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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2025016144
(43)【公開日】2025-01-31
(54)【発明の名称】制御装置、プログラム、及びシステム
(51)【国際特許分類】
   G06F 9/50 20060101AFI20250124BHJP
【FI】
G06F9/50 120Z
【審査請求】有
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023119222
(22)【出願日】2023-07-21
(71)【出願人】
【識別番号】501440684
【氏名又は名称】ソフトバンク株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000877
【氏名又は名称】弁理士法人RYUKA国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】川井 雄登
(57)【要約】      (修正有)
【課題】制御装置、プログラム及びシステムを提供する。
【解決手段】制御装置100と、CPUとGPUとを備えるシステムにおいて、制御装置の制御部は、vRANの機能であるvRAN機能をCPUのリソース及びGPUのリソースを用いて実行するvRAN実行部と、vRANの制御に関連するAIの機能であるRAN AI機能を、GPUのリソースを用いて実行するRAN AI実行部と、vRAN実行部及びRAN AI実行部に対するGPUのリソースを割り当てを管理する管理部と、を備える。
【選択図】図6
【特許請求の範囲】
【請求項1】
vRAN(Virtual Radio Access Network)の機能であるvRAN機能をCPU(Central Processing Unit)のリソース及びGPU(Graphics Processing Unit)のリソースを用いて実行するvRAN実行部と、
前記vRANの制御に関連するAIの機能であるRAN AI機能を、前記GPUのリソースを用いて実行するRAN AI実行部と
を備える制御装置。
【請求項2】
前記vRAN実行部及び前記RAN AI実行部のうち、前記vRAN実行部に対して優先的に前記GPUのリソースを割り当てるよう管理する管理部
を備える、請求項1に記載の制御装置。
【請求項3】
前記管理部は、前記vRAN実行部が前記CPU及び前記GPUを用いて前記vRAN機能を実行しているときに前記GPUの処理負荷を監視し、前記GPUの処理負荷が予め定められた閾値より低くなった場合に、前記RAN AI実行部に割り当てる前記GPUのリソースの量を増加する、請求項2に記載の制御装置。
【請求項4】
前記管理部は、前記vRAN実行部の処理負荷が予め定められた閾値よりも高い場合において、前記vRAN実行部による物理層の信号処理の処理負荷が予め定められた閾値よりも高いと判定した場合に前記vRAN実行部に割り当てる前記GPUのリソースの量を増加し、前記vRAN実行部による、前記vRANにおける移動体通信端末からの接続要求に対する接続処理の処理負荷が予め定められた閾値よりも高いと判定した場合に前記RAN AI実行部に割り当てる前記GPUのリソースの量を増加する、請求項2に記載の制御装置。
【請求項5】
前記管理部は、前記vRAN実行部が前記CPUのリソース及び前記GPUのリソースを用いて前記vRAN機能を実行しているときに、前記vRANが混雑すると予測された場合に、前記RAN AI実行部に割り当てる前記GPUのリソースの量を増加する、請求項2に記載の制御装置。
【請求項6】
前記制御装置は、Near-RT RIC(RAN Intelligent Controller)として機能し、
前記RAN AI実行部は、前記GPUのリソースを用いて、Non-RT RICから取得した学習済モデルを用いた前記vRANの制御に関連する推論処理を実行する、請求項1に記載の制御装置。
【請求項7】
前記RAN AI実行部は、前記vRANに関連するデータを用いた機械学習を実行することによって前記学習済モデルを更新し、更新した前記学習済モデルを用いた前記推論処理を実行する、請求項6に記載の制御装置。
【請求項8】
前記vRANにアクセスする移動体通信端末に対してサービスを提供する機能であるサービス提供機能を、前記GPUのリソースを用いて実行するサービス実行部
を備え、
前記管理部は、前記vRAN実行部、前記RAN AI実行部、及び前記サービス実行部のうち、前記GPUのリソースを、前記vRAN実行部、前記RAN AI実行部、前記サービス実行部の順で優先的に割り当てるよう制御する、請求項2に記載の制御装置。
【請求項9】
