(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2025155786
(43)【公開日】2025-10-14
(54)【発明の名称】プログラム、およびシステム
(51)【国際特許分類】
A63F 13/69 20140101AFI20251002BHJP
A63F 13/79 20140101ALI20251002BHJP
A63F 13/65 20140101ALI20251002BHJP
【FI】
A63F13/69
A63F13/79
A63F13/65
A63F13/79 500
【審査請求】有
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2024223968
(22)【出願日】2024-12-19
(62)【分割の表示】P 2024053418の分割
【原出願日】2024-03-28
(11)【特許番号】
(45)【特許公報発行日】2025-05-23
(71)【出願人】
【識別番号】509070463
【氏名又は名称】株式会社コロプラ
(74)【代理人】
【識別番号】100118902
【弁理士】
【氏名又は名称】山本 修
(74)【代理人】
【識別番号】100106208
【弁理士】
【氏名又は名称】宮前 徹
(74)【代理人】
【識別番号】100196508
【弁理士】
【氏名又は名称】松尾 淳一
(74)【代理人】
【識別番号】100162846
【弁理士】
【氏名又は名称】大牧 綾子
(72)【発明者】
【氏名】得地 賢吾
(57)【要約】
【課題】ユーザに対する興趣性を向上させる。
【解決手段】コンピュータに、ゲーム空間を発生させるアイテムを共有させ、共有したプレイヤのプレイ状況に応じて、発生させるゲーム空間を変化させる、プログラム。
【選択図】
図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
コンピュータを、
現実空間の位置情報と関連付けられたゲーム空間を発生させるアイテムを第1プレイヤとは異なる第2プレイヤに共有可能にさせる共有手段と、
現実空間の位置情報と関連付けられたゲーム空間を発生させるアイテムを利用することでプレイ可能になるイベントを第1プレイヤがクリアした場合、イベントで発生するノンプレイヤキャラクタの強さのレベルを異ならせる制御手段として機能させる、プログラム。
【請求項2】
前記制御手段は、さらに、現実空間の位置情報と関連付けられたゲーム空間を発生させるアイテムを利用することでプレイ可能になるイベントを第1プレイヤがクリアした場合、イベントで発生するノンプレイヤキャラクタがプレイヤキャラクタに与えるダメージ、ノンプレイヤキャラクタのスキル、行動パターンのうち少なくとも1つを異ならせる、請求項1に記載のプログラム。
【請求項3】
前記制御手段は、さらに、現実空間の位置情報と関連付けられたゲーム空間を発生させるアイテムを利用することでプレイ可能になるイベントを第1プレイヤがクリアした場合、強さのレベルを異ならせたノンプレイヤキャラクタを発生可能な状態で、前記アイテムを第1プレイヤと、第2プレイヤとの間で共有可能にする、請求項1から3のいずれか1項に記載のプログラム。
【請求項4】
コンピュータに、
現実空間の位置情報と関連付けられたゲーム空間を発生させるアイテムを第1プレイヤとは異なる第2プレイヤに共有可能にさせ、
現実空間の位置情報と関連付けられたゲーム空間を発生させるアイテムを利用することでプレイ可能になるイベントを第1プレイヤがクリアした場合、イベントで発生するノンプレイヤキャラクタの強さのレベルを異ならせるよう構成された、システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、プログラム、およびシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、ユーザ端末の位置情報を利用したシステムが種々提案されている。このようなシステムには、特許文献1のように、ユーザの速度情報および位置情報を蓄積し、現実空間の位置に対応させて設定されたゲーム空間にオブジェクトを配置し、当該オブジェクトの位置と、ユーザ端末の仮想空間における位置との関係に応じて各種イベントを発生させるものがある
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明の目的の1つは、興趣性を向上させることにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
非限定的な観点によると、本発明の一実施形態に係るプログラムの特徴構成は、コンピュータに、ゲーム空間を発生させるアイテムを共有させ、共有したプレイヤのプレイ状況に応じて、発生させるゲーム空間を変化させる点にある。
【0006】
非限定的な観点によると、本発明の一実施形態に係るシステムの特徴構成は、コンピュータに、ゲーム空間を発生させるアイテムを共有させ、共有したプレイヤのプレイ状況に応じて、発生させるゲーム空間を変化させるよう構成された点にある。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【
図1】本開示の一実施形態による、ゲームシステムの概略構成を示す図である。
【
図2】本開示の一実施形態による、サーバおよび端末装置の機能的構成を示すブロック図である。
【
図3】本開示の一実施形態による、プレイヤキャラクタを含む仮想空間を示す画面例である。
【
図4】本開示の一実施形態による、プレイヤキャラクタを含む仮想空間を示す画面例である。
【
図5】本開示の一実施形態による、システムのゲーム進行部が実行するゲーム処理を示すフローチャートである。
【
図6】本開示の一実施形態による、システムのゲーム進行部が実行するゲーム処理を示すフローチャートである。
【
図7】本開示の一実施形態による、第1の所定の条件と、第2の所定の条件との間の様々なパターンを例示する図である。
【
図8】本開示の一実施形態による、プレイヤのプレイ状況が所定の条件を満たすかを示す画面例である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
[本開示の実施形態の詳細]
以下、本開示の実施形態について図面を参照して説明する。なお、以下の説明はあくま
でも一例を示すものであって、本願発明の技術的範囲を以下の実施形態に限定する趣旨ではない。図面において、同一または類似の要素には同一または類似の参照符号が付され、各実施形態の説明において同一または類似の要素に関する重複する説明は省略することがある。また、各実施形態で示される特徴は、互いに矛盾しない限り他の実施形態にも適用可能である。しかし、本開示の実施形態は、必ずしもこのような態様に限定されない。本開示の実施形態が、特許請求の範囲において規定される範囲に含まれる様々な態様を取り得ることは、当業者にとって明らかであろう。
【0009】
<システムのハードウェア構成>
図1は本開示の一実施形態による、ゲームシステムの概略構成を示す。
図1に示すように、本実施形態のシステム1は、複数の端末装置10と、サーバ20とを備えている。以下において、システム1は、ゲームに適用された場合を説明するが、システム1の適用はこれにかぎられない。
【0010】
端末装置10とサーバ20とは、ネットワーク2を介して接続される。ネットワーク2は、例えば、インターネット、移動通信システム(例えば、3G、4G、5G、LTE(Long Term Evolution)等)、WiFi(Wireless Fidelity)、ブルートゥース(登録商標)、その他の通信回線、またはこれらの組み合わせ等のいずれによって構成されていてもよい。また、端末装置10とサーバ20との接続は、有線接続であるか無線接続であるかを問わない。
【0011】
サーバ20(換言すると、コンピュータ、情報処理装置)は、例えば、ワークステーションまたはパーソナルコンピュータ等の汎用コンピュータであってもよい。サーバ20は、プロセッサ21と、メモリ22と、ストレージ23と、通信IF(インターフェース)24と、入出力IF25と、を備える。サーバ20が備えるこれらの構成は、通信バスによって互いに接続される。
【0012】
