(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2025015550
(43)【公開日】2025-01-30
(54)【発明の名称】半導体製造に有用な樹脂を作製するための方法
(51)【国際特許分類】
B01J 49/05 20170101AFI20250123BHJP
C08F 8/30 20060101ALI20250123BHJP
C08F 212/04 20060101ALI20250123BHJP
C08F 212/36 20060101ALI20250123BHJP
C08F 8/24 20060101ALI20250123BHJP
B01J 45/00 20060101ALI20250123BHJP
B01J 49/60 20170101ALI20250123BHJP
【FI】
B01J49/05
C08F8/30
C08F212/04
C08F212/36
C08F8/24
B01J45/00
B01J49/60
【審査請求】有
【請求項の数】1
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2024186489
(22)【出願日】2024-10-23
(62)【分割の表示】P 2021529138の分割
【原出願日】2019-11-19
(31)【優先権主張番号】62/771,623
(32)【優先日】2018-11-27
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(71)【出願人】
【識別番号】521222408
【氏名又は名称】ディーディーピー スペシャルティ エレクトロニック マテリアルズ ユーエス ファイブ,エルエルシー
(71)【出願人】
【識別番号】521220884
【氏名又は名称】DDPスペシャルティ・プロダクツ・ジャパン株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100099759
【弁理士】
【氏名又は名称】青木 篤
(74)【代理人】
【識別番号】100123582
【弁理士】
【氏名又は名称】三橋 真二
(74)【代理人】
【識別番号】100128495
【弁理士】
【氏名又は名称】出野 知
(74)【代理人】
【識別番号】100208225
【弁理士】
【氏名又は名称】青木 修二郎
(74)【代理人】
【識別番号】100144417
【弁理士】
【氏名又は名称】堂垣 泰雄
(72)【発明者】
【氏名】フィンチ、ジョン デビッド
(72)【発明者】
【氏名】多久和 克哉
(57)【要約】
【課題】イオン交換樹脂を作製する方法を提供すること。
【解決手段】この方法は、(a)アミノポリオール基を含み、塩基性形態から酸性形態への変換時に体積%が15~30%膨潤する、酸性形態の塩基性イオン交換樹脂を提供する工程と、(b)樹脂を水又は酸水溶液で洗浄する工程と、を含む。
【選択図】なし
【特許請求の範囲】
【請求項1】
(a)酸性形態の塩基性イオン交換樹脂を提供する工程であって、前記樹脂は、アミノポリオール基を含み、塩基性形態から酸性形態への変換時に体積%が15~30%膨潤する、提供する工程と、
(b)前記樹脂を水又は酸水溶液で洗浄する工程と、
を含む、イオン交換樹脂を作製する方法。
【請求項2】
前記樹脂は、2.0~3.2当量/kgの活性部位を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記樹脂は、マクロ網状構造を有する、請求項2に記載の方法。
【請求項4】
前記樹脂は、2.5~3当量/kgのアミノポリオール基を含む、請求項3に記載の方法。
【請求項5】
前記樹脂は、2~4重量%の架橋剤の重合単位を含む、請求項4に記載の方法。
【請求項6】
(a)酸性形態の塩基性イオン交換樹脂を提供する工程であって、前記樹脂は、2~4重量%の架橋剤の重合単位と、マクロ網状構造と、2.0~3.2当量/kgの活性部位とを含み、前記活性部位は、アミノポリオール官能基を含む、提供する工程と、
(b)前記樹脂を水又は酸水溶液で洗浄する工程と、
を含む、イオン交換樹脂を作製する方法。
【請求項7】
前記樹脂は、2.5~3当量/kgのアミノポリオール基を含む、請求項6に記載の方法。
【請求項8】
前記樹脂は、96~98重量%のスチレン系モノマーを含む、請求項7に記載の方法。
【請求項9】
