(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2025156916
(43)【公開日】2025-10-15
(54)【発明の名称】半導体装置
(51)【国際特許分類】
H10D 30/66 20250101AFI20251007BHJP
H10D 62/10 20250101ALI20251007BHJP
【FI】
H01L29/78 652E
H01L29/78 653C
H01L29/78 652L
H01L29/78 652P
H01L29/78 652T
H01L29/78 652Q
H01L29/78 652S
H01L29/78 652F
H01L29/06 301D
H01L29/06 301V
【審査請求】未請求
【請求項の数】8
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2024059675
(22)【出願日】2024-04-02
(71)【出願人】
【識別番号】000003078
【氏名又は名称】株式会社東芝
(71)【出願人】
【識別番号】317011920
【氏名又は名称】東芝デバイス&ストレージ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110004026
【氏名又は名称】弁理士法人iX
(72)【発明者】
【氏名】坂田 大輝
(72)【発明者】
【氏名】西脇 達也
(57)【要約】
【課題】リーク電流を低減できる半導体装置を提供すること。
【解決手段】半導体装置は、第1電極上に設けられた第1導電型の第1半導体層であって、第1方向において互いに離れて位置し、第2方向に延びる複数のメサ部を有する第1半導体層と、メサ部の上部に設けられた凹部に位置し、第2方向に延びる第2電極と、第1方向においてメサ部に隣接するゲート電極と、メサ部とゲート電極との間に設けられた絶縁膜と、第2電極の第2方向における端部に接する第2導電型の第2半導体層とを備える。メサ部は、第1方向において絶縁膜を介してゲート電極に対向する第1側面と、第1方向において第1側面の反対側に位置し、第2電極が接する第2側面とを有する。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1電極と、
前記第1電極上に設けられた第1導電型の第1半導体層であって、第1方向において互いに離れて位置し、前記第1方向に直交する第2方向に延びる複数のメサ部を有する第1半導体層と、
前記メサ部の上部に設けられた凹部に位置し、前記第2方向に延びる第2電極と、
前記第1方向において前記メサ部に隣接するゲート電極と、
前記メサ部と前記ゲート電極との間に設けられた絶縁膜と、
前記第2電極の前記第2方向における端部に接する第2導電型の第2半導体層と、
を備え、
前記メサ部は、
前記第1方向において前記絶縁膜を介して前記ゲート電極に対向する第1側面と、
前記第1方向において前記第1側面の反対側に位置し、前記第2電極が接する第2側面と、
を有する半導体装置。
【請求項2】
第1電極と、
前記第1電極上に設けられた第1導電型の第1半導体層であって、第1方向において互いに離れて位置し、前記第1方向に直交する第2方向に延びる複数のメサ部を有する第1半導体層と、
前記メサ部の上部に設けられた凹部に位置し、前記第2方向に延びる第2電極と、
前記第1方向において前記メサ部に隣接するゲート電極と、
前記メサ部と前記ゲート電極との間に設けられた絶縁膜と、
前記第1方向に延び、前記第2電極の前記第2方向における端部に対向する第1導電部材と、
を備え、
前記メサ部は、
前記第1方向において前記絶縁膜を介して前記ゲート電極に対向する第1側面と、
前記第1方向において前記第1側面の反対側に位置し、前記第2電極が接する第2側面と、
を有する半導体装置。
【請求項3】
前記第2方向において前記第2電極の前記端部と前記第1導電部材との間に位置し、前記第2電極の前記端部に接する第2導電型の第2半導体層をさらに備える請求項2に記載の半導体装置。
【請求項4】
前記第1導電部材は、前記ゲート電極と接続されている請求項2または3に記載の半導体装置。
【請求項5】
前記第1導電部材と接続され、前記第2方向に延びる第2導電部材をさらに備え、
前記ゲート電極及び前記第2導電部材は、前記第1導電部材から互いに反対方向に延びる請求項4に記載の半導体装置。
【請求項6】
前記ゲート電極と前記第2導電部材とは、前記第1方向における位置が互いにずれている請求項5に記載の半導体装置。
【請求項7】
前記メサ部は、
前記第1方向において前記ゲート電極と前記第2電極との間に位置するチャネル部と、
