(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2025015856
(43)【公開日】2025-01-30
(54)【発明の名称】見積システム
(51)【国際特許分類】
G06Q 50/10 20120101AFI20250123BHJP
【FI】
G06Q50/10
【審査請求】有
【請求項の数】1
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2024203919
(22)【出願日】2024-11-22
(62)【分割の表示】P 2022007173の分割
【原出願日】2022-01-20
(71)【出願人】
【識別番号】518279303
【氏名又は名称】ショウタイム24株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100136847
【弁理士】
【氏名又は名称】▲高▼山 嘉成
(72)【発明者】
【氏名】打山 誠彦
(72)【発明者】
【氏名】市川 達也
(72)【発明者】
【氏名】山本 泰久
(57)【要約】
【課題】職人等や工務店等で見積を作成しやすいシステムを提供する。
【解決手段】見積システムは、職人等が使用する職人側機器4と、材料を提供する商品受注側機器5と、職人側機器4及び商品受注側機器5とネットワークを介して接続された管理サーバ2とを備える。管理サーバ2には、商品受注側機器5が持つ材料情報に関するデータベースが移植されている。職人側機器4は、管理サーバ2にアクセスして、材料情報を閲覧可能である。また、職人側機器4は、閲覧した材料情報を基に、工事に必要な見積を作成可能である。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
工事の施工者と材料の提供者を連携させるための見積システムであって、
前記施工者が使用する施工者側機器と、
前記材料を提供する商品受注側機器と、
前記施工者側機器及び前記商品受注側機器とネットワークを介して接続された管理サーバとを備え、
前記管理サーバには、商品受注側機器が持つ材料情報に関するデータベースが移植されており、
前記施工者側機器は、前記管理サーバにアクセスして、前記材料情報を閲覧可能であり、
前記施工者側機器は、閲覧した前記材料情報を基に、工事に必要な見積を作成可能であることを特徴とする、見積システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、リフォームを希望するユーザと施工者とのマッチングシステムで用いられる見積のシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1に記載のリフォーム仲介システムは、オンライン上で不動産物件に関連するリフォームを依頼するリフォーム依頼者とリフォーム施工業者とを仲介するためのシステムである。
【0003】
特許文献1に記載のリフォーム仲介システムは、リフォーム見積依頼を登録する手段と、登録されたリフォーム施工業者にリフォーム見積依頼の内容を出力する出力手段と、リフォーム見積依頼に対し、リフォーム施行業者からの見積を登録する手段と、見積を登録したリフォーム施工業者の中から発注先リフォーム施行業者が選定されたことに応答して、発注情報を登録する手段とを有する。
【0004】
また、同リフォーム仲介システムにおいては、リフォーム見積依頼で指定されたリフォームを施工可能である登録リフォーム施工業者のみに、リフォーム見積依頼の内容を出力するような構成も可能とされている。またリフォーム見積依頼が、依頼者の施工イメージを表現するため、同リフォーム仲介システムでは、参照すべきリフォーム事例に関する情報を含むような構成も可能とされている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】国際公開WO01/048644号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
特許文献1の従来のリフォーム仲介システムでは、リフォームを希望するユーザと施工者とをマッチングすることが可能である。しかし、マッチング後、施工者が、リフォームで利用する材料を自ら手配する必要がある。そのため、施工者は、材料が入手しやすい工務店や材木店など、法人であることが多かった。
