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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2025155206
(43)【公開日】2025-10-14
(54)【発明の名称】情報生成装置、及び、情報生成方法
(51)【国際特許分類】
   G05B 23/02 20060101AFI20251006BHJP
   F24F 11/54 20180101ALI20251006BHJP
   F24F 11/63 20180101ALI20251006BHJP
   F24F 11/70 20180101ALI20251006BHJP
【FI】
G05B23/02 Z
F24F11/54
F24F11/63
F24F11/70
【審査請求】有
【請求項の数】9
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2024058884
(22)【出願日】2024-04-01
(71)【出願人】
【識別番号】000002853
【氏名又は名称】ダイキン工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000202
【氏名又は名称】弁理士法人新樹グローバル・アイピー
(72)【発明者】
【氏名】西澤 美結
【テーマコード(参考)】
3C223
3L260
【Fターム(参考)】
3C223AA11
3C223AA17
3C223AA21
3C223BA01
3C223BB02
3C223CC01
3C223DD01
3C223EB01
3C223GG01
3C223HH02
3L260AB20
3L260BA75
3L260CB86
3L260EA19
3L260FA15
3L260FA16
3L260GA17
(57)【要約】
【課題】管理装置が管理できるデータポイント数の上限を超過したテンプレートの生成を低減する。
【解決手段】情報生成装置100は、コントローラ30が管理するデータポイントが定義された管理ポイント情報を生成する。情報生成装置100は記憶部110と制御部120とを備える。記憶部110は、設備機器50の種類と、設備機器50の管理に関するデータポイントを定義したテンプレートとを対応づけて記憶する。制御部120は、管理対象の設備機器50の種類、台数、及び、テンプレートに基づいて算出される、データポイントの総数を取得する。制御部120は、コントローラ30が管理可能なデータポイント数の上限値である第1上限値を取得する。制御部120は、総数が第1上限値を超えているか否かを判定する。
【選択図】図9
【特許請求の範囲】
【請求項1】
設備機器(50)の管理を行う管理装置(30)に設定される、前記管理装置が管理するデータポイントが定義された管理ポイント情報を生成する情報生成装置(100)であって、
前記設備機器の種類と、前記設備機器の管理に関する前記データポイントを定義したテンプレートとを対応づけて記憶する記憶部(110)と、
管理対象の前記設備機器の種類、台数、及び、前記テンプレートに基づいて算出される、前記データポイントの総数と、前記管理装置が管理可能なデータポイント数の上限値である第1上限値を取得し、前記総数が前記第1上限値を超えているか否かを判定する制御部(120)と、
を備える、
情報生成装置。
【請求項2】
前記記憶部は、前記テンプレートに含まれる前記データポイントと、管理の重要度とを対応づけて記憶し、
前記制御部は、前記総数が前記第1上限値を超えていると判定した場合、前記重要度に基づいて、前記管理ポイント情報から除外する前記データポイントである除外ポイントを決定する、
請求項1に記載の情報生成装置。
【請求項3】
前記記憶部は、前記テンプレートに含まれる前記データポイントと、管理の重要度とを対応づけて記憶し、
前記制御部は、
前記総数が前記第1上限値を超えていると判定した場合、前記判定の結果である第1判定結果及び前記重要度を表示し、
ユーザの操作に基づいて、前記管理ポイント情報から除外する前記データポイントである除外ポイントを決定する、
請求項1に記載の情報生成装置。
【請求項4】
前記制御部は、
生成した前記管理ポイント情報を前記記憶部に蓄積し、
蓄積された前記管理ポイント情報に含まれる前記データポイントの利用頻度に基づいて、前記重要度を決定する、
請求項2又は3に記載の情報生成装置。
【請求項5】
前記制御部は、前記テンプレートから前記除外ポイントを除外して、前記管理ポイント情報を生成する、
請求項2又は3に記載の情報生成装置。
【請求項6】
前記制御部は、
前記管理装置が接続可能な前記設備機器の台数の上限値である第2上限値を取得し、
前記管理ポイント情報に含まれる前記設備機器の台数が、前記第2上限値を超えているか否かを判定し、
前記管理ポイント情報に含まれる前記設備機器の台数が前記第2上限値を超えていると判定した場合、前記判定の結果である第2判定結果を表示する、
請求項1又は2に記載の情報生成装置。
【請求項7】
設備機器(50)の管理を行う管理装置(30)に設定される、前記管理装置が管理するデータポイントが定義された管理ポイント情報を生成する情報生成方法であって、
前記設備機器の種類と、前記設備機器の管理に関する前記データポイントを定義したテンプレートとを対応づけて記憶する第1ステップと、
管理対象の前記設備機器の種類、台数、及び、前記テンプレートに基づいて算出される、前記データポイントの総数と、前記管理装置が管理可能なデータポイント数の上限値である第1上限値を取得し、前記総数が前記第1上限値を超えているか否かを判定する第2ステップと、
を備える、
情報生成方法。
【請求項8】
前記テンプレートに含まれる前記データポイントと、管理の重要度とを対応づけて記憶する第3ステップと、
前記総数が前記第1上限値を超えていると判定した場合、前記重要度に基づいて、前記管理ポイント情報から除外する前記データポイントである除外ポイントを決定する第4ステップと、
をさらに備える、
請求項7記載の情報生成方法。
【請求項9】
前記テンプレートに含まれる前記データポイントと、前記データポイントの種類を識別する識別情報とを対応づけて記憶する第5ステップと、
前記識別情報と、管理の重要度とを対応づけて記憶する第6ステップと、
をさらに備える、
請求項7に記載の情報生成方法。
【請求項10】
生成した前記管理ポイント情報を蓄積する第7ステップと、
蓄積された前記管理ポイント情報に含まれる前記データポイントの利用頻度に基づいて、前記重要度を決定する第8ステップと、
をさらに備える、
請求項8又は9に記載の情報生成方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
情報生成装置、及び、情報生成方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、複数の設備機器が設置されている施設の管理に、例えば、特許文献1(特開2012-103770号公報)に開示されているようなエンジニアリング装置が利用されることがある。
