(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2025015877
(43)【公開日】2025-01-31
(54)【発明の名称】画面共有制御装置、画面共有制御システム、画面共有制御方法およびプログラム
(51)【国際特許分類】
G06F 3/048 20130101AFI20250124BHJP
G06F 3/14 20060101ALI20250124BHJP
G06F 3/01 20060101ALI20250124BHJP
【FI】
G06F3/048
G06F3/14 310A
G06F3/01 510
【審査請求】未請求
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023118748
(22)【出願日】2023-07-21
(71)【出願人】
【識別番号】000232092
【氏名又は名称】NECソリューションイノベータ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100109313
【弁理士】
【氏名又は名称】机 昌彦
(74)【代理人】
【識別番号】100149618
【弁理士】
【氏名又は名称】北嶋 啓至
(72)【発明者】
【氏名】渡辺 泳樹
(72)【発明者】
【氏名】中村 元輝
(72)【発明者】
【氏名】田代 秀浩
(72)【発明者】
【氏名】辻 朋子
【テーマコード(参考)】
5B069
5E555
【Fターム(参考)】
5B069AA01
5B069BB11
5B069CA02
5E555AA12
5E555BA02
5E555BB02
5E555BC08
5E555BD05
5E555CA42
5E555CA47
5E555CB64
5E555CB65
5E555CC01
5E555DA01
5E555DA08
5E555DA09
(57)【要約】
【課題】 適切なタイミングで画面共有を開始する。
【解決手段】 画面共有制御装置は、取得部と、決定部と、送信部とを備える。取得部は、共有対象画面の表示タイミングを示す情報を取得する。あるいは、取得部は、共有対象画面の共有先のユーザの作業状況を示す作業情報を取得する。決定部は、表示タイミングを示す情報または作業情報に応じて、共有対象画面の共有を開始するタイミングを決定する。送信部は、決定されたタイミングに従って、共有対象画面の共有先である少なくとも1つの端末装置に、共有対象画面を表示させる制御信号を送信する。
【選択図】
図26
【特許請求の範囲】
【請求項1】
共有対象画面の表示タイミングを示す情報を取得する取得手段と、
前記表示タイミングを示す情報に従って、前記共有対象画面の共有を開始するタイミングを決定する決定手段と、
前記決定されたタイミングに従って、前記共有対象画面の共有先である少なくとも1つの端末装置に、前記共有対象画面を表示させる制御信号を送信する送信手段と
を備える、画面共有制御装置。
【請求項2】
共有対象画面の共有先のユーザの作業状況を示す作業情報を取得する取得手段と、
前記作業情報に応じて、共有先のユーザの手が空いたことを推定し、前記推定したタイミングを前記共有対象画面の共有を開始するタイミングに決定する決定手段と、
前記決定されたタイミングに従って、前記共有対象画面の共有先である少なくとも1つの端末装置に、前記共有対象画面を表示させる制御信号を送信する送信手段と
を備える、画面共有制御装置。
【請求項3】
前記取得手段は、共有元の端末装置から、前記共有対象画面および共有先の端末装置の情報を含む共有要求をさらに取得し、
前記送信手段は、前記決定されたタイミングに従って、前記共有対象画面の共有先である少なくとも1つの端末装置に、前記共有要求を許可するか否かの入力画面を送信し、
前記取得手段は、前記共有対象画面の共有先である少なくとも1つの端末装置から、前記共有要求を許可するか否かの入力情報をさらに取得し、
前記共有要求を許可するとの入力情報を取得した場合に、前記送信手段は、前記共有対象画面の共有先である少なくとも1つの端末装置に前記共有対象画面を表示させる制御信号を送信する、請求項2に記載の画面共有制御装置。
【請求項4】
前記取得手段は、前記表示タイミングを示す情報としてユーザの会話情報を取得し、
前記決定手段は、前記会話情報が予め決められたキーワードに関連する共有開始条件を満たす場合、前記キーワードに関連する共有対象画面の共有を開始するタイミングを決定する、請求項1に記載の画面共有制御装置。
【請求項5】
請求項1乃至4のいずれか一項に記載の画面共有制御装置と、
共有先のユーザおよび共有元のユーザの少なくともいずれかによって装着される1以上のスマートグラスと
を備える、画面共有制御システム。
【請求項6】
前記スマートグラスは、ユーザの視線位置を含む視線情報を取得する視線情報取得手段を備え、
前記送信手段は、共有元のユーザが装着する前記スマートグラスから受信した視線位置を用いて、前記共有対象画面を更新するタイミングを前記制御信号へ組み込む、請求項5に記載の画面共有制御システム。
【請求項7】
前記スマートグラスは、ユーザの視線位置を含む視線情報を取得する視線情報取得手段を備え、
前記送信手段は、共有先の端末装置に、共有元の端末装置から受信した共有元のユーザの視線位置を表すマーカを、前記共有対象画面に重畳して表示させる制御信号をさらに送信する、請求項5に記載の画面共有制御システム。
【請求項8】
コンピュータが、
共有対象画面の表示タイミングを示す情報を取得し、
前記表示タイミングを示す情報に従って、前記共有対象画面の共有を開始するタイミングを決定し、
前記決定されたタイミングに従って、前記共有対象画面の共有先である少なくとも1つの端末装置に、前記共有対象画面を表示させる制御信号を送信する、画面共有制御方法。
【請求項9】
コンピュータが、
共有対象画面の共有先のユーザの作業状況を示す作業情報を取得し、
前記作業情報に応じて、共有先のユーザの手が空いたことを推定し、前記推定したタイミングを前記共有対象画面の共有を開始するタイミングに決定し、
前記決定されたタイミングに従って、前記共有対象画面の共有先である少なくとも1つの端末装置に、前記共有対象画面を表示させる制御信号を送信する、画面共有制御方法。
【請求項10】
コンピュータに、
共有対象画面の表示タイミングを示す情報を取得する処理と、
前記表示タイミングを示す情報に従って、前記共有対象画面の共有を開始するタイミングを決定する処理と、
前記決定されたタイミングに従って、前記共有対象画面の共有先である少なくとも1つの端末装置に、前記共有対象画面を表示させる制御信号を送信する処理と
を実行させる、プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、画面共有制御装置、画面共有制御システム、画面共有制御方法およびプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
ユーザの画面を共有するための技術が、特許文献1に開示されている。特許文献1のオンライン会議支援装置は、画面共有を行うユーザが「画面共有」のボタンを選択することにより、画面の共有を開始する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1に開示された技術は、画面共有を行うユーザが決定したタイミングで共有を開始する。しかし、画面共有を行うユーザが決定したタイミングが、必ずしも共有開始の適切なタイミングであるとは限らない。
【0005】
本開示の目的は、適切なタイミングで画面共有を開始する画面共有制御装置、画面共有制御システム、画面共有制御方法およびプログラムを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示の一態様の画面共有制御装置は、共有対象画面の表示タイミングを示す情報を取得する取得手段と、表示タイミングを示す情報に従って、共有対象画面の共有を開始するタイミングを決定する決定手段と、決定されたタイミングに従って、共有対象画面の共有先である少なくとも1つの端末装置に、共有対象画面を表示させる制御信号を送信する送信手段とを備える。
【0007】
本開示の一態様の画面共有制御装置は、共有対象画面の共有先のユーザの作業状況を示す作業情報を取得する取得手段と、作業情報に応じて、共有先のユーザの手が空いたことを推定し、前記推定したタイミングを前記共有対象画面の共有を開始するタイミングに決定する決定手段と、決定されたタイミングに従って、共有対象画面の共有先である少なくとも1つの端末装置に、共有対象画面を表示させる制御信号を送信する送信手段とを備える。
【0008】
本開示の一態様の画面共有制御方法は、コンピュータが、共有対象画面の表示タイミングを示す情報を取得し、表示タイミングを示す情報に従って、共有対象画面の共有を開始するタイミングを決定し、決定されたタイミングに従って、共有対象画面の共有先である少なくとも1つの端末装置に、共有対象画面を表示させる制御信号を送信する。
【0009】
本開示の一態様の画面共有制御方法は、コンピュータが、共有対象画面の共有先のユーザの作業状況を示す作業情報を取得し、作業情報に応じて、共有先のユーザの手が空いたことを推定し、推定したタイミングを共有対象画面の共有を開始するタイミングに決定し、決定されたタイミングに従って、共有対象画面の共有先である少なくとも1つの端末装置に、共有対象画面を表示させる制御信号を送信する。
【0010】
本開示の一態様のプログラムは、コンピュータに、共有対象画面の表示タイミングを示す情報を取得する処理と、表示タイミングを示す情報に従って、共有対象画面の共有を開始するタイミングを決定する処理と、決定されたタイミングに従って、共有対象画面の共有先である少なくとも1つの端末装置に、共有対象画面を表示させる制御信号を送信する処理とを実行させる。
【0011】
本開示の一態様のプログラムは、コンピュータに、共有対象画面の共有先のユーザの作業状況を示す作業情報を取得する処理と、作業情報に応じて、共有先のユーザの手が空いたことを推定し、推定したタイミングを共有対象画面の共有を開始するタイミングに決定する処理と、決定されたタイミングに従って、共有対象画面の共有先である少なくとも1つの端末装置に、共有対象画面を表示させる制御信号を送信する処理とを実行させる。
【発明の効果】
【0012】
本開示によれば、適切なタイミングで画面共有を開始する画面共有制御装置、画面共有制御システム、画面共有制御方法およびプログラムを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【
図1】本開示に係る画面共有制御システムについて説明するための概念図である。
【
図2】本開示に係る画面共有制御システムの構成の一例を示すブロック図である。
【
図3】ユーザのスケジュール情報の一例を示すテーブルである。
【