【0007】
ところが、実際のリフォームの際には、工務店等が、個々の大工や各種の職人に、業務を委託していることが多い。小規模なリフォームであれば、直接職人に発注した方が、施工が安くなる場合がある。しかし、職人は、材料を入手するのが困難である場合がある。
【0008】
ただし、ユーザによっては、工務店にも注文しにくいと感じるかも分からないため、工務店等にも、直接ユーザが注文しやすいシステムがあるとよい。
【0009】
ユーザが職人等(大工や各種職人、DIYの得意な個人等をいう。以下同様。)や工務店等に直接リフォームの工事を依頼することができるシステムが存在するとよいが、その場合、職人等や工務店等での見積の作成が手間となる。
そこで、本発明は、職人等や工務店等で見積を作成しやすいシステムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記課題を解決するために、本発明は、以下のような特徴を有する。本発明は、工事の施工者と材料の提供者を連携させるための見積システムであって、施工者が使用する施工者側機器と、材料を提供する商品受注側機器と、施工者側機器及び商品受注側機器とネットワークを介して接続された管理サーバとを備える。管理サーバには、商品受注側機器が持つ材料情報に関するデータベースが移植されている。施工者側機器は、管理サーバにアクセスして、材料情報を閲覧可能である。施工者側機器は、閲覧した材料情報を基に、工事に必要な見積を作成可能である。
また、本明細書には、以下のような発明も含まれる。本発明は、工事の発注者と工事の施工者とをマッチングするためのリフォームマッチングシステムであって、発注者が使用するユーザ側機器と、施工者が使用する施工者側機器と、材料を受注する商品受注側機器と、ユーザ側機器、施工者側機器、及び商品受注側機器とネットワークを介して接続された管理サーバとを備える。
ユーザ側機器は、管理サーバに対して、依頼したい工事の内容を入力して、見積を依頼することができる。
管理サーバは、見積の依頼を、施工者側機器に閲覧させることができる。
施工者側機器は、見積の依頼に対して、工事に必要な見積を、管理サーバに送信することができる。
ユーザ側機器は、管理サーバに提出された見積を閲覧することができる。
ユーザ側機器は、提出された見積の中から、工事の施工を依頼したい施工者を選定することができる。
管理サーバは、選定された施工者側機器に、選定された旨を通知する。
施工者側機器は、発注者側機器が適用する材料情報に基づいて、工事で使用する材料を、管理サーバを介して商品受注側機器に対して注文することが可能である。
【0011】
好ましくは、施工者側機器は、大工、職人、及び個人が使用する職人側機器又は企業が使用する企業側機器であるとよい。
【0012】
好ましくは、ユーザ側機器と施工者側機器とは、管理サーバを介して、チャット又はビデオ通話でやりとりが可能であるとよい。
【0013】
好ましくは、ユーザ側機器は、管理サーバに対して、施工者の評価を登録することが可能であるとよい。
【0014】
好ましくは、施工者側機器は、工事の施工実績を、管理サーバに対して、登録することが可能であるとよい。
【0015】
好ましくは、施工者側機器は、発注した材料の受け取り先を指定することが可能であるとよい。
【0016】
好ましくは、受け取り先は、ホームセンターであるとよい。
【0017】
好ましくは、管理サーバは、ユーザ側機器から入力された見積依頼内容を把握して、依頼内容に適した施工者を選定して、ユーザ側機器に対して提案することが可能であるとよい。
【0018】
好ましくは、管理サーバは、ユーザ側機器から入力された見積依頼内容を把握して、過去の実績に基づいて、仮見積を作成することが可能であるとよい。
【0019】
好ましくは、管理サーバは、施工者側機器にスケジュールを登録させて、ユーザ側機器から入力された見積依頼内容を把握して、把握した見積依頼内容から、施工日数を算出し、算出した施工日数を元に、スケジュールに空きのある施工者を、ユーザ側機器に提案するとよい。
【発明の効果】
【0020】
