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特開2025-16024包装箱、包装箱中間体、および、包装箱の製造方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2025016024
(43)【公開日】2025-01-31
(54)【発明の名称】包装箱、包装箱中間体、および、包装箱の製造方法
(51)【国際特許分類】
   B65D 5/36 20060101AFI20250124BHJP
【FI】
B65D5/36 B
【審査請求】未請求
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023119026
(22)【出願日】2023-07-21
(71)【出願人】
【識別番号】000003193
【氏名又は名称】TOPPANホールディングス株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100105957
【弁理士】
【氏名又は名称】恩田 誠
(74)【代理人】
【識別番号】100068755
【弁理士】
【氏名又は名称】恩田 博宣
(72)【発明者】
【氏名】森田 総一郎
(72)【発明者】
【氏名】織田 光郎
【テーマコード(参考)】
3E060
【Fターム(参考)】
3E060AA03
3E060AB03
3E060BB01
3E060BB02
3E060BB05
3E060DA01
(57)【要約】
【課題】組み立ての容易な包装箱、包装箱中間体、および、包装箱の製造方法を提供する。
【解決手段】包装箱100は、4つの側面板11~14のうちの対象側面板の上端に繋がった額縁板21~24と、4つの側面板11~14の各々の下端から1つずつ延びる4つの底板とを備える。4つの側面板11~14からなる筒状体において、第1側面板11、第2側面板12、第3側面板13、および、第4側面板14がこの順に繋がっているとともに、第1側面板11と第4側面板14との隣り合う端部のうちの一方から延設された糊代片が他方に接着されている。4つの底板は、主底板と副底板とからなる底板の組を2つ含み、副底板は主底板から延びる貼付片に接着されている。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1側面板、第2側面板、第3側面板、および、第4側面板の4つの側面板を備え、これらの側面板から側面が構成される包装箱であって、
前記4つの側面板のうちの少なくとも1つが対象側面板であり、
前記対象側面板の上端に繋がった額縁板であって、前記包装箱の底面と対向する位置から見て前記上端に沿って帯状に延びる前記額縁板と、
前記4つの側面板の各々の下端から1つずつ延びる4つの底板であって、前記包装箱の前記底面を構成する前記4つの底板と、を備え、
前記4つの側面板からなる筒状体において、前記第1側面板、前記第2側面板、前記第3側面板、および、前記第4側面板がこの順に繋がっているとともに、前記第1側面板と前記第4側面板との隣り合う端部のうちの一方から延設された糊代片が他方に接着されており、
前記4つの底板は、主底板と副底板とからなる前記底板の組を2つ含み、前記主底板と前記副底板とは、前記筒状体における隣り合う前記側面板から延び、前記副底板は、前記主底板から延びる貼付片に接着されている
包装箱。
【請求項2】
前記対象側面板と対向する内面板であって、上端が前記額縁板における前記対象側面板と反対側に繋がる前記内面板と、
前記内面板の下端から延びる補助板であって、前記対象側面板の下端から延びる前記底板である対象底板上に重なる前記補助板と、をさらに備える
請求項1に記載の包装箱。
【請求項3】
前記補助板は、前記対象底板に接着されている
請求項2に記載の包装箱。
【請求項4】
前記対象側面板と対向する内面板であって、上端が前記額縁板における前記対象側面板と反対側に繋がる前記内面板を備え、
前記額縁板と前記内面板との境界部分は、前記額縁板と前記対象側面板との境界部分よりも脆弱である
請求項1に記載の包装箱。
【請求項5】
前記4つの側面板のうちの3つ以上が前記対象側面板である
請求項1に記載の包装箱。
【請求項6】
包装箱の製造に用いられる中間体であって、
4つの側面板からなる扁平な筒状体と、
前記4つの側面板のうちの少なくとも1つが対象側面板であり、前記対象側面板の上端に繋がった額縁板であって、前記上端に沿って帯状に延びる前記額縁板と、
前記筒状体の内側に位置し、前記4つの側面板の各々の下端に1つずつ繋がっている4つの底板と、を備え、
前記4つの底板は、主底板と副底板とからなる前記底板の組を2つ含み、前記主底板と前記副底板とは、前記筒状体における隣り合う前記側面板に繋がっており、前記副底板は、前記主底板から延びる貼付片に接着されている
包装箱中間体。
【請求項7】
請求項6に記載の包装箱中間体を用いた包装箱の製造方法であって、
前記筒状体の内部空間を広げて前記筒状体を矩形筒状にすることと、
前記4つの底板が前記包装箱の底面を構成するように、前記4つの底板を倒すことと、
前記底面と対向する位置から見て前記額縁板が帯状に延びるように、前記対象側面板に対する前記額縁板の角度を変えることと、
