(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2025016094
(43)【公開日】2025-01-31
(54)【発明の名称】保証条件設定システム、及び保証条件設定方法
(51)【国際特許分類】
G06Q 50/10 20120101AFI20250124BHJP
G06Q 10/20 20230101ALI20250124BHJP
G06Q 50/40 20240101ALI20250124BHJP
【FI】
G06Q50/10
G06Q10/20
G06Q50/30
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023119138
(22)【出願日】2023-07-21
(71)【出願人】
【識別番号】000005326
【氏名又は名称】本田技研工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001081
【氏名又は名称】弁理士法人クシブチ国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】柘植 穂高
(72)【発明者】
【氏名】石川 寛
(72)【発明者】
【氏名】森田 尚昂
【テーマコード(参考)】
5L010
5L049
5L050
【Fターム(参考)】
5L010AA20
5L049AA20
5L049CC20
5L049CC42
5L050CC20
5L050CC42
(57)【要約】
【課題】車両等の移動体の保証条件を、利用者による移動体の使用状況に応じて適切に設定する。
【解決手段】保証条件設定システム1は、第1利用者U1による対象移動体60以外の他移動体50の使用履歴情報に基づいて、第1利用者U1が対象移動体60を使用する際の所定期間あたりの対象移動体60の余寿命の消化度合である余寿命消化度合を予測する余寿命消化度合予測部12と、判定時点以降に第1利用者U1が対象移動体60を使用すると想定した場合に、対象移動体60の余寿命が判定時点余寿命から所定判定値以下まで減少する予測期間である余寿命減少予測期間を、余寿命消化度合に基づいて算出する余寿命減少予測期間算出部14と、余寿命減少予測期間に基づいて、対象移動体60の保証条件を設定する保証条件設定部15と、を備える。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
判定時点における対象移動体の余寿命である判定時点余寿命を認識する判定時点余寿命認識部と、
前記判定時点以降に前記対象移動体の使用を開始する第1利用者による前記対象移動体以外の他移動体の使用履歴情報に基づいて、前記第1利用者が前記対象移動体を使用する際の所定期間あたりの前記対象移動体の余寿命の消化度合である余寿命消化度合を予測する余寿命消化度合予測部と、
前記判定時点以降に前記第1利用者が前記対象移動体を使用すると想定した場合に、前記対象移動体の余寿命が前記判定時点余寿命から所定判定値以下まで減少する予測期間である余寿命減少予測期間を、前記余寿命消化度合に基づいて算出する余寿命減少予測期間算出部と、
前記余寿命減少予測期間に基づいて、前記対象移動体の保証条件を設定する保証条件設定部と、
を備える保証条件設定システム。
【請求項2】
前記第1利用者による前記対象移動体の使用状況に基づいて、前記余寿命消化度合を補正する余寿命消化度合補正部を備え、
前記余寿命減少予測期間算出部は、補正後の前記余寿命消化度合に基づいて前記余寿命減少予測期間を再度算出し、
前記保証条件設定部は、前記余寿命減少予測期間算出部により補正後の前記余寿命消化度合に基づいて算出された前記余寿命減少予測期間に基づいて、前記保証条件を再設定する
請求項1に記載の保証条件設定システム。
【請求項3】
前記判定時点余寿命認識部は、前記対象移動体が前記判定時点以前に前記第1利用者以外の第2利用者によって使用されていた場合に、前記第2利用者による前記対象移動体の使用履歴情報に基づいて、前記判定時点余寿命を認識する
請求項1又は請求項2に記載の保証条件設定システム。
【請求項4】
前記判定時点余寿命認識部は、前記対象移動体に備えられた複数の対象部品ごとに、前記判定時点余寿命を認識し、
前記余寿命消化度合予測部は、複数の前記対象部品ごとに前記余寿命消化度合を予測し、
前記余寿命減少予測期間算出部は、複数の前記対象部品ごとに前記余寿命減少予測期間を算出し、
前記保証条件設定部は、複数の前記対象部品の前記余寿命減少予測期間に基づいて、前記対象移動体の保証条件を設定する
請求項1又は請求項2に記載の保証条件設定システム。
【請求項5】
コンピュータにより実行される保証条件設定方法であって、
判定時点における対象移動体の余寿命である判定時点余寿命を認識する判定時点余寿命認識ステップと、
