(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2025156732
(43)【公開日】2025-10-15
(54)【発明の名称】電子機器、通知制御方法及びプログラム
(51)【国際特許分類】
G06Q 50/20 20120101AFI20251007BHJP
【FI】
G06Q50/20 300
【審査請求】未請求
【請求項の数】9
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2024059330
(22)【出願日】2024-04-02
(71)【出願人】
【識別番号】000001443
【氏名又は名称】カシオ計算機株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001254
【氏名又は名称】弁理士法人光陽国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】中村 光喜
【テーマコード(参考)】
5L050
【Fターム(参考)】
5L050CC34
(57)【要約】 (修正有)
【課題】通知の内容をユーザが適切なタイミングで知ることができる電子機器、通知制御方法及びプログラを提供する。
【解決手段】電子機器は、学習を促す通知を行うタイミングS1において、位置情報取得を行いS2、現在位置が学習施設内ではなくS3NO、ユーザは学習状態である場合S4YES、学習を促す通知を行いS5、ユーザによる保留操作有の場合S6YES、現位置を学習施設として登録する指示があるとS8YES、現在位置を学習施設DBに登録S9した上で通知保留開始を行いS10、所定の保留時間が経過するとS11、通知間隔再計算を行いS12、位置情報取得S2以降の処理を繰り返す。
【選択図】
図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
電子機器であって、
通知部と、
制御部と、を備え、
前記制御部は、
前記通知部に学習に関する通知を行わせるタイミングにおいて、前記電子機器が通知可能状態であるか否かを判断し、
前記電子機器が前記通知可能状態でないと判断した場合、前記タイミングでは前記通知部に前記学習に関する通知を行わせず、次に当該電子機器が前記通知可能状態にあると判断したタイミングで、前記通知部に前記学習に関する通知を行わせる、
電子機器。
【請求項2】
前記制御部は、
前記通知部に前記学習に関する通知を行わせるタイミングにおいて、前記電子機器の位置情報に基づいて当該電子機器が第一区域内にあるか否かを判断し、
前記電子機器が前記第一区域外であると判断した場合、当該電子機器が前記通知可能状態にあると判断する、
請求項1に記載の電子機器。
【請求項3】
前記電子機器のユーザの行動情報を取得するセンサを備え、
前記制御部は、
前記通知部に前記学習に関する通知を行わせるタイミングにおいて、前記センサによって取得された前記行動情報が所定の条件を満たしているか否かを判断し、
前記行動情報が前記所定の条件を満たしている場合、前記電子機器が前記通知可能状態にあると判断する、
請求項1に記載の電子機器。
【請求項4】
前記制御部は、
第1の学習に関する通知と第2の学習に関する通知を所定の時間間隔で前記通知部に行わせ、
前記第1の学習に関する通知を行わせるタイミングで当該第1の学習に関する通知を前記通知部に行わせなかった場合、前記所定の時間間隔を当該所定の時間間隔よりも短く設定する、
請求項1に記載の電子機器。
【請求項5】
前記第一区域は、予め定められた学習施設が含まれる区域である、
請求項2に記載の電子機器。
【請求項6】
表示部を備え、
前記制御部は、前記学習に関する通知を前記表示部に表示させた場合に、前記表示部に現在地を前記学習施設として登録させるための画面を表示させる、
請求項5に記載の電子機器。
【請求項7】
表示部を備え、
前記制御部は、前記学習に関する通知を通知させなかった場合に、前記表示部に当該学習に関する通知を通知させなかったことを示す標識を表示させる、
請求項1に記載の電子機器。
【請求項8】
通知部と、
制御部と、を備える電子機器における通知制御方法であって、
前記制御部は、
前記通知部に学習に関する通知を行わせるタイミングにおいて、前記電子機器が通知可能状態であるか否かを判断し、