【0003】
特許文献1のエンジニアリング装置は、設備機器に対応する監視ポイント情報及び制御ポイント情報を定義したテンプレートを予め用意している。そして、テンプレートが変更されたときは、変更後のテンプレートを各設備用に展開して監視ポイント及び制御ポイントを再生成することにより、作業効率の向上を図る。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、一般的に、管理装置が管理できるデータポイントの数には上限があり、上限を超えるデータポイントを管理できない。
【0005】
本開示では、管理装置が管理できるデータポイント数の上限を超過したテンプレートの生成を抑制する情報生成装置及び情報生成方法を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
第1観点の情報生成装置は管理ポイント情報を生成する。管理ポイント情報は、管理装置が管理するデータポイントが定義された情報であり、設備機器の管理を行う管理装置に設定される情報である。情報生成装置は記憶部と制御部とを備える。記憶部は、設備機器の種類と、設備機器の管理に関するデータポイントを定義したテンプレートとを対応づけて記憶する。制御部は、管理対象の設備機器の種類、台数、及び、テンプレートに基づいて算出される、データポイントの総数を取得する。また、制御部は、管理装置が管理可能なデータポイント数の上限値である第1上限値を取得する。制御部は、総数が第1上限値を超えているか否かを判定する。
【0007】
このような構成により、管理装置が管理できるデータポイント数の上限を超過したテンプレートの生成を抑制できる。
【0008】
第2観点の情報生成装置は、第1観点の情報生成装置であって、記憶部は、テンプレートに含まれるデータポイントと、管理の重要度とを対応づけて記憶する。制御部は、総数が第1上限値を超えていると判定した場合、重要度に基づいて除外ポイントを決定する。除外ポイントとは、管理ポイント情報から除外するデータポイントである。
【0009】
このような構成により、重要度に基づいて除外ポイントを決定する。ユーザの判断に因らないため、誤って重要なデータポイントが削除されることを抑制できる。
【0010】
第3観点の情報生成装置は、第1観点の情報生成装置であって、記憶部は、テンプレートに含まれるデータポイントと、管理の重要度とを対応づけて記憶する。制御部は、総数が第1上限値を超えていると判定した場合、判定の結果である第1判定結果及び重要度を表示する。制御部は、ユーザの操作に基づいて除外ポイントを決定する。除外ポイントとは、管理ポイント情報から除外するデータポイントである。
【0011】
このような構成により、ユーザの操作に基づいて、除外ポイントを決定する。この結果、ユーザの意図と異なるデータポイントが削除されることを抑制できる。
【0012】
第4観点の情報生成装置は、第2観点又は第3観点の情報生成装置であって、制御部は、生成した管理ポイント情報を記憶部に蓄積する。制御部は、蓄積された管理ポイント情報に含まれるデータポイントの利用頻度に基づいて、重要度を決定する。
【0013】
このような構成により、データポイントの利用頻度を重要度に反映させることができる。
【0014】
第5観点の情報生成装置は、第2観点から第4観点のいずれかに記載の情報生成装置であって、制御部は、テンプレートから除外ポイントを除外して、管理ポイント情報を生成する。
【0015】
このような構成により、ユーザが除外を希望するデータポイントを除いた管理ポイント情報を生成することができる。
【0016】
第6観点の情報生成装置は、第1観点から第5観点のいずれかに記載の情報生成装置であって、制御部は、管理装置が接続可能な設備機器の台数の上限値である第2上限値を取得する。制御部は、管理ポイント情報に含まれる設備機器の台数が、第2上限値を超えているか否かを判定する。制御部は、管理ポイント情報に含まれる設備機器の台数が第2上限値を超えていると判定した場合、判定の結果である第2判定結果を表示する。
【0017】
このような構成により、管理ポイント情報に含まれる設備機器の台数が管理装置が接続可能な設備機器の台数の上限値を超えていることをユーザに提示することができる。
【0018】
第7観点の情報生成方法は管理ポイント情報を生成する方法である。管理ポイント情報は、管理装置が管理するデータポイントが定義された情報であり、設備機器の管理を行う管理装置に設定される情報である。情報生成方法は、第1ステップと、第2ステップと、を備える。第1ステップは、設備機器の種類と、設備機器の管理に関するデータポイントを定義したテンプレートとを対応づけて記憶する。第2ステップは、管理対象の前記設備機器の種類、台数、及び、前記テンプレートに基づいて算出される、データポイントの総数を取得する。また、管理装置が管理可能なデータポイント数の上限値である第1上限値を取得する。また、総数が第1上限値を超えているか否かを判定する。
【0019】
このような構成により、管理装置が管理できるデータポイント数の上限を超過したテンプレートの生成を抑制できる。
【0020】
第8観点の情報生成方法は、第7観点の情報生成方法であって、第3ステップと、第4ステップと、をさらに備える。第3ステップは、テンプレートに含まれるデータポイントと、管理の重要度とを対応づけて記憶する。第4ステップは、総数が第1上限値を超えていると判定した場合、重要度に基づいて除外ポイントを決定する。除外ポイントとは、管理ポイント情報から除外するデータポイントである。
【0021】
このような構成により、重要度に基づいて除外ポイントを決定する。ユーザの判断に因らないため、誤って重要なデータポイントが削除されることを抑制できる。
【0022】
第9観点の情報生成方法は、第7観点の情報生成方法であって、第5ステップと、第6ステップと、をさらに備える。第5ステップは、テンプレートに含まれるデータポイントと、データポイントの種類を識別する識別情報とを対応づけて記憶する。第6ステップは、識別情報と、管理の重要度とを対応づけて記憶する。
【0023】
このような構成により、データポイントの種類の識別が容易になる。また、識別情報に重要度を対応づけることができる。
【0024】
第10観点の情報生成方法は、第8観点又は第9観点の情報生成方法であって、第7ステップと、第8ステップと、をさらに備える。第7ステップは、生成した管理ポイント情報を蓄積する。第8ステップは、蓄積された管理ポイント情報に含まれるデータポイントの利用頻度に基づいて、重要度を決定する。
【0025】
このような構成により、データポイントの利用頻度を重要度に反映させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0026】
図1】監視システムの全体構成を示す概略図である。
図2】情報処理装置の概略図である。
図3】テンプレート情報の一例を示す図である。
図4】データポイント情報の一例を示す図である。
