径が小さくなるテーパー部が設けられている。
【0049】
図15から
図17に示すように、遊技盤ユニット10には、上可動体固定具630の固定ピン632が挿通される上挿通孔633と、下可動体固定具640の固定ピン642が挿通される下挿通孔643と、が設けられている。
上挿通孔633は、遊技盤11を貫通する貫通孔となっている。上挿通孔633は、前後方向に沿って延びている。上挿通孔633の内径は、固定ピン632の外径より僅かに大きく構成されている。上挿通孔633の入口(正面側の端部)には、入口側(正面側)に向かうほど内径が大きくなるテーパー部が設けられている。
上挿通孔633は、遊技盤11における遊技領域30の外側の位置(遊技領域30内を通過(転動)する遊技球に接触(干渉)することがない位置)に設けられている。上挿通孔633は、正面側から見て、初期位置に配置されている上可動体ユニット610のピン挿入孔613に重なる位置に設けられている。すなわち、上可動体ユニット610が初期位置に配置されているときには、上挿通孔633、及び、ピン挿入孔613が、同軸上に配置される。
【0050】
下挿通孔643は、遊技盤11を貫通する貫通孔となっている。本実施形態では、下挿通孔643が、アウト口58の内部(内側)に設けられている。すなわち、下挿通孔643が、アウト口58から排出された遊技球(アウト口58へ入球した遊技球)を誘導する誘導通路を区画するカバー部材644において設けられている。下挿通孔643は、前後方向に沿って延びている。下挿通孔643の内径は、固定ピン642の外径より僅かに大きく構成されている。下挿通孔643の入口(正面側の端部)には、入口側(正面側)に向かうほど内径が大きくなるテーパー部が設けられている。
下挿通孔643は、遊技盤11における遊技領域30の外側の位置(遊技領域30内を通過(転動)する遊技球に接触(干渉)することがない位置)に設けられている。なお、本実施形態では、下挿通孔643は、アウト口58を介して、遊技領域30から排出された遊技球に接触(干渉)し得る位置に設けられている。下挿通孔643は、正面側から見て、初期位置に配置されている下可動体ユニット620のピン挿入孔623に重なる位置に設けられている。すなわち、下可動体ユニット620が初期位置に配置されているときには、下挿通孔643、及び、ピン挿入孔623が、同軸上に配置される。
【0051】
パチンコ機1又は遊技盤ユニット10の搬送時には、上可動体固定具630を使用して上可動体ユニット610の位置を固定する。これには、まず、上可動体ユニット610を初期位置に配置する。これによって、遊技盤11に設けられている上挿通孔633と、上可動体ユニット610に設けられているピン挿入孔613とが、同軸上に配置される。そこで、
図24に示すように、上可動体固定具630の固定ピン632の先端部について、遊技盤11の正面側から、上挿入孔633を挿通させた後に、ピン挿入孔613内に挿入する。そして、上可動体固定具630に設けられている嵌合凸部631bを、外レール部材13に設けられている嵌合凹部635に嵌合する。これによって、遊技盤ユニット10に対して上可動体固定具630が固定されるとともに、遊技盤ユニット10に対する上可動体固定具630の回転が防止される。そして、上可動体ユニット610が、上可動体固定具630を介して、遊技盤11に対して固定される。以上により、遊技盤ユニット10に対する上可動体固定具630の装着が完了して、遊技盤ユニット10において、上可動体ユニット610の位置が固定される。
ここで、パチンコ機1又は遊技盤ユニット10の搬送時には、前扉ユニット4において透明板4aが取り付けられていない状態で搬送される。そして、遊技盤ユニット10に対して上可動体固定具630が装着されているときには、正面側から見て、上可動体固定具630の一対の規制片631aが、遊技領域30の内側の位置に配置される。すなわち、遊技盤ユニット10に対して上可動体固定具630が装着されているときには、正面側から見て、上可動体固定具630の一対の規制片631aが、閉鎖されている前扉ユニット4の中央の開口部(透明板4aが取り付けられる開口部)の内側の位置に配置される。これによって、
図26に示すように、パチンコ機1又は遊技盤ユニット10の搬送時には、遊技盤ユニット10に対して上可動体固定具630が装着されている状態で、透明板4aが取り付けられていない状態の前扉ユニット4を閉鎖することが可能となっている。この際、遊技盤ユニット10に対して上可動体固定具630が装着されている状態で、前扉ユニット4を閉鎖しても、上可動体固定具630を視認することが可能となっている。
パチンコ機1又は遊技盤ユニット10の搬送の完了後には、遊技盤ユニット10から上可動体固定具630を取り外すことにより、遊技盤ユニット10において、上可動体ユニット610の位置の固定を解除することが可能となる。ここで、遊技盤ユニット10に対して上可動体固定具630が装着されている状態で遊技が実行されると、上可動体ユニット610が破損する恐れがある。そこで、本実施形態では、遊技盤ユニット10に対して上可動体固定具630が装着されている状態では、透明板4aが取り付けられている状態の前扉ユニット4を閉鎖することが不可能となっている。すなわち、遊技盤ユニット10に対して上可動体固定具630が装着されている状態では、透明板4aが取り付けられている状態の前扉ユニット4を閉鎖しようとすると、一対の規制片631aの先端部が、透明板4aの背面に衝突して、前扉ユニット4を閉鎖することが不可能となっている。これによって、遊技盤ユニット10に対して上可動体固定具630が装着されている状態で遊技が実行される事態を防止することが可能となる。
【0052】
また、パチンコ機1又は遊技盤ユニット10の搬送時には、下可動体固定具640を使用して下可動体ユニット620の位置を固定する。これには、まず、下可動体ユニット620を初期位置に配置する。これによって、遊技盤11に設けられている下挿通孔643と、下可動体ユニット620に設けられているピン挿入孔623とが、同軸上に配置される。そこで、
図25に示すように、下可動体固定具640の固定ピン642の先端部について、遊技盤11の正面側から、下挿入孔643を挿通させた後に、ピン挿入孔623内に挿入する。そして、下可動体固定具640に設けられている各嵌合凸部641bを、内レール部材12に設けられている各嵌合凹部645に嵌合する。これによって、遊技盤ユニット10に対して下可動体固定具640が固定されるとともに、遊技盤ユニット10に対する下可動体固定具640の回転が防止される。そして、下可動体ユニット620が、下可動体固定具640を介して、遊技盤11に対して固定される。以上により、遊技盤ユニット10に対する下可動体固定具640の装着が完了して、遊技盤ユニット10において、下可動体ユニット620の位置が固定される。
ここで、遊技盤ユニット10に対して下可動体固定具640が装着されているときには、正面側から見て、下可動体固定具640の一対の規制片641aが、遊技領域30の内側の位置に配置される。すなわち、遊技盤ユニット10に対して下可動体固定具640が装着されているときには、正面側から見て、下可動体固定具640の一対の規制片641aが、閉鎖されている前扉ユニット4の中央の開口部(透明板4aが取り付けられる開口部)の内側の位置に配置される。これによって、
図26に示すように、パチンコ機1又は遊技盤ユニット10の搬送時には、遊技盤ユニット10に対して下可動体固定具640が装着されている状態で、透明板4aが取り付けられていない状態の前扉ユニット4を閉鎖することが可能となっている。この際、遊技盤ユニット10に対して下可動体固定具640が装着されている状態で、前扉ユニット4を閉鎖しても、下可動体固定具640を視認することが可能となっている。
パチンコ機1又は遊技盤ユニット10の搬送の完了後には、遊技盤ユニット10から下可動体固定具640を取り外すことにより、遊技盤ユニット10において、下可動体ユニット620の位置の固定を解除することが可能となる。ここで、遊技盤ユニット10に対して下可動体固定具640が装着されている状態で遊技が実行されると、アウト口58において球詰まりが発生するとともに、下可動体ユニット620が破損する恐れがある。そこで、本実施形態では、遊技盤ユニット10に対して下可動体固定具640が装着されている状態では、透明板4aが取り付けられている状態の前扉ユニット4を閉鎖することが不可能となっている。すなわち、遊技盤ユニット10に対して下可動体固定具640が装着されている状態では、透明板4aが取り付けられている状態の前扉ユニット4を閉鎖しようとすると、一対の規制片641aの先端部が、透明板4aの背面に衝突して、前扉ユニット4を閉鎖することが不可能となっている。これによって、遊技盤ユニット10に対して下可動体固定具640が装着されている状態で遊技が実行される事態を防止することが可能となる。
【0053】
なお、遊技盤ユニット10では、遊技盤11と、各可動体ユニット610,620との間において、導光板等の透明板(図示せず)が配置される構成としても構わない。すなわち、遊技盤ユニット10では、遊技盤11と、各可動体ユニット610,620との間を仕切る導光板等の透明板が配置される構成としても構わない。かかる構成とした場合には、透明板があることにより、パチンコ機1又は遊技盤ユニット10の搬送時において、両可動体ユニット610,620の間においてスポンジを挟み込む(挿入する)ことができない。
したがって、かかる構成とした場合には、上記の各固定具630,640を用いて、各可動体ユニット610,620の位置を固定する方法が、特に有効となる。
また、本実施形態では、各固定具630,640において、規制片631a,641aが設けられていない構成としても構わない。
【0054】
(循環ユニット500)
次に、循環ユニット500の構成を説明する。
図6は、循環ユニット500の正面図である。
図7は、
図6に示す循環ユニット500から一部の部品を取り外した状態を示す図である。
循環ユニット500は、内枠ユニット3により支持されている。具体的に、循環ユニット500は、内枠ユニット3が備える内枠の内側に取り付けられている。この際、循環ユニット500は、遊技盤ユニット10の下側に取り付けられている。これによって、循環ユニット500は、前扉ユニット4の背面側に配置される。
図6及び
図7に示すように、循環ユニット500は、貯留タンク510と、揚送ユニット520と、清掃ユニット530と、球通路540と、整流器550と、発射装置560と、を含んで構成されている。
上記のように、遊技領域30に打ち出された全ての遊技球(遊技領域30から排出された全ての遊技球)は、アウト通路へ流入する。すなわち、遊技領域30に打ち出された遊技球は、いずれかの入賞口51~56に入球することによって、又は、アウト口57,58を通過することによって、遊技領域30から排出され、アウト通路へ流入する。そして、アウト通路へ流入した遊技球は、アウト球スイッチ571により検出された後に、排出口501を介して、貯留タンク510へ流入する。
また、発射装置560により発射された遊技球のうち、遊技領域30に到達しない遊技球(以下、「ファール球」とする)は、ファール通路501へ流入する。循環ユニット500には、ファール球スイッチ572(
図8参照)が配設されている。そして、ファール球スイッチ572は、ファール通路501を通過する遊技球の検出に応じて、検出信号を枠制御基板400に対して出力する。そして、ファール通路501へ流入した遊技球は、アファール球スイッチ572により検出された後に、貯留タンク510へ流入する。
【0055】
貯留タンク510は、複数の遊技球を貯留することが可能となっている。貯留タンク510に貯留されている遊技球は、貯留タンク510の下流側に配置されている揚送ユニット520に導かれる。貯留タンク510には、循環球数過多センサ573と、循環球数過少センサ574と、が配設されている。循環球数過多センサ573は、貯留タンク510に貯留されている遊技球(すなわち、パチンコ機1内を循環する遊技球)の数が上限数(例えば、49[球])を超えている状態(循環球数過多状態)の検出に応じて、検出信号を枠制御基板400に対して出力する。循環球数過少センサ574は、貯留タンク510に貯留されている遊技球の数が下限数(例えば、43[球])未満となっている状態(循環球数過少状態)の検出に応じて、検出信号を枠制御基板400に対して出力する。
貯留タンク510には、球抜レバー502が設けられている。そして、球抜レバー502を操作することにより、貯留タンク510に貯留されている遊技球を、外部に排出することが可能となっている。
【0056】
揚送ユニット520は、貯留タンク510から導かれた遊技球を、球通路540まで揚送する。揚送ユニット520は、遊技球を球通路540へ揚送するスクリューコンベア521と、スクリューコンベア521を回転させる揚送モータ522と、を含んで構成されている。揚送モータ522が駆動されると、スクリューコンベア521が回転し、スクリューコンベア521により、貯留タンク510から導かれた遊技球が、上方へ揚送され、球通路540に到達する。
清掃ユニット530は、スクリューコンベア521の側方に配置されている。そして、清掃ユニット530は、スクリューコンベア521により揚送される遊技球を研磨する研磨ローラー531を含んで構成されている。
球通路540は、右側が低くなるように傾斜した通路となっている。球通路540の下流側には、整流器550が配置されている。また、整流器550の下流側には、発射装置560が配置されている。
整流器550は、発射装置560へ遊技球を送り出す整流器ソレノイド551を含んで構成されている。整流器550の入口には、整流器入口センサ552が配置されている。整流器入口センサ552は、整流器550の入口に位置する遊技球の検出に応じて、検出信号を枠制御基板400に対して出力する。また、整流器550の出口には、整流器出口センサ553(
図8参照)が配置されている。整流器出口センサ553は、整流器550の出口に位置する遊技球の検出に応じて、検出信号を枠制御基板400に対して出力する。
発射装置560は、整流器550から送り出された遊技球を打ち出すハンマー(図示せず)と、ハンマーを回転させる発射モータ561(
図8参照)と、を含んで構成されている。
球通路540に到達した遊技球は、球通路540を流下して、整流器550に到達する。そして、発射ハンドルが回転操作されると、整流器ソレノイド551が駆動され、遊技球が発射装置560へ送り出されるとともに、発射モータ561が駆動され、ハンマーが回転することにより、遊技球が発射される。
【0057】
(制御系の構成)
次に、パチンコ機1における制御系の構成を説明する。
図8は、パチンコ機の制御系の構成を示すブロック図である。
パチンコ機1は、各種の制御基板を備えている。
図8に示すように、パチンコ機1は、主制御基板200と、演出制御基板300と、枠制御基板400と、各制御基板200,300,400等に電源(電力)を供給する電源回路600と、を含んで構成されている。
