(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2025015761
(43)【公開日】2025-01-30
(54)【発明の名称】測定装置
(51)【国際特許分類】
G16H 50/30 20180101AFI20250123BHJP
【FI】
G16H50/30
【審査請求】有
【請求項の数】1
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2024201381
(22)【出願日】2024-11-19
(62)【分割の表示】P 2023113683の分割
【原出願日】2015-03-05
(71)【出願人】
【識別番号】000005016
【氏名又は名称】パイオニア株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100110928
【弁理士】
【氏名又は名称】速水 進治
(74)【代理人】
【識別番号】100127236
【弁理士】
【氏名又は名称】天城 聡
(72)【発明者】
【氏名】梁川 直治
(57)【要約】
【課題】運動者が今どのような運動を行うべきかを判断しやすくする。
【解決手段】測定装置10は、測定部120及び選択部140を備えている。測定部120は、運動者の体液(例えば血液)中の糖質濃度及び脂質濃度の少なくとも一方を測定する。選択部140は、測定部120の測定結果について、第1の運動および第2の運動のいずれか一方を選択し、選択結果を出力する。ここで第1の運動は、例えば無酸素運動であり、第2の運動は、例えば有酸素運動である。出力される情報は、無酸素運動の具体例や、有酸素運動の具体例であってもよい。測定装置10は、例えば携帯型の装置であるが、据置型の装置であってもよい。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
体液中の糖質濃度及び脂質濃度の少なくとも一方を測定する測定部と、
前記測定部の測定結果について、第1の運動および第2の運動のいずれか一方を選択し、選択結果を出力する選択部と、
を備える測定装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、測定装置に関する。
【背景技術】
【0002】
近年は健康に対する関心が高まっている。このため、ユーザの健康維持をサポートするための様々な機器やシステムが開発されている。
【0003】
例えば特許文献1には、運動者の脈波データ、運動者の年齢、及び運動者の安静時の心拍数を用いて、運動者の運動状態が有酸素運動か無酸素運動かを判断する技術が記載されている。また特許文献2には、運動者の呼気中のアセトン濃度に基づいて、運動者への運動強度を算出することが記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2002-153430号公報
【特許文献2】特開2010-268864号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
運動時に消費される物質には糖質と脂質があるが、これらのいずれが消費されるかは、運動の質(例えば有酸素運動又は無酸素運動)によって定まる。このため、糖質を消費すべきタイミングと、脂質を消費すべきタイミングとで運動の質を異ならせることが好ましい。しかし、運動者は、今どのような運動を行うべきかを判断しにくい。
【0006】
本発明が解決しようとする課題としては、運動者が今どのような運動を行うべきかを判断しやすくすることが一例として挙げられる。
【課題を解決するための手段】
【0007】
請求項1に記載の発明は、体液中の糖質濃度及び脂質濃度の少なくとも一方を測定する測定部と、
前記測定部の測定結果について、第1の運動および第2の運動のいずれか一方を選択し、選択結果を出力する選択部と、
を備える測定装置である。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】実施形態に係る測定装置の機能構成を示すブロック図である。
【
図6】選択部における選択ロジックの第1例を示す図である。
【
図7】選択部における選択ロジックの第2例を示す図である。
【
図8】選択部における選択ロジックの第3例を示す図である。
【
図11】実施例2に係る測定装置の構成を示す断面図である。
【
図12】測定装置が表示する画面の遷移の第1例を示す図である。
【
図13】測定装置が表示する画面の遷移の第2例を示す図である。
【
図14】測定装置が表示する画面の遷移の第3例を示す図である。
【
図15】実施例3に係る測定装置の使用環境を示す図である。
【
図16】測定装置が表示する画面の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本発明の実施の形態について、図面を用いて説明する。尚、すべての図面において、同様な構成要素には同様の符号を付し、適宜説明を省略する。