本発明によれば、職人等や工務店等で見積を作成しやすいシステムが提供されることとなる。
また、本明細書に記載の他の発明によれば、ユーザが見積依頼をしてそれに応じて施工者が見積を回答するので、ユーザが工務店等や職人等に、直接リフォームの工事を依頼することができるシステムを提供することが可能となる。また、施工者側機器は、発注者側機器が適用する材料情報に基づいて、工事で使用する材料を、管理サーバを介して商品受注側機器に対して注文することができるので、工務店や職人等が材料を入手し易いシステムを提供することが可能となる。
【0021】
チャット又はビデオ通話によって、ユーザと施工者とをつなぐことができれば、工事内容についての綿密な打ち合わせが可能となる。
【0022】
ユーザによって、施工者が評価されれば、他のユーザが施工者に注文する際の参考になる。
【0023】
施工者が施工実績を管理サーバに登録することができれば、ユーザが注文する際に、参考にすることができる。
【0024】
材料の受け取り先を指定できるようにすることで、施工者に都合のよい場所での受け取りが可能となる。
【0025】
受け取り先をホームセンターとすることで、材料を通常の物流に混載することが可能となるので、コストを低減することが可能となる。
【0026】
見積内容に応じた施工者の選定を管理サーバが行うことで、どこに依頼したらよいかというユーザの迷いを解消することができる。
【0027】
管理サーバが仮見積を作成することで、相場を、ユーザ又は施工者が知ることができ、適正価格での取引が可能となる。
【0028】
管理サーバがスケジュールの最適化を行うことで、空いている施工者に仕事を回すことができる。また、迅速な施工にもつながるので、ユーザにとってのメリットもある。
【0029】
本発明のこれら、及び他の目的、特徴、局面、効果は、添付図面と照合して、以下の詳細な説明から一層明らかになるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0030】
【
図1】
図1は、本発明の一実施形態におけるリフォームマッチングシステムの全体的概念を示す図である。
【
図2】
図2は、ユーザ側機器1における初期登録から見積受領までの動作を示すフローチャートである。
【
図3】
図3は、企業側機器3又は職人側機器4における初期登録から見積提出までの動作を示すフローチャートである。
【
図4】
図4は、ユーザ側機器1における見積受領から発注までの動作を示すフローチャートである。
【
図5】
図5は、企業側機器3又は職人側機器4における見積提出から受注までの動作を示すフローチャートである。
【
図6】
図6は、企業側機器3又は職人側機器4における材料発注から工事完了までの動作を示すフローチャートである。
【
図7】
図7は、商品受注側機器5における材料発注から材料発送までの動作を示すフローチャートである。
【
図8】
図8は、ユーザ側機器1における工事完了後の評価の動作を示すフローチャートである。
【
図9】
図9は、管理サーバ2における見積から決済までの動作を示すフローチャートである。
【
図10】
図10は、管理サーバ2におけるマッチングの最適化の動作を示すフローチャートである。
【
図11】
図11は、管理サーバ2における見積の自動化の動作を示すフローチャートである。
【
図12】
図12は、管理サーバ2におけるスケジュールの最適化の動作を示すフローチャートである。
【
図13】
図13は、管理サーバ2におけるビッグデータの収集の動作を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0031】
図1を参照しながら、本発明の一実施形態における
見積システムを含むリフォームマッチングシステムの全体的概念について説明する。なお、本明細書でいうリフォームとは、大がかりなリフォームだけに限らず、棚や手すりの取り付け、水道工事、一部の塗装など、簡単なリフォームも含むものとする。
【0032】
図1において、リフォームマッチングシステムは、図示しない有線又は無線のネットワークに相互に接続された一以上のユーザ側機器1と、一以上の管理サーバ2と、一以上の企業側機器3と、一以上の職人側機器4と、一以上の商品受注側機器5と、一以上の受取店舗6と、一以上の施工現場7とを含む。
