(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2025157557
(43)【公開日】2025-10-15
(54)【発明の名称】GABAA受容体モジュレーターによるてんかん状態の治療
(51)【国際特許分類】
A61K 31/403 20060101AFI20251007BHJP
A61P 25/08 20060101ALI20251007BHJP
A61K 31/5025 20060101ALI20251007BHJP
A61K 31/4184 20060101ALI20251007BHJP
A61K 31/519 20060101ALI20251007BHJP
A61K 31/53 20060101ALI20251007BHJP
A61K 31/437 20060101ALI20251007BHJP
A61K 31/551 20060101ALI20251007BHJP
A61K 31/5513 20060101ALI20251007BHJP
A61K 31/502 20060101ALI20251007BHJP
A61K 47/38 20060101ALI20251007BHJP
A61K 31/522 20060101ALI20251007BHJP
A61P 43/00 20060101ALI20251007BHJP
【FI】
A61K31/403
A61P25/08
A61K31/5025
A61K31/4184
A61K31/519
A61K31/53
A61K31/437
A61K31/551
A61K31/5513
A61K31/502
A61K47/38
A61K31/522
A61P43/00 121
【審査請求】有
【請求項の数】20
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2025125903
(22)【出願日】2025-07-28
(62)【分割の表示】P 2022523893の分割
【原出願日】2020-10-23
(31)【優先権主張番号】62/925,081
(32)【優先日】2019-10-23
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】62/950,674
(32)【優先日】2019-12-19
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.TWEEN
(71)【出願人】
【識別番号】520405053
【氏名又は名称】ニューロサイクル・セラピューティクス・インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100118902
【弁理士】
【氏名又は名称】山本 修
(74)【代理人】
【識別番号】100106208
【弁理士】
【氏名又は名称】宮前 徹
(74)【代理人】
【識別番号】100196508
【弁理士】
【氏名又は名称】松尾 淳一
(74)【代理人】
【識別番号】100122644
【弁理士】
【氏名又は名称】寺地 拓己
(74)【代理人】
【識別番号】100220098
【弁理士】
【氏名又は名称】宮脇 薫
(72)【発明者】
【氏名】ハブス,ジェド
(72)【発明者】
【氏名】トシコ,マシュー
(57)【要約】 (修正有)
【課題】対象においててんかん状態を治療する方法を提供する。
【解決手段】GABA
A受容体モジュレーターまたはGABA
A受容体モジュレーターを含む組成物を投与することにより、対象においててんかん状態を治療する方法が提供される。
【選択図】
図14-1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
一般式(1a)、一般式(1b)または一般式(1c)
【化1】
[式中、
X
1、X
2、X
3、X
4およびX
5は、独立に、-C、-N、-Sまたは-Oであり、X
1、X
2、X
3、X
4およびX
5の少なくとも2個は、-Nであり、
Y
1およびY
2は、独立に、-Cまたは-Nであり、
R
1
mのmは、1であり、R
1は、非置換フェニル、C
1~C
4アルキル、F、Cl、Br、I、-CNで置換されるフェニル、置換もしくは非置換ビフェニルまたは-(C=O)-R
3(式中、R
3は、置換もしくは非置換アリールまたは5-から6-員のヘテロアリールである)であり、
R
2
nのnは、1または2であり、各R
2は、独立に、置換もしくは非置換C
3~C
8シクロアルキル、置換もしくは非置換C
1~C
6アルキル、置換もしくは非置換C
1~C
6アルコール、置換もしくは非置換6-員ヘテロアリール、ハロゲン、または-O-CH
2-R
4(式中、R
4は、置換もしくは非置換5-または6-員ヘテロアリールである)であり、
Z
1、Z
3、Z
4、およびZ
5は、独立に、-C、-N、-Sまたは-Oであり、
A
1、およびA
2およびA
3は、独立に、-C、-N、または-(C=O)-O-R
7、または
【化2】
(式中、
R
7は、アルキルであり、
B
1、B
2、B
3、およびB
4は、独立に、-C、-N、または-Oであり、
R
21
Sのsは、1、2、3または4である)であり、
R
5
lのlは、1または2であり、各R
5は、独立に、C
1~C
4アルキニルまたはハロゲンであり、
R
6
kのkは、1、2、3または4であり、各R
6は、独立に、置換もしくは非置換アリール、置換もしくは非置換ヘテロアリール、置換もしくは非置換C
1~C
3アルキル、または水素であり、
R
12
pのpは、1または2であり、各R
12は、独立に、置換もしくは非置換C
1~C
4アルキル、I、Br、ClまたはFであり、
R
13
qのqは、1、2、3または4であり、各R
13は、独立に、置換もしくは非置換アリール、置換もしくは非置換ヘテロアリール、置換もしくは非置換C
1~C
3アルキル、酸素または水素である]の化合物の治療有効量を対象に投与して、対象においててんかん状態を治療するステップを含む、対象においててんかん状態を治療する方法。
【請求項2】
一般式(1a)、一般式(1b)または一般式(1c)
【化3】
[式中、
X
1、X
2、X
3、X
4およびX
5は、独立に、-C、-N、-Sまたは-Oであり、X
1、X
2、X
3、X
4およびX
5の少なくとも2個は、-Nであり、
Y
1およびY
2は、独立に、-Cまたは-Nであり、
R
1
mのmは、1であり、R
1は、非置換フェニル、C
1~C
4アルキル、F、Cl、Br、I、-CNで置換されるフェニル、置換もしくは非置換ビフェニルまたは-(C=O)-R
3(式中、R
3は、置換もしくは非置換アリールまたは5-から6-員のヘテロアリールである)であり、
R
2
nのnは、1または2であり、各R
2は、独立に、置換もしくは非置換C
3~C
8シクロアルキル、置換もしくは非置換C
1~C
6アルキル、置換もしくは非置換C
1~C
6アルコール、置換もしくは非置換6-員ヘテロアリール、ハロゲン、または-O-CH
2-R
4(式中、R
4は、置換もしくは非置換5-または6-員ヘテロアリールである)であり、
Z
1、Z
3、Z
4、およびZ
5は、独立に、-C、-N、-Sまたは-Oであり、
- A
1、およびA
2およびA
3は、独立に、-C、-N、または-(C=O)-O-R
7、または
【化4】
(式中、
R
7は、アルキルであり、
B
1、B
2、B
3、およびB
4は、独立に、-C、-N、または-Oであり、
R
21
sのsは、1、2、3または4である)であり、
R
5
lのlは、1または2であり、各R
5は、独立に、C
1~C
4アルキニルまたはハロゲンであり、
R
6
kのkは、1、2、3または4であり、各R
6は、独立に、置換もしくは非置換アリール、置換もしくは非置換ヘテロアリール、置換もしくは非置換C
1~C
3アルキル、または水素であり、
R
12
pのpは、1または2であり、各R
12は、独立に、置換もしくは非置換C
1~C
4アルキル、I、Br、ClまたはFであり、
R
13
qのqは、1、2、3または4であり、各R
13は、独立に、置換もしくは非置換アリール、置換もしくは非置換ヘテロアリール、置換もしくは非置換C
1~C
3アルキル、酸素または水素である]の化合物を対象に投与して、ナトリウムチャネルの突然変異に関連するてんかんを治療するステップを含む、対象において、ナトリウムチャネルの突然変異に関連するてんかんを治療する方法。
【請求項3】
化合物が、一般式(2)、(3)、(4)、(5)、(1c)または(7)、
【化5】
のものである、請求項1または2に記載の方法。
【請求項4】
化合物が、一般式(2a)、(3a)、(4a)、(5a)、(5b)、(1c)または(7a)
【化6】
のものである、請求項1から3のいずれか一項に記載の方法。
【請求項5】
R1
mのmが、1であり、R1が、
非置換フェニル、
置換基としてC1~C4-アルキル、F、Cl、Br、I、-CNを含む、置換フェニル、
非置換ビフェニル、
置換基として少なくとも1つの-CNを含む置換ビフェニル、
置換基として少なくとも1つの-CNを含む置換ビフェニル、または-(C=O)-R3[式中、R3は、ピリジンである]である、請求項1から4のいずれか一項に記載の方法。
【請求項6】
化合物が、一般式(2a’)、(3a’)、(4a’)、(5a’)、(5b’)、(VI)または(7a’)、
【化7】
[式中、
R
10は、置換もしくは非置換アリール、置換もしくは置換C
1~C
3アルキルまたは水素であり、
R
11は、置換もしくは非置換アリール、置換もしくは非置換C
1~C
3アルキル、または水素であり、
R
12
pのpは、1であり、R
12は、I、Br、ClまたはFである]のものである、請求項1から5のいずれか一項に記載の方法。
【請求項7】
化合物が、一般式(2a”)、(3a”)、(4a”)、(5a”)、(5b”)、(VIa”)または(7a”)、
【化8】
[式中、R
7は、
非置換C
1~C
6アルキル、
非置換C
3~C
8シクロアルキル、
非置換C
1~C
6アルコールであり、
R
8は、
-O-CH
2-R
4(式中、R
4は、置換もしくは非置換5-員ヘテロアリールである)、または
非置換C
1~C
6アルコールであり、
R
9は、
非置換C
6ヘテロアリール、もしくは
ハロゲンであるか、または
R
9は、式(4a”)中の非置換6-員ヘテロアリールもしくは式(5b”)中のハロゲンであり、
R
10は、C
1~C
3アルキルまたは水素であり、
R
11は、置換もしくは非置換アリールまたはヘテロアリールであり、
R
14は、置換もしくは非置換アリールまたはヘテロアリールであり、
R
12は、I、Cl、BrまたはFであり、または
R
5は、C
2アルキニルまたはIである]のものである、請求項1から6のいずれか一項に記載の方法。
【請求項8】
化合物が、α1、α2、α3、またはα5GABAA受容体モジュレーターである、請
求項1から7のいずれか一項に記載の方法。
【請求項9】
化合物が、ポジティブアロステリックα2またはα3GABAA受容体モジュレーターである、請求項8に記載の方法。
【請求項10】
対象が、ヒトである、請求項1から9のいずれか一項に記載の方法。
【請求項11】
対象が、イヌである、請求項1から9のいずれか一項に記載の方法。
【請求項12】
対象が、0~17歳である、請求項1から9のいずれか一項に記載の方法。
【請求項13】
対象が、18~130歳である、請求項1から9のいずれか一項に記載の方法。
【請求項14】
化合物の治療有効量が、薬学的に許容される賦形剤、希釈剤、または担体を含む、医薬組成物中に存在する、請求項1から13のいずれか一項に記載の方法。
【請求項15】
てんかん状態が、中心側頭葉の良性小児てんかん、良性小児後頭葉てんかん(BOEC)、常染色体優性夜間前頭葉てんかん(ADNFLE)、原発性読書てんかん、小児欠神てんかん(CEA)、若年性欠神てんかん、若年性ミオクローヌスてんかん(JME)、症候性局在関連てんかん、側頭葉てんかん(TLE)、前頭葉てんかん、ラスムッセン脳炎、ウエスト症候群、ドラベ症候群、進行性ミオクローヌスてんかん、およびレノックス・ガストー症候群(LGS)からなる群から選択される、請求項1に記載の方法。
【請求項16】
ナトリウムチャネルの突然変異が、電位依存性ナトリウムチャネルαサブユニット1(SCN1A)遺伝子の突然変異を含む、請求項2に記載の方法。
【請求項17】
【化9】
からなる群から選択される化合物、
その塩、およびその多形を含む医薬組成物の量を対象に投与して、対象においてドラベ症候群を治療するステップを含む、対象においてドラベ症候群を治療する方法。
【請求項18】
化合物が、
【化10】
、その塩、またはその多形である、請求項17に記載の方法。
【請求項19】
量が、対象に投与する場合、対象の体重につき1日当たり約0.003mg/kg~1日当たり約10mg/kgの用量で投与した場合、ドラベ症候群を治療するのに効果的である、請求項17に記載の方法。
【請求項20】
対象が、ヒトである、請求項17に記載の方法。
【請求項21】
対象が、イヌである、請求項17に記載の方法。
【請求項22】
医薬組成物が、薬学的に許容される賦形剤、希釈剤、または担体をさらに含む、請求項17に記載の方法。
【請求項23】
メチルセルロースである、担体を含む、請求項22に記載の方法。
【請求項24】
化合物が、
【化11】
、その多形、またはその塩である、請求項17に記載の方法。
【請求項25】
リン酸塩である、塩を含む、請求項24に記載の方法。
【請求項26】
硫酸塩である、塩を含む、請求項24に記載の方法。
【請求項27】
多形を含み、前記多形が、(a)Cu:K-α(λ=1.54179Å)のX-線波長パラメータ;(b)X線管電圧設定40kVおよび電流40mA;(c)走査スコープ約3°~約40°;(d)サンプル回転速度約15rpm;ならびに(e)1分間当たり走査速度10°を用いて測定した場合、2-θが約6.4、7.5、10.2、12.7、13.3、14.5、16.0、17.1、17.4、17.9、18.5、19.1、19.7、20.3、20.9、21.5、22.6、23.7、26.2、26.7、26.9、27.5、28.4、30.2、および32.1±0.2°からなる群から選択される値のうちの少なくとも3つの特性ピーク位置を有する、粉末X線回折(XRPD)を有する、請求項24から26のいずれか一項に記載の方法。
【請求項28】
投与が、経口投与を含む、請求項17に記載の方法。
【請求項29】
投与が、1日少なくとも1回行われる、請求項17に記載の方法。
【請求項30】
ドラベ症候群を治療するのに効果的である量の投与が、対象において嗜眠状態または鎮静をもたらさない、請求項17から29のいずれか一項に記載の方法。
【請求項31】
式の化合物:
【化12】
、その薬学的に許容される塩、または多形の量を、対象に投与して、対象においててんかん状態を治療するステップを含み、前記量が、対象の体重1kg当たり約0.003mg~約10mgの用量を含む、対象においててんかん状態を治療する方法。
【請求項32】
投与が、クロバザムの等価投与量の投与に基づいて生じる発作の量より少なくとも20%少ない量まで、発作の量を減少させる、請求項31に記載の方法。
【請求項33】
量が、対象の体重1kg当たり約0.08mg~1kg当たり約2.5mgの用量を含む、請求項31に記載の方法。
【請求項34】
化合物が、常温保存可能な配合物中に存在する、請求項31に記載の方法。
【請求項35】
化合物が、眠気を誘わない配合物として配合される、請求項31に記載の方法。
【請求項36】
眠気を誘わない配合物が、カフェインを含む、請求項35に記載の方法。
【請求項37】
化合物、薬学的に許容されるその塩、または多形が、リン酸塩またはその多形である、請求項31に記載の方法。
【請求項38】
化合物、薬学的に許容されるその塩、または多形が、硫酸塩またはその多形である、請求項31に記載の方法。
【請求項39】
一般式(5a’)
【化13】
[式中、
R
1は、非置換フェニル、C
1~C
4-アルキル、F、Cl、Br、I、-CNで置換されるフェニル、置換もしくは非置換ビフェニル、または-(C=O)-R
3(式中、R
3は、置換もしくは非置換アリールまたは5-から6-員のヘテロアリールである)であり、
R
2
nのnは、1または2であり、各R
2は、独立に、置換もしくは非置換C
3~C
8シクロアルキル、置換もしくは非置換C
1~C
6アルキル、置換もしくは非置換C
1~C
6アルコール、置換もしくは非置換6-員ヘテロアリール、ハロゲン、または-O-CH
2-R
4(式中、R
4は、置換もしくは非置換5-または6-員ヘテロアリールである)である]の化合物またはその塩もしくは多形を含む医薬組成物を対象に投与するステップを含み、
投与が、対象においててんかん状態を治療するのに有効な量であり、前記量が、対象の体重1kgにつき1日当たり、化合物またはその塩もしくは多形の用量約0.003mg~約1mgを含む、対象においててんかん状態を治療する方法。
【請求項40】
【化14】
の構造を有する化合物、またはその塩もしくは多形を含む、医薬組成物を対象に投与するステップを含み、投与が、対象においててんかん状態を治療するのに有効な量となり、前記量が、対象の体重1kgにつき1日当たり化合物またはその塩もしくは多形の用量約0.0003mg~約1mgを含む、対象においててんかん状態を治療する方法。
【請求項41】
化合物、またはその塩もしくは多形が、リン酸塩またはその多形である、請求項39または40に記載の方法。
【請求項42】
化合物、またはその塩もしくは多形が、硫酸塩またはその多形である、請求項39または40に記載の方法。
【請求項43】
化合物、またはその塩もしくは多形が、リン酸塩の多形であり、前記リン酸塩の多形が、(a)Cu:K-α(λ=1.54179Å)のX-線波長パラメータ;(b)X線管電圧設定40kVおよび電流40mA;(c)走査スコープ約3°~約40°;(d)サンプル回転速度約15rpm;ならびに(e)走査速度1分間当たり10°を用いて測定した場合、2-θが、約6.4、7.5、10.2、12.7、13.3、14.5、16.0、17.1、17.4、17.9、18.5、19.1、19.7、20.3、2
0.9、21.5、22.6、23.7、26.2、26.7、26.9、27.5、28.4、30.2、および32.1±0.2°からなる群から選択される値のうちの少なくとも3つの特性ピーク位置を有する粉末X線回折(XRPD)パターンを示す、請求項40に記載の方法。
【請求項44】
医薬組成物が、経口または経皮投与用に配合される、請求項39または40に記載の方法。
【請求項45】
量が、対象の体重1kgにつき1日当たり、化合物またはその塩もしくは多形の用量0.3mg未満を含む、請求項39または40に記載の方法。
【請求項46】
量が、対象の体重1kgにつき1日当たり、化合物またはその塩もしくは多形の用量0.1mg未満を含む、請求項39または40に記載の方法。
【請求項47】
量が、対象の体重1kgにつき1日当たり、化合物またはその塩もしくは多形の用量0.03mg未満を含む、請求項39または40に記載の方法。
【請求項48】
てんかん状態が、ドラベ症候群である、請求項39または40に記載の方法。
【請求項49】
てんかん状態が、焦点発作である、請求項39または40に記載の方法。
【請求項50】
てんかん状態が、全般てんかんまたは素因性てんかんである、請求項39または40に記載の方法。
【請求項51】
化合物、またはその塩もしくは多形が、リン酸塩またはその多形でなく、硫酸塩またはその多形でない、請求項39または40に記載の方法。
【請求項52】
化合物が、眠気を誘わない配合物として配合される、請求項39または40に記載の方法。
【請求項53】
眠気を誘わない配合物が、カフェインを含む、請求項52に記載の方法。
【請求項54】
てんかん状態が、中心側頭葉の良性小児てんかん、小児期の良性後頭部てんかん(BOEC)、常染色体優性夜間前頭葉てんかん(ADNFLE)、原発性読書てんかん、小児欠神てんかん(CEA)、若年性欠神てんかん、若年性ミオクローヌスてんかん(JME)、症候性局在関連てんかん、側頭葉てんかん(TLE)、前頭葉てんかん、ラスムッセン脳炎、脳性麻痺、低酸素性脳症、ダウン症候群、低酸素性虚血性脳症(HIE)、ウエスト症候群、ドラベ症候群、焦点発作、進行性ミオクローヌスてんかん、またはレノックス・ガストー症候群(LGS)からなる群から選択される、請求項39または40に記載の方法。
【請求項55】
対象が、ヒトである、請求項39または40に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
相互参照
[0001]本出願は、2019年10月23日出願の米国特許仮出願第62/925,081号、および2019年12月19日出願の同第62/950,674号の利益を主張し、上記仮出願のそれぞれは、その全体を参照により本明細書に組み込む。
連邦政府による資金提供を受けた研究の記載
[0002]本発明は、米国国立保健研究所の米国立神経疾患・脳卒中研究所(National Institute of Neurological Disorders and Stroke)により与えられた採択番号(Award Number)R43NS107051に基づいて政府の支援によって成された。米国政府は、本発明において一定の権利を有する。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0002】
[0003]本明細書中に開示されるのは、一般式(1a)、一般式(1b)または一般式(1c)
【0003】
【0004】
[式中、X1、X2、X1、X4およびX5は、独立に、-C、-N、-Sまたは-Oであり、X1、X2、X3、X4およびX5の少なくとも2個は、-Nであり、Y1およびY2は、独立に、-Cまたは-Nであり、R1
mのmは1であり、R1は、非置換フェニル、C1~C4-アルキル、F、Cl、Br、I、-CNで置換されるフェニル、置換もしくは非置換ビフェニルまたは-(C=O)-R3であり、R3は、置換もしくは非置換アリールまたは5-から6-員のヘテロアリールであり、R2
nのnは、1または2であり、各R2は、独立に、置換もしくは非置換C3~C8シクロアルキル、置換もしくは非置換C1~C6アルキル、置換もしくは非置換C1~C6アルコール、置換もしくは非置換6-員ヘテロアリール、ハロゲン、または-O-CH2-R4であり、R4は、置換もしくは非置換5-または6-員ヘテロアリールであり、Z1、Z3、Z4、およびZ5は、独立に、-C、-N、-Sまたは-Oであり、A1、およびA2およびA3は、独立に、-C、-N、または-(C=O)-O-R7、または
【0005】
【0006】
であり、
R7は、アルキルであり、B1、B2、B3、およびB4は、独立に、-C、-N、または-Oであり、R21
sのsは、1、2、3または4であり、R5
lのlは、1または2であり、各R5は、独立に、C1~4アルキニルまたはハロゲンであり、R6
kのkは、1、2、3または4であり、各R6は、独立に、置換もしくは非置換アリール、置換もしくは非置換ヘテロアリール、置換もしくは非置換C1~C3アルキル、または水素であり、R12
pのpは、1または2であり、各R12は、独立に、置換もしくは非置換C1~C4-アルキル、I、Br、ClまたはFであり、R13
qのqは、1、2、3または4であり、各R13は、独立に、置換もしくは非置換アリール、置換もしくは非置換ヘテロアリール、置換もしくは非置換C1~C3アルキル、酸素または水素である]の化合物の治療有効量を対象に投与して、対象においててんかん状態を治療するステップを含む、対象においててんかん状態を治療する方法である。いくつかの実施形態では、化合物は、一般式(2)、(3)、(4)、(5)、(1c)または(7)
【0007】
【0008】
のものである。
いくつかの実施形態では、化合物は、一般式(2a)、(3a)、(4a)、(5a)、(5b)、(1c)または(7a)