【0010】
以下に示す説明において、測定装置10の各構成要素は、ハードウエア単位の構成ではなく、機能単位のブロックを示している。例えば測定部120は、センサと演算処理装置によって構成されている。また、選択部140及び測定部120に含まれている演算処理装置は、例えば任意のコンピュータのCPU又はマイコン、メモリ、メモリにロードされたプログラム、そのプログラムを格納するハードディスクなどの記憶メディア、ネットワーク接続用インタフェースを中心にハードウエアとソフトウエアの任意の組合せによって実現される。そして、その実現方法、装置には様々な変形例がある。
【0011】
図1は、実施形態に係る測定装置10の機能構成を示すブロック図である。実施形態に係る測定装置10は、測定部120及び選択部140を備えている。測定部120は、運動者の体液(例えば血液)中の糖質濃度及び脂質濃度の少なくとも一方を測定する。選択部140は、測定部120の測定結果について、第1の運動および第2の運動のいずれか一方を選択し、選択結果を出力する。ここで第1の運動は、例えば無酸素運動であり、第2の運動は、例えば有酸素運動である。出力される情報は、無酸素運動の具体例や、有酸素運動の具体例であってもよい。測定装置10は、例えば携帯型の装置であるが、据置型の装置であってもよい。以下、詳細に説明する。
【0012】
測定部120は、上記したように運動者の体液中の糖質濃度及び脂質濃度の少なくとも一方、好ましくは双方を測定する。測定部120は、非侵襲で糖質濃度及び脂質濃度を測定する。測定部120は、例えば発光部及び受光部を有している。受光部は、発光部からの光を運動者の体を介して受光する。そして測定部120は、受光部が受光した光の強度を用いて、体液における糖質濃度及び脂質濃度の少なくとも一方を測定する。例えば、糖質は波長が1.6μm近傍の光及び0.8μm近傍の光を吸収する。また、脂質は波長が1.2μm近傍の光及び0.6μm近傍の光を吸収する。このため、測定部120は、これらの波長域の光の吸収量を測定することにより、体液における糖質濃度及び脂質濃度を測定することができる。測定部120の動作タイミングは、例えば選択部140によって制御されている。測定部120の詳細な構成については、後述する。
【0013】
選択部140は、測定部120における測定結果に基づいて、第1の運動および第2の運動のいずれか一方を選択し、選択結果を出力する。本図に示す例において、測定装置10は出力部160を有している。出力部160は、例えばディスプレイやスピーカーであり、選択部140による選択結果を文字、映像、音声、又はその双方で出力する。これにより、測定装置10のユーザは、自分が今どのような運動をすべきか容易に判断することができる。
【0014】
図2は、測定部120の第1例を示す図である。本図に示す例において、測定部120は、発光部122、受光部124、スペクトル分析部126、及び濃度算出部129を有している。発光部122は、運動者の身体Fに向けて光を放射する。この光のスペクトル分布は、例えば1μmから2μmの範囲、又は0.5μmから1μmの範囲を含んでおり、脂質によって吸収される波長、及び糖質によって吸収される波長の双方を含んでいる。発光部122の光源は、例えばLEDや有機EL素子である。受光部124は、発光部122が放射した光のうち身体Fを透過した光又は身体Fによって反射された光を検出する。受光部124は、例えば波長可変フィルタを有しており、広帯域の光の強度、すなわち光のスペクトル分布を検出することができる。そして、スペクトル分析部126は、受光部124が検出したスペクトル分布から、糖質に起因した吸収スペクトルの大きさ、及び脂質に起因した吸収スペクトルの大きさの少なくとも一方を検出する。そして濃度算出部129は、これら吸収スペクトルの大きさから、脂質濃度及び糖質濃度の少なくとも一方を算出する。
【0015】
図3は、測定部120の第2例を示す図である。本図に示す例において、測定部120は、発光部122、第1波長フィルタ127、第2波長フィルタ128、第1受光部132、第2受光部134、及び濃度算出部129を有している。発光部122及び濃度算出部129の構成は、
図2に示した例と同様である。第1波長フィルタ127は、糖質によって吸収される波長の光を透過し、その他の波長の光をカットする。第2波長フィルタ128は、脂質によって吸収される波長の光を透過し、その他の波長の光をカットする。第1受光部132は第1波長フィルタ127を透過してきた光の強度を検出し、第2受光部134は第2波長フィルタ128を透過してきた光の強度を検出する。そして濃度算出部129は、第1受光部132の検出値に基づいて体液中の糖質濃度を算出し、かつ、第2受光部134の検出値に基づいて体液中の脂質濃度を算出する。
