(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2025015934
(43)【公開日】2025-01-31
(54)【発明の名称】シャッター装置
(51)【国際特許分類】
E06B 9/68 20060101AFI20250124BHJP
E06B 9/82 20060101ALI20250124BHJP
E05F 15/77 20150101ALN20250124BHJP
【FI】
E06B9/68 Z
E06B9/82 Z
E05F15/77
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023118855
(22)【出願日】2023-07-21
(71)【出願人】
【識別番号】504163612
【氏名又は名称】株式会社LIXIL
(74)【代理人】
【識別番号】100141139
【弁理士】
【氏名又は名称】及川 周
(74)【代理人】
【識別番号】100161506
【弁理士】
【氏名又は名称】川渕 健一
(74)【代理人】
【識別番号】100179833
【弁理士】
【氏名又は名称】松本 将尚
(72)【発明者】
【氏名】近藤 雅徳
【テーマコード(参考)】
2E042
2E052
【Fターム(参考)】
2E042AA01
2E042BA01
2E042CA01
2E042CB10
2E042DA01
2E052AA04
2E052BA04
2E052CA06
(57)【要約】
【課題】シャッターケース内におけるスラットの変形、破壊等を抑制できるシャッター装置を提供する。
【解決手段】複数枚のスラットが連結されたシャッターカーテンと、シャッターボックス内に配置され、シャッターカーテンを巻き取り可能な巻取ドラムと、シャッターカーテンの幅方向の端部が挿入されるガイドレールと、シャッターボックス内において上下方向で巻取ドラムとガイドレールとの間に配置されるとともに、シャッターカーテンよりも見込み方向の屋内側に配置され、シャッターカーテンの前記屋内側への移動を規制する規制部を有する規制装置と、を備える。
【選択図】
図5
【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数枚のスラットが連結されたシャッターカーテンと、
シャッターボックス内に配置され、前記シャッターカーテンを巻き取り可能な巻取ドラムと、
前記シャッターカーテンの幅方向の端部が挿入されるガイドレールと、
前記シャッターボックス内において上下方向で前記巻取ドラムと前記ガイドレールとの間に配置されるとともに、前記シャッターカーテンよりも見込み方向の屋内側に配置され、前記シャッターカーテンの前記屋内側への移動を規制する規制部を有する規制装置と、
を備えるシャッター装置。
【請求項2】
前記規制部は、前記幅方向に延びる回転軸を中心として回転可能なローラ部材を有する、
請求項1記載のシャッター装置。
【請求項3】
前記規制部は、樹脂材で形成された樹脂部を有する、
請求項1記載のシャッター装置。
【請求項4】
前記規制部の硬度は、前記スラットの硬度よりも小さい、
請求項1記載のシャッター装置。
【請求項5】
前記巻取ドラムは、前記シャッターカーテンを内巻き式に巻き取り可能であり、
前記ガイドレールは、前記見込み方向に対向配置されたガイド壁を有し、
前記規制部は、前記幅方向と直交する断面において、前記見込み方向の屋外側の前記ガイド壁の上端と前記巻取ドラムの外周との前記屋外側の接線よりも前記屋内側に配置される、
請求項1記載のシャッター装置。
【請求項6】
前記シャッターカーテンを開閉駆動するモータを備える、
請求項1から5のいずれか一項に記載のシャッター装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、シャッター装置に関する。
【背景技術】
【0002】
シャッターは、複数枚のスラットにおいて各スラットの上下に設けた略弧状をなすカール部同士を互いに回転可能に嵌合して連結したシャッターカーテンを有している。シャッターカーテンは、建具開口部の上部に設けたシャッターボックス内の巻取ドラムに内巻き式に巻取る構造を有するものが知られている。シャッターカーテンは、巻取ドラムの室外側において巻き取り及び繰り出しされるものであり、シャッターボックスの建具からの突出幅が小さく、小型に構成できる。
【0003】