を含む包装箱の製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、包装箱、包装箱中間体、および、包装箱の製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、側面部分に厚みを有した包装箱が知られている。こうした包装箱の縁部は、包装箱内の底面と対向する位置から見て幅を有する帯状に延びるため、包装箱に収容された物品を囲む額縁のように見える(例えば、特許文献1参照)。額縁状の縁部は包装の見栄えを良くすることから、当該縁部を有する包装箱は、例えば贈答用の商品の包装等に広く用いられている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】実用新案登録第3188426号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記包装箱は、1枚のブランクから組み立てられる。この際、包装箱の四方のそれぞれについて、額縁状の縁部が形成されるようにブランクを細かく折って側面部分を形成する必要がある。こうした組み立てでは、縁部が幅を有さない一般的な包装箱の組み立てと比較して、ブランクを折る回数が増えるため、作業に要する労力や時間が増大する。また、このような煩雑な組み立ての作業が包装箱の使用時に発生することを避けるためには、組み立て後の状態で包装箱を保管するしかないが、空箱の包装箱の保管のためのスペースを確保することの負担は大きい。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記課題を解決するための包装箱、包装箱中間体、および、包装箱の製造方法の各態様を記載する。
[態様1]第1側面板、第2側面板、第3側面板、および、第4側面板の4つの側面板を備え、これらの側面板から側面が構成される包装箱であって、前記4つの側面板のうちの少なくとも1つが対象側面板であり、前記対象側面板の上端に繋がった額縁板であって、前記包装箱の底面と対向する位置から見て前記上端に沿って帯状に延びる前記額縁板と、前記4つの側面板の各々の下端から1つずつ延びる4つの底板であって、前記包装箱の前記底面を構成する前記4つの底板と、を備え、前記4つの側面板からなる筒状体において、前記第1側面板、前記第2側面板、前記第3側面板、および、前記第4側面板がこの順に繋がっているとともに、前記第1側面板と前記第4側面板との隣り合う端部のうちの一方から延設された糊代片が他方に接着されており、前記4つの底板は、主底板と副底板とからなる前記底板の組を2つ含み、前記主底板と前記副底板とは、前記筒状体における隣り合う前記側面板から延び、前記副底板は、前記主底板から延びる貼付片に接着されている、包装箱。
【0006】
上記構成によれば、第1側面板と第4側面板とが接続されていることにより、4つの側面板がひとつながりの筒状となっている。そして、額縁板と底板とが筒状体に繋がっている。したがって、筒状体を畳んだ状態から引き起こすことで、包装箱を形成することができるため、額縁状の縁部を有する包装箱を容易に組み立てることができる。
【0007】
[態様2]前記対象側面板と対向する内面板であって、上端が前記額縁板における前記対象側面板と反対側に繋がる前記内面板と、前記内面板の下端から延びる補助板であって、前記対象側面板の下端から延びる前記底板である対象底板上に重なる前記補助板と、をさらに備える、[態様1]に記載の包装箱。
【0008】
上記構成によれば、包装箱の底部の強度が高められる。また、額縁板および内面板の位置が安定しやすい。
【0009】
[態様3]前記補助板は、前記対象底板に接着されている、[態様2]に記載の包装箱。
上記構成によれば、額縁板と対象底板とが連動して動く。したがって、底部の組み立てに伴って額縁状の縁部も組み立てられるため、包装箱をより容易に組み立てることができる。
【0010】
[態様4]前記対象側面板と対向する内面板であって、上端が前記額縁板における前記対象側面板と反対側に繋がる前記内面板を備え、前記額縁板と前記内面板との境界部分は、前記額縁板と前記対象側面板との境界部分よりも脆弱である、[態様1]~[態様3]のいずれか1つに記載の包装箱。
【0011】
上記構成によれば、額縁板と内面板との境界部分が、額縁板と対象側面板との境界部分よりも折れやすくなる。それゆえ、筒状体の側面と対向する位置から見て額縁板が対象側面板の上端に沿って延びる構造を有した包装箱中間体を円滑に形成することができる。こうした構造の包装箱中間体では、筒状体の外側から内側に向けて額縁板を倒すことで縁部が形成されるため、縁部の組み立てに際して対象側面板に対する額縁板の角度を変えることが容易に可能であり、縁部の組み立ての作業性が向上する。
【0012】
[態様5]前記4つの側面板のうちの3つ以上が前記対象側面板である、[態様1]~[態様4]のいずれか1つに記載の包装箱。
上記構成によれば、包装箱において3辺以上が額縁を有するため、額縁状の縁部による意匠性の向上の効果が好適に得られる。そして、こうした額縁状の縁部を有する包装箱を容易に組み立てることができる。
【0013】
[態様6]包装箱の製造に用いられる中間体であって、4つの側面板からなる扁平な筒状体と、前記4つの側面板のうちの少なくとも1つが対象側面板であり、前記対象側面板の上端に繋がった額縁板であって、前記上端に沿って帯状に延びる前記額縁板と、前記筒状体の内側に位置し、前記4つの側面板の各々の下端に1つずつ繋がっている4つの底板と、を備え、前記4つの底板は、主底板と副底板とからなる前記底板の組を2つ含み、前記主底板と前記副底板とは、前記筒状体における隣り合う前記側面板に繋がっており、前記副底板は、前記主底板から延びる貼付片に接着されている、包装箱中間体。
