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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2025001610
(43)【公開日】2025-01-08
(54)【発明の名称】3Dビットコストスケーラブルメモリ
(51)【国際特許分類】
   H10B 63/00 20230101AFI20241225BHJP
   H10B 63/10 20230101ALI20241225BHJP
   H10N 70/20 20230101ALI20241225BHJP
【FI】
H10B63/00
H10B63/10
H10N70/20
【審査請求】有
【請求項の数】20
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023135804
(22)【出願日】2023-08-23
(31)【優先権主張番号】18/212,108
(32)【優先日】2023-06-20
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(71)【出願人】
【識別番号】599129074
【氏名又は名称】旺宏電子股▲ふん▼有限公司
(74)【代理人】
【識別番号】110000877
【氏名又は名称】弁理士法人RYUKA国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】龍 翔瀾
【テーマコード(参考)】
5F083
【Fターム(参考)】
5F083FZ10
5F083GA10
5F083GA27
5F083JA38
5F083JA39
5F083JA40
5F083JA60
5F083KA01
5F083KA05
5F083LA12
5F083LA16
5F083PR03
5F083PR05
5F083PR06
(57)【要約】      (修正有)
【課題】3Dビットコストスケーラブルメモリデバイスを提供する。
【解決手段】3Dビットコストスケーラブルメモリデバイスは、層のスタックおよび層のスタック中を縦方向に延びたビア電極150を備える。層は、セパレータ層110、制御可能導電層120および電極層を有する。電極層は、電極導体部分130およびビア電極を電極層の電極導体部分から分離したセパレータ部分140を含む。制御可能導電層の少なくとも1つの記憶部分が、ビア電極および電極層の電極導体部分の間で電気的に連続している。ビア電極は、例えば、タングステン(W)を有する。制御可能導電層は、例えば、オボニック閾値スイッチ材料を含む。電極層の電極導体部分は、例えば、炭素(C)を含む。
【選択図】図1A
【特許請求の範囲】
【請求項1】
層のスタック、ここで、前記層が、制御可能導電層および前記制御可能導電層に隣接した電極層を有する;および
前記スタック中を縦方向に延びたビア電極
を備え、
前記電極層が、導体部分、および、前記ビア電極を前記導体部分から分離したセパレータ部分を含み、
前記制御可能導電層の少なくとも1つの記憶部分が、前記ビア電極および前記導体部分の間で電気的に連続している、
メモリデバイス。
【請求項2】
前記層のスタックが、前記ビア電極を収容するための孔を画定した内部側壁を有する、請求項1に記載のメモリデバイス。
【請求項3】
前記制御可能導電層が、オボニック閾値スイッチ(OTS)材料を含む、請求項1に記載のメモリデバイス。
【請求項4】
前記導体部分が、金属材料と組み合わせた炭素(C)を含む、請求項1に記載のメモリデバイス。
【請求項5】
前記導体部分が、タングステン(W)、チタン(Ti)、窒化チタン(TiN)、タンタル(Ta)、コバルト(Co)、および、ルテニウム(Ru)からなる材料群から選択される材料を含む、請求項1に記載のメモリデバイス。
【請求項6】
前記ビア電極が、タングステン(W)を有する、請求項1に記載のメモリデバイス。
【請求項7】
前記ビア電極が、窒化チタン(TiN)を有する、請求項1に記載のメモリデバイス。
【請求項8】
前記セパレータ部分が、誘電材料を含む、請求項1に記載のメモリデバイス。
【請求項9】
前記ビア電極が、前記スタック中を縦方向にそれぞれが延びた複数のビア電極のうちの1つであり、
前記スタックが、前記複数のビア電極のうちの各ビア電極を収容するための孔を画定した複数の内部側壁を有する、
請求項1から8のいずれか一項に記載のメモリデバイス。
【請求項10】
前記制御可能導電層が、複数の制御可能導電層のうちの1つであり、
前記電極層が、複数の電極層のうちの1つであり、前記複数の制御可能導電層のうちの各制御可能導電層が、前記複数の電極層のうちのそれぞれに隣接している、
請求項9に記載のメモリデバイス。
【請求項11】
前記層が、分離層をさらに有し、
前記分離層のうちの少なくとも1つが、前記複数の制御可能導電層のうちの各制御可能導電層を、前記複数の制御可能導電層のうちの他の制御可能導電層から分離しており、
前記分離層のうちの少なくとも1つが、前記複数の電極層のうちの各電極層を、前記複数の電極層のうちの他の電極層から分離している、
請求項10に記載のメモリデバイス。
【請求項12】
前記導体部分が、複数の導体部分のうちの1つであり、
前記セパレータ部分が、複数のセパレータ部分のうちの1つであり、
前記複数の電極層のうちの各電極層が、前記複数の導体部分のうちのそれぞれを含み、かつ、前記複数のビア電極のうちの各ビア電極に対応して、前記複数のセパレータ部分のうちのそれぞれのセパレータ部分を含み、
前記セパレータ部分が、前記ビア電極を前記導体部分から分離している、
請求項10に記載のメモリデバイス。
【請求項13】
前記記憶部分が、特定の記憶部分であり、
前記複数のビア電極のうちの各ビア電極および前記複数の電極層のうちの各電極層に対応して、前記各電極層に隣接した、前記制御可能導電層の少なくとも1つの各記憶部分が、前記各ビア電極および前記各電極層の前記導体部分の間で電気的に連続しており、
前記特定の記憶部分が、前記各記憶部分のうちの1つである、
請求項12に記載のメモリデバイス。
【請求項14】
前記複数の導体部分のうちの各導体部分が、メモリアレイのそれぞれのワード線として動作可能であり、