シャッターカーテンは、閉動作中に下端部に設けられた座板などが障害物に当接することがある。シャッターカーテンが障害物に当接した場合、シャッターカーテンの巻き回された巻取ドラムの外周付近にはシャッターカーテンの巻き弛み、撓み、だぶつき等が生じやすい。特許文献1には、シャッターカーテンに巻き弛み、撓み、だぶつき等が発生したことを検出することのできるセンサを設け、センサからの検出信号が出力された場合にはシャッターカーテンの閉動作を一時的に停止させ、停止した状態からシャッターカーテンを開動作させる制御方法が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1に開示された制御は、センサ及びシャッターカーテンの動作が正常であることを前提としている。例えば、シャッター装置が電動の場合、シャッターカーテンを駆動するモータ等に異常が生じ、シャッターカーテンが下限位置に到達した後にも巻取ドラムが回転した場合、シャッターボックス内においてスラットが屋内側に移動して変形、破壊等が生じる可能性がある。
【0006】
シャッター装置が手動の場合、シャッターカーテンを勢いよく閉じると、シャッターカーテンが下限位置に到達した後にも巻取ドラムが慣性で回転し、電動の場合と同じように、シャッターボックス内においてスラットが屋内側に移動して変形、破壊等が生じる可能性がある。
【0007】
本開示は、以上のような点を考慮してなされたもので、シャッターボックス内におけるスラットの変形、破壊等を抑制できるシャッター装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本開示の第1の態様は、複数枚のスラットが連結されたシャッターカーテンと、シャッターボックス内に配置され、前記シャッターカーテンを巻き取り可能な巻取ドラムと、前記シャッターカーテンの幅方向の端部が挿入されるガイドレールと、前記シャッターボックス内において上下方向で前記巻取ドラムと前記ガイドレールとの間に配置されるとともに、前記シャッターカーテンよりも見込み方向の屋内側に配置され、前記シャッターカーテンの前記屋内側への移動を規制する規制部を有する規制装置と、を備えるシャッター装置である。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】本実施形態に係るシャッターシステムの概略構成の一例を示す図である。
【
図2】シャッターカーテンが全開状態の部分断面図である。
【
図3】シャッターカーテンを構成するスラットの側面図である。
【
図5】
図1におけるII-II線部分断面図である。
【
図6】本実施形態に係る規制装置の外観斜視図である。
【
図7】規制装置が設けられないシャッター装置の部分断面図である。
【
図8】シャッター装置の変形例を示す部分断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本開示のシャッター装置の実施の形態を、
図1から
図8を参照して説明する。以下の実施形態は、本開示の一態様を示すものであり、この開示を限定するものではなく、本開示の技術的思想の範囲内で任意に変更可能である。また、以下の図面においては、各構成をわかりやすくするために、実際の構造と各構造における縮尺等を異ならせている。
【0011】
図1に示すように、シャッターシステム1は、シャッター装置2及び操作装置3を備える。
【0012】
シャッター装置2は、建物の窓やドア等の開口部2Aの開放又は閉鎖を行う電動シャッター装置である。シャッター装置2は、シャッターカーテン4を備える。シャッター装置2は、操作装置3からの操作信号に基づいてシャッターカーテン4を開閉することによって開口部2Aを開放又は閉鎖することができる。
【0013】
操作装置3は、操作対象であるシャッター装置2に有線又は無線で接続され、シャッター装置2と相互に通信可能である。操作装置3は、ユーザや作業者が操作可能である。操作装置3は、シャッター装置2に対して操作信号を入力する手段を備える、例えばリモコン装置である。
【0014】
操作装置3は、ユーザによっていずれかのスイッチが押下されると、シャッター装置2にスイッチに応じた信号である操作信号を出力する。
【0015】
例えば、操作装置3は、開スイッチSWoと、閉スイッチSWcと、停止スイッチSWtと、を有する。操作装置3は、開スイッチSWoが操作されると、シャッターカーテン4の開動作を指示する第1の操作信号をシャッター装置2に送信する。操作装置3は、閉スイッチSWcが操作されると、シャッターカーテン4の閉動作を指示する第2の操作信号をシャッター装置2に送信する。操作装置3は、停止スイッチSWtが操作されると、シャッターカーテン4の開動作又は閉動作の停止を指示する停止信号をシャッター装置2に送信する。
