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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2025015992
(43)【公開日】2025-01-31
(54)【発明の名称】成形容器分離装置
(51)【国際特許分類】
   B26F 3/00 20060101AFI20250124BHJP
   B26D 3/00 20060101ALN20250124BHJP
【FI】
B26F3/00 Z
B26D3/00 601C
【審査請求】未請求
【請求項の数】2
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023118960
(22)【出願日】2023-07-21
(71)【出願人】
【識別番号】393027121
【氏名又は名称】シブヤパッケージングシステム株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100156199
【弁理士】
【氏名又は名称】神崎 真
(74)【代理人】
【識別番号】100124497
【弁理士】
【氏名又は名称】小倉 洋樹
(74)【代理人】
【識別番号】100090169
【弁理士】
【氏名又は名称】松浦 孝
(72)【発明者】
【氏名】寺井 亮
(72)【発明者】
【氏名】高瀬 智成
【テーマコード(参考)】
3C060
【Fターム(参考)】
3C060AA05
3C060CC11
3C060CC12
3C060CC20
(57)【要約】
【課題】人手を要することなく、多数枚の容器成形シートを重ねた状態で成形容器を簡単かつ確実に分離でき、しかも容器の端面が損傷することがない、成形容器分離装置を得る。
【解決手段】載置台20に、分離させる容器群U1(A)を載置する。押圧部材24は、載置台20に載置された容器群U1(A)を上方から押圧して、載置台20と共に挟持する。側部当接部材33と上部当接部材35により、容器群U1(A)に隣接する容器群(B)の側部と上部を保持する。押圧部材24と載置台20による挟持状態を維持したまま、載置台20を、支軸26を中心として回動する。これにより容器群U1(A)は容器群U1(B)から分離される。
【選択図】 図6
【特許請求の範囲】
【請求項1】
所定数の成形容器が整列して成形され、各成形容器間を微小な接続部で接続して成る容器成形シートを、成形容器同士が上下に重なるように積重ねて積層シート群とし、前記積層シート群の端部に位置し、上下に重ねられた成形容器からなる容器群を、隣接する容器群から分離させる成形容器分離装置において、
分離させる容器群を載置する載置台と、
前記載置台に載置された容器群を上方から押圧して、前記載置台と共に挟持する押圧部材と、
前記隣接する容器群の側部と上部を保持する保持手段と、
前記押圧部材と前記載置台による挟持状態を維持したまま、前記押圧部材および載置台の一方を、前記隣接する容器群から離隔する方向に変位させる分離手段とを備え、
前記分離手段は、容器群の上端または下端の成形容器から順に、上下に位置する前記各接続部を破断させて、容器群を分離させることを特徴とする成形容器分離装置。
【請求項2】
前記分離手段は、分離させる容器群と隣接する容器群との間の下方を支点として前記載置台を傾斜させる傾斜手段を備えることを特徴とする請求項1に記載の成形容器分離装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、食品用発泡トレー等、樹脂シートに整列して成形される多数の成形容器を個別に分離する成形容器分離装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、食品用発泡トレー等の樹脂容器の製造装置として、特許文献1と特許文献2に記載されたものが知られている。これらの製造装置では、まず樹脂シート(各種熱可塑性樹脂シート、特に発泡スチレン系樹脂シート)を加熱することにより、容器となる凹部(成形容器)がマトリクス状(格子状)に整列するように成形する。そして、このように多数の成形容器が成形された容器成形シートを、トムソン刃を埋め込んだ抜型でプレスして、隣接する成形容器同士が微小な接続部で接続されるようにスリットを打ち抜く。このようにして得られた容器成形シートは、人手により分離作業が行われ、例えば数十枚ずつ重ねた状態で接続部を破断することにより多数の成形容器が一度に分離される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特許第3005707号公報
【特許文献2】特開2006-240053号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
