(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2025156961
(43)【公開日】2025-10-15
(54)【発明の名称】遊技機
(51)【国際特許分類】
A63F 7/02 20060101AFI20251007BHJP
【FI】
A63F7/02 320
【審査請求】有
【請求項の数】3
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2024059745
(22)【出願日】2024-04-02
(71)【出願人】
【識別番号】391010943
【氏名又は名称】株式会社藤商事
(74)【代理人】
【識別番号】110003410
【氏名又は名称】弁理士法人テクノピア国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】今山 武成
【テーマコード(参考)】
2C333
【Fターム(参考)】
2C333AA11
2C333CA29
2C333CA49
2C333CA50
2C333CA77
(57)【要約】
【課題】演出効果を向上する。
【解決手段】遊技機は、遊技者に有利な特別遊技を行うか否かを判定する判定手段と、判定手段の判定結果に基づいて演出を実行する演出実行手段と、を備える。演出実行手段は、判定結果を示唆する予告演出を実行可能である。予告演出は、第1予告演出及び第2予告演出を含む。第1予告演出は、第1色態様、第1色態様より特別遊技が行われる期待度の高い第2色態様、又は、第2色態様より期待度の高い第3色態様により実行可能である。第2予告演出は、複数シーンによりストーリーが展開される演出であって、第3色態様により実行可能であり、他の色態様では実行されない。第2予告演出は、第1予告演出より実行されたときの期待度が高い。
【選択図】
図47
【特許請求の範囲】
【請求項1】
遊技者に有利な特別遊技を行うか否かを判定する判定手段と、
前記判定手段の判定結果に基づいて演出を実行する演出実行手段と、
を備え、
前記演出実行手段は、前記判定結果を示唆する予告演出を実行可能であり、
前記予告演出は、第1予告演出及び第2予告演出を含み、
前記第1予告演出は、第1色態様、前記第1色態様より前記特別遊技が行われる期待度の高い第2色態様、又は、前記第2色態様より期待度の高い第3色態様により実行可能であり、
前記第2予告演出は、複数シーンによりストーリーが展開される演出であって、前記第3色態様により実行可能であり、他の色態様では実行されず、
前記第2予告演出は、前記第1予告演出より実行されたときの期待度が高い
遊技機。
【請求項2】
前記演出実行手段は、前記特別遊技が行われる場合、前記第3色態様による前記第1予告演出よりも高い割合で前記第2予告演出を実行する
請求項1に記載の遊技機。
【請求項3】
遊技者に有利な特別遊技を行うか否かを判定する判定手段と、
前記判定手段の判定結果に基づいて演出を実行する演出実行手段と、
を備え、
前記演出実行手段は、前記判定結果を示唆する予告演出を実行可能であり、
前記予告演出は、第1予告演出及び第2予告演出を含み、
前記第1予告演出は、前記特別遊技が行われる期待度が異なる複数の色態様のいずれかにより実行され、
記第2予告演出は、複数シーンによりストーリーが展開される演出であって、前記第1予告演出で用いられる色態様のうち相対的に期待度が高い色態様で実行され、他の色態様では実行されず、
前記第2予告演出は、前記第1予告演出より実行されたときの期待度が高い
遊技機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は遊技機に係るものである。
【背景技術】
【0002】
遊技機では、始動口へ遊技球が入球したことに基づいて大当りの当否抽選を行い、その抽選結果に基づいた様々な予告演出を行うことにより、遊技者に対して抽選結果を示唆又は報知し、大当りの当選期待感を与えるようになされている(例えば、特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
遊技機においては、抽選結果を示唆又は報知する予告演出を行う際に、さらなる演出効果の向上が求められている。
【0005】
そこで、本発明では、演出効果を向上することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明に係る遊技機は、遊技者に有利な特別遊技を行うか否かを判定する判定手段と、前記判定手段の判定結果に基づいて演出を実行する演出実行手段と、を備え、前記演出実行手段は、前記判定結果を示唆する予告演出を実行可能であり、前記予告演出は、第1予告演出及び第2予告演出を含み、前記第1予告演出は、第1色態様、前記第1色態様より前記特別遊技が行われる期待度の高い第2色態様、又は、前記第2色態様より期待度の高い第3色態様により実行可能であり、前記第2予告演出は、複数シーンによりストーリーが展開される演出であって、前記第3色態様により実行可能であり、他の色態様では実行されず、前記第2予告演出は、前記第1予告演出より実行されたときの期待度が高い。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、演出効果を向上することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図2】遊技機において前枠を開放したときの斜視図である。
【
図5】メイン表示器及び第4図柄表示器を説明する図である。
【
図9】主制御側メイン処理を示したフローチャートである。
【
図10】主制御側タイマ割込み処理を示したフローチャートである。
【
図11】特別図柄管理処理を示したフローチャートである。
【
図12】変動開始時の処理である特別図柄変動開始処理を示したフローチャートである。
【
図13】大当り乱数判定処理を示したフローチャートである。
【
図14】大当り判定テーブルの一例を示した図である。
【
図15】特別停止図柄作成処理を示したフローチャートである。
【
図17】変動パターン作成処理を示したフローチャートである。
【
図18】ハズレ変動パターン抽選テーブルの一例を示した図である。
【
図19】大当り変動パターン抽選テーブルの一例を示した図である。
【
図20】枠制御側メイン処理を示したフローチャートである。
【
図21】枠制御側タイマ割込み処理を示したフローチャートである。
【
図22】演出制御側メイン処理を示したフローチャートである。
【
図23】演出制御側タイマ割込み処理を示したフローチャートである。
【
図24】様々な変動パターンでの装飾図柄の変動表示を説明する図である。
【
図25】、変動パターンが「通常13s」である場合の装飾図柄の変動表示を示した図である。
【
図26】変動パターンが「リーチ変動」である場合の装飾図柄の変動表示を示した図である。
【
図27】演出最適区間で行われる予告演出のタイムチャートを示した図である。
【
図28】演出最適区間で行われる予告演出のタイムチャートを示した図である。
【
図29】チャンスアップ演出の一例を示した図である。
【
図30】第1ステップアップ演出の一例を示した図である。
【
図31】第2ステップアップ演出の一例を示した図である。
【
図35】第1背景変更演出の一例を示した図である。
【
図36】第2背景変更演出の一例を示した図である。
【
図38】チャンスアップ演出決定テーブルを示した図である。
【
図39】第1ステップアップ演出決定テーブルを示した図である。
【
図40】第2ステップアップ演出決定テーブルを示した図である。
【
図41】第1ボタン演出決定テーブルを示した図である。
【
図42】第2ボタン演出決定テーブルを示した図である。
【
図43】背景変更演出決定テーブルを示した図である。
【
図44】変形例のチャンスアップ演出を示した図である。
【
図45】変形例のチャンスアップ演出を示した図である。
【
図46】特別演出が実行されないSP演出を示した図である。
【
図47】特別演出が実行されるSP演出を示した図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、添付図面を参照し、本発明に係る実施形態を次の順序で説明する。
<1.遊技機の構造>
<2.遊技機の制御構成>
[2.1 主制御基板]
[2.2 枠制御基板]
[2.3 電源基板]
[2.4 演出制御基板]
<3.動作の概要説明>
[3.1 遊技状態]
[3.2 特別図柄変動表示ゲーム]
[3.3 大当り遊技]
[3.4 普通図柄変動表示ゲーム]
[3.5 演出の一例]
<4.主制御基板の処理>
[4.1 主制御側メイン処理]
[4.2 主制御側タイマ割込み処理]
<5.枠制御基板の処理>
[5.1 枠制御側メイン処理]
[5.2 枠制御側タイマ割込み処理]
<6.演出制御基板の処理>
[6.1 演出制御側メイン処理]
[6.2 演出制御側タイマ割込み処理]
<7.予告演出>
<8.特別演出>
<9.構成例>
【0010】
<1.遊技機の構造>
図1及び
図2を参照して、本発明に係る実施形態としての遊技機1の全体構造について説明する。
図1は、本発明に係る実施形態の遊技機1の外観を示す斜視図であり、
図2は、実施形態の遊技機1において前枠7を開放したときの斜視図である。
なお、以下では、遊技機1に正対した遊技者から見て右方向を遊技機1の右方向とし、遊技機1に正対した遊技者から見て左方向を遊技機1の左方向とする。また、鉛直上方向を遊技機1の上方向とし、鉛直下方向を遊技機1の下方向とする。また、遊技機1から正対した遊技者に向かう方向を遊技機1の前方向し、正対した遊技者から遊技機1に向かう方向を遊技機1の後方向とする。そして、遊技機1の左右方向は、遊技機1の幅方向と同じことを意味する。
【0011】
遊技機1は、内部に封入された遊技球を循環させて遊技に利用する所謂スマートパチンコ機である。
【0012】
図1及び
図2に示すように、遊技機1は、木製の外枠3と、外枠3にヒンジ機構4によって開閉可能に取り付けられた内枠5と、内枠5にヒンジ機構4によって開閉可能に取り付けられた前枠7とを備える。ヒンジ機構4は、遊技機1の左上端及び左下端に設けられている。内枠5は、額縁状に形成され、内部に遊技盤9が保持される。
【0013】
前枠7は、中央に透明ガラス11が保持されているとともに、透明ガラス11の周囲の全部又は一部を囲むようにサイドユニット13が設けられている。
サイドユニット13は、遊技機1のテーマに合わせた装飾形状とされるとともに、内部にLEDや可動体役物等の演出手段が設けられることもあり、遊技者に遊技の雰囲気を伝える演出効果を発揮する。サイドユニット13は、前枠7に対して交換可能に取り付けられる。
【0014】
前枠7の右端には扉ロック解除用のキーシリンダ15が設けられており、このキーシリンダ15にキーを差し込んで一方側に操作すれば内枠5に対する前枠7のロック状態が解除されて前枠7を前側に開放でき、また、他方側に操作すれば外枠3に対する内枠5のロック状態が解除されて内枠5を前側に開放できる。
【0015】
前枠7の下側には、操作パネル17が配置されている。操作パネル17の右側には、発射装置31から遊技球を発射させるためのハンドル装置19が設けられている。
ハンドル装置19の下方には、遊技者の手首を乗せるためのサポート台20が設けられている。
【0016】
操作パネル17の左側には、遊技球数表示器21及び計数スイッチ23が設けられている。遊技球数表示器21は、6桁の7セグメントLEDによって構成されており、遊技機1が管理する遊技球数(遊技者が保有する遊技球数:以下、管理遊技球数と表記する)を表示する。計数スイッチ23は、管理遊技球数を、遊技球等貸出装置の遊技価値媒体(カード)に移行させる操作入力を遊技者から受け付ける。
【0017】
また、操作パネル17には、遊技者が操作可能に構成された操作ボタン25が設けられている。操作ボタン25は、演出ボタン25a、方向キー25b、輝度変更ボタン25c及び音量変更ボタン25dを含んで構成されている。
演出ボタン25aは、所定の入力受付期間中に操作可能(入力受付可能)となり、所定の操作(押下、連打、長押し等)をすることにより演出に変化をもたらすことが可能となっている。また、演出ボタン25aは、方向キー25bによって選択された項目の決定を指示するための操作子でもある。
方向キー25bは、遊技者やホールスタッフ等の使用者が各種の項目の選択や方向指示等を行うための操作子である。
輝度変更ボタン25cは、さまざまな点灯態様や発光色に制御される演出用LED27の輝度を調整するための操作子であり、演出用LED27の輝度を上げるプラスボタンと、演出用LED27の輝度を下げるマイナスボタンとを含んで構成されている。
音量変更ボタン25dは、スピーカ29から出力される音の音量を調整するための操作子であり、音量を上げるプラスボタンと、音量を下げるマイナスボタンとを含んで構成されている。
【0018】
操作パネル17の下方には、演出パネル26が設けられている。演出パネル26の内部には複数の演出用LED27が設けられており、これらの演出用LED27が点灯制御されることにより演出パネル26が全体として様々な点灯態様や発光色で点灯表示する。
【0019】
演出用LED27は、演出制御基板120によって点灯制御され、演出パネル26内以外にも様々な箇所に設けられている。例えば、演出用LED27は、遊技機1の周囲、例えば前枠7の周縁、サイドユニット13内、遊技盤9内等に設けられている。
【0020】
また、遊技機1の周囲、例えば前枠7の周縁には、音を出力する複数のスピーカ29が設けられている。
複数のスピーカ29により、演出に関する音などについて、いわゆるステレオ音響再生や、より多チャネルの音響再生を行うことができるようにされている。
【0021】
内枠5には、遊技盤9の下側に発射装置31及び揚上装置33を含む循環機構30が設けられている。循環機構30は、遊技機1内で遊技球を循環させる。発射装置31は、遊技者によるハンドル装置19のハンドル19aに対する操作量(回転角度)に応じた強度で遊技球を遊技領域37に向けて発射させる。揚上装置33は、遊技領域37から排出された遊技球を発射装置31に搬送する。
なお、揚上装置33には、遊技球を揚上させている間に遊技球を研磨する研磨装置が組み込まれている。
【0022】
次に、
図3及び
図4を参照して、遊技盤9の構成について説明する。
図3は、遊技盤9の正面図である。
図4は、
図3におけるA-A断面の断面斜視図である。
【0023】
図3及び
図4に示すように、遊技盤9には、発射された遊技球を案内する外レール35及び内レール36が設けられている。外レール35は、左右方向のやや左下端から円弧状に延び左右方向中央上端を通り過ぎて右上部まで延びている。そして、外レール35に取り囲まれた略円形状の領域が遊技領域37、略円形状の領域の外側が非遊技領域として形成される。
遊技領域37は、遊技盤9と透明ガラス11との間に形成される空間であって、遊技球が流下可能な領域である。
【0024】
内レール36は、外レール35に沿って左右方向のやや左下端から円弧状に左上部まで延びている。外レール35及び内レール36に挟まれた領域が遊技球案内経路35aとして形成される。遊技球案内経路35aは、発射装置31から発射された遊技球が通る経路であり、発射装置31から発射された遊技球を遊技領域37に導く。
【0025】
遊技領域37は、中央に設けられたセンター飾り39によって左右それぞれの左遊技領域37a及び右遊技領域37bに分割されている。センター飾り39には、左遊技領域37a及び右遊技領域37bを分割するために最も上方向に突き出したセンター頂点39aが形成されている。なお、センター頂点39aは、左右方向における中央でなく、中央から右又は左にずれた位置に形成されていてもよい。
発射装置31によりセンター頂点39aを超えない所定の発射強度未満で発射された遊技球は左遊技領域37aを流下し、センター頂点39aを超える所定の発射強度以上で発射された遊技球は右遊技領域37bを流下することになる。
【0026】
遊技領域37には、外レール35の右上端に連続するように衝止部38が設けられている。衝止部38は、外レール35に沿った位置に配置されることで、発射装置31により所定の発射強度以上で発射された遊技球を衝突させて右遊技領域37bに導く。
【0027】
また、内レール36の左上端には、逆流防止部材40が設けられている。逆流防止部材40は、遊技球案内経路35aを塞ぐように不図示のバネにより反時計回りに付勢されているとともに、遊技球案内経路35aから遊技領域37に進入する遊技球によって内レール36の左上端を支点として時計回りに回転可能となっている。これにより、逆流防止部材40は、遊技領域37に一度進入した遊技球が遊技球案内経路35aに逆流することを防止する。
【0028】
遊技盤9の中央下側には、特別図柄1始動口41が設けられている。特別図柄1始動口41は、メイン表示器63における第1の特別図柄(以下、特別図柄1と表記し、また、特
図1と省略して表記することもある)の変動表示動作の始動条件に係る入賞口であり、固定始動口として構成されている。
【0029】
遊技盤9の右側には、特別図柄2始動口43が設けられている。特別図柄2始動口43は、メイン表示器63における第2の特別図柄(以下、特別図柄2と表記し、また、特
図2と省略して表記することもある)の変動表示動作の始動条件に係る入賞口であり、普通電動役物45によって開閉制御がなされる可変始動口として構成されている。
【0030】
普通電動役物45は、可動片45aを動作させることにより、特別図柄2始動口43への遊技球の入球を可能とする開状態と、特別図柄2始動口43への遊技球の入球を困難又は不可能にする閉状態とが切り換えられる。
【0031】
右遊技領域37bにおける特別図柄2始動口43の上方には、遊技球が通過可能な普通図柄始動口47が設けられている。この普通図柄始動口47は、メイン表示器63における普通図柄の変動表示動作に係るゲートである。
【0032】
右遊技領域37bにおける特別図柄2始動口43よりも下方には、大入賞口49が設けられている。大入賞口49は、特別電動役物51によって開閉制御がなされる。なお、大入賞口49は、特別図柄2始動口43よりも上方に設けられていてもよい。
特別電動役物51は、可動片51aを動作させることにより、大入賞口49への遊技球の入球を可能とする開状態と、大入賞口49への遊技球の入球を困難又は不可能にする閉状態とに切り換えられる。
【0033】
また、遊技領域37における左右下側には、入賞口53が複数設けられている。また、遊技領域37の中央下側には、アウト口55が設けられており、いずれの入賞口にも入球しなかった遊技球がアウト口55を介して遊技領域37から排出される。
【0034】
なお、特別図柄1始動口41は、左遊技領域37aを流下してきた遊技球のみが入球可能となっているが、右遊技領域37bを流下してきた遊技球が入球可能であってもよい。
また、特別図柄2始動口43、普通図柄始動口47及び大入賞口49は、右遊技領域37bを流下してきた遊技球のみが入球又は通過可能であるが、左遊技領域37aを流下してきた遊技球が入球又は通過可能であってもよい。
【0035】
遊技機1では、遊技領域37に設けられた各種入賞口に遊技球が入球した場合、遊技球が入球した入賞口に設定された賞球数(例えば、特別図柄1始動口41は3個、特別図柄2始動口43は1個、大入賞口49は15個、入賞口53は5個)が払い出されるようになっている。
【0036】
また、遊技盤9の中央においてセンター飾り39で囲まれた領域には、LCDユニット(液晶表示装置)57及びイルミネーションパネル59が設けられている。LCDユニット57は、後述する演出制御基板120の制御に応じて、例えば3つの装飾図柄201a~201c(
図8参照)を変動表示及び停止表示したり、様々な演出用の画像(静止画像及び動画像)を表示したりする。
装飾図柄201は、異なる数字や記号などを含む複数種類が設けられており、停止表示した3つの装飾図柄201a~201cの組み合わせによって、後述する大当り抽選の結果を遊技者に報知する。
【0037】
イルミネーションパネル59は、板状の透明な合成樹脂材でなり、LCDユニット57よりも遊技者側(前方側)にLCDユニット57に対向して配置されている。イルミネーションパネル59は、前面もしくは後面に文字、図形、記号、図柄などの所定の絵柄が凹凸加工により形成されている。イルミネーションパネル59は、側面から光が入射されていないときには絵柄が視認不能又は視認困難であり、側面から光が入射されると絵柄部分で拡散発光して絵柄が遊技者に視認可能となる。
【0038】
LCDユニット57及びイルミネーションパネル59の間には空間が形成されており、この空間内に1又は複数の可動体役物61が配置されている。
図3及び
図4には、複数の可動体役物61の1つを図示している。
可動体役物61は、LCDユニット57よりも前方に配置され、
図3において破線で示すように、通常では遊技者が視認できない位置等に退避されている。
そして、可動体役物61は、
図3において実線で示すように、装飾図柄201の変動表示中(特別図柄1、2の変動表示中)等に可動体モータ61a(
図7参照)に駆動され、LCDユニット57の前面に移動してくることで遊技者に大当りの期待感を付与する。
【0039】
遊技盤9の左下部の非遊技領域には、ドット表示器でなるメイン表示器63が設けられている。また、遊技盤9においてLCDユニット57の右下部には、ドット表示器でなる第4図柄表示器65が設けられている。
【0040】
図5は、メイン表示器63及び第4図柄表示器65を説明する図である。メイン表示器63は、主制御基板100によって制御され、遊技の進行に関する情報をLEDの点灯、点滅、消灯によって表示(報知)する。なお、以下では、LEDが点灯、点滅、消灯することをまとめて点灯表示と表記する。
図5(a)に示すように、メイン表示器63は、特別図柄1の変動表示動作(点灯表示)が行われる特別図柄1表示器63a、特別図柄2の変動表示動作が行われる特別図柄2表示器63b、普通図柄の変動表示動作が行われる普通図柄表示器63cが設けられている。また、メイン表示器63は、特別図柄1の保留球数を表示する特別図柄1保留球数表示器63d、特別図柄2の保留球数を表示する特別図柄2保留球数表示器63e、普通図柄の保留球数を表示する普通図柄保留球数表示器63f、大当りに係る規定ラウンド数(最大ラウンド数)を表示するラウンド表示器63g、遊技状態(時短状態、高確率状態)を表示する遊技状態表示器63h、右打ちを遊技者に促す右打ち表示器63iが設けられている。
なお、右打ちとは、右遊技領域37bに向けて遊技球を発射させるように遊技者がハンドル19aを遊技操作することである。右打ち表示器63iは、右遊技領域37bに向けて遊技球を発射させた方が、左遊技領域37aに向けて遊技球を発射させた場合より遊技者にとって有利であることを報知するための表示器である。
【0041】
第4図柄表示器65は、演出制御基板120によって制御され、遊技の進行に関する情報をLEDの点灯表示によって報知する。
図5(b)に示すように、第4図柄表示器65は、特別図柄1の変動表示動作が行われる特別図柄1表示器65a、特別図柄2の変動表示動作が行われる特別図柄2表示器65bが設けられている。また、第4図柄表示器65は、特別図柄1の保留球数を表示する特別図柄1保留球数表示器65c、特別図柄2の保留球数を表示する特別図柄2保留球数表示器65d、右打ちを遊技者に促す右打ち表示器65eが設けられている。
【0042】
<2.遊技機の制御構成>
図6及び
図7は、遊技機1の制御構成を示すブロック図である。
図6及び
図7のブロック図を参照して、遊技機1の制御構成について説明する。
本実施形態の遊技機1は、主に遊技の進行に係る制御(遊技動作制御)を統括的に司る主制御基板100と、遊技球数(賞球)の管理に係る制御及び遊技球の管理(発射、循環)に係る制御を統括的に司る枠制御基板110と、主制御基板100から演出制御コマンドを受けて演出手段による演出の実行制御を統括的に司る演出制御基板120と、外部電源から遊技機1に必要な電源電圧を生成し供給する電源基板130と、遊技球等貸出装置と接続される遊技球等貸出装置接続端子板140と、演出手段に係る部品が設けられたり接続されたりする装飾中継基板150、前枠中継基板160、上部装飾基板170、装飾基板180とを含んで構成されている。
【0043】
[2.1 主制御基板]
主制御基板100は、主制御部101及びシステムリセット回路103を備える。主制御部101は、CPU(Central Processing Unit)、ROM(Read Only Memory)、RWM(Read/Write Memory)を備えるマイクロプロセッサである。ROMは、遊技動作制御を行うための制御プログラムの他、遊技動作制御に必要な種々のデータを格納する。RWMは、ワーク領域やバッファメモリとして機能する。CPUは、ROMに格納された制御プログラムを実行することで遊技動作制御を行う。
【0044】
システムリセット回路103は、電源投入時や電源断時や電源異常などを検知してシステムリセット信号を出力して主制御部101をリセットさせる。
また図示はしていないが、主制御部101は、周期的割込みや一定周期のパルス出力作成機能(ビットレートジェネレータ)や時間計測の機能を実現するためのCTC(Counter Timer Circuit)、割込み信号を付与するタイマ割込み等の割込許可/割込禁止機能を発揮する割込みコントローラ回路、制御プログラムの動作異常を監視するウォッチドッグタイマ(WDT)回路、予め設定したアドレス範囲内でプログラムが正しく実行されているかを監視する指定エリア外走行禁止(IAT)回路、及びハードウェア的に一定範囲の乱数(ハード乱数値)を生成するためのカウンタ回路(乱数生成回路)等も備えている。
【0045】
上記カウンタ回路は、乱数を生成する乱数生成回路と、その乱数生成回路から所定のタイミングで乱数値をサンプリングするサンプリング回路とを含んで構成され、全体として16ビットカウンタとして働く。主制御部101は、処理状態に応じてサンプリング回路に指示を送ることで、乱数生成回路が示している数値を大当り判定用乱数(0~65535)として取得し、大当り判定用乱数を大当り抽選に利用する。なお、大当り判定用乱数は、当り狙い打ち等のゴト行為を防ぐために、適宜なソフトウェア処理で生成しているソフト乱数値と、ハード乱数値とを加算したものを取得している。
【0046】
主制御基板100には、特別図柄1始動口41への遊技球の入球を検出する特別図柄1始動口スイッチ41aと、特別図柄2始動口43への遊技球の入球を検出する特別図柄2始動口スイッチ43aと、普通図柄始動口47への遊技球の通過を検出する普通図柄始動口スイッチ47aと、入賞口53への遊技球の入球を検出する入賞口スイッチ53aと、大入賞口49への遊技球の入球を検出する大入賞口スイッチ49aとが接続されている。これらから出力される検出信号は主制御部101に入力される。従って、主制御部101は、各スイッチからの検出信号に基づき、何れの入賞口に遊技球が入球(通過)したのかを把握可能である。
【0047】
また、主制御基板100には、大入賞口49を開閉する特別電動役物51(可動片51a)を動作させる大入賞口ソレノイド51bと、特別図柄2始動口43を開閉する普通電動役物45(可動片45a)を動作させる普通電動役物ソレノイド45bとが接続されている。主制御部101は、これらソレノイドを制御するための制御信号を出力する。
【0048】
また、遊技盤9には、磁気を検出する磁気センサ67と、電波を検出する電波センサ69と、振動を検出する振動センサ71とが設けられており、これらセンサが主制御基板100に接続されている。これらセンサからの信号は主制御部101に入力される。
【0049】
また、主制御基板100には、メイン表示器63が接続されている。主制御部101は、メイン表示器63を点灯表示するための制御信号を出力する。
【0050】
