(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2025015759
(43)【公開日】2025-01-30
(54)【発明の名称】インクジェット記録装置
(51)【国際特許分類】
B41J 2/165 20060101AFI20250123BHJP
B41J 2/02 20060101ALI20250123BHJP
B41J 2/01 20060101ALI20250123BHJP
【FI】
B41J2/165 401
B41J2/02
B41J2/01 451
【審査請求】有
【請求項の数】12
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2024201376
(22)【出願日】2024-11-19
(62)【分割の表示】P 2023191245の分割
【原出願日】2019-07-10
(71)【出願人】
【識別番号】502129933
【氏名又は名称】株式会社日立産機システム
(74)【代理人】
【識別番号】110001689
【氏名又は名称】青稜弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】有馬 崇博
(72)【発明者】
【氏名】溝口 翔
(72)【発明者】
【氏名】宮尾 明
(72)【発明者】
【氏名】上田 文臣
(72)【発明者】
【氏名】岡野 守
(57)【要約】
【課題】
本発明は、印字ヘッドの洗浄を容易にするとともに、洗浄に使用した溶剤(洗浄液)を、簡単に回収することができるインクジェット記録装置を提供する。
【解決手段】
インクの供給を受けて印字を行う印字ヘッドと、インク収容のためのインク容器と溶剤収容のための溶剤容器とを含み、前記インク容器内の前記インクを前記印字ヘッドに供給する本体とを有するインクジェット記録装置において、洗浄槽と、洗浄ノズルと、回収容器を備えている。そして、印字ヘッドを洗浄槽の内部にセットし、洗浄ノズルから溶剤を噴出して前記印字ヘッドを洗浄し、洗浄後の前記溶剤を回収容器により回収するようにした。
【選択図】
図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
本体部と印字ヘッド部を有するインクジェット記録装置であって、
前記本体部は、印字対象物に印字をするためのインクが収容され、前記印字ヘッド部にインクを供給するインク容器と、溶剤が収容され、前記印字ヘッド部に供給する溶剤容器とを有し、
前記印字ヘッド部は、前記インク容器に接続されて加圧供給されたインクが吐出されるノズルと、前記ノズルから吐出されたインク粒子を帯電させる帯電電極と、前記帯電電極で帯電されたインク粒子を偏向する偏向電極と、印字に使用されないインクを回収するガターを有し、
さらに、前記印字ヘッド部を装着可能に構成されたヘッド装着ユニットを備え、
前記ヘッド装着ユニットは、磁力を利用して前記印字ヘッド部が装着されているかどうかを検知するヘッド検知部を有するインクジェット記録装置。
【請求項2】
請求項1に記載のインクジェット記録装置であって、
前記ヘッド装着ユニットは、前記印字ヘッドを溶剤を用いて洗浄する際に用いられるものであり、洗浄液を通過させる連通穴が形成された底部と、前記底部から上方に延びた周壁部とを有し、
前記印字ヘッド部が装着された際に前記印字ヘッド部の先端部分が前記周壁部に囲まれる構造を有することを特徴とするインクジェット記録装置。
【請求項3】
請求項1または2に記載のインクジェット記録装置であって、
前記ヘッド装着ユニットは、前記本体部の側壁に着脱可能に取り付けられる構造を有することを特徴とするインクジェット記録装置。
【請求項4】
請求項1~3のいずれかに記載のインクジェット記録装置であって、
前記ヘッド装着ユニットは、前記印字ヘッド部が装着されているときに溶剤を用いて洗浄するために用いられるものであり、さらに、前記印字ヘッド部を洗浄した洗浄液を回収する回収容器を備えることを特徴とするインクジェット記録装置。
【請求項5】
請求項4に記載のインクジェット記録装置であって、
前記ヘッド洗浄ユニットで定期的な自動でのヘッド洗浄制御を実施することを特徴とするインクジェット記録装置。
【請求項6】
請求項4または5に記載のインクジェット記録装置であって、
前記印字ヘッドが前記ヘッド洗浄ユニットに装着されている場合にインクを噴出してインク循環を実施することを特徴とするインクジェット記録装置。
【請求項7】
本体部と印字ヘッド部を有するインクジェット記録装置であって、
前記本体部は、印字対象物に印字をするためのインクが収容されるインク容器と、溶剤が収容される溶剤容器を有し、
前記印字ヘッド部は、前記インク容器に接続されて加圧供給されたインクが吐出されるノズルと、前記ノズルから吐出されたインク粒子を帯電させる帯電電極と、前記帯電電極で帯電されたインク粒子を偏向する偏向電極と、印字に使用されないインクを回収するガターを有し、
さらに、前記印字ヘッド部を装着可能に構成されたヘッド装着ユニットを備え、
前記ヘッド装着ユニットは、前記印字ヘッド部を洗浄した洗浄液を回収する回収容器と、前記回収容器内に溜まった洗浄液の液量を検知する液量センサとを備えるインクジェット記録装置。
【請求項8】
請求項7に記載のインクジェット記録装置であって、
前記ヘッド洗浄ユニットは、前記印字ヘッドが装着されているかどうかを検出するヘッド検出手段を有することを特徴とするインクジェット記録装置。
【請求項9】
請求項8に記載のインクジェット記録装置であって、
前記ヘッド検出手段は、磁力を利用して前記印字ヘッドの装着を検出することを特徴とするインクジェット記録装置。
【請求項10】
請求項7~9のいずれかに記載のインクジェット記録装置であって、
前記ヘッド洗浄ユニットで定期的な自動でのヘッド洗浄制御を実施することを特徴とするインクジェット記録装置。
【請求項11】
請求項7~10のいずれかに記載のインクジェット記録装置であって、
前記印字ヘッドが前記ヘッド洗浄ユニットに装着されている場合にインクを噴出してインク循環を実施することを特徴とするインクジェット記録装置。
【請求項12】
請求項10または11に記載のインクジェット記録装置であって、
前記あふれ検知により、回収容器内のインクまたは洗浄液が一定値を超えた場合にインク噴出またはヘッド洗浄を停止するよう制御されることを特徴とするインクジェット記録装置。
【請求項13】
請求項7~12のいずれかに記載のインクジェット記録装置であって、
前記ヘッド装着ユニットは、洗浄液を通過させる連通穴が形成された底部と、前記底部から上方に延びた周壁部とを有し、
前記印字ヘッド部が装着された際に前記印字ヘッド部の先端部分が前記周壁部に囲まれる構造を有することを特徴とするインクジェット記録装置。
【請求項14】
請求項7~13のいずれかに記載のインクジェット記録装置であって、
前記印字ヘッド部の洗浄中の溶剤ガスを、前記ガター及び前記印字ヘッド部のノズルの少なくとも一方から吸引する制御を実施することを特徴とするインクジェット記録装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ノズルから連続的にインクを噴出し、被印字媒体上に印字を行うインクジェット記録装置に関する。
【背景技術】
【0002】
本技術分野におけるノズル洗浄に関する技術として、特開2002-103636号公報(特許文献1)に記載の技術が知られている。特許文献1には、「印字ヘッドで、クリーニングされるべきインクノズルの下流側に、ノズルの側方にずらし、固定されたクリーニングジェットを設置する。インクジェットが停止した時、このクリーニングジェットによって、所定の量の溶剤が噴射され、これが、所定の角度でノズルに当たる。このようにして、小滴生成器の前面がクリーニング(洗浄)され、インク残留物が、ハウジングの反対側に向けて排出される。次いで、クリーニングジェットを通りインクノズルに向けて、乾いた圧縮空気が吹きかられ、ノズルの前部を乾燥させ、インク残留物が、ハウジングの側部に付着される。」と、記載されている。
【0003】
また、ノズル洗浄に関する他の技術として、特開2015-136934号公報(特許文献2)に記載の技術が知られている。特許文献2には、「ヘッドのノズルを洗浄するために洗浄ノズル、つまりASCノズルを有する。このASCノズルは、ASCノズルから洗浄液(溶剤)を噴出させてノズル吐出口を洗浄するのに用いられる。具体的には、ASCノズル(洗浄ノズル)は、ヘッドの内部においてノズル吐出口に臨ませて配置されている。このASCノズル(洗浄ノズル)は、開閉可能なエア弁を介して溶剤ライン及び溶剤タンクに連通している。ノズルを洗浄する時には、開閉弁であるエア弁が開弁されて、溶剤タンクから供給される溶剤がASCノズルから噴射される。」と、記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2002-103636号公報
【特許文献2】特開2015-136934号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1の技術は、印字ヘッド内部のノズルに付着したインク残留物は、印字ヘッド洗浄(クリーニング)することによりノズルとは別の部分(印字ヘッドのハウジングの側部)に付着してしまう。そのため、別途作業者が、その部分を溶剤で手洗浄することが必要になるが、この作業は煩わしい。更に、特許文献1には、洗浄後の溶剤をどのように処理するのかについての記載はない。
【0006】
また、特許文献2の技術は、印字ヘッド内に設けた洗浄ノズル(ASCノズル)から溶剤(洗浄液)を噴出してノズル吐出口を洗浄しているが、特許文献1と同様に、洗浄により印字ヘッドに付着したインク残留物を除去するには手作業が必要となる。また、特許文献2においても、印字ヘッド洗浄後の溶剤(洗浄液)の処理をどのように行うのかについての記載はない。