【0016】
本実施形態に係るシャッター装置2の概略構成の一例について説明する。
図1に示すように、シャッター装置2は、シャッターカーテン4と、ガイドレール5a,5bと、シャッターボックス6と、規制装置20と、を備える。
【0017】
シャッターカーテン4は、上下方向に連結された長尺な複数枚のスラット4a及び最下端に設けられた巾木部4bを有する。
【0018】
巾木部4bは、最下端のスラット4aに接続された矩形断面を有する長尺部材である。巾木部4bは、シャッターカーテン4が上限位置となる全開状態になる場合に図示しないマグサ又はシャッターボックス6に接触する又は、
図2に示すように、シャッター装置2に設けられた受け部6cに接触するように突出して形成されている。
図2においては、後述する規制装置20の図示を省略している。
【0019】
巾木部4bは、シャッターカーテン4が下限位置となる全閉状態になる場合には、シャッター装置2の枠体の下枠や床面に接触する。マグサは、シャッターカーテン4が上昇することで形成されるシャッター装置2の開口部の見切り部材であって、シャッターボックス6の下部に設けられていてもよい。
【0020】
図3に示すように、スラット4aは、膨出部30と、第1傾斜部31と、第2傾斜部32と、第3傾斜部33と、突出部34と、上カール部35と、下カール部36と、を有する。
【0021】
膨出部30は、上下方向の中央に位置し、屋外側に膨出する円弧形状である。第1傾斜部31は、膨出部30の上端から上側に向かうにつれて屋内側に向かう方向に傾斜している。上カール部35は、略弧状に形成され第1傾斜部31の上側に設けられている。上カール部35は、スラット4aにおける上端に位置する。第2傾斜部32は、膨出部30の下端から下側に向かうにつれて屋内側に向かう方向に傾斜している。下カール部36は、略弧状に形成されスラット4aにおける下端に位置する。第3傾斜部33は、下カール部36の上端から上側に向かうにつれて屋内側に向かう方向に傾斜している。突出部34は、第2傾斜部32と第3傾斜部33の交差部に位置し、屋内側に向かって突出している。
【0022】
膨出部30、第1傾斜部31及び第2傾斜部32は、シャッターカーテン4が後述する巻取ドラム7の外側にそって弧状に密に巻かれる役目を果たす。
【0023】
上カール部35及び下カール部36は、
図4に示すように、上カール部35が上下方向で隣り合うスラット4aにおける下カール部36の径方向外側に嵌合することによって、嵌合部37を構成する。上下方向で隣り合うスラット4aは、嵌合部37において、シャッターカーテン4の幅方向に延びる軸線を中心として相対回転可能である。以下では、シャッターカーテン4の幅方向を「幅方向」と呼ぶ。
【0024】
複数のスラット4aは、上下方向で隣り合う上カール部35と下カール部36が嵌合することによって、シャッターカーテン4を構成する。シャッターカーテン4が閉じて垂直に垂下したときの水平面に対する第3傾斜部33の傾斜角度αは、使用材料によって異なる水の転落角以上に形成されている。
【0025】
ガイドレール5a及びガイドレール5bは、シャッターカーテン4の幅方向の両端に一対で設けられている。ガイドレール5a及びガイドレール5bは、底面に対して垂直に立設されている。
図5に示すように、ガイドレール5a及びガイドレール5bは、ガイド壁15A及びガイド壁15Bをそれぞれ有する。ガイド壁15Aは、見込み方向の屋外側に位置し上下方向に延びる。ガイド壁15Bは、見込み方向の屋内側に位置し上下方向に延びる。ガイド壁15A及びガイド壁15Bは、上下方向に延びる保持空間15Cを隔てて見込み方向に対向配置される。保持空間15Cには、シャッターカーテン4が幅方向の内側から挿入されて保持される。保持空間15Cに幅方向の内側から挿入されて保持されたシャッターカーテン4は、ガイド壁15A及びガイド壁15Bによって開閉動作をガイドされる。ガイドレール5a及びガイドレール5bは、シャッターカーテン4を構成する各スラット4aの横ずれを規制する。
【0026】
シャッターボックス6の概略構成の一例について説明する。シャッターボックス6は、シャッター装置2の上部に設けられている。シャッターボックス6は、シャッターカーテン4の閉動作時にシャッターカーテン4の巻き戻し、又は、シャッターカーテン4の開動作時に内巻き式に巻き取りを行う。シャッターボックス6は、巻取ドラム7、モータ8及びシャッター制御装置10を備える。
【0027】