前記電子機器が前記通知可能状態でないと判断した場合、前記タイミングでは前記通知部に前記学習に関する通知を行わせず、次に当該電子機器が前記通知可能状態にあると判断したタイミングで、前記通知部に前記学習に関する通知を行わせる、
通知制御方法。
【請求項9】
通知部を備える電子機器のコンピュータに、
前記通知部に学習に関する通知を行わせるタイミングにおいて、前記電子機器が通知可能状態であるか否かを判断し、
前記電子機器が前記通知可能状態でないと判断した場合、前記タイミングでは前記通知部に前記学習に関する通知を行わせず、次に当該電子機器が前記通知可能状態にあると判断したタイミングで、前記通知部に前記学習に関する通知を行わせる、
処理を実行させるためのプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電子機器、通知制御方法及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、位置情報が指定エリア内の場合は安全を確保する行動を行ったか否かを判定して判定結果を通知し、位置情報が指定エリア外の場合は行動の判定結果の通知を行わない学習支援装置が開示されている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1に記載の仕様では、例えば、指定エリア外では通知が行われないように設定されている場合、指定エリア外で行われなかった通知は、ユーザが後に指定エリア外から指定エリアに入ったとしても通知されることはない。そのため、行われなかった通知の内容をユーザが後で知ることはできない。
【0005】
本発明は、上記の問題点を鑑みてなされたものであり、通知の内容をユーザが適切なタイミングで知ることができるようにすることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
以上の課題を解決するため、本発明の一態様の電子機器は、通知部と、制御部と、を備え、前記制御部は、前記通知部に学習に関する通知を行わせるタイミングにおいて、前記電子機器が通知可能状態であるか否かを判断し、前記電子機器が前記通知可能状態でないと判断した場合、前記タイミングでは前記通知部に前記学習に関する通知を行わせず、次に当該電子機器が前記通知可能状態にあると判断したタイミングで、前記通知部に前記学習に関する通知を行わせる。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、通知の内容をユーザが適切なタイミングで知ることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】本発明に係る電子機器の外観を示す図である。
【
図2】
図1の電子機器の機能的構成を示すブロック図である。
【
図3】
図2の制御部により実行される学習処理の流れを示すフローチャートである。
【
図4】現在地を学習施設として登録させるための画面の一例を示す図である。
【
図5】学習を促す通知を行わなかった旨を示す標識が表示された画面の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下に、本発明を実施するための形態について、図面を用いて説明する。但し、以下に述べる実施形態には、本発明を実施するために技術的に好ましい種々の限定が付されている。そのため、本発明の技術的範囲を以下の実施形態及び図示例に限定するものではない。
【0010】
まず、本発明の実施形態における電子機器1の構成について説明する。
図1に示すように、電子機器1は、リストウォッチ型(腕時計型)の外観を有し、ユーザに所定の情報を表示するための表示部14を備えた機器本体101と、ユーザの手首に巻き付けることにより機器本体101を手首に装着するためのベルト部102と、を備えている。電子機器1には、学習用アプリケーション121が搭載されており、ユーザが電子機器1を用いて学習できるようになっている。
【0011】
図2に示すように、電子機器1は、制御部11と、記憶部12と、操作部13と、表示部14と、GPS(Global Positioning System)受信部15と、計時部16と、通信部17と、音声出力部18と、バイブレータ19と、センサ部20と、を備えて構成され、各部はバス21を介して接続されている。
【0012】