2~4重量%のジビニルベンゼンの重合単位と、マクロ網状構造と、2.0~3.2当量/kgの活性部位であって、アミノポリオール官能基を含む活性部位とを含むイオン交換樹脂。
【請求項10】
96~98重量%のスチレン系モノマーを含む、請求項9に記載のイオン交換樹脂。
【請求項11】
前記アミノポリオールは、N-メチルグルカミンである、請求項10に記載のイオン交換樹脂。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、一般的に、半導体製造に使用される水の精製に有用なイオン交換樹脂を作製するための方法に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、超純水(UPW)を設計する動向は、逆浸透(RO)と電気脱イオン(EDI)に向かっている。この設計では、ホウ素を非常に低いレベルに減少させることが重要である。ホウ素選択性イオン交換樹脂、例えば、アミノポリオールで官能化した樹脂などは、このことに対して魅力的な選択肢である。しかしながら、樹脂は、非常に混じりけがない必要がある、即ち、全有機炭素(TOC)が低く、高い抵抗率で水を生成する必要がある。また、樹脂は、物理的に安定している必要があり、ホウ素を除去する高い容量を有する必要がある。例えば、日本特許第4518112号公報は、アミノポリオール樹脂中のTOCを低減するための方法を開示している。しかしながら、この文献では、他の樹脂特性に影響を与える可能性のある過酷な条件を使用する方法について教示している。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0003】
本発明は、イオン交換樹脂を作製するための方法に関する。この方法は、
(a)酸性形態の塩基性イオン交換樹脂を提供する工程(前述の樹脂は、アミノポリオール基を含み、塩基性形態から酸性形態への変換時に体積%が15~30%膨潤する)と、
(b)樹脂を水又は酸水溶液で洗浄する工程と、
を含む。
【0004】
更に、本発明は、2~4重量%の架橋剤の重合単位と、マクロ網状構造と、2.0~3.2当量/kgの活性部位(前述の活性部位はアミノポリオール官能基を含む)とを含むイオン交換樹脂に関する。
【発明を実施するための形態】
【0005】
特に明記されていない限り、全てのパーセントは重量パーセント(重量%)であり、全ての温度は℃である。特に明記されていない限り、平均は算術平均である。特に指定のない限り、全ての操作は、室温(18~25℃)で実行される。
【0006】
重合、クロロメチル化、及びアミノ化の工程は、遊離の塩基から酸の形態への変換時に15~30%の膨潤を有する最終生成物を与えるように設計されている。この膨潤は、架橋によって且つ官能基の数と種類によって決定される。架橋には3つのタイプがある:(i)架橋剤とスチレン系モノマーとの共重合による架橋、(ii)クロロメチル化で起こるメチレン橋絡(methylene bridging)、及び(iii)アミノ化におけるアミノポリオールの2つのクロロメチル基との反応(強塩基の基)。クロロメチル化とアミノ化の度合いは、異なる官能基の相対数に影響を与える。
【0007】
「スチレン系モノマー」は、モノエチレン性不飽和芳香族化合物、例えば、スチレン、ビニルトルエン、エチルビニルベンゼン、クロロスチレン、及びビニルナフタレンを含む。「スチレン系架橋剤」は、ジビニルベンゼン及びトリビニルベンゼンなどの多価エチレン性不飽和芳香族化合物を含む。他のモノエチレン性不飽和化合物は、好ましくは、例えば、メタクリル酸及びそれらのエステル、ビニルピリジン、アクリロニトリル、ビニルエーテル、エステル、及びケトンなどの、強度などの生成物の改善のために、好ましくは10重量%未満(好ましくは5重量%未満)の量で、加えられることができる。また、多価エチレン性不飽和芳香族化合物を、架橋剤として、好ましくは、例えば、トリビニルシクロヘキサン、並びにトリメチロールプロパントリメタクリレートなどのジ及びトリメタクリレート化合物を使用することができる。ポリマー中のモノマー単位のパーセントは、ポリマー総重量(乾燥重量)に基づく。「ゲル」樹脂という用語は、非常に低い多孔率(0~0.1cm3/g)、小さい平均細孔径(0~17Å)、及び低いB.E.T.表面積(0~10m2/g)のコポリマーから合成された樹脂に適用される。「マクロ網状」(又はMR)樹脂という用語は、ゲル樹脂よりも表面積が大きい高いメソ多孔性のコポリマーから合成される樹脂に適用される。MR樹脂の総多孔率は、0.1~0.7cm3/g、平均細孔径は、17~500Å、B.E.T.表面積は、10~200m2/gである。MR樹脂は、典型的には、有機溶媒(「ポロゲン」)をモノマー混合物に組み込むことによって作製される。吸着樹脂という用語は、官能化できるかどうかにかかわらない、表面積と多孔率が非常に高い樹脂に適用される。これらの吸着剤は、200~1300m2/gの表面積、17~1000Åの平均細孔径、及び0.7~200cm3/gの総多孔率を有する。
