(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2025016118
(43)【公開日】2025-01-31
(54)【発明の名称】外装構造及び車両の外装構造
(51)【国際特許分類】
F21S 43/50 20180101AFI20250124BHJP
F21S 43/33 20180101ALI20250124BHJP
F21S 43/14 20180101ALI20250124BHJP
F21V 7/28 20180101ALI20250124BHJP
F21S 43/20 20180101ALI20250124BHJP
F21W 104/00 20180101ALN20250124BHJP
F21Y 115/10 20160101ALN20250124BHJP
【FI】
F21S43/50
F21S43/33
F21S43/14
F21V7/28 250
F21V7/28 240
F21S43/20
F21W104:00
F21Y115:10
【審査請求】未請求
【請求項の数】3
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023119177
(22)【出願日】2023-07-21
(71)【出願人】
【識別番号】000241463
【氏名又は名称】豊田合成株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100105957
【弁理士】
【氏名又は名称】恩田 誠
(74)【代理人】
【識別番号】100068755
【弁理士】
【氏名又は名称】恩田 博宣
(72)【発明者】
【氏名】青山 俊介
(72)【発明者】
【氏名】奥村 晃司
(72)【発明者】
【氏名】深川 鋼司
(72)【発明者】
【氏名】安藤 宏明
(72)【発明者】
【氏名】矢上 剛士
(57)【要約】
【課題】外観を向上させることができる外装構造及び車両の外装構造を提供する。
【解決手段】外装構造は、外部からの光を透過させない非透光部12と、非透光部12の周辺に配置されるとともに光を反射及び透過させる透光部13とを備えている。非透光部12で反射する光と、透光部13で反射する光と透光部13に対して内側から照射されて透光部13を透過する光とを合わせた際の光との色差ΔEは、5以内である。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
外部からの光を透過させない非透光部と、前記非透光部の周辺に配置されるとともに前記光を反射及び透過させる透光部とを備えた外装構造であって、
前記非透光部で反射する前記光と、前記透光部で反射する前記光と前記透光部に対して内側から照射されて前記透光部を透過する光とを合わせた際の光との色差ΔEは、5以内であることを特徴とする外装構造。
【請求項2】
外部からの光を透過させない非透光部と、前記非透光部の周辺に配置されるとともに前記光を反射及び透過させる透光部と、前記透光部の内側に配置されるとともに前記透光部に光を照射することによって表示することを可能にした表示用光源とを備えた車両の外装構造であって、
前記透光部は、前記表示用光源の発光により、前記透光部の外装色が前記非透光部の外装色に近づけられた状態または前記透光部の外装色が前記非透光部の外装色と同じになった状態で発色することを特徴とする車両の外装構造。
【請求項3】
前記透光部は、透明樹脂基材と、染料または顔料を含有する第1発色層と、可視光を反射するとともに赤外線を透過させるコールドミラー薄膜によって構成されたフィラーを含有する第2発色層とを備え、且つ波長が380nm以上800nm以下の可視光の透過率が5%以上20%以下であり、且つ波長が900nm以上2000nm以下の赤外線の最大透過率が60%以上であり、且つミリ波の減衰率が3.0dB以下であることを特徴とする請求項2に記載の車両の外装構造。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、外装構造及び車両の外装構造に関する。
【背景技術】
【0002】