【0009】
【0010】
のものである。
いくつかの実施形態では、R1のmは、1であり、R1は、非置換フェニル、置換基としてC1~C4-アルキル、F、Cl、Br、I、-CNを含む置換フェニル、非置換ビフェニル、置換基として少なくとも1つの-CNを含む置換ビフェニル、置換基として少なくとも1つの-CNを含む置換ビフェニル、または-(C=O)-R3であり、R3は、ピリジンである。いくつかの実施形態では、化合物は、一般式(2a’)、(3a’)(4a’)、(5a’)、(5b’)、(VI)または(7a’)
【0011】
【0012】
[式中、R10は、置換もしくは非置換アリール、置換もしくは非置換C1~C3アルキルまたは水素であり、R11は、置換もしくは非置換アリール、置換もしくは非置換C1~C3アルキル、または水素であり、またはR12pのpは、1であり、R12は、I、Br、ClまたはFである]のものである。いくつかの実施形態では、化合物は、一般式(2a”)、(3a”)、(4a”)、(5a”)、(5b”)、(VIa”)または(7a”)
【0013】
【0014】
[式中、R7は、非置換C1~C6アルキル、非置換C3~C8シクロアルキル、非置換C1~C6アルコールであり、R8、-O-CH2-R4であり、R4は、置換もしくは非置換5-員ヘテロアリール、または非置換C1~C6アルコールであり、R9は、非置換C6ヘテロアリール、もしくはハロゲンであるか、またはR9は、式(4a”)中の非置換6-員ヘテロアリールもしくは式(5b”)中のハロゲンであり、
R10は、C1~C3アルキルまたは水素であり、R11は、置換もしくは非置換アリールまたはヘテロアリールであり、R14は、置換もしくは非置換アリールまたはヘテロアリールであり、R12は、I、Cl、BrまたはFであり、またはR5は、C2アルキニルまたはIである]のものである。いくつかの実施形態では、化合物は、α1、α2、α3、またはα5GABAA受容体モジュレーターである。いくつかの実施形態では、化合物は、ポジティブアロステリックα2またはα3GABAA受容体モジュレーターである。いくつかの実施形態では、対象は、ヒトである。いくつかの実施形態では、対象は、イヌである。いくつかの実施形態では、対象は、0~17歳である。いくつかの実施形態では、対象は、18~130歳である。いくつかの実施形態では、化合物の治療有効量は、薬学的に許容される賦形剤、希釈剤、または担体を含む、医薬組成物中に存在する。いくつかの実施形態では、てんかん状態は、中心側頭葉(centrotemporal lobe)の良性小児てんかん、良性小児後頭葉てんかん(BOEC)、常染色体優性夜間前頭葉てんかん(ADNFLE)、原発性読書てんかん、小児欠神てんかん(CEA)、若年性欠神てんかん、若年性ミオクローヌスてんかん(JME)、症候性局在関連てんかん、側頭葉てんかん(TLE)、前頭葉てんかん、ラスムッセン脳炎、ウエスト症候群、
ドラベ症候群、進行性ミオクローヌスてんかん、およびレノックス・ガストー症候群(LGS)からなる群から選択される。
【0015】
[0004]本明細書中でやはり開示されるのは、一般式(1a)、一般式(1b)または一般式(1c)
【0016】
【0017】
[式中、X1、X2、X3、X4およびX5は、独立に、-C、-N、-Sまたは-Oであり、X1、X2、X3、X4およびX5の少なくとも2個は、-Nであり、Y1およびY2は、独立に、-Cまたは-Nであり、R1
mのmは1であり、R1は、非置換フェニル、C1~C4-アルキル、F、Cl、Br、I、-CNで置換されるフェニル、置換もしくは非置換ビフェニルまたは-(C=O)-R3であり、R3は、置換もしくは非置換アリールまたは5-から6-員のヘテロアリールであり、R2
nのnは、1または2であり、各R2は、独立に、置換もしくは非置換C3~C8シクロアルキル、置換もしくは非置換C1~C6アルキル、置換もしくは非置換C1~C6アルコール、置換もしくは非置換6-員ヘテロアリール、ハロゲン、または-O-CH2-R4であり、R4は、置換もしくは非置換5-または6-員ヘテロアリールであり、Z1、Z3、Z4、およびZ5は、独立に、-C、-N、-Sまたは-Oであり、A1、およびA2およびA3は、独立に、-C、-N、または-(C=O)-O-R7、または
【0018】
【0019】
であり、
R7は、アルキルであり、B1、B2、B3、およびB4は、独立に、-C、-N、または-Oであり、R21
sのsは、1、2、3または4であり、R5
lのlは、1または2であり、各R5は、独立に、C1~C4アルキニルまたはハロゲンであり、R6
kのkは、1、2、3または4であり、各R6は、独立に、置換もしくは非置換アリール、置換もしくは非置換ヘテロアリール、置換もしくは非置換C1~C3アルキル、または水素であり、R12のpは、1又は2であり、または各R12は、独立に、置換もしくは非置換C1~C4-アルキル、I、Br、ClまたはFであり、R13のqは、1、2、3または4であり、各R13は、独立に、置換もしくは非置換アリール、置換もしくは非置換ヘテ
ロアリール、置換もしくは非置換C1~C3アルキル、酸素または水素である]の化合物を対象に投与して、ナトリウムチャネルの突然変異に関連するてんかんを治療するステップを含む、対象において、ナトリウムチャネルの突然変異に関連するてんかんを治療する方法である。いくつかの実施形態では、化合物は、一般式(2)、(3)、(4)、(5)、(1c)または(7)
【0020】
【0021】
のものである。
いくつかの実施形態では、化合物は、一般式(2a)、(3a)、(4a)、(5a)、(5b)、(1c)または(7a)
【0022】
【0023】
のものである。
いくつかの実施形態では、R1
mのmは、1であり、R1は、非置換フェニル、置換基としてC1~C4-アルキル、F、Cl、Br、I、-CNを含む置換フェニル、非置換ビフェニル、置換基として少なくとも1つの-CNを含む置換ビフェニル、置換基として少なくとも1つの-CNを含む置換ビフェニル、または-(C=O)-R3であり、R3は、ピリジンである。いくつかの実施形態では、化合物は、一般式(2a’)、(3a’)、(4a’)、(5a’)、(5b’)、(VI)または(7a’)
【0024】
【0025】
[式中、R10は、置換もしくは非置換アリール、置換もしくは非置換C1~C3アルキルまたは水素であり、R11は、置換もしくは非置換アリール、置換もしくは非置換C1~C3アルキル、または水素であり、またはR12
pのpは、1であり、R12は、I、Br、ClまたはFである]のものである。いくつかの実施形態では、化合物は、一般式(2a”)、(3a”)、(4a”)、(5a”)、(5b”)、(VIa”)または(7a”)
【0026】
【0027】
[式中、R7は、非置換C1~C6アルキル、非置換C3~C8シクロアルキル、非置換C1~C6アルコールであり、R8は、-O-CH2-R4であり、R4は、置換もしくは非置換5-員ヘテロアリール、または非置換C1~C6アルコールであり、R9は、非置換C6ヘテロアリール、もしくはハロゲンであるか、またはR9は、式(4a”)中の非置換6-員ヘテロアリールもしくは式(5b”)中のハロゲンであり、R10は、C1~C3アルキルまたは水素であり、R11は、置換もしくは非置換アリールまたはヘテロアリールであり、R14は、置換もしくは非置換アリールまたはヘテロアリールであり、R12は、I、Cl、BrまたはFであり、またはR5は、C2アルキニルもしくはIである]のものである。いくつかの実施形態では、化合物は、α1、α2、α3、またはα5GABAA受容体モジュレーターである。いくつかの実施形態では、化合物は、ポジティブアロステリックα2またはα3GABAA受容体モジュレーターである。いくつかの実施形態では、対象は、ヒトである。いくつかの実施形態では、対象は、イヌである。いくつかの実施形態では、対象は、0~17歳である。いくつかの実施形態では、対象は、18~130歳である。いくつかの実施形態では、化合物の治療有効量は、薬学的に許容される賦形剤、希釈剤、または担体を含む、医薬組成物中に存在する。いくつかの実施形態では、ナトリウムチャネルの突然変異は、電位依存性ナトリウムチャネルαサブユニット1(SCN1A)遺伝子の突然変異を含む。
【0028】
[0005]本明細書中でやはり開示されるのは、
【0029】
【0030】
、その塩、およびその多形からなる群から選択される化合物を含む医薬組成物の量を対象に投与して対象においてドラベ症候群を治療するステップを含む、対象においてドラベ症候群を治療する方法である。いくつかの実施形態では、化合物は、
【0031】
【0032】
、その塩、またはその多形である。いくつかの実施形態では、その量は、対象に投与する場合、対象の体重につき1日当たり約0.003mg/kg~1日当たり約10mg/kg(例えば、1kgにつき約0.003mg~約100mg、約0.003mg~約95mg、約0.003mg~約90mg、約0.003mg~約85mg、約0.003mg~約80mg、約0.003mg~約75mg、約0.003mg~約70mg、約0.003mg~約65mg、約0.003mg~約60mg、約0.003mg~約55mg、約0.003mg~約50mg、約0.003mg~約45mg、約0.003mg~約40mg、約0.003mg~約35mg、約0.003mg~約30mg、約0.003mg~約25mg、約0.003mg~約20mg、約0.003mg~約15mg、約0.003mg~約10mg、約0.003mg~約9mg、約0.003mg~約8mg、約0.003mg~約7mg、約0.003mg~約6mg、約0.003mg~約5mg、約0.003mg~約4mg、約0.003mg~約3mg、約0.003mg~約2mg、または約0.003mg~約1mg)の用量で投与した場合、ドラベ症候群を治療するのに効果的である。いくつかの実施形態では、対象は、ヒトである。いくつかの実施形態では、対象は、イヌである。いくつかの実施形態では、医薬組成物は、薬学的に許容される賦形剤、希釈剤、または担体をさらに含む。いくつかの実施形態では、医薬組成物は、担体を含み、担体は、メチルセルロースである。いくつかの実施形態では、化合物は、
【0033】
【0034】
、その多形、またはその塩である。いくつかの実施形態では、医薬組成物は、化合物の塩を含む。いくつかの実施形態では、その塩は、リン酸塩である。いくつかの実施形態では、その塩は、硫酸塩である。いくつかの実施形態では、医薬組成物は、化合物の多形を含む。いくつかの実施形態では、多形は、(a)Cu:K-α(
【0035】
【0036】
)のX-線波長パラメータ;(b)X線管電圧設定40kVおよび電流40mA;(c)走査スコープ約3°~約40°;(d)サンプル回転速度約15rpm;ならびに(e)1分間当たり走査速度10°を用いて測定した場合、2-θが約6.4、7.5、10.2、12.7、13.3、14.5、16.0、17.1、17.4、17.9、18.5、19.1、19.7、20.3、20.9、21.5、22.6、23.7、26.2、26.7、26.9、27.5、28.4、30.2、および32.1±0.2°からなる群から選択される値のうちの少なくとも3つの特性ピーク位置を有する、粉末X線回折(XRPD)を有する。いくつかの実施形態では、投与は、経口投与を含む。いくつかの実施形態では、投与は、1日少なくとも1回行われる。いくつかの実施形態では、ドラベ症候群を治療するのに効果的である量の投与は、対象において嗜眠状態または鎮静をもたらさない。
【0037】
[0006]本明細書中でやはり開示されるのは、次式の化合物:
【0038】
【0039】
、またはその薬学的に許容される塩、もしくは多形の量を対象に投与して、対象においててんかん状態を治療するステップを含む、対象においててんかん状態を治療する方法であって、その量は、約0.003mg/kg~約10mg/kg(すなわち、約0.003mg/kg~約100mg/kg、約0.003mg/kg~約95mg/kg、約0.003mg/kg~約90mg/kg、約0.003mg/kg~約85mg/kg、約0.003mg/kg~約80mg/kg、約0.003mg/kg~約75mg/kg、約0.003mg/kg~約70mg/kg、約0.003mg/kg~約65mg/kg、約0.003mg/kg~約60mg/kg、約0.003mg/kg~約55mg/kg、約0.003mg/kg~約50mg/kg、約0.003mg/kg~約45mg/kg、約0.003mg/kg~約40mg/kg、約0.003mg/kg~約35mg/kg、約0.003mg/kg~約30mg/kg、約0.003mg/kg~約25mg/kg、約0.003mg/kg~約20mg/kg、約0.003mg/kg~約15mg/kg、約0.003mg/kg~約10mg/kg、約0.003mg/kg~約9mg/kg、約0.003mg/kg~約8mg/kg、約0.003mg/kg~約7mg/kg、約0.003mg/kg~約6mg/kg、約0.003mg/kg~約5mg/kg、約0.003mg/kg~約4mg/kg、約0.003mg/kg~約3mg/kg、約0.003mg/kg~約2mg/kg、または約0.003mg/kg~約1mg/kg)の用量を含む。いくつかの実施形態では、投与は、クロバザムの等価投与量の投与に基づいて生じる発作の量より少なくとも20%未満少ない量まで、発作の量を減少させる。いくつかの実施形態では、その量は、約0.08mg/kg~約2.5mg/kgの用量を含む。いくつかの実施形態では、化合物は、常温保存可能な配合物中に存在する。いくつかの実施形態では、化合物は、眠気を誘わない配合物として配合される。いくつかの実施形態では、眠気を誘わない配合物は、カフェインを含む。いくつかの実施形態では、化合物、薬学的に許容されるその塩、または多形は、リ
ン酸塩またはその多形である。いくつかの実施形態では、化合物、薬学的に許容されるその塩、または多形は、硫酸塩またはその多形である。
【0040】
[0007]本明細書中に開示されるのは、一般式(5a’)
【0041】
【0042】
[式中、
R1は、非置換フェニル、C1~C4-アルキル、F、Cl、Br、I、-CNで置換されるフェニル、置換もしくは非置換ビフェニル、または-(C=O)-R3(式中、R3は、置換もしくは非置換アリールまたは5-から6-員のヘテロアリールである)であり、
R2
nのnは、1または2であり、各R2は、独立に、置換もしくは非置換C3~C8シクロアルキル、置換もしくは非置換C1~C6アルキル、置換もしくは非置換C1~C6アルコール、置換もしくは非置換6-員ヘテロアリール、ハロゲン、または-O-CH2-R4(式中、R4は、置換もしくは非置換5-または6-員ヘテロアリールである)である]の化合物またはその塩もしくは多形を含む医薬組成物を対象に投与するステップを含む、対象においててんかん状態を治療する方法であって、
投与は、対象においててんかん状態を治療するのに有効な量であり、その量は、対象の体重1kgにつき1日当たり、化合物またはその塩もしくは多形の用量約0.003mg~約1mgを含む。本明細書中に開示されるのは、
【0043】
【0044】
の構造を有する化合物、またはその塩もしくは多形を含む、医薬組成物を対象に投与するステップを含む、対象においててんかん状態を治療する方法であって、投与は、対象においててんかん状態を治療するのに有効な量となり、その量は、対象の体重1kgにつき1日当たり化合物またはその塩もしくは多形の用量約0.0003mg~約1mgを含む。いくつかの実施形態では、てんかん状態は、全般てんかんまたは素因性てんかんである。いくつかの実施形態では、てんかん状態は、ドラベ症候群である。いくつかの実施形態では、てんかん状態は、焦点発作である。いくつかの実施形態では、てんかん状態は、中心側頭葉の良性小児てんかん、良性小児後頭葉てんかん(BOEC)、常染色体優性夜間前頭葉てんかん(ADNFLE)、原発性読書てんかん、小児欠神てんかん(CEA)、若年性欠神てんかん、若年性ミオクローヌスてんかん(JME)、症候性局在関連てんかん
、側頭葉てんかん(TLE)、前頭葉てんかん、ラスムッセン脳炎、脳性麻痺、低酸素性脳症、ダウン症候群、低酸素性虚血性脳症(HIE)、ウエスト症候群、ドラベ症候群、焦点発作、進行性ミオクローヌスてんかん、焦点発作、またはレノックス・ガストー症候群(LGS)からなる群から選択される。いくつかの実施形態では、化合物、またはその塩もしくは多形は、リン酸塩またはその多形である。いくつかの実施形態では、化合物、またはその塩もしくは多形は、硫酸塩またはその多形である。いくつかの実施形態では、化合物、またはその塩もしくは多形は、リン酸塩の多形であり、リン酸塩の多形は、(a)Cu:K-α(λ=1.54179Å)のX-線波長パラメータ;(b)X線管電圧設定40kVおよび電流40mA;(c)走査スコープ約3°~約40°;(d)サンプル回転速度約15rpm;ならびに(e)走査速度1分間当たり10°を用いて測定した場合、2-θが、約6.4、7.5、10.2、12.7、13.3、14.5、16.0、17.1、17.4、17.9、18.5、19.1、19.7、20.3、20.9、21.5、22.6、23.7、26.2、26.7、26.9、27.5、28.4、30.2、および32.1±0.2°からなる群から選択される値のうちの少なくとも3つの特性ピーク位置を有する粉末X線回折(XRPD)パターンを示す。いくつかの実施形態では、医薬組成物は、経口または経皮投与用に配合される。いくつかの実施形態では、その量は、対象の体重1kgにつき1日当たり、化合物またはその塩もしくは多形の用量0.3mg未満を含む。いくつかの実施形態では、その量は、対象の体重1kgにつき1日当たり、化合物またはその塩もしくは多形の用量0.1mg未満を含む。いくつかの実施形態では、その量は、対象の体重1kgにつき1日当たり、化合物またはその塩もしくは多形の用量0.03mg未満を含む。いくつかの実施形態では、てんかん状態は、ドラベ症候群である。いくつかの実施形態では、てんかん状態は、焦点発作である。いくつかの実施形態では、化合物、またはその塩もしくは多形は、リン酸塩またはその多形でなく、硫酸塩またはその多形でない。いくつかの実施形態では、対象は、ヒト対象である。いくつかの実施形態では、化合物は、眠気を誘わない配合物として配合される。いくつかの実施形態では、眠気を誘わない配合物は、カフェインを含む。いくつかの実施形態では、対象は、ヒトである。
【0045】
[0008]模範的な実施形態の新規の特徴は、添付した特許請求の範囲に詳細に記載されている。これらの特徴および利点のより良い理解は、模範的な実施形態の原理が利用される、例示的な実施形態に記載の次の詳細な説明および次の添付の図面を参照することにより得られる。
【図面の簡単な説明】
【0046】
【
図1】[0009]温度誘発性発作の開始前の前処置された雌のマウスの出発体温(平均値(±SEM))を示す図である。雌のマウスの平均体温は、熱誘発性発作を誘発する前は約34.5℃~約35.5℃までの範囲であった。
【
図2】[0010]温度誘発性発作の開始前の前処置された雄のマウスの出発体温(平均値(±SEM))を示す図である。雄のマウスの平均体温は、熱誘発性発作を誘発する前は約34.5℃~約35.5℃までの範囲であった。
【
図3】[0011]温度誘発性発作の開始前の前処置されたすべてのマウスの平均出発体温(平均値(±SEM))を示す図である。マウスの平均体温(平均値(±SEM))は、熱誘発性発作を誘発する前は約34.5℃~約35.3℃までの範囲であった。
【
図4】[0012]発作試験における雌のマウスの最終体温(平均値(±SEM))を示す図である。最終体温は、およそ42℃(約40.5℃~約42.5℃までの範囲である)まで上昇し、これは、クロバザムまたはGABA
A受容体モジュレーターによって治療を行わないマウスモデルにおいて熱誘発性発作を誘発するのに十分である。
【
図5】[0013]発作試験における雄のマウスの最終体温(平均値(±SEM))を示す図である。最終体温は、およそ42℃(約40.5℃~約42.5℃までの範囲である)まで上昇し、これは、抗てんかん治療を行わないマウスモデルにおいて熱誘発性発作を誘発するのに十分である。
【
図6】[0014]発作試験におけるすべてのマウスの平均最終体温(平均値(±SEM))を示す図である。最終体温は、およそ42℃(約40.5℃~約42.5℃までの範囲である)まで上昇し、これは、抗てんかん治療を行わないマウスモデルにおいて熱誘発性発作を誘発するのに十分である。ビヒクルの投与によって、マウスの全体的な体温は最も低くなった。
【
図7】[0015]発作試験中の雌のマウスの体温(平均値(±SEM))の全変化を示す図である。雌のマウスの体温は、マウスモデルにおいて熱誘発性発作を誘発するために、5℃~8℃の間で上昇した。
【
図8】[0016]発作試験中の雄のマウスの体温(平均値(±SEM))の全変化を示す図である。雄のマウスの体温は、マウスモデルにおいて熱誘発性発作を誘発するために、5℃~8℃の間で上昇した。
【
図9】[0017]発作試験中のすべてのマウスの体温(平均値(±SEM))の平均の全変化を示す図である。マウスの体温は、マウスモデルにおいて熱誘発性発作を誘発するために、5℃~8℃の間で上昇した。ビヒクル対照を投与したマウスは、全体的な体温が5℃上昇し、他の治療を受けたマウスよりも低かった。
【
図10】[0018]発作試験中の雌のマウスの1分間当たりの体温の変化(平均値(±SEM))を示す図である。雌のマウスについての1分間当たりの体温の変化は、約0.4℃/分~約0.6℃/分までの範囲であった。
【
図11】[0019]発作試験中の雄のマウスの1分間当たりの体温の変化(平均値(±SEM))を示す図である。雄のマウスについての1分間当たりの体温の変化は、約0.4℃/分~約0.6℃/分までの範囲であった。
【
図12】[0020]発作試験中のすべてのマウスの1分間当たりの体温の平均変化(平均値(±SEM))を示す図である。マウスについての1分間当たりの体温の変化は、約0.4℃/分~約0.6℃/分までの範囲であった。ビヒクルを投与したマウスは、1分間当たり体温の上昇速度が最も高く(約0.6℃/分)、模範的なGABA
A受容体モジュレーター化合物2 100mg/kを投与したマウスは、1分間当たりの体温の上昇速度が最も低かった(約0.4℃/分)。
【
図13】[0021]発作試験における各治療の有効性の概要を示す図である。模範的なGABA
A受容体モジュレーター化合物1および化合物2はそれぞれ、マウスモデルにおいて熱誘発性発作の予防で効果的であった。GABA
A受容体モジュレーター化合物2の投与は、用量依存的な方式で発作を予防した。
【
図14-1】[0022]てんかん状態を治療するのに効果的である模範的なGABAA受容体モジュレーターを示す図である。
【
図14-2】てんかん状態を治療するのに効果的である模範的なGABAA受容体モジュレーターを示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0047】
[0023]定義
[0024]用語「GABA受容体」とは、生化学の分野で公知のその意味において用いることができ;用語「GABA受容体」は、抑制性神経伝達物質γアミノ酪酸(GABA)の受容体を意味しうる。GABAA受容体(イオンチャネル型受容体)は、リガンド開口型イオンチャネルであり、代謝調節型受容体としても知られるGABAB受容体は、Gタンパク質共役型受容体である。GABAA受容体は、中枢神経系内で最も一般的なおよび最も重要な抑制性受容体である。GABAA受容体は、8つのクラス:α1~6、β1~3、γ1~3、δ、ε、π、θ、およびρ1~3にグループ化される、5つのサブユニットを含む。GABAA受容体の大部分は、2種のα、2種のβおよび1種のγサブユニットを含む。化合物、例えば、ベンゾジアゼピン類は、内因性リガンドGABAと異なる部位に結合することができる。例えば、ベンゾジアゼピンは、αサブユニットとγサブユニットの間に位置する結合部位に結合することができる。本明細書中に記載される化合物は、