【0007】
そこで、本発明の目的は、印字ヘッドの洗浄を行うとともに、印字ヘッドの洗浄に使用した溶剤(洗浄液)を簡単に回収することができるインクジェット記録装置およびインクジェット記録装置の制御方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上述した目的を達成するために、本発明は、その一例を挙げると、インクの供給を受けて印字を行う印字ヘッドと、インク収容するためのインク容器と溶剤を収容するための溶剤容器とを含み、前記インク容器内の前記インクを前記印字ヘッドに供給する本体と、を有し、前記印字ヘッドは、前記インクをインク粒子にして吐出するノズルと、該ノズルから吐出された該インク粒子を印字内容に対応して帯電する帯電電極と、該帯電された該インク粒子の飛翔方向を変更させる偏向電極と、該印字に寄与しない該インク粒子を回収するガターと、を備えているインクジェット記録装置であって、前記印字ヘッドをセットするための洗浄槽と、該洗浄槽内にセットされた前記印字ヘッドに向けて前記溶剤を噴出し洗浄する洗浄ノズルと、前記洗浄槽の底部に設けられ洗浄後の前記溶剤を回収する回収容器とを含むヘッド洗浄ユニットと、前記洗浄ノズルに前記溶剤を供給する駆動ユニットと、を設けたインクジェット記録装置である。
【0009】
また、本発明の他の一例を挙げると、インクの供給を受けて印字を行う印字ヘッドと、インクを収容するためのインク容器と溶剤を収容するための溶剤容器とを含み、前記インク容器内の前記インクを前記印字ヘッドに供給する本体と、を有するインクジェット記録装置の制御方法であって、前記印字ヘッドを、前記溶剤を噴出する洗浄ノズルを備えた洗浄槽の内部にセットし、その後、前記洗浄ノズルから前記溶剤を噴出して前記印字ヘッドを洗浄するとともに、前記洗浄後の前記溶剤を前記洗浄槽の底部に設けた回収容器により回収するインクジェット記録装置の制御方法である。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、印字ヘッドを容易に洗浄することができるとともに、印字ヘッドの洗浄に使用した溶剤(洗浄液)を簡単に回収することができるインクジェット記録装置およびインクジェット記録装置の制御方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【
図1】本発明の実施例1におけるインクジェット記録装置の使用状況を示す斜視図である。
【
図2】実施例1において、印字ヘッドを洗浄ユニットにセットした状態を示す斜視図である。
【
図3】実施例1において、ヘッド洗浄ユニットを本体に固定した状態を示す斜視図である。
【
図4】実施例1におけるインクジェット記録装置の経路構成を示す図である。
【
図5】実施例1において、ヘッド洗浄ユニットを取外した状態のインクジェット記録装置の経路構成を示す図である。
【
図6】実施例1において、インクジェット記録装置本体から取外した状態のヘッド洗浄ユニットの経路構成を示す図である。
【
図7】実施例1におけるヘッド洗浄処理が行われている時の液の流れを太線で示す流体経路図である。
【
図8】実施例1におけるヘッド乾燥処理が行われている時のエアの流れを太線で示す流体経路図である。
【
図9】実施例1におけるインク、溶剤の補給動作が行われている時のインク、溶剤の流れを太線で示す流体経路図である。
【
図10】実施例1におけるインク循環処理が行われている時のインクの流れを太線で示す流体経路図である。
【
図11】実施例1における印字ヘッドの構成図である。
【
図12】実施例1におけるヘッド洗浄ユニットの構成図である。
【
図13】実施例1におけるヘッド洗浄ユニットに印字ヘッドをセットした状態でのヘッド洗浄ユニット断面図である。
【
図15】実施例1におけるヘッド洗浄処理が行われている時のヘッド洗浄ユニット内部の液の流れを太線で示すヘッド洗浄ユニット断面図である。
【
図16】実施例1において、各状態の回収容器の液面検出を示す。
【
図17】実施例1において、回収容器の液抜き作業が行われている時のヘッド洗浄ユニット断面図である。
【
図18】本発明の実施例2におけるインクジェット記録装置の外観斜視図である。
【
図19】実施例2におけるインクジェット記録装置において、印字ヘッドを洗浄ユニットにセットした状態を示す斜視図である。
【
図20】実施例2におけるインクジェット記録装置の経路構成を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、本発明の具体的な実施例を、図面を用いて説明する。なお、本発明は、以下に説明する実施例に限定されるものではない。また、以下の各図において、同一機器には同一番号(符号)を付し、すでに説明した機器の説明を省略する場合がある。
【0013】
≪実施例1≫
<使用状態>
最初に、本発明の実施例1におけるインクジェット記録装置600の使用状態について、
図1~
図3を用いて説明する。
図1は、本実施例におけるインクジェット記録装置600の使用状態を示す斜視図であり、
図2は、本実施例におけるインクジェット記録装置600おいて印字ヘッド2をヘッド洗浄ユニット4に取り付けた状態を示す斜視図である。
図3は、インクジェット記録装置600おいてヘッド洗浄ユニット4を本体1に固定した状態を示す斜視図である。
【0014】
まず、
図1に示すように、本実施例に係るインクジェット記録装置600は、本体1と、本体1と導管(印字ヘッド用)5で接続された印字ヘッド2と、本体1とヘッド洗浄ユニット用の導管6により接続されたヘッド洗浄ユニット4とを備える。
【0015】
インクジェット記録装置600は、例えば、食品や飲料などが生産される工場内の生産ラインに据え付けられ、本体1は定期的な保守作業などに必要なスペースが確保可能な場所に設置されている。印字ヘッド2は、ベルトコンベア11の近傍に設置された印字ヘッド固定用金具13に固定され、ベルトコンベア11などの生産ライン上を矢印XXの方向に給送される印字対象物12A~12Bに印字するために近接して設置されている。また、印字ヘッド2には、印字ヘッド2内部の部品を保護する目的で保護カバー17が取り付けられている。
【0016】
このようなインクジェット記録装置600は、本体1内部に備え付けられた制御部10(具体的な構成は図示せず)が、印字ヘッド2に組み付けられたノズル21から吐出されるインク粒子68Bへの帯電量や帯電タイミングを制御する。すなわち、制御部10は、印字対象物(印字前)12Aが印字ヘッド2近傍を通過する間に帯電、偏向されたインク粒子68Bを印字対象物(印字中)12Bへ付着させて印字を行うように制御する。また、制御部10は、インクの流れおよび溶剤の流れを制御するために本体1内に設けられた電磁弁やポンプ等を制御する。なお、制御部10は、計算機を使用することができる。具体的には、制御部10は、マイクロプロセッシングユニット(MPU)と、MPUの動作のためのプログラムおよび動作に必要なデータ・情報を記憶するメモリと、MPUの指示により印字ヘッドおよび本体1内の構成機器を動作させる印字駆動部とで構成することができる。ここでは、制御部10の詳細は省略する。
【0017】
ヘッド洗浄ユニット4は、印字ヘッド2の周辺に設置されている。この実施例におけるヘッド洗浄ユニット4は、ベルトコンベア11に組み付けられた固定用治具A(コンベア用)92に、ヘッド洗浄ユニット4に組み付けられた固定用治具勘合部93を組み合わせることによって固定されている。そして、ヘッド洗浄ユニット4は、印字ヘッド2をヘッド洗浄ユニット4に挿入するための開口である印字ヘッド挿入部72Aを有している。
【0018】
更に、ヘッド洗浄ユニット4は、印字ヘッド2の洗浄処理を開始するための開始ボタン63と、印字ヘッド2の洗浄処理を停止させるための停止ボタン64と、確認メッセージや警報や異常などのアラームを作業者に認識させるための表示部65とを有している。
【0019】
本体1は、ヘッド洗浄ユニット4を固定するための固定用治具(本体用)91を有しており、ヘッド洗浄ユニット4は、ヘッド洗浄ユニット4を固定用治具(コンベア用)92から取り外して固定用治具(本体用)91に付け替えて使用することも可能になっている。本実施例では、ヘッド洗浄ユニット4をベルトコンベア11に固定しているが、本実施例のインクジェット記録装置600では、ヘッド洗浄ユニット4を使用者の操作し易い場所に自由に付け替えることが可能である。
【0020】
次に、
図2を参照して、インクジェット記録装置600において印字ヘッド2をヘッド洗浄ユニット4にセットした状態を説明する。印字ヘッド2は、印字ヘッド2の先端からヘッド洗浄ユニット4の印字ヘッド挿入部72Aに挿入されてセットされる。本実施例におけるインクジェット記録装置600は、このように印字ヘッド2をヘッド洗浄ユニット4にセットすることで、本体1側から導管6を介して供給される溶剤(洗浄液)により、印字ヘッド2を洗浄することができる。
【0021】
なお、本体1とヘッド洗浄ユニット4とを接続する導管(ヘッド洗浄ユニット用)6の長さは、インクジェット記録装置の本体1と印字ヘッド2とを接続する導管(印字ヘッド用)5と同じか、より長くした方が好ましい。これは、ヘッド洗浄ユニット4の配置の自由度を確保するためである。
【0022】
次に、
図3を参照して、インクジェット記録装置600おいてヘッド洗浄ユニット4を本体1に固定した状態を説明する。ヘッド洗浄ユニット4は、本体1に組み付けられた固定用治具91に、固定用治具篏合部93を組み合わせることによって、本体1に固定することができる。ヘッド洗浄ユニット4を本体1に固定できるようにしておくことにより、ベルトコンベア11などにヘッド洗浄ユニット4を取り付けるスペースが無い場合でも、ヘッド洗浄ユニット4を設置することが可能になる。
【0023】
<経路構成>
次に、本実施例におけるインクジェット記録装置600の経路構成について、