前記複数のビア電極のうちの各ビア電極が、前記メモリアレイのそれぞれのビット線として動作可能であり、
各記憶部分を、前記メモリアレイの情報の部分を記憶するための不揮発性ストレージとして使用可能であり、前記情報を、前記記憶部分が電気的に連続してそれらの間に位置した前記ワード線および前記ビット線を使用してアクセス可能な1または複数ビットのバイナリ情報に分解可能である、
請求項13に記載のメモリデバイス。
【請求項15】
前記メモリデバイスが、ソリッドステートディスク(SSD)内の不揮発性ストレージを実装すること、ストレージクラスメモリ(SCM)を実装すること、および/または、Compute Express Link(CXL)に適合したメモリを実装することに適している、請求項14に記載のメモリデバイス。
【請求項16】
メモリデバイスを形成する方法であって、
層のスタックを形成する段階、ここで、前記層が、制御可能導電層および前記制御可能導電層に隣接した電極層を有する;および
前記スタック中を縦方向に延びたビア電極を形成する段階
を備え、
前記電極層が、導体部分およびセパレータ部分を含み、
前記セパレータ部分が、前記ビア電極を前記導体部分から分離しており、
前記制御可能導電層の少なくとも1つの記憶部分が、前記ビア電極および前記導体部分の間で電気的に連続している、
方法。
【請求項17】
前記ビア電極を形成する前記段階が、前記スタックを貫通するように孔を形成する段階を有し、前記孔が、前記層全体を通しての前記ビア電極の寸法を規定する、請求項16に記載の方法。
【請求項18】
前記電極層内にアンダーカットを形成して、前記アンダーカットが前記孔を囲み、前記アンダーカットが前記セパレータ部分についての体積を規定するようにすることで、前記電極層が形成される、請求項17に記載の方法。
【請求項19】
前記電極層が、前記アンダーカット内に前記セパレータ部分を形成することにより形成される、請求項18に記載の方法。
【請求項20】
前記制御可能導電層が、オボニック閾値スイッチ(OTS)材料を含み、
前記導体部分が、炭素(C)を含む、
請求項16から19のいずれか一項に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示はメモリセルに関し、これには、集積回路で使用されるメモリセルが含まれる。
【背景技術】
【0002】
メモリセル(集積回路で使用されるものなど)は、レイテンシの低減、帯域幅の増大、および/または、電力消費の減少などの性能改善から恩恵を受ける。メモリセルは、密度の増大などのコスト改善からさらに恩恵を受ける。例えば、DRAMのスケーリングが減速しており、この結果、性能および/またはコストの改善が失速している。
【発明の概要】
【0003】
1つまたは複数のコンピュータのシステムを、特定のオペレーションまたはアクションを実行するように構成可能であり、このことは、オペレーションにおいて、こうしたアクションをシステムに実行および/または制御させるソフトウェア、ファームウェア、ハードウェア、または、その組み合わせがシステムにインストールされていることによるものである。1つまたは複数のコンピュータプログラムを、特定のオペレーションまたはアクションを実行するように構成可能であり、このことは、データ処理装置により実行された際に、こうしたアクションをその装置に実行させる命令が含まれていることによるものである。
【0004】
第1の態様は、メモリデバイスを含む。前記メモリデバイスは、層のスタック、ここで、前記層が、制御可能導電層および前記制御可能導電層に隣接した電極層を任意選択で有し;および、前記スタック中を縦方向に延びたビア電極を備え、前記電極層が、導体部分および前記導体部分から前記ビア電極を分離したセパレータ部分を任意選択で含み、前記制御可能導電層の少なくとも1つの記憶部分が、前記ビア電極および前記導体部分の間で電気的に連続している。
【0005】
変形形態は、以下の特徴のうちの1つまたは複数を単独で、または、任意の組み合わせの形で任意選択で含む。前記層のスタックが、前記ビア電極を収容するための孔を画定した内部側壁を有する。前記制御可能導電層が、オボニック閾値スイッチ(OTS)材料を含む。前記導体部分が、金属材料と組み合わせた炭素(C)を任意選択で含む。前記導体部分が、タングステン(W)、チタン(Ti)、窒化チタン(TiN)、タンタル(Ta)、コバルト(Co)、および、ルテニウム(Ru)からなる材料群から選択された材料を任意選択で含む。前記ビア電極が、タングステン(W)を任意選択で含む。前記ビア電極が、窒化チタン(TiN)を任意選択で有する。前記セパレータ部分が、誘電材料を任意選択で含む。前記ビア電極が、前記スタック中を縦方向にそれぞれが延びた複数のビア電極のうちの1つであり、前記スタックが、前記複数のビア電極のうちの各ビア電極を収容するための孔を画定した複数の内部側壁を有する。前記制御可能導電層が、複数の制御可能導電層のうちの1つであり、前記電極層が、複数の電極層のうちの1つであり、前記複数の制御可能導電層のうちの各制御可能導電層が、前記複数の電極層のうちのそれぞれに隣接している。前記層が、分離層を任意選択で有し、前記分離層のうちの少なくとも1つが、前記複数の制御可能導電層のうちの各制御可能導電層を、前記複数の制御可能導電層のうちの他の制御可能導電層から分離しており、前記分離層のうちの少なくとも1つが、前記複数の電極層のうちの各電極層を、前記複数の電極層のうちの他の電極層から分離している。前記導体部分が、複数の導体部分のうちの1つであり、前記セパレータ部分が、複数のセパレータ部分のうちの1つであり、前記複数の電極層のうちの各電極層が、前記複数の導体部分のうちのそれぞれを任意選択で含み、かつ、前記複数のビア電極のうちの各ビア電極に対応して、前記複数のセパレータ部分のうちのそれぞれのセパレータ部分を任意選択で含み、前記複数のセパレータ部分が、前記ビア電極を前記複数の導体部分から分離している。前記記憶部分が、特定の記憶部分であり、前記複数のビア電極のうちの各ビア電極および前記複数の電極層のうちの各電極層に対応して、前記各電極層に隣接した、前記制御可能導電層の少なくとも1つの各記憶部分が、前記各ビア電極および前記各電極層の前記導体部分の間で電気的に連続しており、前記特定の記憶部分が、前記各記憶部分のうちの1つである。前記複数の導体部分のうちの各導体部分が、メモリアレイのそれぞれのワード線として動作可能であり、前記複数のビア電極のうちの各ビア電極が、前記メモリアレイのそれぞれのビット線として動作可能であり、各記憶部分を、前記メモリアレイの情報の部分を記憶するための不揮発性ストレージとして使用可能であり、前記情報を、前記記憶部分が電気的に連続してそれらの間に位置した前記ワード線および前記ビット線を使用してアクセス可能な1または複数ビットのバイナリ情報に分解可能である。前記メモリデバイスが、ソリッドステートディスク(SSD)内の不揮発性ストレージを実装すること、ストレージクラスメモリ(SCM)を実装すること、および/または、Compute Express Link(CXL)に適合したメモリを実装することに適している。