制御部11は、少なくとも1つのCPU(Central Processing Unit)、RAM(Random Access Memory)等を備えて構成され、電子機器1の各部を制御するコンピュータである。具体的には、制御部11のCPUは、記憶部12に記憶されているシステムプログラムや各種アプリケーション(アプリケーションプログラム)の中から指定されたプログラムを読み出してRAMに展開し、展開されたプログラムとの協働により各種処理を実行する。
【0013】
記憶部12は、不揮発性の半導体メモリやHDD(Hard Disk Drive)等により構成されている。記憶部12は、電子機器1のシステムプログラムや各種アプリケーションプログラム、プログラムの実行に必要なデータを記憶する。記憶部12は、電子機器1に内蔵されたものに限られず、電子機器1に対して着脱可能な外部記録媒体を含んでもよい。
【0014】
本実施形態において、記憶部12は、学習用アプリケーション121を記憶している。学習用アプリケーション121が学習を提供する科目及び分野は、特に限定されない。また、記憶部12は、学習施設DB(Data Base)122を記憶している。学習施設DB122は、ユーザに登録された学習施設の位置情報を格納するデータベースである。
【0015】
操作部13は、押しボタンスイッチや表示部14に重畳して設けられたタッチパネル等で構成されている。操作部13は、ユーザによる押しボタンスイッチの操作に対応する操作信号やタッチパネルの操作に対応する操作信号を制御部11に出力する。
【0016】
表示部14は、液晶ディスプレイ、有機EL(Electro Luminescence)等の表示デバイスにより構成され、制御部11の制御動作に基づいて表示を行う。
図1において、表示部14は略円形として図示しているが、表示部14の形状はこれに限定されない。
【0017】
GPS受信部15は、GPSアンテナを備え、複数のGPS衛星からの電波を受信することにより、緯度経度からなる(地理的な)電子機器1の位置情報を検出し、制御部11に出力する。
【0018】
計時部16は、発振回路、分周回路、計時回路等を備え、現在の日時を計時し、計時した結果を制御部11に出力する。通信部17は、外部装置と通信を行うための通信制御を行う。
【0019】
音声出力部18は、制御部11の制御動作に従って、音声、通知音等を出力する。バイブレータ19は、制御部11の制御動作に従って、振動を発生させる。
【0020】
センサ部20は、3軸加速度センサ及び3軸ジャイロセンサ等を備えて構成され、加速度及び角速度等の計測データをユーザの行動情報として取得して制御部11に出力する。
【0021】
次に、本実施形態における電子機器1の動作について説明する。電子機器1において、制御部11は、学習用アプリケーション121との協働により、予め定められたタイミングで、通知部としての表示部14、音声出力部18又はバイブレータ19のうち少なくとも一つにより学習を促す通知を行わせ、ユーザの操作に応じて出題を行う。しかしながら、学校や塾などの学習施設内でユーザが学習をしているときに通知が発生してしまうと、学習施設での学習を阻害してしまうという可能性がある。一方、例えば、学校施設内で通知が行われないよう、電子機器1が学習施設内にあるときに通知タイミングが到来した場合に通知を削除することが考えられる。しかし、この場合、ユーザは行われなかった通知の内容を後で知ることはできないため、学習の機会が減ってしまう。そこで、制御部11は、学習用アプリケーション121との協働により
図3に示す学習処理を実行し、学習を促す通知を通知部に行わせるタイミングにおいて、電子機器1が通知可能状態であるか否かを判断し、電子機器1が通知可能状態ではないと判断した場合、例えば、電子機器1が学習施設内にあると判断した場合、または、電子機器1が学習施設外にあってもユーザが学習可能状態ではないと判断した場合、通知部に通知を行わせず、電子機器1が次に通知可能状態にあると判断したタイミングで通知を行わせる。これにより、適切なタイミングで学習を促す通知がされるので、ユーザが行われなかった通知の内容を知ることができずに学習機会が減ってしまうことを防止することができる。
【0022】
以下、