職人側機器4及び商品受注側機器5によって、見積システムが構築される。
【0033】
これらの機器は、パソコンや、サーバ装置、スマートフォン、タブレット装置、情報処理端末など、コンピュータ装置であればよく、その形態は、限定されるものではない。そして、これらの機器には、コンピュータ装置の基本的要素である、制御部、記憶部、入力部、出力部、及び通信部が備わっている。そして、以下に説明する動作を実現するためのコンピュータプログラムが、各コンピュータ装置にインストールされることで、本実施形態のシステムが実現される。
【0034】
リフォームを希望するユーザは、ユーザ側機器1を操作して、登録業者の閲覧や、工事内容及び工事希望部分の写真の入力、工事希望日程の入力、見積依頼、やりとり先の選択、チャット機能及び/又はビデオ通話機能での交渉、契約、注文、決済、工事完了報告の受信、業者の評価などを行うことができる。これらの動作を、ユーザ側機器1は、専用のアプリを情報処理端末にインストールして実現してもよいし、WEBアプリの形態で提供されて実現してもよいし、その他の周知な方法で実現してもよい。
【0035】
企業側機器3は、工務店や材木店、各種専門業者など、会社組織でリフォームを請け負う業者(以下、総称して「工務店等」と呼ぶことにする。)が使用するコンピュータ装置である。企業側機器3を、ここでは、A種別と呼ぶことにする。A種別は、法人格を有していることを要件とするものではないが、A種別としてシステムに登録されている業者は、主に、法人格を有している場合が多い。
【0036】
職人側機器4は、大工や各種職人、DIYが得意な技能を有する個人(以下、総称して「職人等」と呼ぶことにする。)などが使用するコンピュータ装置である。職人側機器4を、ここでは、B種別と呼ぶことにする。なお、DIYが得意な個人も含めるため、B種別は、税務上、個人事業届を提出していることを要件とするものではない。
【0037】
A種別とB種別を分けた理由は、以下のとおりである。職人等は通常、工務店等から委託を受けて、仕事をすることが多い。しかし、工務店等からの依頼がない場合、職人等は、仕事がないこととなる。そのため、仕事がない時に、本実施形態のシステムを用いて、リフォームを希望するユーザと直接繋がり、B種別の職人等に仕事が行き渡るようにする。
【0038】
なお、本明細書では、「工務店等」及び「職人等」を合わせて、「業者」と呼ぶことにする。
【0039】
工務店等及び職人等は、企業側機器3及び職人側機器4を操作して、ユーザが入力した工事依頼内容の閲覧や、材料の調査、見積の提出、チャット機能及び/又はビデオ通話機能での交渉、契約、受注、材料の発注、決済、工事完了報告の作成などを行うことができる。これらの動作を、企業側機器3及び職人側機器4は、専用のアプリを情報処理端末にインストールして実現してもよいし、WEBアプリの形態で提供されて実現してもよいし、その他の周知な方法で実現してもよい。
【0040】
管理サーバ2は、ユーザ側機器1と企業側機器3及び職人側機器4との間を仲介する機能を有する。また、管理サーバ2は、商品受注側機器5との間で、材料情報の提供や、発注指示、発送指示、決済などを行うことができる。
【0041】
商品受注側機器5は、例えば、大手の建材メーカーやホームセンターの本部などが利用するコンピュータ装置である。商品受注側機器5は、管理サーバ2からの指示に応じて、材料(材料とは、商品や建材などのこと)を受注し、指定された発送先に材料を発送する。
【0042】
発送先は、工務店等が指定する場所(施工現場7や、工務店の所在地)や、職人等が指定する受け取り店舗6(近隣のホームセンターなど)である。
【0043】
以上のシステム概要を前提に、ユーザと工務店等及び職人等とのマッチングから決済までの流れについて、
図2~
図9を参照しながら説明する。
【0044】
図2において、ユーザ側機器1は、専用のアプリをインストールし(S101)、ユーザの各種個人情報を初期登録する(S102)。なお、WEBアプリでシステムが提供される場合は、アプリのインストールは不要である。
【0045】