容器成形シートを数十枚ずつ重ねた状態で行う分離作業はかなり大きな荷重を必要とし、作業員の負担が大きいという問題がある。また、容器成形シートを保持する力が大きすぎると容器を破損する恐れがあり、容器成形シートを上下左右にずらしたり旋回させて接続部を捩じり切るようにすると、容器の端面が摩擦により損傷したり粉塵が発生するという問題がある。
【0005】
本発明は、人手を要することなく、多数枚の容器成形シートを重ねた状態で成形容器を簡単かつ確実に分離でき、しかも容器の端面が損傷することがない、成形容器分離装置を得ることを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、所定数の成形容器が整列して成形され、各成形容器間を微小な接続部で接続して成る容器成形シートを、成形容器同士が上下に重なるように積重ねて積層シート群とし、積層シート群の端部に位置し、上下に重ねられた成形容器からなる容器群を、隣接する容器群から分離させる成形容器分離装置において、分離させる容器群を載置する載置台と、載置台に載置された容器群を上方から押圧して、載置台と共に挟持する押圧部材と、隣接する容器群の側部と上部を保持する保持手段と、押圧部材と載置台による挟持状態を維持したまま、押圧部材および載置台の一方を、隣接する容器群から離隔する方向に変位させる分離手段とを備え、分離手段は、容器群の上端または下端の成形容器から順に、上下に位置する各接続部を破断させて、容器群を分離させることを特徴としている。
【0007】
分離手段は、分離させる容器群と隣接する容器群との間の下方を支点として載置台を傾斜させる傾斜手段を備えることが好ましい。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、人手を要することなく、多数枚の容器成形シートを重ねた状態で成形容器を簡単かつ確実に分離でき、しかも容器の端面が損傷することがない、成形容器分離装置を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】本発明の実施形態である成形容器分離装置において処理される容器成形シートを示す平面図である。
図2】容器成形シートの一部を拡大して示す平面図である。
図3】所定の列の容器群を、隣接する列の容器群から分離する容器群分離装置を示す側面図である。
図4】本発明の一実施形態である成形容器分離装置であって、載置台が水平状態にある場合を示す側面図である。
図5図4のA-A線に沿う図である。
図6】分離動作における成形容器分離装置を示す側面図である。
図7図6のA―A線に沿う図である。
図8】容器群の分離動作の後における成形容器分離装置を示す側面図である。
図9】載置台上の容器群を搬出台へ受渡すための構成を示し、図8において右側から成形容器分離装置を見た正面図である。
図10】2つの容器群を同時に分離する例を示し、載置台が水平状態にある場合を示す側面図である。
図11図10の例において載置台が傾斜した状態を示す側面図である。
図12】2列の容器群に対して分離動作を行う成形容器分離装置を示し、図5と同じ方向から見た図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下図示された実施形態に基づいて本発明を説明する。
図1は本実施形態の成形容器分離装置において処理される容器成形シートSを示す平面図である。この容器成形シートSは、例えば発泡スチレン系樹脂シートであり、上方から見て矩形を呈し、成形容器Pがマトリクス状に整列して成形されている。すなわち成形容器Pは横方向に6個、縦方向に5個並んで成形され、以下の説明では、横方向に延びる列については、上から1列目、2列目、3列目、4列目、5列目と呼び、縦方向に延びる行については、左からA、B、C、D、E、F行とする。
【0011】
容器成形シートSはトムソン刃を有する抜型によりプレスされ、隣接する成形容器Pの間には、図2に示すように、微小な接続部Q1、Q2を残してスリットRが打ち抜き成形される。図示された例では、成形容器Pは縦長の矩形を呈し、隣接する成形容器Pとは、相対的に短い辺では1つの接続部Q1により連結され、相対的に長い辺では2つの接続部Q2により連結される。各接続部Q1、Q2の幅は成形容器Pの辺の長さの例えば20~30分の1である。成形容器Pは、周囲よりも凹陥した収容部P1と、収容部P1を囲繞する平坦なフランジ部P2とから成り、例えば食品用の発泡トレーとして使用される。
【0012】
容器成形シートSは、成形容器P同士が上下に重なるように積重ねて積層シート群T(図3参照)として所定の保管場所に保持される。積層される容器成形シートSの数は、後述する成形容器分離装置の性能、容器成形シートSの材質、厚さにより定められ、例えば30~50枚である。上下に重ねられた成形容器Pからなる各容器群は、後述するように成形容器分離装置によって相互に分離される。
