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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2025016126
(43)【公開日】2025-01-31
(54)【発明の名称】作業用車両
(51)【国際特許分類】
   B60W 20/13 20160101AFI20250124BHJP
   B60K 6/485 20071001ALI20250124BHJP
   B60W 10/26 20060101ALI20250124BHJP
   B60L 1/00 20060101ALI20250124BHJP
   B60L 50/60 20190101ALI20250124BHJP
   B60L 58/12 20190101ALI20250124BHJP
【FI】
B60W20/13
B60K6/485
B60W10/26 900
B60L1/00 L
B60L50/60
B60L58/12
【審査請求】未請求
【請求項の数】8
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023119187
(22)【出願日】2023-07-21
(71)【出願人】
【識別番号】000116574
【氏名又は名称】愛三工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000110
【氏名又は名称】弁理士法人 快友国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】西河 慎
(72)【発明者】
【氏名】岩倉 隆彦
(72)【発明者】
【氏名】高瀬 勝敏
(72)【発明者】
【氏名】鈴木 眞矢
【テーマコード(参考)】
3D202
5H125
【Fターム(参考)】
3D202AA09
3D202BB19
3D202CC59
3D202DD45
5H125AA20
5H125AC08
5H125AC12
5H125BB05
5H125BB09
5H125BC05
5H125BC29
5H125BD17
5H125CD04
5H125EE27
5H125EE31
(57)【要約】
【課題】外部装置により蓄電装置を充電しなくても作業装置を動作させることができる技術を提供する。
【解決手段】作業用車両は、エンジンの動力により走行可能であって、エンジンの動力により動作して電力を発電する発電装置と、発電装置により発電された電力の直流電圧を変圧するコンバータと、コンバータにより電圧が変圧された電力を蓄電する作業用蓄電装置と、作業用蓄電装置から供給される電力により動作して所定の作業を実行可能な作業装置と、を備えていてもよい。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
エンジンの動力により走行可能な作業用車両であって、
前記エンジンの動力により動作して電力を発電する発電装置と、
前記発電装置により発電された電力の直流電圧を変圧するコンバータと、
前記コンバータにより電圧が変圧された電力を蓄電する作業用蓄電装置と、
前記作業用蓄電装置から供給される電力により動作して所定の作業を実行可能な作業装置と、を備える、作業用車両。
【請求項2】
請求項1に記載の作業用車両であって、
前記発電装置から前記コンバータを介さずに供給される電力を蓄電する車両用蓄電装置と、
前記発電装置と前記車両用蓄電装置とを接続する電路を開閉する第1スイッチと、
前記発電装置と前記作業用蓄電装置とを前記コンバータを介して接続する電路を開閉する第2スイッチと、
前記第1スイッチがオンであると共に前記第2スイッチがオフである第1状態と、前記第2スイッチがオンであると共に前記第1スイッチがオフである第2状態と、を切り替える制御を実行可能な制御装置と、を更に備える、作業用車両。
【請求項3】
請求項2に記載の作業用車両であって、
前記制御装置は、前記エンジンが動作している状態で、前記車両用蓄電装置の蓄電量が所定の第1基準蓄電量未満である場合は前記第1状態に切り替え可能であり、前記作業用蓄電装置の蓄電量が所定の第2基準蓄電量未満である場合は前記第2状態に切り替え可能である、作業用車両。
【請求項4】
請求項2に記載の作業用車両であって、
前記制御装置は、
前記エンジンが停止している状態で、前記車両用蓄電装置の蓄電量が所定の第1基準蓄電量未満になる場合、又は、前記作業用蓄電装置の蓄電量が所定の第2基準蓄電量未満になる場合は、前記エンジンを始動し、
前記エンジンが動作している状態で、前記車両用蓄電装置の蓄電量が前記第1基準蓄電量未満である場合は前記第1状態に切り替え可能であり、前記作業用蓄電装置の蓄電量が前記第2基準蓄電量未満である場合は前記第2状態に切り替え可能である、作業用車両。
【請求項5】
請求項2に記載の作業用車両であって、
前記制御装置は、前記エンジンが動作している状態で、
前記エンジンの回転数が所定の基準回転数未満である場合に、前記車両用蓄電装置の蓄電量が所定の第1基準蓄電量未満である場合は前記第1状態に切り替え可能であり、
前記エンジンの回転数が前記基準回転数以上である場合に、前記作業用蓄電装置の蓄電量が所定の第2基準蓄電量未満である場合は前記第2状態に切り替え可能である、作業用車両。
【請求項6】
請求項2に記載の作業用車両であって、
前記車両用蓄電装置と前記作業用蓄電装置とを前記コンバータを介して接続する電路を開閉する第3スイッチを更に備え、
前記制御装置は、前記第1スイッチがオンであると共に前記第2スイッチと前記第3スイッチがオフである前記第1状態と、前記第2スイッチがオンであると共に前記第1スイッチと前記第3スイッチがオフである前記第2状態と、前記第3スイッチがオンであると共に前記第1スイッチと前記第2スイッチがオフである第3状態と、を切り替える制御を実行可能である、作業用車両。
【請求項7】
請求項6に記載の作業用車両であって、
前記制御装置は、前記エンジンが停止している状態で、前記作業用蓄電装置の蓄電量が所定の第3基準蓄電量未満になる場合に、前記車両用蓄電装置の蓄電量が所定の第4基準蓄電量以上である場合は前記第3状態に切り替え可能である、作業用車両。
【請求項8】
エンジンの動力により走行可能な作業用車両であって、
前記エンジンの動力により動作して電力を発電する発電装置と、
前記発電装置により発電された電力を蓄電する車両用蓄電装置と、
前記車両用蓄電装置とは出力電圧が異なる作業用蓄電装置と、
前記車両用蓄電装置から供給される電力又は前記作業用蓄電装置から供給される電力により動作して所定の作業を実行可能な作業装置と、
前記車両用蓄電装置から前記作業装置に供給される電力の直流電圧を変圧するコンバータと、
制御装置と、を備え、
前記作業装置は、前記車両用蓄電装置から前記コンバータを介して供給される電力により動作する第1モードと、前記作業用蓄電装置から前記コンバータを介さずに供給される電力により動作する第2モードと、で前記所定の作業を実行可能であり、