主制御基板100は、枠制御基板110と相互通信が可能に接続されている。主制御基板100(主制御部101)は、主に賞球に関する情報を含む制御コマンド、遊技球の発射の可否を示す発射制御信号を枠制御基板110に送信する。また、主制御基板100は、前枠7の開放を示すドア開放信号、RWMをクリアするためのRWMクリア信号、電源の異常を示す電源異常信号、通信を確認するための枠通信確認信号を枠制御基板110から受信する。さらに、主制御基板100は、枠制御基板110から駆動電源(DC35VA、DC12VA、DC5VA、バックアップ電源)を受け取る。
【0051】
主制御基板100は、特別図柄変動表示ゲームに関する情報やエラーに関する情報等を含む種々の演出制御コマンドを、演出制御基板120に対して送信する。但し、ゴト行為等の不正を防止するために、主制御基板100は演出制御基板120に対して信号を送信するのみで、演出制御基板120からの信号を受信不可能な片方向通信の構成となっている。
【0052】
[2.2 枠制御基板]
枠制御基板110は、枠制御部111、RWMクリアスイッチ112a、遊技球数クリアスイッチ112b、球抜きスイッチ112c、エラー解除スイッチ112d、性能表示器113、システムリセット回路114、電源異常信号生成回路115、発射制御回路116及びバックアップ電源生成回路117を備える。
【0053】
枠制御部111は、CPU、ROM、RWMを備えるマイクロプロセッサである。ROMは、遊技球数の管理、発射装置31及び揚上装置33の制御等を行うための制御プログラムの他、これらの制御に必要な種々のデータを格納する。RWMは、ワーク領域やバッファメモリとして機能する。CPUは、ROMに格納された制御プログラムを実行することで遊技球数の管理、発射装置31及び揚上装置33の制御等を行う。
【0054】
RWMクリアスイッチ112a、遊技球数クリアスイッチ112b、球抜きスイッチ112c、エラー解除スイッチ112dは、押しボタン式のスイッチである。
枠制御部111は、電源投入時にRWMクリアスイッチ112aが押下されていた場合、RWMをクリアするとともに、主制御基板100にRWMクリア信号を送信する。RWMクリア信号を受信した主制御部101はRWMの所定領域をクリアする。
【0055】
枠制御部111は、電源投入時に遊技球数クリアスイッチ112bが押下されていた場合、自身が管理する遊技球数をクリアする。遊技球数がクリアされることで、遊技球数表示器21には0が表示されることになる。
【0056】
枠制御部111は、電源投入時に球抜きスイッチ112cが押下されていた場合、遊技機1に封入されている遊技球を外部に排出するための球抜き処理を行う。具体的には、枠制御部111は、後述する揚上入口スイッチ33fで遊技球を検出していることを条件に揚上モータ33aを駆動させる。
【0057】
枠制御部111は、特定のエラーが発生したときにエラー解除スイッチ112dが押下された場合、発生していた特定のエラーを解除する。
【0058】
枠制御部111は、電源投入時に球抜きスイッチ112cが押下されていた場合、遊技機1に封入されている遊技球を外部に排出するための処理を行う。具体的には、枠制御部111は、後述する揚上入口スイッチ33fで遊技球を検出していることを条件に揚上モータ33aを駆動させる。
【0059】
枠制御部111は、特定のエラーが発生したときにエラー解除スイッチ112dが押下された場合、発生していた特定のエラーを解除する。
【0060】
性能表示器113は、例えば6桁の8セグメント(7セグメント+1ドット)表示器で構成される。性能表示器113は、枠制御部111によって制御され、所定期間(例えば6000ゲーム毎)にわたる遊技結果に基づいて算出される遊技実績情報を表示する。遊技実績情報とは、連続役物比率や役物比率、ベースなどである。連続役物比率は、賞球合計数のうち大入賞口49への入賞による賞球数が占める割合である。役物比率は、賞球合計数のうち特別図柄2始動口43への入賞による賞球数と大入賞口49への入賞による賞球数が占める割合である。ベースは、打ち出した遊技球数に対する賞球合計数が占める割合である。
なお、性能表示器113では、所定期間毎(区間毎)の遊技実績情報を切り替えて表示可能である。
【0061】
システムリセット回路114は、電源投入時や電源断時や電源異常などを検知してシステムリセット信号を出力して枠制御部111をリセットさせる。
【0062】
電源異常信号生成回路115は、電源基板130から供給される駆動電源(5V直流電圧(DC5VA)、12V直流電圧(DC12VA))の電圧低下を監視し、所定閾値以下の電圧となった場合に電源異常信号を主制御部101に出力する。また、電源異常信号生成回路115は、24V交流電圧(AC24V)の電圧低下を監視するようにしてもよい。
【0063】
発射制御回路116は、発射装置31(球送りソレノイド31a、発射ソレノイド31b)を駆動制御することで、発射装置31からの遊技球の発射を制御する。
【0064】
バックアップ電源生成回路117は、電源断時に主制御部101及び枠制御部111のRWMに供給されるバックアップ電源(VBB)を生成する。バックアップ電源(VBB)の供給を受けた主制御部101及び枠制御部111のRWMは、電源断が発生したときであっても一定期間に亘って記憶されたデータを保持する(バックアップする)ことが可能となる。
【0065】
枠制御基板110には、内枠5に設けられたドア開放センサ73が接続されている。ドア開放センサ73は、前枠7が内枠5に対して開放されたこと、及び、内枠5が外枠3に対して開放されたことの少なくともいずれかを検出すると、枠制御基板110を介してドア開放信号を主制御基板100に出力する。
【0066】
内枠5に設けられた循環機構30には、揚上モータ33a、アウト球スイッチ33b、ファール球スイッチ33c、過多位置検出スイッチ33d、過少位置検出スイッチ33e、揚上入口スイッチ33f、揚上出口スイッチ33g、揚上位置検出スイッチ33hが設けられており、これらが枠制御基板110に接続されている。
【0067】
循環機構30には、遊技領域37から排出された遊技球が導かれる揚上前経路、揚上前経路を通過した遊技球が揚上される揚上経路、及び、揚上経路で揚上された遊技球が発射装置31に導かれる揚上後経路が形成されている。
循環機構30では、遊技領域37から排出された遊技球が揚上前経路を通って揚上経路の最下端に導かれる。揚上経路の最下端に導かれた遊技球は、揚上装置33によって揚上経路内で上方向に揚上される。そして、揚上経路の最上端に到達した遊技球は、揚上後経路に送出された後、揚上後経路を通って発射装置31に導かれる。
【0068】
揚上モータ33aは、枠制御部111によって制御され、揚上経路内に配置された例えば螺旋部材でなる揚上部を回転させる。回転させられた揚上部は、揚上前経路の下流端に到達した遊技球を揚上経路に導くとともに、揚上経路内に滞留された遊技球を上方向に揚上させる。また、揚上経路の最上端から遊技球を揚上後経路に送出する。
【0069】
アウト球スイッチ33b、ファール球スイッチ33c、過多位置検出スイッチ33d、過少位置検出スイッチ33e、揚上入口スイッチ33f、揚上出口スイッチ33gは、遊技球を検出するスイッチであり、遊技球を検出した場合には検出信号を枠制御基板110(枠制御部111)に出力する。
【0070】
アウト球スイッチ33bは、揚上前経路の上流側に配置され、遊技領域37から排出され揚上前経路に導かれた遊技球(アウト球)を検出する。
ファール球スイッチ33cは、揚上前経路においてアウト球スイッチ33bと過多位置検出スイッチ33dとがそれぞれ配置された位置の間に接続されたファール球合流経路に配置され、発射装置31から発射された遊技球のうち、遊技領域37に到達せずにファール球合流経路を通って揚上前経路に戻される遊技球を検出する。
【0071】
過多位置検出スイッチ33d及び過少位置検出スイッチ33eは、揚上前経路上におけるアウト球スイッチ33bよりも下流側において所定距離だけ離隔して配置されており、揚上前経路に滞留する遊技球を検出する。過多位置検出スイッチ33dは過少位置検出スイッチ33eよりも揚上前経路の上流側に設けられている。
そして、電源投入時に過多位置検出スイッチ33dが遊技球を検出しておらず、かつ、過少位置検出スイッチ33eが遊技球を検出している場合、すなわち、過少位置検出スイッチ33eが設けられた位置には遊技球があり、かつ、過多位置検出スイッチ33dが設けられた位置には遊技球がない場合、遊技機1内に遊技球が正常な数だけ封入されているものと枠制御部111に判断される。
一方、電源投入時に過少位置検出スイッチ33eが遊技球を検出していなかった場合には遊技機1内に封入されている遊技球が少ないと枠制御部111に判断され、また、電源投入時に過多位置検出スイッチ33dが遊技球を検出していた場合には遊技機1内に封入されている遊技球が多いと枠制御部111に判断される。すなわち、これらの場合には、遊技機1内に遊技球が正常な数だけ封入されていないと枠制御部111に判断される。この場合、枠制御部111は、遊技球が正常な数だけ封入されていないことを示す信号を主制御部101に送信し、主制御部101は、遊技球が正常な数だけ封入されていないことを示す演出制御コマンドを演出制御部121に送信する。そして、演出制御部121は、遊技球が正常な数だけ封入されていないことをLCDユニット57等に表示したりしてホールスタッフ等に通知する。
【0072】
揚上入口スイッチ33fは、揚上前経路の下流端近傍に配置されており、揚上前経路の下流端近傍に滞留する遊技球を検出する。
揚上出口スイッチ33gは、揚上後経路の途中に配置されており、その位置に滞留する遊技球を検出する。
枠制御部111は、揚上入口スイッチ33fで遊技球が検出され(遊技前経路に遊技球が溜まっており)、かつ、揚上出口スイッチ33gで遊技球が検出されていない場合(揚上後経路に遊技球が所定数滞留していない場合)、揚上モータ33aを回転させる。
【0073】
そして、枠制御部111は、揚上出口スイッチ33gで遊技球が検出されている場合、すなわち、揚上後経路に遊技球が所定数滞留している場合に揚上モータ33aを停止させる。
【0074】
揚上位置検出スイッチ33hは、揚上モータ33aの回転角を検出する。枠制御部111は、揚上位置検出スイッチ33hによって検出される回転角に基づいて揚上モータ33aを回転させる。
【0075】
発射装置31には、球送りソレノイド31a、発射ソレノイド31b及び減算出口スイッチ31cを備える。
球送りソレノイド31aは、枠制御部111による制御に基づいて、揚上後経路の下流端に位置する遊技球を発射装置31内の発射位置に送出する。
発射ソレノイド31bは、枠制御部111による制御に基づいて、球送りソレノイド31aによって発射位置に送出された遊技球を遊技領域37に向けて発射させる。
減算出口スイッチ31cは、揚上後経路の下流端に配置されており、球送りソレノイド31aにより発射装置31内の発射位置に送出される遊技球を検出する。
枠制御部111は、減算出口スイッチ31cによって遊技球が検出されると、管理遊技球数を1減算する。また、枠制御部111は、発射装置31から発射された遊技球が遊技領域37に到達せずにファール球合流経路を通って揚上前経路に導かれる際にファール球スイッチ33cによって検出されると、減算された値を戻すために管理遊技球数を1加算する。
また、枠制御部111は、主制御基板100(主制御部101)から賞球数を示す制御コマンドを受信すると、コマンドに示される賞球数を管理遊技球数に加算する。
【0076】
また、枠制御部111は、前枠7に設けられた計数スイッチ23が遊技者に操作されると、管理遊技球数を、遊技球等貸出装置接続端子板140を介して遊技球等貸出装置の有価価値媒体に移行させる。
具体的には、計数スイッチ23が所定時間よりも短い時間だけ操作されると、管理遊技球数を1減算するとともに、有価価値媒体に記録される遊技球数を1加算させる信号を遊技球等貸出装置に出力する。これにより、遊技球等貸出装置では、有価価値媒体に記録される遊技球数を1加算することになる。
また、計数スイッチ23が所定時間よりも長い時間操作されると、一定時間毎に、管理遊技球数を250減算するとともに、有価価値媒体に記録される遊技球数を250加算させる信号を遊技球等貸出装置に随時出力する。これにより、遊技球等貸出装置では、信号を受信するたびに有価価値媒体に記録される遊技球数を250ずつ加算することになる。
さらに、枠制御部111は、有価価値媒体に記憶された遊技球数又は金銭情報に基づいて遊技球等貸出装置から遊技球を貸し出すための貸出通知を受けた場合、貸出通知に応じた遊技球数を、管理遊技球数に加算する。この場合、有価価値媒体に記録された遊技球数又は金銭情報は、貸出通知に応じた遊技球数に対応する値だけ減算されることになる。
【0077】
前枠7に設けられたハンドル装置19には、タッチセンサ19b、発射停止スイッチ19c、発射強度VR19dが設けられており、これらセンサが枠制御基板110に接続されている。枠制御基板110は、タッチセンサ19b、発射停止スイッチ19c、発射強度VR19dからの検出信号を受信可能である。
【0078】
タッチセンサ19bは、遊技者がハンドル19aに触れていることを検出する。
発射停止スイッチ19cは、押しボタン式のスイッチである。
発射強度VR19dは、ハンドル19aの操作量(回転角度)を検出する。
【0079】
発射制御回路116は、主制御部101及び枠制御部111から出力される発射制御信号等に基づき、球送りソレノイド31a及び発射ソレノイド31bへの通電を制御することで発射装置31から遊技球を発射させる。具体的には、主制御部101及び枠制御部111から発射を許可する発射制御信号が出力され、タッチセンサ19bにより遊技者がハンドル19aに触れていることが検出され、かつ、発射停止スイッチ19cが操作されていない場合に、発射装置31による遊技球の発射動作が許容される。
そして、発射制御回路116は、発射強度VR19dによって検出される操作量に応じた発射強度で遊技球が発射されるように発射ソレノイド31bを制御する。
【0080】
また、枠制御基板110には、遊技球数表示器21が接続されている。枠制御基板110は、管理遊技球数を点灯表示するための制御信号を遊技球数表示器21に送信する。
【0081】
また、前枠7には、ファール球スイッチ33cと対向する位置に電波を検出する電波センサ75が設けられており、電波センサ75が枠制御基板110に接続されている。電波センサ75は、コイルが設けられておりコイルに加えられる誘導磁界に基づいて電波を検出する。電波センサ75は、主にファール球スイッチ33cに対する不正な電波を検出し、検出信号を枠制御基板110に出力する。
【0082】
[2.3 電源基板]
電源基板130は、AC入力電源(AC24V)が外部から入力され、入力されたAC入力電源(AC24V)に基づいて各部の駆動電源となる直流電圧を生成する。電源基板130は、AC入力電源から35V直流電圧(DC35VA、DC35VB)、12V直流電圧(DC12VA、DC12VB)及び5V直流電圧(DC5VA)を生成する。
【0083】
生成された35V直流電圧(DC35VA)、12V直流電圧(DC12VA)、5V直流電圧(DC5VA)と、外部から入力されたAC入力電源(AC24V)は、枠制御基板110に供給される。
また、枠制御基板110に供給された35V直流電圧(DC35VA)、12V直流電圧(DC12VA)、5V直流電圧(DC5VA)は、枠制御基板110で生成されたバックアップ電源とともに主制御基板100にも供給される。
また、生成された35V直流電圧(DC35VB)、12V直流電圧(DC12VB)は、演出制御基板120に供給される。さらに、生成された12V直流電圧(DC12VB)は、前枠中継基板160にも供給される。
【0084】
[2.4 演出制御基板等]
演出制御基板120は、装飾中継基板150、前枠中継基板160及びLCDユニット57が接続されているとともに、前枠中継基板160を介して上部装飾基板170が接続されている。
装飾中継基板150には、可動体役物61を駆動させる可動体モータ61a、可動体役物61の位置を検出する可動体位置検出スイッチ61b、第4図柄表示器65、装飾基板180が接続されている。
また、装飾中継基板150には、可動体モータ61aを駆動させるモータドライバ61c、演出用LED27を点灯表示制御するLEDドライバ27aが設けられている。
【0085】
前枠中継基板160は、前枠7におけるヒンジ機構4側の下方に設けられており、後方側(遊技盤9側)にコネクタが露出するように配置されている(
図2参照)。
前枠中継基板160には、スピーカ29、操作ボタン25、遊技者に振動を与える振動デバイス77及び装飾基板180が接続されている。また、前枠中継基板160には、12V直流電圧(DC12VB)から5V直流電圧(DC5VB)を生成する電源生成回路151が設けられている。電源生成回路151で生成された5V直流電圧(DC5VB)は、12V直流電圧(DC12VB)とともに上部装飾基板170に供給される。
【0086】
上部装飾基板170は、前枠7における上側中央に設けられており、後方側(遊技盤9側)にコネクタが露出するように配置されている(
図2参照)。
上部装飾基板170には、可動体モータ61a、可動体位置検出スイッチ61b、風デバイス79、装飾基板180が接続されている。風デバイス79は、演出制御部121の制御によって駆動され、遊技者に対して風を吹き出す。
【0087】
装飾基板180は、主に演出用LED27が配置されるものと、演出用LED27及びLEDドライバ27aが配置されるものがあり、異なる装飾基板180同士が連続して接続されることもある。
なお、装飾基板180の数及び接続関係は一例に過ぎず、他の構成であってもよい。
【0088】
演出制御基板120は、演出制御部121、音ROM123、音声IC125、VDP回路127、電源生成回路129を備える。
【0089】
演出制御部121は、CPU、ROM、RWMを備えるマイクロプロセッサである。ROMは、演出手段の制御プログラムや、演出動作制御に必要な種々のデータを記憶する。RWMは、ワーク領域やバッファメモリとして機能する。CPUは、ROMに格納された制御プログラムをRWMに展開して実行することで演出手段の制御等を行う。
【0090】
演出制御部121は、演出制御プログラム及び主制御基板100から受信した演出制御コマンドに基づいて、各種演出動作のための演算処理や各演出手段の制御を行う。演出手段とは、遊技の進行中等に遊技者に有利な状態が発生するか否かを報知又は示唆する演出を行う装置であり、演出用LED27、スピーカ29、LCDユニット57、イルミネーションパネル59、可動体役物61、振動デバイス77、風デバイス79を含むものである。
【0091】
演出制御部121は、主制御基板100からの演出制御コマンドを受信し、演出制御コマンドに基づいて演出シナリオを決定する。そして、演出制御部121は、決定した演出シナリオに基づいた演出を演出手段に実行させるように制御する。
【0092】
例えば、演出制御部121は、演出シナリオに基づいて可動体役物61を可動させるようにモータドライバ61cに指示を出したり、演出シナリオに基づいて演出用LED27を点灯表示させるようにLEDドライバ27aに指示を出したりする。なお、装飾中継基板150に設けられたLEDドライバ27aは、演出用LED27に加え、第4図柄表示器65を点灯表示させるように指示を出す。
また、演出制御部121は、演出シナリオに基づいて振動を発生させるように振動デバイス77を駆動させたり、演出シナリオに基づいて風を送風させるように風デバイス79を駆動させたりする。
【0093】
音ROM123は、BGMや効果音等の音データ等が格納されている。音声IC125は、決定された演出シナリオに対応する音データを音ROM123より読み出し、スピーカ29に出力する。これにより、スピーカ29より決定された演出シナリオに対応したBGMや効果音が発せられることとなる。
【0094】
VDP回路127は、VDP(Video Display Processor)、画像ROM、VRAM(Video RAM)を備える。
VDPは、画像展開処理や画像の描画などの映像出力処理全般の制御を行う。
画像ROMとは、VDPが画像展開処理を行う画像データが格納されている。
VRAMは、VDPが展開した画像データを一時的に記憶する画像メモリ領域である。
VDP回路127は、演出シナリオに基づいて各種の画像データを生成し、LCDユニット57に出力する。これによってLCDユニット57において各種の演出画像が表示される。
【0095】
電源生成回路129は、12V直流電圧(DC12VB)から5V直流電圧(DC5VB)を生成する。
【0096】
<3.動作の概要説明>
次に、上記のような制御構成(
図6及び
図7)により実現される遊技機1の遊技動作の概要について説明する。
【0097】
[3.1 遊技状態]
遊技機1では、大当り遊技を行う特別遊技状態の他、複数種類の遊技状態を設定可能に構成されている。本実施形態の理解を容易なものとするために、先ず、種々の遊技状態について説明する。
【0098】
遊技機1は、低確率状態又は高確率状態のどちらかと、非時短状態又は時短状態のどちらかとが組み合わされたいずれかの遊技状態で遊技が進行する。
【0099】
低確率状態は、大当り抽選の当選確率が相対的に低い状態であり、高確率状態は、大当り抽選の当選確率が相対的に高い状態である。
非時短状態は、特別図柄2始動口43に遊技球が相対的に入球しにくい状態であり、時短状態は、特別図柄2始動口43に遊技球が相対的に入球しやすい状態である。例えば、時短状態の方が非時短状態よりも、普図当り抽選に当選したときの特別図柄2始動口43の開放時間が長く設定されている。しかしながら、時短状態の方が非時短状態よりも特別図柄2始動口43に遊技球が入球しやすいのであれば、時短状態の方が非時短状態よりも、例えば、普図当り抽選の当選確率を高くしたり、普通図柄の変動時間を短くしたりしてもよい。
本実施形態において、「通常状態」とは、低確率状態及び非時短状態を言い、初期状態に相当する。
なお、遊技機1では、上記したこれらの遊技状態のいずれかが設けられていなくてもよく、また、他の遊技状態が設けられていてもよい。例えば、遊技機1は、低確率状態及び高確率状態が設けられておらず、非時短状態又は時短状態のどちらかにより遊技が進行するようにしてもよい。
【0100】
[3.2 特別図柄変動表示ゲーム]
遊技機1では、特別図柄1始動口41に遊技球が入球(入賞)したことに基づき特別図柄1変動表示ゲームが実行される。
特別図柄1変動表示ゲームでは、特別図柄1始動口41に遊技球が入球したことに基づいて特別図柄1変動表示ゲームで用いられる乱数(大当り判定用乱数、特別図柄判定用乱数、変動パターン用乱数)が取得され、取得された乱数に基づいて主制御部101によって大当り抽選、図柄抽選、変動パターン抽選が行われる。大当り抽選では、大当り判定用乱数に基づいて、大当り又はハズレのどちらかを抽選により決定する。また、図柄抽選では、大当り抽選の抽選結果、及び、特別図柄判定用乱数に基づいて、最終的に停止表示される停止図柄(大当り図柄、ハズレ図柄)を抽選により決定する。また、変動パターン抽選では、大当り抽選及び図柄抽選の抽選結果、及び、変動パターン用乱数に基づき、特別図柄の変動時間を規定する変動パターンを抽選により決定する。
特別図柄1変動表示ゲームでは、特別図柄1表示器63aに特別図柄1の変動表示を開始した後、変動パターン抽選の抽選結果に基づいた変動時間の経過後に、図柄抽選で決定された停止図柄を特別図柄1表示器63aに停止表示させる。
【0101】
遊技機1では、特別図柄1始動口41へ遊技球が通過した場合、すなわち、特別図柄1始動口スイッチ41aからの検出信号の入力があった場合、特別図柄1変動表示ゲームで用いられる乱数が取得され、この乱数が保留データとして最大保留記憶数(例えば最大4個)までRWMの特別図柄1保留記憶エリアに記憶される。
【0102】
また、遊技機1では、特別図柄2始動口43に遊技球が入球(入賞)したことに基づき特別図柄2変動表示ゲームが実行される。特別図柄2変動表示ゲームは、特別図柄1変動表示ゲームと同様、取得された乱数に基づいて主制御部101によって大当り抽選、図柄抽選、変動パターン抽選が行われ、特別図柄2表示器63bに特別図柄2の変動表示を開始した後、変動パターン抽選の抽選結果に基づいた変動時間の経過後に、図柄抽選で決定された停止図柄を特別図柄2表示器63bに停止表示させる。
【0103】
遊技機1では、特別図柄2始動口43へ遊技球が通過した場合、すなわち、特別図柄2始動口スイッチ43aからの検出信号の入力があった場合、特別図柄2変動表示ゲームに係る乱数が取得され、この乱数が保留データとして最大保留記憶数(例えば最大4個)までRWMの特別図柄2保留記憶エリアに保留記憶される。
【0104】
なお、特別図柄1変動表示ゲーム及び特別図柄2変動表示ゲームを区別することなく説明する場合、単に特別図柄変動表示ゲームと表記する。
【0105】
[3.3 大当り遊技]
大当り抽選において大当りに当選し、特別図柄1表示器63a又は特別図柄2表示器63bに大当り図柄が停止表示された場合、その後に、特別図柄変動表示ゲーム中よりも遊技者に有利な大当り遊技が大当り図柄に基づいて行われる。なお、大当り図柄は、大当り抽選において大当りに当選したときに特別図柄判定用乱数や遊技状態等に基づいて図柄抽選により決定されるものであり、規定ラウンド数等が対応付けられている。
【0106】
大当り遊技は、所定の開放前インターバル時間(オープニング時間)が経過した後、大入賞口49が開放されてから所定時間(最大開放時間)が経過するか、大入賞口49に入球した遊技球数が最大入賞数に達すると、大入賞口49が閉鎖されるといった「ラウンド遊技」が、予め定められた規定ラウンド数(大当り図柄に基づくラウンド数)繰り返される。そして、規定ラウンド数終了後に、所定の開放後インターバル時間(エンディング時間)が経過すると、大当り遊技が終了する。
【0107】
大当り遊技が実行された場合、大当り当選時の遊技状態、決定された大当り図柄に応じて、大当り遊技の終了後の遊技状態、確変回数、時短回数が決定される。
確変回数は、大当り遊技後の遊技状態として高確率状態が継続可能な特別図柄変動表示ゲームの実行回数である。大当り遊技の終了後に高確率状態に設定された場合、大当りに当選することなく確変回数の特別図柄変動表示ゲームが終了すると、遊技状態が低確率状態に移行される。
時短回数は、大当り遊技後の遊技状態として時短状態が継続可能な特別図柄変動表示ゲームの実行回数である。大当り遊技の終了後に時短状態に設定された場合、大当りに当選することなく時短回数の特別図柄変動表示ゲームが終了すると、遊技状態が非時短状態に移行される。
【0108】
[3.4 普通図柄変動表示ゲーム]
遊技機1では、普通図柄始動口47に遊技球が通過したことに基づき、普通図柄変動表示ゲームが実行される。
普通図柄変動表示ゲームでは、普通図柄始動口47を遊技球が通過したことに基づいて取得される乱数(普図当り判定用乱数)を用いて主制御部101によって普図当り抽選が行われ、普図当り抽選の抽選結果に基づいて、普通図柄表示器63cに普通図柄が変動表示された後、所定の変動時間の経過後に、その抽選結果を停止表示する。
遊技機1では、普通図柄始動口47へ遊技球が通過した場合、すなわち、普通図柄ゲート検出センサ26aからの検出信号の入力があった場合、普通図柄変動表示ゲームに係る乱数(普図当り判定用乱数)が取得され、この乱数が保留データとして最大保留記憶数(例えば最大4個)までRWMの普図保留記憶エリアに保留記憶される。
【0109】
普図当り抽選において普図当りに当選し、普通図柄表示器63cに「普図当り」態様で普通図柄が停止表示された場合、その後に、普電開放遊技が行われる。普電開放遊技では、普通電動役物ソレノイド45bが作動して普通電動役物45が開状態になり、特別図柄2始動口43が開放されて遊技球が流入し易くなる。普電開放遊技では、所定時間(例えば5.7s)経過するか、特別図柄2始動口43に入球した遊技球数が所定個数(例えば6個)に達するまで、その特別図柄2始動口43が開放されるといった動作が所定回数(たとえば1回)繰り返される。