図5】シナリオ情報登録画面の一例を示す概念図である。
【
図6】イベントタグ関連情報の一例を示す図である。
【
図7】イベントタグ関連情報入力画面の一例を示す概念図である。
【
図8】制御情報確認画面の一例を示すテーブルである。
【
図9】ウィンドウ共有を行うか否かの入力を受け付ける入力画面の一例を示す概念図である。
【
図10】本開示に係る画面共有制御装置の動作の一例を示すフローチャートである。
【
図11】本開示に係る画面共有制御装置の動作の一例を示すフローチャートである。
【
図12】本開示に係る画面共有制御装置の動作の一例を示すフローチャートである。
【
図13】本開示に係る画面共有制御装置の動作の一例を示すフローチャートである。
【
図14】本開示に係る画面共有制御システムについて説明するための概念図である。
【
図15】本開示に係る画面共有制御システムの構成の一例を示すブロック図である。
【
図16】共有先のユーザへ画面共有を要求するための表示画面の一例を示す概念図である。
【
図17】共有元のユーザへ、共有する画面を特定するための情報と、共有先のユーザUを特定するための情報とを含む入力を要求するための表示画面の一例を示す概念図である。
【
図18】共有元のユーザへ、共有先のユーザの共有許可待ちであることを通知するための表示画面の一例を示す概念図である。
【
図19】画面要求通知画面の一例を示す概念図である。
【
図20】本開示に係る画面共有制御装置の前処理の動作の一例を示すフローチャートである。
【
図21】本開示に係る画面共有制御装置の動作の一例を示すフローチャートである。
【
図22】本開示に係る画面共有制御システムについて説明するための概念図である。
【
図23】本開示に係る画面共有制御システムの構成の一例を示すブロック図である。
【
図24】本開示に係る画面共有制御装置の前処理の動作の一例を示すフローチャートである。
【
図25】本開示に係る画面共有制御装置の動作の一例を示すフローチャートである。
【
図26】本開示に係る画面共有制御装置の構成の一例を示すブロック図である。
【
図27】本開示に係る画面共有制御装置の動作の一例を示すフローチャートである。
【
図28】本開示に係る画面共有制御装置の構成の一例を示すブロック図である。
【
図29】本開示に係る画面共有制御装置の動作の一例を示すフローチャートである。
【
図30】本開示に係る画面共有制御システムの構成の一例を示すブロック図である。
【
図31】本開示に係る画面共有制御システムの構成の一例を示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下に、本開示に係る実施形態を、図面を参照しながら詳細に説明する。以下に述べる実施形態には、本開示を実施するために技術的に好ましい限定がされているが、発明の範囲を以下に限定するものではない。以下の実施形態の説明に用いる全図においては、特に理由がない限り、同様箇所には同一符号を付す。以下の実施形態において、同様の構成・動作に関しては繰り返しの説明を省略する場合がある。
【0015】
以下の実施形態において、ユーザU1とユーザU2とを特に区別する必要がないときは、ユーザUと記す。同様に、ウィンドウW1~ウィンドウW6を特に区別する必要がないときは、ウィンドウWと記す。また、表示画面S1と表示画面S2とを特に区別する必要がないときには、表示画面Sと記す。
【0016】
[第1実施形態]
【0017】
(画面共有制御システム1の構成)
図1は、本開示に係る画面共有制御システム1について説明するための図である。画面共有制御システム1は、画面共有元のユーザUが、画面共有先のユーザUに対して画面共有を行うためのシステムである。共有元の端末装置の表示画面Sに表示されるウィンドウWn(nは自然数)は、画面共有制御装置10を介して共有先の端末装置へ共有される。画面共有制御システム1は、表示画面Sに表示される一部のウィンドウを共有してもよいし、全てのウィンドウを共有してもよい。
図1の例では、ユーザU1が共有元のユーザであり、ユーザU2が共有先のユーザである。また、
図1の例では、共有元である端末装置70の表示画面S1に含まれるウィンドウのうち、ウィンドウW1が共有される。
図1の例において、ユーザUは2人(ユーザU1、ユーザU2)であるとしたが、これは一例である。ユーザUは1人であっても複数人であってもよい。また、共有先のユーザおよび共有元のユーザの人数についても、
図1の例に限定されない。例えば、共有先のユーザおよび共有元のユーザは、それぞれが複数人であってもよい。
【0018】
図2は、本開示に係る画面共有制御システム1の構成の一例を示すブロック図である。画面共有制御システム1は、
図2に示すように、画面共有制御装置10、端末装置70、および端末装置80を備える。画面共有制御装置10は、端末装置70および端末装置80のそれぞれと通信可能に接続されている。
【0019】
端末装置70および端末装置80は情報処理装置である。
図2において、画面共有制御システム1は、端末装置70および端末装置80の2つの端末装置を備えるものとしたが、これは一例である。端末装置の数は2つ以上であればいくつでもよい。端末装置70および端末装置80は、例えばPC(Personal Computer)、タブレット端末、スマートフォン等の情報処理装置によって実現される。端末装置70および端末装置80は、スマートグラス等のウェアラブル端末によって実現されてもよい。
【0020】
端末装置70および端末装置80は、少なくとも出力部、記憶部および入力部を備える。出力部は、端末装置70や端末装置80の表示部に表示画面Sを表示させる。表示部は、例えばディスプレイ等によって実現される。記憶部は、画面共有制御装置10の処理に必要な情報を記憶する。具体的には、記憶部は、ユーザのスケジュール情報およびシナリオ情報のうち少なくともいずれかを記憶する。記憶部は、例えば、ハードディスク、半導体メモリ等の記憶装置によって実現される。入力部は、例えばマウス、キーボード等の入力装置に接続される入出力インタフェースによって実現される。入力部を介してユーザUから入力された情報は、画面共有制御装置10へ送信される。
【0021】
(画面共有制御装置10の構成)
次に、
図2を用いて、画面共有制御装置10について説明する。画面共有制御装置10は、一般的な情報処理装置によって実現される。例えば、画面共有制御装置10は、サーバ装置によって実現される。画面共有制御装置10は、例えば、ネットワークを介してユーザにサービスを提供するクラウドコンピューティングが採用されたサーバ装置によって実現される。画面共有制御装置10は、サーバ装置やクラウドにインストールされたアプリケーションによって実現されてもよい。
図2に示すように、画面共有制御装置10は、取得部11、決定部12、送信部13、および記憶部14を備える。記憶部14に記憶される情報は、端末装置70の記憶部に記憶されてもよい。
【0022】
取得部11は、共有対象画面の表示タイミングを示す情報を取得する。共有対象画面の表示タイミングを示す情報は、記憶部14または端末装置の記憶部から取得される。本実施形態において、共有対象画面の表示タイミングを示す情報は、共有対象画面の共有を開始する起点を含む予定情報である。例えば、予定情報は、ユーザUのスケジュール情報または会議のシナリオ情報である。スケジュール情報は、ユーザUの行動予定の一覧である。スケジュール情報は、ユーザUの予定された行動と該行動の予定時刻とを含む。シナリオ情報は、時刻ごとに予め決められた会議の進行スケジュールである。共有対象画面の表示タイミングは、表示タイミングを示す情報を取得した後の時点である。有効な共有対象画面の表示タイミングは、共有対象画面の共有を開始する起点となる時刻以降の時点である。共有対象画面の表示タイミングは、表示タイミングを示す情報を取得した時点であってもよい。
【0023】
ユーザUのスケジュール情報は、例えばユーザUの所有する端末装置にインストールされたスケジューラ等のアプリケーションから取得される。ユーザUのスケジュール情報は、記憶部14から取得されてもよい。
【0024】
図3は、ユーザUのスケジュール情報の一例を示す図である。スケジュール情報は、ユーザUを特定するための識別情報、イベント日時、イベントタイトル、イベントタグ情報および共有情報を含む。尚、本実施形態において、スケジュール情報には、イベントタグ情報および共有情報の両方が含まれる必要はない。スケジュール情報は、イベントタグ情報または共有情報のいずれか一方を含めばよい。この理由については後述する。
【0025】
以下、スケジュール情報が含む各種情報について説明する。ユーザUを特定するための識別情報とは、ユーザUを一意に特定するための識別情報である。例えば、識別情報は、ユーザUの氏名、性別、年齢、社員番号等の情報を含む。イベント日時は、ユーザUのスケジュール情報に含まれるイベントが行われる日時を指す。
図3の例において、イベント日時は日付および時刻である。イベントタイトルは、ユーザUによって決められたイベントのタイトルである。イベントタグ情報は、イベントの種類を識別するための情報である。イベントタグ情報は、例えば該イベントが個人作業であるか会議であるかを示す情報である。イベントタグ情報は、
図3に示すように、会議の名称であってもよい。イベントタグ情報は、ユーザによって予め付与されてもよいし、公知の自然言語処理によりイベントタイトルを解析することで自動付与されてもよい。共有情報は、共有するウィンドウを特定するためのウィンドウ情報および共有先のユーザUを特定するための情報を含む情報である。ウィンドウ情報は、例えばウィンドウWの識別情報である。例えば、ウィンドウ情報は、共有元のユーザの端末装置の表示画面におけるウィンドウWの位置を表す座標情報である。例えば、ウィンドウ情報は、特定のアプリケーションを指すアプリケーション識別情報である。アプリケーション識別情報は、該アプリケーション内で開かれるファイルの情報を含んでもよい。例えば、ウィンドウ情報は、各ウィンドウに紐づけられたウィンドウタグ情報である。ウィンドウタグ情報とは、ウィンドウWの属性や特徴を識別するためのタグ情報である。例えば、ウィンドウタグ情報には、プロジェクト名や作業名が含まれる。ウィンドウタグ情報は、ユーザによって事前に付与されてもよいし、自動で付与されてもよい。ウィンドウタグ情報は、例えば公知の自然言語処理によりウィンドウタイトルまたは該ウィンドウに含まれるテキスト情報を解析することで自動付与される。各ウィンドウに紐づけられたウィンドウタグ情報は、記憶部14または端末装置の記憶部に記憶される。また、ウィンドウ情報は、1つのウィンドウWの識別情報であってもよいし、複数のウィンドウWをグループ化したウィンドウ群の識別情報であってもよい。
【0026】