各制御基板200,300,400は、CPU(Central Processing Unit)と、遊技の進行に係るプログラム及び遊技の進行に必要なデータを格納するROM(Read Only Memory)と、CPUがROMに格納されているプログラムに基づく処理を進行するために使用される一時記憶領域となるRAM(Random Access Memory)と、を備えるマイクロコンピュータである。
【0058】
(主制御基板200)
主制御基板200は、遊技の進行を制御する。主制御基板200は、CPU、ROM、RAM、入力ポート、出力ポート等を含んで構成されている。
主制御基板200の入力ポートには、振動検出センサ113からの検出信号、電波検出センサ114からの検出信号、及び、磁気検出センサ115からの検出信号が入力される。
また、主制御基板200の入力ポートには、RAMクリアスイッチからのRAMクリア信号、キー回転検出スイッチ111からの検出信号、及び、設定値選択スイッチ112からの検出信号が入力される。
また、主制御基板200の入力ポートには、第1カウントスイッチ103aからの検出信号、第2カウントスイッチ103bからの検出信号、V領域スイッチ105aからの検出信号、排出領域スイッチ105bからの検出信号、左入賞口スイッチ106からの検出信号、特
図1始動口スイッチ101からの検出信号、特
図2始動口スイッチ102からの検出信号、及び、ゲートスイッチ104a,104bからの検出信号が入力される。
さらに、主制御基板200の入力ポートには、枠制御基板400からの制御コマンドが入力される。
主制御基板200の出力ポートは、メイン表示器60の表示を制御するための信号、性能表示装置61の表示を制御するための信号、及び、設定値表示装置62の表示を制御するための信号を出力する。
また、主制御基板200の出力ポートは、普通電動役物ソレノイド64の駆動を制御するための制御信号、第1大入賞口ソレノイド65の駆動を制御するための制御信号、第2大入賞口ソレノイド66の駆動を制御するための制御信号、及び、V振分ソレノイド67の駆動を制御するための制御信号を出力する。
さらに、主制御基板200の出力ポートは、演出制御基板300に対して制御コマンドを送信するとともに、枠制御基板400に対して制御コマンドを送信する。
【0059】
(演出制御基板300)
演出制御基板300は、演出を制御する。具体的に、演出制御基板300は、主制御基板200から受信した制御コマンドに基づいて、画像表示装置31における演出画像の表示、各ランプ20,21の点灯、音発生装置22による音の出力、各可動体ユニット610,620を駆動するモータの駆動等を制御する。
演出御基板300は、CPU、ROM、RAM、入力ポート、出力ポート、ブルートゥースモジュール(図示せず)等を含んで構成されている。演出制御基板300のROMには、演出の進行に係るプログラム、演出の進行に必要なデータ等が格納されている。演出制御基板300のRAMには、主制御基板200から受信した制御コマンド、演算処理を行うためのデータ等が一時的に記憶される。
演出制御基板300のCPUは、主制御基板200から受信した制御コマンドに基づいて、実行する演出の内容を決定する。そして、決定した演出の内容に対応する演出プログラム(演出制御テーブル)にしたがって、表示制御データ、音制御データ、ランプ制御データ、モータ制御データ等を生成する。そして、生成した各制御データに基づく制御信号を、画像表示装置31、音発生装置22、各ランプ20,21、各モータ等に対して出力する。
演出制御基板300の入力ポートには、光量調整スイッチ24からの検出信号、音量調整スイッチ25からの検出信号、十字キースイッチ26からの検出信号、及び、演出ボタンスイッチ27からの検出信号が入力される。
【0060】
ブルートゥースモジュールは、近距離無線通信規格のブルートゥース(Bluetooth(登録商標))に準拠した通信モジュールとなっている。本実施形態では、ブルートゥースモジュールを備えることによって、パチンコ機1をセントラル(親機)とし、遊技者が所有する無線通信対応(ブルートゥース対応)のイヤホン(以下、「ワイヤレスイヤホン」とする)をペリフェラル(子機)として、ブルートゥースに準拠した無線通信を行うことが可能となっている。特に、演出制御基板300は、ブルートゥースに準拠した無線通信により、ワイヤレスイヤホンに対して、音データを出力することが可能となっている。
具体的に、演出制御基板300のCPUは、主制御基板200から受信した制御コマンドに基づいて、実行する演出内容を決定し、決定した演出内容に対応する演出プログラム(演出制御テーブル)を設定する。また、演出制御基板300のサウンドプロセッサ(図示せず)は、CPUにより設定された演出プログラム(演出制御テーブル)にしたがって、音制御データ(音制御信号)を生成し、生成した音制御データを、デジタルオーディオパワーアンプ(図示せず)に対して出力する。さらに、デジタルオーディオパワーアンプは、サウンドプロセッサから入力された音制御データに基づいて、音信号(アナログ信号)を生成する。
そして、デジタルオーディオパワーアンプは、生成した音信号を、音発生装置22に対して出力することが可能となっている。これによって、音発生装置22は、入力された音信号に基づく音を出力することが可能となっている。
また、演出制御基板300では、ワイヤレスイヤホンが接続されているときに、デジタルオーディオパワーアンプにより生成した音信号をA/D変換した音データ(デジタル信号)を、ブルートゥースに準拠した無線通信により、ワイヤレスイヤホンに対して出力することが可能となっている。これによって、ワイヤレスイヤホンでは、入力された音データをD/A変換した音信号に基づく音を出力することが可能となっている。
【0061】
(枠制御基板400)
枠制御基板400は、遊技球の循環・発射を制御するとともに、持ち球数を管理する。枠御基板400は、CPU、ROM、RAM、入力ポート、出力ポート等を含んで構成されている。
枠制御基板400の入力ポートには、ガラス枠開放センサ107からの検出信号、内枠開放センサ108からの検出信号、発射ボリューム410からの検出信号、及び、計数検出スイッチ23からの検出信号が入力される。
また、枠制御基板400の入力ポートには、アウト球スイッチ571からの検出信号、ファール球スイッチ572からの検出信号、循環球数過多センサ573からの検出信号、循環球数過少センサ574からの検出信号、整流器入口センサ552からの検出信号、及び、整流器出口センサ553からの検出信号が入力される。
さらに、枠制御基板400の入力ポートには、主制御基板200からの制御コマンドが入力される。
枠制御基板400の出力ポートは、揚送モータ522の駆動を制御するための制御信号、整流器ソレノイド551の駆動を制御するための制御信号、発射モータ561の駆動を制御するための制御信号、及び、持ち球数表示部41aの表示を制御するための信号を出力する。
また、枠制御基板400の出力ポートは、主制御基板200に対して制御コマンドを送信するとともに、専用ユニットUNに対して制御コマンドを送信する。
【0062】
(各種抽選について)
次に、主制御基板200で実行される各種抽選について説明する。
主制御基板200では、遊技球による始動ゲート41の通過を契機として、普通図柄抽選が実行される。
本実施形態では、普通図柄抽選の結果として、「普図当り」と、「はずれ」と、が規定されている。そして、普通図柄抽選により「普図当り」に当選した場合に、普図当り遊技状態が生起される。普図当り遊技状態では、普通電動役物52aが閉鎖状態から開放状態に変位(開放)されて、第2始動口52への遊技球の入球が可能となる。
パチンコ機1では、遊技者に有利となる補助制御として、時短制御を実行することが可能となっている。時短制御の実行中には、時短制御の停止中と比較して、特別図柄の変動表示を行う時間(以下、「変動時間」とする)が短縮される。本実施形態では、時短制御の実行中には、時短制御の停止中と比較して、普通図柄抽選の当選確率が向上されるとともに、普通図柄の変動表示を行う時間が短縮される。また、時短制御の実行中には、時短制御の停止中と比較して、普図当り遊技状態において、普通電動役物52aの開放回数が増加されるとともに、普通電動役物52aの開放時間が延長される。
「普図当り」に当選した場合には、普通電動役物52aの開放回数が、1[回]又は3[回]に設定され、各回における普通電動役物52aの開放時間が、0.5[s]又は2.0[s]に設定される。この際、時短制御の実行中には、普通電動役物52aの開放回数が、3[回]に設定されるとともに、各回における普通電動役物52aの開放時間が、2.0[s]に設定される。一方、時短制御の停止中には、普通電動役物52aの開放回数が、1[回]に設定されるとともに、各回における普通電動役物52aの開放時間が、0.5[s]に設定される。
【0063】
また、主制御基板200では、第1始動口51への遊技球の入球を契機として、第1特別図柄抽選が実行され、第2始動口52への遊技球の入球を契機として、第2特別図柄抽選が実行される。
本実施形態では、第1特別図柄抽選の結果として、「小当り」と、「はずれ」と、が設定されている。また、第2特別図柄抽選の結果として、「小当り」と、「はずれ」と、が設定されている。
特に、第2特別図柄抽選の当選確率(本実施形態では、「小当り」に当選する確率)は、第1特別図柄抽選の当選確率と比較して、高くなっている。また、各特別図柄抽選の当選確率として、設定値に応じた確率が設定される。
第1特別図柄抽選又は第2特別図柄抽選により「小当り」に当選した場合には、小当り遊技状態が生起される。小当り遊技状態では、第1特別電動役物53aが閉鎖状態から開放状態に変位される小当り遊技が実行されて、第1大入賞口53への遊技球の入球が可能となる。
そして、小当り遊技の実行中に第1大入賞口53に入球した遊技球によるV領域の通過が検出された場合には、小当り遊技状態の終了に応じて、大当り遊技状態が生起される。一方、小当り遊技の実行中に第1大入賞口53に入球した遊技球によるV領域の通過が検出されなかった場合には、大当り遊技状態が生起されない。
大当り遊技状態では、第2特別電動役物54aが閉鎖状態から開放状態に変位されるラウンド遊技が実行されて、第2大入賞口54への遊技球の入球が可能となる。そして、大当り遊技状態の終了に応じて、時短制御が開始される。
【0064】
(主制御基板200で管理される制御状態)
次に、主制御基板200で管理される制御状態(以下、「遊技機状態」とする)を説明する。
パチンコ機1では、遊技機状態として、遊技可能状態と、設定変更状態と、設定確認状態と、設定異常状態と、RAM異常状態と、バックアップ異常状態と、コンプリート機能作動状態と、が規定されている。
主制御基板200のRAMには、遊技機状態フラグ領域が設けられている。遊技機状態フラグ領域には、遊技機状態フラグとして、6つの遊技機状態(具体的には、遊技可能状態、設定変更状態、設定確認状態、設定異常状態、RAM異常状態、及び、バックアップ異常状態)のうち、いずれか一の遊技機状態に対応する値が記憶(設定)される。そして、パチンコ機1では、遊技機状態フラグ領域に記憶されている値に対応する遊技機状態が生起される。
【0065】
「遊技可能状態」は、遊技の進行が可能となる遊技機状態となっている。
遊技可能状態の生起中には、遊技(特別遊技及び普通遊技)を進行するための各種処理(以下、「遊技進行処理」とする)の実行が許可される。これによって、遊技(普通遊技及び特別遊技)の進行が可能となる。
また、遊技可能状態の生起中には、性能表示装置61において、ベース比率が表示される。また、メイン表示装置60において、遊技に関する情報が表示される。
【0066】
「設定変更状態」は、主制御基板200のRAMの設定値領域に記憶されている設定値を変更することが可能となる遊技機状態となっている。
設定変更状態は、設定変更条件が成立している場合に生起される。本実施形態では、電源投入時において、内枠開放センサ108からの検出信号が入力されており、かつ、キー回転検出スイッチ111からの検出信号が入力されており、かつ、RAMクリアスイッチ(図示せず)からの検出信号が入力されている場合に、設定変更条件が成立する。すなわち、電源投入時において、内枠ユニット3が開放されており、かつ、キー回転スイッチ111がON状態に回転操作されており、かつ、RAMクリアスイッチが押下されている場合、設定変更状態が生起される。
設定変更状態の生起中には、遊技進行処理の実行が禁止される。これによって、遊技(具体的には、普通遊技及び特別遊技)が停止される。
また、設定変更状態の生起中には、性能表示装置61において、設定値領域に記憶されている設定値が表示される。また、メイン表示装置60を構成する全ての点灯素子が消灯される。さらに、セキュリティ情報(外部情報)が、外部装置に対して出力される。
さらに、設定変更状態の生起中には、設定値選択スイッチ112を押下操作することによって、設定値領域に記憶されている設定値を変更することが可能となる。そして、設定変更状態の生起中に、キー回転スイッチ111がOFF状態に回転操作されると、設定変更状態に替えて、遊技可能状態が生起される。これによって、設定値領域に記憶されている設定値が確定される。
【0067】
「設定確認状態」は、主制御基板200のRAMの設定値領域に記憶されている設定値を確認することが可能となる遊技機状態となっている。
設定確認状態は、設定確認条件が成立している場合に生起される。本実施形態では、電源投入時において、内枠開放センサ108からの検出信号が入力されており、かつ、キー回転スイッチ111からの検出信号が入力されており、かつ、RAMクリアスイッチからの検出信号が入力されていない場合に、設定確認条件が成立する。すなわち、電源投入時において、内枠ユニット3が開放されており、かつ、キー回転スイッチ111がON状態に回転操作されており、かつ、RAMクリアスイッチが押下されていない場合、設定確認状態が生起される。
設定確認状態の生起中には、遊技進行処理の実行が禁止される。これによって、遊技(具体的には、普通遊技及び特別遊技)が停止される。
また、設定確認状態の生起中には、性能表示装置61において、設定値領域に記憶されている設定値が表示される。これによって、設定値領域に記憶されている設定値を確認することが可能となる。また、メイン表示装置60を構成する全ての点灯素子が消灯される。さらに、セキュリティ情報(外部情報)が、外部装置に対して出力される。
なお、設定確認状態の生起中には、設定値領域に記憶されている設定値を変更することができない。
そして、設定確認状態の生起中に、キー回転スイッチ111がOFF状態に回転操作されると、設定確認状態に替えて、遊技可能状態が生起される。
【0068】
「設定異常状態」は、設定異常が発生している遊技機状態となっている。
設定異常状態は、遊技可能状態の生起中において、設定値領域に設定されている設定値が規定範囲内にないと判定された場合に生起される。
設定異常状態の生起中には、遊技進行処理の実行が禁止される。これによって、遊技(具体的には、普通遊技及び特別遊技)が停止される。
また、設定異常状態の生起中には、性能表示装置61において、設定異常の発生を指定するエラーコードが表示される。また、メイン表示装置60を構成する全ての点灯素子が消灯される。さらに、セキュリティ情報(外部情報)が、外部装置に対して出力される。