【0014】
上記構成によれば、4つの側面板がひとつながりの筒状となっており、額縁板と底板とが筒状体に繋がっている。したがって、筒状体を畳んだ状態から引き起こすことで、包装箱を形成することができるため、額縁状の縁部を有する包装箱を容易に組み立てることができる。また、組立前の包装箱を、包装箱中間体として保管することで、保管に要するスペースの大幅な削減が可能である。
【0015】
[態様7][態様6]に記載の包装箱中間体を用いた包装箱の製造方法であって、前記筒状体の内部空間を広げて前記筒状体を矩形筒状にすることと、前記4つの底板が前記包装箱の底面を構成するように、前記4つの底板を倒すことと、前記底面と対向する位置から見て前記額縁板が帯状に延びるように、前記対象側面板に対する前記額縁板の角度を変えることと、を含む包装箱の製造方法。
【0016】
上記製法によれば、包装箱中間体を用いることで包装箱を容易に製造することができる。これにより、包装箱の組み立てに要する労力や時間の削減が可能である。
【発明の効果】
【0017】
本発明によれば、包装箱の組み立てを容易にすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
図1】一実施形態の包装箱の斜視構造を示す図。
図2】一実施形態のブランクを示す図。
図3】一実施形態における一部を折ったブランクを示す図。
図4】一実施形態における一部を折ったブランクを示す図。
図5】一実施形態の包装箱中間体の側面構造を示す図。
図6】一実施形態における組立途中の包装箱を示す図。
図7】一実施形態における組立途中の包装箱を示す図。
図8】一実施形態の包装箱の平面構造を示す図。
図9】一実施形態の包装箱の底面構造を示す図。
図10】変形例の包装箱の斜視構造を示す図。
図11】変形例の包装箱の斜視構造を示す図。
【発明を実施するための形態】
【0019】
図1図9を参照して、包装箱、包装箱中間体、および、包装箱の製造方法の一実施形態を説明する。以下の説明において、包装箱の上下方向は、包装箱を水平面に静置した状態での方向である。
【0020】
[包装箱の全体構成]
図1に示すように、包装箱100は、直方体状の外形を有する箱である。包装箱100の上面は開口されている。包装箱100の4つの側面は、第1側面板11、第2側面板12、第3側面板13、および、第4側面板14から構成されている。第1側面板11の上端には当該上端に沿って延びる第1額縁板21が繋がっている。同様に、第2側面板12の上端には当該上端に沿って延びる第2額縁板22が繋がっており、第3側面板13の上端には当該上端に沿って延びる第3額縁板23が繋がっており、第4側面板14の上端には当該上端に沿って延びる第4額縁板24が繋がっている。
【0021】
包装箱100の底面と対向する位置から見て、各額縁板21~24は帯状を有し、これら4つの額縁板21~24が、包装箱100の内部空間を囲む額縁状の構造を構成する。包装箱100の包装対象、すなわち上記内部空間に収容される物品は、特に限定されない。包装箱100の幅、奥行き、高さの各寸法は、包装対象に応じて設計されればよい。また、包装箱100は、包装箱100の底面に敷かれる底敷板や、包装箱100に被せられる蓋と共に用いられてもよい。
【0022】
[ブランクの構成]
包装箱100は、1枚のブランクから形成される包装箱中間体の組み立てによって製造される。まず、ブランクの構成を説明する。ブランクは紙製である。
【0023】
図2に示すように、ブランク101において、第1側面板11、第2側面板12、第3側面板13、および、第4側面板14の4つの側面板がこの順に一列に並んでおり、隣り合う側面板は折り曲げ線である罫線90a~90cを介して繋がっている。各側面板11~14は矩形形状を有しており、第1側面板11と第3側面板13との形状は同一であり第2側面板12と第4側面板14との形状は同一である。第1側面板11に対して第2側面板12と反対側には、罫線90dを介して糊代片60が繋がっている。糊代片60は、包装箱中間体の形成に際して第4側面板14の裏面端部に接着される部分であり、帯状に延びる。
【0024】
なお、本実施形態では、ブランク101が有する2つの面のうち、包装箱100の側面となる面を含む面を表面10Fとし、表面10Fと反対側の面を裏面10Rとする。包装箱100の上記側面は、包装箱100の外側に向けられる面、言い換えれば、外側から視認可能な面である。ブランク101を構成する各部においても、表面10Fに含まれる面が表面であり、裏面10Rに含まれる面が裏面である。例えば、包装箱100の上記側面は、側面板11~14の表面である。図2は、表面側から見たブランク101を示す。ブランク101および包装箱中間体の上下方向は、側面板11~14を基準とした包装箱100上下方向に対応する。
【0025】
第1側面板11の上端には、罫線91aを介して第1額縁板21が繋がっている。同様に、第2側面板12の上端には、罫線92aを介して第2額縁板22が繋がっており、第3側面板13の上端には、罫線93aを介して第3額縁板23が繋がっており、第4側面板14の上端には、罫線94aを介して第4額縁板24が繋がっている。第1額縁板21と第3額縁板23との形状は同一であり、第2額縁板22と第4額縁板24との形状は同一である。
