(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2025155249
(43)【公開日】2025-10-14
(54)【発明の名称】遊技場用システム
(51)【国際特許分類】
A63F 7/02 20060101AFI20251006BHJP
A63F 5/04 20060101ALI20251006BHJP
【FI】
A63F7/02 328
A63F5/04 682
【審査請求】未請求
【請求項の数】3
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2024058962
(22)【出願日】2024-04-01
(71)【出願人】
【識別番号】000108937
【氏名又は名称】ダイコク電機株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000567
【氏名又は名称】弁理士法人サトー
(72)【発明者】
【氏名】鍛治 誠
(72)【発明者】
【氏名】雁部 元春
(72)【発明者】
【氏名】金井 生多
【テーマコード(参考)】
2C088
2C182
【Fターム(参考)】
2C088CA05
2C088CA35
2C182EA02
2C182EA16
(57)【要約】
【課題】遊技場に設置される遊技機の評価を高精度に行えるようにする。
【解決手段】特定の種別における全国平均と当該特定の種別において特定の遊技機における平均を比較することで当該特定の遊技機がどの程度支持されているかを示す支持率と、第1期間における支持率と第2期間における支持率とを比較して得られる維持率とに着目し、第2期間における支持率と維持率とに基づいて特定の遊技機の評価を行い、評価の結果毎に遊技機を区分するようにした。より定量的に遊技機の評価を行うことができ、入替対象となる遊技機の評価を高精度に行うことができる。
【選択図】
図14
【特許請求の範囲】
【請求項1】
遊技場に設置されている遊技機から出力される遊技信号に基づいて特定される遊技情報を複数の遊技場から収集する遊技情報収集手段と、
前記遊技情報収集手段により収集される前記遊技情報のうち特定の種別における全国平均と、当該特定の種別において特定の遊技機における平均とを比較することで当該特定の遊技機がどの程度支持されているかを示す支持情報を算出する支持情報算出手段と、
第1期間における前記支持情報と前記第1期間とは異なる期間である第2期間における前記支持情報とを比較して得られる維持情報を算出する維持情報算出手段と、
前記特定の遊技機の評価を行う遊技機評価手段と、を備え、
前記遊技機評価手段は、前記第2期間における前記支持情報と前記維持情報算出手段による前記維持情報に基づいて前記特定の遊技機の評価を行い、当該評価の結果毎に遊技機を区分する遊技場用システム。
【請求項2】
前記遊技機評価手段は、第2期間における前記支持情報又は前記維持情報に応じて更に評価を行う請求項1に記載した遊技場用システム。
【請求項3】
前記遊技機評価手段は、評価対象である特定の遊技機の台数に応じて更に評価を行う請求項1に記載した遊技場用システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、遊技場用システムに関する。
【背景技術】
【0002】
遊技場では集客力を維持するために定期的に遊技機の入替が行われている。最適な機種選択をするために、自店や系列店で稼動情報に基づく遊技機の順位付けを行うことで入替すべき遊技機を最適に選択する技術について開示されている(例えば特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
さて、上述した従来技術において入替すべき遊技機を最適に選択できるものの、より高精度な評価手法が求められている。そこで、特定の遊技機において全国の種別毎の平均稼動に対して当該遊技機の平均稼動がどの程度支持されているかを示す支持率を所定期間で比較し、当該所定期間で当該遊技機の稼動がどの程度維持されているかを示す維持率に着目し、より定量的に最適な機種選択を行える技術について所望されている。
【0005】
本発明は、上記した事情に鑑みてなされたもので、その目的は、遊技場に設置される遊技機の評価を高精度に行うことができる遊技場用システムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
請求項1に記載した発明は、遊技場に設置されている遊技機から出力される遊技信号に基づいて特定される遊技情報(例えば売上、粗利、稼動等に関する情報)を複数の遊技場から収集する遊技情報収集手段(例えば管理サーバ14)と、前記遊技情報収集手段により収集される前記遊技情報のうち特定の種別における全国平均と、当該特定の種別において特定の遊技機における平均とを比較することで当該特定の遊技機がどの程度支持されているかを示す支持情報(例えば支持率、対象となる機種の稼動が属する種別内でどの程度支持されているかを示す値)を算出する支持情報算出手段(例えば管理サーバ14)と、第1期間(例えば
図8及び
図9において「右上がり斜線」を付与した日に跨る期間)における前記支持情報と前記第1期間とは異なる期間である第2期間(例えば
図9において「右下がり斜線」を付与した日に跨る期間)における前記支持情報とを比較して得られる維持情報(例えば維持率、対象となる機種の支持率が過去と比較してどの程度維持されているかを示す値)を算出する維持情報算出手段(例えば管理サーバ14)と、前記特定の遊技機の評価を行う遊技機評価手段(例えば管理サーバ14)と、を備え、前記遊技機評価手段は、前記第2期間における前記支持情報と前記維持情報算出手段による前記維持情報に基づいて前記特定の遊技機の評価を行い、当該評価の結果毎に遊技機を区分する(評価指数を機種毎に降順で並べ、ランク付けのように区分して評価を行う)。
【0007】