コンピュータを、請求項1に記載の制御装置として機能させるためのプログラム。
【請求項10】
請求項1に記載の制御装置と、
前記CPUと、
前記GPUと
を備えるシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、制御装置、プログラム、及びシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、GPU資源を動的に割当及び共有可能なコンテナに基づくGPU仮想化方法及びシステムについて記載されている。
[先行技術文献]
[特許文献]
[特許文献1]特表2020-537197号公報
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0003】
本発明の一実施態様によれば、制御装置が提供される。前記制御装置は、vRAN(Virtual Radio Access Network)の機能であるvRAN機能をCPU(Central Processing Unit)のリソース及びGPU(Graphics Processing Unit)のリソースを用いて実行するvRAN実行部を備えてよい。前記制御装置は、前記vRANの制御に関連するAI(Artificial Intelligence)の機能であるRAN AI機能を、前記GPUのリソースを用いて実行するRAN AI実行部を備えてよい。
【0004】
前記制御装置は、前記vRAN実行部及び前記RAN AI実行部のうち、前記vRAN実行部に対して優先的に前記GPUのリソースを割り当てるよう制御する管理部を備えてよい。前記制御装置において、前記管理部は、前記vRAN実行部が前記CPU及び前記GPUを用いて前記vRAN機能を実行しているときに前記GPUの処理負荷を監視し、前記GPUの処理負荷が予め定められた閾値より低くなった場合に、前記RAN AI実行部に割り当てる前記GPUのリソースの量を増加してよい。
【0005】
前記いずれかの制御装置において、前記管理部は、前記vRAN実行部の処理負荷が予め定められた閾値よりも高い場合において、前記vRAN実行部による物理層の信号処理の処理負荷が予め定められた閾値よりも高いと判定した場合に前記vRAN実行部に割り当てる前記GPUのリソースの量を増加し、前記vRAN実行部による、前記vRANにおける移動体通信端末からの接続要求に対する接続処理の処理負荷が予め定められた閾値よりも高いと判定した場合に前記RAN AI実行部に割り当てる前記GPUのリソースの量を増加してよい。
【0006】
前記いずれかの制御装置において、前記管理部は、前記vRAN実行部が前記CPUのリソース及び前記GPUのリソースを用いて前記vRAN機能を実行しているときに、前記vRANが混雑すると予測された場合に、前記RAN AI実行部に割り当てる前記GPUのリソースの量を増加してよい。
【0007】
前記いずれかの制御装置は、Near-RT(Real Time) RIC(RAN Intelligent Controller)として機能してよい。前記制御装置において、前記RAN AI実行部は、前記GPUのリソースを用いて、Non-RT RICから取得した学習済モデルを用いた前記RANの制御に関連する推論処理を実行してよい。前記制御装置において、前記RAN AI実行部は、前記vRANに関連するデータを用いた機械学習を実行することによって前記学習済みモデルを更新してよい。
【0008】
前記いずれかの制御装置は、前記vRANにアクセスする移動体通信端末に対してサービスを提供する機能であるサービス提供機能を、前記GPUを用いて実行するサービス実行部を備えてよい。前記制御装置において、前記管理部は、前記vRAN実行部、前記RAN AI実行部、及び前記サービス実行部のうち、前記GPUのリソースを、前記vRAN実行部、前記RAN AI実行部、前記サービス実行部の順で優先的に割り当てるよう制御してよい。
【0009】
本発明の一実施態様によれば、プログラムが提供される。前記プログラムは、コンピュータを、前記制御装置として機能させてよい。
【0010】
本発明の一実施態様によれば、システムが提供される。前記システムは、前記制御装置と、前記CPUと、前記GPUとを備えてよい。
【0011】
なお、上記の発明の概要は、本発明の必要な特徴の全てを列挙したものではない。また、これらの特徴群のサブコンビネーションもまた、発明となりうる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1】従来技術について説明するための説明図である。
図2】従来技術において、RAN制御にGPUを用いることを想定した想定図である。
図3】制御装置100の構成の一例について説明するための説明図である。
図4】制御装置100の構成の一例について説明するための説明図である。