設定異常状態から復帰するためには、電源遮断及び電源投入を実行し、設定変更状態を生起させることが必要となる。
【0069】
「RAM異常状態」は、RAM異常が発生している遊技機状態となっている。
RAM異常状態は、電源投入時に、主制御基板200のRAMのリード/ライト異常の発生が判定された場合に生起される。
RAM異常状態の生起中には、遊技進行処理の実行が禁止される。これによって、遊技(具体的には、普通遊技及び特別遊技)が停止される。
また、RAM異常状態の生起中には、性能表示装置61において、RAM異常の発生を指定するエラーコードが表示される。また、メイン表示装置60を構成する全ての点灯素子が消灯される。さらに、セキュリティ情報(外部情報)が、外部装置に対して出力される。
RAM異常状態から復帰するためには、電源遮断及び電源投入を実行し、設定変更状態を生起させることが必要となる。
【0070】
「バックアップ異常状態」は、バックアップ異常が発生している遊技機状態となっている。
バックアップ異常状態は、電源投入時に、主制御基板200のRAMのバックアップ異常(具体的には、バックアップフラグの異常、又は、チェックサムの異常)の発生が判定された場合に生起される。
バックアップ異常状態の生起中には、遊技進行処理の実行が禁止される。これによって、遊技(具体的には、普通遊技及び特別遊技)が停止される。
また、バックアップ異常状態の生起中には、性能表示装置61において、バックアップ異常の発生を指定するエラーコードが表示される。また、メイン表示装置60を構成する全ての点灯素子が消灯される。さらに、セキュリティ情報(外部情報)が、外部装置に対して出力される。
バックアップ異常状態から復帰するためには、電源遮断及び電源投入を実行し、設定変更状態を生起させることが必要となる。
【0071】
「コンプリート機能作動状態」は、後述するコンプリート機能が作動している遊技機状態となっている。
コンプリート機能作動状態の生起中には、遊技進行処理の実行が禁止される。これによって、遊技(具体的には、普通遊技及び特別遊技)が停止される。
【0072】
(コンプリート機能について)
次に、パチンコ機1に搭載されているコンプリート機能を説明する。
パチンコ機1には、コンプリート機能が搭載されている。
「コンプリート機能」は、パチンコ機1に電源が投入された後の差球数が規定数(本実施形態では、95000[球])に到達した場合に、遊技の進行が不可能な状態とする(遊技の進行を制限する)機能となっている。
具体的に、主制御基板200には、差球数を計数(カウント)する差球数カウンタが構成されている。そして、パチンコ機1に電源が投入されると、差球数カウンタに所定の初期値(本変形例では、100000[球])が設定される。また、パチンコ機1に電源が投入されている期間中には、差球数カウンタにより差球数が計数される。すなわち、各スイッチ101,102,103a,103b,106から検出信号が入力されるごとに、差球数カウンタの値に、当該スイッチに対応する入球口への遊技球の入球に応じて払い出される賞球数が加算される。また、アウト球スイッチ571から検出信号が入力されるごとに、差球数カウンタの値から「1」が減算される。そして、差球数カウンタの値が、所定閾値(本変形例では、195000[球])に達した場合に、遊技動作停止状態が設定される。
「遊技動作停止状態」は、パチンコ機1による遊技の進行が不可能となる状態(遊技の進行が制限されている状態)となっている。本実施形態では、遊技動作停止状態として、コンプリート機能作動状態、及び、発射停止状態の両方が設定される。なお、遊技動作停止状態として、コンプリート機能作動状態、及び、発射停止状態のうち、少なくとも一方が設定される構成としても構わない。
「発射停止状態」は、発射装置560による遊技球の発射動作が停止(制限)されている(不可能とされている)状態となっている。すなわち、発射停止状態の設定中には、発射ボリューム410から検出信号が入力されても、発射装置560による遊技球の発射動作が実行されない。
【0073】
本実施形態では、特賞状態(大当り遊技状態・小当り遊技状態)の非生起中(特賞状態が生起されていない期間中)に、差球数カウンタの値が所定閾値に達した場合、即座に、遊技動作停止状態が設定される。一方、特賞状態(大当り遊技状態・小当り遊技状態)の生起中(特賞状態が生起されている期間中)に、差球数カウンタの値が所定閾値に達した場合、当該特賞状態(特賞状態が生起されている期間)の終了後に、遊技動作停止状態が設定される。
また、本実施形態では、所定の遊技動作停止状態解除条件が成立した場合に、遊技動作停止状態が解除され、遊技の進行が可能な状態となる。この際、上記の設定変更条件(設定変更状態を経由したRAMクリア時)、及び、通常RAMクリア条件(設定変更状態を経由しないRAMクリア時)のうち、少なくとも一方の条件が成立した場合に、遊技動作停止状態解除条件が成立する。
上記のように、設定変更条件は、電源投入時において、内枠開放センサ108からの検出信号が入力されており、かつ、キー回転スイッチ111からの検出信号が入力されており、かつ、RAMクリアスイッチからの検出信号が入力されている場合に成立する。
また、通常RAMクリア条件は、電源投入時において、内枠開放センサ108からの検出信号が入力されておらず、かつ、キー回転スイッチ111からの検出信号が入力されておらず、かつ、RAMクリアスイッチからの検出信号が入力されている場合に成立する。
【0074】
本実施形態では、差球数カウンタの値が所定閾値に到達する前(差球数が規定数(本変形例では、95000[球])に到達する前)の所定タイミングで、表示画面31aにおいて、差球数が規定数に近づいていることを示唆(報知)する情報が表示される。例えば、差球数カウンタの値が、190000[球]に到達(差球数が、90000[球]に到達)した場合に、「コンプリート機能作動まで残り5000[球]です!」の文字を表示する。これによって、コンプリート機能が作動するまでの残り差球数が報知される。
また、本実施形態では、特賞状態(大当り遊技状態・小当り遊技状態)の生起中に、差球数カウンタの値が所定閾値に到達(差球数が規定数(本変形例では、95000[球])に到達)した場合に、これに応じて(当該特賞状態の生起中において)、表示画面31aにおいて、大当り演出(小当り演出)に係る演出表示と共に、当該特賞状態の終了に応じてコンプリート機能が作動することを示唆(報知)する情報が表示される。例えば、当該特賞状態の生起中において、大当り演出(小当り演出)に係る演出表示に重ねて、「当り終了後にコンプリート機能が作動し遊技を停止します」の文字を表示する。これによって、特賞状態の終了後におけるコンプリート機能の作動が報知される。
さらに、本実施形態では、コンプリート機能が作動(開始)する場合に、表示画面31aにおいて、コンプリート機能が作動することを示唆(報知)する報知画像が表示される。
【0075】
(ハンドル操作信号について)
次に、枠制御基板400から主制御基板200に対して出力されるハンドル操作信号について説明する。
枠制御基板400は、ハンドル操作信号出力IC(図示せず)を含んで構成されている。
上記のように、タッチセンサ411は、遊技者による発射ハンドルへの接触が検出されているときに、タッチ信号を枠制御基板400に対して出力し(タッチ信号をON状態とし)、遊技者による発射ハンドルへの接触が検出されていないときに、枠制御基板400に対するタッチ信号の出力を停止する(タッチ信号をOFF状態とする)。この際、タッチ信号は、ハンドル操作信号出力ICに入力される。
そして、ハンドル操作信号出力ICは、タッチ信号の入力状況に応じて、主制御基板200に対するハンドル操作信号の出力の有無を切り替える。具体的に、ハンドル操作信号出力ICは、タッチ信号がON状態であるときに、ハンドル操作信号を主制御基板200に対して出力する(主制御基板200に対して出力するハンドル操作信号を、ON状態とする)。一方、タッチ信号がOFF状態であるときに、主制御基板200に対するハンドル操作信号の出力を停止する(主制御基板200に対して出力するハンドル操作信号を、OFF状態とする)。
これによって、主制御基板200は、ハンドル操作信号の入力状況に基づいて、タッチ信号の入力状況(すなわち、遊技者による発射ハンドルの操作(接触)の有無)について、確認することが可能となっている。
なお、上記のように、発射ボリューム410は、発射ハンドルの回転操作が検出されているときに、検出した発射ハンドルの角度に応じた検出信号(以下、「ハンドルボリューム信号」とする)を、枠制御基板400に対して出力する。そこで、ハンドル操作信号出力ICが、ハンドルボリューム信号の入力状況に応じて、主制御基板200に対するハンドル操作信号の出力の有無を切り替える構成としても構わない。具体的に、ハンドル操作信号出力ICに入力されるハンドルボリューム信号は、発射ハンドルの回転操作が検出されているときに、ON状態となり、発射ハンドルの回転操作が検出されていないときに、OFF状態となる。そこで、ハンドル操作信号出力ICが、ハンドルボリューム信号がON状態であるときに、ハンドル操作信号を主制御基板200に対して出力する(主制御基板200に対して出力するハンドル操作信号を、ON状態とする)構成とする。一方、ハンドルボリューム信号がOFF状態であるときに、主制御基板200に対するハンドル操作信号の出力を停止する(主制御基板200に対して出力するハンドル操作信号を、OFF状態とする)構成とする。かかる構成によって、主制御基板200は、ハンドル操作信号の入力状況に基づいて、ハンドルボリューム信号の入力状況(すなわち、発射ハンドルの回転操作の有無)について、確認することが可能となる。
【0076】
(枠制御基板400で管理される制御状態)
次に、枠制御基板400で管理される制御状態(以下、「枠制御状態」とする)を説明する。
パチンコ機1では、枠制御状態として、通常状態と、球抜き状態と、が規定されている。
通常状態は、主制御基板200及び専用ユニットUNとの通信が可能な状態となっている。パチンコ機1では、遊技機状態が遊技可能状態であり、かつ、枠制御状態が通常状態であるときに、遊技の進行が可能となっている。
球抜き状態は、パチンコ機1内に収容されている遊技球の取り出しを実行可能となる状態(遊技球の取り出しを実行中の状態)となっている。
ここで、枠制御基板400には、球抜きボタン(図示せず)と、球抜きスイッチ(図示せず)と、が配置されている。球抜きスイッチは、球抜きボタンが押下操作されているときに、所定の検出信号を枠制御基板400に対して出力する。
そして、球抜きスイッチからの検出信号が入力されていない状態で、パチンコ機1に電源が投入されると、枠制御状態として、通常状態が設定される。
一方、後述する持ち球数記憶領域に記憶されている持ち球数=0[球]であり、かつ、球抜きスイッチからの検出信号が入力されている状態で、パチンコ機1に電源が投入されると、枠制御状態として、球抜き状態が設定される。球抜き状態中には、表示画面31aにおいて、球抜き状態中であることを報知(示唆)する球抜き状態報知画像が表示される。
また、球抜き状態中に、球抜きスイッチからの検出信号が入力されていない状態で、パチンコ機1に電源が再投入されると、枠制御状態として、通常状態が設定される。
【0077】
(持ち球数の管理について)
次に、枠制御基板400において実行される持ち球数の管理について説明する。
枠制御基板400のRAMの所定領域(以下、「持ち球数記憶領域」とする)には、持ち球数が、数値データとして記憶される。そして、持ち球数表示部41aには、持ち球数記憶領域において記憶されている持ち球数が表示される。
パチンコ機1において、新たに遊技を開始する際には、通常、持ち球数記憶領域において記憶されている持ち球数は、0[球]となっている。専用ユニットUNにおいて、紙幣又はカードが挿入された上で、貸出ボタンが押下操作されるごとに(貸球操作が実行されるごとに)、専用ユニットUNから枠制御基板400に対して、貸し出しコマンドが送信される。枠制御基板400では、貸し出しコマンドを受信するごとに、持ち球数記憶領域に記憶されている持ち球数に、所定の貸し球数(本形態では、125[球])が加算される。
また、枠制御基板400では、遊技球が発射されるごとに、持ち球数記憶領域に記憶されている持ち球数から、1[球]が減算される。本実施形態では、整流器出口センサ553からの検出信号が、オン状態からオフ状態に切り替わるごとに、遊技球が発射されたものとして、持ち球数記憶領域に記憶されている持ち球数から、1[球]が減算される。また、枠制御基板400では、ファール球スイッチ572からの検出信号が入力されるごとに(ファール球が検出されるごとに)、持ち球数記憶領域に記憶されている持ち球数に、1[球]が加算される。
また、主制御基板200では、各入賞口51~55に遊技球が入球すると、対応するスイッチにより当該入球が検出され、枠制御基板400に対して、遊技球が入球した入賞口に対応する賞球数を指定する賞球指定コマンドが送信される。そして、枠制御基板400では、賞球指定コマンドを受信すると、持ち球数記憶領域に記憶されている持ち球数に、当該賞球指定コマンドが指定する賞球数が加算される。
さらに、枠制御基板400では、持ち球数記憶領域に記憶されている持ち球数が第1所定数(本実施形態では、1[球])以上のときに、計数ボタン41bの短押し(計数ボタン41の押下操作の継続時間が基準時間未満となる計数操作)が実行されるごとに、持ち球数記憶領域に記憶されている持ち球数から、第1所定数が減算されるとともに、専用ユニットUNに対して、第1所定数を指定する計数コマンドが送信される。一方、持ち球数記憶領域に記憶されている持ち球数が第2所定数(本実施形態では、250[球])以上のときに、計数ボタン41bの長押し(計数ボタン41の押下操作の継続時間が基準時間以上となる計数操作)が実行されるごとに、持ち球数記憶領域に記憶されている持ち球数から、第2所定数が減算されるとともに、専用ユニットUNに対して、第2所定数を指定する計数コマンドが送信される。そして、専用ユニットUNでは、計数コマンドを受信すると、カードに記憶されている持ち球数に、当該計数コマンドが指定する持ち球数が加算される。
ここで、枠制御基板400には、持ち球数クリアボタン(図示せず)と、持ち球数クリアスイッチ(図示せず)と、が配置されている。持ち球数クリアスイッチは、持ち球数クリアボタンが押下操作されているときに、所定の検出信号を枠制御基板400に対して出力する。そして、持ち球数クリアスイッチから検出信号が入力されている状態で、パチンコ機1に電源が投入されると、枠制御基板400は、持ち球数記憶領域に記憶されている持ち球数をクリアする(持ち球数として、初期値=0[球]を設定する)。以下の説明では、持ち球数記憶領域に記憶されている持ち球数をクリアする処理を、「持ち球数クリア処理」とする。持ち球数クリア処理が実行された場合には、表示画面31aにおいて、持ち球数がクリアされたことを報知(示唆)する持ち球数クリア報知画像が表示される。
【0078】
(枠制御コマンド)
次に、枠制御基板400から主制御基板200に対して送信される枠制御コマンドを説明する。
本実施形態では、枠制御基板400から主制御基板200に対して送信される制御コマンドとして、枠制御コマンドが設けられている。
