(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2025016023
(43)【公開日】2025-01-31
(54)【発明の名称】情報処理プログラム、情報処理システム、情報処理装置および情報処理方法
(51)【国際特許分類】
A63F 13/55 20140101AFI20250124BHJP
A63F 13/45 20140101ALI20250124BHJP
【FI】
A63F13/55
A63F13/45
【審査請求】未請求
【請求項の数】25
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023119025
(22)【出願日】2023-07-21
(71)【出願人】
【識別番号】000233778
【氏名又は名称】任天堂株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100090181
【弁理士】
【氏名又は名称】山田 義人
(74)【代理人】
【識別番号】100130269
【弁理士】
【氏名又は名称】石原 盛規
(74)【代理人】
【識別番号】100168217
【弁理士】
【氏名又は名称】大村 和史
(72)【発明者】
【氏名】大橋 晴行
(72)【発明者】
【氏名】荻原 貴文
(72)【発明者】
【氏名】大谷 明
(72)【発明者】
【氏名】福島 朋樹
(57)【要約】
【課題】ワールドマップを移動しながら、ワールドマップとは異なる仮想空間内でイベントを実行することができる。
【解決手段】ゲーム装置(10)はプロセッサ(20)を含み、プロセッサは、ユーザの操作入力に基づいて、プレイヤオブジェクトを第1仮想空間で制御し、拠点島オブジェクト内を移動したり、拠点島オブジェクトに設定された所定のイベントを実行させたりする。また、拠点島オブジェクトおよび漂流島オブジェクトは、第2仮想空間のワールドマップに設けられる複数の海流のうちのいずれか1つの海流上を時間経過に応じて自動的に移動される。第2仮想空間における拠点島オブジェクトと漂流島オブジェクトの位置に関する第1位置条件が満たされる場合、第1仮想空間において、第1位置条件が満たされた漂流島オブジェクトが配置される。また、第1仮想空間において、プレイヤオブジェクトは、拠点島オブジェクトから漂流島オブジェクトに移動され、漂流島に設定された所定のイベントを実行する。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
情報処理装置のコンピュータによって実行させる情報処理プログラムであって、
ユーザの操作入力に基づいて、当該ユーザに関連付けられるキャラクタオブジェクトを第1仮想空間で制御させるキャラクタオブジェクト制御手段、
前記第1仮想空間とは異なる第2仮想空間において、第1オブジェクトと第2オブジェクトを配置するオブジェクト配置手段、
前記第2仮想空間において、前記第1オブジェクトを時間経過に応じて自動的に移動させる自動移動手段、
前記第2仮想空間における前記第1オブジェクトと前記第2オブジェクトの位置に関する第1位置条件が満たされる場合、前記第1仮想空間において、前記第2オブジェクトに対応する第3オブジェクトを配置する第3オブジェクト配置手段、および
前記第3オブジェクトが前記第1仮想空間に配置されている場合、当該第3オブジェクトに関連するイベント発生条件が満たされたことに応じて、当該第3オブジェクトに関連するイベントを実行するイベント実行手段としてコンピュータを機能させる、情報処理プログラム。
【請求項2】
前記自動移動手段は、前記第2オブジェクトを時間経過に応じて自動的に移動させる、請求項1記載の情報処理プログラム。
【請求項3】
前記自動移動手段は、前記第1オブジェクトを、前記第2仮想空間における所定の移動経路上で移動させる、請求項1記載の情報処理プログラム。
【請求項4】
前記自動移動手段は、前記第1オブジェクトを、複数の移動経路のうち、1つの前記所定の移動経路上で移動させる、請求項3記載の情報処理プログラム。
【請求項5】
前記第1オブジェクトを、前記複数の移動経路のうち、現在移動している前記所定の移動経路から別の移動経路に移動させる移動経路変更手段として前記コンピュータをさらに機能させる、請求項4記載の情報処理プログラム。
【請求項6】
前記複数の移動経路の各々は環状であり、
前記自動移動手段は、前記第2オブジェクトを、前記複数の移動経路のうちの1つの前記移動経路上で移動させる、請求項3記載の情報処理プログラム。
【請求項7】
前記自動移動手段は、速度変更条件が満たされる場合、前記第1オブジェクトの移動速度を変更する、請求項1記載の情報処理プログラム。
【請求項8】
前記自動移動手段は、前記ユーザの操作に関わらず、前記第1オブジェクトを自動的に移動させる、請求項1記載の情報処理プログラム。
【請求項9】
前記自動移動手段は、前記第1仮想空間において優先イベントが実行される間は、前記第1オブジェクトの移動を制限する、請求項1記載の情報処理プログラム。
【請求項10】
前記第3オブジェクトを、前記第1仮想空間において、自動的に移動させる第3オブジェクト移動手段として前記コンピュータをさらに機能させる、請求項1記載の情報処理プログラム。
【請求項11】
前記第3オブジェクト移動手段は、前記第1仮想空間において、前記第3オブジェクトと、前記第1オブジェクトに対応する第4オブジェクトがすれ違う場合に、前記第2仮想空間における前記第1オブジェクトと前記第2オブジェクトの位置関係に応じて、当該第3オブジェクトを当該第4オブジェクトの右側または左側を移動させる、請求項10記載の情報処理プログラム。
【請求項12】
前記第3オブジェクト移動手段は、前記第2仮想空間における前記第2オブジェクトの位置に関わらず、前記第3オブジェクトを前記第1仮想空間内で移動させる、請求項10記載の情報処理プログラム。
【請求項13】
前記第3オブジェクト移動手段は、前記第2仮想空間における前記第1オブジェクトと第2オブジェクトの位置関係に応じて、前記第3オブジェクトの移動速度を決定する、請求項12記載の情報処理プログラム。
【請求項14】
前記第3オブジェクトを前記第1仮想空間に配置する場合に、当該第3オブジェクトの配置に関する告知を行う告知手段として前記コンピュータをさらに機能させる、請求項1記載の情報処理プログラム。
【請求項15】
前記第3オブジェクトに関する消去条件が満たされた場合、当該第3オブジェクトを前記第1仮想空間から消去する消去手段として前記コンピュータをさらに機能させる、請求項1記載の情報処理プログラム。
【請求項16】
前記消去手段は、前記第2仮想空間における前記第1オブジェクトと前記第2オブジェクトの位置関係が第2位置条件を満たす場合には、前記消去条件を満たしていない場合であっても、前記第3オブジェクトを前記第1仮想空間から消去する、請求項15記載の情報処理プログラム。
【請求項17】
前記第3オブジェクト配置手段は、前記第2仮想空間における前記第1オブジェクトと前記第2オブジェクトの位置関係に関わらず、前記第1仮想空間における所定位置に前記第3オブジェクトを配置する、請求項1記載の情報処理プログラム。
【請求項18】
前記イベントは、前記第3オブジェクトに関連する関連シーンにシーンを遷移させるイベントである、請求項1記載の情報処理プログラム。
【請求項19】
前記関連シーンでの対応条件を満たした場合、ユーザ操作に基づいて、前記第2仮想空間における前記第1オブジェクトと前記第2オブジェクトの前記位置関係に関わらず、当該関連シーンにシーンを遷移可能である、請求項18記載の情報処理プログラム。
【請求項20】
前記イベント実行手段は、前記第1仮想空間において、ユーザ操作が前記第3オブジェクトに対する指示操作である場合に、前記イベントを実行する、請求項1記載の情報処理プログラム。
【請求項21】
前記第2オブジェクトは前記第2仮想空間に複数配置され、各々の前記第2オブジェクトに異なるイベントが対応付けられる、請求項1記載の情報処理プログラム。
【請求項22】
前記第1仮想空間に対応する第1画像と、前記第2仮想空間に対応する第2画像の少なくとも一方が含まれる画像を表示部に出力する出力手段として前記コンピュータをさらに機能させる、請求項1記載の情報処理プログラム。
【請求項23】
1または複数のプロセッサを備える情報処理システムであって、
前記1または複数のプロセッサに、
ユーザの操作入力に基づいて、当該ユーザに関連付けられるキャラクタオブジェクトを第1仮想空間で制御させ、
前記第1仮想空間とは異なる第2仮想空間において、第1オブジェクトと第2オブジェクトを配置させ、
前記第2仮想空間において、前記第1オブジェクトを時間経過に応じて自動的に移動させ、
前記第2仮想空間における前記第1オブジェクトと前記第2オブジェクトの位置に関する第1位置条件が満たされる場合、前記第1仮想空間において、前記第2オブジェクトに対応する第3オブジェクトを配置させ、
前記第3オブジェクトが前記第1仮想空間に配置されている場合、当該第3オブジェクトに関連するイベント発生条件が満たされたことに応じて、当該第3オブジェクトに関連するイベントを実行させる、情報処理システム。
【請求項24】
1または複数のプロセッサを備える情報処理装置であって、
前記1または複数のプロセッサに、
ユーザの操作入力に基づいて、当該ユーザに関連付けられるキャラクタオブジェクトを第1仮想空間で制御させ、
前記第1仮想空間とは異なる第2仮想空間において、第1オブジェクトと第2オブジェクトを配置させ、
前記第2仮想空間において、前記第1オブジェクトを時間経過に応じて自動的に移動させ、
前記第2仮想空間における前記第1オブジェクトと前記第2オブジェクトの位置に関する第1位置条件が満たされる場合、前記第1仮想空間において、前記第2オブジェクトに対応する第3オブジェクトを配置させ、
前記第3オブジェクトが前記第1仮想空間に配置されている場合、当該第3オブジェクトに関連するイベント発生条件が満たされたことに応じて、当該第3オブジェクトに関連するイベントを実行させる、情報処理装置。
【請求項25】
1または複数のプロセッサを備える情報処理装置の情報処理方法であって、
前記1または複数のプロセッサに、
ユーザの操作入力に基づいて、当該ユーザに関連付けられるキャラクタオブジェクトを第1仮想空間で制御させ、
前記第1仮想空間とは異なる第2仮想空間において、第1オブジェクトと第2オブジェクトを配置させ、
前記第2仮想空間において、前記第1オブジェクトを時間経過に応じて自動的に移動させ、
前記第2仮想空間における前記第1オブジェクトと前記第2オブジェクトの位置に関する第1位置条件が満たされる場合、前記第1仮想空間において、前記第2オブジェクトに対応する第3オブジェクトを配置させ、
前記第3オブジェクトが前記第1仮想空間に配置されている場合、当該第3オブジェクトに関連するイベント発生条件が満たされたことに応じて、当該第3オブジェクトに関連するイベントを実行させる、情報処理方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は情報処理プログラム、情報処理システム、情報処理装置および情報処理方法に関し、特にたとえば、ワードマップを移動しながら、ワールドマップとは異なる仮想空間内でイベントを実行する、情報処理プログラム、情報処理システム、情報処理装置および情報処理方法に関する。
【背景技術】
【0002】
この種の情報処理装置の一例が特許文献1に開示されている。この特許文献1に開示されるゲーム装置では、コントローラを操作することによって、ワールドマップ上でプレイヤキャラクタが街と街の間を移動される。ワールドマップ上でプレイヤキャラクタが街と街との間を移動することによって、ゲーム上における仮想的な概念の日付が更新される。各街においてはローカルマップが形成されており、そこでコントローラを操作することで、ローカルマップ上でプレイヤキャラクタが移動する。ワールドマップおよびローカルマップにおいてプレイヤキャラクタが移動していくうちに、所定の条件が成立すると、バトルによるイベントが発生する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、特許文献1に開示されたゲーム装置では、ワールドマップ上でプレイヤキャラクタが街と街の間を移動している場合には、プレイヤは、ワールマップ上における移動以外のことを行うことができない。また、プレイヤキャラクタは、ワールドマップで街から街に移動すると、コントローラの操作によって街のローカルマップ上を移動し、また、バトルが開始された場合には、コントローラからプレイヤの指示を受け付けて敵キャラクタとのバトルがバトルマップ上において行われる。したがって、プレイヤキャラクタがローカルマップ上を移動している場合またはバトルマップ上においてバトル中である場合には、プレイヤは、ワールドマップ上でプレイヤキャラクタを移動させることができない。
【0005】
それゆえに、この発明の主たる目的は、新規な、情報処理プログラム、情報処理システム、情報処理装置および情報処理方法を提供することである。
【0006】
また、この発明の他の目的は、或る仮想空間で移動しながら、異なる仮想空間内でイベントを実行できる、情報処理プログラム、情報処理システム、情報処理装置および情報処理方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
(構成1)
構成1は、情報処理装置のコンピュータによって実行させる情報処理プログラムであって、ユーザの操作入力に基づいて、当該ユーザに関連付けられるキャラクタオブジェクトを第1仮想空間で制御させるキャラクタオブジェクト制御手段、第1仮想空間とは異なる第2仮想空間において、第1オブジェクトと第2オブジェクトを配置するオブジェクト配置手段、第2仮想空間において、第1オブジェクトを時間経過に応じて自動的に移動させる自動移動手段、第2仮想空間における第1オブジェクトと第2オブジェクトの位置に関する第1位置条件が満たされる場合、第1仮想空間において、第2オブジェクトに対応する第3オブジェクトを配置する第3オブジェクト配置手段、および第3オブジェクトが第1仮想空間に配置されている場合、当該第3オブジェクトに関連するイベント発生条件が満たされたことに応じて、当該第3オブジェクトに関連するイベントを実行するイベント実行手段としてコンピュータを機能させる、情報処理プログラムである。
【0008】
構成1によれば、第2仮想空間で移動しながら、第2仮想空間とは異なる第1仮想空間内でイベントを実行することができる。
【0009】
(構成2)
構成2は、構成1において、自動移動手段は、第2オブジェクトを時間経過に応じて自動的に移動させる。
【0010】
構成2によれば、第2オブジェクトも自動的に移動させるので、第2仮想空間における位置関係の複雑さが増し、どの第3オブジェクトに関連するイベントを実行するかの選択の幅を広げることができる。
【0011】
(構成3)
構成3は、構成1または構成2において、自動移動手段は、第1オブジェクトを、第2仮想空間における所定の移動経路で移動させる。
【0012】
(構成4)
構成4は、構成3において、自動移動手段は、第1オブジェクトを、複数の移動経路のうち、1つの所定の移動経路で移動させる。
【0013】
(構成5)
構成5は、構成4に従属し、第1オブジェクトを、複数の移動経路のうち、現在移動している所定の移動経路から別の移動経路に移動させる移動経路変更手段としてコンピュータをさらに機能させる。
【0014】
(構成6)
構成6は、構成3から構成5までのいずれかにおいて、複数の移動経路の各々は環状であり、自動移動手段は、第2オブジェクトを、複数の移動経路のうちの1つの移動経路上で移動させる。
【0015】
構成6によれば、移動経路は環状であり、第1オブジェクトおよび第2オブジェクトはそれぞれ同じ場所を繰り返し移動するため、第3オブジェクトに関連するイベントを実行できなかったとしても、次の機会を待てばよい。
【0016】
(構成7)
構成7は、構成1から構成6までのいずれかにおいて、自動移動手段は、速度変更条件が満たされる場合、第1オブジェクトの移動速度を変更する。
【0017】
構成7によれば、第1オブジェクトの移動速度を大きくすることで第3オブジェクトに関連するイベントを実行するまでの時間を短縮することができ、第1オブジェクトの移動速度を小さくすることで第3オブジェクトに関連するイベントを実行するまでの時間を長くすることもできる。
【0018】
(構成8)