GABAA受容体のアロステリックモジュレーターでありうる。サブユニットの異なるタイプは、GABAA受容体に異なる特性を与える。α1サブユニットは、他の機能の中でもとりわけ、ベンゾジアゼピン類の鎮静効果を担う一方、α2サブユニットは、他のものの中でもとりわけ、それらの受容体の抗不安機能に関係し、α3サブユニットは、他のものの中でもとりわけ、GABAA受容体の筋弛緩作用特性を与える。
【0048】
[0025]用語「アロステリックモジュレーター」とは、生化学および薬理学の分野で公知のその意味において用いることができ;用語「アロステリックモジュレーター」は、受容体におけるアゴニストの効果を間接的に調節する物質を意味することができる。ポジティブアロステリックモジュレーター(positive allosteric modulator)は、アゴニストの非存在下でそれ自体では効果を持たずに、アゴニストの効果の増幅を誘発することができる。アロステリックモジュレーターは、アゴニストの(アロステリックな)結合部位と異なる部位に結合することができる。
【0049】
[0026]本明細書で使用される場合、用語「対象」、「患者」または「個体」は、哺乳類および非哺乳類を包含することができる。哺乳類は、それだけには限らないが、ヒト、ヒト以外の霊長類、例えば、チンパンジー、類人猿または他のサル種など;農業用家畜、例えば、ウシ、ウマ、ヒツジ、ヤギ、ブタなど;飼育動物、例えば、ウサギ、イヌ(またはイヌ科)、およびネコ(またはネコ科)など;げっ歯類を含めた実験動物、例えば、ラット、マウスおよびモルモットなどを含めた、哺乳類クラスの任意のメンバーでありうる。非哺乳類は、鳥類、魚などを含むことができる。いくつかの実施形態では、対象は、哺乳類でありうる。いくつかの実施形態では、対象は、ヒトでありうる。ある場合には、ヒトは、成人でありうる。ある場合には、ヒトは、小児でありうる。ある場合には、ヒトは、0~17歳でありうる。ある場合には、ヒトは、18~130歳でありうる。ある場合には、対象は、男性でありうる。ある場合には、対象は、女性でありうる。ある場合には、対象は、状態または疾患と診断することができる、または状態または疾患を有する疑いがありうる。ある場合には、疾患または状態、またはてんかん状態。対象は、患者でありうる。対象は、個体でありうる。ある場合には、対象、患者または個体は、同義的に用いることができる。
【0050】
[0027]本明細書で使用される場合、用語「治療する」、「治療している」、「治療」、「改善する」または「改善している」および他の文法上の相当語句は、疾患もしくは状態の症状を緩和する、または軽減する、疾患もしくは状態を抑制する、例えば、疾患もしくは状態の発生を停止する、疾患もしくは状態を解放する、疾患もしくは状態の後退をもたらす、疾患もしくは状態によって引き起こされる状態を解放する、または疾患もしくは状態の症状を止めることを含むことができる。
【0051】
[0028]「アルキル」は、例えば、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12個またはそれ以上の炭素原子を有する、飽和の直鎖状または分枝状の炭化水素を意味することができ、1つの炭素-炭素結合は、不飽和であってもよく、1つのCH2部分は、酸素(エーテル架橋)と交換してもよい。C1~C4アルキルについての限定されない例は、メチル、エチル、プロピル、プロパ-2-エニル、n-ブチル、2-メチルプロピル、tert-ブチル、ブタ-3-エニル、プロパ-2-イニルおよびブタ-3-イニルである。本明細書中で特に別段明記されない限り、アルキル基は、場合によっては置換することができる。
【0052】
[0029]用語「アルキニル」は、1つもしくは複数の炭素-炭素三重結合を有する、場合によって置換された直鎖または場合によって置換された分枝鎖炭化水素モノラジカルを意味することができる。いくつかの実施形態では、アルキニル基は、2~約10個の炭素原子、より好ましくは、2~約6個の炭素原子を有しうる。例としては、それだけには限ら
ないが、エチニル、2-プロピニル、2-ブチニル、1,3-ブタジイニルなどを含むことができる。本定義が、数値範囲が指定することができない用語「アルキニル」の出現を包含することもあるが、アルキニル基が本明細書において出現する場合は常に、数値範囲、例えば、「C2~C6アルキニル」などは、アルキニル基が2個の炭素原子、3個の炭素原子、4個の炭素原子、5個の炭素原子、または6個の炭素原子からなりうるということを意味しうる。いくつかの実施形態では、アルキニルは、C1~C10アルキニル、C1~C9アルキニル、C1~C8アルキニル、C1~C7アルキニル、C1~C6アルキニル、C1~C5アルキニル、C1~C4アルキニル、C1~C3アルキニル、C2~C10アルキニル、C2~C9アルキニル、C2~C8アルキニル、C2~C7アルキニル、C2~C6アルキニル、C2~C5アルキニル、C2~C4アルキニル、C2~C3アルキニル、またはC2アルキニルでありうる。本明細書中で特に別段明記されない限り、アルキニル基は、例えば、オキソ、ハロゲン、アミノ、ニトリル、ニトロ、ヒドロキシル、ハロアルキル、アルコキシ、アリール、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、ヘテロアリールなどで場合によっては置換することができる。いくつかの実施形態では、アルキニルは、オキソ、ハロゲン、-CN、-CF3、-OH、-OMe、-NH2、または-NO2で場合によっては置換することができる。いくつかの実施形態では、アルキニルは、オキソ、ハロゲン、-CN、-CF3、-OH、または-OMeで場合によっては置換することができる。いくつかの実施形態では、アルキニルは、ハロゲンで場合によっては置換することができる。
【0053】
[0030]用語「アリール」は、環式芳香族C5~C10炭化水素を意味することができる。アリールの例は、それに限定されないが、フェニル、ナフチルおよびヘテロアリールを含むことができる。用語「ヘテロアリール」は、少なくとも1個の炭素原子が、酸素、窒素または硫黄原子で置き換えられる、アリール化合物を意味することができる。ヘテロアリールの例としては、それに限定されないが、ピロール、チオフェン、フラン、イミダゾール、ピラゾール、チアゾール、オキサゾール、ピリジン、ピリミジン、チアジン、キノリン、ベンゾフランおよびインドールを含むことができる。アリールまたはヘテロアリールは、場合によっては置換することができる。芳香族炭化水素は、中性でも荷電していてもよい。本明細書で使用される場合、アリールまたはヘテロアリール基は、1つまたは複数のさらなる置換基(substituent groups)を場合によっては含むことができる。
【0054】
[0031]「シクロアルキル」は、安定した、部分的にもしくは完全に飽和の、単環式または多環式炭素環を意味することができ、これは、縮合(アリールまたはヘテロアリール環と縮合した場合、シクロアルキルは、非-芳香族環原子を介して結合することができる)、架橋、またはスピロ環系を含むことができる。代表的なシクロアルキルは、それだけには限らないが、3~15個の炭素原子(C3~C15シクロアルキル)、3~10個の炭素原子(C3~C10シクロアルキル)、3~8個の炭素原子(C3~C8シクロアルキル)、3~6個の炭素原子(C3~C6シクロアルキル)、3~5個の炭素原子(C3~C5シクロアルキル)、または3~4個の炭素原子(C3~C4シクロアルキル)を有するシクロアルキルを含むことができる。いくつかの実施形態では、シクロアルキルは、3-から6-員のシクロアルキルでありうる。いくつかの実施形態では、シクロアルキルは、5-から6-員のシクロアルキルでありうる。単環式シクロアルキルは、例えば、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロヘプチル、およびシクロオクチルを含むことができる。多環式シクロアルキルまたは炭素環は、例えば、アダマンチル、ノルボルニル、デカリニル、ビシクロ[3.3.0]オクタン、ビシクロ[4.3.0]ノナン、cis-デカリン、trans-デカリン、ビシクロ[2.1.1]ヘキサン、ビシクロ[2.2.1]ヘプタン、ビシクロ[2.2.2]オクタン、ビシクロ[3.2.2]ノナン、およびビシクロ[3.3.2]デカン、および7,7-ジメチル-ビシクロ[2.2.1]ヘプタニルを含むことができる。部分的に飽和のシクロア
ルキルは、例えば、シクロペンテニル、シクロヘキセニル、シクロヘプテニル、およびシクロオクテニルを含むことができる。本明細書中で特に別段明記されない限り、シクロアルキルは、例えば、オキソ、ハロゲン、アミノ、ニトリル、ニトロ、ヒドロキシル、アルキル、アルケニル、アルキニル、ハロアルキル、アルコキシ、アリール、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、ヘテロアリールなどで場合によっては置換することができる。いくつかの実施形態では、シクロアルキルは、オキソ、ハロゲン、メチル、エチル、-CN、-CF3、-OH、-OMe、-NH2、または-NO2で場合によっては置換することができる。いくつかの実施形態では、シクロアルキルは、オキソ、ハロゲン、メチル、エチル、-CN、-CF3、-OH、または-OMeで場合によっては置換することができる。いくつかの実施形態では、シクロアルキルは、ハロゲンで場合によっては置換される。
【0055】
[0032]「ハロ」または「ハロゲン」とは、ブロモ(Br)、クロロ(Cl)、フルオロ(F)、またはヨード(I)を意味することができる。いくつかの実施形態では、ハロゲンは、Br、FまたはClでありうる。いくつかの実施形態では、ハロゲンは、Fでありうる。
【0056】
[0033]用語「約」とは、当技術分野により決定される通り、ある特定の値について許容される誤差の範囲内を意味することができ、これは、どのようにして値が測定されるまたは決定されるかに、すなわち、測定系の制限に、部分的に依存する。例えば、「約」は、当技術分野における実行当たり、標準偏差が1以内または1を超えることを意味しうる。あるいは、「約」は、所与の値の20%まで、10%まで、5%まで、または1%までの範囲を意味しうる。あるいは、特に、生物系または生物学的工程に関して、本用語は、1桁以内、その値の5倍以内、または2倍以内を意味しうる。特定の値が、本出願および特許請求の範囲に記載される場合、別段の記載がない限り、特定の値について許容される誤差の範囲内を意味する用語「約」は、想定されるべきである。
【0057】
[0034]条件
[0035]本明細書中に開示されるのは、てんかん状態の治療用の化合物である。本明細書中に記載される化合物(例えば、GABAA受容体モジュレーター)は、てんかん状態を少なくとも部分的に改善させるために用いることができる。例えば、GABAA受容体モジュレーターの投与は、てんかん状態を伴う発作の開始を効率的に治療することができる。本明細書で使用される場合、用語てんかん状態とは、発作を伴う状態を意味しうる。いくつかの実施形態では、治療は、てんかん状態に伴う発作の開始を減らすまたは防止することを含む。いくつかの実施形態では、発作は、痙攣を併発する。いくつかの実施形態では、発作を伴うてんかん状態はまた、痙攣を併発する。いくつかの実施形態では、発作を伴うてんかん状態は、痙攣を併発しないこともある。
【0058】
[0036]発作は、しばしば、多くの疾患または状態と関連する。例えば、発作は、アンゲルマン症候群、動静脈奇形、脳膿瘍、脳腫瘍、海綿腫、脳性麻痺、ダウン症候群、子癇、てんかん、脳炎、脆弱X染色体症候群、髄膜炎、多発性硬化症、全身性エリテマトーデス、および結節性硬化症と関連しうる。さらに、発作は、アミノフィリン、ブピバカイン(Bupivicaine)、ブプロピオン、ブチロフェノン類、過剰に高いカフェイン、クロランブシル、シクロスポリン、クロザピン、コルチコステロイド類、ジフェンヒドラミン、エンフルラン、エストロゲン類、フェンタニル、インスリン、リドカイン、マプロチリン、メペリジン、オランザピン、ペンタゾシン、フェノチアジン類、プレドニゾン、プロカイン、プロポフォール、プロポキシフェン、クエチアピン、リスペリドン、セボフルラン、テオフィリン、トラマドール、三環系抗うつ薬、ベンラファキシン、イソニアジド、リンデン、メトロニダゾール、ナリジクス酸、ペニシリン、フルオロキノロン類、およびカルバペネム類を含めた、いくつかの薬物の有害作用と関連しうる。
【0059】
[0037]いくつかの場合では、てんかん状態は、てんかんである。てんかんは、反復性非挑発性発作を特徴とする一般的な慢性の神経障害である。これらの発作は、脳内の異常な、過剰なまたは同調的なニューロン活動による一過性の徴候および/または症状である。多くの異なるてんかん状態があり、それぞれが、発作タイプ、開始の典型的な年齢、EEG所見、治療、および予後のそれ自体特有の組合せを呈する。いくつかの実施形態では、てんかん状態は、全般てんかんである。いくつかの実施形態では、てんかん状態は、素因性てんかんである。
【0060】
[0038]他の模範的なてんかん状態は、発作と共に起こりうる状態、例えば、中心側頭葉の良性小児てんかん、良性小児後頭葉てんかん(BOEC)、常染色体優性夜間前頭葉てんかん(ADNFLE)、原発性読書てんかん、小児欠神てんかん(CEA)、若年性欠神てんかん、若年性ミオクローヌスてんかん(JME)、症候性局在関連てんかん、側頭葉てんかん(TLE)、前頭葉てんかん、ラスムッセン脳炎、脳性麻痺、低酸素性脳症、ダウン症候群、低酸素性虚血性脳症(HIE)、ウエスト症候群、ドラベ症候群、進行性ミオクローヌスてんかん、およびレノックス・ガストー症候群(LGS)が含まれる。遺伝的な、先天性の、および発育的な状態はしばしば、若い患者の間のてんかんと関連する。腫瘍は、40歳を超える患者の原因であることもある。頭部外傷および中枢神経系感染症は、年齢を問わずてんかんを引き起こしうる。いくつかの場合では、GABAA受容体モジュレーターは、ブレイクスルー発作を治療するために投与することができる。本明細書中に記載される「ブレイクスルー発作」は、長期間の発作からの解放の後に生じる発作を意味しうる。いくつかの場合では、ブレイクスルー発作は、薬を飲んでいない対象により起こりうる。いくつかの場合では、ブレイクスルー発作は、既存の治療薬、例えば、クロバザムに対する発作の耐性または不応性により起こりうる。したがって、本明細書中に記載されるGABAA受容体モジュレーターは、置き換えの第1選択治療として用いて、ブレイクスルー発作を治療することができる。
【0061】
[0039]いくつかの実施形態では、てんかん状態は、焦点発作である。焦点発作は、単純焦点発作(前兆)でありうる。運動症状を伴う単純焦点発作は筋活動に影響し、足、顔、腕または身体の別の部分の痙動を引き起こしうる。単純焦点発作は、感覚に影響する感覚性の症状、例えば、聴覚問題、幻覚および嗅覚のまたは他のゆがみ等を引き起こしうる。自律神経症状を伴う単純焦点発作は、不随意性の機能を担う脳の部分に影響するおそれがある。これらの発作は、血圧、心調律、または腸もしくは膀胱機能の変化を引き起こすおそれがある。いくつかの単純焦点発作は、恐怖、不安の感情、または以前に経験したことがあるという架空の感情を引き起こす、情動または以前の経験の記憶を誘発する脳の一部を襲うおそれがある。焦点発作は、複合焦点発作でありうる。いくつかの場合では、複合焦点発作は、単純焦点発作に先行される。いくつかの場合では、複合焦点発作を経験している対象は、ぼんやりと空間を見つめることも、自動運動(目的がない、反復性の動作、例えば、唇鳴らし、まばたき、呻吟、むせ(gulping)または叫び)を経験することもある。
【0062】
[0040]いくつかの場合では、本明細書中に記載されるGABAA受容体モジュレーターにより治療可能な疾患または状態は、対象における、ナトリウムチャネルの突然変異に関連するてんかんである。本明細書中に記載されるGABAA受容体モジュレーターにより治療可能なかかる疾患または状態は、ドラベ症候群である。ドラベ症候群は、まれな素因性てんかん性脳症である。いくつかの場合では、ドラベ症候群は、ナトリウムチャネルの突然変異と関連する。例えば、ドラベ症候群は、電位依存性ナトリウムチャネルαサブユニット1(SCN1A)遺伝子の突然変異と関連しうる。SCN1Aにおけるそのような突然変異は、ミスセンス変異、ナンセンス変異、フレームシフト変異、スプライス変異(splice mutation)、またはインフレーム欠失を含むことができる。例え
ば、SCN1A突然変異は、D79H、R101Q、R222X、I227S、R377X、R393C、R613X、R712X、R859C、R1596C、R1213X、R1648H、M1780T、A1783V、R1892X、またはR1912X突然変異を含むことができる。
【0063】
[0041]ドラベ症候群は、乳児期に始まり、対象の生涯を通して持続しうる。ドラベ症候群は、ミオクロニー発作、強直間代発作、欠神発作、非定型欠神発作、脱力発作、焦点意識清明発作、またはてんかん重積状態を含めた、異なる発作タイプとして現れうる。本明細書中に記載されるGABAA受容体モジュレーターは、ドラベ症候群に罹患している対象に投与して、ドラベ症候群と関連する発作を少なくとも部分的に改善させることができる。
【0064】
[0042]本出願の例に記載される通り、GABAA受容体モジュレーターは、Scnla+/-ノックアウトマウスモデルにおける高熱誘発性発作の治療で効果的である。このScnla+/-ノックアウトマウスモデルは、ドラベ症候群を含めた、様々なてんかん状態についてのモデルとして当技術分野において認識されている。したがって、あるクラスとしてのGABAA受容体モジュレーターは、本明細書中に記載される様々なてんかん状態において発作の治療または予防で有効性を有することが期待される。
【0065】
[0043]化合物
[0044]本明細書中に開示されるのは、てんかん状態の治療用の化合物である。いくつかの場合では、てんかん状態の治療用の化合物は、GABAA受容体モジュレーターでありうる。いくつかの実施形態では、本化合物は、ポジティブアロステリックα2および/またはα3GABAA受容体モジュレーターである。α1サブユニットの変調を回避しながらα2もしくはα3サブユニットに特異的であるGABAA受容体モジュレーターは、α1サブユニットの変調と関連する嗜眠状態を引き起こさずに、本明細書中に記載されるてんかん状態を治療するのに有用でありうる。したがって、本明細書中に記載されるGABAA受容体モジュレーターは、非鎮静型または眠気を誘わない配合物として配合することができる。いくつかの場合では、眠気を誘わない配合物は、投与と関連する任意の鎮静効果にさらに対抗することができる刺激物質(例えば、カフェイン)を含めた、他の構成成分を含有することができる。
【0066】
[0045]GABAA受容体モジュレーター、およびそれらの代謝産物、薬学的に許容される塩、エステル、プロドラッグ、溶媒和物、水和物または誘導体は、模範的な実施形態に含むことができ、本明細書中に記載されるてんかん状態の治療で効果的であることが期待される。
【0067】
[0046]てんかん状態の治療において用いることができるGABAA受容体モジュレーターは、一般式(1a)、(1b)、または(1c)
【0068】
【0069】
[式中、
- X1、X2、X3、X4およびX5は、互いから独立に、-C、-N、-Sまたは-Oであり、X1、X2、X3、X4およびX5の少なくとも2個は、-Nであり、
- Y1およびY2は、互いから独立に、-Cまたは-Nであり、
- R1
mのmは、1であり、
- R1は、置換もしくは非置換C6アリールまたは-(C=O)-R3(式中、R3は、置換もしくは非置換C6ヘテロアリールである)であり、
- R2
nのnは、1または2であり、
- 各R2は、他の任意のR2から独立に、置換もしくは非置換C3~C8シクロアルキル、置換もしくは非置換C1~C6アルキル、置換もしくは非置換C1~C6アルコール、置換もしくは非置換C6ヘテロアリール、ハロゲン、ある場合には、-F、または-O-CH2-R4(式中、R4は、置換もしくは非置換C4ヘテロアリールである)であり、
- Z1、Z2、Z3、Z4およびZ5は、互いに独立に、-C、-N、-Sまたは-Oであり、
- A1、およびA2およびA3は、互いに独立に、-C、-N、-(C=O)-O-R7であり、または
【0070】
【0071】
(式中、- R7は、アルキルであり、
- B1、B2、B3、およびB4は、互いに独立に、-C、-N、または-Oであり、
- R21
sのsは、1、2、3または4であり、
- 各R21は、独立に、水素またはC1~C6アルキルである)であり、
- R5
lのlは、1または2であり、
- 各R5は、互いから独立に、C1~C4アルキニルまたはハロゲン、ある場合には、-Clであり、
- R6
kのkは、1、2、3または4、ある場合には、1または2であり、
- 各R6は、互いから独立に、置換もしくは非置換アリール、置換もしくは非置換ヘテロアリール、置換もしくは非置換C1~C3アルキル、酸素または水素である]の化合物でありうる。
【0072】
[0047]いくつかの実施形態では、一般式(1a)を含む化合物は提供され、X1、X2、X3、X4およびX5は、互いから独立に、-C、-N、-Sまたは-Oであり、X1、X2、X3、X4およびX5の少なくとも2個は、-Nであり、Y1およびY2は、互いから独立に、-Cまたは-Nであり、R1
mのmは、1であり、R1は、置換もしくは非置換C6アリールまたは-(C=O)-R3[式中、R3は、置換もしくは非置換C6ヘテロアリールである]であり、R2
nのnは、1または2であり、各R2は、任意の他のR2から独立に、置換もしくは非置換C3~C8シクロアルキル、置換もしくは非置換C1~C6アルキル、置換もしくは非置換C1~C6アルコール、置換もしくは非置換C6ヘテロアリール、ハロゲン、ある場合には、-F、または-O-CH2-R4[式中、R4は、置換もしくは非置換C4ヘテロアリールである]である。
【0073】
[0048]いくつかの実施形態では、一般式(1b)を含む化合物は提供され、Z3、Z4およびZ5は、互いに独立に、-C、-N、-Sまたは-Oであり、A1、A2およびA3は、互いに独立に、-C、-Nまたは-(C=O)-O-R7[式中、R7は、アルキルである]であり、R5
lのlは、1または2であり、各R5は、互いから独立に、C1~C4アルキニルまたはハロゲン、ある場合には、-Clであり、R6
kのkは、1、2、3または4、ある場合には、1または2であり、各R6は、互いから独立に、置換もしくは非置換アリール、置換もしくは非置換ヘテロアリール、置換もしくは非置換C1~C3アルキル、酸素または水素である。
【0074】
[0049]いくつかの実施形態では、一般式(1c)を含む化合物は提供され、Z1、Z2、Z3、Z4およびZ5は、互いに独立に、-C、-N、-Sまたは-Oであり、R5
lのlは、1または2であり、各R5は、互いから独立に、C1~C4アルキニルまたはハロゲン、ある場合には、-Clであり、R6
kのkは、1、2、3または4、ある場合には、1または2であり、各R6は、互いから独立に、置換もしくは非置換アリール、置換もしくは非置換ヘテロアリール、置換もしくは非置換C1~C3アルキル、酸素または水素である。
【0075】
[0050]いくつかの実施形態では、化合物は、一般式(1a)、一般式(1b)または一般式(1c)を含み、X1、X2、X3、X4およびX5は、互いから独立に、-C、-Nであり、X1、X2、X3、X4およびX5の少なくとも2個は、-Nであり、Y1およびY2は、互いから独立に、-Cまたは-Nであり、R1
mのmは、1であり、R1は、置換もしくは非置換C6アリールまたは-(C=O)-R3[式中、R3は、置換もしくは非置換C6ヘテロアリールである]であり、R2