図4を用いて説明する。
図4は、本実施例におけるインクジェット記録装置600の全体の経路構成を示す図である。
【0024】
まず、本実施例におけるインクジェット記録装置600のインク供給経路(経路801~803)について説明する。
図4において、本体1には、循環するインク68Aを保持するインク容器31が備えられている。インク容器31には、インク容器31内の液体が内部に保持されるのに適正な量である基準液面レベルに達しているか否かを検知する液面レベルセンサ31Aが備えられている。
【0025】
インク容器31は、インク68Aに浸漬している部分で経路(供給用)801に接続されており、経路801の途中には、経路の開閉を行う電磁弁(供給用)49を設置している。更に、経路801は合流経路901を介して、経路802に設置されてインク68Aを吸引、圧送するために使用されるポンプ(供給用)34に接続されている。そして、ポンプ(供給用)34の出力側において、インク68A中に混入している異物を除去するフィルタ(供給用)39に接続されている。
【0026】
フィルタ(供給用)39は、ポンプ(供給用)34から圧送されたインク68Aを印字するために適正な圧力に調整する調圧弁46に接続されており、調圧弁46はノズル21に供給されるインク68Aの圧力を測定する圧力センサ47に接続されている。圧力センサ47が配置された経路802は、導管(印字ヘッド用)5内を通過して、印字ヘッド2内に備えられ、ノズル21にインク68Aを供給するかどうかを制御するための切替弁26に接続されている。
【0027】
切替弁26は、経路803を介して、インク68Aを吐出する吐出口21Aを備えたノズル21に接続されている。なお、切替弁26は三方型電磁弁であり、切替弁26にはインク供給用の経路802とノズル洗浄用の経路812が接続されており、ノズル21に対してインク68Aと溶剤69Aの供給を切り替えることができる。ノズル21の吐出口21Aの直進方向には、インク粒子68Bに所定の電荷量を付加するための帯電電極23、印字に使用するインク粒子68Bを偏向させるための偏向電極24、及び、印字に使用されないために帯電、偏向されずに直進的に飛翔するインク粒子68Bを捕捉するためのガター25が配置されている。
【0028】
次に、本実施例におけるインクジェット記録装置600のインク回収経路804について説明する。
図4において、ガター25は、経路804に接続されており、経路804には、帯電電極23により電荷量を付加されたインク粒子68Bを回収しているかを検出するための電荷センサ48が配置されている。そして、経路804は、導管(印字ヘッド用)5内を通過し、本体1内に配置されているインク中に混入している異物を除去するフィルタ(回収用)40と接続されており、フィルタ(回収用)40は経路の開閉を行う電磁弁(回収用)50に接続されている。
【0029】
電磁弁(回収用)50は、ガター25により捕捉されたインク粒子68Bを吸引するポンプ(回収用)35と接続されており、ポンプ(回収用)35は、インク容器31と接続されている。電磁弁50を開き、ポンプ35を駆動することにより、ガター25により捕捉されたインク粒子68Bは、インク容器31に回収される。また、インク容器31は、インク68Aに接触しない上部の空間にて、経路805と接続されていて、経路805は本体1の外部と連通した構成をとっている。
【0030】
次に、本実施例におけるインクジェット記録装置600のインク循環経路(経路806~807)について説明する。印字ヘッド2内に備えられたノズル21には、インク供給用の経路803の他に、導管(印字ヘッド用)5内を通る経路806に接続されている。この経路806には、本体1内に備えられ、流路の開閉を行う電磁弁(循環用)51が配置されている。
【0031】
電磁弁(循環用)51は、合流経路902を介して経路807に接続されており、経路807にはノズル21からのインクの吸引を行うポンプ(循環用)36が配置されている。そして、ポンプ(循環用)36は、インク容器31に接続された構成となっている。
【0032】
次に、本実施例におけるインクジェット記録装置600の粘度測定経路(経路808及び807)について説明する。
図4において、インク容器31は、インク68Aに浸漬している部分で経路808に接続されている。経路808は、インク容器31内のインク68Aの粘度を把握するために、経路801を介して粘度測定器45に接続されている。粘度測定器45は、経路の開閉を行う電磁弁(粘度測定用)52に接続されている。電磁弁(粘度測定用)52は、合流経路902を介して経路807に配置されたポンプ(循環用)36と接続した構成をとっている。これにより、インク容器31内のインク68Aを粘度測定経路で循環させて、インク68Aの粘度を測定することができるような構成となっている。このようにして測定された年後は、図示内制御部10に入力され、インク容器31内のインク68Aの粘度制御に利用される。
【0033】
次に、本実施例におけるインクジェット記録装置600の溶剤補給経路(経路809~810)について説明する。
図4において、本体1には、インク容器31への溶剤補給や、ノズル洗浄、又はヘッド洗浄に使用するための溶剤69Aを保持する溶剤容器33が備えられている。溶剤容器33は、溶剤69Aに浸漬している部分で経路809に接続されており、経路809には溶剤を吸引、圧送するために使用されるポンプ(溶剤用)37が配置されている。そして、ポンプ(溶剤用)37は、目的に応じて溶剤69Aの供給先を変えるために分岐経路903に接続されている。分岐経路903は、溶剤補給経路においては経路810に配置された流路の開閉を行うために電磁弁(溶剤補給用)53に接続されており、電磁弁(溶剤補給用)53はインク容器31と接続された構成となっている。
【0034】
次に、本実施例におけるインクジェット記録装置600のインク補給経路811について説明する。
図4において、本体1には、補充用のインク68Cを保持する補助インク容器32が備えられている。補助インク容器32は、インク68Cに浸漬している部分で経路811に接続されている。経路811には、経路の開閉を行う電磁弁(インク補給用)54に接続されており、電磁弁(インク補給用)54は合流経路901を介して、経路802に設置されてインク68Cを吸引、圧送するために使用されるポンプ(供給用)34に接続されている。そして、補助インク容器32内のインク68Cは、ノズル21を経由して、ガター25、経路804、電磁弁50、ポンプ35を経由して、インク容器31に補充されるようになっている。
【0035】
次に、本実施例におけるインクジェット記録装置600のノズル洗浄経路(経路809及び812)について説明する。
図4において、経路809に配置されたポンプ(溶剤用)37は、分岐経路903を介して経路812に接続されている。経路812は、流路の開閉を行うための電磁弁(ノズル洗浄用)55に接続されている。そして、電磁弁(ノズル洗浄用)55は、溶剤69A中に混入している異物を除去するためのフィルタ(ノズル洗浄用)41に接続されている。フィルタ(ノズル洗浄用)41は、導管(印字ヘッド用)5内を通る経路812を介して印字ヘッド2内に備えられ、ノズル21に洗浄のための溶剤69Aを送るかどうかを制御するための切替弁26に接続された構成となっている。
【0036】
次に、本実施例におけるインクジェット記録装置600のヘッド洗浄経路(経路809、経路821~822)について説明する。
図4において、ポンプ(溶剤用)37は、分岐経路903を介して経路821に接続されており、経路821は、本体1の内部に組み込まれた駆動ユニット3と中継するための接続部(ヘッド洗浄用)59A及び継手(ヘッド洗浄用)60Aを介して、経路822に接続されている。経路822には、流路の開閉を行うための電磁弁(ノズル洗浄用)56が配置されており、電磁弁(ノズル洗浄用)56は、溶剤69A中に混入している異物を除去するフィルタ(ヘッド洗浄用)42に接続されている。
【0037】
フィルタ(ヘッド洗浄用)42は、導管(ヘッド洗浄ユニット用)6内を通る経路822を介してヘッド洗浄ユニット4内に備えられ、経路822内に初期的に混入してしまうような異物を除去するためにフィルタ(洗浄ノズル用)43に接続されている。そして、フィルタ(洗浄ノズル用)43の出力側は、ヘッド洗浄ユニット4の洗浄槽71内部に備えられた洗浄ノズル74に接続されている。ここで、洗浄槽71内部の空間は、下部に設置された回収容器73と連通するように構成されている。
【0038】
次に、本実施例におけるインクジェット記録装置600の溶剤再利用経路(経路823~824及び経路807)について説明する。
図4において、ヘッド洗浄ユニット4には、ヘッド洗浄に使用した後、自重で流入するヘッド洗浄後の回収溶剤69Bを保持する回収容器73が備えられている。回収容器73には、ヘッド洗浄時に混入した異物が経路823に流入しないようにフィルタ(回収容器用)77が組み付けられている。回収容器73は、回収溶剤69Bに浸漬した部分で経路823に接続されている。経路823は、導管(ヘッド洗浄ユニット用)6内を通過して本体1内部の駆動ユニット3内のフィルタ(溶剤再利用)44と接続される。このフィルタ44は、回収溶剤69B内に含まれる細かい異物がインク68Aに混入しないようにするためである。
【0039】
さらに、フィルタ(溶剤再利用)44の出力側は、経路823により流路の開閉を行うための電磁弁(溶剤再利用)57と接続されている。電磁弁(溶剤再利用)57が配置された経路823は、本体1と駆動ユニット3と中継するための接続部(溶剤再利用)59B及び接続部(溶剤再利用)60Bを介して、経路824に接続されている。経路824は、合流経路902を介して経路807に配置されたポンプ(循環用)36に接続した構成をとっている。これにより、回収容器73内に保持された回収溶剤69Bは、駆動ユニット3を経由して本体1内のインク容器31に補給することが可能となる。この補給により、インク濃度(粘度)を調整することが可能となり、粘度調整用として再利用することができる。すなわち、粘度測定器45により検出された粘度が所定値以上になった場合に、制御部10が回収容器73内洗浄に使用した溶剤69Bを経路823、フィルタ44、電磁弁57、接続部60B、経路824分岐902、経路807、ポンプ36経由でインク容器31に供給する。