構成8は、構成1から構成7までのいずれかにおいて、自動移動手段は、ユーザの操作に関わらず、第1オブジェクトを自動的に移動させる。
【0019】
構成8によれば、第1オブジェクトを自動的に移動させるので、第1仮想空間においてキャラクタオブジェクトを制御するだけでよく、利便性を向上させることができる。
【0020】
(構成9)
構成9は、構成1から構成8までのいずれかにおいて、自動移動手段は、第1仮想空間において優先イベントが実行される間は、第1オブジェクトの移動を制限する。
【0021】
構成9によれば、優先イベントが実行される間は第1オブジェクトの移動を制限するので、優先イベントが実行されている間に第1オブジェクトが移動し、第3オブジェクトに関連するイベントが実行される機会を失うのを防止することができる。
【0022】
(構成10)
構成10は、構成1から構成9までのいずれかにおいて、第3オブジェクトを、第1仮想空間において、自動的に移動させる第3オブジェクト移動手段としてコンピュータをさらに機能させる。
【0023】
(構成11)
構成11は、構成10において、第3オブジェクト移動手段は、第1仮想空間において、第3オブジェクトと、第1オブジェクトに対応する第4オブジェクトがすれ違う場合に、第2仮想空間における第1オブジェクトと第2オブジェクトの位置関係に応じて、当該第3オブジェクトを当該第4オブジェクトの右側または左側を移動させる。
【0024】
構成11によれば、第2仮想空間における第1オブジェクトと第2オブジェクトの位置関係に合わせて、第1仮想空間における第3オブジェクトを移動させることができる。
【0025】
(構成12)
構成12は、構成10または構成11において、第3オブジェクト移動手段は、第2仮想空間における第2オブジェクトの位置に関わらず、第3オブジェクトを第1仮想空間内で移動させる。
【0026】
(構成13)
構成13は、構成12において、第3オブジェクト移動手段は、第2仮想空間における第1オブジェクトと第2オブジェクトの位置関係に応じて、第3オブジェクトの移動速度を決定する。
【0027】
構成13によれば、第3オブジェクトの移動速度を、第1オブジェクトと第2オブジェクトの位置関係に応じて決定するので、第1オブジェクトと第2オブジェクトの位置関係と同期しているように、第1仮想空間において第3オブジェクトを移動させることができる。
【0028】
(構成14)
構成14は、構成1から構成13までのいずれかにおいて、第3オブジェクトを第1仮想空間に配置する場合に、当該第3オブジェクトの配置に関する告知を行う告知手段としてコンピュータをさらに機能させる。
【0029】
構成14によれば、第3オブジェクトの配置を事前に知ることができる。
【0030】
(構成15)
構成15は、構成1から構成14までのいずれかにおいて、第3オブジェクトに関する消去条件が満たされた場合、当該第3オブジェクトを第1仮想空間から消去する消去手段としてコンピュータをさらに機能させる。
【0031】
構成15によれば、第2仮想空間において第1オブジェクトと第2オブジェクトの位置関係に応じて決定される移動速度に基づく消去条件を満たす場合に、第3オブジェクトを消去することができる。
【0032】
(構成16)
構成16は、構成15に従属し、消去手段は、第2仮想空間における第1オブジェクトと第2オブジェクトの位置関係が第2位置条件を満たす場合には、消去条件を満たしていない場合であっても、第3オブジェクトを第1仮想空間から消去する。
【0033】
構成16によれば、消去条件を満たしていなくても、第2仮想空間において第1オブジェクトと第2オブジェクトの一定以上離れるような第2位置条件を満たす場合には、第3オブジェクトを消去することができる。
【0034】
(構成17)
構成17は、構成1から構成16までのいずれかにおいて、第3オブジェクト配置手段は、第2仮想空間における第1オブジェクトと第2オブジェクトの位置関係に関わらず、第1仮想空間における所定位置に第3オブジェクトを配置する。
【0035】
(構成18)
構成18は、構成1から構成17までのいずれかにおいて、イベントは、第3オブジェクトに関連する関連シーンにシーンを遷移させるイベントである。
【0036】
(構成19)
構成19は、構成18において、関連シーンでの対応条件を満たした場合、ユーザ操作に基づいて、第2仮想空間における第1オブジェクトと第2オブジェクトの位置関係に関わらず、当該関連シーンにシーンを遷移可能である。
【0037】
構成19によれば、関連シーンでの対応条件を満たした場合には、関連シーンに自由に遷移することができる。
【0038】
(構成20)
構成20は、構成1から構成19までのいずれかにおいて、イベント実行手段は、第1仮想空間において、ユーザ操作が第3オブジェクトに対する指示操作である場合に、イベントを実行する。
【0039】
(構成21)
構成21は、構成1から構成20までのいずれかにおいて、第2オブジェクトは第2仮想空間に複数配置され、各々の第2オブジェクトに異なるイベントが対応付けられる。
【0040】
(構成22)
構成22は、構成1から構成21までのいずれかにおいて、第1仮想空間に対応する第1画像と、第2仮想空間に対応する第2画像の少なくとも一方が含まれる画像を表示部に出力する出力手段としてコンピュータをさらに機能させる。
【0041】
(構成23)
構成23は、1または複数のプロセッサを備える情報処理システムであって、1または複数のプロセッサに、ユーザの操作入力に基づいて、当該ユーザに関連付けられるキャラクタオブジェクトを第1仮想空間で制御させ、第1仮想空間とは異なる第2仮想空間において、第1オブジェクトと第2オブジェクトを配置させ、第2仮想空間において、第1オブジェクトを時間経過に応じて自動的に移動させ、第2仮想空間における第1オブジェクトと第2オブジェクトの位置に関する第1位置条件が満たされる場合、第1仮想空間において、第2オブジェクトに対応する第3オブジェクトを配置させ、第3オブジェクトが第1仮想空間に配置されている場合、当該第3オブジェクトに関連するイベント発生条件が満たされたことに応じて、当該第3オブジェクトに関連するイベントを実行させる、情報処理システムである。
【0042】
(構成24)
構成24は、1または複数のプロセッサを備える情報処理装置であって、1または複数のプロセッサに、ユーザの操作入力に基づいて、当該ユーザに関連付けられるキャラクタオブジェクトを第1仮想空間で制御させ、第1仮想空間とは異なる第2仮想空間において、第1オブジェクトと第2オブジェクトを配置させ、第2仮想空間において、第1オブジェクトを時間経過に応じて自動的に移動させ、第2仮想空間における第1オブジェクトと第2オブジェクトの位置に関する第1位置条件が満たされる場合、第1仮想空間において、第2オブジェクトに対応する第3オブジェクトを配置させ、第3オブジェクトが第1仮想空間に配置されている場合、当該第3オブジェクトに関連するイベント発生条件が満たされたことに応じて、当該第3オブジェクトに関連するイベントを実行させる、情報処理装置である。
【0043】
(構成25)
構成25は、1または複数のプロセッサを備える情報処理装置の情報処理方法であって、1または複数のプロセッサに、ユーザの操作入力に基づいて、当該ユーザに関連付けられるキャラクタオブジェクトを第1仮想空間で制御させ、第1仮想空間とは異なる第2仮想空間において、第1オブジェクトと第2オブジェクトを配置させ、第2仮想空間において、第1オブジェクトを時間経過に応じて自動的に移動させ、第2仮想空間における第1オブジェクトと第2オブジェクトの位置に関する第1位置条件が満たされる場合、第1仮想空間において、第2オブジェクトに対応する第3オブジェクトを配置させ、第3オブジェクトが第1仮想空間に配置されている場合、当該第3オブジェクトに関連するイベント発生条件が満たされたことに応じて、当該第3オブジェクトに関連するイベントを実行させる、情報処理方法である。
【0044】
構成23から構成25においても、構成1と同様に、第2仮想空間で移動しながら、第2仮想空間とは異なる第1仮想空間内でイベントを実行することができる。
【発明の効果】
【0045】
この発明によれば、第2仮想空間で移動しながら、第2仮想空間とは異なる第1仮想空間内でイベントを実行することができる。
【0046】
この発明の上述の目的,その他の目的,特徴および利点は、図面を参照して行う以下の実施例の詳細な説明から一層明らかとなろう。
【図面の簡単な説明】
【0047】
【
図1】
図1はゲーム装置の電気的な構成の限定しない一例を示すブロック図である。
【
図2】
図2は
図1に示すゲーム装置の表示装置に表示される拠点島シーンのゲーム画面の限定しない一例を示す図である。
【
図3】
図3は
図1に示すゲーム装置の表示装置に表示される海図画面の限定しない一例を示す図である。
【
図4】
図4は
図1に示すゲーム装置の表示装置に表示される砲台シーンのゲーム画面の限定しない一例を示す図である。
【
図5】
図5は
図1に示すゲーム装置の表示装置に表示される漂流島シーンのゲーム画面の限定しない一例を示す図である。
【
図6】
図6は外観オブジェクトの発見範囲、接近範囲およびすれ違い範囲を説明するための限定しない一例の図である。
【
図7】
図7は
図1に示すゲーム装置の表示装置に表示される拠点島シーンのゲーム画面の限定しない他の例を示す図である。
【
図8】
図8は
図1に示すゲーム装置の表示装置に表示される拠点島シーンのゲーム画面の限定しないその他の例を示す図である。
【
図9】
図9は拠点島シーンにおいてすれ違う外観オブジェクトの拠点島ステージに対する移動ルートを決定する方法を説明するための限定しない一例の図である。
【
図10】
図10(A)は拠点島オブジェクトと漂流島オブジェクトが接近および隔絶の仕方の限定しない第1の例を示す図であり、
図10(B)は拠点島オブジェクトと漂流島オブジェクトが接近および隔絶の仕方の限定しない第2の例を示す図であり、
図10(C)は拠点島オブジェクトと漂流島オブジェクトが接近および隔絶の仕方の限定しない第3の例を示す図である。
【
図11】
図11(A)は拠点島オブジェクトと漂流島オブジェクトが接近および隔絶の仕方の限定しない第4の例を示す図であり、
図11(B)は拠点島オブジェクトと漂流島オブジェクトが接近および隔絶の仕方の限定しない第5の例を示す図である。
【
図12】
図12は
図1に示すゲーム装置に内蔵されるRAMのメモリマップの限定しない一例を示す図である。
【
図13】
図13は
図12に示したRAMのデータ記憶領域の具体的な内容の限定しない一例を示す図である。
【
図14】
図14は
図1に示すゲーム装置に内蔵されるプロセッサの仮想のゲームの全体処理の限定しない一例を示すフロー図である。
【
図15】
図15は
図1に示すゲーム装置に内蔵されるプロセッサのゲーム制御処理の第1の一部を示すフロー図である。
【
図16】
図16は
図1に示すゲーム装置に内蔵されるプロセッサのゲーム制御処理の第2の一部であって、
図15に後続するフロー図である。
【
図17】
図17は
図1に示すゲーム装置に内蔵されるプロセッサのゲーム制御処理の第3の一部であって、
図16に後続するフロー図である。
【
図18】
図18は
図1に示すゲーム装置に内蔵されるプロセッサのゲーム制御処理の第4の一部であって、
図17に後続するフロー図である。
【
図19】
図19は
図1に示すゲーム装置に内蔵されるプロセッサのゲーム制御処理の第5の一部であって、
図18に後続するフロー図である。
【
図20】
図20は
図1に示すゲーム装置に内蔵されるプロセッサの島移動処理の限定しない一例の第1の一部を示すフロー図である。
【
図21】
図21は
図1に示すゲーム装置に内蔵されるプロセッサの島移動処理の限定しない一例の第2の一部であって、
図20に後続するフロー図である。
【
図22】
図22は
図1に示すゲーム装置に内蔵されるプロセッサの島移動処理の限定しない一例の第3の一部であって、
図21に後続するフロー図である。
【発明を実施するための形態】
【0048】
図1を参照して、情報処理装置の限定しない一例であるゲーム装置10はプロセッサ20を含み、プロセッサ20には、RAM22、フラッシュメモリ24、通信モジュール26、入力装置30、表示制御回路32およびD/A変換器34が接続される。また、表示制御回路32には、表示装置36が接続され、D/A変換器34には、スピーカ38が接続される。
【0049】
プロセッサ20は、ゲーム装置10の全体制御を司る。具体的には、プロセッサ20は、CPUやGPUの機能を内蔵したSoC(System-on-a-chip)である。RAM22は、揮発性の記憶媒体であり、プロセッサ20のワークメモリやバッファメモリとして使用される。フラッシュメモリ24は、不揮発性の記憶媒体であり、各種のアプリケーションのプログラムを記憶したり、各種のデータを記憶(セーブ)したりするために使用される。たとえば、アプリケーションのプログラムおよび必要なデータは、フラッシュメモリ24から読み出され、RAM22に記憶される。
【0050】
ただし、アプリケーションとしては、ゲームのアプリケーション、文書作成のアプリケーション、電子メールのアプリケーション、お絵描きのアプリケーション、文字練習用のアプリケーション、語学トレーニングのアプリケーション、学習のアプリケーションなどの様々な情報処理についてのアプリケーションが該当する。
【0051】
通信モジュール26は、たとえばIEEE802.11.b/gの規格に準拠した方式により、無線LANに接続する機能を有する。したがって、たとえば、プロセッサ20は、通信モジュール26を用いて、アクセスポイントおよびインターネットなどのネットワークを介して他の機器との間でデータを送受信する。たとえば、他の機器は、サーバのようなコンピュータまたは他のゲーム装置10などである。ただし、通信モジュール26を用いて、他の機器との間で直接データを送受信することもできる。
【0052】
ただし、通信モジュール26は、無線LANに接続する機能とは異なり、近距離無線通信を行う機能を有していてもよい。具体的には、通信モジュール26は、所定の通信方式(たとえば、赤外線方式)により、他の機器との間で赤外線信号の送受信を行う機能、および所定の通信プロトコル(たとえば、マルチリンクプロトコル)に従って、同種のゲーム装置との間で無線通信を行う機能を有する。この場合、たとえば、プロセッサ20は、通信モジュール26を用いて、同種の他のゲーム装置との間でデータを直接送受信することができる。ただし、赤外線方式の近距離無線通信に代えて、Bluetooth(登録商標)のような他の無線通信規格に従う近距離無線通信を行うようにしてもよい。
【0053】
入力装置30は、たとえば、ゲーム装置10に設けられる各種の押しボタン、キーまたはスイッチを備えるゲームコントローラであり、ユーザまたはプレイヤ(以下、単に「プレイヤ」という。)によって、メニュー選択およびアプリケーションにおける指示などの各種の操作に用いられる。たとえば、ゲームコントローラには、Aボタン、Bボタン、Xボタン、Yボタン、Lボタン、Rボタン、十字ボタン(または/およびスライドスティック)などが設けられる。ただし、携帯型のゲーム装置10の場合には、入力装置30として、押しボタン、キーまたはスイッチに加えて、タッチパネルが設けられる場合もある。
【0054】
表示制御回路32は、GPUおよびVRAMなどを含んでおり、プロセッサ20の指示の下、GPUは、RAM22に記憶された画像生成用データ504b(
図13参照)を用いて表示装置36に種々の画面を表示するための画像データをVRAMに生成し、生成した画像データを表示装置36に出力する。
【0055】
D/A変換器34は、プロセッサ20から与えられる音声データをアナログの音声信号に変換し、スピーカ38に出力する。ただし、音声データは、キャラクタないしオブジェクトが発生する音、効果音、BGMなどの音楽についてのデータである。
【0056】
なお、
図1に示すゲーム装置10の電気的な構成は単なる一例であり、これに限定される必要はない。たとえば、通信モジュール26は無くてもよい。
【0057】
また、入力装置30は、ゲーム装置10の本体装置10aとは別に設けられたゲームコントローラであって、プロセッサ20と通信可能に有線または無線で接続されてもよい。この場合、ゲーム装置10は、本体装置10aと入力装置30が通信可能に接続されたゲームシステムを構成する。
【0058】