【0026】
第1額縁板21および第3額縁板23について、額縁板21,23の延びる方向における両端部の各々は、曲率を有するように丸められた形状を有しており、言い換えれば、上記両端部の縁は弧状である。一方、第2額縁板22および第4額縁板24について、額縁板22,24の延びる方向における両端部の各々の縁は、額縁板22,24の延びる方向に対して傾斜した直線状である。
【0027】
第1額縁板21に対して第1側面板11と反対側には、罫線91bを介して第1内面板31が繋がっている。同様に、第2額縁板22に対して第2側面板12と反対側には、罫線92bを介して第2内面板32が繋がっており、第3額縁板23に対して第3側面板13と反対側には、罫線93bを介して第3内面板33が繋がっており、第4額縁板24に対して第4側面板14と反対側には、罫線94bを介して第4内面板34が繋がっている。
【0028】
各内面板31~34は略矩形形状を有する。上下方向において、各内面板31~34の長さは、各内面板31~34が各額縁板21~24を介して繋がる各側面板11~14の長さとほぼ一致し、当該各側面板11~14の長さよりもブランク101の厚さに相当する長さの分だけ僅かに小さい。上下方向と直交する左右方向においては、各内面板31~34の長さは、各内面板31~34が各額縁板21~24を介して繋がる各側面板11~14の長さよりも小さい。第1内面板31と第3内面板33との形状は同一であり、第2内面板32と第4内面板34との形状は同一である。
【0029】
第1内面板31に対して第1額縁板21と反対側には、罫線91cを介して第1補助板41が繋がっている。同様に、第2内面板32に対して第2額縁板22と反対側には、罫線92cを介して第2補助板42が繋がっており、第3内面板33に対して第3額縁板23と反対側には、罫線93cを介して第3補助板43が繋がっており、第4内面板34に対して第4額縁板24と反対側には、罫線94cを介して第4補助板44が繋がっている。
【0030】
各補助板41~44は、例えば、各内面板31~34との間の罫線に沿った辺を下底とする略台形形状を有する。左右方向において、各補助板41~44の長さは、各補助板41~44に繋がる各内面板31~34の長さよりも小さい。第1内面板31と第3内面板33との形状は同一であり、第2内面板32と第4内面板34との形状は同一である。
【0031】
第1側面板11の下端には、罫線91dを介して第1底板51が繋がっている。同様に、第2側面板12の下端には、罫線92dを介して第2底板52が繋がっており、第3側面板13の下端には、罫線93dを介して第3底板53が繋がっており、第4側面板14の下端には、罫線94dを介して第4底板54が繋がっている。
【0032】
第1底板51は、罫線91dを下底とする略台形形状から上底付近の一部が切り欠かれた形状を有する。この切り欠かれた部分が第1引掛部51Hである。言い換えれば、第1引掛部51Hは、第1底板51の縁に沿った窪みである。第1底板51と第2底板52との間には、第1底板51における上記台形の斜辺に対応する端に罫線91eを介して繋がった第1貼付片55が位置する。第2底板52は、罫線92dを下底とする略台形形状を有する。
【0033】
第1引掛部51Hは、第1底板51における罫線91dと反対側の端部付近にて第1貼付片55に面する。第1底板51と第1貼付片55とからなる板状部材は、略矩形形状から罫線91dと反対側の辺に沿った下底を有する台形が切り欠かれた形状を有する。この台形の窪みに向けて、当該台形の斜辺に対応する第1底板51の端から第1支持片56が突出しており、それによって、第1支持片56は、第1引掛部51H内に突出している。第1底板51と第1支持片56とは、罫線91fを介して繋がっている。
【0034】
第1底板51と第3底板53との形状は同一であり、第2底板52と第4底板54との形状は同一である。すなわち、第3底板53は、第3底板53の縁に沿った窪みである第3引掛部53Hを有し、第3底板53には、第3底板53と第4底板54との間に位置する第3貼付片57が罫線93eを介して繋がっている。そして、第3底板53から罫線93fを介して第3支持片58が延設され、第3支持片58は第3引掛部53H内に突出している。
【0035】
ブランク101の各罫線の位置は、脆弱性が付与されることにより、他の位置よりも外力によって折れやすくなっている。脆弱性は、例えば、ハーフカット加工やスジ入れ加工により厚みを薄くすること、あるいは、ミシン目を入れることやエンボス加工等によって付与される。
【0036】
そして、ブランク101において、各額縁板21~24と各内面板31~34との境界部分は、各額縁板21~24と各側面板11~14との境界部分よりも脆弱である。すなわち、ブランク101は、罫線91b,92b,93b,94bの位置で、罫線91a,92a,93a,94aの位置よりも折れやすくなっている。例えば、罫線91b,92b,93b,94bの位置は、罫線91a,92a,93a,94aの位置よりも薄くされる、あるいは、罫線が太くされることにより、大きな脆弱性が付与されている。
【0037】
[包装箱中間体の構成]
