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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2025161185
(43)【公開日】2025-10-24
(54)【発明の名称】広告表示体受注方法
(51)【国際特許分類】
   G06Q 30/0241 20230101AFI20251017BHJP
   G09F 19/00 20060101ALI20251017BHJP
【FI】
G06Q30/0241 444
G09F19/00 Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】3
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2024064165
(22)【出願日】2024-04-11
(71)【出願人】
【識別番号】000003193
【氏名又は名称】TOPPANホールディングス株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100105854
【弁理士】
【氏名又は名称】廣瀬 一
(74)【代理人】
【識別番号】100116012
【弁理士】
【氏名又は名称】宮坂 徹
(72)【発明者】
【氏名】和久 俊英
【テーマコード(参考)】
5L030
【Fターム(参考)】
5L030BB08
(57)【要約】      (修正有)
【課題】ベルトパーティションスタンドの支柱に被せて使用する広告表示体のデザイン内容を事前に見ることが可能な広告表示体受注方法を提供する。
【解決手段】広告表示体受発注システムにおいて、販売事業所の端末(演算処理装置)による方法は、入力されたデザインを広告表示体の所定箇所に表示された状態の所定のデザイン内容として三次元変換することと、三次元変換された所定のデザイン内容が広告表示体の所定箇所に表示された仮想画像を作成することと、を含む。
【選択図】図6
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ベルトパーティションスタンドの支柱に広告表示体の筒状部が被嵌された状態で外部から見える所定箇所に所定のデザイン内容が広告として表示された広告表示体の受注を演算処理装置で行う広告表示体受注方法であって、
前記演算処理装置は、入力されたデザインを前記広告表示体の前記所定箇所に表示された状態の前記所定のデザイン内容として三次元変換し、その三次元変換された所定のデザイン内容を前記広告表示体の前記所定箇所に表示した仮想画像を作成する、広告表示体受注方法。
【請求項2】
前記演算処理装置は、前記広告表示体を発注する利用者か又は発注する可能性のある利用者の端末に前記仮想画像を送信する、請求項1に記載の広告表示体受注方法。
【請求項3】
前記所定箇所は、前記筒状部の外周面であるか又は前記外周面を含む、請求項1に記載の広告表示体受注方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、広告表示体受注方法、特にベルトパーティションスタンドの支柱に被せて使用する広告表示体の受注方法に関する。
【背景技術】
【0002】
例えば、下記特許文献1にも記載されるベルトパーティションスタンドは、種々のものが開発され、簡易な間仕切り(パーティション)としてだけでなく、例えば順番待ちの順路を形成するなど、多用途に用いられている。一般的なベルトパーティションスタンドは、支柱の頂部に、パーティションベルトが繰り出し可能に巻き取られたヘッドを備えて構成され、例えば、ヘッドから繰り出されたパーティションベルトの先端を隣合うベルトパーティションスタンドのヘッドに係合させてパーティション構造を形成する。こうしたベルトパーティションスタンドに広告を表示する場合には、パーティションベルトや支柱の外表面に直接的に広告内容を描画や印刷などによって表示している。なお、「広告」は、商品や会社の宣伝などにとどまらず、広く世間に知らしめることを意味する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2014-181533号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、パーティションベルトや支柱に広告のデザイン内容を直接的に表示した場合、表示されたデザイン内容を変更することは困難である。