【0016】
なお、測定部120は、第1波長フィルタ127及び第1受光部132を有していなくてもよい。この場合、測定部120は、体液中の脂質濃度のみ算出する。また測定部120は、第2波長フィルタ128及び第2受光部134を有していなくてもよい。この場合、測定部120は、体液中の糖質濃度のみ算出する。
【0017】
また、第1受光部132及び第2受光部134は、身体Fと第1受光部132及び第2受光部134の間ではなく、身体Fと発光部122の間に配置されていてもよい。さらに、第1受光部132及び第2受光部134は、身体Fと第1受光部132及び第2受光部134の間、並びに身体Fと発光部122の間の双方に設けられていてもよい。
【0018】
図4は、測定部120の第3例を示す図である。本図に示す測定部120は、第1発光部131、第2発光部133、受光部124、及び濃度算出部129を有している。第1発光部131は糖質によって吸収される波長の光を放射し、第2発光部133は脂質によって吸収される波長の光を放射する。第1発光部131及び第2発光部133は、発光素子としてレーザ素子を有していてもよい。なお、選択部140は、第1発光部131及び第2発光部133の発光タイミングをずらす。
【0019】
そして濃度算出部129は、第1発光部131が動作しているタイミングにおける受光部124の検出値を用いて、体液中の糖質濃度を算出する。また濃度算出部129は、第2発光部133が動作しているタイミングにおける受光部124の検出値を用いて、体液中の脂質濃度を算出する。
【0020】
ここで、選択部140は、第1発光部131を発光させるとき、第1の周期で第1発光部131を点灯させるのが好ましい。また選択部140は、第2発光部133を発光させるとき、第1の周期とは異なる第2の周期で第2発光部133を発光させるのが好ましい。このようにすると、糖質を検出するときの受光部124の検出値は第1の周期を有することになり、脂質を検出するときの受光部124の検出値は第2の周期を有することになる。このため、選択部140の信号処理回路内に、第1の周期の信号を透過する周波数フィルタ(例えばデジタルフィルタ)及び第2の周期の信号を透過する周波数フィルタ(例えばデジタルフィルタ)を設け、これらフィルタを通った後の検出値を用いて糖質濃度や脂質濃度を算出すると、糖質濃度や脂質濃度の測定誤差を小さくすることができる。
【0021】
また、第1発光部131だけが発光しているときに受光部124で受ける情報には糖質濃度に比例しており、次に第1発光部131を消灯して、第2発光部133だけが発光しているときに受光部124で受ける情報には脂質濃度に比例した情報が入っている。このため、第1発光部131と第2発光部133とを交互に発光させることも、有効な使用法である。
【0022】
図5は、測定部120の第4例を示す図である。本図に示す測定部120は、第1波長フィルタ127及び第2波長フィルタ128を有している点を除いて、
図4に示した測定部120と同様の構成である。第1波長フィルタ127は第1発光部131と受光部124の間に配置されており、第2波長フィルタ128は、第2発光部133と受光部124の間に配置されている。このようにすると、受光部124の検出値の精度は高くなり、その結果、糖質濃度や脂質濃度の測定誤差は小さくなる。
【0023】
図6は、選択部140における選択ロジックの第1例を示している。本図に示す例において、選択部140は、糖質濃度のみを用いて、無酸素運動および有酸素運動の一方を選択している。具体的には、選択部140は、糖質濃度が第1基準値以上の場合は無酸素運動を選択し、糖質濃度が第1基準値未満の場合は有酸素運動を選択している。これは、糖質を消費するためには無酸素運動が好適なためである。
【0024】
図7は、選択部140における選択ロジックの第2例を示している。本図に示す例において、選択部140は、脂質濃度のみを用いて、無酸素運動および有酸素運動の一方を選択している。具体的には、選択部140は、脂質濃度が第2基準値以上の場合は有酸素運動を選択し、脂質濃度が第2基準値未満の場合は有酸素運動を選択している。これは、脂質を消費するためには有酸素運動が好適なためである。
【0025】
図8は、選択部140における選択ロジックの第3例を示している。本図に示す例において、選択部140は、糖質濃度及び脂質濃度の双方を用いて、無酸素運動および有酸素運動の一方を選択している。
【0026】
具体的には、選択部140は、糖質濃度が第1基準値未満であり、かつ脂質濃度が第2基準値未満の場合、運動をやめて食事をとることを促す出力を行う。また選択部140は、糖質濃度が第1基準値以上であり、脂質濃度が第2基準値未満の場合、無酸素運動を選択する。また選択部140は、糖質濃度が第1基準値未満であり、脂質濃度が第2基準値以上の場合、有酸素運動を選択する。