ブランク101から形成される包装箱中間体について説明する。図3および図4は、ブランク101の一部を折り曲げた構造体を、各側面板11~14の裏面側から見た図である。なお、以下の説明において、谷折りおよび山折りの記載は、ブランク101の表面10Fを基準とした折りの向きである。
【0038】
図3に示すように、各額縁板21~24と各内面板31~34との境界部分が山折りされ、各内面板31~34と各補助板41~44との境界部分が谷折りされる。すなわち、ブランク101が、各罫線91b,92b,93b,94bで山折りされ、各罫線91c,92c,93c,94cで谷折りされる。この状態で、図3にて手前に向けられている各補助板41~44の面は、各補助板41~44の裏面である。
【0039】
図4に示すように、さらに、各側面板11~14と各底板51~54との境界部分が山折りされる。すなわち、ブランク101が、各罫線91d,92d,93d,94dで山折りされる。これにより、第1補助板41と第1底板51とが重なり、第2補助板42と第2底板52とが重なり、第3補助板43と第3底板53とが重なり、第4補助板44と第4底板54とが重なる。各補助板41~44の形状は、各補助板41~44が重なり合う各底板51~54からはみ出さないように設定されている。
【0040】
この際、重なり合う各底板51~54と各補助板41~44とが貼り合わせられる。具体的には、第1補助板41の裏面が第1底板51の裏面に接着され、第2補助板42の裏面が第2底板52の裏面に接着され、第3補助板43の裏面が第3底板53の裏面に接着され、第4補助板44の裏面が第4底板54の裏面に接着される。
【0041】
貼り合わされた各底板51~54と各補助板41~44とについて、第1補助板41と第1底板51とからなる構造体が第1底フラップ71であり、第2補助板42と第2底板52とからなる構造体が第2底フラップ72であり、第3補助板43と第3底板53とからなる構造体が第3底フラップ73であり、第4補助板44と第4底板54とからなる構造体が第4底フラップ74である。
【0042】
さらに、第1底板51と第1貼付片55との境界部分、および、第3底板53と第3貼付片57との境界部分が谷折りされる。すなわち、ブランク101が、各罫線91e,93eで谷折りされる。この状態で、図4にて手前に向けられている各貼付片55,57の面は、各貼付片55,57の裏面である。また、図4にて手前に向けられている第2底板52および第4底板54の面は、各底板52,54の表面である。
【0043】
そして、第1側面板11と第2側面板12との境界、および、第3側面板13と第4側面板14との境界が山折りされる。すなわち、ブランク101が、罫線90aと罫線90cとの各々で山折りされる。これにより、第1貼付片55と第2底板52とが重なり、第3貼付片57と第4底板54とが重なる。この際、第1貼付片55の裏面が第2底板52の表面に接着され、第3貼付片57の裏面が第4底板54の表面に接着される。各貼付片55,57の形状は、各貼付片55,57が重なり合う各底板52,54からはみ出さないように設定されている。また、糊代片60の表面が、第4側面板14の裏面端部に接着される。
【0044】
これにより、図5に示す包装箱中間体102が形成される。なお、ブランク101における折り位置と接着位置とが上述の通りであれば、各部の折る順番や接着の順番は、上述とは異なっていてよい。
【0045】
包装箱中間体102は、4つの側面板11~14からなる扁平な筒状体70を備え、筒状体70の上端から4つの額縁板21~24が延びる。各側面板11~14と各額縁板21~24との間の罫線91a,92a,93a,94aは折られておらず、各側面板11~14の表面と、各側面板11~14に繋がる各額縁板21~24の表面とは、1つの平面を構成する。
【0046】
筒状体70の内側に、各内面板31~34および各底フラップ71~74が位置する。左右方向の中央部では、筒状体70の内部から上方に向けて、第1底板51および第3底板53の端部が突き出ている。
【0047】
ブランク101からの包装箱中間体102の形成には、グルアー加工装置を用いたライン生産方式が適用可能である。したがって、包装箱中間体102の効率的な製造が可能である。
【0048】
包装箱中間体102の形成過程において、各額縁板21~24と各内面板31~34との境界部分を折る際には、各額縁板21~24が細いため、各額縁板21~24と各側面板11~14との境界部分にも外力がかかりやすい。このとき、各額縁板21~24と各内面板31~34との境界部分が、各額縁板21~24と各側面板11~14との境界部分よりも脆弱であれば、各額縁板21~24と各内面板31~34との境界部分のみが的確に折れやすくなる。
【0049】
したがって、各額縁板21~24と各内面板31~34との境界部分が折られ、各額縁板21~24と各側面板11~14との境界部分が伸ばされている構造、すなわち、筒状体70の側面と対向する位置から見て各額縁板21~24が各側面板11~14の上端に沿って延びる構造を円滑に形成することができる。
【0050】
[包装箱の製造方法]
包装箱中間体102を用いて包装箱100を製造する方法を説明する。