枠制御コマンドは、持ち球数記憶領域に記憶されている持ち球数を示す情報(以下、「持ち球数情報」とする)と、貸球操作の実行の有無を示す情報(以下、「貸球情報」とする)と、計数操作の実行の有無を示す情報(以下、「計数情報」とする)と、枠制御基板400の状態を示す情報(以下、「状態情報」とする)と、を含んで構成されている。
上記のように、主制御基板200は、パチンコ機1への電源投入に応じて、起動情報(チップID、メーカーコード等)を、枠制御基板400に対して送信する。そして、枠制御基板400は、起動情報を受信すると、これに応じて、枠制御コマンドを、主制御基板200に対して返信する。
電源投入時に送信される枠制御コマンドについては、当該枠制御コマンドに含まれる持ち球数情報として、電源投入時の持ち球数記憶領域に記憶されている持ち球数を示す情報が設定される。また、電源投入時の枠制御状態が通常状態である場合には、当該枠制御コマンドに含まれる状態情報として、通常状態を指定する情報が設定される。一方、電源投入時の枠制御状態が球抜き状態である場合には、当該枠制御コマンドに含まれる状態情報として、球抜き状態を指定する情報が設定される。また、電源投入時に持ち球数クリア処理が実行された場合には、当該枠制御コマンドに含まれる状態情報として、持ち球数クリアの発生を指定する情報が設定される。
【0079】
また、枠制御基板400は、持ち球数記憶領域に記憶されている持ち球数が変更(更新)されるごとに、枠制御コマンドを、主制御基板200に対して送信する。
ここで、持ち球数記憶領域に記憶されている持ち球数が変更(更新)されるタイミングとしては、貸球操作の実行時(貸し出しコマンドの受信時)、遊技球の発射時(整流器出口センサ553からの検出信号がオン状態からオフ状態に切り替わったとき)、ファール球の検出時(ファール球スイッチ572からの検出信号の入力時)、賞球の発生時(賞球指定コマンドの受信時)、及び、計数操作の実行時(計数ボタン41の押下操作の検出時)がある。
持ち球数の更新時に送信される枠制御コマンドについては、当該枠制御コマンドに含まれる持ち球数情報として、更新後の持ち球数記憶領域に記憶されている持ち球数を示す情報が設定される。また、貸球操作の実行時(貸し出しコマンドの受信時)に送信される枠制御コマンドについては、当該枠制御コマンドに含まれる貸球情報として、貸球操作の実行を指定する情報が設定される。また、計数操作の実行時(計数ボタン41の押下操作の検出時)に送信される枠制御コマンドについては、当該枠制御コマンドに含まれる計数情報として、計数操作の実行を指定する情報が設定される。
【0080】
(持ち球減少報知)
次に、パチンコ機1で実行される持ち球減少報知について説明する。
演出制御基板300は、持ち球減少報知を実行することが可能となっている。持ち球減少報知は、持ち球数が減少したこと(持ち球数が0[球]に近づいたこと)に関する報知となっている。
本実施形態では、持ち球減少報知として、表示演出のみが実行される。すなわち、持ち球減少報知として、表示画面31aにおいて、持ち球減少報知画像が表示される。そして、持ち球減少報知画像は、持ち球数の減少(持ち球数が0[球]に近づいたこと)を報知(示唆)する情報(本実施形態では、「持ち球が少なくなりました。ご注意ください。」なる文字)の表示を含んで構成されている。なお、持ち球減少報知として、表示演出と、音演出と、が実行される構成としても構わない。すなわち、持ち球減少報知として、持ち球減少報知画像の表示と、持ち球数の減少(持ち球数が0[球]に近づいたこと)を報知(示唆)する音声の出力と、が実行される構成としても構わない。
パチンコ機1では、持ち球数が、数値データとして管理されるため、遊技者において、持ち球数の減少を認識することが困難となっている。そこで、持ち球減少報知を実行する機能を備えることにより、持ち球数が減少したことを容易に認識することが可能となり、遊技者が気付くことなく、持ち球数が0[球]となり、遊技を進行することができない状態に陥る事態を防止することが可能となる。
【0081】
ここで、パチンコ機1では、下部装飾ユニット40において、メニューボタン(図示せず)が設けられている。そして、客待ち状態中、又は、遊技の進行中において、メニューボタンの押下操作が検出されると、これに応じて、表示画面31aにおいて、メニュー画面(図示せず)が表示される。また、遊技者は、十字キーボタン42cを操作することにより、メニュー画面において、各種報知の有効(ON状態)・無効(OFF状態)を設定することが可能となっている。
本実施形態では、メニュー画面において有効・無効を設定することが可能な各種報知において、持ち球減少報知が含まれている。すなわち、メニュー画面において、持ち球減少報知の有効・無効を設定することが可能となっている。そして、持ち球減少報知が有効に設定されている場合、持ち球数の減少に伴い、持ち球減少報知が実行される。一方、持ち球減少報知が無効に設定されている場合、持ち球数が減少しても、持ち球減少報知が実行されない。
このように、本実施形態では、遊技者において、持ち球減少報知の有効・無効を任意に選択・設定することが可能となっている。これによって、常に持ち球数を把握しつつ遊技を進行する遊技者については、持ち球減少報知を無効に設定することで、報知の煩わしさを抑制することが可能となる。
【0082】
持ち球減少報知は、持ち球数記憶領域に記憶されている持ち球数が減少して第1基準数(本実施形態では、30[球])以下となったことに伴い開始される。特に、本実施形態では、持ち球数記憶領域に記憶されている持ち球数が減少して第1基準数以下となったときに、報知許可状態が設定されている場合に限って、持ち球減少報知が開始される。
すなわち、本実施形態では、主制御基板200において、持ち球減少報知の開始(実行)が許可される報知許可状態と、持ち球減少報知の開始(実行)が禁止される報知禁止状態と、のうち、何れかの状態を設定することが可能となっている。
そして、持ち球数記憶領域に記憶されている持ち球数が減少して第1基準数以下となったときに、報知許可状態が設定されている場合、持ち球減少報知が開始されるとともに、報知許可状態に替えて、報知禁止状態が設定される。また、報知禁止状態が設定されている期間中には、持ち球数記憶領域に記憶されている持ち球数が減少して第1基準数以下となっても、持ち球減少報知が開始されない。さらに、報知禁止状態の設定中において、持ち球数が増加して第2基準数(本実施形態では、100[球])以上となった場合、報知禁止状態が解除されて、報知許可状態が設定される。ここで、第2基準数は、第1基準数より大きい数となっている。
これによって、持ち球減少報知が実行された後に、持ち球数が第1基準数より多い数に増加し、その後、持ち球数が第2基準数以上に増加することなく、再度、持ち球数が第1基準数以下に減少した場合には、持ち球減少報知が実行されない。一方、持ち球減少報知が実行された後に、持ち球数が第1基準数より多い数に増加し、その後、持ち球数が第2基準数以上に増加した後に、再度、持ち球数が第1基準数以下に減少した場合には、持ち球減少報知が実行される。
すなわち、一度、持ち球減少報知が実行されると、その後、持ち球数が第2基準数以上に増加しない限り、再度、持ち球数が第1基準数以下に減少しても、持ち球減少報知が実行されることがない。これによって、持ち球数が第1基準数を挟んで増減した場合に、持ち球減少報知が繰り替えし実行される事態を抑制することが可能となる。
【0083】
持ち球減少報知は、(1)その開始から所定継続時間(本実施形態では、10[s])が経過したこと、及び、(2)貸球操作が実行されたこと、のうち、何れかの条件の成立に応じて終了される。
かかる構成により、持ち球減少報知の開始から所定継続時間が経過するまでに、貸球操作が実行されない場合、当該所定継続時間の経過に応じて、当該持ち球減少報知が終了される。一方、持ち球減少報知の開始から所定継続時間が経過する前に、貸球操作が実行された場合、当該貸球操作の実行に応じて、当該持ち球減少報知が終了される。
ここで、貸球操作が実行されると、貸球の実行を報知(示唆)する音演出(例えば、「ジャラジャラ」なる音声の出力)が実行され、持ち球数記憶領域に記憶されている持ち球数に、所定の貸し球数(本形態では、125[球])が加算され、持ち球数表示部41aに表示される持ち球数に、所定の貸球数が加算される。この際、貸球操作の実行に応じて、持ち球減少報知が終了される場合には、貸球の実行を示唆する音演出が開始される前、かつ、持ち球数表示部41aに表示される持ち球数に所定の貸球数が加算される前に、当該持ち球減少報知が終了される構成とすることが好ましい。これによって、遊技者において、貸球操作(貸出ボタンの押下操作)が正常に検知されていないと誤認し、意図せずに、貸球操作を連続して実行してしまう事態を抑制することが可能となる。
持ち球減少報知の開始から所定継続時間(本実施形態では、10[s])が経過したことに伴い、当該持ち球減少報知を終了することで、持ち球数が0[球]になったら遊技を終了しようと考えている遊技者において、報知を煩わしいと感じる事態を抑制することが可能となる。また、パチンコ機1において、遊技者が交代した場合に、交代後の遊技者が遊技を開始する際に、持ち球減少報知の実行中となる事態を抑制することが可能となり、交代後の遊技者の遊技意欲の低下を抑制することが可能となる。
なお、持ち球減少報知が、(1)その開始から所定継続時間(本実施形態では、10[s])が経過したこと、(2)持ち球数記憶領域に記憶されている持ち球数が第2基準数(本実施形態では、100[球])以上となったこと、及び、(3)貸球操作が実行されたこと、のうち、何れかの条件の成立に応じて終了される構成としても構わない。
【0084】
(持ち球ゼロ報知)
次に、パチンコ機1で実行される持ち球ゼロ報知について説明する。
演出制御基板300は、持ち球ゼロ報知を実行することが可能となっている。持ち球ゼロ報知は、持ち球が無くなったこと(持ち球数が0[球]となったこと)に関する報知となっている。
本実施形態では、持ち球ゼロ報知として、表示演出と、音演出と、が実行される。すなわち、持ち球ゼロ報知では、表示演出として、表示画面31aにおいて、持ち球ゼロ報知画像が表示される。そして、持ち球ゼロ報知画像は、持ち球が無くなったこと(持ち球数が0[球]となったこと)を報知(示唆)する情報(本実施形態では、「持ち球がありません」なる文字)の表示を含んで構成されている。また、持ち球ゼロ報知では、音演出として、音発生装置22から、持ち球が無くなったこと(持ち球数が0[球]となったこと)を報知(示唆)する音声(本実施形態では、「持ち球がありません」なる音声)が出力される。
上記のように、パチンコ機1では、持ち球数が、数値データとして管理されるため、遊技者において、持ち球数の減少を認識することが困難となっている。そこで、持ち球ゼロ報知を実行する機能を備えることにより、持ち球が無くなったことを容易に認識することが可能となる。特に、本実施形態では、持ち球ゼロ報知が、音演出を含んで構成されているため、自己の携帯通信端末の画面を見ながら遊技を行っている遊技者に対しても、持ち球が無くなったことを認識させることが可能となる。
【0085】
本実施形態では、メニュー画面において有効・無効を設定することが可能な各種報知において、持ち球ゼロ報知が含まれている。すなわち、メニュー画面において、持ち球ゼロ報知の有効・無効を設定することが可能となっている。そして、持ち球ゼロ報知が有効に設定されている場合、持ち球が無くなったことに伴い、持ち球ゼロ報知が実行される。一方、持ち球ゼロ報知が無効に設定されている場合、持ち球が無くなっても、持ち球ゼロ報知が実行されない。
このように、本実施形態では、遊技者において、持ち球ゼロ報知の有効・無効を任意に選択・設定することが可能となっている。これによって、常に持ち球数を把握しつつ遊技を進行する遊技者については、持ち球ゼロ報知を無効に設定することで、報知の煩わしさを抑制することが可能となる。
【0086】
持ち球ゼロ報知は、持ち球数記憶領域に記憶されている持ち球数が減少して0[球]となったことに伴い開始される。特に、本実施形態では、持ち球数記憶領域に記憶されている持ち球数が減少して0[球]となったときに、遊技者による発射ハンドルの操作が実行されている場合(または、遊技者による発射ハンドルの操作が実行される可能性がある場合)に限って、持ち球ゼロ報知が開始される。
本実施形態では、遊技者による発射ハンドルへの接触が検出されている場合(タッチセンサ411から入力されるタッチ信号がON状態である場合)に、遊技者による発射ハンドルの操作が実行されているものと判定し、遊技者による発射ハンドルへの接触が検出されていない場合(タッチセンサ411から入力されるタッチ信号がOFF状態である場合)に、遊技者による発射ハンドルの操作が実行されていないものと判定している。
なお、発射ハンドルの回転操作が検出されている場合(ハンドルボリューム信号がON状態である場合)に、遊技者による発射ハンドルの操作が実行されているものと判定し、発射ハンドルの回転操作が検出されていない場合(ハンドルボリューム信号がOFF状態である場合)に、遊技者による発射ハンドルの操作が実行されていないものと判定しても構わない。
すなわち、本実施形態では、主制御基板200において、ハンドル操作信号の入力状況に基づいて、タッチ信号の入力状況(すなわち、遊技者による発射ハンドルの操作の有無)を把握することが可能となっている。
そして、持ち球数記憶領域に記憶されている持ち球数が0[球]となっているときに、遊技者による発射ハンドルの操作が検知されている場合、持ち球ゼロ報知が開始される。一方、持ち球数記憶領域に記憶されている持ち球数が0[球]となっていても、遊技者による発射ハンドルの操作が検知されていない場合、持ち球ゼロ報知が開始されない。
これによって、遊技を継続する意思が有る遊技者に対して、持ち球が無くなったことを報知することが可能となる一方で、遊技を継続する意思が無い遊技者に対して、持ち球が無くなったことが報知される事態を抑制することが可能となる。
【0087】
本実施形態では、持ち球ゼロ報知が有効に設定されている状態において、持ち球数記憶領域に記憶されている持ち球数が0[球]となっているときに、遊技者による発射ハンドルの操作が検知されていない状態の継続時間が所定時間(本実施形態では、60[s])に達した場合に、持ち球ゼロ報知が無効に設定される。
これによって、パチンコ機1において、遊技者が交代した場合に、交代後の遊技者による発射ハンドルの操作が検知されたことに伴い、持ち球ゼロ報知が実行される事態を抑制することが可能となり、交代後の遊技者の遊技意欲の低下を抑制することが可能となる。
【0088】
持ち球ゼロ報知は、(1)その開始から所定継続時間(本実施形態では、10[s])が経過したこと、及び、(2)貸球操作が実行されたこと、のうち、何れかの条件の成立に応じて終了される。
かかる構成により、持ち球ゼロ報知の開始から所定継続時間が経過するまでに、貸球操作が実行されない場合、当該所定継続時間の経過に応じて、当該持ち球ゼロ報知が終了される。一方、持ち球ゼロ報知の開始から所定継続時間が経過する前に、貸球操作が実行された場合、当該貸球操作の実行に応じて、当該持ち球ゼロ報知が終了される。