【0013】
図3は所定の1列分の容器群を、上下に位置する各接続部Q1(図2)を破断させて、隣接する列の容器群から分離する容器群分離装置を示す図である。積層シート群Tは保管場所から取出されて第1ベルトコンベヤ11により搬送され、先頭に位置する1列目の容器群U1が第2ベルトコンベヤ12に位置した状態で一旦停止する。第2ベルトコンベヤ12は第1ベルトコンベヤ11に対して直交する方向に延びる。すなわち第2ベルトコンベヤ12は、隣接する容器群U2から分離された容器群U1を、第1ベルトコンベヤ11の搬送方向に直交する方向に搬送する。第1ベルトコンベヤ11の搬送面が第2ベルトコンベヤ12に近づくほど高くなるように、例えば3度傾斜しているのに対し、第2ベルトコンベヤ12の搬送面は水平である。
【0014】
第1ベルトコンベヤ11の下流端の上方には、積層シート群Tの上面に係合可能な第1上部ガイド部材13が、第1ベルトコンベヤ11と同じ角度傾斜させて設けられる。第2ベルトコンベヤ12の近傍には、前方ガイド部材14と第2上部ガイド部材15が設けられる。前方ガイド部材14は第2ベルトコンベヤ12の搬送面に垂直な当接面を有し、前方ガイド部材14の当接面には、第1ベルトコンベヤ11により搬送されてくる積層シート群Tにおいて先頭に位置する容器群の前面が当接可能である。第2上部ガイド部材15は第2ベルトコンベヤ12の搬送面の上方に配置され、シリンダ16により昇降駆動されて、第2ベルトコンベヤ12上に位置する容器群の上面を押圧する。
【0015】
第1ベルトコンベヤ11の搬送面は傾斜しているので、1列目の容器群U1が第2ベルトコンベヤ12上に到達するとき、1列目の容器群U1は第1ベルトコンベヤ11に沿って傾斜したまま押し出される。したがって1列目の容器群U1の下面が第2ベルトコンベヤ12の搬送面からわずかに離隔している一方、後続の容器群U2は第1上部ガイド部材13に当接して保持されている。この状態において、1列目の容器群U1は第1上部ガイド部材13から外れることで、自重により前傾しようとして、上下に位置する各接続部Q1が上方から順に破断されるようになるが、本実施形態では、これに合わせて第2上部ガイド部材15を下降させて、容器群U1を第2上部ガイド部材15により上方から押圧する。これにより容器群U1は、容器群U2側の下端部を中心として、傾斜状態から垂直状態に回転変位し、2列目の容器群U2から確実に分離される。
【0016】
図4、5は各列の容器群を、各行毎の容器群に1つずつ分離するための構成すなわち成形容器分離装置の一実施形態を示している。これらの図に示される積層シート群Tは、図3に示す容器群分離装置によって列毎に分離されたものであり、図4に示す例は、1列目の容器群U1において1行目(図1ではA行)の容器群U1(A)が、隣接する2行目(図1ではB行)の容器群U1(B)から分離される前の状態を示している。すなわち成形容器分離装置は、積層シート群Tの端部に位置し、上下に重ねられた成形容器Pからなる容器群を、上下に位置する各接続部Q2を順次破断させて、隣接する容器群から分離させるように構成されている。
【0017】
第2ベルトコンベヤ12の下流端の先(図4において右側)には載置台20が設けられ、また第2ベルトコンベヤ12と載置台20の間には渡部材21が設けられる。載置台20と渡部材21の上面の高さ位置は第2ベルトコンベヤ12の搬送面と同じであり、これらは連続した平面を構成する。載置台20は分離させる容器群を載置するために設けられ、図4では1行目の容器群U1(A)が載置されている。載置台20には、第2ベルトコンベヤ12の進行方向前方側に、垂直上方に延びる支持部材22が設けられ、支持部材22の上端部にはエアシリンダ23を介して押圧部材24が取付けられる。支持部材22は載置台20における容器群の前進端を規制する規制ガイドとして機能する。押圧部材24には、容器群の最上部に位置する収容部P1(図2)の後方側(後続の容器群U1(B)側)に係合可能な係合部材29が形成される。押圧部材24はエアシリンダ23により昇降駆動され、載置台20に載置された容器群を上方から押圧して、載置台20と協働して挟持する。
【0018】