プロセッサ21は、サーバ20全体の動作を制御する。プロセッサ21は、CPU(Central Processing Unit)、MPU(Micro Processing Unit)およびGPU(Graphics Processing Unit)等を含み得る。プロセッサ21は、ストレージ23からプログラムを読み出し、メモリ22に展開する。プロセッサ21は、展開したプログラムを実行する。
【0013】
メモリ22は、主記憶装置である。メモリ22は、例えば、ROM(Read Only Memory)およびRAM(Random Access Memory)等の記憶装置により構成される。メモリ22は、プロセッサ21がストレージ23から読み出したプログラムおよび各種データを一時的に記憶することにより、プロセッサ21に作業領域を提供する。メモリ22は、プロセッサ21がプログラムに従って動作している間に生成した各種データも一時的に記憶する。
【0014】
なお、本実施形態においてプログラムとは、ゲームを端末装置10により実現するプログラムであってもよい。また、当該プログラムは、当該ゲームを端末装置10とサーバ20との協働により実現するプログラムであってもよい。なお、端末装置10とサーバ20との協働により実現されるゲームは、一例として、端末装置10において起動されたブラウザ上で実行されるゲームであってもよい。また、当該プログラムは、当該ゲームを複数の端末装置10の協働により実現するプログラムであってもよい。また、各種データには、例えば、ユーザ情報およびゲーム情報などのゲームに関するデータ、および端末装置10とサーバ20との間で送受信される指示や通知が含まれる。
【0015】
ストレージ23は、補助記憶装置である。ストレージ23は、例えば、フラッシュメモリまたはHDD(Hard Disk Drive)等の記憶装置により構成される。ストレージ23に
は、ゲームに関する各種データが格納される。
【0016】
通信IF24は、サーバ20と端末装置10等との間におけるネットワークを介した各種データの送受信を制御する。
【0017】
入出力IF25は、サーバ20がデータの入力を受け付けるためのインターフェースであるとともに、サーバ20がデータを出力するためのインターフェースである。入出力IF25は、例えば、マウス、キーボード等の情報入力機器である入力部と、画像を表示出力する機器である表示部とを含み得る。
【0018】
端末装置10(換言すると、コンピュータ、情報処理装置)は、例えば、スマートフォン、フィーチャーフォン、PDA(Personal Digital Assistant)、タブレット型コンピュータ、パーソナルコンピュータ、ウェアラブル端末、またはゲーム装置等であってもよい。端末装置10は、携帯端末であってもよい。端末装置10は、ユーザがゲームを実行する際に可搬型の端末であってもよい。
【0019】
端末装置10は、プロセッサ11と、メモリ12と、ストレージ13と、通信IF14と、入出力IF15と、入力部17と、表示部18と、検出器19とを備える。端末装置10が備えるこれらの構成は、通信バスによって互いに接続される。
【0020】
プロセッサ11は、端末装置10全体の動作を制御する。プロセッサ11は、CPU、MPUおよびGPU等を含み得る。プロセッサ11は、ストレージ13からプログラムを読み出し、メモリ12に展開する。プロセッサ11は、展開したプログラムを実行する。
【0021】
メモリ12は、主記憶装置である。メモリ12は、例えば、ROMおよびRAM等の記憶装置により構成される。メモリ12は、プロセッサ11がストレージ13から読み出したプログラムおよび各種データを一時的に記憶することにより、プロセッサ11に作業領域を提供する。メモリ12は、プロセッサ11がプログラムに従って動作している間に生成した各種データも一時的に記憶する。
【0022】
ストレージ13は、補助記憶装置である。ストレージ13は、例えば、フラッシュメモリまたはHDD等の記憶装置により構成される。ストレージ13には、ゲームに関する各種データが格納される。
【0023】
通信IF14は、端末装置10とサーバ20等との間におけるネットワークを介した各種データの送受信を制御する。
【0024】
入出力IF15は、端末装置10がデータの入力を受け付けるためのインターフェースであるとともに、端末装置10がデータを出力するためのインターフェースである。入出力IF15は、例えばUSB(Universal Serial Bus)等を介してデータの入出力を行うこととしてもよい。入出力IF15は、入力部17または表示部18等を含み得る。
【0025】
入力部17は、ユーザによる入力を受け付ける。入力部17は、例えば、タッチパッド等のポインティングデバイスであってもよい。表示部18は、画像を表示する。表示部18は、例えば、液晶ディスプレイまたは有機EL(Electro-Luminescence)ディスプレイ等であってもよい。端末装置10は、例えば、入力部17と表示部18とを組み合わせた電子部品であるタッチスクリーン16を備える。
【0026】
入力部17は、ユーザの操作(例えば、タッチ操作、タップ操作、スライド操作、スワイプ操作、およびフリック操作等)により入力面に対して入力された位置を検知し、検知した位置を示す情報を入力信号として送信する機能を有する。入力部17としてのタッチ
パネルは、静電容量方式または抵抗膜方式等を採用することができるが、他の方式であってもよい。
【0027】
なお、入力部17は、例えば、キーボード、各種物理ボタン、各種センサ(例えば、加速度センサまたは角速度センサ等)、操作スティック、カメラ、またはマイク等であってもよい。また、表示部18は、例えば、プロジェクタ等であってもよい。
【0028】
検出器19は、端末装置10を保持するユーザの位置情報や移動情報を検出する。検出器19は、例えば複数のGPS衛星から送信される信号を受信し、受信信号に基づいて端末装置10の現在位置を検出するGPS(Global Positioning System)受信機である。
検出器19は、GPS受信機に限られず、無線LANのアクセスポイント(AP)、またはブルートゥース(「ブルートゥース」は登録商標、以下では登録商標の記載を省略する。)のビーコン信号を送信するブルートゥース通信対向機器からの信号に基づいて端末装置10の現在位置を取得してもよい。GPSは、理想的に空がひらけているエリアでは端末装置10の位置を精度高く測定できるが、屋内や地下、高い建物の間等では位置が精度高く測定できない、あるいは全く測定できない場合がある。このため、端末装置10の位置に応じて、端末装置10は、GPS測位システムの衛星からの信号を単独で、あるいはGPS測位システムの衛星と、無線LANのAPと、ブルートゥース通信対向機器とからの信号を組み合わせて、端末装置10の位置を検出してもよい。また、検出器19は、ユーザが歩行した距離、歩数、移動時間を検出する歩数計の機能を備えてもよい。なお、端末装置10を保持するユーザの位置情報を取得する際には、端末装置10以外の外部機器(検出器)で検出された値を、通信機能等を用いて受信することで、代用または併用して適宜、ユーザの位置を推定するようにしてもよい。
【0029】
<システムの機能的構成>
図2は、本開示の一実施形態による、サーバ20および端末装置10の機能的構成を示すブロック図である。本実施形態におけるサーバ20は、例えば、ゲームを実現するために必要な各種データおよびプログラムを各端末装置10に提供する機能、各端末装置10からゲームに関するデータを収集して管理する機能、ならびに複数の端末装置10間の同期処理を行う機能等を有する。
【0030】
なお、本実施形態において、サーバ20は、ゲームごとに事前に登録されるユーザのアカウントを用い、各ユーザおよび端末装置10を識別する。アカウントの登録方法は特に限定されない。例えば、端末装置10またはパーソナルコンピュータ等の他の装置が、ユーザの操作に基づいて、ユーザのアカウント登録に必要な情報をサーバ20に送信し、サーバ20が、受信した情報に基づいて各ユーザのアカウントを作成および保存することとしてもよい。
【0031】
サーバ20は、プロセッサ21、メモリ22、ストレージ23、通信IF(インターフェース)24、および入出力IF25等の協働によって、制御部210および記憶部220として機能する。記憶部220は、制御部210が使用する各種データを格納する。各種データとして、例えば、ゲームプログラム221、ゲーム情報222およびユーザ情報223がある。
