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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2025156947
(43)【公開日】2025-10-15
(54)【発明の名称】駆動波形提案システム
(51)【国際特許分類】
   G06F 3/12 20060101AFI20251007BHJP
   B41J 2/01 20060101ALI20251007BHJP
   B41J 2/015 20060101ALN20251007BHJP
【FI】
G06F3/12 331
B41J2/01 401
G06F3/12 303
G06F3/12 387
B41J2/015 101
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2024059727
(22)【出願日】2024-04-02
(71)【出願人】
【識別番号】324006865
【氏名又は名称】理想テクノロジーズ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110003708
【氏名又は名称】弁理士法人鈴榮特許綜合事務所
(72)【発明者】
【氏名】倉田 孝二
【テーマコード(参考)】
2C056
2C057
【Fターム(参考)】
2C056EC26
2C056EC42
2C057AM16
2C057AR08
(57)【要約】
【課題】要する手間と時間を少なく抑えて、インクジェットヘッドに適した駆動波形の設定値データを出力するシステムを提供する。
【解決手段】実施形態に係るシステムは、外部端末とクラウドを介して通信を行う通信部と、通信部が外部端末から受け取る受信情報に対する応答情報を作成し、応答情報を外部端末に通信部を介して提供する応答部とを有する。応答部は、設定値データの出力を望むインクジェットヘッドの台数の入力を受け付ける台数入力画面を提供する。台数入力画面に入力された台数が複数台である場合には、応答部は、複数台のインクジェットヘッドに共通に適用するインク情報と使用条件の入力を受け付けるパラメータ入力画面を提供し、パラメータ入力画面に入力されたインク情報と使用条件を用いて複数台のインクジェットヘッドのすべての設定値データを算出して出力する。
【選択図】 図6
【特許請求の範囲】
【請求項1】
インクジェットヘッドの駆動波形を生成するための設定値データを出力する駆動波形提案システムであって、
外部端末とクラウドを介して通信を行う通信部と、
前記通信部が前記外部端末から受け取る受信情報に対する応答情報を作成し、前記応答情報を前記外部端末に前記通信部を介して提供する応答部と、
を有し、
前記応答部は、
前記設定値データの出力を望む前記インクジェットヘッドの台数の入力を受け付ける台数入力画面を提供し、
前記台数入力画面に入力された台数が複数台である場合には、
複数台のインクジェットヘッドに共通に適用するインク情報と使用条件の入力を受け付けるパラメータ入力画面を提供し、
前記パラメータ入力画面に入力された前記インク情報と前記使用条件を用いて前記複数台のインクジェットヘッドのすべての前記設定値データを算出して出力する、
駆動波形提案システム。
【請求項2】
前記台数入力画面に入力された台数が複数である場合に、前記応答部は、前記複数台のインクジェットヘッドのすべてのシリアル番号の画面入力の選択肢と、前記複数台のインクジェットヘッドのすべてのシリアル番号を記したファイルのアップロードの選択肢とを含む、前記シリアル番号の入力方法を選択する入力方法選択画面を提供する、
請求項1に記載の駆動波形提案システム。
【請求項3】
前記応答部は、前記入力方法選択画面において選択された入力方法に従って前記複数台のインクジェットヘッドのすべてのシリアル番号を取得し、前記シリアル番号のすべての認証ができたときに、前記パラメータ入力画面を提供する、
請求項2に記載の駆動波形提案システム。
【請求項4】
前記応答部は、前記複数台のインクジェットヘッドのすべての設定値データの一覧出力の選択肢と、前記複数台のインクジェットヘッドの各々の設定値データをそれぞれ記した複数のファイルの一括出力の選択肢とを含む、前記設定値データの出力方法を選択する出力方法選択画面を提供し、
前記出力方法選択画面において選択された出力方法に従って前記複数台のインクジェットヘッドの前記設定値データを出力する、
請求項3に記載の駆動波形提案システム。
【請求項5】
前記応答部は、
複数のインク情報を含む情報群と複数の使用条件を含む条件群との少なくとも一方を含むパラメータ群を予め記憶しており、
前記パラメータ群の中のいずれかひとつのパラメータの選択を受け付けるパラメータ選択画面を提供し、
前記パラメータ選択画面を介して前記複数台のインクジェットヘッドに共通に適用する前記パラメータを取得する、
請求項1に記載の駆動波形提案システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、駆動波形提案システムに関する。
【背景技術】
【0002】
インクジェットヘッドを有する液体吐出装置は、一般に、インクジェットヘッドの圧電素子等の駆動素子に駆動信号を入力して、インク等の液体をノズルから吐出させることにより、搬送中の印刷媒体に対して画像形成を行う。
【0003】
良質な画像形成を行うためには、ノズルからのインクの吐出特性が所望の特性となるように、インクジェットヘッドの使用条件やインクの物性情報等に合わせて、インクジェットヘッドに適した駆動波形を求める必要がある。
【0004】
従来、インクジェットヘッドに適した駆動波形は、実際に使用するインクを用いて、駆動波形のパラメータを振りながら、インク液滴の飛翔状態や印字品質を測定するといった吐出観測を行うことにより求めている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2022-25893号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
この手法では、実際にインクとインクジェットヘッドを使用して吐出観測を行うために多くの手間と時間を要する。
【0007】
本発明が解決しようとする課題は、要する手間と時間を少なく抑えて、インクジェットヘッドに適した駆動波形を生成するための設定値データを出力する駆動波形提案システムを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
実施形態に係る駆動波形提案システムは、インクジェットヘッドの駆動波形を生成するための設定値データを出力するシステムであり、外部端末とクラウドを介して通信を行う通信部と、通信部が外部端末から受け取る受信情報に対する応答情報を作成し、応答情報を外部端末に通信部を介して提供する応答部とを有する。応答部は、設定値データの出力を望むインクジェットヘッドの台数の入力を受け付ける台数入力画面を提供する。台数入力画面に入力された台数が複数台である場合には、応答部は、複数台のインクジェットヘッドに共通に適用するインク情報と使用条件の入力を受け付けるパラメータ入力画面を提供し、パラメータ入力画面に入力されたインク情報と使用条件を用いて複数台のインクジェットヘッドのすべての設定値データを算出して出力する。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1図1は、実施形態に係る駆動波形提案システムから提供される設定値データを使用して動作する液滴吐出装置の構成例を示すブロック図である。
図2図2は、図1に示す液体吐出装置のヘッドコントローラの第1の構成例を示すブロック図である。
図3図3は、図1に示す液体吐出装置のインクジェットヘッドの第1の構成例を示すブロック図である。
図4図4は、図1に示す液体吐出装置のヘッドコントローラの第2の構成例を示すブロック図である。
図5図5は、図1に示す液体吐出装置のインクジェットヘッドの第2の構成例を示すブロック図である。
図6図6は、実施形態に係る駆動波形提案システムの機能構成を示すブロック図である。
図7図7は、図6に示す駆動波形提案システムのウェブサーバーの機能構成を示すブロック図である。
図8図8は、図6に示す駆動波形提案システムの認証サーバーの機能構成を示すブロック図である。
図9図9は、図6に示す駆動波形提案システムのアプリケーションサーバーとウェブAPIサーバーの機能構成を示すブロック図である。
図10図10は、図6に示す駆動波形提案システムのデータベースサーバーの機能構成を示すブロック図である。
図11図11は、図6に示す駆動波形提案システムを構成するコンピュータのハードウェア構成を示すブロック図である。
図12図12は、実施形態に係る駆動波形提案システムへのアクセスから設定値データの入手までの処理の冒頭の流れを示すフローチャートである。
図13図13は、図12に続く処理の流れを示すフローチャートである。
図14図14は、図13に続く処理の流れを示すフローチャートである。
図15図15は、図14に続く処理の流れを示すフローチャートである。
図16図16は、図15に続く処理の流れを示すフローチャートである。
図17図17は、ログイン画面の一例を示す図である。
図18図18は、ヘッド台数入力画面の一例を示す図である。
図19図19は、シリアル番号入力画面の一例を示す図である。
図20図20は、1台のインクジェットヘッドに適用するパラメータの入力処理を受け付ける波形提案画面の一例を示す図である。
図21図21は、シリアル番号入力方法選択画面の一例を示す図である。
図22図22は、シリアル番号入力画面の一例を示す図である。
図23図23は、アップロード画面の一例を示す図である。
図24図24は、図23のアップロード画面においてアップロードするファイルの記入例を示す図である。
図25図25は、複数台のインクジェットヘッドに共通に適用するパラメータの入力処理を受け付ける波形提案画面の別の一例を示す図である。
図26図26は、レジスタデータ出力方法選択画面の一例を示す図である。
図27図27は、駆動電圧出力方法選択画面の一例を示す図である。
図28図28は、全ALレジスタデータ一覧の一例を示す図である。
図29図29は、全インクジェットヘッドの駆動電圧一覧の一例を示す図である。
図30図30は、インク情報事前入力画面の一例を示す図である。
図31図31は、使用条件事前入力画面の一例を示す図である。
図32図32は、変形例に係る波形提案画面の一例を示す図である。
図33図33は、図32に示す波形提案画面のインク名選択欄が複数のインク名のリストを表示した状態を示す図である。
図34図34は、図32に示す波形提案画面の使用条件名選択欄が複数の使用条件名のリストを表示した状態を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、図面を参照して、実施形態に係る駆動波形提案システムについて説明する。駆動波形提案システムは、インクジェットヘッドとインクに関するパラメータを外部端末からクラウドを介して受け取り、受け取ったパラメータに基づいて、インクジェットヘッドの駆動波形を推定し、推定した駆動波形を生成するための設定値データを算出し、算出した設定値データを外部端末にクラウドを介して提供する。
【0011】
ここで、設定値データは、デジタルのデータであり、駆動波形は、デジタルの波形パルスである。以下では、駆動波形を生成するための設定値データを、簡略化して、駆動波形の設定値データ、または、単に設定値データと称することもある。
【0012】
設定値データは、具体的には、レジスタデータと、駆動電圧データを含む。駆動電圧データは、インクジェットヘッドの駆動のためにインクジェットヘッドの駆動素子に印加する電圧である。以下では、駆動電圧データを、単に駆動電圧と称する。レジスタデータは、インクジェットヘッドに搭載されたドライバICのフォーマットに適合したデータである。
【0013】
外部端末は、設定値データ(レジスタデータ、駆動電圧)と印字データを液体吐出装置に供給する。液体吐出装置は、設定値データと印字データからインクジェットヘッドの駆動パルスを生成し、生成した駆動パルスから、インクジェットヘッドの駆動素子を駆動するアナログの駆動信号を生成し、生成した駆動信号を駆動素子に供給することにより、インクジェットヘッドを駆動する。