【0110】
[3.5 演出の一例]
図8は、変動演出の一例を説明する図である。演出制御基板120は、主制御基板100からの演出制御コマンドを受けて演出手段による演出の実行を制御する。例えば特別図柄変動表示ゲームでは、演出制御基板120の制御に基づいて、特別図柄変動表示ゲームと同期して変動演出が行われる。
【0111】
変動演出では、例えば3つの装飾図柄201(左図柄201a、中図柄201b、右図柄201c)がLCDユニット57の中央にスクロール表示されるとともに、所定の演出音がスピーカ29から出力される。
左図柄201a、中図柄201b、右図柄201cは、複数の図柄(例えば「1」図柄から「9」図柄)がそれぞれ設けられており、複数の図柄がLCDユニット57にスクロール表示されるとともに、最終的には複数の図柄のいずれか1つが停止表示される。
【0112】
また、LCDユニット57の下部には、実行中の特別図柄変動表示ゲームについて記憶されている保留データの保留球数に合わせた保留表示203(203a~203d)が行われる保留表示エリア205と、実行中の特別図柄変動表示ゲームに対応する保留表示を当該保留表示207として表示するための当該表示エリア209とが設けられている。
【0113】
保留表示203及び当該保留表示207には、複数の表示パターンが設けられている。特別図柄1始動口41又は特別図柄2始動口43に遊技球が入球した際に主制御部101によって事前に行われる大当り抽選、図柄抽選及び変動パターン抽選の抽選結果に基づいて、保留表示203及び当該保留表示207に表示される際の表示パターンが演出制御部121によって決定される。
保留表示エリア205及び当該表示エリア209には、演出制御部121によって決定された表示パターンで保留表示203及び当該保留表示207が表示される。
表示パターンとしては、例えばデフォルト(白色)、青色、緑色、赤色、金色等の表示色が異なるパターンが設けられている。なお、複数の表示パターンは、表示色だけでなく形状を異なるようにしてもよい。また、保留表示エリア205に始めて表示されてから当該表示エリア209で非表示になるまでに表示パターンが変化することもある。当該表示エリア209に最終的に表示される当該保留表示207の表示パターンによって大当りの期待度が示される。
【0114】
図8(a)に示すように、前回の特別図柄変動表示ゲームが終了し、左図柄201aとして「1」図柄、中図柄201bとして「2」図柄、右図柄201cとして「3」図柄が停止表示されたとする。また、4つの保留表示203a~203dが保留表示エリア205に表示されていたとする。
【0115】
その後、次の特別図柄変動表示ゲームについて演出シナリオや最終的に停止させる装飾図柄201が演出制御部121によって決定され、その特別図柄変動表示ゲームが開始されると、
図8(b)に示すように、装飾図柄201a~201cの変動表示が開始されるとともに(図中、変動表示中の装飾図柄201を白抜き矢印で示す)、保留表示エリア205において保留表示203がシフト表示され、保留表示エリア205において最も左側に表示されていた保留表示203aが当該表示エリア209において当該保留表示207として表示される。
【0116】
図8(c)に示すように、左右の装飾図柄201a、201cが例えば同一の「7」図柄で仮停止した後(所謂リーチ状態となった後)、
図8(d)に示すように、LCDユニット57に所定のSP演出画像が表示されると、保留表示203及び当該保留表示207が非表示になるとともに、装飾図柄201a~201cが例えば右上に小さく表示される。
【0117】
そして、
図8(e)に示すように、最終的に、例えば、装飾図柄201a~201cが同一の「7」図柄で停止表示されることで、大当りに当選したことが遊技者に報知される。なお、大当りに当選していない場合、装飾図柄201a~201cが揃って停止表示されることはなく、そのことをもってハズレであることが遊技者に報知される。
【0118】
装飾図柄201a~201cが同一の図柄で停止表示された後、大当り遊技が開始されると大当り演出が実行され、
図8(f)に示すように、LCDユニット57には、大当り遊技に関する画像(図中、「大当り」と示す)が表示されるとともに、右打ちを促す右打ち画像300がLCDユニット57の右上の右打ち表示エリア301に表示される。これにより、遊技者は、右打ちを行うことになる。
【0119】
<4.主制御基板の処理>
続いて、本実施形態の主制御部101が行う処理について説明する。主制御部101が実行する処理は、主に、メイン処理(主制御側メイン処理:
図9)と、定時割込みで起動されるタイマ割込み処理(主制御側タイマ割込み処理:
図10)とである。
【0120】
[4.1 主制御側メイン処理]
図9は、主制御側メイン処理を示したフローチャートである。
電源基板130から電力が供給され主制御側メイン処理が開始されると、主制御部101は、
図9に示す主制御側メイン処理を実行する。具体的には、ステップS101において、CPUの内部レジスタを設定する。
【0121】
ステップS102では、電源の異常を示す電源異常信号がON(異常)であるかを判定する。電源異常信号がONである場合(ステップS102でYes)、ステップS102に処理を戻す。電源異常信号がONでない(正常)場合(ステップS102でNo)、ステップS103においてRWMへのアクセスを許可する。
【0122】
ステップS104では、RWMクリアスイッチ112aからの入力信号(RWMクリア信号)がONであるかを判定する。RWMクリアスイッチ112aからの入力信号は、RWMクリアスイッチ112aが押下されているときにONとなり、RWMクリアスイッチ112aが押下されていないときにOFFとなる。
RWMクリアスイッチ112aからの入力信号がONでない場合(ステップS104でNo)、ステップS105において、バックアップフラグがONであるかを判定する。バックアップフラグは、後述するステップS201の電源チェック・バックアップ処理においてバックアップ処理が行われたかを示すフラグであり、バックアップ処理が行われた場合にONにされる。
【0123】
バックアップフラグがONである場合(ステップS105でYes)、ステップS106においてバックアップ復帰処理を行い、ステップS108に処理を移す。バックアップ復帰処理は、電源遮断時にRWMにバックアップされた遊技情報に基づいて、電源投入後に遊技を再開させるための復帰処理である。
また、バックアップ復帰処理では、バックアップ復帰に応じた演出制御コマンドを演出制御基板120に送信する。
【0124】
一方、RWMクリアスイッチ112aからの入力信号がONである場合(ステップS104でYes)、又は、バックアップフラグがONでない場合(ステップS105でNo)、ステップS107においてRWMクリア復帰処理を実行し、ステップS108に処理を移す。このRWMクリア復帰処理は、RWMにおけるワーク領域を含む所定領域(使用領域)内の値を初期化する処理や、RWMクリア復帰したことを示す演出制御コマンドを演出制御基板120に送信する。
【0125】
ステップS108では、主制御部101を含む各部のレジスタの値を初期設定する等の遊技動作開始に必要な起動時初期化処理を実行する。起動時初期化処理には、遊技開始を指示するための演出制御コマンドを演出制御基板120に送信する処理、特別図柄1、特別図柄2の保留球数を示すコマンドの送信処理、枠制御基板110に対する発射制御信号をONにする処理などが含まれる。
【0126】
ステップS109で割込み禁止状態に設定し、続くステップS110で乱数更新処理を実行する。この乱数更新処理では、特別図柄変動表示ゲームや普通図柄変動表示ゲームに使用される各種乱数を更新し、ステップS111で割込み許可状態に設定した上でステップS109に戻る。
【0127】
このようにステップS109~S111の処理が無限ループ状に繰り返される。主制御部101は、間欠的に実行されるタイマ割込み処理を行っている間を除いて、これらステップS109~S111の処理を繰り返し実行する。
【0128】
[4.2 主制御側タイマ割込み処理]
図10は、主制御側タイマ割込み処理を示したフローチャートである。
主制御部101は、CTCからの一定時間(4ms)ごとの割込みで
図10に示す主制御側タイマ割込み処理を起動し、主制御側メイン処理実行中に割り込んで主制御側タイマ割込み処理を実行する。
【0129】
主制御部101は、主制御側タイマ割込み処理を開始すると、ステップS201において電源チェック・バックアップ処理を実行する。この電源チェック・バックアップ処理では、主に、電源基板130から供給されている電源レベルを監視し、電断が生じる等の異常が発生した場合、電源復帰時に支障なく遊技を復帰できるように、電断時における所定の遊技情報をRWMに格納するバックアップ処理等が行われる。主制御部101は、バックアップ処理を行った場合、バックアップフラグをONにする。
【0130】
ステップS202では、遊技動作制御に用いられるタイマを管理するタイマ管理処理を実行する。ここでは、遊技機1の遊技動作制御に用いる各種タイマの値について更新(減算処理)が行われる。
【0131】
ステップS203において、入力管理処理を実行する。入力管理処理では、各種センサやスイッチから出力される入力情報(ON/OFF信号や、立ち上がり状態(ONエッジ、OFFエッジ))に基づき入力データを作成し、作成した入力データに基づき、入賞カウンタの値を更新する。
ここでの入力情報とは、例えば特別図柄1始動口スイッチ41a、特別図柄2始動口スイッチ43a、普通図柄始動口スイッチ47a、大入賞口スイッチ49a、入賞口スイッチ53aなどの検出スイッチから出力される検出信号のON/OFF情報(入賞検出情報)や、磁気センサ67、電波センサ69、振動センサ71から出力される検出信号のON/OFF情報、枠制御基板110からの状態信号(ドア開放センサ73、電波センサ75等のON/OFF情報)である。これにより、各入賞口において遊技球が検出されたかが割込みごとに監視される。
また、「入賞カウンタ」とは、入賞口ごとに対応して設けられ、入賞した遊技球数(入賞球数)を計数するカウンタである。
【0132】
ステップS204では、各変動表示ゲームに係る乱数を定期的に更新するタイマ割込み内乱数管理処理を実行する。ここでは、乱数カウンタのカウント値をランダムなものとするために、特別図柄判定用乱数や普図当り判定用乱数などに対し、乱数の更新(割込み毎に+1加算)と、乱数カウンタが一周するごとに、乱数カウンタのスタート値を変更する処理を行う。なお、大当り判定用乱数は、乱数生成回路で生成されるので、ここで更新されることはない。
【0133】
ステップS205ではエラー管理処理を実行する。エラー管理処理では、各種センサ類に係る入力データや枠制御基板110からの状態信号に基づき、エラー発生の有無の監視を行う。
エラーが発生した場合には、主制御部101はエラー処理として、発生したエラー種別に対応するエラーコマンドを演出制御コマンドとして演出制御基板120に送信する。演出制御基板120がこのエラーコマンドを受けると、エラー種別に応じたエラー報知を実行する。また、主制御部101は発生中のエラーが解消された場合、エラー解除コマンドを演出制御基板120に送信する。演出制御基板120がこのエラー解除コマンドを受けると、実行中のエラー報知を終了させる。
【0134】
ステップS206では普通図柄管理処理を実行する。普通図柄管理処理では、普通図柄の保留データの取得及び記憶や、普通図柄変動表示ゲームにおける普図抽選、その抽選結果に基づいて普通図柄を普通図柄表示器63cに変動表示させる変動時間の決定等、普通図柄変動表示ゲームを実行させるために必要な処理を行う。
【0135】
ステップS207では普通電動役物管理処理を実行する。普通電動役物管理処理では、普通電動役物ソレノイド45bの開閉制御等、普電開放遊技を実行させるために必要な処理を行う。
【0136】
ステップS208では特別図柄管理処理を実行する。特別図柄管理処理では、主に、特別図柄1及び特別図柄2の保留データの取得及び記憶、特別図柄変動表示ゲームにおける大当り抽選及び図柄抽選、その抽選結果に基づく特別図柄の変動パターン抽選等、特別図柄変動表示ゲームを実行させるために必要な処理を行う。
そして、主制御部101は、演出制御コマンドとして、大当り抽選結果、現在の遊技状態、変動時間に関する情報を含む変動パターン指定コマンドを演出制御基板120に送信する。
また、主制御部101は、演出制御コマンドとして、図柄種別(特別図柄1、2のどちらであるか)と停止図柄(図柄抽選結果)に関する情報を含む装飾図柄指定コマンドを演出制御基板120に送信する。
なお、特別図柄管理処理の詳細については後述する。
【0137】
ステップS209では特別電動役物管理処理を実行する。特別電動役物管理処理では、大当り遊技を実行させるために必要な処理を行う。
【0138】
ステップS210では右打ち報知情報管理処理を行う。右打ち報知情報管理処理では、特別図柄2始動口43や大入賞口49が開放される場合等、右打ちが有利な状況において右打ち報知を行うための処理を行う。
【0139】
ステップS211ではLED管理処理を実行する。LED管理処理では、メイン表示器63に対する制御信号の出力制御を行う。制御信号は、普通図柄管理処理(ステップS206)、特別図柄管理処理(ステップS208)、右打ち報知情報管理処理(ステップS210)などでの決定に基づいて生成され、このLED管理処理でメイン表示器63に出力される。これにより、メイン表示器63における特別図柄や普通図柄の一連の変動表示動作(変動表示及び停止表示)、保留球数の表示等が実現される。
【0140】
ステップS212ではソレノイド管理処理を行う。ソレノイド管理処理では、普通電動役物管理処理(ステップS207)で生成された普通電動役物ソレノイド45bの制御に関する信号を確認するとともに、特別電動役物管理処理(ステップS209)で生成された大入賞口ソレノイド51bの制御に関する信号を確認する。そして、これらの信号に基づき、普通電動役物ソレノイド45b及び大入賞口ソレノイド51bの作動/停止が制御され、特別図柄2始動口スイッチ43aが開放又は閉鎖、あるいは、大入賞口49が開放又は閉鎖されることとなる。
【0141】
ステップS213では枠制御基板110との通信を行う通信周期(例えば108ms間隔)となったかを判定する。
枠制御基板110との通信を行う通信周期となっていない場合(ステップS213でNo)、主制御側タイマ割込み処理を終了する。
枠制御基板110との通信を行う通信周期となった場合(ステップS213でYes)、ステップS214において枠制御基板110から送信された信号(ドア開放信号、電源異常信号等)を受信する受信データ取得処理を行う。
【0142】
ステップS215では遊技機1の遊技機情報((ホールコン・不正監視情報)に応じた制御コマンドを枠制御基板110に出力し、主制御側タイマ割込み処理を終了する。遊技機情報には、例えば、大当り遊技発生情報、図柄変動表示ゲーム実行開始情報、入賞数や賞球数の情報、エラー情報などが含まれている。
【0143】
以上のタイマ割込み処理が終了すると、主制御部101は次のタイマ割込みが発生するまでの間、上記ステップS109~S111を繰り返す。
【0144】
[4.2.1 特別図柄管理処理]
図11は、特別図柄管理処理(ステップS208)を示したフローチャートである。
図11に示すように、主制御部101は、ステップS221において特別図柄1(特別図柄1始動口41)についてチェックする始動口チェック処理1を行い、続くステップS222において特別図柄2(特別図柄2始動口43)についてチェックする始動口チェック処理2を行う。
これら始動口チェック処理では、始動口への遊技球の入賞に起因した特別図柄の保留球数の加算、各種乱数の記憶、保留加算コマンドの送信等が実行される。また、始動口チェック処理では、取得された各種乱数に基づいて変動開始時に実行される大当りに関する抽選結果を先読み判定する。先読み判定には、大当り抽選結果を先読み判定する‘先読み当否判定’と、図柄抽選結果を先読み判定する‘先読み図柄判定’と、変動開始時の変動パターンを先読み判定する‘先読み変動パターン判定’とに関する一連の処理が含まれる。
【0145】
ステップS221、S222の始動口チェック処理を終えると、ステップS223では、条件装置作動フラグの状態を判定する。この「条件装置作動フラグ」とは、大当り遊技中であるか否かを指定するためのフラグであり、当該フラグが例えば5AHである場合には大当り遊技中であることを示し、当該フラグが例えば00Hである場合には大当り遊技中ではないことを示す。なお、条件装置作動フラグは、大当り抽選において大当りに当選した場合における特別図柄確認時間中処理(ステップS227)において5AHに設定され、特別電動役物管理処理(ステップS209)における大当り遊技の終了時に00Hに設定される。
【0146】
条件装置作動フラグが5AHでない場合(ステップS223でNo)、ステップS224において、特別図柄動作ステータス(00H~03H)に応じて特別図柄の変動表示動作に関する処理を分岐させる特別図柄動作ステータス分岐処理を実行する。
【0147】
ステップS224の特別図柄動作ステータス分岐処理では、特別図柄動作ステータスが「待機中(00H、01H)」「変動中(02H)」「確認中(03H)」のいずれかであるかに応じて、それぞれ対応する処理に移行させる。なお「特別図柄動作ステータス」とは、特別図柄の挙動を示す値であり、その値は処理状態に応じて変更され、RWMの特別図柄動作ステータス格納領域に格納される。
【0148】
具体的に、特別図柄動作ステータスが「待機中(00H、01H)」である場合には特別図柄変動開始処理(ステップS225)に、「変動中(02H)」である場合には特別図柄変動中処理(ステップS226)に、「確認中(03H)」である場合には特別図柄確認時間中処理(ステップS227)に移行させる。ここで、上記「待機中」とは、特別図柄が次回変動のための待機状態であることを示しており、上記「変動中」とは特別図柄が変動表示中であることを示しており、上記「確認中」とは特別図柄の変動が終了して確定表示中であることを示している。
【0149】
上記のステップS225、S226、S227の処理により、特別図柄の変動開始及び変動停止を1セットする変動表示動作が実現されることになる。
なお、ステップS225の特別図柄変動開始処理の詳細については後述する。
【0150】
ステップS525~S527のいずれかの処理を終えると、ステップS228において特別図柄表示データ更新処理を実行する。この特別図柄表示データ更新処理では、特別図柄が変動中であるか否かを判定し、変動中であれば、特別図柄変動中の7セグ表示用データを作成し、特別図柄が変動中でなければ、特別図柄停止表示中の7セグ表示用データを作成する。ここで作成した特別図柄の表示データは、
図10のLED管理処理(ステップS211)によって特別図柄1表示器63a、特別図柄2表示器63bに出力される。
【0151】
条件装置作動フラグが5AHである場合、すなわち、大当り遊技中である場合(ステップS223でYes)、ステップS225~S227の特別図柄の変動表示動作に関する処理を行わずに、そのままステップS228の特別図柄表示データ更新処理を行う。すなわち、大当り遊技中である場合には、特別図柄の変動表示動作は行われない。
【0152】
(特別図柄変動開始処理)
図12は、変動開始時の処理である特別図柄変動開始処理(ステップS225)を示したフローチャートである。
図12に示すように、主制御部101は特別図柄変動開始処理を開始すると、ステップS241において、特別図柄2の保留球数(特
図2保留球数)が0であるかを判定する。そして、特
図2保留球数が0でない場合(ステップS241でNo)にはステップS246に処理を移す。
【0153】
一方、特
図2保留球数が0である場合(ステップS241でYes)、ステップS242において特別図柄1の保留球数(特
図1保留球数)が0であるかを判定する。そして、特
図1保留球数が0でない場合(ステップS242でNo)にはステップS246に処理を移す。
上記のステップS241とステップS242の処理により、特
図1保留球と特
図2保留球のどちらを優先的に変動表示動作に供するか(どちらの保留球を優先的に消化していくか)の「優先変動順位」が定められている。本実施形態では、特
図1保留球と特
図2保留球の双方に保留球が存在する場合、特
図2保留球が優先的に消化される。つまり、特別図柄1変動表示ゲームより特別図柄2変動表示ゲームの方が優先的に実行される。なお、上述の優先変動タイプに限らず、入賞した順番通りに保留球を消化していく構成としてもよい。
【0154】
なお、特
図2保留球数と特
図1保留球数の双方の保留球数が0である場合(ステップS241及びステップS242でYes)には「保留球なし」の状態となる。そこで、「保留球なし」になった場合はステップS243において、特別図柄動作ステータスが「保留球なし」の状態を示す「待機中(00H)」であるかを判定する。
【0155】
特別図柄動作ステータスが「待機中(00H)」でない場合(ステップS243でNo)、すなわち、特別図柄動作ステータスが「待機中(01H)」であると判定した場合には、ステップS244において特別図柄動作ステータスを「待機中(00H)」に切り替える(特別図柄動作ステータスに00Hを格納する)。そして、ステップS245では、演出制御コマンドとして客待ちデモ画面を表示させるための「デモ表示コマンド」を演出制御基板120に送信する。これにより、客待ち待機用のデモ画面表示(客待ちデモ画面)をLCDユニット57に表示させることが可能となる。
以後、ステップS243の判定処理が実行されるときに「待機中(00H)」であれば、主制御部101は、再度、デモ表示コマンドを送信することなく特別図柄変動開始処理を終了する。
【0156】
特
図2保留球数が0でない場合(ステップS241でNo)、及び、特
図1保留球数が0でない場合(ステップS242でYes)、今回の変動表示に供する保留データ(保留球)を対象とした特別図柄の変動開始時に係る処理(ステップS246~S254)を行う。
ここで、以下に説明する処理については、ステップS241でNoであった場合は特
図2保留球を対象とした処理、ステップS242でNoであった場合は特
図1保留球を対象とした処理となるが、処理の仕方は同じであるため、重複記載を避けるために特に必要がない限り、特
図1保留球を対象とした処理であるか、特
図2保留球を対象とする処理であるかの区別はせずに説明していく。
【0157】
ステップS246では、保留球数を1減算し(今回の変動表示動作に供する特別図柄側に係る保留球数-1)、続くステップS247では減算後の保留球数情報を含む「保留減算コマンド」を演出制御基板120に送信する。この保留減算コマンドにより、演出制御基板120側は、今回の保留球数消化後の残余保留球数を把握し、現在表示中の保留表示をシフト表示させる。
【0158】
ステップS248では特別図柄作動確認データを設定する。この特別図柄作動確認データは、今回の変動開始側の特別図柄を指定する情報であり、例えば、特別図柄1が変動開始側であるならば「00H(特
図1変動開始指定)」を、特別図柄2が変動開始側であるならば「01H(特
図2変動開始指定)」を、RWMの所定領域(特別図柄作動確認データ格納領域)に格納する。
【0159】
ステップS249では、RWMの特図保留記憶エリアに格納されている保留データをシフトし、続くステップS250では保留4記憶エリアをクリアする。このステップS249、S250の処理では、保留記憶数n=1に対応する保留記憶エリア(保留1記憶エリア)に格納されている保留データ(大当り判定用乱数、特別図柄判定用乱数及び変動パターン用乱数)を読み出し、RWMの判定用乱数記憶エリアに格納するとともに、保留n記憶エリア(n=2、3、4)に対応する保留記憶エリア(保留2記憶エリア、保留3記憶エリア、保留4記憶エリア)に格納されている保留データを、それぞれ‘n-1’に対応する保留記憶エリアに格納し(ステップS249)、保留4記憶エリアをクリアして空き領域を設ける(ステップS250)。
【0160】
ステップS251では、変動回数残指定コマンド、遊技状態コマンドを送信する処理を行う。ここでは、時短状態の時短回数をカウントする「時短回数カウンタ」が0であるか否かを判定し、時短回数が0でない場合は時短回数を含む「変動回数残指定コマンド」を演出制御基板120に送信する。この「変動回数残指定コマンド」により、演出制御基板120は、時短回数を把握して報知する処理を実行可能とされる。
また、ステップS251では現在の遊技状態を指定する遊技状態コマンドを演出制御基板120に送信する。
【0161】
ステップS252では大当り抽選を行う大当り乱数判定処理を実行する。
なお、大当り乱数判定処理の詳細については後述する。
【0162】
ステップS253では図柄抽選を行う特別停止図柄作成処理を実行する。
なお、特別停止図柄作成処理の詳細については後述する。
【0163】
ステップS254では変動パターン抽選を行う変動パターン作成処理を実行する。
なお、変動パターン作成処理の詳細については後述する。
【0164】
ここで、変動開始時における大当り抽選、図柄抽選及び変動パターン抽選の抽選結果をRWMに格納するものとしているが、その理由は、これらの抽選結果は、特別図柄管理処理(ステップS225)のみで利用されるものではなく、後々の特別電動役物管理処理(ステップS209)等においても利用されるデータだからである。
この点、抽選結果をRWMに格納しない先読み判定時の処理とは異なる。
【0165】
なお、図示による説明は省略するが、大当り抽選結果が大当たりである場合には、ステップS253に続いて、遊技状態を移行させるための設定処理として、大当り遊技後の遊技状態を指定するための必要な設定処理を行う(遊技状態移行準備処理)。
【0166】
ステップS255では、変動表示中であることを指定する特別図柄N変動中フラグ(N=1、2)に5AHを格納する。「特別図柄N変動中フラグ」とは、特別図柄1、2のうち対象とするいずれかの特別図柄が変動中であるかを示すフラグであり、当該フラグが5AHである場合には対象の特別図柄が変動中であることを示し、当該フラグが00Hである場合には対象の特別図柄が停止中であることを示す。
なお、特別図柄1変動中フラグ(N=1)は特別図柄1に対応し、特別図柄2変動中フラグ(N=2)は特別図柄2に対応するものである。
【0167】
ステップS256では図柄抽選結果に基づいて装飾図柄指定コマンドを作成し、ステップS257では装飾図柄指定コマンドを送信する。装飾図柄指定コマンドは、図柄種別(特別図柄1、2のどちらであるか)と停止図柄(図柄抽選結果)に関する情報が含まれている。そのため、演出制御基板120において、主として、リーチ状態を形成する際の装飾図柄201の組合せや、最終的に停止表示させる装飾図柄201の組合せや、図柄変動表示ゲームにおいて停止図柄に対応する予告演出などを決定する際に利用される。
【0168】
ステップS258では変動開始時の設定処理を実行し、特別図柄変動開始処理(ステップS225)を終了する。ここでは、特別図柄動作ステータスを「変動中(02H)」に切り替え(特別図柄動作ステータスに02Hを格納)、判定用乱数記憶エリアをクリアする処理を行う。
【0169】
(大当り乱数判定処理)
図13は、大当り乱数判定処理(ステップS252)を示したフローチャートである。
図14は、大当り判定テーブルの一例を示した図である。
【0170】
図13に示すように、主制御部101は大当り乱数判定処理を開始すると、ステップS261において図柄種別(特別図柄1、特別図柄2)に応じた大当り判定テーブルを選択する。
ここで、RWMの所定の領域(アドレス)には、