前記制御装置は、前記エンジンが停止している状態で、前記作業装置から所定の始動要求を取得する場合に、前記第1モードで前記作業装置を始動し、所定の切り替え条件が成立する場合に、前記第1モードから前記第2モードに切り替えて前記第2モードで前記作業装置を動作させる、作業用車両。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本明細書に開示する技術は、作業用車両に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1に建設機械が開示されている。特許文献1の建設機械は、エンジンと、エンジンと機械的に接続された電動モータと、蓄電装置と、蓄電装置と電動モータとの間に設けられ電力の変換を行うインバータとを備えている。特許文献1の構成では、蓄電装置が、電動モータに電力を供給する、又は、電動モータによる発電電力を充電する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2018-182920号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1の建設機械では、蓄電装置を充電するために、外部装置から蓄電装置に電力を供給することがある。本明細書は、外部装置により蓄電装置を充電しなくても作業装置を動作させることができる技術を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本技術の第1の態様は、エンジンの動力により走行可能な作業用車両に関する。作業用車両は、前記エンジンの動力により動作して電力を発電する発電装置と、前記発電装置により発電された電力の直流電圧を変圧するコンバータと、前記コンバータにより電圧が変圧された電力を蓄電する作業用蓄電装置と、前記作業用蓄電装置から供給される電力により動作して所定の作業を実行可能な作業装置と、を備えていてもよい。
【0006】
この構成によれば、発電装置により発電された電力の直流電圧を変圧して作業用蓄電装置に供給することができる。これにより、外部装置により作業用蓄電装置を充電しなくても作業装置を動作させることができる。
【0007】
第2の態様では、上記第1態様において、作業用車両は、前記発電装置から前記コンバータを介さずに供給される電力を蓄電する車両用蓄電装置と、前記発電装置と前記車両用蓄電装置とを接続する電路を開閉する第1スイッチと、前記発電装置と前記作業用蓄電装置とを前記コンバータを介して接続する電路を開閉する第2スイッチと、前記第1スイッチがオンであると共に前記第2スイッチがオフである第1状態と、前記第2スイッチがオンであると共に前記第1スイッチがオフである第2状態と、を切り替える制御を実行可能な制御装置と、を更に備えていてもよい。
【0008】
この構成によれば、第1状態と第2状態を切り替えることにより、車両用蓄電装置への充電と、作業用蓄電装置への充電とを選択的に切り替えることができる。
【0009】
第3の態様では、上記第2の態様において、前記制御装置は、前記エンジンが動作している状態で、前記車両用蓄電装置の蓄電量が所定の第1基準蓄電量未満である場合は前記第1状態に切り替え可能であり、前記作業用蓄電装置の蓄電量が所定の第2基準蓄電量未満である場合は前記第2状態に切り替え可能であってもよい。
【0010】
この構成によれば、車両用蓄電装置と作業用蓄電装置の蓄電量に応じて各蓄電装置を充電することができる。
【0011】
第4の態様では、上記第2の態様において、前記制御装置は、前記エンジンが停止している状態で、前記車両用蓄電装置の蓄電量が所定の第1基準蓄電量未満になる場合、又は、前記作業用蓄電装置の蓄電量が所定の第2基準蓄電量未満になる場合は、前記エンジンを始動してもよい。前記制御装置は、前記エンジンが動作している状態で、前記車両用蓄電装置の蓄電量が前記第1基準蓄電量未満である場合は前記第1状態に切り替え可能であり、前記作業用蓄電装置の蓄電量が前記第2基準蓄電量未満である場合は前記第2状態に切り替え可能であってもよい。
【0012】
この構成によれば、エンジンが停止している状態で車両用蓄電装置の蓄電量又は作業用蓄電装置の蓄電量が減少したとしても、エンジンを始動することにより、車両用蓄電装置と作業用蓄電装置の蓄電量に応じて各蓄電装置を充電することができる。
【0013】
第5の態様では、上記第2の態様において、前記制御装置は、前記エンジンが動作している状態で、前記エンジンの回転数が所定の基準回転数未満である場合に、前記車両用蓄電装置の蓄電量が所定の第1基準蓄電量未満である場合は前記第1状態に切り替え可能であってもよい。前記制御装置は、前記エンジンが動作している状態で、前記エンジンの回転数が前記基準回転数以上である場合に、前記作業用蓄電装置の蓄電量が所定の第2基準蓄電量未満である場合は前記第2状態に切り替え可能であってもよい。
【0014】
この構成によれば、エンジンの回転数に応じて、車両用蓄電装置への充電と、作業用蓄電装置への充電とを選択的に切り替えることができる。
【0015】
第6の態様では、上記第2の態様において、作業用車両は、前記車両用蓄電装置と前記作業用蓄電装置とを前記コンバータを介して接続する電路を開閉する第3スイッチを更に備えていてもよい。前記制御装置は、前記第1スイッチがオンであると共に前記第2スイッチと前記第3スイッチがオフである前記第1状態と、前記第2スイッチがオンであると共に前記第1スイッチと前記第3スイッチがオフである前記第2状態と、前記第3スイッチがオンであると共に前記第1スイッチと前記第2スイッチがオフである前記第3状態と、を切り替える制御を実行可能であってもよい。
【0016】
この構成によれば、第1状態と第2状態と第3状態を切り替えることにより、発電装置から車両用蓄電装置への充電と、発電装置から作業用蓄電装置への充電と、車両用蓄電装置から作業用蓄電装置への充電とを選択的に切り替え可能であってもよい。
【0017】
第7の態様では、上記第6の態様において、前記制御装置は、前記エンジンが停止している状態で、前記作業用蓄電装置の蓄電量が所定の第3基準蓄電量未満になる場合に、前記車両用蓄電装置の蓄電量が所定の第4基準蓄電量以上である場合は前記第3状態に切り替えてもよい。
【0018】
この構成によれば、エンジンが停止している状態で作業用蓄電装置の蓄電量が減少したとしても、車両用蓄電装置の蓄電量が十分にある場合は、車両用蓄電装置から作業用蓄電装置へ電力を充電することができる。
【0019】
本技術の第8の態様は、エンジンの動力により走行可能な作業用車両に関する。作業用車両は、前記エンジンの動力により動作して電力を発電する発電装置と、前記発電装置により発電された電力を蓄電する車両用蓄電装置と、前記車両用蓄電装置とは出力電圧が異なる作業用蓄電装置と、前記車両用蓄電装置から供給される電力又は前記作業用蓄電装置から供給される電力により動作して所定の作業を実行可能な作業装置と、前記車両用蓄電装置から前記作業装置に供給される電力の直流電圧を変圧するコンバータと、制御装置と、を備えていてもよい。前記作業装置は、前記車両用蓄電装置から前記コンバータを介して供給される電力により動作する第1モードと、前記作業用蓄電装置から前記コンバータを介さずに供給される電力により動作する第2モードと、で前記所定の作業を実行可能であってもよい。前記制御装置は、前記エンジンが停止している状態で、前記作業装置から所定の始動要求を取得する場合に、前記第1モードで前記作業装置を始動し、所定の切り替え条件が成立する場合に、前記第1モードから前記第2モードに切り替えて前記第2モードで前記作業装置を動作させてもよい。
【0020】
この構成によれば、作業装置の始動時に、先に車両用蓄電装置から作業装置に電力を供給し、その後に作業用蓄電装置から作業装置に電力を供給することにより、作業装置における突入電流の発生を抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
図1】実施例1の作業用車両の機能ブロック図。
図2】変形例の作業用車両の機能ブロック図。
図3】第1処理のフローチャート。
図4】第1処理の変形例1のフローチャート。
図5】第1処理の変形例2のフローチャート。
図6】第2処理のフローチャート。
図7】第3処理のフローチャート。
図8】実施例2の作業用車両の機能ブロック図。