【0014】
以下では、駆動波形提案システムの説明に先立ち、まず、駆動波形提案システムから提供される設定値データを使用して動作する液体吐出装置について説明する。
【0015】
(液体吐出装置)
図1は、実施形態に係る駆動波形提案システムから提供される設定値データを使用して動作する液体吐出装置10の構成例を示すブロック図である。液体吐出装置10は、例えば、インクジェット記録装置である。なお、液体吐出装置10は、これに限らず、複写機等の他の装置であってもよい。
【0016】
液体吐出装置10は、例えば、記録媒体である印刷媒体を搬送しながら画像形成等の各種処理を行う。
【0017】
液体吐出装置10は、制御部11と、ディスプレイ14と、操作部15と、通信インターフェース16と、搬送モータ21と、モータ駆動回路22と、ポンプ23と、ポンプ駆動回路24と、複数のインクジェットヘッド25と、ヘッドコントローラ26と、システムバス27と、電源回路28を備える。さらに、液体吐出装置10は、図示されない搬送機構、給紙カセット、排紙トレイ等を備える。なお、図面においては、インターフェースを「IF」と略記している。
【0018】
電源回路28は、商用電源から供給された交流電力を直流電力に変換する。電源回路28は、直流電力を液体吐出装置10内の各構成部に供給する。
【0019】
システムバス27は、制御部11とディスプレイ14と操作部15と通信インターフェース16とモータ駆動回路22とポンプ駆動回路24とヘッドコントローラ26の間の通信経路である。制御部11とディスプレイ14と操作部15と通信インターフェース16とモータ駆動回路22とポンプ駆動回路24とヘッドコントローラ26は、システムバス27を介して、情報、データ、アドレス、制御信号、命令、応答等を送受信可能となっている。
【0020】
制御部11は、液体吐出装置10の各種の制御を行う。制御部11は、プロセッサ12とメモリ13とを備える。プロセッサ12は、演算処理を実行する演算素子である。プロセッサ12は、例えば、メモリ13に記憶されているプログラムと、プログラムで用いられるデータに基づいて種々の処理を行う。メモリ13は、書き換え可能に、プログラムと、プログラムで用いられるデータ等を記憶する。
【0021】
ディスプレイ14は、例えば、液晶ディスプレイ等の表示装置である。ディスプレイ14は、プロセッサ12、画像処理を行うための図示しないグラフィックコントローラ等から入力される映像信号に応じて画像を表示する。
【0022】
操作部15は、ユーザーの操作に基づいて、操作信号を生成する操作部材を有する。操作部材は、例えば、タッチセンサ、テンキー、電源キー、用紙フィードキー、種々のファンクションキー、キーボードなどである。タッチセンサは、例えば、抵抗膜式タッチセンサ、静電容量式タッチセンサ等である。タッチセンサは、ある領域内において指定された位置を示す情報を取得する。また、タッチセンサは、ディスプレイ14上面に配置されて一体に構成されるタッチパネルとして用いてもよい。この場合、タッチセンサは、ディスプレイ14に表示された画面上のタッチされた位置を示す信号を生成する。
【0023】
通信インターフェース16は、外部機器と通信するインターフェースである。通信インターフェース16は、例えば、液体吐出装置10に、印字データと設定値データのレジスタ値を送信する外部端末30との通信に用いられる。通信インターフェース16は、有線または無線で構成されたネットワーク、例えばLAN(Local Area Network)を介して、外部端末30と通信する。外部端末30は、液体吐出装置10を制御する制御サーバーやPC等である。
【0024】
搬送モータ21は、回転することによって、印刷媒体を搬送するための図示されない搬送機構の搬送部材を動作させる。搬送部材は、印刷媒体を搬送する搬送ベルト、搬送ベルトが掛け渡された複数のローラ(駆動ローラおよび従動ローラ)、ガイド等である。搬送モータ21は、駆動ローラを回転させて、印刷媒体を保持する搬送ベルトを移動させる。印刷媒体は、搬送ベルトの近傍に配置されたガイドにより規定された搬送経路を移動する。
【0025】
モータ駆動回路22は、搬送モータ21を駆動する回路である。モータ駆動回路22は、制御部11から入力される搬送制御信号に従って搬送モータ21を駆動する。モータ駆動回路22と搬送モータ21と搬送機構は、図示しない給紙カセットから取り出される印刷媒体を、複数のインクジェットヘッド25を経由して図示しない排紙トレイに搬送する。なお、給紙カセットは、複数の印刷媒体を収容するカセットである。排紙トレイは、液体吐出装置10から排出された印刷媒体を収容するトレイである。
【0026】
ポンプ23は、インクをインクタンクからインク供給経路を経てインクジェットヘッド25の圧力室に供給する。ポンプ23は、インクタンクとインクジェットヘッド25の圧力室を接続する図示しないチューブからなるインク供給経路上に配置されている。
【0027】
ポンプ駆動回路24は、プロセッサ12から入力されるインク供給制御信号に従ってポンプ23を駆動する。ポンプ23は、インクタンク内のインクをインクジェットヘッド25の圧力室に供給する。
【0028】
インクジェットヘッド25は、印刷媒体にインクを吐出して画像を形成する画像形成部である。インクジェットヘッド25は、図示しないが、インクをノズルから吐出させる複数の圧電素子等の駆動素子であるアクチュエータ、インク温度等を検出するためのセンサ、アクチュエータを駆動する駆動回路等を有する。インクジェットヘッド25は、ヘッドコントローラ26から供給される駆動電源および制御信号に基づき、搬送機構によって搬送される印刷媒体にインクを吐出することにより、画像を形成する。インクジェットヘッド25は、インクの色毎、例えば、シアン、マゼンダ、イエロー、ブラック等の色毎に対応した複数個が設けられている。
【0029】
液体吐出装置10は、通信インターフェース16を介して、外部端末30から印字データと設定値データのレジスト値を受信し、メモリ13に記憶する。インクジェットヘッド25の設定時(コンフィグ時)に、プロセッサ12は、メモリ13から印字データと設定値データのレジスト値を読み出し、ヘッドコントローラ26に送信する。
【0030】
ヘッドコントローラ26は、印字データと設定値データのレジスト値に基づき、複数のインクジェットヘッド25を制御する回路である。ヘッドコントローラ26は、設定値データのレジスト値に基づき、インクジェットヘッド25に複数の駆動電圧を供給する。また、ヘッドコントローラ26は、印刷データに基づいて制御信号を生成する。ヘッドコントローラ26は、駆動電圧と制御信号をインクジェットヘッド25に供給してインクジェットヘッド25内のアクチュエータを動作させることにより、インクジェットヘッド25のノズルからインクを吐出させて、印刷媒体に画像を形成させる。
【0031】
(ヘッドコントローラとインクジェットヘッドの第1の構成例)
以下、図2図3を参照して、液体吐出装置10のヘッドコントローラ26とインクジェットヘッド25の第1の構成例について説明する。図2は、液体吐出装置10のヘッドコントローラ26の第1の構成例を示すブロック図である。図3は、液体吐出装置10のインクジェットヘッド25の第1の構成例を示すブロック図である。
【0032】
(ヘッドコントローラ)
ヘッドコントローラ26は、バスブリッジ261と、設定値データバッファー262と、印字データバッファー263と、制御信号生成部264と、駆動制御部265とを有する。駆動制御部265は、設定値データ転送部266と、印字データ転送部267と、制御信号転送部268とを有する。
【0033】
設定値データは、システムバス27からバスブリッジ261を経由し、設定値データバッファー262に入力される。設定値データバッファー262は、設定値データを一時的に保存し、適宜、設定値データに必要な処理を施し、設定値データを駆動制御部265の設定値データ転送部266へ出力する。設定値データ転送部266は、設定値データをインクジェットヘッド25へ転送する。
【0034】
印字データは、システムバス27からバスブリッジ261を経由し、印字データバッファー263に入力される。印字データバッファー263は、印字データを一時的に保存し、適宜、必要な処理を施し、駆動制御部265の印字データ転送部267へ出力する。印字データ転送部267は、印字データをインクジェットヘッド25へ転送する。
【0035】
制御信号生成部264は、インクジェットヘッド25の制御信号を生成し、駆動制御部265の制御信号転送部268へ出力する。制御信号は、動作タイミングを取るためのクロック信号等を含む。制御信号生成部264はまた、インクジェットヘッド25に供給する駆動電圧を生成し、駆動制御部265の制御信号転送部268へ出力する。制御信号転送部268は、制御信号と駆動電圧をインクジェットヘッド25へ転送する。
【0036】
(インクジェットヘッド)
インクジェットヘッド25は、ドライバIC251と、アクチュエータ群256とを有する。アクチュエータ群256は、複数のアクチュエータを有する。各アクチュエータは、インクを収容する圧力室を拡張・収縮させ、圧力室に連通するノズルからインク液滴を吐出させるための駆動素子である。例えば、各アクチュエータは、PZT(チタン酸ジルコン酸鉛)製の圧電駆動素子である。
【0037】
ドライバIC251は、インクジェットヘッド25の駆動回路である。詳しくは、ドライバIC251は、アクチュエータ群256を駆動する駆動回路である。ドライバIC251は、駆動信号生成回路252と、データ処理回路255とを有する。駆動信号生成回路252は、駆動波形生成回路253と、アナログスイッチ回路254とを有する。
【0038】
駆動信号生成回路252は、設定値データ転送部266から設定値データを受け取る。データ処理回路255は、印字データ転送部267から印字データを受け取り、制御信号転送部268から制御信号と駆動電圧を受け取る。データ処理回路255は、駆動電圧を駆動信号生成回路252に供給する。また、データ処理回路255は、印字データと制御信号に基づいて、駆動信号生成回路252の制御信号を生成し、制御信号を駆動信号生成回路252へ出力する。駆動信号生成回路252は、データ処理回路255による制御の下、設定値データ転送部266から入力される設定値データからアナログの駆動信号を生成し、駆動信号をアクチュエータ群256へ出力する。
【0039】
詳しくは、アナログスイッチ回路254は、複数のスイッチ素子を有し、データ処理回路255は、アナログスイッチ回路254内の複数のスイッチ素子に複数のレベルの駆動電圧を供給する。駆動波形生成回路253は、設定値データと印字データに従ってデジタルの駆動波形を生成し、駆動波形をアナログスイッチ回路254へ出力する。アナログスイッチ回路254は、入力されるデジタルの駆動波形に従って、異なる駆動電圧が供給される複数のスイッチ素子のうちのいずれかを選択的にONにすることにより、アナログの駆動信号を生成する。ドライバIC251は、駆動信号をアクチュエータ群256に出力する。
【0040】
アクチュエータ群256の各アクチュエータは、ドライバIC251から入力される駆動信号に従って動作し、インクを収容する圧力室を拡張・収縮させ、ノズルからインク液滴を吐出させる。
【0041】
(ヘッドコントローラとインクジェットヘッドの第2の構成例)
以下、図4図5を参照して、液体吐出装置10のヘッドコントローラ26とインクジェットヘッド25の第2の構成例について説明する。図4は、液体吐出装置10のヘッドコントローラ26の第2の構成例を示すブロック図である。図5は、液体吐出装置10のインクジェットヘッド25の第2の構成例を示すブロック図である。図4図5において、図2図3に示した部材と同一の参照符号を付した部材は同様の部材であり、その詳しい説明は省略する。以下、相違部分に重点をおいて説明する。
【0042】
(ヘッドコントローラ)
ヘッドコントローラ26は、バスブリッジ261と、設定値データバッファー2621と、印字データバッファー263と、制御信号生成部264と、駆動制御部2651とを有する。駆動制御部2651は、駆動波形生成回路2661と、印字データ転送部267と、制御信号転送部268とを有する。
【0043】