【0008】
「調和平均直径」(HMD)は、以下の式:
【数1】
(式中、iは、個々のビーズにわたる添字であり、diは、各個々の粒子の直径であり、Nは、ビーズの総数である)
で定義される。樹脂ビーズは、実質的に球形である。
【0009】
本発明の方法は、好ましくは、2~4重量%の架橋剤の重合単位と、マクロ網状構造と、2.0~3.2当量/kgの活性部位(前述の活性部位は、アミノポリオール官能基を含む)とを含む塩基性イオン交換樹脂を使用する。活性部位は、アミノ基及び4級アンモニウム基である。
【0010】
好ましくは、架橋剤は、分子当たり2つの重合可能な炭素-炭素二重結合を有する。好ましくは、架橋剤は、100~400、好ましくは100~250、好ましくは120~200の分子量を有する。好ましくは、樹脂は、2.5~3.5重量%の架橋剤の重合単位を含む。好ましくは、樹脂は、96~98重量%、好ましくは96.5~97.5重量%のスチレン系モノマーを含む。好ましくは、架橋剤は、ジビニルベンゼンである。好ましくは、樹脂は、96~98重量%のスチレンの重合単位と、2~4重量%のジビニルベンゼンの重合単位とを含み、好ましくは、96.5~97.5重量%のスチレンの重合単位と、2.5~3.5重量%のジビニルベンゼンの重合単位とを含む。
【0011】
好ましくは、コポリマーは、好ましくはスチレン系モノマーの90~100%の置換を与える条件下で、クロロメチル化される。クロロメチル化は、膨潤を低下させる可能性のあるメチレン橋絡を最小限に抑える条件下で実行される。次いで、架橋されたクロロメチル化スチレン系ポリマーは、アミノポリオール、好ましくはN-メチルグルカミンでアミノ化される。好ましくは、アミノ化後、樹脂は、2.0~3.2当量/kgの活性部位、好ましくは少なくとも2.3当量/kgの活性部位、好ましくは少なくとも2.5当量/kgの活性部位、好ましくは3.1当量/kg以下の活性部位、好ましくは3.0当量/kg以下の活性部位、好ましくは2.5~3.0当量/kgのアミノポリオール基を含む。
【0012】
好ましくは、アミノポリオール基は、3~9の炭素原子、好ましくは少なくとも4つ、好ましくは少なくとも5つ、好ましくは少なくとも6つ、好ましくは8以下、好ましくは7以下の炭素原子を含む。好ましくは、アミノポリオール基は、2~8のヒドロキシル基、好ましくは少なくとも3つ、好ましくは少なくとも4つ、好ましくは少なくとも5つ、好ましくは7以下、好ましくは6以下のヒドロキシル基を含む。好ましくは、アミノポリオール基は、7つの炭素原子及び5つのヒドロキシル基を有する。N-メチルグルカミンが、特に好ましい。樹脂におけるアミノポリオール基は、スチレン系モノマーの重合単位を含むクロロメチル化架橋ポリマーをアミノポリオールと反応させることによって生成される。アミノポリオールは、N-メチルグルカミンと架橋ポリスチレンについて以下に例示されるように、アミノ窒素と、ベンゼン環に結合したメチレン基との間の窒素-炭素結合によって1つ又は2つのベンゼン環に結合される。
【化1】
【0013】
アミノポリオールN-メチルグルカミンが2つのベンゼン環に結合している場合、窒素は、4級アミン(強塩基)基の一部である。これにより、ポリマーが架橋され、膨潤が減少する。好ましくは、アミノ化プロセス後の樹脂は、総塩基性部位に基づいて、0~30%の強塩基、好ましくは5~20%の強塩基、好ましくは5~10%の強塩基を有する。
【0014】
酸性形態の塩基性イオン交換樹脂は、塩基性形態の樹脂に酸水溶液を加え、樹脂を浸漬させることによって作製される。好ましくは、酸浸漬は、少なくとも1回繰り返される。イオン交換樹脂の酸処理の条件は、周知である。酸処理後の水又は酸水溶液での洗浄は、公知のプロセスに従って実行される。好ましくは、樹脂は、少なくとも20BVの脱イオン水、好ましくは少なくとも40BVの脱イオン水、好ましくは少なくとも60BVの脱イオン水で洗浄される。好ましくは、脱イオン水の温度は、50℃~100℃、好ましくは50℃~85℃(強塩基の消失は85℃を超える可能性がある)、好ましくは75℃~85℃である。好ましくは、水が洗浄物として使用される。酸水溶液を使用する場合、酸濃度は、好ましくは10重量%未満、好ましくは5重量%未満、好ましくは1重量%未満である。好ましくは、樹脂は、周知の条件下で塩水溶液と接触させることにより、使用のために塩基性形態に戻される。