ここで、上記のように、貸球操作が実行されると、貸球の実行を示唆する音演出(例えば、「ジャラジャラ」なる音声の出力)が実行され、持ち球数記憶領域に記憶されている持ち球数に、所定の貸し球数(本形態では、125[球])が加算され、持ち球数表示部41aに表示される持ち球数に、所定の貸球数が加算される。この際、貸球操作の実行に応じて、持ち球ゼロ報知が終了される場合には、貸球の実行を示唆する音演出が開始される前、かつ、持ち球数表示部41aに表示される持ち球数に所定の貸球数が加算される前に、当該持ち球ゼロ報知が終了される構成とすることが好ましい。これによって、遊技者において、貸球操作(貸出ボタンの押下操作)が正常に検知されていないと誤認し、意図せずに、貸球操作を連続して実行してしまう事態を抑制することが可能となる。
持ち球ゼロ報知の開始から所定継続時間(本実施形態では、10[s])が経過したことに伴い、当該持ち球減少報知を終了することで、パチンコ機1において、遊技者が交代した場合に、交代後の遊技者が遊技を開始した際に、持ち球ゼロ報知の実行中となる事態を抑制することが可能となり、交代後の遊技者の遊技意欲の低下を抑制することが可能となる。
なお、持ち球ゼロ報知が、(1)その開始から所定継続時間(本実施形態では、10[s])が経過したこと、(2)持ち球数記憶領域に記憶されている持ち球数が第2基準数(本実施形態では、100[球])以上となったこと、及び、(3)貸球操作が実行されたこと、のうち、何れかの条件の成立に応じて終了される構成としても構わない。
【0089】
(持ち球増加報知)
次に、パチンコ機1で実行される持ち球増加報知について説明する。
演出制御基板300は、持ち球増加報知を実行することが可能となっている。持ち球増加報知は、持ち球数が増加したこと(賞球を獲得したこと)に関する報知となっている。特に、持ち球増加報知は、持ち球数が減少していること(持ち球数が0[球]に近づいていること)に関する間接的な報知となっている。詳細に、持ち球増加報知は、持ち球数が減少している状態(持ち球数が0[球]に近づいている状態)において、持ち球数が増加したこと(賞球を獲得したこと)に関する報知となっている。
本実施形態では、持ち球増加報知として、音演出のみが実行される。すなわち、持ち球増加報知として、音発生装置22から、持ち球数が増加したこと(賞球を獲得したこと)を報知(示唆)する音声(本実施形態では、「チンチロリン」なる音声)が出力される。なお、持ち球増加報知として、表示演出と、音演出と、が実行される構成としても構わない。すなわち、持ち球増加報知として、表示画面31aにおける持ち球数が増加したこと(賞球を獲得したこと)を報知(示唆)する画像の表示と、音発生装置22による持ち球数が増加したこと(賞球を獲得したこと)を報知(示唆)する音声の出力と、が実行される構成としても構わない。
パチンコ機1では、持ち球数が、数値データとして管理されるため、遊技者において、持ち球数の増加を認識することが困難となっている。そこで、持ち球増加報知を実行する機能を備えることにより、持ち球数が増加したことを容易に認識することが可能となる。
【0090】
本実施形態では、メニュー画面において有効・無効を設定することが可能な各種報知において、持ち球増加報知が含まれている。すなわち、メニュー画面において、持ち球増加報知の有効・無効を設定することが可能となっている。そして、持ち球増加報知が有効に設定されている場合、持ち球数の増加に伴い、持ち球増加報知が実行される。一方、持ち球増加報知が無効に設定されている場合、持ち球数が増加しても、持ち球増加報知が実行されない。
このように、本実施形態では、遊技者において、持ち球増加報知の有効・無効を任意に選択・設定することが可能となっている。これによって、常に持ち球数を把握しつつ遊技を進行する遊技者については、持ち球増加報知を無効に設定することで、報知の煩わしさを抑制することが可能となる。
【0091】
持ち球増加報知は、持ち球数記憶領域に記憶されている持ち球数の増加に伴い開始される。特に、本実施形態では、持ち球数記憶領域に記憶されている持ち球数が特定範囲内にあるときに、持ち球数記憶領域に記憶されている持ち球数が増加した場合に限って、持ち球増加報知が開始される。この際、「特定範囲」は、第1基準数(本実施形態では、30[球])を超え、かつ、第3基準数(本実施形態では、50[球])以下の範囲となっている。ここで、第3基準数は、第1基準数より大きく、かつ、第2基準数より小さい数となっている。
すなわち、本実施形態では、持ち球数記憶領域に記憶されている持ち球数が特定範囲内にあるときに、賞球の払い出しが発生した場合に、持ち球増加報知が開始される。すなわち、持ち球数記憶領域に記憶されている持ち球数が特定範囲内にあるときに、賞球の払い出しが発生するごとに、持ち球増加報知が開始される。
持ち球増加報知は、その開始から所定継続時間(本実施形態では、1[s])が経過したことに伴い終了される。
特に、本実施形態では、特定範囲の上限として、持ち球減少報知の開始条件である第1基準数より大きい数(具体的には、第3基準数)が規定されている。これによって、遊技者において、持ち球増加報の実行により、持ち球数について、持ち球減少報知が実行される数の付近まで減少していることを報知(示唆)することが可能となる。また、特定範囲の下限として、持ち球減少報知の開始条件である第1基準数が規定されている。これによって、持ち球数が減少している段階として、持ち球増加報知が実行される段階(持ち球数が、多少、少なくなっている段階)と、持ち球減少報知が実行される段階(持ち球数が、かなり、少なくなっている段階)と、の2段階を、遊技者に対して報知(示唆)することが可能となり、持ち球数の減少を段階的に報知することが可能となる。
【0092】
なお、本実施形態では、特定範囲の下限が設けられている構成となっている。しかしながら、特定範囲の下限が設けられていない構成としても構わない。すなわち、持ち球数記憶領域に記憶されている持ち球数が第3基準数以下であるときに、賞球の払い出しが発生した場合に、持ち球増加報知が開始される構成としても構わない。これによって、持ち球数記憶領域に記憶されている持ち球数が第3基準数以下であるときに、賞球の払い出しが発生するごとに、持ち球増加報知が開始することが可能となる。
【0093】
(持ち球減少報知の制御)
次に、持ち球減少報知の制御方法について、具体的に説明する。
まず、主制御基板200のCPUが実行する枠制御コマンド受信時処理を説明する。
図9は、枠制御コマンド受信時処理を示すフローチャートである。
上記のように、主制御基板200のCPUは、パチンコ機1への電源投入に応じて、起動情報(チップID、メーカーコード等)を、枠制御基板400に対して送信する。そして、枠制御基板400のCPUは、起動情報を受信すると、これに応じて、持ち球数記憶領域に記憶されている持ち球数を示す情報を含む枠制御コマンドを、主制御基板200に対して返信する。
また、枠制御基板400のCPUは、持ち球数記憶領域に記憶されている持ち球数が変更(更新)されるごとに、更新後の持ち球数記憶領域に記憶されている持ち球数を示す情報を含む枠制御コマンドを、主制御基板200に対して送信する。
そして、主制御基板200のCPUは、枠制御コマンドを受信するごとに、
図9に示す枠制御コマンド受信時処理を実行する。枠制御コマンド受信時処理が開始されると、まず、ステップS1-1に移行する。
ステップS1-1では、枠制御コマンド(枠制御コマンドに含まれる持ち球数情報)が指定する持ち球数が第1基準数(本実施形態では、30[球])以下であるか否かを判定し、枠制御コマンドが指定する持ち球数が第1基準数以下であると判定した場合(Yes)には、ステップS1-2に移行し、枠制御コマンドが指定する持ち球数が第1基準数以下でないと判定した場合(No)には、ステップS1-5に移行する。
【0094】
ステップS1-2では、報知許可状態の設定中であるか否かを判定し、報知許可状態の設定中であると判定した場合(Yes)には、ステップS1-3に移行し、報知許可状態の設定中でない(報知禁止状態の設定中である)と判定した場合(No)には、ステップS1-5に移行する。この際、主制御基板200のCPUは、RAMの報知状態フラグ領域に設定されている値が、報知許可状態に対応する値(本実施形態では、「1」)である場合、報知許可状態の設定中であると判定し、RAMの報知状態フラグ領域に設定されている値が、報知禁止状態に対応する値(本実施形態では、「0」)である場合、報知許可状態の設定中でないと判定する。なお、主制御基板200のCPUは、パチンコ機1への電源の投入に応じて、RAMの報知状態フラグ領域において、報知許可状態に対応する値(本実施形態では、「1」)を設定する。
ステップS1-3では、持ち球減少報知指定コマンド送信処理を実行し、ステップS1-4に移行する。持ち球減少報知指定コマンド送信処理では、持ち球減少報知の開始を指定する持ち球減少報知コマンドを、演出制御基板300に対して送信する。
ステップS1-4では、報知禁止状態設定処理を実行し、ステップS1-5に移行する。報知禁止状態設定処理では、報知許可状態に替えて、報知禁止状態を設定する。具体的に、報知禁止状態設定処理では、RAMの報知状態フラグ領域において、報知禁止状態に対応する値(本実施形態では、「0」)を設定する。
【0095】
ステップS1-5では、枠制御コマンド(枠制御コマンドに含まれる持ち球数情報)が指定する持ち球数が第2基準数(本実施形態では、100[球])以上であるか否かを判定し、枠制御コマンドが指定する持ち球数が第2基準数以上であると判定した場合(Yes)には、ステップS1-6に移行し、枠制御コマンドが指定する持ち球数が第2基準数以上でないと判定した場合(No)には、ステップS1-8に移行する。
ステップS1-6では、報知禁止状態の設定中であるか否かを判定し、報知禁止状態の設定中であると判定した場合(Yes)には、ステップS1-7に移行し、報知禁止状態の設定中でない(報知許可状態の設定中である)と判定した場合(No)には、ステップS1-8に移行する。この際、主制御基板200のCPUは、RAMの報知状態フラグ領域に設定されている値が、報知禁止状態に対応する値(本実施形態では、「0」)である場合、報知禁止状態の設定中であると判定し、RAMの報知状態フラグ領域に設定されている値が、報知許可状態に対応する値(本実施形態では、「1」)である場合、報知禁止状態の設定中でないと判定する。
ステップS1-7では、報知許可状態設定処理を実行し、ステップS1-8に移行する。報知許可状態設定処理では、報知禁止状態に替えて、報知許可状態を設定する。具体的に、報知許可状態設定処理では、RAMの報知状態フラグ領域において、報知許可状態に対応する値(本実施形態では、「1」)を設定する。
【0096】
ステップS1-8では、枠制御コマンド(枠制御コマンドに含まれる貸球情報)が「貸球操作の実行」を指定しているか否かを判定し、枠制御コマンドが「貸球操作の実行」を指定していると判定した場合(Yes)には、ステップS1-9に移行し、枠制御コマンドが「貸球操作の実行」を指定していないと判定した場合(No)には、今回の枠制御コマンド受信時処理を終了する。
ステップS1-9では、貸球発生指定コマンド送信処理を実行し、今回の枠制御コマンド受信時処理を終了する。貸球発生指定コマンド送信処理では、貸球発生指定コマンドを、演出制御基板300に対して送信する。
【0097】
次に、演出制御基板300のCPUが実行する持ち球減少報知管理処理を説明する。
図10は、持ち球減少報知管理処理を示すフローチャートである。
演出制御基板300のCPUは、クロック発生回路によるクロックパルスの発生に基づいて、所定周期毎に、タイマ割込み処理を実行する。そして、持ち球減少報知管理処理は、タイマ割り込み処理に含まれている。持ち球減少報知管理処理が開始されると、まず、ステップS2-1に移行する。
ステップS2-1では、持ち球減少報知指定コマンドを受信したか否かを判定し、持ち球減少報知指定コマンドを受信したと判定した場合(Yes)には、ステップS2-2に移行し、持ち球減少報知指定コマンドを受信していないと判定した場合(No)には、ステップS2-4に移行する。
ステップS2-2では、持ち球減少報知の有効が設定されているか否かを判定し、持ち球減少報知の有効が設定されていると判定した場合(Yes)には、ステップS2-3に移行し、持ち球減少報知の有効が設定されていない(持ち球減少報知の無効が設定されている)と判定した場合(No)には、ステップS2-4に移行する。
ステップS2-3では、持ち球減少報知開始処理を実行し、ステップS2-4に移行する。持ち球減少報知開始処理では、持ち球減少報知を開始する。具体的には、表示画面31aにおいて、持ち球減少報知画像の表示を開始する。ここで、演出制御基板300は、持ち球減少報知タイマを含んで構成されている。持ち球減少報知タイマは、持ち球減少報知の継続時間を計測する。そして、持ち球減少報知開始処理では、持ち球減少報知タイマの値として、10[s]を設定し、持ち球減少報知の継続時間の計測(カウントダウン)を開始する。なお、持ち球減少報知タイマの値は、図示しない処理により更新(減算)される。
【0098】
ステップS2-4では、持ち球減少報知を実行中であるか否かを判定し、持ち球減少報知の実行中であると判定した場合(Yes)には、ステップS2-5に移行し、持ち球減少報知の実行中でないと判定した場合(No)には、今回の持ち球減少報知管理処理を終了する。
ステップS2-5では、持ち球減少報知タイマがタイムアップしているか否か(持ち球減少報知タイマの値が、0[s]以下となっているか否か)を判定し、持ち球減少報知タイマがタイムアップしていないと判定した場合(No)には、ステップS2-6に移行し、持ち球減少報知タイマがタイムアップしていると判定した場合(Yes)には、ステップS2-7に移行する。
ステップS2-6では、貸球発生指定コマンドを受信したか否かを判定し、貸球発生指定コマンドを受信したと判定した場合(Yes)には、ステップS2-7に移行し、貸球発生指定コマンドを受信していないと判定した場合(No)には、今回の持ち球減少報知管理処理を終了する。
ステップS2-7では、持ち球減少報知終了処理を実行し、今回の持ち球減少報知管理処理を終了する。持ち球減少報知終了処理では、持ち球減少報知を終了する。具体的には、表示画面31aにおいて、持ち球減少報知画像の表示を終了する。
【0099】
次に、持ち球減少報知の制御例について、具体的に説明する。
まず、遊技球の発射時における持ち球減少報知の制御例を説明する。
枠制御基板400は、遊技球の発射により、持ち球数記憶領域に記憶されている持ち球数から、1[球]を減算すると、減算後の持ち球数を示す情報を含む枠制御コマンドを、主制御基板200に対して送信する。
主制御基板200は、受信した枠制御コマンドが指定する持ち球数が第1基準数以下であり、かつ、報知許可状態の設定中である場合、持ち球減少報知指定コマンドを、演出制御基板300に対して送信する。
演出制御基板300は、持ち球減少報知指定コマンドを受信したときに、持ち球減少報知が有効に設定されている場合、持ち球減少報知を開始する。
これによって、遊技球の発射により持ち球数が第1基準数以下となった場合、報知有効状態の設定中であり、かつ、持ち球減少報知が有効に設定されている場合に限って、持ち球減少報知が開始されることになる。