設定値データは、システムバス27からバスブリッジ261を経由し、設定値データバッファー2621に入力される。設定値データは、駆動波形を決定するための波形デジタルデータである。設定値データバッファー2621は、設定値データを一時的に保存し、適宜、設定値データに必要な処理を施し、設定値データを駆動制御部2651の駆動波形生成回路2661へ出力する。駆動波形生成回路2661は、設定値データに従ってデジタルの駆動波形を生成し、駆動波形をインクジェットヘッド25へ出力する。
【0044】
(インクジェットヘッド)
インクジェットヘッド25は、ドライバIC2511と、アクチュエータ群256とを有する。アクチュエータ群256は、複数のアクチュエータを有する。各アクチュエータは、インクを収容する圧力室を拡張・収縮させ、圧力室に連通するノズルからインク液滴を吐出させるための駆動素子である。
【0045】
ドライバIC2511は、インクジェットヘッド25の駆動回路である。詳しくは、ドライバIC2511は、アクチュエータ群256を駆動する駆動回路である。ドライバIC2511は、アナログスイッチ回路2521と、データ処理回路2551とを有する。アナログスイッチ回路2521は、駆動波形生成回路2661からデジタルの駆動波形を受け取る。データ処理回路2551は、印字データ転送部267から印字データを受け取り、制御信号転送部268から制御信号と駆動電圧を受け取る。データ処理回路2551は、駆動電圧をアナログスイッチ回路2521に供給する。詳しくは、アナログスイッチ回路2521は、複数のスイッチ素子を有し、データ処理回路2551は、アナログスイッチ回路2521内の複数のスイッチ素子に複数のレベルの駆動電圧を供給する。また、データ処理回路2551は、印字データと制御信号に基づいて、アナログスイッチ回路2521の制御信号を生成し、制御信号をアナログスイッチ回路2521へ出力する。アナログスイッチ回路2521は、データ処理回路2551による制御の下、駆動波形生成回路2661から入力されるデジタルの駆動波形からアナログの駆動信号を生成し、駆動信号をアクチュエータ群256へ出力する。
【0046】
詳しくは、アナログスイッチ回路2521は、異なる駆動電圧が供給される複数のスイッチ素子のうちのいずれかを選択的にONにすることにより、アナログの駆動信号を生成する。ドライバIC2511は、駆動信号をアクチュエータ群256に出力する。
【0047】
アクチュエータ群256の各アクチュエータは、ドライバIC2511から入力される駆動信号に従って動作し、インクを収容する圧力室を拡張・収縮させ、ノズルからインク液滴を吐出させる。
【0048】
(従来手法による設定値データ選定)
従来手法による設定値データ選定は、次にようにして行われる。
【0049】
まず、基本駆動波形によってインクジェットヘッド25を駆動し、インクを吐出させ、印刷媒体に対して画像形成を行う。
【0050】
次に、インクの吐出を評価する。インクの吐出の評価は、吐出されるインクのドロップの大きさ、速度、形状等に基づいて、印刷媒体に形成された画像に基づいて、例えば、解像度、色再現性、鮮明さ、ドットの位置精度等に基づいて行う。
【0051】
続いて、評価結果をチェックする。例えば、評価結果のチェックは、上記の各パラメータを数値化し、その数値をしきい値と比較することにより行う。例えば、各パラメータの数値が各しきい値よりも良いと認められる場合に、評価結果はOKであるとし、そうでない場合に、評価結果はNGであるとする。
【0052】
評価結果がNGである場合には、駆動波形を再選定し、再選定した駆動波形によってインクジェットヘッド25を駆動し、インクを吐出させ、画像形成を行い、インクの吐出を評価する。これら一連の動作を、評価結果がOKとなるまで繰り返し行う。
【0053】
評価結果がOKである場合には、そのときの駆動波形を目的の駆動波形と認定し、その駆動波形を生成する設定値データを、目的の設定値データとして選定する。
【0054】
(駆動波形提案システムの機能構成)
次に、図6を参照して、駆動波形提案システム50の機能構成について説明する。図6は、実施形態に係る駆動波形提案システム50の機能構成を示すブロック図である。駆動波形提案システム50は、クラウド上にサーバー等から構成される。すなわち、駆動波形提案システム50は、駆動波形提案サーバーとも言える。
【0055】
駆動波形提案システム50は、ウェブサーバー51と、認証サーバー52と、ファイアウォール53と、アプリケーションサーバー54と、ウェブAPIサーバー55と、データベースサーバー56と、データベース57を有する。なお、図面においては、アプリケーションサーバーを「APサーバー」と略記し、データベースを「DB」と略記している。また、以下の説明においても、アプリケーションサーバーを「APサーバー」と略記し、データベースを「DB」と略記することもある。
【0056】
ウェブサーバー51は、駆動波形提案システム50への外部端末30からのアクセスに対する最初の入り口となり、外部端末30に対するユーザーインターフェースを提供する。ウェブサーバー51の機能構成を示すブロック図を図7に示す。ウェブサーバー51は、通信機能と、ユーザーインターフェース提供機能を有する。また、ウェブサーバー51は、データベース57に、専用データベースとして、ユーザーインターフェースデータベースを有する。なお、図面においては、ユーザーインターフェースを「UI」と略記している。また、以下の説明においても、ユーザーインターフェースを「UI」と略記することもある。ウェブサーバー51は、外部端末30すなわちPC31または制御サーバー32にユーザーインターフェースを提供し、このユーザーインターフェースを介して、各サーバー(認証サーバー52と、アプリケーションサーバー54、ウェブAPIサーバー55、データベースサーバー56)、データベース57と連携して、外部端末30からのリクエストを受け、そのリクエストに対する応答を外部端末30へ返す。
【0057】
一例では、外部端末30は、液体吐出装置10を制御するPC31である。PC31は、利用者PCまたは管理者PCである。この場合、PC31を操作する利用者または管理者は、PC31に表示されるウェブアプリケーション(例えばウェブブラウザ)のユーザーインターフェース画面(UI画面)を通して、例えばHTTPS通信によって、ウェブサーバー51にリクエストを送信し、ウェブサーバー51から応答を受信する。ウェブアプリケーションのUI画面は、例えば、HTML、CSS、JavaScript(登録商標)等を使用して作成される。
【0058】
別の例では、外部端末30は、液体吐出装置10を制御する制御サーバー32である。この場合、制御サーバー32は、ウェブAPIとして公開されたAPIによって、ウェブサーバー51にリクエストを送信し、ウェブサーバー51から応答を受信する。
【0059】
データベース57は、種々のデータを格納している。データベースサーバー56は、データベース57を管理する。データベースサーバー56は、認証サーバー52、アプリケーションサーバー54、ウェブAPIサーバー55からの要求に応じて、適切なデータをデータベース57に格納し、また、適切なデータをデータベース57から読み出し、それらを認証サーバー52、アプリケーションサーバー54、ウェブAPIサーバー55に提供する。
【0060】
認証サーバー52の機能構成を示すブロック図を図8に示す。認証サーバー52は、ログイン機能を有する。また、認証サーバー52は、データベース57に、専用データベースとして、顧客データベース、ユーザーデータベース、ホワイトリスト、シリアル番号データベースを有する。なお、図面においては、シリアル番号を「S/N」と略記している。また、以下の説明においても、シリアル番号を「S/N」と略記することもある。
【0061】
認証サーバー52は、ウェブサーバー51から外部端末30のログイン情報を受け取り、ログイン機能と、許可された外部端末30の情報を保持するホワイトリストとの連携により、許可された外部端末30に対しては、ログインを許可する。また、認証サーバー52は、新規の外部端末30に対しては、ログイン機能により、必要な情報の入力を求め、アクセス元ドメインを識別し、必要な情報とアクセス元ドメインをホワイトリストに登録した後に、ログインを許可する。認証サーバー52は、認証結果をファイアウォール53へ出力する。
【0062】
認証サーバー52は、管理者に対しては、ユーザーデータベースへの利用者の登録や各データベースへのアクセスなど、管理者権限付与された操作を許可する。認証サーバー52は、ログイン後にインクジェットヘッドのシリアル番号の入力に応じて、顧客データベースやシリアル番号データベースとの照合を行う。
【0063】
ファイアウォール53は、不正なアクセス等から、アプリケーションサーバー54、ウェブAPIサーバー55を守る。ファイアウォール53は、認証サーバー52から受け取った認証結果に基づき、許可された外部端末30に対しては、アプリケーションサーバー54、ウェブAPIサーバー55に対するアクセスを許可する。
【0064】
アプリケーションサーバー54は、ウェブアプリケーションの実行環境を提供する。ウェブAPIサーバー55は、APIを提供する。
【0065】
アプリケーションサーバー54とウェブAPIサーバー55の機能構成を示すブロック図を図9に示す。アプリケーションサーバー54とウェブAPIサーバー55は、駆動波形提案機能、インク温度・粘度計算エンジン、駆動波形推定アルゴリズムを有する。また、アプリケーションサーバー54とウェブAPIサーバー55は、データベース57に、専用データベースとして、係数データベース、シリアル番号データベース、操作ログデータベース、マスターデータを有する。アプリケーションサーバー54とウェブAPIサーバー55は、管理者に対しては、インク温度・粘度計算エンジンの更新機能と、駆動波形推定アルゴリズムの更新機能を提供する。
【0066】
アプリケーションサーバー54とウェブAPIサーバー55は、ログインと認証済みの外部端末30から、インクジェットヘッド25の使用条件とインク情報を含むパラメータを受け取る。駆動波形提案機能は、使用条件と物性値等を含むパラメータから、インク温度・粘度計算エンジンと専用データベース等を用いて、データ分析を基にした駆動波形推定アルゴリズムにより、インクジェットヘッド25の駆動波形を導出する。駆動波形推定アルゴリズムは、インクの種類、インクの比重、インクジェットヘッドの種類等を入力変数とし、駆動波形を導出するアルゴリズムである。駆動波形提案機能は、導出した駆動波形を生成するための設定値データを提供する。さらに、駆動波形提案機能は、インクの粘度または温度に基づいて、設定値データを補正する。インクの種類は、例えば、紫外線硬化型インク、油性インク、ソルベントインク、セラミックインク、水性インクである。
【0067】
データベースサーバー56の機能構成を示すブロック図を図10に示す。データベースサーバー56は、データ管理機能、データ更新機能、ユーザー管理機能を有する。また、データベースサーバー56は、データベース57に、係数データベース、シリアル番号データベース、顧客データベース、マスターデータ、ユーザーデータベース、操作ログデータベース、マスターデータ、ユーザーインターフェースデータベース、ホワイトリスト等を有する。また、データベースサーバー56は、管理者に対しては、データ更新機能、ユーザー管理機能を提供する。
【0068】
このように構成された駆動波形提案システム50において、ウェブサーバー51は、外部端末30からクラウドを介して通信を行う通信部として機能する。また、ウェブサーバー51とアプリケーションサーバー54とウェブAPIサーバー55は、データベースサーバー56とデータベース57と協働し、外部端末30から受け取った受信情報に対する応答情報を作成し、応答情報を外部端末30に提供する応答部として機能する。
【0069】
外部端末30は、液体吐出装置10のインクジェットヘッド25の使用条件とインク情報を含むパラメータと、駆動波形提案のリクエストを駆動波形提案システム50へ送信する。
【0070】
外部端末30のアクセスが適正である場合、駆動波形提案システム50は、ウェブサーバー51を介してパラメータを受け取り、アプリケーションサーバー54またはウェブAPIサーバー55において、インクジェットヘッド25に好適な駆動波形を生成するための設定値データを算出し、算出した設定値データを外部端末30へウェブサーバー51を介して送信する。
