(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2025016096
(43)【公開日】2025-01-31
(54)【発明の名称】電力供給システム
(51)【国際特許分類】
H02J 3/38 20060101AFI20250124BHJP
H02J 3/32 20060101ALI20250124BHJP
H02J 3/46 20060101ALI20250124BHJP
H02J 7/34 20060101ALI20250124BHJP
H02J 7/35 20060101ALI20250124BHJP
【FI】
H02J3/38 110
H02J3/32
H02J3/46
H02J7/34 G
H02J7/35 K
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023119143
(22)【出願日】2023-07-21
(71)【出願人】
【識別番号】000000284
【氏名又は名称】大阪瓦斯株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001818
【氏名又は名称】弁理士法人R&C
(72)【発明者】
【氏名】百瀬 敏成
(72)【発明者】
【氏名】上野 智広
(72)【発明者】
【氏名】庄司 祐子
【テーマコード(参考)】
5G066
5G503
【Fターム(参考)】
5G066HA10
5G066HA15
5G066HB02
5G066HB06
5G066HB07
5G066HB09
5G066JA04
5G066JB03
5G503AA01
5G503AA06
5G503BB01
5G503DA05
5G503GB03
5G503GB06
(57)【要約】
【課題】電力供給機能を有する装置を有効活用できる電力供給システムを提供する。
【解決手段】電力供給システムが、パワーコンディショナ12と、切替盤3と、電力線4の第1電圧線及び中性線に接続され、第2電圧線には接続されないシステム側電気コンセント8aと、パワーコンディショナ12に対して接続される電気ケーブル21に接続され、電力を供給可能な電気コンセントに対して接続可能なシステム側電気プラグ20とを備え、発電装置9は、電力線4を構成する第1電圧線及び中性線に接続される交流100V電源であり、電力線4の上流側に設けられる切替盤3に対して電力線4から電力が供給されないように電力線4への供給電力を調節し、システム側電気プラグ20をシステム側電気コンセント8aに接続できるように構成されている。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
発電装置、充放電装置、及び、第1電圧線と第2電圧線と中性線とを有する単相3線式の電力線を備える電力供給システムであって、
前記充放電装置が接続されるパワーコンディショナと、
前記発電装置及び電力負荷が接続される前記電力線を電力系統及び前記パワーコンディショナの両方に対して電気的に接続する連系接続状態、並びに、前記電力線を前記パワーコンディショナに対して電気的に接続し且つ前記電力線を前記電力系統に対して電気的に接続しない自立接続状態の何れかに切り替わる切替盤と、
前記電力線の前記第1電圧線及び前記中性線に接続され、前記第2電圧線には接続されないシステム側電気コンセントと、
前記パワーコンディショナに対して接続される電気ケーブルに接続され、電力を供給可能な電気コンセントに対して接続可能なシステム側電気プラグとを備え、
前記発電装置は、前記電力線を構成する前記第1電圧線及び前記中性線に接続される交流100V電源であり、前記電力線の上流側に設けられる前記切替盤に対して前記電力線から電力が供給されないように前記電力線への供給電力を調節し、
前記システム側電気プラグを前記システム側電気コンセントに接続できるように構成されている電力供給システム。
【請求項2】
前記電気ケーブルの長さは、前記システム側電気プラグを前記システム側電気コンセントに接続できる長さである請求項1に記載の電力供給システム。
【請求項3】
前記システム側電気コンセントは、ブレーカを介して前記電力線に接続され、
前記パワーコンディショナは、前記電気ケーブルを流れる電流を前記ブレーカの定格電流より小さい所定電流以下に制限する請求項1又は2に記載の電力供給システム。
【請求項4】
発電装置、充放電装置、及び、第1電圧線と第2電圧線と中性線とを有する単相3線式の電力線を備える電力供給システムであって、
前記充放電装置が接続されるパワーコンディショナと、
前記発電装置及び電力負荷が接続される前記電力線を電力系統及び前記パワーコンディショナの両方に対して電気的に接続する連系接続状態、並びに、前記電力線を前記パワーコンディショナに対して電気的に接続し且つ前記電力線を前記電力系統に対して電気的に接続しない自立接続状態の何れかに切り替わる切替盤と、
前記パワーコンディショナに接続される電源切替器と、
前記電源切替器に対して接続される電気ケーブルに接続され、電力を供給可能な電気コンセントに対して接続可能なシステム側電気プラグと、
前記電力線の前記第1電圧線及び前記中性線に接続され、前記電源切替器と前記電力線との間を接続する接続線とを備え、
前記発電装置は、前記電力線を構成する前記第1電圧線及び前記中性線に接続される交流100V電源であり、前記電力線の上流側に設けられる前記切替盤に対して前記電力線から電力が供給されないように前記電力線への供給電力を調節し、
前記電源切替器は、前記システム側電気プラグが前記電気コンセントに接続されないことにより前記電気ケーブルに電力が供給されない状態にある場合、前記パワーコンディショナと前記接続線との間を電気的に接続し且つ前記パワーコンディショナと前記電気ケーブルとの間を電気的に接続しない第1接続状態に切り替わり、前記システム側電気プラグが前記電気コンセントに接続されることにより前記電気ケーブルに電力が供給される状態にある場合、前記パワーコンディショナと前記電気ケーブルとの間を電気的に接続し且つ前記パワーコンディショナと前記接続線との間を電気的に接続しない第2接続状態に切り替わるように構成される電力供給システム。
【請求項5】
前記接続線は、ブレーカを介して前記電力線に接続され、