一般に、車両の外装構造を構成するフロントグリルとして発光グリルが知られている(例えば、特許文献1参照)。こうした発光グリルは、透光性のアウタカバーと、アウタカバーの内側に配置された発光素子とを有している。発光グリルは、夜間に発光素子の光がアウタカバーを透過することによって発光する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、発光グリルは、通常、日中に発光させることはない。発光グリルは、発光していない場合、太陽光などの外部からの光が照射されると、その光のうち一部がアウタカバーを透過するとともに残りがアウタカバーで反射する。一方、車両において発光グリルに隣接するフードは、太陽光などの外部からの光が照射されると、その光のほとんどを反射する。このため、発光グリルの外観とフードの外観とが大きく異なってしまうので、車両の外観が低下するという課題がある。
【0005】
こうした課題は、車両の外装構造に限らず、光を透過させない非透光部と、非透光部の周辺に配置されるとともに光を反射及び透過させる透光部とを有した車両以外の外装構造においても概ね共通したものとなっている。
【課題を解決するための手段】
【0006】
以下、上記課題を解決するための外装構造及び車両の外装構造の各態様を記載する。
[態様1]外部からの光を透過させない非透光部と、前記非透光部の周辺に配置されるとともに前記光を反射及び透過させる透光部とを備えた外装構造であって、
前記非透光部で反射する前記光と、前記透光部で反射する前記光と前記透光部に対して内側から照射されて前記透光部を透過する光とを合わせた際の光との色差ΔEは、5以内であることを特徴とする外装構造。
【0007】
上記構成によれば、非透光部と透光部との外観の差が小さくなるので、非透光部と透光部との境界が目立ち難くなる。このため、外観を向上させることができる。
[態様2]外部からの光を透過させない非透光部と、前記非透光部の周辺に配置されるとともに前記光を反射及び透過させる透光部と、前記透光部の内側に配置されるとともに前記透光部に光を照射することによって表示することを可能にした表示用光源とを備えた車両の外装構造であって、前記透光部は、前記表示用光源の発光により、前記透光部の外装色が前記非透光部の外装色に近づけられた状態または前記透光部の外装色が前記非透光部の外装色と同じになった状態で発色することを特徴とする車両の外装構造。
【0008】
上記構成によれば、非透光部と透光部との外観の差が小さくなるかまたはなくなるので、非透光部と透光部との境界が目立たなくなる。このため、車両の外観を向上させることができる。
【0009】
[態様3]前記透光部は、透明樹脂基材と、染料または顔料を含有する第1発色層と、可視光を反射するとともに赤外線を透過させるコールドミラー薄膜によって構成されたフィラーを含有する第2発色層とを備え、且つ波長が380nm以上800nm以下の可視光の透過率が5%以上20%以下であり、且つ波長が900nm以上2000nm以下の赤外線の最大透過率が60%以上であり、且つミリ波の減衰率が3.0dB以下であることを特徴とする[態様2]に記載の車両の外装構造。
【0010】
上記構成によれば、透光部は、赤外線及びミリ波の透過を妨げない。このため、透光部の内側に赤外線センサやミリ波センサなどの電磁波センサを配置した場合に、透光部を赤外線センサやミリ波センサなどを覆うための電磁波透過カバーとして機能させることができる。
【発明の効果】
【0011】
本発明は、外観を向上させることができるという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【
図1】一実施形態の車両の外装構造を示す断面模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、外装構造を車両の外装構造に具体化した一実施形態を図面に従って説明する。
<車両11の構成>
図1に示すように、外装構造の一例としての車両11の外装構造は、非透光部12と、透光部13と、表示用光源14と、ハウジング15とを備えている。非透光部12は、板状をなすとともに、一例として車両11の前部に位置するフード16を構成する。透光部13、表示用光源14、及びハウジング15は、一例として発光グリル17を構成する。透光部13は、板状をなすとともに、一例として車両11の前部に位置する発光グリル17の外装を構成する。
【0014】
透光部13は、非透光部12の周辺に配置されている。すなわち、透光部13は、非透光部12の下側に隣接して配置されている。非透光部12と透光部13との外装色同士は、互いに同系色になっている。車両11における発光グリル17の後側の位置には、赤外線センサ18及びミリ波センサ19が上下に並んで配置されている。