図4は、シナリオ情報の一例を示す図である。シナリオ情報は、共有元のユーザUを特定するための情報、共有先のユーザUを特定するための情報、共有されるウィンドウを特定するためのウィンドウ情報、および画面を共有する日時を含む。例えば、取得部11は、記憶部14に記憶されたシナリオ情報を取得する。取得部11は、端末装置からシナリオ情報に含まれる情報の入力を受け付けて、入力された情報を用いてシナリオ情報を生成してもよい。例えば、取得部11は、情報の入力を受け付けるシナリオ情報登録画面を端末装置の出力部に表示させる。取得部11は、端末装置の出力部に表示されたシナリオ情報登録画面を介して入力された入力情報を用いて、シナリオ情報を生成する。
【0027】
図5は、シナリオ情報登録画面の一例である。シナリオ情報登録画面は、専用アプリケーション画面または画面共有制御装置10によるウェブページ等、如何なる形式で提供されてもよい。端末装置の操作者であるユーザUは、入力部を介して、共有日時(D1、D2)、共有元のユーザUを特定するための情報(D3)、共有先のユーザUを特定するための情報(D4)、およびウィンドウ情報(D5)を入力する。
図5に示すGUIは一例であり、シナリオ情報登録画面に用いるGUI(Graphical User Interface)はどのようなものであってもよい。例えば、シナリオ情報登録画面は、プッシュボタン、ラジオボタン、テキスト入力欄など、如何なるGUIを含み得る。ユーザUは、各種情報の入力を終えると、ボタンB1を押下する。ユーザUによってボタンB1が押下されると、端末装置の入力部を介して入力された各種情報は、取得部11へ送信される。
【0028】
会議のシナリオ情報は、過去に行われた会議の共有履歴を用いて自動で生成されてもよい。例えば、会議のシナリオ情報は、機械学習された学習済みモデルを用いて生成される。例えば、取得部11が学習済みモデルに会議のタイトルを入力すると、学習済みモデルがシナリオ情報を出力する。取得部11は、学習済みモデルから出力されたシナリオ情報を取得する。例えば、学習済みモデルは、会議のタイトル、共有元のユーザUを特定するための情報、共有先のユーザUを特定するための情報、および共有されるウィンドウを特定するためのウィンドウ情報を教師データとして学習されたモデルである。取得部11は、学習済みモデルによって出力されたシナリオ情報を、シナリオ情報登録画面に入力候補として出力するようにしてもよい。会議のシナリオ情報の自動生成は、例えば定例会議において有効である。その理由は、定例会議において、画面共有を開始するタイミングおよび共有対象画面は過去に行われた会議と同一である場合があるためである。
【0029】
決定部12は、取得部11で取得された表示タイミングを示す情報に従って、共有対象画面の共有を開始するタイミングを決定する決定手段の一例である。決定部12は、スケジュール情報に応じて、共有対象画面の共有を開始するタイミングを決定する。あるいは、決定部12は、シナリオ情報に応じて、共有対象画面の共有を開始するタイミングを決定する。あるいは、決定部12は、ユーザ間の会話内容によって共有を開始するタイミングを決定する。
【0030】
まず、スケジュール情報に応じて共有を開始するタイミングを決定する方法を説明する。スケジュール情報がイベントタグ情報を含む場合、決定部12はイベントタグ情報を参照する。決定部12は、イベントタグ情報が会議であることを示す情報であるイベントの時刻を特定する。記憶部14にイベントタグ情報に関連付けられたイベントタグ関連情報が記憶されている場合、決定部12は、イベントタグ関連情報を参照して、共有対象画面を決定する。
【0031】
図6は、イベントタグ関連情報の一例である。
図6に示すように、イベントタグ関連情報は、共有対象画面を特定するためのウィンドウ情報と、共有先のユーザを特定するための情報とを含む。記憶部14にイベントタグ関連情報が記憶されていない場合、取得部11は、スケジュール情報に関連付けられたユーザ、すなわち共有元のユーザの端末装置へ、イベントタグ関連情報についての入力を要求する。例えば、取得部11は、端末装置の出力部にイベントタグ関連情報入力画面を表示させる。取得部11は、端末装置からの入力情報をイベントタグ関連情報として取得する。
【0032】
図7は、イベントタグ関連情報入力画面の一例である。イベントタグ関連情報入力画面は、少なくとも、共有する画面を特定するための入力を要求する情報D6と、共有先のユーザを特定するための入力を要求する情報D8とを含む。イベントタグ関連情報入力画面は、共有先のユーザを検索するための検索ボックスD7を含んでもよい。
図7の入力画面に用いるGUIは一例であり、これに限らない。決定部12は、取得部11が取得したイベントタグ関連情報についての入力情報を用いて、共有を開始するタイミングを決定する。共有元のユーザは、共有先のユーザとして自分自身を指定してもよい。共有先のユーザとして自分自身を選択すると、ユーザが指定した共有対象画面がイベント開始時刻に自動的に起動される。共有先のユーザとして自分自身を指定することにより、指定の時間に所望の画面を起動することができるため、共有元のユーザの作業効率を向上させることができる。
【0033】
スケジュール情報がイベントタグ情報を含む場合に、共有を開始するタイミングを決定する具体例を、
図3、
図6および
図7を用いて説明する。本具体例では、取得部11が
図3に示すスケジュール情報を取得したものとする。まず、決定部12は、イベントタグ情報が「施策X会議」である時刻「10:00~12:00」を特定する。同様に、決定部12は、イベントタグ情報が「プロジェクトC進捗会議」である時刻「16:30~17:00」を特定する。
【0034】
図6に示すイベントタグ関連情報が記憶部14に記憶されている場合、決定部12は、共有情報を参照して、共有対象画面と共有先とを特定する。そして、決定部12は、10:00にウィンドウW1をユーザU2、U3、およびU4に共有することを決定する。同様に、決定部12は、16:30にウィンドウタグ情報「プロジェクトC」に紐づけられたウィンドウをユーザU2に共有することを決定する。決定部12は、決定した情報を用いて、
図8に示すような制御情報を生成する。制御情報は、共有を行う日時、共有元のユーザUを特定するための情報、共有先のユーザUを特定するための情報、および共有されるウィンドウWのウィンドウ情報を含む。
【0035】
図6に示すイベントタグ関連情報が記憶部14に記憶されていない場合、決定部12は、共有元のユーザであるユーザU1の操作する端末装置70の出力部に、
図7に示すようなイベントタグ関連情報入力画面を表示させる。ユーザU1は、端末装置70の入力部を介して、各項目に情報を入力する。本具体例においては、ユーザU1は、
図7において網掛けがされている情報を入力したものとする。ユーザU1は、全ての項目について入力が完了するとボタンB2を押下する。端末装置70は、ボタンB2が押下されると、入力された情報を画面共有制御装置10へ送信する。取得部11は、送信された入力情報を受信する。決定部12は、受信した情報に基づいて、共有を開始するタイミングを決定する。さらに決定部12は、
図8に示すような制御情報を生成する。決定部12は、イベントタグ関連情報入力画面をイベントの開始時刻よりも前に表示させることが望ましい。例えば、決定部12は、イベントの開始時刻の5分前にイベントタグ関連情報入力画面を表示させる。この方法を採用した場合、ユーザU1の入力が完了するまで、共有対象画面を共有することができない。そのため、イベントタグ関連情報入力画面をイベントの開始時刻と同時に表示させると、適切なタイミングで画面共有を開始することができない可能性がある。それに対し、イベント開始時刻よりも前にイベントタグ関連情報入力画面を表示させれば、適切なタイミングで画面共有を開始することができる。
【0036】
複数人が画面共有を行うことが予め分かっているイベントについては、それぞれの共有元のユーザが操作する端末装置に、
図7に示すようなイベントタグ関連情報入力画面を表示する。共有元のユーザは、イベントタグ関連情報入力画面を介して、共有対象のウィンドウまたはファイルを登録する。取得部11は、それぞれの共有元のユーザが操作する端末装置から送信された入力情報を受信する。決定部12は、受信した情報および予め決められた共有順序に従って、共有を開始するタイミングを決定する。例えば、決定部12は、発表者の発表が終わったタイミングを、その次の発表者の画面共有を開始するタイミングとして決定する。イベントタグ関連情報入力画面は、画面共有を開始する予定時刻の入力を受け付ける情報を含んでもよい。共有元のユーザの操作する端末装置から予定時刻を受信した場合、決定部12は、受信した予定時刻に近づくと、共有元のユーザに共有を開始するか否かの確認メッセージを送信する構成としてもよい。
【0037】
スケジュール情報が共有情報を含む場合、決定部12は共有情報を参照する。決定部12は、共有情報を持つイベントを特定する。例えば、
図3の例であれば、決定部12は、時刻「10:00~12:00」のイベントと、時刻「16:30~17:00」のイベントとを特定する。決定部12は、特定したイベントの開始時刻に、共有情報に含まれる共有対象画面を共有情報に含まれる共有先へ共有する。例えば、
図3の例であれば、決定部12は、10:00にウィンドウW1をユーザU2へ共有し、16:30にウィンドウW3およびW4をユーザU2へ共有することを決定する。さらに決定部12は、
図8に示すような制御情報を生成する。決定部12は、共有開始前に、決定したタイミングで共有を開始することの可否を共有元のユーザUが確認できる画面を、ユーザUの操作する端末装置の出力部に表示させてもよい。例えば、決定部12は、共有元のユーザUの操作する端末装置の出力部に、
図8に示すような制御情報確認画面を表示させる。制御情報確認画面は、生成した制御情報(D16)および制御情報に従って画面共有を行うことについての可否を入力するための項目(D17)を含む。制御情報は、制御情報確認画面を介して、共有元のユーザUが修正できるようにしてもよい。共有元のユーザUは、全ての項目について入力が完了するとボタンB7を押下する。端末装置は、ボタンB7が押下されると、入力された情報を画面共有制御装置10へ送信する。
【0038】
次に、シナリオ情報に応じて共有を開始するタイミングを決定する方法について説明する。決定部12は、シナリオ情報に含まれる、画面を共有するユーザUを特定するための情報、共有されるウィンドウのウィンドウ情報、および共有する日時を参照して、共有対象画面の共有を開始するタイミングを決定する。シナリオ情報に応じて共有を開始するタイミングを決定する具体例を、
図4を用いて説明する。決定部12は、
図4に示すシナリオ情報を参照し、ユーザU1によって10:00にウィンドウW1が共有されることを決定する。決定部12は、同様に、ユーザU1によって10:15にウィンドウW3が共有されることを決定する。以下、決定部12は同様に、シナリオ情報を参照して、共有するユーザU、共有されるウィンドウWのウィンドウ情報、および共有を開始するタイミングを決定する。さらに決定部12は、