上記した構成によれば、特定の種別における全国平均と当該特定の種別において特定の遊技機における平均とを比較することで当該特定の遊技機がどの程度支持されているかを示す支持情報と、第1期間における支持情報と第2期間における支持情報とを比較して得られる維持情報とに着目し、第2期間における支持情報と維持情報とに基づいて特定の遊技機の評価を行い、評価の結果毎に遊技機を区分するようにしたので、より定量的に遊技機の評価を行うことができ、入替対象となる遊技機の評価を高精度に行うことができる。これにより、遊技場に設置される遊技機の評価を高精度に行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】一実施形態における遊技場用システムの構成を示す概略図
【
図2】封入式パチンコ遊技機及びカードユニットの正面図
【
図3】メダルレススロットマシン及びカードユニットの正面図
【
図6】第1予測手段による稼動率を算出した場合の推移グラフを示す図
【
図7】第2予測手段による稼動率を算出した場合の推移グラフを示す図
【
図9】遊技機評価の計算に用いるデータ期間の詳細を示す図
【
図10】遊技機評価の計算に用いるデータ期間の詳細を示す図
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、一実施形態について図面を参照して説明する。
図1は、遊技場用システムの全体構成を示す。遊技場A(A店)内には多数の(複数機種の)遊技機として封入式パチンコ遊技機(以下、パチンコ遊技機と称する)1及びメダルレススロットマシン(以下、スロットマシンと称する)5が設置されている。各パチンコ遊技機1に対応してカードユニット2及び情報表示装置3が設置されている。パチンコ遊技機1、カードユニット2及び情報表示装置3は2台ずつ中継装置4と接続されており、中継装置4はLAN9を介して場内管理装置(以下、管理装置と称する)10と接続されている。各スロットマシン5に対応してカードユニット6及び情報表示装置7が設置されている。スロットマシン5、カードユニット6及び情報表示装置7は2台ずつ中継装置8と接続されており、中継装置8はLAN9を介して管理装置10と接続されている。
【0010】
遊技場A内にはPOSや残高精算機(何れも図示せず)も設置されており、POSや残高精算機もLAN9を介して管理装置10と接続されている。
図1では図示を省略したが、実際には例えば数百台のパチンコ遊技機1やスロットマシン5が管理装置10の管理対象となっている。
【0011】
POSは、カードユニット2,6にて発行された会員カードや一般カードといったICカードが挿入されるカード挿入口を備えており、ICカードが挿入されると、その挿入されたICカードを受付けて当該ICカードに記録されている持点やカード識別情報をカードリーダ(図示せず)により読取り、その読取った持点やカード識別情報に対応する貯点等に基づいて景品交換処理を行う。一般カードは、不特定多数の一般遊技者に対して発行される一般記録媒体であり、会員カードは、予め会員登録を行った会員に対して発行される会員記録媒体である。
【0012】
精算機は、ICカードが挿入されるカード挿入口を備えており、ICカードが挿入されると、その挿入されたICカードを受付けて当該ICカードに記録されている入金残高をカードリーダ(図示せず)により読取り、その読取った入金残高に基づいて紙幣や硬貨の返却処理を行う。又、精算機は、紙幣が投入される紙幣投入口を備えており、紙幣が投入されると、その投入金額をICカードに記録されている入金残高に加算する残高加算処理を行う。
【0013】
管理装置10は、遊技場A内の例えば事務室等に設置されており、遊技場管理者が操作するキーボード11、モニタ12、プリンタ(図示せず)等が接続されている。管理装置10は、遊技機側(パチンコ遊技機1、カードユニット2、情報表示装置3、スロットマシン5、カードユニット6、情報表示装置7等)から出力される遊技信号を入力し、パチンコ遊技機1やスロットマシン5毎の遊技データ、会員登録された会員毎の個人データ、パチンコ遊技機1、カードユニット2、情報表示装置3、スロットマシン5、カードユニット6、情報表示装置7等の稼動状態等を管理する。
【0014】
遊技場用システムでは、遊技場A内に設置されているパチンコ遊技機1、カードユニット2、情報表示装置3、中継装置4、スロットマシン5、カードユニット6、情報表示装置7、中継装置8、LAN9及び管理装置10等と同等の構成が別の遊技場(
図1の例示では遊技場B(B店)、遊技場C(C店))内にも設置されている。これらの各遊技場A~Cに設置されている各管理装置10は、それぞれインターネットやVPN接続等の公衆回線13を介して各遊技場A~Cとは別に設置されている管理サーバ14(第1予測手段、第2予測手段、収集手段、管理手段、算出手段、遊技情報収集手段、支持情報算出手段、維持情報算出手段、遊技機評価手段、予測手段に相当する)と接続されており、公衆回線13を介して各種信号や各種情報を管理サーバ14と通信可能に構成されている。管理サーバ14は、各遊技場A~Cの各管理装置10により作成される遊技情報を集計管理するサーバである。又、
図1では図示を省略したが、管理サーバ14に接続される管理装置10は、各遊技場A~Cに設置されている3台に限らず、3台以上であっても良い。
【0015】
パチンコ遊技機1、カードユニット2及び情報表示装置3について説明する。パチンコ遊技機1は、予め機内に封入された循環遊技媒体(例えば循環パチンコ玉)を使用する封入式のパチンコ機である。パチンコ遊技機1で用いられる遊技価値(遊技点数)は仮想上のパチンコ玉であるが、機内の記憶部に記憶される遊技価値であり、従来の払出式の遊技機とは異なり、盤面に打出された玉は循環し、入賞した場合であっても遊技機外に払出されず、遊技に応じて記憶部の遊技価値が増減される。
【0016】