【0015】
赤外線センサ18は、電磁波のうち900nm以上2000nm以下の波長を有する赤外線(近赤外線)を車両11の前方へ向けて送信し、且つ先行車両及び歩行者等を含む車外の物体に当たって反射された赤外線を受信する。赤外線センサ18では、送信及び受信した赤外線に基づき、車外の上記物体を認識するとともに、車両11と上記物体との距離、相対速度等を検出する。赤外線センサ18は、ミリ波センサ19が検出できる物体よりも小さな物体を検出できるといった特徴を有している。
【0016】
ミリ波センサ19は、電磁波のうちミリ波を車両11の前方へ向けて送信し、且つ先行車両及び歩行者等を含む車外の物体に当たって反射されたミリ波を受信する。ミリ波センサ19では、送信及び受信したミリ波に基づき、車外の上記物体を認識するとともに、車両11と上記物体との距離、相対速度等を検出する。ミリ波とは、波長が1mm~10mmであり、且つ周波数が30GHz~300GHzである電波をいう。ミリ波センサ19は、雨や霧、雪といった悪天候に強く、且つ赤外線センサ18と比較して検出可能距離が長いといった特徴を有している。
【0017】
<非透光部12>
図1に示すように、非透光部12は、例えば太陽光などの外部からの光を透過させない。すなわち、非透光部12は、外部からの光をほぼ100%反射する。
【0018】
<透光部13>
図1及び
図2に示すように、透光部13は、例えば太陽光などの外部からの光を反射及び透過させる。すなわち、透光部13は、外部からの光のうち、一部を反射するとともに、残りを透過させる。透光部13は、外部からの光のうち、例えば、80%を反射する場合、残りの20%を透過させる。
【0019】
透光部13は、板状の透明樹脂基材20と、透明樹脂基材20の後面に積層された加飾層21とを有している。加飾層21は、透明樹脂基材20の後面に積層された第1発色層22と、第1発色層22の後面に積層された第2発色層23とを有している。透明樹脂基材20は、例えば、ポリカーボネート(PC)樹脂などによって構成される。第1発色層22は、第1ベース樹脂24に染料または顔料を含有させた層である。
【0020】
図2及び
図3に示すように、第2発色層23は、第2ベース樹脂25にコールドミラー薄膜によって構成されたフィラー26を含有させた層である。コールドミラー薄膜は、可視光を反射するとともに、赤外線を透過させるという特徴を有している。
【0021】
図1及び
図2に示すように、透光部13は、波長が380nm以上800nm以下の可視光の透過率が5%以上20%以下であることが好ましい。透光部13における可視光の透過率が5%未満である場合、表示用光源14の光によって透光部13に発光表示させる際の光量が不足するおそれがある。透光部13における可視光の透過率が20%を超える場合、透光部13における可視光の反射率が非透光部12における可視光の反射率に比べて小さくなりすぎるので、非透光部12と透光部13との外観の差が大きくなってしまうおそれがある。
【0022】
透光部13は、波長が900nm以上2000nm以下の赤外線の最大透過率が60%以上であることが好ましい。透光部13における赤外線の最大透過率が60%未満である場合、赤外線センサ18の検出精度が不足するおそれがある。透光部13は、ミリ波の往復での減衰率が3.0dB以下であることが好ましい。透光部13におけるミリ波の往復での減衰率が3.0dBを超えると、ミリ波センサ19の検出精度が不足するおそれがある。
【0023】
<ハウジング15>
図1に示すように、ハウジング15は、前端に開口部27を有した有底矩形箱状をなしている。ハウジング15の開口部27は、透光部13の透明樹脂基材20によって塞がれている。ハウジング15は、透光部13側に開口部27を有している。透光部13の加飾層21は、ハウジング15内に位置している。
【0024】
ハウジング15は、例えば、ポリカーボネート(PC)樹脂、アクリロニトリル-ブタジエン-スチレン共重合(ABS)樹脂、アクリロニトリル・エチレン-プロピレン-ジエン・スチレン(AES)樹脂、アクリロニトリル-スチレン-アクリレート共重合(ASA)樹脂等によって構成される。
【0025】