図14に示すような大当り判定テーブルが記憶されている。大当たり判定テーブルは、図柄種別ごとに設けられているが、本実施形態では、保留種別によらず同一の値が設定されている。
大当り判定テーブルには、低確率状態と高確率状態とでの判定基準値が示されている。大当り乱数判定では、大当り判定用乱数がとり得る値の範囲内において判定基準値を定め、大当り判定用乱数と判定基準値の大小関係を比較した結果に基づき、大当りの当否判定(大当り抽選)を行う。一例として、大当り判定用乱数の値が0以上でかつ判定基準値未満の範囲内である場合に大当りの判定結果を、それ以外の場合にハズレの判定結果を得る手法を採っている。
【0171】
そして、判定基準値としては、低確率状態の判定に用いる判定基準値(205)と、高確率状態の判定に用いる判定基準値(658)との2種が設定される。これにより、低確率状態の大当りの当選確率(大当り確率)が約1/319.7に設定され、高確率状態の大当りの当選確率が約1/99.6に設定される。このように、高確率状態の判定基準値は低確率状態の判定基準値よりも値が大きくされ、これにより高確率状態の判定でより大当りの当選確率が高まるようになされている。
【0172】
なお、大当り乱数判定における大当りの判定下限値を「0」とした場合、すなわち、大当り判定用乱数が「0」~「判定基準値」の範囲内であれば大当りの判定結果を得る場合を例示したが、判定下限値は「0」よりも大きな数値とすることもできる。
【0173】
ステップS262では現在の遊技状態が高確率状態であるかを判定し、高確率状態でない場合(ステップS262でNo)、すなわち低確率状態である場合にはステップS263において低確率状態の判定基準値を取得し、高確率状態である場合(ステップS262でYes)にはステップS264において高確率状態の判定基準値を取得する。
【0174】
ステップS265では、大当り判定用乱数が判定基準値未満であるかを判定する。大当り判定用乱数が判定基準値未満である場合(ステップS265でYes)、ステップS266において、大当り判定フラグを5AH(大当り)に更新して大当り乱数判定処理を終了し、大当り判定用乱数が判定基準値未満でない場合(ステップS265でNo)にはステップS266をパスして大当り乱数判定処理(ステップS252)を終了する。
【0175】
(図柄抽選処理)
図15は、特別停止図柄作成処理(ステップS253)を示したフローチャートである。
図16は、図柄テーブルの一例を示した図である。
【0176】
図16に示すように、図柄テーブルは、大当り抽選結果ごとに設けられている。図柄テーブルでは、大当り抽選結果ごとに停止図柄(大当り図柄、ハズレ図柄)の選択率が設定されている。
ここで、図柄テーブル内において、抽選対象の図柄種別ごとに格納された数値は、特別図柄判定用乱数が0~199の200通りの数値をとり得ることを前提とした場合における選択率の振り分け値(振り分けを表す値)を表している。
大当り用の図柄テーブルによれば、特別図柄1で大当りに当選した場合、大当り図柄として「大当り1」が200/200の選択率、すなわち、必ず決定される。
また、特別図柄2で大当りに当選した場合、大当り図柄として「大当り2」が140/200」の選択率で決定され、大当り種別として「大当り3」が60/200の選択率で決定される。
【0177】
また、ハズレ用の図柄テーブルによれば、特別図柄1でハズレが決定された場合、ハズレ図柄として「ハズレ1」が180/200の選択率で決定され、「ハズレ2」が16/200の選択率で決定され、「ハズレ3」が4/200の選択率で決定される。
また、特別図柄2でハズレが決定された場合、ハズレ図柄として「ハズレ1」が180/200の選択率で決定され、「ハズレ2」が10/200の選択率で決定され、「ハズレ3」が10/200の選択率で決定される。
【0178】
主制御部101は、特別停止図柄作成処理(ステップS253)を開始すると、ステップS271において、図柄種別に対応した図柄テーブルを選択する。
【0179】
ステップS272では、特別図柄判定用乱数、大当り判定フラグを取得する。ステップS273では、大当り判定フラグ(大当り/ハズレ)に対応した図柄テーブルを参照し、特別図柄判定用乱数に基づいて停止図柄(大当り図柄、ハズレ図柄)を図柄抽選により決定する。
【0180】
ステップS274では、ステップS273で決定した停止図柄に対応する特別図柄判定データをRWMの所定領域に格納し、特別停止図柄作成処理(ステップS253)を終了する。
【0181】
(変動パターン作成処理)
図17は、変動パターン作成処理(ステップS254)を示したフローチャートである。
主制御部101は、変動パターン作成処理(ステップS254)を開始すると、ステップS281において大当り判定フラグが5AHであるか、すなわち、大当りに当選したかを判定する。
【0182】
大当り判定フラグが5AHでない場合(ステップS281でNo)、ステップS282においてハズレ変動パターンテーブルを選択し、ステップS284に処理を移す。
一方、大当り判定フラグが5AHである場合(ステップS281でYes)、ステップS283において大当り変動パターンテーブルを選択し、ステップS284に処理を移す。
【0183】
ステップS284では変動パターン用乱数を取得する。ステップS285では、ステップS283又はステップS284で選択した変動パターンテーブルを参照し、変動パターン用乱数に基づいて変動パターンを決定する。ステップS286では、ステップS284の変動パターン抽選で選択された変動パターンを演出制御基板120に通知すべく、演出制御コマンドとして、変動パターンに関する情報(大当り抽選結果、現在の遊技状態、変動時間に関する情報)を含む変動パターン指定コマンドを演出制御基板120に送信する。
【0184】
図18は、ハズレ変動パターン抽選テーブルの一例を示した図である。
図19は、大当り変動パターン抽選テーブルの一例を示した図である。
変動パターンテーブルは主制御部101のRWMに記憶されている。なお、
図18及び
図19では、通常状態で用いられる変動パターンテーブルを図示しているが、実際には、時短状態や高確率状態で用いられる変動パターンテーブルも設けられている。
また、
図18及び
図19に示す変動パターンテーブルでは、決定可能な変動パターンの一部を図示しており、実際にはこれら以外の変動パターンも多数設けられている。
【0185】
図18に示すように、ハズレ時の変動パターン抽選においては、抽選候補の変動パターンとして「通常3s」「通常5s」「通常10s」「通常13s」「ノーマルリーチ」「SP1(ハズレ)」「SP2(ハズレ)」「SP3(ハズレ)」「疑似2+ノーマルリーチ」「疑似2+SP1(ハズレ)」「疑似2+SP2(ハズレ)」「疑似2+SP3(ハズレ)」「疑似3+SP1(ハズレ)」「疑似3+SP2(ハズレ)」「疑似3+SP3(ハズレ)」等が設けられている。
また、
図19に示すように、大当り時の変動パターン抽選においては、抽選候補の変動パターンとして「SP1(大当り)」「SP2(大当り)」「SP3(大当り)」「疑似2+SP1(大当り)」「疑似2+SP2(大当り)」「疑似2+SP3(大当り)」「疑似3+SP1(大当り)」「疑似3+SP2(大当り)」「疑似3+SP3(大当り)」等が設けられている。
【0186】
本実施形態では、ハズレ時の変動パターン抽選は、ハズレ図柄(ハズレ1、2、3)ごとに異なる変動パターンテーブルを用いて行われる。
ここで、上記したように、「ハズレ1」「ハズレ2」「ハズレ3」の各ハズレ図柄については、図柄抽選による選択率が異なるものとされ、「ハズレ1」が最も選択率が高く、「ハズレ2」「ハズレ3」は「ハズレ1」よりも選択率が低くされている。つまり、大当り抽選結果が「ハズレ」であれば、殆どの場合、ハズレ図柄として「ハズレ1」が選択されることになる。
【0187】
ハズレ図柄が「ハズレ1」の場合における変動パターン抽選については、保留球数に応じた抽選を行う。このため、変動パターンテーブルのうち、ハズレ図柄が「ハズレ1」の場合に用いられる変動パターンテーブルとしては、保留球数ごとに異なるテーブルが用意されている。
【0188】
ここで、変動パターンテーブル内において、抽選対象の変動パターンごとに格納された数値は、変動パターン判定用乱数が0~9999の10000通りの数値をとり得る場合における選択確率の振り分け値(振り分けを表す値)を表している。例えば、特別図柄1用の変動パターンテーブルにおいて、「ハズレ1」かつ「保留球数=0」のテーブルでは「通常変動10s」に対する格納値=「4000」とされ、「通常変動13s」に対する格納値=「4000」とされ、「ノーマルリーチ」に対する格納値=「1000」とされ、「疑似2+ノーマルリーチ」に対する格納値=「1000」とされているが、これは、「通常変動10s」の選択確率が「4000/10000」であり、「通常変動13s」の選択確率が「4000/10000」であり、「ノーマルリーチ」の選択確率が「1000/10000」であり、「疑似2+ノーマルリーチ」の選択確率が「1000/10000」であることを意味している。
【0189】
これらの変動パターンには、特別図柄1の変動時間及び確定時間(停止表示時間)がそれぞれ規定されている。従って、主制御部101は、ここで決定された変動パターンに対応付けられた変動時間に亘って特別図柄1表示器63aに特別図柄1を変動表示させた後、確定時間に亘って図柄抽選で決定された停止図柄を停止表示させる。
【0190】
また、演出制御部121は、主制御部101によって決定された変動パターンに基づいた演出(変動演出)を行う。なお、実際には、演出制御部121は、変動パターンに基づいて大まかな演出の流れを決定し、決定した大まかな演出に対して詳細な内容を抽選等により決定していくことで演出シナリオを最終的に決定することになる。
【0191】
「通常変動3s」「通常変動5s」「通常変動10s」「通常変動13s」は、装飾図柄201を3秒、5秒、10秒、13秒に亘って変動表示させた後、リーチ態様にならないように停止表示させる変動パターンであり、これらをまとめて「通常変動」と表記することがある。
「ノーマルリーチ」は、装飾図柄201を13秒に亘って変動表示させた後、左図柄201a及び右図柄201cを同一の装飾図柄で仮停止させ(リーチ態様で仮停止させ)、その後、中図柄201bを左図柄201a及び右図柄201cとは異なる装飾図柄で停止表示させる変動パターンである。このとき、左図柄201a及び右図柄201cも停止表示させる。
【0192】
「SP1」「SP2」「SP3」は、装飾図柄201を13秒に亘って変動表示させた後、左図柄201a及び右図柄201cを同一の装飾図柄で仮停止させ(リーチ態様で仮停止させ)、その後、大当りに当選しているか否かを遊技者に期待させるストーリー性を持たせたスーパーリーチ演出(SP演出)を実行する変動パターンである。
「SP1」「SP2」「SP3」では、大当り時とハズレ時とで途中まで同じ演出が実行され、最終的な結果を報知するタイミングでそれぞれの大当り抽選結果に応じた演出を実行するようになされている。
【0193】
なお、「ノーマルリーチ」「SP1」「SP2」「SP3」は装飾図柄201がリーチ態様で仮停止される変動パターンであるため、これらをまとめて「リーチ変動」と表記することがある。
【0194】
「疑似2+SP1」「疑似2+SP2」「疑似2+SP3」は、装飾図柄201が変動表示された後に所定の停止態様で仮停止される疑似変動が1回行われた後に、本変動として、装飾図柄201が再度変動表示された後、左図柄201a及び右図柄201cを同一の装飾図柄で仮停止させ(リーチ態様で仮停止させ)、その後にスーパーリーチ演出(SP演出)を実行する変動パターンである。
なお、これらをまとめて「疑似2リーチ変動」と表記することがある。
同様に、「疑似3+SP1」「疑似3+SP2」「疑似3+SP3」は、装飾図柄201の疑似変動が2回行われた後に本変動が実行される変動パターンである。また、これらをまとめて「疑似3リーチ変動」と表記することがある。
【0195】
図18及び
図19に示すように、変動パターンは大当り抽選結果、現在の遊技状態によって選択可能な変動パターンがそれぞれ異なっている。また、選択可能な変動パターンにそれぞれ異なる変動パターン指定コマンドが対応付けられている。そのため、演出制御基板120は、変動パターン指定コマンドによって大当り抽選結果、現在の遊技状態、変動パターン(変動時間)を把握することが可能となっている。
【0196】
<5.枠制御基板の処理>
続いて、本実施形態の枠制御部111が行う処理について説明する。枠制御部111が実行する処理は、主に、メイン処理(枠制御側メイン処理:
図20)と、定時割込みで起動されるタイマ割込み処理(枠制御側タイマ割込み処理:
図21)とである。
【0197】
[5.1 枠制御側メイン処理]
図20は、枠制御側メイン処理を示したフローチャートである。
電源基板130から電力が供給され枠制御側メイン処理が開始されると、枠制御部111は枠制御側メイン処理を実行する。具体的にはステップS301においてCPUの内部レジスタを設定する。
【0198】
ステップS302では、電源の異常を示す電源異常信号がONであるかを判定する。
電源異常信号がONである場合(ステップS302でYes)、ステップS302に処理を戻す。
電源異常信号がONでない(OFFである)場合(ステップS302でNo)、ステップS303においてRWMへのアクセスを許可する。
【0199】
ステップS304では、遊技球数クリアスイッチ112bからの入力信号がON(遊技球数クリアスイッチ112bが押下された状態)であるかを判定する。
遊技球数クリアスイッチ112bからの入力信号がONでない場合(ステップS304でNo)、ステップS305において、RWMにおける遊技球数に係る領域を対象としたチェックサムを算出し、チェックサムが正常であるかを判定する。
【0200】
遊技球数クリアスイッチ112bからの入力信号がONである場合(ステップS304でYes)、及び、チェックサムが正常でない場合(ステップS305でNo)、ステップS306において、RWMにおける遊技球数に係る領域の値を初期化する遊技球数クリア処理を実行する。
一方、遊技球数クリアスイッチ112bからの入力信号がONでなく(ステップS304でNo)、かつ、チェックサムが正常である場合(ステップS305でYes)、遊技球数クリア処理を実行することなくステップS307に処理を移す。
【0201】
ステップS307では、RWMクリアスイッチ112aからの入力信号がON(RWMクリアスイッチ112aが押下された状態)であるかを判定する。
RWMクリアスイッチ112aからの入力信号がONでない場合(ステップS307でNo)、ステップS308において、RWMにおける遊技機情報に係る領域を対象としたチェックサムを算出し、チェックサムが正常であるかを判定する。
【0202】
RWMクリアスイッチ112aからの入力信号がONである場合(ステップS307でYes)、及び、チェックサムが正常でない場合(ステップS308でNo)、ステップS309において、RWMにおける遊技機情報に係る領域の値を初期化するRWMクリア処理を実行する。
一方、RWMクリアスイッチ112aからの入力信号がONでなく(ステップS307でNo)、かつ、チェックサムが正常である場合(ステップS308でYes)、RWMクリア処理を実行することなくステップS310に処理を移す。
【0203】
ステップS310では、バックアップの必要がないワーク領域の初期化、WDTやタイマ割込みの設定、球抜きスイッチ112cが押下されていた場合の球抜き処理等の起動時初期化処理を実行する。
【0204】
ステップS311では割込み禁止状態に設定し、ステップS312では電断異常チェックを行う。
【0205】
ステップS313では、所定条件に基づいて発射制御信号のONOFFを切り替え、その発射制御信号を発射制御回路116に出力する発射停止制御処理を行う。
【0206】
ステップS314では、主制御基板100から送信される制御コマンドがある場合に制御コマンドを受信し、主制御基板100に送信する信号がある場合にその信号を主制御基板100に送信する主制御基板通信処理を行う。
【0207】
ステップS315では、主制御基板100から送信された制御コマンドに基づき、遊技機情報を管理する遊技機情報管理処理を行う。遊技機情報管理処理では、例えば管理遊技球数を更新する。ここでは、主制御基板100から送信される賞球数に関する制御コマンドに応じた遊技球数の加算、減算出口スイッチ31cによる遊技球の検出に応じた遊技球数の減算、ファール球スイッチ33cによる遊技球の検出に応じた遊技球数の加算を行う。
【0208】
ステップS316では、遊技球等貸出装置のSC基板と通信を行うSC基板通信処理を行う。SC基板通信処理では例えば管理遊技球数を更新する。ここでは、遊技球等貸出装置からの貸出通知に応じた遊技球数の加算、計数スイッチ23の操作に応じた遊技球数の減算を行う。
【0209】
ステップS317では、ステップS315、ステップS316で更新された管理遊技球数を遊技球数表示器21に点灯表示させるための制御信号を生成する遊技球数表示制御処理を行う。
【0210】
ステップS318では領域内エラー解除処理を実行し、ステップS319では揚上装置33を適宜制御する遊技球循環管理処理を行い、ステップS320では領域外エラー解除処理を実行し、ステップS321では不正検知処理を行う。
【0211】
ステップS322では、性能表示器113に表示される遊技実績情報を算出するための値(打ち出した遊技球数、賞球合計数、大入賞口49への入賞による賞球数、特別図柄2始動口43への入賞による賞球数と大入賞口49への入賞による賞球数の合計等)を算出し、算出した値に基づいて遊技実績情報を算出する性能情報管理処理を行う。
【0212】
ステップS323では、ステップS322で算出された遊技実績情報を性能表示器113に点灯表示させるための制御信号を生成する性能表示器制御処理を行う。
ステップS324では、割込み許可を行い、ステップS311に処理を戻す。
【0213】
従って、枠制御部111は、ステップS311~ステップS324の処理を繰り返し実行することになる。
【0214】
[5.2 枠制御側タイマ割込み処理]
図21は、枠制御側タイマ割込み処理を示したフローチャートである。
枠制御部111は、CTCからの一定時間(1ms)ごとの割込みで枠制御側タイマ割込み処理を起動し、枠制御側メイン処理実行中に割り込んで枠制御側タイマ割込み処理を実行する。
【0215】
枠制御部111は、枠制御側タイマ割込み処理を開始すると、ステップS401においてレジスタを退避させる。ステップS402では、第1周期(2ms)及び第2周期(4ms)をそれぞれカウントするカウンタの値を1加算するとともに、1ms毎のタイマを減算するカウンタ管理処理を行う。
【0216】
ステップS403では、揚上モータ33aの駆動制御を行う揚上モータ管理処理を行う。
【0217】
ステップS404では、第1周期をカウントするカウンタの値に基づいて、第1周期(2ms)であるかを判定する。
第1周期(2ms)でない場合(ステップS404でNo)、ステップS405~ステップS411をスキップしてステップS412に処理を移す。
第1周期である場合(ステップS404でYes)、ステップS405において上記ステップS317で生成された制御信号(遊技球数表示セグデータ、遊技球数表示コモンデータ)をSPI通信用バッファにセットするとともに、コモンカウンタを更新する遊技球数表示器LED制御処理を行う。
【0218】
ステップS406では、1バイトで構成されるタイマを減算する1バイトタイマ減算処理を行う。
【0219】
ステップS407では、枠制御部111に接続される各スイッチの状態を検知するスイッチ検知処理を行う。ステップS408では、球送りソレノイド31a及びファール球スイッチ33cを監視して管理遊技球数に関するカウンタを更新する減算機構制御処理を行う。
【0220】
ステップS409では、ステップS323で生成された制御信号(性能表示セグデータ、性能表示コモンデータ)をSPI通信用バッファにセットするとともに、コモンカウンタを更新する性能表示器LED制御処理を行う。
【0221】
ステップS410では、揚上装置33に設けられた各スイッチの状態を検知するとともに、遊技球の循環に関する各種タイマを更新する遊技球循環スイッチ検知処理を行う。
【0222】
ステップS411では、領域外エラーの監視を行う領域外エラー監視管理処理を実行する。
【0223】
ここまでのステップS405~ステップS411の処理が第1周期(2ms毎)で実行される。
【0224】
ステップS412では、第2周期をカウントするカウンタの値に基づいて、第2周期(4ms)であるかを判定する。
第2周期でない場合(ステップS412でNo)、ステップS413~ステップS415をスキップしてステップS416に処理を移す。
第2周期である場合(ステップS412でYes)、ステップS413において試験信号を出力する試験信号出力処理を行う。ここでは、発射球数カウンタの値、ファール球数カウンタの値、ステッ賞球数カウンタの値が0以外のときに1つ分のパルス信号を出力して対応するカウンタを1減算する。
【0225】
ステップS414では、2バイトで構成されるタイマを減算する2バイトタイマ減算処理を行う。ステップS415では、性能表示器113に表示される区間を切り替える性能表示器表示設定処理を行う。
ここまでのステップS412~ステップS415の処理が第2周期(4ms毎)で実行される。
【0226】
ステップS416では出力ポートのデータを出力する。ステップS417ではSPI通信を行う。SPI通信では、例えば、ステップS405でセットされた制御信号(遊技球数表示セグデータ、遊技球数表示コモンデータ)を遊技球数表示器21にシリアル出力する。また、枠制御部111は、ステップS409でセットされた制御信号(後述する性能表示セグデータ、性能表示コモンデータ)を性能表示器113にシリアル出力する。これにより、遊技球数表示器21及び性能表示器113は、送信された制御信号に基づいて遊技球数及び遊技実績情報を点灯表示することになる。
【0227】
ステップS418では、レジスタを復帰させ、枠制御側タイマ割込み処理を終了する。
【0228】
以上のタイマ割込み処理が終了すると、枠制御部111は次のタイマ割込みが発生するまでの間、上記ステップS311~ステップS324(
図20参照)を繰り返す。
【0229】
<6.演出制御基板の処理>
続いて、本実施形態の演出制御基板120が行う処理について説明する。演出制御基板120が実行する処理は、主に、メイン処理(演出制御側メイン処理:
図21)と、定時割込みで起動されるタイマ割込み処理(演出制御側タイマ割込み処理:
図21)とである。
【0230】
[6.1 演出制御側メイン処理]
図21は、演出制御側メイン処理を示したフローチャートである。
演出制御部121は演出制御側メイン処理を開始すると、ステップS501において遊技動作開始前における必要な初期設定処理を行う。ここでは、初期設定処理として、例えばコマンド受信割込み設定、可動体役物61の起点復帰処理、CTCの初期設定、タイマ割込みの許可、マイクロコンピュータの各部を含めてCPU内部のレジスタ値の初期設定などを行う。
【0231】
上記初期設定処理を終えると、所定時間ごと(16ms)にステップS504~S511のメインループ処理を行い、それ以外ではステップS503の演出用ソフト乱数更新処理を繰り返し行う。
【0232】
ステップS502では、メインループ更新カウンタを参照して、メインループ処理の実行契機となるメインループ更新周期(カウンタ値>15)が到来したかを判定する。メインループ更新カウンタは、1ms毎に実行される後述の演出制御側タイマ割込み処理中でインクリメントされるカウンタである。本実施形態では、16msごとにメインループ処理を行うようになっており、ステップS502の判定処理にて、メインループ更新カウンタ値を判定し、その値が「15」より大きい場合には(ステップS502でYes)、メインループ処理の実行タイミングが到来したとして、ステップS504~S511の処理を実行し、それ以外の場合には、メインループ更新周期が到来するまで(ステップS502でNo)、ステップS503において演出シナリオを決定するための抽選に利用する各種演出抽選用乱数の更新を行う。
【0233】
メインループ更新周期が到来した場合(ステップS502でYes)、ステップS504ではメインループ更新カウンタをクリアし、ステップS505ではデモ・節電モード処理を実行する。デモ・節電モード処理では、デモ中演出(客待ち演出)、及び節電モードに必要な設定処理を実行する。
【0234】
ステップS506では演出スイッチ入力処理を実行する。演出スイッチ入力処理では、操作ボタン25の操作状態を監視し、操作を検出した場合には、その操作に応じた演出制御処理を実行する。
【0235】
ステップS507では、コマンド解析処理を行う。コマンド解析処理では、コマンド受信バッファに演出制御コマンドが格納されているかを監視し、演出制御コマンドが格納されていればコマンドを読み出し、読み出した演出制御コマンドに対応した演出処理を実行する。なお、主制御基板100から演出制御コマンドが送信されると、RWMのコマンド受信バッファに格納される。
【0236】
例えば、変動パターン指定コマンドと装飾図柄指定コマンドとが受信され、それらが受信バッファに格納されている場合、演出制御部121は、コマンド解析処理において、そのコマンドに含まれる情報に基づいて演出シナリオを決定し、その演出シナリオのデータ(演出シナリオデータ)をRWMのシナリオ設定領域に格納する。なお、演出シナリオには、1又は複数種類の演出を、どのようなタイミングで、どれだけの演出時間幅をもって出現させるかについてのタイムスケジュールが規定されている。
また、演出制御部121は、詳しくは後述するように、予告演出の実行可否、実行する予告演出の種類、実行する予告演出の内容を変動パターン指定コマンドに基づいて決定する。
【0237】
ステップS508ではシナリオ更新処理を実行する。このシナリオ更新処理では、演出シナリオの実行に必要なタイマの内容を更新し、当該タイマ値に基づいて演出シナリオを進行する処理を実行する。上記タイマの代表的なものは、演出の発生タイミングに関するタイムスケジュールを管理する演出シナリオタイマである。例えば、特別図柄が変動表示されている変動期間内と実質的に同一期間内である、装飾図柄201が変動表示されている変動期間内において、その時間軸上で、どのような演出を、どれだけの時間幅をもって、どのような演出手段で現出させるかについての時間的なスケジュールがこのタイマにより管理される。なお、演出シナリオタイマは、後述のLED駆動データ更新処理(ステップS510)や可動体役物動作更新処理(不図示)においても利用される。
【0238】
ステップS509では、ウンド出力処理を行う。サウンド出力処理では、演出シナリオデータと演出シナリオタイマとに基づき、フレーズやボリュームなどのデータを音声IC125に出力し、音声IC125を通じてスピーカ29から音演出を現出させる。これにより、演出シナリオに沿った音演出が実現される。
【0239】
ステップS510では、LED駆動データ更新処理を実行する。LED駆動データ更新処理では、演出シナリオデータと演出シナリオタイマとに基づき、演出用LED27を点灯表示させるための制御信号(LEDデータ)を作成する。
また、主制御基板100から送信される演出制御コマンド(特別図柄や普通図柄の保留球数、右打ち報知等のコマンド)と演出シナリオタイマとに基づいて、第4図柄表示器65を点灯表示させるための制御信号(LEDデータ)を作成する。
【0240】
ステップS511では、LED出力処理を実行する。このLED出力処理では、LED駆動データ更新処理で作成された制御信号(LEDデータ)をLEDドライバ27aに出力し、LEDドライバ27aを通じて第4図柄表示器65や演出用LED27を点灯表示させる。
【0241】
[6.2 演出制御側タイマ割込み処理]