【0006】
第2の態様は、メモリデバイスを形成する方法を含む。前記方法は、層のスタックを形成する段階、ここで、前記層が、制御可能導電層および前記制御可能導電層に隣接した電極層を有する;および、前記スタック中を縦方向に延びたビア電極を形成する段階を備え、前記電極層が、導体部分およびセパレータ部分を任意選択で含み、前記セパレータ部分が、前記導体部分から前記ビア電極を分離しており、前記制御可能導電層の少なくとも1つの記憶部分が、前記ビア電極および前記導体部分の間で電気的に連続している。
【0007】
変形形態は、以下の特徴のうちの1つまたは複数を単独で、または、任意の組み合わせの形で任意選択で含む。前記方法では、前記ビア電極を形成する前記段階が、前記スタックを貫通するように孔を形成する段階を任意選択で有し、前記孔が、前記層全体を通しての前記ビア電極の寸法を規定する。前記電極層内にアンダーカットを形成して、前記アンダーカットが前記孔を囲み、前記アンダーカットが前記セパレータ部分についての体積を規定するようにすることで、前記電極層が形成される。前記電極層が、前記アンダーカット内に前記セパレータ部分を形成することにより形成される。前記制御可能導電層が、オボニック閾値スイッチ(OTS)材料を任意選択で含み、前記導体部分が、炭素(C)を任意選択で含む。
【0008】
第3の態様は、プロセッサ、および、前記プロセッサにより実行可能な命令を記憶することを可能にされたメモリを備え、前記プロセッサにより実行されると、前記命令が、前記プロセッサにオペレーションを実行させる。前記オペレーションが、メモリデバイスを形成する方法を有する。
【0009】
上述の態様の変形形態は、ハードウェア、方法またはプロセス、または、コンピュータアクセス可能な媒体上のコンピュータソフトウェアを任意選択で含む。
【0010】
本開示の他の態様および利点が、図面、詳細な説明、および、特許請求の範囲から明らかになる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1A】3Dビットコストスケーラブルメモリのメモリセルの様々な態様の3D図を示す。
図1B】3Dビットコストスケーラブルメモリのメモリセルの様々な態様の断面図を示す。
図1C】3Dビットコストスケーラブルメモリのメモリセルの様々な態様の上面図を示す。
【0012】
図2】3Dビットコストスケーラブルメモリのメモリセルの様々な態様の概略図を示す。
【0013】
図3】3Dビットコストスケーラブルメモリのメモリアレイの様々な態様の3D図を示す。
【0014】
図4】3Dビットコストスケーラブルメモリの作製の一例の一時系列スナップショットを示す。
図5】3Dビットコストスケーラブルメモリの作製の一例の一時系列スナップショットを示す。
図6】3Dビットコストスケーラブルメモリの作製の一例の一時系列スナップショットを示す。
図7】3Dビットコストスケーラブルメモリの作製の一例の一時系列スナップショットを示す。
図8】3Dビットコストスケーラブルメモリの作製の一例の一時系列スナップショットを示す。
【0015】
図9】3Dビットコストスケーラブルメモリの1つまたは複数の領域を作製するための技術についてのフロー図を示す。
【発明を実施するための形態】
【0016】
図1Aから図1Cおよび図2から図9を参照して、3Dビットコストスケーラブルメモリに関する技術の詳細な説明が提供される。
【0017】
本明細書では1つまたは複数のフロー図の説明が行われる。これらのフロー図により説明される処理は、プロセッサを使用して実装可能、かつ/または、指示可能であり、これらのプロセッサは、コンピュータシステムがアクセス可能なメモリに記憶され、プロセッサが実行可能なコンピュータプログラムを使用して、専用のロジックハードウェア(フィールドプログラマブル集積回路を含む)を使用して、かつ、それらの様々な組み合わせを使用してプログラムされる。様々なアクションを組み合わること、並行して実行することが可能であり、かつ/または、実現される処理に影響することなく、異なるシーケンス内で様々なアクションを実行することが可能である。いくつかのケースでは、アクションを再編成すると、加えて特定の他の変更が行われた場合にのみ同一の結果が実現される。他のケースでは、アクションを再編成すると、特定の条件が満たされた場合にのみ同一の結果が実現される。さらに、明瞭化のために、本明細書のフロー図のうちのいくつかは、開示される技術を理解するのには必要ではないいくつかの特定のアクションを省略している。例証されるアクションの前、後、かつ/または、それらのアクションの間に様々な追加のアクションを実行可能である。
【0018】
以下は、説明内で使用される選択された頭字語、簡略記号、および、略語の例である。
【表1】
3Dビットコストスケーラブルメモリの概念
【0019】
本明細書で説明される3Dビットコストスケーラブルメモリは、不揮発性メモリセルを形成するための構造を備える。これらのメモリセルは、メモリセル毎に1または複数ビットの情報などの情報を記憶することを可能にされる。メモリセルは、縦方向ビット線および水平方向ワードプレーンの交点に形成され、これらの交点に情報ストレージが提供される。各メモリセルは、能動層ペアにより形成される。分離層が、メモリセル同士を縦方向の次元で分離する。
【0020】