【0071】
外部端末30が、液体吐出装置10を制御するPC31である場合、アプリケーションサーバー54が、インクジェットヘッド25の使用条件とインク情報を含むパラメータを受信し、データベースサーバー56に出力する。データベースサーバー56は、データベース57に格納する。
【0072】
アプリケーションサーバー54は、インクジェットヘッド25に好適な駆動波形を生成するための設定値データを算出する。アプリケーションサーバー54は、設定値データを、データベースサーバー56を介してデータベース57に格納する。また、アプリケーションサーバー54は、設定値データを、ファイアウォール53とウェブサーバー51を介してPC31へ送信する。
【0073】
PC31は、受信した設定値データを、自動またはPC31の利用者による命令の下、液体吐出装置10に送信する。液体吐出装置10は、通信インターフェース16を介して、設定値データを受信し、メモリ13に記憶する。インクジェットヘッド25の設定時(コンフィグ時)に、プロセッサ12は、メモリ13から設定値データを読み出し、ヘッドコントローラ26に送信する。
【0074】
外部端末30が、液体吐出装置10を制御する制御サーバー32である場合、上記のアプリケーションサーバー54と同様の動作をウェブAPIサーバー55が実行する。すなわち、ウェブAPIサーバー55は、インクジェットヘッド25の使用条件とインク情報を含むパラメータを受信し、データベースサーバー56に出力する。データベースサーバー56は、データベースサーバー56を介してパラメータをデータベース57に格納する。
【0075】
ウェブAPIサーバー55は、インクジェットヘッド25に好適な駆動波形を生成するための設定値データを算出する。ウェブAPIサーバー55は、設定値データを、データベースサーバー56を介してデータベース57に格納する。また、ウェブAPIサーバー55は、設定値データを、ファイアウォール53とウェブサーバー51を介して制御サーバー32に送信する。
【0076】
制御サーバー32は、受信した設定値データを、液体吐出装置10に送信する。液体吐出装置10は、通信インターフェース16を介して、設定値データを受信し、メモリ13に記憶する。インクジェットヘッド25の設定時(コンフィグ時)に、プロセッサ12は、メモリ13から設定値データを読み出し、ヘッドコントローラ26に送信する。
【0077】
(駆動波形提案システムのハードウェア構成)
駆動波形提案システム50は、コンピュータで構成され得る。以下、図11を参照して、駆動波形提案システム50を構成し得るコンピュータ60のハードウェア構成について説明する。図11は、駆動波形提案システム50のハードウェア構成の一例を示すブロック図である。
【0078】
コンピュータ60は、プロセッサ61と、ROM(Read Only Memory)62と、RAM(Random Access Memory)63と、補助記憶装置64と、入力装置65と、出力装置66と、通信装置67とを有する。
【0079】
プロセッサ61とROM62とRAM63と補助記憶装置64と入力装置65と出力装置66と通信装置67は、バス68を介して互いに電気的に接続されており、バス68を介してデータや情報を送受信することが可能となっている。
【0080】
プロセッサ61は、例えば、CPU(Central Processing Unit)やGPU(Graphical Processing Unit)等を含む汎用ハードウェアプロセッサで構成される。プロセッサ61は、ROM62とRAM63と補助記憶装置64と入力装置65と出力装置66と通信装置67との全体を制御する。
【0081】
ROM62は、主記憶装置の一部を構成する不揮発性メモリである。ROM62は、プロセッサ61の起動時に必要な起動プログラムを非一時的に記憶している。プロセッサ61は、ROM62内のプログラムを実行することにより起動する。ROM62は、例えば、EPROM(Erasable Programable Read Only Memory)で構成され、起動プログラムに加えて、起動時の諸設定を記憶している。
【0082】
RAM63は、主記憶装置の一部を構成する揮発性メモリである。RAM63は、プロセッサ61の処理に必要なプログラムとプログラムの実行に必要なデータを一時的に記憶する。RAM63は、プロセッサ61は、RAM63内のプログラムを実行することにより、RAM63内のデータを演算し、演算結果をRAM63に記憶させる。
【0083】
補助記憶装置64は、HDD(Hard Disk Drive)やSSD(Solid State Drive)等の不揮発性メモリで構成される。補助記憶装置64は、プロセッサ61が実行するプログラムとプログラムの実行に必要なデータを非一時的に記憶している。プロセッサ61は、補助記憶装置64内のプログラムとデータをRAM63内に読み込み、プログラムを実行することにより各種機能を実行する。
【0084】
例えば、入力装置65は、キーボード、マウス、タッチパネル等で構成される。入力装置65は、これに限らず、他の任意の入力機器で構成されてもよい。例えば、出力装置66は、ディスプレイ等で構成される。出力装置66は、これに限らず、他の任意の出力機器で構成されてもよい。入力装置65と出力装置66は、両者の機能を有する入出力装置で構成されてもよい。例えば、入出力装置は、タブレット、ディスクドライブ等で構成される。
【0085】
通信装置67は、外部端末30との間において、データや情報を送信する機能と受信する機能を有する。例えば、通信装置67は、受信装置と送信装置とを有する。
【0086】
補助記憶装置64に非一時的に記憶されるプログラムは、例えば、プログラムを非一時的に記録したコンピュータで読み取り可能な記録媒体を介して、コンピュータに提供される。そのような記録媒体は、非一時的コンピュータ読取可能記録媒体と呼ばれる。例えば、非一時的コンピュータ読取可能記録媒体は、フレキシブルディスク、光ディスク(CD-ROM、CD-R、DVD-ROM、DVD-R等)、光磁気ディスク(MO等)等のディスクや、半導体メモリ等である。
【0087】
補助記憶装置64に非一時的に記憶されるプログラムは、例えば、記録媒体がディスクである場合にはディスクドライブを通して、入力装置65を介して、補助記憶装置64に読み込まれ非一時的に記憶される。また、プログラムは、ネットワーク上のサーバーに格納されており、サーバーからダウンロードされ、補助記憶装置64に非一時的に記憶されてもよい。
【0088】
プロセッサ61は、起動時に、ROM62内のプログラムを実行し、RAM63内にOSを読み込み起動する。プロセッサ61は、OSによる制御の下、指示入力や外部機器の接続等を監視する。また、プロセッサ61は、OSによる制御の下、RAM63内にプログラムエリアとデータエリアを設定する。プロセッサ61は、駆動波形提案システム50の起動の指示入力に対して、補助記憶装置64から駆動波形提案プログラムをRAM63のプログラムエリアに読み込むとともに、駆動波形提案プログラムの実行に必要なデータを補助記憶装置64からRAM63のデータエリアに読み込む。プロセッサ61は、駆動波形提案プログラムに従ってデータエリアのデータを演算し、演算結果をデータエリアに書き込む。このような動作によって、プロセッサ61とRAM63と補助記憶装置64は共働して、駆動波形提案システム50のウェブサーバー51、認証サーバー52、ファイアウォール53、アプリケーションサーバー54、ウェブAPIサーバー55、データベースサーバー56、データベース57の機能を実行する。
【0089】
なお、外部端末30も、コンピュータで構成され得る。外部端末30のハードウェア構成は、コンピュータ60のハードウェア構成と同様である。
【0090】
(駆動波形提案システムの動作例)
次に、図12図16を参照して、駆動波形提案システム50の動作例について説明する。図12図16は、駆動波形提案システム50の動作例の処理の流れを示すフローチャートである。ここでは、便宜上、外部端末30は、PC31であるとして説明する。図12図16のフローチャートにおいては、外部端末30(PC31および利用者)の処理を左側に示し、駆動波形提案システム50の処理を右側に示す。なお、図12図16のフローチャートにおいては、駆動波形提案システムを「システム」と略記している。また、フローチャートにおいては、インクジェットヘッドを「ヘッド」、レジスタデータを「レジスタ」と略記している。
【0091】
利用者が駆動波形提案システム50の利用開始の指示をPC31に入力すると、PC31は、利用開始のリクエストを駆動波形提案システム50へ送信する。駆動波形提案システム50は、ウェブサーバー51により、ログイン処理のためのUI画面を作成する。以下では、ログイン処理のためのUI画面を、ログイン画面と略記する。次に、駆動波形提案システム50は、PC31に、ログイン画面を提供し、ログイン画面の表示を指示する。PC31は、駆動波形提案システム50からログイン画面の提供を受け、ACT11において、ログイン画面を表示してユーザーにログイン処理を促す。
【0092】
図17に、ログイン画面の一例を示す。ログイン画面は、ログイン処理を受け付けるインターフェースである。ログイン画面は、ユーザーID入力欄と、パスワード入力欄と、「サインイン」ボタンを有する。ログイン画面はまた、「パスワードを忘れた場合」の処理を行うためのリンクを有する。
【0093】
利用者は、ユーザーID入力欄にユーザーIDを入力し、パスワード入力欄にパスワードを入力し、「サインイン」ボタンをクリックすることにより、ログイン処理を行う。
【0094】
利用者がログイン処理を行うと、PC31は、ログイン画面の入力情報すなわちユーザーIDとパスワードを駆動波形提案システム50へ送信する。ACT12において、駆動波形提案システム50は、認証サーバー52により、ユーザーIDとパスワードをユーザーデータベースに照会して、ユーザー認証処理を行い、ACT13において、認証結果をチェックする。
【0095】
ユーザーデータベースは、例えば、ユーザーIDと、ユーザーIDに紐付いたパスワードを格納している。ユーザーIDとパスワードはいずれも、一意な識別情報である。ユーザーIDとパスワードは一対一で紐付いている。
【0096】
認証サーバー52は、ログイン画面に入力されたユーザーIDとパスワードが、それぞれ、ユーザーデータベースに格納されたユーザーIDとパスワードと一致する場合には、認証結果はOKであると認定し、一致しない場合には、認証結果はNGであると認定する。
【0097】
認証結果がNGの場合(ACT13においてNoの場合)には、駆動波形提案システム50は、PC31に、エラーメッセージの表示を指示する。PC31は、ACT14において、エラーメッセージを画面に表示し、利用者の確認を待つ。利用者がエラーメッセージを確認すると、PC31は、ACT11の処理に戻り、再び、ログイン画面を画面に表示して利用者にログイン処理を促す。
【0098】
認証結果がOKの場合(ACT13においてYesの場合)には、駆動波形提案システム50は、ログインを許可する。続いて、駆動波形提案システム50は、ウェブサーバー51により、設定値データの出力を望むインクジェットヘッド25の台数の入力処理のためのUI画面を作成する。以下では、インクジェットヘッド25の台数の入力処理のためのUI画面を、ヘッド台数入力画面と略記する。次に、駆動波形提案システム50は、PC31に、ヘッド台数入力画面を提供し、ヘッド台数入力画面の表示を指示する。PC31は、駆動波形提案システム50からヘッド台数入力画面の提供を受け、ACT15において、ヘッド台数入力画面を表示してユーザーにインクジェットヘッド25の台数の選択を促す。
【0099】
図18に、ヘッド台数入力画面の一例を示す。ヘッド台数入力画面は、設定値データの出力を望むインクジェットヘッド25の台数の入力処理を受け付けるインターフェースである。ヘッド台数入力画面は、インクジェットヘッド25の台数選択欄と、「決定」ボタンを有する。台数選択欄は、プルダウン機能により、インクジェットヘッド25の台数を選択可能となっている。「決定」ボタンは、台数選択欄において選択されたインクジェットヘッド25の台数の情報を駆動波形提案システム50へ送信するUIコントローラである。