前記判定時点以降に前記対象移動体の使用を開始する第1利用者による前記対象移動体以外の他移動体の使用状況に基づいて、前記第1利用者が前記対象移動体を使用する際の所定期間あたりの前記対象移動体の余寿命の消化度合である余寿命消化度合を予測する余寿命消化度合予測ステップと、
前記判定時点以降に前記第1利用者が前記対象移動体を使用すると想定した場合に、前記対象移動体の余寿命が前記判定時点余寿命から所定判定値以下まで減少する予測期間である余寿命減少予測期間を、前記余寿命消化度合に基づいて算出する余寿命減少予測期間算出ステップと、
前記余寿命減少予測期間に基づいて、前記対象移動体の保証条件を設定する保証条件設定ステップと、
を含む保証条件設定方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、保証条件設定システム、及び保証条件設定方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、評価対象のショベルの作動状態に基づいてショベルの疲労度を算出し、疲労度と関連付けられた保証内容情報を算出して、保証内容情報を表示するショベルの管理システムが提案されている(例えば、特許文献1参照)。上記管理システムにおいては、疲労度算出部により算出されるアタッチメントの余寿命が基準余寿命よりも長い場合は、追加保証期間を設定し、余寿命が基準余寿命よりも短い場合は通常保証期間のみとしている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記背景技術の管理システムでは、アタッチメントの疲労度に基づく余寿命に応じて保証期間を設定している。しかしながら、車両等の移動体の余寿命は、移動体の利用者による移動体の使用状況に応じて変動する。そのため、上記背景技術の管理システムによる場合には、個々の利用者の使用状況に応じた適切な保証条件を設定することができないという不都合がある。
本願はかかる背景に鑑みてなされたものであり、車両等の移動体の保証条件を、利用者による移動体の使用状況に応じて適切に設定することができる保証期間設定システム、及び保証期間設定方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記目的を達成するための第1態様として、判定時点における対象移動体の余寿命である判定時点余寿命を認識する判定時点余寿命認識部と、前記判定時点以降に前記対象移動体の使用を開始する第1利用者による前記対象移動体以外の他移動体の使用履歴情報に基づいて、前記第1利用者が前記対象移動体を使用する際の所定期間あたりの前記対象移動体の余寿命の消化度合である余寿命消化度合を予測する余寿命消化度合予測部と、前記判定時点以降に前記第1利用者が前記対象移動体を使用すると想定した場合に、前記対象移動体の余寿命が前記判定時点余寿命から所定判定値以下まで減少する予測期間である余寿命減少予測期間を、前記余寿命消化度合に基づいて算出する余寿命減少予測期間算出部と、前記余寿命減少予測期間に基づいて、前記対象移動体の保証条件を設定する保証条件設定部と、を備える保証条件設定システム。
【0006】
上記保証条件設定システムにおいて、前記第1利用者による前記対象移動体の使用状況に基づいて、前記余寿命消化度合を補正する余寿命消化度合補正部を備え、前記余寿命減少予測期間算出部は、補正後の前記余寿命消化度合に基づいて前記余寿命減少予測期間を再度算出し、前記保証条件設定部は、前記余寿命減少予測期間算出部により補正後の前記余寿命消化度合に基づいて算出された前記余寿命減少予測期間に基づいて、前記保証条件を再設定する構成としてもよい。
【0007】
上記保証条件設定システムにおいて、前記判定時点余寿命認識部は、前記対象移動体が前記判定時点以前に前記第1利用者以外の第2利用者によって使用されていた場合に、前記第2利用者による前記対象移動体の使用履歴情報に基づいて、前記判定時点余寿命を認識する構成としてもよい。
【0008】
上記保証条件設定システムにおいて、前記判定時点余寿命認識部は、前記対象移動体に備えられた複数の対象部品ごとに、前記判定時点余寿命を認識し、前記余寿命消化度合予測部は、複数の前記対象部品ごとに前記余寿命消化度合を予測し、前記余寿命減少予測期間算出部は、複数の前記対象部品ごとに前記余寿命減少予測期間を算出し、前記保証条件設定部は、複数の前記対象部品の前記余寿命減少予測期間に基づいて、前記対象移動体の保証条件を設定する構成としてもよい。
【0009】
上記目的を達成するための第2態様として、コンピュータにより実行される保証条件設定方法であって、判定時点における対象移動体の余寿命である判定時点余寿命を認識する判定時点余寿命認識ステップと、前記判定時点以降に前記対象移動体の使用を開始する第1利用者による前記対象移動体以外の他移動体の使用状況に基づいて、前記第1利用者が前記対象移動体を使用する際の所定期間あたりの前記対象移動体の余寿命の消化度合である余寿命消化度合を予測する余寿命消化度合予測ステップと、前記判定時点以降に前記第1利用者が前記対象移動体を使用すると想定した場合に、前記対象移動体の余寿命が前記判定時点余寿命から所定判定値以下まで減少する予測期間である余寿命減少予測期間を、前記余寿命消化度合に基づいて算出する余寿命減少予測期間算出ステップと、前記余寿命減少予測期間に基づいて、前記対象移動体の保証条件を設定する保証条件設定ステップと、を含む保証条件設定方法が挙げられる。