図3を参照して学習処理について説明する。学習処理において、まず、制御部11は、学習を促す通知を行うタイミングであるか否かを判断する(ステップS1)。例えば、学習用アプリケーション121では、1日の所定時間帯(例えば、午前7時から午後11時など)における所定の時間間隔(例えば、1時間~数時間の長めの時間間隔)ごとに学習を促す通知を行うタイミングが設定されている。すなわち、1日の所定時間帯において、所定時間ごとに所定回数の学習を促す通知が行われるよう、通知タイミングが設定されている。なお、1日の所定時間帯は、ユーザが任意に設定することができる。或いは、制御部11が、学習用アプリケーション121の学習状況に基づいて学習が行われる時間帯を解析し、所定時間帯として設定することもできる。制御部11は、計時部16の計時情報に基づいて、学習を促す通知を行うタイミングである否かを判断する。
【0023】
学習を促す通知を行うタイミングではないと判断した場合(ステップS1;NO)、制御部11は、ステップS1の処理を繰り返す。学習を促す通知を行うタイミングであると判断した場合(ステップS1;YES)、制御部11は、GPS受信部15から現在の位置情報を取得する(ステップS2)。
【0024】
次いで、制御部11は、取得した位置情報に基づいて、電子機器1の現在位置が学習施設内(学習施設の領域内)であるか否かを判断する(ステップS3)。例えば、制御部11は、通信部17を介してインターネット上の地図サイト等のサーバにアクセスし、取得した位置情報で示される場所の情報を取得して、電子機器1の現在位置が学習施設内であるか否かを判断する。サーバ上に取得した位置情報についての情報が存在しない場合、制御部11は、学習施設DB122を参照し、電子機器1の現在位置が学習施設内であるか否かを判断する。なお、サーバ上と学習施設DB122のいずれにも現在の位置情報についての情報が存在しない場合、制御部11は、電子機器1の現在位置が学習施設内ではないと判断する。
【0025】
電子機器1の現在位置が学習施設内ではないと判断した場合(ステップS3;NO)、制御部11は、センサ部20からユーザの行動情報を取得し、取得した行動情報が所定の条件を満たしているか否かに基づいて、ユーザが学習可能状態であるか否かを判断する(ステップS4)。例えば、制御部11は、センサ20から取得した行動情報がユーザが所定の行動をしている(例えば、停止している(止まっている)か又は交通機関に乗車している)ことを示す条件を満たしていると判断した場合、ユーザが学習可能状態であると判断する。ユーザが所定の行動をしていない(例えば、停止も交通機関に乗車もしていない)と判断した場合、制御部11は、ユーザが学習可能状態ではないと判断する。または、制御部11は、ユーザの現在位置は学習施設内ではないと判断してから所定の時間が経過した場合、ユーザの移動が終了していると考え、学習可能状態であると判断してもよい。
【0026】
ユーザが学習可能状態であると判断した場合(ステップS4;YES)、制御部11は、通知部に学習を促す通知を行わせる(ステップS5)。例えば、制御部11は、学習開始を促す通知情報(例えば、
図1に示す「英単語の学習をしましょう」等のメッセージ等)を表示部14に表示させたり、所定の通知音を音声出力部18により出力させたり、バイブレータ19により振動を発生させたりすることで、通知部に学習を促す通知を行わせる。
【0027】
次いで、制御部11は、操作部13において学習の保留を指示する所定の操作が行われたか否かを判断する(ステップS6)。操作部13において学習保留を指示する所定の操作が行われていないと判断した場合(ステップS6;NO)、制御部11は、ユーザに学習を実施させる(ステップS7)。ステップS7において、例えば、制御部11は、問題(例えば、英単語)が表示された問題画面を表示部14に表示させ、操作部13において解答(例えば、英単語の日本語訳)の表示を指示する所定の操作が行われた場合、表示部14に解答画面を表示させる。操作部13において解答画面を確認したことを示す所定の操作が行われると、制御部11は、次の問題へ移行する。この処理を、予め設定された設問数繰り返し、設定された設問数の出題が終了すると、制御部11は、学習の実施を終了する。学習の実施が終了すると、制御部11は、ステップS1に戻る。
【0028】
操作部13において学習の保留を指示する所定の操作が行われたと判断した場合(ステップS6;YES)、制御部11は、