図8に示すような制御情報を生成する。
【0039】
次に、ユーザの会話情報によって共有を開始するタイミングを決定する方法について説明する。まず、取得部11は、ユーザの会話情報を取得する。会話情報は、テキスト会話情報および音声会話情報を含む。テキスト会話情報は、チャットアプリケーション等の各種コミュニケーションアプリケーションから取得される。音声会話情報は、マイクロフォン等の音声取得部を介して取得される。音声取得部は、ユーザUの操作する端末装置に備えられてもよいし、画面共有制御装置10と通信可能に接続された外部装置により実現されてもよい。取得部11は、取得した音声を既知の音声認識技術によりテキスト情報に変換する。決定部12は、取得部11によって取得されたテキスト情報がイベントタグ情報に関連する所定の条件(共有開始条件とも記す)を満たす場合に、ウィンドウ共有を行うか否かの入力画面をユーザUに提示する。例えば、共有開始条件とは、テキスト情報に含まれるイベントタグ情報の出現回数が予め決められた閾値を超えることである。他の例において、共有開始条件は、予め決められた期間内でのイベントタグ情報の出現頻度であってもよい。さらに他の例において、共有開始条件は、イベントタグ情報が出現した時刻が予め決められた時刻であることであってもよい。さらに他の例において、共有開始情報は、あるイベントタグ情報が出現してからの経過時間が予め決められた時間に達することであってもよい。例えば、決定部12は、ユーザ間の会話において「プロジェクトC」というイベントタグ情報が予め決められた閾値以上出現した場合、
図9に示すような入力画面をユーザUに提示する。入力画面は、
図9に示すように、ウィンドウの共有を行うか否かの入力を受け付ける情報(B8およびB9)と、共有開始のタイミングの入力を受け付ける項目(D17)とを含む。取得部11は、入力画面を介してユーザUによって入力された情報を受信する。決定部12は、入力情報に含まれる共有開始のタイミングを、共有対象画面の共有を開始するタイミングとして決定する。決定部12は、上述した所定の条件(共有開始条件)を満たす場合、
図9に示すような入力画面を提示せずに即時に共有を開始してもよい。例えば、決定部12は、テキスト情報に予め決められたキーワードが含まれる場合、即時に共有を開始してもよい。例えば、予め決められたキーワードが「共有して」であり、テキスト情報に「プロジェクトCの画面を共有して」という文章が出現した場合、決定部12は、プロジェクトCに関連するウィンドウを共有対象画面として決定する。また、決定部12は、共有開始タイミングを即時として決定する。
【0040】
送信部13は、決定部12で決定されたタイミングに従って、共有対象画面の共有先である少なくとも1つの端末装置に、共有対象画面を表示させる制御信号を送信する送信手段の一例である。送信部13は、決定部12によって生成された制御情報を用いて、共有対象画面を表示させる制御信号を生成する。制御信号は、共有元のユーザを特定するための情報、共有対象画面のウィンドウ情報、共有先のユーザを特定するための情報、および共有日時の情報を含む。制御信号は、共有元の端末装置のカーソル位置を表すマーカを共有対象画面に重畳して表示させるための信号を含んでもよい。送信部13は、生成した制御信号を、制御情報に含まれる共有先のユーザUの操作する端末装置へ送信する。制御情報を受信した端末装置は、制御信号に従い画面の表示制御を行う。また、送信部13は、共有元の端末装置に、共有先のユーザのカーソル位置を表すマーカを共有対象画面に重畳して表示させるための信号を送信してもよい。共有先のユーザのカーソル位置が共有対象画面に表示されることにより、共有元のユーザと共有先のユーザとの意思疎通がしやすくなるという効果が得られる。例えば、共有元のユーザが共有先のユーザの指導を受ける場合、共有先のユーザの共有対象画面におけるカーソル位置を表すマーカが、共有元のユーザの共有対象画面において指導用のポインタとしての役割を果たす。
【0041】
送信部13は、決定部12によって決定された共有開始のタイミングに従って、共有対象画面の共有元である少なくとも1つの端末装置に、共有対象画面を開かせる制御信号を送信してもよい。具体的には、送信部23は、共有開始のタイミングよりも前のタイミングで、共有対象画面が開かれていない場合に共有対象画面を表示させる制御信号を送信する。これにより、共有開始前に共有対象画面が自動的に表示されるため、共有対象画面をスムーズに共有できる。
【0042】
記憶部14は、各ウィンドウWに関連付けられたウィンドウタグ情報、ユーザUのスケジュール情報、会議のシナリオ情報、およびイベントタグ関連情報の少なくともいずれかを記憶する。前述したように、記憶部14に記憶される情報は端末装置の記憶部に記憶されてもよい。その場合、画面共有制御装置10は記憶部14を備えなくてもよい。
【0043】
(画面共有制御装置10の動作)
次に、本実施形態における画面共有制御装置10の動作の一例について、
図10~
図13を参照して説明する。
図10および
図11は、表示タイミングを示す情報がスケジュール情報である場合の動作の一例を示す図である。
図12は、表示タイミングを示す情報がシナリオ情報である場合の動作の一例を示す図である。
図13は、表示タイミングを示す情報がユーザ間の会話内容に含まれるイベント情報である場合の動作の一例である。
【0044】
<表示タイミングを示す情報がスケジュール情報である場合の動作例>
まず、
図10および
図11を参照して、表示タイミングを示す情報がスケジュール情報である場合の動作の一例について説明する。取得部11は、端末装置の記憶部または記憶部14を参照して、ユーザUのスケジュール情報を取得する(ステップS101)。
【0045】
次に、決定部12は、取得したスケジュール情報にイベントタグ情報が含まれるか否かを確認する(ステップS102)。スケジュール情報にイベントタグ情報が含まれる場合(ステップS102でYes)、
図11に示す第1処理を行う(ステップS103)。第1処理の詳細については後述する。第1処理を終えると、送信部13は、共有先の端末装置に、共有対象画面を表示させる制御信号を送信する(ステップS106)。
【0046】
スケジュール情報にイベントタグ情報が含まれない場合(ステップS102でNo)、決定部12は、スケジュール情報に共有情報が含まれるか否かを確認する(ステップS104)。尚、ステップS102の確認処理と、ステップS104の確認処理とは、順番が入れ替えられてもよい。
【0047】
スケジュール情報に共有情報が含まれる場合(ステップS104でYes)、決定部12は、共有対象画面の共有を開始するタイミングを決定する(ステップS105)。スケジュール情報に共有情報が含まれる場合(ステップS104でNo)、画面共有制御装置10は処理を終了する。あるいは画面共有制御装置は、処理を終了する代わりに、端末装置に対してイベントタグ情報または共有情報の入力を要求してもよい。次に、送信部13は、共有先の端末装置に、共有対象画面を表示させる制御信号を送信する(ステップS106)。
【0048】
ステップS106の処理を終えると、画面共有制御装置10は、一連の処理を終了する。
【0049】
次に、
図11を参照して、ステップS103の第1処理について説明する。スケジュール情報にイベントタグ情報が含まれる場合(ステップS102でYes)、決定部12は、記憶部14または端末装置の記憶部にイベントタグ関連情報が記憶されているか否かを確認する(ステップS1031)。イベントタグ関連情報が記憶されている場合(ステップS1031でYes)、決定部12は、スケジュール情報およびイベントタグ関連情報を参照して、共有対象画面の共有を開始するタイミングを決定する(ステップS1032)。
【0050】
イベントタグ関連情報が記憶されていない場合(ステップS1031でNo)、決定部12は、端末装置からイベントタグ関連情報の入力を受け付ける(ステップS1033)。決定部12は、スケジュール情報および入力を受け付けた情報を参照して、共有対象画面の共有を開始するタイミングを決定する(ステップS1034)。ステップS1032またはステップS1034の処理を終えると、
図11に示す第1処理を終了する。
【0051】
<表示タイミングを示す情報がシナリオ情報である場合の動作例>
次に、
図12を参照して、表示タイミングを示す情報がシナリオ情報である場合の動作の一例について説明する。まず、取得部11は、端末装置の記憶部または記憶部14を参照して、会議のシナリオ情報を取得する(ステップS111)。
【0052】
次に、決定部12は、取得したシナリオ情報に応じて、共有対象画面の共有を開始するタイミングを決定する(ステップS112)。
【0053】
次に、送信部13は、共有先の端末装置に、共有対象画面を表示させる制御信号を送信する(ステップS113)。画面共有制御装置10は、ステップS113の処理を終えると、上述した一連の処理を終了する。
【0054】
<表示タイミングを示す情報がユーザ間の会話内容に含まれるイベント情報である場合の動作例>
次に、
図13を参照して、表示タイミングを示す情報がユーザ間の会話内容に含まれるイベント情報である場合の動作の一例について説明する。まず、取得部11は、ユーザ間の会話情報を取得する(ステップS121)。具体的には、取得部11は、端末装置または外部の装置に備えられた音声情報取得部を介して、ユーザ間の音声会話情報を取得する。あるいは、取得部11は、チャットアプリケーション等の各種コミュニケーションアプリケーションからテキスト会話情報を取得する。
【0055】
次に、取得部11は、取得した会話情報をテキスト情報に変換する(ステップS122)。取得部11が取得した情報がテキスト会話情報である場合には、既にテキスト情報であるため、ステップS122の処理を省略する。
【0056】
次に、決定部12は、テキスト情報に含まれるイベントタグ情報の出現回数が予め決められた閾値を超えるか否かを判定する(ステップS123)。イベントタグ情報の出現回数が予め決められた閾値を超えない場合(ステップS123でNo)、画面共有制御装置10は一連の処理を終了する。一方で、イベントタグ情報の出現回数が予め決められた閾値を超える場合(ステップS123でYes)、決定部12は、ウィンドウ共有を行うか否かの入力を受け付ける(ステップS124)。具体的には、決定部12は、ユーザの操作する端末装置の出力部に、ウィンドウの共有を行うか否かの入力を受け付ける情報と、共有開始のタイミングの入力を受け付ける情報とを含む入力画面を表示させる。
【0057】
次に、決定部12は、入力画面を介して入力された情報に従って、共有対象画面および該共有対象画面の共有を開始するタイミングを決定する(ステップS125)。
【0058】