【0100】
利用者は、台数選択欄の右端の展開アイコンをクリックしてインクジェットヘッド25の台数の選択肢をリスト表示させ、台数の選択肢のひとつをクリックして選択し、「決定」ボタンをクリックすることにより、インクジェットヘッド25の台数の入力処理を行う。
【0101】
利用者がインクジェットヘッド25の台数の入力処理を行うと、PC31は、インクジェットヘッド25の台数の情報を駆動波形提案システム50へ送信する。ACT16において、駆動波形提案システム50は、アプリケーションサーバー54により、インクジェットヘッド25の台数が1台であるか、複数台であるかを判定する。
【0102】
インクジェットヘッド25の台数が1台である場合(ACT16において1台の場合)、駆動波形提案システム50は、ウェブサーバー51により、シリアル番号の入力処理のためのUI画面を作成する。以下では、シリアル番号の入力処理のためのUI画面を、シリアル番号入力画面と略記する。次に、駆動波形提案システム50は、PC31に、シリアル番号入力画面を提供し、シリアル番号入力画面の表示を指示する。PC31は、駆動波形提案システム50からシリアル番号入力画面の提供を受け、ACT17において、シリアル番号入力画面を表示してユーザーにシリアル番号の入力処理を促す。
【0103】
図19に、シリアル番号入力画面の一例を示す。シリアル番号入力画面は、インクジェットヘッド25のシリアル番号の入力処理を受け付けるインターフェースである。シリアル番号入力画面は、シリアル番号入力欄と、「OK」ボタンと、「Cancel」ボタンを有する。
【0104】
利用者は、シリアル番号入力欄にシリアル番号を入力し、「OK」ボタンをクリックすることにより、シリアル番号の入力処理を行う。
【0105】
「Cancel」ボタンは、駆動波形提案システム50の利用を中止するためのUIコントローラである。利用者が「Cancel」ボタンをクリックすると、PC31は、利用中止のリクエストを駆動波形提案システム50へ送信し、駆動波形提案システム50は、駆動波形提案サービスの処理を中止する。
【0106】
利用者がシリアル番号の入力処理を行うと、PC31は、シリアル番号入力画面の入力情報すなわちシリアル番号を駆動波形提案システム50へ送信する。駆動波形提案システム50は、ACT18において、認証サーバー52により、シリアル番号をシリアル番号データベースに照会して、シリアル番号の照合処理を行い、ACT19において、照合結果をチェックする。
【0107】
シリアル番号の照合処理では、PC31の利用者が、駆動波形提案システム50の利用を許可された正規利用者であるかを検証する。詳しくは、シリアル番号データベースと顧客データベースとを使用して、シリアル番号に紐付いた顧客とユーザーIDに紐付いた顧客とが一致するか否かを調べる。
【0108】
シリアル番号データベースは、インクジェットヘッド25のシリアル番号と顧客とを紐付けたシリアル番号紐付情報を格納している。シリアル番号紐付情報は、シリアル番号と顧客を一対一で紐付けている。顧客は、駆動波形提案システム50の利用を許可された特定の利用者であり、例えば、インクジェットヘッド25の正規の購入者である。
【0109】
顧客データベースは、ユーザーIDと顧客とを紐付けたユーザーID紐付情報を格納している。ユーザーID紐付情報は、ユーザーIDと顧客を一対一で紐付けている。
【0110】
シリアル番号紐付情報は、インクジェットヘッド25の購入時にシリアル番号データベースに登録される。ユーザーID紐付情報は、インクジェットヘッド25の購入時に顧客データベースに新規登録または追加更新される。
【0111】
認証サーバー52は、シリアル番号に紐付いた顧客とユーザーIDに紐付いた顧客とが一致する場合には、駆動波形提案システム50の利用者が正規利用者であり、照合結果はOKであると認定し、シリアル番号に紐付いた顧客とユーザーIDに紐付いた顧客とが一致しない場合には、駆動波形提案システム50の利用者が不正利用者であり、照合結果はNGであると認定する。
【0112】
シリアル番号の照合結果がNGの場合(ACT19においてNoの場合)には、駆動波形提案システム50は、PC31に、エラーメッセージの表示を指示する。PC31は、ACT20において、エラーメッセージを画面に表示し、利用者の確認を待つ。利用者がエラーメッセージを確認すると、PC31は、ACT17の処理に戻り、再び、シリアル番号入力画面を画面に表示して利用者にシリアル番号の入力を促す。
【0113】
例えば、照合結果が3回続けてNGとなった場合には、駆動波形提案システム50は、PC31に、シリアル番号の照合が3回失敗したため、駆動波形提案サービスを強制的に終了する旨のエラーメッセージの表示を指示し、利用者の確認を待って、駆動波形提案サービスを強制的に終了する。
【0114】
シリアル番号の照合結果がOKの場合(ACT19においてYesの場合)には、駆動波形提案システム50は、ウェブサーバー51により、駆動波形提案に必要なパラメータの入力処理のためのUI画面を作成する。駆動波形提案に必要なパラメータは、インクジェットヘッド25の使用条件とインク情報を含む。以下では、駆動波形提案に必要なパラメータの入力処理のためのUI画面を、波形提案画面と略記する。次に、駆動波形提案システム50は、PC31に、波形提案画面を提供し、PC31に、波形提案画面の表示を指示する。PC31は、ACT21において、波形提案画面を画面に表示して利用者にパラメータの入力を促す。
【0115】
図20に、波形提案画面の一例を示す。波形提案画面は、1台のインクジェットヘッド25に適用するインク情報と使用条件を含むパラメータの入力処理を受け付けるインターフェースである。波形提案画面は、ヘッド選択欄、ALランク選択欄、インク選択欄、使用条件選択欄、インク温度・粘度入力欄、駆動電圧表示欄、「波形作成」ボタン、「レジスタデータ作成」ボタン、ヘッド・波形タイプと波形値表示欄を含む。
【0116】
ヘッド選択欄は、ヘッド種類選択欄とシリアル番号表示欄を含む。ヘッド種類選択欄は、プルダウン機能により、ヘッド種類を選択可能となっている。シリアル番号表示欄には、ACT17において表示されたシリアル番号入力画面に入力されたシリアル番号が表示される。
【0117】
ALランク選択欄は、データベース選択欄と、面選択欄と、ALランク欄を含む。データベース選択欄は、「S/N DB」選択肢と「係数DB」選択肢を有する。「S/N DB」選択肢は、シリアル番号データベースを使用する選択肢である。「係数DB」選択肢は、係数データベースを使用する選択肢である。これらの選択肢は、ラジオボタンまたはオプションボタンによって、いずれか一方が選択可能となっている。面選択欄は、プルダウン機能により、面を選択可能となっている。ALランク欄は、プルダウン機能により、ALランクを選択可能となっている。
【0118】
ALランク選択において、シリアル番号データベースを選択することで、シリアル番号に紐づいたALランクが適用される。つまり、図20の「S/N DBより」を選択すると、シリアル番号に紐づいたALランクが適用される。インクジェットヘッド25は出荷前にALランクを測定しているので、出荷前にシリアル番号に紐づけされたインクジェットヘッド25のALランクが確定する。シリアル番号に紐づけされたインクジェットヘッド25のALランクは、シリアル番号データベースで管理されている。
【0119】
AL(acoustic length)は、インクジェットヘッド25の圧力室内のインクの固有振動周期の半分の時間であり、圧力伝搬時間ともいう。ALは、インクジェットヘッド25によって、異なる値を持つ。AL値によって、ランク付けがなされ、ALランクが付与される。
【0120】
インク選択欄は、インク種類選択欄と、インク比重入力欄を含む。インク種類欄は、プルダウン機能により、インク種類を選択可能となっている。インク比重入力欄は、インク比重の値が直接入力可能となっている。また、インク比重入力欄には、推奨範囲(0.70~3.0)の入力を促すメッセージが予め表示されている。
【0121】
使用条件選択欄は、ドロップ数選択欄と、周波数入力欄を含む。ドロップ数選択欄は、プルダウン機能により、ドロップ数を選択可能となっている。ドロップ数選択欄は、ドロップ数の値を直接入力可能となっていてもよい。周波数入力欄は、駆動周波数の値を直接入力可能となっている。また、周波数入力欄には、推奨範囲(1.0~30.0)の入力を促すメッセージが予め表示されている。
【0122】
インク温度・粘度入力欄は、温度・粘度選択欄と、計算・入力欄を含む。温度・粘度選択欄は、「推奨温度」選択肢と「希望温度」選択肢と「希望粘度」選択肢を有する。「推奨温度」選択肢は、推奨温度を選択する選択肢である。「希望温度」選択肢は、希望温度を選択する選択肢である。「希望粘度」選択肢は、希望粘度を選択する選択肢である。これらの選択肢は、ラジオボタンまたはオプションボタンによって、いずれかひとつが選択可能となっている。計算・入力欄は、「値入力」選択肢と「値計算」選択肢を有する。「値入力」選択肢は、値入力を選択する選択肢である。「値計算」選択肢は、値計算を選択する選択肢である。これらの選択肢は、ラジオボタンまたはオプションボタンによって、いずれか一方が選択可能となっている。計算・入力欄はまた、「インク温度・粘度計算入力」ボタンを含む。「インク温度・粘度計算入力」ボタンは、「値計算」選択肢が選択された状態において、インク温度または粘度またはそれら両方の計算の実行を指示するUIコントローラである。「インク温度・粘度計算入力」ボタンは、「値入力」選択肢が選択された状態では、無効化される。インク温度・粘度入力欄はまた、計算・入力欄において、「値入力」選択肢が選択されたとき、値を入力する入力欄を表示し、「値計算」選択肢が選択されたとき、計算結果を表示する表示欄を表示する。
【0123】
図20に示す波形提案画面では、温度・粘度選択欄において希望温度が選択され、計算・入力欄において値入力が選択されており、これに応じて、インク温度・粘度入力欄は、粘度10mPa・sでのインク温度の表示欄と、希望インク温度の入力欄を表示している。この場合、利用者は、希望インク温度の入力欄にインク温度を入力する。
【0124】
また、例えば、温度・粘度選択欄において推奨温度が選択された場合には、インク温度・粘度入力欄は、粘度10mPa・sでのインク温度の表示欄を表示する。利用者が「インク温度・粘度計算入力」ボタンをクリックして計算の実行を指示すると、インク温度・粘度入力欄は、粘度10mPa・sでのインク温度の表示欄に計算結果を表示する。
【0125】
「波形作成」ボタンは、駆動波形提案システム50に、インクジェットヘッド25に適切な駆動波形を生成するための波形パルスの推定と、その波形パルスの波形データの出力を指示するUIコントローラである。駆動電圧表示欄は、その波形パルスの駆動電圧を表示する。ヘッド・波形タイプと波形値表示欄は、その波形パルスの波形タイプと波形値を表示する。波形タイプは、要素1、要素2、…を有し、波形値は、パルス1、パルス2、…を有する。要素1、要素2、…は、波形タイプを決定する波形パルスの構成要素を表し、パルス1、パルス2、…は、要素1、要素2、…の時間幅を表す。
【0126】
「レジスタデータ作成」ボタンは、駆動波形提案システム50に、インクジェットヘッド25に適切な駆動波形を生成するための波形パルスの導出と、その波形パルスの波形データの設定値データの出力を指示するUIコントローラである。設定値データは、その波形パルスの駆動電圧と、その波形パルスの波形値のレジスタデータを有する。レジスタデータは、波形パルスの波形値の各要素と波形値の各パルスを、インクジェットヘッド25に搭載されたドライバIC251のフォーマットに合わせて変換したデータである。例えば、駆動波形提案システム50に、駆動波形の設定値データをファイルとしてPC31に出力する。
【0127】
インク情報と使用条件は、他に印刷条件や印字品質に関わる値も含む。このため、インク情報と使用条件を入力処理するためのUI画面は、図20に示す波形提案画面に限定されるものではない。すなわち、図20に示す波形提案画面は、単なる一例であり、適宜変更されてよい。
【0128】