パチンコ遊技機1は、カードユニット2から遊技点数を受信すると、その遊技点数分のパチンコ玉を発射可能となり、遊技点数が「0」になった時点でパチンコ玉を発射不可能となる。パチンコ遊技機1は、計数操作に応じて遊技点数をカードユニット2へ送信して遊技点数を減算する。パチンコ遊技機1は、情報表示操作に応じて各種の遊技データ(大当り回数、特図抽選回数等)を表示する。
【0017】
図2に示すように、パチンコ遊技機1は、パチンコ玉が発射される盤面21と、発射装置を構成する発射ハンドル22と、タッチパネルを含む情報表示部23と、装飾ランプ24a,24bとを有する。盤面21には、液晶表示部25と、特図表示部26と、普図表示部27と、普図始動口28a,28bと、特
図1始動口29(ヘソ)と、特
図2始動口30(電チュー)と、大入賞口31と、開閉入賞装置32とが設けられている。
【0018】
パチンコ遊技機1のスペックは以下の通りである。
(1)大当り確率(特
図1抽選、特
図2抽選共通)は1/239(TS=239)である。
(2)小当り確率(特
図2抽選)は1/6であり、特
図2中の実質的な大当り確率は1/5.8(=1/239+1/6)(TSA=5.8)である。
(3)遊技状態として、初期状態、内部時短状態、時短状態、大当り状態等を発生可能である。
【0019】
初期状態は、パチンコ遊技機1における初期化操作を受付けるか、大当り状態が終了する際の一部で移行する状態である。初期状態における特
図1抽選では時短図柄の抽選も行われる。内部時短状態は、初期状態における特定図柄(時短図柄)に当選するか、大当り状態が終了する際の一部で移行する状態である。内部時短状態では、普通図柄(普図)抽選の当選確率は向上するが、当選した場合であっても電チューの開放時間が極めて短い(例えば0.1秒)ため遊技者は電チューに入賞させることはできない。内部時短状態における特
図1抽選では時短図柄の抽選は行われない。時短状態(遊技者にとって有利な有利状態)は、初期状態における時短図柄に当選するか、大当り状態が終了する際の一部で移行する状態である。時短状態では普図抽選の当選確率が向上する。普図抽選に当選すると、電チューが開放する(例えば3秒)。大当り状態は、特図抽選に当選することで移行する状態である。
【0020】
パチンコ遊技機1は、以下のように動作する。
(1)通常状態(初期状態、内部時短状態)では左打ちを行い、ヘソへの入賞を目指す。ヘソへ入賞することで特
図1での大当り抽選(特
図1抽選)を行う。大当り抽選1回をスタートと称する場合もある。特
図1抽選では1/239の確率で大当り抽選を行う。特
図1抽選で大当りに当選すると、大当り遊技が開始(大当り状態に移行)され、特図の種類に応じたラウンド(R)だけ大入賞口31が開放する。特
図1では全て4Rとなる。尚、1Rの上限入賞数は10個である。大入賞口31に入賞すると、15点分の遊技点数が加算される。
【0021】
(2)特
図1での大当り遊技が終了すると、大当りに当選した際の特図の種類によって異なる遊技状態に移行する。大当り後の80%で時短状態に移行する。時短状態は特
図2抽選に当選するか特
図2抽選が連続して128回非当選の場合に終了し、その後大当り状態又は初期状態に移行する。大当り後の15%で内部時短状態に移行する。内部時短状態は特
図1抽選に当選するか特
図1抽選が連続して9999回非当選の場合に終了し、その後大当り状態又は初期状態に移行する。大当り後の5%で初期状態に移行する。
【0022】
(3)時短状態では右打ちを行い、スルーである普図始動口28a,28bへの入賞を目指す。普図始動口28a,28bに入賞すると、1/1の確率で普図抽選を行う。普図抽選に当選すると、電チューが開放し、電チューに入賞させることができるようになる。電チューでは特
図2での大当り抽選(特
図2抽選)を行い、1/239の確率で大当りに当選し、1/6の確率で小当りに当選する。
【0023】
(4)特
図2抽選で大当りに当選した場合、特
図1同様大当り遊技が開始され、そのR数は10Rである。特
図2抽選で小当り当選すると、開閉入賞装置32が開放する。開閉入賞装置32の内部にはV入賞口(特定領域)が設けられており、V入賞口に入賞すると、大当り遊技が開始される。即ち、小当りを経由することで大当り遊技を行うことができるようになる。
【0024】
(5)小当り経由での大当りでは小当り当選時の特別図柄の種類に応じたR数だけ大入賞口31が開放し、大当り遊技終了後は時短状態、内部時短状態、及び初期状態の何れかに移行する。それぞれの割合は次の通りである。
10R+時短状態:20%
2R+時短状態:60%
2R+内部時短状態:15%
2R+初期状態:5%
【0025】
(6)時短状態は、特
図2抽選に当選するか特
図2抽選が128回非当選で終了し、その後大当り状態又は初期状態に移行する。内部時短状態は、特
図1抽選に当選するか特
図1抽選が9999回非当選で終了し、その後大当り状態又は初期状態に移行する。
【0026】
(7)初期状態における特
図1抽選では時短図柄の抽選を行い、時短図柄に当選すると、50%の割合で時短状態に移行し、50%の割合で内部時短状態に移行する。時短図柄由来の時短状態は特
図2抽選に当選するか特
図2抽選が128回非当選の場合に終了し、その後大当り状態又は初期状態に移行する。時短図柄由来の内部時短状態は特
図2抽選に当選するか特
図2抽選が9999回非当選の場合に終了し、その後大当り状態又は初期状態に移行する。尚、時短図柄の当選確率は1/50である。又、時短図柄由来の時短状態を突時と称する場合もある。
【0027】
(8)通常状態とは時短状態及び大当り状態を除く状態である。初期状態における普図抽選の当選確率は1/65536である。又、時短状態と大当り状態とに設定される状態を特別状態とする。
【0028】
パチンコ遊技機1からは例えば以下の遊技信号が出力される。
アウト信号=遊技で消費された遊技点数であるアウトを特定可能な信号である。