図9】第4処理のフローチャート。
図10】実施例3の作業用車両の機能ブロック図。
図11】第5処理のフローチャート。
【発明を実施するための形態】
【0022】
(実施例1)
実施例1の作業用車両2について図面を参照して説明する。図1に示すように、実施例1の作業用車両2は、車両本体10と、エンジン12と、発電装置14と、車両用蓄電装置20と、作業用蓄電装置22と、コンバータ24とを備えている。また、作業用車両2は、インバータ26と、作業装置30と、制御装置50とを備えている。
【0023】
作業用車両2は、例えば、流体(例えば、水)を圧送する作業を実行するポンプ車である。作業用車両2は、エンジン12の動力により走行可能である。車両本体10は、エンジン12、発電装置14、車両用蓄電装置20、作業用蓄電装置22、コンバータ24、インバータ26、作業装置30、及び制御装置50等を搭載している。
【0024】
作業用車両2のエンジン12は、例えば、ガソリンエンジンである。作業用車両2のエンジン12は、燃料(例えば、ガソリン)の燃焼エネルギーにより動作する。エンジン12の回転数は、回転数センサ64により検出される。回転数センサ64により検出されるエンジン12の回転数の情報は、制御装置50に送信される。回転数センサ64は、例えば、エンジン12に取り付けられている。
【0025】
エンジン12は、クラッチ16を介して後述する作業装置30のモータ32に機械的に接続されていてもよい。この構成では、クラッチ16がオンになるとエンジン12とモータ32が接続され、クラッチ16がオフになるとエンジン12とモータ32が切断される。
【0026】
発電装置14は、エンジン12に機械的に接続されており、エンジン12の動力により動作して電力を発電する。発電装置14は、直流電力を生成して出力する。より詳細には、発電装置14は、エンジン12の動力により発電した交流電力を直流電力に変換して出力する。発電装置14は、オルタネータと呼ばれることもある。
【0027】
車両用蓄電装置20は、発電装置14により発電された電力を蓄電することができる。車両用蓄電装置20は、第1電路71を介して発電装置14に電気的に接続されている。発電装置14から第1電路71を介して車両用蓄電装置20に電力が供給される。これにより、車両用蓄電装置20が充電される。車両用蓄電装置20は、例えば、鉛蓄電池、ニッケル水素電池、又は、リチウムイオン電池等である。
【0028】
車両用蓄電装置20の蓄電量は、第1蓄電量センサ61により検出される。第1蓄電量センサ61により検出される車両用蓄電装置20の蓄電量の情報は、制御装置50に送信される。第1蓄電量センサ61は、例えば、車両用蓄電装置20に取り付けられている。
【0029】
発電装置14と車両用蓄電装置20を接続する第1電路71には第1スイッチ41が配置されている。第1スイッチ41を介して発電装置14と車両用蓄電装置20が電気的に接続される。第1スイッチ41は、発電装置14と車両用蓄電装置20の間の第1電路71を開閉する。第1スイッチ41がオン(閉)になると、発電装置14と車両用蓄電装置20が電気的に接続され、第1スイッチ41がオフ(開)になると、発電装置14と車両用蓄電装置20が電気的に遮断される。発電装置14が動作している状態で第1スイッチ41がオン(閉)になると、発電装置14により発電された電力が車両用蓄電装置20に充電される。
【0030】
車両用蓄電装置20は、例えば、作業用車両2の補機(不図示)に電気的に接続されている。車両用蓄電装置20は、蓄電している電力を作業用車両2の補機に供給することができる。車両用蓄電装置20から放電される電力が補機に供給される。車両用蓄電装置20は、補機用バッテリと呼ばれることもある。作業用車両2の補機は、例えば、セルモータやラジエータ等である。車両用蓄電装置20の出力電圧は、例えば、24Vである。
【0031】
作業用蓄電装置22は、車両用蓄電装置20と同様に、発電装置14により発電された電力を蓄電することができる。作業用蓄電装置22は、第2電路72を介して発電装置14に電気的に接続されている。発電装置14から第2電路72を介して作業用蓄電装置22に電力が供給される。これにより、作業用蓄電装置22が充電される。作業用蓄電装置22は、例えば、鉛蓄電池、ニッケル水素電池、又は、リチウムイオン電池等である。本実施例では、作業用蓄電装置22と発電装置14を接続する第2電路72のうち、発電装置14側の部分は、第1電路71と合流している。変形例では、図2に示すように、第2電路72のうちの発電装置14側の部分は、第1電路71と分離していてもよい。
【0032】
作業用蓄電装置22の蓄電量は、第2蓄電量センサ62により検出される。第2蓄電量センサ62により検出される作業用蓄電装置22の蓄電量の情報は、制御装置50に送信される。第2蓄電量センサ62は、例えば、作業用蓄電装置22に取り付けられている。
【0033】
発電装置14と作業用蓄電装置22を接続する第2電路72には第2スイッチ42とコンバータ24が配置されている。第2スイッチ42とコンバータ24を介して発電装置14と作業用蓄電装置22が電気的に接続される。本実施例では、第2スイッチ42は、発電装置14とコンバータ24の間に配置されている。変形例では、図2に示すように、第2スイッチ42は、コンバータ24と作業用蓄電装置22の間に配置されていてもよい。第2スイッチ42は、発電装置14と作業用蓄電装置22の間の第2電路72を開閉する。第2スイッチ42がオン(閉)になると、発電装置14と作業用蓄電装置22がコンバータ24を介して電気的に接続され、第2スイッチ42がオフ(開)になると、発電装置14と作業用蓄電装置22が電気的に遮断される。発電装置14とコンバータ24が動作している状態で第2スイッチ42がオン(閉)になると、発電装置14により発電された電力がコンバータ24を介して作業用蓄電装置22に充電される。
【0034】
コンバータ24は、発電装置14により発電された電力の電圧を昇圧することができる。コンバータ24は、直流電圧を昇圧するDC/DCコンバータである。コンバータ24は、例えば、直流電圧を24Vから48Vに昇圧する。コンバータ24は、例えば、複数のスイッチング素子(不図示)を備えており、複数のスイッチング素子のそれぞれがオン/オフすることにより直流電圧を昇圧する。コンバータ24の低圧側は発電装置14に電気的に接続されており、コンバータ24の高圧側は作業用蓄電装置22に電気的に接続されている。コンバータ24は、発電装置14から供給される電力を昇圧して作業用蓄電装置22へ供給する。コンバータ24により昇圧された電力が作業用蓄電装置22に充電される。
【0035】
作業用蓄電装置22は、蓄電している電力をインバータ26を介して作業装置30に供給することができる。作業用蓄電装置22は、インバータ26を介して作業装置30に電気的に接続されている。作業用蓄電装置22から放電される電力がインバータ26を介して作業装置30に供給される。作業用蓄電装置22の出力電圧は、例えば、48Vである。作業用蓄電装置22の出力電圧は、車両用蓄電装置20の出力電圧よりも高い。
【0036】
インバータ26は、直流電力を交流電力に変換する装置である。インバータ26は、例えば、複数のスイッチング素子(不図示)を備えており、複数のスイッチング素子のそれぞれがオン/オフすることにより直流電力を交流電力に変換する。インバータ26の入力側は作業用蓄電装置22に電気的に接続されており、インバータ26の出力側は作業装置30のモータ32に電気的に接続されている。インバータ26は、作業用蓄電装置22から出力される直流電力を交流電力に変換して作業装置30のモータ32へ供給する。
【0037】