図5】データポイント識別情報と重要度との対応の一例を示す図である。
図6】管理対象の設備機器のデータポイント数の一例を示す図である。
図7】管理ポイント情報を説明するための図である。
図8】データポイントの利用頻度と重要度との関係を説明するための図である。
図9】情報生成装置の処理の流れを示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0027】
本開示の一実施形態に係る情報生成装置100、及び情報生成装置100を用いた情報生成方法について、図面を参照しながら説明する。
【0028】
(1)監視システム
本開示の情報生成装置100が生成する管理ポイント情報が利用される監視システム1の例を図1を参照して説明する。図1は、監視システム1の一例を示す概略図である。監視システム1は、監視装置10、1以上の保守端末60、1以上のコントローラ(管理装置)30、及び、1以上の設備機器50を有している。監視システム1は、施設40の統括的な管理や、施設40の設備機器50の統括的な監視や制御を行う。なお、ここでは、監視システム1を、複数の施設40の管理を行うシステムとして説明するが、監視システム1は、単一の施設の管理を行うシステムであってもよい。
【0029】
(1-1)監視装置
監視装置10は、監視記憶部11、監視制御部12、キーボードやマウス等の監視入力部13、及び、ディスプレイ等の監視表示部14を主に有するコンピュータである。監視記憶部11は、ROMやRAMなどの主記憶装置と、HDDやSSDなどの補助記憶装置とを含む。監視制御部12はCPU等のプロセッサを含む。監視制御部12は、監視記憶部11に記憶されているプログラムを実行することで、各種の演算や処理を行う。なお、ここでは監視装置10を1台のコンピュータとして説明するが、監視装置10を構成するコンピュータの台数は1台に限定されない。監視装置10は、例えば、サーバとして機能する1台又は複数台のコンピュータと、クライアントとしてのコンピュータや携帯端末と、から構成されてもよい。監視装置10は、例えばインターネットやクラウドコンピューティングを使用したサービスにより実現されてもよい。
【0030】
監視装置10はコントローラ30及び保守端末60とネットワーク20を介して通信可能に接続されている。ネットワーク20は、複数の施設にまたがるWAN(Wide Area Network)を含む。例えばネットワーク20は、インターネットを含む。
【0031】
監視装置10は、ネットワーク20を介して、コントローラ30から施設40に関する各種の情報を取得する。例えば、監視装置10は、設備機器50の動作状態に関する情報をコントローラ30を介して取得する。設備機器50の動作状態に関する情報には、例えば、設備機器50が運転中であるか停止中であるかの情報や、設備機器50の運転モードの情報を含む。
【0032】
また、例えば、監視装置10は、設備機器50が有する各種のセンサの計測値をコントローラ30を介して取得する。センサは、限定するものではないが、例えば、施設40の所定の場所の気温や湿度を測定するセンサを含む。また、センサには、施設40の設備機器50の所定箇所の温度等を測定するセンサ(例えば、設備機器50の過熱を監視する温度センサ)を含んでもよい。
【0033】
また、監視装置10は、ネットワーク20を介してコントローラ30に各種の指令や情報を送信する。
【0034】
(1-2)コントローラ及び設備機器
コントローラ30及び設備機器50は、例えば、オフィスビル、ホテル、病院などの施設40内に設置される。図1に示すように、各施設40には、通常、複数の設備機器50が設置されている。設備機器50の種類を限定するものではないが、各施設40に設置されている複数の設備機器50には、例えば、空気調和機、換気装置、調湿装置、照明機器等の種々の設備機器50が含まれる。各施設40のコントローラ30と、保守端末60及び複数の設備機器50は、ネットワーク(例えばLAN)を介して通信可能に接続されている。なお、図1では、各施設40に対し1台のコントローラ30が設置されているが、各施設40には、設備機器50の一部と通信可能に接続されている複数のコントローラ30が設置されてもよい。また、コントローラ30、施設40、及び設備機器50の台数については適宜変更が可能である。
【0035】
コントローラ30は、複数の設備機器50を制御するためのコンピュータである。コントローラ30は、図1に示すように管理記憶部31と、管理制御部32とを主に有する。コントローラ30には、各コントローラ30に固有の識別情報が予め付与されている。設備機器50には、各設備機器50に固有の識別情報が予め付与されている。
【0036】
(1-2-1)管理記憶部
管理記憶部31は、ROMやRAMなどの主記憶装置と、HDDやSSDなどの補助記憶装置とを含む。管理記憶部31は各種情報を記憶する。例えば、管理記憶部31はコントローラ30の各種機能を実行するためのプログラムを記憶する。
【0037】
(1-2-2)管理制御部
管理制御部32は、CPU又はGPU等のプロセッサである。管理制御部32は、管理記憶部31に記憶されているプログラムを読み出し、このプログラムに従って所定の画像処理や演算処理を行う。さらに、管理制御部32は、プログラムに従って、演算結果を管理記憶部31に書き込んだり、管理記憶部31に記憶されている情報を読み出したりすることができる。管理制御部32は各種情報処理を実行する。
【0038】
本実施形態において、管理制御部32は、保守端末60から管理ポイント情報を受信する。しかし、管理制御部32は、ネットワーク20を介して監視装置10や情報生成装置100から管理ポイント情報を受信してもよい。管理制御部32は、受信した管理ポイント情報を管理記憶部31に記憶する。
【0039】
管理制御部32は、所定の間隔で、管理ポイント情報に定義されている管理に関するデータポイントについて、設備機器50から情報を取得する。管理制御部32は取得した情報を管理記憶部31に記憶する。なお、所定の間隔は、監視装置10及び/又はコントローラ30に予め設定されている。
【0040】
ここで、管理ポイント情報とは、コントローラ30に設定される情報であり、コントローラ30が管理対象とする施設40毎に生成される情報である。管理ポイント情報には、管理対象となる1以上の設備機器50に関して、設備機器50毎に、管理データポイントが定義されている。管理データポイントとは、データの取得点を示す情報である。言い換えると、管理データポイントとは、設備機器50からどのような情報を取得するかを示す情報である。例えば、管理制御部32は、管理ポイント情報に基づいて設備機器50の動作状態に関する情報を取得する。また、例えば、管理制御部32は、管理ポイント情報に基づいて、設備機器50が有する各種のセンサの計測値を取得する。
【0041】
管理制御部32は、所定のタイミングで、管理記憶部31に記憶した情報(設備機器50から取得した情報)を監視装置10に送信する。なお、所定のタイミングは、監視装置10及び/又はコントローラ30に予め設定されている。