nのnは、1または2であり、各R2は、任意の他のR2から独立に、置換もしくは非置換C3~C8シクロアルキル、置換もしくは非置換C1~C6アルキル、置換もしくは非置換C1~C6アルコール、置換もしくは非置換C6ヘテロアリール、ハロゲン、ある場合には、-F、または-O-CH2-R4[式中、R4は、置換もしくは非置換C4ヘテロアリールである]であり、Z1、Z2、Z3、Z4およびZ5は、互いに独立に、-C、-Nまたは-Oであり、A1、A2およびA3は、互いに独立に、-C、-Nまたは-(C=O)-O-R7[式中、R7
は、アルキルである]であり、R5
lのlは、1または2であり、各R5は、互いから独立に、C1~C4アルキニルまたはハロゲン、ある場合には、-Clであり、R6
kのkは、1、2、3または4であり、各R6は、互いから独立に、置換もしくは非置換アリール、置換もしくは非置換ヘテロアリール、置換もしくは非置換C1~C3アルキル、酸素または水素である。
【0076】
[0051]いくつかの実施形態では、一般式(1a)を含む化合物は提供され、X1、X2、X3、X4およびX5は、互いから独立に、-Cまたは-Nであり、X1、X2、X3、X4およびX5の少なくとも2個は、-Nであり、Y1およびY2は、互いから独立に、-Cまたは-Nであり、R1
mのmは、1であり、R1は、置換もしくは非置換C6アリールまたは-(C=O)-R3[式中、R3は、置換もしくは非置換C6ヘテロアリールである]であり、R2
nのnは、1または2であり、各R2は、任意の他のR2から独立に、置換もしくは非置換C3~C8シクロアルキル、置換もしくは非置換C1~C6アルキル、置換もしくは非置換C1~C6アルコール、置換もしくは非置換C6ヘテロアリール、ハロゲン、ある場合には、-F、または-O-CH2-R4[式中、R4は、置換もしくは非置換C4ヘテロアリールである]である。
【0077】
[0052]いくつかの実施形態では、一般式(1b)を含む化合物は提供され、Z3、Z4およびZ5は、互いに独立に、-Cまたは-Nであり、A1、A2およびA3は、互いに独立に、-C、-Nまたは-(C=O)-O-R7[式中、R7はアルキルである]であり、R5
lのlは、1または2であり、各R5は、互いから独立に、C1~C4アルキニルまたはハロゲン、ある場合には、-Clであり、R6
kのkは、1、2、3または4、ある場合には、1または2であり、各R6は、互いから独立に、置換もしくは非置換アリール、置換もしくは非置換ヘテロアリール、置換もしくは非置換C1~C3アルキル、酸素または水素である。
【0078】
[0053]いくつかの実施形態では、一般式(1c)を含む化合物は提供され、Z1、Z2、Z3、Z4およびZ5は、互いに独立に、-C、-Nまたは-Oであり、R5のIは、1または2であり、各R5は、互いから独立に、C1~C4アルキニルまたはハロゲン、ある場合には、-Clであり、R6
kのkは、1、2、3または4、ある場合には、1または2であり、各R6は、互いから独立に、置換もしくは非置換アリール、置換もしくは非置換ヘテロアリール、置換もしくは非置換C1~C3アルキル、酸素または水素である。
【0079】
[0054]てんかん状態の治療において用いることができるGABAA受容体モジュレーターは、一般式(2)、(3)、(4)、(5)、(6)または(7)
【0080】
【0081】
[式中、Yl、Y2、Zl、Z4、Z5、R1
mのm、R1、R3、R2
nのn、R2、R4、R5
lのl、R5、R6
kのk、R6、Al、A2およびA3は、上記で定義したものと同じ意味を有する]の化合物でありうる。
【0082】
[0055]いくつかの実施形態では、化合物は、一般式(2)、(3)、(4)または(5)を含み、Y1、Y2、R1
mのm、R1、R3、R2
nのn、R2およびR4は、上記で定義したものと同じ意味を有する。
【0083】
[0056]いくつかの実施形態では、化合物は、一般式(6)を含み、Z1、Z4、Z5、R5
lのl、R5、R6
kのkおよびR6は、上記で定義したものと同じ意味を有する。
[0057]いくつかの実施形態では、化合物は、一般式(7)を含み、Z4、Z5、R5
lのl、R5、R6
kのk、R6、Al、A2およびA3は、上記で定義したものと同じ意味を有する。
【0084】
[0058]てんかん状態の治療において用いることができるGABAA受容体モジュレーターは、一般式(2a)、(3a)、(4a)、(5a)、(5b)、(6a)、(6b)または(7a)
【0085】
【0086】
[式中、R1
mのm、R1、R3、R2
nのn、R2、R4、R5
lのl、R5、R6
kのkおよびR6は、上記で定義したものと同じ意味を有する]の化合物でありうる。
[0059]いくつかの実施形態では、化合物は、一般式(2a)、(3a)、(4a)、(5a)または(5b)を含み、R1
mのm、R1、R3、R2
nのn、R2およびR4は、上記で定義したものと同じ意味を有する。
【0087】
[0060]いくつかの実施形態では、化合物は、一般式(6a)または(6b)を含み、R5
lのlのm(m of l of R5
l)、R5、R6
kのkおよびR6は、上記で定義したものと同じ意味を有する。
【0088】
[0061]いくつかの実施形態では、化合物は、一般式(7a)を含み、R5
lのlのm、R5、R6
kのkおよびR6は、上記で定義したものと同じ意味を有する。
[0062]いくつかの実施形態では、化合物は、一般式1a、1b、1c、2、3、4、5、6、7、2a、3a、4a、5a、5b、6a、6bまたは7aを含み、R1のmは、1であり、R1は、非置換フェニル、置換基として少なくとも1つの-Fを含む置換フェニル、非置換ビフェニル、ある場合には、親部分と接続しないフェニル部分において、置換基として少なくとも1つの-CNを含む置換ビフェニル、またはある場合には、親部分と接続しないフェニル部分において、置換基として少なくとも1つの-CNを含む置換ビフェニルであり、ある場合には、1つのフェニル部分は、置換基としてさらに少なくとも1つの-Fを含み、ある場合には、各フェニル部分は、置換基としてさらに少なくとも1つの-F、または-(C=O)-R3[式中、R3は、ピリジンである]を含み、R5の
Iは、1であり、R5は、Cl、Br、F、またはC2アルキニルである。
【0089】
[0063]いくつかの実施形態では、化合物は、一般式1a、2、3、4、5、2a、3a、4a、5aまたは5bを含み、R1のmは、1であり、R1は、非置換フェニル、置換基として少なくとも1つの-Fを含む置換フェニル、非置換ビフェニル、ある場合には、親部分と接続しないフェニル部分において、置換基として少なくとも1つの-CNを含む置換ビフェニル、またはある場合には、親部分と接続しないフェニル部分において、置換基として少なくとも1つの-CNを含む置換ビフェニルであり、ある場合には、1つのフェニル部分は、置換基としてさらに少なくとも1つの-Fを含み、ある場合には、各フェニル部分は、置換基としてさらに少なくとも1つの-F、または-(C=O)-R3[式中、R3は、ピリジンである]を含む。
【0090】
[0064]いくつかの実施形態では、化合物は、一般式1b、7、または7aを含み、R5の1は、1であり、R5は、Cl、Br、F、またはC2アルキニルである。
[0065]いくつかの実施形態では、化合物は、一般式1c、6、6aまたは6bを含み、R5の1は、1であり、R5は、Cl、Br、F、またはC2アルキニルである。
【0091】
[0066]いくつかの実施形態では、化合物は、一般式1a、1b、1c、2、3、4、5、6、7、2a、3a、4a、5s、5b、6a、6bまたは7aを含み、R2のnは、1または2であり、nが2である場合には、各R2は、互いから独立に、非置換C3~C8シクロアルキル、ある場合には、C4-シクロアルキル、非置換C1~C6アルキル、ある場合には、tert-ブチル、または-O-CH2-R4[式中、R4は、置換もしくは非置換C4ヘテロアリールであり、ある場合には、R4は、置換または非置換トリアゾール、非置換C1~C6アルコール、ある場合には、C4アルコール、ハロゲン、ある場合には、-Fである]であり、nが1である場合には、R2は、非置換C1~C6アルコール、ある場合には、C4アルコール、非置換C6ヘテロアリール、ある場合には、ピリジンであり、R6のkは、1または4であり、kが1である場合には、R6は、置換もしくは非置換アリール、置換もしくは非置換ヘテロアリールであり、kが4である場合には、各R6は、互いから独立に、置換もしくは非置換アリール、置換もしくは非置換C1~C3アルキル、酸素、または水素である。
【0092】
[0067]いくつかの実施形態では、化合物は、一般式1a、1b、1c、2、3、4、5、6、7、2a、3a、4a、5a、5b、6a、6bまたは7aを含み、R2のnは、1または2であり、nが2である場合には、各R2は、互いから独立に、非置換C3~C8シクロアルキル、ある場合には、C4-シクロアルキル、非置換C1~C6アルキル、ある場合には、tert-ブチル、または-O-CH2-R4[式中、R4は、置換もしくは非置換C4ヘテロアリールであり、ある場合には、R4は、置換または非置換トリアゾール、非置換C1~C6アルコール、ある場合には、C4アルコール、ハロゲン、ある場合には、-Fである]であり、nが1である場合には、R2は、非置換C1~C6アルコール、ある場合には、C4アルコール、非置換C6ヘテロアリール、ある場合には、ピリジンであり、R6のkは、1または4であり、kが1である場合には、R6は、置換もしくは非置換アリール、置換もしくは非置換ヘテロアリールであり、kが4である場合には、各R6は、互いから独立に、置換もしくは非置換アリール、置換もしくは非置換C1~C3アルキル、酸素、または水素である。
【0093】
[0068]いくつかの実施形態では、化合物は、一般式1a、2、3、4、5、2a、3a、4a、5aまたは5bを含み、R2のnは、1または2であり、nが2である場合には、各R2は、互いから独立に、非置換C3~C8シクロアルキル、ある場合には、C4-シクロアルキル、非置換C1~C6アルキル、ある場合には、tert-ブチル、または-O-CH2-R4[式中、R4は、置換または非置換C4ヘテロアリールであり、ある
場合には、R4は、置換または非置換トリアゾールである]、非置換C1~C6アルコール、ある場合には、C4アルコール、ハロゲン、ある場合には、-Fであり、nが1である場合には、R2は、非置換C1~C6アルコール、ある場合には、C4アルコール、非置換C6ヘテロアリール、ある場合には、ピリジンである。
【0094】
[0069]いくつかの実施形態では、化合物は、一般式1b、7、または7aを含み、R6のkは、1または4であり、kが1である場合には、R6は、置換もしくは非置換アリール、置換もしくは非置換ヘテロアリールであり、kが4である場合には、各R6は、互いから独立に、置換もしくは非置換アリール、置換もしくは非置換C1~C3アルキル、酸素、または水素である。
【0095】
[0070]いくつかの実施形態では、化合物は、一般式1c、6、6aまたは6bを含み、R6のkは、1または4であり、kが1である場合には、R6は、置換もしくは非置換アリール、置換もしくは非置換ヘテロアリールであり、kが4である場合には、各R6は、互いから独立に、置換もしくは非置換アリール、置換もしくは非置換C1~C3アルキル、酸素、または水素である。
【0096】
[0071]いくつかの実施形態では、化合物は、一般式1a、1b、1c、2、3、4、5、6、7、2a、3a、4a、5s、5b、6a、6bまたは7aを含み、R2のnは、2であり、一方のR2は、非置換C3~C8シクロアルキル、ある場合には、C4-シクロアルキル、または非置換C1~C6アルキル、ある場合には、tert-ブチルであり、他方のR2は、-O-CH2-R4[式中、R4は、置換または非置換C4ヘテロアリール、ある場合には、置換または非置換トリアゾールである]であり、または一方のR2は、非置換C1~C6アルコール、ある場合には、C4アルコールであり、他方のR2は、ハロゲン、ある場合には、-Fであり、R6のkは、4であり、2つのR6は、酸素であり、他方のR6は、互いから独立に、置換もしくは非置換アリール、置換もしくは非置換C1~C3アルキル、または水素である。
【0097】
[0072]いくつかの実施形態では、化合物は、一般式1a、2、3、4、5、2a、3a、4a、5sまたは5bを含み、R2のnは、2であり、一方のR2は、非置換C3~C8シクロアルキル、ある場合には、C4-シクロアルキル、または非置換C1~C6アルキルであり、ある場合には、tert-ブチル、他方のR2は、O-CH2-R4[式中、R4は、置換または非置換C4ヘテロアリール、ある場合には、置換または非置換トリアゾールである]であり、または一方のR2は、非置換C1~C6アルコール、ある場合には、C4アルコールであり、他方のR2は、ハロゲン、ある場合には、-Fである。
【0098】
[0073]いくつかの実施形態では、化合物は、一般式1b、7、または7aを含み、R6のkは、4であり、2つのR6は、酸素であり、他方のR6は、互いから独立に、置換もしくは非置換アリール、置換もしくは非置換C1~C3アルキル、または水素である。
【0099】
[0074]いくつかの実施形態では、化合物は、一般式1c、6、6aまたは6bを含み、R6のkは、4であり、2つのR6は、酸素であり、他方のR6は、互いから独立に、置換もしくは非置換アリール、置換もしくは非置換C1~C3アルキル、または水素である。
【0100】
[0075]てんかん状態の治療において用いることができるGABAA受容体モジュレーターは、一般式(2a’)、(3a’)、(4a’)、(5a’)、(5b’)、(6a’)、(6b’)または(7a’)
【0101】
【0102】
[式中、R1、R3、R2
nのn、R2、R4、R5、R6
kのkおよびR6は、上記で定義したものと同じ意味を有する]の化合物でありうる。
[0076]いくつかの実施形態では、化合物は、一般式(2a’)、(3a’)、(4a’)、(5a’)または(5b’)[式中、R1、R3、R2
nのn、R2およびR4は、上記で定義したものと同じ意味を有する]を含む。
【0103】
[0077]いくつかの実施形態では、化合物は、一般式(6a’)または(6b’)[式中、R6
kのkおよびR6は、上記で定義したものと同じ意味を有する]を含む。
[0078]いくつかの実施形態では、化合物は、一般式(7a’)[式中、R6
kのkおよびR6は、上記で定義したものと同じ意味を有する]を含む。
【0104】
[0079]いくつかの実施形態では、化合物は、一般式(2a’)、(3a’)、(4a’)、(5a’)、(5b’)、(6a’)、(6b’)または(7a’)を含み、R1は、式(2a’)の場合には、置換もしくは非置換C6アリール、ある場合には、非置換フェニル、置換基として少なくとも1つの-Fを含む置換フェニルであり、式(3a’)、(5a’)または(5b’)の場合には、置換もしくは非置換ビフェニル、ある場合には、非置換ビフェニル、ある場合には、親部分と接続しないフェニル部分において、置換基として少なくとも1つの-CNを含む置換ビフェニルであり、ある場合には、1つのフェニル部分は、置換基としてさらに少なくとも1つの-Fを含み、ある場合には、各フェニル部分は、置換基としてさらに少なくとも1つの-Fを含み、または式(4a’)の場合
には、-(C=O)-R3[式中、R3は、置換もしくは非置換C6ヘテロアリールであり、ある場合には、R3は、ピリジンである]であり、R5は、式(6a’)または(6b’)の場合には、Cl、BrまたはFであり、式(7a’)の場合には、C2アルキニルであり、R2
nおよびR6
kは、上記で定義したものと同じ意味を有する。
【0105】
[0080]いくつかの実施形態では、化合物は、一般式(2a’)、(3a’)、(4a’)、(5a’)または(5b’)を含み、R1は、式(2a’)の場合には、置換もしくは非置換C6アリール、ある場合には、非置換フェニル、置換基として少なくとも1つの-Fを含む置換フェニルであり、式(3a’)、(5a’)または(5b’)の場合には、置換もしくは非置換ビフェニル、ある場合には、非置換ビフェニル、ある場合には、親部分と接続しないフェニル部分において、置換基として少なくとも1つの-CNを含む置換ビフェニルであり、ある場合には、1つのフェニル部分は、置換基としてさらに少なくとも1つの-Fを含み、ある場合には、各フェニル部分は、置換基としてさらに少なくとも1つの-Fを含み、または式(4a’)の場合には、-(C=O)-R3[式中、R3は、置換もしくは非置換C6ヘテロアリールであり、ある場合には、R3は、ピリジンである]であり、R2
nは、上記で定義したものと同じ意味である。
【0106】
[0081]いくつかの実施形態では、化合物は、一般式(6a’)または(6b’)を含み、R5は、Cl、BrまたはFであり、R6
kは、上記で定義したものと同じ意味を有する。
【0107】
[0082]いくつかの実施形態では、化合物は、一般式(7a’)を含み、R5は、C2アルキニルであり、R6
kは、上記で定義したものと同じ意味を有する。
[0083]てんかん状態の治療において用いることができるGABAA受容体モジュレーターは、一般式(2a”)、(3a”)、(4a”)、(5a”)、(5b”)、(6a”)または(7a”)
【0108】
【0109】
[式中、R7は、非置換C1~C6アルキル、ある場合には、tert-ブチル、非置換C3~C8シクロアルキル、ある場合には、C4-シクロアルキル、非置換C1~C6アルコール、ある場合には、C4アルコールであり、ある場合には、R7は、式(2a”)の場合には、非置換C1~C6アルキル、ある場合には、tert-ブチル、または非置換C3~C8シクロアルキル、ある場合には、C4-シクロアルキルであり、またはR7は、式(5a”)または(5b”)の場合には、非置換C1~C6アルコール、ある場合には、C4アルコールであり、R8は、-O-CH2-R4(式中、R4は、置換もしくは非置換C4ヘテロアリール、ある場合には、置換もしくは非置換トリアゾール、または非置換C1~C6アルコール、ある場合には、C4アルコールである)であり、ある場合には、R8は、式(2a”)の場合には、-O-CH2-R4(式中、R4は、置換もしくは非置換C4ヘテロアリール、ある場合には、置換または非置換トリアゾールである)であり、またはR8は、式(3a”)の場合には、非置換C1~C6アルコール、ある場合には、C4アルコールであり、R9は、非置換C6ヘテロアリール、ある場合には、ピリジン、またはハロゲン、ある場合には、-Fであり、R9は、式(4a”)の場合には、非置換C6ヘテロアリール、ある場合には、ピリジンであり、またはR9は、式(5b”)の場合には、ハロゲン、ある場合には、-Fであり、R10は、C1~C3アルキルまたは水素であり、R11は、置換もしくは非置換アリールまたは置換もしくは非置換ヘテロアリールであり、ある場合には、R11は、式(6a”)の場合には、置換または非置換アリール、ある場合には、フェニルであり、R11は、式(7a”)の場合には、置換もしくは非置換ヘテロアリール、ある場合には、ピリジン、置換もしくは非置換アリー
ル、ある場合には、フェニルであり、R5は、式(6a”)の場合には、Cl、BrまたはFであり、式(7a”)の場合には、C2アルキニルである]の化合物でありうる。
【0110】
[0084]いくつかの実施形態では、化合物は、一般式(2a”)、(3a”)、(4a”)、(5a”)または(5b”)を含み、R7は、非置換C1~C6アルキル、ある場合には、tert-ブチル、非置換C3~C8シクロアルキル、ある場合には、C4-シクロアルキル、非置換C1~C6アルコール、ある場合には、C4アルコールであり、ある場合には、R7は、式(2a”)の場合には、非置換C1~C6-アルキル、ある場合には、tert-ブチル、または非置換C3~C8シクロアルキル、ある場合には、C4-シクロアルキルであり、またはR7は、式(5a”)または(5b”)の場合には、非置換C1~C6アルコール、ある場合には、C4アルコールであり、R8は、-O-CH2-R4[式中、R4は、置換もしくは非置換C4ヘテロアリール、ある場合には、置換もしくは非置換トリアゾール、または非置換C1~C6アルコール、ある場合には、C4アルコールである]であり、ある場合には、R8は、式(2a”)の場合には、-O-CH2-R4[式中、R4は、置換もしくは非置換C4ヘテロアリール、ある場合には、置換または非置換トリアゾールである]であり、またはR8は、式(3a”)の場合には、非置換C1~C6アルコール、ある場合には、C4アルコールであり、R9は、非置換C6ヘテロアリール、ある場合には、ピリジン、またはハロゲン、ある場合には、-Fであり、R9は、式(4a”)の場合には、非置換C6ヘテロアリール、ある場合には、ピリジンであり、またはR9は、式(5b”)の場合には、ハロゲン、ある場合には、-Fである。
【0111】
[0085]いくつかの実施形態では、てんかん状態の治療用の化合物は、一般式(6a”)を含み、R10は、C1~C3アルキルまたは水素であり、R11は、置換もしくは非置換アリールまたは置換もしくは非置換ヘテロアリールであり、ある場合には、R11は、式(6a”)の場合には、置換または非置換アリール、ある場合には、フェニルであり、R11は、式(7a”)の場合には、置換もしくは非置換ヘテロアリール、ある場合には、ピリジンであり、R5は、Cl、BrまたはFである。
【0112】
[0086]いくつかの実施形態では、化合物は、一般式(7a”)を含み、R11は、置換もしくは非置換アリールまたは置換もしくは非置換ヘテロアリールであり、ある場合には、R11は、式(6a”)の場合には、置換または非置換アリール、ある場合には、フェニルR11は、式(7a”)の場合には、置換もしくは非置換ヘテロアリール、ある場合には、ピリジンであり、R5は、C2アルキニルである。
【0113】
[0087]いくつかの実施形態では、化合物は、一般式(2a”)、(3a”)、(4a”)、(5a”)または(5b”)を含み、式(2a”)の場合には、R1は、または(or)非置換フェニル、置換基として少なくとも1つの-Fを含む置換フェニルであり、R7は、非置換C1~C6アルキル、ある場合には、tert-ブチル、または非置換C3~C8シクロアルキル、ある場合には、C4-シクロアルキルであり、R8は、-O-CH2-R4[式中、R4は、置換もしくは非置換C4ヘテロアリール、ある場合には、置換または非置換トリアゾールである]であり、式(3a”)の場合には、R1は、非置換ビフェニル、ある場合には、親部分と接続しないフェニル部分において、置換基として少なくとも1つの-CNを含む置換ビフェニルであり、ある場合には、1つのフェニル部分は、置換基としてさらに少なくとも1つの-Fを含み、ある場合には、各フェニル部分は、置換基としてさらに少なくとも1つの-Fを含み、R8は、非置換C1~C6アルコール、ある場合には、C4アルコールであり、式(4a”)の場合には、R1は、-(C=O)-R3[式中、R3は、非置換C6ヘテロアリールである]であり、ある場合には、R3は、ピリジンであり、R9は、非置換C6ヘテロアリール、ある場合には、ピリジンであり、式(5a”)の場合には、R1は、非置換ビフェニル、ある場合には、親部分と
接続しないフェニル部分において、置換基として少なくとも1つの-CNを含む置換ビフェニルであり、ある場合には、1つのフェニル部分は、置換基としてさらに少なくとも1つの-Fを含み、ある場合には、各フェニル部分は、置換基としてさらに少なくとも1つの-Fを含み、R7は、非置換C1~C6アルコール、ある場合には、C4アルコールであり、式(5a”)の場合には、R1は、非置換ビフェニル、ある場合には、親部分と接続しないフェニル部分において、置換基として少なくとも1つの-CNを含む置換ビフェニルであり、ある場合には、1つのフェニル部分は、置換基としてさらに少なくとも1つの-Fを含み、ある場合には、各フェニル部分は、置換基としてさらに少なくとも1つの-Fを含み、R7は、非置換C1~C6アルコール、ある場合には、C4アルコールであり、R9は、ハロゲン、ある場合には、-Fである。