前記パワーコンディショナは、前記電源切替器を流れる電流を前記ブレーカの定格電流より小さい所定電流以下に制限する請求項4に記載の電力供給システム。
【請求項6】
前記切替盤は、前記電力系統が前記切替盤に電力を正常に供給しない異常状態から電力を正常に供給する正常状態になった場合、第1所定期間が経過した後で、前記自立接続状態から前記連系接続状態への切り替えを行い、
前記パワーコンディショナは、前記電力系統が前記異常状態から前記正常状態になった場合、電力の入出力を前記第1所定期間以上の第2所定期間停止し、
前記発電装置は、前記電力線から前記発電装置への電力の入力が前記第1所定期間より短い第3所定期間停止した場合、前記電力線から前記発電装置への電力の入力が停止している間、及び、前記電力線から前記発電装置への電力の入力が開始されてから前記第2所定期間、前記発電装置から前記電力線への電力の供給を停止する請求項1又は4に記載の電力供給システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、発電装置及び充放電装置を備える電力供給システムに関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1(特許第6289661号公報)には、発電装置(23)と充放電装置(蓄電池12)とを備える電力供給システムが記載されている。この電力供給システムでは、発電装置(23)は、電力系統からの電力供給が正常に行われている連系運転時には、電流センサ(40)が順潮流を検出する間、発電するように構成されている。つまり、発電装置(23)の発電電力は負荷の消費電力未満に制限される。また、この電力供給システムでは、電力系統からの電力供給が正常に行われていない自立運転時には、電流センサ(40)を経由しない経路で、発電装置(23)の余剰電力を充放電装置(12)に充電できる。
【0003】
特許文献2(特許第6351351号公報)には、電気自動車の蓄電池を接続可能な電力供給システムが記載されている。電力供給システムに電気自動車の蓄電池が接続されている間、商用系統側からの交流電力を直流電力に変換して電気自動車の蓄電池を充電でき、電気自動車の蓄電池からの直流電力を交流電力に変換して住宅側(電力供給システム側)に出力できる。このように、特許文献2に記載の電力供給システムでは、電力が必要な場合に電気自動車の蓄電池から電力の供給を受けることができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特許第6289661号公報
【特許文献2】特許第6351351号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献2に記載のようなV2H(Vehicle to Home)システムは便利であるが、電気自動車及び電力供給システムの間で双方向で電力をやり取りするための装置が高価になるという問題がある。
【0006】
また、電気自動車、燃料電池自動車、プラグインハイブリッド自動車などの他にも、交流電力を出力可能な電気コンセントを備える車両が数多く存在する。更に、交流電力を出力可能な電気コンセントを備える可搬型の発電装置や蓄電装置なども数多く存在する。そのため、電力供給システムで電力が不足する場合などに、それらの車両や装置などから交流電力の供給を受けることができれば好ましい。
【0007】
本発明は、上記の課題に鑑みてなされたものであり、その目的は、電力供給機能を有する装置を有効活用できる電力供給システムを提供する点にある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記目的を達成するための本発明に係る電力供給システムの特徴構成は、発電装置、充放電装置、及び、第1電圧線と第2電圧線と中性線とを有する単相3線式の電力線を備える電力供給システムであって、
前記充放電装置が接続されるパワーコンディショナと、
前記発電装置及び電力負荷が接続される前記電力線を電力系統及び前記パワーコンディショナの両方に対して電気的に接続する連系接続状態、並びに、前記電力線を前記パワーコンディショナに対して電気的に接続し且つ前記電力線を前記電力系統に対して電気的に接続しない自立接続状態の何れかに切り替わる切替盤と、
前記電力線の前記第1電圧線及び前記中性線に接続され、前記第2電圧線には接続されないシステム側電気コンセントと、
前記パワーコンディショナに対して接続される電気ケーブルに接続され、電力を供給可能な電気コンセントに対して接続可能なシステム側電気プラグとを備え、
前記発電装置は、前記電力線を構成する前記第1電圧線及び前記中性線に接続される交流100V電源であり、前記電力線の上流側に設けられる前記切替盤に対して前記電力線から電力が供給されないように前記電力線への供給電力を調節し、
前記システム側電気プラグを前記システム側電気コンセントに接続できるように構成されている点にある。
【0009】
上記特徴構成によれば、システム側電気プラグが電力を供給可能な電気コンセントに接続された場合、システム側電気プラグに接続される電気ケーブルに接続されるパワーコンディショナは、その電気コンセントから電力の供給を受けることができる。例えば、電気コンセントを備える車両や、電気コンセントを備える可搬型の発電装置及び蓄電装置などから、パワーコンディショナは電力の供給を受けることができる。その結果、その電気コンセントから供給される電力で、パワーコンディショナに接続される充放電装置を充電できる。
尚、本特徴構成では、発電装置が電力線の上流側に設けられる切替盤に対して電力線から電力が供給されないように電力線への供給電力を調節するため、発電装置から充放電装置に対して、電力線及び切替盤を経由した電力供給を行うことができない。しかし、本特徴構成では、電力線に接続されるシステム側電気コンセントに対してシステム側電気プラグが接続された場合、電力線から供給される電力で、パワーコンディショナに接続される充放電装置を充電できる。
【0010】
更に、本特徴構成では、発電装置及びシステム側電気コンセントは共に、電力線を構成する第1電圧線及び中性線に接続されている。つまり、3相単線式の電力線において、発電装置が電力を供給する相と、システム側電気コンセントから電力が例えばパワーコンディショナへ取り出される相とが同じである。その結果、電力線の相間での電力の不平衡が生じ難くなる。