【発明の効果】
【0010】
上記保証条件設定システムによれば、車両等の移動体の保証条件を、利用者による移動体の使用状況に応じて適切に設定することができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【
図1】
図1は、保証条件設定システムの構成の説明図である。
【
図2】
図2は、対象部品について測定する負荷と物性値の説明図である。
【
図3】
図3は、車両管理データベースに記録される情報の説明図である。
【
図4】
図4は、車両の余寿命の算出処理の説明図である。
【
図5】
図5は、車両の余寿命消化度合の説明図である。
【
図6】
図6は、車両の保証条件の設定処理の第1のフローチャートである。
【
図7】
図7は、車両の保証条件の設定処理の第2のフローチャートである。
【
図8】
図8は、車両の保証条件の設定処理の説明図である。
【
図9】
図9は、車両の保証条件の設定処理の別実施例の説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
[1.保証条件設定システムの構成]
図1~
図5を参照して、本実施形態の保証条件設定システム1の構成について説明する。保証条件設定システム1は、カーディーラー100で取引される車両(本開示の移動体に相当する)の保証条件を設定する処理を行う。取引には、新車の販売、中古車の販売、車両のリース契約等が含まれる。本実施形態では、保証条件設定システム1が、中古の対象車両60(本開示の対象移動体に相当する)の保証条件を設定する場合について説明する。
【0013】
図1は、第1利用者U1(対象車両60の新利用者)が、それまで使用していた他車両50を売却して、対象車両60に乗り換える場合を例示している。他車両50と対象車両60は同一メーカーの車両であって、カーディーラー100により取引され、製造元の車両メーカーの管理サーバーである車両メーカーサーバー210により使用状況が管理されている。
【0014】
車両メーカーサーバー210は、通信ネットワーク200を介して他車両50、対象車両60、及びカーディーラー100の店舗管理システム101との間で通信を行う。他車両50には、他車両50の対象部品に加わる負荷を検出するセンサ類52と、ECU(Electronic Control Unit)51とが備えられ、ECU51は、センサ類52により検出される負荷の検出結果を示す負荷測定情報Lmiを、他車両50の電源オン時等に車両メーカーサーバー210に送信する。同様に、対象車両60には、ECU61とセンサ類62が備えられ、ECU61は、センサ類62により検出される負荷の検出結果を示す負荷測定情報Lmiを、対象車両60の電源オン時等に車両メーカーサーバー210に送信する。
【0015】
カーディーラー100においては、定期点検等のメンテナンスのために他車両50或いは対象車両60が持ち込まれたときに、サービススタッフにより、他車両50或いは対象車両60の対象部品の物性値が測定器によって測定される。そして、店舗管理システム101は、物性値の測定結果を示す物性値測定情報Pmiを車両メーカーサーバー210に送信する。
【0016】
本実施形態では、負荷及び物性値を測定する対象部品として、
図2に示したように、エンジン、足回り、電装、及びシートが設定されている。エンジンについては、負荷の要素として軸トルクと回転速度が測定され、物性値として部品の弾性率(音速)が測定される。足回りについては、負荷の要素として振動回数と加速度が測定され、物性値として部品の弾性率(音速)が測定される。電装については、負荷の要素として、電動機の軸トルクと回転速度、PDU(Power Drive Unit)の作動時間と出力電力、及びバッテリの充放電回数と充放電量が測定される。また、物性値として、電動機の回転軸のぶれ、PDUの素子の冷却性能、及びバッテリの充電容量が測定される。シートについては、負荷の要素として使用回数が測定され、物性値としてばね定数が測定される。他車両50と対象車両60の各対象部品についての負荷測定情報Lmiと物性値測定情報Pmiが、車両メーカーサーバー210に送信される。
【0017】
車両メーカーサーバー210は、他車両50から送信される負荷測定情報Lmi、対象車両60から送信される負荷測定情報Lmi、及び店舗管理システム101から送信される物性値測定情報Pmiを受信して、車両管理DB(データベース)211に、車両ごとに記録する。