まず、図6に示すように、包装箱中間体102の筒状体70について、第1側面板11および第4側面板14と、第2側面板12および第3側面板13とを引き離して、筒状体70が矩形筒状となるように筒状体70の内部空間を広げる。この際、罫線91a,92a,93a,94aにて各側面板11~14と各額縁板21~24との境界部分を山折りし、各額縁板21~24を水平方向に寝かせるとともに、各底フラップ71~74を水平方向に寝かせる。
【0051】
そして、図7に示すように、第1底板51の第1引掛部51Hと第3底板53の第3引掛部53Hとを互いに引っ掛ける。このとき、第1底板51の第1支持片56と第3底板53の第3支持片58とを摘まんで引掛部51H,53Hを互いに引っ掛けることにより、引掛部51H,53Hを容易に係合させることができる。特に、各支持片56,58の基部が罫線91f、93fにて折り曲げ可能となっているため、各底フラップ71~74を水平に倒しつつ、各支持片56,58を摘まんで第1引掛部51Hと第3引掛部53Hとを引っ掛けるという作業がより容易に可能である。
【0052】
上記の組立過程において、各額縁板21~24および各底フラップ71~74が水平に倒されることにより、各額縁板21~24を挟んだ各側面板11~14と各内面板31~34とが上下方向に沿って平行に立ち上がった構造が形成される。また、引掛部51H,53Hの係合により、各底フラップ71~74および各底フラップ71~74に繋がる各部の位置が安定する。引掛部51H,53Hの係合後に、罫線91f、93fを伸ばして支持片56,58を水平方向に寝かせることで、ほぼ平らな底面が形成される。これにより、内面板31~34および底フラップ71~74によって区画された内部空間を有する包装箱100が完成する。
【0053】
図8は、組立後の包装箱100の平面図であり、図9は、組立後の包装箱100の底面図である。
図8に示すように、4つの内面板31~34は、4つの側面板11~14よりも、各額縁板21~24の幅に対応する長さだけ内側に位置する。第1内面板31は、第1側面板11と対向し、これらの上端が第1額縁板21に繋がっている。同様に、第2内面板32と第2側面板12とが対向してこれらの上端が第2額縁板22に繋がっており、第3内面板33と第3側面板13とが対向してこれらの上端が第3額縁板23に繋がっており、第4内面板34と第4側面板14とが対向してこれらの上端が第4額縁板24に繋がっている。
【0054】
4つの側面板11~14からなる矩形筒の径と、4つの内面板31~34からなる矩形筒の径とは、4つの額縁板21~24からなる環の外周縁と内周縁とに対応する差を有する。なお、矩形筒は、断面が矩形形状の筒である。各側面板11~14の下端からは各底板51~54が延び、各内面板31~34の下端からは各補助板41~44が延びている。
【0055】
第1額縁板21および第3額縁板23の端部は、第2額縁板22および第4額縁板24の端部の上に重なっている。額縁板22,24の端部は斜辺状であるため、周囲に引っ掛からずに額縁板21,23の端部の下に入り込みやすい。一方で、額縁板21,23の端部は弧状に膨らんでいるため、額縁板21~24の端部が交差する部分に隙間が形成されることが抑えられる。これにより、額縁板21~24の端部が交差する部分にて、丸められた額縁板21,23の端部のみが視認されるため、包装箱100の見栄えが良くなる。
【0056】
第1側面板11および第3側面板13の上下方向の長さが、第2側面板12および第4側面板14の上下方向の長さよりも僅かに大きく、上下方向において、第1側面板11および第3側面板13の上端が、第2側面板12および第4側面板14の上端よりも僅かに上に位置していると、包装箱中間体102から包装箱100を組み立てるときに、第1額縁板21および第3額縁板23の端部が、第2額縁板22および第4額縁板24の端部の上に配置されやすい。
【0057】
包装箱100の底部について、各底板51~54の上に各補助板41~44が重なるように、各底板51~54に各補助板41~44が固定されている。そして、各底板51~54と各補助板41~44との積層体である各底フラップ71~74が、互い違いに重なり合うことにより、包装箱の100の底部が構成されている。
【0058】
具体的には、第1底フラップ71の一部は第4底フラップ74の上に重なり、第1底フラップ71の他の一部は第2底フラップ72の下に重なっている。同様に、第2底フラップ72の一部は第1底フラップ71の上に重なり、第2底フラップ72の他の一部は第3底フラップ73の下に重なっている。また、第3底フラップ73の一部は第2底フラップ72の上に重なり、第3底フラップ73の他の一部は第4底フラップ74の下に重なっている。そして、第4底フラップ74の一部は第3底フラップ73の上に重なり、第4底フラップ74の他の一部は第1底フラップ71の下に重なっている。
【0059】
包装箱100の底面は、包装箱100の内側の面であって、各底フラップ71~74、すなわち各底板51~54および各補助板41~44から構成される。なお、底板51~54において補助板41~44に覆われる割合は特に限定されない。覆われる割合が多いほど、包装箱100の底部の強度が高められる。
【0060】
図9に示すように、第1貼付片55および第3貼付片57は、その全体が包装箱100の最下面、言い換えれば底部の最外に位置する。第1底板51と第1貼付片55との境界部分、および、第3底板53と第3貼付片57との境界部分の各々、すなわち、各罫線91e,93eは、伸ばされている。