セーフ信号=遊技者に付与される遊技点数であるセーフを特定可能な信号である。
大当り信号=大当り状態を特定可能な信号である。
【0029】
特別状態信号=大当り状態中及び時短状態中に出力される信号である。
初期化信号=パチンコ遊技機1におけるクリアスイッチ(図示せず)の操作(初期化操作)を受付けた場合に出力される信号である。
スタート信号(図柄変動停止信号)=特
図1始動口29又は特
図2始動口30への入賞により変動する液晶表示部25における図柄変動を特定可能な信号である。
入賞信号(始動口入賞信号)=特
図1始動口29又は特
図2始動口30への入賞により出力される信号である。
【0030】
カードユニット2は、パチンコ遊技機1の遊技状態やカードユニット2の状態(エラー状態等)を示す状態ランプ33と、紙幣が投入される紙幣挿入口34と、遊技者からの操作入力を受付けると共に各種の遊技データを表示するタッチパネル式の液晶表示部35と、貸出操作を行うための貸出釦36と、再遊技操作を行うための再遊技釦37と、返却操作を行うための返却釦38と、ICカードが挿入されるカード挿入口39等を有する。又、カードユニット2は、遊技者の顔を含む上半身を撮影するカメラ(図示せず)も有する。
【0031】
カードユニット2は、以下のように動作する。
(1)パチンコ遊技機1から上記した各種の遊技信号を受信して集計及び記憶すると共に中継装置4を経由して管理装置10や情報表示装置3へ送信する。遊技者の入金残高及び遊技点数も管理装置10へ送信する。管理装置10から各種設定情報(遊技機番号、機種名、得点単価等)を受信して記憶する。
【0032】
(2)紙幣が紙幣挿入口34に挿入されると、入金残高に加算して記憶する。ICカードがカード挿入口39に挿入されると、カードIDに対応付けられた入金残高及び持点数を読み出して表示する。貸出釦36が操作されると、一定金額(例えば1000円)に対応する点数を250点ずつ遊技点数に変換してパチンコ遊技機1へ送信する。再遊技釦37が操作されると、持点数を250点ずつ遊技点数に変換してパチンコ遊技機1へ送信する。持点数、遊技点数、全得点数(持点数と遊技点数との合計)を記憶して表示する。パチンコ遊技機1からの得点加算情報及び得点減算情報を受信し、記憶している得点数を、その受信した得点加算情報及び得点減算情報に応じて更新し、得点数の更新に応じて得点数情報を中継装置4へ送信する。
【0033】
(3)入金残高及び持点数の少なくとも何れか一方が存在する状態で返却釦38が操作されると、その入金残高及び持点数をICカードに記録して発行する。遊技点数は記録せず、パチンコ遊技機1側に残る。
(4)ICカードを最大10枚ストックしている。
【0034】
情報表示装置3は、以下のように動作する。
(1)管理装置10から中継装置4を経由して各種の設定情報を受信すると共にパチンコ遊技機1及びカードユニット2から中継装置4を経由して各種の遊技情報を受信し、その受信した設定情報及び遊技情報に基づいて各種の表示情報を作成して表示する。
【0035】
(2)遊技情報に基づいてスタート回数や大当り回数等の各種データを集計して表示したり、パチンコ遊技機1の遊技状態を特定し、その特定した遊技状態に応じた表示情報を表示したりする。パチンコ遊技機1から出力される信号に基づいて図柄変動の開始及び停止のタイミングに基づいて単位図柄変動の時間を算出し、単位図柄変動の時間に基づいてパチンコ遊技機1の遊技状態を特定し、その特定した遊技状態に応じた表示情報を表示する。
【0036】
スロットマシン5、カードユニット6及び情報表示装置7について説明する。
図3に示すように、スロットマシン5は、表示窓41を介して視認可能な3本のリール42と、付与点数表示部43と、遊技点数表示部44と、スタートレバー45と、ストップ釦46a~46cと、BET釦47と、計数釦48と、装飾ランプ部49と、液晶表示部50と、スピーカ51a,51bとを有する。
【0037】
スロットマシン5は、以下のように動作する。
(1)BET釦47を操作して3点を賭け、遊技点がBETされた状態でスタートレバー45を操作すると、ゲームを開始する。この場合、予め規定数として例えば3点が設定されており、1回のゲームを実行するためには3点が必要となる。
【0038】
(2)ゲームの開始に応じて内部当選役を決定するための内部抽選を実行すると共に、各リール42を回転(始動)させる。内部抽選では乱数発生部が発生する乱数の中から1つの乱数を乱数抽出部で抽出し、内部当選役がある場合には当該内部当選役に対応するフラグを成立させる。
【0039】
(3)ストップ釦46a~46cが操作されると、内部当選役の図柄(対応するリール42の回転)を所定の引込範囲内で引き込み、停止表示させる。この場合、内部当選役のフラグに基づいて所謂引込制御(すべり制御)を含む停止制御(各リール42を内部当選役フラグの種類に応じた入賞図柄又はハズレ図柄で停止表示させる制御)を実行する。尚、引込制御は各ストップ釦46a~46cの操作を検出した時点から予め規定された引込範囲(最大で4図柄まで)にある図柄を有効ライン上に引き込んで停止させることが可能な制御である。内部当選役フラグに対応する図柄が上記の引込範囲内に存在しないときは、その図柄を有効ライン上に引き込んで停止させることができないので、入賞が発生せずに所謂取りこぼしとなる。
【0040】
(4)停止表示された図柄によって入賞が発生したか否かを判定し、入賞した役の種類に応じて遊技点数を付与する。即ち内部当選役として、得点を付与する2点役、8点役、15点役及びボーナス役があり、入賞した役が15点役の場合、15点の遊技点数が付与される。
【0041】
(5)遊技状態として、通常状態とボーナス状態とがあり、通常状態にて入賞した役がボーナス役の場合、ボーナス状態へ移行する。通常状態は役の内部当選確率が低く、得点率が100%を下回る状態である一方、ボーナス状態は内部当選確率が高く、得点率が100%を超える状態である。ボーナス状態は所定の得点(例えば300)を超えた時点で終了し、通常状態へ復帰する。