【0040】
次に、本実施例におけるインクジェット記録装置600のヘッド乾燥エア経路825について説明する。
図4において、本体1内に格納された駆動ユニット3には、エアを吸引、圧送するために使用されるポンプ(乾燥エア供給用)38が備えられており、ポンプ(乾燥エア供給用)38は、本体1内部と連通したエア吸い込み口を形成している。ポンプ(乾燥エア供給用)38は、導管(ヘッド洗浄ユニット用)6内を通る経路825を介してヘッド洗浄ユニット4の洗浄槽71内部に備えられたエアノズル75に接続されている。
【0041】
<ヘッド洗浄ユニット組み込み構造>
本実施例におけるインクジェット記録装置600へのヘッド洗浄ユニット4の組み込み構成について、
図4~
図6を用いて説明する。
図4は、本実施例におけるインクジェット記録装置600にヘッド洗浄ユニット4が組み込まれた状態を示す経路構成図である。
図5は、本実施例におけるインクジェット記録装置600にヘッド洗浄ユニット4が組み込まれていない状態を示す経路構成図である。そして、
図6は、ヘッド洗浄ユニット4及び駆動ユニット3の経路構成図である。
【0042】
図5において、インクジェット記録装置600の本体1は、ヘッド洗浄ユニット4及び駆動ユニット3を取り外された状態となっている。ヘッド洗浄ユニット4の洗浄ノズル74に接続される経路821には、流路を塞ぐために接続部(ヘッド洗浄用)59Aに封止栓61Aが取り付けられている。また、ヘッド洗浄ユニット4の回収容器73に接続される経路824には、流路を塞ぐために接続部(溶剤再利用)59Bに封止栓61Bが取り付けられている。また、本体1には、駆動ユニット3を配置するための格納エリア58を確保している。
【0043】
次に、
図6において、ヘッド洗浄ユニット4は、インクジェット記録装置600の本体1から取り外された状態を示している。ヘッド洗浄ユニット4は、導管(ヘッド洗浄ユニット用)6により駆動ユニット3に接続されている。駆動ユニット3は、ポンプ(乾燥エア供給用)38と電磁弁(ヘッド洗浄用)56と電磁弁(溶剤再利用)57、及びフィルタ(ヘッド洗浄用)42とフィルタ(溶剤再利用)44を組み込んで構成している。
【0044】
このように、本実施例におけるインクジェット記録装置600においては、本体1とヘッド洗浄ユニット4を分離できるようにしている。これにより、ヘッド洗浄ユニット4と駆動ユニット3、それらの駆動ユニット3,4を接続する導管6を一つのヘッド洗浄装置として持ち運ぶことが容易となる。印字ヘッド2の洗浄を行う際に、このヘッド洗浄装置を本体1に取り付けて使用する。
【0045】
<動作及び液の流れ>
次に、本実施例におけるインクジェット記録装置600の運転動作について説明する。
【0046】
図7は、実施例1によるインクジェット記録装置600において、ヘッド洗浄処理が行われている時の溶剤の流れ及びエアの流れを太線で示す流体経路図である。
図7において、インクジェット記録装置600は、洗浄のために、印字ヘッド2をヘッド洗浄ユニット4にセット(挿入)した状態となっている。ヘッド洗浄経路(経路809、経路821~822)においては、電磁弁(ヘッド洗浄用)56が通電されて流路を開放し、ポンプ(溶剤用)37を稼働することで、矢印Aの太線で示したように、溶剤がヘッド洗浄ユニット4に供給することが可能になる。すなわち、本体1の溶剤容器33に収容された溶剤69Aをヘッド洗浄ユニット4の洗浄槽71内に組み付けられている洗浄ノズル74に供給することができる。
【0047】
洗浄ノズル74は、この溶剤69Aを印字ヘッドに向けて噴出し印字ヘッドを洗浄する。具体的には、洗浄ノズル74に供給された溶剤69Aは、一部は矢印Bの太線で示したように印字ヘッド2の保護カバー17で囲われたノズル21などに向けて吐出され、その他の一部は矢印Cの太線で示したように印字ヘッド2の外側の保護カバー17に向けて吐出される。矢印Bの太線で示したように洗浄ノズル74から吐出された溶剤69Aは、印字ヘッド2の内部に組み付けられたノズル21や帯電電極23、偏向電極24やガター25などの構成部品を洗浄しながら、矢印Eの太線で示したように重力で下方に垂れていく。洗浄槽71の下部に垂れてきた溶剤69Aは、矢印Fの太線で示したように回収容器73に向かって流れていき、回収容器73の内部に回収溶剤69Bとして収容される。
【0048】
インク循環経路(経路806~807)においては、電磁弁(循環用)51が通電されて流路を開放し、ポンプ(循環用)36を稼働することで、矢印Gの太線で示したように、ノズル21に当たった溶剤69Aの一部がノズル21Aから吸引され、本体1のインク容器31に回収される。このようにヘッド洗浄処理においては、ノズル21の内部及び、インク循環経路806~807についても溶剤69Aで洗浄することができる。
【0049】
また更に、インク回収経路804においては、電磁弁(回収用)50が通電されて流路を開放し、ポンプ(回収用)35を稼働することで、矢印Hの太線で示したように、ガター25に当たった溶剤69Aの一部がガター25から吸引され、本体1のインク容器31に回収される。このようにヘッド洗浄処理においては、ガター25の内部及び、インク回収経路804についても溶剤69Aで洗浄することができる。
【0050】
次に、
図8は、本実施例におけるインクジェット記録装置600において、ヘッド乾燥処理が行われている時のエアの流れを太線で示す流体経路図である。
図8において、インクジェット記録装置600は、印字ヘッド2をヘッド洗浄ユニット4にセットした状態となっており、ヘッド洗浄処理が完了した後、ヘッド乾燥処理を実施するようになっている。ヘッド洗浄経路825においては、本体1に設置されたポンプ(乾燥エア供給用)38を稼働することで、矢印Jの太線で示したように、圧縮エアがヘッド洗浄ユニット4の洗浄槽71内に組み付けられたエアノズル75に供給される。
【0051】
エアノズル75に供給されたエアは、一部は矢印Kの太線で示したように印字ヘッド2の保護カバー17で囲われた帯電電極23などに向けて吐出され、その他の一部は矢印Lの太線で示したように印字ヘッド2の外側の保護カバー17に向けて吐出される。矢印Kの太線で示したようにエアノズル75から吐出されたエアは、印字ヘッド2の内部に組み付けられたノズル21や帯電電極23、偏向電極24やガター25などの構成部品を乾燥させる。
【0052】
インク回収経路804においては、電磁弁(回収用)50が通電されて流路を開放し、ポンプ(回収用)35を稼働することで、矢印Mの太線で示したように、エアの一部がガター25から吸引され、本体1のインク容器31に吸引、圧送される。また、インク循環経路(経路806~807)においては、電磁弁(循環用)51が通電されて流路を開放し、ポンプ(循環用)36を稼働することで、矢印Nの太線で示したように、エアの一部がノズル21から吸引され、本体1のインク容器31に吸引、圧送される。そして、インク容器31に流入したエアについては、矢印Pの太線で示したように排気経路805から本体1の外部に排出される。このように、ヘッド乾燥処理中にガター25及びノズル21からエアを吸引させることで、ヘッド洗浄ユニット4周辺での溶剤ガスの排出量を低減することができる。仮に、エアノズル75から洗浄槽71内部に供給するエアの流量よりも、ガター25及びノズル21が洗浄槽71内部から吸引するエアの流量の方が多ければ、ヘッド洗浄ユニット4の周辺で溶剤ガスが拡散することは限りなく少なくすることができる。
【0053】
次に、
図9は、本実施例におけるインクジェット記録装置600において、運転中のインク68Aの循環制御、及びインク68Cの補給制御、及び溶剤69A・69Bの補給制御が行われている時のインク、溶剤、エアの流れを太線で示す流体経路図である。
図9において、インクジェット記録装置600は、印字ヘッド2がヘッド洗浄ユニット4から外されており、印字ができる状態となっていることを示している。インク供給経路801~803においては、電磁弁(供給用)49が通電されて流路を開放し、ポンプ(供給用)34を稼働することで、矢印Q及び矢印Rの太線で示したように、本体1のインク容器31に収容されたインク68Aが印字ヘッド2のノズル21に供給されて、インク粒子68Bとしてノズル21から吐出される。
【0054】
インク回収経路804においては、電磁弁(回収用)50が通電されて流路を開放し、ポンプ(回収用)35を稼働することで、矢印Sの太線で示したように、インク粒子68Bと印字ヘッド2周辺の空気がガター25から吸引され、本体1のインク容器31に吸引、圧送される。インク回収経路804では、インク68Aと空気が気液混合の状態で流れるため、空気にインク68Aの溶剤成分が溶け込み、空気は溶剤ガスとなり、インク容器31に流入する。インク容器31に流入したインク68Bは底部に収容されて、溶剤ガスとなった空気は、矢印Tで示したように溶剤ガスとして本体1の外部に排出される。
【0055】
インクジェット記録装置600では、このようにインク68Aの中の溶剤成分が溶剤ガスとして機外に排出されるため、運転時間が長くなるとインク68Aの中の溶剤成分の比率が少なくなり、インク68Aの濃度が濃い状態になってしまう。そのため、粘度測定経路808及び807では、電磁弁(粘度測定用)52が通電されて流路を開放し、ポンプ(循環用)36を稼働することで、矢印V及び矢印Wで示したように、粘度測定器45にインク容器31内のインク68Aを送り、定期的にインク68Aの濃度を測定するようにしている。この測定された粘度は制御部10に入力される。その結果、制御部10は、インク68Aの濃度が薄い場合には、補助インク容器32内のインク68Cをインク容器31に補給し、インク68Aの濃度が濃い場合には、回収容器73内の回収溶剤69Bをインク容器31に補給するか、溶剤容器33内の溶剤69をインク容器31に補給するように制御している。