【0032】
ゲームプログラム221は、ゲームを実現するためのプログラムである。ゲーム情報222およびユーザ情報223は、制御部210がゲームプログラム221を実行するときに参照するデータである。
【0033】
なお、ゲームプログラム221は、サーバ20側で実行するゲームプログラムに加え、端末装置10に送信して端末装置10側で実行するプログラム(後述するゲームプログラ
ム121)を含むこととしてもよい。あるいは、記憶部220が、サーバ20側で実行するゲームプログラム221と、端末装置10側で実行するプログラムとを格納することとしてもよい。
【0034】
ゲーム情報222は、アカウント間で共通の情報である。ゲーム情報222は、例えば、各種ゲーム空間を規定するための情報を含む。ゲーム空間とは、ユーザが操作可能なキャラクタ(以下、「操作キャラクタ」あるいは「プレイヤキャラクタ」ともいう。)のオブジェクトが配置される空間である。また、ゲーム情報222は、例えば、ゲーム空間内に配置される建物や木、石等の背景オブジェクトやノンプレイヤキャラクタ(non player
character:NPC)のオブジェクトの配置位置や大きさ、色、形状等、アカウント間で共通のオブジェクトに関する各種設定情報を含む。また、ゲーム情報222は、例えば、ノンプレイヤキャラクタの各種パラメータの設定値等を含む。以下においては、ゲーム空間に配置されたキャラクタのオブジェクトを指して、単に「キャラクタ」ということもある。
【0035】
ユーザ情報223は、ゲームのアカウントごとに管理される情報である。ユーザ情報223は、例えば、操作キャラクタに関する情報、保有資産に関する情報、およびゲームの進行度合いを示す情報等を含む。保有資産として、例えば、ゲーム内通貨、アイテム、キャラクタの装備品等が挙げられる。
【0036】
制御部210は、記憶部220に格納されたゲームプログラム221を実行することにより、ゲームに関する各種処理を制御する。制御部210は、例えば、送受信部211、サーバ処理部212、データ管理部213および同期処理部214を有する。
【0037】
送受信部211は、各種データを送信または受信する。送受信部211は、例えば、各種データおよびプログラムの送信要求や、マルチプレイ機能に対応するための同期処理の要求、同期処理の対象となるデータ等を、各端末装置10から受信し、サーバ処理部212に渡す。また、送受信部211は、サーバ処理部212による制御に従って、同期を取るための指示等を含む各種データやプログラムを、各端末装置10に送信する。
【0038】
本実施形態において、マルチプレイ機能とは、複数のアカウントによるゲーム処理を同期させた状態で進行させる機能である。ゲームシステム1のサーバ20および端末装置10は、ゲームシステム1にログインしているアカウントが同じゲームに複数参加する場合に、マルチプレイ機能に対応するための各種処理を実行する。
【0039】
サーバ処理部212は、端末装置10からの要求等に応じ、ゲームプログラム221に記述された演算処理を実行することで、端末装置10にゲームを提供する。サーバ処理部212は、例えば、マルチプレイ機能に対応するための同期処理の要求や同期処理の対象となるデータを、送受信部211を介して端末装置10から受け取ると、マルチプレイ機能に対応するための同期処理を実行する。また、サーバ処理部212は、ゲーム情報222またはユーザ情報223の送信指示を送受信部211に指令する。さらに、サーバ処理部212は、ゲーム情報222またはユーザ情報223のレコードの追加、更新または削除に関する指示をデータ管理部213に指令する。
【0040】
データ管理部213は、記憶部220に格納されている各種データをサーバ処理部212の指示に従って管理する。データ管理部213は、例えば、サーバ処理部212からの指令に従って、ゲーム情報222またはユーザ情報223を読み出し、送受信部211を介して端末装置10に送信する。また、データ管理部213は、サーバ処理部212からの指令に従って、ゲーム情報222またはユーザ情報223のレコードを、追加、更新または削除する。
【0041】
同期処理部214は、サーバ処理部212からの指令に従って、ゲームのマルチプレイ機能に対応するための同期処理を実行する。同期処理部214は、例えば、サーバ20が複数の端末装置10に対して情報を送信するときに、各端末装置10に同時に情報を送信することで、各端末装置10間で進行するゲームの同期を取る。具体的に、同期処理部214は、各アカウントに対応する端末装置10から所定期間(例えば、一フレーム)内に受信した操作情報を、所定期間ごとに各端末装置10に同時に送信する。操作情報は、端末装置10に入力される操作に関する情報である。同期のタイミングや同期すべき情報は、サーバ処理部212から随時受信することとしてもよい。同期処理を実行することで、一つの端末装置10で入力された操作に起因するゲーム内の事象を、他の端末装置10に同時に反映させることが可能となる。
【0042】
本実施形態における端末装置10は、例えば、ユーザの入力操作を受け付ける入力装置としての機能、およびゲームの画像や音声を出力する出力装置としての機能等を有する。
【0043】
端末装置10は、プロセッサ11、メモリ12、ストレージ13、通信IF14、および入出力IF15等の協働によって、制御部110および記憶部120として機能する。記憶部120は、制御部110が使用する各種データを格納する。各種データとして、例えば、ゲームプログラム121、ゲーム情報122およびユーザ情報123がある。
【0044】
ゲームプログラム121は、端末装置10側でゲームを実現するためのプログラムである。ゲーム情報122およびユーザ情報123は、制御部110がゲームプログラム121を実行するときに参照するデータである。
【0045】
ゲーム情報122は、上述したサーバ20のゲーム情報222と同様の情報を含む。したがって、ここではゲーム情報122の説明を省略する。
【0046】
ユーザ情報123は、端末装置10を使用するユーザのアカウントに関するデータであり、上述したサーバ20のユーザ情報223と同様の情報を含む。したがって、ここではユーザ情報123の説明を省略する。さらに、ユーザ情報123は、検出器19で検出されたユーザの現在地の位置情報や、ユーザの移動情報(移動距離、移動方向、移動時間、歩数等)を含んでもよい。また、これらの移動情報、歩数情報等は、ネットワーク2を介してサーバ20に送信され、サーバ20のユーザ情報223に含まれてもよい。
【0047】
制御部110は、記憶部120に格納されたゲームプログラム121を実行することにより、端末装置10において実行されるゲームに関する各種処理を制御する。制御部110は、例えば、操作受付部111、送受信部112、ゲーム進行部113および表示制御部114を有する。
【0048】
操作受付部111は、入力部17を介してユーザにより入力される操作(以下、「入力操作」ともいう。)を受け付ける。具体的には、操作受付部111は、入力部17に対する入力操作がされた場合に、入力位置の座標および入力操作の種類を検知する。入力操作の種類として、例えば、タッチ操作、タップ操作、スライド操作、スワイプ操作、フリック操作、ピンチイン操作およびピンチアウト操作等の、手指等による各種操作が挙げられる。入力操作は、入力部17(例えば、タッチスクリーン16)に物理的に接触する操作に限らず、非接触による操作も含み得る。なお、タッチスクリーン16への接触を終了するタッチオフ操作等のそれまで行っていた入力操作を終了する操作も、入力操作の一態様ということができる。
【0049】
ここで、操作受付部111は、入出力IF15を介して接続された操作機器を用いてさ
れる入力操作についても、入力部17に対する入力操作と同様に受け付けることができる。
【0050】
送受信部112は、各種データを送受信する。以下に、具体例を挙げて説明する。
【0051】
送受信部112は、ゲーム情報122またはユーザ情報123や、マルチプレイ機能に対応するための同期要求を、サーバ20に送信する。送受信部112は、各種データ、プログラム、およびマルチプレイ機能に対応するための同期のためのデータ等を、サーバ20から受信する。同期のためのデータには、例えば、マルチプレイに参加している各端末装置10間で同期を取るように指示するための同期指示データが含まれる。同期指示データには、例えば、同期対象となるデータおよびそのデータの種類や、同期する時期を特定するためのデータ等が含まれる。