また、例えば、短期のイベントなどで使用されるベルトパーティションスタンドのパーティションベルトや支柱に広告のデザイン内容を描画や印刷などで直接的に表示することも考えられるが、実際の施工の手間や施工コストなどを考え合わせると実現は難しい。そこで、ベルトパーティションスタンドの支柱に被嵌することが可能な筒状部を有する広告表示体に予め広告のデザイン内容を表示しておき、この広告表示体をベルトパーティションスタンドの支柱に被せて使用することを着想した。筒状部は、ベルトパーティションスタンドの支柱に比較的緊密に被嵌できる円筒形状のものが多くなる。広告のデザイン内容は、円筒形状の筒状部を含めて広告表示体の外部から見える所定箇所に表示される。しかしながら、この広告表示体の販売を業態とする場合、広告表示体を購入しようとする利用者は、広告表示体に表示されるデザイン内容を事前に見ることができないという不利がある。
【0005】
本発明は、上記課題に鑑みてなされたものであり、その目的は、ベルトパーティションスタンドの支柱に被せて使用する広告表示体のデザイン内容を事前に見ることが可能な広告表示体受注方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するため、本発明の一態様に係る広告表示体受注方法は、ベルトパーティションスタンドの支柱に広告表示体の筒状部が被嵌された状態で外部から見える所定箇所に所定のデザイン内容が広告として表示された広告表示体の受注を演算処理装置で行う広告表示体受注方法であって、演算処理装置は、入力されたデザインを広告表示体の所定箇所に表示された状態の所定のデザイン内容として三次元変換し、その三次元変換された所定のデザイン内容を広告表示体の所定箇所に表示した仮想画像を作成することを要旨とする。
【発明の効果】
【0007】
本発明の広告表示体受注方法によれば、広告表示体の仮想画像には、三次元変換された所定のデザイン内容が所定箇所に表示されているので、広告表示体を購入しようとする利用者は、この仮想画像を事前に見てデザイン内容を確認することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】広告表示体受発注システムの一実施形態を示す概略構成図である。
図2】ベルトパーティション用の広告表示体の一例を示す斜視図である。
図3図2の広告表示体の説明図である。
図4】ベルトパーティション用の広告表示体の他の例を示す斜視図である。
図5】ベルトパーティションスタンドの説明図である。
図6図1の演算処理装置で実行される演算処理のフローチャートである。
図7図1の端末に表示されるデザイン入力画面の説明図である。
図8図1の端末に表示されるデザイン入力画面の説明図である。
図9図1の端末に表示される待機画面の説明図である。
図10図1の端末に表示される待機画面の説明図である。
図11図1の端末に表示されるプレビュー画面の説明図である。
図12図1の端末に表示されるプレビュー画面の説明図である。
図13図1の端末に表示されるプレビュー画面の説明図である。
図14図1の端末に表示されるプレビュー画面の説明図である。
図15図2の広告表示体の第1変形例を示す説明図である。
図16図15の広告表示体の更なる変形例を示す断面図である。
図17図2の広告表示体の第2変形例を示す説明図である。
図18図17の広告表示体の変形例を示す説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下に、本発明の広告表示体受注方法を実施化した広告表示体受発注システムの実施形態について図面を参照して詳細に説明する。以下に示す実施形態は、本発明の技術的思想を具体化するための装置や方法を例示するものであって、本発明の技術的思想は、構成部品の材質、形状、構造、配置等を下記の実施形態に特定するものではない。また、図面は模式的なものである。そのため、図面に表示されているものは現実のものとは異なることに留意すべきであり、図面相互間においても互いの寸法の関係や比率が異なる部分が含まれている。
【0010】