以下、利用者が波形提案画面に必要なパラメータを入力し、「レジスタデータ作成」ボタンをクリックしたものとして説明する。利用者が「レジスタデータ作成」ボタンをクリックすると、PC31は、波形提案画面の入力パラメータと、駆動波形の設定値データの出力の指示を駆動波形提案システム50へ送信する。ACT22において、駆動波形提案システム50は、アプリケーションサーバー54により、入力パラメータのチェック処理を行う。ACT22におけるチェック処理の対象は、インク情報と使用条件である。
【0129】
チェック結果がNGの場合(ACT22においてNGの場合)には、ウェブサーバー51により、エラーメッセージをメッセージ表示エリアに表示するように、波形提案画面を更新する。次に、駆動波形提案システム50は、PC31に、更新後の波形提案画面を提供し、更新後の波形提案画面の表示を指示する。PC31は、駆動波形提案システム50から更新後の波形提案画面の提供を受け、ACT21において、更新後の波形提案画面を画面に表示し、再度、利用者にパラメータの入力を促す。
【0130】
チェック結果がOKの場合(ACT22においてOKの場合)には、ACT23において、駆動波形提案システム50は、アプリケーションサーバー54により、インクの温度・粘度の計算処理を行う。
【0131】
次に、駆動波形提案システム50は、ACT24において、アプリケーションサーバー54により、波形提案画面の入力パラメータに基づいて、駆動波形推定アルゴリズムと専用データベースを使用し、インクジェットヘッド25に好適な駆動波形を導出する。詳しくは、波形推定アルゴリズムは、波形提案画面の入力パラメータを入力変数とし、適切な駆動波形を生成するための波形パルスを導出する。
【0132】
続いて、駆動波形提案システム50は、ACT25において、アプリケーションサーバー54により、その波形パルスの設定値データを算出する。設定値データは、レジスタデータと駆動電圧を有する。レジスタデータは、波形パルスの各要素と各パルス値を含む。
【0133】
次に、駆動波形提案システム50は、ACT26において、設定値データをPC31へ出力する。例えば、駆動波形提案システム50は、アプリケーションサーバー54により、設定値データを記したファイルを作成し、そのファイルを、ウェブサーバー51により、PC31へ送信する。例えば、設定値データを記したファイルは、テキストファイルである。設定値データを記したファイルは、その他、CSVファイル等であってもよい。
【0134】
PC31は、設定値データを記したファイルを受信し保存する。以上により、設定値データの出力を望むインクジェットヘッド25の台数が1台である場合における処理が終了する。
【0135】
ACT16における判定の結果、設定値データの出力を望むインクジェットヘッド25の台数が複数台である場合(ACT16において複数台の場合)、駆動波形提案システム50は、ウェブサーバー51により、シリアル番号の入力方法の選択処理のためのUI画面を作成する。以下では、シリアル番号の入力方法の選択処理のためのUI画面を、シリアル番号入力方法選択画面と略記する。次に、駆動波形提案システム50は、PC31に、シリアル番号入力方法選択画面を提供し、シリアル番号入力方法選択画面の表示を指示する。PC31は、駆動波形提案システム50からシリアル番号入力方法選択画面の提供を受け、ACT27において、シリアル番号入力方法選択画面を表示し、ユーザーにシリアル番号の入力方法の選択処理を促す。
【0136】
図21に、シリアル番号入力方法選択画面の一例を示す。シリアル番号入力方法選択画面は、シリアル番号の入力方法の選択処理を受け付けるインターフェースである。シリアル番号入力方法選択画面は、「画面入力」選択肢と「ファイルをアップロード」選択肢と、「決定」ボタンを有する。「画面入力」選択肢は、PC31の画面上においてシリアル番号の入力処理を行う選択肢である。「ファイルをアップロード」選択肢は、シリアル番号の一覧を記したファイルを駆動波形提案システム50へアップロードする選択肢である。これらの選択肢は、ラジオボタンまたはオプションボタンによって、いずれか一方が選択可能となっている。「決定」ボタンは、選択中の選択肢の情報を駆動波形提案システム50へ送信するUIコントローラである。
【0137】
利用者は、「画面入力」選択肢と「ファイルをアップロード」選択肢のいずれかを選択し、「決定」ボタンをクリックすることにより、シリアル番号の入力方法の選択処理を行う。
【0138】
利用者がシリアル番号の入力方法の選択処理を行うと、PC31は、シリアル番号入力方法選択画面の選択情報すなわちシリアル番号の入力方法の情報を駆動波形提案システム50へ送信する。駆動波形提案システム50は、ACT28において、ウェブサーバー51により、シリアル番号の入力方法の情報を取得し、ACT29において、アプリケーションサーバー54により、シリアル番号の入力方法が、画面入力であるか、ファイルのアップロードであるかを判定する。
【0139】
シリアル番号の入力方法が画面入力である場合(ACT29において画面入力の場合)、駆動波形提案システム50は、ウェブサーバー51により、全インクジェットヘッド25のシリアル番号の入力処理のためのUI画面を作成する。以下では、全インクジェットヘッド25のシリアル番号の入力処理のためのUI画面を、全シリアル番号入力画面と略記する。次に、駆動波形提案システム50は、PC31に、全シリアル番号入力画面を提供し、全シリアル番号入力画面の表示を指示する。PC31は、駆動波形提案システム50から全シリアル番号入力画面の提供を受け、ACT30において、全シリアル番号入力画面を表示してユーザーにシリアル番号の入力処理を促す。
【0140】
図22に、全シリアル番号入力画面の一例を示す。全シリアル番号入力画面は、全インクジェットヘッド25のシリアル番号の入力処理を受け付けるインターフェースである。全シリアル番号入力画面は、「ヘッドS/N」入力欄と、「ヘッド種類」選択欄と、「追加」ボタンと、「入力」ボタンを有する。「ヘッドS/N」入力欄は、複数の入力欄を有する。各入力欄は、各インクジェットヘッド25のシリアル番号を入力するための欄である。「ヘッド種類」選択欄は、プルダウン機能により、インクジェットヘッド25の種類を選択可能となっている。「追加」ボタンは、デフォルトで表示される「ヘッドS/N」入力欄の入力欄の数が不足する場合に、「ヘッドS/N」入力欄の入力欄の数を増やすためのUIコントローラである。「入力」ボタンは、全シリアル番号入力画面の入力情報を駆動波形提案システム50へ送信するUIコントローラである。
【0141】
利用者は、「ヘッドS/N」入力欄にシリアル番号を入力し、「ヘッド種類」選択欄でヘッド種類を選択し、「入力」ボタンをクリックすることにより、全インクジェットヘッド25のシリアル番号の入力処理を行う。例えば、「ヘッドS/N」入力欄へのシリアル番号の入力は、全インクジェットヘッド25のシリアル番号を記したテキストファイル等からコピー&ペーストによって行う。
【0142】
利用者がシリアル番号の入力処理を行うと、PC31は、全シリアル番号入力画面の入力情報すなわちシリアル番号とヘッド種類の情報を駆動波形提案システム50へ送信する。駆動波形提案システム50は、ACT31において、ウェブサーバー51により、全インクジェットヘッド25のシリアル番号と、ヘッド種類の情報を取得する。その後、駆動波形提案システム50は、ACT35の全シリアル番号照合の処理へ進む。
【0143】
シリアル番号の入力方法がファイルのアップロードである場合(ACT29においてアップロードの場合)、駆動波形提案システム50は、ウェブサーバー51により、全インクジェットヘッド25のシリアル番号を記したファイルのアップロード処理のためのUI画面を作成する。以下では、ファイルのアップロード処理のためのUI画面を、アップロード画面と略記する。次に、駆動波形提案システム50は、PC31に、アップロード画面を提供し、アップロード画面の表示を指示する。PC31は、駆動波形提案システム50からアップロード画面の提供を受け、ACT32において、アップロード画面を表示してユーザーにファイルのアップロード処理を促す。例えば、シリアル番号を記したファイルは、テキストファイルである。シリアル番号を記したファイルは、その他、CSVファイル等であってもよい。
【0144】
図23に、アップロード画面の一例を示す。アップロード画面は、全インクジェットヘッド25のシリアル番号を記したファイルのアップロード処理を受け付けるインターフェースである。アップロード画面は、ファイル選択欄と、「アップロード」ボタンを有する。ファイル選択欄は、シリアル番号を記したファイルを入力または選択するためのUI要素である。例えば、ファイル選択欄は、ファイルのフルパスを入力可能である。また、ファイル選択欄は、右端のアイコンをクリックすることにより、選択するファイルのダイアログボックスを表示させ、ダイアログボックスによりファイルのフルパスを入力可能である。「アップロード」ボタンは、ファイル選択欄で指定されたファイルを駆動波形提案システム50へ送信するUIコントローラである。
【0145】
図24に、全インクジェットヘッド25のシリアル番号を記したファイルの一例を示す。同ファイルは、全インクジェットヘッド25のシリアル番号の一覧(「ヘッドS/N」)と、「ヘッド種類」を示すテキストを有する。シリアル番号の一覧は、各行が各インクジェットヘッド25のIDとシリアル番号を有する複数行のテキストで構成される。
【0146】
利用者は、アップロード画面において、全インクジェットヘッド25のシリアル番号を記したファイルのフルパスをファイル選択欄に入力し、「アップロード」ボタンをクリックすることにより、ファイルのアップロード処理を行う。
【0147】
利用者がファイルのアップロード処理を行うと、PC31は、アップロードファイルを駆動波形提案システム50へ送信する。駆動波形提案システム50は、ACT33において、ウェブサーバー51により、アップロードファイルを取得し、ACT33において、アプリケーションサーバー54により、全インクジェットヘッド25のシリアル番号と、ヘッド種類の情報を取得する。その後、駆動波形提案システム50は、ACT35の全シリアル番号照合の処理へ進む。
【0148】
駆動波形提案システム50は、ACT35において、認証サーバー52により、ACT31またはACT34において取得した全インクジェットヘッド25のシリアル番号をシリアル番号データベースに照会して、シリアル番号の照合処理を行い、ACT36において、照合結果をチェックする。
【0149】
ACT35とACT36における全インクジェットヘッド25に対する処理において、各シリアル番号の照合処理と各照合結果の認定処理は、ACT18とACT19における1台のインクジェットヘッド25に対するシリアル番号の照合処理と照合結果の認定処理と同じである。
【0150】
全シリアル番号の照合結果がNGの場合(ACT36においてNoの場合)には、駆動波形提案システム50は、PC31に、エラーメッセージの表示を指示する。PC31は、ACT37において、エラーメッセージを画面に表示し、利用者の確認を待つ。利用者がエラーメッセージを確認すると、PC31は、ACT24の処理に戻り、再び、ACT30において全シリアル番号入力画面を表示し、または、ACT32においてアップロード画面を表示し、ユーザーにファイルのアップロード処理を促す。
【0151】
全シリアル番号の照合結果がOKの場合(ACT36においてYesの場合)には、駆動波形提案システム50は、ウェブサーバー51により、駆動波形提案に必要なパラメータの入力処理のためのUI画面を作成する。駆動波形提案に必要なパラメータは、インクジェットヘッド25の使用条件とインク情報を含む。以下では、駆動波形提案に必要なパラメータの入力処理のためのUI画面を、波形提案画面と略記する。次に、駆動波形提案システム50は、PC31に、波形提案画面を提供し、PC31に、波形提案画面の表示を指示する。PC31は、ACT38において、波形提案画面を画面に表示して利用者にパラメータの入力を促す。
【0152】
図25に、波形提案画面の一例を示す。波形提案画面は、複数台のインクジェットヘッド25のすべてに共通に適用するインク情報と使用条件のパラメータの入力処理を受け付けるインターフェースである。図25に示す波形提案画面は、図20に示す波形提案画面からヘッド選択欄とALランク選択欄を省いたものとなっている。これは、複数台のインクジェットヘッド25に対する処理においては、ヘッド選択欄とALランク選択欄は必要ないからである。その理由は、以下の通りである。