図3は、対象車両60(管理No.:Cid-001)と他車両50(管理No.:Cid-002)に対応した車両管理DB211の記録データを示している。
【0018】
対象車両60については、第1利用者U1(利用者ID:Uid-001)による使用期間中の負荷測定情報(Lmi-001)及び物性値測定情報(Pmi-001)と、第2利用者U2による使用期間中の負荷測定情報(Lmi-002)及び物性値測定情報(Pmi-002)とに区別されている。他車両50については、第1利用者U1による使用期間中の負荷測定情報(Lmi-003)及び物性値測定情報(Pmi-003)が記録されている。
【0019】
保証条件設定システム1は、プロセッサ10、メモリ20、通信ユニット30等を備えたコンピュータシステムである。保証条件設定システム1は、通信ユニット30により、通信ネットワーク200を介して、車両メーカーサーバー210、カーディーラー100のサービススタッフVにより使用される端末装置70等との間で通信を行う。端末装置70は、タブレット端末、パソコン、スマートフォン等である。
【0020】
メモリ20には、保証条件設定システム1の制御用のプログラム21、対象部品の負荷測定情報Lmiにより示される負荷の検出値を、対象部品の疲労度の重みに変換するためのマップ(負荷-疲労度マップ)22と、対象部品の物性値測定情報Pmiにより示される物性値の測定値を、対象部品の推定余寿命に変換するためのマップ(物性値劣化度-余寿命マップ)23が保存されている。
【0021】
プロセッサ10は、プログラム21を読み込んで実行することにより、判定時点余寿命認識部11、余寿命消化度合予測部12、余寿命消化度合補正部13、余寿命減少予測期間算出部14、及び保証条件設定部15として機能する。判定時点余寿命認識部11により実行される処理は、本開示の保証条件設定方法における判定時点余寿命認識ステップに相当し、余寿命消化度合予測部12により実行される処理は、本開示の保証条件設定方法における余寿命消化度合予測ステップに相当する。余寿命減少予測期間算出部14により実行される処理は、本開示の保証条件設定方法における余寿命減少予測期間算出ステップに相当し、保証条件設定部15により実行される処理は、本開示の保証条件設定ステップに相当する。
【0022】
判定時点余寿命認識部11は、対象車両60が第1利用者U1に販売されるとき(本開示の判定時点に相当する)に、販売時点における対象車両60の対象部品(エンジン、足回り、電装、シート)の余寿命を認識する。判定時点余寿命認識部11は、車両管理DB211に記録された、対象車両60のそれまでの使用者である第2利用者U2による使用期間中の各対象部品の負荷測定情報Lmiと物性値測定情報Pmiに基づいて、例えば、本願出願人による先の特許出願である特願2022-172125に記載された手法により、各対象部品の余寿命を認識する。
【0023】
判定時点余寿命認識部11は、第2利用者U2による使用期間中の対象部品の負荷測定情報Lmiから認識した負荷を負荷-疲労度マップ22に適用して、対応する重みを求め、各負荷レベルの重み付きの測定回数を合計して累積疲労度を算出し、100%から累積疲労度を減じて第1推定余寿命を算出する。また、判定時点余寿命認識部11は、物性値測定情報Pmiから認識した物性値劣化度を、物性値劣化度-余寿命マップ23に適用して、対象部品の第2推定余寿命を認識する。
【0024】
図4は、対象車両60の対象部品について、縦軸を余寿命率(寿命を100%としたときの残寿命の割合)に設定し、横軸を余寿命率に対応する対象車両60の走行保証距離に設定して、負荷測定情報Lmiに基づく第1推定余寿命Aと物性値測定情報Pmiに基づく第2推定余寿命Bを例示したものである。
図4では、対象車両60の走行距離がDc2になったときに、第2推定余寿命Bが第1推定余寿命Aよりも長くなっている。
【0025】
そのため、判定時点余寿命認識部11は、第2推定余寿命Bが第1推定余寿命Aよりも長くなるDc2までの期間においては、第1推定余寿命Aに基づいて対象部品の余寿命を判定する。また、第2推定余寿命Bが第1推定余寿命Aよりも長くなるDc以後の期間においては、判定時点余寿命認識部11は、第2推定余寿命Bに基づいて対象部品の余寿命を認識する。
【0026】
余寿命消化度合予測部12は、
図3に示した、第1利用者U1による他車両50の使用期間での負荷測定情報Lmi-003及び物性値測定情報Pmi-003に基づいて、第1利用者U1が対象車両60の使用を開始した後の対象車両60の各対象部品(エンジン、足回り、電装、シート)の余寿命消化度合を算出する。余寿命消化度合は、第1利用者U1が他車両50を1年間使用したときに消化される(減少する)と予測される対象部品の余寿命の長さを示している。各対象部品の余寿命消化度合は、第1利用者U1が他車両50を使用した期間での各対象部品の余寿命の減少年数を、第1利用者U1が他車両50を使用した年数で除した値となる。各対象部品の余寿命の減少年数は、第1利用者U1が他車両50の使用を開始した時点での各対象部品の余寿命から、第1利用者U1が他車両50から対象車両60に乗り換えた時点での各対象部品の余寿命を減じて算出される。各対象部品の余寿命は、上述した判定時点余寿命認識部11による余寿命の認識と同様の処理により算出される。