【0042】
(6)計数釦48を操作すると、その操作に応じて遊技点数をカードユニット6へ送信する。この場合、係る操作時間に応じた数の遊技点数がカードユニット6へ送信され、全ての遊技点数が送信されると、当該遊技機1の遊技点数がゼロにリセットされる。
【0043】
スロットマシン5からは例えば以下の遊技信号が出力される。
アウト信号=遊技で消費された遊技点数であるアウトを特定可能な信号である。
セーフ信号=遊技者に付与される遊技点数であるセーフを特定可能な信号である。
ゲーム信号=ゲームが実行されたことを特定可能な信号である。
ボーナス情報=ボーナス状態であることを特定可能な信号である。
【0044】
カードユニット6は、上記したカードユニット2と同等の構成であり、スロットマシン5の遊技状態やカードユニット2の状態(エラー状態等)を示す状態ランプ52と、紙幣が投入される紙幣挿入口53と、遊技者からの操作入力を受付けると共に各種の遊技データを表示するタッチパネル式の液晶表示部54と、貸出操作を行うための貸出釦55と、再遊技操作を行うための再遊技釦56と、返却操作を行うための返却釦57と、ICカードが挿入されるカード挿入口58等を有する。情報表示装置7は、上記した情報表示装置3と同等の構成である。
【0045】
管理サーバ14について説明する。
図4に示すように、各遊技場の管理装置10は、パチンコ遊技機1やスロットマシンから出力される遊技信号に基づいて日毎情報101(日毎種別データ及び日毎機種データに相当する)を特定し、その特定した日毎情報101を管理サーバ14へ送信する。管理サーバ14は、各遊技場の管理装置10から送信された日毎情報101を受信すると、その受信した日毎情報101を各店舗日毎情報102として収集し(収集手段に相当する)、その収集した各店舗日毎情報102をデータベースに記録する。各店舗日毎情報102には、例えば各店舗の機種毎や台番毎のアウト、セーフ、差玉、大当り回数、定時毎の稼動率、売上及び粗利等が含まれる。
【0046】
管理サーバ14は、データベースに記録した各店舗日毎情報102に基づいて全国日毎種別情報103及び全国日毎機種情報104を算出し、その算出した全国日毎種別情報103及び全国日毎機種情報104をそれぞれ日毎種別データ及び日毎機種データとしてデータベースに記録する。全国日毎種別情報103とは、例えば各店舗日毎情報102から算出される種別毎の各遊技情報の全国平均値である。全国日毎機種情報104とは、例えば各店舗日毎情報102から算出される機種毎の各遊技情報の全国平均値である。本実施形態では、全国を対象とした全国平均値を例示しているが、例えば都道府県や市町村を対象とした都道府県平均値や市町村平均値を用いても良い。又、例えば遊技場管理者により指定される特定のエリアを対象としたエリア平均値を対象としても良い。
【0047】
管理サーバ14は、当該管理サーバ14を管理する情報提供会社から提供されるカレンダー元データ105をデータベースに記録する。カレンダー元データ105とは、
図5に示すように、後述する学習モデルに用いるための複数の特徴量を含むデータである。例えば日毎情報に対応する日付が何曜日であるか、日にちの一桁目が何れであるか、祝日(holiday)であるか否か、当該遊技機が新台として導入されてから何週目か、年金支給日(pension)であるか、給料日(payday)であるか等の情報が特徴量として記録されている。
【0048】
管理サーバ14は、機械学習により日毎情報を予測可能(予測手段に相当する)である。管理サーバ14は、全国日毎種別情報103及びカレンダー元データ105を全国日毎種別予測モデル201の学習データとし、未来である特定の日付における特定の種別の稼動に関する情報として全国日毎種別稼動予測値106(全国日毎種別稼動情報に相当する)を算出する(日毎種別稼動情報を予測する第1予測手段に相当する)。即ち、全国日毎種別稼動予測値106を算出することで、日毎種別稼動情報を予測する。管理サーバ14は、その算出した全国日毎種別稼動予測値106をデータベースに記録する。ここで、未来である特定の日付とは予測を行う日付を基準として先の日付を対象とする。全国日毎種別稼動予測値106とは、例えば特定の日付における特定の種別のアウトや稼動率等である。
【0049】
管理サーバ14は、全国日毎機種情報104、カレンダー元データ105及び全国日毎種別稼動予測値106を全国日毎機種予測モデル202の学習データとし、未来である特定の日付における特定の機種の稼動に関する情報として全国日毎機種稼動予測値107(全国日毎機種稼動情報に相当する)を算出する(日毎機種稼動情報を予測する第2予測手段に相当する)。即ち、全国日毎機種稼動予測値107を算出することで、日毎機種稼動情報を予測する。管理サーバ14は、その算出した全国日毎機種稼動予測値107をデータベースに記録する。全国日毎機種稼動予測値107とは、例えば特定の日付における特定の機種のアウトや稼動率等である。
【0050】
このように特定の日付における特定の種別の稼動に関する予測値を算出した上で、当該予測値を用いて機種毎の稼動に関する予測値の算出を行うのは、当該特定の日付がどのような日であるかが遊技機の稼動に大きな影響を与えるためである。
【0051】
ここで、機械学習による予測方法について説明する。機械学習によるモデルの構築には既存の回帰分析を用いて時系列回帰モデルによる学習を行う。管理サーバ14に記録される日毎種別データを学習データとして含み、日毎情報にカレンダー元データ105である特徴量を対応付け、予測対象となる特定の日付に対応付けられる特徴量に基づいて予測値の算出を行う。算出された予測値と当該特定の日付の実際の遊技情報である正解値を比較して予測値の評価を行う。予測値の評価には一般的な評価指標である平均二乗誤差(MSE/Mean Squared Error)や平均絶対値誤差(MAE/Mean Absolute Error)を使用し、誤差が最小になるように都度モデルをチューニングする。