次に、送信部13は、共有先の端末装置に、共有対象画面を表示させる制御信号を送信する(ステップS126)。画面共有制御装置10は、ステップS126の処理を終えると、上述した一連の処理を終了する。
【0059】
以上のように、本実施形態の画面共有制御装置は、取得部、決定部、および送信部を備える。決定部は、表示タイミングを示す情報に従って、共有対象画面の共有を開始するタイミングを決定する。表示タイミングを示す情報は、共有対象画面の共有を開始する起点を含む予定情報である。例えば、予定情報は、ユーザのスケジュール情報および会議のシナリオ情報のうち少なくともいずれかを含む。決定部は、取得部に取得された予定情報から共有を開始する起点を検出し、検出された起点を共有対象画面の共有を開始するタイミングとして決定する。本実施形態においては、決定部は、予定時刻を、共有を開始する起点として検出する。これにより、本実施形態の画面共有制御装置は、画面共有を行う適切なタイミングを決定できる。送信部は、決定されたタイミングに従って、共有先の端末装置へ共有対象画面を表示させる制御信号を送信する。制御信号は、共有元のユーザを特定するための情報、共有対象画面のウィンドウ情報、共有先のユーザを特定するための情報、および共有日時の情報を含む。これにより、本実施形態の画面共有制御装置は、適切なタイミングで画面共有を開始することができる。また、本実施形態の画面共有制御装置によれば、共有元のユーザが事前に共有操作を行う必要がないため、操作性を向上させることができる。
【0060】
また、本実施形態の決定部は共有対象画面を決定する。これにより、本実施形態の画面共有制御装置は、ユーザが事前に共有対象画面を指定していなかったとしても共有対象画面を決定することができる。例えば、本実施形態の画面共有制御装置は、ユーザのスケジューラを参照して、共有対象画面を決定する。換言すれば、本実施形態の画面共有制御装置は、ユーザによる前処理を必要とせずに処理を行うことができる。
【0061】
また、本実施形態の取得部は、共有元の端末装置または共有先の端末装置からシナリオ情報に含まれる情報の入力を取得し、取得した情報を用いてシナリオ情報を生成する。また、本実施形態の取得部は、スケジュール情報に関連付けられたユーザ、すなわち共有元のユーザの端末装置へ、イベントタグ関連情報についての入力を要求する。本実施形態の画面共有制御装置は、上記構成により、シナリオ情報またはイベントタグ関連情報が事前に登録されていなかったとしても処理を行うことができる。さらに、本実施形態の画面共有制御装置は、ユーザへ入力を要求する際に、
図5や
図7に示す入力画面を端末装置へ表示させる。これにより、本実施形態の画面共有制御装置は、ユーザの操作性を向上させることができる。
【0062】
また、本実施形態の取得部は、表示タイミングを示す情報としてユーザの会話情報を取得する。本実施形態の決定部は、会話情報が予め決められたキーワードに関連する共有開始条件を満たす場合、キーワードに関連する共有対象画面の共有を開始するタイミングを決定する。例えば、キーワードは、イベントタグ情報を指す。例えば、共有開始条件は、テキスト情報に含まれるイベントタグ情報の出現回数が予め決められた閾値を超えることである。他の例において、共有開始条件は、予め決められた期間内でのイベントタグ情報の出現頻度であってもよい。さらに他の例において、共有開始条件は、イベントタグ情報が出現した時刻が予め決められた時刻であることであってもよい。これにより、本実施形態の画面共有制御装置は、ユーザ間の会話中の適切なタイミングで、画面共有を開始することができる。
【0063】
一般的な画面共有制御装置は、画面共有を行う共有元のユーザが決定したタイミングで共有を開始するものであった。しかし、画面共有を行うユーザが決定したタイミングが、必ずしも共有開始の適切なタイミングであるとは限らない。例えば、画面共有元のユーザが共有操作に手間取ると、適切なタイミングで共有を開始できない。オンライン会議においては、画面の共有元のユーザが共有操作に手間取ると、進行スケジュールで決められた適切なタイミングに画面共有を行うことができない。これに対し、本実施形態画面共有制御装置は、画面の共有元のユーザが共有操作に手間取ることなく適切なタイミングで画面共有を開始することができる。
【0064】
[第2実施形態]
【0065】
(画面共有制御装置20の構成)
次に、本実施形態に係る画面共有制御システム2および画面共有制御装置20について、図面を参照しながら説明する。以降の説明において、第1実施形態と同一の部分については適宜説明を省略する。第1実施形態の画面共有制御システム1は、予定情報に含まれる共有を開始する起点である予定時刻を、共有対象画面の共有を開始するタイミングとして決定した。本実施形態の画面共有制御システム2は、共有先のユーザの手が空いたと推定されるタイミングを、共有対象画面の共有を開始するタイミングとして決定する点において、第1実施形態の画面共有制御システム1とは異なる。
【0066】
まず、
図14を用いて、本開示における画面共有制御システム2について説明する。本実施形態の画面共有制御システム2は、共有先のユーザの手の空いているタイミングに、画面共有を開始するシステムである。共有元のユーザU1は、画面の共有を希望する場合に、端末装置70を介して画面の共有要求を画面共有制御装置20へ送信する。共有要求は、共有対象画面の情報と、共有先のユーザを特定するための情報とを含む。画面共有制御装置20は、共有先のユーザU2の操作する端末装置80から情報を取得し、ユーザU2の作業状況を推定する。画面共有制御装置20は、ユーザU2が作業中である場合には、端末装置80に対して画面共有の要求があったことを通知しない。画面共有制御装置20は、ユーザU2の作業が一段落したタイミングで、端末装置80に対して画面共有の要求があったことを通知する。通知を受信したユーザU2が共有の要求を許可すると、共有元のユーザU1の画面が共有される。
【0067】
図15は、画面共有制御システム2の構成の一例を示すブロック図である。
図15に示すように、画面共有制御システム2は、画面共有制御装置20、端末装置70および端末装置80を備える。端末装置70および端末装置80は、出力部、記憶部、入力部および撮影部を備える。撮影部は、デジタルカメラ等の撮像装置により実現される。撮影部は、端末装置に接続された外部の装置であってもよい。
図15において、画面共有制御システム2は、端末装置70および端末装置80の2つの端末装置を備えるものとしたが、これは一例である。端末装置の数は2つ以上であればいくつでもよい。画面共有制御装置20は、取得部21、決定部22、送信部23、および記憶部24を備える。
【0068】
取得部21は、共有対象画面の共有先のユーザの作業状況を示す作業情報を取得する。作業情報は、記憶部24または共有先のユーザUが操作する端末装置の記憶部から取得される。作業情報とは、具体的には、共有先のユーザUの操作する端末装置の操作ログ情報、ユーザUの視線情報、ユーザUの顔写真等を含む。ユーザUの視線情報およびユーザUの顔写真は、端末装置が備える撮影部から取得される。
【0069】
作業情報に含まれる各種情報の内容について以下で説明する。端末装置の操作ログ情報は、ユーザUが端末装置を操作した操作のログである。操作ログ情報は、少なくとも作業日時と、操作内容と、作業の状態とを含む。作業の状態とは、該作業が開始したか、完了したかを示す情報である。ユーザUの視線情報は、ユーザUの視線位置およびユーザUが該位置を注視した時間のログ情報である。操作ログ情報および視線情報は、新たな情報の取得に応じて更新される。ユーザUの顔写真は、端末装置の撮影部によってリアルタイムで取得される。
【0070】
決定部22は、取得部21で取得された情報に応じて、共有先のユーザに共有対象画面の共有を開始するタイミングを決定する。決定部22は、取得部21によって取得された作業情報を用いて、画面の共有を開始するタイミングを決定する。具体的には、決定部22は、共有先のユーザUが手の空いたタイミングを推定する。決定部22は、推定されたタイミングを、画面の共有を開始するタイミングとして決定する。
【0071】
共有先のユーザUの操作する端末装置の操作ログ情報を用いて手の空いたタイミングを推定する手法について以下で説明する。例えば決定部22は、操作ログ情報を参照し、ファイル、アプリケーションまたはウィンドウWがクローズしたタイミングを、ユーザUが手の空いたタイミングと推定する。別の例では、決定部22は、ユーザUが作業中のファイルを保存したタイミングを、ユーザUが手の空いたタイミングと推定する。別の例では、決定部22は、一定時間操作が行われない場合に、該タイミングをユーザUが手の空いたタイミングと推定する。
【0072】
次に、ユーザUの視線情報を用いて手の空いたタイミングを推定する手法について以下で説明する。例えば、決定部22は、視線情報を参照し、ユーザの視線位置が端末装置の表示画面の外に一定時間以上留まっている場合に、該タイミングをユーザUが手の空いたタイミングと推定する。
【0073】
次に、ユーザUの顔写真を用いて手の空いたタイミングを推定する手法について以下で説明する。決定部22は、公知の集中度推定技術を用いて、取得した顔写真を基にユーザUの作業への集中度を推定する。決定部22は、ユーザの集中度が一定の値を下回った場合に、該タイミングをユーザUが手の空いたタイミングと推定する。公知の集中度推定技術とは、例えば、ユーザUの表情筋の動きの変化に基づいて集中度を推定する技術等である。
【0074】
決定部22は、共有対象画面および共有先のユーザUをさらに決定する。以下、
図16~
図18を用いて、決定部22が共有対象画面および共有先のユーザUを特定するための情報を決定する手順を説明する。
【0075】
まず、取得部21は、
図16に示すように、共有元のユーザUが操作する端末装置の表示画面S1に、共有先のユーザUへ画面共有を要求するためのボタンB3を表示させる。ユーザUによってボタンB3が押下されると、取得部21は、共有元のユーザUが操作する端末装置の表示画面S1に、
図17に示すような入力画面を表示させる。入力画面は、少なくとも、共有する画面を特定するための情報(D9)と、共有先のユーザUを特定するための情報(D11)とを含む。入力画面は、この他にも、共有先のユーザを検索するための検索ボックス(D10)や、共有先のユーザへのメッセージを入力するためのテキストボックス(D12)、共有要求の優先度を指定するための優先度フラグ(D15)を含んでもよい。優先度フラグは、決定部22によって決定された共有開始のタイミングに依らずに共有を開始するか否かを決定するためのフラグである。優先度フラグ「高」が指定された場合、送信部23は、決定部22によって決定された共有開始のタイミングに依らずに共有を開始させる制御信号を送信する。一方で、優先度フラグ「低」が指定された場合、送信部23は、決定部22によって決定された共有開始のタイミングで共有を開始させる制御信号を送信する。共有元のユーザUは、入力画面に表示される各種情報を入力すると、ボタンB4を押下する。共有元のユーザUによってボタンB4が押下されると、端末装置の入力部を介して入力された各種情報は、取得部11へ送信される。決定部22は、取得部11が取得した情報を用いて、共有を行うウィンドウのウィンドウ情報および共有先のユーザUを特定するための情報を決定する。共有先のユーザが共有を許可するまでの間、共有元のユーザUの表示画面には、例えば