作業装置30は、インバータ26を介して作業用蓄電装置22に電気的に接続されている。作業装置30は、作業用蓄電装置22からインバータ26を介して供給される電力により動作して所定の作業を実行する。作業装置30は、例えば、流体(例えば、水)を圧送する作業を実行する。作業装置30は、例えば、モータ32とポンプ34を備えている。モータ32は、作業用蓄電装置22からインバータ26を介して供給される電力により回転する。ポンプ34は、モータ32が回転することにより動作する。ポンプ34は、例えば、インペラと、吸入口と、吐出口とを備えている。ポンプ34は、モータ32の回転によりインペラが回転し、インペラの回転により吸入口を通じて流体を吸入すると共に、吸入した液体を吐出口から吐出する。
【0038】
制御装置50は、例えば、CPU、ROM及びRAM等を備えており、所定のプログラムに基づいて所定の制御や処理を実行する。制御装置50は、例えば、第1スイッチ41と第2スイッチ42の開閉制御を実行可能である。制御装置50は、例えば、第1スイッチ41がオンであると共に第2スイッチ42がオフである第1状態と、第2スイッチ42がオンであると共に第1スイッチ41がオフである第2状態と、を切り替える制御を実行可能である。また、制御装置50は、例えば、エンジン12、コンバータ24、及びインバータ26等の動作を制御する。制御装置50が実行する制御や処理については後述する。
【0039】
(第1処理;図3
次に、第1処理について説明する。第1処理は、例えば、作業用車両2のエンジン12が始動すると開始される。エンジン12が始動すると、エンジン12の動力により発電装置14が動作して電力を発電する。第1処理が開始される段階では、第1スイッチ41と第2スイッチ42が共にオフであるとする。また、コンバータ24が停止しているとする。なお、第1処理の実行中に作業用車両2は走行していても停止していてもよい。
【0040】
図3に示すように、第1処理のS10では、制御装置50が、車両用蓄電装置20の蓄電量が所定の第1基準蓄電量(例えば、車両用蓄電装置20の容量の20パーセントの蓄電量)未満であるか否かを判断する。車両用蓄電装置20の蓄電量は、第1蓄電量センサ61により検出される。車両用蓄電装置20の蓄電量が第1基準蓄電量未満である場合は(S10でYES)、処理はS12に進む。車両用蓄電装置20の蓄電量が第1基準蓄電量以上である場合は(S10でNO)、処理はS20に進む。
【0041】
S10でYESの後のS12では、制御装置50が、第1スイッチ41をオンにする。なお、第2スイッチ42はオフに維持される。即ち、制御装置50は、第1スイッチ41と第2スイッチ42について、第1スイッチ41がオンであると共に第2スイッチ42がオフである第1状態に切り替える。第1スイッチ41がオンになると、発電装置14で発電された電力がコンバータ24を介さずに車両用蓄電装置20に供給され、車両用蓄電装置20が充電される。
【0042】
続くS14では、制御装置50が、車両用蓄電装置20の充電が完了したか否かを判断する。例えば、制御装置50は、車両用蓄電装置20の蓄電量が容量の98パーセント以上になると車両用蓄電装置20の充電が完了したと判断する。車両用蓄電装置20の充電が完了した場合は(S14でYES)、処理はS16に進む。車両用蓄電装置20の充電が完了しない場合は(S14でNO)、S14の処理が継続される。
【0043】
S14でYESの後のS16では、制御装置50が、第1スイッチ41をオフにする。第1スイッチ41がオフになると、発電装置14で発電された電力が車両用蓄電装置20に供給されなくなる。その後、処理はS10に戻る。
【0044】
S10でNOの後のS20では、制御装置50が、作業用蓄電装置22の蓄電量が所定の第2基準蓄電量(例えば、作業用蓄電装置22の容量の20パーセントの蓄電量)未満であるか否かを判断する。作業用蓄電装置22の蓄電量は、第2蓄電量センサ62により検出される。作業用蓄電装置22の蓄電量が第2基準蓄電量未満である場合は(S20でYES)、処理はS22に進む。作業用蓄電装置22の蓄電量が第2基準蓄電量以上である場合は(S20でNO)、処理はS10に戻る。
【0045】
S20でYESの後のS22では、制御装置50が、第2スイッチ42をオンにする。なお、第1スイッチ41はオフに維持される。即ち、制御装置50は、第1スイッチ41と第2スイッチ42について、第2スイッチ42がオンであると共に第1スイッチ41がオフである第2状態に切り替える。また、S22では、制御装置50が、コンバータ24を始動する。コンバータ24が始動すると共に第2スイッチ42がオンになると、発電装置14で発電された電力がコンバータ24で昇圧されて作業用蓄電装置22に供給される。これにより、作業用蓄電装置22が充電される。
【0046】
続くS24では、制御装置50が、作業用蓄電装置22の充電が完了したか否かを判断する。例えば、制御装置50は、作業用蓄電装置22の蓄電量が容量の98パーセント以上になると作業用蓄電装置22の充電が完了したと判断する。作業用蓄電装置22の充電が完了した場合は(S24でYES)、処理はS26に進む。作業用蓄電装置22の充電が完了しない場合は(S24でNO)、S24の処理が継続される。
【0047】
S24でYESの後のS26では、制御装置50が、第2スイッチ42をオフにする。また、S26では、制御装置50が、コンバータ24を停止する。第2スイッチ42がオフになると、発電装置14で発電された電力が作業用蓄電装置22に供給されなくなる。その後、処理はS10に戻る。なお、上記の第1処理は、例えば、エンジン12の動作中に継続して実行され、エンジン12が停止すると終了する。
【0048】
以上、実施例1について説明したが、具体的な態様は上記の実施例に限定されない。変形例の態様について以下に説明する。なお、以下の説明において、上記の説明と同様の部分については詳細な説明を省略することがある。
【0049】
(第1処理の変形例1;図4
上記の実施例(図3参照)では、第1処理が開始された後に、S10の処理が実行され、その後にS20の処理が実行される構成であったが、この構成に限定されない。変形例1では、図4に示すように、第1処理が開始された後に、S20の処理が実行され、その後にS10の処理が実行されてもよい。即ち、作業用蓄電装置22に関する処理が、車両用蓄電装置20に関する処理よりも先に実行されてもよい。
【0050】
(第1処理の変形例2;図5
変形例2では、図5に示すように、第1処理が開始された後に、S100の処理が実行される。S100では、制御装置50が、車両用蓄電装置20の蓄電率が作業用蓄電装置22の蓄電率未満であるか否かを判断する。車両用蓄電装置20の蓄電率は、車両用蓄電装置20の容量に対する蓄電量の割合である。作業用蓄電装置22の蓄電率は、作業用蓄電装置22の容量に対する蓄電量の割合である。車両用蓄電装置20の蓄電率が作業用蓄電装置22の蓄電率未満である場合は(S100でYES)、処理はS10に進む。車両用蓄電装置20の蓄電率が作業用蓄電装置22の蓄電率以上である場合は(S100でNO)、処理はS120に進む。
【0051】
変形例2のS120、S122、S124、S126の処理は、それぞれ、第1処理のS20、S22、S24、S26の処理と同様である。また、変形例2のS110、S112、S114、S116の処理は、それぞれ、第1処理のS10、S12、S14、S16の処理と同様である。したがって、これらの処理については詳細な説明を省略する。
【0052】
(第2処理;図6
次に、第2処理について説明する。第2処理は、例えば、作業用車両2のエンジン12が停止すると開始される。エンジン12が停止すると、発電装置14が停止して電力を発電しなくなる。なお、第2処理が開始される段階では、第1スイッチ41と第2スイッチ42が共にオフであるとする。また、コンバータ24が停止しているとする。