【0114】
[0088]てんかん状態の治療において用いることができるGABAA受容体モジュレーターは、一般式(8)
【0115】
【0116】
[式中、
- Z4およびZ5は、互いに独立に、-C、-N、-Sまたは-Oであり、
- A1およびA2は、互いに独立に、-C、-Nまたは-(C=O)-O-R7(式中、R7は、アルキルである)であり、
- B1、B2、B3、およびB4は、互いに独立に、-C、-N、または-Oであり、- R5
lのlは、1または2であり、
- 各R5は、互いから独立に、C1~C4アルキニルまたはハロゲン、ある場合には、-Clであり、
- R6
kのkは、1、2、3または4、ある場合には、1または2であり、
- 各R6は、互いから独立に、置換もしくは非置換アリール、置換もしくは非置換ヘテロアリール、置換もしくは非置換C1~C3アルキル、
酸素または水素であり、
- R21
sのsは、1、2、3または4であり、または
- 各R21は、独立に、水素またはC1~C6アルキルである]の化合物でありうる。
【0117】
[0089]いくつかの実施形態では、化合物は、
図14に示す化合物、例えば、L-838417、TPA023(MK-0777)、TPA123、MRK-409(MK-0343)、NS11394、オシナプロン(DOV-273547)、TPA023B、TP003、N-デスメチルクロバザム1、2、3、4および5、Hz-166、MP-III-080、KRM-II-81、PF-06372865、SL65.1498、AZD7325、AZD6280、L-838417、およびCTP-354から選択される。
【0118】
[0090]いくつかの場合では、化合物は、
【0119】
【0120】
またはその塩、プロドラッグ、多形、溶媒和物、エステル、立体異性体、もしくは誘導体からなる群から選択される。
[0091]いくつかの場合では、化合物は、
【0121】
【0122】
、またはその塩、プロドラッグ、多形、溶媒和物、エステル、立体異性体、もしくは誘導体でありうる。
[0092]以下の実施例において実証される通り、模範的なGABAA受容体モジュレーター化合物1および化合物2は、熱誘発性発作の予防で効果的である。化合物1および化合物2の構造を、以下に列挙する。
【0123】
【0124】
[0093]本明細書中に記載される通り、GABAA受容体モジュレーター、例えば、化合物1および化合物2などは、GABAA受容体のそれらの変調によるてんかん状態の治療で効果的であることが期待される。
【0125】
[0094]本明細書中でやはり開示されるのは、GABAA受容体モジュレーターの薬学的に許容される塩の形態である。塩は、酢酸塩、安息香酸塩、酒石酸水素塩、アスパラギン酸、ギ酸塩、臭化物、塩化物、ヨウ化物、フマル酸塩、クエン酸塩、マレイン酸塩、硝酸塩、サリチル酸塩、コハク酸塩、硫酸塩、リン酸塩、ベシル酸、馬尿酸塩、ナフトエ酸、ナプシル酸、スルホサリチル酸、トシレート、オクタン酸、オレイン酸塩、パモ酸塩、ステアリン酸塩、プロピオン酸塩、ヘキサン酸、デカン酸、アスパラギン酸、酒石酸水素塩、サリチル酸塩、ナプシル酸、または亜硫酸塩、および任意のその組合せからなる群から選択される対イオンを含むことができる。
【0126】
[0095]本明細書中でやはり開示されるのは、GABAA受容体モジュレーターの多形である。多形は、本明細書中に記載されるGABAA受容体モジュレーターの遊離塩基多形、またはGABAA受容体モジュレーターの塩多形、または本明細書中に記載されるGABAA受容体モジュレーターの共結晶を含むことができる。いくつかの場合では、多形は、溶解性を改善し、経口バイオアベイラビリティを改善し、経口バイオアベイラビリティにより一貫性をもたせ、安定性を改善し、製造性を改善することができ、配合物の改善に対応する。そのような多形は、結晶化溶媒中で、例えば、酢酸エチル、メチルエチルケトン、2-メチルブタノン、ジメチルスルホキシド、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、アセトン、水、テトラヒドロフラン(THF)、2-メチル-THF、酢酸イソプロピル(IPAC)、アセトニトリル、またはジクロロメタン中で、GABAA受容体モジュレーター遊離塩基もしくは塩の形態を結晶化するまたは共結晶化することにより調製することができる。
【0127】
[0096]多形の調製は、結晶または共結晶の回折パターンを収集することにより確認することができる。いくつかの場合では、粉末X線回折(XRPD)は、回折パターンを収集するために用いることができる。模範的なXRPDパラメータは、以下に提供される:
【0128】
【0129】
[0097]いくつかの模範的な場合では、化合物1の多形は、上記に記載したXRPDパラメータを用いて測定した場合、例えば、XRPDパターンが、2-θで、約6.4、7.5、10.2、12.7、13.3、14.5、16.0、17.1、17.4、17.9、18.5、19.1、19.7、20.3、20.9、21.5、22.6、23.7、26.2、26.7、26.9、27.5、28.4、30.2、および32.1±0.2°、2-θで、約5.4、10.8、12.3、12.6、13.5、14.8、15.9、16.3、16.4、17.3、17.8、19.3、20.4、21.5、21.7、22.7、23.4、24.4、24.7、25.0、26.1、26.6、27.0、27.2、27.5、28.4、28.7、29.0、29.6、30.2、および32.3±0.2°、2-θで、約7.0、12.4、12.6、13.0、14.1、15.4、15.7、16.3、17.5、18.3、19.0、21.0、22.3、23.0、および24.9±0.2°からなる群から選択される値のうちの少なくとも3つの特性ピーク位置を有する化合物1の多形を投与することができる。
【0130】
[0098]医薬組成物
[0099]本明細書中でやはり開示されるのは、本明細書中に記載されるGABAA受容体モジュレーターを含む医薬組成物である。いくつかの実施形態では、医薬組成物は、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20種またはそれ以上の本明細書に開示されるGABAA受容体モジュレーターを含むことができる。
【0131】
[0100]ある場合には、医薬組成物は、本明細書中に記載されるGABAA受容体モジュレーターおよび賦形剤、希釈剤、または担体のうちの少なくとも1種を含むことができる。いくつかの場合では、本明細書中に記載されるGABAA受容体モジュレーターは、希釈剤または担体に溶解するまたは懸濁することができる。
【0132】
[0101]いくつかの実施形態では、医薬組成物は、賦形剤を含むことができる。賦形剤は、Handbook of Pharmaceutical Excipients、American Pharmaceutical Association(1986年)に記載される賦形剤でありうる。
【0133】
[0102]適当な賦形剤の限定されない例には、緩衝剤、保存剤、安定剤、結合剤、圧縮剤(compaction agent)、滑沢剤、キレート剤、分散促進剤(dispersion enhancer)、崩壊剤(disintegration agent)、矯味剤、甘味剤、着色剤を含むことができる。
【0134】
[0103]いくつかの実施形態では、賦形剤は、緩衝剤でありうる。適当な緩衝剤の限定されない例には、クエン酸ナトリウム、炭酸マグネシウム、重炭酸マグネシウム、炭酸カルシウムおよび重炭酸カルシウムを含むことができる。緩衝剤として、炭酸水素ナトリウム
、炭酸水素カリウム、水酸化マグネシウム、乳酸マグネシウム、グルコン酸マグネシウム(magnesium glucomate)、水酸化アルミニウム、クエン酸ナトリウム、酒石酸ナトリウム、酢酸ナトリウム、炭酸ナトリウム、ポリリン酸ナトリウム、ポリリン酸カリウム、ピロリン酸ナトリウム、ピロリン酸カリウム、リン酸水素二ナトリウム、リン酸水素二カリウム、リン酸三ナトリウム、リン酸三カリウム、メタリン酸カリウム、酸化マグネシウム、水酸化マグネシウム、炭酸マグネシウム、ケイ酸マグネシウム、酢酸カルシウム、グリセロリン酸カルシウム、塩化カルシウム、水酸化カルシウムおよび他のカルシウム塩またはそれらの組合せは、医薬組成物において用いることができる。
【0135】
[0104]いくつかの実施形態では、賦形剤は、保存剤を含むことができる。適当な保存剤の限定されない例には、酸化防止剤、例えば、α-トコフェロールおよびアスコルビン酸塩、および抗菌剤、例えば、パラベン、クロロブタノール、およびフェノールを含むことができる。酸化防止剤は、それだけには限らないが、EDTA、クエン酸、アスコルビン酸、ブチル化ヒドロキシトルエン(BHT)、ブチル化ヒドロキシアニソール(BHA)、亜硫酸ナトリウム、p-アミノ安息香酸、グルタチオン、没食子酸プロピル、システイン、メチオニン、エタノールおよびN-アセチルシステインをさらに含むことができる。ある場合には、保存剤は、バリダマイシンA、TL-3、オルトバナジン酸ナトリウム、フッ化ナトリウム、N-a-トシル-Phe-クロロメチルケトン、N-a-トシル-Lys-クロロメチルケトン、アプロチニン、フッ化フェニルメチルスルホニル、ジイソプロピルフルオロリン酸、キナーゼ阻害剤、ホスファターゼ阻害剤、カスパーゼ阻害剤、グランザイム阻害剤、細胞接着阻害剤、細胞分裂阻害剤、細胞周期阻害剤、脂質シグナル伝達阻害剤、プロテアーゼ阻害剤、還元剤、アルキル化剤、抗菌剤、酸化酵素阻害剤、または他の阻害剤を含むことができる。
【0136】
[0105]いくつかの実施形態では、医薬組成物は、賦形剤として結合剤を含むことができる。適当な結合剤の限定されない例には、デンプン、アルファ化デンプン、ゼラチン、ポリビニルピロリドン(polyvinylpyrolidone)、セルロース、メチルセルロース、カルボキシルメチルセルロースナトリウム、エチルセルロース、ポリアクリルアミド、ポリビニルオキソアゾリドン(polyvinyloxoazolidone)、ポリビニルアルコール、C12~C18脂肪酸アルコール、ポリエチレングリコール、ポリオール、サッカライド、少糖類およびそれらの組合せを含むことができる。
【0137】
[0106]医薬組成物において用いることができる結合剤は、デンプン、例えば、バレイショデンプン、トウモロコシデンプン、コムギデンプン;糖類、例えば、スクロース、グルコース、ブドウ糖、ラクトース、マルトデキストリン;天然および合成ゴム;ゼラチン;セルロース誘導体、例えば、結晶セルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、メチルセルロース、エチルセルロース;ポリビニルピロリドン(ポビドン);ポリエチレングリコール(PEG);ワックス;炭酸カルシウム;リン酸カルシウム;アルコール、例えば、ソルビトール、キシリトール、マンニトールおよび水またはその組合せから選択することができる。
【0138】
[0107]いくつかの実施形態では、医薬組成物は、賦形剤として滑沢剤を含むことができる。適当な滑沢剤の限定されない例には、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸亜鉛、水素化植物油脂、sterotex、モノステアリン酸ポリオキシエチレン(polyoxyethylene monostearate)、タルク、ポリエチレングリコール、安息香酸ナトリウム、ラウリル硫酸ナトリウム、ラウリル硫酸マグネシウム、および軽質性鉱物油(light mineral oil)を含むことができる。医薬組成物において用いることができる滑沢剤は、ステアリン酸金属塩(例えば、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸アルミニウ
ムなど)、脂肪酸エステル(例えば、フマル酸ステアリルナトリウムなど)、脂肪酸(例えば、ステアリン酸など)、脂肪アルコール、ベヘン酸グリセリル、鉱油、パラフィン、水素化植物油脂、ロイシン、ポリエチレングリコール(PEG)、ラウリル硫酸金属塩(例えば、ラウリル硫酸ナトリウム、ラウリル硫酸マグネシウムなど)、塩化ナトリウム、安息香酸ナトリウム、酢酸ナトリウムおよびタルクまたはその組合せから選択することができる。
【0139】
[0108]いくつかの実施形態では、医薬組成物は、賦形剤として分散促進剤を含むことができる。適当な分散体の限定されない例には、デンプン、アルギン酸、ポリビニルピロリドン、グアーガム、カオリン、ベントナイト、精製された木材セルロース(purified wood cellulose)、デンプングリコール酸ナトリウム、イソアモルファスシリケート(isoamorphous silicate)、および高HLB乳化剤界面活性剤として結晶セルロースを含むことができる。
【0140】
[0109]いくつかの実施形態では、医薬組成物は、賦形剤として崩壊剤を含むことができる。いくつかの実施形態では、崩壊剤は、非-発泡性崩壊剤でありうる。適当な非-発泡性崩壊剤の限定されない例は、デンプン、例えば、トウモロコシデンプン、バレイショデンプン、それらのアルファ化および加工デンプンなど、甘味剤、粘土、例えば、ベントナイト、結晶セルロース、アルギン酸塩、デンプングリコール酸ナトリウム、ガム、例えば、寒天、グアー、ローカストビーン、カラヤ、ペシチン(pecitin)、およびトラガカントを含むことができる。いくつかの実施形態では、崩壊剤は、発泡性崩壊剤でありうる。適当な発泡性崩壊剤の限定されない例には、クエン酸と組み合わせた炭酸水素ナトリウム、および酒石酸と組み合わせた炭酸水素ナトリウムを含むことができる。
【0141】
[0110]いくつかの実施形態では、賦形剤は、矯味剤を含むことができる。外層に取り込まれる矯味剤は、合成の香味油および矯味剤芳香族化合物;天然油;植物、葉、花、および果実からの抽出物ならびにそれらの組合せから選ぶことができる。いくつかの実施形態では、矯味剤は、ケイヒ油;冬緑油;はっか油;クローバ油;乾草油(hay oil);アニス油;ユーカリ;バニラ;かんきつ油、例えば、レモン油、オレンジ油、ブドウおよびグレープフルーツ油;およびリンゴ、モモ、西洋ナシ、イチゴ、ラズベリー、サクランボ、プラム、パイナップル、およびアンズを含めた、果実エッセンスからなる群から選択することができる。
【0142】
[0111]いくつかの実施形態では、賦形剤は、甘味剤を含むことができる。適当な甘味剤の限定されない例には、グルコース(コーンシロップ)、ブドウ糖、転化糖、フルクトース、およびそれらの混合物(担体として用いられない場合);サッカリンおよびその様々な塩、例えば、ナトリウム塩など;ジペプチド甘味剤、例えば、アスパルテームなど;ジヒドロカルコン化合物、グリシルリチン;ステビア・レバウジアナ(Stevia Rebaudiana)(ステビオシド);スクロースのクロロ誘導体、例えば、スクラロースなど;および糖アルコール、例えば、ソルビトール、マンニトール、シリトール(sylitol)などを含むことができる。
【0143】
[0112]ある場合には、医薬組成物は、着色剤を含むことができる。適当な着色剤(coloring agent)の限定されない例には、食品、医薬品および化粧品着色剤(FD&C:food、drug and cosmetic colors)、医薬品および化粧品着色剤(D&C:drug and cosmetic colors)、ならびに外部薬品および化粧品着色剤(Ext.D&C:external drug and cosmetic colors)を含むことができる。着色剤は、染料またはそれらの対応するレーキとして用いることができる。
【0144】
[0113]ある場合には、医薬組成物は、希釈剤を含むことができる。希釈剤の限定されない例には、水、グリセロール、メタノール、エタノール、および他の類似の生体適合性希釈剤を含むことができる。いくつかの場合では、希釈剤は、含水酸(aqueous acid)、例えば、酢酸、クエン酸、マレイン酸、塩酸、リン酸、硝酸、硫酸、または類似物でありうる。ある場合には、希釈剤は、化合物のpHをあるpH、例えば、上記に記載した塩を生成する生理的pHに滴定するために用いることができる。他の場合では、希釈剤は、アルカリ金属炭酸塩、例えば、炭酸カルシウムなど;アルカリ金属リン酸塩、例えば、リン酸カルシウムなど;アルカリ金属硫酸塩、例えば、カルシウム硫酸塩など;セルロース誘導体、例えば、セルロース、結晶セルロース、酢酸セルロース;酸化マグネシウム、デキストリン、フルクトース、ブドウ糖、パルミトステアリン酸グリセリル、ラクチトール、カオリン(caoline)、ラクトース、マルトース、マンニトール、シメチコン、ソルビトール、デンプン、アルファ化デンプン、タルク、キシリトールおよび/または無水物、水和物および/または薬学的に許容されるそれらの誘導体またはそれらの組合せを含む群から選択することができる。
【0145】
[0114]他の実施形態では、医薬組成物は、界面活性剤を含むことができる。界面活性剤は、それだけには限らないが、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル(ポリソルベート)、ラウリル硫酸ナトリウム、フマル酸ステアリルナトリウム、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ソルビタン脂肪酸エステル、ポリエチレングリコール(PEG)、ポリオキシエチレンヒマシ油誘導体、ドキュセートナトリウム、第四級アンモニウム化合物、アミノ酸、例えば、L-ロイシン、脂肪酸の糖エステル、脂肪酸のグリセリドまたはその組合せから選択することができる。
【0146】
[0115]本明細書に開示される医薬組成物は、様々な形態に配合し、多くの異なる手段により投与することができる。医薬組成物は、望まれる通り、慣習的に許容される担体、アジュバント、およびビヒクルを含有する配合物の形態で、経口的に、直腸に、または非経口的に投与することができる。本明細書で使用される場合、用語「非経口」には、皮下、静脈内、筋肉内、または胸骨内注射および注入技法を含むことができる。投与は、動脈内、心臓内、脳室内、皮内、十二指腸内、髄内、筋肉内、骨内、腹腔内、くも膜下腔内、血管内、静脈内、硝子体内、硬膜外および皮下)、吸入、経皮、経粘膜、舌下、口腔および(皮膚上、真皮、浣腸、点眼、点耳薬、鼻腔内、膣を含めた)局所投与を含めた、注射または注入を含むことができる。模範的ないくつかの実施形態では、投与の経路は、注射、例えば、筋肉内、静脈内、皮下、または腹腔内注射によってでありうる。
【0147】
[0116]経口投与用の固形剤形は、カプセル、錠剤、カプレット、丸剤、トローチ剤、ロゼンジ、散剤、および顆粒剤を含むことができる。カプセルは、栄養性タンパク質または組成物を含むコア材料およびコア材料を被包するシェル壁(shell wall)を含むことができる。いくつかの実施形態では、コア材料は、固体、液体および乳濁液のうちの少なくとも1種を含むことができる。いくつかの実施形態では、シェル壁材料は、軟ゼラチン、硬ゼラチン、およびポリマーのうちの少なくとも1種を含むことができる。適当なポリマーは、それだけには限らないが、セルロースポリマー、例えば、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース(HPMC)、メチルセルロース、エチルセルロース、酢酸セルロース、酢酸フタル酸セルロース、トリメリト酸酢酸セルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロースフタレート、コハク酸ヒドロキシプロピルメチルセルロースおよびカルボキシメチルセルロースナトリウム;アクリル酸ポリマーおよびコポリマー、例えば、アクリル酸、メタクリル酸、アクリル酸メチル、メタクリル酸アンモニオ、アクリル酸エチル、メタクリル酸メチルおよび/またはメタクリル酸エチル(例えば、「Eudragit」という商品名で販売されているコポリマー)から形成されるもの;ビニルポリマーおよびコポリマー、例えば、ポリビニルピロリドン、ポリ酢酸ビニル、ポリビニルアセテートフタレート、酢酸ビニルク
ロトン酸コポリマー、およびエチレン-酢酸ビニルコポリマー;およびセラック(精製されたlac)を含むことができる。いくつかの実施形態では、少なくとも1種のポリマーは、味覚マスキング剤として機能することができる。
【0148】
[0117]錠剤、丸剤などは、圧縮する、多重圧縮する(multiply compressed)、多層化する(multiply layered)、および/またはコーティングすることができる。コーティングは、単一でも複合でもよい。いくつかの実施形態では、コーティング材料は、植物、真菌、および微生物のうちの少なくとも1種から抽出された、サッカライド、多糖、および糖タンパク質のうちの少なくとも1種を含むことができる。限定されない例には、トウモロコシデンプン、コムギデンプン、バレイショデンプン、タピオカデンプン、セルロース、ヘミセルロース、デキストラン、マルトデキストリン、シクロデキストリン、イヌリン、ペクチン、マンナン、アラビアゴム、ローカストビーンゴム、メスキートゴム、グアーガム、カラヤガム、ガティゴム(gum ghatti)、トラガカントゴム、ふのり、カラゲナン、寒天、アルギン酸塩、キトサン、またはゲランガムを含むことができる。いくつかの実施形態では、コーティング材料は、タンパク質を含むことができる。いくつかの実施形態では、コーティング材料は、脂肪および/または油状物のうちの少なくとも1種を含むことができる。いくつかの実施形態では、脂肪および/または油状物のうちの少なくとも1種は、高温融解でありうる。いくつかの実施形態では、脂肪および/または油状物のうちの少なくとも1種は、水素化または部分的に水素化することができる。いくつかの実施形態では、脂肪および/または油状物のうちの少なくとも1種は、植物に由来しうる。いくつかの実施形態では、脂肪および/または油状物のうちの少なくとも1種は、グリセリド、遊離脂肪酸、および脂肪酸エステルのうちの少なくとも1種を含むことができる。いくつかの実施形態では、コーティング材料は、少なくとも1種の食用ワックスを含むことができる。食用ワックスは、動物、昆虫、または植物に由来しうる。限定されない例には、ミツロウ、ラノリン、シロヤマモモロウ、カルナウバロウ、およびコメヌカロウを含むことができる。錠剤および丸剤は、腸溶コーティングでさらに調製することができる。
【0149】
[0118]液体配合物には、シロップ剤(例えば、経口処方)、静脈内処方、鼻腔内処方、(例えば、眼感染症を治療するための)眼の処方(ocular formulation)、(例えば、耳感染症を治療するための)耳の処方、軟膏剤、クリーム剤、エアゾール剤などを含むことができる。ある場合には、様々な配合物の組合せは、投与することができる。いくつかの実施形態では、錠剤、丸剤などは、延長放出プロフィール用に配合することができる。いくつかの実施形態では、組成物は、標準的な周囲条件下で密閉容器の中で貯蔵される場合、保存安定性を高めるために配合することができる。
【0150】
[0119]投薬および投与
[0120]一態様では、本明細書中に記載されるのは、本明細書中に記載されるGABAA受容体モジュレーター化合物またはその化合物を含む医薬組成物を対象に投与するステップを含む、対象においててんかん状態を治療する方法である。いくつかの場合では、GABAA受容体モジュレーター、その塩、または本明細書中に記載されるGABAA受容体モジュレーターもしくはその塩を含む医薬組成物は、約0.01mg~約1000mg、約0.1mg~約1000mg、約0.2mg~約1000mg、約0.3mg~約1000mg、約0.4mg~約1000mg、約0.5mg~約1000mg、約0.6mg~約1000mg、約0.7mg~約1000mg、約0.8mg~約1000mg、約0.9mg~約1000mg、約1mg~約1000mg、約2mg~約1000mg、約3mg~約1000mg、約4mg~約1000mg、約5mg~約1000mg、約6mg~約1000mg、約7mg~約1000mg、約8mg~約1000mg、約9mg~約1000mg、約10mg~約1000mg、約15mg~約1000mg、約20mg~約1000mg、約25mg~約1000mg、約30mg~約1000m