【0061】
上記構成において、4つの底板51~54は、貼付片55,57が延設された底板51,53である主底板と、貼付片55,57に接着された底板52,54である副底板とからなり、主底板と副底板との組を2つ含んでいると捉えられる。1組の主底板と副底板とは、隣り合う側面板の下端に繋がっている。主底板は引掛部を有し、2つの主底板は互いに引っ掛けられる。本実施形態においては、第1底板51および第3底板53の各々が主底板であり、第2底板52および第4底板54の各々が副底板である。そして、第1底板51と第2底板52とが、主底板と副底板の1つの組であり、第3底板53と第4底板54とが、主底板と副底板の1つの組である。
【0062】
本実施形態によれば、包装箱100の側面を構成する4つの側面板11~14からなる筒状体70が畳まれて、包装箱中間体102を構成している。そして、各額縁板21~24や各底板51~54が筒状体70に繋がっている。それゆえ、筒状体70を引き起こして各部を折ることで、額縁状の縁部を有する包装箱100を容易に形成することができる。
【0063】
特に、各額縁板21~24が繋がる各内面板31~34から延びる各補助板41~44が、各底板51~54に固定されているため、各額縁板21~24と各底板51~54とが連動して動く。したがって、底部の組み立てに伴って額縁状の縁部も組み立てられるため、包装箱100をより容易に組み立てることができる。また、各補助板41~44が各底板51~54に固定されていることで、縁部の組み立てに際して各側面板11~14に対する各額縁板21~24および各内面板31~34の位置も的確に定まる。
【0064】
また、底部についても、主底板である底板51,53と副底板である底板52,54とが、貼付片55,57によって接続されて折り畳まれているため、フラップの複雑な噛み合わせを要することなく、容易に底部を組み立てることができる。
【0065】
このように、包装箱中間体102を用いることで、包装箱100の組み立てに要する労力や時間の削減が可能である。また、組み立ての作業者が有する経験の程度によって包装箱100の組み立てにかかる時間や出来栄えに差が生じることも抑えられる。さらに、包装箱100を、組立前の状態で、すなわち包装箱中間体102として保管することで、保管に要するスペースの大幅な削減が可能である。
【0066】
以上、上記実施形態によれば、以下に列挙する効果を得ることができる。
(1)包装箱中間体102において、4つの側面板11~14からなる筒状体70に各額縁板21~24や各底板51~54が繋がった状態で、筒状体70が畳まれている。それゆえ、筒状体70を引き起こして各部を折ることで、額縁状の縁部を有する包装箱100を容易に形成することができる。
また、組立前の包装箱100を、包装箱中間体102として保管することで、包装箱100の保管に要するスペースの削減が可能である。
【0067】
(2)各底板51~54上に重なる各補助板41~44が設けられている。それゆえ、各額縁板21~24および各内面板31~34の位置が安定しやすい。また、包装箱100の底部の強度が高められる。
【0068】
(3)各底板51~54に各補助板41~44が接着されているため、各額縁板21~24と各底板51~54とが連動して動く。したがって、包装箱100をより容易に組み立てることができる。
【0069】
(4)各額縁板21~24と各内面板31~34との境界部分が、各額縁板21~24と各側面板11~14との境界部分よりも脆弱である。そのため、各額縁板21~24と各内面板31~34との境界部分が折られ、各額縁板21~24と各側面板11~14との境界部分が伸ばされた構造、すなわち、筒状体70の側面と対向する位置から見て各額縁板21~24が各側面板11~14の上端に沿って延びる構造を円滑に形成することができる。
【0070】
包装箱中間体102がこうした構造を有していれば、筒状体70の外側から内側に向けて各額縁板21~24を倒す作業によって、額縁状の縁部を組み立てることができる。これに対し、上記境界部分のうち各額縁板21~24と各側面板11~14との境界部分のみが折られている場合、額縁状の縁部を組み立てる際には、筒状体70の内側から外側に向けて各額縁板21~24を引き起こすことが必要になる。筒状体70の外側から内側に向けて各額縁板21~24を倒す場合、筒状体70の内側から外側に向けて各額縁板21~24を引き起こす場合と比較して、各額縁板21~24に外力を的確に加えやすく、各側面板11~14と各額縁板21~24との角度が直角となるように各側面板11~14に対する各額縁板21~24の角度を変えることが容易である。したがって、縁部の組み立ての作業性の向上が可能である。
【0071】
また、各底板51~54に各補助板41~44を接着する場合には、各額縁板21~24と各内面板31~34との境界部分が折られ、各額縁板21~24と各側面板11~14との境界部分が伸ばされた構造とすることで、各額縁板21~24の角度と各底板51~54の角度とが連動して変更される包装箱中間体102が実現できる。そして、各額縁板21~24と各内面板31~34との境界部分が、各額縁板21~24と各側面板11~14との境界部分よりも脆弱であれば、こうした構造を円滑に形成することができる。
【0072】
[変形例]