さらに、入力装置30に加えて、表示装置36も、ゲーム装置10の本体装置10bとは別に設けられ、プロセッサ20と通信可能に有線または無線で接続されてもよい。この場合、ゲーム装置10は、本体装置10bと入力装置30と表示装置36が通信可能に接続されたゲームシステムを構成する。また、表示装置36としては、LCDまたはELディスプレイのような据置型のモニタを用いることができる。
【0059】
さらにまた、ゲーム装置10としては、携帯型または据置型のゲーム専用機のみならず、ゲーム機としても機能するPC、タブレット端末、ウェアラブル端末、携帯電話機およびスマートフォンのような他の情報処理装置を用いることもできる。
【0060】
ゲーム装置10は、画像処理装置としても機能し、ゲーム画面などの各種画面に対応する画像データを生成および出力(表示)する。簡単に説明すると、表示制御回路32に内蔵されるGPUは、プロセッサ20の指示の下、3次元の仮想空間に各種のキャラクタオブジェクトをモデリングする。つまり、各種のキャラクタオブジェクトが仮想空間に作成または配置され、或る情景または場面(シーン)が生成される。このシーンを仮想カメラで撮影した(視点から見た)画像が表示装置36に表示される。具体的な画像処理について説明すると、まず、3次元(または、ワールド座標系)の仮想空間に或るシーンが生成され、仮想空間に生成されたシーンが仮想カメラから捉えた座標(すなわち、カメラ座標)系に変換される。たとえば、視点から見た画像が仮想のスクリーン上に透視投影される。次に、クリッピングおよび陰面消去処理が施される。続いて、シェーディングが施されることにより、キャラクタオブジェクト表面の明るさ(陰影)が表現される。さらに、シャドーイング(すなわち、影付け)が施されることにより、キャラクタオブジェクトによって生じる影が表現される。そして、テクスチャマッピングが施される。このようにして、3次元の仮想空間に生成された或るシーンについての2次元画像が生成(描画)され、生成された2次元画像に対応する2次元画像データが表示装置36に出力される。この実施例では、各種画面は表示装置36に表示されるため、仮想空間を視点から見た3次元画像が2次元画像に変換されるが、後述するように、仮想空間に2次元ゲーム画像を生成(または描画)する場合と区別するために、ゲーム画面100(
図2参照)のようにキャラクタオブジェクトの画像が立体的に見える画像を「3次元ゲーム画像」と呼ぶことにする。
【0061】
なお、3次元画像の生成においては、シャドーイングを施すことに代えて、簡易な形状(たとえば、円形、楕円形、三角形または四角形)の影のテクスチャを貼り付けるようにしてもよい。
【0062】
プレイヤが、ゲーム装置10を用いて、この実施例の仮想のゲームのゲームアプリケーションの実行を指示すると、仮想のゲームが開始される。仮想のゲームは、最初から開始したり、前回セーブした点から開始したりすることができる。
【0063】
この実施例の仮想のゲームでは、プレイヤは、第1仮想空間における仮想の島のオブジェクト(以下、「拠点島ステージ」という)に配置されるプレイヤキャラクタオブジェクト(以下、「プレイヤオブジェクト」という)に対する操作入力に基づいて、プレイヤオブジェクトが移動等の任意の動作を行うよう制御することができる。
【0064】
また、仮想のゲームでは、第2仮想空間において、拠点島ステージに対応する拠点島オブジェクトは、仮想の移動経路(以下、「海流」という)に乗って自動的に移動される。第2仮想空間は、プレイヤに提示されるワールドマップ画像を生成するために用いられる仮想空間と言える。つまり、拠点島オブジェクトは、プレイヤの操作入力に関わらず、時間経過に応じて、海流上を移動される。また、仮想のゲームでは、ワールドマップにおいて、複数の海流が1つの海域の中に設けられ、プレイヤは、移動可能な海流間で拠点島オブジェクトを移動させる。第1仮想空間と第2仮想空間は、異なる仮想空間であってもよいし、同じ仮想空間内の異なる部分または領域であってもよい。
【0065】
また、仮想のゲームでは、第2仮想空間において、ワールドマップ上で複数の海流の各々に乗って、拠点島ステージとは異なる1または複数の仮想の島のオブジェクト(以下、「漂流島ステージ」という)に対応するオブジェクト(以下、「漂流島オブジェクト」という)についても、拠点島オブジェクトと同様、時間経過に応じて自動的に移動される。複数の漂流島の各々には、他の漂流島に設定されたイベントとは異なるイベントが設定されている。ただし、1つの漂流島に複数のイベントが設定されてもよい。
【0066】
なお、第1仮想空間と第2仮想空間における時間の流れは同期されている。つまり、プレイヤが第1仮想空間においてプレイヤオブジェクトを制御する間にも、第2仮想空間では、拠点島ステージに対応する拠点島オブジェクト、および、漂流島オブジェクトが仮想の移動経路に乗って自動的に移動している。
【0067】
プレイヤは、拠点島オブジェクトと漂流島オブジェクトとが第2仮想空間において近くに位置する場合、プレイヤキャラクタを拠点島ステージから漂流島ステージに移動させることが可能となる。上述の通り、漂流島オブジェクトは複数存在しうるが、第2仮想空間において拠点島オブジェクトの近くに位置する漂流島オブジェクトが複数存在する場合、プレイヤの操作入力によって指定された漂流島オブジェクトに対応する漂流島ステージに、プレイヤオブジェクトを移動させることとなる。
【0068】
プレイヤが、プレイヤオブジェクトを漂流島ステージに移動させると、第1仮想空間において、漂流島ステージのシーン(以下、「漂流島シーン」という)が生成される。ただし、漂流島シーンは、第1仮想空間以外の仮想空間に生成されてもよい。プレイヤが、漂流島ステージでプレイヤオブジェクトの動作を制御して、イベントをクリアすることで、漂流島ステージを攻略する。攻略した漂流島ステージは、拠点島ステージに連結または接続され、プレイヤオブジェクトは、プレイヤの操作入力に従って、拠点島ステージに連結された漂流島オブジェクト(以下、「連結島オブジェクト」という)の間を自由に行き来することができる。
【0069】
したがって、仮想のゲームでは、第2仮想空間において、拠点島オブジェクトは、海流に乗って自動的に移動し、また、プレイヤの操作入力に従って、隣接する別の海流に移動することによってワールドマップ上を移動する。
【0070】
このように、拠点島オブジェクトは、海流に乗って移動し、また、拠点島オブジェクトは、プレイヤの操作入力に従って隣接する別の海流に移動する。上述の通り、プレイヤは、拠点島オブジェクトと漂流島オブジェクトとが接近した場合、プレイヤの操作入力に基づいて、漂流島オブジェクトに対応するステージ(以下、「漂流島ステージ」という)でのイベントをプレイすることができる。そして、上述したとおり、第1仮想空間と第2仮想空間における時間の流れは同期されているため、プレイヤは、第1仮想空間でプレイヤオブジェクトを制御している間にも、第2仮想空間において拠点島オブジェクトと漂流島オブジェクトの位置関係が変動する。そのため、プレイヤは、従来とは異なる興趣性の高いゲーム進行を体験することができる。
【0071】
逆に、拠点島オブジェクトが海流に乗って第2仮想空間を移動している間においても、第1仮想空間において、プレイヤは、プレイヤオブジェクトを制御して、拠点島ステージまたは連結島ステージに設定された所定のイベントを実行可能である。したがって、拠点島オブジェクトが第2仮想空間を移動しながら、第2仮想空間とは異なる第1仮想空間内でプレイヤオブジェクトを制御してイベントを実行することができる。
【0072】
なお、第2仮想空間において、拠点島オブジェクトと複数の漂流島オブジェクトが海流に乗って漂流し、拠点島オブジェクトと漂流島オブジェクトが遭遇すると、第1仮想空間における拠点島ステージのシーン(以下、「拠点島シーン」という)において、遭遇した漂流島オブジェクトに対応するオブジェクト(以下、「外観オブジェクト」とする)が配置される。プレイヤオブジェクトは、プレイヤの操作入力に従って、漂流島に移動すると、漂流島ステージ、または漂流島を攻略する。最終的な目的を達成することでゲームクリアとなる。ただし、プレイヤオブジェクトが遭遇した漂流島に移動されない場合には、拠点島シーンにおいて、拠点島ステージと外観オブジェクトがすれ違うように、外観オブジェクトが移動される。
【0073】
上述したように、この実施例の仮想のゲームでは、第2仮想空間において、拠点島オブジェクトのみならず、複数の漂流島オブジェクトが自動的に移動されるので、ワールドマップでの位置関係に複雑さが増し、どの漂流島オブジェクトに移動するかの選択の幅を広げることができる。
【0074】
図2は
図1に示すゲーム装置10の表示装置36に表示される拠点島シーンのゲーム画面100の限定しない一例を示す。
図2に示すように、拠点島シーンのゲーム画面100は、拠点島における或る場所を仮想カメラで撮影した拠点島ステージの一部を含むゲーム画像であり、プレイヤオブジェクトの画像102および敵オブジェクトの画像104を含み、さらに、複数の背景オブジェクトの画像110を含む。また、
図2に示すゲーム画面100では、背景オブジェクトの画像110は、拠点島ステージの画像110aと海オブジェクトの画像110bを含む。拠点島シーンにおいて、プレイヤオブジェクトは拠点島ステージ内に配置され、拠点島ステージは海オブジェクト上に浮かんでいる。
【0075】
ただし、
図2に示す例では、拠点島ステージの画像110aは、拠点島ステージの一部であって、プレイヤオブジェクトが移動したりノンプレイヤオブジェクトと対話したりする或るフィールド(ここでは、「移動フィールド」という)の画像である。また、海オブジェクトの画像110bは、拠点島ステージの或る移動フィールドから見える海オブジェクトの一部の画像である。
【0076】
また、拠点島シーンのゲーム画面100には、海図の画像120が表示される。海図の画像120は、後述する海図画面200(
図3参照)を縮小した画像である。
図2では分かり易く示すために、海図の画像120は、海図画面200の一部を省略した画像である。拠点島シーンは、第1仮想空間に生成され、この第1仮想空間に設定される3次元座標の原点に、拠点島ステージの中心点が重なるように、この拠点島ステージが配置される。上述したとおり、第1仮想空間と第2仮想空間における時間の流れは同期されているため、拠点島シーンにおいてプレイヤが仮想のゲームを進行させる間にも、第2仮想空間において拠点島オブジェクトと漂流島オブジェクトの位置関係が更新され、更新された位置に応じて海図の画像120も更新される。
【0077】
なお、海図の画像120は、ゲーム画面100に表示しなくてもよい。また、海図の画像120の表示および非表示をプレイヤが設定できるようにすることもできる。
【0078】
プレイヤは、プレイヤオブジェクトを制御して、拠点島ステージ内を移動させたり、1または複数所定のゲーム内イベント(以下、単に「イベント」という)を実行させたりする。イベントは、仮想のゲームのプレイ中に発生する種々のイベントであり、会話、買い物、食事、睡眠(または、宿泊)のような日常的なイベントのみならず、アイテムの取得、戦闘、クエストの提示およびそのクエストの解決、および、ミッションの提示およびそのミッションの達成などを含む。イベントは、プレイヤオブジェクトの動作によって発生したり、プレイヤオブジェクトの動作によらないでシナリオまたはストーリの進行に応じて発生したりする。また、或る漂流島ステージを攻略してから次の漂流島ステージに行く前においてのみ発生するように、時限的に発生するイベントもある。たとえば、プレイヤオブジェクトが拠点島ステージ内に配置される島人のようなノンプレイヤオブジェクトキャラクタ(以下、「ノンプレイヤオブジェクト」という)と対話したり、拠点島ステージ内に設けられる店で仮想のゲーム内通貨を使用して武器、薬および食料などのアイテムを取得したり、拠点島ステージ内に設けられる家または宿泊施設で寝ることで体力を回復したり、拠点島ステージ内のノンプレイヤオブジェクトに所定のアイテムを渡したり、拠点島ステージ内に配置されたゲーム内通貨、武器など所定のアイテムを見つけたりする。また、拠点島ステージ以外の漂流島ステージおよび連結島ステージにおいては、プレイヤオブジェクトが敵オブジェクトと戦闘する。
【0079】
また、プレイヤオブジェクトが敵オブジェクトを倒すことにより、ゲーム内通貨を取得したり、所定のアイテムを取得したり、第2仮想空間において拠点島オブジェクトが現在移動している海流に隣接する海流に移動可能に設定されたりする。
【0080】
ただし、プレイヤオブジェクトは、プレイヤの操作入力に関係無く、コンピュータ(この実施例では、プロセッサ20)によって動作等を制御される場合もある。イベントの内容については、後述する、漂流島オブジェクトおよび連結島オブジェクトに設定される所定のイベントについても同様である。ただし、上述したように、各漂流島オブジェクトには異なるイベントが設定される。このことは、各連結島オブジェクトについても同様である。
【0081】
図3は
図1に示すゲーム装置10の表示装置36に表示される海図画面200の限定しない一例を示す。プレイヤが海図またはワールドマップの表示を指示すると、シーンが拠点島シーンから海図のシーン(以下、「海図シーン」という)に遷移され(または、切り替えられ)、ゲーム画面100に代えて、海図シーンの画面である海図画面200が表示される。一例として、海図画面200は、ワールドマップの全部または一部を含み、1つの仮想の海域を真上から見た2次元ゲーム画像である。ワールドマップは、1つの仮想の海域において、複数の海流が配置されて構成される。つまり、海図シーンは、第2仮想空間に生成される。
【0082】
海図画面200は、複数(
図3では10個)の海流の画像202、拠点島オブジェクトの画像210および複数(
図3では14個)の漂流島オブジェクトの画像212を含む。
【0083】
海流は、拠点島オブジェクトおよび1または複数の漂流島オブジェクトが移動する仮想の移動経路である。拠点島オブジェクトおよび1または複数の漂流島オブジェクトは、拠点島シーンのゲーム画面100を出力している間だけでなく、海図画面200を出力している間にも、複数の海流のうちの1つの所定の海流上を時間経過に応じて自動的に移動する。ただし、拠点島オブジェクトおよび漂流島オブジェクトは、海流に沿って移動するようにしてもよい。
図3からも分かるように、各海流の形状および大きさは様々である。各海流は、矩形、正方形またはL字の形状の環状に設定されており、海域内に並んで配置される。ただし、或る海流の内側に別の海流が配置される場合もある。また、海流の形状は、環状であれば、三角形、菱形、5角形以上の多角形、円形または楕円形でもよい。
【0084】
また、海図画面200では、移動可能な2つの海流間については、当該2つの海流の画像202の間に、移動可能であることを示す画像(この実施例では、実線の両端に矢尻が表示された実線矢印画像)204が表示され、移動可能になる前の2つの海流間については、当該2つの海流の画像202の間に、移動可能になる前であることを示す画像(この実施例では、点線の両端に矢尻が表示された点線矢印画像)206が表示される。点線矢印画像206は、所定の移動可能条件を満たすと、実線矢印画像204に変化される。所定の移動可能条件は、ストーリが所定の点または位置まで進んだり、プレイヤオブジェクトが所定の1または複数の漂流島オブジェクトに行ったり、所定のストーリを解放したり、所定のイベントを実行したりしたことである。海図画面200では、移動可能にならない2つの海流間については、当該2つの海流の画像202の間に、点線矢印画像206は表示されない。
【0085】
ただし、プレイヤオブジェクトが、所定のアイテムを使用したり、所定の1または複数の漂流島オブジェクトを攻略したりすることで、実線矢印画像204および点線矢印画像206が表示されていない2つの海流の画像202間に、点線矢印画像206が配置されたり、双方向の実線矢印画像204が配置されたりすることもできる。つまり、移動可能になることがない状態の2つの海流間を、移動可能になる前の状態または移動可能な状態に変化されるようにすることもできる。
【0086】
なお、仮想のゲームが進行し、たとえば、拠点島オブジェクトが全部または所定数以上の海流を移動した後では、双方向の実線矢印画像204が表示されている位置に関係無く、プレイヤの操作入力に従って、拠点島オブジェクトを別の海流に自由に移動させるようにしてもよい。
【0087】
拠点島オブジェクトの画像210は、拠点島オブジェクトを簡略化またはシンボル化した画像であり、