【0015】
好ましくは、イオン交換樹脂粒子は、100~1500μm、好ましくは少なくとも300μm、好ましくは少なくとも400μm、好ましくは1000μm以下、好ましくは700μm以下、好ましくは600μm以下の調和平均直径を有する。
【実施例0016】
使用される略語:DI=脱イオン、BV=ベッド体積、TOC=全有機炭素、MHC=保湿容量、WC=重量容量(当量活性部位/kg)、VCはリットル毎当たりの体積容量である、SB=強塩基(強塩基の当量/総当量(強塩基と弱塩基))。
【0017】
最良の実践形態-実施例1(酸処理後の80℃での洗浄)
1.5ガロンの容器に、7リットルのDowex(商標)BSR-1キレート樹脂を加えた。樹脂は、22%の膨潤(OHからCl)を有すると測定された。
2.7リットルの4重量%の塩酸を加えた。
3.30分間浸し、サイフォンで液体を取り除いた。
4.工程2と3を2回繰り返した(合計21リットルの塩酸)
5.7リットルのDI水を加えた。
6.20分間浸し、サイフォンで液体を取り除いた。
7.工程2と3を2回繰り返した(合計21リットルのDI水)。
8.工程1~7を繰り返し、合計14リットルの塩酸処理したBSR-1樹脂を作製した。
9.20リットルのガラスカラム(直径5.5)に、14リットルの塩酸処理したBSR-1樹脂を充填した。
10.80℃のDI水を6.6BV/時間(1540ml/分)で13時間、下向の流れでカラムに通した。
11.周囲温度のDI水を6.6BV/時間(1540ml/分)で13時間、下向の流れでカラムに通した。
12.21リットルの4%水酸化ナトリウムを350ml/分で60分間カラムに通した。
13.流れを止め、樹脂を4%水酸化ナトリウムに30分間浸した。
14.工程12と13を繰り返した。
15.周囲温度のDI水を6.6BV/時間(1540ml/分)で6.5時間、下向の流れでカラムに通した。
16.サイフォンで流し出し(packout)脱水した。
【0018】
50BV/時間でAnatel A-1000を使用して、ベースラインのデルタ-TOC及び抵抗率について最終樹脂を分析した。ベースラインのデルタ-TOCは、2.0~2.1ppbまでリンスし、抵抗率は、18.1Mオーム-cmまでリンスした。上記の洗浄前に、静的ホウ素容量は、3.8g-ホウ素/kg樹脂であると測定された。洗浄後、静的ホウ素容量は、3.5g-ホウ素/kg樹脂(元の容量の92%)であると測定された。
【0019】
所定の特性は、洗浄プロセスの影響を受けなかった。
【表1】
【0020】
比較-例2(交差処理(cross treatment)を用いたPWA10)
1.ビーカーに500mlのAmberlite(商標)PWA10を加えた。樹脂は、7%の膨潤(OHからHCl)を有すると測定された。
2.500mlのMilliQ水を加え、一晩浸した。
3.サイフォンで液体を取り除いた。
4.500mlの1N塩酸を加えた。30秒間接触させた。
5.サイフォンで液体を取り除いた。
6.工程3~4を繰り返した。
7.樹脂をガラスカラムに移した。
8.1N塩酸を、周囲温度にて4BV/時間(33ml/分)で1.4時間樹脂に通した。
9.MilliQ水を、周囲温度にて4BV/時間(33ml/分)で1.0時間樹脂に通した。
10.1N水酸化ナトリウムを、周囲温度にて4BV/時間(33ml/分)で1.3時間樹脂に通した。
11.MilliQ水を、周囲温度にて4BV/時間(33ml/分)で1.0時間樹脂に通した。
12.工程10~11を繰り返した。
【0021】
最終的な樹脂は、25BV/時間でAnatel A-1000を使用して、ベースラインのデルタ-TOC及び抵抗率について分析した。ベースラインのデルタ-TOCは、34.5ppbまでリンスし、抵抗率は18.2Mオーム-cmまでリンスした。
【0022】
比較-例3(交差処理を用いたBSR-1)
1.ビーカーに500mlのDowex(商標)BSR-1キレート樹脂を加えた。樹脂は22%の膨潤(OHからCl)を有すると測定された。