上記実施形態は、以下のように変更して実施してもよい。また、以下の変形例は互いに組み合わせて実施してもよい。
【0073】
・4つの補助板41~44の少なくとも1つは、底板に貼り付けられていなくてもよい。例えば、互いに向かい合う2つの内面板から延びる補助板が底板に貼り付けられ、他の2つの補助板は底板に貼り付けられていなくてもよい。こうした構成によれば、ブランク101からの包装箱中間体102の形成工程が簡易になる。補助板が底板に貼り付けられていなくても、包装箱中間体102の筒状体70を引き起こし、各額縁板21~24および各底板51~54を水平に倒すことで、額縁状の縁部を有する包装箱100を容易に組み立てることはできる。底板に貼り付けられていない補助板については、組立時に手作業で底板に重なる位置に配置すればよい。
【0074】
補助板が底板に貼り付けられていない場合、包装箱中間体102において、各額縁板21~24と各内面板31~34との境界部分が伸ばされ、各額縁板21~24と各側面板11~14との境界部分が折られていてもよい。言い換えれば、各額縁板21~24は、各側面板11~14の上端に沿って延びていれば、筒状体70の内側に位置してもよい。また、包装箱100および包装箱中間体102は、4つの補助板41~44の少なくとも1つを有していなくてもよい。
【0075】
・4つの内面板31~34の少なくとも1つの下端には、補助板に代えて、包装箱100の底面に沿って敷かれる底敷板が繋がっていてもよい。例えば、図10は、第3内面板33の下端に罫線93gを介して底敷板45が繋がった構成を有する包装箱105を示す。底敷板45は、第3内面板33の下端から延びて、包装箱105の底面を構成する各底板51~54および各補助板41,42,44の全体を覆う。これにより、包装箱105の内底表面が平面となり、包装箱105の見栄えが良くなる。また、包装箱と分離された底敷板を用いる場合と比べて、部材の管理に要する負担が軽減される。
【0076】
なお、底敷板45は、包装箱105内に立ち上がる仕切り部を有していてもよい。底敷板45の延びる方向の途中が山型に突出するように折られることにより、上下方向に延びる仕切り部が形成される。こうした構成によれば、仕切り部によって、包装箱105における物品の収納領域を区切ることが可能である。そして、包装箱と分離された仕切り部材を用いる場合と比べて、部材の管理に要する負担が軽減される。
【0077】
・包装箱は、少なくとも1つの額縁板を有していればよい。言い換えれば、4つの側面板11~14の少なくとも1つが額縁板と繋がっていればよい。額縁板の数は、所望の包装箱のデザインに応じて、1以上4以下の範囲で選択可能である。
【0078】
例えば、図11は、3つの額縁板21,22,24を有し、第3側面板13の上端に第3額縁板23に代えて罫線93hを介して蓋板80が繋がった構造を有する包装箱106を示す。蓋板80の先端には、差込片81が延設されている。罫線93hの位置を折って、包装箱106の上部開口を蓋板80が覆うように蓋板80を倒し、差込片81を第1内面板31に沿わせて包装箱106の内部空間に差し込むことにより、包装箱106の蓋を閉めることができる。こうした構成によれば、包装箱106が蓋付き構造となり、包装箱と分離された蓋を用いる場合と比べて、部材の管理に要する負担が軽減される。
なお、包装箱は、1つの側面板から蓋板が延び、他の1つの側面板と対向する内面板から底敷板が延びる構造を有していてもよい。
【0079】
・各額縁板21~24と各内面板31~34との境界部分と、各額縁板21~24と各側面板11~14との境界部分との脆弱性は同等であってもよいし、各額縁板21~24と各側面板11~14との境界部分の脆弱性の方が大きくてもよい。また、各額縁板21~24と各内面板31~34との境界部分等の一部の罫線は、単なる直線とは異なる装飾性を有していてもよい。
【0080】
・主底板から延びる貼付板に副底板が接着され、主底板の端部同士が係合されれば、支持片56,58は設けられていなくてもよい。
・筒状体70において、第1側面板11、第2側面板12、第3側面板13、および、第4側面板14がこの順に並んでいれば、糊代片60は第4側面板14から延設されて第1側面板11に接着されてもよい。また、上記実施形態では、第1側面板11および第3側面板13の各々に主底板が繋がり、第2側面板12および第4側面板14の各々に副底板が繋がっているが、第1側面板11および第3側面板13の各々に副底板が繋がり、第2側面板12および第4側面板14の各々に主底板が繋がっていてもよい。すなわち、筒状体70において、主側板が繋がる側面板と、副側板が繋がる側面板とが、交互に並んでいればよい。
【符号の説明】
【0081】
11,12,13,14…側面板
21,22,23,24…額縁板
31,32,33,34…内面板
41,42,43,43…補助板
45…底敷板
51,52,53,54…底板
51H,53H…引掛部
55,57…支持片
56,58…貼付片
60…糊代片
70…筒状体
71,72,73,74…底フラップ
80…蓋板
81…差込片
90a~90d,91a~91f,92a~92d,93a~93h,94a~94d…罫線
100,105,106…包装箱
101…ブランク
102…包装箱中間体
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11