図1は、この実施形態における広告表示体受発注システムの概略構成図である。この実施形態は、広告表示体を購入しようとする利用者が通信回線を通じて広告表示体を発注する受発注システムを想定している。これを実現するため、利用者は、例えば、スマートフォンやパーソナルコンピュータ(以下、PCとも呼ぶ)などの端末Tから広告表示体の販売事業所(製造事業所)Oの端末Pと通信することができる(実際の通信には通信事業所が介在する)。販売事業所O内の端末Pは、販売事業所O内や他の事業所などが管理するデータベースBとも通信を行うことができ、このデータベースBに、利用者やベルトパーティションスタンドなどの種々の情報が記憶されている。なお、端末PはPCなどのコンピュータシステム(演算処理装置)であり、演算処理を行うプロセッサやプログラムやデータを記憶する記憶装置を備える。
【0011】
図2は、この実施形態で販売されるベルトパーティション用の広告表示体1の一例を示す斜視図であり、図3は、図2の広告表示体1の説明図である。この実施形態の広告表示体1が取り付けられるベルトパーティションスタンド10は一般的な既存のものであり、図5に示すように、パーティションベルト14が繰り出し可能に巻き取られたヘッド12を支柱11の頂部に備えて構成される。ヘッド12は、ベルトカセットと呼ばれることもある。このベルトパーティションスタンド10は、例えば一方のベルトパーティションスタンド10のヘッド12から繰り出したパーティションベルト14の先端を他方のベルトパーティションスタンド10のヘッド12に係合させてパーティションベルト14で簡易なパーティション構造を形成する。一般的なベルトパーティションスタンド10のヘッド12は取り外し可能である。支柱11の下端は基台部13によって支持されている。ベルトパーティションスタンド10のヘッド12が取り外しできないものでは、凡そ、支柱11と基台部13を分離することができるようになっている。
【0012】
図2の広告表示体1は、図2bに示すように、円筒形状の筒状部2(のみ)で構成されている。この筒状部2を構成する円筒体には、周方向のどこにも分割箇所がない。この広告表示体1の筒状部2は、図2aのように、ベルトパーティションスタンド10のヘッド12を取り外した後、図2bに示すように、上から支柱11に被嵌される。被嵌後には、図2cに示すように、支柱11の頂部にヘッド12を取り付けてベルトパーティションスタンド10の使用に供する(図3a参照)。広告表示体1は、後述するように、支柱11に被嵌される筒状部2以外の構成部を有していてもよいが、この実施形態では、広告表示体1が円筒形状の筒状部2のみ、すなわち円筒体のみで構成される例について詳述する。従って、この実施形態の広告表示体1は、円筒形状の筒状部2の外部から見える所定箇所、一般的には円筒体の外周面に所定のデザイン内容の広告が表示されているが、その内容などについては後述する。なお、ヘッド12を取り外すことができないベルトパーティションスタンド10では、支柱11と基台部13を分離して、支柱11の下方から広告表示体1の筒状部2を被嵌する。また、広告表示体1の筒状部2の内穴は、広告表示体1が上から簡単に抜けない(抜かれてしまわない)ように支柱11は挿通可能で且つヘッド12は挿通不可の大きさとされている。
【0013】
図3は、図2の広告表示体1の説明図であり、図3aは、ベルトパーティションスタンド10に取り付けられた状態の正面図、図3b、cは、広告表示体1を構成する筒状部2の異なる例の断面図である。この筒状部2は、図3bに示すような肉厚のものや、図3cに示すような薄膜のものが挙げられる。図3bに示す肉厚の筒状部2からなる広告表示体1の広告の表示方法としては、例えば、肉厚円筒体そのものの外周面に直接、広告内容を描画する方法や、予めシート状のフィルムや紙等に印刷したものを肉厚円筒体からなる心材の外周面に貼り付けたり熱収縮(シュリンク)させて密着させたりする方法が挙げられる。図3cに示す薄膜の筒状部2からなる広告表示体1の広告内容の表示方法としては、例えば、シート状の薄膜材料の表面に広告内容を直接描画又は印刷し、描画又は印刷後、それを円筒状に丸めて端部を貼り合わせて筒状部2を形成する。薄膜材料が透明な場合には、筒状部2の内周面となる側の面に描画又は印刷してもよい。貼り合わせの際、貼り合わせ部分が円筒形状の筒状部2の一部になるように円弧断面の曲面とするのが望ましい。
【0014】