ワード線プレーンが、ウェハ平面に堆積された薄膜層から形成される。縦方向ビット線が、ウェハ平面に直交する。
【0021】
本明細書で説明される1つまたは複数の3Dビットコストスケーラブルメモリを備える電子デバイスを作製するために、シリコンウェハの平面処理に基づくものなどの集積回路作製技術を使用可能である。
【0022】
本明細書で説明されるいくつかの3Dビットコストスケーラブルメモリは、DRAMと対等のアクセスレイテンシを可能にし(例えば、3D NANDベースメモリよりも高速である)、また、3D NANDベースメモリと対等の密度を可能にする(例えば、DRAMよりも高密度である)。本明細書で説明されるいくつかの3Dビットコストスケーラブルメモリは、他のメモリ作製技術と比較して、メモリ作製のコスト削減を可能にする。
【0023】
本明細書での説明ならびに関連する図面全体を通して、同様の番号を付された要素は、同一の要素、実質的に同様の要素、および/または、その例に対応する。例えば、図1Aのビア電極150は、図1Bのビア電極150と同一である。他の例については、図5の完成されたセパレータ層510が、図6の完成されたセパレータ層510と同一である。
【0024】
図面全体を通して、別段の指示がない限り、同様に点刻された要素は、同一または実質的に同一タイプの材料(同一または実質的に同様の化学組成物および/または構造など)を含む要素に対応する。例えば、図4の制御可能導電層420の点刻は、図5の完成された制御可能導電層520のものと同一であり、このことは、制御可能導電層420および完成された制御可能導電層520が、OTS材料など、実質的に同様の材料からなることを示している。
【0025】
図1Aから図1Cは、3Dビットコストスケーラブルメモリのメモリセルの様々な態様を示す。図1Aは、3Dビットコストスケーラブルメモリの一部分の3D図を示す。ビア電極150の6つの例が存在する。セパレータ層110の5つの例、制御可能導電層120の4つの例、および、電極導体部分130およびセパレータ部分140を含む電極層の4つの例が存在する。ビア電極150および電極導体部分130の例同士の各交点に、セパレータ部分140の一例が存在する。
【0026】
図1Bは、3Dビットコストスケーラブルメモリの一部分の側面図を示す。この図は、図1Cの断面B-Bに対応する。スタックの上および下層は、セパレータ層110の例である。制御可能導電層120の各例は、電極導体部分130の一例およびセパレータ部分140の一例を備える対応する層に隣接する。セパレータ部分140の各例は、ビア電極150の例のうちの1つの一部分を囲む。セパレータ層110の例は、頂および底部層を形成し、セパレータ層110の更なる例は、セパレータ部分140と組み合わせた電極導体部分130から形成される層および制御可能導電層120の間にセパレータを形成する。括弧199は、(1)制御可能導電層120、(2)セパレータ部分140と組み合わせた電極導体部分130から形成される電極層、および、(3)セパレータ層110の3層積重ねの任意数の繰り返しが可能であることを示している。例えば、制御可能導電層120の例のうち、ビア電極150の例および電極導体部分130の例の間で電気的に連続した(記憶)部分により、情報ストレージがそれぞれ提供される。
【0027】
図1Cは、3Dビットコストスケーラブルメモリの一部分の上面図を示す。この図は、図1Bの断面A-Aに対応する。セパレータ部分140の例により囲まれたビア電極150の例が、電極導体部分130の一例内に配置されている。
【0028】
図2は、3Dビットコストスケーラブルメモリのメモリセルの様々な態様の概略図を示す。明瞭化のために、2つのビット線(ビット線250および251)に関連する構造が示されている。ビット線250は、複数のメモリセルに並列に結合される。例示的なメモリセルが、メモリセル280として示されている。ビット線250は、Toソース線セレクタ(SLS)290を介してソース線セレクタ(図示せず)に結合される。ビット線251は、Toソース線セレクタ(SLS)291を介してソース線セレクタ(図示せず)に結合される。括弧299により示されるように、実装されるメモリセルの数は任意である。括弧299は、概念上は図1Bの括弧199に対応する。
【0029】
メモリセル280は、例えば、(1)制御可能導電層120および(2)セパレータ部分140と組み合わせた電極導体部分130から形成される電極層の2層積重ねなど、図1Bの要素により実装される。具体例として、メモリセル280は、制御可能導電層120の一例のうち、ビア電極150の一例および電極導体部分130の一例の間で電気的に連続した部分により実装される。
【0030】
ワードプレーンは、各メモリセルに関連する。ワードプレーンは、ワードプレーン260、261、268、および、269として示されている。各ワードプレーンは、図1Bの電極導体部分130の一例に対応する。例えば、ワードプレーン260がビット線250および251のメモリセルに結合していることが示すように、各ワードプレーンは、複数のビット線に関連する。ビット線250および251のそれぞれは、図1Bのビア電極150の一例に対応する。
【0031】
括弧299は、(1)制御可能導電層120、(2)セパレータ部分140と組み合わせた電極導体部分130から形成される電極層、および、(3)セパレータ層110の3層積重ねの任意数の繰り返しが可能であることを示している。
【0032】
図3は、3Dビットコストスケーラブルメモリのメモリアレイの様々な態様の3D図を示す。ビット線(BL)350は、図1Bのビア電極150の例示的な実装形態であり、また、例えば、図2のビット線250の例である。ビット線セレクタ(BLS)接続部370は、ビット線(BL)350についての複数の接続部の一実装形態である。OTS層320は、図1Bの複数の制御可能導電層120の一例示的実装形態である。ソース線セレクタ(SLS)392は、例えば、図2のToソース線セレクタ(SLS)290に結合されるソース線セレクタの一例である。ソース線(SL)391は、ソース線セレクタ(SLS)392に結合される。OTSおよびSL接続部321は、他の要素(例えば、図示されていないドライバ)への複数の接続部の一例である。接点398は、ソース線(SL)391および他の要素(例えば、図示されていないソース接地)の間の接点の一例である。