図4に示すように、現在位置(現在地)を学習施設の位置情報として登録するか否かをユーザに問い合わせる画面を表示部14に表示させる(ステップS8)。ここで、例えば、個人学習塾などの小さな学習施設の場合、地図サイト等のサーバに情報がない場合も考えられる。しかし、学習塾などにおいて電子機器1により学習を促す通知が発生すると、授業の妨げになる。そこで、制御部11は、学習の保留が指示された場合、現在位置を学習施設の位置情報として登録するか否かをユーザに問い合わせる。ユーザは、操作部13において現在位置を学習施設の位置情報として登録することを指示する所定の操作(例えば、所定のスイッチの操作)を行うことで、現在位置を学習施設の位置情報として学習施設DB122に登録することができる。
【0029】
操作部13において現在位置を学習施設の位置情報として登録することを指示する所定の操作が行われていないと判断した場合(ステップS8;NO)、制御部11は、ステップS10に移行する。操作部13において現在位置を学習施設の位置情報として登録することを指示する所定の操作が行われたと判断した場合(ステップS8;YES)、制御部11は、ステップS2で取得した現在位置情報を学習施設DB122に登録させ(ステップS9)、ステップS10に移行する。
【0030】
一方、ステップS3において、現在位置が学習施設内であると判断した場合(ステップS3;YES)、又はステップS4においてユーザが学習可能状態ではないと判断した場合(ステップS4;NO)、制御部11は、ステップS10に移行する。
【0031】
ステップS10において、制御部11は、学習を促す通知を保留にする(ステップS10)。すなわち、このタイミングでは学習を促す通知は行わない。なお、この時、表示部14に学習を促す通知を行わなかった旨を示す標識を表示させてもよい。例えば、制御部11は、
図5に示すように、表示部14に「保留中」といった標識を表示させる。これにより、ユーザは通知が行われなかった原因が故障ではなく保留中であるためと知ることができる。次いで、制御部11は、予め定められた保留時間が経過したか否かを判断する(ステップS11)。予め定められた保留時間は、例えば、1分~数分の短い時間である。予め定められた保留時間が経過していないと判断した場合(ステップS11;NO)、制御部11は、ステップS11に戻る。予め定められた保留時間が経過したと判断した場合(ステップS11;YES)、制御部11は、学習を促す通知を行う時間間隔を再計算する(ステップS12)。制御部11は、例えば、当日の所定時間帯の残り時間と当日に行うべき通知(学習を促す通知)の残り回数とに基づいて、学習を促す通知を行う時間間隔を再計算する。これにより、学習を促す通知が行われる時間間隔は、予め設定された時間間隔よりも狭くなる。なお、算出された時間間隔が予め定められた閾値以下となる場合(短すぎる場合)は、通知する回数を間引いてもよい。
【0032】
学習を促す通知を行う時間間隔の再計算が終了すると、制御部11は、ステップS2に戻る。ステップS3において、現在位置が学習施設内ではないと判断され、かつ、ステップS4においてユーザが学習可能状態であると判断するまで、制御部11は、学習を促す通知を所定時間保留にし、所定時間経過後、通知間隔を狭める再計算を繰り返す。ステップS3において、現在位置が学習施設内ではないと判断され、かつ、ステップS4においてユーザが学習可能状態であると判断した場合、制御部11は、学習を促す通知を行う。これ以降、制御部11は、この通知が行われたタイミングから、ステップS12で再計算された時間間隔を用いてステップS1の判断を行い、ステップS1~ステップS12の処理を実行する。
制御部11は、学習用アプリケーション121が起動されている間、ステップS1~S12の処理を繰り返し実行する。
【0033】
以上説明したように、通知部に学習を促す通知を行わせるタイミングにおいて、電子機器1が通知可能状態であるか否かを判断し、電子機器1が通知可能状態でないと判断した場合、前記タイミングでは通知部に学習を促す通知を行わせず、次に電子機器1が通知可能状態にあると判断したタイミングで、通知部に学習を促す通知を行わせる。例えば、制御部11は、通知部に学習を促す通知を行わせるタイミングにおいて、電子機器1が学習施設内にあると判断した場合、または、電子機器1が学習施設外にあってもユーザが学習可能状態ではないと判断した場合、通知部に通知を行わせず、次に電子機器1が通知可能状態にあると判断したタイミングで、通知部に通知を行わせる。したがって、通知の内容をユーザが適切なタイミングで知ることができる。また、不適切なタイミングで通知が行われることを防止することができる。例えば、学習施設内でユーザが学習をしているときに学習を促す通知が発生して学習施設内での学習を阻害してしまうことを防止できる。また、ユーザが学習可能状態でないときに学習を促す通知が発生することを防止できる。