【0100】
次に、貸球操作の実行時における持ち球減少報知の制御例を説明する。
枠制御基板400は、貸球操作の実行により、持ち球数記憶領域に記憶されている持ち球数に、所定の貸し球数(本形態では、125[球])を加算すると、加算後の持ち球数を示す情報と、貸球操作の実行を示す貸球情報と、を含む枠制御コマンドを、主制御基板200に対して送信する。
主制御基板200は、受信した枠制御コマンドが指定する持ち球数が第2基準数以上であり、かつ、報知禁止状態の設定中である場合、報知禁止状態に替えて、報知許可状態を設定する。
また、主制御基板200は、受信した枠制御コマンドが貸球操作の実行を指定している場合、貸球発生指定コマンドを、演出制御基板300に対して送信する。
演出制御基板300は、貸球発生指定コマンドを受信したときに、持ち球減少報知の実行中である場合、当該持ち球減少報知を終了する。
【0101】
次に、賞球の付与時における持ち球減少報知の制御例を説明する。
主制御基板200は、何れかの入賞口51~55に遊技球が入球すると、遊技球が入球した入賞口に対応する賞球数を指定する賞球指定コマンドを、枠制御基板400に対して送信する。また、枠制御基板400では、賞球指定コマンドを受信すると、持ち球数記憶領域に記憶されている持ち球数に、当該賞球指定コマンドが指定する賞球数を加算するとともに、加算後の持ち球数を示す情報を含む枠制御コマンドを、主制御基板200に対して送信する。
主制御基板200は、受信した枠制御コマンドが指定する持ち球数が第2基準数以上であり、かつ、かつ、報知禁止状態の設定中である場合、報知禁止状態に替えて、報知許可状態を設定する。
【0102】
以上により、一度、持ち球減少報知が実行されると、その後、持ち球数が第2基準数以上とならない限り、再度、持ち球数が第1基準数以下に減少しても、持ち球減少報知が実行されないことになる。
【0103】
(持ち球ゼロ報知の制御)
次に、持ち球ゼロ報知の制御方法について、具体的に説明する。
まず、主制御基板200のCPUが実行する持ち球数監視処理を説明する。
図11は、持ち球数監視処理を示すフローチャートである。
主制御基板200のCPUは、クロック発生回路によるクロックパルスの発生に基づいて、所定周期毎に、タイマ割込み処理を実行する。そして、持ち球数監視処理は、タイマ割り込み処理に含まれている。持ち球数監視処理が開始されると、まず、ステップS3-1に移行する。
なお、主制御基板200のROMには、持ち球数を記憶することが可能な持ち球数記憶領域が設けられている。そして、主制御基板200のCPUは、枠制御コマンドを受信するごとに、持ち球数記憶領域に記憶されている持ち球数を、当該枠制御コマンド(枠制御コマンドに含まれる持ち球数情報)が指定する持ち球数に更新する。
ステップS3-1では、持ち球数記憶領域に記憶されている持ち球数が「0」であるか否かを判定し、持ち球数が「0」であると判定した場合(Yes)には、ステップS3-2に移行し、持ち球数が「0」でないと判定した場合(No)には、今回の持ち球数監視処理を終了する。
【0104】
ステップS3-2では、遊技者による発射ハンドルの操作(接触)を検知しているか否かを判定し、遊技者による発射ハンドルの操作を検知していると判定した場合(Yes)には、ステップS3-3に移行し、遊技者による発射ハンドルの操作を検知していないと判定した場合(No)には、ステップS3-5に移行する。この際、主制御基板200は、ハンドル操作信号の入力状況に基づいて、遊技者による発射ハンドルの操作(接触)の有無を判定する。
ステップS3-3では、持ち球ゼロ報知指定コマンド送信処理を実行し、ステップS3-4に移行する。持ち球ゼロ報知指定コマンド送信処理では、持ち球ゼロ報知の開始を指定する持ち球ゼロ報知コマンドを、演出制御基板300に対して送信する。
ステップS3-4では、発射ハンドル非操作時間リセット処理を実行し、ステップS3-5に移行する。発射ハンドル非操作時間リセット処理では、発射ハンドル非操作時間をリセットする。具体的に、主制御基板200は、発射ハンドル非操作時間タイマを含んで構成されている。発射ハンドル非操作時間タイマは、遊技者による発射ハンドルの操作が検知されていない状態の継続時間(=発射ハンドル非操作時間)を計測する。そして、発射ハンドル非操作時間リセット処理では、発射ハンドル非操作時間タイマの値をリセットする(発射ハンドル非操作時間タイマの値として、0[s]を設定する)。なお、発射ハンドル非操作時間タイマの値は、図示しない処理により更新(加算)される。
【0105】
ステップS3-5では、発射ハンドル非操作時間タイマにより計測されている発射ハンドル非操作時間が所定時間(本実施形態では、60[s])に達しているか否かを判定し、発射ハンドル非操作時間が所定時間に達していると判定した場合(Yes)には、ステップS3-6に移行し、発射ハンドル非操作時間が所定時間に達していないと判定した場合(No)には、今回の持ち球数監視処理を終了する。
ステップS3-6では、持ち球ゼロ報知無効指定コマンド送信処理を実行し、今回の持ち球数監視処理を終了する。持ち球ゼロ報知無効指定コマンド送信処理では、持ち球ゼロ報知無効指定コマンドを、演出制御基板300に対して送信する。
【0106】
次に、演出制御基板300のCPUが実行する持ち球ゼロ報知管理処理を説明する。
図12は、持ち球ゼロ報知管理処理を示すフローチャートである。
演出制御基板300のCPUは、クロック発生回路によるクロックパルスの発生に基づいて、所定周期毎に、タイマ割込み処理を実行する。そして、持ち球ゼロ報知管理処理は、タイマ割り込み処理に含まれている。持ち球ゼロ報知管理処理が開始されると、まず、ステップS4-1に移行する。
ステップS4-1では、持ち球ゼロ報知指定コマンドを受信したか否かを判定し、持ち球ゼロ報知指定コマンドを受信したと判定した場合(Yes)には、ステップS4-2に移行し、持ち球ゼロ報知指定コマンドを受信していないと判定した場合(No)には、ステップS4-5に移行する。
ステップS4-2では、持ち球ゼロ報知の有効が設定されているか否かを判定し、持ち球ゼロ報知の有効が設定されていると判定した場合(Yes)には、ステップS4-3に移行し、持ち球ゼロ報知の有効が設定されていない(持ち球ゼロ報知の無効が設定されている)と判定した場合(No)には、ステップS4-5に移行する。
ステップS4-3では、持ち球ゼロ報知の実行中であるか否かを判定し、持ち球ゼロ報知の実行中でないと判定した場合(No)には、ステップS4-4に移行し、持ち球ゼロ報知の実行中であると判定した場合(Yes)には、ステップS4-5に移行する。
ステップS4-4では、持ち球ゼロ報知開始処理を実行し、ステップS4-5に移行する。持ち球ゼロ報知開始処理では、持ち球ゼロ報知を開始する。具体的には、表示画面31aにおいて、持ち球ゼロ報知画像の表示を開始するとともに、音発生装置22から、持ち球が無くなったことを報知する音声の出力を開始する。ここで、演出制御基板300は、持ち球ゼロ報知タイマを含んで構成されている。持ち球ゼロ報知タイマは、持ち球ゼロ報知の継続時間を計測する。そして、持ち球ゼロ報知開始処理では、持ち球ゼロ報知タイマの値として、10[s]を設定し、持ち球ゼロ報知の継続時間の計測(カウントダウン)を開始する。なお、持ち球ゼロ報知タイマの値は、図示しない処理により更新(減算)される。
【0107】
ステップS4-5では、持ち球ゼロ報知を実行中であるか否かを判定し、持ち球ゼロ報知の実行中であると判定した場合(Yes)には、ステップS4-6に移行し、持ち球ゼロ報知の実行中でないと判定した場合(No)には、ステップS4-9に移行する。
ステップS4-6では、持ち球ゼロ報知タイマがタイムアップしているか否か(持ち球ゼロ報知タイマの値が、0[s]以下となっているか否か)を判定し、持ち球ゼロ報知タイマがタイムアップしていないと判定した場合(No)には、ステップS4-7に移行し、持ち球ゼロ報知タイマがタイムアップしていると判定した場合(Yes)には、ステップS4-8に移行する。
ステップS4-7では、貸球発生指定コマンドを受信したか否かを判定し、貸球発生指定コマンドを受信したと判定した場合(Yes)には、ステップS4-8に移行し、貸球発生指定コマンドを受信していないと判定した場合(No)には、ステップS4-9に移行する。
ステップS4-8では、持ち球ゼロ報知終了処理を実行し、ステップS4-9に移行する。持ち球ゼロ報知終了処理では、持ち球ゼロ報知を終了する。具体的には、表示画面31aにおいて、持ち球ゼロ報知画像の表示を終了するとともに、音発生装置22による持ち球が無くなったことを報知する音声の出力を終了する。
ステップS4-9では、持ち球ゼロ報知無効指定コマンドを受信したか否かを判定し、持ち球ゼロ報知無効指定コマンドを受信したと判定した場合(Yes)には、ステップS4-10に移行し、持ち球ゼロ報知無効指定コマンドを受信していないと判定した場合(No)には、今回の持ち球ゼロ報知管理処理を終了する。
ステップS4-10では、持ち球ゼロ報知無効処理を実行し、今回の持ち球ゼロ報知管理処理を終了する。持ち球ゼロ報知無効処理では、持ち球ゼロ報知の無効を設定する。
【0108】
次に、持ち球ゼロ報知の制御例について、具体的に説明する。
まず、遊技球の発射時における持ち球ゼロ報知の制御例を説明する。
枠制御基板400は、遊技球の発射により、持ち球数記憶領域に記憶されている持ち球数から、1[球]を減算すると、減算後の持ち球数を示す情報を含む枠制御コマンドを、主制御基板200に対して送信する。
主制御基板200は、受信した枠制御コマンドが指定する持ち球数が「0」であり、かつ、発射ハンドルの操作を検知している場合、持ち球ゼロ報知指定コマンドを、演出制御基板300に対して送信する。
演出制御基板300は、持ち球ゼロ報知指定コマンドを受信したときに、持ち球ゼロ報知が有効に設定されており、かつ、持ち球ゼロ報知の実行中でない場合、持ち球ゼロ報知を開始する。
これによって、遊技球の発射により持ち球数が「0」となった場合、発射ハンドルの操作が検知されており、かつ、持ち球ゼロ報知が有効に設定されている場合に限って、持ち球ゼロ報知が開始されることになる。
【0109】
次に、貸球操作の実行時における持ち球ゼロ報知の制御例を説明する。
枠制御基板400は、貸球操作の実行により、持ち球数記憶領域に記憶されている持ち球数に、所定の貸し球数(本形態では、125[球])を加算すると、加算後の持ち球数を示す情報と、貸球操作の実行を示す貸球情報と、を含む枠制御コマンドを、主制御基板200に対して送信する。
主制御基板200は、受信した枠制御コマンドが貸球操作の実行を指定している場合、貸球発生指定コマンドを、演出制御基板300に対して送信する。
演出制御基板300は、貸球発生指定コマンドを受信したときに、持ち球ゼロ報知の実行中である場合、当該持ち球ゼロ報知を終了する。
【0110】
次に、発射ハンドルの操作が検知されていない状態が継続した場合における持ち球ゼロ報知の制御例を説明する。
主制御基板200は、持ち球数が「0」となっているときに、発射ハンドル非操作時間の計測を実行する。そして、発射ハンドル非操作時間が所定時間に達した場合に、持ち球ゼロ報知無効指定コマンドを、演出制御基板300に対して送信する。
演出制御基板300は、持ち球ゼロ報知無効指定コマンドを受信すると、持ち球ゼロ減少報知を無効に設定する。
これによって、持ち球数が「0」となっている状態で、発射ハンドル非操作時間が所定時間に達すると、持ち球ゼロ減少報知の設定が無効となる。
【0111】
(持ち球増加報知の制御)
次に、持ち球増加報知の制御方法について、具体的に説明する。
まず、主制御基板200のCPUが実行する賞球監視処理を説明する。
図13は、賞球監視処理を示すフローチャートである。
主制御基板200のCPUは、クロック発生回路によるクロックパルスの発生に基づいて、所定周期毎に、タイマ割込み処理を実行する。そして、賞球監視処理は、タイマ割り込み処理に含まれている。賞球監視処理が開始されると、まず、ステップS5-1に移行する。
ステップS5-1では、賞球が発生したか否かを判定し、賞球が発生したと判定した場合(Yes)には、ステップS5-2に移行し、賞球が発生していないと判定した場合(No)には、今回の賞球監視処理を終了する。この際、主制御基板200のCPUは、何れかの入賞口51~55に遊技球が入球した場合に、賞球が発生したものと判定する。
ステップS5-2では、持ち球数記憶領域に記憶されている持ち球数が特定範囲内(具体的には、第1基準数を超え、かつ、第3基準数以下の範囲内)であるか否かを判定し、持ち球数が特定範囲内であると判定した場合(Yes)には、ステップS5-3に移行し、持ち球数が特定範囲内でないと判定した場合(No)には、今回の賞球監視処理を終了する。
ステップS5-3では、持ち球増加報知指定コマンド送信処理を実行し、今回の賞球監視処理を終了する。持ち球増加報知指定コマンド送信処理では、持ち球増加報知の開始を指定する持ち球増加報知コマンドを、演出制御基板300に対して送信する。
【0112】
次に、演出制御基板300のCPUが実行する持ち球増加報知管理処理を説明する。
図14は、持ち球増加報知管理処理を示すフローチャートである。
演出制御基板300のCPUは、クロック発生回路によるクロックパルスの発生に基づいて、所定周期毎に、タイマ割込み処理を実行する。そして、持ち球増加報知管理処理は、タイマ割り込み処理に含まれている。持ち球増加報知管理処理が開始されると、まず、ステップS6-1に移行する。
ステップS6-1では、持ち球増加報知指定コマンドを受信したか否かを判定し、持ち球増加報知指定コマンドを受信したと判定した場合(Yes)には、ステップS6-2に移行し、持ち球増加報知指定コマンドを受信していないと判定した場合(No)には、今回の持ち球増加報知管理処理を終了する。
ステップS6-2では、持ち球増加報知の有効が設定されているか否かを判定し、持ち球増加報知の有効が設定されていると判定した場合(Yes)には、ステップS6-3に移行し、持ち球増加報知の有効が設定されていない(持ち球増加報知の無効が設定されている)と判定した場合(No)には、今回の持ち球増加報知管理処理を終了する。
ステップS6-3では、持ち球増加報知開始処理を実行し、今回の持ち球増加報知管理処理を終了する。持ち球増加報知開始処理では、持ち球増加報知を開始する。具体的には、音発生装置22から、持ち球数が増加したことを報知する音声の出力を開始する。ここで、持ち球数増加報知は、持ち球数が増加したことを報知する音声の出力が完了することにより終了する。
【0113】
次に、持ち球増加報知の制御例について、具体的に説明する。
主制御基板200は、何れかの入賞口51~55への遊技球の入球が検知されたときに、持ち球数(当該入球により発生する賞球が加算される前の持ち球数)が特定範囲内(具体的には、第1基準数を超え、かつ、第3基準数以下の範囲内)である場合に、持ち球増加報知指定コマンドを、演出制御基板300に対して送信する。
演出制御基板300は、持ち球増加報知指定コマンドを受信したときに、持ち球増加報知が有効に設定されている場合、持ち球増加報知を開始する。