【0027】
ここで、
図5のC1は、第1利用者U1が対象車両60の使用を開始した後の所定期間(2019年~2020年)における対象車両60の各対象部品(エンジン、足回り、電装、シート)の余寿命消化度合を、1年で消化する余寿命(年)で予測した例を示している。
【0028】
余寿命消化度合補正部13は、
図3に示した、第1利用者U1が対象車両60の使用を開始した後の期間での負荷測定情報Lmi-002及び物性値測定情報Pmi-002に基づいて、第1利用者U1による対象車両60の実施の使用状況が反映される対象車両60の各対象部品の余寿命消化度合を、新たな余寿命消化度合として設定する。
【0029】
図5のC2は、余寿命消化度合補正部13により補正された対象車両60の各対象部品(エンジン、足回り、電装、シート)の余寿命消化度合を例示したものである。C2では、第1利用者U1が対象車両60の使用を開始したときに予測されたC1の各対象部品の余寿命消化度合と比べて、エンジンと足回りの余寿命消化度合が減少し、シートの余寿命消化度合が増加している。これは、例えば、第1利用者U1が同乗者を載せて対象車両60を使用する頻度が多くなって、運転が穏やかになったことを示している。
【0030】
余寿命減少予測期間算出部14は、対象車両60の各対象部品について、第1利用者U1が対象車両60の使用を開始してから、余寿命が所定判定値以下まで減少する予測期間である余寿命減少期間を算出する。保証条件設定部15は、余寿命減少予測期間算出部14により算出される対象車両60の各対象部品の余寿命減少予測期間に基づいて、第1利用者U1に対する対象車両60の保証条件を設定する。
【0031】
[2.車両の保証条件の設定処理]
図6に示したフローチャートに従って、保証条件設定システム1により実行される、第1利用者U1に対する対象車両60の保証条件の設定処理の手順について説明する。保証条件設定システム1は、対象車両60が第1利用者U1に販売される際に、対象車両60の保証条件を設定し、その後の第1利用者U1による対象車両60の使用状況に応じて、対象車両60の保証条件を変更する。
【0032】
保証条件設定システム1は、
図6のステップS1~S8、S20の処理を、対象車両60の対象部品(エンジン、足回り、電装、シート)ごとに実行する。ステップS1~ステップS5、S20は、判定時点余寿命認識部11による処理である。判定時点余寿命認識部11は、ステップS1で、車両メーカーサーバー210の車両管理DB211にアクセスして、販売時までに車両管理DB211に記録された対象部品の負荷測定情報Lmiと物性値測定情報Pmiを取得する。
【0033】
続くステップS2で、判定時点余寿命認識部11は、負荷測定情報Lmiに基づく対象部品の累積疲労度に応じた第1推定余寿命を認識する。次のステップS3で、判定時点余寿命認識部11は、物性値測定情報Pmiに基づく対象部品の物性値の劣化度に応じた第2推定余寿命を認識する。続くステップS4で、判定時点余寿命認識部11は、第2推定余寿命が第1推定余寿命よりも長いか否かを判断し、第2推定余寿命が第1推定余寿命よりも長いときはステップS20に処理を進め、第2推定余寿命が第1推定余寿命以下であるときにはステップS5に処理を進める。
【0034】
ステップS5で、判定時点余寿命認識部11は、第1推定余寿命を対象部品の販売時点余寿命に設定する。ステップS20で、判定時点余寿命認識部11は、第2推定余寿命を対象部品の販売時点余寿命に設定する。続くステップS6~S7は、余寿命消化度合予測部12による処理である。ステップS6で、余寿命消化度合予測部12は、車両メーカーサーバー210の車両管理DB211にアクセスして、第1利用者U1による他車両50の使用履歴情報である、第1利用者U1が他車両50を使用していたときに記録された他車両50の対象部品の負荷測定情報Lmiと物性値測定情報Pmi(
図3のLmi-003、Pmi-003)を取得する。
【0035】
次のステップS7で、余寿命消化度合予測部12は、第1利用者U1による他車両50の使用履歴情報に基づいて、第1利用者U1が対象車両を使用する際の対象部品の余寿命消化率を予測する(
図5のC1参照)。続くステップS8は、余寿命減少予測期間算出部14による処理である。
【0036】
ここで、
図8を参照して、余寿命減少予測期間算出部14による余寿命減少予測期間の算出処理について説明する。
図8は、対象車両60の1つの対象部品について、保証条件の設定と見直しを行う場合を示している。