次に、ユーザ側機器1は、ユーザが入力した工事の内容や工事箇所の写真を、管理サーバ2に送信する(S103)。なお、工事の依頼内容は、ユーザにも分かりやすいように、壁紙交換、キッチン交換、浴槽交換、棚板設置など、分かりやすい選択式になっているとよい。また、広さや大きさなどの情報も入力できるようになっているとよい。
【0046】
次に、ユーザ側機器1は、ユーザによる登録業者の閲覧に応じて、管理サーバ2から、各種情報を入手して、閲覧できるように、表示する(S104)。次に、ユーザ側機器1は、ユーザに、見積の依頼先をA種別にするか、それとも、B種別にするか、若しくは、両方にするかを選択させる(S105)。
【0047】
なお、選択の範囲として、業務年数や過去の施工件数、大工やDIYの得意な個人など、種々に限定することも可能である。
【0048】
そして、ユーザ側機器1は、S105で選択された結果を踏まえて、見積依頼を、管理サーバ2に送信する(S106)。
【0049】
見積依頼が送信されてくると、管理サーバ2は、選択された業者(A種別又はB種別、若しくは、A種別及びB種別の選択された業者)に、見積依頼があったことを通知することとなるため、業者側から、見積に先立った質問等が入る可能性がある。そのため、管理サーバ2は、ユーザ側機器1と業者との間で、見積提出までのチャットやビデオ通話でのやりとりを可能としているが(S107)、必須ではない。
【0050】
次に、ユーザ側機器1は、業者から送られてくる見積を受領して、ユーザに閲覧させる(S108)。
【0051】
図3において、企業側機器3又は職人側機器4(企業側機器3及び職人側機器4の両者が利用する場合は、「又は」ではなく「及び」となるが、どちらか一方が、本システムに参加していれば、少なくとも、本システムは稼働するので、ここでは、「又は」としている。以下、同様。)は、工務店等又は職人等は、各種情報(所在地や、連絡先、過去の実績、料金表、プロフィール、自己PR、資格の有無、過去の研修実績、過去の事故状況など)を初期登録する(S201)。
【0052】
次に、企業側機器3又は職人側機器4は、ユーザから提出されている見積依頼の内容を閲覧可能なように表示する(S202)。
【0053】
次に、企業側機器3又は職人側機器4は、工務店等又は職人等に、見積を提出する工事を選択させる(S203)。もちろん、見積を提出したい工事がなければ、S202の閲覧までで、処理は終了する。
【0054】
S203の後、企業側機器3又は職人側機器4は、見積提出まで、ユーザ側機器1との間で、チャットやビデオ通話で、各種質問などのやりとりができるようになっている(S204)。ただし、この機能は任意である。なぜなら、多数の業者とのやりとりにユーザが追われる可能性があるからである。
【0055】
企業側機器3又は職人側機器4は、商品受注側機器5から提供されている材料や価格を検索して、調査することができる(S205)。
【0056】
以上の動作の後、工務店等又は職人等は、見積額を決定する。企業側機器3又は職人側機器4は、工務店等又は職人等に見積を入力させて、決定した見積を、管理サーバ2に送信する(S206)。
【0057】
図2の動作によって、管理サーバ2に、見積依頼が蓄積し、
図3の動作によって、管理サーバ2に、見積依頼に対応する見積が蓄積していくこととなる。これらの見積依頼と対応する見積とは、管理サーバ2は、収集していくこととなる。
【0058】
図4において、ユーザ側機器1は、管理サーバ2に蓄積された見積を受領する(S301)。ユーザ側機器1は、見積を提出した業者の実績などの各種情報をユーザに閲覧させる(S302)。
【0059】
次に、ユーザ側機器1は、業者を選択させ、発注するか否かの打診にユーザを進める(S303)。
【0060】
ユーザ側機器1は、管理サーバ2を介して、打診後、チャットやビデオ通話で、企業側機器3又は職人側機器4とやりとりを行う(S304)。ただし、この動作は任意である。
【0061】
最終的に、ユーザが発注業者を決定したら、ユーザ側機器1は、管理サーバ2に対して、決定した発注業者を通知する(S305)。
【0062】
そして、ユーザ側機器1は、ユーザと業者とのやりとりの後、工事日や具体的な発注内容(仕様や価格など)を決定させ、決定した工事日及び発注内容を管理サーバ2に送信する(S306)。
【0063】