3Dビットコストスケーラブルメモリの例示的な作製
【0033】
図4から図8は、3Dビットコストスケーラブルメモリの作製の一例の時系列スナップショットを示す。この時系列は、時間的に単調に進行して、図4で始まり、図8で終了する。スナップショットのそれぞれは、断面図である。
【0034】
図4は、時系列スナップショットのうちの1つ目を示す。作製処理機器が、交互になった3つの平面材料層の薄膜堆積を実行する。これらの層のうちの2つは、能動層ペアである。これらの層のうちの1つは、セパレータ層である。能動層ペアのうちの第1の層は、制御可能導電層420に代表される。能動層ペアのうちの第2の層は、電極導体層430に代表される。セパレータ層は、セパレータ層410に代表される。セパレータ層は、各能動層ペアを、能動層ペアのうちの他のペアから分離する。
【0035】
薄膜堆積は、作製処理機器がセパレータ層410として第1の層(例えば、ベース層)を、基板の頂部部分(例えば、シリコンベースのウェハの頂部部分)などに堆積することで始まる。引き続き薄膜堆積では、作製処理機器が、制御可能導電層420として第2の層を堆積する。よって、制御可能導電層420が、セパレータ層410に隣接し、それと同一平面をなす。引き続き薄膜堆積では、作製処理機器が、電極導体層430として第3の層を堆積する。よって、電極導体層430が、制御可能導電層420に隣接し、それと同一平面をなす。
【0036】
引き続き薄膜堆積では、作製処理機器が、セパレータ層410、制御可能導電層420、および、電極導体層430の更なる例を、予め決定された数の層が堆積されるまで堆積する。様々な例示的3Dビットコストスケーラブルメモリでは、300の層(例えば、100の能動層ペアおよび100のセパレータ層)または3000の層など、様々な数の層の例が存在する。
【0037】
薄膜堆積の後、作製処理機器は、材料層に更なる処理を実行して、複数の3Dビットコストスケーラブルメモリセルを形成する(図4から図8に示されるように)。
【0038】
3Dビットコストスケーラブルメモリのいくつかの例示的な作製では、セパレータ層410の第1の例が省略され、制御可能導電層420の第1の例が、基板に直接的に堆積される。図示のように、堆積される最後の層は、セパレータ層410の一例である。あるいは、堆積される最後の層は、制御可能導電層420の一例または電極導体層430の一例のとなり、様々である。
【0039】
様々な作製例において、使用される材料、および/または、その厚さは、(a)セパレータ層410の全ての例について同一になるか、(b)セパレータ層410の第1の例を除く全てについて同一になるか、(c)セパレータ層410の最後の例を除く全てについて同一になるか、または、(d)セパレータ層410の第1および最後の例を除く全てについて同一になるかなど、様々である。
【0040】
図9の薄膜堆積904、および、図4に関する追加説明のための関連説明段落を参照されたい。
【0041】
図5は、時系列スナップショットのうちの2つ目を示す。作製処理機器が、エッチングを実行して、平面材料層に直交する複数の平行な孔を形成する。これらの孔は、層を貫通して延びる。各孔は、層中を延びるそれぞれの内部側壁を確立する。これらの孔は、孔550(ビア電極850のためのもの)のそれぞれの例により表されている。孔550の例をエッチングすることで、図4に示されたセパレータ層410、制御可能導電層420、および、電極導体層430の例が、図5に示された完成されたセパレータ層510、完成された制御可能導電層520、および、電極導体層530の例にそれぞれ変容する。いくつかの変形形態では、孔が、セパレータ層410の第1の例を除く全ての層を貫通して延びる。いくつかの変形形態では、孔が、セパレータ層410の第1の例を含めた全ての層を貫通して延びる。
【0042】
図9の孔開口エッチング905、および、図5に関する追加説明のための関連説明段落を参照されたい。
【0043】
図6は、時系列スナップショットのうちの3つ目を示す。作製処理機器は、電極導体層530の例内にアンダーカットを形成するようにエッチングを実行して、完成された電極導体部分630の例、および、対応する電極セパレータアンダーカット640の例を形成する。電極導体層530の各例の中に、孔550の各例について電極セパレータアンダーカット640の一例が存在する。この作製ステージでは、孔550の例および電極セパレータアンダーカット640の例は、概念的なものである。それらは、孔550の各例について、それに隣接する電極セパレータアンダーカット640の例が、孔550のそれぞれの例と共同で単一の3Dボイドを形成する点で概念的なものである。図面では、孔550および電極セパレータアンダーカット640の例が隣接していることは、破線により示されている。
【0044】
1つの具体例として、円形の孔550の局面では、電極セパレータアンダーカット640の各例は、完成された電極導体部分630を形成するように、電極導体層530からさらに取り除かれるリング状体積の材料である。
【0045】
孔550、完成されたセパレータ層510、および、完成された制御可能導電層520の例は、アンダーカットのエッチングに影響されない。
【0046】
図9のアンダーカットエッチング906、および、図6に関する追加説明のための関連説明段落を参照されたい。
【0047】
図7は、時系列スナップショットのうちの4つ目を示す。作製処理機器は、電極セパレータアンダーカット640および孔550の例内へのセパレータ材料の堆積を実行し、次いで、セパレータ材料をエッチバックして、完成されたセパレータ部分740の例を形成する。よって、セパレータ材料の堆積の後、孔開口エッチングにより確立されるそれぞれの内部側壁(例えば、図5について図示および説明されたもの)が、事実上復元される。
【0048】
完成された電極導体部分630、孔550、完成されたセパレータ層510、および、完成された制御可能導電層520の例は、セパレータ材料の堆積に影響されない。
【0049】
図9の堆積およびエッチバック907、および、図7に関する追加説明のための関連説明段落を参照されたい。
【0050】