図8は、縦軸を対象部品の余寿命(余寿命率)に設定し、横軸を対象車両の走行距離に設定して、対象車両60の走行距離(累積走行距離)に応じた対象部品の余寿命の減少の推移を示したものである。
図8のt1は、対象車両60が第1利用者U1に販売された時点である。
【0037】
図8の(0)は、対象車両60の車種について車両メーカーで実施された耐久試験から得られた対象部品の余寿命の測定値に重み付け係数を乗じた余寿命の減少の推移であり、(1)は、判定時点余寿命認識部11により認識された販売時点余寿命に至るまでの余寿命の減少の推移である。(2)は、余寿命消化度合予測部12により予測された第1利用者U1が対象車両60を使用する際の対象部品の余寿命消化度合を適用した場合の対象部品の余寿命の減少の推移である。
【0038】
(3)は、(2)に保証条件に余裕を持たせるための重荷付け係数を乗じた、対象部品の余寿命の減少の推移であり、t2になった時点(対象車両60の走行距離がbになった時点)で、対象部品の余寿命がゼロになっている。そこで、余寿命減少予測期間算出部14は、t1からt2までの期間を余寿命減少予測期間として算出する。
【0039】
続くステップS10~S11は、保証条件設定部15による処理である。保証条件設定部15は、ステップS1~S8、ステップS20の処理によって算出された各対象部品(エンジン、足回り、電装、シート)の余寿命減少予測期間のうち、最も短い余寿命減少予測期間及びこの予測期間に対応する予測距離を、販売時の対象車両60の保証条件(保証期間、保証距離)として設定する。なお、余寿命減少予測期間が、
図8に示した耐久試験による余寿命の減少の推移(0)において、対象部品の余寿命がゼロになるdまでの期間よりも短い場合は、保証条件設定部15は、t1からdになるまでの期間及びこの期間に対応する距離を、販売時の対象車両60の保証条件(保証期間、保証距離)として設定する。
【0040】
次のステップS11で、保証条件設定部15は、対象車両の保証条件を示す保証条件情報を、サービススタッフVの端末装置70に送信する。サービススタッフVは、端末装置70に表示される対象車両60の保証条件を第1利用者U1に示して、保証条件の説明等を行う。
【0041】
[3.車両の保証条件の変更処理]
図7に示したフローチャートに従って、保証条件設定システム1により実行される、第1利用者U1が対象車両60の使用を開始した後に、第1利用者U1による対象車両60の使用状況に応じて、対象車両60の保証条件を再設定する処理の手順について説明する。
【0042】
図7のステップS50~S53は、余寿命消化度合補正部13による処理である。ステップS30で、余寿命消化度合補正部13は、車両メーカーサーバー210の車両管理DB211にアクセスして対象車両60の走行距離情報を取得する。続くステップS51で、余寿命消化度合補正部13は、対象車両60の走行距離が販売時の保証距離-α(余裕値)以上になったか否かを判断する。そして、余寿命消化度合補正部13は、対象車両60の走行距離が販売時の保証距離-α以上になったときにステップS52に処理を進め、対象車両60の走行距離が販売時の保証距離-α未満であるときはステップS50に処理を進める。
【0043】
ステップS52で、余寿命消化度合補正部13は、車両メーカーサーバー210の車両管理DB211にアクセスして、第1利用者U1による対象車両60の使用履歴情報である、第1利用者U1が対象車両60の使用を開始した後に記録された対象車両60の各対象部品の負荷測定情報Lmiと物性値測定情報Pmi(
図3のLmi-001、Pmi-001)を取得する。
【0044】
続くステップS53で、余寿命消化度合補正部13は、第1利用者U1による対象車両60の使用履歴情報に基づいて、対象車両60の各対象部品の消化度合を補正する(
図5のC2参照)。次のステップS54は、余寿命減少予測期間算出部14による処理である。余寿命減少予測期間算出部14は、ステップS54で、各対象部品について、余寿命減少予測期間を各対象部品の補正後の余寿命消化度合に基づいて再度算出する。
【0045】
続くステップS55~S65、S60は、保証条件設定部15による処理である。保証条件設定部15は、ステップS55で、ステップS54により再度算出された各対象部品の余寿命減少予測期間のうち、最も短い余寿命減少予測期間を比較対象予測期間とする。次のステップS56で、保証条件設定部15は、比較対象予測期間が販売時の対象車両60の保証期間よりも長いか否かを判断する。
【0046】
そして、保証条件設定部15は、比較対象予測期間が販売時の対象車両60の保証期間よりも長いときは、ステップS60に処理を進めて対象車両60の保証期間を延長し、ステップS57に処理を進める。一方、比較対象予測期間が販売時の対象車両60の保証期間以下であるときには、保証条件設定部15はステップS57に処理を進め、この場合は対象車両60の保証期間は変更されない。
【0047】
ここで、