巻取ドラム7は、シャッターカーテン4の上端部とモータ8とに連結されている。巻取ドラム7は、幅方向に延びる軸線を中心とする円筒状である。巻取ドラムは、モータ8によって正逆方向に回転駆動される。巻取ドラム7の回転に応じて、シャッターカーテン4の巻き戻し、又は、巻き取りが行われる。巻取ドラム7に巻き取られたシャッターカーテン4は、シャッターボックス6内に収容されるようになっている。
【0028】
モータ8は、巻取ドラム7を回転駆動することでシャッターカーテン4を開閉駆動する駆動源である。モータ8は、直流電流によってシャッターカーテン4を開閉駆動する。モータ8は、交流電源で回転するACモータであってもよい。モータ8は、シャッター制御装置10からの駆動信号に基づいて正回転、逆回転、又は回転停止する。
【0029】
シャッター制御装置10は、操作装置3と通信することで情報を送受信する。情報の通信方式は、特に限定されないが、例えば、短距離無線通信規格RF4CE(Radio Frequency for Consumer Electronics)やBluetooth(登録商標)等の無線通信方式を用いることができる。シャッター制御装置10は、操作装置3からの情報に応じた駆動信号を生成してモータ8に出力することでモータ8を駆動、又は停止させる。シャッター制御装置10は、例えばCPU又はMPUなどのマイクロプロセッサ、MCUなどのマイクロコントローラや記憶装置などから構成され、操作装置3のスイッチの操作に応じてモータ8の駆動を制御する。
【0030】
規制装置20は、シャッターカーテン4の屋内側への移動を規制する。規制装置20は、シャッターボックス6内において上下方向で巻取ドラム7とガイドレール5a、5bとの間に配置される。
図1に示すように、規制装置20は、シャッターボックス6内において幅方向の中央付近に配置される。規制装置20は、1つ以上配置される。例えば、シャッターカーテン4の幅方向の寸法が大きい場合、規制装置20は、幅方向に間隔をあけて複数配置される。
【0031】
規制装置20は、
図6に示すように、支持体21と、回転軸22と、規制部23と、を有する。支持体21は、対向壁21aと、後端壁21bと、下端壁21cと、挟持壁21dと、を有する。支持体21は、シャッターボックス6に固定されている。支持体21は、例えば、鋼材で形成されている。
【0032】
対向壁21aは、幅方向に間隔をあけて対で対向配置されている。対向壁21aは、見込み方向に延びる。対向壁21aは、幅方向に見て、矩形の板状である。各対向壁21aは、それぞれ屋内側の端部に突部21eを有する。突部21eは、下側に向けて突出している。
【0033】
後端壁21bは、一対の対向壁21aにおける屋内側の端部を繋いでいる。後端壁21bは、一対の対向壁21aよりも上側に突出している。
図5に示すように、後端壁21bは、シャッターボックス6における屋内側壁6aに屋内側から支持されている。
【0034】
下端壁21cは、一対の対向壁21aにおける下端から幅方向の外側にそれぞれ延出している。下端壁21cは、一対の対向壁21aにおける屋内側の端部から屋外側に離れた位置から幅方向の外側にそれぞれ延出している。下端壁21cの見込み方向の長さは、一対の対向壁21aの見込み方向の長さよりも短い。
【0035】
挟持壁21dは、下端壁21cにおける屋内側の端部から屋内側に向かうにつれて下側に向かう斜め下方向に延びた後に、屋内側に延びている。挟持壁21dは、下端壁21cよりも下側の位置において屋内側に延びている。挟持壁21dは、シャッターボックス6における下側壁6bに下側から接している。突部21eは、下側壁6bに上側から接している。挟持壁21d及び突部21eは、シャッターボックス6における下側壁6bを上下方向の両側から挟持している。
【0036】
回転軸22は、幅方向に延びており、一対の対向壁21aを貫通している。回転軸22は、幅方向の両端が一対の対向壁21aにおける屋外側の端部近傍において支持されている。
【0037】
規制部23は、シャッターカーテン4の屋内側への移動を規制する。規制部23は、シャッターボックス6内において上下方向で巻取ドラム7とガイドレール5a、5bとの間に配置されるとともに、シャッターカーテン4よりも見込み方向の屋内側に配置されている。
【0038】
規制部23における最も屋外側の位置は、幅方向と直交する断面において、保持空間15Cにおける見込み方向の屋外側の上端と巻取ドラム7の外周との屋外側の接線Tよりも屋内側である。規制部23における最も屋外側となる位置は、巻取ドラム7の中心軸よりも屋外側に位置する。