前記チャネル部上に設けられ、前記チャネル部よりも第1導電型不純物濃度が高いコンタクト部と、
を有する請求項1または2に記載の半導体装置。
【請求項8】
前記チャネル部と前記第2電極とはショットキー接合を形成し、
前記第2電極は、前記コンタクト部にオーミック接触している請求項7に記載の半導体装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
実施形態は、半導体装置に関する。
【背景技術】
【0002】
縦型のMOSFET(Metal-Oxide-Semiconductor Field Effect Transistor)において、p型ベース層を設けずに、トレンチコンタクト部におけるソース電極と半導体層とのショットキー接合から伸びる空乏層によってオフ状態を実現するショットキー型MOSFETが提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
実施形態は、リーク電流を低減できる半導体装置を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0005】
実施形態によれば、半導体装置は、第1電極と、前記第1電極上に設けられた第1導電型の第1半導体層であって、第1方向において互いに離れて位置し、前記第1方向に直交する第2方向に延びる複数のメサ部を有する第1半導体層と、前記メサ部の上部に設けられた凹部に位置し、前記第2方向に延びる第2電極と、前記第1方向において前記メサ部に隣接するゲート電極と、前記メサ部と前記ゲート電極との間に設けられた絶縁膜と、前記第2電極の前記第2方向における端部に接する第2導電型の第2半導体層と、を備える。前記メサ部は、前記第1方向において前記絶縁膜を介して前記ゲート電極に対向する第1側面と、前記第1方向において前記第1側面の反対側に位置し、前記第2電極が接する第2側面と、を有する。
【図面の簡単な説明】
【0006】
【
図7】第2実施形態の半導体装置の模式平面図である。
【
図9】第2実施形態の第1変形例による半導体装置の模式平面図である。
【
図10】第2実施形態の第2変形例による半導体装置の模式平面図である。
【
図11】第2実施形態の第3変形例による半導体装置の模式平面図である。
【
図12】第3実施形態の半導体装置の模式平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0007】
以下、図面を参照し、各実施形態について説明する。各図面中、同じ構成には同じ符号を付している。以下に示す図において、X軸、Y軸、及びZ軸により方向を示す。X軸に沿う方向を第1方向Xとする。Y軸に沿う方向を第2方向Yとし、第2方向Yは第1方向Xに直交する。Z軸に沿う方向を第3方向Zとし、第3方向Zは、第1方向X及び第2方向Yに直交する。また、本明細書において、ある特定方向の幅とは、その特定方向における最大幅を表す。
【0008】
図1に示すように、各実施形態の半導体装置は、素子領域101と、終端領域102とを有する。終端領域102は、素子領域101を連続して囲む。半導体装置は、半導体層を備える。本明細書において、半導体層における第1導電型をn型、第2導電型をp型とする。なお、第1導電型はp型、第2導電型はn型であってもよい。半導体層は、例えば、シリコン層である。または、半導体層は、炭化シリコン層、窒化ガリウム層などであってもよい。
【0009】
半導体層上に第2電極92及びゲートパッド93が設けられている。ゲートパッド93は、後述するゲート電極と電気的に接続されている。第2電極92及びゲートパッド93のそれぞれに例えばワイヤがボンディングされ、第2電極92及びゲート電極は外部回路と電気的に接続される。
【0010】
[第1実施形態]
図2~
図6を参照して、第1実施形態の半導体装置について説明する。
【0011】
【0012】
図3は、
図2におけるA-A断面図である。
図4は、
図2におけるB-B断面図である。
図5は、
図2におけるC-C断面図である。
図6は、
図2におけるD-D断面図である。
【0013】
図3に示すように、実施形態の半導体装置は、第1電極91と、第1電極91上に設けられたn型の第1半導体層10と、第1半導体層10上に設けられた第2電極92とを備える。実施形態の半導体装置は、例えば、MOSFET(Metal-Oxide-Semiconductor Field Effect Transistor)構造を有する。第1電極91はMOSFETにおけるドレイン電極であり、第2電極92はMOSFETにおけるソース電極である。例えば、第1電極91に正電位が与えられ、第2電極92に0Vが与えられる。ゲート電極40のゲート電圧が閾値電圧より高くされたオン状態において、第1半導体層10を通じて、第1電極91と第2電極92との間を縦方向(第3方向Z)に電流が流れる。第3方向Zにおいて、第1電極91から第2電極92に向かう方向を上または上方とし、第2電極92から第1電極91に向かう方向を下または下方とする。