図8は、時系列スナップショットのうちの5つ目を示す。作製処理機器が、ビア電極材料の堆積(例えば、ビア金属堆積)を実行して、孔550の例を(全体的に)充填し、次いで、CMPを実行して、ビア電極850の例を形成する。
【0051】
完成されたセパレータ層510、完成された制御可能導電層520、完成された電極導体部分630、および、完成されたセパレータ部分740の例は、ビア電極材料の堆積に影響されない。
【0052】
このように、図8は、3Dビットコストスケーラブルメモリの完成された部分を示している。図4から図8は、図1Aから図1Cに示された3Dビットコストスケーラブルメモリの作製の一例を表している。図8の完成されたセパレータ層510、完成された制御可能導電層520、完成された電極導体部分630、完成されたセパレータ部分740、および、ビア電極850の例は、それぞれ、図1Aから図1Cのセパレータ層110、制御可能導電層120、電極導体部分130、セパレータ部分140、および、ビア電極150の例に対応する。
【0053】
図9のビア堆積およびCMP実行908、および、図8に関する追加説明のための関連説明段落を参照されたい。
3Dビットコストスケーラブルメモリの例示的な作製フロー
【0054】
3Dビットコストスケーラブルメモリを備えるデバイスは、例えば、半導体(例えば、シリコン)ウェハなどのウェハから製作される。ウェハは頂面を有し、この頂面は、ウェハの頂面全体に渡る加工による作製に適合する。この作製は、半導体製造設備内で実行可能である。この処理により、3Dビットコストスケーラブルメモリ要素の1つまたは複数の領域が形成され、また、任意選択で他の領域が形成される。これらの他の領域は、3Dビットコストスケーラブルメモリ要素をメモリデバイスとして使用するための回路を任意選択で備え、それには、メモリとの相互運用を可能にされた1つまたは複数のプロセッサ、インタフェース、および/または、回路などがある。これらの他の領域は、システムおよび/またはシステム自体の要素内で3Dビットコストスケーラブルメモリデバイスを使用するための回路を任意選択で備える。
【0055】
図9は、先の図面のうちのいずれかに示されたもののような3Dビットコストスケーラブルメモリ要素の1つまたは複数の領域を作製するための技術についてのフロー図を示す。
【0056】
オペレーションは、3Dビットコストスケーラブルメモリを形成するための材料の堆積およびエッチングを備える。エッチングは、例えば、フォトマスクなどの1つまたは複数のマスクを使用してガイドされる。エッチングは、感光材料の層を堆積する中間アクションを任意選択で有し、この層は、フォトマスクを介して電磁照射線(例えば、紫外線)に感光材料を選択的に曝すことに基づいて選択的に取り除かれる(または維持される)。様々なフォトマスクが、図面内に示される様々なアクションのために使用される。明瞭化のために、図面に関する以下の説明では、フォトマスクについての具体的言及は省略されている。
【0057】
作製処理機器は初めに、図4のセパレータ層410、制御可能導電層420、および、電極導体層430の例など、交互になった3つの複数平面薄膜層を堆積させる(薄膜堆積904)。能動層ペアが形成され、これに分離層が続き、この層が次に形成される能動層ペアを分離し、これが、目的数の層が形成されるまで同様に続けられるように、薄膜層が交互になる。
【0058】
第1の堆積物(例えば、セパレータ層410の1つ目の例)は、ウェハの頂面のうち、縦方向3Dビットコストスケーラブルメモリ要素となる領域の実質的に全体を少なくとも覆う。第2の堆積物(例えば、セパレータ層410に隣接する制御可能導電層420)は、第1の堆積物の頂面の実質的に全体を少なくとも覆う。第3の堆積物(例えば、制御可能導電層420に隣接する電極導体層430)は、第2の堆積物の頂面の実質的に全体を少なくとも覆い、以下同様に繰り返される。分離層(第1の堆積物、第4の堆積物、その他に対応する)は、能動層ペアを、能動層ペアのうちの他のペアから分離する(例えば、電気的に、かつ/または、熱的に)ように働く。分離層(例えば、セパレータ層410)は、任意選択で、例えば特定の誘電体などの同じ材料(窒化シリコンまたは酸化シリコンなど)を含む。能動層ペア(第2および第3の堆積物、第5および第6の堆積物、その他に対応)は、3Dビットコストスケーラブルメモリ要素の能動回路の一部分を形成するように働く。能動層ペアのうちの1つ目(例えば、制御可能導電層420)は、特定のOTS材料などの制御可能導電材料を備える。能動層ペアのうちの2つ目(例えば、電極導体層430)は、炭素(C)を有する材料などの導電材料を備える。堆積は、例えば、合計で3*8、3*32、3*64、3*1024の層(8、32、64、および、1024の能動層ペアに対応する)が形成されるなど、目標数の層が堆積されるまで続く。
【0059】
薄膜堆積は、CVDを使用して実行可能である。
【0060】
次いで、作製処理機器は、次の材料堆積のための孔を形成して、図5の孔550の例などの(深部)ビア電極を形成する(孔開口エッチング905)。これらの孔は、次での中心電極用材料堆積のためのものである。孔形成は、エッチングにより、例えば、RIE技術を使用して実行可能である。いくつかの変形形態では、孔のエッチングの深さを決定するために、例えば、エッチングが深くなりすぎるのを阻止するために、エッチング停止層が使用される。
【0061】
次いで、作製処理機器は、図6の完成された電極導体部分630により示されるものなどの導体部分(電極導体層のもの)を形成する。この形成は、電極導体層のそれぞれの中にアンダーカット(図6の電極セパレータアンダーカット640により示されるものなど)をエッチングする(アンダーカットエッチング906)ことによる。
【0062】
アンダーカットエッチングは、ウェットまたはドライエッチング技術を使用して実行可能である。1つの例示的なエッチング技術は、Oプラズマエッチングである。他の例示的なエッチング技術は、Nプラズマエッチングである。アンダーカットの伸長は、エッチング時間を制御することで制御可能である。
【0063】