【0056】
インク補給経路(経路811及び802)においては、電磁弁(インク補給用)54が通電されて流路を開放し、電磁弁(供給用)49が非通電の状態となり流路を閉止した状態で、ポンプ(供給用)34を稼働することで、補助インク容器32のインク68Cをノズル21に供給してインク粒子68Bとしてノズル21から吐出する。そして、インク回収経路804を経由してインク容器31にインク68Cを補給するようにしている。
【0057】
溶剤再利用経路(823~824及び807)においては、インク68Aの濃度が濃い場合に、電磁弁(溶剤再利用)57が通電されて流路を開放し、ポンプ(循環用)36を稼働することで、ヘッド洗浄ユニット4の回収容器73に収容された回収溶剤69Bが本体1のインク容器31に補給される。そして、溶剤補給経路809~810においては、インク68Aの濃度が高い、且つ回収容器73の液面が液量センサ76の最小液量検出部76B以下になっていることを検出している場合に、電磁弁(溶剤補給用)53が通電されて流路を開放し、ポンプ(溶剤用)37を稼働することで、溶剤容器33に収容された溶剤69Aがインク容器31に補給されるようになっている。
【0058】
次に、
図10は、本実施例におけるインクジェット記録装置600が、印字ヘッド2をヘッド洗浄ユニット4にセットした状態となっており、インク循環処理が行われている時のインクの流れを太線で示す流体経路図である。インクジェット記録装置600においては、1週間から2週間程度の期間、使用しない場合でも、定期的(2日から3日に1回程度)にインク循環を実施することで、次に使用する時の運転開始時のトラブルを低減することが可能である。そのため、
図10において、定期的にインク68Aを自動で循環させたい場合の制御について説明する。
【0059】
インク供給経路(経路801~803)においては、電磁弁(供給用)49が通電されて流路を開放し、ポンプ(供給用)34を稼働することで、矢印AAの太線で示したように、本体1のインク容器31に収容されたインク68Aが印字ヘッド2のノズル21に供給されて、インク粒子68Bとしてノズル21から吐出される。
【0060】
インク回収経路804においては、電磁弁(回収用)50が通電されて流路を開放し、ポンプ(回収用)35を稼働することで、矢印BBの太線で示したように、インク粒子68Bと印字ヘッド2周辺の空気がガター25から吸引され、本体1のインク容器31に吸引、圧送される。そして、インク容器31に流入したインク68Bは底部に収容されて、溶剤ガスとなった空気は、矢印Tで示したように溶剤ガスとして本体1の外部に排出される。そして、矢印DDで示したように、粘度測定器45により定期的にインク68Aの濃度を測定して、インク68Aの濃度(粘度)が一定の範囲になるように制御している。
【0061】
本実施例のインク循環であれば、仮にトラブルにより、ノズル21から吐出されたインク粒子68Bがガター25に入らなかったとしても、電荷センサ48で検出することが可能であり、また更に、ガター25から外れたインク68Bで、インクジェット記録装置600の周囲を汚すことも防止することが可能である。仮に、電荷センサ48が故障などでインク粒子68Bがガター25に入っていないことを正確に検出することができなかったとしても、回収容器73に備えられた液量センサ76の最大液量検出部76Aでインク68Bの溢れを検出して、インク68Aのノズル21への供給を停止させることができる。
【0062】
また、更に、インクジェット記録装置600においては、定期的な自動でのインク68Aの循環制御と合わせて、定期的な自動でのヘッド洗浄制御を実施することも可能である。そうすることで、次回使用時のトラブルをより防止することが可能になる。
【0063】
<印字ヘッドの構造>
次に、実施例1に係るインクジェット記録装置600の印字ヘッド2の具体的な構成について、
図11を用いて説明する。
図11は、本実施例における印字ヘッドの構成を示した部分断面図である。
図11において、(a)は、印字ヘッド2の保護カバー扉18が閉じている状態を示し、(b)は、印字ヘッド2の保護カバー扉18が開いている状態を示している。
【0064】
図11(a)において、印字ヘッド2は、ヘッドベース16と、本体1と印字ヘッド2を接続した導管(印字ヘッド用)5と、印字に使用するインク粒子68Bが通過するための印字開口部17Aを形成しており、ヘッドベース16に組み付けられた保護カバー17とを備えている。ヘッドベース16には、切替弁26と、切替弁26とチューブ803Aを介して接続されたノズル21と、帯電電極23と、偏向電極24と、ガター25が組み付けられている。また、印字ヘッド2には、周囲の温度を検知して各種制御に使用するための温度センサA27が組み付けられている。保護カバー17が組み付けられた状態であれば、ヘッドベース16と保護カバー17で囲われた空間は、メンテナンス時の衝撃等から保護される。
【0065】
そして、保護カバー17には、洗浄開口部17Bが形成されており、洗浄開口部17Bは、保護カバー17に組み付けられた保護カバー扉18によって開閉できるようになっている。保護カバー扉18は、保護カバー17に固定されたピン20により組み付け位置が決まるようになっており、保護カバー扉18に形成された長穴部18Bの範囲で矢印DCの方向、又は矢印DCと反対(矢印DO)の方向に摺動するようになっている。
【0066】
保護カバー17は、座面部17Dを形成しており、座面部17Dには、保護カバー扉18が矢印DCの方向に荷重がかかるような状態で扉閉止バネ19が組み付けられている。扉閉止バネが、保護カバー扉18に形成された開閉支持部18Aの裏側の面を矢印DC方向に押されることによって、保護カバー扉18が、洗浄開口部17Bを覆うようになっている。この時、保護カバー扉18は、保護カバー17に形成された開口下端部17Cと保護カバー扉18に形成された扉下端部18Cが当たる位置で静止する。
【0067】
扉下端部18Cには、磁石A29が組み付けられており、保護カバー扉18には、磁石A29が一定距離以下に近づくと検出する近接センサA28が組み付けられている。そして、保護カバー扉18が、洗浄開口部17Bを覆っている状態においては、近接センサA28は、磁石A29が離れているために非検出の状態となる。そのため、保護カバー17が、洗浄開口部17Bを覆い、ノズル21や帯電電極23、偏向電極24が、保護されている状態になっていると判定できる。
【0068】
次に、
図11(b)において、印字ヘッド2の保護カバー扉18が開いている状態について説明する。保護カバー扉18の開閉支持部18Aが、矢印DOの方向に押されており、扉閉止バネ19が、圧縮された状態になっている。そして、保護カバー扉18の扉下端部18Cと、保護カバー17の開口上端部17Eが接触する位置で静止する。保護カバー17に組み付けられた近接センサA28は、保護カバー扉18に組み付けられた磁石A29との距離が一定距離以下になっていることを検出できる。
【0069】
なお、
図11では、保護カバー扉18は、印字ヘッドを洗浄槽71に挿入する際に、自動的に保護カバー扉18を開くようなスライド式のものを使用したが、本発明ではこれに限らない。すなわち、印字ヘッド内部の構造部品(ノズル21、帯電電極23、偏向電極24、ガター25等)の洗浄を容易にするために、洗浄の際に開口可能となる扉であればどのような構成のものでも良く、例えば、上下又は左右に開閉できる扉を保護カバーに形成しても良い。また、保護カバー自体を開閉可能とすることでも良い。
【0070】
<ヘッド洗浄ユニットの構造>
次に、実施例1に係るインクジェット記録装置600のヘッド洗浄ユニット4の構成について、
図12を用いて説明する。
図12は、実施例1におけるヘッド洗浄ユニット4の構成図(洗浄ノズル74を断面にした図)である。
【0071】
図12において、ヘッド洗浄ユニット4は、ヘッド洗浄時に印字ヘッド2が収容される洗浄槽71と、洗浄槽71の上部に設置されて印字ヘッド2をヘッド洗浄ユニット4にセットするための印字ヘッド挿入部72Aが構成された蓋ブロック72と、ヘッド洗浄処理に使用した回収溶剤69Bを格納するための回収容器73を備えている。
【0072】
蓋ブロック72には、印字ヘッド挿入部72Aに印字ヘッド2がセットされていない場合に、開口部である印字ヘッド挿入部72Aから洗浄槽71の内部に埃などの異物が入らないようにするために、蓋部材83が組み付けられている。蓋部材83は、蓋ヒンジ82を介して蓋ブロック72に組み付けられている。この蓋部材83は、印字ヘッド2をヘッド洗浄ユニット4へ挿入する時の摩擦抵抗を減らすために蓋部材突起部83Aを形成している。
【0073】
そして、蓋ブロック72には、印字ヘッド2に向けてヘッド洗浄用の溶剤69Aを噴出させるための洗浄ノズル74と、ヘッド洗浄後に溶剤69Aで濡れた印字ヘッド2を乾燥させるためのエアを吹き掛けるためのエアノズル75とが、圧入加工により組み付けられている。
【0074】
この洗浄ノズル74は、印字ヘッド2がヘッド洗浄ユニット4にセットされた場合にノズル21からガター25の方向に伸びるように洗浄ノズル74の内部に形成した液流路部74Aと、液流路部74Aと接続されてノズル21を狙うように溶剤69Aを噴出させるための液吐出穴A部74Bと、液流路部74Aと接続されて偏向電極24を狙うように溶剤69Aを噴出させるための液吐出穴B部74Cと、液流路部74Aと接続されて保護カバー17の印字開口部17Aが形成された面を狙うように溶剤69Aを噴出させるための液吐出穴C部74Dを形成している。そして、洗浄ノズル74に形成された液流路部74Aは、蓋ブロック72に形成された液流路部72Bに接続されるようになっている。
