(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2025155279
(43)【公開日】2025-10-14
(54)【発明の名称】印刷装置
(51)【国際特許分類】
B41J 29/38 20060101AFI20251006BHJP
【FI】
B41J29/38 202
【審査請求】未請求
【請求項の数】1
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2024059020
(22)【出願日】2024-04-01
(71)【出願人】
【識別番号】000250502
【氏名又は名称】理想科学工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100083806
【弁理士】
【氏名又は名称】三好 秀和
(74)【代理人】
【識別番号】100111235
【弁理士】
【氏名又は名称】原 裕子
(74)【代理人】
【識別番号】100170575
【弁理士】
【氏名又は名称】森 太士
(72)【発明者】
【氏名】奥山 茉莉花
【テーマコード(参考)】
2C061
【Fターム(参考)】
2C061AP07
2C061HK05
2C061HN06
2C061HN15
(57)【要約】
【課題】特定のキーワードを含む印刷ジョブに対して複数の印刷設定を用いた定期的な印刷を行うような場合において、印刷ジョブを出力させる際に都度、印刷設定を行うことなく、複数の印刷設定を用いて印刷することで印刷設定の設定回数を減らす。
【解決手段】取得したジョブに特定のキーワードを含む場合に、特定のキーワードに対して、異なる印刷設定を持つ作成済みの複数のキューを割り当てるキュー割り当て手段91と、キーワードに割り当てられている複数のキューにジョブに含まれるファイルをリダイレクトするリダイレクト手段92と、を備えたことを特徴とする印刷装置。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
取得したジョブに特定のキーワードを含む場合に、前記特定のキーワードに対して、異なる印刷設定を持つ作成済みの複数のキューを割り当てるキュー割り当て手段と、
前記キーワードに割り当てられている複数のキューに前記ジョブに含まれるファイルをリダイレクトするリダイレクト手段と、
を備えたことを特徴とする印刷装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、印刷設定の設定回数を減らす印刷装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、コンピュータにより生成された印刷データを、ネットワークを介して受信し、受信した印刷データをプリントキューに蓄積し、プリントキューに蓄積した印刷データに基づいて順次印刷処理を実行する印刷装置(画像形成装置)がよく知られている。
【0003】
特許文献1には、画像処理装置での処理実行を指示するためのプリントキューが割り当てられたオブジェクトを管理可能な情報処理装置であって、別の情報処理装置で管理されているオブジェクトに割り当てられているプリントキューに対応する画像処理装置と、情報処理装置に登録されているプリントキューに対応する画像処理装置が同一であるか否かを判定し、同一であると判定された場合、情報処理装置に登録されているプリントキューを情報処理装置で表示すべきオブジェクトに割り当てる設定を行う情報処理装置に関する技術が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ここで、学校や企業などのような特定の集団や組織において、例えば、問題用紙を3年1組用として20部印刷し、3年2組用として17部印刷したい場合など、1つのデータに対して複数の印刷設定を用いた定期的な印刷を行うことがよくある。
【0006】
このような場合、特許文献1に記載の技術では、プリントキューが割り当てられたオブジェクトを管理するが、印刷を実行する際、何度も印刷設定を変更しながら印刷を行うことは手間となるという課題があった。
【0007】
本発明は、上記課題に鑑みてなされたものであり、印刷設定の設定回数を減らすことができる印刷装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記目的を達成するため、本発明に係る印刷装置の第1の特徴は、
取得したジョブに特定のキーワードを含む場合に、前記特定のキーワードに対して、異なる印刷設定を持つ作成済みの複数のキューを割り当てるキュー割り当て手段と、
前記キーワードに割り当てられている複数のキューに前記ジョブに含まれるファイルをリダイレクトするリダイレクト手段と、