【0052】
管理サーバ14における第1予測手段による日毎種別稼動予測値の算出結果を
図6に示す。横軸は予測対象日(特定の日付に相当する)であり、縦軸は稼動率(稼動に関する情報に相当する)である。管理サーバ14により算出された日毎種別稼動予測値は、日毎種別稼動実績値と概ね追従していると判断することができる。例えば「2022年10月22日」や「2022年10月30日」は、土曜日や日曜日であるので、稼動率が向上しており、「2022年11月3日」や「2022年11月23日」は、祝日であるので、稼動率が向上している。これにより、カレンダー元データ105による特徴量が遊技機の稼動に影響を及ぼすことを確認することができる。
【0053】
管理サーバ14における第2予測手段による日毎機種稼動予測値の算出結果を
図7に示す。横軸は予測対象日(特定の日付に相当する)であり、縦軸は稼動率(稼動に関する情報に相当する)である。第1予測手段による日毎種別稼動予測値を学習データに含み予測を行う。管理サーバ14により算出された日毎機種稼動予測値は、日毎機種稼動実績値と概ね追従していると判断することができる。
【0054】
このように算出された予測値を日毎で確認することができるようにしたが、1週間毎といった所定期間に亘る予測値に基づいて期間稼動予測値(期間機種稼動情報に相当する)を算出し(期間機種稼動情報を算出する算出手段に相当する)、確認することができるようにしても良い。例えば月曜日を起算とする1週間(「2022年10月17日」~「2022年10月23日」)を算出対象期間とした場合は、当該1週間の予測値を平均した値が「10/17週」の予測値となる。
【0055】
又、特定の遊技場及び当該特定の遊技場外の競合店を含む地域範囲を特定した商圏として管理し、上記により算出した各値を、当該商圏に関連付けたマーケットデータ(詳しくは後述する)として管理可能にしても良い(マーケットデータとして管理する管理手段に相当する)。
【0056】
次に、遊技機の評価について説明する。管理サーバ14は、遊技機の稼動に関する支持率を複数の期間で比較することで、当該遊技機の稼動がどの程度維持されているかを示す維持率を算出し、直近の支持率と算出した維持率とに基づいて遊技機の評価を行う。
【0057】
評価手法として、管理サーバ14は、複数の遊技場から送信される遊技情報を受信して収集し(遊技情報を複数の遊技場から収集する遊技情報収集手段に相当する)、その収集した遊技情報を記録する。管理サーバ14は、その記録した遊技情報を機種毎に記録し、月曜から起算して1週間毎の平均値を算出する。遊技機評価を行うために参考にする遊技情報として売上、粗利、稼動等に関する情報を用いる。ここでは、稼動に関する情報を用いる。稼動に関する情報にはアウトや稼動率等があるが、本実施形態においては稼動率を用いて評価を行う。
【0058】
以下、「2023年3月20日」から「2023年4月16日」の期間を対象に「2023年4月17日」の週に遊技機評価を行う場合について
図8から
図10を用いて説明する。
図8に示す遊技機評価は、稼動支持率(以下、単に支持率と称する)及び稼動維持率(以下、単に維持率と称する)を用いて計算する。ここで、支持率とは、対象となる機種の稼動が属する種別内でどの程度支持されているかを示す値であり、下記の計算式により求められる(支持情報を算出する支持情報算出手段に相当する)。
支持率=当該機種の稼動率÷当該機種の属する種別の平均稼動率×100(%)
【0059】
一方、維持率とは、対象となる機種の支持率が過去と比較してどの程度維持されているかを示す値であり、下記の計算式により求められる(維持情報を算出する維持情報算出手段に相当する)。
維持率=支持率÷過去の期間における支持率×100(%)
例えば「0410週」の維持率は、下記の計算式により求められる。
0410週維持率=0410週支持率÷0320_0409支持率×100(%)
【0060】
以上により、遊技機評価による遊技機評価指数(以下、評価指数と称する)は、下記の計算式により求められ、その求められた値により遊技機が評価される(特定の遊技機の評価を行う遊技機評価手段に相当する)。
評価指数=支持率×維持率÷100
【0061】
即ち、維持率により支持率がどのように減少するかの傾向を把握すると共に、維持率と支持率とに基づいて評価指数を算出することで、傾向と現状の実績とに即した遊技機の評価を行うことができるようになる。
尚、計算を簡便化するために、維持率の計算を省略しても良く、評価指数が下記の計算式により求められても良い。
評価指数=支持率×支持率÷過去の期間における支持率
例えば「0410週」の評価指数は、下記の計算式により求められる。
0410週評価指数=0410週支持率×0410週支持率÷0320_0409支持率
【0062】
ここで、計算に用いる期間をカレンダーにより説明すると、「4/17週」において遊技機評価が行われる場合、「3/20~4/9」(第1期間に相当する、
図9及び
図10において「右上がり斜線」を付与した日に跨る期間)と「4/10~4/16」(第2期間に相当する、
図10において「右下がり斜線」を付与した日に跨る期間)とにおける稼動率、支持率及び第1期間における維持率により評価が行われる。
【0063】
以下、機種「AAA」を例に具体的な計算を説明する。
機種「AAA」の「3/20~4/9」における稼動率(以下、0320_0409稼動率)は「54.6%」であり、種別の平均稼動率は「23.1%」である。一方、「4/10~4/16」における稼動率(以下、0410週稼動率)は「53.6%」であり、種別の平均稼動率は「22.9%」である。
【0064】