【0014】
第1半導体層10は、第1方向Xにおいて互いに離れて位置し、第2方向Yに延びる複数のメサ部11を有する。ゲート電極40を有するトレンチ構造部が、第1方向Xにおいてメサ部11に隣接して設けられている。複数のトレンチ構造部が第1方向Xに並んでいる。各トレンチ構造部は、第2方向Yに延びている。メサ部11及びトレンチ構造部は、素子領域101に配置されている。
【0015】
第2電極92は、メサ部11の上部に設けられた凹部11Aに位置する。凹部11A、及び凹部11A内の第2電極92は、第2方向Yに延びている。また、第2電極92は、トレンチ構造部上にも設けられている。
【0016】
トレンチ構造部は、第3方向Zにおいてゲート電極40と第2電極92との間に設けられた絶縁層52と、第1方向Xにおいてメサ部11とゲート電極40との間に設けられた第1絶縁膜51とをさらに有する。
【0017】
トレンチ構造部は、フィールドプレート電極60と、第2絶縁膜53とをさらに有してもよい。フィールドプレート電極60は、ゲート電極40の下方に位置する。第2絶縁膜53は、ゲート電極40とフィールドプレート電極60との間、及びフィールドプレート電極60と第1半導体層10との間に設けられている。
【0018】
メサ部11におけるトレンチ構造部と第2電極92(凹部11A)との間に位置する部分は、第1側面11S1と、第2側面11S2とを有する。第1側面11S1は、第1方向Xにおいて第1絶縁膜51を介してゲート電極40に対向する。第2側面11S2は、第1方向Xにおいて第1側面11S1の反対側に位置する。第2側面11S2に、凹部11A内の第2電極92が接する。
【0019】
メサ部11における第1側面11S1と第2側面11S2との間の部分は、チャネル部11Bとコンタクト部11Cとを有する。チャネル部11Bは、第1方向Xにおいて第1絶縁膜51を介してゲート電極40に対向する。コンタクト部11Cは、チャネル部11B上に設けられている。コンタクト部11Cのn型不純物濃度は、チャネル部11Bのn型不純物濃度よりも高い。素子領域101におけるメサ部11は、p型半導体層を含まない。
【0020】
第2電極92は金属材料からなる。第2電極92と、チャネル部11Bの第2側面11S2とは、ショットキー接合を形成している。第2電極92は、チャネル部11Bの第2側面11S2に直接接している。または、第2電極92は、絶縁膜を介してチャネル部11Bの第2側面11S2に接してもよい。第2電極92は、コンタクト部11Cの第2側面11S2にオーミック接触している。
【0021】
半導体装置は、第1電極91と第1半導体層10との間に設けられ、第1電極91と電気的に接続されたn型の第3半導体層30をさらに備える。第3半導体層30のn型不純物濃度は、第1半導体層10のn型不純物濃度よりも高い。
【0022】
ゲート電極40のゲート電圧が閾値電圧より高くされたオン状態において、コンタクト部11C及びチャネル部11Bを介して、第1電極91と第2電極92との間を電流が流れる。
【0023】
ゲート電極40のゲート電圧が閾値電圧よりも低い例えば0Vにおいて、チャネル部11Bの第2側面11S2と、第2電極92とのショットキー接合から第1方向Xに伸びる空乏層、及びチャネル部11Bの第2側面11S2と、トレンチ構造部の第1絶縁膜51との境界から第1方向Xに伸びる空乏層によって、チャネル部11Bが空乏化され、半導体装置はオフ状態となる。
【0024】
チャネル部11Bを空乏化しやすくするため、チャネル部11Bの第1方向Xの幅は小さいことが好ましい。例えば、チャネル部11Bの第1方向Xの幅は、凹部11A内の第2電極92の第1方向Xの幅よりも小さい。半導体装置の閾値電圧は、チャネル部11Bの第1方向Xの幅に依存する。また、半導体装置の耐圧及び閾値電圧は、第2電極92の金属と第1半導体層10との間のバリアハイトに依存する。第2電極92として、例えば、Ptなどの仕事関数が高い金属を用いることで、第2電極92と第1半導体層10との間のバリアハイトを高くし、耐圧を高くできる。
【0025】