【0034】
また、制御部11は、学習を促す通知(第1の学習を促す通知)とその次の学習を促す通知(第2の学習を促す通知)を所定の時間間隔で通知部に行わせるが、電子機器1が通知可能状態ではないと判断したために第1の学習を促す通知を行わせるタイミングにおいて通知部に第1の学習を促す通知を行わせなかった場合、上記の所定の時間間隔を当該所定の時間間隔よりも短く設定する。たがって、制御部11は、学習を促す通知を行わせるタイミングで通知されなかった通知を漏れなく通知することができる。
【0035】
なお、上記実施形態における記述内容は、本発明の実施形態の好適な一例であり、これに限定されるものではない。
【0036】
例えば、上記実施形態における学習を促す通知の通知タイミングは一例であり、上述したものに限定されない。例えば、上記実施形態では、学習施設内にある場合は通知を行わないものとしたが、ユーザが予め昼休み等を通知可能時間帯として登録しておき、その時間帯は学習施設内であっても通知を行うこととしてもよい。また、上記実施形態では、学習に関する通知の内容を学習を促す通知としたが、これに限定されない。また、上記実施形態では、第一区域を予め定められた学習施設が含まれる区域としたが、これに限定されない。例えば、本願発明は、第一区域を職場のエリアとして、メール等の受信を通知するタイミングの制御等に適用してもよい。
【0037】
また、上記実施形態では、制御部11は、電子機器1が学習施設外であると判断した場合、かつ電子機器1のユーザが学習可能状態である(ユーザの行動情報が所定の条件を満たす)と判断した場合に、電子機器1が通知可能状態であると判断して学習を促す通知を行わせることとしたが、通知可能状態は上述のものに限定されない。例えば、制御部11は、電子機器1が学習施設外であると判断した場合に、電子機器1が通知可能状態であると判断してもよいし、電子機器1のユーザが学習可能状態であると判断した場合に、電子機器1が通知可能状態であると判断してもよい。また、制御部11は、上述のように、電子機器1が学習施設外であっても、予め定められた通知可能時間帯である場合は、電子機器1が通知可能状態であると判断してもよい。
【0038】
また、例えば、上記実施形態では、出題される問題が英単語、解答がその和訳である場合を例にとり説明したが、出題される問題と解答はこれに限定されない。例えば、年号とその年号に発生した歴史的出来事、漢字及びその読み方、簡単な計算問題など、どの教科のどの分野を出題対象としてもよい。
【0039】
また、上記実施形態では、通知の内容が毎回同じである場合を例にとり説明したが、通知の内容は、タイミングによって異なるものとしてもよい。例えば、学習用アプリケーション121で複数の科目の学習が可能である場合、制御部11は、通知のタイミングによって「英単語の学習をしましょう」、「歴史の学習をしましょう」等の異なる通知を通知部に行わせ、通知に応じた科目の学習を実施させることとしてもよい。
【0040】
また、上記実施形態では、電子機器1が腕時計型の端末である場合を例にとり説明したが、ユーザが携帯するものであれば特に腕時計型の端末に限定されない。例えば、電子機器1は、スマートフォンやタブレット等であってもよい。
【0041】
また、例えば、上記の説明では、本発明に係るプログラムのコンピュータ読み取り可能な媒体として半導体メモリやHDD等を使用した例を開示したが、この例に限定されない。その他のコンピュータ読み取り可能な媒体として、CD-ROM等の可搬型記録媒体を適用することが可能である。また、本発明に係るプログラムのデータを通信回線を介して提供する媒体として、キャリアウエーブ(搬送波)も適用される。
【0042】
以上、本発明の電子機器、通知制御方法及びプログラムの実施形態を説明したが、本発明の範囲は、上述の実施形態に限定するものではなく、特許請求の範囲に記載された発明の範囲とその均等の範囲を含む。
【符号の説明】
【0043】
1 電子機器、11 制御部、14 表示部、18 音声出力部、19 バイブレータ