床面に固定された軸支部材25の上端には、載置台20と渡部材21の対向する両端部間の下方、すなわち分離させる容器群と隣接する容器群の間の下方に位置させて、両容器群の対向する成形容器Pの接続部Q2が形成された辺と平行に、かつ水平に延びる支軸26が軸心周りに回動自在に設けられており、載置台20は連結部材19を介して支軸26に固定される。支軸26には揺動レバー27が固定され、揺動レバー27の揺動端は床面に上下に揺動可能に設けられたエアシリンダ28のピストンに連結される。非作動時(図4に示す状態)、エアシリンダ28のピストンは突出位置にあり、載置台20は水平位置に定められている。これに対して作動時(図6に示す状態)は、エアシリンダ23、28が駆動され、これにより押圧部材24が下降して載置台20と共に容器群を挟持すると同時に、エアシリンダ28のピストンが退没して揺動レバー27が図4、6において時計方向に回動し、載置台20が支軸26を支点として時計方向に回動して傾斜する。すなわちエアシリンダ28と揺動レバー27は、分離させる容器群と隣接する容器群との間の下方を支点として載置台20を傾斜させる傾斜手段を構成する。
【0019】
図4において、2行目の容器群U1(B)が載置される渡部材21の両側方には、一対の支柱30が床面に立設され、図5に示すように、支柱30の上端には水平方向に延びる梁31が取付けられる。各支柱30にはそれぞれ、水平方向に進退するピストンを有するエアシリンダ32が固定され、各エアシリンダ32のピストンの先端には、容器群の側部に当接可能な側部当接部材33が取付けられる。梁31には垂直方向に進退するピストンを有するエアシリンダ34が固定され、エアシリンダ34のピストンの先端には、容器群の上部に当接可能な上部当接部材35が設けられる。上部当接部材35には、容器群の最上部に位置する収容部P1(図2)の前方側(先頭の容器群側)に係合可能な係合部材36が設けられる。上部当接部材35はエアシリンダ34により昇降駆動され、下降位置にあるとき、渡部材21に載置された容器群の最上部を押圧する。
【0020】
図4~7を参照して本実施形態の作用を説明する。ここでは、1列目の容器群U1に対して分離動作を行う場合を例にとって説明する。積層シート群Tが成形容器分離装置まで搬送され、先頭の容器群U1(A)の前方側が支持部材22に当接して載置台20に載置されたとき、先頭から2番目の容器群U1(B)は渡部材21の上にある。図4に示すように、エアシリンダ28のピストンは突出位置にあって載置台20は水平位置に定められ、エアシリンダ23のピストンは上昇位置にあって押圧部材24は先頭の容器群U1(A)の上面から離隔している。また図5に示すように、エアシリンダ34のピストンも上昇位置にあって上部当接部材35は容器群U1(B)の上面から離隔し、エアシリンダ32のピストンは後退位置にあって側部当接部材33は容器群U1(B)から離隔している。
【0021】
エアシリンダ23が駆動されて押圧部材24が下降することにより、押圧部材24が載置台20と共に容器群U1(A)を挟持し、また係合部材29が最上部に位置する成形容器Pの収容部P1に係合する。そしてエアシリンダ32、34が駆動され、側部当接部材33が前進して容器群U1(B)の側部に当接するとともに、上部当接部材35と係合部材36が下降して、最上部に位置する成形容器Pの収容部P1に係合する。次いで、エアシリンダ28のピストンが退没し、これにより載置台20が図4、6において時計方向に回動して傾斜する。したがって容器群U1(A)は支軸26を中心として回動し、容器群U1(A)では、上方に位置する成形容器Pから順に下方へ向かって上下に位置する各接続部Q2が破断され、容器群U1(A)は容器群U1(B)から分離される。
【0022】
この分離動作において、後続の容器群U1(B)が側部当接部材33と上部当接部材35により保持されるので、容器群U1(A)と容器群U1(B)の間の接続部Q2は上方に位置する成形容器Pから順に、簡単かつ確実に分離される。すなわちエアシリンダ32、34と側部当接部材33と上部当接部材35は、容器群の側部と上部を保持する保持手段を構成する。また分離動作において、係合部材29が先頭の容器群U1(A)の最上部の成形容器Pの収容部P1に係合するので、載置台20の回動の開始時に、上部に位置する容器成形シートSの接続部Q2はスムーズに破断される。さらに、係合部材36が渡部材21上の容器群U1(B)の最上部の成形容器Pの収容部P1に係合するので、容器群U1(B)は確実に保持される。
【0023】
図8、9を参照して、分離された容器群を成形容器分離装置から搬出するための構成を説明する。分離動作の後、載置台20は傾斜状態を維持しており、この状態で押圧部材24と係合部材29が上昇して容器群U1(A)から離隔し、その後、容器群U1(A)は傾斜された載置台20と同じ角度だけ載置面を傾斜させた搬出台40へ受渡される。この受渡し動作のため、載置台20の側方には搬出プッシャ41が設けられる。搬出プッシャ41は床面に立設された支柱42に固定されたエアシリンダ43と、エアシリンダ43のピストンに取付けられた押出部材44とを有し、押出部材44は載置台20上の容器群の後側すなわちエアシリンダ28側の側面を押圧して容器群を搬出台40へ受渡す。この受渡し動作の後、エアシリンダ28のピストンを突出させて載置台20を水平状態とし、残りの積層シート群Tが第2ベルトコンベヤ12によって前方へ移送され、容器群U1(B)が載置台20に載置される。