図23は、演出制御側タイマ割込み処理を示したフローチャートである。演出制御部121は、CTCからの一定時間(1ms)ごとの割込みで演出制御側タイマ割込み処理を起動し、演出制御側メイン処理実行中に割り込んで演出制御側タイマ割込み処理を実行される。
【0242】
演出制御部121は演出制御側タイマ割込み処理を開始すると、ステップS601においてレジスタの内容をスタック領域に退避させた後、ステップS602においてボタン入力状態更新処理を実行する。このボタン入力状態更新処理では、操作ボタン25からの操作検出信号の入力状態を監視し、操作検出信号を受信したことを確認した場合、その検出情報をRWMの所定領域に格納する。
【0243】
ステップS603では可動体役物動作更新処理を実行する。この可動体役物動作更新処理では、演出シナリオデータと演出シナリオタイマとに基づき、可動体役物61を動作させる可動体モータ61aのモータ制御データを作成する処理を行う。
【0244】
ステップS604では、SOL・MOT出力処理を行う。このSOL・MOT出力処理では、可動体役物動作更新処理で作成された可動体モータ61aのモータ制御データをモータドライバ61cに出力する。モータドライバ61cは、モータ制御データに基づく制御信号を、動作対象とする可動体役物61の可動体モータ61aに出力しその動作を制御する。これにより、演出シナリオに沿った可動体役物61による可動体演出が実現される。
【0245】
ステップS605では、LCDコマンド送信処理を行う。このLCDコマンド送信処理では、シナリオ更新処理(ステップS508)で作成されたLCDコマンドがある場合には、VDP回路127にLCDコマンドを送信し、LCDユニット57に対する画像表示制御を実行させる。これにより、演出シナリオに沿った画像が表示される。
【0246】
ステップS606では、RTC情報取得処理を実行する。このRTC情報取得処理では、RTCにより計時される日時情報(RTC情報)を取得する。このRTC情報は、RTC情報に基づく演出を現出する際に利用される。
【0247】
ステップS607では、メインループ更新カウンタをインクリメントする。このメインループ更新カウンタは、上記の演出制御側メイン処理中のステップS503でリセットされ、ここでインクリメントされる。
【0248】
ステップS608では退避していたレジスタの内容を復帰し、タイマ割込み処理を終了する。その後、演出制御部121は、次のタイマ割込みが発生するまで演出制御側メイン処理を実行する。
【0249】
<7.予告演出>
[7.1 装飾図柄の変動表示]
図24は、様々な変動パターンでの装飾図柄201の変動表示を説明する図である。
図25は、変動パターンが「通常13s」である場合の装飾図柄201の変動表示を示した図である。
図26は、変動パターンが「リーチ変動」である場合の装飾図柄201の変動表示を示した図である。なお、
図25及び
図26において、矢印の向きは装飾図柄201の移動の方向を示しており、矢印の長さは装飾図柄201の移動の速さを示している。
【0250】
上記したように、主に主制御部101によって決定された変動パターン(変動パターン指定コマンド)に基づいて、演出制御部121によって装飾図柄201が変動表示される。ここでは、変動パターンが「通常3s」「通常5s」「通常10s」「通常13s」「リーチ変動」における装飾図柄201の変動表示について説明する。
【0251】
変動パターンが「通常変動」であるときの装飾図柄201の変動表示は、装飾図柄201が変動表示を開始する際に実行される開始アクション、開始アクション後に装飾図柄201の変動表示が高速で維持される高速変動、高速変動後に装飾図柄201が減速する減速動作、減速動作後であって装飾図柄201が停止する際に行われる停止アクション、及び、停止アクション後に装飾図柄201が待機状態となる待機動作(揺れ)を含んでいる。
また、変動パターンが「リーチ変動」であるときの装飾図柄201の変動表示は、開始アクション、高速変動、減速動作、停止アクション及び待機動作に加え、左図柄201a及び右図柄201cがリーチ態様で仮停止する際に実行されるリーチアクションを含んでいる。
ただし、全ての変動表示においてこれらの全ての動作を含んでいなくてもよく、例えば待機動作が含まれていなくてもよい。
【0252】
開始アクションは、
図25(a)、(b)及び
図26(a)、(b)に示すように、例えば全ての装飾図柄201が停止している状態から少し上に移動した後に下方向に加速しながら移動するように表示される。
ここで、装飾図柄201は背景画像210より表示優先度が高く設定されている(上位レイヤーに設定されている)。そのため、装飾図柄201は背景画像210の前面に表示されることになる。
そして、開始アクションでは、装飾図柄201の透過度は0(不透過)に設定されているため、装飾図柄201の背後の背景画像210は見えないようになっている。
開始アクションは、変動パターンによらず例えば1秒に設定されている。
なお、開始アクションは、装飾図柄201が停止している状態から高速変動になるまで区間であり、例えば、装飾図柄201が一時的に拡大表示されたり、装飾図柄201が単に下方向に移動したりするようにしてもよく、どのような表示態様であってもよい。
【0253】
高速変動は、
図25(c)、(d)及び
図26(c)、(d)に示すように、例えば全ての装飾図柄201が高速でスクロール表示される。このとき、装飾図柄201の透過度は高く(例えば90%)設定される。そのため、高速変動では、装飾図柄201を通してその裏側の背景画像210が視認可能となっている。なお、以下では、高速変動している透過度が高い装飾図柄201を高透過率の装飾図柄201と表記することがある。
高速変動は、変動パターン(変動時間)によって異なる時間に亘って継続される。また、高速変動は、左図柄201a、中図柄201b、右図柄201cによっても異なる時間に亘って継続されることがある。
なお、高速変動は、装飾図柄201が高透過率で変動表示されていれば、例えば上下方向の軸を中心に回転変動するなど、どのような表示態様であってもよい。
【0254】
減速動作は、
図25(e)、(f)及び
図26(e)、(f)等に示すように、高速変動された装飾図柄201が停止に向けて減速する動作である。減速動作では、装飾図柄201の透過度が0(不透過)に設定されているため、装飾図柄201の背後の背景画像210は見えないようになっている。
なお、ここでいう停止とは、装飾図柄201がほぼ同じ位置において1つの図柄で表示されている状態を示しており、装飾図柄201が例えば若干揺れている状態等の仮停止を含むものである。
また、減速動作では、装飾図柄201の透過度が徐々に低くなるように変化させてもよく、装飾図柄201が減速していればどのような表示態様であってもよい。
【0255】
停止アクションは、
図25(g)、(h)、(i)及び
図26(g)、(h)等に示すように、装飾図柄201が停止又は仮停止する際のアクション動作であり、例えば装飾図柄201がバウンド表示される。停止アクションでは、装飾図柄201の透過度が0(不透過)に設定されているため、装飾図柄201の背後の背景画像210は見えないようになっている。
なお、停止アクションは、装飾図柄201が停止又は仮停止する区間であり、例えば、装飾図柄201が回転表示(上下方向の軸を中心に回転する表示)したり、装飾図柄201が単に停止又は仮停止したりするなど、どのような表示態様であってもよい。
【0256】
待機動作は、
図25(h)~(j)及び
図26(h)、(i)に示すように、例えば装飾図柄201が揺れるように表示されたり、装飾図柄201がリーチ態様で回転表示されたりする。
なお、待機動作は、装飾図柄201が待機状態であれば、どのような表示態様であってもよい。
【0257】
図24~
図26における「確定」では、装飾図柄201が完全に停止した状態が0.5秒に亘って維持され、装飾図柄201の組み合わせによって大当り抽選の抽選結果が遊技者に報知される。
【0258】
「通常3s」では、変動演出(特別図柄変動表示ゲーム)が開始されると、左図柄201a、中図柄201b、右図柄201cの開始アクションが1秒間行われた後、高速変動が1秒間行われ、0.5秒の減速動作後、停止アクションが0.5秒行われ、0.5秒の停止(確定)となる。
このように「通常3s」では、左図柄201a、中図柄201b、右図柄201cの開始アクション、高速変動、減速動作、停止アクションが全て同じタイミングで行われる。
【0259】
「通常5s」では、変動演出(特別図柄変動表示ゲーム)が開始されると、左図柄201a、中図柄201b、右図柄201cの開始アクションが1秒間行われた後に高速変動に移行される。
そして、左図柄201a及び右図柄201cは2.5秒の高速変動後に0.5秒の減速動作が行われ、1秒の停止アクション後に0.5秒の停止(確定)となる。
また、中図柄201bは、3秒の高速変動後に0.5秒の減速動作が行われ、0.5秒の停止アクション後に0.5秒の停止(確定)となる。
このため、「通常5s」では、左図柄201a及び右図柄201cが同期して停止してから直ぐに中図柄201bが停止するかのような表示となる。
【0260】
「通常10s」では、変動演出(特別図柄変動表示ゲーム)が開始されると、左図柄201a、中図柄201b、右図柄201cの開始アクションが1秒間行われた後に高速変動に移行される。
そして、左図柄201aは5.5秒間の高速変動後に1秒の減速動作が行われ、1秒の停止アクション後に1.5秒の揺れに移行される。
また、右図柄201cは6秒間の高速変動後に1秒の減速動作が行われ、1秒の停止アクション後に1秒の揺れに移行される。
また、中図柄201bは6.5秒間の高速変動後に1秒の減速動作が行われ、1秒の停止アクション後に0.5秒の揺れに移行される。
そして、左図柄201a、中図柄201b、右図柄201cは揃って0.5秒の停止(確定)となる。
このため、「通常10s」では、高速変動後に左図柄201a、右図柄201c、中図柄201bが順に停止するかのような表示となる。
【0261】
「通常13s」では、変動演出(特別図柄変動表示ゲーム)が開始されると、
図25(a)及び
図25(b)に示すように、左図柄201a、中図柄201b、右図柄201cの開始アクションが1秒間行われる。その後、
図25(c)及び
図25(d)に示すように、左図柄201a、中図柄201b、右図柄201cの高速変動が行われる。
そして、左図柄201aは7秒間の高速変動後に(変動開始から8秒後)、
図25(e)に示すように、減速動作に移行する。また、左図柄201aの減速動作の途中で(変動開始から9秒後)、
図25(f)に示すように、右図柄201cが減速動作に移行する。
その後、変動開始から9.5秒後には、
図25(g)に示すように、左図柄201aの停止アクションが行われる。また,変動開始から10秒後には中図柄201bの減速動作が行われる。
変動開始から10.5秒後には、
図25(h)に示すように、左図柄201aが揺れに移行するとともに、右図柄201cの停止アクションが行われる。
変動開始から11.5秒後には、
図25(i)に示すように、右図柄201cが揺れに移行するとともに、中図柄201bの停止アクションが行われる。そして、変動開始から12.5秒後には、
図25(j)に示すように、左図柄201a、中図柄201b、右図柄201cの全てが揺れとなる。
変動開始から13秒後には、
図25(k)に示すように、左図柄201a、中図柄201b、右図柄201cが0.5秒間の停止(確定)となる。
【0262】
「リーチ変動」では、変動演出(特別図柄変動表示ゲーム)が開始されると、
図26(a)及び
図26(b)に示すように、左図柄201a、中図柄201b、右図柄201cの開始アクションが1秒間行われる。その後、
図26(c)及び
図26(d)に示すように、左図柄201a、中図柄201b、右図柄201cの高速変動が行われる。
そして、左図柄201aは7秒間の高速変動後に(変動開始から8秒後)、
図26(e)に示すように、減速動作に移行する。また、左図柄201aの減速動作の途中で(変動開始から9秒後)、
図26(f)に示すように、右図柄201cが減速動作に移行する。
その後、変動開始から9.5秒後には、
図26(g)に示すように、左図柄201aの停止アクションが行われる。また、変動開始から10秒後には中図柄201bの低速スクロールが行われる。なお、低速スクロールは減速動作の一例である。
変動開始から10.5秒後には、
図26(h)に示すように、左図柄201aが揺れに移行するとともに、右図柄201cの停止アクションが行われる。このとき、右図柄201cは左図柄201aと同一の装飾図柄で停止アクションが行われる。
変動開始から11.5秒後には、
図26(i)に示すように、左図柄201a及び右図柄201cが例えば上下方向の回転軸を中心に一回転するリーチアクションが行われる。
そして、変動開始から13秒が経過すると、
図26(j)に示すように、リーチ演出の画像が表示される等のリーチ演出(SP演出等)が実行される。
【0263】
このように、「通常13s」、「リーチ変動」では、変動開始から変動開始1秒後までの区間、及び、変動開始8秒後から変動開始13秒後までの区間は、左図柄201a、中図柄201b、右図柄201cの少なくとも1つが不透過な状態となっている。より具体的には、変動開始から変動開始1秒後までの区間及び変動開始10秒後から変動開始13秒後までの区間は装飾図柄201の全てが不透過な状態となっており、変動開始8秒後から変動開始9秒までの区間は装飾図柄201の1つが高透過率で2つが不透過な状態となっており、変動開始9秒後から変動開始10秒までの区間は装飾図柄201の2つが高透過率で1つが不透過な状態となっている。
【0264】
一方で、変動開始1秒後から変動開始8秒後までの7秒間では、左図柄201a、中図柄201b、右図柄201cの全てが高速変動となり透過度が高い状態となっている。
そのため、この区間は、装飾図柄201が遊技者に見えにくい状態、すなわち、遊技者にとって装飾図柄201の変動表示に意識が向かない状態となっており、予告演出を行うことで遊技者の意識を予告演出に集中させることが可能となることから様々な予告演出が行われる。以下では、この区間を演出最適区間と表記することがある。また、この区間に実行される予告演出は一般的にリーチ前予告演出と呼ばれることがあるが、ここでは単に予告演出と表記する。
【0265】
[7.2 予告演出の例]
図27及び
図28は、演出最適区間で行われる予告演出のタイムチャートを示した図である。
図27及び
図28に示すように、演出最適区間に行われる予告演出としては、チャンスアップ演出、第1ステップアップ演出、第2ステップアップ演出、第1ボタン演出、第2ボタン演出、第1背景変更演出及び第2背景変更演出が設けられている。また、演出最適区間に行われる予告演出には、これらの演出以外の演出(以下では、一般的な予告演出と表記する)も複数設けられている。
【0266】
これらの予告演出は、導入区間、演出区間及び終了区間が設けられている。なお、予告演出では、導入区間が設けられていなかったり、導入区間の前にフェードイン(FI)区間が設けられていたり、終了区間が設けられていなかったり、終了区間の後にフェードアウト(FO)区間が設けられていたりしてもよい。
【0267】
導入区間は、予告演出が開始されることを遊技者に報知するとともに、どのような予告演出が開始されるかや、予告演出でどのような示唆又は報知が行われるかなど、前段階の演出が行われる。そのため、導入区間では、大当りの期待度を示唆する演出が行われることは殆どない。
【0268】
演出区間は、予告演出においてメインとなる区間であり、大当りの期待度を示唆又は報知する演出が行われる。但し、演出区間の全てにおいて大当りの期待度を示唆する演出が行われる場合だけでなく、演出区間の一部において大当りの期待度を示唆する演出が行われる場合がある。また、演出区間では、大当りの期待度を示唆するのではなく例えば発展先を示唆又は報知する演出が行われる場合もある。
【0269】
終了区間は、予告演出が終了することを遊技者に報知する区間であり、大当りの期待度を示唆する演出が行われることは殆どない。
【0270】
一般的な予告演出は、
図27に示すように、装飾図柄201が高透過率である演出最適区間において全ての演出が行われる。すなわち、一般的な予告演出では、導入区間、演出区間及び終了区間が演出最適区間内に収まるように構成されている。例えば、演出最適区間が7秒であるのに対し、導入区間が1秒で、演出区間が4.5秒で、終了区間が1.5秒で構成されている。
これにより、遊技者は、一般的な予告演出を装飾図柄201の変動表示に邪魔されることなく視認することが可能となる。
【0271】
しかしながら、演出最適区間内に予告演出を全て行おうとすると、遊技者が最も関心のある大当りの信頼度を示す演出区間の実行時間が短くなってしまうことになり、大当りの信頼度を示す演出を遊技者に十分に見せることができなくなってしまう。
【0272】
そこで、チャンスアップ演出、第1ステップアップ演出、第2ステップアップ演出、第1ボタン演出、第2ボタン演出、第1背景変更演出及び第2背景変更演出では、演出の一部を装飾図柄201の開始アクション中、減速動作中に行うことで、大当りの信頼度を示す演出区間の実行時間を長くとるようにしている。なお、第1背景変更演出及び第2背景変更演出をまとめて単に背景変更演出と表記する場合がある。
【0273】
(チャンスアップ演出)
図29は、チャンスアップ演出の一例を示した図である。チャンスアップ演出は、
図29(d)から
図29(h)に示すように、色態様が異なるアイテム画像222のいずれかが表示されることで、大当たりの期待度を示唆する演出である。アイテム画像222は、例えば、デフォルト(白色)、青色、緑色、赤色及び金色の5種類(5態様)が設けられており、デフォルト、青色、緑色、赤色、金色の順に期待度が高くなるように設定されている。
【0274】
図27及び
図29に示すように、チャンスアップ演出は、装飾図柄201の開始アクション中に開始される。チャンスアップ演出が開始されると、
図29(a)~
図29(c)に示すように、フェードイン区間及び導入区間として、アイテム画像222が表示されることを示唆する台座画像221が装飾図柄201に重なるように表示される。
フェードイン区間は、例えば0.3秒であり、例えば台座画像221の透過度が徐々に低くなっていくような表示がなされ、導入区間が開始されることを示唆する。フェードイン区間は、装飾図柄201が高速変動に切り替わる前に終了する。すなわち、装飾図柄201が高透過率になる前にフェードイン区間は終了する。
【0275】
導入区間は、
図29(b)及び
図29(c)に示すように、装飾図柄201が高速変動に切り替わる前(開始アクションが終了する前)に開始され、台座画像221が透過度0で表示される。そして、導入区間は例えば1秒であり装飾図柄201が高速変動に切り替えられた直後に終了する。
【0276】
台座画像221は、以降に表示されるアイテム画像222の種類によらず共通している。そのため、台座画像221が表示されたとしても大当りの期待度を示唆することはない。
【0277】
ここで、台座画像221及びアイテム画像222は装飾図柄201より表示優先度が高く設定されている(上位レイヤーに設定されている)。そのため、台座画像221及びアイテム画像222は、装飾図柄201の前面に表示されることになる。
そして、導入区間において台座画像221が不透過の装飾図柄201と重なるように表示されると、遊技者は台座画像221を見にくいと感じる場合があるが、台座画像221は期待度を示唆していないため特に問題が生じることはない。また、開始アクションが行われている装飾図柄201も視認可能であるため特に問題が生じることはない。
【0278】
導入区間の終了後に演出区間が続けて開始される。演出区間では、
図29(d)から
図29(h)に示すように、台座画像221の上にいずれかの色態様のアイテム画像222が表示される。ここで表示されるアイテム画像222の色態様は、詳しくは後述するように、変動パターンに基づいて抽選により決定される。
演出区間は、例えば5.5秒に亘って行われ、装飾図柄201のいずれかが減速動作に切り替えられる前に終了する。
そのため、演出区間は演出最適区間内に収まっており、台座画像221及びアイテム画像222が高透過率の装飾図柄201に重なるように表示され、不透過な装飾図柄201に重なって表示されることはない。
従って、演出区間では、遊技者にとってアイテム画像222が見やすい状態となっている。すなわち、遊技者は、演出区間において信頼度を把握し易い。
【0279】
ここで、アイテム画像222を表す色形態として、白色、青色、緑色、赤色及び金色が用いられている。これらの色形態のうち金色は黄色やオレンジ色と見間違えやすい色である。そのため、金色を表示するときには、金色部分及びその周辺に大小様々なグリッターGrが表示される。グリッターGrは、光沢を表現するエフェクト画像であり、例えば金色を表現する場合は黄色に白色と黒色が適宜組わされる。
【0280】
演出区間の終了後に終了区間が続けて開始される。終了区間では、
図29(i)及び
図29(j)に示すように、台座画像221及びアイテム画像222が徐々に消えていく(透過度が高くなる)ように表示され最終的に非表示となる。
終了区間は、例えば1.5秒に亘って行われ、演出最適区間が終了し左図柄201aが減速動作に切り替えられた後であって右図柄201cが減速動作に切り替えられる前に終了する。
そのため、台座画像221及びアイテム画像222は、最初は高透過率の装飾図柄201に重なるように表示された後、最終的には不透過の左図柄201aとともに表示されることになる。
【0281】
しかしながら、終了区間では、台座画像221及びアイテム画像222が消えていくといったチャンスアップ演出の終了を表しているのであって、期待度を示しているわけではない。そのため、台座画像221及びアイテム画像222が見えにくかったとしても、遊技者は既に演出区間において期待度を確認しているため、特に問題が生じることはない。
また、減速動作中の左図柄201aは台座画像221及びアイテム画像222と表示領域が重ならないため、減速動作中の左図柄201aが遊技者に見えにくくなることもない。
【0282】
但し、終了区間において、台座画像221及びアイテム画像222に左図柄201aが重なるように表示されてもよい。このような場合であっても右図柄201cが減速動作に切り替わる前に台座画像221及びアイテム画像222が非表示になるため、仮停止している左図柄201aが見えないといった事態も防止することができるとともに、左図柄201a及び右図柄201cがリーチ態様となるか否かも把握させることができる。
【0283】
そして、終了区間が終了して台座画像221及びアイテム画像222が非表示になった後、すなわち、チャンスアップ演出が終了した後に、
図29(k)に示すように、右図柄201cの減速動作が開始される。
【0284】
このようにチャンスアップ演出では、導入区間で表示される台座画像221の面積に対して演出区間で表示される台座画像221及びアイテム画像222の合計面積が大きくなっている。そのため、チャンスアップ演出では演出区間における視認性を向上することができる。
【0285】
また、チャンスアップ演出における表示優先度は、背景画像210が最も低く、次に装飾図柄201で、台座画像221及びアイテム画像222が最も高く設定されている。そのため、背景画像210より前に装飾図柄201が表示され、かつ、装飾図柄201より前に台座画像221及びアイテム画像222が表示される。
このように装飾図柄201より前に台座画像221及びアイテム画像222を表示することで、不透過の装飾図柄201の開始アクション中にチャンスアップ演出が開始されても台座画像221を容易に確認させることができる。また、装飾図柄201が高透過率である高速変動時に演出区間が行われることで、台座画像221及びアイテム画像222をさらに容易に確認させることができる。
なお、背景画像210、装飾図柄201、台座画像221及びアイテム画像222の表示優先度は、チャンスアップ演出の開始から終了まで変更されることはない。
【0286】
また、導入区間及び演出区間では、台座画像221及びアイテム画像222を順に段階的に表示することで、アイテム画像222が表示されるまでの間(時間)を取ることができ、遊技者に期待感を付与することができる。
また、終了区間では台座画像221及びアイテム画像222が一緒に非表示になることで、チャンスアップ演出を速やかに終了させることができる。
【0287】
なお、アイテム画像222は、表示サイズの変化、位置の変化、色の変化など段階的に変化するようにしてもよい。その場合、ある程度の演出実行時間が必要となるため、演出区間を長くすることがより有効である。
【0288】
(第1ステップアップ演出)
図30は、第1ステップアップ演出の一例を示した図である。第1ステップアップ演出は、1段階から3段階までのいずれかの段階までのステップ演出が順に行われ、ステップ演出の段階が進むほど大当りの期待度が高くなる演出である。ステップ演出では、例えば青色、赤色及び金色といった大当りの期待度が異なる3色の色形態でステップ演出が行われる。第1ステップアップ演出では、青色、赤色、金色の順に期待度が高くなるように設定されている。
【0289】
図27及び
図30に示すように、第1ステップアップ演出は、装飾図柄201の開始アクション中に開始される。チャンスアップ演出が開始されると、
図30(a)~
図30(b)に示すように、1段階目(SU1)の演出区間として、例えば背景が青色で表される会話画像231が透過度0の装飾図柄201に重なるように表示される。このとき、会話画像231には会話の内容(文字)が表示されていない。
【0290】
ここで、会話画像231及び後述する会話画像232、233は装飾図柄201より表示優先度が高く設定されている(上位レイヤーに設定されている)。そのため、会話画像231は、装飾図柄201の前面に表示されることになる。
そして、不透過の装飾図柄201に重ねて表示される会話画像231に文字が表示されていると、文字が見えづらくかえって遊技者を混乱させるおそれがある。そのため、装飾図柄201が不透過である区間では、会話画像231に文字が表示されないようになされている。また、開始アクションが行われている装飾図柄201も視認可能であるため特に問題が生じることはない。
【0291】
装飾図柄201が高速変動に切り替えられると、
図30(c)に示すように、会話画像231に会話の内容(文字)が表示される。
1段階目(SU1)の演出区間は、例えば3秒に亘って行われる。そのため、1段階目の演出区間は、装飾図柄201が高速変動に切り替えられた後に終了する。ここで、1段階目のステップ演出は青色の1種類のみしか設けられていないため、期待度を示唆しているわけではなく、主に、この後に2段階目のステップ演出が実行されるか否かを示唆する演出であると言える。換言すると、1段階目のステップ演出は、共通した演出が実行される導入区間として機能するとも言える。
【0292】
第1ステップアップ演出が1段階で終了する場合、1段階目のステップ演出において演出区間が終了すると終了区間が続けて開始される。終了区間は1秒に亘って行われる。終了区間では、例えば会話画像231の透過度が徐々に高くなり最終的に非表示となる。
【0293】
一方、第1ステップアップ演出が2段階以降も継続する場合、2段階目(SU2)の演出区間は、1段階目の演出区間が終了するときに開始される。2段階目の演出区間は、例えば2秒に亘って行われる。そのため、2段階目の演出区間は、装飾図柄201の高速変動中に行われる。
2段階目の演出区間では、
図30(d)~
図30(g)に示すように、例えば背景が赤色又は金色で表される会話画像232が高透過率の装飾図柄201に重なるように表示される。ここでは、1段階目及び2段階目のステップ演出が重なる時間がある場合、図示のように、1段階目の会話画像231と2段階目の会話画像232とが同時に表示される時間がある。