図5】制御装置100の構成の一例について説明するための説明図である。
図6】制御装置100の機能構成の一例を概略的に示す。
図7】制御装置100による処理の流れの一例を概略的に示す。
図8】制御装置100として機能するコンピュータ1200のハードウェア構成の一例を概略的に示す。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、発明の実施の形態を通じて本発明を説明するが、以下の実施形態は特許請求の範囲にかかる発明を限定するものではない。また、実施形態の中で説明されている特徴の組み合わせの全てが発明の解決手段に必須であるとは限らない。
【0014】
図1は、従来技術について説明するための説明図である。図2は、従来技術において、RAN制御にGPUを用いることを想定した想定図である。
【0015】
従来、RANを仮想化したvRANが知られている。一般的なvRANでは、信号処理を、ACC(Accelerator)等のハードウェアにオフロードしており、CPU及びACCによってvRANの機能(vRAN機能と記載する場合がある。)が実行されている。vRAN機能に加えて、RICのようなAIを用いたRAN機能(RAN AI機能と記載する場合がある。)を実行したい場合、ACCによってRAN AI機能を実行することは難しいので、RAN AI機能についてはCPUで実行することになる。
【0016】
例えば、図1に例示するように、CPU12及びACC14上に仮想化層・OS16が構成され、仮想化層・OS16上において、vRAN18の機能及びRAN AI20の機能が実行される。vRAN18には、CPU12のリソース及びACC14のリソースが割り当てられて、CPU12及びACC14によってvRAN18が実行される。RAN AI20には、CPU12のリソースが割り当てられて、CPU12によってRAN AI20が実行される。
【0017】
CPU12の負荷を下げ、RAN AI機能を効率化するためにGPUを用いることが考えられるが、図2に例示するように、別途GPUサーバ22を用意する必要がある。vRANの信号処理をGPUにオフロードするGPUvRANが知られているが、GPUvRANにおいては、RAN AI機能が考慮されていない。
【0018】
図3は、本実施形態に係る制御装置100の構成の一例を概略的に示す。図3に示す例における制御装置100は、CPU102及びGPU104を備え、CPU102及びGPU104上に仮想化層・OS106が構成されて、仮想化層・OS106上でvRAN108の機能及びRAN AI110の機能が実行される。制御装置100においては、CPU102のリソース及びGPU104のリソースを用いてvRAN機能が実行され、GPU104のリソースを用いてRAN AI機能が実行される。
【0019】
制御装置100は、vRAN108及びRAN AI110のうち、vRAN108に対して優先的にGPU104のリソースを割り当ててよい。
【0020】
例えば、制御装置100は、通常時は、CPU102のリソース及びGPU104のリソースをvRAN機能に割り当ててvRAN機能を実行し、GPU104の処理負荷が予め定められた閾値より低い状態となった場合に、RAN AI110に割り当てるGPU104のリソースの量を増加して、RAN AI機能の実行を開始する。これにより、vRAN機能を安定的に実行しつつ、vRAN機能の負荷が低いときにRAN AI機能を実行するようにできる。vRAN機能を安定的に実行することによって、vRANにアクセスする移動体通信端末に対して安定した通信サービスを提供しつつ、RAN AI機能によって、サービス品質の向上等を実現することができる。
【0021】
また、例えば、制御装置100は、通常時は、CPU102のリソースとGPU104のリソースをvRAN108に割り当ててvRAN機能を実行し、vRAN108へのGPU104のリソースの割り当て量よりも少ない量のGPU104のリソースをRAN AI110に割り当ててRAN AI機能を実行する。そして、制御装置100は、vRAN機能の処理負荷が予め定められた閾値より低い状態となった場合に、RAN AI110へのGPU104のリソースの割り当て量を増加する。これにより、vRAN機能を安定的に実行しつつ、RAN AI機能によってサービス品質の向上等を実現し、vRAN機能の負荷が低いときにRAN AI機能を強化して、サービス品質の向上等により寄与する、といったことを実現することができる。
【0022】