図4は、広告表示体1の他の例を示す斜視図であり、支柱11に被嵌している状態を示している。この実施形態の広告表示体1を構成する筒状部2は、薄板の円筒体材料、例えばプラスチックシートからなり、少なくとも周方向に可撓性と復元性、すなわち弾性を有する。そして、この円筒体からなる筒状部2には、周方向の1カ所に、円筒体を周方向に分割可能な切れ目5が長手(高さ)方向全長に亘って形成されている。この筒状部2からなる広告表示体1をベルトパーティションスタンド10の支柱11に被嵌する場合には、例えば図4に示すように、切れ目5から弾性を有する筒状部2を押し開き、その開かれた開口部分に支柱11を径方向から嵌め込むようにして筒状部2の内部に入れる。その後、筒状部2を押し開いている力を弱めると、筒状部2が自身の弾性によって円筒体形状に復元し、支柱11の外周に被嵌されて取り付けられる。全く逆の手順で、筒状部2を支柱11から取り外すこともできる。
【0015】
次に、販売事業所Oの端末Pで実行される、広告表示体受注のための演算処理について図6のフローチャートを用いて説明する。ここでは、広告表示体1の注文の際、利用者が入力する二次元の広告の内容を「デザイン」と規定し、広告表示体1の所定箇所に表示される三次元の広告の内容を「デザイン内容」と規定する。この演算処理は、広告表示体1の注文の際、広告表示体1の所定箇所に表示される広告としてのデザイン内容を注文する利用者に見せて確認したうえで受注することを目的としており、広告表示されるデザインを利用者が入力・修正したり、デザイン内容の表示形態を変更したりすることもできるように構成されている。広告のデザインは、後述するデザインフォーマットに利用者が入力することで取得される。この演算処理のプログラムは、アプリケーションソフト(以下、単にアプリともいう)として予め端末Pに記憶されており、例えば利用者からの広告表示体1の注文を受信したタイミングでアプリが起動されて実行される。なお、広告表示体1の注文は、例えば、通信網上の販売事業所Oのウエブサイトに掲載されている注文フォーマットに必要事項を入力し、そのフォーマットを送信することなどによって行われる。また、アプリは、任意のタイミングでデータベースBにアクセスして必要な情報を取得することができるように構成されている。また、この演算処理は、利用者がウエブサイトを閉じると強制的に終了される。
【0016】
この演算処理では、まずステップS1で、前述した注文内容から、広告表示体1(図ではスリーブ)の種類(形態)を読み込む。この広告表示体1の種類や形態は、例えば、前述した筒状部2の厚さとか、或いは、筒状部2が切れ目5から押し広げられる形態のものであるとか、更に、後述するような広告表示体1そのものの形態が挙げられる。次にステップS2に移行して、注文内容から、広告表示体1(スリーブ)の寸法を読み込む。この広告表示体1の寸法には、筒状部2の内径(内接円直径)や長さなどが挙げられる。次にステップS3に移行して、注文内容から、筒状部2が前述した心材を有するものであるかそうでないものかを読み込む。次にステップS4に移行して、図示しない個別の演算処理に従って、利用者の端末Tへのデザインフォーマットのダウンロードを行う。このデザインフォーマットのダウンロードは、例えば、利用者にデザインフォーマットのダウンロードが必要か否かを問い合わせ、必要である場合にデザインフォーマットのダウンロードのための処理を実行する。例えば、利用者が以前に広告表示体1を注文したことがあり、そのときにデザインフォーマットをダウンロードして端末Tに記憶している場合には、そのデザインフォーマットを利用してもらう。
【0017】
次にステップS5に移行して、図示しない個別の演算処理に従って、注文した利用者にデザインの入力(修正)を指示する。このデザインの入力は、例えば、予めデータ化されたデザインを端末Tに読み込ませて行うとか、イメージスキャナなどで取り込まれた画像データをデザインフォーマットに貼付して行うなどの方法が挙げられる。また、デザインフォーマットに予め用意されているデザインのひな型を利用者が適宜に配置してデザインを組み立てる方法なども挙げられる。また、デザインに文字が含まれる場合には、文字入力のアプリを起動し、文字の大きさやフォントを変更・規定できるようにしてもよい。次にステップS6に移行して、デザインの入力(修正)が終了したか否かを判定し、デザインの入力(修正)が終了した場合にはステップS7に移行し、そうでない場合にはステップS5に移行する(戻る)。このデザインの入力(修正)の終了は、後述するように、例えばデザインフォーマットに設けられた「デザイン入力終了」のボタンが操作され、更に「送信」のボタンが操作されて、入力されたデザインを販売事業所Oの端末Pで読み込める段階を意味する。ステップS7では、図示しない個別の演算処理に従って、読み込まれたデザインを三次元変換し、その三次元変換されたデザイン内容を広告表示体1である筒状部2の外周面に表示して三次元の仮想画像(図では3Dプレビュー)を作成する。具体的には、二次元で入力されたデザインを三次元の円筒面に転写することで三次元仮想画面が構成される。このような三次元仮想画像の作成は、例えば、既存の三次元変換アプリによって行うことができる。