【0024】
以上のように本実施形態では、載置台20上の容器群は、押圧部材24と載置台20による挟持状態を維持したまま、支軸26を支点として、載置台20を図4、6において時計方向に回転させ傾斜させることにより、上端の成形容器Pから順に、上下に位置する各接続部Q2を破断させて隣接する容器群から分離される。したがってエアシリンダ28は、押圧部材24を、隣接する容器群から離隔する方向に変位させることにより、載置台20上の容器群を隣接する容器群から分離する分離手段を構成する。なお他の例として、分離させる容器群と隣接する容器群との間の上方において、押圧部材24に設けた係合部材29と、当接部材35に設けた係合部材36の間の上方に支点を設け、これを中心として、押圧部材24を図4、6において反時計方向に回転させ傾斜させることにより、下端の成形容器Pから順に、上下に位置する各接続部Q2を破断させて隣接する容器群から分離させてもよい。すなわちこの場合、分離手段は、載置台20を、隣接する容器群から離隔する方向に変位させることにより、載置台20上の容器群を隣接する容器群から分離させる。
【0025】
図10、11は容器群同士を分離する他の例を示している。図4、6に示す例では、載置台20には1つの容器群U1(A)が載置されたが、図10、11の例では、載置台20には2つの容器群U1(A)、U1(B)が載置され、容器群U1(B)が隣接する3行目の容器群U1(C)から分離される。すなわち3行目の容器群U1(C)が載置される渡部材21の両側方には、図4、6と同様に、一対の支柱30が床面に立設されて、容器群U1(C)の側部に当接可能な側部当接部材33と上部当接部材35が設けられる。また、押圧部材24は2つの容器群U1(A)、U1(B)を上方から押圧し、係合部材29は2行目の容器群U1(B)の収容部P1の後方側(後続の容器群U1(C)側)に係合する。また、1行目の容器群U1(A)の前方側が支持部材22に当接する。図10では、載置台20は水平状態にあり、押圧部材24と上部当接部材35は上昇位置に定められている。図11では、載置台20は傾斜状態にあり、押圧部材24と上部当接部材35は下降位置に定められている。その他の構成と作用は図4~9に示す実施形態と同様である。
【0026】
図10、11の例は、分離動作の後に異物検査を行う等において、搬送される容器群を直立状態に維持することが困難である場合に適用され、2つの容器群を連結した状態で搬送することにより、その問題が解決される。なお2つの容器群は異物検査が完了した後に、図4図6に示す構成からなる成形容器分離装置によって相互に分離される。
【0027】
図12は2列の容器群U1、U2に対して分離動作を行う成形容器分離装置を示し、図5に相当する。すなわち図12は渡部材21に載置された容器群U1、U2を載置台20側から見た図である。2列で同じ行の一群となる容器群U1、U2に上方から上部当接部材35が当接し、2列で同じ行の一群となる容器群U1、U2の各側面に側部当接部材33が当接する。また、載置台20(図示せず)上においても、2列で同じ行の一群となる容器群U1、U2の上方から押圧部材24が押圧して、載置台20と共に2列で同じ行の一群となる容器群U1、U2を挟持する。図12の例によれば図10、11の例と同様に、分離後は2つの容器群を連結した状態で搬送するので姿勢が安定するという効果が得られる。なお図12の例と図10、11の例の構成を組合せ、4つの容器群を相互に連結するようにしてもよい。
【0028】
なお例えば図4、5に示された構成において、側部当接部材33は容器群の側部の中央高さ付近に当接し、上端付近と下端付近には当接しないが、側部当接部材33の縦方向長さは上部当接部材35の押圧力に応じて変わる。具体的には、上部当接部材35の押圧力が大きいほど、側部当接部材33は短くてもよい。これに対し、上部当接部材35の押圧力が小さく、最上部の容器成形シートSが浮き上がることを防止する程度である場合、側部当接部材33を長くして上下端付近の容器群の側部に当接することが必要である。
【符号の説明】
【0029】
P 成形容器
Q1、Q2 接続部
S 容器成形シート
T 積層シート群
U1、U2 容器群
20 載置台
24 押圧部材
28 エアシリンダ(分離手段)
32、34 エアシリンダ(保持手段)
33 側部当接部材(保持手段)
35 上部当接部材(保持手段)
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12