【0042】
また、管理制御部32は、監視装置10から受信した各種の指令や情報に基づいて、制御指令を設備機器50に送信する。これにより、コントローラ30は設備機器50の制御を行う。例えば、設備機器50が空気調和機の場合、制御指令に含まれる指令内容には、運転若しくは停止などの発停のコマンド、又は温度設定などの設定のコマンドなど、が含まれる。設備機器50はコントローラ30からの指令内容に従って運転の状態を制御される。
【0043】
上述のように、コントローラ30は、管理対象の設備機器50の管理を行う。
【0044】
(1-3)保守端末
保守端末60は、各施設40の管理者や保守作業者が操作するコンピュータである。保守端末60は、例えば、パソコンや、スマートフォン、タブレット端末のような携帯端末である。保守端末60は、監視装置10及び情報生成装置100とネットワーク20を介して通信可能に接続されている。また、保守端末60は、コントローラ30とネットワーク(例えばLAN)を介して通信可能に接続されている。なお、図1では、各施設40に対し1台の保守端末60が設置されているが、各施設40には、複数の保守端末60が設置されてもよい。
【0045】
保守端末60は、図1に示すように、保守記憶部61と、保守制御部62と、保守入力部63と、保守表示部64と、を主に有する。
【0046】
(1-3-1)保守記憶部
保守記憶部61は、ROMやRAMなどの主記憶装置と、HDDやSSDなどの補助記憶装置とを含む。保守記憶部61は各種情報を記憶する。例えば、保守記憶部61はコントローラ30の各種機能を実行するためのプログラムを記憶する。
【0047】
(1-3-2)保守制御部
保守制御部62は、CPU又はGPU等のプロセッサである。保守制御部62は、保守記憶部61に記憶されているプログラムを読み出し、このプログラムに従って所定の画像処理や演算処理を行う。さらに、保守制御部62は、プログラムに従って、演算結果を保守記憶部61に書き込んだり、保守記憶部61に記憶されている情報を読み出したりすることができる。保守制御部62は各種情報処理を実行する。
【0048】
保守制御部62は、ユーザの操作に基づいて、管理ポイント情報の生成指示を情報生成装置100に送信する。保守制御部62は、生成された管理ポイント情報を情報生成装置100から受信する。保守制御部62は、受信した管理ポイント情報を保守記憶部61に記憶する。保守制御部62は、管理ポイント情報をコントローラ30に送信する。
【0049】
(1-3-3)保守入力部
保守入力部63は、ユーザによる操作や各種の情報の手入力を受け付ける。保守入力部63は、例えば、マウス及びキーボード等の入力装置である。保守入力部63は、タッチパネル等であってもよい。
【0050】
ユーザは、保守入力部63を介して、管理ポイント情報を生成する施設40又はコントローラ30を指定する。また、ユーザは、保守入力部63を介して、第1上限値及び第2上限値を設定する。また、ユーザは、保守入力部63を介して、データポイント情報I2、管理ポイント情報、及び重要度等、記憶部110に記憶されている各種情報を更新することができる。
【0051】
(1-3-4)保守表示部
保守表示部64は、例えば、ディスプレイや、プリンタ等の出力装置である。保守表示部64は、保守制御部62から出力されるデータをディスプレイや、プリンタ等に出力する。
【0052】
保守制御部62は、例えば、管理ポイント情報の生成に利用する画面を保守表示部64に表示する。また、保守制御部62は、例えば、情報生成装置100の記憶部110に記憶されている各種情報を更新するための画面を保守表示部64に表示する。
【0053】
(2)情報生成装置
情報生成装置100は、監視システム1の構築に必要な管理ポイント情報を生成する。管理ポイント情報はコントローラ30に設定され、管理対象の設備機器50の管理に利用される。
【0054】
情報生成装置100は、インターネットやクラウドコンピューティングを使用したサービスにより実現される。図2に示すように、情報生成装置100は記憶部110、及び制御部120を主に有する。なお、情報生成装置100は、サーバとして機能する1台又は複数台のコンピュータと、クライアントとしてのコンピュータや携帯端末と、から構成されてもよい。情報生成装置100は、監視装置10の一部の機能として構成されてもよいし、保守端末60の一部の機能として構成されてもよいし、コントローラ30の一部の機能として構成されてもよい。
【0055】
(2-1)記憶部
記憶部110は、各種情報を記憶する記憶装置であり、ROMやRAMなどの主記憶装置と、HDDやSSDなどの補助記憶装置とを含む。記憶部110は、制御部120が読み出して実行するためのプログラムを記憶する。
【0056】
記憶部110は、設備機器50の種類と、設備機器50の監視及び/又は制御に関する複数のデータポイントを定義したテンプレートとを対応づけた情報を、テンプレート情報I1として記憶する。図3はテンプレート情報I1の一例を示す図である。「設備機器の種類」とは、例えば、空気調和機、換気装置、調湿装置、照明機器等の設備機器50の種類を示す情報である。「データポイント」とは、設備機器50の監視及び/又は制御に関するデータポイントを示す情報である。例えば、設備機器50が空気調和機である場合、監視及び/又は制御に関するデータポイントには、空気調和機の動作状態を示す発停、運転モード、及び設定温度等の情報や、空気調和機に設置された各種センサによる検出ポイントが含まれる。なお、制御に関するデータポイントとは、制御演算に必要な情報である。
【0057】
記憶部110は、同じ機能及び/又は役割を持つデータポイントについて、共通の識別情報(データポイント識別情報と呼ぶ)を対応づけた情報を、データポイント情報I2として記憶する。例えば、テンプレート情報I1のデータポイントの名称は、同じ機能及び/又は役割を持つデータポイントであっても、設備機器50毎に異なる場合がある。図4はデータポイント情報I2の一例を示す図である。例えば、設備機器Xについて、発停に関するデータポイントの名称は、「On/Off値」である。一方、設備機器Yについて、発停に関するデータポイントの名称は「入切」である。ユーザは、発停に関するデータポイントの名称である「On/Off値」、「入切」及び「運転状態」と、データポイント識別情報「発停」とを対応づける。記憶部110は、データポイントの名称とデータポイント識別情報とを対応づけた情報を、データポイント情報I2として記憶する。これにより、データポイントの名称が設備機器50毎に異なる場合であっても、同一のデータポイント識別情報を対応づけることにより、効率的にデータを扱うことができる。なお、全ての設備機器50においてデータポイントの名称が同一である場合は、データポイント識別情報を記憶しなくてもよい。この場合、データポイントの名称をデータポイント識別情報としてもよい。
【0058】