実施形態の半導体装置は、例えば、インバータやモーター駆動などのアプリケーションにおけるスイッチング素子として用いることができる。この場合、半導体装置には、スイッチング時に発生する逆流電流を流す還流ダイオード機能が求められる。この場合、第2電極92は、凹部11Aの底において第1半導体層10に接することが好ましい。これにより、還流ダイオード動作するときの電流経路(チャネル部を経由しない電流経路)を確保できる。
【0026】
第1半導体層10は、半導体装置の終端領域102にも設けられている。終端領域102にコンタクト部11Cは設けられていない。また、終端領域102に、後述するp型の第2半導体層20が設けられている。
【0027】
第2電極92の第1方向Xにおける側面はトレンチ構造部に対向している。これに対して、
図2に示すように、第2電極92の第2方向Yにおける端面92Aは、第2方向Yにおいてトレンチ構造部に対向していない。そのため、第2電極92の端面92Aに隣接する領域において、トレンチ構造部と第1半導体層10との境界から第2方向Yに空乏層を伸ばすことができない。これは、第2電極92の端面92Aに沿って流れるリーク電流の原因になり得る。
【0028】
本実施形態によれば、
図2及び
図4に示すように、第2電極92の第2方向Yにおける端部に接するp型の第2半導体層20が設けられている。第2半導体層20は、第1半導体層10内に設けられ、第2電極92の第2方向Yにおける端部の端面92A及び底面92Bに接する。第2半導体層20と第1半導体層10とのpn接合により、第2電極92の端面92Aに隣接する領域におけるリーク電流を低減できる。
【0029】
図2及び
図5に示すように、終端領域102において、ゲート電極40は、絶縁層52を貫通する第1接続部71を介して、絶縁層52上に設けられた図示しないゲート配線と電気的に接続されている。ゲート配線は、
図1に示すゲートパッド93と電気的に接続されている。
【0030】
図2及び
図6に示すように、終端領域102において、フィールドプレート電極60は、絶縁層52を貫通する第2接続部72を介して、絶縁層52上に設けられた第2電極92と電気的に接続されている。
【0031】
[第2実施形態]
図7~
図11を参照して、第2実施形態の半導体装置について説明する。第2実施形態の半導体装置について、第1実施形態の半導体装置と同じ構成には同じ符号を付し、第1実施形態の半導体装置と異なる構成を主に説明する。
【0032】
図7及び
図8に示すように、第2実施形態の半導体装置は、終端領域102に、第1方向Xに延び、第2電極92の第2方向Yにおける端面92Aに対向する第1導電部材81を備える。
【0033】
終端領域102に、素子領域101と同様のトレンチ構造部が、第1方向Xに延びて配置されている。例えば、素子領域101のトレンチ構造部及び終端領域102のトレンチ構造部は、同時に形成される。例えば、終端領域102のトレンチ構造部における第1導電部材81は、素子領域101のトレンチ構造部におけるゲート電極40と同材料で同時に形成される。終端領域102のトレンチ構造部は、素子領域101のトレンチ構造部と同様に、第1絶縁膜51、第2絶縁膜53、フィールドプレート電極60、及び絶縁層52を有する。
【0034】
図8に示すように、第1半導体層10の一部11Dが、第2方向Yにおいて、第2電極92の端面92Aと第1導電部材81との間に設けられている。第2電極92の端面92Aと、第1半導体層10の一部11Dとは、ショットキー接合を形成している。第1絶縁膜51は、第2方向Yにおいて、第1半導体層10の一部11Dと、第1導電部材81との間に設けられている。
【0035】
第2実施形態によれば、第2電極92の端面92Aと第1半導体層10の一部11Dとのショットキー接合から第2方向Yに伸びる空乏層、及び第1半導体層10の一部11Dと第1絶縁膜51との境界から第2方向Yに伸びる空乏層によって、第1半導体層10の一部11Dを空乏化することができる。これにより、第2電極92の端面92Aに隣接する領域におけるリーク電流を低減できる。第1半導体層10の一部11Dを空乏化しやすくするため、第1半導体層10の一部11Dの第2方向Yの幅は、第1導電部材81の第2方向Yの幅よりも小さいことが好ましい。
【0036】
例えば、素子領域101に形成されたトレンチと、終端領域102に形成されたトレンチとは、互いに繋がっており、それらトレンチ内で第1導電部材81はゲート電極40と接続されている。
【0037】
図7に示す例では、半導体装置は、終端領域102に、第1導電部材81と接続され、第2方向Yに延びる第2導電部材82をさらに備える。ゲート電極40及び第2導電部材82は、第1導電部材81から互いに反対方向に延びる。ゲート電極40は第1導電部材81から素子領域101に向かって延び、第2導電部材82は第1導電部材81から半導体装置の終端に向かって延びる。