このとき、「3/20~4/9」における支持率(以下、0320_0409支持率)は、
0320_0409支持率=0320_0409稼動率÷種別の平均稼動率×100(%)
=54.6÷23.1×100(%)=236.7(%)
となり、4/10~4/16における支持率(以下、0410週支持率)は、
0410週支持率=0410週稼動率÷種別の平均稼動率×100(%)
=53.6÷22.9×100(%)=233.6(%)
となる。
【0065】
又、「3/20~4/9」における支持率に対して、「4/10~4/16」における支持率がどの程度維持されたかを示す「3/20~4/9」における維持率(以下、0320_0409維持率)は、
0320_0409維持率=0410週支持率÷0320_0409支持率×100(%)
=233.6÷236.7×100(%)=98.7(%)
となる。
【0066】
以上より、機種「AAA」の評価指数は、
機種「AAA」の評価指数=0410週支持率×0320_0409維持率÷100
=233.6×98.7÷100=230.5
となる。
【0067】
このように求められる評価指数を機種毎に降順で並べ、
図11に示すように、ランク付けのように区分して評価を行う。又、より詳細な評価を行うために、第2期間における支持率や維持率に応じて、
図12に示すように、評価に重みづけを行っても良い。例えば機種「FFF」までが上位2.5%である場合、当該機種は評価指数上位2.5%であるものの、「0410週支持率」が「110~130%」であれば、「上位10%且つ支持率110%以上」に区分され、ランクは「A」となる。
【0068】
又、支持率に加え、又は代えて第2期間における台数に応じて評価に重みづけを行っても良い。例えば機種「FFF」までが上位2.5%である場合、機種「DDD」、機種「EEE」、機種「FFF」は評価指数が上位2.5%であるものの、「0410週台数」が5000台未満であるので、何れも「上位10%且つ台数5000台未満」に区分され、ランクは「A」となる。
【0069】
更に、前述した学習モデルを用い、未来における遊技機の稼動に関する情報を予測し、当該予測した予測値に基づいて評価指数を算出しても良い。その場合、比較するための未来である日付を含む期間を指定する。例えば未来である「4/24週」に遊技機評価を行う場合、「4/17~4/23」の予測値を用いて「3/27~4/16」における維持率と「4/17週」における支持率とにより評価指数を算出する。
【0070】
次に、マーケット情報の表示について説明する。管理装置10は、管理サーバ14により収集した実績値としての各種遊技情報、予測値、評価指標をマーケット情報として一覧で管理して表示可能である。マーケットデータには、何れの遊技場を含むグループを商圏に指定するかや、商圏内における何れの遊技場を指定するかを選択することができる。例えばグループの指定欄201に遊技場管理者が任意に指定する「競合店」を指定し、遊技場(店舗)の指定欄202に「自店」を指定する。その他、グループの指定欄201には自店からの任意の範囲内に位置する遊技場や、特定の都道府県といったエリアを指定することができる。同様に、店舗の指定欄202には当該グループに属する遊技場を指定することができる。
【0071】
マーケットデータに含まれる内容は、マーケットデータの確認対象になる期間(例えば「10/17週」)における遊技機の機種名、当該遊技機が市場に導入された日付(登録開始日)、当該遊技機のスペック帯(タイプ)、当該遊技機に設定される種別、実績値としての設置台数とその推移、前述した遊技機評価に基づくランク(評価ランク)及び前述した学習モデルに基づく未来における予測稼動率(予測)等が含まれる。未来における予測稼動率を含む場合、確認対象となる期間における稼動率を実績値とし、予測値に対してどのように推移しているかを比較することによる評価や、実績値に対して予測値がどの程度の割合で減少或いは増加するかに基づいて評価を行う。
【0072】
図14では、パチンコ遊技機が選択されており、パチンコ遊技機に関する情報が表示される場合を例示しているが、スロットが選択された場合はスロットに関する情報が表示される。尚、選択されている遊技機が反転表示される。又、稼動スコア選択部203において「全て」がチェックされていれば、「S」~「F」の区分の全てにチェックされ(黒丸が付与され)、全てのランクに対応する遊技機が表示され、評価ランクの稼動の欄において「S」~「F」の何れかが記録される。一方、「全て」がチェックされていなければ、「S」~「F」の区分のうち任意にランクを選択することができ、選択されたランクに対応する遊技機が表示される。例えば「S」~「D」のランクを選択した場合、「S」~「D」のランクに対応する遊技機が表示され、評価ランクの稼動の欄において「S」~「D」の何れかが記録される。同様に、粗利スコア選択部204において「全て」がチェックされていれば、「S」~「F」の区分の全てにチェックされ(黒丸が付与され)、全てのランクに対応する遊技機が表示され、評価ランクの粗利の欄において「S」~「F」の何れかが記録される。一方、「全て」がチェックされていなければ、「S」~「F」の区分のうち任意にランクを選択することができ、選択されたランクに対応する遊技機が表示される。例えば「S」~「D」のランクを選択した場合、「S」~「D」のランクに対応する遊技機が表示され、評価ランクの粗利の欄において「S」~「D」の何れかが記録される。
図14では、稼動スコア選択部203及び粗利スコア選択部204の両方において「全て」がチェックされている場合を例示している。機種ランクの算出に用いる遊技情報は、管理サーバ14で集計される全国平均を算出対象にし、更に自店における店舗平均(自店情報)を算出対象にしても良い。全国平均と店舗平均とを区別して算出対象とする場合、マーケットデータにはこれらを区別して評価可能に表示しても良い。
【0073】
以上に説明した本実施形態によれば、次に示す効果を得ることができる。