【0052】
送受信部112は、操作受付部111により受け付けられた入力操作に関する操作情報を、サーバ20に送信する。送受信部112は、他の端末装置10において他のユーザにより入力された操作に関する操作情報を、サーバ20から受信する。
【0053】
ゲーム進行部113(制御部)は、ゲームの進行に関する各種処理を実行する。換言すると、ゲーム進行部113は、ゲームの進行を制御する。以下に、具体例を挙げて説明する。
【0054】
ゲーム進行部113は、ゲーム情報122に含まれるゲーム空間を規定するための情報に基づいて、ゲーム空間(換言すると仮想空間)を規定する。ゲーム進行部113は、ゲーム情報122に含まれるオブジェクトの設定情報に基づいて、ゲーム空間にオブジェクトを配置する。ゲーム進行部113は、ゲーム空間に配置したオブジェクトを制御する。具体的には、ゲーム進行部113は、ゲーム空間内でのオブジェクトの位置、向き、形状、色等を変更することや、オブジェクトに所定の動作を行わせるように、オブジェクトを制御する。
【0055】
ゲーム進行部113は、ゲーム空間のうちユーザに提示する領域を指定するための仮想カメラを規定する。ゲーム進行部113は、ゲーム空間内での仮想カメラの位置および向きを規定することにより、ゲーム空間内に仮想カメラを配置する。ゲーム進行部113は、仮想カメラにより規定される視界領域およびこの視界領域に配置されているオブジェクトを描画した画像を生成するように、表示制御部114に指示する。
【0056】
仮想カメラの位置および向きは、ゲーム空間ごとに適宜決定することができる。例えば、ゲーム進行部113は、特定のオブジェクトの位置や向きを基準とし、特定のオブジェクトが特定の向きで視界領域の中央に位置するように、仮想カメラを配置する。その際、ゲーム進行部113は、特定のオブジェクトに対する方向、距離および角度を用い、仮想カメラの位置や向きを調整する。特定のオブジェクトは、例えば、操作キャラクタやノンプレイヤキャラクタ等の動的なオブジェクトであってもよいし、建物や木、石等の静的なオブジェクトであってもよい。動的なオブジェクトには、各ユーザの操作に基づいてそれぞれ動作する操作キャラクタと、ゲームプログラム121,221に基づいて動作するキャラクタ(例えば、ノンプレイヤキャラクタ、敵キャラクタ等)とが含まれる。
【0057】
ゲーム進行部113は、仮想カメラの位置や向きを調整し、例えば、操作キャラクタ(プレイヤキャラクタ)の移動に仮想カメラを追従させる。なお、ゲーム進行部113は、ユーザの入力操作に基づいて仮想カメラの位置や向きを制御可能に構成されていてもよい。換言すると、ユーザが仮想カメラの位置や向きを任意に操作可能となっていてもよい。
【0058】
ゲーム進行部113は、操作受付部111により検知された入力位置の座標および入力操作の種類等に基づいて、ユーザの指示内容を解釈する。ゲーム進行部113は、解釈した指示内容等に基づいて、ゲームの進行に関わる各種判定処理を実行する。ゲーム進行部113は、判定処理の結果等に基づいて、オブジェクトや仮想カメラ等を制御しながらゲームを進行する。ゲーム進行部113は、ゲームの進行状況に応じて、ゲーム情報122やユーザ情報123を更新、追加または削除する。
【0059】
表示制御部114は、表示部18に画像を表示させる。以下に、具体例を挙げて説明する。
【0060】
表示制御部114は、ゲーム空間のうち、ゲーム進行部113が規定する仮想カメラの視野の領域と、その領域に存在するオブジェクトとを描画した画像を生成し、表示部18に表示させる。表示制御部114は、表示部18に表示させる画像に対し、例えば、アイコン、ボタン、各種パラメータを示すメニュー等、ゲームの種々の操作に必要なUI(User Interface)に関わるオブジェクトを重畳して描画することができる。
【0061】
なお、
図2に示す端末装置10およびサーバ20の機能は一例にすぎない。端末装置10およびサーバ20の各装置は、他の装置が備える機能の少なくとも一部を備えていてもよい。換言すると、本実施形態において端末装置10が備える機能ブロックの一部または全部をサーバ20が備えていてもよく、サーバ20の備える機能ブロックの一部または全部を端末装置10が備えていてもよい。また、端末装置10およびサーバ20等の各装置は、一体の機器により実現されるものでなくてもよく、例えば、ネットワーク等を介して接続される複数の機器によって実現されてもよい。また、ゲームシステム1は、例えば、端末装置10またはサーバ20のみによって構成されていてもよい。換言すると、ゲームシステム1は、ネットワークを介して接続される複数の機器によって実現されていなくてもよい。
【0062】
<第1の実施形態>
次に、本開示の第1の実施形態に係る処理について説明する。なお、以下の実施形態(第2の実施形態を含む)では、端末装置10のプロセッサ11が、ゲームシステム1に記憶されているゲームプログラムを実行することによって、後述する各処理を行うものとして説明する。ただし、後述する各処理のうちの少なくとも一部を、プロセッサ11とは別のプロセッサが実行するようにしてもよい。換言すると、本実施形態においてゲームプログラムを実行するコンピュータは、端末装置10およびサーバ20のいずれであってもよく、また、複数の装置の組み合わせにより実現されてもよい。また、端末装置10はそれぞれ、サーバ20を介さずに互いに通信してゲームプログラムを実行できる構成とされてもよい。
【0063】
本開示のシステム1は、複数のプレイヤで仮想空間を発生させるアイテムを共有させ、共有したプレイヤのプレイ状況に応じて、アイテムにより発生させるゲーム空間を変化させるものである。仮想空間は、現実空間の地図情報に対応する空間であり、例えばゲーム空間である。仮想空間は端末装置10の位置情報を利用して、ユーザの現実空間の位置に対応して設定される。プレイヤは、現実空間で端末装置10を所持するユーザであってもよいし、ユーザが操作するプレイヤキャラクタであってもよい。なお、プレイヤキャラクタとユーザとの対応づけは特に限定されない。キャラクタとユーザとが1対1で対応付けされてもよいし、1体多で対応付けされてもよい。以下、特段の説明がない限り、プレイヤは、ユーザ、およびプレイヤキャラクタを指すものとする。
【0064】
以下では、本実施形態に係る構成を位置情報ゲームに適用した場合を例に説明するが、システム1の適用はこれにかぎられない。位置情報ゲームでは、現実空間の地図情報に対
応する仮想空間に配置されたオブジェクトの位置と、端末装置10の位置情報に対応する仮想空間における位置との関係に応じて、各種イベントを発生することができる。例えば、端末装置10が現実空間を移動すると、現実空間の位置に対応する仮想空間に配置された敵キャラクタと、端末装置10の位置情報に対応する仮想空間におけるプレイヤキャラクタとの間でユーザの入力操作に基づき、バトルを行い、ゲームが進行される。
【0065】
ここで、現実空間の地図情報に対応する仮想空間とは、現実空間の地図情報を用いて生成された仮想空間を意味する。仮想空間を生成するための構成は特に限定されないが、現実空間の地図情報に基づいて仮想空間が生成されたことをユーザが認識しうる構成が好ましい。このような構成の例には、現実空間の道路や建物等に対応するオブジェクトを、現実空間における道路や建物等の位置に対応する位置に配置することで仮想空間を生成する構成がある。
【0066】
図3は、本開示の一実施形態による、プレイヤキャラクタを含む仮想空間を示す画面例である。仮想空間は3次元空間であっても2次元空間であってもよい。本実施形態において、仮想空間は3次元のゲーム空間である例を説明する。表示制御部114は、位置情報ゲームが開始されると、ゲーム空間30aの画像を表示部18に表示させる。
【0067】
図3はゲーム空間30aのxyz座標軸において、現実空間の地図情報に対応する仮想空間のxy平面上に配置された画像を、z軸の斜め上方からみた斜視図を例示する。
【0068】