【0038】
例えば、ゲート電極40を含むトレンチ構造部、第1導電部材81を含むトレンチ構造部、及び第2導電部材82を含むトレンチ構造部を含むトレンチ構造部が、同じ工程で形成される。ゲート電極40、第1導電部材81、及び第2導電部材82は、同材料で同時に形成される。第2導電部材82を含むトレンチ構造部は、素子領域101のトレンチ構造部と同様に、第1絶縁膜51、第2絶縁膜53、フィールドプレート電極60、及び絶縁層52を有する。
【0039】
第2導電部材82の第2方向Yにおける端部は、
図5と同様に、第1接続部71を介して、ゲート配線及びゲートパッド93と接続することができる。したがって、ゲート電極40は、第1導電部材81及び第2導電部材82を介して、ゲート配線及びゲートパッド93と電気的に接続される。
【0040】
また、ゲート電極40の下方、第1導電部材81の下方、及び第2導電部材82の下方においてフィールドプレート電極60が連続する。第2導電部材82の下方に位置するフィールドプレート電極60の第2方向Yにおける端部は、
図6と同様に、第2接続部72を介して、第2電極92と接続される。
【0041】
図7に示す例では、第2方向Yに延びるゲート電極40と、第2方向Yに延びる第2導電部材82とは、第1方向Xにおける位置が互いにずれている。または、
図10に示すように、第1方向Xに延びるトレンチ構造部と第2方向Yに延びるトレンチ構造部とが十字に交わってもよい。
図7のトレンチのレイアウトは、
図10のトレンチのレイアウトに比べて、一括して形成したトレンチ内に、ゲート電極40、第1導電部材81、及び第2導電部材82となる導電材料を埋め込む際の埋め込み性を向上できる。
【0042】
図9に示すように、第2導電部材82はなくてもよい。ゲート電極40を含み第2方向Yに延びるトレンチ構造部と、第1導電部材81を含み第1方向Xに延びるトレンチ構造部とがT字状に接続する。
【0043】
図11に示すように、ゲート電極40を含み第2方向Yに延びるトレンチ構造部と、第1導電部材81を含み第1方向Xに延びるトレンチ構造部とは接続していなくてもよい。
【0044】
[第3実施形態]
図12及び
図13を参照して、第3実施形態の半導体装置について説明する。第3実施形態の半導体装置は、第1実施形態のp型の第2半導体層20と、第2実施形態の第1導電部材81を含むトレンチ構造部とを組み合わせた構成を有する。
【0045】
終端領域102において、第2半導体層20は、第2方向Yにおいて第2電極92の端面92Aと第1導電部材81との間に位置する。第2半導体層20は、第2電極92の第2方向Yにおける端部の端面92A及び底面92Bに接する。
【0046】
第2半導体層20が、第2方向Yにおいて、第2電極92の端面92Aと第1導電部材81との間に設けられている。第2方向Yにおいて、第2半導体層20と第1導電部材81との間に、第1絶縁膜51が設けられている。
【0047】
第3実施形態によれば、第2半導体層20と第1絶縁膜51との境界から第2方向Yに伸びる空乏層によって、第2電極92の端面92Aに隣接する第2半導体層20を空乏化することができる。また、第2半導体層20と第1半導体層10とのpn接合により、第2電極92の端面92Aに隣接する領域におけるリーク電流を低減できる。
【0048】
第1実施形態及び第3実施形態において、第2電極92の金属の仕事関数や、第2半導体層20の不純物濃度によっては、第2電極92の端面92Aと、第2半導体層20とはショットキー接合を形成することができる。その場合、第2電極92の端面92Aと、第2半導体層20との界面から空乏層を広げることができる。
【0049】
終端領域102における第1絶縁膜51の膜厚は、素子領域101における第1絶縁膜51の膜厚よりも厚くしてよい。これにより、耐圧を向上することができる。
【0050】
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0051】
10…第1半導体層、11…メサ部、11A…凹部、11B…チャネル部、11C…コンタクト部、11S1…第1側面、11S2…第2側面、20…第2半導体層、30…第3半導体層、40…ゲート電極、51…第1絶縁膜、52…絶縁層、53…第2絶縁膜、60…フィールドプレート電極、71…第1接続部、72…第2接続部、81…第1導電部材、82…第2導電部材、91…第1電極、92…第2電極、92A…端面、93…ゲートパッド、101…素子領域、102…終端領域