図18に示すように、共有先のユーザの共有許可待ちであることを示す情報(D13)を表示してもよい。尚、
図16~
図18の表示画面が用いるGUIは一例であり、他のGUIによって実現されてもよい。
【0076】
送信部23は、決定部22によって決定された共有開始のタイミング、共有対象画面および共有先のユーザUの情報に従って、共有対象画面の共有先である少なくとも1つの端末装置に、共有対象画面を表示させる制御信号を送信する。以下、
図19を用いて、送信部23が制御信号を送信する手順を説明する。
【0077】
まず、取得部21は、決定部22で決定された共有開始のタイミングになると、決定部22で決定された共有先のユーザUが操作する端末装置の表示画面S2に、
図19に示すような画面要求通知画面(D14)を表示させる。共有元の端末装置から共有要求の優先度フラグを受信しており、かつ、受信した優先度フラグが「高」である場合、取得部21は、決定部22で決定された共有開始のタイミングに依らずに画面要求通知画面を表示させる。共有先のユーザUの注意を引くために、取得部21は、共有要求通知画面の表示と同時に通知音を出力してもよい。通知音は、共有先の端末装置が備えるスピーカまたは共有先の端末装置に接続されたスピーカを介して出力される。また、共有先のユーザの注意を引くために、取得部21は、共有要求画面を点滅表示等させてもよい。画面要求通知画面は、例えば、
図19に示すように表示画面S2にポップアップ表示される。画面要求通知画面は、共有元のユーザを特定するための情報と、画面共有の要求を許可するか否かの入力を要求する情報(B5、B6)とを含む。画面要求通知画面は、共有元のユーザUからのメッセージ情報を受信している場合には、共有元のユーザUからのメッセージ情報を含んでもよい。共有先のユーザUによって画面共有の要求を許可することが入力されると、取得部21は該入力情報を取得する。送信部23は、画面共有の要求を許可する入力を取得すると、決定部22で決定された共有対象画面を表示させる制御信号を、共有先のユーザUの所持する端末装置へ送信する。
【0078】
記憶部24には、第1実施形態で挙げた情報の他に、共有先のユーザUの作業状況に関連する作業情報を記憶してもよい。作業情報は、端末装置の記憶部に記憶されてもよい。
【0079】
(画面共有制御装置20の動作)
次に、本実施形態における画面共有制御装置20の動作の一例について、
図20および
図21を参照して説明する。本実施形態の画面共有制御装置20は、
図20に示す前処理の工程を要する。
【0080】
<前処理>
まず、
図20を用いて、画面共有制御装置20の前処理の動作の一例を説明する。取得部21は、端末装置から、ユーザの操作する端末装置の操作ログ情報、ユーザの視線情報、およびユーザの顔写真のうち少なくともいずれかを作業情報として取得する(ステップS201)。取得部21は、ステップS201で取得した作業情報を、記憶部24または端末装置の記憶部に記憶させる(ステップS202)。ステップS201の取得の処理はリアルタイムで行われる。
【0081】
<本動作>
次に、
図21を用いて、本開示における画面共有制御装置20の動作の一例を説明する。まず、取得部21は、共有元のユーザUの操作する端末装置から、画面の共有要求を取得する(ステップS211)。画面の共有要求は、少なくとも、共有する画面を特定するための情報と、共有先のユーザUを特定するための情報とを含む。
【0082】
次に、決定部22は、共有対象画面の共有を開始するタイミング、共有対象画面、および共有先のユーザを決定する(ステップS212)。具体的には、決定部22は、記憶部24または端末装置の記憶部に記憶された作業情報に従って、画面の共有を開始するタイミングを決定する。決定部22は、端末装置からの入力情報を用いて、共有対象画面および共有先のユーザを決定する。
【0083】
次に、取得部21は、共有先のユーザUの操作する端末装置から、画面の共有要求を許可するか否かの入力情報を受け付ける。画面の共有が許可されていない場合(ステップS213でNo)は、ステップ212の処理に戻る。画面共有制御装置20は、共有先のユーザUの操作する端末装置から画面の共有要求を許可する情報を受信するまで、ステップS212~ステップS213の処理を繰り返す。共有先のユーザUの操作する端末装置から、画面の共有要求を許可する情報を受信すると(ステップS213でYes)、送信部23は、共有先の端末装置に、共有対象画面を表示させる制御信号を送信する(ステップS214)。画面共有制御装置20は、ステップS214の処理を終えると、上述した一連の処理を終了する。
【0084】
以上のように、本実施形態の画面共有制御装置は、取得部と、決定部と、送信部とを備える。取得部は、共有対象画面の共有先のユーザの作業状況を示す作業情報を取得する。決定部は、取得部が取得した作業情報に応じて、共有先のユーザの手が空いたことを推定し、推定したタイミングを共有対象画面の共有を開始するタイミングに決定する。送信部は、決定されたタイミングに従って、共有先である少なくとも1つの端末装置へ共有対象画面を表示させる制御信号を送信する。本実施形態の画面共有制御装置は、上記構成により、共有先のユーザが手の空いたと推定されるタイミングで、画面の共有を開始することができる。つまり、本実施形態の画面共有制御装置は、共有先のユーザの都合の良いタイミングで画面共有を開始することができる。換言すれば、本実施形態の画面共有制御装置によれば、適切なタイミングで画面共有を開始することができる。
【0085】
本実施形態の画面共有制御装置が備える取得部は、
図16~
図19に示す画面を端末装置に表示させることで、端末装置からの入力を受け付ける。取得部は、
図16に示す画面を表示させることにより、共有元の端末装置から、共有対象画面および共有先の端末装置の情報を含む共有要求を取得する。送信部は、決定部で決定されたタイミングに従って、共有対象画面の共有先である少なくとも1つの端末装置に、
図19に示すような画面共有を許可するか否かの入力画面を送信する。取得部は、共有対象画面の共有先である少なくとも1つの端末装置から、共有要求を許可するか否かの入力情報を取得する。共有要求を許可するとの入力情報を取得した場合に、送信部は、共有対象画面の共有先である少なくとも1つの端末装置に共有対象画面を表示させる制御信号を送信する。これらの画面を表示させることにより、ユーザは直感的に入力を行うことができる。換言すれば、本実施形態の画面共有制御装置は、ユーザの操作性を向上させることができる。
【0086】
一般的な画面共有制御装置は、画面共有を行う共有元のユーザが決定したタイミングで共有を開始するものであった。しかし、画面共有を行うユーザが決定したタイミングが、必ずしも共有開始の適切なタイミングであるとは限らない。共有元のユーザの決定したタイミングが、共有先のユーザの都合の良いタイミングと合致するとは限らないためである。それに対し、本実施形態の画面共有制御装置によれば、適切なタイミングで画面共有を開始することができる。
【0087】
[第3実施形態]
【0088】
(画面共有制御システム3および画面共有制御装置30の構成)
次に、本実施形態に係る画面共有制御システム3および画面共有制御装置30について、図面を参照しながら説明する。本実施形態に係る画面共有制御システム3は、PC、タブレット端末、スマートフォン等の情報処理装置によって実現される端末装置と、MR(Mixed reality)を実現可能な情報処理装置によって実現される端末装置とを備える点において、第1~第2実施形態とは異なる。以降の説明において、第1実施形態または第2実施形態と同一の部分については適宜説明を省略する。本実施形態の手法は、第1~第2実施形態にも適用できる。
【0089】
本実施形態の画面共有制御システム3は、
図22に示すように、端末装置70-1および端末装置70-2を備える。端末装置70-1は、例えばPC、タブレット端末、スマートフォン等の情報処理装置によって実現される。端末装置70-2は、スマートグラス等の、MRを実現可能な情報処理装置によって実現される。スマートグラスは、公知の通り、仮想空間の映像を実空間に重畳して表示するものである。端末装置70-2は、ユーザU1によって装着される。V1は、端末装置70-2を介したユーザの視界である。視界V1は、端末装置70-2のレンズを透過した実空間の光景と、端末装置70-2のレンズに表示された仮想空間の映像とを含む。ユーザU1が操作するウィンドウW1~ウィンドウW5の映像は、仮想空間に表示される。
【0090】
図23は、本開示における画面共有制御システムの構成の一例を示すブロック図である。
図23に示すように、画面共有制御システム3は、画面共有制御装置30、端末装置70-1、端末装置70-2、端末装置80-1、および端末装置80-2を備える。端末装置70-2および端末装置80-2は、スマートグラス等の、MRを実現可能な情報処理装置によって実現される。端末装置70-2および端末装置80-2は、ユーザUの視線情報を取得する視線情報取得部を備える。視線情報は、ユーザUの視線位置およびユーザUが該位置を注視した時間のログ情報である。視線情報取得部は、公知の視線計測技術によって視線情報を算出する。視線情報取得部は、例えば、赤外発光素子、視線検知センサおよび検出部を含む視線計装置によって実現される。赤外発光素子は、ユーザの眼球に赤外線を照射する。視線検知センサは、眼球の反射光を撮像する。検出部は、瞳孔の位置に基づいて視線の動きおよび表示装置上の注視点を検出する。さらに、検出部は、視線の動きおよび表示装置上の注視点の情報に基づいて、視線情報を算出する。上述の視線計測技術は一例であり、視線情報は、その他、当業者が考え得る様々な手法によって算出され得る。
【0091】
図23に示すように、画面共有制御装置30は、取得部31、決定部32、送信部33、記憶部34を備える。
【0092】
取得部31は、共有対象画面の表示タイミングを示す情報を取得する。あるいは、取得部31は、共有先のユーザUの作業状況を示す作業情報を取得する。取得部31は、さらに、端末装置70-2または端末装置80-2の視線情報取得部から、ユーザUの視線情報を取得する。
【0093】
決定部32は、取得部31で取得した情報に応じて、共有対象画面の共有を開始するタイミングを決定する。共有を開始するタイミングを決定する手順は、第1実施形態または第2実施形態で説明した通りである。