記憶部110は、データポイント識別情報と、重要度とを対応づけて記憶する。重要度とは、データポイントの重要度を示す項目である。図5は、データポイント識別情報と、重要度との対応の一例を示す図である。重要度は、重要度の低い方から高い方に向かって、昇順又は降順になるような数字でランク付けしてもよい。
【0059】
記憶部110は、コントローラ30の識別情報と、当該コントローラ30が管理可能なデータポイント数の上限値(第1上限値と呼ぶ)とを対応づけて記憶する。
【0060】
記憶部110は、コントローラ30の識別情報と、当該コントローラ30が接続可能な設備機器50の台数の上限値(第2上限値と呼ぶ)とを対応づけて記憶する。
【0061】
記憶部110は、コントローラ30の識別情報と、当該コントローラ30が管理対象とする設備機器50の識別情報と、設備機器50の種類とを対応づけた情報を、管理対象情報I3として記憶する。
【0062】
記憶部110は、情報生成装置100が生成した管理ポイント情報を記憶し、履歴情報I4として蓄積する。
【0063】
なお、記憶部110に記憶されている各種情報は、ユーザが保守端末60を操作することにより、又は、外部データに基づく自動処理等により、更新することができる。
【0064】
(2-2)制御部
制御部120は、CPU又はGPU等のプロセッサである。制御部120は、記憶部110に記憶されているプログラムを読み出し、このプログラムに従って所定の画像処理や演算処理を行う。さらに、制御部120は、プログラムに従って、演算結果を記憶部110に書き込んだり、記憶部110に記憶されている情報を読み出したりすることができる。制御部120は後述する各種の機能を実現する。
【0065】
(2-2-1)第1上限値の判定
制御部120は、管理ポイント情報を生成するコントローラ30の識別情報に基づいて、管理対象情報I3を読み出し、当該コントローラ30が管理対象とする設備機器50の種類及び台数を取得する。制御部120は、コントローラ30の識別情報に基づいて、第1上限値を記憶部110から読み出す。第1上限値は、当該コントローラ30が管理可能なデータポイント数の上限値である。
【0066】
制御部120は、取得した設備機器50の種類に基づいて、テンプレート情報I1からテンプレートを読み出す。テンプレートには、上述のように設備機器50の監視及び/又は制御に関する複数のデータポイントが定義されている。制御部120は、設備機器50の種類、種類毎の台数及びテンプレートに基づいて、管理対象とする全ての設備機器50に定義されているデータポイントの総数を算出する。
【0067】
図6は、管理対象とする設備機器50のデータポイント数の一例を示す図である。「設備機器の種類」は、管理対象の設備機器50の種類を示す。「データポイント数/台」は、1台の設備機器50あたりの監視及び/又は制御に関するデータポイントの数である。「台数」は、管理対象の設備機器50の台数を、設備機器50の種類毎に分けて示している。「データポイント数」は、設備機器50の種類毎の、データポイントの総数を示している。このように、「データポイント数/台」、「台数」、及び、「データポイント数」は、「設備機器の種類」に対応づけることができる。
【0068】
例えば、設備機器50の種類「001」は、1台の設備機器50についてテンプレートに定義されているデータポイント数は「233」であり、台数は「3」であるとする。この場合、設備機器50の種類「001」の3台分のデータポイント数は「699」となる。同様に、設備機器50の種類「002」の2台分のデータポイント数は「262」、設備機器50の種類「003」の4台分のデータポイント数は「352」となる。制御部120は、管理対象とする全ての設備機器50に定義されているデータポイントの総数が「1313」であると算出する。
【0069】
制御部120は、第1上限値とデータポイントの総数とを比較することにより、データポイントの総数が第1上限値を超えているか否かを判定する。判定の結果を第1判定結果と呼ぶ。
【0070】
(2-2-2)除外ポイントの決定
制御部120は、第1上限値を超えているデータポイント数(超過ポイント数)を算出する。例えば、図6に示すようにデータポイントの総数が「1313」で、第1上限値が「1260」の場合、超過ポイント数は「53」である。
【0071】
上述のように、テンプレートに含まれるデータポイントは、データポイント識別情報が対応づけて記憶されている。また、データポイント識別情報は、重要度が対応づけて記憶されている。制御部120は、テンプレートに含まれるデータポイントに基づいて、重要度を記憶部110から読み出す。制御部120は、重要度に基づいて、管理ポイント情報から除外するデータポイントである除外ポイントを決定する。制御部120は、例えば、重要度の低いデータポイントから順番に、除外ポイントであると決定する。制御部120は、超過ポイント数以上のデータポイントについて、除外ポイントであると決定する。
【0072】
例えば、重要度が、重要度の低い方から高い方に向かって、昇順に1~5の数字でランク付けされている場合について説明する。制御部120は、管理対象とする全ての設備機器50に対応する全てのテンプレートから、重要度が「1」のデータポイントの数を算出する。重要度が「1」のデータポイントの数が超過ポイント数以上である場合、制御部120は、重要度が「1」のデータポイントを除外ポイントであると決定する。重要度が「1」のデータポイントの数が超過ポイント数未満である場合、制御部120は、管理対象とする全ての設備機器50に対応する全てのテンプレートから、重要度が「2」のデータポイントの数を算出する。重要度が「1」又は重要度が「2」のデータポイントの合計が超過ポイント数以上である場合、制御部120は、重要度が「1」又は重要度が「2」のデータポイントを除外ポイントであると決定する。このようにして、制御部120は、除外ポイントの数が超過ポイント数以上になるまで、重要度の低いデータポイントから順番に、除外ポイントを決定する。
【0073】
(2-2-3)管理ポイント情報の生成
データポイントの総数が第1上限値を超えていないと判定した場合、制御部120は、管理対象とする全ての設備機器50に対応する全てのテンプレートを、管理ポイント情報として記憶部110に記憶する。
【0074】
図7は管理ポイント情報を説明するための図である。管理対象とする設備機器50が図6に示す構成である場合、管理ポイント情報には、設備機器50の種類「001」3台分のテンプレート、設備機器50の種類「002」2台分のテンプレート、及び、設備機器50の種類「003」4台分のテンプレートが含まれる。
【0075】
一方、データポイントの総数が第1上限値を超えていると判定した場合、制御部120は、管理対象とする全ての設備機器50に対応する全ての除外済テンプレートを、管理ポイント情報として記憶部110に記憶する。除外済テンプレートとは、テンプレートから除外ポイントを削除した情報である。この場合、管理ポイント情報には、設備機器50の種類「001」3台分の除外済テンプレート、設備機器50の種類「002」2台分の除外済テンプレート、及び、設備機器50の種類「003」4台分の除外済テンプレートが含まれる。