【0053】
図6に示すように、第2処理のS30では、制御装置50が、車両用蓄電装置20の蓄電量が所定の第1基準蓄電量(例えば、車両用蓄電装置20の容量の20パーセントの蓄電量)未満になるか否かを監視する。制御装置50は、車両用蓄電装置20の蓄電量が第1基準蓄電量以上から第1基準蓄電量未満に変化するか否かを監視する。また、S30では、制御装置50が、作業用蓄電装置22の蓄電量が所定の第2基準蓄電量(例えば、作業用蓄電装置22の容量の20パーセントの蓄電量)未満になるか否かを監視する。制御装置50は、作業用蓄電装置22の蓄電量が第2基準蓄電量以上から第2基準蓄電量未満に変化するか否かを監視する。車両用蓄電装置20の蓄電量が第1基準蓄電量未満に変化する場合、又は、作業用蓄電装置22の蓄電量が第2基準蓄電量未満に変化する場合は(S30でYES)、処理はS32に進む。車両用蓄電装置20の蓄電量が第1基準蓄電量未満に変化しない場合、かつ、作業用蓄電装置22の蓄電量が第2基準蓄電量未満に変化しない場合は(S30でNO)、S30の処理が継続される。
【0054】
S30でYESの後のS32では、制御装置50が、作業用車両2のエンジン12を始動する。エンジン12が始動すると、エンジン12の動力により発電装置14が動作して電力を発電する。
【0055】
S32の後のS10、S12、S14、S16、S20、S22、S24、及びS26の処理については、第1処理(図3参照)と同様である。したがって、これらの処理については詳細な説明を省略する。なお、第2処理では、S16又はS26の後に処理はS10に戻る。また、第2処理では、S20でNOの場合は、処理はS34に進む。S34では、制御装置50が、作業用車両2のエンジン12を停止する。エンジン12が停止すると、発電装置14が停止して電力を発電しなくなる。
【0056】
(第2処理の変形例1)
第2処理の変形例1では、第1処理の変形例1(図4参照)と同様に、作業用蓄電装置22に関する処理が、車両用蓄電装置20に関する処理よりも先に実行されてもよい。即ち、S32の後に、S20の処理が実行され、その後にS10の処理が実行されてもよい。
【0057】
(第2処理の変形例2)
第2処理の変形例2では、第1処理の変形例2(図5参照)と同様に、S100の処理が実行されてもよい。第2処理の変形例2では、S32の後にS100の処理が実行される。S100では、制御装置50が、車両用蓄電装置20の蓄電率が作業用蓄電装置22の蓄電率未満であるか否かを判断する。
【0058】
(第3処理;図7
次に、第3処理について説明する。第3処理は、例えば、作業用車両2のエンジン12が始動すると開始される。エンジン12が始動すると、エンジン12の動力により発電装置14が動作して電力を発電する。第3処理が開始される段階では、第1スイッチ41と第2スイッチ42が共にオフであるとする。また、コンバータ24が停止しているとする。なお、第3処理の実行中に作業用車両2は走行していても停止していてもよい。
【0059】
図7に示すように、第3処理のS40では、制御装置50が、エンジン12の回転数が所定の基準回転数未満であるか否かを判断する。エンジン12の回転数は、回転数センサ64により検出される。エンジン12の回転数が基準回転数未満である場合は(S40でYES)、処理はS10に進む。エンジン12の回転数が基準回転数以上である場合は(S40でNO)、処理はS20に進む。
【0060】
S40の後のS10、S12、S14、S16、S20、S22、S24、及びS26の処理については、第1処理(図3参照)と同様である。したがって、これらの処理については詳細な説明を省略する。なお、第3処理では、S10でNO、又は、S20でNOの場合は、処理はS40に戻る。上記の第3処理は、例えば、エンジン12の動作中に継続して実行され、エンジン12が停止すると終了する。
【0061】
(実施例2)
実施例2の作業用車両2について図面を参照して説明する。図8に示すように、実施例2の作業用車両2は、車両用蓄電装置20と作業用蓄電装置22を電気的に接続する第3電路73を備えている。第3電路73は、車両用蓄電装置20と作業用蓄電装置22とを、発電装置14を介さずに接続する。第3電路73は、車両用蓄電装置20と作業用蓄電装置22とを、コンバータ24を介して接続する。なお、第1電路71は、発電装置14と車両用蓄電装置20とを、コンバータ24を介さずに接続する。第2電路72は、発電装置14と車両用蓄電装置20とを、コンバータ24を介して接続する。
【0062】
第3電路73のうちの車両用蓄電装置20側の部分は、第1電路71のうちの車両用蓄電装置20側の部分と合流している。変形例では、第3電路73のうちの車両用蓄電装置20側の部分は、第1電路71のうちの車両用蓄電装置20側の部分と分離していてもよい。また、第3電路73のうちの作業用蓄電装置22側の部分は、第2電路72のうちの作業用蓄電装置22側の部分と合流している。変形例では、第3電路73のうちの作業用蓄電装置22側の部分は、第2電路72のうちの作業用蓄電装置22側の部分と分離していてもよい。
【0063】
車両用蓄電装置20と作業用蓄電装置22を接続する第3電路73には第3スイッチ43とコンバータ24が配置されている。第3スイッチ43とコンバータ24を介して車両用蓄電装置20と作業用蓄電装置22が電気的に接続される。第3スイッチ43は、車両用蓄電装置20とコンバータ24の間に配置されている。第3スイッチ43は、第1電路71と第3電路73の合流部分よりもコンバータ24側の第3電路73に配置されている。また、第3スイッチ43は、第2電路72と第3電路73の合流部分よりも車両用蓄電装置20側の第3電路73に配置されている。
【0064】
第1スイッチ41は、第1電路71と第3電路73の合流部分よりも発電装置14側の第1電路71に配置されている。第2スイッチ42は、第2電路72と第3電路73の合流部分よりも発電装置14側の第2電路72に配置されている。
【0065】
第3スイッチ43は、車両用蓄電装置20と作業用蓄電装置22の間の第3電路73を開閉する。第3スイッチ43がオン(閉)になると、車両用蓄電装置20と作業用蓄電装置22がコンバータ24を介して電気的に接続され、第3スイッチ43がオフ(開)になると、車両用蓄電装置20と作業用蓄電装置22が電気的に遮断される。コンバータ24が動作している状態で第3スイッチ43がオン(閉)になると、車両用蓄電装置20に蓄電されている電力がコンバータ24を介して作業用蓄電装置22に充電される。
【0066】
コンバータ24は、車両用蓄電装置20に蓄電されている電力を昇圧することができる。コンバータ24の低圧側は、第3スイッチ43を介して車両用蓄電装置20に電気的に接続されている。また、コンバータ24の低圧側は、第2スイッチ42を介して発電装置14に電気的に接続されている。コンバータ24の高圧側は、作業用蓄電装置22に電気的に接続されている。コンバータ24は、第3スイッチ43がオン(閉)になると、車両用蓄電装置20に蓄電されている電力を昇圧して作業用蓄電装置22へ供給する。また、コンバータ24は、第2スイッチ42がオン(閉)になると、発電装置14で発電された電力を昇圧して作業用蓄電装置22へ供給する。コンバータ24により昇圧された電力が作業用蓄電装置22に充電される。
【0067】