【0075】
エアノズル75は、印字ヘッド2がヘッド洗浄ユニット4にセットされた場合にノズル21からガター25の方向に伸びるようにエアノズル75の内部に形成したエア流路部75Aと、エア流路部75Aと接続されて帯電電極23の間を狙うようにエアを噴出させるためのエア吐出穴A部75Bと、エア流路部75Aと接続されて保護カバー17を狙うようにエアを噴出させるためのエア吐出穴B部75Cを形成している。ここで、エアノズル75に形成されたエア流路部75Aは、蓋ブロック72に形成されたエア流路に接続されるようになっている。
【0076】
そして、ヘッド洗浄ユニット4は、蓋ブロック72の下部に、ヘッド洗浄時に印字ヘッド2を収容するための洗浄槽71を備えている。洗浄槽71は、洗浄ノズル74から噴出した溶剤69Aが周囲に飛び散らないように形成した側壁部71Aと、洗浄ノズル74から吐出された溶剤69Aを洗浄槽71の下側に流出させるための液流出口部71Dを形成している。そして、洗浄槽71は、溶剤69Aが液流出口部71Dに集まりやすくするために、液流出口部71Dが最も低い位置になるように傾斜状に形成された円錐状内側底部71Cを有している。洗浄槽71の内部には、ヘッド洗浄ユニット4の周囲温度を検知して各種制御に使用するための温度センサB84が組み付けられている。
【0077】
そして更に、ヘッド洗浄ユニット4は、洗浄槽71の下部に、ヘッド洗浄時に使用した溶剤69Aを収容するための回収容器73を備えている。回収容器73は、洗浄槽71の液流出口部71Dから垂れ落ちてきたヘッド洗浄時に使用した溶剤69Aを、回収溶剤69Bとして収容する。回収容器73は、回収溶剤69Bを保持する液貯留部73Aを有しており、液貯留部73Aは、回収容器73の上部と洗浄槽71の下部が組み合わさる事によって、密閉される。また、回収容器73は、回収溶剤69Bの液面69Cが一定値以下に下がった場合、及び液面69Cが一定値以上に上がった場合に検出するための液量センサ76を有している。
【0078】
回収容器73は、ヘッド洗浄時などに回収溶剤69Bの中に混入した異物を除去するために、液貯留部73Aの下部にフィルタ(回収容器用)77が組み付けられている。フィルタ(回収容器用)77の下部には、ろ過された回収溶剤69Bが収容するための液溜まり部73Bが形成されている。回収容器73には、液溜まり部73Bと接続された溶剤再利用流路73Cが形成されており、溶剤再利用流路73Cは、再利用継手80を介してチューブ823Aに接続されている。このチューブ823Aは、溶剤再利用経路823~824及び807の一部を形成しており、チューブ823Aを経由して回収溶剤69Bがインク容器31に補給されるようになっている。
【0079】
また、回収容器73には、液溜まり部73Bと接続された液排出流路73Dが形成されており、液排出流路73Dは、排出継手A81を介してフッ素系の耐溶剤性のある材料で製作されたチューブ86に接続されている。チューブ86には、排出継手A81と反対側の出口部分に端部を圧入することで排出継手B87が組み付けられている。洗浄槽71には、チューブ固定部71Gが形成されており、排出継手B87は、ナット89によってチューブ固定部71Gに固定されている。チューブ固定部71Gには、シール部材88が組み付けられている。シール部材88は、溶剤69Aが洗浄槽71及び回収容器73の外部に流出しないように、排出継手B87と洗浄槽71の間を密閉している。
【0080】
また、洗浄槽71のチューブ固定部71Gの中央には、連通穴部71Fが形成されており、排出継手B87が洗浄槽71に固定された状態であれば、洗浄槽71の内部の空間とチューブ86の内部の空間は、同じ圧力となる。その為、洗浄槽71と液流出口部71Dにいって連通している回収容器73の内部の空間と、チューブ86の内部の空間は、同じ圧力となる。その為、回収溶剤69Bの液面69Cと、チューブ86の液面69Dは、同じ液面の高さとなる。これにより、例えば回収容器73が不透明であったとしても、チューブ86の液面を確認することによって、回収容器73の液量を確認することができる。
【0081】
また、蓋ブロック72には、液流路部72Bと接続された液継手78が組み付けられており、液継手78には、チューブ822Aが圧入などの方法で接続されている。このチューブ822Aは、ヘッド洗浄経路809及び821~822の一部を形成しており、チューブ822Aを経由して溶剤容器33に接続されている。また更に、蓋ブロック72には、エア流路部72Cと接続されたエア継手79が組み付けられており、エア継手79には、チューブ825Aが圧入などの方法で接続されている。このチューブ825Aは、825…経路(乾燥エア用)825の一部を形成しており、チューブ825Aを経由してポンプ(乾燥エア供給用)38に接続されている。
【0082】
そして、ヘッド洗浄ユニット4は、チューブ822A、チューブ823A、及びチューブ825Aがヘッド洗浄ユニット4の外部に露出しないようにカバー85で覆われており、カバー85は、蓋ブロック72の上部と、回収容器73の下部を挟みこむように固定されている。導管(ヘッド洗浄ユニット用)6は、外に突き出て他の生産設備の邪魔にならないようにカバー85の下部に組み付けられている。
【0083】
次に、実施例1に係るインクジェット記録装置600のヘッド洗浄ユニット4に印字ヘッド2をセットした状態の構成について、
図13と
図14を用いて説明する。
図13は、実施例1のヘッド洗浄ユニット4に印字ヘッド2をセットした状態を示す、ヘッド洗浄ユニット4の部分断面図である。
図14は、
図13における印字ヘッド2と洗浄ノズル74、及びその付近の構成を拡大した図である。
【0084】
図12~
図14において、印字ヘッド2は、ヘッド洗浄ユニット4にセットされている。ヘッド洗浄ユニット4の蓋部材83は、印字ヘッド2を印字ヘッド挿入部72Aに挿入することよって開放されている。印字ヘッド2は、ノズル21と、帯電電極23と、偏向電極24と、ガター25が、洗浄槽71の内部にくる位置まで押し込まれた状態となっている。そして、ヘッド洗浄ユニット4は、印字ヘッド2との位置がずれないように、印字ヘッド挿入部72Aの穴の内壁面と、印字ヘッド2の外壁面が勘合することで、左右前後にずれ難いようにしており、また更に、印字ヘッド2のヘッドベース16が、洗浄槽71に形成された印字ヘッド支持部71Bに突き当たる位置で静止することで、印字ヘッド2がヘッド洗浄ユニット4にセットされた時の位置が安定する。
【0085】
洗浄槽71には、センサ取付部71Eが形成されており、センサ取付部71Eには、近接センサB90が組み付けられている。そして、印字ヘッド2のヘッドベース16には、磁石B30が組み付けられており、磁石B30と近接センサB90の距離が一定距離以下に近づくと、近接センサB90で検出することができる。ヘッド洗浄ユニット4に印字ヘッド2がセットされた状態においては、磁石B30と近接センサB90が一定距離以下に近づいているために、近接センサB90が検出している状態となり、印字ヘッド2が、ヘッド洗浄ユニット4にセットされている状態になっていると判定できる。
【0086】
また、ヘッド洗浄ユニット4に印字ヘッド2をセットした状態においては、保護カバー扉18の開閉支持部18Aが、蓋ブロック72に形成された扉支持部72Dに付き当たるようにしている。印字ヘッド2においては、扉閉止バネ19のバネ力よりもが印字ヘッド2の自重の方が大きいために、扉閉止バネ19は圧縮された状態となる。印字ヘッド2は、印字ヘッド支持部71Bに突き当たるまで下方向に移動するが、保護カバー扉18の位置は、扉支持部72Dより下側に移動しないために、保護カバー扉18で覆われていた洗浄開口部17Bが開放された状態となる。そして、保護カバー17に組み付けられた近接センサA28は、保護カバー扉18に組み付けられた磁石A29との距離が一定距離以下になっていることを検出するため、印字ヘッド2が、ヘッド洗浄ユニット4にセットされている状態になっていると判定できる。
【0087】
<ヘッド洗浄ユニットの使用方法>
次に、実施例1に係るにインクジェット記録装置600において、印字ヘッド2がヘッド洗浄ユニット4にセットされた状態で、ヘッド洗浄処理を実行している時の動作について、
図15を用いて説明する。
図15は、実施例1のヘッド洗浄処理が行われている時における、ヘッド洗浄ユニット4の内部の液の流れを示すヘッド洗浄ユニット4の断面図である。
【0088】
図15において、インクジェット記録装置600は、ヘッド洗浄処理にて洗浄ノズル74から溶剤69Aを噴出させて印字ヘッド2の洗浄を実行している。洗浄ノズル74に供給された溶剤69Aは、矢印EE(液吐出穴A部74Bからノズル21を狙って溶剤69Aを噴出させる方向)、及び矢印FF(液吐出穴B部74Cから偏向電極24を狙って溶剤69Aを噴出させる方向)で示す方向に溶剤69Aとして噴出させて、洗浄開口部17Bから保護カバー17の内側に溶剤69Aが入り、印字ヘッド2に組み付けられたノズル21、偏向電極24などの構成部品に溶剤69Aを吹きかけて、インクジェット記録装置600の稼働中やメンテナンス時に付着したインク68Aによる汚れを洗浄することができる。
【0089】
印字ヘッド2に組み付けられたノズル21、偏向電極24などの構成部品に吹きかけられた溶剤69Aは、重力によって矢印HHに示す方向に垂れて流れていき、印字ヘッド2をヘッド洗浄ユニット4にセットした状態においては帯電電極23や、偏向電極24よりも下部に配置されたガター25を、溶剤69Aによって洗浄することができる。また、洗浄ノズル74に供給された溶剤69Aは、矢印GG(液吐出穴C部74Dから保護カバー17の印字開口部17Aが形成された面を狙って溶剤69Aを噴出させる方向)で示す方向に溶剤69Aとして噴出させて、保護カバー17に溶剤69Aを吹きかけて、印字ヘッド2の外側に付着したインク68Aによる汚れを洗浄することができる。