【0076】
制御部120は、生成した管理ポイント情報を履歴情報I4として記憶部110に蓄積する。
【0077】
(2-2-4)第2上限値の判定
制御部120は、コントローラ30の識別情報に基づいて、管理対象情報I3を読み出し、当該コントローラ30が管理対象とする設備機器50の種類及び台数を取得する。制御部120は、当該コントローラ30が管理対象とする設備機器50の台数(管理台数と呼ぶ)を算出する。制御部120は、コントローラ30の識別情報に基づいて、第2上限値を記憶部110から読み出す。第2上限値は、コントローラ30が接続可能な設備機器50の台数の上限値である。
【0078】
制御部120は、第2上限値と管理台数とを比較することにより、管理台数が第2上限値を超えているか否かを判定する。
【0079】
制御部120は、管理台数が第2上限値を超えていると判定した場合、判定の結果(第2判定結果と呼ぶ)を保守表示部64に表示する。制御部120は、管理対象から除外する設備機器50をユーザが選択するための選択画面を保守表示部64に表示する。
【0080】
(2-2-5)重要度の決定
制御部120は、記憶部110に蓄積された1以上の施設40の管理ポイント情報の履歴情報I4を分析する。制御部120は、例えば、複数の施設40の管理ポイント情報の履歴情報I4から、データポイント識別情報毎の、データポイントの利用頻度を算出する。このとき、制御部120は、対応するデータポイント識別情報が存在しない施設40の管理ポイント情報の履歴情報I4を除外して、利用頻度を算出する。制御部120は、算出した利用頻度に応じてデータポイント識別情報の重要度を決定する。例えば、制御部120は、利用頻度があらかじめ定められた所定の範囲内にあるか否かにより、重要度を決定してもよい。所定の範囲と重要度の対応関係は、予め記憶部110に記憶されていてもよい。
【0081】
図8は、施設40毎のデータポイントの利用頻度と重要度との関係を説明するための図である。図8は、施設40毎に、各データポイントが管理ポイント情報で利用されているか否かを示している。例えば、重要度を、重要度の低い方から高い方に向かって、昇順に1~5の数字でランク付けする場合について説明する。この場合、例えば、利用頻度が90パーセント以上の場合は重要度が「5」、利用頻度が70パーセント以上90パーセント未満の場合は重要度が「4」、利用頻度が50パーセント以上70パーセント未満の場合は重要度が「3」、利用頻度が30パーセント以上50パーセント未満の場合は重要度が「2」、利用頻度が30パーセント未満の場合は重要度が「1」と予め定めておく。図8に示すように、施設Aにおいて、データポイント識別情報「発停」は管理ポイント情報に利用されている。これは、施設Aにおいて、データポイント識別情報「発停」は、設備機器50の種類を問わず管理ポイント情報に利用されていることを意味する。同様に、施設B~施設Eにおいても、データポイント識別情報「発停」は管理ポイント情報に利用されている。したがって、データポイント識別情報「発停」の利用頻度は5分の5(100パーセント)である。この場合、制御部120は、データポイント識別情報「発停」の重要度が「5」であると決定する。
【0082】
また、施設Eにおいて、データポイント識別情報「切り替え」は管理ポイント情報から除外されている。一方、施設A~施設Dにおいて、データポイント識別情報「切り替え」は、管理ポイント情報に利用されている。したがって、データポイント識別情報「切り替え」の利用頻度は5分の4(80パーセント)である。この場合、制御部120は、データポイント識別情報「切り替え」の重要度が「4」であると決定する。
【0083】
また、施設B及び施設Cにおいて、データポイント識別情報「CO濃度」は存在しない。したがって、制御部120は、施設B及び施設Cの管理ポイント情報を除外して、利用頻度を算出する。この結果、データポイント識別情報「CO濃度」の利用頻度は3分の2(67パーセント)である。この場合、制御部120は、データポイント識別情報「CO濃度」の重要度が「3」であると決定する。
【0084】
制御部120は、決定した重要度を記憶部110に記憶する。制御部120は、重要度の決定処理をユーザの操作に基づいて行ってもよいし、所定の期間毎に行ってもよい。
【0085】
(3)管理ポイント情報生成の流れ
次に、情報生成装置100による管理ポイント情報生成方法を説明する。図9は、情報生成装置100の処理の流れを示すフローチャートである。なお、図9に示されるフローチャートはあくまでも一例であり、矛盾のない範囲で適宜変更されてもよい。例えば各ステップの前後に、図示されていない他のステップが含まれていてもよく、互いに矛盾しない範囲で各ステップの順序が適宜変更されてもよい。
【0086】
制御部120は、管理ポイント情報を生成する対象のコントローラ30を決定する(ステップS1)。本実施形態では、制御部120は、保守端末60を用いてユーザが指定したコントローラ30を、対象のコントローラ30と決定する。しかし、制御部120は、ユーザが指定した施設40に対応するコントローラ30を、対象のコントローラ30と決定してもよい。制御部120は、ネットワーク20を介して接続される監視装置10等から受信したデータに基づいて、対象のコントローラ30を決定してもよい。
【0087】
制御部120は、コントローラ30の識別情報に基づいて、第1上限値を記憶部110から読み出す。また、制御部120は、コントローラ30の識別情報に基づいて、第2上限値を記憶部110から読み出す(ステップS2)。
【0088】
制御部120は、コントローラ30の識別情報に基づいて、管理対象情報I3を読み出し、当該コントローラ30が管理対象とする設備機器50の種類及び台数を取得する(ステップS3)。また、制御部120は、設備機器50の種類に基づいて、テンプレート情報I1からテンプレートを読み出す。制御部120は、設備機器50の種類、台数、及びテンプレートに基づいて、管理対象とする全ての設備機器50に定義されているデータポイントの総数を算出する。また、制御部120は、コントローラ30が管理対象とする設備機器50の台数(管理台数と呼ぶ)を算出する。
【0089】
制御部120は、第2上限値と管理台数とを比較することにより、管理台数が第2上限値を超えているか否かを判定する(ステップS4)。
【0090】
管理台数が第2上限値を超えていないと判定した場合(ステップS4でNOの場合)、制御部120は、第1上限値とデータポイントの総数とを比較することにより、データポイントの総数が第1上限値を超えているか否かを判定する(ステップS7)。
【0091】
データポイントの総数が第1上限値を超えていないと判定した場合(ステップS7でNOの場合)、制御部120は、管理対象とする全ての設備機器50に対応する全てのテンプレートを、管理ポイント情報として記憶部110に記憶する(ステップS9)。
【0092】