【0039】
規制部23は、低摩擦材で形成されている。規制部23は、スラット4aの硬度よりも小さい硬度の素材で形成されている。一例として、規制部23は、樹脂材で形成された樹脂部を有する。規制部23は、例えば、ポリアセタール樹脂で形成された樹脂部を有する。規制部23が低摩擦材で形成されていることによって、シャッターカーテン4の開閉時にスラット4aが室内側に移動して規制部23に接した場合でもスラット4aが規制部23に対して滑りやすくなり、シャッターカーテン4の開閉時の抵抗を低減できる。
【0040】
規制部23がスラット4aの硬度よりも小さい硬度の素材で形成されていることによって、シャッターカーテン4の開閉時にスラット4aが室内側に移動して規制部23に接した場合でも、規制部23が損傷することになり、スラット4aが損傷することを抑制できる。実施形態のシャッター装置2における規制部23は、ローラ部材23Aを有する。ローラ部材23Aは、回転軸22を中心として回転可能である。ローラ部材23Aは、ポリアセタール樹脂等の樹脂材で形成されることが好ましい。
【0041】
シャッター装置2において、例えば、モータ8等に異常が生じ、シャッターカーテン4が下限位置に到達した後にも、さらに巻取ドラム7が回転した場合、規制装置20が設けられていないと、
図7に示すように、スラット4aは、膨出部30が屋内側に折れ曲がっていき、その後に破壊に至ってしまう。実施形態のシャッター装置2においては、規制装置20が設けられることによって、
図5に示すように、シャッターボックス6の内部において、屋内側に移動したスラット4aに対しては、ローラ部材23Aが接して、スラット4aの屋内側への移動を規制する。スラット4aが屋内側への移動を規制されることによって、シャッターボックス6内におけるスラット4aの変形、破壊等を抑制できる。
【0042】
シャッター装置2においては、規制部23がローラ部材23Aを有することによって、シャッターカーテン4の開閉時にスラット4aが室内側に移動して規制部23に接した場合でも、ローラ部材23Aが回転するため、シャッターカーテン4の開閉時の抵抗を低減できる。
【0043】
以上、添付図面を参照しながら本開示に係る好適な実施形態について説明したが、本開示は係る例に限定されないことは言うまでもない。上述した例において示した各構成部材の諸形状や組み合わせ等は一例であって、本開示の主旨から逸脱しない範囲において設計要求等に基づき種々変更可能である。
【0044】
例えば、実施形態のシャッター装置2においては、シャッターカーテン4が電動で開閉する構成を例示したが、この構成に限定されない。モータ8を有さずシャッターカーテン4が手動で開閉する構成において、シャッターカーテン4を勢いよく閉じたときに、シャッターカーテン4が下限位置に到達した後にも巻取ドラム7が慣性で回転することによって、シャッターボックス6の内部において、スラット4aが屋内側に移動する可能性がある。シャッターカーテン4を手動で開閉した際にも、規制部23がスラット4aの屋内側への移動を規制するため、スラット4aの変形、破壊等を抑制できる。
【0045】
実施形態のシャッター装置2においては、規制部23がローラ部材23Aを有する構成を例示したが、この構成に限定されない。規制部23は、回転等の移動を行わずに支持体21に支持された板状の固定部材であってもよい。規制部23が固定部材で構成される場合においても、滑りやすい低摩擦材であり、スラット4aの硬度よりも小さい硬度の樹脂材で形成されることが好ましい。
【0046】
実施形態のシャッター装置2においては、巻取ドラム7がシャッターカーテン4を内巻き式に巻き取り可能である構成を例示したが、この構成に限定されない。巻取ドラム7は、
図8に示すように、シャッターカーテン4を外巻き式に巻き取り可能である構成であってもよい。シャッターカーテン4を外巻き式に巻き取る場合、スラット4aの膨出部30は、屋内側に膨出する。
【0047】
巻取ドラム7がシャッターカーテン4を外巻き式に巻き取り可能である場合、規制装置20は、シャッターボックス6内において上下方向で巻取ドラム7とガイドレール5a、5bとの間に配置されるとともに、シャッターカーテン4よりも見込み方向の屋外側に配置される。
【符号の説明】
【0048】
2…シャッター装置、4…シャッターカーテン、4a…スラット、5a、5b…ガイドレール、6…シャッターボックス、7…巻取ドラム、8…モータ、15A、15B…ガイド壁、15C…保持空間、20…規制装置、23…規制部、23A…ローラ部材