また、金色の会話画像232にはグリッターGrが複数表示される。グリッターGrは、文字部分からははみ出して表示されるようにしてもよく、また、会話画像232の周囲(会話画像232外の領域)にも表示されるようにしてもよい。
【0294】
その後、1段階目の終了区間では、青色の会話画像231が非表示となる。なお、
図30(d)及び
図30(e)は第1ステップアップ演出が2段階で終了する場合を図示している。一方、
図30(f)及び
図30(g)は第1ステップアップ演出が3段階まで継続する場合を図示している。
【0295】
第1ステップアップ演出が2段階で終了する場合、2段階目の演出区間が終了すると終了区間が続けて開始される。終了区間は1秒に亘って行われる。終了区間では、例えば会話画像232の透過度が徐々に高くなり最終的に非表示となる。
【0296】
2段階目のステップ演出は赤色及び金色の2種類が設けられているため、期待度を示唆している演出であると言える。そして、2段階目の演出区間では、信頼度を示す会話画像232が表示されている間は装飾図柄201が高透過率であり(演出最適区間内であり)、遊技者にとって会話画像232が見やすい状態となっている。すなわち、遊技者は、演出区間において信頼度を把握し易い。
【0297】
第1ステップアップ演出が3段階まで継続する場合、3段階目(SU3)の演出区間は、2段階目の演出区間が終了するときに開始される。3段階目の演出区間は、例えば2秒に亘って行われる。そのため、3段階目の演出区間は、装飾図柄201が高速変動中に行われる。
3段階目の演出区間では、
図30(h)~
図30(j)に示すように、例えば背景が赤色又は金色で表される会話画像233が高透過率の装飾図柄201に重なるように表示される。ここでは、2段階目及び3段階目のステップ演出が重なる時間がある場合、図示のように、2段階目の会話画像232と3段階目の会話画像233とが同時に表示される時間がある。
【0298】
なお、
図30(h)及び
図30(i)は2段目の会話画像232が赤色で表示された場合を図示している。一方、
図30(j)は2段階目の会話画像232が金色で表示された場合を図示している。
また、金色の会話画像233にはグリッターGrが複数表示される。グリッターGrは、文字部分からははみ出して表示されるようにしてもよく、また、会話画像233の周囲(会話画像232外の領域)にも表示されるようにしてもよい。
【0299】
図30(h)~
図30(j)に示すように、3段階目の会話画像233は、2段階目が赤色の会話画像232である場合には赤色又は金色で表示され、2段階目の会話画像232が金色である場合には金色で表示される。このように、3段階目の会話画像231は、2段階目と期待度が同一又は高い色態様で表示される。
【0300】
3段階目の演出区間が終了すると終了区間が続けて開始される。終了区間では、
図30(k)及び
図30(l)に示すように、3段階目の会話画像233が徐々に消えていく(透過度が高くなる)ように表示され最終的に非表示となる。
終了区間は、例えば1秒に変わって行われ、左図柄201aが減速動作に切り替わった後であって右図柄201cが減速動作に切り替わる前に終了する。
そのため、3段階目の会話画像233は、最初は高透過率の装飾図柄201に重なるように表示された後、最終的には不透過の左図柄201aとともに表示されることになる。
【0301】
3段階目のステップ演出は赤色及び金色の2種類が設けられているため、期待度を示唆している演出であると言える。そして、3段階目の演出区間では、信頼度を示す会話画像233が表示されている間は装飾図柄201が高透過率であり(演出最適区間内であり)、遊技者にとって会話画像233が見やすい状態となっている。すなわち、遊技者は、演出区間において信頼度を把握し易い。
【0302】
一方、3段階目の終了区間では、会話画像233が消えていくといったステップ演出の終了を表しているので、期待度を示しているわけではない。そのため、会話画像233が見えにくかったとしても、遊技者は既に演出区間において期待度を確認しているため、特に問題が生じることはない。
また、減速動作中の左図柄201aは会話画像233と一部で表示領域が重なることになるが、右図柄201cが減速動作に切り替わる前に会話画像233が非表示になるため、仮停止している左図柄201aの種類がわからなくなるようなことも防止することができるとともに、左図柄201a及び右図柄201cがリーチ態様となるか否かも把握させることができる。なお、減速動作中の左図柄201aと会話画像233の表示領域が重ならないようにしてもよい。
【0303】
そして、3段目の終了区間が終了して会話画像233が非表示になった後、すなわち、第1ステップアップ演出が終了した後に、
図30(m)に示すように、右図柄201cが減速動作を開始する。
【0304】
このように、第1ステップアップ演出では、1段階目の演出区間の終了時及び2段階目の演出区間の終了時が次の段階のステップ演出が開始されるか否かが分岐するタイミングとなっている。そして、この分岐するタイミングでは装飾図柄201が高透過率であり(演出最適区間内であり)、遊技者にとって次の段階のステップ演出が開始されるか否かが見やすい状態となっている。一方で、装飾図柄201の少なくとも1つが不透過のタイミングで1段階目のステップ演出が開始されるとともに3段階目のステップ演出が終了するようにすることで、第1ステップアップ演出の全体としての実行時間を長くしつつ、分岐のタイミングでは装飾図柄201を高透過率とすることで(演出最適区間内にすることで)次の段階のステップ演出が開始されるか否かを遊技者に容易に把握させることが可能となる。
【0305】
なお、1段階目と2段階目、2段階目と3段階目は、それぞれ演出区間が重ならないようにしたが、演出区間が重なるようにしてもよい。
また、第1ステップアップ演出の最終段階が1段階又は2段階の場合、全体の演出実行時間が3段階目まで実行する場合と比較して短いので、全てのステップ演出を装飾図柄201の高速変動中(演出最適区間中)に実行するようにしてもよい。
【0306】
(第2ステップアップ演出)
図31は、第2ステップアップ演出の一例を示した図である。第2ステップアップ演出は、1段階又は2段階のステップ演出が順に行われ、ステップ演出の段階が進むほど大当りの期待度が高くなる演出である。従って、第2ステップ演出は、第1ステップ演出と比較して最終段階までの段階数が少ない演出である。
【0307】
ステップ演出では、例えば青色、赤色及び金色の3種類の大当りの期待度が異なる色態様で演出が行われる。第2ステップアップ演出では、青色、赤色、金色の順に期待度が高くなるように設定されている。
【0308】
図27及び
図31(a)~
図31(c)に示すように、第2ステップアップ演出は、装飾図柄201の開始アクションが終了し、装飾図柄201が高速変動に切り替えられた後に開始される。第2ステップアップ演出が開始されると、
図31(d)~
図31(f)に示すように、1段階目(SU1)の演出区間として、例えば中央に細い帯状のカットイン画像241が高透過率の装飾図柄201に重なるように表示される。カットイン画像241は、青色、赤色及び金色のいずれかの帯にキャラクタが重ねて表示される画像であり、青色、赤色及び金色の順に期待度が高く設定されている。
【0309】
ここで、カットイン画像241及び後述するカットイン画像242は装飾図柄201より表示優先度が高く設定されている(上位レイヤーに設定されている)。そのため、カットイン画像241、242は、装飾図柄201の前面に表示されることになる。
【0310】
1段階目(SU1)の演出区間は、例えば3.5秒に亘って行われる。そのため、1段階目の演出区間は、装飾図柄201の高速変動中(演出最適区間)に開始してから終了する。
【0311】
1段階目の演出区間の終了後に終了区間が続けて開始される。終了区間は1.5秒に亘って行われる。終了区間では、例えばカットイン画像241の透過度が徐々に高くなり最終的に非表示となる。
【0312】
2段階目(SU2)の演出区間は、1段階目の演出区間が開始されてから2秒後であって1段階目の演出区間が終了する前に開始される。2段階目の演出区間は、例えば3.5秒に亘って行われる。そのため、2段階目の演出区間は、装飾図柄201の高速変動中(演出最適区間)に開始してから終了する。
2段階目の演出区間では、
図31(g)~
図30(i)に示すように、例えば中央に太い帯状のカットイン画像242が高透過率の装飾図柄201に重なるように表示される。
カットイン画像242は、青色、赤色及び金色のいずれかの帯にキャラクタが重ねて表示される画像であり、青色、赤色及び金色の順に期待度が高く設定されている。
また、金色のカットイン画像241、242にはグリッターGrが複数表示される。グリッターGrは、カットイン画像241、242からははみ出して表示されるようにしてもよい。
【0313】
2段階目のカットイン画像242は、1段階目のカットイン画像241と期待度が同一又は高い色形態で表示される。具体的には、1段階目のカットイン画像241が青色である場合には2段階目のカットイン画像242が青色、赤色又は金色で表示され、1段階目のカットイン画像241が赤色である場合には2段階目のカットイン画像242が赤色又は金色で表示され、1段階目のカットイン画像241が金色である場合には2段階目のカットイン画像242が金色で表示される。
【0314】
ここで、1段階目及び2段階目の演出区間が重なる時間では、カットイン画像241及びカットイン画像242の双方が表示される。但し、1段階目と2段階目の演出区間が重ならないようにしてもよい。
【0315】
2段階目の演出区間の終了後に終了区間が続けて開始される。終了区間では、
図31(j)及び
図31(k)に示すように、2段階目のカットイン画像242が徐々に消えていく(透過度が高くなる)ように表示され最終的に非表示となる。
終了区間は、例えば1.5秒に変わって行われ、左図柄201aが減速動作に切り替えられた後であって右図柄201cが減速動作に切り替えられる前に終了する。
そのため、2段階目のカットイン画像242は、最初は高透過率の装飾図柄201に重なるように表示された後、最終的には不透過の左図柄201aとともに表示されることになる。
【0316】
1段階目及び2段階目のステップ演出は青色、赤色及び金色の3種類の色形態がそれぞれ設けられているため、ともに期待度を示唆している演出であると言える。そして、1段階目及び2段階目の演出区間では、信頼度を示すカットイン画像241、242が表示されている間は装飾図柄201が高透過率であり(演出最適区間であり)、遊技者にとってカットイン画像241、242が見やすい状態となっている。すなわち、遊技者は、演出区間において信頼度を把握し易い。
【0317】
一方、2段階目の終了区間では、カットイン画像242が消えていくといったステップ演出の終了を表しているので、期待度を示しているわけではない。そのため、カットイン画像242が見えにくかったとしても、遊技者は既に演出区間において期待度を確認しているため、特に問題が生じることはない。
また、減速動作中の左図柄201aはカットイン画像242と一部で表示領域が重なることになるが、右図柄201cが減速動作に切り替えられる前にカットイン画像242が非表示になるため、仮停止している左図柄201aの種類がわからなくなるようなことも防止することができるとともに、左図柄201a及び右図柄201cがリーチ態様となるか否かも把握させることができる。
【0318】
そして、2段目の終了区間が終了してカットイン画像242が非表示になった後、すなわち、第2ステップアップ演出が終了した後に、
図31(l)に示すように、右図柄201cが減速動作を開始する。
【0319】
なお、第2ステップアップ演出が1段階目で終了する場合には、装飾図柄201が高速変動している途中で第2ステップアップ演出が終了することになる。
【0320】
このように、第2ステップアップ演出は、第1ステップアップ演出と比べてステップ演出の段階数が少ないため、全ての演出区間を装飾図柄201が高透過率のとき(演出最適区間内)に行うことで、遊技者に対して装飾図柄201の変動表示に意識を向けさせないで演出に集中させることができる。
【0321】
(第1ボタン演出)
図32は、第1ボタン演出の一例を示した図である。第1ボタン演出では、演出ボタン25aに対する操作に応じて演出が行われる。
【0322】
図28及び
図32に示すように、第1ボタン演出は、装飾図柄201の開始アクションが開始し高速変動に切り替えられる前に開始される。第1ボタン演出が開始されると、
図32(a)~
図32(c)に示すように、導入区間として、大当りの期待度を示唆する「激アツ」「チャンス」「残念」と記された選択画像251が回転表示される。「残念」は背景が青色、「チャンス」は背景が赤色、「激アツ」は背景が金色となっており、「残念」、「チャンス」、「激アツ」の順(青色、赤色、金色の順)に選択されたときの期待度が高く設定されている。
「激アツ」の選択画像251にはグリッターGrが複数表示される。グリッターGrは、選択画像251からははみ出して表示されるようにしてもよく、また、「激アツ」の文字からはみ出して表示されるようにしてもよい。
【0323】
導入区間は、例えば1秒であり装飾図柄201が高速変動に切り替えられた後に終了する。そのため、選択画像251は、最初は不透過の装飾図柄201に重なるように表示された後、最終的には高透過率の装飾図柄201に重なるように表示されることになる。
ここで、選択画像251及び後述するボタン画像252、有効期間バー253は装飾図柄201より表示優先度が高く設定されている(上位レイヤーに設定されている)。そのため、選択画像251は、装飾図柄201の前面に表示されることになる。このとき、開始アクションが行われている装飾図柄201も視認可能であるため特に問題が生じることはない。
【0324】
導入区間の終了後にボタン有効区間が設定される。ボタン有効区間は、演出ボタン25aを有効に受け付ける期間であり、例えば3.5秒間に設定される。ボタン有効区間では、
図32(d)に示すように、演出ボタン25aを模したボタン画像252、及び、残りのボタン有効区間を示した有効期間バー253が表示される。有効期間バー253は、ボタン有効区間を分割して表した複数のメモリが描かれており、所定時間経過する毎にメモリが減っていくように表示され、これによって残りのボタン有効区間が示される。
【0325】
そして、ボタン有効区間内に演出ボタン25aが操作されると、
図32(e)及び
図32(f)に示すように、予め決められた選択画像251が表示される操作後演出が実行される。図では「激アツ」の選択画像251が表示されている。
【0326】
操作後演出は、例えば3.5秒に亘って実行される。そのため、ボタン有効区間が終了する直前で演出ボタン25aが操作された場合、操作後演出は、左図柄201aが減速動作に切り替えられた後に終了する。そのため、第1ボタン演出は、変動開始から8.5秒後に終了するように設定されている。
【0327】
そして、ボタン有効区間の終了のタイミングよりも前に演出ボタン25aが遊技者に操作された場合、操作後演出の終了後に待機区間が設けられ、この待機区間中は選択画像251がそのまま表示されるようになされている。
これにより、ボタン有効区間のどのタイミングで演出ボタン25aが操作されたとしても、第1ボタン演出の終了タイミングを揃えることが可能となる。
【0328】
このように、第1ボタン演出においてボタン有効区間、及び、遊技者が最も関心のある選択画像251の表示は、装飾図柄201が高透過率であるとき(演出最適区間内)に殆が行われる。そのため、遊技者は、選択画像251を容易に把握可能となっている。
【0329】
一方、選択画像251は減速動作中の左図柄201aと表示領域が重なることになるが、右図柄201cが減速動作に切り替えられる前に選択画像251が非表示になるため、仮停止している左図柄201aの種類がわからなくなるようなことも防止することができるとともに、左図柄201a及び右図柄201cがリーチ態様となるか否かも把握させることができる。
【0330】
そして、操作後演出区間又は待機区間が終了して選択画像251が非表示になった後、すなわち、第2ボタン演出が終了した後に、
図32(g)に示すように、右図柄201cが減速動作に切り替えられる。
【0331】
(第2ボタン演出)
図33は、第2ボタン演出の一例を示した図である。第2ボタン演出では、演出ボタン25aに対する操作に応じて演出が行われる。
【0332】
図28及び
図33(a)、
図33(b)に示すように、第2ボタン演出は、装飾図柄201が高速変動に切り替えられる前に開始される第1ボタン演出とは異なり、装飾図柄201が高速変動に切り替えられた後に開始される。第2ボタン演出が開始されると、
図33(c)に示すように、導入区間として、「ボタンプッシュで発展先を選べ!」と記したメッセージ画面261が表示される。導入区間は例えば1秒であり、メッセージ画面261は高透過率の装飾図柄201に重なるように表示される。
ここで、メッセージ画面261及び後述する発展先画像262は装飾図柄201より表示優先度が高く設定されている(上位レイヤーに設定されている)。そのため、メッセージ画面261は、装飾図柄201の前面に表示されることになる。
【0333】
導入区間の終了後にボタン有効区間が設定される。ボタン有効区間は、例えば3.5秒間に設定される。ボタン有効区間では、
図33(d)に示すように、ボタン画像252及び有効期間バー253が表示される。
【0334】
そして、ボタン有効区間内に演出ボタン25aが操作されると、
図33(e)及び
図33(f)に示すように、発展先(例えば「SP1」)を示唆する発展先画像262が表示される操作後演出が実行される。
【0335】
操作後演出は、例えば2.5秒に亘って実行される。そのため、ボタン有効区間が終了する直前で演出ボタン25aが操作された場合、操作後演出は、左図柄201aが減速動作に切り替えられた後に終了する。そのため、第2ボタン演出は、変動開始から8.5秒後に終了するように設定されている。
【0336】
そして、ボタン有効区間の終了のタイミングよりも前に演出ボタン25aが遊技者に操作された場合、操作後演出の終了後に待機区間が設けられ、この待機区間中は発展先画像262がそのまま表示されるようになされている。
これにより、ボタン有効区間のどのタイミングで演出ボタン25aが操作されたとしても、第2ボタン演出の終了タイミングを揃えることが可能となる。
【0337】
このように、操作有効区間、及び、第2ボタン演出において遊技者が最も関心のある発展先画像262の表示は、装飾図柄201が高透過率であるとき(演出最適区間内)に殆が行われる。そのため、遊技者は、発展先を把握し易い。
また、第2ボタン演出は、第1ボタン演出と比較してボタン有効区間の時間は同じであるが操作後演出の実行時間が短い。そのため、導入区間を遅らせたとしても右図柄201cが減速動作に切り替えられる前に全ての演出を終わらせることができる。さらに、導入区間を遅らせたとしても演出ボタン25aを操作した後の結果(すなわち操作後演出)と、左図柄201a及び右図柄201cがリーチ態様となるか否かを遊技者に容易に確認させることができる。
【0338】
一方、発展先画像262は最終的に減速動作中の左図柄201aと表示領域が重なることになるが、右図柄201cが減速動作に切り替えられる前に発展先画像262が非表示になるため、仮停止している左図柄201aの種類がわからなくなるようなことも防止することができるとともに、左図柄201a及び右図柄201cがリーチ態様となるか否かも把握させることができる。
【0339】
そして、操作後演出区間又は待機区間が終了して発展先画像262が非表示になった後、すなわち、第2ボタン演出が終了した後に、
図33(g)に示すように、右図柄201cが減速動作に切り替えられる。
【0340】
(背景変更演出)
図34は、背景画像210の種類を示した図である。
図35は、第1背景変更演出の一例を示した図である。
図36は、第2背景変更演出の一例を示した図である。背景変更演出は、変動演出(特別図柄変動表示ゲーム)の途中で背景画像210を変更させる演出である。
【0341】
図34に示すように背景画像210は複数設けられており、各背景画像210は複数の演出ステージ(演出モード)のいずれかに属している。ここで、それぞれの演出ステージでは、決められたテーマに則して描かれた保留表示203、背景画像210及び装飾図柄201等がLCDユニット57に表示されるようになされており、例えば模様ステージ、学校ステージ及び学外ステージが設けられている。
【0342】
また、各演出ステージには複数の背景画像210が設けられている。例えば、模様ステージには
図34(a)に示す模様1の背景画像210及び
図34(b)に示す模様2の背景画像210が設けられている。学校ステージには
図35(c)に示す教室の背景画像210及び
図34(d)に示す体育館の背景画像210が設けられている。学外ステージには
図34(e)に示す街の背景画像210及び
図34(f)に示す公園の背景画像210が設けられている。
【0343】
演出制御部121は、演出ステージを切り替える場合には第1背景変更演出を実行し、演出ステージを切り替えることなく背景画像210を切り替える場合には第2背景変更演出を実行する。
【0344】
図28及び
図35に示すように、第1背景変更演出は、装飾図柄201の開始アクションが開始された後であって高速変動に切り替えられる前に開始される。第1背景変更演出が開始されると、
図35(a)~
図35(c)に示すように、例えば背景が黒色となる黒色背景画像271が表示される。このとき、黒色背景画像271は、装飾図柄201より表示優先度が高いため(上位レイヤーであるため)、黒色背景画像271が装飾図柄201より前に表示され装飾図柄201が非表示となる。
また、第1背景変化演出では、第1背景変更演出専用の点灯態様で演出用LED27を点灯表示させるとともに、第1背景変化演出専用の音がスピーカ29から出力させる
【0345】
第1背景変更演出(演出区間)は例えば1秒に亘って行われる。そのため、第1背景変更演出は、装飾図柄201が高速変動に切り替えられた後に終了する。
図35(d)~
図35(f)に示すように、第1背景変更演出の終了後には切り替えられた演出ステージに属する変更後の背景画像210が表示される。
【0346】
このように、変更後の背景画像210が表示されたときには装飾図柄201が高速変動し高透過率であることから、変更後の背景画像210を遊技者にきちんと把握させることが可能である。
【0347】
また、
図28及び
図36に示すように、第2背景変更演出は、装飾図柄201の開始アクションが開始された後であって高速変動に切り替えられる前に開始される。第2背景変更演出が開始されると、
図36(a)、
図36(b)に示すように、例えば背景が黒色となる黒色背景画像271が表示される。このとき、黒色背景画像271は、装飾図柄201より表示優先度が低いため(下位レイヤーであるため)、黒色背景画像271よりも前に装飾図柄201が表示される。
また、第2背景変更演出では、第2背景変更演出に対応する演出用LED27の点灯表示がなく、かつ、第2背景変更演出に対応する音の出力もない。
【0348】
第2背景変更演出は第1背景変更演出より短い例えば0.5秒に亘って行われる。そのため、第2背景変更演出は、装飾図柄201が高速変動に切り替えられるのと同時に終了する。
図36(d)~
図36(f)に示すように、第2背景変更演出の終了後には切り替えられる前の演出ステージと同じ演出ステージに属する変更後の背景画像210が表示される。
【0349】
第2背景変更演出は同じ演出ステージ内で背景画像210を変更することから、第1変更演出より演出区間が短く設定され、素早く背景画像210が切り替えられることになる。但し、同じ演出ステージ内で背景画像210が変更されるときには背景変更演出を行わないようにしてもよい。
【0350】
ここで、第1背景変更演出は例えば約30回転の特別図柄変動表示ゲーム(変動演出)に1回の割合で実行されるのに対して、第2背景変更演出は例えば約4回転の特別図柄変動表示ゲーム(変動演出)に1回の割合で実行される。このように、実行頻度が高い第2背景変更演出は第1背景変更演出に比べて演出の派手さを抑えることで全体としての落ち着き感を持たせることができるとともに、地味に背景変更を行うことで間持効果を得ることができる。
【0351】
なお、上記したチャンスアップ演出、第1ステップアップ演出、第2ステップアップ演出、第1ボタン演出、第2ボタン演出及び背景変更演出は、疑似変動のない本変動での場合を例に挙げて説明したが、疑似変動中にこれらの演出が実行されるようにしてもよい。疑似変動中にこれらの演出を実行する場合には、本変動の場合と同様に実行するようにすればよい。
【0352】
[7.3 予告演出の決定に用いられるテーブル]
図37は、予告演出決定テーブルを示した図である。演出制御部121のROMには
図37に示す予告演出決定テーブルが記憶されている。
演出制御部121は、上記したステップS207のコマンド解析処理(
図13参照)において変動パターン指定コマンドを受信した場合に、予告演出決定テーブルを参照して変動パターン指定コマンドに基づいて実行する予告演出(リーチ前予告演出)の種類を決定する。
【0353】
予告演出決定テーブルには、変動パターン毎に予告演出の選択率が設定されている。予告演出決定テーブル内に格納された数値は、演出抽選用乱数が0~99の100通りの数値をとり得ることを前提とした場合における選択率の振り分け値を表している。
【0354】
予告演出決定テーブルにおいて、「なし」は予告演出を実行しないことを示しており、「CU」はチャンスアップ演出の実行を示しており、「第1SU」は第1ステップアップ演出の実行を示しており、「第2SU」は第2ステップアップ演出の実行を示しており、「第1ボタン」は第1ボタン演出の実行を示しており、「第2ボタン」は第2ボタン演出の実行を示しており、「背景変更」は背景変更演出の実行を示している。
【0355】
予告演出決定テーブルによれば、変動パターンが「通常3s」「通常5s」「通常10s」の場合には「なし」が必ず決定される。そのため、これらの変動パターンである場合には予告演出は実行されない。
【0356】
また、例えば変動パターンが「SP1(ハズレ)」の場合には5/100の確率で「なし」が決定され、20/100の確率で「CU」が決定され、20/100の確率で「第1SU」が決定され、20/100の確率で「第2SU」が決定され、15/100の確率で「第1ボタン」が決定され、15/100の確率で「第2ボタン」が決定され、5/100の確率で「背景変更」が決定される。
【0357】
そして、予告演出を実行することが決定された場合、決定された予告演出の種類毎に演出の内容が決定される。
【0358】
図38は、チャンスアップ演出決定テーブルを示した図である。演出制御部121のROMには
図38(a)に示すチャンスアップ演出決定テーブルが記憶されている。
【0359】
演出制御部121は、チャンスアップ演出の実行が決定された場合、チャンスアップ演出決定テーブルを参照して変動パターンに基づいてチャンスアップ演出の内容を決定する。
チャンスアップ演出決定テーブルには、変動パターン毎にチャンスアップ演出の内容の選択率が設定されている。予告演出決定テーブル内に格納された数値は、演出抽選用乱数が0~99の100通りの数値をとり得ることを前提とした場合における選択率の振り分け値を表している。
【0360】
チャンスアップ演出決定テーブルにおいて、「デフォルト」はアイテム画像222をデフォルト(白色)で表示させることを示しており、「青色」はアイテム画像222を青色で表示させることを示しており、「緑色」はアイテム画像222を緑色で表示させることを示しており、「赤色」はアイテム画像222を赤色で表示させることを示しており、「金色」はアイテム画像222を金色で表示させることを示している。
【0361】