図8の(5)は、t2の時点又は直前で余寿命消化度合補正部13により補正された対象部品の余寿命消化度合に基づいて、余寿命減少予測期間算出部14により再度算出された対象部品の余寿命の減少の推移である。また、
図8の(6)は、(5)に保証条件に余裕を持たせるための重み付け係数を乗じた、対象部品の余寿命の減少の推移であり、t3になった時点(対象車両60の走行距離がcになった時点)で、対象部品の余寿命がゼロになっている。そこで、保証条件設定部15は、対象部品の保証距離を、販売時の(7)のb-aから、(8)のc-bの期間の分だけ延長する。
【0048】
[4.他の実施形態]
上記実施形態では、
図7に示したフローチャートによる処理により、対象車両60の走行距離が販売時の保証距離付近になったときに、対象部品の余寿命消化度合を、第1利用者U1による対象車両60の全使用期間中の使用履歴情報に基づいて補正して、対象車両60の保証条件を変更した。他の実施形態として、
図9に示したように、第1利用者U1による対象車両60の全使用期間中ではなく、直前の所定期間中の使用履歴情報に基づいて、余寿命減少度合を補正してもよい。
【0049】
図9は、
図8と同様に、縦軸を対象部品の余寿命(余寿命率)に設定し、横軸を対象車両の走行距離に設定して、対象車両60の走行距離に応じた対象部品の余寿命の減少の推移を示したものである。
図8と同じ要素については同一の符号を付している。
図9のt11は、対象車両60の走行距離がa’(a<a’<b)となった時点である。
【0050】
図9の(4)’は、t11~t2までの間の対象部品の余寿命消化度合の実績である。余寿命消化度合補正部13は、(4)’に基づいて対象部品の余寿命劣化度合を補正する。(2)’は、(4)’に基づいて補正した余寿命劣化度合により算出した対象部品の余寿命の減少の推移である。(3)’は、(2)’に保証条件に余裕を持たせるための重み付け係数を乗じた、対象部品の余寿命の減少の推移であり、t21になった時点(対象車両60の走行距離がb’になった時点)で、対象部品の余寿命がゼロになっている。
【0051】
このように、第1利用者U1による対象車両60の全使用期間ではなく、直前の所定期間における余寿命消化度合の実績に基づいて、対象部品の余寿命劣化度合を補正することにより、第1利用者U1が対象車両60を使用している途中での第1利用者U1の使用状況の変化をより反映させて、対象車両60の保証条件を変更することができる。
【0052】
上記実施形態では、余寿命消化度合を予測する対象部品として、エンジン、足回り、電装、シートを例示したが、バッテリ等の車両の使用状況に応じて余寿命の減少度合が変化する他の部品を対象部品としてもよい。
【0053】
上記実施形態では、本開示の移動体として車両を示したが、本開示の移動体は、航空機、船舶等であってもよい。
【0054】
上記実施形態では、余寿命消化度合補正部13を備えて、第1利用者U1による対象車両60の使用実績に基づいて、対象車両60の各対象部品の余寿命消化度合を補正したが、余寿命消化度合補正部13を省略した構成としてもよい。
【0055】
上記実施形態では、対象車両60の4つの対象部品(エンジン、足回り、電装、シート)について、余寿命消化度合を予測して余寿命減少予測期間を算出したが、3以下或いは5以上の対象部品について、余寿命消化度合を予測して余寿命減少予測期間を算出してもよい。
【0056】
上記実施形態では、中古の対象車両60を示したが、対象車両60は新車であってもよい。対象車両60が新車である場合は、判定時点余寿命認識部11は、対象車両60の車種或いは型式に応じた各対象部品の標準的な余寿命を、対象車両60の各対象部品の販売時点余寿命として認識する。
【0057】
上記実施形態では、車両メーカーサーバー210及び端末装置70との間で通信を行う保証条件設定システム1を示したが、保証条件設定システム1の構成の一部又は全部を、店舗管理システム101、車両メーカーサーバー210、端末装置70により構成してもよい。車両メーカーサーバー210の機能の一部として保証条件設定システム1を構成した場合は、車両メーカーサーバー210から端末装置70に、保証条件情報WTiが送信される。店舗管理システム101の機能の一部として保証条件設定システム1を構成した場合は、車両メーカーサーバー210から店舗管理システム101に負荷測定情報Lmiが送信され、店舗管理システム101から端末装置70に保証条件情報WTiが送信される。
【0058】
なお、
図1は、本願発明の理解を容易にするために、保証条件設定システム1の構成を、主な処理内容により区分して示した概略図であり、保証条件設定システム1を他の区分によって構成してもよい。また、各構成要素の処理は、1つのハードウェアユニットにより実行されてもよいし、複数のハードウェアユニットにより実行されてもよい。また、
図6,
図7に示した各構成要素による処理は、1つのプログラムにより実行されてもよいし、複数のプログラムにより実行されてもよい。