2.500mlのMilliQ水を加え、一晩浸した。
3.サイフォンで液体を取り除いた。
4.500mlの1N塩酸を加えた。30秒間接触させた。
5.サイフォンで液体を取り除いた。
6.工程3~4を繰り返した。
7.樹脂をガラスカラムに移した。
8.1N塩酸を、周囲温度にて4BV/時間(33ml/分)で1.4時間樹脂に通した。
9.MilliQ水を、周囲温度にて4BV/時間(33ml/分)で1.0時間樹脂に通した。
10.1N水酸化ナトリウムを、周囲温度にて4BV/時間(33ml/分)で1.3時間樹脂に通した。
11.MilliQ水を、周囲温度にて4BV/時間(33ml/分)で1.0時間樹脂に通した。
12.工程10~11を繰り返した。
【0023】
最終的な樹脂は、25BV/時間でAnatel A-1000を使用して、ベースラインのデルタ-TOC及び抵抗率について分析した。ベースラインのデルタ-TOCは、9.8ppbまでリンスし、ベースラインの抵抗率は、18.2Mオーム-cmまでリンスした。
【0024】
比較-例4(PWA10を90℃で洗浄)-PAC-BSR-11
1.直径2インチのジャケット付きガラスカラムに、150mlのAmberlite(商標)PWA10を充填した。
2.90℃のDI水を、6.6BV/時間(16ml/分)で6.5時間、下向の流れでカラムに通した。
3.周囲温度のDI水を、13BV/hr(33ml/分)で1.9時間、下向の流れでカラムに通した。
4.サイフォンで流し出し脱水した。
【0025】
50BV/時間でAnatel A-1000を使用して、ベースラインのデルタ-TOC及び抵抗率について最終樹脂を分析した。ベースラインのデルタ-TOCは、2.5ppbまでリンスし、ベースラインの抵抗率は、17.7Mオーム-cmまでリンスした。上記の洗浄前、静的ホウ素容量は、4.2g-ホウ素/L-樹脂であると測定された。洗浄後、静的ホウ素容量は、3.2g-ホウ素/L-樹脂(元の容量の77%)であると測定された。この洗浄プロセスにより、強塩基の%が、34.5%から13.9%に変更された。
【0026】
好ましくは、イオン交換樹脂粒子は、100~1500μm、好ましくは少なくとも300μm、好ましくは少なくとも400μm、好ましくは1000μm以下、好ましくは700μm以下、好ましくは600μm以下の調和平均直径を有する。以下、本発明の態様を列挙する。
(態様1)
(a)酸性形態の塩基性イオン交換樹脂を提供する工程であって、前記樹脂は、アミノポリオール基を含み、塩基性形態から酸性形態への変換時に体積%が15~30%膨潤する、提供する工程と、
(b)前記樹脂を水又は酸水溶液で洗浄する工程と、
を含む、イオン交換樹脂を作製する方法。
(態様2)
前記樹脂は、2.0~3.2当量/kgの活性部位を含む、態様1に記載の方法。
(態様3)
前記樹脂は、マクロ網状構造を有する、態様2に記載の方法。
(態様4)
前記樹脂は、2.5~3当量/kgのアミノポリオール基を含む、態様3に記載の方法。
(態様5)
前記樹脂は、2~4重量%の架橋剤の重合単位を含む、態様4に記載の方法。
(態様6)
(a)酸性形態の塩基性イオン交換樹脂を提供する工程であって、前記樹脂は、2~4重量%の架橋剤の重合単位と、マクロ網状構造と、2.0~3.2当量/kgの活性部位とを含み、前記活性部位は、アミノポリオール官能基を含む、提供する工程と、
(b)前記樹脂を水又は酸水溶液で洗浄する工程と、
を含む、イオン交換樹脂を作製する方法。
(態様7)
前記樹脂は、2.5~3当量/kgのアミノポリオール基を含む、態様6に記載の方法。
(態様8)
前記樹脂は、96~98重量%のスチレン系モノマーを含む、態様7に記載の方法。
(態様9)
2~4重量%のジビニルベンゼンの重合単位と、マクロ網状構造と、2.0~3.2当量/kgの活性部位であって、アミノポリオール官能基を含む活性部位とを含むイオン交換樹脂。
(態様10)
96~98重量%のスチレン系モノマーを含む、態様9に記載のイオン交換樹脂。
(態様11)
前記アミノポリオールは、N-メチルグルカミンである、態様10に記載のイオン交換樹脂。
(a)酸性形態の塩基性イオン交換樹脂を提供する工程であって、前記樹脂は、アミノポリオール基を含み、塩基性形態から酸性形態への変換時に体積%が15~30%膨潤する、提供する工程と、
(b)前記樹脂を水又は酸水溶液で洗浄する工程と、
を含む、イオン交換樹脂を作製する方法。