ハウジング15における透光部13との対向面28における上端部及び下端部には、表示用光源14がそれぞれ設けられている。すなわち、ハウジング15は、内部に2つの表示用光源14を収容している。したがって、各表示用光源14は、透光部13の後側(内側)の位置に配置されている。表示用光源14は、可視光を照射するLED(Light Emitting Diode)と、LEDを制御する制御回路とを有している。表示用光源14は、透光部13に可視光を照射することで、透光部13を透過する可視光によって文字や絵柄などの発光表示を行う。
【0026】
<実施形態の作用>
車両11は、通常、夜間の走行において表示用光源14を発光させる。すると、表示用光源14から透光部13に光が照射されるので、透光部13を透過する光によって文字や絵柄などが発光表示される。
【0027】
一方、車両11は、通常、昼間の走行において透光部13に文字や絵柄などを発光表示しないので、表示用光源14を発光表示のために発光させることはない。すると、透光部13では、照射される外部からの光の一例としての太陽光のうち、一部を反射するが、残りを透過させる。このとき、透光部13と隣接する非透光部12では、照射される太陽光のほぼ全てを反射する。このため、透光部13での太陽光の反射率は、非透光部12での太陽光の反射率よりも小さくなる。
【0028】
したがって、透光部13で反射する太陽光の光量は、非透光部12で反射する太陽光の光量よりも少なくなる。すなわち、透光部13で反射する太陽光の光量と非透光部12で反射する太陽光の光量との間に差が生じる。この差が大きくなると、透光部13と非透光部12との外装色同士が同系色であっても、透光部13と非透光部12との間で発色が大きく異なってしまう。この結果、透光部13と非透光部12との境界が目立ち易くなるので、車両11の外観が低下してしまう。
【0029】
この点、本実施形態では、車両11の昼間の走行において、次のようになるように、表示用光源14を発光させる。すなわち、非透光部12で反射する太陽光と、透光部13で反射する太陽光と透光部13の後側(内側)に配置された表示用光源14から照射されて透光部13を透過する光とを合わせた際の光との色差ΔEが5以内となるように、表示用光源14を発光させる。
【0030】
これにより、透光部13は、表示用光源14の上述のような発光により、透光部13の外装色が非透光部12の外装色に近づけられた状態または透光部13の外装色が非透光部12の外装色と同じになった状態で発色する。なぜなら、透光部13から外部へ放たれる光と非透光部12から外部へ放たれる光との色差ΔEが小さいほど、非透光部12の外装色と透光部13の外装色との見た目が近くなるからである。
【0031】
この結果、透光部13の外観と非透光部12の外観とが極めて近い状態になるので、透光部13と非透光部12との境界が目立ち難くなる。したがって、車両11の外観が向上される。
【0032】
一例として、
図2の矢印で示すように、透光部13及び非透光部12のそれぞれに対して入射する入射太陽光29の入射光量を100とした場合、透光部13では100の入射太陽光29のうちの80の入射太陽光29が反射光30として反射するとともに残りの20の入射太陽光29が透過光31として透過する一方、非透光部12では100の入射太陽光29が反射光30として反射する。この状態では、透光部13から外部へ放たれる光の光量は80であるとともに、非透光部12から外部へ放たれる光の光量は100である。
【0033】
こうした場合には、表示用光源14から透光部13を透過して外部に放たれる光の光量が20となるように、表示用光源14から透光部13に対して光を照射光32として照射する。すると、透光部13の外部へ放たれる光の光量は80+20=100となるので、透光部13から外部へ放たれる光の光量と非透光部12から外部へ放たれる光の光量とが同じになる。
【0034】
すなわち、透光部13から外部へ放たれる光と非透光部12から外部へ放たれる光との色差ΔEが0になる。このため、透光部13の外装色と非透光部12の外装色とが同じになる。したがって、透光部13と非透光部12との境界が目立たなくなるので、車両11の外観が向上される。
【0035】
なお、透光部13及び非透光部12のそれぞれに対して入射する入射太陽光29の入射光量は、天気によって変化する。このため、入射太陽光29の入射光量を光センサ(図示略)で検出し、当該検出結果に基づいて表示用光源14から透光部13に対して照射する照射光32の光量を調整することが好ましい。
【0036】