従って、電力供給機能を有する装置を有効活用できる電力供給システムを提供できる。
【0011】
本発明に係る電力供給システムの別の特徴構成は、前記電気ケーブルの長さは、前記システム側電気プラグを前記システム側電気コンセントに接続できる長さである点にある。
【0012】
上記特徴構成によれば、システム側電気プラグをシステム側電気コンセントに対して確実に接続できる。
【0013】
本発明に係る電力供給システムの別の特徴構成は、前記システム側電気コンセントは、ブレーカを介して前記電力線に接続され、
前記パワーコンディショナは、前記電気ケーブルを流れる電流を前記ブレーカの定格電流より小さい所定電流以下に制限する点にある。
【0014】
上記特徴構成によれば、ブレーカに大電流が流れ続けることを防止できる。
【0015】
本発明に係る電力供給システムの別の特徴構成は、発電装置、充放電装置、及び、第1電圧線と第2電圧線と中性線とを有する単相3線式の電力線を備える電力供給システムであって、
前記充放電装置が接続されるパワーコンディショナと、
前記発電装置及び電力負荷が接続される前記電力線を電力系統及び前記パワーコンディショナの両方に対して電気的に接続する連系接続状態、並びに、前記電力線を前記パワーコンディショナに対して電気的に接続し且つ前記電力線を前記電力系統に対して電気的に接続しない自立接続状態の何れかに切り替わる切替盤と、
前記パワーコンディショナに接続される電源切替器と、
前記電源切替器に対して接続される電気ケーブルに接続され、電力を供給可能な電気コンセントに対して接続可能なシステム側電気プラグと、
前記電力線の前記第1電圧線及び前記中性線に接続され、前記電源切替器と前記電力線との間を接続する接続線とを備え、
前記発電装置は、前記電力線を構成する前記第1電圧線及び前記中性線に接続される交流100V電源であり、前記電力線の上流側に設けられる前記切替盤に対して前記電力線から電力が供給されないように前記電力線への供給電力を調節し、
前記電源切替器は、前記システム側電気プラグが前記電気コンセントに接続されないことにより前記電気ケーブルに電力が供給されない状態にある場合、前記パワーコンディショナと前記接続線との間を電気的に接続し且つ前記パワーコンディショナと前記電気ケーブルとの間を電気的に接続しない第1接続状態に切り替わり、前記システム側電気プラグが前記電気コンセントに接続されることにより前記電気ケーブルに電力が供給される状態にある場合、前記パワーコンディショナと前記電気ケーブルとの間を電気的に接続し且つ前記パワーコンディショナと前記接続線との間を電気的に接続しない第2接続状態に切り替わるように構成される点にある。
【0016】
上記特徴構成によれば、電源切替器は、システム側電気プラグが電気コンセントに接続されることにより電気ケーブルに電力が供給される状態にある場合、パワーコンディショナと電気ケーブルとの間を電気的に接続する第2接続状態に切り替わる。つまり、システム側電気プラグに接続される電気ケーブルに接続されるパワーコンディショナは、その電気コンセントから電力の供給を受けることができる。例えば、電気コンセントを備える車両や、電気コンセントを備える可搬型の発電装置及び蓄電装置などから、パワーコンディショナは電力の供給を受けることができる。その結果、その電気コンセントから供給される電力で、パワーコンディショナに接続される充放電装置を充電できる。
尚、本特徴構成では、発電装置が電力線の上流側に設けられる切替盤に対して電力線から電力が供給されないように電力線への供給電力を調節するため、発電装置から充放電装置に対して、電力線及び切替盤を経由した電力供給を行うことができない。しかし、本特徴構成では、電源切替器は、システム側電気プラグが電気コンセントに接続されないことにより電気ケーブルに電力が供給されない状態にある場合、パワーコンディショナと、電力線に接続される接続線との間を電気的に接続する第1接続状態に切り替わる。つまり、電力線から供給される電力で、パワーコンディショナに接続される充放電装置を充電できる。
【0017】
更に、本特徴構成では、発電装置及び接続線は共に、電力線を構成する第1電圧線及び中性線に接続されている。つまり、3相単線式の電力線において、発電装置が電力を供給する相と、接続線から電力が例えば電源切替器を介してパワーコンディショナへ取り出される相とが同じである。その結果、電力線の相間での電力の不平衡が生じ難くなる。
従って、電力供給機能を有する装置を有効活用できる電力供給システムを提供できる。
【0018】
本発明に係る電力供給システムの別の特徴構成は、前記接続線は、ブレーカを介して前記電力線に接続され、
前記パワーコンディショナは、前記電源切替器を流れる電流を前記ブレーカの定格電流より小さい所定電流以下に制限する点にある。
【0019】
上記特徴構成によれば、ブレーカに大電流が流れ続けることを防止できる。
【0020】
本発明に係る電力供給システムの別の特徴構成は、前記切替盤は、前記電力系統が前記切替盤に電力を正常に供給しない異常状態から電力を正常に供給する正常状態になった場合、第1所定期間が経過した後で、前記自立接続状態から前記連系接続状態への切り替えを行い、
前記パワーコンディショナは、前記電力系統が前記異常状態から前記正常状態になった場合、電力の入出力を前記第1所定期間以上の第2所定期間停止し、
前記発電装置は、前記電力線から前記発電装置への電力の入力が前記第2所定期間より短い第3所定期間停止した場合、前記電力線から前記発電装置への電力の入力が停止している間、及び、前記電力線から前記発電装置への電力の入力が開始されてから前記第2所定期間、前記発電装置から前記電力線への電力の供給を停止する点にある。
【0021】