【0153】
ヘッド選択欄が必要ない理由は、次の理由による。ヘッド種類の情報はACT31またはACT34において取得済みである。このため、ヘッド種類選択欄は必要ない。また、シリアル番号表示欄は、図20に示す波形提案画面についても同じことが言えるが、必ずしも必要なUI要素ではない。
【0154】
ALランクが必要ない理由は、次の理由による。複数台のインクジェットヘッド25に対する処理においては、インクジェットヘッド25のALランクは、波形提案画面において選択するのではなく、ALランクがシリアル番号に紐づいていることに基づいて、各インクジェットヘッド25のシリアル番号から各インクジェットヘッド25のALランクを確定するからである。
【0155】
言い換えれば、複数台のインクジェットヘッド25に対する処理は、各インクジェットヘッド25に対する毎回のヘッド種類の選択処理とALランクの選択処理を省く処理となっている。
【0156】
以下、利用者が波形提案画面に必要なパラメータすなわちインク情報と使用条件を入力し、「レジスタデータ作成」ボタンをクリックしたものとして説明する。利用者が「レジスタデータ作成」ボタンをクリックすると、PC31は、波形提案画面の入力パラメータと、駆動波形の設定値データの出力の指示を駆動波形提案システム50へ送信する。ACT39において、駆動波形提案システム50は、アプリケーションサーバー54により、入力パラメータすなわちインク情報と使用条件のチェック処理を行う。
【0157】
チェック結果がNGの場合(ACT39においてNGの場合)には、ウェブサーバー51により、エラーメッセージをメッセージ表示エリアに表示するように、波形提案画面を更新する。次に、駆動波形提案システム50は、PC31に、更新後の波形提案画面を提供し、更新後の波形提案画面の表示を指示する。PC31は、駆動波形提案システム50から更新後の波形提案画面の提供を受け、ACT38において、更新後の波形提案画面を画面に表示し、再度、利用者にパラメータの入力を促す。
【0158】
チェック結果がOKの場合(ACT39においてOKの場合)には、ACT40において、駆動波形提案システム50は、アプリケーションサーバー54により、インクの温度・粘度の計算処理を行う。
【0159】
次に、駆動波形提案システム50は、ACT41において、アプリケーションサーバー54により、波形提案画面から入力されたインク情報と使用条件を複数台のインクジェットヘッド25のすべてに共通に適用し、駆動波形推定アルゴリズムと専用データベースを使用し、インクジェットヘッド25の各々に好適な駆動波形、詳しくは、その駆動波形を生成するための波形パルスを導出する。
【0160】
続いて、駆動波形提案システム50は、ACT42において、アプリケーションサーバー54により、その波形パルスの設定値データを算出する。設定値データは、レジスタデータと駆動電圧を有する。レジスタデータは、波形パルスの各要素と各パルス値を含む。
【0161】
次に、駆動波形提案システム50は、ウェブサーバー51により、レジスタデータの出力方法の選択処理のためのUI画面を作成する。以下では、レジスタデータの出力方法の選択処理のためのUI画面を、レジスタ出力方法選択画面と略記する。次に、駆動波形提案システム50は、PC31に、レジスタ出力方法選択画面を提供し、レジスタ出力方法選択画面の表示を指示する。PC31は、駆動波形提案システム50からレジスタ出力方法選択画面の提供を受け、ACT43において、レジスタ出力方法選択画面を表示し、ユーザーにレジスタデータの出力方法の選択処理を促す。
【0162】
図26に、レジスタ出力方法選択画面の一例を示す。レジスタ出力方法選択画面は、レジスタデータの出力方法の選択処理を受け付けるインターフェースである。レジスタ出力方法選択画面は、「全ALレジスタデータ一覧出力」選択肢と「全ヘッドのレジスタデータ一括出力」選択肢と、「決定」ボタンを有する。「全ALレジスタデータ一覧出力」選択肢は、PC31の画面に、全ALランクのレジスタデータの一覧を表示させる選択肢である。全ALランクは、ヘッド種類に基づいて、インクジェットヘッド25が取り得るすべてのALランクを意味する。「全ヘッドのレジスタデータ一括出力」選択肢は、全インクジェットヘッド25の各々についてレジスタデータを記したファイルを出力させる選択肢である。それら複数のファイルの識別は、例えば、各ファイルの名前にシリアル番号とA面/B面のテキスト情報を入れるなどをして行う。これらの選択肢は、ラジオボタンまたはオプションボタンによって、いずれか一方が選択可能となっている。「決定」ボタンは、選択中の選択肢の情報を駆動波形提案システム50へ送信するUIコントローラである。
【0163】
利用者は、「全ALレジスタデータ一覧出力」選択肢と「全ヘッドのレジスタデータ一括出力」選択肢のいずれかを選択し、「決定」ボタンをクリックすることにより、レジスタデータの出力方法の選択処理を行う。
【0164】
利用者がレジスタデータの出力方法の選択処理を行うと、PC31は、レジスタ出力方法選択画面の選択情報すなわちレジスタデータの出力方法の情報を駆動波形提案システム50へ送信する。駆動波形提案システム50は、ACT44において、ウェブサーバー51により、レジスタデータの出力方法の情報を取得する。
【0165】
次に、駆動波形提案システム50は、ウェブサーバー51により、駆動電圧の出力方法の選択処理のためのUI画面を作成する。以下では、駆動電圧の出力方法の選択処理のためのUI画面を、駆動電圧出力方法選択画面と略記する。次に、駆動波形提案システム50は、PC31に、駆動電圧出力方法選択画面を提供し、駆動電圧出力方法選択画面の表示を指示する。PC31は、駆動波形提案システム50から駆動電圧出力方法選択画面の提供を受け、ACT45において、駆動電圧出力方法選択画面を表示し、ユーザーに駆動電圧の出力方法の選択処理を促す。
【0166】
図27に、駆動電圧出力方法選択画面の一例を示す。駆動電圧出力方法選択画面は、駆動電圧の出力方法の選択処理を受け付けるインターフェースである。駆動電圧出力方法選択画面は、「全ヘッドの駆動電圧一覧出力」選択肢と、「電圧換算式出力」選択肢と、「決定」ボタンを有する。「全ヘッドの駆動電圧一覧出力」選択肢は、PC31の画面に、全インクジェットヘッド25の駆動電圧の一覧を表示させる選択肢である。「電圧換算式出力」選択肢は、駆動電圧そのものに代えて、駆動電圧の電圧換算式を出力させる選択肢である。電圧換算式は、y=ax+bという一次式で表せる。ここで、yは、顧客インクの駆動電圧[V]、xは、駆動波形提案システム50によるサービスの提供元から顧客に提示する検査インクの駆動電圧[V]、aとbは、顧客が入力したインク情報に基づいて駆動波形提案システム50において計算した固有値である。これらの選択肢は、ラジオボタンまたはオプションボタンによって、いずれか一方が選択可能となっている。「決定」ボタンは、選択中の選択肢の情報を駆動波形提案システム50へ送信するUIコントローラである。
【0167】
利用者は、「電圧換算式出力」選択肢と「全ヘッドの駆動電圧一覧出力」選択肢のいずれかを選択し、「決定」ボタンをクリックすることにより、駆動電圧の出力方法の選択処理を行う。
【0168】
利用者が駆動電圧の出力方法の選択処理を行うと、PC31は、駆動電圧出力方法選択画面の選択情報すなわち駆動電圧の出力方法の情報を駆動波形提案システム50へ送信する。駆動波形提案システム50は、ACT46において、ウェブサーバー51により、駆動電圧の出力方法の情報を取得する。
【0169】
続いて、ACT47において、駆動波形提案システム50は、アプリケーションサーバー54により、レジスタデータの出力方法が「全ALレジスタデータ一覧出力」であるか、「全ヘッドのレジスタデータ一括出力」であるかを判定する。
【0170】
レジスタデータの出力方法が「全ALレジスタデータ一覧出力」である場合(ACT47において一覧の場合)、ACT48において、駆動波形提案システム50は、アプリケーションサーバー54により、駆動電圧の出力方法が「全ヘッドの駆動電圧一覧出力」であるか、「電圧換算式出力」であるかを判定する。
【0171】
駆動電圧の出力方法が「全ヘッドの駆動電圧一覧出力」である場合(ACT48において一覧の場合)、ACT49において、駆動波形提案システム50は、全ALランクのレジスタデータの一覧と、全インクジェットヘッド25の駆動電圧の一覧とを出力する。
【0172】
その出力は、例えば、次のようにして行う。駆動波形提案システム50は、ウェブサーバー51により、全ALランクのレジスタデータの一覧と、全インクジェットヘッド25の駆動電圧の一覧とを含むUI画面を作成し、PC31に、そのUI画面を提供し、そのUI画面の表示を指示する。PC31は、そのUI画面の提供を受け、そのUI画面を画面に表示する。
【0173】
図28に、全ALランクのレジスタデータの一覧の一例を示す。全ALランクのレジスタデータの一覧は、マトリクス形式で表され、全ALランクの各々について、レジスタの各要素に対する値が各列に記されている。
【0174】
図29に、全インクジェットヘッド25の駆動電圧の一覧の一例を示す。全インクジェットヘッド25の駆動電圧の一覧は、マトリクス形式で表され、全インクジェットヘッド25のID番号(No)1~10の各々について、インクジェットヘッド25のシリアル番号とA面についての駆動電圧とB面について駆動電圧が各行に記されている。また、マトリクスとは別に、ヘッド種類が記されている。
【0175】
駆動電圧の出力方法が「電圧換算式出力」である場合(ACT48において換算式の場合)、ACT50において、駆動波形提案システム50は、全ALランクのレジスタデータの一覧と、駆動電圧の電圧換算式とを出力する。
【0176】
その出力は、例えば、次のようにして行う。駆動波形提案システム50は、ウェブサーバー51により、全ALランクのレジスタデータの一覧と、駆動電圧の電圧換算式の表示を含むUI画面を作成し、PC31に、そのUI画面を提供し、そのUI画面の表示を指示する。PC31は、そのUI画面の提供を受け、そのUI画面を画面に表示する。駆動電圧の電圧換算式の出力は、例えば、アプリケーションサーバー54により、駆動電圧の電圧換算式を記したファイルを作成し、ウェブサーバー51により、そのファイルをPC31に送信してもよい。PC31は、そのファイルを受信し保存する。
【0177】
レジスタデータの出力方法が「全ヘッドのレジスタデータ一括出力」である場合(ACT47において一括の場合)、ACT51において、駆動波形提案システム50は、アプリケーションサーバー54により、駆動電圧の出力方法が「全ヘッドの駆動電圧一覧出力」であるか、「電圧換算式出力」であるかを判定する。
【0178】
駆動電圧の出力方法が「全ヘッドの駆動電圧一覧出力」である場合(ACT51において一覧の場合)、駆動波形提案システム50は、全インクジェットヘッド25の各々についてレジスタデータを記したファイルと、全インクジェットヘッド25の駆動電圧の一覧とを出力する。
【0179】
その出力は、例えば、次のようにして行う。「全ヘッドのレジスタデータ一括出力」については、駆動波形提案システム50は、アプリケーションサーバー54により、全インクジェットヘッド25の各々についてレジスタデータを記したファイルを作成し、ウェブサーバー51により、それらのファイルをPC31へ送信する。PC31は、それらのファイルを受信し保存する。「全ヘッドの駆動電圧一覧出力」については、駆動波形提案システム50は、ウェブサーバー51により、全インクジェットヘッド25の駆動電圧の一覧を含むUI画面を作成し、PC31に、そのUI画面を提供し、そのUI画面の表示を指示する。PC31は、そのUI画面の提供を受け、そのUI画面を画面に表示する。
【0180】
駆動電圧の出力方法が「電圧換算式出力」である場合(ACT51において換算式の場合)、駆動波形提案システム50は、全インクジェットヘッド25の各々についてレジスタデータを記したファイルと、駆動電圧の電圧換算式とを出力する。
【0181】