また、透光部13は、波長が900nm以上2000nm以下の赤外線の最大透過率が60%以上であるため、赤外線センサ18の検出精度が確保される。さらに、透光部13は、ミリ波の往復での減衰率が3.0dB以下であるため、ミリ波センサ19の検出精度が確保される。したがって、透光部13は、電磁波透過カバーとしても機能する。
【0037】
<実施形態の効果>
以上詳述した実施形態によれば、次のような効果が発揮される。
(1)車両11の外装構造は、外部からの光を透過させない非透光部12と、非透光部12の周辺に配置されるとともに上記光を反射及び透過させる透光部13と、透光部13の内側に配置されるとともに透光部13に光を照射することによって表示することを可能にした表示用光源14とを備える。透光部13は、表示用光源14の発光により、透光部13の外装色が非透光部12の外装色に近づけられた状態または透光部13の外装色が非透光部12の外装色と同じになった状態で発色する。
【0038】
上記構成によれば、非透光部12と透光部13との外観の差が小さくなるかまたはなくなるので、非透光部12と透光部13との境界が目立たなくなる。このため、車両11の外観を向上させることができる。
【0039】
(2)車両11の外装構造において、透光部13は、透明樹脂基材20と、染料または顔料を含有する第1発色層22と、可視光を反射するとともに赤外線を透過させるコールドミラー薄膜によって構成されたフィラー26を含有する第2発色層23とを備える。透光部13は、波長が380nm以上800nm以下の可視光の透過率が5%以上20%以下であり、且つ波長が900nm以上2000nm以下の赤外線の最大透過率が60%以上であり、且つミリ波の減衰率が3.0dB以下である。
【0040】
上記構成によれば、透光部13は、赤外線及びミリ波の透過を妨げない。このため、透光部13の内側に赤外線センサ18やミリ波センサ19などの電磁波センサを配置した場合に、透光部13を赤外線センサ18やミリ波センサ19などを覆うための電磁波透過カバーとして機能させることができる。
【0041】
<変更例>
上記実施形態は、以下のように変更して実施することができる。また、上記実施形態及び以下の変更例は、技術的に矛盾しない範囲で互いに組み合わせて実施することができる。
【0042】
・透光部13は、必ずしも波長が380nm以上800nm以下の可視光の透過率が5%以上20%以下である必要はない。
・透光部13は、必ずしも波長が900nm以上2000nm以下の赤外線の最大透過率が60%以上である必要はない。
【0043】
・透光部13は、必ずしもミリ波の減衰率が3.0dB以下である必要はない。
・外部からの光は、太陽光に限らず、例えば屋外や屋内に設置された照明機器からの光であってもよい。
【0044】
・加飾層21は、反射光を制御するためのスモーク層及び発光色を制御するための補色層のうち少なくとも一方を有していてもよい。
・上記実施形態の外装構造は、例えば外壁に非透光部12と透光部13とを有した建物の外装構造などの車両11以外の外装構造に適用してもよい。この外装構造は、必ずしも光源を有する必要はない。この外装構造では、光が透光部13に対して内側から照射されて透光部13を透過する。この光は、例えば外装構造の内部の光源からの光であってもよいし、外装構造の外部からの光であってもよい。上記光が外装構造の外部からの光である場合、当該光は透光部13よりも内側の位置で反射してから透光部13に対して内側から照射されて透光部13を透過する。さらにこの外装構造は、非透光部12で反射する外部からの光と、透光部13で反射する外部からの光と透光部13の内側から照射されて透光部13を透過する光とを合わせた際の光との色差ΔEが5以内となるように構成される。このようにすれば、非透光部12と透光部13との外観の差が小さくなるので、非透光部12と透光部13との境界が目立ち難くなる。このため、外装構造の外観を向上させることができる。
【0045】
・車両11の外装構造は、発光グリル17に非透光部と透光部とを隣接して設けるようにしてもよい。
【符号の説明】
【0046】
11…車両
12…非透光部
13…透光部
14…表示用光源
15…ハウジング
16…フード
17…発光グリル
18…赤外線センサ
19…ミリ波センサ
20…透明樹脂基材
21…加飾層
22…第1発色層
23…第2発色層
24…第1ベース樹脂
25…第2ベース樹脂
26…フィラー
27…開口部
28…対向面
29…入射太陽光
30…反射光
31…透過光
32…照射光