上記特徴構成によれば、電力系統が異常状態から正常状態になった場合、切替盤は、第1所定期間が経過した後で、自立接続状態から連系接続状態への切り替えを行い、パワーコンディショナは、電力の入出力を第2所定期間停止する。つまり、電力系統が異常状態から正常状態になったとしても、第1所定期間が経過するまでの間、電力線がパワーコンディショナに対して電気的に接続され且つ電力線が電力系統に対して電気的に接続されない状態であり、パワーコンディショナから電力線には第2所定期間の間、電力の供給は停止される。従って、発電装置は、電力線から発電装置への電力の入力が第3所定期間停止したことを検知する。そして、発電装置は、電力線から発電装置への電力の入力が停止している間、及び、電力線から発電装置への電力の入力が開始されてから第2所定期間、発電装置から電力線への電力の供給を停止する。このように、電力系統が異常状態から正常状態になった場合、パワーコンディショナは電力の入出力を第2所定期間停止し、発電装置は、電力線から発電装置への電力の入力が開始されてから第2所定期間、電力線への電力の供給を停止する。その結果、電力系統が異常状態から正常状態になった場合、パワーコンディショナ及び発電装置が電力線に対して電力を供給しない期間を確実に設けることができる。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【
図1】第1実施形態の電力供給システムの構成を示す図である。
【
図2】第1実施形態の電力供給システムの構成を示す図である。
【
図3】第1実施形態の電力供給システムの構成を示す図である。
【
図4】第1実施形態の電力供給システムの構成を示す図である。
【
図5】第1実施形態の電力供給システムの構成を示す図である。
【
図6】第1実施形態の電力供給システムの構成を示す図である。
【
図7】第2実施形態の電力供給システムの構成を示す図である。
【
図8】第2実施形態の電力供給システムの構成を示す図である。
【
図9】第2実施形態の電力供給システムの構成を示す図である。
【
図10】別実施形態の電力供給システムの構成を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0023】
<第1実施形態>
以下に図面を参照して本発明の第1実施形態に係る電力供給システムについて説明する。
図1~
図6は、第1実施形態の電力供給システムの構成を示す図である。図示するように、電力供給システムは、発電装置9、充放電装置19、及び、第1電圧線と第2電圧線と中性線とを有する単相3線式の電力線4を備える。加えて、電力供給システムは、パワーコンディショナ12と、切替盤3と、システム側電気コンセント8と、システム側電気プラグ20とを備える。以下の実施形態では、電力線4の第1電圧線のことをU相、第2電圧線のことをV相、中性線のことをN相と記載する場合がある。電力供給システムは、住戸や事業所などの施設に設けられる。
【0024】
パワーコンディショナ12には、切替盤3と、太陽電池装置18と、充放電装置19と、システム側電気プラグ20に接続される電気ケーブル21とが接続される。具体的には、パワーコンディショナ12は、太陽電池装置18が接続されるDC/DC変換部15と、充放電装置19が接続されるDC/DC変換部16と、電気ケーブル21が接続される入力用電力変換部17とを備える。加えて、パワーコンディショナ12は、DC/DC変換部15、DC/DC変換部16、及び、入力用電力変換部17に接続されて、その直流電力を交流電力に変換するインバータ14と、インバータ14の交流側に接続される切替器13とを備える。切替器13は、インバータ14の交流側に接続される接点aと、連系接続線5に接続される接点bと、自立接続線6に接続される接点cとを有する。
【0025】
電気ケーブル21に接続されるシステム側電気プラグ20は、電力を供給可能な可搬型の電源装置22に設けられる電気コンセント(図示せず)に対して接続可能である。そして、パワーコンディショナ12は、システム側電気プラグ20が電源装置22の電気コンセントと電気的に接続された場合、入力用電力変換部17を介して、電源装置22からの電力供給を受けることができる。
【0026】
電源装置22は、電力を出力可能な電気コンセントを備える可搬型の発電装置や蓄電装置などである。例えば、電源装置22は、電力を出力可能な電気コンセントを有する蓄電装置や発電装置等を備える車両(例えば電気自動車、燃料電池自動車、ハイブリッド自動車など)であってもよい。
【0027】
切替盤3は、発電装置9及び電力負荷7が接続される電力線4を電力系統1及びパワーコンディショナ12の両方に対して電気的に接続する連系接続状態(
図1)、並びに、電力線4(分電盤)をパワーコンディショナ12に対して電気的に接続し且つ電力線4(分電盤)を電力系統1に対して電気的に接続しない自立接続状態(
図2及び
図3)の何れかに切り替わる。つまり、
図1に示す連系接続状態の場合、切替盤3は、電力系統1と電力線4との間でそれらの電気的な接続を行い、電力系統1とパワーコンディショナ12との間でそれらの電気的な接続を行い、電力線4とパワーコンディショナ12との間でそれらの電気的な接続を行う。また、
図2に示す自立接続状態の場合、切替盤3は、電力系統1と電力線4との間でそれらの電気的な接続を遮断し、電力系統1とパワーコンディショナ12との間でそれらの電気的な接続を遮断し、電力線4とパワーコンディショナ12との間でそれらの電気的な接続を行う。
【0028】
具体的には、切替盤3は、引込線2を介して電力系統1に接続される。切替盤3とパワーコンディショナ12との間は連系接続線5及び自立接続線6によって接続される。また、切替盤3は、切替スイッチ3cを備えている。切替スイッチ3cの接点aは電力線4に接続される。切替スイッチ3cの接点bは、電力系統1に接続される引込線2、連系接続線5に接続されるブレーカ3d、及び、遅延タイマー回路3bに接続される。
【0029】
切替スイッチ3cは、接点aと接点bとが接続される状態(連系接続状態)、及び、接点aと接点cとが接続される状態(自立接続状態)の何れかに切り替わる。本実施形態では、電磁コイル3aに電力が供給されている場合にはその電磁力によって切替スイッチ3cは連系接続状態に切り替わり、電磁コイル3aに電力が供給されていない場合には切替スイッチ3cは自立接続状態に切り替わる。
【0030】