実施例2の制御装置50は、第1スイッチ41と第2スイッチ42と第3スイッチ43の開閉制御を実行可能である。制御装置50は、例えば、第1スイッチ41がオンであると共に第2スイッチ42と第3スイッチ43がオフである第1状態と、第2スイッチ42がオンであると共に第1スイッチ41と第3スイッチ43がオフである第2状態と、第3スイッチ43がオンであると共に第1スイッチ41と第2スイッチ42がオフである第3状態と、を切り替える制御を実行可能である。
【0068】
実施例2の制御装置50は、第1処理(図3図4図5参照)、第2処理(図6参照)、及び第3処理(図7参照)のそれぞれを実行可能である。第1処理、第2処理、及び第3処理では、第3スイッチ43はオフに維持される。
【0069】
(第4処理;図9
次に、第4処理について説明する。第4処理は、例えば、作業用車両2のエンジン12が停止すると開始される。エンジン12が停止すると、発電装置14が停止して電力を発電しなくなる。なお、第4処理が開始される段階では、第1スイッチ41と第2スイッチ42と第3スイッチ43が全てオフであるとする。また、コンバータ24が停止しているとする。
【0070】
図9に示すように、第4処理のS50では、制御装置50が、作業用蓄電装置22の蓄電量が所定の第3基準蓄電量(例えば、作業用蓄電装置22の容量の10パーセントの蓄電量)未満になるか否かを監視する。制御装置50は、作業用蓄電装置22の蓄電量が第3基準蓄電量以上から第3基準蓄電量未満に変化するか否かを監視する。作業用蓄電装置22の蓄電量が第3基準蓄電量未満に変化する場合は(S50でYES)、処理はS52に進む。作業用蓄電装置22の蓄電量が第3基準蓄電量未満に変化しない場合は(S50でNO)、S50の処理が継続される。
【0071】
S50でYESの後のS52では、制御装置50が、車両用蓄電装置20の蓄電量が所定の第4基準蓄電量(例えば、車両用蓄電装置20の容量の80パーセントの蓄電量)以上であるか否かを判断する。車両用蓄電装置20の蓄電量が第4基準蓄電量以上である場合は(S52でYES)、処理はS54に進む。車両用蓄電装置20の蓄電量が第4基準蓄電量未満である場合は(S52でNO)、第4処理が終了する。
【0072】
S52でYESの後のS54では、制御装置50が、第3スイッチ43をオンにする。なお、第1スイッチ41と第2スイッチ42はオフに維持される。即ち、制御装置50は、第1スイッチ41と第2スイッチ42と第3スイッチ43について、第3スイッチ43がオンであると共に第1スイッチ41と第2スイッチ42がオフである第3状態に切り替える。また、S54では、制御装置50が、コンバータ24を始動する。コンバータ24が始動すると共に第3スイッチ43がオンになると、車両用蓄電装置20に蓄電されている電力がコンバータ24で昇圧されて作業用蓄電装置22に供給される。これにより、作業用蓄電装置22が充電される。
【0073】
続くS56では、制御装置50が、車両用蓄電装置20の蓄電量が所定の第5基準蓄電量(例えば、車両用蓄電装置20の容量の20パーセントの蓄電量)未満になるか否かを監視する。制御装置50は、車両用蓄電装置20の蓄電量が第5基準蓄電量以上から第5基準蓄電量未満に変化するか否かを監視する。第5基準蓄電量は、第4基準蓄電量(S52参照)未満の値である。車両用蓄電装置20の蓄電量が第5基準蓄電量未満に変化する場合は(S56でYES)、処理はS58に進む。車両用蓄電装置20の蓄電量が第5基準蓄電量未満に変化しない場合は(S56でNO)、S56の処理が継続される。
【0074】
S56でYESの後のS58では、制御装置50が、第3スイッチ43をオフにする。また、S58では、制御装置50が、コンバータ24を停止する。第3スイッチ43がオフになると、車両用蓄電装置20から作業用蓄電装置22に電力が供給されなくなる。その後、第4処理が終了する。
【0075】
(第4処理の変形例)
変形例のS54(図9参照)では、制御装置50が、第3スイッチ43をオンにすると共に、第2スイッチ42をオンにしてもよい。変形例のS58では、制御装置50が、第3スイッチ43をオフにすると共に、第2スイッチ42をオフにしてもよい。
【0076】
(効果)
以上の説明から明らかなように、いくつかの実施態様では、作業用車両2が、発電装置14により発電された電力の直流電圧を変圧するコンバータ24と、コンバータ24により電圧が変圧された電力を蓄電する作業用蓄電装置22と、作業用蓄電装置22から供給される電力により動作して所定の作業を実行可能な作業装置30とを備えている。
【0077】
この構成によれば、発電装置14により発電された電力の直流電圧を変圧して作業用蓄電装置22に供給することができる。これにより、外部装置により作業用蓄電装置22を充電しなくても作業装置30を動作させることができる。
【0078】
いくつかの実施態様では、作業用車両2が、発電装置14からコンバータ24を介さずに供給される電力を蓄電する車両用蓄電装置20と、発電装置14と車両用蓄電装置20とを接続する第1電路71を開閉する第1スイッチ41と、発電装置14と作業用蓄電装置22とをコンバータ24を介して接続する第2電路72を開閉する第2スイッチ42とを備えている。制御装置50は、第1スイッチ41がオンであると共に第2スイッチ42がオフである第1状態と、第2スイッチ42がオンであると共に第1スイッチ41がオフである第2状態と、を切り替える制御を実行可能である。第1スイッチ41がオンであるときは、発電装置14により発電された電力がコンバータ24を介さずに車両用蓄電装置20に供給される。第2スイッチ42がオンであるときは、発電装置14により発電された電力がコンバータ24を介して作業用蓄電装置22に供給される。
【0079】
この構成によれば、第1状態と第2状態を切り替えることにより、車両用蓄電装置20への充電と、作業用蓄電装置22への充電とを選択的に切り替えることができる。
【0080】
いくつかの実施態様では、制御装置50は、エンジン12が動作している状態で、車両用蓄電装置20の蓄電量が所定の第1基準蓄電量未満である場合は第1スイッチ41と第2スイッチ42を第1状態に切り替え可能である(図3図4図5図6図7参照)。制御装置50は、作業用蓄電装置22の蓄電量が所定の第2基準蓄電量未満である場合は第1スイッチ41と第2スイッチ42を第2状態に切り替え可能である。この構成によれば、車両用蓄電装置20と作業用蓄電装置22の蓄電量に応じて各蓄電装置20、22を充電することができる。
【0081】
いくつかの実施態様では、制御装置50は、エンジン12が停止している状態で、車両用蓄電装置20の蓄電量が所定の第1基準蓄電量未満になる場合、又は、作業用蓄電装置22の蓄電量が所定の第2基準蓄電量未満になる場合は、エンジン12を始動する(図6参照)。この構成によれば、エンジン12が停止している状態で車両用蓄電装置20の蓄電量又は作業用蓄電装置22の蓄電量が減少したとしても、エンジン12を始動することにより、車両用蓄電装置20と作業用蓄電装置22の蓄電量に応じて各蓄電装置20、22を充電することができる。
【0082】
いくつかの実施態様では、制御装置50は、エンジン12が動作している状態で、エンジン12の回転数が所定の基準回転数未満である場合に、車両用蓄電装置20の蓄電量が所定の第1基準蓄電量未満である場合は第1スイッチ41と第2スイッチ42を第1状態に切り替え可能である(図7参照)。制御装置50は、エンジン12が動作している状態で、エンジン12の回転数が基準回転数以上である場合に、作業用蓄電装置22の蓄電量が所定の第2基準蓄電量未満である場合は第1スイッチ41と第2スイッチ42を第2状態に切り替え可能である(図7参照)。この構成によれば、エンジン12の回転数に応じて、車両用蓄電装置20への充電と、作業用蓄電装置22への充電とを選択的に切り替えることができる。
【0083】