【0090】
そして、ヘッド洗浄処理においては、印字ヘッド2に配置されたノズル21、帯電電極23、偏向電極24、ガター25、保護カバー17などの構成部品を洗浄した溶剤69Aは、矢印JJ、及び矢印KKに示す向きに垂れ落ちていき、ヘッド洗浄ユニット4の下部に設置された回収容器73に流入して、回収溶剤69Bとして液貯留部73Aに溜められるようにしている。
【0091】
次に、実施例1に係るインクジェット記録装置600の各状態の回収容器73の液面検出について、
図16を用いて説明する。
図16は、本実施例におけるヘッド洗浄ユニット4の回収容器73を中心に示した断面図である。
図16において、(a)は、回収容器73の液量センサ76が、最大液量検出部76A、及び最小液量検出部76Bのどちらも検出していない状態を示す。
図16の(b)は、回収容器73の回収溶剤69Bの液量が多くなっているために、液量センサ76が、最大液量検出部76Aを検出している状態を示す。そして、
図16の(c)は、回収容器73の回収溶剤69Bの液量が少なくなっているために、液量センサ76が、最小液量検出部76Bを検出している状態を示している。
【0092】
図16(a)において、回収容器73の内部に設置された液量センサ76は、回収溶剤69Bの液面69Cと共に上下に変位するフロート部76Cと、洗浄槽71の液流出口部71Dよりも下側に設置されてフロート部76Cが近付くと検出する最大液量検出部76Aと、最大液量検出部76Aよりも下側にあり且つフィルタ(回収容器用)77よりも上側に設置されてフロート部76Cが近付くと検出する最小液量検出部76Bを備えている。フロート部76Cは、最大液量検出部76A、及び最小液量検出部76Bのどちらも検出していない状態となっている。この状態であれば、回収容器73に収容された回収溶剤69Bは、正常にインク容器31に補給することができる。また、インクジェット記録装置600は、印字ヘッド2をヘッド洗浄ユニット4にセットして、洗浄ノズル74から溶剤69Aを噴出させることによる、ヘッド洗浄処理を実行することができる。
【0093】
次に、
図11(b)において、回収容器73の回収溶剤69Bの液量が多くなっているために、液量センサ76が、最大液量検出部76Aを検出している状態について説明する。回収容器73においては、ヘッド洗浄処理を繰り返し行うことにより、回収溶剤69Bの量が多くなり、液面Cが高くなっている。液量センサ76は、液面69Cに連動して変位するフロート部76Cと最大液量検出部76Aが一定距離以下に近づいているために、回収溶剤69Bの液量が多くなっていると判定できる。この状態を検出すると、インクジェット記録装置600は、回収溶剤69Bが回収容器73から溢れることを防止するために、洗浄ノズル74から溶剤69Aを噴出させない様に制御する。
【0094】
次に、
図11(c)において、回収容器73の回収溶剤69Bの液量が少なくなっているために、液量センサ76が、最小液量検出部76Bを検出している状態について説明する。回収容器73においては、ヘッド洗浄処理が一定時間実施されていない事から、回収溶剤69Bの量が少なくなり、液面69Cが低くなっている。液量センサ76は、液面に連動して変位するフロート部76Cと最小液量検出部76Bが一定距離以下に近づいているために、回収溶剤69Bの液量が少なくなっていると判定できる。この状態を検出すると、インクジェット記録装置600は、回収容器73に収容された回収溶剤69Bは、正常にインク容器31に補給することができないため、溶剤容器33からインク容器31に溶剤69Aを補給し、インク68Aの溶剤濃度を調整するように制御する。
【0095】
次に、実施例1に係るインクジェット記録装置600の回収容器73の液抜き作業について、
図17を用いて説明する。
図17は、回収容器73の液抜き作業が行われている際のヘッド洗浄ユニット4の断面図である。インクジェット記録装置600においては、回収容器73の回収溶剤69Bが多くなり、液量センサ76が最大液量検出部76Aを検出状態だと、ヘッド洗浄処理が実行できなくなる。その場合において、ヘッド洗浄処理を実施する場合は、回収容器73の回収溶剤69Bの液量を、最大液量検出部76Aを検出しないように回収溶剤69Bの液量を減らす必要がある。その方法の1つとしては、回収容器73の回収溶剤69Bをインク容器31に補給するやり方があるが、回収溶剤69Bの液量が減るまでに時間がかかる場合がある。もう1つの方法として、回収容器73から、回収溶剤69Bを抜くやり方がある。
【0096】
図17においては、排出継手B87が、洗浄槽71のチューブ固定部71Gから外されており、排出継手B87が回収容器73よりも下側になるようにチューブ86を配置した状態にしている。これにより、回収容器73に収容されている回収溶剤69Bは、ヘッド洗浄ユニット4の外部に流出させることができる。
【0097】
<実施例1の効果>
以上のように、本発明の実施例1によれば、印字ヘッドをヘッド洗浄ユニットセット(挿入)するだけで簡単に洗浄することができ、さらにヘッド洗浄に使用した溶剤69Aを回収容器73に集めて収容することができる。また、回収溶剤69Bをインク容器31に格納されたインク68Aの濃度調整に再利用することができる。そのため、インクジェット記録装置600によれば、ヘッド洗浄作業時の回収溶剤69Bを廃棄する手間を軽減すると共に、回収溶剤69Bの廃棄量を低減することができるため、顧客のランニングコスト低減が可能となる、インクジェット記録装置600を提供することができる。
【0098】
≪実施例2≫
本発明の実施例2におけるインクジェット記録装置700について、
図18と
図19を用いて説明する。なお、上述し実施例1と共通する部分についての説明は省略し、主に実施例1と異なる部分について説明を行う。
【0099】
<外観構成>
図18は、本実施例におけるインクジェット記録装置700を示す外観斜視図であり、本体1の内部が見えるように一部を断面にしている。
図19は、本実施例におけるインクジェット記録装置700において印字ヘッド2を洗浄槽271に取り付けた状態を示す斜視図である。
【0100】
まず、
図18(a)に示すように、インクジェット記録装置700は、本体201と、本体1と導管(印字ヘッド用)5で接続された印字ヘッド2を備える。本体201は、前面に保守用扉9を備えており、保守用扉9の内部には、下部に組み付けられた容器ベース95と、容器ベース95の上に、補助インク容器32と溶剤容器33、ヘッド洗浄ユニット204と駆動部203などの循環系部品が組み付けられている。保守用扉9は、中央上部に保守用扉取手94が組み付けられており、作業者が保守用扉9を開閉しやすいようになっている。インクジェット記録装置700は、保守用扉9を開放することで、補助インク容器32にインク68Aを補充したり、溶剤容器33に溶剤39Aを補充したり、ヘッド洗浄ユニット204を用いて印字ヘッド2を溶剤69Aで洗浄したり、日常の保守作業ができるようになっている。
【0101】
図18(b)で示したインクジェット記録装置700は、保守用扉9を開放し、ヘッド洗浄ユニット204を手前に引き出した状態となっている。保守用扉9は、角度90°まで開けるようになっており、保守用扉9の裏側の面には、レール296が形成されている。ヘッド洗浄ユニット204は、レール296の上を手前側に引き出すことが可能になっている。ヘッド洗浄ユニット204は、構成部品の簡素化を目的に、駆動部203と一体の構成になっている。
【0102】
次に、
図19を参照して、インクジェット記録装置700において印字ヘッド2をヘッド洗浄ユニット204にセットした状態を説明する。印字ヘッド2は、印字ヘッド2の先端からヘッド洗浄ユニット204の印字ヘッド挿入部72Aに挿入されている。本実施例におけるインクジェット記録装置700は、このように印字ヘッド2をヘッド洗浄ユニット204にセットすることで、印字ヘッド2を洗浄することが可能となる。
【0103】
<経路構成>
図20は、本実施例におけるインクジェット記録装置700の全体の経路構成を示す図である。なお、実施例1と共通する部分についての説明は省略し、主に実施例1と異なる部分について説明を行う。
【0104】
本実施例におけるインクジェット記録装置700のヘッド洗浄経路809、821及び841について説明する。
図20において、ポンプ(溶剤用)37は、分岐経路903を介して経路821に接続されており、経路821は、本体201の内部に組み込まれた駆動部203と中継するための接続部(ヘッド洗浄用)59A及び継手(ヘッド洗浄用)260Aを介して、経路841に接続されている。経路841には、流路の開閉を行うための電磁弁(ノズル洗浄用)55が配置されており、電磁弁(ノズル洗浄用)55は、溶剤69A中に混入している異物を除去するフィルタ(ヘッド洗浄用)42に接続されている。
【0105】
フィルタ(ヘッド洗浄用)42は、経路841内に初期的に混入してしまうような異物を除去するためにフィルタ(洗浄ノズル用)43に接続されている。そして、フィルタ(洗浄ノズル用)43は、ヘッド洗浄ユニット204の洗浄槽71内部に備えられた洗浄ノズル74に接続されている。ここで、洗浄槽71内部の空間は、下部に設置された回収容器73と連通すように構成されている。
【0106】
次に、本実施例におけるインクジェット記録装置700の溶剤再利用経路842、824及び807について説明する。
図20において、ヘッド洗浄ユニット204には、ヘッド洗浄に使用した後、自重で流入した回収溶剤69Bを保持する回収容器73が備えられており、回収容器73には、ヘッド洗浄時に混入した異物が経路842に流入しないようにフィルタ(回収容器用)77が組み付けられている。回収容器73は、回収溶剤69Bに浸漬した部分で経路842に接続されており、経路842は本体201内部の駆動部203に、回収溶剤69B内に含まれる細かい異物がインク68Aに混入しないようにするためのフィルタ(溶剤再利用)44が配置されている。