ゲーム進行部113は、ゲーム空間30aにおけるオブジェクトの配置を制御する。また、ゲーム進行部113は、ユーザの入力操作等に基づき、ゲーム空間30aに配置されたオブジェクトの移動を制御する。また、ゲーム進行部113は、ゲーム空間30aのうち、表示部18に表示される領域となる視界領域を制御する。表示制御部114は、ゲーム空間30aのうち、ゲーム進行部113が規定する仮想カメラの視界領域と、当該視界領域に存在するオブジェクトとを描画した画像を生成し、表示部18に表示させる。
【0069】
ゲーム進行部113は、各種オブジェクトをゲーム空間30aに配置する。オブジェクトをゲーム空間30aに配置するとは、オブジェクトと、ゲーム空間30aにおける位置を対応付けることを意味する。
【0070】
次に、ゲーム空間30aに配置されるオブジェクトについて説明する。ゲーム空間30aに配置されるオブジェクトは特に限定されないが、画像中央下部に配置されるプレイヤキャラクタ31a、画像内にランダムに配置される敵キャラクタなどのノンプレイヤキャラクタ32a、現実空間の道路に似せて作成された道路オブジェクト33a、背景を構成する背景オブジェクト34a(山、建造物など)がある。
【0071】
また、ゲーム進行部113は、表示制御部114に対し、ゲーム空間30aの画像に、アイコン、ボタン、各種パラメータを示すメニュー等、ゲームの種々の操作に必要なUI(User Interface)に係るオブジェクトを重畳して描画し、表示部18に
表示させるように指示する。当該UIに係るオブジェクトとしては、例えば、ゲーム内の各種機能の設定可能なメインメニューボタン35、プレイヤキャラクタ31aの情報やステータスを表示するための準備ボタン36、およびクエストの進捗状況を表示するためのクエストボタン37等があり、これらのボタンはプレイヤキャラクタ31aと重畳しないように画像の下部に表示される。さらに、UIに係るオブジェクトとしては、期間限定イベントを表示するためのイベントボタン38があり、これもプレイヤキャラクタ31aと重畳しないように画像の右側あるいは左側に表示される。UIに係るオブジェクトは、道路オブジェクト33a、背景オブジェクト34aの上に重畳して表示される。
【0072】
図4は、本開示の一実施形態による、プレイヤキャラクタを含む仮想空間を示す画面例である。
図4は、
図3と同様にxy平面上に配置された地図情報に対応するゲーム空間30aをz軸上方からみた斜視図を例示する。
図4のゲーム空間30bの位置は、
図3に示す地図情報に対応するゲーム空間30aの位置と同じであるものの、
図3に示すゲーム空間30とは異なる特徴を持つゲーム空間である。プレイヤのプレイ状況に応じて、
図3に示すゲーム空間30aから
図4に示すゲーム空間30bへ変化される。以下、ゲーム空間30a、30bを区別する必要のないときは、単にゲーム空間30と称することがある。
【0073】
変化されたゲーム空間とは、変化前のゲーム空間とは特徴が異なるものの、変化前のゲーム空間30aと同じ現実空間の位置に対応する仮想空間にある。ここでゲーム空間の特徴とは、例えば、ゲーム空間に配置されるオブジェクトの位置、向き、形状、色、種類、配置される数の少なくとも一部である。
【0074】
図示例では、
図4のノンプレイヤキャラクタ32b、32cは、
図3のノンプレイヤキャラクタ32aと、位置、向き、形状、色、種類、配置される数が異なる。さらにノンプレイヤキャラクタ32b、32cは、プレイヤキャラクタに与えるダメージや、強さのレベル、スキル、行動パターンを変化前のノンプレイヤキャラクタ32aとは異ならせてもよい。また、
図4の背景オブジェクト34b(図示例では雲や虹)は、
図3の背景オブジェクト34a(図示例では山)と位置、向き、形状、色、種類、配置される数を異ならせてもよい。道路オブジェクト33bは、
図3の道路オブジェクト33aと形状、色を異ならせてもよいが、現実空間に対応する配置位置は同じとする。以下、プレイヤキャラクタ31a、bと、ノンプレイヤキャラクタ32a、b、cと、道路オブジェクト33a、bと、背景オブジェクト34a、bとをそれぞれ区別する必要のないときは、単にプレイヤキャラクタ31、ノンプレイヤキャラクタ32、道路オブジェクト33、背景オブジェクト34と称する。
【0075】
次に、
図5および
図6を参照しつつ、システム1が実行するゲーム処理について説明する。
図5および
図6は、プレイヤ間でアイテムを共有し、共有したプレイヤのプレイ状況に応じて、発生させるゲーム空間を変化させる処理の手順の一例を示すフローチャートである。
【0076】
まず、
図5に例示されるゲーム進行部113が実行するゲーム処理について説明する。ゲーム処理は、例えばサーバ20にアクセスした端末装置10がゲーム空間30の表示を要求したことを契機に開始される。ゲーム空間30には予め、現実空間の地図情報に対応する仮想空間の仮想的な位置に対応付けられるオブジェクトが配置されているものとする。
【0077】
ゲーム処理が開始されると、ステップS1において、ゲーム進行部113(
図2)は、ユーザ情報123(
図2)から、端末装置10の現実空間における現在地の位置情報を取得し、現在地の位置に対応するゲーム空間30を規定する。
【0078】
また、ゲーム進行部113は、ゲーム処理が開始されると、プレイヤの移動情報をユーザ情報123として記憶することができる。プレイヤに関連付けられる移動情報は特に限定されないが、ゲームを開始した端末装置10の検出器19で検出したユーザの現実空間における現在地の位置情報と時間とを利用して求められたプレイヤ(ユーザ、プレイヤキャラクタ)の移動距離、移動方向、移動時間、検出器19で検出したユーザの現実空間における歩数に対応するプレイヤの歩数、プレイヤが所定の位置へ到達したかの情報の少なくとも一部を含む。
【0079】
次に、ステップS2において、ゲーム進行部113は、ユーザ情報123から共有先プ
レイヤの識別情報を取得する。
【0080】
ここで、共有先プレイヤとは、端末装置10でゲームを開始したユーザのプレイヤ(「共有元プレイヤ」と称することがある。)と所定の関係を有するプレイヤや、特に所定の関係を結んでいないプレイヤも含まれる。共有先プレイヤは、複数人でもよく、例えば、共有元プレイヤとフレンド登録されたプレイヤ、共有元プレイヤと同じグループに属するプレイヤ、共有元プレイヤのユーザとソーシャルメディアで関連付けられたユーザ、現実空間でプレイヤの一定の距離内に存在するプレイヤとすることができる。
【0081】
また、ステップS2において、ゲーム進行部113は、ユーザ情報123から共有先プレイヤと共有元プレイヤとの間で共有されるアイテムの情報を取得し、プレイヤ間で共有されるアイテムを特定する。
【0082】
共有元プレイヤと共有先プレイヤは、ゲーム空間を発生させるアイテムを共有することができる。ゲーム空間を発生させるアイテムとは、ゲーム空間の特定の位置に報酬、アイテム(装備アイテム、回復アイテムなど)、敵オブジェクト、イベントを配置することなどを含む。また、ゲーム空間全体の属性(戦闘で有利になる特性など)やレイアウト(ゲーム空間上に配置される各種オブジェクトの配置など)を変更することも考えられる。さらに、各種配置されるアイテムや敵等のオブジェクトの数や種類がゲーム空間を発生させるアイテムに関連付けられており、数や種類だけではなく、そのゲーム空間でプレイする場合の発生確率を変更するようにしてもよい。ゲーム空間を発生させるアイテムは、特定の条件(移動に関する条件、イベントのクリア、ミッションの達成などによる報酬)等を満たすことで入手できる。また、ゲーム内における課金で入手できることが考えられる。ゲーム空間を発生させるアイテムを利用すると、ゲーム進行部113は、このアイテムによって発生されたゲーム空間30を、プレイヤに提供する。また、プレイ中に指示やヒントと共に表示させ、プレイヤに対し、ゲーム空間の特定の位置に対応する現実空間の位置への移動を促すことができる。
【0083】
次に、ステップS3において、ゲーム進行部113は、ユーザ情報123から、アイテムを共有したプレイヤのプレイ状況を取得し、プレイ状況が所定の条件を満たすか否か判定する。
【0084】
ここで、プレイ状況とは、共有元プレイヤ、あるいは共有元プレイヤの少なくともいずれかのゲームのプレイ状況を意味する。プレイ状況は、各プレイヤのアカウントに関連付けられるプレイヤの移動情報、外部環境、ゲームの進行情報(特定のオブジェクトの操作、イベントのクリア、敵を倒したかなど)などの情報を含む。
【0085】