g、約35mg~約1000mg、約40mg~約1000mg、約45mg~約1000mg、約50mg~約1000mg、約55mg~約1000mg、約60mg~約1000mg、約65mg~約1000mg、約70mg~約1000mg、約75mg~約1000mg、約80mg~約1000mg、約85mg~約1000mg、約90mg~約1000mg、約95mg~約1000mg、約100mg~約1000mg、約150mg~約1000mg、約200mg~約1000mg、約250mg~約1000mg、約300mg~約1000mg、約350mg~約1000mg、約400mg~約1000mg、約450mg~約1000mg、約500mg~約1000mg、約550mg~約1000mg、約600mg~約1000mg、約650mg~約1000mg、約700mg~約1000mg、約750mg~約1000mg、約800mg~約1000mg、約850mg~約1000mg、約900mg~約1000mg、または約950mg~約1000mgの用量で投与することができる。いくつかの実施形態では、GABAA受容体モジュレーターまたはその塩は、1mg~5mgの用量で投与される。いくつかの実施形態では、GABAA受容体モジュレーターまたはその塩は、1mg~3mgの用量で投与される。いくつかの実施形態では、GABAA受容体モジュレーターまたはその塩は、1.5mg~2.5mgの用量で投与される。いくつかの実施形態では、GABAA受容体モジュレーターまたはその塩は、1.9mg~2.1mgの用量で投与される。いくつかの実施形態では、GABAA受容体モジュレーターまたはその塩は、1.8mg~2.2mgの用量で投与される。いくつかの実施形態では、GABAA受容体モジュレーターまたはその塩は、0.5mg~5mgの用量で投与される。いくつかの実施形態では、GABAA受容体モジュレーターまたはその塩は、0.5mg~4mgの用量で投与される。いくつかの実施形態では、GABAA受容体モジュレーターまたはその塩は、0.1mg~10mgの用量で投与される。いくつかの実施形態では、GABAA受容体モジュレーターまたはその塩は、0.01mg~10mgの用量で投与される。いくつかの実施形態では、GABAA受容体モジュレーターまたはその塩は、0.01mg~5mgの用量で投与される。いくつかの実施形態では、GABAA受容体モジュレーターまたはその塩は、0.1mg~20mgの用量で投与される。いくつかの実施形態では、GABAA受容体モジュレーターまたはその塩は、0.1mg~15mgの用量で投与される。いくつかの実施形態では、GABAA受容体モジュレーターまたはその塩は、1mg~8mgの用量で投与される。いくつかの実施形態では、GABAA受容体モジュレーターまたはその塩は、0.5mg~10mgの用量で投与される。いくつかの実施形態では、GABAA受容体モジュレーターまたはその塩は、0.25mg~5mgの用量で投与される。いくつかの実施形態では、GABAA受容体モジュレーターまたはその塩は、2mg~5mgの用量で投与される。いくつかの実施形態では、GABAA受容体モジュレーターまたはその塩は、2mg~10mgの用量で投与される。いくつかの実施形態では、GABAA受容体モジュレーターまたはその塩は、3mg~5mgの用量で投与される。いくつかの実施形態では、GABAA受容体モジュレーターまたはその塩は、2mg~4mgの用量で投与される。いくつかの実施形態では、GABAA受容体モジュレーターまたはその塩は、6mg~7mgの用量で投与される。いくつかの実施形態では、GABAA受容体モジュレーターまたはその塩は、5mg~15mgの用量で投与される。いくつかの実施形態では、GABAA受容体モジュレーターまたはその塩は、10mg~20mgの用量で投与される。
【0151】
[0121]いくつかの場合では、GABAA受容体モジュレーター、その塩、または本明細書中に記載されるGABAA受容体モジュレーターもしくはその塩を含む医薬組成物は、少なくとも約0.01、0.02、0.03、0.04、0.05、0.06、0.07、0.08、0.09、0.1、0.2、0.3、0.4、0.5、0.6、0.7、0.8、0.9、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、31、32、33、34、35、36、37、38、39、40、41
、42、43、44、45、46、47、48、49、50、51、52、53、54、55、56、57、58、59、60、61、62、63、64、65、66、67、68、69、70、71、72、73、74、75、76、77、78、79、80、81、82、83、84、85、86、87、88、89、90、91、92、93、94、95、96、97、98、99、100、101、102、103、104、105、106、107、108、109、110、111、112、113、114、115、116、117、118、119、120、121、122、123、124、125、126、127、128、129、130、131、132、133、134、135、136、137、138、139、140、141、142、143、144、145、146、147、148、149、150、151、152、153、154、155、156、157、158、159、160、161、162、163、164、165、166、167、168、169、170、171、172、173、174、175、176、177、178、179 180、181、182、183、184、184、186、187、188、189、190、191、192、193、194、195、196、197、198、199、200、210、220、230、240、250、260、270、280、290、300、310、320、330、340、350、360、370、380、390、400、410、420、430、440、450、460、470、480、490、500、510、520、530、540、550、560、570、580、590、600、610、620、630、640、650、660、670、680、690、700、710、720、730、740、750、760、770、780、790、800、810、820、830、840、850、860、870、880、890、900、910、920、930、940、950、960、970、980、990、または1000mgの用量で投与することができる。いくつかの場合では、GABAA受容体モジュレーター、その塩、または本明細書中に記載されるGABAA受容体モジュレーターもしくはその塩を含む医薬組成物は、最大でも約0.01、0.02、0.03、0.04、0.05、0.06、0.07、0.08、0.09、0.1、0.2、0.3、0.4、0.5、0.6、0.7、0.8、0.9、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、31、32、33、34、35、36、37、38、39、40、41、42、43、44、45、46、47、48、49、50、51、52、53、54、55、56、57、58、59、60、61、62、63、64、65、66、67、68、69、70、71、72、73、74、75、76、77、78、79、80、81、82、83、84、85、86、87、88、89、90、91、92、93、94、95、96、97、98、99、100、101、102、103、104、105、106、107、108、109、110、111、112、113、114、115、116、117、118、119、120、121、122、123、124、125、126、127、128、129、130、131、132、133、134、135、136、137、138、139、140、141、142、143、144、145、146、147、148、149、150、151、152、153、154、155、156、157、158、159、160、161、162、163、164、165、166、167、168、169、170、171、172、173、174、175、176、177、178、179 180、181、182、183、184、184、186、187、188、189、190、191、192、193、194、195、196、197、198、199、200、210、220、230、240、250、260、270、280、290、300、310、320、330、340、350、360、370、380、390、400、410、420、430、440、450、460、470、480、490、500、510、520、530、540、550、560、570、580、590、600、610、620、630、640、650、660、670、680、690、700、710、720、730、740、750、760、770
、780、790、800、810、820、830、840、850、860、870、880、890、900、910、920、930、940、950、960、970、980、990、または1000mgの用量で投与することができる。いくつかの場合では、GABAA受容体モジュレーターまたはその塩は、約0.5mgの用量で投与される。いくつかの場合では、GABAA受容体モジュレーターまたはその塩は、約1mgの用量で投与される。いくつかの場合では、GABAA受容体モジュレーターまたはその塩は、約1.5mgの用量で投与される。いくつかの場合では、GABAA受容体モジュレーターまたはその塩は、約2mgの用量で投与される。いくつかの場合では、GABAA受容体モジュレーターまたはその塩は、約2.5mgの用量で投与される。いくつかの場合では、GABAA受容体モジュレーターまたはその塩は、約3mgの用量で投与される。いくつかの場合では、GABAA受容体モジュレーターまたはその塩は、約3.5mgの用量で投与される。いくつかの場合では、GABAA受容体モジュレーターまたはその塩は、約4mgの用量で投与される。いくつかの場合では、GABAA受容体モジュレーターまたはその塩は、約4.5mgの用量で投与される。いくつかの場合では、GABAA受容体モジュレーターまたはその塩は、約5mgの用量で投与される。いくつかの場合では、GABAA受容体モジュレーターまたはその塩は、約10mgの用量で投与される。いくつかの場合では、GABAA受容体モジュレーターまたはその塩は、約15mgの用量で投与される。
【0152】
[0122]いくつかの実施形態では、記載されたGABAA受容体モジュレーターまたはその塩は、毎日投与される。いくつかの実施形態では、記載されたGABAA受容体モジュレーターまたはその塩は、1日1回投与される。いくつかの実施形態では、記載されたGABAA受容体モジュレーターまたはその塩は、1日2回投与される。いくつかの実施形態では、記載されたGABAA受容体モジュレーターまたはその塩は、1日3回投与される。いくつかの実施形態では、記載されたGABAA受容体モジュレーターまたはその塩は、1日1~4回投与される。いくつかの実施形態では、記載されたGABAA受容体モジュレーターまたはその塩は、週1回投与される。
【0153】
[0123]いくつかの場合では、GABAA受容体モジュレーター、その塩、または本明細書中に記載されるGABAA受容体モジュレーターもしくはその塩を含む医薬組成物は、対象の体重に対する用量で投与することができる。いくつかの場合では、GABAA受容体モジュレーター、その塩、または本明細書中に記載されるGABAA受容体モジュレーターもしくはその塩を含む医薬組成物は、少なくとも0.0003mg/kgの用量で投与することができる。いくつかの場合では、GABAA受容体モジュレーター、その塩、または本明細書中に記載されるGABAA受容体モジュレーターもしくはその塩を含む医薬組成物は、対象の体重に対して約0.003mg/kg~約100mg/kg、約0.003mg/kg~約95mg/kg、約0.003mg/kg~約90mg/kg、約0.003mg/kg~約85mg/kg、約0.003mg/kg~約80mg/kg、約0.003mg/kg~約75mg/kg、約0.003mg/kg~約70mg/kg、約0.003mg/kg~約65mg/kg、約0.003mg/kg~約60mg/kg、約0.003mg/kg~約55mg/kg、約0.003mg/kg~約50mg/kg、約0.003mg/kg~約45mg/kg、約0.003mg/kg~約40mg/kg、約0.003mg/kg~約35mg/kg、約0.003mg/kg~約30mg/kg、約0.003mg/kg~約25mg/kg、約0.003mg/kg~約20mg/kg、約0.003mg/kg~約15mg/kg、約0.003mg/kg~約10mg/kg、約0.003mg/kg~約9mg/kg、約0.003mg/kg~約8mg/kg、約0.003mg/kg~約7mg/kg、約0.003mg/kg~約6mg/kg、約0.003mg/kg~約5mg/kg、約0.003mg/kg~約4mg/kg、約0.003mg/kg~約3mg/kg、約0.003mg/kg~約2mg/kg、または約0.003mg/kg~約1mg/kgの用量
で投与することができる。いくつかの実施形態では、GABAA受容体モジュレーターまたはその塩は、0.003mg/kg~10mg/kgまで投与される。いくつかの実施形態では、GABAA受容体モジュレーターまたはその塩は、0.0003mg/kg~1mg/kgまで投与される。いくつかの実施形態では、GABAA受容体モジュレーターまたはその塩は、0.0005mg/kg~0.5mg/kgまで投与される。いくつかの実施形態では、GABAA受容体モジュレーターまたはその塩は、0.001mg/kg~0.5mg/kgまで投与される。いくつかの実施形態では、GABAA受容体モジュレーターまたはその塩は、0.001mg/kg~0.1mg/kgまで投与される。いくつかの実施形態では、GABAA受容体モジュレーターまたはその塩は、0.001mg/kg~1mg/kgまで投与される。いくつかの実施形態では、GABAA受容体モジュレーターまたはその塩は、0.001mg/kg~2mg/kgまで投与される。いくつかの実施形態では、GABAA受容体モジュレーターまたはその塩は、0.0003mg/kg~0.1mg/kgまで投与される。いくつかの実施形態では、GABAA受容体モジュレーターまたはその塩は、0.003mg/kg~2mg/kgまで投与される。いくつかの実施形態では、GABAA受容体モジュレーターまたはその塩は、0.003mg/kg~1mg/kgまで投与される。いくつかの実施形態では、GABAA受容体モジュレーターまたはその塩は、0.003mg/kg~0.3mg/kgまで投与される。いくつかの実施形態では、GABAA受容体モジュレーターまたはその塩は、0.003mg/kg~0.1mg/kgまで投与される。いくつかの実施形態では、GABAA受容体モジュレーターまたはその塩は、0.003mg/kg~0.03mg/kgまで投与される。いくつかの実施形態では、GABAA受容体モジュレーターまたはその塩は、0.01mg/kg~10mg/kgまで投与される。いくつかの実施形態では、GABAA受容体モジュレーターまたはその塩は、0.01mg/kg~2mg/kgまで投与される。いくつかの実施形態では、GABAA受容体モジュレーターまたはその塩は、0.01mg/kg~1mg/kgまで投与される。いくつかの実施形態では、GABAA受容体モジュレーターまたはその塩は、0.01mg/kg~0.3mg/kgまで投与される。1mg/kg。いくつかの実施形態では、GABAA受容体モジュレーターまたはその塩は、0.01mg/kg~0.05mg/kgまで投与される。いくつかの実施形態では、GABAA受容体モジュレーターまたはその塩は、0.01mg/kg~0.1mg/kgまで投与される。いくつかの実施形態では、GABAA受容体モジュレーターまたはその塩は、0.01mg/kg~0.03mg/kgまで投与される。いくつかの実施形態では、GABAA受容体モジュレーターまたはその塩は、0.03mg/kg~10mg/kgまで投与される。いくつかの実施形態では、GABAA受容体モジュレーターまたはその塩は、0.03mg/kg~2mg/kgまで投与される。いくつかの実施形態では、GABAA受容体モジュレーターまたはその塩は、0.03mg/kg~1mg/kgまで投与される。いくつかの実施形態では、GABAA受容体モジュレーターまたはその塩は、0.03mg/kg~0.3mg/kgまで投与される。いくつかの実施形態では、GABAA受容体モジュレーターまたはその塩は、0.03mg/kg~0.1mg/kgまで投与される。いくつかの実施形態では、GABAA受容体モジュレーターまたはその塩は、0.05mg/kg~10mg/kgまで投与される。いくつかの実施形態では、GABAA受容体モジュレーターまたはその塩は、0.05mg/kg~2mg/kgまで投与される。いくつかの実施形態では、GABAA受容体モジュレーターまたはその塩は、0.05mg/kg~1mg/kgまで投与される。いくつかの実施形態では、GABAA受容体モジュレーターまたはその塩は、0.05mg/kg~0.3mg/kgまで投与される。いくつかの実施形態では、GABAA受容体モジュレーターまたはその塩は、0.05mg/kg~0.1mg/kgまで投与される。いくつかの実施形態では、GABAA受容体モジュレーターまたはその塩は、0.1mg/kg~10mg/kgまで投与される。いくつかの実施形態では、GABAA受容体モジュレーターまたはその塩は、0.1mg/kg~2mg/kgまで投与される。いくつかの実施形態では、GABAA受容体モジュレーターまたはその塩は、0.1mg/
kg~1mg/kgまで投与される。いくつかの実施形態では、GABAA受容体モジュレーターまたはその塩は、0.1mg/kg~0.3mg/kgまで投与される。いくつかの実施形態では、GABAA受容体モジュレーターまたはその塩は、0.1mg/kg~0.5mg/kgまで投与される。いくつかの実施形態では、GABAA受容体モジュレーターまたはその塩は、0.1mg/kg~0.05mg/kgまで投与される。いくつかの実施形態では、GABAA受容体モジュレーターまたはその塩は、約0.01mg/kgで投与される。いくつかの実施形態では、GABAA受容体モジュレーターまたはその塩は、約0.02mg/kgで投与される。いくつかの実施形態では、GABAA受容体モジュレーターまたはその塩は、約0.03mg/kgで投与される。いくつかの実施形態では、GABAA受容体モジュレーターまたはその塩は、約0.04mg/kgで投与される。いくつかの実施形態では、GABAA受容体モジュレーターまたはその塩は、約0.05mg/kgで投与される。いくつかの実施形態では、GABAA受容体モジュレーターまたはその塩は、約0.06mg/kgで投与される。いくつかの実施形態では、GABAA受容体モジュレーターまたはその塩は、約0.07mg/kgで投与される。いくつかの実施形態では、GABAA受容体モジュレーターまたはその塩は、約0.08mg/kgで投与される。いくつかの実施形態では、GABAA受容体モジュレーターまたはその塩は、約0.09mg/kgで投与される。いくつかの実施形態では、GABAA受容体モジュレーターまたはその塩は、約0.1mg/kgで投与される。
【0154】
[0124]いくつかの場合では、GABAA受容体モジュレーター、その塩、または本明細書中に記載されるGABAA受容体モジュレーターもしくはその塩を含む医薬組成物は、0.0005mg/kg未満、0.001mg/kg未満、0.002mg/kg未満、0.003mg/kg未満、0.004mg/kg未満、0.005mg/kg未満、0.006mg/kg未満、0.007mg/kg未満、0.008mg/kg未満、0.009mg/kg未満、0.01mg/kg未満、0.02mg/kg未満、0.03mg/kg未満、0.04mg/kg未満、0.05mg/kg未満、0.06mg/kg未満、0.07mg/kg未満、0.08mg/kg未満、0.09mg/kg未満、0.1mg/kg未満、0.11mg/kg未満、0.12mg/kg未満、0.13mg/kg未満、0.14mg/kg未満、0.15mg/kg未満、0.16mg/kg未満、0.17mg/kg未満、0.18mg/kg未満、0.19mg/kg未満、0.2mg/kg未満、0.21mg/kg未満、0.22mg/kg未満、0.23mg/kg未満、0.24mg/kg未満、0.25mg/kg未満、0.26mg/kg未満、0.27mg/kg未満、0.28mg/kg未満、0.29mg/kg未満、0.3mg/kg未満、0.31mg/kg未満、0.32mg/kg未満、0.33mg/kg未満、0.34mg/kg未満、0.35mg/kg未満、0.36mg/kg未満、0.37mg/kg未満、0.38mg/kg未満、0.39mg/kg未満、0.4mg/kg未満、0.41mg/kg未満、0.42mg/kg未満、0.43mg/kg未満、0.44mg/kg未満、0.45mg/kg未満、0.46mg/kg未満、0.47mg/kg未満、0.48mg/kg未満、0.49mg/kg未満、0.5mg/kg未満、0.51mg/kg未満、0.52mg/kg未満、0.53mg/kg未満、0.54mg/kg未満、0.55mg/kg未満、0.56mg/kg未満、0.57mg/kg未満、0.58mg/kg未満、0.59mg/kg未満、0.6mg/kg未満、0.61mg/kg未満、0.62mg/kg未満、0.63mg/kg未満、0.64mg/kg未満、0.65mg/kg未満、0.66mg/kg未満、0.67mg/kg未満、0.68mg/kg未満、0.69mg/kg未満、0.7mg/kg未満、0.71mg/kg未満、0.72mg/kg未満、0.73mg/kg未満、0.74mg/kg未満、0.75mg/kg未満、0.76mg/kg未満、0.77mg/kg未満、0.78mg/kg未満、0.79mg/kg未満、0.8mg/kg未満、0.81mg/kg未満、0.82mg/kg未満、0.83mg/kg未満、0.84mg/kg未満、0.85mg/kg未満、0.86mg/kg未満、0.87m