これによって、持ち球数(当該入球により発生する賞球が加算される前の持ち球数)が特定範囲内(具体的には、第1基準数を超え、かつ、第3基準数以下の範囲内)にあるときに賞球が発生した場合、持ち球増加報知が有効に設定されている場合に限って、持ち球増加報知が開始されることになる。
【0114】
(ワイヤレスイヤホンの接続方法)
次に、パチンコ機1に対してワイヤレスイヤホンを接続する方法を説明する。
パチンコ機1に対してワイヤレスイヤホンを接続するには、パチンコ機1及びワイヤレスイヤホンのそれぞれについて、ペアリングモードを設定する必要がある。
この際、ワイヤレスイヤホン(子機)については、所定の操作(ペアリングボタンの押下操作等)によって、ペアリングモードを設定することが可能となる。そして、ワイヤレスイヤホンでは、ペアリングモードの設定中において、ブロードキャスト通信により、所定時間ごとに、接続待ち信号が出力される。ここで、接続待ち信号には、ワイヤレスイヤホンを識別するための情報(以下、「識別情報」とする)が含まれている。
【0115】
パチンコ機1(親機)については、遊技者による操作により、ペアリングモードを設定することが可能となっている。本実施形態では、メニュー画面において、十字キーボタン42cの操作により、ペアリングモードの設定(開始)を選択することが可能となっている。そして、メニュー画面において、ペアリングモードの設定が選択されると、ペアリングモードが設定されて、表示画面31aにおいて、ペアリング画面が表示される。
パチンコ機1では、ペアリングモードの設定中において、接続待ち信号の検索(スキャン)が実行され、検知された接続待ち信号に含まれる識別情報が、ペアリング画面において表示される。この際、パチンコ機1の周辺において、接続待ち信号を発信しているワイヤレスイヤホンが複数ある場合には、検索された全ての接続待ち信号について、各接続待ち信号に対応する識別情報が、ペアリング画面において表示される。
ペアリング画面では、十字キーボタン42cの操作により、表示されている一又は複数の識別情報のうち、何れかの識別情報を選択することが可能となっている。そして、遊技者により、表示されている一又は複数の識別情報のうち、接続を希望するワイヤレスイヤホンに対応する識別情報が選択されると、これに伴い、パチンコ機1と、選択されたワイヤレスイヤホンとのペアリングが実行され、当該ペアリングの完了に応じて、パチンコ機1に対する選択されたワイヤレスイヤホンの接続が確立される。これによって、演出制御基板300は、接続が確立されたワイヤレスイヤホンに対して、音データを出力することが可能となる。
ここで、「ペアリング」とは、送受信するデータ(音データ等)の暗号化・複合化に使用する暗号化情報(鍵)を生成し、生成した暗号化情報を相互に交換し保存する処理となっている。特に、演出制御基板300(ブルートゥースモジュール)では、ペアリングにより生成された暗号化情報と、データ(音データ等)を送信する送信先(ペアリングされたワイヤレスイヤホン)を示す送信先情報と、ペアリングされたワイヤレスイヤホンの識別情報と、を含む接続情報が、所定の記憶領域に保存(記憶)される。そして、保存された接続情報に基づいて、ワイヤレスイヤホンに対して音データを送信することが可能となる。ここで、「接続情報」は、接続が確立されたワイヤレスイヤホンに対する音データの出力に使用される情報となっている。
本実施形態では、パチンコ機1に対するワイヤレススピーカの接続が確立されたことに伴い、所定の報知音(パチンコ機1に対するワイヤレススピーカの接続が確立されたことを報知する音)が、音発生装置22から出力される。また、パチンコ機1に対するワイヤレススピーカの接続が確立されたことに伴い、所定の報知音(パチンコ機1に対するワイヤレススピーカの接続が確立されたことを報知する音)が、ワイヤレスイヤホンから出力される。
また、本実施形態では、パチンコ機1に対するワイヤレススピーカの接続が確立されたことに伴い、ペアリングモードが解除される。
以下の説明では、パチンコ機1に対するワイヤレスイヤホンの接続が確立されている状態を、「接続状態」とする。また、パチンコ機1に対するワイヤレスイヤホンの接続が確立されていない状態を、「非接続状態」とする。
【0116】
本実施形態では、パチンコ機1への電源の投入中、常時、ペアリングモードを設定することが可能となっている。しかしながら、パチンコ機1への電源の投入中のうち、所定の期間中において、ペアリングモードを設定することができない構成としても構わない。例えば、大当り遊技状態中、大当り遊技状態に含まれるオープニング期間中、又は、大当り遊技状態に含まれるエンディング期間中について、ペアリングモードを設定することができない構成としても構わない。
また、本実施形態では、遊技者による操作により、メニュー画面において、ペアリングモードが設定された場合に、ペアリングモードが設定される構成となっている。しかしながら、パチンコ機1への電源の投入中、常時、ペアリングモードが設定される構成としても構わない。かかる構成とした場合であっても、パチンコ機1への電源の投入中のうち、所定の期間中において、ペアリングモードが解除される構成としても構わない。例えば、大当り遊技状態中、大当り遊技状態に含まれるオープニング期間中、又は、大当り遊技状態に含まれるエンディング期間中について、ペアリングモードが解除される構成としても構わない。
【0117】
(接続状態中におけるパチンコ機1の制御)
次に、接続状態中におけるパチンコ機1の制御を説明する。
パチンコ機1では、接続状態中において、接続状態中であること(ワイヤレスイヤホンの接続が確立されている状態であること)が報知される。本実施形態では、接続状態中において、表示画面31aにおいて、接続報知情報が表示される。一方、非接続状態中には、表示画面31aにおいて、接続報知情報が表示されない。ここで、「接続報知情報」は、接続状態中であることを報知する情報となっている。本実施形態では、接続報知情報として、接続状態中であることを示す文字(例えば、「ワイヤレスイヤホン接続中」なる文字)と、接続されているワイヤレスイヤホンの識別情報(記号)と、が表示される。
なお、接続状態中において、報知ランプ(発光素子)が点灯され、非接続状態中において、当該報知ランプが消灯される構成としても構わない。この際、報知ランプとしては、枠ランプ20に含まれる所定のランプ、盤面ランプ21に含まれる所定のランプ等を用いることが可能となっている。
【0118】
また、接続状態中には、音発生装置(スピーカ)22による音の出力が制限される。すなわち、接続状態中には、パチンコ機1から出力される音のうち、一部の音について、音発生装置22による出力が制限される。
この際、本実施形態では、接続状態中には、パチンコ機1から出力される音のうち、一部の音について、音発生装置22により出力する音量が「0」とされることにより(無音状態・消音状態とされることにより)、音発生装置22による出力が制限される構成となっている。しかしながら、接続状態中には、パチンコ機1から出力される音のうち、一部の音について、音発生装置22により出力する音量が、非接続状態中と比較して小さくされることにより、音発生装置22による出力が制限される構成としても構わない。
【0119】
具体的に、接続状態中には、パチンコ機1から出力される音のうち、演出に関する音(以下、「演出関連音」とする)と、一部のエラー(以下、「第1種エラー」とする)に関する音(以下、「第1種エラー関連音」とする)と、について、音発生装置22により出力されない。すなわち、非接続状態中には、演出関連音、及び、第1種エラー関連音の両方について、音発生装置22により出力される。一方、接続状態中には、演出関連音、及び、第1種エラー関連音の両方について、ワイヤレスイヤホンにより出力され、音発生装置22により出力されない。
ここで、接続状態中において、ワイヤレスイヤホンにより出力される演出関連音の音量は、非接続状態中において、音発生装置22により出力される演出関連音の音量と比較して、小さくなっている。また、接続状態中において、ワイヤレスイヤホンにより出力される第1種エラー関連音の音量は、非接続状態中において、音発生装置22により出力される第1種エラー関連音の音量と比較して、小さくなっている。
一方、パチンコ機1から出力される音のうち、第1種エラーを除いた他のエラー(以下、「第2種エラー」とする)に関する音(以下、「第2種エラー関連音」とする)については、接続状態中であっても、音発生装置22により出力される(音発生装置22による出力が制限されない)。すなわち、非接続状態中には、第2種エラー関連音について、音発生装置22により出力される。一方、接続状態中にも、第2種エラー関連音について、音発生装置22により出力される。
ここで、接続状態中において、音発生装置22により出力される第2種エラー関連音の音量は、非接続状態中において、音発生装置22により出力される第2種エラー関連音の音量と同一となっている。
特に、本実施形態では、第2種エラーが、第2種エラーAと、第2種エラーBと、に分類される。そして、接続状態中には、第2種エラーAに関する音(以下、「第2種エラーA関連音」とする)について、ワイヤレスイヤホンにより出力されず、音発生装置22により出力される。一方、接続状態中には、第2種エラーBに関する音(以下、「第2種エラーB関連音」とする)について、ワイヤレスイヤホンにより出力されるともに、音発生装置22により出力される。
ここで、接続状態中において、ワイヤレスイヤホンにより出力される第2種エラーB関連音の音量は、非接続状態中において、音発生装置22により出力される第2種エラーB関連音の音量と比較して、小さくなっている。
【0120】
「演出関連音」は、遊技の進行に伴い実行される演出に関連する音となっている。
「第1種エラー関連音」は、第1種エラーの検知(発生)に伴い実行される報知に関連する音となっている。
「第2種エラーA関連音」は、第2種エラーAの検知(発生)に伴い実行される報知に関連する音となっている。
「第2種エラーB関連音」は、第2種エラーBの検知(発生)に伴い実行される報知に関連する音となっている。
ここで、「エラー」には、異常の発生が検知された状態、不正行為が検知された状態、不正(不適切)な遊技の実行が検知された状態、遊技の進行方法を指示する必要がある状態等が含まれるものとする。
【0121】
「第1種エラー」は、遊技者に対して発生を報知する必要があり、遊技者を除いた他の者(例えば、遊技機の管理者)に対して発生を報知する必要がないエラーとなっている。
第1種エラーとしては、例えば、打ち方変更状態、受皿満タンエラー等が含まれる。したがって、第1種エラー関連音としては、例えば、打ち方変更指示を内容とする音、受皿満タンエラーの発生(検知)を報知する音等が含まれる。
「打ち方変更状態」は、遊技状態の変更に伴い遊技球を発射するべき領域(左側遊技領域RL・右側遊技領域RR)が変更された状態となっている。「打ち方変更指示」は、変更後の遊技球を発射するべき領域(左側遊技領域RL・右側遊技領域RR)を指定する指示となっている。例えば、時短制御の終了(時短状態から通常状態への移行)に伴い、遊技球を発射するべき領域が右側遊技領域RRから左側遊技領域RLに変更される打ち方変更状態が発生し、左打ち(左側遊技領域RLに対して遊技球を発射するべきこと)を指定する打ち方変更指示が実行される。
「受皿満タンエラー」は、遊技球の貸し出しや賞球の払い出しを遊技者(受皿)に対して直接行う遊技機(管理遊技機ではない通常の遊技機)において発生するエラーであり、受皿において貯留されている賞球が満タンとなったことにより発生するエラーとなっている。
【0122】
「第2種エラーA」は、遊技者に対して発生を報知する必要がなく、遊技者を除いた他の者(例えば、遊技機の管理者)に対して発生を報知する必要があるエラーとなっている。
第2種エラーAとしては、例えば、振動エラー、磁気エラー、電波エラー、扉開放エラー等が含まれる。したがって、第2種エラーA関連音としては、例えば、振動エラーの発生(検知)を報知する音、磁気エラーの発生(検知)を報知する音、電波エラーの発生(検知)を報知する音、扉開放エラーの発生(検知)を報知する音等が含まれる。
「振動エラー」は、遊技盤11における振動が検出されたこと(振動検出センサ113により遊技盤11の振動が検出されたこと)により発生するエラーとなっている。
「磁気エラー」は、遊技盤11の周辺において磁気が検出されたこと(磁気検出センサ115により遊技盤11の周辺に発生する磁気が検出されたこと)により発生するエラーとなっている。
「電波エラー」は、遊技盤11の周辺において電波が検出されたこと(電波検出センサ114により遊技盤11の周辺に発生する電波が検出されたこと)により発生するエラーとなっている。
「扉開放エラー」は、内枠ユニット3、又は、前扉ユニット4が開放されていることにより発生するエラーとなっている。
【0123】
「第2種エラーB」は、遊技者に対して発生を報知する必要があり、遊技者を除いた他の者(例えば、遊技機の管理者)に対して発生を報知する必要があるエラーとなっている。
第2種エラーBとしては、例えば、打ち方不正状態、コンプリート機能作動状態等が含まれる。したがって、第2種エラーB関連音としては、例えば、打ち方修正指示を内容とする音、コンプリート機能の作動を報知する音等が含まれる。
「打ち方不正状態」は、不正(不適切)な打ち方が実行されている状態(特に、遊技球を発射するべき領域(左側遊技領域RL・右側遊技領域RR)とは異なる領域に対して遊技球が発射されている状態)となっている。「打ち方修正指示」は、遊技球を発射するべき領域(左側遊技領域RL・右側遊技領域RR)を指定する指示となっている。例えば、左打ち期間(左側遊技領域RLに対して遊技球を発射することにより遊技を進行するべき期間)中において、右打ち(右側遊技領域RLに対する遊技球の発射)が検出されたことに伴い、打ち方不正状態が発生し、左打ち(左側遊技領域RLに対して遊技球を発射するべきこと)を指定する打ち方修正指示が実行される。この際、所定時間(例えば、30[s])あたりに、右側遊技領域RLに対応する遊技球を検出するセンサ(特
図2始動口スイッチ102、第1ゲートスイッチ104a、第2ゲートスイッチ104b等)により検出された遊技球の数が規定数に達した場合に、打ち方不正状態が検出(判定)される。
「コンプリート機能作動状態」は、コンプリート機能が作動している状態となっている。例えば、コンプリート機能の作動に伴い、コンプリート機能の作動を報知する音の出力が実行される。
【0124】
なお、本実施形態では、接続状態中において、全ての演出関連音について、ワイヤレスイヤホンにより出力され、音発生装置22により出力されない構成となっている。しかしながら、接続状態中において、演出関連音のうち、一部の演出関連音(以下、「特定演出関連音」とする)について、ワイヤレスイヤホンにより出力されるとともに、音発生装置22により出力され、特定演出関連音を除いた他の演出関連音について、ワイヤレスイヤホンにより出力され、音発生装置22により出力されない構成としても構わない。
例えば、特定演出関連音として、大当り遊技状態の開始(「大当り」の当選)を報知する音を設定する。これによって、接続状態中であっても、周辺の者に対して、大当り遊技状態の開始(「大当り」の当選)をアピールすることが可能となる。
【0125】