そして、汎用又は専用の電子契約システムを利用するなどして、管理サーバ2を通じて若しくは他のサーバを通じて、ユーザ側機器1は、業者との間での契約締結を行い(S307)、管理サーバ2に対して、当該業者に発注する旨を通知する(S308)。
【0064】
図5において、企業側機器3又は職人側機器4は、ユーザ側機器1からの打診を受領する(S401)。これに応じて、同じく任意の動作ではあるが、企業側機器3又は職人側機器4は、管理サーバ2を介して、チャットやビデオ通話によって、ユーザ側機器1との間で、やりとりを行うことができる(S402)。
【0065】
ユーザが、当該業者に発注することを決定した場合、管理サーバ2から当該業者の企業側機器3又は職人側機器4に対して、発注の決定連絡が送られてくる。企業側機器3又は職人側機器4は、その発注決定連絡を受領する(S403)。
【0066】
その後、企業側機器3又は職人側機器4は、ユーザ側機器1と最終的にチャットやビデオ通話でやりとりを行って、工事日及び発注内容を決定する(S404)。
【0067】
そして、汎用又は専用の電子契約システムを利用するなどして、管理サーバ2を通じて若しくは他のサーバを通じて、企業側機器3又は職人側機器4は、ユーザとの間での契約締結を行い(S405)、管理サーバ2に対して、当該ユーザから受注した旨を通知する(S406)。
【0068】
図4及び
図5の動作によって、受発注までが確定したこととなる。
【0069】
図6において、業者が現場を確認したのち(S501)、企業側機器3又は職人側機器4は、業者に最終的な材料を選定させる(S502)。材料の選定には、商品受注側機器5が登録した材料情報の閲覧が利用される。
【0070】
材料の選定が完了したら、企業側機器3又は職人側機器4は、材料の発注をさせて(S503)、注文を確定し(S504)、管理サーバ2又は他のサーバを利用して、クレジットカードや他の電子決済、口座引落、口座振替など、種々の決済手段を用いて決済を実行する(S505)。
【0071】
企業側機器3又は職人側機器4は、管理サーバ2から、注文確定連絡を受信する(S506)。その後、商品受注側機器5が商品を発送した旨の連絡を管理サーバ2に送信したら、管理サーバ2が、企業側機器3又は職人側機器4に商品発送連絡を行い、企業側機器3又は職人側機器4も、商品発送を受信する(S507)。
【0072】
その後、材料が、指定された配送先に到着したら、専用の若しくは既存のシステムを利用して、到着連絡を、商品受注側機器5が管理サーバ2に送信し、管理サーバ2が企業側機器3又は職人側機器4に到着連絡を行い、企業側機器3又は職人側機器4も、到着連絡を受信する(S508)。
【0073】
業者は、指定された配送先で、材料を受け取り(S509)、ユーザの指定場所で工事を行う。
【0074】
工事の完了後、企業側機器3又は職人側機器4は、業者に工事結果を管理サーバ2に投稿させる(S510)。ただし、この動作は、任意である。
【0075】
図7において、商品受注側機器5の動作について説明する。商品受注側機器5は、会社情報などを初期登録した後(S601)、自社が持つ材料の情報を管理サーバ2に登録する(S602)。当該登録は、手動で行われてもよいが、アイテム数が多数の場合、手動で行うことは困難である。したがって、商品受注側機器5が持つ既存のデータベースを、管理サーバ2に移植することで、登録が行われるとよい。
【0076】
また、ここでは、管理サーバ2に、商品登録が行われることとなっているが、管理サーバ2から、商品受注側機器5が運営する通販サイトなどに、リンクするようにして、材料の受発注が行われるようにしてもよい。
【0077】
材料の登録後、商品受注側機器5は、企業側機器3又は職人側機器4から受注し、受注連絡を管理サーバ2に行う(S603)。
【0078】
S604の決済は、商品受注側機器5と企業側機器3又は職人側機器4との間で直接行なわれてもよいし、管理サーバ2を介して、行なわれてもよい。
【0079】
そして、商品受注側機器5は、材料の発送及び発送連絡を、管理サーバ2を介して、企業側機器3又は職人側機器4に行う(S605)。
【0080】
商品受注側機器5は、指定場所への到着連絡を、管理サーバ2を介して、企業側機器3又は職人側機器4に行う(S606,S607)。