図3に示す例では、5角形の画像である。また、漂流島オブジェクトの画像212は、漂流島オブジェクトを簡略化またはシンボル化した画像であり、
図3に示す例では、円形の画像である。ただし、海図画面200における拠点島オブジェクトが、拠点島シーンのゲーム画面100における拠点島ステージに対応する。また、海図画面200における漂流島オブジェクトが、拠点島シーンのゲーム画面100における外観オブジェクト(
図8参照)に対応する。
【0088】
第2仮想空間では、拠点島オブジェクトおよび複数の漂流島オブジェクトの各々がいずれかの海流に乗って移動する。したがって、ワールドマップにおいては、各海流の画像202、各実線矢印画像204および各点線矢印画像206の位置のみならず、拠点島オブジェクト、各漂流島オブジェクトおよび指示画像220の位置すなわち2次元座標を管理するための座標系が設定されている。この座標系では、各海流の画像202、各実線矢印画像204および各点線矢印画像206は固定的に配置され、拠点島オブジェクトおよび各漂流島オブジェクトの位置が自動的に変化され、指示画像220の位置がプレイヤの操作入力に従って変化される。ただし、移動可能条件が満たされる場合には、点線矢印画像206が実線矢印画像204に変化される。
【0089】
さらに、各海流の画像202は矢印を用いて表示され、矢尻の向きが海流の方向を示す。また、海流の速さは、各海流に設定されている。したがって、拠点島オブジェクトおよび複数の漂流島オブジェクトは、それぞれ、現在乗っている海流の向きに、現在乗っている海流の速度で移動する。
【0090】
ただし、拠点島オブジェクトは、速度上昇条件を満たしている場合には、海流の速度に所定速度だけ上昇した速度で移動される。速度上昇条件は、拠点島オブジェクトの速度が一時的(第1所定時間であり、たとえば、30秒)に上昇される所定の条件であって、プレイヤオブジェクトが所定のアイテムを使用したり、プレイヤオブジェクトが所定のアイテムを特定のノンプレイヤオブジェクトに渡したりすることである。速度上昇条件を満たした場合に、拠点島オブジェクトの速度を一時的に上昇させるのは、拠点島オブジェクトの速度を自由に上昇させることができるようにした場合、第2仮想空間において拠点島オブジェクトが海流に乗って移動している間に、プレイヤが、第1仮想空間における拠点島ステージ内または連結島ステージ内で遊ぶことなく、拠点島オブジェクトを第2仮想空間内で早く移動させてしまい、仮想のゲームをプレイする面白味が低減してしまう虞があるためである。
【0091】
この実施例では、拠点島オブジェクトの速度が一時的に上昇されるようにしてあるが、一時的に下降されるようにすることもできる。この場合、拠点島オブジェクトは、速度下降条件を満たしている場合には、海流の速度から所定速度だけ下降した速度で移動される。速度下降条件は、拠点島オブジェクトの速度が一時的に下降される所定の条件であって、プレイヤオブジェクトの体力値が所定値未満であったり、プレイヤオブジェクトが敵オブジェクトから所定の攻撃を受けたりしたことである。
【0092】
つまり、速度上昇条件および速度下降条件のような速度変更条件を満たすことで、拠点島オブジェクトの速度を変更することができる。
【0093】
また、海図画面200には、指示画像220が設けられる。指示画像220はプレイヤによって移動され、指示画像220によって指示された画像212に対応する漂流島オブジェクトの情報が表示される。この実施例では、漂流島オブジェクトの情報は、漂流島の名前、漂流島に存在する特定のノンプレイヤオブジェクトの名称、漂流島に設定された所定のイベントの内容および所定のイベントをクリアした場合に得られる報酬などである。ただし、未だ発見されていない漂流島オブジェクトの情報は表示されないようにすることもできる。拠点島オブジェクトの発見範囲(
図6参照)を超えており、かつ、拠点島オブジェクトの発見範囲内に一度も近づいたことのない漂流島オブジェクトが、未だ発見されていない漂流島オブジェクトである。
【0094】
プレイヤは、海図画面200を表示することで、ワールドマップすなわち海域の全部または一部を見ることができる。また、画像212に対応する漂流島オブジェクトの情報を取得したり、画像210と或る画像212の位置関係および移動方向に基づいて、画像210に対応する拠点島オブジェクトと或る画像212に対応する漂流島オブジェクトが接近するタイミングを計ったりすることもできる。また、拠点島オブジェクトが移動可能な別の海流を知ることもできる。
【0095】
また、プレイヤは、海図画面200において、拠点島オブジェクトと、行きたいまたは攻略したい漂流島オブジェクトが接近していることを知ると、拠点島シーンに切り替えて(または、戻って)、プレイヤオブジェクトを、拠点島ステージ内の仮想の砲台のオブジェクト(以下、「砲台オブジェクト」という)が設けられた位置に移動させる。プレイヤオブジェクトが、砲台オブジェクトが配置された位置に到着すると、シーンが拠点島シーンから砲台シーンに切り替えられる。
【0096】
図4は
図1に示すゲーム装置10の表示装置36に表示される砲台シーンのゲーム画面100の限定しない一例を示す図である。
図4に示すように、砲台シーンのゲーム画面100は、砲台オブジェクトから拠点島ステージの外を見た3次元ゲーム画像であり、外観オブジェクトの画像130に加え、海オブジェクトの画像110bおよび空オブジェクトの画像110cのような背景オブジェクトの画像110が表示される。
【0097】
砲台シーンのゲーム画面100は、第1仮想空間における砲台オブジェクトと外観オブジェクト等の位置関係を用いて表示される。一例として、仮想カメラが拠点島シーンにおける砲台オブジェクトの位置に配置され、この仮想カメラで撮影された画像が砲台シーンのゲーム画面100として表示される。
【0098】
図4に示すように、砲台シーンのゲーム画面100では、照準画像140が画面の中心に表示され、枠画像150が画面の両側に表示される。つまり、照準画像140は仮想カメラの視線と重なる位置に描画される。枠画像150は、プレイヤオブジェクトが双眼鏡を覗いていることを表現するために表示されるが、表示しなくてもよい。照準画像140および枠画像150は、各オブジェクトの画像(110、130)よりも前面に表示される。
【0099】
プレイヤが、仮想カメラの向きを変えることで、照準画像140および枠画像150を移動させ、照準画像140を外観オブジェクトの画像130に合わせると、プレイヤオブジェクトが照準画像140を合わせた外観オブジェクトの画像130に対応する漂流島ステージに移動する。たとえば、プレイヤオブジェクトは、砲台オブジェクトに設けられる仮想の大砲のオブジェクトによって、照準画像140を合わせた外観オブジェクトの画像130に対応する漂流島ステージまで飛ばされる。つまり、プレイヤが、照準画像140および枠画像150を移動させると、大砲のオブジェクトの向きも変化される。
【0100】
ただし、プレイヤが、漂流島ステージへの移動を止める場合には、Bボタンを操作することで、砲台シーンを終了して、拠点島シーンに戻すことができる。つまり、シーンが砲台シーンから拠点島シーンに切り替えられる。このとき、プレイヤオブジェクトは、拠点島ステージ内の砲台オブジェクトが配置された場所の近くに配置される。
【0101】
この実施例では、プレイヤが、照準画像140を外観オブジェクトの画像130に合わせると、プレイヤオブジェクトが、照準画像140を合わせた外観オブジェクトの画像130に対応する漂流島ステージに自動的に移動される。つまり、照準画像140を外観オブジェクトの画像130に合わせるというイベント発生条件が満たされると、プレイヤオブジェクトが漂流島ステージに移動するという所定のイベントが実行される。
【0102】
ただし、イベント発生条件および所定のイベントは限定される必要はない。したがって、プレイヤが、照準画像140を外観オブジェクトの画像130に合わせ、さらに、プレイヤオブジェクトの移動を指示してから、プレイヤオブジェクトが照準画像140を合わせた外観オブジェクトの画像130に対応する漂流島ステージに移動するようにすることもできる。かかる場合には、プレイヤが、照準画像140を外観オブジェクトの画像130に合わせると、この外観オブジェクトの画像130に対応する漂流島ステージの情報が表示されるという所定のイベントが実行されるようにしてもよい。漂流島ステージの情報は、海図画面200が表示されている場合と同様に、漂流島の名前、漂流島に存在する特定のノンプレイヤオブジェクトの名称、漂流島に設定された所定のイベントの内容などである。
【0103】
ただし、プレイヤオブジェクトが移動可能な距離すなわち移動可能範囲は予め設定されており、移動可能範囲を超えている漂流島ステージに移動することはできない。また、移動可能範囲を超えなければ、第2仮想空間において拠点島オブジェクトが移動している海流とは異なる海流を移動している漂流島オブジェクトに対応する漂流島ステージに移動することも可能である。一例として、移動可能範囲は、後述する「接近範囲」である(
図6参照)。ただし、移動可能範囲は、所定のアイテムを使用することで拡大されてもよい。
【0104】
プレイヤオブジェクトが漂流島ステージに移動すると、移動した漂流島ステージ内におけるシーンすなわち漂流島シーンのゲーム画面100が表示装置36に表示される。つまり、シーンが砲台シーンから漂流島シーンに切り替えられる。漂流島シーンのゲーム画面100では、漂流島ステージ内においてプレイヤオブジェクトが移動したり、漂流島ステージに設定された所定のイベントが実行されたりする様子が表示される。
【0105】
なお、第1仮想空間と第2仮想空間における時間の流れは同期されていると説明してきたが、プレイヤオブジェクトが漂流島ステージに移動している間は、時間の流れを停止する。つまり、プレイヤが漂流島ステージにおいてプレイヤオブジェクトを制御する間には、第2仮想空間では、拠点島ステージに対応する拠点島オブジェクト、および、漂流島オブジェクトは、いずれも移動せずに同じ位置で留まることとなる。これは、漂流島ステージに移動している間にも時間の流れを停止しない場合には、漂流島オブジェクトと拠点島オブジェクトとの位置関係が離れてしまい、プレイヤオブジェクトが拠点島オブジェクトに自然に戻ることができなくなるためである。
【0106】
図5は
図1に示すゲーム装置10の表示装置36に表示される漂流島シーンのゲーム画面100の限定しない一例を示す図である。
図5に示すように、漂流島シーンのゲーム画面100は、プレイヤオブジェクトが移動した漂流島における或る場所を仮想カメラで撮影した漂流島ステージのゲーム画像であり、プレイヤオブジェクトの画像102および敵オブジェクトの画像104を含み、さらに、複数の背景オブジェクトの画像110を含む。また、
図5に示すゲーム画面100では、背景オブジェクトの画像110は、漂流島ステージの画像110dと海オブジェクトの画像110bを含む。漂流島シーンにおいて、プレイヤオブジェクトは漂流島ステージ内に配置され、漂流島ステージは海オブジェクト上に浮かんでいる。
【0107】
ただし、
図5に示す例では、漂流島ステージには、所定のイベントとして、敵オブジェクトと戦闘が設定されており、漂流島ステージの画像110dは、漂流島ステージの一部であって、プレイヤオブジェクトと敵オブジェクトが戦闘する或るフィールド(ここでは、「戦闘フィールド」という)の画像である。また、海オブジェクトの画像110bは、漂流島ステージの或る戦闘フィールドから見える海オブジェクトの一部の画像である。
【0108】
漂流島ステージに設定された所定のイベントが実行され、漂流島ステージが攻略されると、プレイヤオブジェクトは拠点島ステージの所定位置に戻されるとともに、当該漂流島ステージが攻略されたことによる所定の効果が実行される。所定の効果は、攻略した漂流島ステージを拠点島ステージに連結したり、所定のアイテムを取得したり、新しい漂流島オブジェクトが出現したりするなどが該当し、各漂流島ステージに設定されている。ただし、漂流島ステージに設定された所定のイベントが実行されることにより、プレイヤオブジェクトが敵オブジェクトを倒したり、クエストを解決したり、ミッションを達成することで、この拠点島ステージが攻略される。
【0109】
攻略した漂流島ステージが拠点島ステージに連結された場合には、この連結された漂流島ステージ(以下、「連結島ステージ」という)に対応するオブジェクト(すなわち、攻略した拠点島ステージに対応する拠点島オブジェクト)は、ワールドマップ上すなわち第2仮想空間から消去され、プレイヤオブジェクトは、拠点島ステージと連結島ステージの間をいつでも行き来することができるようになる。つまり、プレイヤオブジェクトは、第2仮想空間における位置関係に関わらず、拠点島ステージと連結島ステージの間をいつでも行き来することができるようになる。
【0110】
一例として、各連結島ステージへの連絡口が拠点島ステージに設けられており、プレイヤオブジェクトがプレイヤの操作入力に従って移動され、連絡口に到着すると、到着した連絡口に対応する連結島ステージに移動する。また、拠点島ステージへの連結口が連結島ステージに設けられており、プレイヤオブジェクトがプレイヤの操作入力に従って移動され、連結口に到着すると、拠点島ステージに移動する。
【0111】
プレイヤオブジェクトが連結島ステージに移動すると、連結島ステージにおけるシーン(以下、「連結島シーン」という)のゲーム画面が表示装置36に表示される。つまり、シーンが拠点島シーンから連結島シーンに切り替えられる。連結島ステージには、攻略前と同じ所定のイベントが設定されていてもよいし、攻略前と異なる所定のイベントが設定されてもよい。図示は省略するが、連結島シーンのゲーム画面は、攻略前の漂流島ステージを含む漂流島シーンのゲーム画面に、
図2に示した海図の画像を表示した画面である。
【0112】
ただし、便宜上、攻略した漂流島ステージが拠点島ステージに連結されると説明してあるが、攻略した漂流島ステージに対応する漂流島オブジェクトは第2仮想空間から消去されるため、連結島シーンにおいて連結島ステージと漂流島ステージの位置関係を判断する場合には、第2仮想空間において連結島オブジェクトは拠点島オブジェクトに重なっているすなわち同じ位置にあると仮定される。
【0113】
一方、漂流島ステージに設定された所定のイベントが実行され、プレイヤオブジェクトが敵オブジェクトに倒されたり、クエストを解決できなかったり、ミッションを達成できなかったりした場合には、つまり、漂流島ステージの攻略に失敗した場合には、プレイヤオブジェクトは、拠点島ステージの所定位置に戻され所定位置からゲームを再開するか、攻略に失敗した場所から再度ゲームを再開することとなる。。
【0114】
上述したように、プレイヤオブジェクトは、移動可能範囲(たとえば、後述する「接近範囲」)内に存在する外観オブジェクトに対応する漂流島ステージに移動して、この漂流島ステージを攻略する。したがって、外観オブジェクトが移動可能範囲内に存在しない場合には、第2仮想空間において、拠点島ステージおよび連結島ステージは海流上を移動し、拠点島シーンまたは連結島シーンにおいて、外観オブジェクトが移動可能範囲内に接近する、すなわち、外観オブジェクトと遭遇するのを待機することとなる。
【0115】
拠点島シーンまたは連結島シーンにおいて、待機中では、プレイヤは、プレイヤオブジェクトを制御して、拠点島ステージまたは連結島ステージに設定された所定のイベントを実行する。プレイヤは、プレイヤオブジェクトを制御して、所定のイベントを実行することで、拠点島ステージ内または連結島ステージ内でプレイヤオブジェクトの体力を回復させたり、拠点島ステージ内または連結島ステージ内で所定のアイテムを取得したりすることができる。つまり、プレイヤは、プレイヤオブジェクトを制御して、拠点島ステージ内または連結島ステージ内で遊んだり、次に遭遇する外観オブジェクトに対応する漂流島ステージを攻略するための準備を行なったりする。
【0116】
また、拠点島シーンまたは連結島シーンにおいて、待機中に、拠点島ステージまたは連結島ステージと外観オブジェクトが所定の距離または範囲(以下、「発見範囲」という)内に近づくと、外観オブジェクトを発見したことが報知される。