また、例えば、制御装置100は、通常時は、CPU102のリソース及びGPU104のリソースをvRAN機能に割り当ててvRAN機能を実行し、vRANの実行状況に基づいて、vRANが混雑するか否かを予測する。制御装置100は、vRANが混雑すると予測した場合に、RAN AI110に割り当てるGPU104のリソースの量を増加して、RAN AI機能の実行を開始する。基本的に、vRANの実行状況に基づく予測よりも、RAN AI機能を用いた予測の方が、精度が高いので、RAN AI機能を実行することによって、vRANが混雑するか否かをより高精度に予測できる。RAN AI機能によって、vRANが混雑すると判定した場合に、制御装置100は対策を実行する。対策の一つとして、制御装置100は、例えば、当該vRANの配下の無線通信セルから、移動体通信端末をハンドオーバさせる等のオフロード処理を実行する。これにより、vRANが混雑してしまって、移動体通信端末に提供する無線通信サービスの品質が低下してしまう可能性を低減することができる。他の対策として、制御装置100は、例えば、RAN AI機能へのGPU104のリソースの割り当てを停止して、その分をvRAN機能に割り当てる。これにより、vRAN機能の処理能力を高めることができ、混雑が発生することを防いだり、混雑の度合いを低減することに貢献することができる。制御装置100は、無線リソースの余り具合に応じた対策を実行してもよい。例えば、制御装置100は、無線リソースの残量が予め定められた閾値より多い場合、RAN AI機能へのGPU104のリソースの割り当てを停止して、その分をvRAN機能に割り当て、無線リソースの残量が閾値より少ない場合、当該vRANの配下の無線通信セルから、移動体通信端末をハンドオーバさせる等のオフロード処理を実行する。無線リソースの残量が多い状態であれば、GPU104のリソースをvRAN機能に割り当てることによって、移動体通信端末の収容数を増やすことができ、混雑の低減に貢献し得るが、無線リソースの残量が少ない状態でGPU104のリソースをvRAN機能に割り当てても、移動体通信端末の収容数を増やすことができず、混雑への対策とならない場合がある。制御装置100によれば、そのような事情を考慮した制御を実現できる。
【0023】
また、例えば、制御装置100は、通常時は、CPU102のリソースとGPU104の一部のリソースをvRAN108に割り当ててvRAN機能を実行し、vRAN108へのGPU104のリソースの割り当て量よりも少ない量のGPU104のリソースをRAN AI110に割り当ててRAN AI機能を実行する。制御装置100は、RAN AI機能によって、vRANが混雑するか否かを予測する。RAN AI機能によって、vRANが混雑すると判定した場合に、制御装置100は、対策を実行してよい。対策の一つとして、制御装置100は、例えば、当該vRANの配下の無線通信セルから、移動体通信端末をハンドオーバさせる等のオフロード処理を実行する。他の対策として、制御装置100は、例えば、RAN AI機能へのGPU104のリソースの割り当てを停止して、その分をvRAN機能に割り当てる。制御装置100は、無線リソースの余り具合に応じた対策を実行してもよい。例えば、制御装置100は、無線リソースの残量が予め定められた閾値より多い場合、RAN AI機能へのGPU104のリソースの割り当てを停止して、その分をvRAN機能に割り当て、無線リソースの残量が閾値より少ない場合、当該vRANの配下の無線通信セルから、移動体通信端末をハンドオーバさせる等のオフロード処理を実行する。
【0024】
図4は、本実施形態に係る制御装置100の構成の一例を概略的に示す。ここでは、図3と異なる点を主に説明する。本例における制御装置100は、vRAN機能及びRAN AI機能に加えて、MEC112の機能(MEC機能と記載する場合がある。)を更に実行する。
【0025】
MEC機能は、vRANにアクセスする移動体通信端末に対してサービスを提供する機能であるサービス提供機能の一例であってよい。サービス提供機能が提供するサービスは、どのようなサービスであってもよく、静止画像データ、動画像データ、音声データ、テキストデータ、及びセンサデータ等の各種データを分析するサービス、分析結果に応じた処理を実行するサービス、認証サービス、及び自動運転関連サービス等がその一例として挙げられるが、これらに限られない。
【0026】
制御装置100は、vRAN108、RAN AI110、及びMEC112のうち、GPU104のリソースを、vRAN108、RAN AI110、MEC112の順で優先的に割り当ててよい。すなわち、制御装置100では、vRAN108の優先度を最も高くし、その次をRAN AI110、その次をMEC112としてよい。
【0027】