【0081】
図8に示すように、ユーザ側機器1は、工事の完了後、管理サーバ2を介して、業者への支払決済を実行し(S701)、業者の施工内容に関する評価を、星マークの数やコメントによって、行う(S702)。
【0082】
なお、ユーザによる決済は、着手前、完成後などのように、複数回に分かれていてもよい。
【0083】
上記説明において、適宜、管理サーバ2の動作を説明したが、
図9を参照しながら、見積から決済までの管理サーバ2の動作のうち、記憶する情報を中心に説明する。
【0084】
まず、管理サーバ2は、ユーザ及び業者の初期登録を記憶する(S801)。管理サーバ2は、商品受注側機器5からの材料情報を記憶する(S802)。管理サーバ2は、見積依頼の内容を記憶する(S803)。管理サーバ2は、見積を記憶する(S804)。
【0085】
このように、管理サーバ2は、情報を適宜記憶していく。言うまでもないが、記憶する際、ユーザや業者、商品受注業者と紐付けて各種情報を記憶していく。
【0086】
そして、管理サーバ2は、チャットやビデオ通話を提供して、ユーザ側機器1と企業側機器3又は職人側機器4との間で、やりとりができるようにする(S805)。
【0087】
また、管理サーバ2は、契約の締結の媒介ができるように、電子契約システムを、ユーザ側機器1と企業側機器3又は職人側機器4とに提供する(S806)。ただし、電子契約システムは、外部のシステムを利用するようにしてもよい。
【0088】
また、管理サーバ2は、ユーザ側機器1と企業側機器3又は職人側機器4との間の決済システムを提供する(S807)。管理サーバ2は、ユーザ側機器1から、見積額に応じた支払を受ける。そして、管理サーバ2は、支払を受けた金額から手数料を差し引いて、残金を業者側に支払う。ただし、手数料を差し引くか否かは任意である。材料の売買の決済のタイミングで、手数料を管理サーバ2は取るようにしてもよい。また、業者側からの固定の登録料で、システム運用費用を賄ってもよい。
【0089】
管理サーバ2は、ユーザ側機器1によって入力された業者の評価情報を記憶する(S808)。また、管理サーバ2は、企業側機器3又は職人側機器4によって入力された施工実績を記憶する(S809)。
【0090】
以上のような、ユーザ側機器1、企業側機器3、職人側機器4、管理サーバ2、及び商品受注側機器5の動作によって、リフォームマッチングシステムを提供することが可能となる。
【0091】
本システムによれば、工務店等の参加も許可しているが、工務店等は参加できずに、職人等だけが参加できるようにしてもよい。いずれにしても、職人等が直接、ユーザからのリフォームの注文を受け付けることができるので、本システムが取得する手数料を除けば、ユーザは、職人等の実力などを確認しながら、リフォームを比較的にリーズナブルに発注することが可能となると期待出来る。
職人等や工務店等の施工者による見積も容易となる。
【0092】
次に、管理サーバ2における動作の変形例について述べる。
【0093】
図10に示すように、マッチングの最適化を管理サーバ2は、実行することが可能である。
【0094】
管理サーバ2は、見積依頼を受信すると(S901)、見積依頼の内容を把握する(S902)。たとえば、壁紙の交換、キッチンの交換、浴室の交換、棚の取り付け、広さ、大きさなど、ある程度、見積依頼をユーザに入力させる際に、選択できるようにしておけば、見積依頼の内容の把握は、実現出来る。
【0095】
そして、管理サーバ2は、過去の実績から、見積依頼の内容に適した業者を選定する(S903)。選定の仕方としては、把握した見積依頼の内容の施工実績の多い業者や、ユーザの所在地に近い業者、評価の高い業者、価格の安かった業者など、蓄積したデータに基づいて、選定する指標を決定すれば、このような業者の選定も、実現出来る。
【0096】
このようにして、管理サーバ2が選定したお勧めの業者を、管理サーバ2は、ユーザ側機器1に対して、提案する(S904)。
【0097】
このように、最適なマッチングを管理サーバ2が行うようにしてもよい。人工知能を利用して、最適なマッチングを行うようにしてもよい。
【0098】
次に、見積の自動化について説明する。
【0099】