【0094】
送信部33は、決定部32によって決定されたタイミングに従って、共有対象画面の共有先である少なくとも1つの端末装置に、共有対象画面を表示させる制御信号を送信する。
【0095】
さらに、送信部33は、共有対象画面の共有先である少なくとも1つの端末装置に、共有元である端末装置から受信した共有元のユーザUの視線位置を表すマーカPを、共有対象画面に重畳して表示させる制御信号を送信する。また、送信部33は、共有対象画面の共有元の端末装置に、共有先である少なくとも1つの端末装置から受信した共有先のユーザの視線位置を表すマーカPを、共有対象画面に重畳して表示させる制御信号を送信する。送信部33は、以下のようにして視線位置を表すマーカPを表示させる制御信号を送信する。まず、送信部33は、取得部31が取得したユーザUの視線位置から、ユーザUが注視しているウィンドウWのウィンドウ情報を特定する。次に、送信部33は、ユーザUの視線位置から、ウィンドウWの表示領域におけるユーザUの二次元座標上の位置(x, y)を示す位置情報を特定する。送信部33は、特定した位置情報に、マーカPを表示させる制御信号を送信する。ユーザUが複数存在する場合には、送信部33は、
図22に示すように、各ユーザUについて視線位置のマーカP(P-1、P-2)を表示する。送信部33は、ユーザUごとに、マーカPのGUIを変更してもよい。また、送信部33は、マーカPと併せて、ユーザUを特定するための情報(例えば氏名)を表示させる制御信号を送信してもよい。また、送信部33は、マーカPと併せて、共有元の端末装置のカーソル位置を表すマーカを共有対象画面に重畳して表示させる制御信号を送信してもよい。
【0096】
また、送信部33は、共有対象画面が複数ある場合、共有元のユーザUが現在注視している共有対象画面についてはリアルタイムで更新を行い、それ以外の共有対象画面については既定の間隔で更新を行う。送信部33は、共有元のユーザUの視線位置を用いて、共有元のユーザが現在注視しているウィンドウを特定する。例えば、
図22に示すような場合において、共有元のユーザU1がウィンドウW1~ウィンドウW5を共有先のユーザU2へ共有したとする。ユーザU1は、ウィンドウW1を注視しているとする。この場合、送信部33は、ユーザU2の操作する端末装置へ、ウィンドウW1~ウィンドウW5を表示させる制御信号を送信する。この際、送信部33は、ウィンドウW1についてはリアルタイムで更新するよう制御信号に組み込む。送信部33は、それ以外のウィンドウW2~ウィンドウW5については、例えば1秒に1回更新を行うよう制御信号に組み込む。
【0097】
(画面共有制御装置30の動作)
次に、本実施形態における画面共有制御装置30の動作の一例について、
図24および
図25を参照して説明する。本実施形態の画面共有制御装置30は、
図24に示す前処理の工程を要する。
【0098】
<前処理>
まず、
図24を用いて、画面共有制御装置30の前処理の動作の一例を説明する。取得部31は、端末装置の視線情報取得部からユーザの視線情報を取得する(ステップS301)。ユーザの視線情報は、ユーザUの視線位置およびユーザUが該位置を注視した時間のログ情報である。取得部31は、ステップS301で取得した視線情報を、記憶部34または端末装置の記憶部に記憶させる(ステップS302)。ステップS301の取得の処理はリアルタイムで行われる。
【0099】
<本動作>
次に、
図25を用いて、本開示における画面共有制御装置30の動作の一例を説明する。
【0100】
まず、取得部31は、共有対象画面の表示タイミングを示す情報または共有先のユーザの作業状況を示す作業情報を取得する(ステップS311)。
【0101】
次に、決定部32は、取得部31が取得した情報に応じて、共有対象画面の共有を開始するタイミングを決定する(ステップS312)。
【0102】
次に、送信部33は、共有元のユーザUの視線位置を用いて、共有対象画面を更新するタイミングを制御信号へ組み込む(ステップS313)。具体的には、送信部33は、共有元のユーザUが注視している共有対象画面についてはリアルタイムで更新を行い、それ以外の共有対象画面については既定の間隔で更新を行うような命令を制御信号へ組み込む。
【0103】
次に、送信部33は、共有先の端末装置に、共有対象画面を表示させる制御信号を送信する(ステップS314)。
【0104】
次に、送信部33は、共有先の端末装置に、共有元の端末装置から受信した共有元のユーザの視線位置を表すマーカPを、共有対象画面に重畳して表示させる制御信号を送信する(ステップS315)。送信部33は、共有元の端末装置に、共有先の端末装置から受信した共有先のユーザの視線位置を表すマーカを、共有対象画面に重畳して表示させる制御信号を送信する(ステップS316)。画面共有制御装置30は、ステップS316の処理を終えると、上述した一連の処理を終了する。
【0105】
本実施形態の画面共有制御システムはスマートグラスを備える。スマートグラスは、共有元のユーザの視線位置を含む視線情報を取得する視線情報取得部を備える。本実施形態の画面共有制御装置が備える送信部は、共有元のユーザが装着するスマートグラスから受信した視線位置を用いて、共有対象画面を更新するタイミングを制御信号へ組み込む。具体的には、送信部は、共有元のユーザが注視している共有対象画面についてはリアルタイムで更新を行い、それ以外の共有対象画面については既定の間隔で更新を行うような命令を制御信号へ組み込む。共有対象画面が複数ある場合、全ての共有対象画面をリアルタイムで更新すると、画面共有制御装置への負荷が大きくなる。本実施形態の画面共有制御装置は、共有元のユーザが注視している共有対象画面についてはリアルタイムで更新を行い、それ以外の共有対象画面についてはリアルタイムで更新を行わない。本実施形態の画面共有制御装置は、上記構成により、画面共有制御装置への負荷を軽減することができる。
【0106】
本実施形態の画面共有制御装置が備える送信部は、共有先の端末装置に、共有元の端末装置から受信した共有元のユーザの視線位置を表すマーカを、共有対象画面に重畳して表示させる制御信号を送信する。これにより、共有先のユーザは、共有元のユーザが現在注視している位置を直感的に把握することができる。例えば、画面共有と同時に音声通話を行う場合においては、該マーカがポインタとしての役割を果たす。該マーカがポインタとしての役割を果たすことにより、共有元のユーザは、共有対象画面のどこを参照してほしいかを口頭で説明する必要がなくなる。そのため、共有元のユーザは、スムーズに画面共有を行うことができる。換言すれば、本実施形態の画面共有制御装置によれば、ユーザの操作性を向上させることができる。
【0107】
本実施形態の画面共有制御装置が備える送信部は、共有元の端末装置に、共有先の端末装置から受信した共有先のユーザの視線位置を表すマーカを、共有対象画面に重畳して表示させる制御信号を送信する。これにより、共有先のユーザは、共有元のユーザが現在注視している位置を直感的に把握することができる。共有元のユーザは、共有先のユーザの視線位置が共有元のユーザの期待する位置と一致しない場合、そのことを把握することができる。さらに、共有先のユーザの視線位置を把握することができるため、共有先のユーザへ視線誘導をすることができる。例えば、共有元のユーザは、共有先のユーザに対して「もう少し上の記載を確認してください」というような視線誘導をすることができる。これにより、共有元のユーザは、スムーズに画面共有を行うことができる。換言すれば、本実施形態の画面共有制御装置によれば、ユーザの操作性を向上させることができる。
【0108】
[第4実施形態]
次に、本開示に係る画面共有制御装置40について、
図26および
図27を参照しながら説明する。
【0109】
(画面共有制御装置40の構成)
図26に示すように、本実施形態の画面共有制御装置40は、取得部41、決定部42、および送信部43を備える。
【0110】
取得部41は、共有対象画面の表示タイミングを示す情報を取得する取得手段の一例である。共有対象画面の表示タイミングを示す情報とは、具体的には、ユーザのスケジュール情報および会議のシナリオ情報の少なくともいずれか一方を含む情報である。
【0111】
決定部42は、取得部41が取得した表示タイミングを示す情報に従って、共有対象画面の共有を開始するタイミングを決定する決定手段の一例である。
【0112】
送信部43は、決定部42によって決定されたタイミングに従って、前記共有対象画面の共有先である少なくとも1つの端末装置に、前記共有対象画面を表示させる制御信号を送信する送信手段の一例である。
【0113】
(画面共有制御装置40の動作)
次に、本実施形態における画面共有制御装置40の動作の一例について、
図27を参照して説明する。
【0114】
まず、取得部41は、共有対象画面の表示タイミングを示す情報を取得する(ステップS41)。次に、決定部42は、取得部41が取得した表示タイミングを示す情報に従って、共有対象画面の共有を開始するタイミングを決定する(ステップS42)。次に、送信部43は、決定部42によって決定されたタイミングに従って、前記共有対象画面の共有先である少なくとも1つの端末装置に、前記共有対象画面を表示させる制御信号を送信する(ステップS43)。
【0115】
第4実施形態の画面共有制御装置によれば、第1実施形態および第3実施形態の画面共有制御装置と同様の作用効果を得ることができる。
【0116】
次に、本開示に係る画面共有制御装置50について、
図28および
図29を参照しながら説明する。
【0117】
(画面共有制御装置50の構成)
図28に示すように、本実施形態の画面共有制御装置50は、取得部51、決定部52、および送信部53を備える。
【0118】
取得部51は、共有対象画面の共有先のユーザの作業状況を示す作業情報を取得する取得手段の一例である。
【0119】
決定部52は、作業情報に応じて、共有先のユーザの手が空いたことを推定し、推定したタイミングを共有対象画面の共有を開始するタイミングに決定する決定手段の一例である。
【0120】
送信部53は、決定部52によって決定されたタイミングに従って、共有対象画面の共有先である少なくとも1つの端末装置に、共有対象画面を表示させる制御信号を送信する送信手段の一例である。
【0121】
(画面共有制御装置50の動作)
次に、本実施形態における画面共有制御装置50の動作の一例について、
図29を参照して説明する。
【0122】
まず、取得部51は、共有対象画面の共有先のユーザの作業状況を示す作業情報を取得する(ステップS51)。次に、決定部52は、作業情報に応じて、共有先のユーザの手が空いたことを推定し、推定したタイミングを共有対象画面の共有を開始するタイミングに決定する(ステップS52)。次に、送信部53は、決定部52によって決定されたタイミングに従って、共有対象画面の共有先である少なくとも1つの端末装置に、共有対象画面を表示させる制御信号を送信する(ステップS53)。