一方、管理台数が第2上限値を超えていると判定した場合(ステップS4でYESの場合)、制御部120は、第2判定結果を保守表示部64に表示する(ステップS5)。また、制御部120は、管理対象から除外する設備機器50をユーザが選択するための選択画面を保守表示部64に表示する。
【0093】
ユーザが管理対象から除外する設備機器50を選択しない場合(ステップS6でNOの場合)、制御部120は処理を終了する。一方、ユーザが管理対象から除外する設備機器50を選択した場合(ステップS6でYESの場合)、ステップS4に戻る。
【0094】
データポイントの総数が第1上限値を超えていると判定した場合(ステップS7でYESの場合)、制御部120は超過ポイント数を算出する。制御部120は、テンプレートに含まれるデータポイントのデータポイント識別情報に基づいて、重要度を記憶部110から読み出す。制御部120は、重要度に基づいて、管理ポイント情報から除外するデータポイントである除外ポイントを決定する(ステップS8)。制御部120は、除外ポイントの数が超過ポイント数以上になるように除外ポイントを決定する。
【0095】
制御部120は、管理対象とする全ての設備機器50に対応する全ての除外済テンプレートを、管理ポイント情報として記憶部110に記憶する(ステップS9)。除外済テンプレートとは、テンプレートから除外ポイントを削除した情報である。
【0096】
(4)特徴
従来、複数の設備機器が設置されている施設の管理に、例えば、特許文献1に開示されているようなエンジニアリング装置が利用されることがある。このエンジニアリング装置は、設備機器に対応する監視ポイント情報及び制御ポイント情報を定義したテンプレートを予め用意している。そして、テンプレートが変更されたときは、変更後のテンプレートを各設備用に展開して監視ポイント及び制御ポイントを再生成する。
【0097】
しかし、一般的に、管理装置が管理できるデータポイントの数には上限があり、上限を超えるデータポイントを管理できない。
【0098】
(4-1)
情報生成装置100は記憶部110と制御部120とを備える。記憶部110は、設備機器50の種類と、設備機器50の管理に関するデータポイントを定義したテンプレートとを対応づけて記憶する。制御部120は、管理対象の設備機器50の種類、台数、及び、テンプレートに基づいて算出される、データポイントの総数を取得する。また、制御部120は、コントローラ30が管理可能なデータポイント数の上限値である第1上限値を取得する。制御部120は、総数が第1上限値を超えているか否かを判定する。
【0099】
このような構成により、コントローラ30が管理できるデータポイント数の上限を超過したテンプレートの生成を抑制できる。
【0100】
(4-2)
記憶部110は、テンプレートに含まれるデータポイントと、管理の重要度とを対応づけて記憶する。制御部120は、総数が第1上限値を超えていると判定した場合、重要度に基づいて除外ポイントを決定する。除外ポイントとは、管理ポイント情報から除外するデータポイントである。
【0101】
重要度に基づいて除外ポイントを決定する。ユーザの判断に因らないため、誤って重要なデータポイントが削除されることを抑制できる。また、テンプレートには、運用上の重要度が低いデータポイントが含まれている場合がある。このような構成により、重要度の低いデータポイントを管理ポイント情報から除外することができる。
【0102】
(4-3)
制御部120は、生成した管理ポイント情報を記憶部110に蓄積する。制御部120は、蓄積された管理ポイント情報に含まれるデータポイントの利用頻度に基づいて、重要度を決定する。
【0103】
テンプレートには、利用頻度の低い(運用上の重要度が低い)データポイントが含まれている場合がある。このような構成により、データポイントの利用頻度を重要度に反映させることができる。
【0104】
(4-4)
制御部120は、テンプレートから除外ポイントを除外して、管理ポイント情報を生成する。
【0105】
このような構成により、ユーザが除外を希望するデータポイントを除いた管理ポイント情報を生成することができる。
【0106】
(4-5)
制御部120は、コントローラ30が接続可能な設備機器50の台数の上限値である第2上限値を取得する。制御部120は、管理ポイント情報に含まれる設備機器50の台数が、第2上限値を超えているか否かを判定する。制御部120は、管理ポイント情報に含まれる設備機器50の台数が第2上限値を超えていると判定した場合、判定の結果である第2判定結果を保守表示部64に表示する。
【0107】
このような構成により、管理ポイント情報に含まれる設備機器50の台数がコントローラ30が接続可能な設備機器50の台数の上限値を超えていることをユーザに提示することができる。
【0108】
(4-6)
記憶部110は、テンプレートに含まれるデータポイントと、データポイントの種類を識別するデータポイント識別情報とを対応づけて記憶する。また、データポイント識別情報と、管理の重要度とを対応づけて記憶する。
【0109】
このような構成により、データポイントの種類の識別が容易になる。また、データポイント識別情報に重要度を対応づけることができる。
【0110】
(5)変形例
(5-1)変形例A
本実施形態に係る情報生成装置100は、制御部120が除外ポイントを決定し、管理ポイント情報を生成する。しかし、制御部120は、データポイントの総数が第1上限値を超えていると判定した場合、判定の結果である第1判定結果及び重要度を保守表示部64に表示してもよい。制御部120は、管理ポイント情報から除外するデータポイントをユーザが選択するための選択画面を保守表示部64に表示してもよい。制御部120は、ユーザが選択したデータポイントを除外ポイントと決定してもよい。
【0111】
このような構成により、ユーザの操作に基づいて、除外ポイントを決定する。この結果、この結果、ユーザの意図と異なるデータポイントが削除されることを抑制できる。
【0112】
(5-2)変形例B
本実施形態に係る情報生成装置100は、管理台数が第2上限値を超えていると判定した場合、制御部120は、管理対象から除外する設備機器50をユーザが選択するための選択画面を保守表示部64に表示する。しかし、制御部120は、予め定められた所定の条件に基づいて、管理対象から除外する設備機器50を決定してもよい。所定の条件は、設備機器50の利用頻度や運転状態に基づいて、予め記憶部110に記憶されていてもよい。また、所定の条件として、除外する設備機器50が予め記憶部110に記憶されていてもよい。
【0113】
このような構成により、優先度の低い設備機器50を自動的に除外することができる。また、ユーザによる作業が減り、業務の効率化を図ることができる。
【0114】
(5-3)変形例C