遅延タイマー回路3bは、切替スイッチ3cの接点bと電気的に接続されており、電力系統1及び連系接続線5の少なくとも一方から電力の供給を受けることができる。そして、遅延タイマー回路3bは、電力の供給が開始された時点から第1所定期間が経過した後で、電力を電磁コイル3aに供給する。つまり、切替スイッチ3cは、電力系統1が電力を正常に供給していない異常状態(例えば停電など)から、電力系統1が切替盤3に電力を正常に供給する正常状態になった場合、その時点から第1所定期間が経過した後で、自立接続状態(接点aと接点cとが接続される状態)から連系接続状態(接点aと接点bとが接続される状態)へと切り替わる。
【0031】
電力線4には、発電装置9、電力負荷7(7a、7b)及びシステム側電気コンセント8(8a、8b)のそれぞれが各ブレーカ11を介して接続される。
【0032】
発電装置9は、電力線4を構成する第1電圧線(U相)及び中性線(N相)に接続される交流100V電源である。例えば、発電装置9は、燃料電池装置や、エンジンとそのエンジンによって駆動される発電機とを備える装置などである。また、電力線4に対する発電装置9の接続箇所P1よりも上流側(電力系統1側)の部位を流れる電力を測定し、測定結果を発電装置9に伝達する電力測定部10が設けられる。発電装置9は、自身が電力線4に供給する電力を調節できる。例えば、発電装置9は、定格電力を電力線4に出力する運転や、電力測定部10で測定される電力が逆潮流電力にならないように、即ち、発電装置9が供給する電力が上流側の切替盤3の方に向かわないように発電電力を調節する運転などを行うことができる。
【0033】
電力負荷7aは、電力線4を構成する第1電圧線(U相)及び中性線(N相)に接続される100V負荷である。電力負荷7bは、電力線4を構成する第2電圧線(V相)及び中性線(N相)に接続される100V負荷である。
【0034】
システム側電気コンセント8aは、電力線4を構成する第1電圧線(U相)及び中性線(N相)に接続される100V負荷用の電気コンセントである。つまり、システム側電気コンセント8aは、電力線4の第1電圧線及び中性線に接続され、第2電圧線には接続されない電気コンセントである。また、システム側電気コンセント8bは、電力線4を構成する第2電圧線(V相)及び中性線(N相)に接続される100V負荷用の電気コンセントである。
【0035】
図1は、電力系統1が切替盤3に電力を正常に供給する正常状態である場合の図である。図中では、電力の供給が行われている箇所を太線で示している。図示するように、電力系統1から正常に電力が供給され続けているため、切替盤3の遅延タイマー回路3bは電磁コイル3aへ電力を供給している状態になっている。そのため、切替スイッチ3cは接点aと接点bとを接続する状態に切り替わっている。また、ブレーカ3dは閉作動しているため(導通させる状態になっているため)、電力系統1から供給される電力の電圧は連系接続線5を介してパワーコンディショナ12にも伝わる。その結果、切替盤3は、発電装置9及び電力負荷7が接続される電力線4を電力系統1及びパワーコンディショナ12の両方に対して電気的に接続する連系接続状態になっている。
【0036】
パワーコンディショナ12は、連系接続線5を介して電力系統1からの電力供給が正常に行われている正常状態であることを認識できるため、切替器13を、接点aと接点bとが接続される状態に切り替える。尚、入力用電力変換部17は、システム側電気プラグ20が電源装置22の電気コンセントに接続されることで電圧入力がある場合にのみ、電気ケーブル21から電力の入力を受ける動作(電力入力動作)を行う。
【0037】
図2及び
図3は、電力系統1が切替盤3に電力を正常に供給しない異常状態である場合の図である。図中では、電力の供給が行われている箇所を太線で示している。具体的には、
図2は、システム側電気プラグ20がシステム側電気コンセント8aに接続された状態(即ち、電気的に接続された状態)を示す図である。
図3は、システム側電気プラグ20が電源装置22の電気コンセントに接続された状態(即ち、電気的に接続された状態)を示す図である。
【0038】
図2及び
図3に示すように、電力系統1から正常に電力が供給されないため、切替盤3の電磁コイル3aへ電力が供給されなくなる。そのため、切替スイッチ3cは接点aと接点cとを接続する状態に切り替わっている。また、電力系統1から電力が供給されなくなったことは連系接続線5を介してパワーコンディショナ12にも伝わる。そして、パワーコンディショナ12は、電力系統1からの電力供給が正常に行われていない異常状態であることを認識できるため、切替器13を、接点aと接点cとが接続される状態に切り替える。その結果、パワーコンディショナ12は自立接続線6を介した電力入出力を行うようになる。切替盤3は、電力線4をパワーコンディショナ12に対して電気的に接続し且つ電力線4を電力系統1に対して電気的に接続しない自立接続状態に切り替える。
【0039】
図2に示す例では、システム側電気プラグ20を、電力を供給できるシステム側電気コンセント8(8a、8b)に接続できるように構成されている。特に、システム側電気プラグ20を、発電装置9が接続されている相(U相及びN相)と同じ相に接続されるシステム側電気コンセント8aに接続できるように構成され、
図2では実際にシステム側電気プラグ20がシステム側電気コンセント8aに接続されている。
【0040】
本実施形態では、電気ケーブル21の長さは、システム側電気プラグ20をシステム側電気コンセント8aに接続できる長さである。また、システム側電気コンセント8aの周囲に、そのシステム側電気コンセント8aがシステム側電気プラグ20を接続するための電気コンセントであることを示す表示があれば好ましい。更に、施設の利用者等が参照する説明書などに、システム側電気コンセント8aがシステム側電気プラグ20を接続するための電気コンセントであることを示す記載があれば好ましい。
【0041】
そして、パワーコンディショナ12は、入力用電力変換部17に対して電力の入力がある場合、入力用電力変換部17を介して電気ケーブル21から電力の供給を受けるように構成されている。つまり、
図2に示す例では、パワーコンディショナ12は、入力用電力変換部17、電気ケーブル21、システム側電気プラグ20及びシステム側電気コンセント8aを介して、電力線4から電力の供給を受けることができる。
【0042】
特に、