を備えたことにある。
【発明の効果】
【0009】
本発明に係る印刷装置の特徴によれば、印刷設定の設定回数を減らすことができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1】本発明の実施例1のプリンタネットワークシステムの構成図である。
【
図2】本発明の実施例1のプリンタネットワークシステムが備えるCPUが有するキュー割り当て手段およびリダイレクト手段の作用を説明した説明図である。
【
図3】本発明の実施例2のプリンタネットワークシステムにおける優先度の設定を説明した図である。
【
図4】本発明の実施例2のプリンタネットワークシステムが備えるCPUが有するキュー割り当て手段およびリダイレクト手段の作用を説明した説明図である。
【
図5】本発明の実施例2のプリンタネットワークシステムにおける処理内容を示したフローチャートである。
【
図6】本発明の実施例3のプリンタネットワークシステムが備えるCPUが有するキュー割り当て手段およびリダイレクト手段の作用を説明した説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照して説明する。各図面を通じて同一若しくは同等の部位や構成要素には、同一若しくは同等の符号を付している。ただし、図面は模式的なものであり、現実のものとは異なることに留意すべきである。また、図面相互間においても互いの寸法の関係や比率が異なる部分が含まれている。
【0012】
また、以下に示す実施の形態は、この発明の技術的思想を具体化するための装置等を例示するものであって、この発明の技術的思想は、各構成部品の配置等を下記のものに特定するものでない。この発明の技術的思想は、特許請求の範囲において、種々の変更を加えることができる。
【0013】
<実施例1>
図1に示すように、本発明の実施例1のプリンタネットワークシステムは、画像形成装置である孔版印刷装置1と、クライアント端末14とを有している。
【0014】
各クライアント端末14は、PC(パーソナルコンピュータ)等によって構成されるものである。このクライアント端末14は、ROM17に格納された制御プログラムに基づいて各種の処理を実行するCPU16を有している。また、CPU16には、ワーキングエリアとして機能するRAM18と、キーボードやマウス等から構成される入力部19と、液晶ディスプレイ等から構成される出力部20と、外部記憶装置21とが接続されている。
【0015】
外部記憶装置21には、文書、画像等の印刷画像を含む原稿情報を生成するためのアプリケーションプログラムの格納領域や、孔版印刷装置1のプリンタドライバプログラムの格納領域、その他各種アプリケーションプログラムの格納領域が確保されている。
【0016】
CPU16は、プロセッサやメモリその他の周辺装置によって構成される演算装置であり、入力部19から入力される起動要求にしたがって外部記憶装置21のアプリケーションプログラムを起動させる。また、CPU16は、入力部19からのパラメータ入力等により指示された画像を示す原稿情報を、起動されたアプリケーションプログラム上において生成する。生成された原稿情報は出力部20において表示出力され、また、入力部19から保存要求が入力された場合には、外部記憶装置21のデータベース領域に記憶される。
【0017】
そして、CPU16は、原稿アプリケーションプログラム等で生成した原稿情報の印刷要求が入力された場合に、プリンタドライバプログラムをCPU16上で実行させることでCPU16上にプリンタドライバ110を仮想的に構築する。そして、プリンタドライバ110によって孔版印刷装置1に印刷ジョブを出力させる。
【0018】
プリンタドライバ110は、印刷制御プログラムを含んでおり、原稿アプリケーション等が生成した原稿データを取得して印刷ジョブを生成する。そして、生成した印刷ジョブを、外部インターフェイス部15から制御ユニット10の外部インターフェイス部11に出力する。
【0019】
孔版印刷装置1は、第1色用のドラムと第2色用のドラムを有し、2色のインクを用いて印刷を行う2色機である。孔版印刷装置1は、それぞれの回転するドラムに製版されたマスタをクランプで挟み込み巻き付けた後、用紙をこのドラムに給紙し、ドラムを回転しながら供給された用紙をプレスロールによりドラムに圧接することにより2色印刷を行う。
【0020】
具体的には、
図1に示すように、孔版印刷装置1は、原稿から原稿データを読み取るスキャナ部101と、スキャナ部101により読み取られた原稿データ、または印刷ジョブに含まれる原稿データに基づいて記録紙(片面又は両面)に印刷画像を印刷(記録)するプリンタ部102と、全体制御用の制御ユニット10とを備えている。プリンタ部102における印刷画像の印刷に使用する記録紙は、不図示の給紙部からプリンタ部102を介して不図示の排紙部に搬送される。