【0027】
また選択部140は、糖質濃度が第1基準値以上であり、かつ脂質濃度が第2基準値以上である場合、以下の出力を行う。まず、糖質濃度を第1基準値で規格化した値(第1規格値)が脂質濃度を第2基準値で規格化した値(第2規格値)より大きい場合、すなわち糖質濃度が脂質濃度よりも高い場合、選択部140は無酸素運動を選択する。一方、第1規格値が第2規格値以下であった場合、すなわち脂質濃度が糖質濃度よりも高い場合、選択部140は有酸素運動を選択する。
【0028】
図9の各図は、出力部160が行う表示の例を示す図である。
図9(a)は有酸素運動を推奨する画面の一例であり、
図9(b)は無酸素運動を推奨する画面の一例である。また
図9(c)は、糖質濃度及び脂質濃度の双方が低い場合(特に糖質濃度が低い場合)に食事を推奨する画面の一例である。
【0029】
以上、本実施形態によれば、測定部120は、体液中の糖質濃度及び脂質濃度の少なくとも一方を測定する。そして選択部140は、測定部120における測定結果に基づいて、第1の運動および第2の運動のいずれか一方を選択し、選択結果を出力する。従って、測定装置10のユーザは、自分が今どのような運動をすべきか容易に判断することができる。
【0030】
(実施例1)
図10は、実施例1に係る測定装置10の平面図である。本実施例において、測定装置10は携帯電話またはスマートフォンであり、筐体150を有している。筐体150の表面には、出力部160の一例としての表示部を有している。
【0031】
また、筐体150の側面には、凹部154が設けられている。凹部154は、測定装置10のユーザが測定装置10を保持するときに、ユーザの指が嵌めこまれる。指は、例えば人差し指であるが、親指、中指、薬指、又は小指であってもよい。
【0032】
そして、筐体150の側面のうち凹部154の内面に相当する領域には発光部122及び受光部124が配置されている。なお、発光部122の代わりに第1発光部131及び第2発光部133が配置されていてもよいし、受光部124の代わりに第1受光部132及び第2受光部134が配置されていてもよい。また、発光部122及び受光部124の配置は、
図10に示す例に限定されない。
【0033】
本実施例において、ユーザは、運動を始める前に、測定装置10を用いて自分が行うべき運動を認識する。これにより、ユーザは適切な運動を行うことができる。
【0034】
(実施例2)
図11は、実施例2に係る測定装置10の構成を示す断面図である。本実施例において、測定装置10は時計型の機器である。そして、測定装置10の内面には発光部122及び受光部124が配置されている。また、測定装置10の外面には、出力部160としての表示部及び音声出力部が設けられている。なお、発光部122の代わりに第1発光部131及び第2発光部133が配置されていてもよいし、受光部124の代わりに第1受光部132及び第2受光部134が配置されていてもよい。
【0035】
本実施例において、ユーザは、運動を始める前に測定装置10を腕に装着する。そして、運動を始める前、及び運動を行っている間の双方において、測定装置10を用いて、自分が行うべき運動を認識する。例えば食事を行ってから時間が経っていない場合、体液中の糖質濃度は高いため、ユーザは無酸素運動を行うべきである。一方、無酸素運動を継続していくと、無酸素運動によって体液中の糖質濃度が減少し、有酸素運動に切り替えたほうが好ましくなる。ユーザは、測定装置10を用いることにより、この切替タイミングを認識することができる。例えば測定装置10の選択部140は、
図8に示した基準に従って有酸素運動及び無酸素運動のいずれが好ましいかを運動中定期的に判断し続ける。そして無酸素運動から有酸素運動に切り替えるべきタイミングになった時、選択部140は、出力部160にその旨の出力を行わせる。これにより、ユーザは、適切なタイミングで無酸素運動から有酸素運動に切り替えることができる。
【0036】
その他、測定装置10の選択部140は、糖質濃度が第1基準値以下になり、かつ脂質濃度も第2基準値以下になった場合、運動を中止して食事を行うことを示す出力を出力部160に行わせることもできる。
【0037】
図12は測定装置10が表示する画面の遷移の第1例を示す図である。本図に示す例において、ユーザは測定装置10を装着しながら運動を行う。運動前の測定部120による測定結果は、実施形態の
図8の(b)に該当している。このため、測定装置10は、まず、
図12(a)に示すように、無酸素運動を推奨する画面を表示する。そして測定装置10のユーザが無酸素運動を行っていくと糖質濃度(血糖値)が下がっていき、その代わりに脂質が血液中に溶け出してきて脂質濃度が上がっていく。そして測定部120の測定結果が
図8の(c)に該当するようになると、測定装置10は、