次いで、作製処理機器は、図7の完成されたセパレータ部分740により示されるものなどのセパレータ部分(電極導体層のもの)を形成する。この形成は、材料堆積および次でのエッチング(堆積およびエッチバック907)によるものである。材料堆積では、アンダーカットならびに孔がセパレータ材料で充填される。次いで、エッチングにより、セパレータ材料が取り除かれて(例えば、削減されて)、孔開口エッチング905でのものなど、当初形成時の孔が再形成される(例えば、図7の完成されたセパレータ部分740により示されるように)。
【0064】
材料堆積は、ALD技術により実行可能である。いくつかの変形形態では、エッチングは、RIE技術により実行可能である。
【0065】
次いで、作製処理機器は(深部)ビア電極を形成する。この形成は、材料堆積および次での研磨(ビア堆積およびCMP実行908)によるものである。材料堆積では、孔開口エッチング905で初めに形成され、次いで、堆積およびエッチバック907で再形成された孔がビア電極材料で充填される。研磨により材料が取り除かれ、例えば、こうすることで、最も上に位置するセパレータ層が露出される。
【0066】
材料堆積は、CVD技術により実行可能である。研磨は、CMP技術により実行可能である。
【0067】
こうして、3Dビットコストスケーラブルメモリ要素を作製するための処理が完了する。
【0068】
いくつかの作製フローでは、追加の処理が、図9に示されるアクションのうちの任意の1つまたは複数よりも前に、後に、かつ/または、完全にまたは部分的に同時に行われる。例えば、追加の処理は、3Dビットコストスケーラブルメモリ要素をメモリデバイスとして使用すること、そのメモリデバイスをシステム内で使用すること、および/または、そのシステムの1つまたは複数のコンポーネントを形成することに関する回路のためのものである。
3Dビットコストスケーラブルメモリの材料
【0069】
(深部)ビア電極の適当な材料は、タングステン(W)および窒化チタン(TiN)などの1つまたは複数の導電材料を、単体で含むか、互いに任意に組み合わせて含むか、または、1つまたは複数の他の材料と組み合わせて作られる材料の基礎として働く形で含む。
【0070】
電極層の導体部分の適当な材料は、炭素(C)、タングステン(W)、チタン(Ti)、窒化チタン(TiN)、タンタル(Ta)、コバルト(Co)、および、ルテニウム(Ru)などの1つまたは複数の導電材料を、単体で含むか、互いに任意に組み合わせて含むか、または、1つまたは複数の他の材料と組み合わせて作られる材料の基礎として働く形で含む。いくつかの導体部分は、タングステン(W)、チタン(Ti)、タンタル(Ta)、コバルト(Co)、および、ルテニウム(Ru)などの金属材料と組み合わせた炭素(C)を含む。
【0071】
制御可能導電材料の適当な材料は、ヒ素(As)、セレン(Se)、シリコン(Si)、ゲルマニウム(Ge)、アンチモン(Sb)、テルル(Te)、および、インジウム(In)を、単体で含むか、互いに任意に組み合わせて含むか、または、1つまたは複数の他の材料と組み合わせて作られる材料の基礎として働く形で含む。様々な例について、OTS要素のうちの1つまたは複数が、(i)As、Se、および、Ge(例えば、AsSeGe)、(ii)AsSeGeおよびSi(例えば、AsSeGeSi)、(iii)AsSeGeSiおよびIn(例えば、AsSeGeSiIn)、および、(iv)AsSeGeInを含むカルコゲナイドから作製される。
【0072】
分離層の、および/または、電極層のセパレータ部分の適当な材料は、窒化シリコンまたは酸化シリコンなどの1つまたは複数の誘電材料を含む。
3Dビットコストスケーラブルメモリデバイスおよびシステム
【0073】
いくつかのデバイス(例えば、集積回路、1つまたは複数のシステムオンチップダイ、および/または、パッケージ化されたダイ)は、スタンドアロンデバイスとして使用可能であり、かつ/または、システム内のコンポーネントとして使用可能であるメモリデバイスを実装するための追加の回路を有する3Dビットコストスケーラブルメモリセル(本明細書の他の箇所で説明されているもの)からなる1つまたは複数のアレイを備える。この追加の回路は、3Dビットコストスケーラブルメモリセルアレイが1つまたは複数のプレーンとして様々に組織された形で実現されることを可能にするためのインタフェース機能および制御機能を提供し、各プレーンは、1つまたは複数のブロックを備え、各ブロックは、1つまたは複数のページを有する。
【0074】
追加の回路は、ビット線回路、センス増幅器、ページ・キャッシュ/バッファ、インタフェース回路、ワード線デコーダ/ドライバ、コントローラ、および/または、バイアス回路(電圧および/または電流源など)などのハードウェア回路を様々に備える。
【0075】
いくつかの変形形態では、追加の回路が、DIMMまたはSODIMM内にパッケージ化されたものなど、システム内の代替要素および/または追加要素のDRAMおよび/またはSCMとして3Dビットコストスケーラブルメモリセルのアレイを使用することを可能にする。いくつかの変形形態では、追加の回路が、CXLなどの高性能通信技術により3DビットコストスケーラブルメモリセルのアレイをCPUおよび/またはGPUに結合することを可能にする。いくつかの変形形態では、追加の回路が、SSDおよび/またはDRAMに相当するコンポーネント内など、メモリおよび/または記憶階層の1つまたは複数の部分内で3Dビットコストスケーラブルメモリセルのアレイを使用することを可能にする。
【0076】
いくつかの変形形態では、追加の回路が、NVDIMM内でパッケージ化され、かつ/または、NVDIMMとして動作されるものなど、システム内の代替要素および/または追加要素の様々な不揮発性メモリ要素として3Dビットコストスケーラブルメモリセルのアレイを使用することを可能にする。
3Dビットコストスケーラブルメモリの追加情報
【0077】
図1Aから図1Cおよび図2から図9は、OTS材料を含むものなどの被制御導電層を使用して不揮発性情報ストレージを提供する例示的な3Dビットコストスケーラブルメモリ技術の様々な態様を開示している。
【0078】
本発明は、好ましい実施形態および上述の例に関し開示されているが、これらの例は、限定的な意味ではなく、例示的な意味を意図していることを理解されたい。修正および組み合わせが当業者に対して容易に生じるものと考えられ、修正および組み合わせは、本発明の主旨および以下の特許請求の範囲内にある。