未来である予測日の全国日毎機種稼動予測値107を算出する際に、予測日に対応する学習データが存在しない場合あっても、全国日毎種別稼動予測値106を算出し、その算出した全国日毎種別稼動予測値106を用いて全国日毎機種稼動予測値107を算出するようにしたので、高精度の稼動予測を行うことができる。
【0074】
全国を対象として全国日毎種別稼動予測値106及び全国日毎機種稼動予測値107を算出するようにしたので、十分な量の教師データを確保することができ、より高精度の稼動予測を行うことができる。
【0075】
マーケットデータとして予測値を管理するようにしたので、所謂競合遊技場における今後の稼動情報を把握することができ、競合遊技場の情報に基づいた営業戦略を立案することができる。
【0076】
稼動予測を行う際に、期間単位での稼動情報を用いるようにしたので、より直観的に稼動情報を把握することができ、稼動予測に加えて営業計画の立案を行い易くすることができる。
【0077】
特定の種別における全国平均と当該特定の種別において特定の遊技機における平均とを比較することで当該特定の遊技機がどの程度支持されているかを示す支持率と、第1期間における支持率と第2期間における支持率とを比較して得られる維持率とに着目し、第2期間における支持率と維持率とに基づいて特定の遊技機の評価を行い、評価の結果毎に遊技機を区分するようにしたので、より定量的に遊技機の評価を行うことができ、入替対象となる遊技機の評価を高精度に行うことができる。
【0078】
遊技機の評価を行う際に、支持率、維持率及び遊技機の台数に応じて重みづけを行えるようにしたので、より定量的に遊技機の評価を行うことができ、入替対象となる遊技機の評価をより高精度に行うことができる。
【0079】
全国評価に対して自店評価を区別した上で評価を行うようにしたので、自店の遊技者層に応じた評価を行うことができ、入替対象となる遊技機の評価をより高精度に行うことができる。
【0080】
遊技場に設置されている遊技機から出力される遊技信号に基づいて特定される遊技情報である実績値と、未来である特定の日付における遊技情報である予測値とにより遊技機の評価を行うようにしたので、実績値に対して予測値を比較して評価を行うことで、対象となる遊技機の遊技情報が今後どのように変化するのかを把握することができ、入替対象となる遊技機の評価を高精度に行うことができる。
【0081】
実績値及び予測値のそれぞれの評価結果をランク分けして評価を行うようにしたので、より定量的に入替対象となる遊技機の評価を高精度に行うことができる。
【0082】
マーケットデータにおいて遊技場毎に評価を行うようにしたので、競合遊技場毎に遊技機の評価を行うことができ、より定量的に入替対象となる遊技機の評価を高精度に行うことができる。
【0083】
本発明は、上記した実施形態に限定されることなく、次のように変形又は拡張するようにしても良い。
管理サーバ14についてはクラウド型サーバを用いても良く、集計や各処理についてはクラウド上で行っても良い。
【0084】
管理サーバ14で行う処理の一部又は全体を管理装置10で行っても良く、管理装置10で行う処理の一部又は全体を管理サーバ14で行っても良い。
予測手段に用いる学習モデルとして、時系列回帰モデルによる学習モデルを用いたが、カレンダー元データを特徴量として予測可能であればどのような学習モデルであっても良く、線形モデルやランダムフォレスト、ブースティングモデルによる予測を行うようにしても良い。
【0085】
稼動に関する情報に基づいて、遊技情報の予測や遊技機評価を行うようにしたが、遊技情報に基づくようにすれば良く、カードユニット2,6により管理される売上や、遊技機毎の粗利により予測や遊技機評価を行うようにしても良い。その場合、何れの遊技情報を利用するかは遊技場管理者により選択可能としても良い。
【0086】
支持率と維持率とを用いて遊技機評価を行うようにしたが、過去のデータである実績値と予測値とを比較することで遊技機評価を行うようにしても良い。
支持率と維持率とに基づいて遊技機を評価できれば評価指数をどのように調整しても良く、得られた評価指数に支持率や維持率を乗じ、又は支持率や維持率で除するようにしても良い。
【0087】
第1期間及び第2期間における遊技情報を用いて遊技機の評価を行うので、当該期間に対応する遊技情報が存在しない遊技機については評価を行わないようにすると良い。評価を行わない場合であっても、第1期間及び第2期間を調整することで評価を行えるようにしても良い。
【0088】
マーケットデータを管理装置10で閲覧可能としたが、例えば通常のパソコンやタブレット端末等においても閲覧可能としても良い。この場合、ID等を入力して閲覧者を特定可能とすると良い。
商圏についてはどのように設定しても良く、遊技場管理者により予め選択するようにしても良い。
【0089】
管理装置10から送信される遊技情報によりマーケットデータを作成しているが、遊技情報を送信できない遊技場に対しては実際に集計した値を入力し、管理サーバ14に送信するようにしても良い。
第2期間は第1期間に含まれない期間としたが、一部を重複させるようにしても良い。
【0090】
例示した数値範囲には、その値を含むようにしても良いし、含まないようにしても良い。
玉やメダルの払出が行われない所謂封入式のパチンコ遊技機1やスロットマシン5を例示したが、入賞により玉やメダルが払出されるパチンコ遊技機やスロットマシンを対象にしても良い。
【0091】
例示した構成は変形例も含めて、どのように組み合わせても良いし、適宜、採用しない構成を設けても良い。
【符号の説明】
【0092】
図面中、1パチンコ遊技機(遊技機)、5はスロットマシン(遊技機)、14は管理サーバ(第1予測手段、第2予測手段、収集手段、管理手段、算出手段、遊技情報収集手段、支持情報算出手段、維持情報算出手段、遊技機評価手段、予測手段)である。