【0018】
次にステップS8に移行して、三次元仮想画像の作成が終了したか否かを判定し、三次元仮想画像の作成が終了した場合にはステップS9に移行し、そうでない場合にはステップS7に移行する(戻る)。ステップS9では、図示しない個別の演算処理に従って、作成された三次元仮想画像(図ではデザインプレビュー)を利用者の端末Tに表示する。次にステップS10に移行して、三次元仮想画像(プレビュー)の形態の変更がないか否かを判定し、三次元仮想画像の形態の変更がない場合にはステップS11に移行し、そうでない場合にはステップS7に移行する。三次元仮想画像の形態の変更は、後述するように、利用者の端末Tに表示されているプレビュー画面の「プレビューの変更」ボタンが操作されたか否かで判定する。この実施形態のように、広告表示体1が円筒形状の筒状部2のみで構成される場合、デザインによっては広告として表示されるデザイン内容が円筒体の陰になって、きちんと見ることができないおそれがある。そこで、例えば、三次元仮想画像を利用者に見てもらい、デザイン内容がきちんと見えない場合には、デザイン内容の表示形態を変更できるようにされている(具体例は後述)。ステップS11では、デザインの変更がないか否かを判定し、デザインの変更がない場合にはステップS12に移行し、そうでない場合にはステップS5に移行する(戻る)。このデザインの変更は、後述するように、利用者の端末Tに表示されているプレビュー画面の「デザインの変更」ボタンが操作されたか否かで判定する。ステップS12では、図示しない個別の演算処理に従って、受注処理を行ってから復帰する。
【0019】
この演算処理の作用を、図7図14に示す利用者の端末Tの画面を用いて説明する。図7は、利用者の端末Tに表示されているデザイン入力画面(デザイン画面)である。この図は、デザインの入力(又は修正)が終了した状態を示しており、利用者はデザインの入力が終了したら、画面に表示されている「デザイン入力終了」ボタンを操作する。すると、ボタンが消え、代わりに、図8に示すように「送信」ボタンが表れるので、利用者が「送信」ボタンを操作すると、入力されたデザインが販売事業所Oの端末Pに送信されて読み込まれる。図9は、読み込まれたデザインを販売事業所Oの端末P内で三次元変換して三次元仮想画像を作成している間に利用者の端末Tに表示されている画像であり、三次元仮想画像(3Dプレビュー)が作成中である旨が表示される。三次元仮想画像が作成されると、図10に示すように、三次元仮想画像(プレビュー)の準備ができた旨が表示され、それと共に「表示」ボタンが表示される。この「表示」ボタンを操作すると、図11に示すように、広告表示体1にデザイン内容が広告として表示された三次元仮想画像が利用者の端末Tの画像に表示される。この三次元仮想画像は、例えば、利用者の端末Tでマウスカーソル(ポインタ)をドラッグしたり画面をスワイプしたりすることで画像を任意の方向に回転させ、これにより様々な角度から画像を見ることができる。例えば、図12は、図11の画像を筒状部2の周方向に回転させたものであり、図13図14は、図11の筒状部2の長手方向に回転させたものである。このようにして広告表示体1に表示されているデザイン内容を種々の方向から見たときに、デザイン内容が見えない、又はよく見えない方向(角度)(以下、死角ともいう)があれば、「プレビューの変更」ボタンを操作すると、デザイン内容の表示形態を変更することができる。具体的には、デザイン内容の表示を筒状部2の周方向に増やしたり長手方向に増やしたりすることができる。例えば、図11に示すような文字からなるデザイン内容が筒状部12の直径方向の2箇所のみに表示されていると、その表示方向と直交する方向から見たときには、図14に示すようにデザイン内容がよく見えない。そこで、このような場合には、表示されているデザイン内容を筒状部2の周方向に90°位相をずらして複写(コピー)するようにすれば、死角を低減して、あらゆる方向からデザイン内容が見えるようにすることができる。また、「デザインの変更」ボタンを操作すれば、デザインそのものを修正したりやり直したりすることも可能である。
【0020】