図1A
図1B
図1C
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
【手続補正書】
【提出日】2024-12-20
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
層のスタック、ここで、前記層が、制御可能導電層および前記制御可能導電層に隣接した電極層を有する;および
前記スタック中を縦方向に延びたビア電極
を備え、
前記電極層が、導体部分、および、前記ビア電極を前記導体部分から分離するセパレータ部分を含み、前記導体部分は前記制御可能導電層に接触し、
前記制御可能導電層の少なくとも1つの記憶部分が、前記ビア電極および前記導体部分の間で電気的に連続している、
メモリデバイス。
【請求項2】
前記層のスタックが、前記ビア電極を収容するための孔を画定する内部側壁を有する、請求項1に記載のメモリデバイス。
【請求項3】
前記制御可能導電層が、オボニック閾値スイッチ(OTS)材料を含む、請求項1に記載のメモリデバイス。
【請求項4】
前記導体部分が、金属材料と組み合わせた炭素(C)を含む、請求項1に記載のメモリデバイス。
【請求項5】
前記導体部分が、タングステン(W)、チタン(Ti)、窒化チタン(TiN)、タンタル(Ta)、コバルト(Co)、および、ルテニウム(Ru)からなる材料群から選択される材料を含む、請求項1に記載のメモリデバイス。
【請求項6】
前記ビア電極が、タングステン(W)を含む、請求項1に記載のメモリデバイス。
【請求項7】
前記ビア電極が、窒化チタン(TiN)を含む、請求項1に記載のメモリデバイス。
【請求項8】
前記セパレータ部分が、誘電材料を含む、請求項1に記載のメモリデバイス。
【請求項9】
前記ビア電極が、前記スタック中を縦方向にそれぞれが延びた複数のビア電極のうちの1つであり、
前記スタックが、前記複数のビア電極のうちの各ビア電極を収容するための孔を画定する複数の内部側壁を有する、
請求項1から8のいずれか一項に記載のメモリデバイス。
【請求項10】
前記制御可能導電層が、複数の制御可能導電層のうちの1つであり、
前記電極層が、複数の電極層のうちの1つであり、前記複数の制御可能導電層のうちの各制御可能導電層が、前記複数の電極層のうちのそれぞれに隣接している、
請求項9に記載のメモリデバイス。
【請求項11】
前記層が、分離層をさらに有し、
前記分離層のうちの少なくとも1つが、前記複数の制御可能導電層のうちの各制御可能導電層を、前記複数の制御可能導電層のうちの他の制御可能導電層から分離しており、
前記分離層のうちの少なくとも1つが、前記複数の電極層のうちの各電極層を、前記複数の電極層のうちの他の電極層から分離している、
請求項10に記載のメモリデバイス。
【請求項12】
前記導体部分が、複数の導体部分のうちの1つであり、
前記セパレータ部分が、複数のセパレータ部分のうちの1つであり、
前記複数の電極層のうちの各電極層が、前記複数の導体部分のうちのそれぞれを含み、かつ、前記複数のビア電極のうちの各ビア電極に対応して、前記複数のセパレータ部分のうちのそれぞれのセパレータ部分を含み、
前記セパレータ部分が、前記ビア電極を前記導体部分から分離る、
請求項10に記載のメモリデバイス。
【請求項13】
前記記憶部分が、特定の記憶部分であり、
前記複数のビア電極のうちの各ビア電極および前記複数の電極層のうちの各電極層に対応して、前記各電極層に隣接する、前記制御可能導電層の少なくとも1つの各記憶部分が、前記各ビア電極および前記各電極層の前記導体部分の間で電気的に連続しており、
前記特定の記憶部分が、前記各記憶部分のうちの1つである、
請求項12に記載のメモリデバイス。
【請求項14】
前記複数の導体部分のうちの各導体部分が、メモリアレイのそれぞれのワード線として動作可能であり、
前記複数のビア電極のうちの各ビア電極が、前記メモリアレイのそれぞれのビット線として動作可能であり、
各記憶部分を、前記メモリアレイの情報の部分を記憶するための不揮発性ストレージとして使用可能であり、前記情報前記ワード線および前記ビット線を使用してアクセス可能な1または複数のビットのバイナリ情報に分解可能であり、前記ワード線および前記ビット線は、前記ワード線と前記ビット線との間に位置する電気的に連続した前記記憶部分を有する
請求項13に記載のメモリデバイス。
【請求項15】
前記メモリデバイスが、ソリッドステートディスク(SSD)内の不揮発性ストレージを実装すること、ストレージクラスメモリ(SCM)を実装すること、および/または、Compute Express Link(CXL)に適合したメモリを実装することに適している、請求項14に記載のメモリデバイス。
【請求項16】
メモリデバイスを形成する方法であって、
層のスタックを形成する段階、ここで、前記層が、制御可能導電層および前記制御可能導電層に隣接した電極層を有する;および
前記スタック中を縦方向に延びたビア電極を形成する段階
を備え、
前記電極層が、導体部分およびセパレータ部分を含み、
前記セパレータ部分が、前記ビア電極を前記導体部分から分離しており、
前記制御可能導電層の少なくとも1つの記憶部分が、前記ビア電極および前記導体部分の間で電気的に連続しており前記導体部分は前記制御可能導電層に接触する、
方法。
【請求項17】
前記ビア電極を形成する前記段階が、前記スタックを貫通するように孔を形成する段階を有し、前記孔が、前記層全体を通しての前記ビア電極の寸法を規定する、請求項16に記載の方法。
【請求項18】
前記電極層内にアンダーカットを形成して、前記アンダーカットが前記孔を囲み、前記アンダーカットが前記セパレータ部分についての体積を規定するようにすることで、前記電極層が形成される、請求項17に記載の方法。
【請求項19】
前記電極層が、前記アンダーカット内に前記セパレータ部分を形成することにより形成される、請求項18に記載の方法。
【請求項20】
前記制御可能導電層が、オボニック閾値スイッチ(OTS)材料を含み、
前記導体部分が、炭素(C)を含む、
請求項16から19のいずれか一項に記載の方法。