いくつかの実施態様では、作業用車両2が、車両用蓄電装置20と作業用蓄電装置22とをコンバータ24を介して接続する第3電路73を開閉する第3スイッチ43を備えている。制御装置50は、第1スイッチ41がオンであると共に第2スイッチ42と第3スイッチ43がオフである第1状態と、第2スイッチ42がオンであると共に第1スイッチ41と第3スイッチ43がオフである第2状態と、第3スイッチ43がオンであると共に第1スイッチ41と第2スイッチ42がオフである第3状態と、を切り替える制御を実行可能である。第3スイッチ43がオンであるときは、車両用蓄電装置20に蓄電されている電力がコンバータ24により変圧されて作業用蓄電装置22に供給される。
【0084】
この構成によれば、第1状態と第2状態と第3状態を切り替えることにより、発電装置14から車両用蓄電装置20への充電と、発電装置14から作業用蓄電装置22への充電と、車両用蓄電装置20から作業用蓄電装置22への充電とを選択的に切り替えることができる。
【0085】
いくつかの実施態様では、制御装置50は、エンジン12が停止している状態で、作業用蓄電装置22の蓄電量が所定の第3基準蓄電量未満になる場合に、車両用蓄電装置20の蓄電量が所定の第4基準蓄電量以上である場合は、第1スイッチ41と第2スイッチ42と第3スイッチ43を第3状態に切り替え可能である。この構成によれば、エンジン12が停止している状態で作業用蓄電装置22の蓄電量が減少したとしても、車両用蓄電装置20の蓄電量が十分にある場合は、車両用蓄電装置20から作業用蓄電装置22へ電力を充電することができる。
【0086】
(実施例3)
実施例3の作業用車両2について図面を参照して説明する。図10に示すように、実施例3の作業用車両2は、発電装置14とコンバータ24を電気的に接続する第4電路74と、車両用蓄電装置20とコンバータ24を電気的に接続する第5電路75と、コンバータ24とインバータ26を電気的に接続する第6電路76と、作業用蓄電装置22とインバータ26を電気的に接続する第7電路77とを備えている。
【0087】
第4電路74のうちのコンバータ24側の部分は、第5電路75のうちのコンバータ24側の部分と合流している。変形例では、第4電路74のうちのコンバータ24側の部分は、第5電路75のうちのコンバータ24側の部分と分離していてもよい。第5電路75のうちの車両用蓄電装置20側の部分は、発電装置14と車両用蓄電装置20を接続する第1電路71のうちの車両用蓄電装置20側の部分と合流している。変形例では、第5電路75のうちの車両用蓄電装置20側の部分は、第1電路71のうちの車両用蓄電装置20側の部分と分離していてもよい。
【0088】
第4電路74には第4スイッチ44が配置されており、第5電路75には第5スイッチ45が配置されている。また、第6電路76には第6スイッチ46が配置されており、第7電路77には第7スイッチ47が配置されている。第4スイッチ44を介して発電装置14とコンバータ24が電気的に接続され、第5スイッチ45を介して車両用蓄電装置20とコンバータ24が電気的に接続される。また、第6スイッチ46を介してコンバータ24とインバータ26が電気的に接続され、第7スイッチ47を介して作業用蓄電装置22とインバータ26が電気的に接続される。
【0089】
第4スイッチ44は、第4電路74と第5電路75の合流部分よりも発電装置14側の第4電路74に配置されている。第5スイッチ45は、第4電路74と第5電路75の合流部分よりも車両用蓄電装置20側の第5電路75に配置されている。また、第5スイッチ45は、第1電路71と第5電路75の合流部分よりもコンバータ24側の第5電路75に配置されている。第1スイッチ41は、第1電路71と第5電路75の合流部分よりも発電装置14側の第1電路71に配置されている。
【0090】
第4スイッチ44は、発電装置14とコンバータ24の間の第4電路74を開閉する。第4スイッチ44がオン(閉)になると、発電装置14とコンバータ24が電気的に接続され、第4スイッチ44がオフ(開)になると、発電装置14とコンバータ24が電気的に遮断される。
【0091】
第5スイッチ45は、車両用蓄電装置20とコンバータ24の間の第5電路75を開閉する。第5スイッチ45がオン(閉)になると、車両用蓄電装置20とコンバータ24が電気的に接続され、第5スイッチ45がオフ(開)になると、車両用蓄電装置20とコンバータ24が電気的に遮断される。
【0092】
第6スイッチ46は、コンバータ24とインバータ26の間の第6電路76を開閉する。第6スイッチ46がオン(閉)になると、コンバータ24とインバータ26が電気的に接続され、第6スイッチ46がオフ(開)になると、コンバータ24とインバータ26が電気的に遮断される。
【0093】
第7スイッチ47は、作業用蓄電装置22とインバータ26の間の第7電路77を開閉する。第7スイッチ47がオン(閉)になると、作業用蓄電装置22とインバータ26が電気的に接続され、第7スイッチ47がオフ(開)になると、作業用蓄電装置22とインバータ26が電気的に遮断される。
【0094】
実施例3の作業用車両2では、発電装置14とコンバータ24が動作している状態で第4スイッチ44と第6スイッチ46がオン(閉)になると、発電装置14により発電された電力がコンバータ24を介してインバータ26に供給される。なお、他のスイッチ41、45、47はオフであるとする。
【0095】
また、コンバータ24が動作している状態で第5スイッチ45と第6スイッチ46がオン(閉)になると、車両用蓄電装置20に蓄電されている電力がコンバータ24を介してインバータ26に供給される。なお、他のスイッチ41、44、47はオフであるとする。
【0096】
また、第7スイッチ47がオン(閉)になると、作業用蓄電装置22に蓄電されている電力がコンバータ24を介さずにインバータ26に供給される。なお、他のスイッチ41、44、45、46はオフであるとする。
【0097】
インバータ26の入力側は、コンバータ24と作業用蓄電装置22に電気的に接続されている。インバータ26は、第4スイッチ44と第6スイッチ46がオン(閉)であるときは、発電装置14からコンバータ24を介して供給される直流電力を交流電力に変換する。また、インバータ26は、第5スイッチ45と第6スイッチ46がオン(閉)であるときは、車両用蓄電装置20からコンバータ24を介して供給される直流電力を交流電力に変換する。また、インバータ26は、第7スイッチ47がオン(閉)であるときは、作業用蓄電装置22から供給される直流電力を交流電力に変換する。インバータ26により交流電力に変換された電力が作業装置30のモータ32へ供給される。
【0098】
作業装置30は、第1モード、第2モード、及び第3モードで所定の作業(例えば、水を圧送する作業)を実行可能である。作業装置30は、第1モードでは、車両用蓄電装置20からコンバータ24を介して作業装置30に供給される電力により動作する。作業装置30は、第2モードでは、作業用蓄電装置22からコンバータ24を介さずに作業装置30に供給される電力により動作する。作業装置30は、第3モードでは、発電装置14からコンバータ24を介して作業装置30に供給される電力により動作する。
【0099】
制御装置50は、第1スイッチ41、第4スイッチ44、第5スイッチ45、第6スイッチ46、及び、第7スイッチ47の開閉制御を実行可能である。制御装置50は、例えば、これらのスイッチ41、44、45、46、47について、第4状態と、第5状態と、第6状態と、第7状態とを切り替える制御を実行可能である。第4状態は、第4スイッチ44と第6スイッチ46がオンである共に、第1スイッチ41と第5スイッチ45と第7スイッチ47がオフである状態である。第5状態は、第5スイッチ45と第6スイッチ46がオンである共に、第1スイッチ41と第4スイッチ44と第7スイッチ47がオフである状態である。第6状態は、第1スイッチ41がオンである共に、第4スイッチ44と第5スイッチ45がオフである状態である。第7状態は、第7スイッチ47がオンである共に、第6スイッチ46がオフである状態である。変形例では、第7状態は、第7スイッチ47がオンである共に、第4スイッチ44と第5スイッチ45がオフである状態であってもよい。