図2に示す例では、パワーコンディショナ12の入力用電力変換部17に接続されるシステム側電気プラグ20が、発電装置9が接続されている相(U相及びN相)と同じ相に接続されるシステム側電気コンセント8aに接続されている。そのため、発電装置9が電力線4に供給した電力が、システム側電気コンセント8a、システム側電気プラグ20及び電気ケーブル21を介して、パワーコンディショナ12に入力され、その電力が例えば充放電装置19に充電される。このように、発電装置9及びシステム側電気コンセント8aは共に、電力線4を構成する第1電圧線(U相)及び中性線(N相)に接続されている。つまり、3相単線式の電力線4において、発電装置9が電力を供給する相と、システム側電気コンセント8aから電力が例えばパワーコンディショナ12へ取り出される相とが同じである。その結果、電力線4の相間での電力の不平衡が生じ難くなる。
【0043】
図3に示す例では、システム側電気プラグ20が電源装置22の電気コンセント(図示せず)に接続されている。そのため、パワーコンディショナ12は、入力用電力変換部17、電気ケーブル21、システム側電気プラグ20を介して、電源装置22から電力の供給を受けることができる。そして、電源装置22から供給される電力が、システム側電気プラグ20及び電気ケーブル21を介してパワーコンディショナ12に入力され、その電力が例えば充放電装置19に充電される。
【0044】
パワーコンディショナ12は、電気ケーブル21を流れる電流をブレーカ11の定格電流より小さい所定電流以下(例えば定格電流の30%の電流以下など)に制限してもよい。このような制限が行われることで、電気ケーブル21が接続されている一つのブレーカ11に流れる電流が、定格電流より十分小さい所定電流以下になり、ブレーカ11に大電流が流れ続けることを防止できる。例えば、ブレーカ11の定格電流が20Aであり、パワーコンディショナ12が、電気ケーブル21を流れる電流をブレーカ11の定格電流の30%にするように設定されている場合、電気ケーブル21を流れる電流は6A(=20A×0.3)になる。
【0045】
以上のように、システム側電気プラグ20が電力を供給可能な電気コンセントに接続された場合、システム側電気プラグ20に接続される電気ケーブル21に接続されるパワーコンディショナ12は、その電気コンセントから電力の供給を受けることができる。例えば、電気コンセントを備える車両や、電気コンセントを備える可搬型の発電装置及び蓄電装置などの電源装置22から、パワーコンディショナ12は電力の供給を受けることができる。その結果、その電気コンセントから供給される電力で、パワーコンディショナ12に接続される充放電装置19を充電できる。
【0046】
尚、本実施形態では、発電装置9が電力線4の上流側に設けられる切替盤3に対して電力線4から電力が供給されないように電力線4への供給電力を調節するため、発電装置9から充放電装置19に対して、電力線4及び切替盤3を経由した電力供給を行うことができない。しかし、電力線4に接続されるシステム側電気コンセント8に対してシステム側電気プラグ20が接続された場合、電力線4から供給される電力(例えば発電装置9の発電電力など)で、パワーコンディショナ12に接続される充放電装置19を充電できる。
【0047】
次に、
図4~
図6を参照して、電力系統1からの電力供給が正常に戻った後(即ち復電した後)での電力供給システムの動作について説明する。
図4は、
図2に示した自立状態から電力系統1が復電した状態へ移行した直後の状態を示す図である。この例では、電力系統1からの切替盤3への電力供給が正常に行われているため、遅延タイマー回路3bへも電力は供給される。但し、遅延タイマー回路3bは、電力を即座に電磁コイル3aへ供給するのではなく、第1所定期間(例えば2秒間など)が経過した後で電磁コイル3aへ電力を供給する。従って、
図4に示す時点では、電磁コイル3aへの電力の供給は行われていない。そのため、切替スイッチ3cは接点aと接点cとが接続される状態になっている。
【0048】
また、電力系統1からの切替盤3への電力供給が正常に行われているため、連系接続線5を介してパワーコンディショナ12へも電力供給が行われる。つまり、パワーコンディショナ12は、電力系統1が異常状態から正常状態になったことを認識できる。そして、パワーコンディショナ12は、電力系統1が異常状態から正常状態になった場合、電力の入出力を上記第1所定期間以上の第2所定期間(例えば300秒間など)停止する。具体的には、パワーコンディショナ12は、連系接続線5及び自立接続線6との間での電力の入出力を停止し、太陽電池装置18からの電力の入力を停止し、充放電装置19との間での電力の入出力を停止し、入力用電力変換部17からの電力の入力を停止する。具体的には、パワーコンディショナ12は、インバータ14、DC/DC変換部15、DC/DC変換部16、及び、入力用電力変換部17の動作を停止させる。
【0049】
従って、
図4に示す状態では、電力線4には電力が供給されない。そのため、発電装置9は、電力線4には電力が供給されていないこと、即ち、停電が発生したことを認識できる。例えば、発電装置9は、電力線4から発電装置9への電力の入力が第3所定期間(例えば1秒など)停止した場合、電力線4で停電が発生したと判定する。そして、発電装置9は、電力線4から発電装置9への電力の入力が上記第1所定期間(例えば2秒間など)より短い第3所定期間(例えば1秒間など)停止した場合、電力線4から発電装置9への電力の入力が停止している間、及び、電力線4から発電装置9への電力の入力が開始されてから第2所定期間(例えば300秒間など)、発電装置9から電力線4への電力の供給を停止する。発電装置9は、例えばアイドリング状態などで動作することで、電力線4への電力の供給を停止する。
【0050】
具体的に説明すると、切替盤3及びパワーコンディショナ12が上述のように動作した場合、遅延タイマー回路3bが電磁コイル3aに電力を供給せず、且つ、パワーコンディショナ12が電力の入出力を停止している期間(即ち、第1所定期間(例えば2秒間など)と第2所定期間(例えば300秒間など)とが重複する期間)は、電力線4には電力が供給されない。そのため、発電装置9は、その間が第3所定期間(例えば1秒など)以上あれば、電力線4で停電が発生したと判定して、電力線4への電力の供給を停止する状態(例えばアイドリング状態など)で動作する。