【0021】
また、制御ユニット10の外部インターフェイス部11には、ローカルエリアネットワークLANを介して、複数のクライアント端末14の外部インターフェイス部15(
図1中では、代表して1つのクライアント端末14についてのみ示している)がそれぞれ接続されている。制御ユニット10は、各クライアント端末14から印刷ジョブを受け取る。孔版印刷装置1は、印刷ジョブにおいて指定された条件で、プリンタ部102において印刷処理を実行する。
【0022】
さらに、制御ユニット10にはディスプレイ80が接続されている。このディスプレイ80は、孔版印刷装置1の上部に配置されている。
【0023】
上述したプリンタ部102に印刷動作を行わせる孔版印刷装置1の制御ユニット10は、
図1に示すように、CPU90を備える。このCPU90は、ROM91に格納されているプログラム及び設定情報に基づいて、ディスプレイ80から入力設定される内容に応じたスキャナ部101やプリンタ部102の動作を制御する。
【0024】
なお、制御ユニット10にはRAM92が設けられており、RAM92には、クライアント端末14から制御ユニット10に入力された印刷ジョブや、ディスプレイ80から入力されたコピー時の印刷枚数や各種の設定内容等が一時的に記憶される。
【0025】
さらに、制御ユニット10には外部記憶装置93が設けられており、この外部記憶装置93はCPU90に接続されている。外部記憶装置93には、上述したRAM92から転送された印刷ジョブを記憶する印刷キュー領域が設けられている。また、外部記憶装置93には、各種のデータ等が記憶される。
【0026】
CPU90は、その機能上、キュー割り当て手段91と、リダイレクト手段92とを有している。
【0027】
キュー割り当て手段91は、取得したジョブに特定のキーワードを含む場合に、特定のキーワードに対して、異なる印刷設定を持つ作成済みの複数のキューを割り当てる。
【0028】
リダイレクト手段92は、キーワードに割り当てられている複数のキューに、ジョブに含まれるファイルをリダイレクトする。
【0029】
図2は、CPU90が有するキュー割り当て手段91およびリダイレクト手段92の作用を説明した説明図である。
【0030】
図2に示すように、制御ユニット10が、ファイルF1が含まれるジョブ名が「3年1組学級通信」である印刷ジョブを受信したとする。
【0031】
受信されたファイルF1は、受信用通常印刷キューQ101として、外部記憶装置93の印刷キュー領域に記憶される。その際、ジョブ名にキーワードである「3年1組」が含まれているので、キュー割り当て手段91は、キーワードである「3年1組」を抽出する。なお、ここでは、ジョブ名にキーワードが含まれている例を示したが、オーナー名にキーワードが含まれていてもよい。
【0032】
そして、キュー割り当て手段91は、「3年1組」のキーワードに予め対応づけられた異なる印刷設定を持つ作成済みのキューD101aと、キューD101bとを割り当てる。
【0033】
キューD101aは、キュー名が「3-1_Students」であり、部数が「20部」、カラー/白黒設定が「白黒」、片面/両面設定が「両面」の印刷設定が設定されているキューであり、キューD101bは、キュー名が「Teacher」であり、部数が「1部」、カラー/白黒設定が「カラー」、片面/両面設定が「片面」の印刷設定が設定されているキューである。
【0034】
リダイレクト手段92は、キーワードに割り当てられている複数のキューにジョブに含まれるファイルをリダイレクトする。ここでは、キューD101aとキューD101bとに、ファイルF1をリダイレクトする。
【0035】
これにより、予め、特定のキーワードと、複数の印刷設定を関連付けて記憶しておくことにより、特定のキーワードを含む印刷ジョブに対して複数の印刷設定を用いた定期的な印刷を行うような場合において、プリンタドライバ110によって孔版印刷装置1に印刷ジョブを出力させる際に都度、印刷設定を行うことなく、複数の印刷設定を用いて印刷することができるので印刷設定の設定回数を減らすことができる。
【0036】
<実施例2>
本発明の実施例1では、特定のキーワードに対して、異なる印刷設定を持つ作成済みの複数のキューを割り当てたが、複数のキューに優先度を設定するようにしてもよい。
【0037】
図3は、本発明の実施例2のプリンタネットワークシステムにおける優先度の設定を説明した図である。なお、本発明の実施例2のプリンタネットワークシステムの構成については、
図1に示した本発明の実施例1のプリンタネットワークシステムの構成と同一であるので説明を省略する。