図6に示すように、発見範囲は、第2仮想空間における、拠点島オブジェクトの中心を中心とする半径R1(たとえば、第2仮想空間において150m)の円形の範囲に相当する。したがって、外観オブジェクトが拠点島ステージまたは連結島ステージの発見範囲内に近づいたかどうかは、第2仮想空間において判断される。このことは、後述する外観オブジェクトが拠点島ステージまたは連結島ステージの接近範囲に近づいたかどうかを判断する場合と、外観オブジェクトが拠点島ステージのすれ違い範囲に近づいたかどうかを判断する場合についても同じである。ただし、上述したように、連結島ステージに対応する漂流島オブジェクトは、第2仮想空間から消去されているため、外観オブジェクトと連結島ステージに対応する漂流島オブジェクトとの位置関係を判断する場合には、拠点島オブジェクトの位置が用いられる。
【0117】
なお、一例として、拠点島オブジェクトおよび漂流島オブジェクトの水平方向の大きさは、第2仮想空間において半径が30m程度の円に収まる大きさに設定されている。このことは、第1仮想空間においても同じである。
【0118】
図7に示すように、海図の画像120において、発見した外観オブジェクトに対応する画像が視覚的に識別可能に表示される。
図7に示す例では、発見した外観オブジェクトに対応する画像を黒で塗りつぶしてあるが、実際には、当該画像を点滅表示させたり、当該画像の明るさを大きくしたり、当該画像に星型の画像のような装飾画像を重ねて表示したりする。また、拠点島シーンのゲーム画面100において、外観オブジェクトを発見したことを示すテキストが表示される。
図7に示すように、一例として、「漂流島を発見!」というテキストが、表示枠の画像160の表示枠内に記載される。
【0119】
ただし、海図の画像120において、発見した外観オブジェクトに対応する画像を視覚的に識別可能に表示することと、発見したことを示すテキストを表示することはいずれか一方が採用されてもよい。また、発見したことを画面表示で報知することに代えて、または、発見したことを画面表示することに加えて、報知音または報知音声が出力されてもよい。外観オブジェクトが接近していることを報知する場合も同様である。報知処理については、連結島シーンについても同様である。
【0120】
なお、この実施例では、外観オブジェクトが発見範囲内に近づくと、外観オブジェクトを発見したことを報知するようにしてあるが、新しい外観オブジェクトすなわち未だ発見されていない外観オブジェクトについてのみ、発見したことを報知するようにしてもよい。
【0121】
また、拠点島シーンまたは連結島シーンにおいて、待機中に、拠点島ステージまたは連結島ステージと外観オブジェクトが発見範囲よりも狭い範囲(以下、「接近範囲」という)内に近づくと、外観オブジェクトが接近中であることが報知される。
図6に示すように、接近範囲は、第2仮想空間における、拠点島オブジェクトの中心を中心とする半径R2(たとえば、第2仮想空間において100m)の円形の範囲に相当する。
図6からも分かるように、半径R2は半径R1よりも小さい。
【0122】
このように、プレイヤは、プレイヤオブジェクトを制御して、拠点島ステージ内または連結島ステージ内で遊んだり、次にすれ違うまたは遭遇する外観オブジェクトに対応する漂流島ステージを攻略するための準備を行なったりするが、その間にも移動する拠点島オブジェクトと接近した漂流島オブジェクトに対応する外観オブジェクトを発見したことおよび外観オブジェクトが接近中であることを報知することで、プレイヤは、移動可能範囲内に近づいた外観オブジェクトに対応する漂流島ステージに、プレイヤオブジェクトを移動させることができる。
【0123】
ただし、プレイヤは、移動可能範囲内に近づいた外観オブジェクトに対応する漂流島ステージに、プレイヤオブジェクトを移動させなかったとしても、拠点島ステージに対応する拠点島オブジェクトおよび外観オブジェクトに対応する漂流島オブジェクトは海流に乗って周回するため、次回以降に遭遇する機会に、プレイヤは、移動可能範囲内に近づいた外観オブジェクトに対応する漂流島ステージに、プレイヤオブジェクトを移動させることできる。
【0124】
したがって、外観オブジェクトを発見したことおよび外観オブジェクトが接近中であることのいずれか一方のみを報知するようにしてもよい。
【0125】
さらに、この実施例では、拠点島ステージと外観オブジェクトが接近範囲よりも狭い範囲(以下、「すれ違い範囲」)内に近づくと、拠点島ステージと、外観オブジェクトがすれ違う様子のゲーム画面100が表示装置36に表示される。
図6に示すように、すれ違い範囲は、第2仮想空間における、拠点島オブジェクトの中心を中心とする半径R3(たとえば、第2仮想空間における100m)の円形の範囲に相当する。
図6からも分かるように、半径R3は、半径R1および半径R2よりも小さい。
【0126】
以下、拠点島シーンにおいて、拠点島ステージと外観オブジェクトがすれ違う場合について説明する。
【0127】
ここで、
図3に示した海図画面200からも分かるように、この実施例では、海流の向きが異なり、また、海流の速度も異なるため、拠点島オブジェクトと漂流島オブジェクトは、すれ違ったり、並んで移動したり、直交するように移動したりする場合がある。このように、拠点島オブジェクトと漂流島オブジェクトの接近および隔絶の仕方は様々である。ただし、接近および隔絶の様子をより分かり易く示すために、この実施例では、拠点島シーンでは、拠点島ステージと外観オブジェクトがすれ違う様子のゲーム画面100を表示するようにしてある。つまり、第2仮想空間における拠点島オブジェクトと漂流島オブジェクトの接近および隔絶の仕方に関係無く、拠点島シーンのゲーム画面100においては、外観オブジェクトが拠点島ステージの前方に出現し、拠点島ステージと外観オブジェクトがすれ違うように表現される。
【0128】
また、この実施例では、拠点島シーンでは、拠点島ステージは、第1仮想空間に設定された3次元座標の原点に固定的に配置され、動いていない。このため、ゲーム画面100においては、外観オブジェクトが拠点島ステージの前方であって、この拠点島ステージから第1所定距離(この実施例では、接近範囲の半径R3に相当する距離)だけ離れた位置に出現し、拠点島ステージに次第に近づき、拠点島ステージとすれ違うように、拠点島ステージの横を通り過ぎる。つまり、上述した、外観オブジェクトを発見したことおよび外観オブジェクトが接近中であることの報知は、外観オブジェクトの出現(または、配置)の告知である。したがって、プレイヤは、外観オブジェクトが出現することを事前に知ることができる。
【0129】
また、拠点島シーンにおいて、拠点島ステージと外観オブジェクトがすれ違う場合には、外観オブジェクトは、拠点島ステージの右側のコースまたは左側のコースを移動する。右側のコースまたは左側のコースは、拠点島シーンにおける海流のレーンである。
【0130】
図8は拠点島ステージと外観オブジェクトがすれ違う場合の拠点島シーンのゲーム画面100の限定しない一例を示す。第2仮想空間において、拠点島オブジェクトと漂流島オブジェクトが、すれ違ったり、並んで移動したり、直交するように移動したりする場合でにも、上述したように、外観オブジェクトが拠点島ステージの前方に出現し、拠点島ステージと外観オブジェクトがすれ違うように表現される。
図8のゲーム画面100では、画面上方が拠点島ステージの前方である。また、画面左方が拠点島ステージの左方であり、画面右方が拠点島ステージの右方であり、画面下方が拠点島ステージの後方である。より具体的には、
図8には、移動するコースが右側のコースに決定され、その始点に相当する位置に、外観オブジェクトの画像130が表示された時点についてのゲーム画面100が示される。
図8に示すように、拠点島ステージと外観オブジェクトがすれ違う場合には、海図の画像120は非表示される。また、通常の拠点島シーンとは異なり、
図8に示すゲーム画面100では、外観オブジェクトの画像130を表示するため、
図2に示したゲーム画面100を表示する場合と比べて仮想カメラの位置および向きが異なる。
【0131】
図8に示すように、外観オブジェクトが右側のコースを移動する場合には、この外観オブジェクトの画像130は、拠点島ステージの前方であって、拠点島ステージの画像110aの中央から少し右寄りに配置され、白抜きの矢印で示すように、拠点島ステージの右斜め後方に向けて移動されながら、拠点島ステージの画像110aに近づき、ゲーム画面100の外まで移動される。したがって、拠点島ステージと外観オブジェクトがすれ違う様子のゲーム画面100が表示される。
【0132】
図示は省略するが、外観オブジェクトが左側のコースを移動する場合には、外観オブジェクトの画像130は、拠点島ステージの前方であって、拠点島ステージの画像110aの中央から少し左寄りに配置され、拠点島ステージの左斜め後方に向けて移動されながら、拠点島ステージの画像110aに近づき、ゲーム画面100の外まで移動される。
【0133】
外観オブジェクトが、拠点島ステージの右側のコースを移動するか、左側のコースを移動するかは、第2仮想空間における、拠点島オブジェクトと漂流島オブジェクトの位置関係に基づいて決定される。
【0134】
図9は第2仮想空間における拠点島オブジェクトと漂流島オブジェクトの位置関係の一例を説明するための図である。ただし、
図9では拠点島オブジェクトの画像210を図示し、漂流島オブジェクトの画像212については省略してある。
【0135】
図9に示すように、拠点島オブジェクトの中心を通り、拠点島オブジェクトの進行方向と並行に延びる直線Lが、移動するコースを決定するための基準として設定される。拠点島オブジェクトの進行方向に対して、すれ違い対象の外観オブジェクトに対応する漂流島オブジェクトが直線Lの右側に位置する場合には、拠点島シーンにおいて当該漂流島オブジェクトに対応する外観オブジェクトが移動するコースは右側のコースに決定され、すれ違い対象の外観オブジェクトに対応する漂流島オブジェクトが直線Lの左側に位置する場合には、拠点島シーンにおいて当該外観オブジェクトが移動するコースは左側のコースに決定される。したがって、拠点島シーンにおいて拠点島ステージと外観オブジェクトがすれ違う場合には、第2仮想空間における拠点島オブジェクトと漂流島オブジェクトの位置関係に合わせて、外観オブジェクトを移動させることができる。
【0136】
ただし、この実施例では、漂流島オブジェクトが直線L上に位置する場合には、第1仮想空間において、すれ違い対象の外観オブジェクトが移動するコースは右側のコース(左側のコースでもよい)に決定される。
【0137】
右側のコースおよび左側のコースのいずれのコースの場合にも、拠点島ステージが配置される第1仮想空間に設定された3次元座標の原点を基準に、コースの始点と終点の各々が予め設定される。一例として、コースの始点は、第2仮想空間におけるすれ違い範囲の半径R3の距離に相当する拠点島シーンすなわち第1仮想空間における距離を用いて設定される。コースの終点は、拠点島シーンにおいて、外観オブジェクトが拠点島ステージとすれ違うように移動した場合に、拠点島ステージと外観オブジェクトが衝突せずに、外観オブジェクトがゲーム画面100の外まで移動するように設定される。
【0138】
また、第1仮想空間において、拠点島ステージと外観オブジェクトがすれ違う場合には、外観オブジェクトの画像130がゲーム画面100に表示(または、出現)されてから非表示(または、消去)されるまでの時間(以下、「滞在時間」という)が、第2仮想空間における拠点島ジェクトと漂流島オブジェクトの接近および隔絶の仕方に応じて決定される。
【0139】
図10(A)は滞在時間の決定方法の限定しない第1の例を説明するための図であり、
図10(B)は滞在時間の決定方法の限定しない第2の例を説明するための図であり、
図10(C)は滞在時間の決定方法の限定しない第3の例を説明するための図である。
図10(A)-
図10(C)では、滞在時間の説明に必要な部分の海流だけを図示してある。このことは、
図11(A)および
図11(B)についても同じである。
【0140】
図10(A)-
図10(C)では時間の経過とともに拠点島オブジェクトと漂流島オブジェクトが移動することを示すために、画像210および画像212の横に、時点t0、t1、t2を記載してある。或る時間t0を基準として、時間t1は時間t0より後の時間であり、さらに、時間t2は時間t1より後の時間である。ただし、時間t0と時間t1の時間間隔と、時間t1と時間t2の時間間隔は同じである。これらのことは、
図11(A)および
図11(B)についても同じである。
【0141】
この実施例では、
図10(A)に示すように、第2仮想空間において、拠点島オブジェクトと漂流島オブジェクトがすれ違う場合には、それぞれの移動速度に関係無く、滞在時間が所定時間(以下、「第2所定時間」という)に設定される。たとえば、第2所定時間は、5秒程度である。
【0142】
この第2所定時間を基準として、第2仮想空間において、拠点島オブジェクトと漂流島オブジェクトが並走する場合と、拠点島オブジェクトと漂流島オブジェクトが直交するように移動する場合について、第2所定時間を補正することで滞在時間がそれぞれ決定される。
【0143】
図10(B)に示すように、第2仮想空間において、拠点島オブジェクトと漂流島オブジェクトが並走する場合には、すれ違う場合と比較して相対速度が小さいため、滞在時間が長くされる。したがって、第2仮想空間において、拠点島オブジェクトと漂流島オブジェクトが並走する場合には、滞在時間は、第2所定時間に第2所定倍率(たとえば、1.6倍)を乗算した時間に決定される。
【0144】
ただし、
図10(B)に示す場合では、漂流島オブジェクトの移動速度が拠点島オブジェクトの移動速度よりも大きいため、拠点島オブジェクトから拠点島オブジェクトが見える時間は、漂流島オブジェクトの移動速度が拠点島オブジェクトの移動速度よりも小さい場合と比較して長くなる。したがって、第2仮想空間において、拠点島オブジェクトと漂流島オブジェクトが並走する場合には、漂流島オブジェクトの移動速度が拠点島オブジェクトの移動速度よりも大きい場合と、漂流島オブジェクトの移動速度が拠点島オブジェクトの移動速度よりも小さい場合とで所定倍率を異なる値に設定してもよい。
【0145】
また、
図10(C)に示すように、第2仮想空間において、拠点島オブジェクトと漂流島オブジェクトが離隔しながら直交するように移動する場合には、漂流島オブジェクトが拠点島オブジェクトの進行方向に対して垂直な方向に離隔しながら移動するため、すれ違う場合と比較して相対速度は小さい。ただし、拠点島オブジェクトの進行方向については、漂流島オブジェクトの移動速度は0であるため、拠点島オブジェクトと漂流島オブジェクトが並走する場合よりも、相対速度が大きい。したがって、第2仮想空間において、拠点島オブジェクトと漂流島オブジェクトが離隔しながら直交するように移動する場合には、滞在時間は、第2所定時間に第3所定倍率(たとえば、1.4倍)を乗算した時間に決定される。
【0146】
なお、図示は省略するが、漂流島オブジェクトが
図10(C)に示す場合とは逆向きに移動する場合には、つまり、第2仮想空間において、拠点島オブジェクトと漂流島オブジェクトが接近しながら直交するように移動する場合には、漂流島オブジェクトが拠点島オブジェクトの進行方向に対して垂直な方向に接近しながら移動するため、すれ違う場合と相対速度は同じである。したがって、この場合には、滞在時間は第2所定時間に決定される。
【0147】
図11(A)は滞在時間の決定方法の限定しない第4の例を説明するための図であり、
図11(B)は滞在時間の決定方法の限定しない第5の例を説明するための図である。
図11(A)および
図11(B)に示す例では、第2仮想空間における拠点島オブジェクトに対する漂流島オブジェクトの移動経路が途中で変化する。このような場合についても、第2所定時間を補正することで、滞在時間が決定される。
【0148】
図11(A)に示すように、第2仮想空間において、漂流島オブジェクトが、拠点島オブジェクトとすれ違うように移動した後に、拠点島オブジェクトと離隔しながら直交するように移動する場合には、
図10(A)に示したように、第2仮想空間において、拠点島オブジェクトと漂流島オブジェクトがすれ違うように移動するだけの場合よりも、拠点島オブジェクトと漂流島オブジェクトが離隔しながら直交するように移動する部分において相対速度が小さくなる。言い換えると、
図10(C)に示したように、第2仮想空間において、拠点島オブジェクトと漂流島オブジェクトが離隔しながら直交するように移動するだけの場合よりも、拠点島オブジェクトと漂流島オブジェクトがすれ違うように移動する部分において相対速度が大きくなる。したがって、第2仮想空間において、漂流島オブジェクトが、拠点島オブジェクトとすれ違うように移動した後に、拠点島オブジェクトと離隔しながら直交するように移動する場合には、滞在時間は、第2所定時間に第3所定倍率(たとえば、1.2倍)を乗算した時間に決定される。