プレイヤの移動情報としては、特に限定されないが、上述したように、ユーザの現実空間における移動距離に対応するプレイヤの移動距離、移動方向、移動時間、ユーザの現実空間における歩数に対応するプレイヤの歩数、ユーザが現実空間における所定の位置(例えば、目的地)へ到達したかの情報、プレイヤキャラクタが仮想空間における所定の位置へ到達したかの情報の少なくとも一部を含む。
【0086】
また、プレイヤの外部環境の情報としては、特に限定されないが、ユーザの現実空間における天候や、季節、時間帯の少なくとも一部を含む。プレイ状況は、さらに、アイテムを共有するプレイヤの人数、プレイヤがプレイした地域の種類(広さ、国、県、市町村、都市など)を含んでもよい。
【0087】
次に、プレイ状況の所定の条件を以下に例示する。
【0088】
所定の条件は、特に限定されないが、プレイ状況がプレイヤの移動情報のとき、プレイヤが移動により所定の位置(例えば、目的地)へ到達することである。さらに、所定の条件は、プレイヤが移動により所定の位置へ到達するまでの移動距離が所定距離以上であること、移動方向が所定方向であること、移動時間が所定時間内であること、歩数が所定数内であることでもよい。所定の位置は目的地に限定されず、ゲームの進行において特定の役割を果たす位置でもよいし、現実空間における特定の位置に対応する仮想空間における位置でもよい。目的地の例には、仮想空間において特定のイベントが発生する位置や、現実空間における地理上の特徴物に対応する仮想空間における位置がある。
【0089】
また、所定の条件は、特に限定されないが、プレイ状況が外部環境のとき、ユーザの現実空間における天候や、季節、時間帯が、所定のものであることである。
【0090】
さらに、所定の条件は、特に限定されないが、プレイ状況が、アイテムを共有するプレイヤの人数のとき、この人数が所定の人数に達することである。
【0091】
また、所定の条件は、特に限定されないが、プレイ状況が、プレイヤのプレイ地域のとき、現実空間における所定の地域の種類(広さ、国、県、市町村、都市などを含む)でプレイされることである。
【0092】
さらに、所定の条件は、上述した種々の所定の条件を組み合わせたものでもよい。例えば、現実空間における地域毎のプレイヤのプレイ人数、プレイヤの移動距離、移動方向、および歩数を組み合わせて所定の条件としてもよい。あるいは、各プレイヤの移動距離の合計が所定距離以上であり、かつ歩数の合計が所定数以上であることを所定の条件としてもよい。
【0093】
ステップS3において、ゲーム進行部113は、アイテムを共有したプレイヤのプレイ状況が、所定の条件を満たしたと判定すると、処理はステップS4に進む。アイテムを共有したプレイヤは、共有先、共有元プレイヤの少なくともいずれかのプレイヤである。
【0094】
プレイ状況が所定の条件を満たすと判定されると、ステップS4において、ゲーム進行部113は、新たなゲーム空間を発生させるための更新されたアイテムを、共有先のプレイヤに関連付ける。さらに、ゲーム進行部113は、共有先のプレイヤに関連付けられた更新されたアイテムを共有元プレイヤに関連付けする。
【0095】
具体的には、ゲーム進行部113は、更新されたアイテムを、ユーザ情報123を参照して、共有先のプレイヤに関連付ける。さらにゲーム進行部113は、更新されたアイテムを共有元プレイヤに関連付けし、判定結果を示す通知を共有元プレイヤの端末装置10の表示部18に出力させ、この通知に対するユーザの入力操作を、操作受付部111を介して受け付ける。入力操作を受け付けたことを契機に、ゲーム進行部113は、新たなアイテムを共有元プレイヤに利用可能にする。ゲーム進行部113は、新たな更新されたアイテムに応じて、共有元のゲーム空間を、別のゲーム空間へ変化させることができる。また、共有先プレイヤの端末装置10のゲーム進行部113は、共有先プレイヤのゲーム空間を、共有されたアイテムに応じて変化させることができる。換言すると、ゲーム進行部113は、共有先、共有元プレイヤの少なくともいずれかのプレイ状況が所定の条件を満たすとき、共有先プレイヤ、共有元プレイヤの少なくともいずれのゲーム空間を変化させる新たなアイテムを、共有先、共有元プレイヤの少なくともいずれかに提供できる。
【0096】
表示制御部114は、変化されたゲーム空間を、表示部18に出力させる。これにより、変化されたゲーム空間に関連付けられた新しい機能や、特典をプレイヤに利用可能にすることができる。
【0097】
一方、ステップS3において、ゲーム進行部113は、共有したプレイヤのプレイ状況が、所定の条件を満たしていないと判定すると、処理はステップS3に戻る。
【0098】
従来、ゲーム内での進行状況に応じてゲーム空間が変化するものの、他のプレイヤとのアイテムの共有に基づくゲーム空間の変化は限定的であった。本開示によると、プレイヤ同士がアイテムを共有し、共有したプレイヤのプレイ状況に応じて、共有元、共有先プレイヤの少なくともいずれかのゲーム空間を変化させることができる。変化されたゲーム空間は、変化前のゲーム空間とは異なる特徴を持つため、プレイヤに対し新たな体験を提供することができる。例えば、アイテムを共有したプレイヤの人数が多い程、変化されたゲーム空間においてレアなアイテムや、敵キャラクタを入手可能にすることができる。これにより、共有元プレイヤに関連付けられるユーザは共有先プレイヤに関連付けられる他のユーザとの交流を一層楽しむことができる。
【0099】
上述した実施形態は、本開示の技術的思想の範囲内で様々に変形することができる。
【0100】
<第2の実施形態>
図6は、本開示の第2の実施形態にかかるゲーム処理を示すフローチャートである。
図6の処理は、
図5の処理と同じであるが、所定の条件が複数回判定される点で異なる。
図6のステップS61、S62、S65は、
図5のステップS1、S2、S4にそれぞれ対応するので、詳細な説明は割愛する。
【0101】
ステップS61において、ゲーム進行部113は、ゲーム空間を規定する。
【0102】
次に、ステップS62において、ゲーム進行部113は、共有先プレイヤの識別情報を取得し、共有元プレイヤと、共有先プレイヤとの間で共有されるアイテムの情報を取得する。
【0103】
次に、ステップS63において、ゲーム進行部113は、ユーザ情報123から、アイテムを共有したプレイヤのプレイ状況を取得し、このプレイ状況が第1の所定の条件を満たすか否か判定する。
【0104】
次に、ステップS64において、ゲーム進行部113は、ユーザ情報123から、共有したプレイヤのプレイ状況を取得し、このプレイ状況が第1の所定の条件とは異なる、第2の所定の条件を満たすか否か判定する。
【0105】
次に、ステップS65において、ゲーム進行部113は、新たなゲーム空間を発生させるアイテムを、共有先のプレイヤに関連付ける。さらに、ゲーム進行部113は、共有先のプレイヤに関連付けられた更新されたアイテムを、共有元プレイヤに関連付ける。ゲーム進行部113は、共有された更新されたアイテムに応じて、共有元、共有先のプレイヤの少なくともいずれかのゲーム空間を変化させることができる。
【0106】
一方、ステップS63において、ゲーム進行部113は、共有したプレイヤのプレイ状況が、第1の所定の条件を満たしていないと判定すると、処理はステップS63に戻る。また、ステップS64において、ゲーム進行部113は、共有したプレイヤのプレイ状況が、第2の所定の条件を満たしていないと判定すると、処理はステップS64に戻る。
【0107】
上述した実施形態は、本開示の技術的思想の範囲内で様々に変形することができる。
【0108】
図7は、本開示の一実施形態による、
図6で説明した第1の所定の条件、第2の所定の
条件等と、プレイヤとの間の様々な組み合わせを例示する。
【0109】
一例では、ケース1に示すように、1人の共有先プレイヤのプレイ状況に応じて、所定の条件を複数回判定するステップ(
図6のステップS63と、ステップS64)を実行してもよい。具体的には、ゲーム進行部113は、複数の共有先のプレイヤのうち第1のプレイヤのプレイ状況が第1の所定の条件を満たすとき、当該第1のプレイヤのプレイ状況が第2の所定の条件を満たすかを判定する。次に、ゲーム進行部113は、第1のプレイヤのプレイ状況が第2の所定の条件を満たす判定すると、残りの共有先プレイヤと、第1のプレイヤと、共有元プレイヤの少なくとも一部に対して、新たなゲーム空間を発生させるアイテムを提供する。
【0110】