また、本実施形態では、接続状態中において、第2種エラーA関連音について、ワイヤレスイヤホンにより出力されず、音発生装置22により出力され、第2種エラーB関連音」について、ワイヤレスイヤホンにより出力されるともに、音発生装置22により出力される構成となっている。しかしながら、接続状態中において、第2種エラーA関連音、及び、第2種エラーB関連音の両方について、ワイヤレスイヤホンにより出力されず、音発生装置22により出力される構成としても構わない。または、接続状態中において、第2種エラーA関連音、及び、第2種エラーB関連音の両方について、ワイヤレスイヤホンにより出力されるとともに、音発生装置22により出力される構成としても構わない。
また、本実施形態では、左打ち期間(左側遊技領域RLに対して遊技球を発射することにより遊技を進行するべき期間)中において、右打ち(右側遊技領域RLに対する遊技球の発射)が検出されたことに伴い発生する打ち方不正状態について、打ち方不正状態(弱)と、打ち方不正状態(強)と、が設けられている構成としても構わない。打ち方不正状態(弱)は、所定時間(例えば、30[s])あたりに、右側遊技領域RLに対応する遊技球を検出するセンサ(特
図2始動口スイッチ102、第1ゲートスイッチ104a、第2ゲートスイッチ104b等)により検出された遊技球の数が第1規定数に達した場合に検出(判定)される。一方、打ち方不正状態(強)は、所定時間(例えば、30[s])あたりに、右側遊技領域RLに対応する遊技球を検出するセンサ(特
図2始動口スイッチ102、第1ゲートスイッチ104a、第2ゲートスイッチ104b等)により検出された遊技球の数が第1規定数より多い第2規定数に達した場合に検出(判定)される。そして、接続状態中において、打ち方不正状態(弱)が検出されたことに伴い実行される打ち方修正指示について、ワイヤレスイヤホンにより出力され、音発生装置22により出力されず、打ち方不正状態(強)が検出されたことに伴い実行される打ち方修正指示について、ワイヤレスイヤホンにより出力されるとともに、音発生装置22により出力される構成としても構わない。
【0126】
非接続状態中には、音量調整ボタン42bの操作に応じて、音発生装置22により出力される音の音量を調整することが可能となっている。この際、非接続状態中には、音量調整ボタン42bが操作されると、表示画面31aにおいて、音量調整インターフェース画像が表示される。そして、音量調整インターフェース画像において、7段階の目盛りを有するメーターが表示されることで、音量レベルを7段階に調整することが可能であることが示されるとともに、7段階の目盛りのうち、現在の音量レベルに対応する目盛りが指し示されることで、現在の音量レベル(音発生装置22により出力される音の音量レベル)が示される。音量調整インターフェース画像の表示は、その表示の開始から所定時間の経過に応じて終了される。ここで、非接続状態中には、音発生装置22により出力される音の音量について、ミュート(無音・消音)を設定できない構成となっている。
一方、接続状態中には、音量調整ボタン42bの操作に応じて、ワイヤレスイヤホンにより出力される音の音量を調整することが可能となっている。この際、接続状態中には、音量調整ボタン42bが操作されると、表示画面31aにおいて、音量調整インターフェース画像が表示される。そして、音量調整インターフェース画像において、7段階の目盛りを有するメーターが表示されることで、音量レベルを7段階に調整することが可能であることが示されるとともに、7段階の目盛りのうち、現在の音量レベルに対応する目盛りが指し示されることで、現在の音量レベル(ワイヤレスイヤホンにより出力される音の音量レベル)が示される。音量調整インターフェース画像の表示は、その表示の開始から所定時間の経過に応じて終了される。ここで、接続状態中には、ワイヤレスイヤホンにより出力される音の音量について、ミュート(無音・消音)を設定できる構成となっている。
【0127】
本実施形態では、非接続状態中に表示される音量調整インターフェース画像(音発生装置22により出力される音の音量を示す音量調整インターフェース画像)、及び、接続状態中に表示される音量調整インターフェース画像(ワイヤレスイヤホンにより出力される音の音量を示す音量調整インターフェース画像)について、互いに異なる内容の画像となっている。特に、非接続状態中に表示される音量調整インターフェース画像において設定される音量レベルと、接続状態中に表示される音量調整インターフェース画像において設定される音量レベルと、について、見た目上、同一の音量レベルが設定された場合であっても、ワイヤレスイヤホンにより出力される音の音量は、音発生装置22により出力される音の音量と比較して、小さくなっている。例えば、接続状態中に、音量調整インターフェース画像において音量レベル「3」が設定された場合にワイヤレススピーカから出力される音の音量は、非接続状態中に、音量調整インターフェース画像において音量レベル「3」が設定された場合に音発生装置22から出力される音の音量と比較して、小さくなっている。
なお、非接続状態中に表示される音量調整インターフェース画像(音発生装置22により出力される音の音量を示す音量調整インターフェース画像)、及び、接続状態中に表示される音量調整インターフェース画像(ワイヤレスイヤホンにより出力される音の音量を示す音量調整インターフェース画像)について、共通の画像としても構わない。かかる構成とした場合であっても、非接続状態中に表示される音量調整インターフェース画像において設定される音量レベルと、接続状態中に表示される音量調整インターフェース画像において設定される音量レベルと、について、見た目上、同一の音量レベルが設定された場合であっても、ワイヤレスイヤホンにより出力される音の音量は、音発生装置22により出力される音の音量と比較して、小さくなるように構成する。例えば、接続状態中に、音量調整インターフェース画像において音量レベル「3」が設定された場合にワイヤレススピーカから出力される音の音量は、非接続状態中に、音量調整インターフェース画像において音量レベル「3」が設定された場合に音発生装置22から出力される音の音量と比較して、小さくなるように構成する。
【0128】
(接続状態の解除)
次に、接続状態の解除について説明する。
本実施形態では、(1)遊技者により接続解除操作が実行された場合、(2)遊技者によりペアリングモードが設定された場合、(3)ワイヤレスイヤホンが接続範囲外となった場合、(4)遊技が実行されていない状態が所定時間継続した場合、(5)パチンコ機1の電源が遮断された場合等に、接続状態が解除され、非接続状態とされる。
本実施形態では、パチンコ機1に対するワイヤレススピーカの接続が解除されたことに伴い、所定の報知音(パチンコ機1に対するワイヤレススピーカの接続が解除されたことを報知する音)が、音発生装置22から出力される。
すなわち、本実施形態では、接続状態中、常時、メニュー画面において、十字キーボタン42cの操作により、接続状態の解除を選択(以下、「接続解除操作」とする)することが可能となっている。そして、メニュー画面において、接続状態の解除が選択されると、パチンコ機1に対するワイヤレスイヤホンの接続が解除され、演出制御基板300の所定の記憶領域に記憶されている接続情報が消去される。
なお、本実施形態では、接続状態中において、常時、遊技者による接続解除操作を実行することが可能となっている。しかしながら、接続状態中のうち、所定期間中(例えば、大当り遊技状態の生起中)において、遊技者による接続解除操作を実行できない構成としても構わない。
また、本実施形態では、接続状態中、常時、メニュー画面において、十字キーボタン42cの操作により、ペアリングモードの設定(開始)を選択することが可能となっている。そして、メニュー画面において、ペアリングモードの設定(開始)が選択されると、パチンコ機1に対するワイヤレスイヤホンの接続が解除され、演出制御基板300の所定の記憶領域に記憶されている接続情報が消去される。
なお、本実施形態では、接続状態中において、常時、遊技者によりペアリングモードの設定(開始)を選択することが可能となっている。しかしながら、接続状態中のうち、所定期間中(例えば、大当り遊技状態の生起中)において、遊技者によりペアリングモードの設定(開始)を選択できない構成としても構わない。
【0129】
また、本実施形態では、接続状態中において、ワイヤレスイヤホンから出力される所定の信号が受信されていない状態(ワイヤレスイヤホンとの通信が遮断された状態)となったことに伴い、ワイヤレスイヤホンが接続範囲外となったものとして(または、ワイヤレスイヤホンの電源が遮断されたものとして)、パチンコ機1に対するワイヤレスイヤホンの接続が解除され、演出制御基板300の所定の記憶領域に記憶されている接続情報が消去される。
また、本実施形態では、接続状態中において、遊技が実行されていない状態が所定時間継続したことに伴い、パチンコ機1に対するワイヤレスイヤホンの接続が解除され、演出制御基板300の所定の記憶領域に記憶されている接続情報が消去される。例えば、接続状態中において、客待ち状態が所定時間継続したことに伴い、パチンコ機1に対するワイヤレスイヤホンの接続が解除され、演出制御基板300の所定の記憶領域に記憶されている接続情報が消去される。または、接続状態中において、客待ち状態中におけるタッチセンサ411から検出信号が入力されていない状態が所定時間継続したことに伴い、パチンコ機1に対するワイヤレスイヤホンの接続が解除され、演出制御基板300の所定の記憶領域に記憶されている接続情報が消去される。
さらに、本実施形態では、接続状態中において、パチンコ機1の電源が遮断されたことに伴い、パチンコ機1に対するワイヤレスイヤホンの接続が解除され、演出制御基板300の所定の記憶領域に記憶されている接続情報が消去される。この際、接続情報が消去されるタイミングは、電源の遮断時であっても、電源の投入時であっても、どちらでも構わない。
【0130】
なお、本実施形態では、パチンコ機1に対するワイヤレスイヤホンの接続が解除されたことに伴い、演出制御基板300の所定の記憶領域に記憶されている接続情報が消去される構成となっている。しかしながら、パチンコ機1に対するワイヤレスイヤホンの接続が解除されたことに伴い、演出制御基板300の所定の記憶領域に記憶されている接続情報が消去されない構成としても構わない。その上で、遊技者の操作により、演出制御基板300の所定の記憶領域に記憶されている接続情報を消去することが可能な構成としても構わない。
例えば、遊技者の操作に起因して接続状態が解除された場合(上記の遊技者により接続解除操作が実行された場合、及び、遊技者によりペアリングモードが設定された場合)には、パチンコ機1に対するワイヤレスイヤホンの接続が解除されたことに伴い、演出制御基板300の所定の記憶領域に記憶されている接続情報が消去される構成とする。
一方、遊技者の操作に起因せずに接続状態が解除された場合(上記のワイヤレスイヤホンが接続範囲外となった場合、遊技が実行されていない状態が所定時間継続した場合、及び、パチンコ機1の電源が遮断された場合)には、遊技者の一時的な離席の可能性があるため、パチンコ機1に対するワイヤレスイヤホンの接続が解除されたことに伴い、演出制御基板300の所定の記憶領域に記憶されている接続情報が消去されない構成とする。これによって、遊技者が席に戻ったことに伴い、ペアリングを実行することなく、自動で、接続状態に復帰することが可能となる。
すなわち、パチンコ機1に対するワイヤレスイヤホンの接続が解除されても、接続情報が保存されている場合には、保存されている接続情報に含まれる識別情報が指定するワイヤレスイヤホンからの所定の信号が検出されたときに、ペアリングを実行することなく、パチンコ機1に対する当該ワイヤレスイヤホンの接続を確立することが可能となる。この際、保存されている接続情報に含まれる識別情報が指定するワイヤレスイヤホンからの所定の信号が検出されたときに、表示画面31aにおいて、当該ワイヤレスイヤホンに接続するか否かを確認する画面が表示される構成としても構わない。
または、遊技者の操作に起因して接続状態が解除された場合(上記の遊技者により接続解除操作が実行された場合、及び、遊技者によりペアリングモードが設定された場合)には、パチンコ機1に対するワイヤレスイヤホンの接続が解除されたことに伴い、表示画面31aにおいて、接続情報を消去するか否かを確認する画面が表示される構成としても構わない。この際、遊技者の操作により、接続情報の消去が選択された場合、演出制御基板300の所定の記憶領域に記憶されている接続情報が消去され、接続情報の消去が選択されない場合、演出制御基板300の所定の記憶領域に記憶されている接続情報が消去されない構成としても構わない。
または、遊技者の操作に起因せずに接続状態が解除された場合(上記のワイヤレスイヤホンが接続範囲外となった場合、遊技が実行されていない状態が所定時間継続した場合、及び、パチンコ機1の電源が遮断された場合)には、パチンコ機1に対するワイヤレスイヤホンの接続の解除から所定時間が経過したことに伴い、演出制御基板300の所定の記憶領域に記憶されている接続情報が消去される構成としても構わない。
【0131】
(パチンコ機1の作用)
次に、パチンコ機1の作用について説明する。
パチンコ機1では、変位させることが可能な可動体ユニット610,620を備えている。そして、遊技盤ユニット10に対して着脱可能な固定具630,640を用いて、遊技盤ユニット10において可動体ユニット610,620の位置を固定することが可能となっている。
すなわち、パチンコ機1では、遊技盤ユニット10に対して着脱可能な固定具630,640を用いて、遊技盤ユニット10において可動体ユニット610,620の位置を固定することが可能となっている。これによって、簡易な構成により可動体ユニット610,620の位置を固定することが可能となる。
また、パチンコ機1では、可動体ユニット610,620において、固定具630,640が備える固定ピン632,642が挿入されるピン挿入孔613,623が設けられている。そして、ピン挿入孔613,623は、可動体ユニット610,620が初期位置に配置されている状態において、遊技者による視認が困難となる位置に設けられている。これによって、遊技者において、ピン挿入孔613,623が視認される事態を抑制することが可能となり、演出性が低下する事態を抑制することが可能となる。
【0132】
(付記)
ここで、本発明に係る各構成と実施形態に記載されている構成との対応を記載する。
第一の発明に係る可動体としては、例えば、可動体ユニット610,620が該当する。第一の発明に係る遊技盤としては、例えば、遊技盤ユニット10が該当する。第一の発明に係る固定具としては、例えば、固定具630,640が該当する。
第二の発明に係る固定部としては、例えば、固定ピン632,642が該当する。第二の発明に係る挿入部としては、例えば、ピン挿入孔613,623が該当する。
【符号の説明】
【0133】
1 パチンコ機
10 遊技盤ユニット
11 遊技盤
610 上可動体ユニット
613 ピン挿入孔
620 下可動体ユニット
623 ピン挿入孔
630 上可動体固定具
632 固定ピン
640 下可動体固定具
642 固定ピン