【0059】
[5.上記実施形態によりサポートされる構成]
上記実施形態は、以下の構成の具体例である。
【0060】
(構成1)判定時点における対象移動体の余寿命である判定時点余寿命を認識する判定時点余寿命認識部と、前記判定時点以降に前記対象移動体の使用を開始する第1利用者による前記対象移動体以外の他移動体の使用履歴情報に基づいて、前記第1利用者が前記対象移動体を使用する際の所定期間あたりの前記対象移動体の余寿命の消化度合である余寿命消化度合を予測する余寿命消化度合予測部と、前記判定時点以降に前記第1利用者が前記対象移動体を使用すると想定した場合に、前記対象移動体の余寿命が前記判定時点余寿命から所定判定値以下まで減少する予測期間である余寿命減少予測期間を、前記余寿命消化度合に基づいて算出する余寿命減少予測期間算出部と、前記余寿命減少予測期間に基づいて、前記対象移動体の保証条件を設定する保証条件設定部と、を備える保証条件設定システム。
構成1の保証条件設定システムによれば車両等の移動体の保証条件を、利用者による移動体の使用状況に応じて適切に設定することができる。
【0061】
(構成2)前記第1利用者による前記対象移動体の使用状況に基づいて、前記余寿命消化度合を補正する余寿命消化度合補正部を備え、前記余寿命減少予測期間算出部は、補正後の前記余寿命消化度合に基づいて前記余寿命減少予測期間を再度算出し、前記保証条件設定部は、前記余寿命減少予測期間算出部により補正後の前記余寿命消化度合に基づいて算出された前記余寿命減少予測期間に基づいて、前記保証条件を再設定する構成1に記載の保証条件設定システム。
構成2の保証条件設定システムによれば、利用者が実際に移動体の使用を開始した後の使用状況に応じて、余寿命消化度合を補正することにより、移動体の保証条件をより適切に設定することができる。
【0062】
(構成3)前記判定時点余寿命認識部は、前記対象移動体が前記判定時点以前に前記第1利用者以外の第2利用者によって使用されていた場合に、前記第2利用者による前記対象移動体の使用履歴情報に基づいて、前記判定時点余寿命を認識する構成1又は構成2に記載の保証条件設定システム。
構成3の保証条件設定システムによれば、対象移動体の過去の利用者による使用実績に応じて、判定時点余寿命を適切に認識することができる。
【0063】
(構成4)前記判定時点余寿命認識部は、前記対象移動体に備えられた複数の対象部品ごとに、前記判定時点余寿命を認識し、前記余寿命消化度合予測部は、複数の前記対象部品ごとに前記余寿命消化度合を予測し、前記余寿命減少予測期間算出部は、複数の前記対象部品ごとに前記余寿命減少予測期間を算出し、前記保証条件設定部は、複数の前記対象部品の前記余寿命減少予測期間に基づいて、前記対象移動体の保証条件を設定する構成1又は構成2に記載の保証条件設定システム。
構成4の保証条件設定システムによれば、各対象部品の余寿命の減少度合は、対象移動体の使用状況に応じて異なるため、複数の対象部品の余寿命減少予測期間に基づいて、第1利用者による対象移動体の使用状況に応じた保証条件を設定することができる。
【0064】
(構成5)コンピュータにより実行される保証条件設定方法であって、判定時点における移動体の余寿命である判定時点余寿命を、所定の余寿命算出条件に基づいて算出する判定時点余寿命算出ステップと、前記判定時点以降に前記移動体の使用を開始する利用者の運転履歴情報に基づいて、前記利用者が前記移動体を使用する際の所定期間あたりの前記移動体の余寿命の消化度合を予測する余寿命消化度合予測ステップと、前記判定時点以降に前記利用者が前記移動体を使用すると想定した場合の前記移動体の余寿命の減少の推移を、前記消化度合に基づいて予測する余寿命推移予測ステップと、前記余寿命推移予測ステップにより予測される前記移動体の余寿命と、前記判定時点余寿命との差が所定値以下となる特定時点までの期間、又は前記特定時点における前記移動体の前記判定時点からの推定移動距離を、前記判定時点における前記移動体の保証条件として設定する保証条件設定ステップと、を含む保証条件設定方法。
構成3の保証条件設定方法をコンピュータにより実行することによって、構成1の保証条件設定システムと同様の作用効果を得ることができる。
【符号の説明】
【0065】
1…保証条件設定システム、10…プロセッサ、11…判定時点余寿命認識部、12…余寿命消化度合予測部、13…余寿命消化度合補正部、14…余寿命減少予測期間算出部、15…保証条件設定部、20…メモリ、21…プログラム、22…負荷-疲労度マップ、23…物性値劣化度-余寿命マップ、30…通信ユニット、50…他車両、51…ECU、52…センサ類、60…対象車両、61…ECU、62…センサ類、70…端末装置、100…カーディーラー、101…店舗管理システム、200…通信ネットワーク、210…車両メーカーサーバー、211…車両管理DB、U1…第1利用者、U2…第2利用者、V…(カーティーラーの)サービススタッフ。