【0051】
図5は、
図2に示した状態から電力系統1が復電した状態へ移行した後、上記第1所定期間が経過した後の状態を示す図である。つまり、遅延タイマー回路3bは、上記第1所定期間(例えば2秒間など)が経過したことに応じて、電磁コイル3aへの電力の供給を開始している。そのため、切替スイッチ3cは接点aと接点bとが接続される状態に切り替わる。そして、電力系統1から供給される電力が切替盤3を介して電力線4に供給される。このように、切替盤3は、電力系統1が切替盤3に電力を正常に供給しない異常状態から電力を正常に供給する正常状態になった場合、第1所定期間が経過した後で、自立接続状態から連系接続状態への切り替えを行うように構成されている。
【0052】
また、発電装置9は、電力線4に対する電力の供給が再開されたことを認識できる。この場合、発電装置9は、電力線4への電力の供給を第2所定期間(300秒間)停止する。つまり、発電装置9は、電力線4から発電装置9への電力の入力が第3所定期間停止した場合、電力線4から発電装置9への電力の入力が停止している間、及び、電力線4から発電装置9への電力の入力が開始されてから第2所定期間、発電装置9から電力線4への電力の供給を停止する。
図5に示す状態は、パワーコンディショナ12は、電力の入出力を第2所定期間(例えば300秒間など)停止している途中の状態である。
【0053】
図6は、パワーコンディショナ12が電力の入出力を第2所定期間(300秒間)停止する状態を終了した時点での状態を示す図である。この場合、パワーコンディショナ12は、インバータ14を動作させて切替盤3との間で電力の入出力を行うことができ、DC/DC変換部15を動作させて太陽電池装置18から電力の入力を行うことができ、DC/DC変換部16を動作させて充放電装置19との間で電力の入出力を行うことができ、入力用電力変換部17を動作させて電気ケーブル21から電力の入力を行うことができる。
【0054】
尚、
図6に示す状態では、発電装置9は、電力線4への電力の出力を第2所定期間(300秒間)停止している途中である。
【0055】
その後、発電装置9が電力の入出力を第2所定期間(300秒間)停止する状態を終了すれば、
図1などに示すように、発電装置9が電力線4に対して電力を供給する状態になる。
【0056】
図4~
図6を参照して説明したように、電力系統1が異常状態から正常状態になった場合、切替盤3は、第1所定期間(例えば2秒間など)が経過した後で、自立接続状態から連系接続状態への切り替えを行い、パワーコンディショナ12は、電力の入出力を第2所定期間(例えば300秒間など)停止する。つまり、電力系統1が異常状態から正常状態になったとしても、第1所定期間が経過するまでの間、電力線4がパワーコンディショナ12に対して電気的に接続され且つ電力線4が電力系統1に対して電気的に接続されない状態であり、パワーコンディショナ12から電力線4には第2所定期間の間、電力の供給は停止される。従って、発電装置9は、電力線4から発電装置9への電力の入力が第3所定期間(例えば1秒間など)停止したことを検知する。そして、発電装置9は、電力線4から発電装置9への電力の入力が停止している間、及び、電力線4から発電装置9への電力の入力が開始されてから第2所定期間、発電装置9から電力線4への電力の供給を停止する。このように、電力系統1が異常状態から正常状態になった場合、パワーコンディショナ12は電力の入出力を第2所定期間停止し、発電装置9は、電力線4から発電装置9への電力の入力が開始されてから第2所定期間、電力線4への電力の供給を停止する。その結果、電力系統1が異常状態から正常状態になった場合、パワーコンディショナ12及び発電装置9が電力線4に対して電力を供給しない期間を確実に設けることができる。
【0057】
<第2実施形態>
第2実施形態の電力供給システムは、電源切替部が設けられる点で上記実施形態と異なっている。以下に第2実施形態の電力供給システムについて説明するが、上記実施形態と同様の構成については説明を省略する。
【0058】
図7及び
図8は、第2実施形態の電力供給システムの構成を示す図である。
図示するように、電力供給システムはパワーコンディショナ12に接続される電源切替器23を備える。電源切替器23は電気ケーブル21と接続線27と中継線28とに接続されている。つまり、電源切替器23は、電気ケーブル21と接続線27との間を接続し、電気ケーブル21と中継線28との間を接続し、接続線27と中継線28との間を接続する。
【0059】
接続線27はブレーカ11を介して電力線4の接続箇所P2に接続されている。接続箇所P2は、電力線4に対する発電装置9の接続箇所P1よりも下流側(即ち、電力系統1から遠ざかる側)に位置している。
【0060】
図7及び
図8に示すように、電源切替器23は、システム側電気プラグ20が電気コンセントに接続されないことにより電気ケーブル21に電力が供給されない状態にある場合、パワーコンディショナ12と接続線27との間を電気的に接続し且つパワーコンディショナ12と電気ケーブル21との間を電気的に接続しない第1接続状態に切り替わるように構成される。
【0061】
また、
図9に示すように、電源切替器23は、システム側電気プラグ20が電気コンセントに接続されることにより電気ケーブル21に電力が供給される状態にある場合、パワーコンディショナ12と電気ケーブル21との間を電気的に接続し且つパワーコンディショナ12と接続線27との間を電気的に接続しない第2接続状態に切り替わるように構成される。
【0062】
具体的には、電気ケーブル21はシステム側電気プラグ20と電源切替器23との間を接続する。接続線27は、電力線4の接続箇所P2に接続されるブレーカ11と電源切替器23との間を接続する。接続線27を構成する2つの線路のそれぞれは、電力線4の第1電圧線(U相)及び中性線(N相)に接続される。中継線28は、パワーコンディショナ12と電源切替器23との間を接続する。
【0063】