【0123】
第5実施形態の画面共有制御装置によれば、第2実施形態および第3実施形態の画面共有制御装置と同様の作用効果を得ることができる。
【0124】
[第6実施形態]
次に、本開示に係る画面共有制御システム6について、
図30を参照しながら説明する。
【0125】
本実施形態の画面共有制御システム6は、第1実施形態乃至第5実施形態のいずれかに記載の画面共有制御装置と、少なくとも1以上のスマートグラス60とを備える。
図30では、一例として、画面共有制御システム6は第4実施形態の画面共有制御装置40を備えるものとして図示した。
【0126】
少なくとも1以上のスマートグラスは、共有先のユーザUおよび共有元のユーザUの少なくともいずれかに装着される。
【0127】
本実施形態の画面共有制御システム6は、第1実施形態、第2実施形態、第3実施形態、および第4実施形態の画面共有制御装置から得られる効果に加え、以下のような効果を得る。
【0128】
スマートグラスを装着したユーザの視界に表示される仮想空間の映像は、実空間に表示されない。PCのディスプレイに表示される画面は、例えば他のユーザが横から覗き込むことで確認できるが、スマートグラスに表示される画面は、他のユーザが覗き込んだとしても確認できない。つまり、スマートグラスを装着したユーザの視界に表示される仮想空間の画面は、PCのディスプレイに表示される画面と比較して容易に共有できないという課題があった。
【0129】
これに対し、本実施形態の画面共有制御システムは、スマートグラスおよび第1実施形態乃至第5実施形態のいずれかに記載の画面共有制御装置を備える。画面共有制御装置は、スマートグラスを装着したユーザが画面共有の要求を行うことにより、画面共有が行われる。すなわち、本実施形態の画面共有制御システムによれば、スマートグラスを装着したユーザの画面を容易に共有することができる。
【0130】
[コンピュータによるハードウェア構成]
以上説明した本開示の各実施形態における各構成要素は、その機能をハードウェア的に実現することは勿論、プログラム制御に基づくコンピュータ装置、ファームウェアによって実現することができる。
【0131】
図31は、本開示における画面共有制御装置を、プロセッサを含むコンピュータ装置90で実現したハードウェア構成の一例を示す図である。各実施形態の画面共有制御装置は、コンピュータ装置90によって実現される。コンピュータ装置90は、
図31に示すように、CPU(Central Processing Unit)91、メモリ92、プログラムを格納するハードディスク等の記憶装置93、入力装置および出力装置接続用の入出力インタフェース94、およびネットワーク接続用の通信インタフェース95を含む。入出力インタフェース94と通信インタフェース95とは、外部とのインタフェースとして一体化されてもよい。
【0132】
CPU91は、オペレーティングシステムを動作させて、本開示の画面共有制御装置を制御する。例えば、CPU91は、ドライブ装置等に装着された記憶媒体からメモリ92にプログラムやデータを読み出す。また、CPU91は、例えば、本開示の画面共有制御装置10における取得部11、決定部12、または送信部13の一部として機能し、プログラムに基づいて処理または命令を実行する。
【0133】
記憶装置93は、例えば光ディスク、フレキシブルディスク、磁気光ディスク、外付けハードディスク、または半導体メモリ等である。記憶装置の一部の記憶媒体は、不揮発性記憶装置であり、そこにプログラムを記録する。また、プログラムは、通信網に接続されている外部コンピュータ(図示せず)からダウンロードされてもよい。
【0134】
入出力インタフェース94に接続される入力装置は、例えばマウスやキーボード等により実現され、入力操作に用いられる。同様に、入出力インタフェース94に接続される出力装置は、例えばディスプレイ等によって実現され、出力結果の表示および確認に用いられる。
【0135】
以上、各実施形態を参照して本開示について説明したが、本開示は上記実施形態に限定されるものではない。本開示の構成や詳細には、本開示のスコープ内で当業者が理解し得る様々な変更をすることができる。例えば、複数の動作をフローチャートの形式で順番に記載してあるが、その記載の順番は複数の動作を実行する順番を限定するものではない。このため、各実施形態を実施するときには、その複数の動作の順番は、内容に支障がない範囲で変更することができる。
【0136】
上記の実施形態の一部または全部は、以下の付記のようにも記載され得る。
【0137】
(付記1)
共有対象画面の表示タイミングを示す情報を取得する取得手段と、
前記表示タイミングを示す情報に従って、前記共有対象画面の共有を開始するタイミングを決定する決定手段と、
前記決定されたタイミングに従って、前記共有対象画面の共有先である少なくとも1つの端末装置に、前記共有対象画面を表示させる制御信号を送信する送信手段と
を備える、画面共有制御装置。
(付記2)
前記表示タイミングを示す情報は、前記共有対象画面の共有を開始する起点を含む予定情報であり、
前記予定情報は、ユーザのスケジュール情報および会議のシナリオ情報のうち少なくともいずれかを含む、付記1に記載の画面共有制御装置。
(付記3)
前記決定手段は、取得された前記予定情報から前記共有対象画面の共有を開始する起点を検出し、検出された起点を前記共有対象画面の共有を開始するタイミングに決定する、付記2に記載の画面共有制御装置。
(付記4)
前記取得手段は、前記表示タイミングを示す情報としてユーザの会話情報を取得し、
前記決定手段は、前記会話情報が予め決められたキーワードに関連する共有開始条件を満たす場合、前記キーワードに関連する共有対象画面の共有を開始するタイミングを決定する、付記1に記載の画面共有制御装置。
(付記5)
前記決定手段は、前記会話情報が前記共有開始条件を満たす場合に、ユーザの操作する端末装置に、前記キーワードに関連する共有対象画面を共有するか否かの入力および共有を開始するタイミングの入力を要求する入力画面を送信し、
前記取得手段は、前記端末装置に表示された前記入力画面を介して入力された入力情報を取得し、
前記キーワードに関連する共有対象画面を共有することを示す情報が前記入力情報に含まれる場合に、前記決定手段は、前記キーワードに関連する共有対象画面の共有を開始するタイミングを決定する、付記4に記載の画面共有制御装置。
(付記6)
共有対象画面の共有先のユーザの作業状況を示す作業情報を取得する取得手段と、
前記作業情報に応じて、共有先のユーザの手が空いたことを推定し、前記推定したタイミングを前記共有対象画面の共有を開始するタイミングに決定する決定手段と、
前記決定されたタイミングに従って、前記共有対象画面の共有先である少なくとも1つの端末装置に、前記共有対象画面を表示させる制御信号を送信する送信手段と
を備える、画面共有制御装置。
(付記7)
前記取得手段は、共有元の端末装置から、前記共有対象画面および共有先の端末装置の情報を含む共有要求をさらに取得し、
前記送信手段は、前記決定されたタイミングに従って、前記共有対象画面の共有先である少なくとも1つの端末装置に、前記共有要求を許可するか否かの入力画面を送信し、
前記取得手段は、前記共有対象画面の共有先である少なくとも1つの端末装置から、前記共有要求を許可するか否かの入力情報をさらに取得し、
前記共有要求を許可するとの入力情報を取得した場合に、前記送信手段は、前記共有対象画面の共有先である少なくとも1つの端末装置に前記共有対象画面を表示させる制御信号を送信する、付記6に記載の画面共有制御装置。
(付記8)
付記1乃至7のいずれか一つに記載の画面共有制御装置と、
共有先のユーザおよび共有元のユーザの少なくともいずれかによって装着される1以上のスマートグラスと
を備える、画面共有制御システム。
(付記9)
前記スマートグラスは、ユーザの視線位置を含む視線情報を取得する視線情報取得手段を備え、
前記送信手段は、共有元のユーザが装着する前記スマートグラスから受信した視線位置を用いて、前記共有対象画面を更新するタイミングを前記制御信号へ組み込む、付記8に記載の画面共有制御システム。
(付記10)
前記スマートグラスは、ユーザの視線位置を含む視線情報を取得する視線情報取得手段を備え、
前記送信手段は、共有先の端末装置に、共有元の端末装置から受信した共有元のユーザの視線位置を表すマーカを、前記共有対象画面に重畳して表示させる制御信号をさらに送信する、付記8に記載の画面共有制御システム。
(付記11)
コンピュータが、
共有対象画面の表示タイミングを示す情報を取得し、
前記表示タイミングを示す情報に従って、前記共有対象画面の共有を開始するタイミングを決定し、
前記決定されたタイミングに従って、前記共有対象画面の共有先である少なくとも1つの端末装置に、前記共有対象画面を表示させる制御信号を送信する、画面共有制御方法。
(付記12)
コンピュータが、
共有対象画面の共有先のユーザの作業状況を示す作業情報を取得し、
前記作業情報に応じて、共有先のユーザの手が空いたことを推定し、前記推定したタイミングを前記共有対象画面の共有を開始するタイミングに決定し、
前記決定されたタイミングに従って、前記共有対象画面の共有先である少なくとも1つの端末装置に、前記共有対象画面を表示させる制御信号を送信する、画面共有制御方法。
(付記13)
コンピュータに、
共有対象画面の表示タイミングを示す情報を取得する処理と、
前記表示タイミングを示す情報に従って、前記共有対象画面の共有を開始するタイミングを決定する処理と、
前記決定されたタイミングに従って、前記共有対象画面の共有先である少なくとも1つの端末装置に、前記共有対象画面を表示させる制御信号を送信する処理と
を実行させる、プログラム。
(付記14)
コンピュータに、
共有対象画面の共有先のユーザの作業状況を示す作業情報を取得する処理と、
前記作業情報に応じて、共有先のユーザの手が空いたことを推定し、前記推定したタイミングを前記共有対象画面の共有を開始するタイミングに決定する処理と、
前記決定されたタイミングに従って、前記共有対象画面の共有先である少なくとも1つの端末装置に、前記共有対象画面を表示させる制御信号を送信する処理と
を実行させる、プログラム。
【符号の説明】
【0138】
1、2、3、6 画面共有制御システム
10、20、30、40、50 画面共有制御装置
11、21、31、41、51 取得部
12、22、32、42、52 決定部
13、23、33、43、53 送信部
14、24、34 記憶部
60 スマートグラス
70、80 端末装置
90 コンピュータ装置
91 CPU(Central Processing Unit)
92 メモリ
93 記憶装置
94 入出力インタフェース
95 通信インタフェース