【0107】
フィルタ(溶剤再利用)44は、流路の開閉を行うための電磁弁(溶剤再利用)57が接続されており、電磁弁(溶剤再利用)57が配置された経路842は、駆動部203と中継するための接続部(溶剤再利用)59B及び継手(溶剤再利用)260Bを介して、経路824に接続されている。経路824は、合流経路902を介して経路807に配置されたポンプ(循環用)36に接続した構成をとっている。これにより、回収容器73内に保持された回収溶剤69Bは、インク容器31に補給することが可能になり、インク濃度調整用として再利用することができるような構成となっている。
【0108】
次に、本実施例におけるインクジェット記録装置700のヘッド乾燥エア経路843について説明する。
図20において、本体201内に格納された駆動部203には、エアを吸引、圧送するために使用されるポンプ(乾燥エア供給用)38が備えられており、ポンプ(乾燥エア供給用)38は、本体201内部と連通したエア吸い込み口を形成している。ポンプ(乾燥エア供給用)38は、ヘッド洗浄ユニット204の洗浄槽71内部に備えられたエアノズル75に接続されている。
【0109】
<実施例2の効果>
以上のように、本発明の実施例2によれば、インクジェット記録装置700は、洗浄槽271及び回収容器273を本体201の内部に配置したことで、実施例1と同様にヘッド洗浄機能及び回収溶剤69Bの再利用機能を搭載し、且つ設置性を向上したインクジェット記録装置700を提供することができる。
【0110】
≪他の実施例≫
以上、実施例1,2について説明したが、本発明は上記した実施例1に限定されるものではなく、様々な変形例が含まれる。また、上記した実施例1および実施例2は本発明を分かりやすく説明するために詳細に説明したものであり、必ずしも説明した全ての構成を備えるものに限定されるものではない。
【符号の説明】
【0111】
1…本体、2…印字ヘッド、3…駆動ユニット、4…ヘッド洗浄ユニット、5…導管、6…導管、8…操作表示部、9…保守用扉、10…制御部、11…ベルトコンベア、12A…印字対象物(印字前)、12B…印字対象物(印字後)、13…印字ヘッド固定用金具、14…コンベア柱、16…ヘッドベース、17…保護カバー、17A…印字開口部、17B…洗浄開口部、17C…開口下端部、17D…座面部、17E…開口上端部、18…保護カバー扉、18A…開閉支持部、18B…長穴部、18C…扉下端部、18D…扉上端部、19…扉閉止バネ、20…ピン、21…ノズル、21A…吐出口、23…帯電電極、24…偏向電極、25…ガター、25A…ガター吐出口、26…切替弁、27…温度センサA、28…近接センサA、29…磁石A、30…磁石B、31…インク容器、31A…液面レベルセンサ、32…補助インク容器、33…溶剤容器、34…ポンプ(供給用)、35…ポンプ(回収用)、36…ポンプ(循環用)、37…ポンプ(溶剤用)、38…ポンプ(乾燥エア供給用)、39…フィルタ(供給用)、40…フィルタ(回収用)、41…フィルタ(ノズル洗浄用)、42…フィルタ(ヘッド洗浄用)、43…フィルタ(洗浄ノズル用)、44…フィルタ(溶剤再利用)、45…粘度測定器、46…調圧弁、47…圧力センサ、48…電荷センサ(検出手段)、49…電磁弁(供給用)、50…電磁弁(回収用)、51…電磁弁(循環用)、52…電磁弁(粘度測定用)、53…電磁弁(溶剤補給用)、54…電磁弁(インク補給用)、55…電磁弁(ノズル洗浄用)、56…電磁弁(ヘッド洗浄用)、57…電磁弁(溶剤再利用)、58…格納エリア、59A…接続部(ヘッド洗浄用)、59B…接続部(溶剤再利用)、60A…継手(ヘッド洗浄用)、60B…継手(溶剤再利用)、61A…封止栓(溶剤供給用)、61B…封止栓(溶剤再利用)、63…開始ボタン、64…停止ボタン、65…表示部、68A…インク、68B…インク粒子、69A…溶剤、69B…回収溶剤、69C…液面、69D…液面、71…洗浄槽、71A…側壁部、71B…印字ヘッド支持部、71C…円錐状内側底部、71D…液流出口部、71E…センサ取付部、71F…連通穴部、71G…チューブ固定部、72…蓋ブロック、72A…印字ヘッド挿入部、72B…液流路部、72C…エア流路部、72D…扉支持部、73…回収容器、73A…液貯留部、73B…液溜まり部、73C…溶剤再利用流路、73D…液排出流路、74…洗浄ノズル、74A…液流路部、74B…液吐出穴A部、74C…液吐出穴B部、74D…液吐出穴C部、75…エアノズル、75A…エア流路部、75B…エア吐出穴A部、75C…エア吐出穴B部、76…液量センサ、76A…最大液量検出部、76B…最小液量検出部、76C…フロート部、77…フィルタ(回収容器用)、78…液継手、79…エア継手、80…再利用継手、81…排出継手A、82…蓋ヒンジ、83…蓋部材、83A…蓋部材突起部、84…温度センサB、85…カバー、86…チューブ、87…排出継手B、88…シール部材、89…ナット、90…近接センサB、91…固定用治具(本体用)、92…固定用治具(コンベア用)、93…固定用治具勘合部、94…保守用扉取手、201…本体、203…駆動部、204…ヘッド洗浄ユニット、260A…継手(ヘッド洗浄用)、260B…継手(溶剤再利用)、271…洗浄槽、273…回収容器、295…容器ベース、296…レール、600…インクジェット記録装置、700…インクジェット記録装置、801~803…経路(供給用)、804…経路(回収用)、805…経路(排気用)、806~807…経路(循環用)、808…経路(粘度測定用)、809…経路(溶剤供給用)、810…経路(溶剤補給用)、811…経路(インク補給用)、812…経路(ノズル洗浄用)、821~822…経路(ヘッド洗浄用)、823~824…経路(溶剤再利用)、825…経路(乾燥エア用)、841…経路(ヘッド洗浄用)、842…経路(溶剤再利用)、843…経路(乾燥エア用)、901…合流経路(供給用)、902…合流経路(循環用)、903…分岐経路(溶剤用)
【手続補正書】
【提出日】2024-11-19
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
印字ヘッドと、前記印字ヘッドにインクを供給する本体と、を備えるインクジェット記録装置において、
前記本体の内部に設けられる溶剤を前記印字ヘッドの偏向電極に噴出させるためのノズルと、
前記印字ヘッドの内部に組付けられた構成部品を乾燥させるためのエアを吐出するエア吐出部と、
前記印字ヘッドがセットされた状態で前記ノズルから噴出された前記溶剤を回収する回収容器が取り付けられるユニットと、
前記印字ヘッドが前記ユニットにセットされた状態で前記溶剤を前記ノズルから噴出した後に、前記エア吐出部からエアを噴出するようにポンプおよび電磁弁を制御する制御部と、
を備えるインクジェット記録装置。
【請求項2】
請求項1に記載のインクジェット記録装置において、
前記ノズルから噴出した前記溶剤を前記印字ヘッドのガターから吸引することを特徴とするインクジェット記録装置。
【請求項3】
請求項1に記載のインクジェット記録装置において、
前記回収容器に回収された前記溶剤の液面の検知結果により前記ノズルから前記溶剤を噴出させないようにすることを特徴とするインクジェット記録装置。
【請求項4】
請求項1に記載のインクジェット記録装置において、
前記回収容器に回収された前記溶剤を前記インクの濃度を調整するために利用することを特徴とするインクジェット記録装置。
【請求項5】
請求項1に記載のインクジェット記録装置において、
前記印字ヘッドのガターから回収された前記溶剤を前記インクの濃度を調整するために利用することを特徴とするインクジェット記録装置。
【請求項6】
請求項1に記載のインクジェット記録装置において、
前記エア吐出部から噴出した前記エアを前記印字ヘッドのガターから吸引することを特徴とすることを特徴とするインクジェット記録装置。
【請求項7】
印字ヘッドと、前記印字ヘッドにインクを供給する本体と、を備えるインクジェット記録装置において、
前記本体は、
ポンプおよび電磁弁に対しての制御信号を出力する制御部を備え、
前記制御部は、
溶剤を回収する回収容器が取り付けられるユニットに前記印字ヘッドが搭載されているか否かを示す信号が入力される入力部を有し、
前記制御部は、
前記信号が入力された後に前記本体に収容される前記溶剤をノズルから噴出する洗浄工程を実行し、前記洗浄工程の後にエア噴出部から乾燥エアを噴出させる乾燥工程を実行するように前記ポンプおよび前記電磁弁に対する前記制御信号を出力するインクジェット記録装置。
【請求項8】
請求項7に記載のインクジェット記録装置において、
前記洗浄工程において前記ノズルから噴出した前記溶剤を前記印字ヘッドのガターから吸引することを特徴とするインクジェット記録装置。
【請求項9】
請求項7に記載のインクジェット記録装置において、
前記回収容器に回収された前記溶剤の液面の検知結果により前記ノズルから前記溶剤を噴出させないようにすることを特徴とするインクジェット記録装置。
【請求項10】
請求項7に記載のインクジェット記録装置において、
前記回収容器に回収された前記溶剤を前記インクの濃度を調整するために利用することを特徴とするインクジェット記録装置。
【請求項11】
請求項7に記載のインクジェット記録装置において、
前記印字ヘッドのガターから回収された前記溶剤を前記インクの濃度を調整するために利用することを特徴とするインクジェット記録装置。
【請求項12】
請求項7に記載のインクジェット記録装置において、
前記乾燥工程において前記エア吐出部から噴出した前記エアを前記印字ヘッドのガターから吸引することを特徴とするインクジェット記録装置。