図12(b)に示すように、有酸素運動を推奨する画面に切り替える。そして所定の条件を満たしたとき(例えば運動時間が所定の時間に達したとき)、測定装置10は、
図12(c)に示すように、運動を終了することを推奨する画面に切り替える。
【0038】
図13は、測定装置10が表示する画面の遷移の第2例を示す図である。本図に示す例においても、ユーザは測定装置10を装着しながら運動を行う。運動前の測定部120による測定結果は、実施形態の
図8の(c)に該当している。このため、測定装置10は、まず、
図13(a)に示すように、有酸素運動を推奨する画面を表示する。そして測定装置10のユーザが有酸素運動を行っていくと脂質濃度が下がっていく。すると測定装置10は、
図13(b)に示すように、有酸素運動を継続することを促す画面に切り替える。そして有酸素運動を一定時間継続すると、
図13(c)に示すように、運動を終了することを促す画面を表示する。しかし、ユーザがさらに運動を継続し、測定部120の測定結果が
図8の(a)に該当するようになると、測定装置10は、
図13(d)に示すように、運動を終了して食事をとることを促す画面に切り替える。
【0039】
なお、マラソンやトライアスロン競技中など、通常の食事をとることが困難な場合は、飴や羊羹、スポーツドリンク等、気軽に血糖値を上げられる手法を表示することも有効である。このようにすると、競技中に血糖値不足で倒れることを防ぐことができる。その場合、本人が血糖値不足を認識できない場合を想定して、腕にはめた測定装置10に点灯装置や音を出す装置を搭載し、点滅や音で本人及び周りの人に危険をお知らせするようにしても良い。
【0040】
図14は、測定装置10が表示する画面の遷移の第3例を示す図である。これらの図において、測定装置10の画面には、文章とともに、絵やキャラクター(例えば豚、鳥、おにぎりなど)も表示されている。そしてそのキャラクターの数は、糖質濃度や脂質濃度に比例している。これにより、ユーザは、現在の自分の糖質濃度や脂質濃度、すなわち運動の成果を直感的に把握することができる。またこの際、測定装置10は、音声を出力してもよい。例えば脂質濃度に変化が生じた場合は「ぶーぶー」という音を出力し、糖質濃度に変化が生じた場合は「甘い甘い」という言葉を音声で出力してもよい。
【0041】
(実施例3)
図15は、実施例3に係る測定装置10の使用方法を、その使用環境とともに示す図である。本実施例において、複数の測定装置10は、通信網30を介して同一の情報処理装置20に接続している。複数の測定装置10は、互いに異なるユーザに使用されている。そして、測定装置10の使用結果(例えば測定装置10を用いて運動した時間)が、情報処理装置20に送信される。本図に示す例において、測定装置10はユーザの体重を取得する機能も有している。
【0042】
情報処理装置20は、送信されたデータを用いて統計データを生成する。この統計データは、通信網30を介して測定装置10に送信される。
【0043】
図16は、本実施例において測定装置10が表示する画面の一例を示している。上記したように、測定装置10は、情報処理装置20から統計データを受信する。測定装置10は、この統計データを、測定装置10のユーザの測定結果とともに表示する。本図に示す例では、統計データは、一日の累計平均運動時間と体重の減少量の相関を示している。測定装置10のユーザは、この表示を見ることにより、他の人と比較して自分がどの位置にいるかを容易に把握することができる。
【0044】
なお、
図16において、縦軸は体脂肪率の減少量であってもよい。この場合、測定装置10には体脂肪率が入力される。
【0045】
また、測定装置10は、体重の減少量や体脂肪率の減少量が基準を満たさない場合、これらを減らすための対策方法、例えばこれらを改善するための食材及び習慣を表示してもよい。ここで表示される情報は、例えば情報処理装置20によって測定装置10に送信される。情報処理装置20は、例えば、他のユーザによって効果が証明された食材及び習慣を測定装置10に送信する。なお、この証明は、例えばユーザへのアンケート結果に基づいて行われる。
【0046】
以上、本実施例によれば、ユーザは、運動を始める前に、測定装置10を用いて自分が行うべき運動を認識する。これにより、ユーザは適切な運動を行うことができる。また、運動中にも測定装置10は動作しているため、ユーザは、適切なタイミングで無酸素運動から有酸素運動に切り替えたり、運動を終了することができる。
【0047】
以上、図面を参照して実施形態及び実施例について述べたが、これらは本発明の例示であり、上記以外の様々な構成を採用することもできる。
【符号の説明】
【0048】
10 測定装置
120 測定部
122 発光部
124 受光部
131 第1発光部
132 第1受光部
133 第2発光部
134 第2受光部
140 選択部
160 出力部