例えば変動パターンが「SP1(ハズレ)」の場合には10/100の確率で「デフォルト(白色)」が決定され、10/100の確率で「青色」が決定され、20/100の確率で「緑色」が決定され、30/100の確率で「赤色」が決定され、30/100の確率で「金色」が決定される。
また、変動パターンが「SP1(大当り)」の場合には2/100の確率で「デフォルト(白色)」が決定され、3/100の確率で「青色」が決定され、5/100の確率で「緑色」が決定され、30/100の確率で「赤色」が決定され、60/100の確率で「金色」が決定される。
【0362】
そして、
図38(b)に示すように、チャンスアップ演出は、全体として大当りの期待度が約3%に設定されている。また、大当り時の占有率は約10%に設定されている。
ここで、期待度とは、その演出が実行された際に大当りに当選する割合を示している。また、占有率とは、大当りに当選したときに実行される割合を示している。
従って、チャンスアップ演出は、実行されたときに約3%で大当りに当選し、また、大当りに当選したときの約10%で実行される。
【0363】
また、アイテム画像222がデフォルト(白色)である場合の期待度は約0.1%未満に設定され、占有率は約0.1%未満に設定される。
また、アイテム画像222が青色である場合の期待度は約2%に設定され、占有率は約0.3%未満に設定される。
また、アイテム画像222が緑色である場合の期待度は約5%に設定され、占有率は約0.5%に設定される。
また、アイテム画像222が赤色である場合の期待度は約40%に設定され、占有率は約3%に設定される。
また、アイテム画像222が金色である場合の期待度は約60%に設定され、占有率は約6%に設定される。
【0364】
図39は、第1ステップアップ演出決定テーブルを示した図である。演出制御部121のROMには
図39(a)に示す第1ステップアップ演出決定テーブルが記憶されている。
【0365】
演出制御部121は、第1ステップアップ演出の実行が決定された場合、第1ステップアップ演出決定テーブルを参照して変動パターンに基づいて第1ステップアップ演出の内容を決定する。
第1ステップアップ演出決定テーブルには、変動パターン毎に第1ステップアップ演出の内容の選択率が設定されている。第1ステップアップ演出決定テーブル内に格納された数値は、演出抽選用乱数が0~99の100通りの数値をとり得ることを前提とした場合における選択率の振り分け値を表している。
【0366】
第1ステップアップ演出決定テーブルにおいて、「1段階(青)」は1段階のステップ演出のみが行われ青色の会話画像231が表示されることを示している。「2段階(青、赤)」は2段階のステップ演出が行われ、1段階目では青色の会話画像231が表示され2段階目で赤色の会話画像232が表示されることを示している。「2段階(青、金)」は2段階のステップ演出が行われ、1段階目では青色の会話画像231が表示され2段階目で金色の会話画像232が表示されることを示している。
「3段階(青、赤、赤)」は3段階のステップ演出が行われ、1段階目では青色の会話画像231が表示され2段階目で赤色の会話画像232が表示され3段階目で赤色の会話画像233が表示されることを示している。「3段階(青、赤、金)」は3段階のステップ演出が行われ、1段階目では青色の会話画像231が表示され2段階目で赤色の会話画像232が表示され3段階目で金色の会話画像233が表示されることを示している。「3段階(青、金、金)」は3段階のステップ演出が行われ、1段階目では青色の会話画像231が表示され2段階目で金色の会話画像232が表示され3段階目で金色の会話画像233が表示されることを示している。
【0367】
例えば変動パターンが「SP1(ハズレ)」の場合には10/100の確率で「1段階(青)」が決定され、30/100の確率で「2段階(青、赤)」が決定され、15/100の確率で「2段階(青、金)」が決定され、20/100の確率で「3段階(青、赤、赤)」が決定され、15/100の確率で「2段階(青、赤、金)」が決定され、10/100の確率で「3段階(青、金、金)」が決定される。
また、変動パターンが「SP1(大当り)」の場合には5/100の確率で「1段階(青)」が決定され、10/100の確率で「2段階(青、赤)」が決定され、20/100の確率で「2段階(青、金)」が決定され、15/100の確率で「3段階(青、赤、赤)」が決定され、25/100の確率で「2段階(青、赤、金)」が決定され、25/100の確率で「3段階(青、金、金)」が決定される。
【0368】
図39(b)に示すように、第1ステップアップ演出は、全体として大当りの期待度が約3%に設定されている。また、大当り時の占有率は約10%に設定されている。
そして、最終段階に青色である場合の期待度は約0.1%未満に設定され、占有率は約0.1%未満に設定される。
また、最終段階に赤色である場合の期待度は約40%に設定され、占有率は約3%に設定される。
また、最終段階に金色である場合の期待度は約60%に設定され、占有率は約6%に設定される。
【0369】
さらに、
図39(c)に示すように、最終段階が1段階である場合の期待度は約0.1%未満に設定され、占有率は約0.1%未満に設定される。
また、最終段階が2段階である場合の期待度は約20%に設定され、占有率は約3%に設定される。
また、最終段階が3段階である場合の期待度は約50%に設定され、占有率は約6%に設定される。
【0370】
図40は、第2ステップアップ演出決定テーブルを示した図である。演出制御部121のROMには
図40(a)に示す第2ステップアップ演出決定テーブルが記憶されている。
【0371】
演出制御部121は、第2ステップアップ演出の実行が決定された場合、第2ステップアップ演出決定テーブルを参照して変動パターンに基づいて第2ステップアップ演出の内容を決定する。
第2ステップアップ演出決定テーブルには、変動パターン毎に第2ステップアップ演出の内容の選択率が設定されている。第2ステップアップ演出決定テーブル内に格納された数値は、演出抽選用乱数が0~99の100通りの数値をとり得ることを前提とした場合における選択率の振り分け値を表している。
【0372】
第2ステップアップ演出決定テーブルにおいて、「1段階(青)」は1段階のステップ演出のみが行われ青色のカットイン画像241が表示されることを示している。「1段階(赤)」は1段階のステップ演出のみが行われ赤色のカットイン画像241が表示されることを示している。「1段階(金)」は1段階のステップ演出のみが行われ金色のカットイン画像241が表示されることを示している。
「2段階(青、青)」は2段階のステップ演出が行われ、1段階目では青色のカットイン画像241が表示され2段階目で青色のカットイン画像242が表示されることを示している。「2段階(青、赤)」は2段階のステップ演出が行われ、1段階目では青色のカットイン画像241が表示され2段階目で赤色のカットイン画像242が表示されることを示している。「2段階(青、金)」は2段階のステップ演出が行われ、1段階目では青色のカットイン画像241が表示され2段階目で金色のカットイン画像242が表示されることを示している。「2段階(赤、赤)」は2段階のステップ演出が行われ、1段階目では赤色のカットイン画像241が表示され2段階目で赤色のカットイン画像242が表示されることを示している。「2段階(赤、金)」は2段階のステップ演出が行われ、1段階目では赤色のカットイン画像241が表示され2段階目で金色のカットイン画像242が表示されることを示している。「2段階(金、金)」は2段階のステップ演出が行われ、1段階目では金色のカットイン画像241が表示され2段階目で金色のカットイン画像242が表示されることを示している。
【0373】
例えば変動パターンが「SP1(ハズレ)」の場合には15/100の確率で「1段階(青)」が決定され、15/100の確率で「1段階(赤)」が決定され、10/100の確率で「1段階(金)」が決定され、20/100の確率で「2段階(青、青)」が決定され、10/100の確率で「2段階(青、赤)」が決定され、5/100の確率で「2段階(青、金)」が決定され、15/100の確率で「2段階(赤、赤)」が決定され、5/100の確率で「2段階(赤、金)」が決定され、5/100の確率で「2段階(金、金)」が決定される。
また、変動パターンが「SP1(大当り)」の場合には5/100の確率で「1段階(青)」が決定され、10/100の確率で「1段階(赤)」が決定され、15/100の確率で「1段階(金)」が決定され、10/100の確率で「2段階(青、青)」が決定され、10/100の確率で「2段階(青、赤)」が決定され、15/100の確率で「2段階(青、金)」が決定され、15/100の確率で「2段階(赤、赤)」が決定され、10/100の確率で「2段階(赤、金)」が決定され、10/100の確率で「2段階(金、金)」が決定される。
【0374】
図40(b)に示すように、第2ステップアップ演出は、全体として大当りの期待度が約3%に設定されている。また、大当り時の占有率は約10%に設定されている。
そして、カットイン画像241、242が最終的に青色である場合の期待度は約0.1%未満に設定され、占有率は約0.1%未満に設定される。
また、カットイン画像241、242が最終的に赤色である場合の期待度は約40%に設定され、占有率は約4%に設定される。
また、カットイン画像241、242が最終的に金色である場合の期待度は約60%に設定され、占有率は約6%に設定される。
【0375】
さらに、
図40(c)に示すように、最終段階が1段階である場合の期待度は約20%に設定され、占有率は約4%に設定される。
また、最終段階が2段階である場合の期待度は約50%に設定され、占有率は約6%に設定される。
【0376】
図41は、第1ボタン演出決定テーブルを示した図である。演出制御部121のROMには
図41(a)に示す第1ボタン演出決定テーブルが記憶されている。
【0377】
演出制御部121は、第1ボタン演出の実行が決定された場合、第1ボタン演出決定テーブルを参照して変動パターンに基づいて第1ボタン演出の内容を決定する。
第1ボタン演出決定テーブルには、変動パターン毎に第1ボタン演出の内容の選択率が設定されている。第1ボタン演出決定テーブル内に格納された数値は、演出抽選用乱数が0~99の100通りの数値をとり得ることを前提とした場合における選択率の振り分け値を表している。
【0378】
第1ボタン演出決定テーブルにおいて、「残念(白)」は残念の選択画像251を表示することを示している。「チャンス(赤)」はチャンスの選択画像251を表示することを示している。「激アツ(金)」は激アツの選択画像251を表示することを示している。
【0379】
例えば変動パターンが「SP1(ハズレ)」の場合には10/100の確率で「残念(白」が決定され、60/100の確率で「チャンス(赤)」が決定され、30/100の確率で「激アツ(金)」が決定される。
また、変動パターンが「SP1(大当り)」の場合には5/100の確率で「残念(白」が決定され、35/100の確率で「チャンス(赤)」が決定され、60/100の確率で「激アツ(金)」が決定される。
【0380】
図41(b)に示すように、第1ボタン演出は、全体として大当りの期待度が約3%に設定されている。また、大当り時の占有率は約10%に設定されている。
また、「残念(白)」である場合の期待度は約0.1%未満に設定され、占有率は約0.1%未満に設定される。
また、「チャンス(赤)」である場合の期待度は約40%に設定され、占有率は約4%に設定される。
また、「激アツ(金)」である場合の期待度は約60%に設定され、占有率は約6%に設定される。
【0381】
図42は、第2ボタン演出決定テーブルを示した図である。演出制御部121のROMには
図42(a)に示す第2ボタン演出決定テーブルが記憶されている。
【0382】
演出制御部121は、第2ボタン演出の実行が決定された場合、第2ボタン演出決定テーブルを参照して変動パターンに基づいて第2ボタン演出の内容を決定する。
第2ボタン演出決定テーブルには、変動パターン毎に第2ボタン演出の内容の選択率が設定されている。第2ボタン演出決定テーブル内に格納された数値は、演出抽選用乱数が0~99の100通りの数値をとり得ることを前提とした場合における選択率の振り分け値を表している。
【0383】
第2ボタン演出決定テーブルにおいて、「・・・」は発展先を示さない発展先画像262を表示することを示している。「SP1」は発展先がSP1であることを示す発展先画像262を表示することを示している。「SP2」は発展先がSP2であることを示す発展先画像262を表示することを示している。「SP3」は発展先がSP3であることを示す発展先画像262を表示することを示している。
【0384】
例えば変動パターンが「SP1(ハズレ)」の場合には100/100の確率で「SP1」が決定され、その他が決定されることはない。
また、変動パターンが「SP1(大当り)」の場合には100/100の確率で「SP1」が決定され、その他が決定されることはない。
【0385】
図42(b)に示すように、第2ボタン演出は、全体として大当りの期待度が約3%に設定されている。また、大当り時の占有率は約10%に設定されている。
そして、「・・・」の期待度は約0.1%未満に設定され、占有率は約0.1%未満に設定される。
また、「SP1」の期待度は約40%に設定され、占有率は約3%に設定される。
また、「SP2」の期待度は約50%に設定され、占有率は約3%に設定される。
また、「SP3」の期待度は約60%に設定され、占有率は約4%に設定される。
【0386】
図43は、背景変更演出決定テーブルを示した図である。演出制御部121のROMには
図43(a)に示す背景変更演出決定テーブルが記憶されている。
【0387】
演出制御部121は、背景変更演出の実行が決定された場合、背景変更演出決定テーブルを参照して変動パターンに基づいて背景変更演出の内容(第1背景変更演出か第2背景変更演出)を決定する。
背景変更演出決定テーブルには、変動パターン毎に背景変更演出の内容の選択率が設定されている。背景変更演出決定テーブル内に格納された数値は、演出抽選用乱数が0~99の100通りの数値をとり得ることを前提とした場合における選択率の振り分け値を表している。
【0388】
背景変更演出決定テーブルにおいて、「第1」は第1背景変更演出を示している。「第2」は第2背景変更演出を示している。そのため、「第1」が決定された場合には演出ステージを切り替えることになり、「第2」が決定された場合には演出ステージを切り替えることなく背景画像210だけを変更することになる。
【0389】
例えば変動パターンが「SP1(ハズレ)」の場合には30/100の確率で「第1」が決定され、70/100の確率で「第2」が決定される。
また、変動パターンが「SP1(大当り)」の場合には65/100の確率で「第1」が決定され、35/100の確率で「第2」が決定される。
【0390】
図43(b)に示すように、背景変更演出は、全体として大当りの期待度が約1%に設定されている。また、大当り時の占有率は約10%に設定されている。
そして、「第1」である場合の期待度は約10%に設定され、占有率は約9%に設定される。
また、「第2」である場合の期待度は約0.1%に設定され、占有率は約1%に設定される。
【0391】
このように、第1背景変更演出が実行されたときには第2背景変更演出が実行されたときより大当りの期待度が高くなるように設定されているため、背景変更演出は大当りの期待度を示唆する演出であると言える。
【0392】
[7.4 予告演出の変形例]
図44及び
図45は、予告演出(リーチ前予告演出)の変形例を示した図である。なお、
図44及び
図45では、チャンスアップ演出を例に挙げているが、第1ステップアップ演出、第2ステップアップ演出、第1ボタン演出、第2ボタン演出、背景変更演出でも同様である。
【0393】
上記したチャンスアップ演出、第1ステップアップ演出、第2ステップアップ演出、第1ボタン演出、第2ボタン演出、背景変更演出の演出内容は一例であり他の演出内容であってもよい。
【0394】
また、これらの予告演出は、左図柄201aが減速動作に切り替わった後であって中図柄201bが減速動作に切り替わる前に終了するようにした。しかしながら、
図44の変形例1で示すように、これらの予告演出は、左図柄201aが減速動作に切り替えられる前に終了してもよい。また、
図44の変形例2で示すように、左図柄201a及び右図柄201cが減速動作に切り替わった後であって中図柄201bが減速動作(又は低速スクロール)に切り替えられる前に終了してもよい。これらの場合であっても、期待度の示唆や装飾図柄201を見やすくするために演出区間は演出最適区間内に終了する方がよい。
このように、予告演出(リーチ前予告演出)は、全ての装飾図柄201が待機状態となる前に終了すればよい。これにより、右図柄201cの停止アクション、又は、左図柄201a及び右図柄201cのリーチアクション前に予告演出が終了するため、左図柄201a及び右図柄201cがリーチ態様となるか否かを容易に確認させることができる。
【0395】
また、これらの予告演出では、殆の演出で装飾図柄201よりも予告演出にかかる画像(例えばアイテム画像222、会話画像231、232、233、カットイン画像241、242、選択画像251、発展先画像262等)の方が、表示面積が大きい場合を例に挙げて説明した。
しかしながら、予告演出にかかる画像は装飾図柄201より表示面積が小さくてもよい。装飾図柄201より予告演出にかかる画像が小さい場合に不透過な装飾図柄201と重なるように表示してしまうと、予告演出にかかる画像がより見えづらくなるため、装飾図柄201が高透過率になってから演出区間が行われることがより効果的である。
【0396】
また、これらの予告演出では、導入区間の後に演出区間が設けられるようにした。しかしながら、導入区間のみ(いわゆるガセ)で終了するようにしてもよい。
【0397】
また、全ての装飾図柄201の開始アクションの実行時間が同じである場合について説明したが、装飾図柄201の開始アクションの実行時間が異なっていてもよい。
例えば、
図45の変形例3で示すように、左図柄201aの開始アクションが0.5秒で、右図柄201cの開始アクションが1秒で、中図柄201bの開始アクションが1.5秒であっても、全ての装飾図柄201が高速変動に切り替えられた後に演出区間が開始されるようにすればよい。
また、
図45の変形例4で示すように、装飾図柄201の開始アクションの実行時間が例えば2秒と長い場合には、装飾図柄201の開始アクションを遊技者に見せるため、装飾図柄201が高速変動に切り替えられた後に予告演出を開始するようにしてもよい。
【0398】
上記した例では、ステップアップ演出にのみフェードイン区間が設けられていたが、他の予告演出でもフェードイン区間が設けられていてもよく、全ての予告演出でフェードイン区間が設けられていなくてもよい。
【0399】
<8.特別演出>
次に特別演出について説明する。特別演出はリーチ演出の実行中(左図柄201a及び右図柄201cがリーチ態様となった後)に行われる演出であり、実行されることにより大当りの期待度が高くなる演出である。そのため、特別演出は予告演出の一種とも言える。
【0400】
図46は、特別演出が実行されないSP演出を示した図である。
図47は、特別演出が実行されるSP演出を示した図である。
【0401】
図46に示すように、SP演出が実行される変動演出では、
図46(a)に示すように、左図柄201a及び右図柄201cをリーチ態様で仮停止させた後、変動パターンに応じたSP演出が実行される。
【0402】
SP演出では、例えば味方キャラクタと敵キャラクタ(図ではキャラA)が対戦するバトル演出が実行される。
【0403】
SP演出(バトル演出)が開始されると、LCDユニット57には、
図46(b)に示すように味方キャラが表示された後、
図46(c)に示すようにキャラAとともにキャラAと戦うことを示した「VSキャラA」の文字が表示される。このとき、「VSキャラA」の文字は、例えば白色、赤色、金色等のいずれかで表示されることで、大当りの期待度を示唆することが可能である。なお、白色、赤色、金色の順に期待度が高くなっていく。
バトル演出は、大当り時及びハズレ時の双方で実行されるため、「VSキャラA」の文字の色だけでなく、演出実行中の様々タイミングで、大当りの期待度を示唆する示唆演出が実行される。
【0404】
その後、
図46(d)に示すように味方キャラとキャラAとが戦うシーンの画像(映像)が表示された後、大当りの当否を報知する報知演出が行われる。
【0405】
大当り時の報知演出では、
図46(e)味方キャラがキャラAに勝利する勝利演出が行われた後、
図46(f)に示すように、装飾図柄201a、201b、201cが同一の装飾図柄で仮停止表示され、最終的な大当り抽選の抽選結果が報知される。
【0406】
一方、ハズレ時には報知演出として、
図46(g)に示すように、味方キャラがキャラAに敗北する敗北演出が行われた後、
図46(h)に示すように、中図柄201bが左図柄201a及び左図柄201aとは異なる装飾図柄で仮停止され、ハズレであったことが報知される。
【0407】
特別演出が実行されるSP演出では、
図47(a)に示すように、左図柄201a及び右図柄201cがリーチ態様で仮停止された後、
図47(b)~
図47(g)に示すような特別演出が実行される。
【0408】
特別演出の画像(特別演出画像)は、LCDユニット57の表示領域の略全体に表示される。ここで、LCDユニット57の表示領域の略全体とは、遊技者が視認可能な表示領域の全てを指しており、遊技者に視認不可能な領域まで特別演出が表示されなくてもよい。
【0409】
特別演出は、
図47(b)~
図47(g)に示す例では、フェニックスが召喚されるような演出が実行される。このように特別演出は、複数のシーンによりストーリーが展開される演出である。そのため、特別演出の演出実行時間はある程度長い時間に設定されている。具体的には、上記したリーチ前予告演出の実行時間より長い例えば15秒に設定されており、長時間に亘って特別演出を遊技者に楽しませることができる。
【0410】
このとき、特別演出は、全表示領域が金色の色態様で表示される。そのため、特別演出の実行中は、表示領域のいたる所にグリッターGrが多数表示されることになる。グリッターGrは、
図47(d)に示すように文字に重なるようにも表示される。このときグリッターGrは文字からはみ出るように表示されていてもよい。
なお、特別演出で表示されるグリッターGrは、リーチ前予告演出において金色の色態様の際に表示されたグリッターGrと同じエフェクトとなっている。
【0411】
特別演出は、このように金色で実行されることで、大当りに当選する期待感を遊技者に付与することができる。そのため、特別演出は、大当りの期待度が高く設定されている。
【0412】
なお、特別演出では、全体的に金色で演出を実行していることがわかるようであれば、例えば黒色など他の演出で大当りの期待度を示唆しない色態様を混ぜて実行するようにしてもよい。このとき、全体として金色の表示面積は黒色の表示面積より大きくなされている。
【0413】
特別演出が実行された後には
図47(h)~
図47(l)に示すようにバトル演出が再開される。従って、特別演出が実行される場合には通常の変動演出(SP演出)が一時的に中断されて特別演出が割り込まれて実行された後、通常の変動演出に戻って演出が再開される。
【0414】
図48は、特別演出決定テーブルを示した図である。演出制御部121のROMには
図48(a)に示す特別演出決定テーブルが記憶されている。
【0415】
演出制御部121は、上記したステップS507において、SP演出の実行が決定された場合、特別演出決定テーブルを参照して変動パターンに基づいて特別演出の実行可否を決定する。
特別演出決定テーブルには、変動パターン毎に背景変更演出の内容の選択率が設定されている。特別演出決定テーブル内に格納された数値は、演出抽選用乱数が0~99の100通りの数値をとり得ることを前提とした場合における選択率の振り分け値(を表している。
【0416】
特別演出決定テーブルにおいて、「実行」は特別演出を実行することを示している。「不実行」は特別演出を実行しないことを示している。
【0417】
例えば変動パターンが「SP1(ハズレ)」の場合には10/100の確率で「実行」が決定され、90/100の確率で「不実行」が決定される。
また、変動パターンが「SP1(大当り)」の場合には70/100の確率で「実行」が決定され、30/100の確率で「不実行」が決定される。
【0418】
そして、
図48(b)に示すように、特別演出は、全体として大当りの期待度が約60%に設定されている。また、大当り時の占有率は約70%に設定されている。
【0419】
<9.構成例>
以下では、遊技機1の構成例を説明する。
【0420】
実施形態の遊技機1は次の(構成A1)を有する。
(構成A1)
遊技機1は、所定の画像を表示可能な表示手段と、遊技者に有利な特別遊技を行うか否かを判定する判定手段と、判定手段の判定結果に基づいて複数の装飾図柄を表示手段において変動表示させる装飾図柄変動手段と、判定結果を示唆する予告演出を実行する予告演出実行手段と、を備える。
装飾図柄の変動表示は、装飾図柄が変動表示を開始する開始動作、開始動作後に装飾図柄の変動表示が維持される変動動作、変動動作後に装飾図柄が減速する減速動作、減速動作後に装飾図柄が停止アクションを行う停止アクション動作、及び、停止アクション動作後に装飾図柄が待機状態となる待機動作を含む。
変動動作では、開始動作、減速動作、停止アクション動作及び待機動作より装飾図柄の透過度が高い。
予告演出は、装飾図柄が表示手段において変動表示される表示領域で装飾図柄に重ねられて実行され、特別遊技が行われる期待度が異なる複数態様のいずれかで期待度演出が実行される期待度演出区間と、期待度演出区間の前であって期待度演出の態様によらず態様が共通した共通演出が実行される共通演出区間とを含んで構成される。
共通演出区間は装飾図柄が変動動作に切り替えられる前に開始され、期待度演出区間は装飾図柄が変動動作に切り替えられた後に開始される。
【0421】
この(構成A1)の考え方の場合、表示手段はLCDユニット57に相当し、判定手段はステップS208の特別図柄管理処理を行う主制御部101に相当し、装飾図柄変動手段及び予告演出実行手段は演出制御部121に相当する。
また、開始動作は開始アクションに相当し、変動動作は高速変動に相当し、待機動作は揺れやリーチアクションに相当する。
期待度演出区間は演出区間に相当し、共通演出区間は導入区間に相当する。
期待度が異なる複数態様は、青色、赤色及び金色の色態様に相当する。
予告演出は、例えばチャンスアップ演出(
図29参照)、第1ステップアップ演出(
図30参照)に相当する。なお、予告演出が第1ステップアップ演出である場合には共通演出区間は1段階目のステップ演出に相当する。
【0422】
例えばチャンスアップ演出では、装飾図柄201が高速変動に切り替えられる前(開始アクション中)に導入区間が開始され、装飾図柄201が高速変動に切り替えられた後に演出区間が開始される。
装飾図柄201が高速変動しているときは高透過率となっているため、他の演出が見やすい状態となっている。この演出最適区間が始まってから演出区間が実行されることで、期待度を示唆するアイテム画像222を遊技者にわかりやすく見せることが可能となる。
また、装飾図柄201が高速変動に切り替えられる前(開始アクション中)に導入区間が開始されることで、演出区間の実行時間を長く確保することが可能となり、期待度を報知する演出を長く行うことができる。
かくして、遊技機1では、演出効果を向上することができる。
【0423】
実施形態の遊技機1は(構成A1)に加えて次の(構成A1-2)を有する。
(構成A1-2)
予告演出は、装飾図柄が減速動作に切り替えられた後に終了する。
【0424】