【0149】
図示は省略するが、
図11(A)において、拠点島オブジェクトが移動する向きを逆向きにして、第2仮想空間において、漂流島オブジェクトが、拠点島オブジェクトと並走した後に、拠点島オブジェクトと離隔しながら直交するように移動する場合には、並走する部分において、すれ違う場合と比較して相対速度が小さいため、滞在時間が長くされる。したがって、第2仮想空間において、漂流島オブジェクトが、拠点島オブジェクトと並走した後に、拠点島オブジェクトと離隔しながら直交するように移動する場合には、滞在時間は、第2所定時間に第4所定倍率(たとえば、1.3倍)を乗算した時間に決定される。
【0150】
図11(B)に示すように、第2仮想空間において、漂流島オブジェクトが、拠点島オブジェクトと接近しながら直交するように移動した後に、拠点島オブジェクトと並走する場合には、
図10(B)に示したように、第2仮想空間において、拠点島オブジェクトと漂流島オブジェクトが並走するだけの場合よりも、漂流島オブジェクトが拠点島オブジェクトと接近しながら直交するように移動する部分において相対速度が小さくなる。言い換えると、上述したように、第2仮想空間において、漂流島オブジェクトが拠点島オブジェクトと接近しながら直交するように移動するだけの場合よりも、拠点島オブジェクトと漂流島オブジェクトが並走する部分において相対速度が小さくなる。したがって、第2仮想空間において、漂流島オブジェクトが、拠点島オブジェクトと直交するように移動した後に、拠点島オブジェクトと漂流島オブジェクトが並走する場合には、滞在時間は、第2所定時間に第5所定倍率(たとえば、1.5倍)を乗算した時間に決定される。
【0151】
図示は省略するが、
図11(B)において、拠点島オブジェクトが移動する向きを逆向きにして、ワールマップにおいて、漂流島オブジェクトが、拠点島オブジェクトと接近しながら直交するように移動した後に、拠点島オブジェクトとすれ違うように移動する場合については、
図11(A)に示したように、第2仮想空間において、漂流島オブジェクトが、拠点島オブジェクトとすれ違うように移動した後に、拠点島オブジェクトと直交するように移動した場合と同様に、滞在時間は、第2所定時間に第3所定倍率を乗算した時間に決定される。
【0152】
また、図示は省略するが、拠点島オブジェクトの移動経路が変化する場合についても、第2所定時間を補正して滞在時間が決定される。たとえば、
図11(A)において、拠点島オブジェクトが時間t0と時間t2の間において右に曲がったり、左に曲がったりする場合もある。かかる場合には、漂流島オブジェクトが、拠点島オブジェクトとすれ違うように移動した後に、並走したり、離隔するように移動したりする。
【0153】
前者のように、漂流島オブジェクトが、拠点島オブジェクトとすれ違うように移動した後に、拠点島オブジェクトと並走する場合には、すれ違うだけの場合のみならず、
図11(A)に示したように、すれ違った後に離隔しながら直交するように移動する場合よりも、拠点島オブジェクトと漂流島オブジェクトが並走する部分において相対速度が小さくなる。したがって、この場合には、滞在時間は、第2所定時間に第4所定倍率を乗算した時間に決定される。ただし、拠点島オブジェクトの移動経路が変化することを考慮して滞在時間を第2所定時間に第4所定倍率を乗算した時間よりも少し長く決定してもよい。
【0154】
後者のように、漂流島オブジェクトが、拠点島オブジェクトとすれ違うように移動した後に、拠点島オブジェクトと離隔する場合には、拠点島オブジェクトと漂流島オブジェクトが互いに離れるように移動する部分すなわち離隔する部分については、漂流島オブジェクトが、拠点島オブジェクトとすれ違うように移動しているのと同様であるため、
図10(A)に示したように、単にすれ違う場合と同じである。したがって、第2所定時間は補正されずれに、滞在時間が決定される。ただし、拠点島オブジェクトの移動経路が変化することを考慮して滞在時間を第2所定時間よりも少し長く決定してもよい。
【0155】
詳細な説明は省略するが、
図11(B)において、拠点島オブジェクトが時間t0と時間t2の間において右に曲がったり、左に曲がったりする場合にも、第2所定時間を補正して滞在時間が決定される。
【0156】
上述したように、左側のコースおよび右側のコースは、第1仮想空間に設定された3次元座標の原点を基準に、始点および終点が決定されているため、つまり、移動距離が予め決定されているため、外観オブジェクトは、左側のコースまたは右側のコースにおいて、予め決定されている移動距離を、決定された滞在時間で移動する。つまり、拠点島シーンにおける外観オブジェクトの移動速度は、滞在時間を移動距離で割ることで算出され、移動速度に従う距離だけフレーム毎に移動される。ただし、フレームは、画面を更新する単位時間であり、一例として、1/30秒または1/60秒に設定されてよい。
【0157】
外観オブジェクトは、決定された移動ルートの始点から終点まで、決定された滞在時間すなわち移動速度で移動する。外観オブジェクトが終点まで移動すると、外観オブジェクトに関する消去条件を満たしたと判断し、外観オブジェクトの画像130は消去(または、非表示)される。
【0158】
また、第2仮想空間において、拠点島オブジェクトとすれ違い対象の外観オブジェクトに対応する漂流島オブジェクトの距離が接近範囲を超える場合には、すれ違い対象の外観オブジェクトが移動ルートの終点まで移動する前であっても、つまり、外観オブジェクトに関する消去条件を満たしていない場合であっても、第2仮想空間における拠点島オブジェクトとすれ違い対象の外観オブジェクトに対応する漂流島オブジェクトの位置関係と合わせるために、拠点島シーンのゲーム画面100では、この外観オブジェクトの画像130は消去される。ただし、外観オブジェクトの画像130を消去することに代えて、外観オブジェクトの画像130を移動ルートの終点まで加速して移動させるようにしてもよい。つまり、外観オブジェクトの画像130が消去されるまでの時間を、決定した滞在時間よりも短くしてしもよい。
【0159】
上述したように、拠点島シーンにおいて、拠点島ステージと外観オブジェクトがすれ違う場合には、外観オブジェクトが予め決定された移動ルート上を移動するため、海図シーンすなわち第2仮想空間における位置関係とは同期させていないが、第2仮想空間における拠点島オブジェクトとすれ違い対象の外観オブジェクトに対応する漂流島オブジェクトの接近および隔絶の仕方に基づいて拠点島シーンにおける外観オブジェクトの滞在時間すなわち移動速度を決定することで同期させているように見せることができる。したがって、拠点島シーンと海図シーンを切り替えても、プレイヤは違和感を覚えることが無い。
【0160】
上述したように、拠点島オブジェクトおよび複数の漂流島オブジェクトは、基本的には、第2仮想空間において、海流に乗り、時間経過に従って移動する。ただし、所定の場合には、拠点島オブジェクトおよび漂流島オブジェクトの移動が制限される。
【0161】
この実施例では、第2仮想空間における時間を停止させることで、拠点島オブジェクトおよび漂流島オブジェクトの移動が停止される。ただし、拠点島オブジェクトおよび漂流島オブジェクトの移動速度を大幅に低減させるようにしてもよい。
【0162】
また、この実施例では、所定の場合は、初めて発見した外観オブジェクトがすれ違い範囲内に入った場合と、プレイヤオブジェクトが漂流島ステージに移動するよりも優先される所定のイベントが拠点島ステージにおいて実行されている場合である。このように、プレイヤオブジェクトが漂流島ステージに移動するよりも優先して実行される所定のイベントについては、当該所定のイベントを実行するためのプログラムにおいて、当該プログラムの開始時に後述するイベント優先フラグ504jをオンする処理が含まれ、当該プログラムの終了時にイベント優先フラグ504jをオフする処理が含まれている。
【0163】
図12は
図1に示したゲーム装置10のRAM22のメモリマップ500の一例を示す図である。
図12に示すように、RAM22は、プログラム記憶領域502およびデータ記憶領域504を含む。プログラム記憶領域502には、情報処理プログラムの一例である、この実施例の仮想のゲームのアプリケーションプログラム(すなわち、ゲームプログラム)が記憶され、ゲームプログラムは、メイン処理プログラム502a、画像生成プログラム502b、画像表示プログラム502c、操作入力検出プログラム502d、ゲーム制御プログラム502e、第1位置更新プログラム502f、第2位置更新プログラム502g、位置関係検出プログラム502h、接近隔絶の仕方検出プログラム502i、すれ違いルート決定プログラム502jおよび滞在時間決定プログラム502kなどを含む。
【0164】
なお、情報処理プログラムは、予めフラッシュメモリ24に記憶されていてもよいし、外部のサーバまたは他のゲーム装置10からインターネットのようなネットワークを介して取得してもよい。また、情報処理プログラムは、ゲーム装置10に着脱可能な光ディスク、USBメモリまたはメモリカードのような外部メモリから取得してもよい。ただし、情報処理プログラムの一部をフラッシュメモリ24に記憶しておき、他の一部を外部のサーバ、他のゲーム装置10または外部メモリから取得するようにしてもよい。これらのことは、後述する画像生成用データ504bについても同様である。
【0165】
メイン処理プログラム502aは、この実施例のゲームプログラムのメインルーチンを処理するためのプログラムである。画像生成プログラム502bは、画像生成用データ504bを用いて各種の画面に対応するゲーム画像データを生成するためのプログラムである。画像表示プログラム502cは、画像生成プログラム502bに従って生成されたゲーム画像データを表示装置36に出力するためのプログラムである。したがって、ゲーム画面100および海図画面200などの各種の画面が表示装置36に表示される。
【0166】
操作入力検出プログラム502dは、プレイヤによる操作入力部に対する操作入力データ504aを検出するためのプログラムである。この実施例では、操作入力部は、入力装置30に設けられた各種の押しボタン、キーまたはスイッチである。
【0167】
ゲーム制御プログラム502eは、この実施例の仮想のゲームのゲーム制御処理を実行するためのプログラムである。
【0168】
第1位置更新プログラム502fは、第1仮想空間において、プレイヤの操作入力に従って、または、コンピュータすなわちプロセッサ20の指示に従って、プレイヤオブジェクト、敵オブジェクトなどのノンプレイヤオブジェクトおよび外観オブジェクトなどの各種オブジェクトの位置(この実施例では、3次元位置)を更新するためのプログラムである。
【0169】
第2位置更新プログラム502gは、第2仮想空間において、プレイヤの操作入力に従って、または、プロセッサ20の指示に従って、拠点島オブジェクトおよび各漂流島オブジェクトの位置(この実施例では、2次元位置)を更新するためのプログラムである。また、第2位置更新プログラム502gは、第2仮想空間において、プレイヤの操作入力に従って、指示画像220の位置(この実施例では、2次元位置)を更新するためのプログラムでもある。
【0170】
位置関係検出プログラム502hは、拠点島オブジェクトと、複数の漂流島オブジェクトまたはすれ違い対象の外観オブジェクトに対応する漂流島オブジェクトの2次元の位置関係を第2仮想空間の座標系で検出するためのプログラムである。
【0171】
接近隔絶の仕方検出プログラム502iは、第2仮想空間において、拠点島オブジェクトとすれ違い対象の外観オブジェクトに対応する漂流島オブジェクトが接近および隔絶する仕方を検出するためのプログラムである。
【0172】
すれ違いルート決定プログラム502jは、位置関係検出プログラム502hで決定された位置関係に基づいて、拠点島シーンにおいて、拠点島ステージと外観オブジェクトがすれ違う場合に、外観オブジェクトが移動する移動ルートを、左側のルートまたは右側のルートに決定するためのプログラムである。
【0173】
滞在時間決定プログラム502kは、接近隔絶の仕方検出プログラム502iによって検出された拠点島オブジェクトとすれ違い対象の外観オブジェクトに対応する漂流島オブジェクトの接近および隔絶の仕方に基づいて滞在時間を決定するためのプログラムである。
【0174】
図示は省略するが、プログラム記憶領域502には、サーバまたは他のゲーム装置10と通信するための通信プログラム、仮想のゲームにおいて必要な音を生成および出力するための音出力プログラム、プレイヤの操作入力に従って仮想カメラの向きを変更するためのプログラムなどの他のプログラムも記憶される。
【0175】
図13は、
図12に示したRAM22のデータ記憶領域504の具体的な内容の限定しない一例を示す。
図13に示すように、データ記憶領域504には、操作入力データ504a、画像生成用データ504b、プレイヤオブジェクトデータ504c、漂流島オブジェクトデータ504d、第1空間位置データ504e、すれ違いルートデータ504f、海図データ504g、第2空間位置データ504h、速度上昇フラグ504iおよびイベント優先フラグ504jが記憶される。
【0176】
操作入力データ504aは、入力装置30から入力されたデータであり、時系列に従って記憶される。操作入力データ504aは、プロセッサ20の処理に使用されると、消去される。
【0177】
画像生成用データ504bは、各種の画面または各種のオブジェクトの画像のデータを生成するためのポリゴンデータおよびテクスチャデータなどのデータを含む。
【0178】
プレイヤオブジェクトデータ504cは、仮想のゲームにおけるプレイヤオブジェクトについてのデータであり、ゲーム制御処理によって更新される。一例として、プレイヤオブジェクトデータ504cは、プレイヤオブジェクトの3次元位置、体力値、所持するアイテムの種類および所持するアイテムの個数などのパラメータについてのデータである。
【0179】
漂流島オブジェクトデータ504dは、仮想のゲームにおける漂流島オブジェクトおよび当該漂流オブジェクトに対応する漂流島ステージについてのデータである。一例として、漂流島オブジェクトデータ504dは、各漂流島オブジェクトおよび各漂流島オブジェクトに対応する漂流ステージの各々の情報、初回フラグおよび連結フラグのデータである。
【0180】
初回フラグは、各外観オブジェクトについて、拠点島ステージとすれ違うのが初めてであるかどうかを判断するためのフラグデータである。初回フラグは、複数の外観オブジェクトの各々に対応するビットを有するレジスタで構成される。外観オブジェクトが拠点島ステージとすれ違う前においては、当該外観オブジェクトの初回フラグはオンであり、当該外観オブジェクトに対応するビットには「1」が設定される。一方、外観オブジェクトが一度でも拠点島ステージとすれ違うと、当該外観オブジェクトの初回フラグはオフであり、当該外観オブジェクトに対応するビットには「0」が設定される。
【0181】
連結フラグは、各外観オブジェクトについて、拠点島ステージに連結されているかどうかを判断するためのフラグデータである。連結島フラグは、複数の外観オブジェクトの各々に対応するビットを有するレジスタで構成される。外観オブジェクトが拠点島ステージに連結されている場合には、当該外観オブジェクトの連結フラグはオンであり、当該外観オブジェクトに対応するビットには「1」が設定される。一方、外観オブジェクトが拠点島ステージに連結されていない場合には、当該外観オブジェクトの連結フラグはオフであり、当該外観オブジェクトに対応するビットには「0」が設定される。
【0182】
第1空間位置データ504eは、第1仮想空間すなわち拠点島シーン、漂流島シーンまたは連結島シーンにおける、プレイヤオブジェクト以外の各ノンプレイヤオブジェクト(敵オブジェクトを含む)、背景オブジェクトおよび漂流島オブジェクトについての3次元位置を示すデータである。
【0183】
すれ違いルートデータ504fは、すれ違いルート決定プログラム502jに従って決定された左側のルートまたは右側のルートの始点および終点の3次元位置を示すデータである。
【0184】
海図データ504gは、第2仮想空間すなわちワールドマップにおける、各海流の大きさ、形状、向きおよび速度、各海流が配置される位置(この実施例では、2次元位置)、各実線矢印画像204の2次元位置および各点線矢印画像206の2次元位置を示すデータである。
【0185】