他の例では、ケース2に示すように、複数の異なる共有先のプレイヤのプレイ状況に応じて、所定の条件を複数回判定するステップ(
図6のステップS63と、ステップS64)を実行してもよい。具体的には、ゲーム進行部113は、複数の共有先のプレイヤのうち第1のプレイヤのプレイ状況が第1の所定の条件を満たすとき、第1のプレイヤとは異なる第2のプレイヤのプレイ状況が第2の所定の条件を満たすかを判定する。次に、ゲーム進行部113は、第2のプレイヤのプレイ状況が第2の所定の条件を満たす判定すると、残りの共有先プレイヤと、第1、第2のプレイヤと、共有元プレイヤの少なくとも一部に対して、新たなゲーム空間を発生させるアイテムを提供してもよい。このように、本開示によると、アイテムの共有先の複数のプレイヤが順に所定の条件を満たすことで、共有先プレイヤが1人ですべての条件を達成する必要はなく、複数のプレイヤ同士が、相互に協力してゲームを進めることができる。
【0111】
他の例では、前述した各処理のうちステップS63、S64を、複数回に亘って繰り返し実施してもよい。あるいは、前述した各処理の順序を変更したり、処理を追加したりしてもよい。
【0112】
例えば、ケース3に示すように、共有先のプレイヤのプレイ状況に応じて、所定の条件を3回判定以上するステップを実行してもよい。例えば、ゲーム進行部113は、複数の共有先のプレイヤのうち第1のプレイヤのプレイ状況が第1の所定の条件を満たすとき、第1のプレイヤとは異なる第2のプレイヤのプレイ状況が第2の所定の条件を満たすかを判定する。次に、ゲーム進行部113は、第2のプレイヤのプレイ状況が第2の所定の条件を満たす判定すると、再度第1のプレイヤのプレイ状況が第3の所定の条件を満たすかを判定する。その後、ゲーム進行部113は、第1のプレイヤのプレイ状況が第3の所定の条件を満たす判定すると、残りの共有先プレイヤと、第1、第2のプレイヤと、共有元プレイヤの少なくとも一部に対して、新たなゲーム空間を発生させるアイテムを提供する。
【0113】
あるいは、他の例では、ケース4に示すように、共有先のプレイヤのプレイ状況と共有元プレイヤのプレイ状況とに応じて、所定の条件を3回以上判定するステップを実行してもよい。例えば、ゲーム進行部113は、複数の共有先のプレイヤのうち第1のプレイヤのプレイ状況が第1の所定の条件を満たすとき、共有元プレイヤのプレイ状況が第2の所定の条件を満たすかを判定する。次に、ゲーム進行部113は、共有元プレイヤのプレイ状況が第2の所定の条件を満たす判定すると、第1のプレイヤとは異なる第2のプレイヤのプレイ状況が第3の所定の条件を満たすかを判定する。その後、ゲーム進行部113は、第2のプレイヤのプレイ状況が第3の所定の条件を満たす判定すると、残りの共有先プレイヤと、第1、第2の共有先プレイヤと、共有元プレイヤの少なくとも一部に対して、新たなゲーム空間を発生させるアイテムを提供してもよい。
【0114】
さらに、他の例では、ケース5に示すように、複数の異なる共有先のプレイヤのプレイ
状況に応じて、所定の条件を3回以上判定するステップを実行してもよい。例えば、ゲーム進行部113は、複数の共有先のプレイヤのうち第1のプレイヤのプレイ状況が第1の所定の条件を満たすと、第1のプレイヤとは異なる第2のプレイヤのプレイ状況が第2の所定の条件を満たすかを判定する。次に、ゲーム進行部113は、第2のプレイヤのプレイ状況が第2の所定の条件を満たす判定すると、第1、第2のプレイヤとは異なる第3のプレイヤのプレイ状況が第3の所定の条件を満たすかを判定する。その後、ゲーム進行部113は、第3のプレイヤのプレイ状況が第3の所定の条件を満たす判定すると、残りの共有先プレイヤと、第1、第2、第3の共有先プレイヤと、共有元プレイヤの少なくとも一部に対して、新たなゲーム空間を発生させるアイテムを提供する。
【0115】
なお、プレイヤ自身や共有先のプレイヤのプレイ状況を端末の表示部18に表示し、所定の条件に対する進捗や達成状況をプレイヤに確認できるようにしてもよい。
図8は、本開示の一実施形態による、各プレイヤのプレイ状況が所定の条件を満たすかを示す画面例80を示す。画面例80では、各プレイヤのプレイ状況を示すボタン82、83、84と、各プレイヤのプレイ状況の詳細情報を、共有する別のプレイヤに対し閲覧可能にする詳細ボタン81が示される。図示例では、第1のプレイヤのプレイ状況が第1の所定の条件を満たし、第2のプレイヤのプレイ状況が第2の所定の条件を満たす。このため、これらのプレイヤに関係するボタンは所定の条件が満たされたことを示す達成ボタン82で示される。一方で、第3のプレイヤのプレイ状況は、第3の所定の条件を未だ満たしておらず、第3のプレイヤはプレイを進行中である。このような場合、第3のプレイヤがプレイ中であることを示すプレイ中ボタン83が示され、他のプレイヤはその第3のプレイヤがプレイを進行中であることを確認できる。第3のプレイヤのプレイ状況が第3の所定の条件を満たすと、プレイ開始ボタン84に対する選択を受け付け可能となり、操作受付部111は、端末装置10のユーザよりプレイ開始ボタン84への選択を受け付けると、ゲーム進行部113は、ユーザに関連付けられたプレイヤによるゲームを進行することができる。
【0116】
また、ゲーム空間を発生するアイテムが選択されると、そのゲーム空間を発生させるアイテムに関する諸情報が表示され、その情報の一部として各プレイヤの進行状況や全てのプレイヤの情報が表示されるようにしてもよい。また、タイムラインのプッシュ通知のように通知し、プレイヤが、ゲームをプレイしていなくても端末の通知機能によって共有アイテムの進行状況を知らせるようにしてもよい。ただし、各プレイヤが状況の共有を拒む設定をしている場合、プレイヤの所定の条件を達成する前の進捗を確認できないようにしてもよい。
【0117】
さらに、共有しているプレイヤ同士は、メッセージ・スタンプ等のコミュニケーション機能を開放してよい。そうすることで、所定の条件の達成に向けた進捗状況に応じた、応援や促進を行うことができる。
【0118】
以上、本開示の実施形態においては、複数のプレイヤ間でアイテムを共有し、共有したプレイヤの移動情報や外部環境等のプレイ状況に応じて、新たな更新されたアイテムをプレイヤに供給し、更新されたアイテムで発生させるゲーム空間を変化させることで、より豊かなゲーム体験をプレイヤに提供することができる。
【0119】
なお、位置情報に関係するゲームを例にとって説明したが、実施形態はこれに限定されない。本開示は、ユーザの歩数情報を管理し、クーポン配布アプリケーション、万歩計(登録商標)アプリケーション、ユーザの位置情報と連動する地図アプリケーション、ユーザの位置情報を用いたマッチングを実現するマッチングアプリケーションなど、位置情報を活用するサービスであればいずれも適用可能である。以下、クーポン配布アプリケーションに適用した場合の処理の概略を説明する。
【0120】
まず、ゲーム進行部113は、各種オブジェクトと、ゲーム空間30における位置を対応付けて、各種オブジェクトを仮想空間に配置する。
【0121】
次に、ゲーム進行部113は、ユーザの現在地の位置情報を取得し、仮想空間を規定する。
【0122】
次に、ゲーム進行部113は、ユーザと同じアプリケーションを利用する共有先ユーザの識別情報をサーバ20から取得する。
【0123】
共有先ユーザが所定の位置へ到達すると、新たな仮想空間(例えば、新たなオブジェクトが配置された仮想空間)を発生させる新たなアイテムを、共有先ユーザと、共有元ユーザとに関連付ける。共有元ユーザは、新たなアイテムを利用して、新たなオブジェクト(クーポンやポイント)が配置された新たな仮想空間を発生させることができる。
【0124】
その後、共有元ユーザは、新たなオブジェクトが配置された仮想空間上の位置に到達すると、ゲーム進行部113はそれを検知し、ユーザに対して新たなオブジェクトを提供し、新たなオブジェクトをユーザのアカウントに追加することができる。ユーザは、アカウントに追加されたオブジェクトを使用して様々なアクションを町中で行うことができる。
【0125】
以上、本開示によると、興趣性を向上することができる。
【0126】
[付記]
上述した実施形態の説明は、少なくとも下記発明を、当該発明の属する分野における通常の知識を有する者がその実施をすることができるように記載した。以下に、本発明の特徴の一部をまとめる。
【0127】
[課題]