【0038】
図3に示すように、キューD101では、キーワードが「3年1組」に対してキュー名が「3-1_Students」であるキューD101aと、キュー名が「Teacher」であるキューD101bとが、関連付けられている。ここでは、キューD101aのリダイレクト優先度S1は、キューD101bのリダイレクト優先度S2より高くなるように設定されている。
【0039】
また、キューD103では、キーワードが「3年2組」に対してキュー名が「3-2_Students」であるキューD103aと、キュー名が「Teacher」であるキューD103bとが、関連付けられている。ここでは、キューD103aのリダイレクト優先度S1は、キューD103bのリダイレクト優先度S2より高くなるように設定されている。
【0040】
図4は、本発明の実施例2のプリンタネットワークシステムが備えるCPU90が有するキュー割り当て手段91およびリダイレクト手段92の作用を説明した説明図である。
【0041】
図4に示すように、制御ユニット10が、ファイルF1が含まれるジョブ名が「3年1組学級通信」である印刷ジョブと、ファイルF2が含まれるジョブ名が「3年2組学級信」である印刷ジョブとを受信したとする。
【0042】
受信されたファイルF1およびファイルF2は、受信用通常印刷キューQ201として、外部記憶装置93の印刷キュー領域に記憶される。その際、ファイルF1が含まれるジョブのジョブ名にキーワードである「3年1組」が含まれているので、キュー割り当て手段91は、キーワードである「3年1組」を抽出する。また、ファイルF2が含まれるジョブのジョブ名にキーワードである「3年2組」が含まれているので、キュー割り当て手段91は、キーワードである「3年2組」を抽出する。
【0043】
そして、キュー割り当て手段91は、「3年1組」のキーワードに予め対応づけられた異なる印刷設定を持つ作成済みのキューD101aと、キューD101bとを割り当てる。
【0044】
キューD101aは、キュー名が「3-1_Students」であり、部数が「20部」、カラー/白黒設定が「白黒」、片面/両面設定が「両面」の印刷設定が設定されているキューであり、キューD101bは、キュー名が「Teacher」であり、部数が「1部」、カラー/白黒設定が「カラー」、片面/両面設定が「片面」の印刷設定が設定されているキューである。
【0045】
また、キュー割り当て手段91は、「3年2組」のキーワードに予め対応づけられた異なる印刷設定を持つ作成済みのキューD103aと、キューD103bとを割り当てる。
【0046】
キューD103aは、キュー名が「3-2_Students」であり、部数が「17部」、カラー/白黒設定が「白黒」、片面/両面設定が「両面」の印刷設定が設定されているキューであり、キューD103bは、キューD101bと同様に、キュー名が「Teacher」であり、部数が「1部」、カラー/白黒設定が「カラー」、片面/両面設定が「片面」の印刷設定が設定されているキューである。
【0047】
そして、リダイレクト手段92は、ファイルF1をコピーしてキューD101aとキューD101bとに、ファイルF1をリダイレクトする。ここで、キューD101aのリダイレクト優先度S1は、キューD101bのリダイレクト優先度S2より高くなるように設定されているので、リダイレクト手段92は、ファイルF1をキューD101aにリダイレクトした後に、ファイルF1をキューD101bにリダイレクトする。
【0048】
そして、リダイレクト手段92は、ファイルF2をコピーしてキューD103aとキューD103bとに、ファイルF2をリダイレクトする。ここで、キューD103aのリダイレクト優先度S1は、キューD103bのリダイレクト優先度S2より高くなるように設定されているので、リダイレクト手段92は、ファイルF3をキューD103aにリダイレクトした後に、ファイルF1をキューD103bにリダイレクトする。
【0049】
これにより、印刷の順位を予め定めることができる。例えば、プリンタ部102の排紙部にフェイスアップで印刷された印刷物を出力する場合、キューD103aにより印刷された生徒用の印刷物の上に、キューD103bにより印刷された先生用の印刷物を積載して排紙することができる。
【0050】
図5は、本発明の実施例2のプリンタネットワークシステムにおける処理内容を示したフローチャートである。
【0051】
図5に示すように、ステップS101において、受信用通常印刷キューが印刷ジョブを受信する。
【0052】
ステップS103において、前の印刷ジョブに含まれる印刷データ(ファイル)のRIP処理が完了するまで待機する。
【0053】