例えばチャンスアップ演出では、終了区間が左図柄201aの減速動作に切り替わる前に開始され切り替わった後に終了する。
そして、終了区間は主にチャンスアップ演出が終了することを報知することを目的とし信頼度を示唆するものではないため、不透過な装飾図柄201と重ねられたアイテム画像222が多少見えづらくなったとしても、演出上の問題が生じない。
そして、終了区間を左図柄201aが減速動作に切り替えられた後まで実行することで、演出最適区間での演出区間の実行時間を長く確保することが可能となり、期待度を報知する演出を長く行うことができ、演出効果を向上することができる。
【0425】
実施形態の遊技機1は(構成A1)(構成A1-2)に加えて次の(構成A1-3)を有する。
(構成A1-3)
予告演出は、全ての装飾図柄が待機動作に切り替えられる前に終了する。
【0426】
チャンスアップ演出では、全ての装飾図柄201が待機動作に切り替えられる前に終了する。
終了区間では装飾図柄201のいずれかがアイテム画像222と重なって見えづらくなったとしても、全ての装飾図柄201が停止する前にチャンスアップ演出が終了するため、停止した装飾図柄201がわからなくなってしまうといった事態を回避することができる。
【0427】
実施形態の遊技機1は(構成A1)(構成A1-2)(構成A1-3)に加えて次の(構成A1-4)を有する。
(構成A1-4)
複数の装飾図柄は、開始動作の実行時間が異なり、期待度演出区間は、全ての装飾図柄が変動動作に切り替えられた後に開始される。
【0428】
図45の変形例3で示したように、装飾図柄201の開始アクションの実行時間が異なった場合であっても、チャンスアップ演出の演出区間は、全ての装飾図柄201が高速変動に切り替えられた後に開始される。そのため、アイテム画像222は高透過率の装飾図柄201に重なるように表示される。すなわち、アイテム画像222は、不透過の装飾図柄201と重ならないようにすることができる。
【0429】
これにより、期待度を示すアイテム画像222が見やすくなり、アイテム画像222の色を遊技者が把握できないといったことを低減することができる。
【0430】
実施形態の遊技機1は次の(構成A2)を有する。
(構成A2)
遊技機1は、所定の画像を表示可能な表示手段と、遊技者に有利な特別遊技を行うか否かを判定する判定手段と、判定手段の判定結果に基づいて複数の装飾図柄を表示手段において変動表示させる装飾図柄変動手段と、判定結果を示唆する予告演出を実行する予告演出実行手段と、を備える。
装飾図柄の変動表示は、装飾図柄が変動表示を開始する開始動作、開始動作後に装飾図柄の変動表示が維持される変動動作、変動動作後に装飾図柄が減速する減速動作、減速動作後に装飾図柄が停止アクションを行う停止アクション動作、及び、停止アクション動作後に装飾図柄が待機状態となる待機動作を含む。
変動動作では、開始動作、減速動作、停止アクション動作及び待機動作より装飾図柄の透過度が高い。
予告演出は、装飾図柄が表示手段において変動表示される表示領域で装飾図柄に重ねられて実行され、演出の段階が進むほど特別遊技が行われる期待度が高くなる段階演出を含む。
段階演出は、装飾図柄が変動動作に切り替えられる前に1段階目が開始され、装飾図柄が変動動作に切り替えられた後に2段階目以降が開始される。
【0431】
この(構成A2)の考え方の場合、表示手段はLCDユニット57に相当し、判定手段はステップS208の特別図柄管理処理を行う主制御部101に相当し、装飾図柄変動手段及び予告演出実行手段は演出制御部121に相当する。
また、開始動作は開始アクションに相当し、変動動作は高速変動に相当し、待機動作は揺れやリーチアクションに相当する。
期待度演出区間は演出区間に相当し、共通演出区間は導入区間に相当する。
予告演出は、第1ステップアップ演出(
図30参照)に相当する。
【0432】
例えば第1ステップアップ演出では、装飾図柄201が高速変動に切り替えられる前(開始アクション中)に1段階目が開始され、装飾図柄201が高速変動に切り替えられた後に2段階目が開始される。
装飾図柄201が高速変動しているときは高透過率となっているため、他の演出が見やすい状態となっている。この状態が始まってから2段階目が実行されることで、2段階のステップ演出が実行されるか否かの分岐を遊技者に容易に確認させることができるとともに、期待度を示唆する2段階目以降のステップ演出(会話画像231)を遊技者にきちんと見せることが可能となる。
また、装飾図柄201が高速変動に切り替えられる前(開始アクション中)に1段階目が開始されることで、第1ステップアップ演出全体の実行時間を長く確保することが可能となり、期待度を報知する演出を長く行うことができる。
かくして、遊技機1では、演出効果を向上することができる。
【0433】
実施形態の遊技機1は(構成A2)に加えて次の(構成A2-2)を有する。
(構成A2-2)
段階演出は、2段階目が行われずに1段階目で終了する場合には装飾図柄が変動動作に切り替えられた後に1段階目が開始される。
【0434】
これにより、ステップ演出が1段階目で終了する場合には演出実行時間が短いため、装飾図柄201の高速変動中にその全てを行うことが可能となる。そこで、第1ステップアップ演出の全体を装飾図柄201の高速変動中に行うことで、その全てを不透過の装飾図柄201と重なることなくはっきりと遊技者に見せることができ、演出効果を向上することができる。
【0435】
実施形態の遊技機1は(構成A2)(構成A2-2)に加えて次の(構成A2-3)を有する。
(構成A2-3)
予告演出は、段階演出よりも最終段階までの段階数が少ない第2段階演出を含む。
第2段階演出は、装飾図柄が変動動作に切り替えられた後に1段階目が開始される。
【0436】
この(構成A2-3)の考え方の場合、第2段階演出は第2ステップアップ演出に相当する。
第2ステップアップ演出は、最終段階が3段階である第1ステップアップ演出と比べ、最終段階が2段階と少ない。そのため、第2ステップアップ演出は、演出最適区間に全てのステップ演出を実行したとしても演出実行時間を十分に確保することが可能である。
そこで、第2ステップアップ演出の全体を装飾図柄201の高速変動中に行うことで、その全てを不透過の装飾図柄201と重なることなくはっきりと遊技者に見せることができ、演出効果を向上することができる。
【0437】
実施形態の遊技機1は次の(構成A3)を有する。
(構成A3)
遊技機1は、遊技者が操作可能な操作手段と、所定の画像を表示可能な表示手段と、遊技者に有利な特別遊技を行うか否かを判定する判定手段と、判定手段の判定結果に基づいて複数の装飾図柄を表示手段において変動表示させる装飾図柄変動手段と、判定結果を示唆する予告演出を実行する予告演出実行手段と、を備える。
装飾図柄の変動表示は、装飾図柄が変動表示を開始する開始動作、開始動作後に装飾図柄の変動表示が維持される変動動作、変動動作後に装飾図柄が減速する減速動作、減速動作後に装飾図柄が停止アクションを行う停止アクション動作、及び、停止アクション動作後に装飾図柄が待機状態となる待機動作を含む。
変動動作では、開始動作、減速動作、停止アクション動作及び待機動作より装飾図柄の透過度が高い。
予告演出は、装飾図柄が表示手段において変動表示される表示領域で装飾図柄に重ねられて実行され、操作手段の操作が有効となる操作有効区間と、操作有効区間の前で導入演出が行なわれる導入演出区間と、操作手段が操作有効区間内に操作された後であって操作後演出が行われる操作後演出区間とを含んで構成される。
導入演出区間は装飾図柄が変動動作に切り替えられる前に開始され、操作有効区間は装飾図柄が変動動作に切り替えられた後に開始される。
【0438】
この(構成A3)の考え方の場合、操作手段は演出ボタン25aに相当し、表示手段はLCDユニット57に相当し、判定手段はステップS208の特別図柄管理処理を行う主制御部101に相当し、装飾図柄変動手段及び予告演出実行手段は演出制御部121に相当する。
また、開始動作は開始アクションに相当し、変動動作は高速変動に相当し、待機動作は揺れやリーチアクションに相当する。
操作後演出区間は操作後演出に相当し、導入演出区間は導入区間に相当する。
予告演出は、第1ボタン演出(
図32参照)に相当する。
【0439】
第1ボタン演出では、装飾図柄201が高速変動に切り替えられる前(開始アクション中)に導入区間が開始され、装飾図柄201が高速変動に切り替えられた後に操作有効区間が開始される。
装飾図柄201が高速変動しているときは高透過率となっているため、他の演出が見やすい状態となっている。この演出最適区間が始まってから操作有効区間が実行されることで、演出ボタン25aが有効になっていることを遊技者にきちんと把握させることが可能となる。
また、装飾図柄201が高速変動に切り替えられる前(開始アクション中)に導入区間が開始されることで、操作有効区間及び操作後演出区間の実行時間を長く確保することが可能となり、操作後演出を長く行うことができる。
かくして、遊技機1では、演出効果を向上することができる。
【0440】
実施形態の遊技機1は(構成A3)に加えて次の(構成A3-2)を有する。
(構成A3-2)
予告演出は、装飾図柄が減速動作に切り替わった後に終了する。
第1ボタン演出では、操作有効期間内に演出ボタン25aを操作したタイミングで操作後演出が行われるので、操作後演出は様々なタイミングで開始される。一方で、操作後演出の演出実行時間は一定である。
そのため、操作後演出を実行するために比較的余裕をもった時間構成を組む必要がある。そこで、第1ボタン演出は装飾図柄201の減速動作が切り替わった後に終了させることで、どのタイミングで演出ボタン25aが操作されても操作後演出の演出実行時間を長くとることが可能となり、演出効果を向上することができる。
【0441】
実施形態の遊技機1は次の(構成A4)を有する。
(構成A4)
遊技機1は、所定の画像を表示可能な表示手段と、遊技者に有利な特別遊技を行うか否かを判定する判定手段と、判定手段の判定結果に基づいて複数の装飾図柄を表示手段において変動表示させる装飾図柄変動手段と、複数の背景画像のいずれかを表示手段に表示し、背景画像を変更する際に変更演出を実行して表示手段に表示する背景画像を切り替える背景表示手段と、を備える。
装飾図柄の変動表示は、装飾図柄が変動表示を開始する開始動作、開始動作後に装飾図柄の変動表示が維持される変動動作、変動動作後に装飾図柄が減速する減速動作、減速動作後に装飾図柄が停止アクションを行う停止アクション動作、及び、停止アクション動作後に装飾図柄が待機状態となる待機動作を含む。
変動動作では、開始動作、減速動作、停止アクション動作及び待機動作より装飾図柄の透過度が高い。
変更演出は装飾図柄が変動動作に切り替えられる前に開始され、切り替えられた背景画像は装飾図柄が変動動作に切り替えられた後に表示される。
【0442】
この(構成A4)の考え方の場合、表示手段はLCDユニット57に相当し、判定手段はステップS208の特別図柄管理処理を行う主制御部101に相当し、装飾図柄変動手段及び背景表示手段は演出制御部121に相当する。
また、開始動作は開始アクションに相当し、変動動作は高速変動に相当し、待機動作は揺れやリーチアクションに相当する。
操作後演出区間は操作後演出に相当し、導入演出区間は導入区間に相当する。
変更演出は、背景変更演出(
図34参照)に相当する。
【0443】
背景変更演出では、装飾図柄201が高速変動に切り替えられる前(開始アクション中)に開始され、装飾図柄201が高速変動に切り替えられた後に変更後の背景画像210が表示される。
装飾図柄201が高速変動しているときは高透過率となっているため、他の演出が見やすい状態となっている。この演出最適区間が始まってから変更後の背景画像210に切り替わることで、変更後の背景画像210を遊技者にきちんと見せることが可能となる。
また、装飾図柄201が高速変動に切り替えられる前(開始アクション中)に背景変更演出が開始されることで、変更後の背景画像210を長く見せることが可能となる。
かくして、遊技機1では、演出効果を向上することができる。
【0444】
実施形態の遊技機1は次の(構成B1)を有する。
(構成B1)
遊技機1は、遊技者に有利な特別遊技を行うか否かを判定する判定手段と、判定手段の判定結果に基づいて演出を実行する演出実行手段と、を備える。
演出実行手段は、判定結果を示唆する予告演出を実行可能である。
予告演出は、第1予告演出、第2予告演出及び第3予告演出を含む。
第1予告演出は、第1色態様、第1色態様より特別遊技が行われる期待度の高い第2色態様、又は、第2色態様より期待度の高い第3色態様により実行可能である。
第2予告演出は、第2色態様又は第3色態様により実行可能であり、第1色態様では実行されない。
第3予告演出は、複数シーンによりストーリーが展開される演出であって、第3色態様により実行可能であり、他の色態様では実行されない。
第3予告演出は、第1予告演出及び第2予告演出より演出の実行時間が長い。
【0445】
この(構成B1)の考え方の場合、判定手段はステップS208の特別図柄管理処理を行う主制御部101に相当し、演出実行手段は演出制御部121に相当する。
また、第1予告演出はチャンスアップ演出(
図29参照)の演出区間に相当し、第2予告演出は第1ステップアップ演出(
図30参照)の2段階及び3段階に相当し、第3予告演出は特別演出(
図47参照)に相当する。
第1色態様は青色に相当し、第2色態様は赤色に相当し、第3色態様は金色に相当する。
【0446】
チャンスアップ演出の演出区間の演出実行時間は5.5秒であり、第1ステップアップ演出の2段階及び3段階の演出実行時間はそれぞれ2.5秒であり、特別演出の実行時間は15秒である。そのため、特別演出の実行時間は、チャンスアップ演出の演出区間並びに第1ステップアップ演出の2段階及び第3段階の実行時間より長い。
【0447】
特別演出は実行時間が長いため、複数の色態様で特別演出をそれぞれ制作するとなると、実行時間が短いチャンスアップ演出や第1ステップアップ演出の2段階及び3段階を制作する場合と比べ、演出を作成する手間が膨大となり制作コストも増加してしまう。
【0448】
また、実行時間が長い特別演出が期待度の低い例えば青色や緑色で実行されると、遊技者は期待度の低い演出を長々と見せられることになり煩わしく感じることになる。
【0449】
そこで、実行時間が長い特別演出は期待度が高い金色のみで実行することで、制作時間及び制作コストを削減することができるとともに、遊技者に煩わしさを感じさせることなく演出効果を向上することができる。
【0450】
実施形態の遊技機1は(構成B1)に加えて次の(構成B1-2)を有する。
(構成B1-2)
第1色態様、第2色態様及び第3色態様は、特別遊技が行われるときと特別遊技が行われないときのいずれの場合にも用いられる色態様である。
【0451】
青色の期待度は数%であり、赤色の期待度は約40%であり、金色の期待度は約60%である。そのため、青色、赤色及び金色は大当りに当選したときでもハズレが決定されたときでも出現する可能性がある。一方で、例えばレインボーのように大当りに当選したときのみ出現するものも存在する。
【0452】
ここで、チャンスアップ演出、第1ステップアップ演出及び特別演出では、大当りに当選したときでもハズレが決定されたときでも出現する色態様で実行されることで、遊技者はその後の展開を期待しながら演出を楽しむことになり、演出効果をさらに向上することができる。
【0453】
実施形態の遊技機1は次の(構成B1-3)を有する。
(構成B1-3)
遊技機1は、遊技者に有利な特別遊技を行うか否かを判定する判定手段と、判定手段の判定結果に基づいて演出を実行する演出実行手段と、を備える。
演出実行手段は、判定結果を示唆する予告演出を実行可能である。
予告演出は、第1予告演出、第2予告演出及び第3予告演出を含む。
第1予告演出は、特別遊技が行われる期待度が異なる複数の色態様のいずれかにより実行される。
第2予告演出は、第1予告演出で用いられる色態様のうち第1予告演出で用いられる色態様の数より少ない色態様のいずれかにより実行される。
記第3予告演出は、複数シーンによりストーリーが展開される演出であって、第2予告演出で用いられる色態様のうち相対的に期待度が高い色態様で実行され、他の色態様では実行されない。
第3予告演出は、第1予告演出及び第2予告演出より演出の実行時間が長い。
【0454】
この(構成B1-3)の考え方の場合、判定手段はステップS208の特別図柄管理処理を行う主制御部101に相当し、演出実行手段は演出制御部121に相当する。
また、第1予告演出はチャンスアップ演出の演出区間に相当し、第2予告演出は第1ステップアップ演出の2段階及び3段階に相当し、第3予告演出は特別演出に相当する。
【0455】
チャンスアップ演出はデフォルト(白色)、青色、緑色、赤色及び金色の5色の色形態のいずれかにより実行され、第1ステップアップ演出の2段階及び3段階は赤色及び金色の2色の色形態のいずれかにより実行され、特別演出は期待度が最も高い金色のみで実行され青色及び赤色の色形態では実行されない。
【0456】
チャンスアップ演出の演出区間の演出実行時間は5.5秒であり、第1ステップアップ演出の第2段階及び第3段階の演出実行時間はそれぞれ2.5秒であり、特別演出の実行時間は15秒である。そのため、特別演出の実行時間は、チャンスアップ演出の演出区間並びに第1ステップアップ演出の第2段階及び第3段階の実行時間より長い。
【0457】
特別演出は実行時間が長いため、複数の色態様で特別演出をそれぞれ制作するとなると、実行時間が短いチャンスアップ演出や第1ステップアップ演出の第2段階及び第3段階を制作する場合と比べ、演出を作成する手間が膨大となり制作コストも増加してしまう。
【0458】
また、実行時間が長い特別演出が期待度の低い例えば青色や緑色で実行されると、遊技者は期待度の低い演出を長々と見せられることになり煩わしく感じることになる。
【0459】
そこで、実行時間が長い特別演出は期待度が高い金色のみで実行することで、制作時間及び制作コストを削減することができるとともに、遊技者に煩わしさを感じさせることなく演出効果を向上することができる。
【0460】
実施形態の遊技機1は次の(構成B2)を有する。
(構成B2)
遊技機1は、所定の画像を表示可能な表示手段と、遊技者に有利な特別遊技を行うか否かを判定する判定手段と、判定手段の判定結果に基づいて演出を実行する演出実行手段と、を備える。
演出実行手段は、判定結果を示唆する予告演出画像を表示手段に表示する予告演出を実行可能である。
予告演出は、第1予告演出、第2予告演出及び第3予告演出を含む。
第1予告演出は、第1色態様、第1色態様より特別遊技が行われる期待度の高い第2色態様、又は、第2色態様より期待度の高い第3色態様により実行可能である。
第2予告演出は、第2色態様又は第3色態様により実行可能であり、第1色態様では実行されない。
第3予告演出は、複数シーンによりストーリーが展開される演出であって、第3色態様により実行可能であり、他の色態様では実行されない。
第3予告演出は、第1予告演出及び第2予告演出より表示手段に表示される予告演出画像の面積が大きい。
【0461】
この(構成B2)の考え方の場合、判定手段はステップS208の特別図柄管理処理を行う主制御部101に相当し、演出実行手段は演出制御部121に相当する。
また、第1予告演出はチャンスアップ演出(
図29参照)の演出区間に相当し、第2予告演出は第1ステップアップ演出(
図30参照)の2段階及び3段階に相当し、第3予告演出は特別演出(
図47参照)に相当する。
第1色態様は青色に相当し、第2色態様は赤色に相当し、第3色態様は金色に相当する。
また、予告演出画像は、台座画像221及びアイテム画像222、会話画像231、232、233及び特別演出画像に相当する。
【0462】
チャンスアップ演出及び第1ステップアップ演出はLCDユニット57における表示領域の一部に表示される。一方、特別演出はLCDユニット57の全表示領域で表示される。
【0463】
特別演出は表示領域が大きいため、制作する手間及び時間がかかってしまう。また、表示領域が大きい特別演出が期待度の低い例えば青色や緑色で実行されるとなると、遊技者は期待度の低い演出を大きな画像で見せられることになり煩わしく感じることになる。
【0464】
そこで、表示領域の大きい特別演出は期待度が高い金色のみで実行することで、制作時間及び制作コストを削減することができるとともに、遊技者に煩わしさを感じさせることなく演出効果を向上することができる。
【0465】
実施形態の遊技機1は(構成B2)に加えて次の(構成B2-2)を有する。
(構成B2-2)
第3予告演出は、予告演出画像が表示手段のほぼ全領域に表示される。
【0466】
これにより、特別演出は特に制作する手間及び時間がかかってしまう。また、LCDユニット57のほぼ全領域に表示される特別演出は遊技者にとって期待が高くなる。そのため、特別演出は期待度が高い金色のみで実行するようにしている。
【0467】
実施形態の遊技機1は次の(構成B2-3)を有する。
(構成B2-3)
遊技機1は、所定の画像を表示可能な表示手段と、遊技者に有利な特別遊技を行うか否かを判定する判定手段と、判定手段の判定結果に基づいて演出を実行する演出実行手段と、を備える。
演出実行手段は、判定結果を示唆する予告演出画像を表示手段に表示する予告演出を実行可能である。
予告演出は、第1予告演出、第2予告演出及び第3予告演出を含む。
第1予告演出は、特別遊技が行われる期待度が異なる複数の色態様のいずれかにより実行される。
第2予告演出は、第1予告演出で用いられる色態様のうち第1予告演出で用いられる色態様の数より少ない色態様のいずれかにより実行される。
記第3予告演出は、複数シーンによりストーリーが展開される演出であって、第2予告演出で用いられる色態様のうち相対的に期待度が高い色態様で実行され、他の色態様では実行されない。
第3予告演出は、第1予告演出及び第2予告演出より表示手段に表示される予告演出画像の面積が大きい。
【0468】
この(構成B2-3)の考え方の場合、判定手段はステップS208の特別図柄管理処理を行う主制御部101に相当し、演出実行手段は演出制御部121に相当する。
また、第1予告演出はチャンスアップ演出の演出区間に相当し、第2予告演出は第1ステップアップ演出の2段階及び3段階に相当し、第3予告演出は特別演出に相当する。
【0469】
チャンスアップ演出は青色、赤色及び金色の3色の色形態のいずれかにより実行され、第1ステップアップ演出は赤色及び金色の2色の色形態のいずれかにより実行され、特別演出は期待度が最も高い金色のみで実行され青色及び赤色の色形態では実行されない。
【0470】
チャンスアップ演出及び第1ステップアップ演出はLCDユニット57における表示領域の一部に表示される。一方、特別演出はLCDユニット57の全表示領域で表示される。
【0471】
特別演出は表示領域が大きいため、制作する手間及び時間がかかってしまう。また、表示領域が大きい特別演出が期待度の低い例えば青色や緑色で実行されると、遊技者は期待度の低い演出を大きな画像で見せられることになり煩わしく感じることになる。
【0472】
そこで、表示領域の大きい特別演出は期待度が高い金色のみで実行することで、制作時間及び制作コストを削減することができるとともに、遊技者に煩わしさを感じさせることなく演出効果を向上することができる。
【0473】
実施形態の遊技機1は次の(構成B3)を有する。
(構成B3)
遊技機1は、遊技者に有利な特別遊技を行うか否かを判定する判定手段と、判定手段の判定結果に基づいて演出を実行する演出実行手段と、を備える。
演出実行手段は、判定結果を示唆する予告演出を実行可能である。
予告演出は、第1予告演出及び第2予告演出を含む。
第1予告演出は、第1色態様、第1色態様より特別遊技が行われる期待度の高い第2色態様、又は、第2色態様より期待度の高い第3色態様により実行可能である。
第2予告演出は、複数シーンによりストーリーが展開される演出であって、第3色態様により実行可能であり、他の色態様では実行されない。
第2予告演出は、第1予告演出より実行されたときの期待度が高い。
【0474】
この(構成B3)の考え方の場合、判定手段はステップS208の特別図柄管理処理を行う主制御部101に相当し、演出実行手段は演出制御部121に相当する。
また、第1予告演出はチャンスアップ演出(
図29参照)の演出区間に相当し、第2予告演出は特別演出(
図47参照)に相当する。
第1色態様は青色に相当し、第2色態様は赤色に相当し、第3色態様は金色に相当する。
【0475】
チャンスアップ演出の期待度は全体として約10%であり、特別演出の期待度は約60%である。
【0476】
特別演出は期待度が高く設定されているため、複数の色態様で特別演出をそれぞれ制作したとしても、手間やコストが増える一方で、それぞれの色態様での期待度の差が出しづらくなり、演出効果が低下してしまうおそれがある。
【0477】
そこで、期待度が高い特別演出は金色のみで実行することで、制作時間及び制作コストを削減することができるとともに、演出効果を向上することができる。
【0478】
実施形態の遊技機1は(構成B3)に加えて次の(構成B3-2)を有する。
(構成B3-2)
演出実行手段は、特別遊技が行われる場合、第3色態様による第1予告演出よりも高い割合で第2予告演出を実行する。
【0479】
金色によるチャンスアップ演出の占有率は約6%であり、特別演出の占有率は約70%である。
【0480】
このように占有率の高い特別演出は金色のみで実行することで、制作時間及び制作コストを削減することができるとともに、演出効果を向上することができる。
【0481】
実施形態の遊技機1は次の(構成B3-3)を有する。
(構成B3-3)
遊技機1は、遊技者に有利な特別遊技を行うか否かを判定する判定手段と、判定手段の判定結果に基づいて演出を実行する演出実行手段と、を備える。
演出実行手段は、判定結果を示唆する予告演出を実行可能である。
予告演出は、第1予告演出及び第2予告演出を含む。
第1予告演出は、特別遊技が行われる期待度が異なる複数の色態様のいずれかにより実行される。
記第2予告演出は、複数シーンによりストーリーが展開される演出であって、第1予告演出で用いられる色態様のうち相対的に期待度が高い色態様で実行され、他の色態様では実行されない。
第2予告演出は、第1予告演出より実行されたときの期待度が高い。
【0482】
この(構成B3)の考え方の場合、判定手段はステップS208の特別図柄管理処理を行う主制御部101に相当し、演出実行手段は演出制御部121に相当する。
また、第1予告演出はチャンスアップ演出の演出区間に相当し、第2予告演出は特別演出に相当する。
【0483】
チャンスアップ演出は青色、赤色及び金色の3色の色形態のいずれかにより実行され、特別演出は期待度が最も高い金色のみで実行され青色及び赤色の色形態では実行されない。
【0484】
チャンスアップ演出の期待度は全体として約10%であり、特別演出の期待度は約60%である。
【0485】
特別演出は期待度が高く設定されているため、複数の色態様で特別演出をそれぞれ制作したとしても、手間やコストが増える一方で、それぞれの色態様での期待度の差が出しづらくなり、演出効果が低下してしまうおそれがある。
【0486】
そこで、期待度が高い特別演出は金色のみで実行することで、制作時間及び制作コストを削減することができるとともに、演出効果を向上することができる。
【0487】
以上、実施形態を説明してきたが、上記(構成A1)から(構成B3-3)までの各構成例は、各種の組み合わせが可能で、任意に組み合わせることでそれぞれの構成で説明した効果を兼ね備える遊技機1とすることができる。
またそれ以外に実施形態で説明した構成や動作を組み合わせることも可能である。
また各種例示した具体例は、各構成を実現する一態様にすぎない。特に明示していない具体例も各種考えられる。
【0488】
また、遊技球が遊技機1内に封入されていない既存の遊技機にも本発明は適用できる。
【符号の説明】
【0489】
1 遊技機
101 主制御部
121 演出制御部