例えば、制御装置100は、通常時は、CPU102のリソース及びGPU104のリソースをvRAN機能に割り当ててvRAN機能を実行し、GPU104の処理負荷が予め定められた閾値より低い状態となった場合に、RAN AI110に割り当てるGPU104のリソースの量を増加して、RAN AI機能の実行を開始する。そして、制御装置100は、GPU104の未使用リソースの量が予め定められた閾値より多い状態となった場合に、GPU104のリソースをMEC112に割り当ててMEC機能を実行する。これにより、vRAN機能を安定的に実行しつつ、vRAN機能の負荷が低いときにRAN AI機能を実行し、それでもGPU104のリソースに余裕がある場合にMEC機能を実行するようにできる。vRAN機能を安定的に実行することによって、vRANにアクセスする移動体通信端末に対して安定した通信サービスを提供しつつ、RAN AI機能によって、サービス品質の向上等を実現するとともに、MECサービスの提供も行うことができる。
【0028】
また、例えば、制御装置100は、通常時は、CPU102のリソースとGPU104の一部のリソースをvRAN108に割り当ててvRAN機能を実行し、vRAN108へのGPU104のリソースの割り当て量よりも少ない量のGPU104のリソースをRAN AI110に割り当ててRAN AI機能を実行し、RAN AI110へのGPU104のリソースの割り当て量よりも少ない量のGPU104のリソースをMEC112に割り当ててMEC機能を実行する。そして、制御装置100は、vRAN機能の処理負荷が低下した場合に、RAN AI110へのGPU104のリソースの割り当て量と、MEC112へのGPU104のリソースの割り当て量とを増加する。これにより、vRAN機能を安定的に実行しつつ、RAN AI機能によるサービス品質の向上と、MEC機能によるサービスの提供とを実現し、vRAN機能の負荷が低いときにRAN AI機能及びMEC機能を強化する、といったことを実現することができる。制御装置100は、vRAN108の処理負荷を監視して、vRAN108の処理負荷が予め定められた閾値よりも高い場合に、MEC112に対するGPU104のリソースの割り当て量を低減して、その分をvRAN108に割り当ててもよい。
【0029】
図5は、本実施形態に係る制御装置100の構成の一例を概略的に示す。制御装置100は、Near-RT RIC200として機能してもよい。図5において、Near-RT RIC200は、制御装置100によって実現されている。
【0030】
図5に示す例において、Non-RT RIC210が、RANの管理及びオーケストレーションを行うSMO(Service Management and Orchestration)の内部に位置する。Non-RT RIC210は、RANの制御に関わるポリシーの生成や通知、Near-RT RIC200への情報の送信を行う。例えば、Non-RT RIC210は、RANから収集したデータを用いた機械学習を実行することによって、RAN制御に関する学習済モデルを生成して、Near-RT RIC200に送信する。
【0031】
Near-RT RIC200は、Non-RT RIC210と比較して、RANノード(O-RU220、O-DU230、O-CU240)の近くに位置し、RANノードの制御や、リソースの制御等を行う。Near-RT RIC200は、Non-RT RIC210と比較して、リアルタイム性の高い処理を実行する。
【0032】
本実施形態に係るNear-RT RIC200は、例えば、GPU104のリソースを用いて、Non-RT RIC210から取得した学習済みモデルを用いたRANの制御に関連する推論処理を実行する。既存のNear-RT RICでは、GPUを利用していないが、本実施形態に係るNear-RT RIC200は、GPU104を有し、GPU104を用いた推論処理を実行する。並列処理の処理能力が高いGPU104と、学習済モデルを用いた推論処理とは相性がよく、Near-RT RIC200が、GPU104を用いた推論処理を実行することによって、推論処理を高速化することができる。
【0033】
通常時においては、Non-RT RIC210において学習を実行して学習済モデルを生成し、Near-RT RIC200が当該学習済モデルを用いた推論処理を実行すれば問題ないことになる。しかし、Non-RT RIC210による学習は、リアルタイム性が低いので、状況の変化にリアルタイムに対応することが難しい場合がある。例えば、Non-RT RIC210が、移動体通信端末による通信量が増加するイベントが発生したときのvRANの制御用の学習済モデルを生成していた場合、それと同じようなイベントが発生した場合には、Near-RT RIC200が当該学習済モデルを用いた推論処理を実行して、vRANの制御を行うことによって、適切な制御を実現することができる。しかし、イベントの種類、場所、規模等によって、トラフィックの発生状況は変化し得るものであり、イベントによっては、当該学習済モデルでは、十分に対応できない場合があり得る。それに対して、Near-RT RIC200は、例えば、リアルタイムに収集したvRANに関連するデータを用いた機械学習を実行することによって、Non-RT RIC210から取得した学習済モデルを更新し、更新した学習済モデルを用いた推論を実行する。これにより、学習済モデルを、そのときに発生しているイベントにおけるトラフィックの発生状況に適合するように更新することができ、適切な制御の実現に貢献することができる。