第2空間位置データ504hは、第2仮想空間すなわちワールドマップにおける、拠点島オブジェクト、各漂流島オブジェクトおよび指示画像220についての2次元位置を示すデータである。
【0186】
速度上昇フラグ504iは、拠点島オブジェクトの移動速度を一時的に(すなわち、第1所定時間)上昇させるかどうかを判断するためのフラグデータであり、1ビットのレジスタで構成される。速度上昇条件が満たされる場合に、速度上昇フラグ504iはオンされ、ビットに「1」が設定される。速度上昇条件が満たされない場合および拠点島オブジェクトの移動速度を第1所定時間上昇させた場合に、速度上昇フラグ504iはオフされ、ビットに「0」が設定される。
【0187】
イベント優先フラグ504jは、すれ違い範囲に外観オブジェクトが位置する場合に、拠点島オブジェクトおよび各漂流島オブジェクトの移動を停止させるかどうかを判断するためのフラグデータであり、1ビットのレジスタで構成される。拠点島ステージおよび連結島ステージで実行されるイベントを優先し、拠点島オブジェクトおよび各漂流島オブジェクトの移動を停止させる場合には、イベント優先フラグ504jはオンであり、ビットに「1」が設定される。拠点島ステージおよび連結島ステージで実行されるイベントを優先せずに、拠点島オブジェクトおよび各漂流島オブジェクトの移動を停止させない場合および優先するイベントが終了した場合には、イベント優先フラグはオフであり、ビットに「0」が設定される。
【0188】
図示は省略するが、データ記憶領域には、仮想のゲームの情報処理に必要な他のデータが記憶されたり、カウンタまたはタイマが設けられたりする。たとえば、第1仮想空間および第2仮想空間のそれぞれにおける仮想カメラの位置および向きのデータなども記憶される。
【0189】
図14は、
図1に示したプロセッサ20(またはコンピュータ)のゲームプログラムの処理(全体処理)の限定しない一例を示すフロー図である。
図15-
図19は、
図1に示したプロセッサ20のゲーム制御処理の限定しない一例を示すフロー図である。
図20-
図22は、
図1に示したプロセッサ20の島移動処理の限定しない一例を示すフロー図である。以下、
図14-
図22を用いて、全体処理、ゲーム制御処理および島移動処理について説明する。
【0190】
ただし、
図14-
図22に示すフロー図の各ステップの処理は、単なる一例に過ぎず、同様の結果が得られるのであれば、各ステップの処理順序を入れ替えてもよい。また、この実施例では、基本的には、
図14-
図22に示すフロー図の各ステップの処理をプロセッサ20が実行するものとして説明するが、プロセッサ20以外のプロセッサや専用回路が一部のステップを実行するようにしてもよい。
【0191】
ゲーム装置10の電源が投入されると、全体処理の実行に先だって、プロセッサ20は、図示しないブートROMに記憶されている起動プログラムを実行し、これによってRAM22等の各ユニットが初期化される。ゲーム装置10は、プレイヤによって、この実施例のゲームプログラムの実行が指示されると、全体処理を開始する。
【0192】
図14に示すように、プロセッサ20は、全体処理を開始すると、ステップS1で、初期設定を実行する。ここでは、プロセッサ20は、拠点島シーンにおいて、プレイヤオブジェクト、各ノンプレイヤオブジェクト(敵オブジェクトを含む)、各背景オブジェクトおよび仮想カメラを配置する位置および向きを初期位置および初期の向きに決定する。
【0193】
また、プロセッサ20は、海図シーンにおいて、海流の形状、大きさおよび位置を所定の形状、大きさおよび位置に決定する。また、プロセッサ20は、海図シーンにおける仮想カメラの位置を所定の位置に決定する。さらに、プロセッサ20は、海図シーンにおける、拠点島オブジェクトおよび各漂流島オブジェクトについての位置を初期位置に決定する。さらにまた、プロセッサ20は、海図シーンにおける、指示画像220の位置を初期位置に決定する。
【0194】
ただし、前回の続きから仮想のゲームを開始する場合には、プロセッサ20は、拠点島シーン、砲台シーン、漂流島シーンまたは連結島シーンにおける、プレイヤオブジェクト、各ノンプレイヤオブジェクト、各背景オブジェクトおよび仮想カメラを配置する位置および向きをセーブされた時点における位置および向きに決定する。また、前回の続きから仮想のゲームを開始する場合には、プロセッサ20は、海図シーンにおける、海流の形状、大きさおよび位置をセーブされた時点における形状、大きさおよび位置に決定する。また、プロセッサ20は、海図シーンにおける仮想カメラの位置をセーブした時点における位置に決定する。さらに、プロセッサ20は、海図シーンにおける、拠点島オブジェクトおよび各漂流島オブジェクトについての位置をセーブされた時点における位置に決定する。さらにまた、プロセッサ20は、海図シーンにおける、指示画像220の位置をセーブされた時点における位置に決定する。
【0195】
したがって、プレイヤオブジェクトの初期位置のデータおよび初期の向きのデータまたはセーブされた時点における位置のデータおよび向きおデータが現在位置データおよび向きデータとして設定されたプレイヤオブジェクトデータ504cがデータ記憶領域504に記憶される。また、拠点島シーン、砲台シーン、漂流島シーンまたは連結島シーンにおける仮想カメラと、海図シーンにおける仮想カメラの各々の初期位置のデータおよび初期の向きのデータまたはセーブされた時点における位置のデータおよび向きのデータが現在位置データおよび向きデータとして設定された仮想カメラデータがデータ記憶領域504に記憶される。
【0196】
続くステップS3では、入力装置30から送信または入力された操作入力データを取得し、ステップS5では、後述するゲーム制御処理(
図15-
図19参照)を実行する。次のステップS7では、ゲーム画像を生成する。
【0197】
ステップS7において、プロセッサ20は、ステップS5のゲーム制御処理の結果に基づいて、拠点島シーン、砲台シーン、漂流島シーンまたは連結島シーンのゲーム画面または/および海図シーンの海図画面についてのゲーム画像データを生成する。
【0198】
ゲーム画面(100など)についてのゲーム画像データを生成する場合には、プロセッサ20は、ステップS5のゲーム制御処理の結果に基づいて、第1仮想空間に各種のオブジェクトを配置して、拠点島シーン、砲台シーン、漂流島シーンまたは連結島シーンを生成し、生成した拠点島シーン、砲台シーン、漂流島シーンまたは連結島シーンを仮想カメラで撮影する。ただし、拠点島シーンまたは連結島シーンのゲーム画面において海図の画像120を表示する場合には、プロセッサ20は、ステップS5のゲーム制御処理の結果に基づいて、第2仮想空間に各種のオブジェクトを配置して、海図シーンを生成し、生成した海図シーンを別の仮想カメラで撮影したゲーム画像データを生成し、生成したゲーム画像データを縮小して、拠点島シーンまたは連結島シーンのゲーム画像データの前面に重ねるように出力させる。
【0199】
また、海図画面200についてのゲーム画像データを生成する場合には、上述したように、プロセッサ20は、ステップS5のゲーム制御処理の結果に基づいて、第2仮想空間に各種のオブジェクトを配置して、海図シーンを生成し、生成した海図シーンを別の仮想カメラで撮影する。
【0200】
次のステップS9では、ゲーム画像を表示する。ここでは、プロセッサ20は、ステップS7で生成したゲーム画像データを、表示制御回路32を介して表示装置36に出力する。ただし、拠点島シーンおよび連結島シーンのゲーム画面(100など)が表示される場合には、拠点島ステージと外観オブジェクトがすれ違う場合を除いて、海図の画像120も表示される。
【0201】
そして、ステップS11では、仮想のゲームを終了するかどうかを判断する。ステップS11の判断は、プレイヤが仮想のゲームを終了する指示を行ったか否か等によって行われる。ステップS11で“NO”であれば、つまり仮想のゲームを終了しない場合には、ステップS3に戻る。一方、ステップS11で“YES”であれば、つまり仮想のゲームを終了する場合には、全体処理を終了する。
【0202】
図15に示すように、プロセッサ20は、ゲーム制御処理を開始すると、ステップS31で、拠点島シーンかどうかを判断する。ステップS31で“NO”であれば、つまり、拠点島シーンでなければ、
図16に示すステップS51に進む。一方、ステップS31で“YES”であれば、つまり、拠点島シーンであれば、ステップS33で、プレイヤの操作入力に応じてプレイヤオブジェクトの動作を実行する。このとき、プレイヤオブジェクトが移動された場合には、プレイヤオブジェクトデータ504cに含まれる3次元位置のデータが更新される。ただし、プレイヤの操作入力が無い場合には、プロセッサ20はステップS33の処理をスキップする。
【0203】
次のステップS35では、プレイヤオブジェクトが、砲台オブジェクトが配置された場所に着いたかどうかを判断する。ここでは、プロセッサ20は、プレイヤオブジェクトデータ504cを参照して、プレイヤオブジェクトの3次元位置が砲台オブジェクトの3次元位置の第2所定距離(たとえば、第1仮想空間における1m)以内であるかどうかを判断する。
【0204】
ステップS35で“YES”であれば、つまり、プレイヤオブジェクトが、砲台オブジェクトが配置された場所に着いていれば、ステップS37で、砲台シーンに切り替えて、ステップS49に進む。ステップS37の処理が実行されると、全体処理にリターンしたときに、
図4に示したような砲台シーンのゲーム画面100のゲーム画像データが生成および出力される。砲台シーンのゲーム画面100のゲーム画像データを生成する方法は上述したとおりである。
【0205】
一方、ステップS35で“NO”であれば、つまり、プレイヤオブジェクトが、砲台オブジェクトが配置された場所に着いていなければ、ステップS39で、連結島ステージに移動するかどうかを判断する。ここでは、プロセッサ20は、プレイヤオブジェクトが、拠点島ステージにおいて、連結島ステージに移動するための連結口に着いたかどうかを判断する。
【0206】
ステップS39で“YES”であれば、つまり、連結島ステージに移動する場合には、ステップS41で、連結島シーンに切り替えて、ステップS49に進む。ステップS41の処理が実行されると、全体処理にリターンしたときに、連結島シーンのゲーム画面のゲーム画像データが生成および出力される。
【0207】
一方、ステップS39で“NO”であれば、つまり、連結島ステージに移動しない場合には、ステップS43で、移動可能条件を満たすかどうかを判断する。ステップS43で“YES”であれば、つまり、移動可能条件を満たす場合には、ステップS45で、移動可能条件を満たす海流間を移動可能に変更して、ステップS49に進む。ここでは、プロセッサ20は、海図データ504gにおいて、該当する海流間に配置される点線矢印画像206のデータを実線矢印画像204のデータに変化させることで、該当する海流間を移動可能な状態に変更する。
【0208】
一方、ステップS43で“NO”であれば、つまり、移動可能条件を満たしていない場合には、ステップS47で、拠点島シーンでの他の処理を実行して、ステップS49に進む。ステップS47では、プロセッサ20は、所定のイベントを発生させたり、所定のイベントを実行させたりする。所定のイベントが敵オブジェクトとの戦闘である場合において、プレイヤオブジェクトが敵オブジェクトに倒されると、プレイヤの選択に応じてプレイヤは再度敵オブジェクトとの戦闘を始めからやり直すか、ゲームを終了する。また、所定のイベントが実行される場合に、イベント優先フラグ504jがオンされる場合がある。イベント優先フラグ504jは、当該所定のイベントが終了されるときにオフされる。また、ステップS47では、プロセッサ20は、速度上昇条件を満たす場合に、速度上昇フラグ504iをオンし、第1所定時間のカウントを開始する。
【0209】
ステップS49では、後述する島移動処理(
図20-
図22参照)を実行して、
図14に示した全体処理にリターンする。
【0210】
図16に示すように、ステップS51では、砲台シーンかどうかを判断する。ステップS51で“NO”であれば、つまり、砲台シーンでなければ、
図17に示すステップS67に進む。一方、ステップS51で“YES”であれば、つまり、砲台シーンであれば、ステップS53で、照準画像140が外観オブジェクトの画像130を指示しているかどうかを判断する。
【0211】
ステップS53で“YES”であれば、つまり、照準画像140が外観オブジェクトの画像130を指示している場合には、ステップS55で、照準画像140が指示している外観オブジェクトの画像130に対応する漂流島ステージにプレイヤオブジェクトを移動させ、ステップS57で、漂流島シーンに切り替えて、全体処理にリターンする。ステップS57の処理が実行されると、全体処理にリターンしたときに、照準画像140によって指示された外観オブジェクトの画像130に対応する漂流島ステージについての漂流島シーンのゲーム画面のゲーム画像データが生成および出力される。
【0212】
ただし、漂流島シーンでは、漂流島ステージの所定のフィールドの所定の位置にプレイヤオブジェクトが配置される。また、照準画像140が指示している外観オブジェクトの画像130に対応する漂流島ステージが移動可能範囲外である場合には、プレイヤオブジェクトは移動できないため、ステップS55およびステップS57の処理はスキップされる。
【0213】
一方、ステップS53で“NO”であれば、つまり、照準画像140が外観オブジェクトの画像130を指示していない場合には、ステップS59で、照準画像140の移動かどうかを判断する。ここでは、プロセッサ20は、プレイヤの操作入力が十字ボタンの操作を示すかどうかを判断する。
【0214】
ステップS59で“YES”であれば、つまり、照準画像140の移動であれば、ステップS61で、プレイヤの操作入力に従って、照準画像140を移動させて、全体処理にリターンする。この実施例では、ステップS61において、砲台シーン(この実施例では、第1仮想空間)に設けられた仮想カメラの向きが変更される。
【0215】
一方、ステップS59で“NO”であれば、つまり、照準画像140の移動でなければ、ステップS63で、砲台シーンの終了かどうかを判断する。ここでは、プロセッサ20は、砲台シーンを終了する指示があるかどうかを判断する。たとえば、Bボタンが操作されたかどうかを判断する。
【0216】
ステップS63で“NO”であれば、つまり、砲台シーンの終了でなければ、全体処理にリターンする。一方、ステップS63で“YES”であれば、つまり、砲台シーンの終了であれば、ステップS65で、拠点島シーンに切り替えて、全体処理にリターンする。ステップS65の処理が実行されると、全体処理にリターンしたときに、プレイヤオブジェクトが、拠点島ステージにおいて、砲台オブジェクトが配置された場所の近くに位置する場合の拠点島シーンのゲーム画面100のゲーム画像データが生成および出力される。
【0217】
図17に示すように、ステップS67では、海図シーンかどうかを判断する。ステップS67で“NO”であれば、つまり、海図シーンでなければ、
図18に示すステップS85に進む。一方、ステップS67で“YES”であれば、つまり、海図シーンであれば、ステップS69で、指示画像220の移動かどうかを判断する。ここでは、プロセッサ20は、プレイヤの操作入力が十字ボタンの操作を示すかどうかを判断する。
【0218】
ステップS69で“YES”であれば、つまり、指示画像220の移動であれば、ステップS71で、プレイヤの操作入力に従って指示画像220を移動して、全体処理にリターンする。ステップS71では、プロセッサ20は、第2空間位置データ504hに含まれる指示画像220の2次元位置のデータを更新する。一方、ステップS69で“NO”であれば、つまり、指示画像220の移動でなければ、ステップS73で、指示画像220が漂流島オブジェクトの画像212を指示しているかどうかを判断する。
【0219】
ステップS73で“YES”であれば、つまり、指示画像220が漂流島オブジェクトの画像212を指示している場合には、ステップS75で、指示画像220が指示している漂流島オブジェクトの画像212に対応する漂流島オブジェクトについての情報の表示を要求して、全体処理にリターンする。ステップS75の処理が実行されると、全体処理にリターンしたときに、漂流島オブジェクトデータ504dが参照され、指示画像220で指示されている漂流島オブジェクトの画像212に対応する漂流島オブジェクトの情報を記載した海図画面200のゲーム画像データが生成および出力される。