本発明は、例えば、興趣性を向上させることを目的とする。
【0128】
[解決手段]
〔項目1〕
コンピュータに、ゲーム空間を発生させるアイテムを共有させ、共有したプレイヤのプレイ状況に応じて、発生させるゲーム空間を変化させる、プログラム。
【0129】
上記の特徴構成によれば、例えば、ユーザに対し興趣性を向上させることができる。ユーザは共有先プレイヤと関連付けられる他のユーザとの交流を楽しむことができる。
【0130】
〔項目2〕
プレイ状況は、プレイヤの移動情報を含み、移動情報が所定の条件を満たした場合に、ゲーム空間を変化させる、項目1に記載のプログラム。
【0131】
上記の特徴構成によれば、例えば、位置情報を利用したプログラムに対する興趣性を向上することができる。
【0132】
〔項目3〕
プレイヤの移動情報は、プレイヤの移動距離、移動方向、歩数、および移動時間のうち少なくとも1つを含み、移動情報が所定の閾値に達した場合に、ゲーム空間を変化させる、項目2に記載のプログラム。
【0133】
上記の特徴構成によれば、例えば、位置情報を利用したプログラムに対する興趣性を向上することができる。
【0134】
〔項目4〕
プレイヤの移動情報は、プレイヤの所定の位置への到達の情報を含み、プレイヤが移動により前記所定の位置に到達した場合に、ゲーム空間を変化させる、項目2から3のいずれか1項に記載のプログラム。
【0135】
〔項目5〕
プレイ状況は、プレイヤの外部環境を含み、外部環境を示す値が所定の条件を満たした場合に、ゲーム空間を変化させる、項目1から4のいずれか1項に記載のプログラム。
【0136】
〔項目6〕
プレイ状況は、アイテムを共有するプレイヤの人数と、各プレイヤがプレイした地域の種類のうち少なくとも1つを含み、プレイヤの人数と、プレイした地域の種類のうち少なくとも1つが所定の条件を満たした場合に、ゲーム空間を変化させる、項目1から5のいずれか1項に記載のプログラム。
【0137】
〔項目7〕
アイテムの共有先のプレイヤのプレイ状況に応じて第1の所定の条件が満たされた場合に、共有先のプレイヤに対し第2の所定の条件を提供し、
共有先のプレイヤのプレイ状況に応じて第2の条件が満たされた場合に、発生させるゲーム空間が変化される、項目1から6のいずれか1項に記載のプログラム。
【0138】
〔項目8〕
アイテムの共有先の第1のプレイヤのプレイ状況に応じて第1の所定の条件が満たされた場合に、共有先の第2のプレイヤに対して第2の所定の条件を関連付け、第2のプレイヤのプレイ状況に応じて第2の所定の条件が満たされた場合に、第1のプレイヤに対して発生させるゲーム空間が変化される、項目1から6のいずれか1項に記載のプログラム。
【0139】
上記の特徴構成によれば、例えば、複数のプレイヤで順に所定の条件を満たすことで、共有先プレイヤが一人ですべての条件を達成する必要がなく、複数のプレイヤ同士が協力してゲームを進めることができる。
【0140】
〔項目9〕
アイテムの共有元プレイヤに対し、変化されたゲーム空間を発生させる更新されたアイテムが関連付けられる、項目1から8のいずれか1項に記載のプログラム。
【0141】
〔項目10〕
変化されたゲーム空間は、変化される前のゲーム空間とは特徴が異なる、項目1から9のいずれか1項に記載のプログラム。
【0142】
〔項目11〕
コンピュータに、ゲーム空間を発生させるアイテムを共有させ、共有したプレイヤのプレイ状況に応じて、発生させるゲーム空間を変化させるよう構成された、システム。
【0143】
〔項目12〕
コンピュータで実行される方法であって、ゲーム空間を発生させるアイテムを複数のプレイヤ間で共有することと、アイテムの共有先のプレイヤのプレイ状況に応じて、変化されたゲーム空間を発生させるために更新されたアイテムを、共有先のプレイヤに関連付け
ることと、共有先のプレイヤに関連付けられた更新されたアイテムを共有元のプレイヤに関連付けることと、を含む、方法。
【0144】
なお、上記プログラム、システムで構成した解決手段は、適宜、装置、方法、媒体の分野に転用してもよい。
【0145】
以上、本発明の実施の形態について説明してきたが、上記した発明の実施の形態は、本発明の理解を容易にするためのものであり、本発明を限定するものではない。本発明は、その趣旨を逸脱することなく構成を、一部削除、変更、改良され得るとともに、本発明にはその均等物が含まれることはもちろんである。また、上述した課題の少なくとも一部を解決できる範囲、または、効果の少なくとも一部を奏する範囲において、実施形態及び変形例の任意の組み合わせが可能であり、特許請求の範囲及び明細書に記載された各構成要素の任意の組み合わせ、または、省略が可能である。また、本明細書に記載されていない出願日時点の公知の技術を適宜採用してもよい。
【符号の説明】
【0146】
1…ゲームシステム
2…ネットワーク
10…端末装置
11…プロセッサ
12…メモリ
13…ストレージ
16…タッチスクリーン
17…入力部
18…表示部
19…検出器
20…サーバ
21…プロセッサ
22…メモリ
23…ストレージ
30a、b…ゲーム空間
31a、b…プレイヤキャラクタ
32a、b、c…ノンプレイヤキャラクタ
33a、b…道路オブジェクト
34a、b…背景オブジェクト
35…メインメニューボタン
36…キャラクタボタン
37…クエストボタン
110…制御部
111…操作受付部
112…送受信部
113…ゲーム進行部
114…表示制御部
120…記憶部
121…ゲームプログラム
122…ゲーム情報
123…ユーザ情報
210…制御部
211…送受信部
212…サーバ処理部
213…データ管理部
214…同期処理部
220…記憶部
221…ゲームプログラム
222…ゲーム情報
223…ユーザ情報
【手続補正書】
【提出日】2025-03-25
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
コンピュータを、
現実空間の位置情報と関連付けられたゲーム空間を発生させるアイテムを第1プレイヤとは異なる第2プレイヤに共有可能にさせる共有手段と、
現実空間の位置情報と関連付けられたゲーム空間を発生させるアイテムを利用することでプレイ可能になるイベントを第1プレイヤがクリアした場合、イベントで発生するノンプレイヤキャラクタの強さのレベルを異ならせる制御手段として機能させ、
アイテムを共有した第1プレイヤと第2プレイヤのいずれかのプレイ状況に応じて、発生させるゲーム空間を変化させる、プログラム。
【請求項2】
前記制御手段は、さらに、現実空間の位置情報と関連付けられたゲーム空間を発生させるアイテムを利用することでプレイ可能になるイベントを第1プレイヤがクリアした場合、イベントで発生するノンプレイヤキャラクタがプレイヤキャラクタに与えるダメージ、ノンプレイヤキャラクタのスキル、行動パターンのうち少なくとも1つを異ならせる、請求項1に記載のプログラム。
【請求項3】
前記制御手段は、さらに、現実空間の位置情報と関連付けられたゲーム空間を発生させるアイテムを利用することでプレイ可能になるイベントを第1プレイヤがクリアした場合、強さのレベルを異ならせたノンプレイヤキャラクタを発生可能な状態で、前記アイテムを第1プレイヤと、第2プレイヤとの間で共有可能にする、請求項1または2に記載のプログラム。
【請求項4】
発生されたゲーム空間は、発生前のゲーム空間とは特徴が異なるものの、発生前のゲーム空間と同じ現実空間の位置に対応する、請求項1に記載のプログラム。
【請求項5】
プレイ状況は、プレイヤの移動情報を含み、移動情報は、プレイヤの所定の場所への到達の情報を含み、プレイヤが移動により第1の所定の場所に到達した場合に、ゲーム空間を変化させ、変化されたゲーム空間に関連付けられた機能を、第1プレイヤと第2プレイヤに利用可能にする、請求項1に記載のプログラム。
【請求項6】
コンピュータに、
現実空間の位置情報と関連付けられたゲーム空間を発生させるアイテムを第1プレイヤとは異なる第2プレイヤに共有可能にさせ、
現実空間の位置情報と関連付けられたゲーム空間を発生させるアイテムを利用することでプレイ可能になるイベントを第1プレイヤがクリアした場合、イベントで発生するノンプレイヤキャラクタの強さのレベルを異ならせ、
アイテムを共有した第1プレイヤと第2プレイヤのいずれかのプレイ状況に応じて、発生させるゲーム空間を変化させるよう構成された、システム。