以上、広告表示体1が筒状部2のみで構成される実施形態について説明したが、広告表示体1は筒状部2以外の構成部を有してもよい。図15は、図2の広告表示体1の第1変形例を示す説明図であり、図15aは、ベルトパーティションスタンド10に取り付けられた状態の正面図、図15bは、図15aの断面図であり、図中の断面図の破線の円は、支柱11の外周面を示す。この例では、円筒形状の筒状部2の一部を径方向外側に山型に膨出して直角二等辺三角形の長角を挟む二辺に相当する断面形状の山型膨出部3を構成し、全体としてティアドロップ断面形状となっている。図16は、図15の広告表示体1の更なる変形例を示す断面図である。このうち、図16aは、図15bの山型膨出部3を筒状部2の直径方向2箇所とし、何れも直角二等辺三角形の頂角を挟む二辺に相当する断面形状とすることで、全体として猫眼断面形状となっている。図16bは、図16aの2カ所の山型膨出部3を筒状部2の径方向外側に引っ張って延伸した先端部の薄い翼部4とされ、筒状部2との連続部は筒状部2の内側に凸な円弧曲面とされている。図16cは、図15b或いは図16aにおける直角二等辺三角形の頂角を挟む二辺に相当する断面形状の山端膨出部3を筒状部2の直交4方向に形成することで全体として正方形断面形状となっている。
【0021】
図17は、広告表示体1の第2変形例を示す説明図であり、図17aは、ベルトパーティションスタンド10に取り付けられた状態の正面図、図17bは、図17aの断面図である。図から明らかなように、この例は、図2の広告表示体1を変形させたものであり、具体的には筒状部2の周縁部の1カ所に、筒状部2の径方向に突出し且つ長手方向に伸長する伸展部7が設けられている。この例では、伸展部7は筒状部2の長手(高さ)方向全長に亘って伸長されている。この伸展部7は、例えば円筒体形状に丸められる方形なプラスチックフィルムの両端部を重ね合わせて貼り合わせることで形成される。図18は、図17の広告表示体1の変形例を示す説明図であり、図18aは、ベルトパーティションスタンド10に取り付けられた状態の正面図、図18bは、図18aの断面図である。図から明らかなように、この例では、図17の伸展部7が筒状部2の直径方向の2カ所に設けられている。伸展部7は、何れも筒状部2の長手(高さ)方向全長に亘って伸長されている。この伸展部7は、例えば半円筒形状に丸められる方形な2枚のプラスチックフィルムの端部同士を重ね合わせて貼り合わせることで形成される。本発明の広告表示体受注システムは、このような形態の広告表示体1を全て対象として受注することができる。
【0022】
このように、この実施形態の広告表示体受発注システムでは、販売事業所Oの端末(演算処理装置)Pによって、入力されたデザインが広告表示体1の所定箇所に表示された状態の所定のデザイン内容として三次元変換され、その三次元変換された所定のデザイン内容が広告表示体1の所定箇所に表示された仮想画像が作成されるので、広告表示体1を購入しようとする利用者は、この仮想画像を見てデザイン内容を購入の前に確認することができる。
【0023】
また、販売事業所Oの端末(演算処理装置)Pは、広告表示体1を発注(購入)する利用者か又は発注する可能性のある利用者の端末Tにデザイン内容の仮想画像を送信することにより、利用者は通信網を介して広告表示体1を発注することが可能となる。
また、デザイン内容が表示される所定箇所は円筒形状の筒状部2の外周面であるか又は外周面を含む場合に、特に三次元仮想画像によるデザイン内容の確認が有効となる。
【0024】
以上、実施形態に係る広告表示体受発注システムについて説明したが、本件発明は、上記実施の形態で述べた構成に限定されるものではなく、本件発明の要旨の範囲内で種々変更が可能である。例えば、上記実施形態では、広告表示体1を購入しようとする利用者が通信回線を介して発注するシステムについてのみ詳述したが、例えば、利用者は販売事業所Oを訪れて発注するようにしてもよい。その場合、販売事業所Oの端末Pでデザインを入力し、図6の演算処理で作成された三次元仮想画像を端末P自身のモニタに表示するようにすれば、利用者はそれを事前に見てデザイン内容を確認することができる。
【符号の説明】
【0025】
1 広告表示体
2 筒状部
4 翼部
5 切れ目
7 伸展部
10 ベルトパーティションスタンド
11 支柱
12 ヘッド
14 パーティションベルト
P 端末(演算処理装置)
T 端末
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18