図11に示すように、ユーザ側機器1若しくは企業側機器3又は職人側機器4から、仮見積の作成依頼が管理サーバ2に要求される(S1001)。管理サーバ2は、見積依頼の内容を把握する(S1002)。この把握も、壁紙の交換、キッチンの交換、浴室の交換、棚の取り付け、広さ、大きさ、地域など、ある程度、見積依頼をユーザ又は業者に入力させる際に、選択できるようにしておけば、見積依頼の内容の把握は、実現出来る。
【0100】
そして、管理サーバ2は、過去の見積の実績に基づいて、同様の施工内容や広さなどの見積を抽出して、仮の見積を作成し(S1003)、ユーザ側機器1若しくは企業側機器3又は職人側機器4に送信する(S1004)。
【0101】
このようにして、管理サーバ2は、ユーザや業者からの要望に応じて、仮見積を作成することができる。よって、ユーザであれば、業者に見積依頼をする前に、仮見積を入手しておいて、相場を理解し、予算の確保や、施工の必要性の判断に役立てることができる。また、業者であれば、仮見積を見て、相場の把握や、自身が提出する見積額の決定を行うことができる。
【0102】
仮見積の作成を人工知能で実現してもよい。
【0103】
次に、スケジュールの最適化について説明する。
【0104】
管理サーバ2は、企業側機器3又は職人側機器4に、スケジュールを登録させる(S1101)。これによって、業者の空き具合を、管理サーバ2が把握できる。
【0105】
次に、管理サーバ2は、ユーザからの見積依頼の内容を把握して(S1102)、その内容から、施工日数を算出する(S1103)。施工日数の算出については、上記で繰り返し述べたように、見積内容を把握すれば、過去の実績から、必要な施工日数のおおよそを抽出することができる。
【0106】
そして、管理サーバ2は、算出した施工日数を元に、空いている業者を認識する(S1104)。そして、管理サーバ2は、スケジュールの空きのある業者をユーザ側機器1に提案するか、スケジュールの空きのある企業側機器3又は職人側機器4に対して、見積依頼があった旨を通知する。
【0107】
スケジュールの最適化も人工知能で実現してもよい。
【0108】
次に、ビッグデータの収集について説明する。
【0109】
管理サーバ2は、ユーザや業者など利用者の属性と対応させて、注文履歴を記憶する(S1201)。
【0110】
管理サーバ2は、ユーザや業者など利用者の属性と対応させて、工事履歴を記憶する(S1202)。
【0111】
管理サーバ2は、工事の見積履歴を記憶する(S1203)。
【0112】
管理サーバ2は、工事履歴と発注材料の履歴を記憶する(S1204)。
【0113】
管理サーバ2は、事故履歴(クレームや工事ミスなど)を記憶する(S1205)。
【0114】
これらの記憶された情報を、管理サーバ2は、今後のシステムの機能向上に利用するようにしてもよいし、ビッグデータとして、プライベートな情報が特定されない形で、他者に提供してもよい。
【0115】
なお、上記での述べたユーザは、発注者であり、工務店等や職人等の業者は施工者であるので、そのように概念的に表現することとする。
【0116】
また、どの範囲をリフォームというのか定義づけることは難しいので、リフォームを工事と概念的に表現することとする。
【0117】
また、施工者が使用する機器は、上記実施形態では、企業側機器3又は職人側機器4としたが、施工者側機器と概念的に表現することとする。
【0118】
なお、上記に説明した制御は、全て又はその一部が、ブロックチェーン技術によって、制御されてもよい。
【0119】
以上、本発明を詳細に説明してきたが、前述の説明はあらゆる点において本発明の例示にすぎず、その範囲を限定しようとするものではない。本発明の範囲を逸脱することなく種々の改良や変形を行うことができることは言うまでもない。本明細書に開示されている発明の構成要件は、それぞれ独立に単独した発明として成立するものとする。各構成要件をあらゆる組み合わせ方法で組み合わせた発明も、本発明に含まれることとする。
【産業上の利用可能性】
【0120】
本発明は、見積システムであり、産業上利用可能である。
【符号の説明】
【0121】
1 ユーザ側機器
2 管理サーバ
3 企業側機器
4 職人側機器
5 商品受注側機器
6 受け取り店舗
7 施工現場