g/kg未満、0.88mg/kg未満、0.89mg/kg未満、0.9mg/kg未満、0.91mg/kg未満、0.92mg/kg未満、0.93mg/kg未満、0.94mg/kg未満、0.95mg/kg未満、0.96mg/kg未満、0.97mg/kg未満、0.98mg/kg未満、0.99mg/kg未満、1mg/kg未満、2mg/kg未満、2.1mg/kg未満、2.2mg/kg未満、2.3mg/kg未満、2.4mg/kg未満、2.5mg/kg未満、2.6mg/kg未満、2.7mg/kg未満、2.8mg/kg未満、2.9mg/kg未満、3mg/kg未満、3.1mg/kg未満、3.2mg/kg未満、3.3mg/kg未満、3.4mg/kg未満、3.5mg/kg未満、3.6mg/kg未満、3.7mg/kg未満、3.8mg/kg未満、3.9mg/kg未満、4mg/kg未満、4.1mg/kg未満、4.2mg/kg未満、4.3mg/kg未満、4.4mg/kg未満、4.5mg/kg未満、4.6mg/kg未満、4.7mg/kg未満、4.8mg/kg未満、4.9mg/kg未満、5mg/kg未満、5.1mg/kg未満、5.2mg/kg未満、5.3mg/kg未満、5.4mg/kg未満、5.5mg/kg未満、5.6mg/kg未満、5.7mg/kg未満、5.8mg/kg未満、5.9mg/kg未満、6mg/kg未満、6.1mg/kg未満、6.2mg/kg未満、6.3mg/kg未満、6.4mg/kg未満、6.5mg/kg未満、6.6mg/kg未満、6.7mg/kg未満、6.8mg/kg未満、6.9mg/kg未満、7mg/kg未満、7.1mg/kg未満、7.2mg/kg未満、7.3mg/kg未満、7.4mg/kg未満、7.5mg/kg未満、7.6mg/kg未満、7.7mg/kg未満、7.8mg/kg未満、7.9mg/kg未満、8mg/kg未満、8.1mg/kg未満、8.2mg/kg未満、8.3mg/kg未満、8.4mg/kg未満、8.5mg/kg未満、8.6mg/kg未満、8.7mg/kg未満、8.8mg/kg未満、8.9mg/kg未満、9mg/kg未満、9.1mg/kg未満、9.2mg/kg未満、9.3mg/kg未満、9.4mg/kg未満、9.5mg/kg未満、9.6mg/kg未満、9.7mg/kg未満、9.8mg/kg未満、9.9mg/kg未満、10mg/kg未満、11mg/kg未満、12mg/kg未満、13mg/kg未満、14mg/kg未満、15mg/kg未満、16mg/kg未満、17mg/kg未満、18mg/kg未満、19mg/kg未満、20mg/kg未満、21mg/kg未満、22mg/kg未満、23mg/kg未満、24mg/kg未満、25mg/kg未満、26mg/kg未満、27mg/kg未満、28mg/kg未満、29mg/kg未満、30mg/kg未満、31mg/kg未満、32mg/kg未満、33mg/kg未満、34mg/kg未満、35mg/kg未満、36mg/kg未満、37mg/kg未満、38mg/kg未満、39mg/kg未満、40mg/kg未満、41mg/kg未満、42mg/kg未満、43mg/kg未満、44mg/kg未満、45mg/kg未満、46mg/kg未満、47mg/kg未満、48mg/kg未満、49mg/kg未満、または50mg/kg未満の用量で投与することができる。いくつかの実施形態では、GABAA受容体モジュレーターまたはその塩は、1mg/kg未満の用量で投与される。いくつかの実施形態では、GABAA受容体モジュレーターまたはその塩は、0.3mg/kg未満の用量で投与される。いくつかの実施形態では、GABAA受容体モジュレーターまたはその塩は、0.1mg/kg未満の用量で投与される。いくつかの実施形態では、GABAA受容体モジュレーターまたはその塩は、0.03mg/kg未満の用量で投与される。いくつかの実施形態では、GABAA受容体モジュレーターまたはその塩は、0.01mg/kg未満の用量で投与される。
【0155】
[0125]いくつかの実施形態では、GABAA受容体モジュレーター、その塩、または本明細書中に記載されるGABAA受容体モジュレーターもしくはその塩を含む医薬組成物は、液体配合物として投与することができる。いくつかの実施形態では、記載されたGABAA受容体モジュレーターまたはその塩は、0.01mg/ml~100mg/mlまで投与される。いくつかの実施形態では、記載されたGABAA受容体モジュレーターま
たはその塩は、0.001mg/ml~10mg/mlまで投与される。いくつかの実施形態では、GABAA受容体モジュレーターまたはその塩は、0.1mg/ml~10mg/mlまで投与される。いくつかの実施形態では、GABAA受容体モジュレーターまたはその塩は、0.001mg/ml~10mg/mlまで投与される。いくつかの実施形態では、GABAA受容体モジュレーターまたはその塩は、0.001mg/ml~1mg/mlまで投与される。いくつかの実施形態では、GABAA受容体モジュレーターまたはその塩は、0.001mg/ml~0.5mg/mlまで投与される。いくつかの実施形態では、GABAA受容体モジュレーターまたはその塩は、0.5mg/ml~5mg/mlまで投与される。いくつかの実施形態では、GABAA受容体モジュレーターまたはその塩は、1mg/ml~2mg/mlまで投与される。いくつかの実施形態では、GABAA受容体モジュレーターまたはその塩は、0.5mg/ml~2mg/mlまで投与される。いくつかの実施形態では、GABAA受容体モジュレーターまたはその塩は、0.2mg/ml~1mg/mlまで投与される。いくつかの実施形態では、GABAA受容体モジュレーターまたはその塩は、0.2mg/ml~0.5mg/mlまで投与される。いくつかの実施形態では、GABAA受容体モジュレーターまたはその塩は、0.2mg/ml~0.4mg/mlまで投与される。いくつかの実施形態では、GABAA受容体モジュレーターまたはその塩は、0.1mg/ml~0.5mg/mlまで投与される。いくつかの実施形態では、GABAA受容体モジュレーターまたはその塩は、0.1mg/ml~0.3mg/mlまで投与される。いくつかの実施形態では、GABAA受容体モジュレーターまたはその塩は、0.05mg/ml~0.5mg/mlまで投与される。いくつかの実施形態では、GABAA受容体モジュレーターまたはその塩は、約0.1mg/mlで投与される。いくつかの実施形態では、GABAA受容体モジュレーターまたはその塩は、約0.25mg/mlで投与される。いくつかの実施形態では、GABAA受容体モジュレーターまたはその塩は、約0.3mg/mlで投与される。いくつかの実施形態では、GABAA受容体モジュレーターまたはその塩は、約0.5mg/mlで投与される。いくつかの実施形態では、GABAA受容体モジュレーターまたはその塩は、約0.75mg/mlで投与される。いくつかの実施形態では、GABAA受容体モジュレーターまたはその塩は、約1mg/mlで投与される。いくつかの実施形態では、GABAA受容体モジュレーターまたはその塩は、約1.25mg/mlで投与される。いくつかの実施形態では、GABAA受容体モジュレーターまたはその塩は、約1.5mg/mlで投与される。いくつかの実施形態では、GABAA受容体モジュレーターまたはその塩は、約2mg/mlで投与される。いくつかの実施形態では、GABAA受容体モジュレーターまたはその塩は、約2.5mg/mlで投与される。いくつかの実施形態では、GABAA受容体モジュレーターまたはその塩は、約5mg/mlで投与される。いくつかの実施形態では、GABAA受容体モジュレーターまたはその塩は、約10mg/mlで投与される。いくつかの実施形態では、液体配合物0.01ml~500mlが、1日当たり投与される。いくつかの実施形態では、液体配合物0.05ml~250mlが、1日当たり投与される。いくつかの実施形態では、液体配合物0.05ml~50mlが、1日当たり投与される。いくつかの実施形態では、液体配合物0.1ml~25mlが、1日当たり投与される。いくつかの実施形態では、液体配合物1ml~250mlが、1日当たり投与される。いくつかの実施形態では、液体配合物1ml~200mlが、1日当たり投与される。いくつかの実施形態では、液体配合物50ml~200mlが、1日当たり投与される。いくつかの実施形態では、液体配合物25ml~100mlが、1日当たり投与される。いくつかの実施形態では、液体配合物5ml~50mlが、1日当たり投与される。いくつかの実施形態では、液体配合物1ml~20mlが、1日当たり投与される。いくつかの実施形態では、液体配合物1ml~5mlが、1日当たり投与される。
【0156】
[0126]いくつかの実施形態では、本明細書中に記載されるのは、
【0157】
【0158】
の構造を有する化合物、またはその塩もしくは多形を含む医薬組成物を対象に投与するステップを含む、対象においててんかん状態を治療する方法であり、投与は、対象においててんかん状態を治療するのに有効な量となる。いくつかの実施形態では、てんかん状態を治療するために有効な量は、対象の体重1kgにつき1日当たり化合物またはその塩もしくは多形の用量約0.0003mg~約1mgを含む。いくつかの実施形態では、その量は、対象の体重1kgにつき1日当たり、化合物またはその塩もしくは多形の用量0.3mg未満を含む。いくつかの実施形態では、その量は、対象の体重1kgにつき1日当たり、化合物またはその塩もしくは多形の用量0.1mg未満を含む。いくつかの実施形態では、その量は、対象の体重1kgにつき1日当たり、化合物またはその塩もしくは多形の用量0.03mg未満を含む。
【0159】
[0127]当業者は、一方の動物モデルにおける有効な用量によって、他方のモデルにおける等価投与量を推定しうる。例えば、マウスモデルにおいて効果的であることが示される用量は、相対成長係数(allometric scaling factor)(すなわち、12)で除して、ヒト等価投与量を生成することができる。
【0160】
[0128]GABAA受容体モジュレーター、塩、または組成物の投与は、1日少なくとも1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、または24回行うことができる。いくつかの場合では、GABAA受容体モジュレーター、塩、または組成物の投与は、週に少なくとも1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、または21回行うことができる。いくつかの場合では、GABAA受容体モジュレーター、塩、または組成物の投与は、月に少なくとも1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、31、32、33、34、35、36、37、38、39、40、41、42、43、44、45、46、47、48、49、50、51、52、53、54、55、56、57、58、59、60、61、62、63、64、65、66、67、68、69、70、71、72、73、74、75、76、77、78、79、80、81、82、83、84、85、86、87、88、89、または90回行うことができる。いくつかの実施形態では、GABAA受容体モジュレーターまたはその塩は、ある期間対象に投与される。その期間は、1日~30年になりうる。いくつかの実施形態では、その期間は、1日~20年、1週間~10年、1カ月~5年、1カ月~1年、1週間~1年、またはその間の任意の数または範囲である。
【0161】
[0129]本発明は、次の例によりさらに実証され、それからさらなる実施形態および利点を引き出すことができる。これらの例は、本発明を実証することを意味するが、その範囲に限定されるものではない。
本明細書は以下の発明の開示を包含する。
[項目1]一般式(1a)、一般式(1b)または一般式(1c)
【化30-1】
[式中、
X
1
、X
2
、X
3
、X
4
およびX
5
は、独立に、-C、-N、-Sまたは-Oであり、X
1
、X
2
、X
3
、X
4
およびX
5
の少なくとも2個は、-Nであり、
Y
1
およびY
2
は、独立に、-Cまたは-Nであり、
R
1
m
のmは、1であり、R
1
は、非置換フェニル、C
1
~C
4
アルキル、F、Cl、Br、I、-CNで置換されるフェニル、置換もしくは非置換ビフェニルまたは-(C=O)-R
3
(式中、R
3
は、置換もしくは非置換アリールまたは5-から6-員のヘテロアリールである)であり、
R
2
n
のnは、1または2であり、各R
2
は、独立に、置換もしくは非置換C
3
~C
8
シクロアルキル、置換もしくは非置換C
1
~C
6
アルキル、置換もしくは非置換C
1
~C
6
アルコール、置換もしくは非置換6-員ヘテロアリール、ハロゲン、または-O-CH
2
-R
4
(式中、R
4
は、置換もしくは非置換5-または6-員ヘテロアリールである)であり、
Z
1
、Z
3
、Z
4
、およびZ
5
は、独立に、-C、-N、-Sまたは-Oであり、
A
1
、およびA
2
およびA
3
は、独立に、-C、-N、または-(C=O)-O-R
7
、または
【化30-2】
(式中、
R
7
は、アルキルであり、
B
1
、B
2
、B
3
、およびB
4
は、独立に、-C、-N、または-Oであり、
R
21
S
のsは、1、2、3または4である)であり、
R
5
l
のlは、1または2であり、各R
5
は、独立に、C
1
~C
4
アルキニルまたはハロゲンであり、
R
6
k
のkは、1、2、3または4であり、各R
6
は、独立に、置換もしくは非置換アリール、置換もしくは非置換ヘテロアリール、置換もしくは非置換C
1
~C
3
アルキル、または水素であり、
R
12
p
のpは、1または2であり、各R
12
は、独立に、置換もしくは非置換C
1
~C
4
アルキル、I、Br、ClまたはFであり、
R
13
q
のqは、1、2、3または4であり、各R
13
は、独立に、置換もしくは非置換アリール、置換もしくは非置換ヘテロアリール、置換もしくは非置換C
1
~C
3
アルキル、酸素または水素である]の化合物の治療有効量を対象に投与して、対象においててんかん状態を治療するステップを含む、対象においててんかん状態を治療する方法。
[項目2]一般式(1a)、一般式(1b)または一般式(1c)
【化30-3】
[式中、
X
1
、X
2
、X
3
、X
4
およびX
5
は、独立に、-C、-N、-Sまたは-Oであり、X
1
、X
2
、X
3
、X
4
およびX
5
の少なくとも2個は、-Nであり、
Y
1
およびY
2
は、独立に、-Cまたは-Nであり、
R
1
m
のmは、1であり、R
1
は、非置換フェニル、C
1
~C
4
アルキル、F、Cl、Br、I、-CNで置換されるフェニル、置換もしくは非置換ビフェニルまたは-(C=O)-R
3
(式中、R
3
は、置換もしくは非置換アリールまたは5-から6-員のヘテロアリールである)であり、
R
2
n
のnは、1または2であり、各R
2
は、独立に、置換もしくは非置換C
3
~C
8
シクロアルキル、置換もしくは非置換C
1
~C
6
アルキル、置換もしくは非置換C
1
~C
6
アルコール、置換もしくは非置換6-員ヘテロアリール、ハロゲン、または-O-CH
2
-R
4
(式中、R
4
は、置換もしくは非置換5-または6-員ヘテロアリールである)であり、
Z
1
、Z
3
、Z
4
、およびZ
5
は、独立に、-C、-N、-Sまたは-Oであり、
- A
1
、およびA
2
およびA
3
は、独立に、-C、-N、または-(C=O)-O-R
7
、または
【化30-4】
(式中、
R
7
は、アルキルであり、
B
1
、B
2
、B
3
、およびB
4
は、独立に、-C、-N、または-Oであり、
R
21
s
のsは、1、2、3または4である)であり、
R
5
l
のlは、1または2であり、各R
5
は、独立に、C
1
~C
4
アルキニルまたはハロゲンであり、
R
6
k
のkは、1、2、3または4であり、各R
6
は、独立に、置換もしくは非置換アリール、置換もしくは非置換ヘテロアリール、置換もしくは非置換C
1
~C
3
アルキル、または水素であり、
R
12
p
のpは、1または2であり、各R
12
は、独立に、置換もしくは非置換C
1
~C
4
アルキル、I、Br、ClまたはFであり、
R
13
q
のqは、1、2、3または4であり、各R
13
は、独立に、置換もしくは非置換
アリール、置換もしくは非置換ヘテロアリール、置換もしくは非置換C
1
~C
3
アルキル、酸素または水素である]の化合物を対象に投与して、ナトリウムチャネルの突然変異に関連するてんかんを治療するステップを含む、対象において、ナトリウムチャネルの突然変異に関連するてんかんを治療する方法。
[項目3]化合物が、一般式(2)、(3)、(4)、(5)、(1c)または(7)、
【化30-5】
のものである、項目1または2に記載の方法。
[項目4]化合物が、一般式(2a)、(3a)、(4a)、(5a)、(5b)、(1c)または(7a)
【化30-6】
のものである、項目1から3のいずれか一項に記載の方法。
[項目5]R
1
m
のmが、1であり、R
1
が、
非置換フェニル、
置換基としてC
1
~C
4
-アルキル、F、Cl、Br、I、-CNを含む、置換フェニル、
非置換ビフェニル、
置換基として少なくとも1つの-CNを含む置換ビフェニル、
置換基として少なくとも1つの-CNを含む置換ビフェニル、または-(C=O)-R
3
[式中、R
3
は、ピリジンである]である、項目1から4のいずれか一項に記載の方法。
[項目6]化合物が、一般式(2a’)、(3a’)、(4a’)、(5a’)、(5b’)、(VI)または(7a’)、
【化30-7】
[式中、
R
10
は、置換もしくは非置換アリール、置換もしくは置換C
1
~C
3
アルキルまたは水素であり、
R
11
は、置換もしくは非置換アリール、置換もしくは非置換C
1
~C
3
アルキル、または水素であり、
R
12
p
のpは、1であり、R
12
は、I、Br、ClまたはFである]のものである、項目1から5のいずれか一項に記載の方法。
[項目7]化合物が、一般式(2a”)、(3a”)、(4a”)、(5a”)、(5b”)、(VIa”)または(7a”)、
【化30-8】
[式中、R
7
は、
非置換C
1
~C
6
アルキル、
非置換C
3
~C
8
シクロアルキル、
非置換C
1
~C
6
アルコールであり、
R
8
は、
-O-CH
2
-R
4
(式中、R
4
は、置換もしくは非置換5-員ヘテロアリールである)、または
非置換C
1
~C
6
アルコールであり、
R
9
は、
非置換C
6
ヘテロアリール、もしくは
ハロゲンであるか、または
R
9
は、式(4a”)中の非置換6-員ヘテロアリールもしくは式(5b”)中のハロゲンであり、
R
10
は、C
1
~C
3
アルキルまたは水素であり、
R
11
は、置換もしくは非置換アリールまたはヘテロアリールであり、
R
14
は、置換もしくは非置換アリールまたはヘテロアリールであり、
R
12
は、I、Cl、BrまたはFであり、または
R
5
は、C
2
アルキニルまたはIである]のものである、項目1から6のいずれか一項に記載の方法。
[項目8]化合物が、α1、α2、α3、またはα5GABA
A
受容体モジュレーターである、請
求項1から7のいずれか一項に記載の方法。
[項目9]化合物が、ポジティブアロステリックα2またはα3GABA
A
受容体モジュレーターである、項目8に記載の方法。
[項目10]対象が、ヒトである、項目1から9のいずれか一項に記載の方法。
[項目11]対象が、イヌである、項目1から9のいずれか一項に記載の方法。
[項目12]対象が、0~17歳である、項目1から9のいずれか一項に記載の方法。
[項目13]対象が、18~130歳である、項目1から9のいずれか一項に記載の方法。
[項目14]化合物の治療有効量が、薬学的に許容される賦形剤、希釈剤、または担体を含む、医薬組成物中に存在する、項目1から13のいずれか一項に記載の方法。
[項目15]てんかん状態が、中心側頭葉の良性小児てんかん、良性小児後頭葉てんかん(BOEC)、常染色体優性夜間前頭葉てんかん(ADNFLE)、原発性読書てんかん、小児欠神てんかん(CEA)、若年性欠神てんかん、若年性ミオクローヌスてんかん(JME)、症候性局在関連てんかん、側頭葉てんかん(TLE)、前頭葉てんかん、ラスムッセン脳炎、ウエスト症候群、ドラベ症候群、進行性ミオクローヌスてんかん、およびレノックス・ガストー症候群(LGS)からなる群から選択される、項目1に記載の方法。
[項目16]ナトリウムチャネルの突然変異が、電位依存性ナトリウムチャネルαサブユニット1(SCN1A)遺伝子の突然変異を含む、項目2に記載の方法。
[項目17]
【化30-9】
からなる群から選択される化合物、
その塩、およびその多形を含む医薬組成物の量を対象に投与して、対象においてドラベ症候群を治療するステップを含む、対象においてドラベ症候群を治療する方法。
[項目18]化合物が、
【化30-10】
、その塩、またはその多形である、項目17に記載の方法。
[項目19]量が、対象に投与する場合、対象の体重につき1日当たり約0.003mg/kg~1日当たり約10mg/kgの用量で投与した場合、ドラベ症候群を治療するのに効果的である、項目17に記載の方法。
[項目20]対象が、ヒトである、項目17に記載の方法。
[項目21]対象が、イヌである、項目17に記載の方法。
[項目22]医薬組成物が、薬学的に許容される賦形剤、希釈剤、または担体をさらに含む、項目17に記載の方法。
[項目23]メチルセルロースである、担体を含む、項目22に記載の方法。
[項目24]化合物が、
【化30-11】
、その多形、またはその塩である、項目17に記載の方法。
[項目25]リン酸塩である、塩を含む、項目24に記載の方法。
[項目26]硫酸塩である、塩を含む、項目24に記載の方法。
[項目27]多形を含み、前記多形が、(a)Cu:K-α(λ=1.54179Å)のX-線波長パラメータ;(b)X線管電圧設定40kVおよび電流40mA;(c)走査スコープ約3°~約40°;(d)サンプル回転速度約15rpm;ならびに(e)1分間当たり走査速度10°を用いて測定した場合、2-θが約6.4、7.5、10.2、12.7、13.3、14.5、16.0、17.1、17.4、17.9、18.5、19.1、19.7、20.3、20.9、21.5、22.6、23.7、26.2
、26.7、26.9、27.5、28.4、30.2、および32.1±0.2°からなる群から選択される値のうちの少なくとも3つの特性ピーク位置を有する、粉末X線回折(XRPD)を有する、項目24から26のいずれか一項に記載の方法。
[項目28]投与が、経口投与を含む、項目17に記載の方法。
[項目29]投与が、1日少なくとも1回行われる、項目17に記載の方法。
[項目30]ドラベ症候群を治療するのに効果的である量の投与が、対象において嗜眠状態または鎮静をもたらさない、項目17から29のいずれか一項に記載の方法。
[項目31]式の化合物:
【化30-12】
、その薬学的に許容される塩、または多形の量を、対象に投与して、対象においててんかん状態を治療するステップを含み、前記量が、対象の体重1kg当たり約0.003mg~約10mgの用量を含む、対象においててんかん状態を治療する方法。
[項目32]投与が、クロバザムの等価投与量の投与に基づいて生じる発作の量より少なくとも20%少ない量まで、発作の量を減少させる、項目31に記載の方法。
[項目33]量が、対象の体重1kg当たり約0.08mg~1kg当たり約2.5mgの用量を含む、項目31に記載の方法。
[項目34]化合物が、常温保存可能な配合物中に存在する、項目31に記載の方法。
[項目35]化合物が、眠気を誘わない配合物として配合される、項目31に記載の方法。
[項目36]眠気を誘わない配合物が、カフェインを含む、項目35に記載の方法。
[項目37]化合物、薬学的に許容されるその塩、または多形が、リン酸塩またはその多形である、項目31に記載の方法。
[項目38]化合物、薬学的に許容されるその塩、または多形が、硫酸塩またはその多形である、項目31に記載の方法。
[項目39]一般式(5a’)
【化30-13】
[式中、
R
1
は、非置換フェニル、C
1
~C
4
-アルキル、F、Cl、Br、I、-CNで置換されるフェニル、置換もしくは非置換ビフェニル、または-(C=O)-R
3
(式中、R
3
は、置換もしくは非置換アリールまたは5-から6-員のヘテロアリールである)であり、
R
2
n
のnは、1または2であり、各R
2
は、独立に、置換もしくは非置換C
3
~C
8
シクロアルキル、置換もしくは非置換C
1
~C
6
アルキル、置換もしくは非置換C
1
~C
6
アルコール、置換もしくは非置換6-員ヘテロアリール、ハロゲン、または-O-CH
2
-R
4
(式中、R
4
は、置換もしくは非置換5-または6-員ヘテロアリールである)で
ある]の化合物またはその塩もしくは多形を含む医薬組成物を対象に投与するステップを含み、
投与が、対象においててんかん状態を治療するのに有効な量であり、前記量が、対象の体重1kgにつき1日当たり、化合物またはその塩もしくは多形の用量約0.003mg~約1mgを含む、対象においててんかん状態を治療する方法。
[項目40]
【化30-14】