本実施形態に係る情報生成装置100は、制御部120は、履歴情報I4の分析の結果、図8に示すように、施設40毎に、各データポイントが管理ポイント情報で利用されているか否かを算出する。しかし、制御部120は、施設40毎に、各データポイントが管理ポイント情報で利用されている割合を算出してもよい。これにより、設備機器50毎にデータポイント識別情報の利用状況が異なる場合であっても、精度よく利用頻度を算出することができる。また、制御部120は、施設40毎に、各データポイントが管理ポイント情報で利用されているか否か、又は、利用されている割合を、設備機器50の種類毎に算出してもよい。これにより、設備機器50の種類毎にデータポイント識別情報の利用状況が異なる場合であっても、精度よく利用頻度を算出することができる。
【0115】
以上、本開示の実施形態を説明したが、特許請求の範囲に記載された本開示の趣旨及び範囲から逸脱することなく、形態や詳細の多様な変更が可能なことが理解されるであろう。
【符号の説明】
【0116】
1 監視システム
10 監視装置
30 コントローラ、管理装置
50 設備機器
60 保守端末
100 情報生成装置
110 記憶部
120 制御部
【先行技術文献】
【特許文献】
【0117】
【特許文献1】特開2012-103770号公報
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
【手続補正書】
【提出日】2025-09-22
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
設備機器(50)の管理を行う管理装置(30)に設定される、前記管理装置が管理するデータポイントが定義された管理ポイント情報を生成する情報生成装置(100)であって、
前記設備機器の種類と、前記設備機器の管理に関する前記データポイントを定義したテンプレートとを対応づけて記憶する記憶部(110)と、
管理対象の前記設備機器の種類、台数、及び、前記テンプレートに基づいて算出される、前記データポイントの総数と、前記管理装置が管理可能なデータポイント数の上限値である第1上限値を取得し、前記総数が前記第1上限値を超えているか否かを判定する制御部(120)と、
を備え
前記記憶部は、前記テンプレートに含まれる前記データポイントと、管理の重要度とを対応づけて記憶し、
前記制御部は、前記総数が前記第1上限値を超えていると判定した場合、前記重要度に基づいて、前記管理ポイント情報から除外する前記データポイントである除外ポイントを決定する、
情報生成装置。
【請求項2】
設備機器(50)の管理を行う管理装置(30)に設定される、前記管理装置が管理するデータポイントが定義された管理ポイント情報を生成する情報生成装置(100)であって、
前記設備機器の種類と、前記設備機器の管理に関する前記データポイントを定義したテンプレートとを対応づけて記憶する記憶部(110)と、
管理対象の前記設備機器の種類、台数、及び、前記テンプレートに基づいて算出される、前記データポイントの総数と、前記管理装置が管理可能なデータポイント数の上限値である第1上限値を取得し、前記総数が前記第1上限値を超えているか否かを判定する制御部(120)と、
を備え
前記記憶部は、前記テンプレートに含まれる前記データポイントと、管理の重要度とを対応づけて記憶し、
前記制御部は、
前記総数が前記第1上限値を超えていると判定した場合、前記判定の結果である第1判定結果及び前記重要度を表示し、
ユーザの操作に基づいて、前記管理ポイント情報から除外する前記データポイントである除外ポイントを決定する、
情報生成装置。
【請求項3】
前記制御部は、
生成した前記管理ポイント情報を前記記憶部に蓄積し、
蓄積された前記管理ポイント情報に含まれる前記データポイントの利用頻度に基づいて、前記重要度を決定する、
請求項又はに記載の情報生成装置。
【請求項4】
前記制御部は、前記テンプレートから前記除外ポイントを除外して、前記管理ポイント情報を生成する、
請求項又はに記載の情報生成装置。
【請求項5】
前記制御部は、
前記管理装置が接続可能な前記設備機器の台数の上限値である第2上限値を取得し、
前記管理ポイント情報に含まれる前記設備機器の台数が、前記第2上限値を超えているか否かを判定し、
前記管理ポイント情報に含まれる前記設備機器の台数が前記第2上限値を超えていると判定した場合、前記判定の結果である第2判定結果を表示する、
請求項1又は2に記載の情報生成装置。
【請求項6】
設備機器(50)の管理を行う管理装置(30)に設定される、前記管理装置が管理するデータポイントが定義された管理ポイント情報をコンピュータが生成する情報生成方法であって、
前記コンピュータが、前記設備機器の種類と、前記設備機器の管理に関する前記データポイントを定義したテンプレートとを対応づけて記憶する第1ステップと、
前記コンピュータが、管理対象の前記設備機器の種類、台数、及び、前記テンプレートに基づいて算出される、前記データポイントの総数と、前記管理装置が管理可能なデータポイント数の上限値である第1上限値を取得し、前記総数が前記第1上限値を超えているか否かを判定する第2ステップと、
前記コンピュータが、前記テンプレートに含まれる前記データポイントと、管理の重要度とを対応づけて記憶する第3ステップと、
前記コンピュータが、前記総数が前記第1上限値を超えていると判定した場合、前記重要度に基づいて、前記管理ポイント情報から除外する前記データポイントである除外ポイントを決定する第4ステップと、
を備える、
情報生成方法。
【請求項7】
前記コンピュータが、前記テンプレートに含まれる前記データポイントと、前記データポイントの種類を識別する識別情報とを対応づけて記憶する第5ステップと、
前記コンピュータが、前記識別情報と、管理の重要度とを対応づけて記憶する第6ステップと、
をさらに備える、
請求項6に記載の情報生成方法。
【請求項8】
前記コンピュータが、生成した前記管理ポイント情報を蓄積する第7ステップと、
前記コンピュータが、蓄積された前記管理ポイント情報に含まれる前記データポイントの利用頻度に基づいて、前記重要度を決定する第8ステップと、
をさらに備える、
請求項6又は7に記載の情報生成方法。
【請求項9】
設備機器(50)の管理を行う管理装置(30)に設定される、前記管理装置が管理するデータポイントが定義された管理ポイント情報をコンピュータが生成する情報生成方法であって、
前記コンピュータが、前記設備機器の種類と、前記設備機器の管理に関する前記データポイントを定義したテンプレートとを対応づけて記憶する第1ステップと、
前記コンピュータが、管理対象の前記設備機器の種類、台数、及び、前記テンプレートに基づいて算出される、前記データポイントの総数と、前記管理装置が管理可能なデータポイント数の上限値である第1上限値を取得し、前記総数が前記第1上限値を超えているか否かを判定する第2ステップと、
前記コンピュータが、前記テンプレートに含まれる前記データポイントと、管理の重要度とを対応づけて記憶する第3ステップと、
前記コンピュータが、前記総数が前記第1上限値を超えていると判定した場合、前記判定の結果である第1判定結果及び前記重要度を表示する第9ステップと、
前記コンピュータが、ユーザの操作に基づいて、前記管理ポイント情報から除外する前記データポイントである除外ポイントを決定する第10ステップと、
を備える、
情報生成方法。