その出力は、例えば、次のようにして行う。「全ヘッドのレジスタデータ一括出力」については、駆動波形提案システム50は、アプリケーションサーバー54により、全インクジェットヘッド25の各々についてレジスタデータを記したファイルを作成し、ウェブサーバー51により、それらのファイルをPC31へ送信する。PC31は、それらのファイルを受信し保存する。「電圧換算式出力」については、駆動波形提案システム50は、ウェブサーバー51により、駆動電圧の電圧換算式の表示を含むUI画面を作成し、PC31に、そのUI画面を提供し、そのUI画面の表示を指示する。PC31は、そのUI画面の提供を受け、そのUI画面を画面に表示する。駆動電圧の電圧換算式の出力は、例えば、アプリケーションサーバー54により、駆動電圧の電圧換算式を記したファイルを作成し、ウェブサーバー51により、そのファイルをPC31に送信してもよい。PC31は、そのファイルを受信し保存する。
【0182】
以上により、設定値データの出力を望むインクジェットヘッド25の台数が複数台である場合における処理が終了する。
【0183】
(変形例)
駆動波形提案システム50は、複数のインク情報を含むインク情報群または複数の使用条件を含む使用条件群またはそれら両方を予め記憶しており、インク情報群の中のいずれかひとつのインク情報または使用条件群の中のいずれかひとつの使用条件またはそれら両方の選択を受け付ける選択画面を提供し、その選択画面を介して複数台のインクジェットヘッド25に共通に適用するインク情報または使用条件またはそれら両方を取得してもよい。以下、その一例について説明する。
【0184】
駆動波形提案システム50が予め記憶しておくインク情報群と使用条件群は、駆動波形の設定値データの出力の利用前に、利用者がPC31を介して駆動波形提案システム50に予め入力する。駆動波形提案システム50は、入力されたインク情報群と使用条件群をデータベース57に記憶する。
【0185】
利用者がインク情報群の事前入力の指示をPC31に入力すると、PC31は、インク情報群の事前入力のリクエストを駆動波形提案システム50へ送信する。駆動波形提案システム50は、ウェブサーバー51により、インク情報群の事前入力処理のためのUI画面を作成する。以下では、インク情報群の事前入力処理のためのUI画面を、インク情報事前入力画面と略記する。次に、駆動波形提案システム50は、PC31に、インク情報事前入力画面を提供し、インク情報事前入力画面の表示を指示する。PC31は、駆動波形提案システム50からインク情報事前入力画面の提供を受け、インク情報事前入力画面を表示してユーザーにインク情報群の事前入力処理を促す。
【0186】
図30に、インク情報事前入力画面の一例を示す。インク情報事前入力画面は、インク情報の事前入力処理を受け付けるインターフェースである。インク情報事前入力画面は、インク名入力欄と、インク選択欄と、インク温度・粘度入力欄と、「保存」ボタンを含む。インク名入力欄は、各インク情報を識別するためのインク名を入力するための欄である。インク選択欄とインク温度・粘度入力欄は、図20に示す波形提案画面におけるインク選択欄とインク温度・粘度入力欄と同様である。「保存」ボタンは、インク選択欄の選択内容とインク温度・粘度入力欄の選択内容をインク名と関連付けて駆動波形提案システム50へ送信するUIコントローラである。
【0187】
利用者は、インク名入力欄にインク名を入力し、インク選択欄において、適宜、所望のパラメータを選択および入力し、インク温度・粘度入力欄において、適宜、所望のパラメータを選択および入力し、「保存」ボタンをクリックすることにより、インク情報の事前入力処理を行う。
【0188】
利用者がインク情報の事前入力処理を行うと、PC31は、インク情報事前入力画面の入力パラメータを駆動波形提案システム50へ送信する。駆動波形提案システム50は、ウェブサーバー51により、インク情報事前入力画面の入力パラメータを取得し、データベース57に保存する。
【0189】
利用者は、インク名入力欄に入力するインク名を変えて、所望のパラメータの選択および入力と、保存を行うことにより、複数のインク情報すなわちインク情報群を駆動波形提案システム50に保存することができる。
【0190】
利用者が使用条件群の事前入力の指示をPC31に入力すると、PC31は、使用条件群の事前入力のリクエストを駆動波形提案システム50へ送信する。駆動波形提案システム50は、ウェブサーバー51により、使用条件群の事前入力処理のためのUI画面を作成する。以下では、使用条件群の事前入力処理のためのUI画面を、使用条件事前入力画面と略記する。次に、駆動波形提案システム50は、PC31に、使用条件事前入力画面を提供し、使用条件事前入力画面の表示を指示する。PC31は、駆動波形提案システム50から使用条件事前入力画面の提供を受け、使用条件事前入力画面を表示してユーザーに使用条件群の事前入力処理を促す。
【0191】
図31に、使用条件事前入力画面の一例を示す。使用条件事前入力画面は、使用条件の事前入力処理を受け付けるインターフェースである。使用条件事前入力画面は、使用条件名入力欄と、使用条件選択欄と、「保存」ボタンを含む。使用条件名入力欄は、各使用条件を識別するための使用条件名を入力するための欄である。使用条件選択欄は、図20に示す波形提案画面における使用条件選択欄と同様である。「保存」ボタンは、使用条件選択欄の選択内容を使用条件名と関連付けて駆動波形提案システム50へ送信するUIコントローラである。
【0192】
利用者は、使用条件名入力欄に使用条件名を入力し、使用条件選択欄において、適宜、所望のパラメータを選択および入力し、「保存」ボタンをクリックすることにより、使用条件の事前入力処理を行う。
【0193】
利用者が使用条件の事前入力処理を行うと、PC31は、使用条件事前入力画面の入力パラメータを駆動波形提案システム50へ送信する。駆動波形提案システム50は、ウェブサーバー51により、使用条件事前入力画面の入力パラメータを取得し、データベース57に保存する。
【0194】
利用者は、使用条件名入力欄に入力する使用条件名を変えて、所望のパラメータの選択および入力と、保存を行うことにより、複数の使用条件すなわち使用条件群を駆動波形提案システム50に保存することができる。
【0195】
図32に、本変形例を実施形態に適用した場合において、ACT38においてPC31の画面に表示される本変形例に係る波形提案画面の一例を示す。波形提案画面は、複数台のインクジェットヘッド25のすべてに共通に適用するインク情報と使用条件のパラメータの入力処理を受け付けるインターフェースである。図32に示す波形提案画面は、図25に示す波形提案画面に、インク名選択欄と使用条件名選択欄を追加したものとなっている。
【0196】
インク名選択欄は、プルダウン機能により、複数のインク名の中からいずれかひとつのインク名を選択可能となっている。
【0197】
利用者は、インク名選択欄の右端の展開アイコンをクリックして、図33に示すように、複数のインク名のリストを表示させ、リスト中のひとつのインク名(例えばインク名A)をクリックしてインク名を選択する。各インク名には、それに対応するインク情報が関連付けられている。
【0198】
すなわち、利用者は、インク選択欄とインク温度・粘度入力欄を使用してインク情報を入力する代わりに、インク名選択欄においてインク名を選択することにより、インク情報を入力することができる。インク名選択欄を使用するインク情報の入力は、インク名を選択するだけであるので、利用者は、迷い少なく、簡単にインク情報の入力を行える。
【0199】
使用条件名選択欄は、プルダウン機能により、複数の使用条件名の中からいずれかひとつの使用条件名を選択可能となっている。
【0200】
利用者は、使用条件名選択欄の右端の展開アイコンをクリックして、図34に示すように、複数の使用条件名のリストを表示させ、リスト中のひとつの使用条件名(例えば使用条件名A)をクリックして使用条件名を選択する。各使用条件名には、それに対応する使用条件情報が関連付けられている。
【0201】
すなわち、利用者は、使用条件選択欄を使用して使用条件情報を入力する代わりに、使用条件名選択欄において使用条件名を選択することにより、使用条件情報を入力することができる。使用条件名選択欄を使用する使用条件情報の入力は、使用条件名を選択するだけであるので、利用者は、迷い少なく、簡単に使用条件情報の入力を行える。
【0202】
(効果)
実施形態に係る駆動波形提案システム50は、インク情報、使用条件等のパラメータを外部端末30からクラウドを介して受け取り、インクジェットヘッド25に適した駆動波形を生成するための設定値データを算出し、クラウドを介して外部端末30に出力する。このため、外部端末30の利用者は、吐出観測を行う必要なく、設定値データの出力を受けることができる。これにより、吐出評価を行う必要が無くなり、評価費用を削減することができる。
【0203】
また、設定値データの出力を望むインクジェットヘッド25の台数が複数台である場合には、駆動波形提案システム50は、複数台のインクジェットヘッド25のすべてに共通に適用するインク情報と使用条件を受け取り、そのインク情報と使用条件を使用して複数台のインクジェットヘッド25のすべての設定値データを算出して出力する。これにより、利用者は、インクジェットヘッド25の1台毎にインク情報と使用条件の入力処理を行う必要がない。つまり、複数台のインクジェットヘッド25に対して、インク情報と使用条件の入力処理はただ1回で済むため、入力処理の手間が大幅に省ける。
【0204】
さらに、駆動波形提案システム50は、複数のインク情報と複数の使用条件の選択画面を提示し、その選択画面を介して複数台のインクジェットヘッド25のすべてに共通に適用するインク情報と使用条件を取得することも可能である。これにより、利用者は、インク情報と使用条件の入力処理を簡単に行うことができるようになる。
【0205】
従って、実施形態に係る駆動波形提案システム50は、利用者が要する手間と時間を少なく抑えて、インクジェットヘッド25に適した駆動波形データを出力することが可能である。
【0206】
(その他)
実施形態に係る駆動波形提案システムが実行するプログラムは、電子機器に記憶された状態で譲渡されてよいし、電子機器に記憶されていない状態で譲渡されてもよい。後者の場合は、プログラムは、ネットワークを介して譲渡されてよいし、記憶媒体に記憶された状態で譲渡されてもよい。記憶媒体は、非一時的な有形の媒体である。記憶媒体は、コンピュータ可読媒体である。記憶媒体は、CD-ROM、メモリカード等のプログラムを記憶可能かつコンピュータで読取可能な媒体であればよく、その形態は問わない。
【0207】
本発明の実施形態を説明したが、実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0208】
10…液体吐出装置、11…制御部、12…プロセッサ、13…メモリ、14…ディスプレイ、15…操作部、16…通信インターフェース、21…搬送モータ、22…モータ駆動回路、23…ポンプ、24…ポンプ駆動回路、25…インクジェットヘッド、26…ヘッドコントローラ、27…システムバス、28…電源回路、30…外部端末、31…PC、32…制御サーバー、50…駆動波形提案システム、51…ウェブサーバー、52…認証サーバー、53…ファイアウォール、54…アプリケーションサーバー、55…ウェブAPIサーバー、56…データベースサーバー、57…データベース、60…コンピュータ、61…プロセッサ、62…ROM、63…RAM、64…補助記憶装置、65…入力装置、66…出力装置、67…通信装置、68…バス、251…ICドライバ、252…駆動信号生成回路、253…駆動波形生成回路、254…アナログスイッチ回路、255…データ処理回路、256…アクチュエータ群、261…バスブリッジ、262…設定値データバッファー、263…印字データバッファー、264…制御信号生成部、265…駆動制御部、266…設定値データ転送部、267…印字データ転送部、268…制御信号転送部、2511…ICドライバ、2521…アナログスイッチ回路、2551…データ処理回路、2621…設定値データバッファー、2651…駆動制御部、2661…駆動波形生成回路。
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