の構造を有する化合物、またはその塩もしくは多形を含む、医薬組成物を対象に投与するステップを含み、投与が、対象においててんかん状態を治療するのに有効な量となり、前記量が、対象の体重1kgにつき1日当たり化合物またはその塩もしくは多形の用量約0.0003mg~約1mgを含む、対象においててんかん状態を治療する方法。
[項目41]化合物、またはその塩もしくは多形が、リン酸塩またはその多形である、項目39または40に記載の方法。
[項目42]化合物、またはその塩もしくは多形が、硫酸塩またはその多形である、項目39または40に記載の方法。
[項目43]化合物、またはその塩もしくは多形が、リン酸塩の多形であり、前記リン酸塩の多形が、(a)Cu:K-α(λ=1.54179Å)のX-線波長パラメータ;(b)X線管電圧設定40kVおよび電流40mA;(c)走査スコープ約3°~約40°;(d)サンプル回転速度約15rpm;ならびに(e)走査速度1分間当たり10°を用いて測定した場合、2-θが、約6.4、7.5、10.2、12.7、13.3、14.5、16.0、17.1、17.4、17.9、18.5、19.1、19.7、20.3、2
0.9、21.5、22.6、23.7、26.2、26.7、26.9、27.5、28.4、30.2、および32.1±0.2°からなる群から選択される値のうちの少なくとも3つの特性ピーク位置を有する粉末X線回折(XRPD)パターンを示す、項目40に記載の方法。
[項目44]医薬組成物が、経口または経皮投与用に配合される、項目39または40に記載の方法。
[項目45]量が、対象の体重1kgにつき1日当たり、化合物またはその塩もしくは多形の用量0.3mg未満を含む、項目39または40に記載の方法。
[項目46]量が、対象の体重1kgにつき1日当たり、化合物またはその塩もしくは多形の用量0.1mg未満を含む、項目39または40に記載の方法。
[項目47]量が、対象の体重1kgにつき1日当たり、化合物またはその塩もしくは多形の用量0.03mg未満を含む、項目39または40に記載の方法。
[項目48]てんかん状態が、ドラベ症候群である、項目39または40に記載の方法。
[項目49]てんかん状態が、焦点発作である、項目39または40に記載の方法。
[項目50]てんかん状態が、全般てんかんまたは素因性てんかんである、項目39または40に記載の方法。
[項目51]化合物、またはその塩もしくは多形が、リン酸塩またはその多形でなく、硫酸塩またはその多形でない、項目39または40に記載の方法。
[項目52]化合物が、眠気を誘わない配合物として配合される、項目39または40に記載の方法。
[項目53]眠気を誘わない配合物が、カフェインを含む、項目52に記載の方法。
[項目54]てんかん状態が、中心側頭葉の良性小児てんかん、小児期の良性後頭部てんかん(BOEC)、常染色体優性夜間前頭葉てんかん(ADNFLE)、原発性読書てんかん、小児欠神てんかん(CEA)、若年性欠神てんかん、若年性ミオクローヌスてんかん(JME)、症候性局在関連てんかん、側頭葉てんかん(TLE)、前頭葉てんかん、ラスムッセン脳炎、脳性麻痺、低酸素性脳症、ダウン症候群、低酸素性虚血性脳症(HIE)、ウエスト症候群、ドラベ症候群、焦点発作、進行性ミオクローヌスてんかん、またはレノックス・ガストー症候群(LGS)からなる群から選択される、項目39または40に記載の方法。
[項目55]対象が、ヒトである、項目39または40に記載の方法。
【0162】
[0130]実施例1 - 配合物
[0131]模範的なGABAA受容体モジュレーターを、投与前に配合した。各モジュレー
ターを、Tylose MH 300(0.5%w/v)、Tween 80(最終体積1%)、および0.9%静菌生理食塩水(最終体積まで)で合わせた。次いで、得られた懸濁液を、37℃で少なくとも10分間超音波処理した。
【0163】
[0132]0.5%Tylose MH 300(w/v)および1%Tween 80(v/v)の0.9%静菌生理食塩水対照溶液をやはり調製した。
[0133]実施例2 - 試験計画
[0134]動物
[0135]種の選択についての理由:Scnla+/-ノックアウトマウス([129xB]F1.Scnla+/-)は、翻訳値が高いDSのモデル対象である。
【0164】
[0136]数:第1世代のScnla+/-ヘテロ接合のノックアウトマウス([129xB]F1.Scnla+/-)112匹(雄56匹および雌56匹)
[0137]予備の動物:野生型同腹仔112匹。予備の動物の一部を用いて、模範的なGABAA受容体モジュレーターについてのPKプロフィールを決定した。
【0165】
[0138]系統/衛生状態:Scnla+/-ヘテロ接合のノックアウトマウス([129xB]F1.Scnla+/-)
[0139]ブリーダー:Scnla+/-繁殖雄マウス(129S-Scnla+/-、n=12)を取得し、繁殖トリオとしてC57BL/6J雌(n=24)と共に設定した。
【0166】
[0140]年齢/重量:P14~P16の間のScnla+/-ヘテロ接合のノックアウトマウスを、処置群にランダムに割り付けた。
[0141]受入:到着次第、繁殖雌C57BL/6Jマウスに理学的検査をし、健常であることを保証した。Scnla+/-繁殖雄マウス(129S-Scn1a+/-、n=12)を、PCR検査により明らかになるまで2週間隔離した。
【0167】
[0142]順化:順化は必要なかった。Scnla+/-ヘテロ接合のノックアウトマウスを離乳させた後、本試験に登録し、処置を行った。
[0143]群への割当:離乳後、必要とする数の動物を、(性別により)処置群にランダムに割り当てた。
【0168】
[0144]同定:繁殖トリオから産まれたScnla+/-ヘテロ接合のノックアウトマウスに、各ケージ中でP7~10の年齢で足趾クリッピングによって番号を付けた。ケージカードによって、各ケージ内の動物数を示した。PK試験に指定されなかった野生型同腹仔を、安楽死させた。Scnla+/-ヘテロ接合のノックアウトマウス([129xB]F1.Scnla+/-)のみを、高熱誘発性発作試験に登録した。
【0169】
[0145]環境条件
[0146]到着から、動物を、SPFによってバリヤーされたげっ歯類ユニットで飼育した。動物室の条件を、次の通り設定した。
温度:20~26℃(68~79°F)
相対湿度:50±20%
明/暗周期:12h/12h;点灯を、0700に開始する、
換気:ろ過された、再利用されない空気およそ10~15周期/時間。
【0170】
[0147]対応する器械および装置を点検し、一定の間隔で較正した。温度および相対湿度を連続的に記録した(警報システムを備えた記録デバイス)。
[0148]動物室を、動物の到着前に消毒し、その後、定期的に清掃した。
【0171】
[0149]住居
[0150]Scnla+/-繁殖雄マウス(129S-Scnla+/-)およびC57BL/6J雌を、到着次第、Micro-Filter Topおよび1/4インチのトウモロコシの穂軸で作った寝床を含有する孔あき保持装置を有する、ステンレス鋼製の蓋を備えた、オートクレーブされたポリカーボネートケージ中で、それぞれケージ当たり4匹を飼育した。
【0172】
[0151]1匹の繁殖雄および2匹の雌を、繁殖トリオとして設定した。子孫(Scnl+/-ヘテロ接合のノックアウトマウス([129xB]F1.Scnla+/-および野生型)を、試験に登録されるまで、その母親(C57BL/6J雌)と一緒に飼育した。PK試験における使用のために指定されない場合を除き、野生型同腹仔を、[129xB]F1.Scnla+/-同腹仔を本試験に登録した後、安楽死させた。
【0173】
[0152]実施例3 - 低体温によって誘発される発作の処置
[0153]処置群
[0154]用量レベル選択についての根拠 - 用量レベルを、以前の試験の結果に基づいて選択した。
【0174】
[0155]P14~16の間、Scnla+/-ヘテロ接合のノックアウトマウスを、処置群にランダムに割り付けた(処置群当たりn=雄7、雌7)。ドラベ症候群の場合を含めた、てんかん状態についての技術分野で許容される動物モデルであるため、Scnla+/-ノックアウトマウスモデルを選んだ。処置は、GABAA受容体モジュレーター1(0.1、0.3、1.0mg/kgでのリン酸塩としての「化合物1」)、GABAA受容体モジュレーター2(3、10、30、100mg/kgでの「化合物2」)、ビヒクル、またはクロバザム(「CBZ」)(10mg/kg;陽性対照)である。
【0175】
[0156]期間
[0157]用量処方を、本試験のために単独で投与した。
[0158]投与
[0159]GABAA受容体モジュレーターを、27または30ゲージの0.5”-長ベベル針を付けた0.5または1-mlのプラスチック製注射筒を用いて腹腔内投与した(i.p.)。
【0176】
[0160]実験の日に測定した通り、体重1kg当たり10mlの配合物を動物に投与した。
[0161]配合物を、この手順にわたって、送達条件(温度37℃)に調整し、維持した。
【0177】
[0162]配合物を、それらの容器を2~3回ひっくり返すことにより、投与直前に混合した。
[0163]用量濃度を検証するために、マウスに、被験物質または対照を投与し、個別の住居ケージに置いた。温度プローブを、マウスの直腸に緩やかに挿入し、タグ端がマウスの背側になるようにマウスの尾にプローブのワイヤを貼り付けることにより固定した。各群について、プローブの挿入は、次の通りである。
a.CBZを投与したマウスの場合、高熱の状態に達したとき、20~30分の前処置を可能にするために、5分経過した後、プローブを挿入した。
b.化合物1を投与したマウスの場合、高熱の状態に達したとき、50~60分の前処置を可能にするために、35分経過した後、プローブを挿入した。
c.化合物を投与したマウスの場合、高熱の状態に達したとき、20~30分の前処置を可能にするために、5分経過した後、プローブを挿入した。
【0178】
[0164]各マウスを、ベースライン温度を記録する前に5分間温度プローブに順応させた。
図1~3は、熱誘発性発作を誘発する前の雌のマウス、雄マウスの出発温度、およびすべてのマウスの平均出発温度を示す。
【0179】
[0165]姿勢の消失を伴う第1の強直間代性の開始が観察されるまでまたは体温が42.5℃に達するまで、温熱パッド(heating pad)にマウスをとどめることにより、マウスの中核体温は、2分毎に約0.5℃上昇した。
図4~6は、加温後の雌のマウスの最終中核体温、雄マウスの最終中核体温、およびすべてのマウスの平均最終中核体温を示す。
図7~9は、雌のマウスについての全温度変化、雄マウスについての全温度変化、およびすべてのマウスの平均を示し;
図10~12は、雌のマウスについての1分間当たりの平均の温度変化、雄マウスについての1分間当たりの平均の温度変化、ならびにすべてのマウスの平均を示す。マウスの体温を、42.5℃で3分間維持した。発作が起こらなかった場合、そのマウスは、発作なしと考えられた。
下記の表1~9は、対照、CBZ、化合物1、および化合物2の投与の結果、ならびに投与量の機能として発作に対して保護するそれらの能力を示す。
【0180】
【0181】
【0182】
【0183】
【0184】
【0185】
【0186】
【0187】
【0188】
【0189】
[0166]データの概要を、表10および
図13に示す。
【0190】
【0191】
[0167]表10に示す通り、GABAA受容体モジュレーター化合物1および化合物2は、ビヒクルの投与と比較して、動物モデルにおける発作の量を減少させた。さらに、化合物1および化合物2は、クロバザム陽性対照と少なくとも同様に行った。クロバザムが、発作のための第1選択治療であると仮定すると、GABAA受容体モジュレーターは、発作を治療するための有望な治療薬である。実際には、本データから、化合物2が、用量依存的な方式で発作を処置し、100mg/kg用量が、各動物(n=8)において発作を完全に予防することが示される。
【0192】
[0168]実際には、約0.1mg/kg~約100mg/kgの化合物1または化合物2の投与は、マウスモデルにおける発作の予防で効果的であることが示された。当業者は、他の動物へのこの有効な量を推定することが可能であるはずである。例えば、ヒトについての相対成長係数12を用いると、ヒト換算用量は、およそ0.008mg/kg~約10mg/kgであるはずである。
【0193】
[0169]当業者は、高熱誘発性の動物モデルにおける発作の処置での化合物1および化合物2の有効性は、特定の化合物に限定されないことが理解されるはずである。つまり、当業者は、あるクラスとしてのGABAA受容体モジュレーターが、化合物1および化合物2で示された有効性に匹敵する方式での発作の処置で効果的であるはずであるということを当然予想するはずである。さらに、当業者は、有効性が、Scnla+/-ノックアウトマウスにおいて発作を防止することに限定されないということを理解するはずである。つまり、動物モデルは、ドラベ症候群を含めた、様々なてんかん状態のために十分に確立された動物モデルである。したがって、当業者は、GABAA受容体モジュレーターのクラス全体が、発作を予防することによるてんかん状態の処置で効果的であるということを当然予想するはずである。
【0194】
[0170]したがって、これらの結果によって、マウスの熱誘発性発作モデルにおいて実証される通り、一般に、てんかん状態の処置で、あるクラスとしての、GABAA受容体モジュレーターの可能性を実証する。
【0195】
[0171]実施例4 - 薬物動態学的な決定
[0172]化合物1および化合物2についての薬物動態学的パラメータを決定するために、P14~P16マウス(n=7 群-1 性別-1 時点-1)に、化合物1および化合物2を投与し、最終的な血液サンプルを、次の時点で収集する。
a.化合物1:30分、1時間、2時間、4時間、8時間、12時間、24時間
b.化合物2:30分、1時間、2時間、4時間、8時間、12時間、24時間
[0173]採血:採血直前にマウスにCO2を吸入させることにより、安楽死させる。27ゲージ針を用いた心穿刺によって血液を収集し、500μLのK3EDTA管に移し、直ちにウェットアイスに置いた。これらのサンプルは、収集の2時間以内に、(+4℃を維持するよう設定した)冷蔵条件下で2900gで10分間遠心した。血漿を、2時間以内に個別の管に移し、-20℃で保管した。
【0196】
[0174]用量処方濃度検証
[0175]各配合物の0.3mlアリコートは、中間用量濃度位置から収集し、パラフィルムで包んだ、密封したバイアルで2~4℃またはそれ以下で本試験終了まで貯蔵する。
【0197】
[0176]少なくとも6種の較正標準からなる検量線は、LC/UV法を用いて構成される。
[0177]用量処方サンプル中の試験化合物の濃度を、LC/UV法により決定する。
【0198】
[0178]試験項目の血漿レベルの決定
[0179]生体マトリックスにおける試験化合物の定量的決定についてのLC-MS/MS法を、非-GLPコンプライアンス下で開発する。
【0199】
[0180]少なくとも6種の非-ゼロ較正標準(STDs)を有する検量線は、LC-MS/MS法について構成される。
[0181]試験サンプルのアッセイ
[0182]試験サンプルは、適切な調製後、LC-MS/MSを用いて、バッチにおいてアッセイされる。一般に、2組のQCサンプルが低、中間、高濃度からなる1組の検量線は、サンプル数が48以下である場合に適用される。次いで、サンプル数が48を超える場合、2組のQCサンプルを有する2組の検量線は、適用される。
【0200】
[0183]一般に、1つの試薬ブランク、1つの血漿ブランク、適用できる場合、内部標準のみを含む2つの血漿ブランクを実行する。
[0184]異なるPKプロジェクトの同じマトリックスにおけるサンプルを、同じ分析の実行で定量化する。
【0201】
[0185]分析バッチの許容される基準
[0186]直線性:STDの≧75%を、生体液中のそれらの名目値の±20%(LLOQの場合±25%)以内までならびに組織ホモジネートおよび糞便サンプル中のそれらの名目値の25%(LLOQの場合30%)以内まで逆算した。
【0202】
[0187]精度:すべてのQCサンプルの≧67%を、生体液についてのそれらの名目値の±20%以内までならびに組織および糞便サンプルについてのそれらの名目値の25%以内まで逆算した。
【0203】
[0188]特異度:単一のブランクマトリックス中の分析物の平均算出濃度は、LLOQの0.5倍未満であるべきである。
[0189]薬物動態学的分析
[0190]薬物動態学的データの分析を、各用量レベル、ジェンダーおよび試料採取につい
て行う。
【0204】
[0191]一般に、次のトキシコキネティクスパラメータ、すなわち、C0、Cmax、Tmax、T1/2、AUC0-t、AUC0-inf、MRT0-t、MRT0-inf、ClおよびVssを、可能であれば、算出した/測定した。
【0205】
[0192]定量化の下限以内の値を、個別の表におけるBLQとして報告し、記述的統計の場合0と考え、統計上の算出に組み込む。個別の濃度の平均が、定量限界以下である場合、BLQを報告する。
【0206】
[0193]本発明の好ましい実施形態が、本明細書中に示され記載され、かかる実施形態が、例として示されるに過ぎないということは、当業者に明らかである。多数の変形、変更、および置き換えは、ここに、本発明から逸脱することなく、当業者が行う。本明細書中に記載される本発明の実施形態への様々な代替が、本発明を実行する上で行うことができるということが理解されるべきである。次の特許請求の範囲は、本発明の範囲を定義し、これらの特許請求の範囲およびそれらの相等物の範囲内の方法および構造がそれにより包含されることを意図している。
【0207】
[0194]実施例5 - 急性発作のマウスおよびラットモデルにおける化合物1の急性の抗痙攣有効性の評価
[0195]方法:
[0196]化合物1を、CF-1マウスにおいて32および44mA強度で、急性6Hz発作モデルの抗痙攣有効性について試験した。化合物1を、単一の時点で急性投与後、6Hz発作試験における用量関連有効性について評価し、陽性対照ジアゼパム(DZP)の有効性と比較した(薬物投与0.5時間後に試験した)。配合物ビヒクル(VEH)を、陰性対照として用いた。
【0208】
[0197]化合物の経口投与後、マウスに、32または44mA電流を3秒間角膜電極によって送達し、適切な時点で負荷し、典型的な発作を誘発した。6Hz発作は、最初の瞬間的な気絶、その後、直ちに、前肢のクローヌス、感覚毛の単収縮、およびストラウブ挙尾1を特徴とした。刺激後即時(5~10秒)の期間内にこれらの挙動のすべてを示さない動物は、「保護された」と考えた(N=保護された数/F=試験した数)。
【0209】
[0198]化合物1を投与し、3時間後に抗痙攣有効性について試験した。化合物を、0.01mL/gの体積で、3通りの用量(0.01、0.03、および0.1mg/kg;n=8 雄CF-1マウス/用量群)で投与した。試験を1~2日にわたって行い、それぞれ試験するコホートの動物をランダム化して治験化合物またはビヒクルの単一用量を投与した。試験を行ったそれぞれの日について、動物を、セッション当たりマウス20~30匹のコホートで試験し、処置を、すべての群および試験日にわたってランダム化した。動物の50%において所望のエンドポイントをもたらすのに必要とされる化合物の用量(ED50)および95%信頼区間を、プロビット法6に基づいたコンピュータプログラムにより算出した。ビヒクルによって処置したマウスおよびDZPによって処置した(1mg/kg、P.O.)マウスの群は、DZPのピーク効果の以前に決定した時間(0.5hrs)で並行してやはり試験し;全試験を、処置条件を盲検化した研究者により行った。陰性対照の数と比較して、保護されたマウスの数の統計的に有意な(P≦0.05)増加は、有効性があると考えた。結果の概要を、表11に示す。
【0210】
【手続補正書】
【提出日】2025-08-18
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
対象において、(1)全般てんかん、(2)焦点発作、または(3)レノックス・ガストー症候群(LGS)である、てんかん状態を治療するための薬の製造における化合物の使用であって、化合物が、
【化1】
または、その塩、溶媒和物もしくは多形である、使用。
【請求項2】
化合物が、α1、α2、α3、またはα5GABAA受容体モジュレーターである、請求項1に記載の使用。
【請求項3】
化合物が、ポジティブアロステリックα2またはα3GABAA受容体モジュレーターである、請求項2に記載の使用。
【請求項4】
対象が、ヒトである、請求項1から3のいずれか一項に記載の使用。
【請求項5】
化合物が、
【化2】
、またはその塩、溶媒和物、もしくは多形である、請求項1から4のいずれか一項に記載の使用。
【請求項6】
化合物が、
【化3】
、またはその塩、溶媒和物、もしくは多形である、請求項1から4のいずれか一項に記載の使用。
【請求項7】
対象において、(1)全般てんかん、(2)焦点発作、または(3)レノックス・ガストー症候群(LGS)である、てんかん状態を治療するための薬の製造における化合物の使用であって、薬が化合物を含む医薬組成物を含み、化合物が、
【化4】
または、その塩、溶媒和物もしくは多形であり、医薬組成物が対象においててんかん状態を治療するのに有効な量で存在する、使用。
【請求項8】
対象において、(1)全般てんかん、(2)焦点発作、または(3)レノックス・ガストー症候群(LGS)である、てんかん状態を治療するための薬の製造における化合物の使用であって、薬が化合物を含む医薬組成物を含み、化合物が、
【化5】
または、その塩、溶媒和物もしくは多形であり、医薬組成物が対象においててんかん状態を治療するのに有効な量で存在し、量が、対象の体重1kgにつき1日当たり化合物の用量0.0003mg~1mgを含む、使用。
【請求項9】
化合物が、リン酸塩である、請求項7または8に記載の使用。
【請求項10】
化合物が、硫酸塩である、請求項7または8に記載の使用。
【請求項11】
化合物が、リン酸塩であり、前記リン酸塩が、(a)Cu:K-α(λ=1.54179Å)のX-線波長パラメータ;(b)X線管電圧設定40kVおよび電流40mA;(c)走査スコープ約3°~約40°;(d)サンプル回転速度約15rpm;ならびに(e)走査速度1分間当たり10°を用いて測定した場合、2-θが、6.4、7.5、10.2、12.7、13.3、14.5、16.0、17.1、17.4、17.9、18.5、19.1、19.7、20.3、20.9、21.5、22.6、23.7、26.2、26.7、26.9、27.5、28.4、30.2、および32.1±0.2°からなる群から選択される値のうちの少なくとも3つの特性ピーク位置を有する粉末X線回折(XRPD)パターンを示す、請求項7に記載の使用。
【請求項12】
医薬組成物が、経口または経皮投与用に配合される、請求項7または8に記載の使用。
【請求項13】
量が、対象の体重1kgにつき1日当たり、化合物の用量0.3mg未満を含む、請求項7または8に記載の使用。
【請求項14】
量が、対象の体重1kgにつき1日当たり、化合物の用量0.1mg未満を含む、請求項7または8に記載の使用。
【請求項15】
量が、対象の体重1kgにつき1日当たり、化合物の用量0.03mg未満を含む、請求項7または8に記載の使用。
【請求項16】
化合物がリン酸塩ではなく、かつ硫酸塩ではない、請求項7または8に記載の使用。
【請求項17】
医薬組成物が、カフェインを含む、請求項7または8に記載の使用。
【請求項18】
対象が、ヒトである、請求項7または8に記載の使用。
【請求項19】
化合物が、
【化6】
、またはその塩、溶媒和物、もしくは多形である、請求項7から18のいずれか一項に記載の使用。
【請求項20】
化合物が、
【化7】
、またはその塩、溶媒和物、もしくは多形である、請求項7から18のいずれか一項に記載の使用。
【外国語明細書】