電源切替器23は、切替スイッチ25及び切替スイッチ26を備える。切替スイッチ25、26の接点aは中継線28に接続される。具体的には、切替スイッチ25の接点aは中継線28を構成する2つの線路の一方に接続され、切替スイッチ26の接点aは中継線28を構成する2つの線路の他方に接続される。
【0064】
切替スイッチ25、26の接点bは接続線27に接続される。具体的には、切替スイッチ25の接点bは接続線27を構成する2つの線路の一方(U相)に接続され、切替スイッチ26の接点bは接続線27を構成する2つの線路の他方(N相)に接続される。
【0065】
切替スイッチ25、26の接点cは電気ケーブル21に接続される。具体的には、切替スイッチ25の接点cは電気ケーブル21を構成する2つの線路の一方に接続され、切替スイッチ26の接点cは電気ケーブル21を構成する2つの線路の他方に接続される。
【0066】
電源切替器23は、電気ケーブル21と電気的に接続される電磁コイル24を備える。そして、電気ケーブル21に対して電力が供給されている場合、即ち、システム側電気プラグ20に電力が供給されている場合、電磁コイル24にも電力供給されて電磁力が発生し、その電磁力によって切替スイッチ25、26が、接点aと接点cとが接続される状態に切り替わる。それに対して、システム側電気プラグ20に電力が供給されていない場合、電磁コイル24には電磁力が発生しないため、切替スイッチ25、26が、接点aと接点bとが接続される状態に切り替わる。
【0067】
このように、電源切替器23は、システム側電気プラグ20に電力が供給されている場合、電気ケーブル21とパワーコンディショナ12とが接続される状態に切り替わり、システム側電気プラグ20に電力が供給されていない場合、接続線27とパワーコンディショナ12とが接続される状態に切り替わる。
【0068】
以上のように、電源切替器23は、システム側電気プラグ20が電気コンセントに接続されることにより電気ケーブル21に電力が供給される状態にある場合、パワーコンディショナ12と電気ケーブル21との間を電気的に接続する第2接続状態に切り替わる。つまり、システム側電気プラグ20に接続される電気ケーブル21に接続されるパワーコンディショナ12は、その電気コンセントから電力の供給を受けることができる。例えば、電気コンセントを備える車両や、電気コンセントを備える可搬型の発電装置及び蓄電装置などの電源装置22から、パワーコンディショナ12は電力の供給を受けることができる。その結果、その電気コンセントから供給される電力で、パワーコンディショナ12に接続される充放電装置19を充電できる。加えて、電源切替器23は、システム側電気プラグ20が電気コンセントに接続されないことにより電気ケーブル21に電力が供給されない状態にある場合、パワーコンディショナ12と、電力線4に接続される接続線27との間を電気的に接続する第1接続状態に切り替わる。つまり、電力線4から供給される電力(例えば発電装置9の発電電力など)で、パワーコンディショナ12に接続される充放電装置19を充電できる。
【0069】
本実施形態でも、パワーコンディショナ12は、電気ケーブル21を流れる電流をブレーカ11の定格電流より小さい所定電流以下(例えば定格電流の30%の電流以下など)に制限してもよい。このような制限が行われることで、電気ケーブル21が接続されている一つのブレーカ11に流れる電流が、定格電流より十分小さい所定電流以下になり、ブレーカ11に大電流が流れ続けることを防止できる。例えば、ブレーカ11の定格電流が20Aであり、パワーコンディショナ12が、電気ケーブル21を流れる電流をブレーカ11の定格電流の30%にするように設定されている場合、電気ケーブル21を流れる電流は6A(=20A×0.3)になる。
【0070】
<別実施形態>
上記実施形態において、電力供給システムの構成は適宜変更可能である。
例えば、
図10に示すように、接続線27を、第1電圧線(U相)、第2電圧線(V相)及び中性線(N相)の3線で構成してもよい。そして、その3線に接続される電気コンセント29を設けてもよい。この電気コンセント29は、例えば電気車両等の電源装置22を充電するための200V電力を供給するために利用できる。
【0071】
上記実施形態では、第1所定期間、第2所定期間及び第3所定期間の長さ等について具体的な数値例を記載した説明を行ったが、上記実施形態で記載した数値は例示目的で記載したものであり適宜変更可能である。
【0072】
上記実施形態において、パワーコンディショナ12の入力用電力変換部17は、パワーコンディショナ12に対する連系接続線5からの電圧入力がある場合には電力の入力を受ける動作(電力入力動作)を停止し、パワーコンディショナ12に対する連系接続線5からの電圧入力がなく且つ入力用電力変換部17への電圧入力がある場合に電力の入力を受ける動作を行うようにしてもよい。
【0073】
上記実施形態では、単相3線式の電力線4のU相を第1電圧線とし、V相を第2電圧線としたが、それとは逆にV相を第1電圧線とし、U相を第2電圧線としてもよい。そして、上記実施形態では、発電装置9及び電気ケーブル21に接続されるシステム側電気コンセント8aが共にU相及びN相に接続される例を説明したが、発電装置9及びシステム側電気コンセント8aが共にV相及びN相に接続されていてもよい。
【0074】
上記実施形態(別実施形態を含む、以下同じ)で開示される構成は、矛盾が生じない限り、他の実施形態で開示される構成と組み合わせて適用することが可能であり、また、本明細書において開示された実施形態は例示であって、本発明の実施形態はこれに限定されず、本発明の目的を逸脱しない範囲内で適宜改変することが可能である。
【産業上の利用可能性】
【0075】
本発明は、電力供給機能を有する装置を有効活用できる電力供給システムに利用できる。
【符号の説明】
【0076】
1 :電力系統
3 :単相
3 :切替盤
3d :ブレーカ
4 :電力線
7 :電力負荷
7a :電力負荷
7b :電力負荷
8 :システム側電気コンセント
8a :システム側電気コンセント
8b :システム側電気コンセント
9 :発電装置
11 :ブレーカ
12 :パワーコンディショナ
13 :切替器
19 :充放電装置
20 :システム側電気プラグ
21 :電気ケーブル
23 :電源切替器
27 :接続線
29 :電気コンセント