【0100】
(第5処理;図11
次に、第5処理について説明する。第5処理は、例えば、作業用車両2のエンジン12が停止すると開始される。エンジン12が停止すると、発電装置14が停止して電力を発電しなくなる。なお、第5処理が開始される段階では、第1スイッチ41、第4スイッチ44、第5スイッチ45、第6スイッチ46、及び第7スイッチ47が全てオフであるとする。また、コンバータ24が停止しているとする。
【0101】
図11に示すように、第5処理のS60では、制御装置50が、作業装置30から所定の始動要求信号を受信するか否かを監視する。例えば、作業装置30において所定の始動ボタン(不図示)が押される場合に、作業装置30から制御装置50へ始動要求信号が送信される。制御装置50は、作業装置30から始動要求信号を受信する場合は(S60でYES)、処理をS62に進め、始動要求信号を受信しない場合は(S60でNO)、S60の処理を継続する。
【0102】
S60でYESの後のS62では、制御装置50が、第5スイッチ45と第6スイッチ46をオンにする。なお、第1スイッチ41、第4スイッチ44、及び第7スイッチ47はオフに維持される。即ち、制御装置50は、複数のスイッチ41、44、45、46、47について、第5スイッチ45と第6スイッチ46がオンである共に、第1スイッチ41と第4スイッチ44と第7スイッチ47がオフである第5状態に切り替える。また、S62では、制御装置50が、コンバータ24を始動する。コンバータ24が始動すると共に第5スイッチ45と第6スイッチ46がオンになると、車両用蓄電装置20に蓄電されている電力がコンバータ24で昇圧されてインバータ26に供給される。この状態で、インバータ26が動作すると、作業装置30が第1モードで動作する。即ち、作業装置30は、車両用蓄電装置20からコンバータ24を介して供給される電力により動作する。
【0103】
続くS64では、制御装置50が、所定の切り替え条件が成立するか否かを判断する。所定の切り替え条件は、作業用車両2の複数のスイッチ41、44、45、46、47の状態を第5状態から第7状態に切り替えるための条件である。所定の切り替え条件は、例えば、上記のS62の処理が実行されてから所定の時間(例えば、2秒)が経過する場合に成立する。変形例では、所定の切り替え条件は、S62の処理が実行された後にインバータ26に入力される電圧が所定の基準電圧以上になる場合に成立する。所定の切り替え条件が成立する場合は(S64でYES)、処理はS66に進み、成立しない場合は(S64でNO)、S64の処理が継続される。
【0104】
S64でYESの後のS66では、制御装置50が、第5スイッチ45と第6スイッチ46をオフにする。また、S66では、制御装置50が、第7スイッチ47をオンにする。なお、第1スイッチ41と第4スイッチ44はオフに維持される。即ち、制御装置50は、複数のスイッチ41、44、45、46、47について、第7スイッチ47がオンである共に、第6スイッチ46がオフである第7状態に切り替える。制御装置50は、複数のスイッチ41、44、45、46、47の状態を第5状態から第7状態に切り替える。第7スイッチ47がオンになると、作業用蓄電装置22に蓄電されている電力がインバータ26に供給される。この状態で、インバータ26が動作すると、作業装置30が第2モードで動作する。即ち、作業装置30は、作業用蓄電装置22からコンバータ24を介さずに供給される電力により動作する。なお、S66では、制御装置50は、コンバータ24を停止してもよい。
【0105】
続くS68では、制御装置50が、作業装置30から所定の停止要求信号を受信するか否かを監視する。例えば、作業装置30において所定の停止ボタン(不図示)が押される場合に、作業装置30から制御装置50へ停止要求信号が送信される。制御装置50は、作業装置30から停止要求信号を受信する場合は(S68でYES)、処理をS70に進め、停止要求信号を受信しない場合は(S68でNO)、S68の処理を継続する。
【0106】
S68でYESの後のS70では、制御装置50が、第7スイッチ47をオフにする。第7スイッチ47がオフになると、作業装置30に電力が供給されなくなり、作業装置30が停止する。その後、第5処理が終了する。
【0107】
(効果)
以上の説明から明らかなように、実施例3の作業装置30は、車両用蓄電装置20からコンバータ24を介して供給される電力により動作する第1モードと、作業用蓄電装置22からコンバータ24を介さずに供給される電力により動作する第2モードと、で所定の作業を実行可能である。制御装置50は、作業用車両2のエンジン12が停止している状態で、作業装置30から所定の始動要求を取得する場合に、第1モードで作業装置30を始動し、所定の切り替え条件が成立する場合に、第1モードから第2モードに切り替えて第2モードで作業装置30を動作させる(図10参照)。
【0108】
この構成によれば、作業装置30の始動時に、先に車両用蓄電装置20から作業装置30に電力を供給し、その後に作業用蓄電装置22から作業装置30に電力を供給することにより、作業装置30における突入電流の発生を抑制することができる。
【0109】
(変形例)
上記の実施例では、作業用車両2が電圧を昇圧する昇圧コンバータ(コンバータ24)を備えていたが、この構成に限定されない。変形例では、作業用車両2が、昇圧コンバータ(コンバータ24)に代えて、電圧を降圧する降圧コンバータを備えていてもよい。この場合、作業用蓄電装置22の出力電圧が、車両用蓄電装置20の出力電圧よりも低くてもよい。
【0110】
作業装置30が実行可能な作業は特に限定されない。例えば、作業装置30は、昇降作業、掘削作業、又は、運搬作業等を実行可能であってもよい。
【0111】
以上、本発明の具体例を詳細に説明したが、これらは例示に過ぎず、特許請求の範囲を限定するものではない。特許請求の範囲に記載の技術には、以上に例示した具体例を様々に変形、変更したものが含まれる。本明細書又は図面に説明した技術要素は、単独であるいは各種の組合せによって技術的有用性を発揮するものであり、出願時請求項記載の組合せに限定されるものではない。また、本明細書又は図面に例示した技術は複数目的を同時に達成し得るものであり、そのうちの一つの目的を達成すること自体で技術的有用性を持つものである。
【符号の説明】
【0112】
2:作業用車両、10:車両本体、12:エンジン、14:発電装置、20:車両用蓄電装置、22:作業用蓄電装置、24:コンバータ、26:インバータ、30:作業装置、41:第1スイッチ、42:第2スイッチ、43:第3スイッチ、44:第4スイッチ、45:第5スイッチ、46:第6スイッチ、47:第7スイッチ、50:制御装置、61:第1蓄電量センサ、62:第2蓄電量センサ、64:回転数センサ、71:第1電路、72:第2電路、73:第3電路、74:第4電路、75:第5電路、76:第6電路、77:第7電路
図1
図2
図3
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図5
図6
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図8
図9
図10
図11