ステップS105において、キュー割り当て手段91は、ジョブ名やオーナー名に、キーワードを含むか否かを判定する。
【0054】
ジョブ名やオーナー名に、キーワードを含むと判定された場合(ステップS105;YES)、ステップS107において、キュー割り当て手段91は、リダイレクト優先度を確認し、特定のキーワードに対して、リダイレクト優先度に基づいて、異なる印刷設定を持つ作成済みの複数のキューを割り当てる。
【0055】
ステップS109において、CPU90は、未送信のリダイレクト先がなくなるまで、ステップS111~ステップS113の処理を繰り返し実行する。
【0056】
ステップS111において、リダイレクト手段92は、リダイレクト用に受信データ(ファイル)をコピーする。
【0057】
ステップS113において、リダイレクト手段92は、コピーしたファイルを、未送信のうち最もリダイレクト優先度が高いキューにリダイレクトする。
【0058】
<実施例3>
本発明の実施例1では、特定のキーワードに対して、異なる印刷設定を持つ作成済みの複数のキューを割り当てたが、予め登録した登録フォームを合成して出力するようにしてもよい。
【0059】
図6は、本発明の実施例3のプリンタネットワークシステムが備えるCPU90が有するキュー割り当て手段91およびリダイレクト手段92の作用を説明した説明図である。
【0060】
図6に示すように、制御ユニット10が、ファイルF3が含まれるジョブ名が「3年1組_テスト」である印刷ジョブを受信したとする。
【0061】
受信されたファイルF3は、受信用通常印刷キューQ301として、外部記憶装置93の印刷キュー領域に記憶される。その際、ファイルF3が含まれるジョブのジョブ名にキーワードである「3年1組_テスト」が含まれているので、キュー割り当て手段91は、キーワードである「3年1組_テスト」を抽出する。
【0062】
そして、キュー割り当て手段91は、「3年1組_テスト」のキーワードに予め対応づけられた異なる印刷設定を持つ作成済みのキューD105aと、キューD105bとを割り当てる。
【0063】
キューD105aは、キュー名が「3-1_Students_Test」であり、部数が「20部」、カラー/白黒設定が「白黒」、片面/両面設定が「両面」の印刷設定が設定されているキューであり、キューD105bは、キュー名が「Teacher_Answer」であり、部数が「1部」、カラー/白黒設定が「カラー」、片面/両面設定が「片面」の印刷設定が設定されているキューである。
【0064】
また、登録フォームD106は、キュー名が「Teacher_Answer」に関連付けられて予め記憶されている登録フォームであり、キュー名が「Teacher_Answer」として合成されて印刷される。
【0065】
リダイレクト手段92は、キューD105aとキューD105bとに、ファイルF1をリダイレクトする。ここで、キューD105aのリダイレクト優先度S1は、キューD105bのリダイレクト優先度S2より高くなるように設定されているので、リダイレクト手段92は、ファイルF1をキューD105aにリダイレクトした後に、ファイルF1をキューD105bにリダイレクトする。
【0066】
リダイレクト手段92は、ファイルF1をキューD105bにリダイレクトする際、登録フォームD106を合成する。
【0067】
これにより、プリンタ部102の排紙部にフェイスアップで印刷された印刷物を出力する場合、キューD105aにより印刷された生徒用の印刷物P105の上に、登録フォームD106が合成されたキューD105bにより印刷された先生用の印刷物P106を積載して排紙することができる。
【0068】
(付記)
本出願は、以下の発明を開示する。
【0069】
(付記1)
取得したジョブに特定のキーワードを含む場合に、前記特定のキーワードに対して、異なる印刷設定を持つ作成済みの複数のキューを割り当てるキュー割り当て手段と、
前記キーワードに割り当てられている複数のキューに前記ジョブに含まれるファイルをリダイレクトするリダイレクト手段と、
を備えたことを特徴とする印刷装置。
【0070】
これにより、特定のキーワードを含む印刷ジョブに対して複数の印刷設定を用いた定期的な印刷を行うような場合において、印刷ジョブを出力させる際に都度、印刷設定を行うことなく、複数の印刷設定を用いて印刷することができるので印刷設定の設定回数を減らすことができる。
【符号の説明】
【0071】
1 孔版印刷装置
10 制御ユニット
11,15 外部インターフェイス部
14 クライアント端末
19 入力部
20 出力部
21 外部記憶装置
80 ディスプレイ
91 キュー割り当て手段
92 リダイレクト手段
93 外部記憶装置
101 スキャナ部
102 プリンタ部
110 プリンタドライバ