【0220】
一方、ステップS73で“NO”であれば、つまり、指示画像220が漂流島オブジェクトの画像212を指示していない場合には、ステップS77で、別の海流への移動かどうかを判断する。ここでは、プロセッサ20は、プレイヤの操作入力が別の海流への移動指示であるかどうかを判断する。
【0221】
ステップS77で“YES”であれば、つまり、別の海流への移動であれば、ステップS79で、移動指示のあった別の海流に拠点島オブジェクトを移動させ、全体処理にリターンする。ただし、別の海流への移動指示がある場合であっても、拠点島オブジェクトが、実線矢印画像204が表示される位置に配置されていない場合には、ステップS79の処理はスキップされる。
【0222】
一方、ステップS77で“NO”であれば、つまり、別の海流への移動でなければ、ステップS81で、海図シーンの終了かどうかを判断する。ここでは、プロセッサ20は、プレイヤの操作入力が海図シーンの終了または拠点島シーンに戻ることを示すかどうかを判断する。
【0223】
ステップS81で“NO”であれば、つまり、海図シーンの終了でなければ、全体処理にリターンする。一方、ステップS81で“YES”であれば、つまり、海図シーンの終了であれば、ステップS83で、拠点島シーンに切り替えて、全体処理にリターンする。ステップS83の処理が実行されると、全体処理にリターンしたときに、拠点島シーンのゲーム画面のゲーム画像データが生成および出力される。
【0224】
図18に示すように、ステップS85では、漂流島シーンかどうかを判断する。ステップS85で“NO”であれば、つまり、漂流島シーンでなければ、
図19に示すステップS97に進む。一方、ステップS85で“YES”であれば、つまり、漂流島シーンであれば、ステップS87で、漂流島シーンの処理を実行する。ここでは、プロセッサ20は、プレイヤの操作入力に従って、プレイヤオブジェクトを移動させたり、漂流島オブジェクトに設定された所定のイベントを発生または実行させたりする。所定のイベントが実行される場合に、イベント優先フラグ504jがオンされる場合がある。イベント優先フラグ504jは、当該所定のイベントが終了されるときにオフされる。また、ステップS87では、プロセッサ20は、速度上昇条件を満たす場合に、速度上昇フラグ504iをオンし、第1所定時間のカウントを開始する。
【0225】
次のステップS89では、漂流島ステージを攻略したかどうかを判断する。ステップS89で“YES”であれば、つまり、漂流島ステージを攻略すれば、ステップS91で、攻略した効果を実行して、ステップS95に進む。ステップS91では、攻略した漂流島ステージを拠点島ステージに連結したり、所定のアイテムを取得したり、新しい漂流島ステージが出現したりするなど、攻略した漂流島ステージに対応して設定されている所定の効果が実行される。攻略した漂流島ステージが拠点島ステージに連結された場合には、漂流島オブジェクトデータ504dに含まれる連結フラグにおいて当該漂流島ステージに対応するビットに「1」が設定される。また、所定のアイテムが取得された場合には、プレイヤオブジェクトデータ504cに含まれる所持するアイテムの種類および所持するアイテムの個数のデータを更新する。
【0226】
一方、ステップS89で“NO”であれば、つまり、漂流島ステージを攻略していなければ、ステップS93で、漂流島ステージの攻略に失敗したかを判断する。ステップS93で“NO”であれば、つまり、漂流島ステージの攻略に失敗していなければ、全体処理にリターンする。一方、ステップS93で“YES”であれば、つまり、漂流島ステージの攻略に失敗した場合には、ステップS95に進む。
【0227】
ステップS95では、拠点島シーンに切り替えて、全体処理にリターンする。このとき、プレイヤオブジェクトは拠点島ステージの所定位置に戻される。ステップS95の処理が実行されると、全体処理にリターンしたときに、拠点島シーンのゲーム画面のゲーム画像データが生成および出力される。
【0228】
図19に示すように、ステップS97では、連結島シーンかどうかを判断する。ステップS97で“NO”であれば、つまり、連結島シーンでなければ、ステップS101で、島移動処理を実行して、全体処理にリターンする。図示は省略するが、ステップS97で“NO”である場合には、仮想のゲームにおいて、ストーリまたは特定のノンプレイヤオブジェクトについて説明するムービーが再生されることがある。
【0229】
一方、ステップS97で“YES”であれば、つまり、連結島シーンであれば、ステップS99で、連結島シーンの処理を実行して、ステップS101に進む。ステップS99では、プロセッサ20は、プレイヤの操作入力に従って、プレイヤオブジェクトを移動させたり、連結島ステージに設定された所定のイベントを発生または実行させたりする。したがって、拠点島ステージに戻る場合には、ステップS99では、拠点島シーンに切り替えられる。また、所定のイベントが実行される場合に、イベント優先フラグ504jがオンされる場合がある。イベント優先フラグ504jは、当該所定のイベントが終了されるときにオフされる。また、ステップS99では、プロセッサ20は、速度上昇条件を満たす場合に、速度上昇フラグ504iをオンし、第1所定時間のカウントを開始する。
【0230】
図20-
図22は、
図15に示したステップS49および
図19に示したステップS101の島移動処理の限定しない一例を示すフロー図である。
図20に示すように、プロセッサ20は、島移動処理を開始すると、ステップS201で、速度上昇フラグ504iがオンであるかどうかを判断する。
【0231】
ステップS201で“NO”であれば、つまり、速度上昇フラグ504iがオフであれば、ステップS207に進む。一方、ステップS201で“YES”であれば、つまり、速度上昇フラグ504iがオンであれば、ステップS203で、第1所定時間すなわち拠点島オブジェクトの移動速度を一時的に上昇させる時間を経過したかどうかを判断する。
【0232】
ステップS203で“YES”であれば、つまり、第1所定時間を経過している場合には、ステップS205で、速度上昇フラグ504iをオフして、ステップS207に進む。一方、ステップS203で“NO”であれば、つまり、第1所定時間を経過していない場合には、ステップS207に進む。
【0233】
ステップS207では、外観オブジェクトが発見範囲内に有るかどうかを判断する。ここでは、プロセッサ20は、第2空間位置データ504hを参照して、拠点島ステージとの距離が半径R1の距離以内の外観オブジェクトが有るかどうかを判断する。ステップS207で“NO”であれば、つまり、外観オブジェクトが発見範囲内に無ければ、
図21に示すステップS231に進む。
【0234】
一方、ステップS207で“YES”であれば、つまり、外観オブジェクトが発見範囲内に有れば、ステップS209で、当該外観オブジェクトが接近範囲内に有るかどうかを判断する。ここでは、プロセッサ20は、第2空間位置データ504hを参照して、拠点島ステージと発見範囲内の外観オブジェクトの距離が半径R2の距離以内であるかどうかを判断する。発見範囲内の外観オブジェクトが複数有る場合には、それぞれの外観オブジェクトについて接近範囲内に有るかどうかが判断される。
【0235】
ステップS209で“NO”であれば、つまり、当該外観オブジェクトが接近範囲内に無い場合には、ステップS211で、外観オブジェクトの発見の報知を要求して、ステップS231に進む。ステップS211の処理が実行されると、全体処理にリターンしたときに、拠点島シーンまたは連結島シーンにおいて、外観オブジェクトを発見したことを報知するゲーム画像データが生成および出力される。
【0236】
一方、ステップS209で“YES”であれば、つまり、当該外観オブジェクトが接近範囲内に有る場合には、ステップS213で、当該外観オブジェクトがすれ違い範囲内に有るかどうかを判断する。ここでは、プロセッサ20は、第2空間位置データ504hを参照して、拠点島ステージと接近範囲内の外観オブジェクトの距離が半径R3の距離以内であるかどうかを判断する。接近範囲内の外観オブジェクトが複数有る場合には、それぞれの外観オブジェクトについてすれ違い範囲内に有るかどうかが判断される。
【0237】
ステップS213で“YES”であれば、つまり、当該外観オブジェクトがすれ違い範囲内に有る場合には、
図21に示すステップS217に進む。一方、ステップS213で“NO”であれば、つまり、当該外観オブジェクトがすれ違い範囲内に無い場合には、ステップS215で、外観オブジェクトが接近中であることの報知を要求して、ステップS217に進む。ステップS215の処理が実行されると、全体処理にリターンしたときに、拠点島シーンまたは連結島シーンにおいて、外観オブジェクトが接近中であることを報知するゲーム画像データが生成および出力される。
【0238】
図21に示すように、ステップS217では、拠点島シーンにおいて、当該外観オブジェクトが出現済みであるかどうかを判断する。ステップS217で“YES”であれば、つまり、拠点島シーンにおいて、当該外観オブジェクトが出現済みであれば、ステップS221に進む。一方、ステップS217で“NO”であれば、つまり、拠点島シーンにおいて、当該外観オブジェクトが出現済みでなければ、ステップS219で、拠点島シーンにおいて、当該外観オブジェクトの配置を要求して、ステップS231に進む。ステップS219の処理が実行されると、全体処理にリターンしたときに、拠点島シーンにおいて、拠点島ステージから第1所定距離離れた位置に外観オブジェクトが配置され、外観オブジェクトの画像130を含むゲーム画像データが生成および出力される。
【0239】
ステップS221では、拠点島ステージと、外観オブジェクトのすれ違い中であるかどうかを判断する。ステップS221で“NO”であれば、つまり、拠点島ステージと、外観オブジェクトのすれ違い中でなければ、
図22に示すステップS233に進む。
【0240】
一方、ステップS221で“YES”であれば、つまり、拠点島ステージと、外観オブジェクトのすれ違い中であれば、ステップS223で、滞在時間を経過したかどうかを判断する。
【0241】
ステップS223で“YES”であれば、つまり、滞在時間を経過していれば、ステップS227で、拠点島シーンにおいて、すれ違った外観オブジェクトの消去を要求して、ステップS231に進む。ステップS227の処理が実行されると、全体処理にリターンしたときに、拠点島シーンにおいて、すれ違った外観オブジェクトが消去され、すれ違った外観オブジェクトの画像130が消去されたゲーム画像データが生成および出力される。
【0242】
一方、ステップS223で“NO”であれば、つまり、滞在時間を経過していなければ、ステップS225で、外観オブジェクトがすれ違い範囲外であるかどうかを判断する。ステップS225で“YES”であれば、つまり、外観オブジェクトがすれ違い範囲外であれば、ステップS227に進む。
【0243】
一方、ステップS225で“NO”であれば、つまり、外観オブジェクトがすれ違い範囲内であれば、ステップS229で、拠点島シーンにおいて、すれ違い対象の外観オブジェクトを、決定された左側のルート上または右側のルート上を滞在時間に応じた速度で移動させて、ステップS231に進む。
【0244】
ステップS231では、第2仮想空間における拠点島オブジェクトおよびすべての漂流島オブジェクトの位置を更新し、全体処理にリターンする。拠点島オブジェクトおよびすべての漂流島オブジェクトは、それぞれ、現在乗っている海流の向きおよび速度に応じて位置が更新される。つまり、第2空間位置データ504hに含まれる拠点島オブジェクトおよびすべての漂流島オブジェクトの2次元位置のデータが更新される。ただし、速度上昇フラグ504iがオンである場合には、拠点島オブジェクトは海流の速度よりも所定速度だけ上昇された速度に応じて位置が更新される。これらのことは、後述するステップS243においても同じである。
【0245】
図22に示すように、ステップS233では、すれ違い対象の外観オブジェクトについての初回フラグがオンであるかどうかを判断する。ステップS233で“YES”であれば、つまり、初回フラグがオンであれば、全体処理にリターンする。つまり、プロセッサ20は、初回フラグがオンである場合には、ステップS243の処理を実行しないため、第2仮想空間における拠点島オブジェクトおよびすべての漂流島オブジェクトは停止された状態である。
【0246】
一方、ステップS233で“NO”であれば、つまり、初回フラグがオフであれば、ステップS235で、イベント優先フラグ504jがオンであるかどうかを判断する。ステップS235で“YES”であれば、つまり、イベント優先フラグ504jがオンであれば、全体処理にリターンする。つまり、プロセッサ20は、初回フラグがオフであっても、イベント優先フラグ504jがオンである場合には、ステップS243の実行しないため、第2仮想空間における拠点島オブジェクトおよびすべての漂流島オブジェクトは停止された状態である。
【0247】
一方、ステップS235で“NO”であれば、つまり、イベント優先フラグ504jがオフであれば、ステップS237で、拠点島ステージと、外観オブジェクトのすれ違いの開始であれるかどうかを判断する。ここでは、プロセッサ20は、現在のフレームが、外観オブジェクトが配置されたフレームの次のフレームである場合に、拠点島シーンにおいて、拠点島ステージと、外観オブジェクトのすれ違いの開始であることを判断する。
【0248】
ステップS237で“NO”であれば、つまり、拠点島ステージと、外観オブジェクトのすれ違いの開始でなければ、ステップS243に進む。一方、ステップS237で“YES”であれば、つまり、拠点島ステージと、外観オブジェクトのすれ違いの開始であれば、ステップS239で、第2仮想空間における、拠点島ステージに対応する拠点島オブジェクトとすれ違い対象の外観オブジェクトに対応する漂流島オブジェクトの位置関係に応じて移動ルートを決定し、ステップS241で、第2仮想空間における、拠点島オブジェクトとすれ違い対象の外観オブジェクトに対応する漂流島オブジェクトの接近および隔絶の仕方に応じて滞在時間を決定して、ステップS243に進む。滞在時間の決定方法は、
図10(A)-
図10(C)、
図11(A)および
図11(B)などを用いて説明したとおりである。
【0249】
ステップS243では、第2仮想空間における拠点島オブジェクトおよびすべての漂流島オブジェクトの位置を更新し、全体処理にリターンする。
【0250】
この実施例によれば、第2仮想空間に生成したワールドマップにおいて拠点島オブジェクトが移動されている間において、第1仮想空間に生成した拠点島オブジェクト内において戦闘するなどの任意のイベントを実行するので、ワールドマップで移動しながら、ワールドマップとは異なる仮想空間内でイベントを実行することができる。
【0251】
なお、この実施例では、海図の画像および海図画面において、すべての海流の画像およびすべての漂流島オブジェクトの画像を視認可能に表示してあるが、仮想のゲームが進行するにつれて視認可能にされたり、発見範囲内に入ることによって視認可能にされたりすることもできる。海流の画像および漂流島オブジェクトの画像を覆う画像を表示したり、海流の画像および漂流島オブジェクトの画像を非表示したりすることで、海流の画像および漂流島オブジェクトの画像を視認不能にすることができる。
【0252】
また、この実施例では、ゲーム装置のプロセッサ20によって
図14-
図22に示した仮想のゲームの全体処理、ゲーム制御処理および島移動処理をすべて実行するようにしたが、その一部または全部をこのゲーム装置と通信可能な外部のコンピュータで実行し、ゲーム装置は一部または全部の処理結果を外部のコンピュータから取得するようにしてよい。かかる場合には、ゲーム装置と、このゲーム装置と通信可能に接続される外部のコンピュータによってネットワークゲームシステムまたは情報処理システムが構成される。
【0253】
また、この実施例で示したゲーム装置の構成、各種の画面および具体的な数値は単なる例示であり、限定されるべきでなく、実際の製品に応じて適宜変更可能である。
【0254】
さらに、同じ効果または結果が得られる場合には、フロー図に示した各ステップの順番は適宜変更されてもよい。
【符号の説明】
【0255】
10 …ゲーム装置
20 …プロセッサ
22 …RAM
24 …フラッシュメモリ
26 …通信モジュール
30 …入力装置
36 …表示装置
38 …スピーカ