【0034】
図6は、制御装置100の機能構成の一例を概略的に示す。制御装置100は、CPU102、GPU104、及び制御部120を備える。制御部120は、vRAN実行部122、RAN AI実行部124、サービス実行部126、及び管理部128を有する。制御部120は、サービス実行部126を有さなくてもよい。
【0035】
vRAN実行部122は、vRAN機能を実行する。vRAN実行部122は、CPU102のリソース及びGPU104のリソースを用いてvRAN機能を実行する。
【0036】
RAN AI実行部124は、RAN AI機能を実行する。RAN AI実行部124は、GPU104のリソースを用いてRAN AI機能を実行する。
【0037】
サービス実行部126は、vRANにアクセスする移動体通信端末に対してサービスを提供する機能であるサービス提供機能を実行する。サービス実行部126は、例えば、MEC機能を実行する。サービス実行部126は、GPU104のリソースを用いてサービス提供機能を実行する。
【0038】
管理部128は、vRAN実行部122、RAN AI実行部124、及びサービス実行部126を管理する。管理部128は、vRAN実行部122、RAN AI実行部124、及びサービス実行部126に対する、CPU102のリソース及びGPU104のリソースの割り当てを管理してよい。
【0039】
例えば、管理部128は、vRAN実行部122及びRAN AI実行部124のうち、vRAN実行部122に対して優先的にGPU104のリソースを割り当てるよう管理する。
【0040】
例えば、管理部128は、vRAN実行部122がCPU102及びGPU104を用いてvRAN機能を実行しているときにGPU104の処理負荷を監視し、GPU104の処理負荷が予め定められた閾値より低くなった場合に、RAN AI実行部124に割り当てるGPU104のリソースの量を増加する。
【0041】
一具体例として、管理部128は、まず、vRAN実行部122に対してCPU102のリソース及びGPU104のリソースを割り当ててvRAN機能を実行させ、RAN AI実行部124にはRAN AI機能を実行させない状態とする。そして、管理部128は、GPU104の処理負荷を監視し、GPU104の処理負荷が予め定められた閾値より低くなった場合に、RAN AI実行部124に対してGPU104のリソースを割り当てて、RAN AI実行部124にRAN AI機能の実行を開始させる。
【0042】
他の具体例として、管理部128は、まず、vRAN実行部122に対してCPU102のリソース及びGPU104のリソースを割り当ててvRAN機能を実行させ、RAN AI実行部124に対して、vRAN実行部122に割り当てている量よりも少ない量のGPU104のリソースを割り当てて、RAN AI機能を実行させる。そして、管理部128は、GPU104の処理負荷を監視し、GPU104の処理負荷が予め定められた閾値より低くなった場合に、RAN AI実行部124に対してGPU104のリソースを追加して、RAN AI機能を強化させる。
【0043】
管理部128は、vRAN実行部122の処理負荷が予め定められた閾値より高い場合において、vRAN実行部122による物理層の信号処理の処理負荷が予め定められた閾値よりも高いと判定した場合に、vRAN実行部122に割り当てるGPU104のリソースの量を増加してよい。管理部128は、vRAN実行部122の処理負荷が予め定められた閾値より高い場合において、vRAN実行部122による、vRANにおける移動体通信端末からの接続要求に対する接続処理の処理負荷が予め定められた閾値よりも高いと判定した場合に、RAN AI実行部124に割り当てるGPU104のリソースの量を増加してよい。vRAN実行部122の処理負荷が高い原因が、物理層の信号処理の処理負荷が高いことにある場合、vRANの並列処理を強化することによって、vRAN実行部122の処理負荷低減に貢献することができる。一方、vRAN実行部122の処理負荷が高い原因が、接続処理の処理負荷が高いことにある場合、vRANの並列処理を強化しても、vRAN実行部122の処理負荷低減にあまり貢献することができない。管理部128によれば、このような事情を考慮した管理を実現でき、GPU104のリソースを効果的に配分することを可能にできる。
【0044】
管理部128は、vRAN実行部122がCPU102のリソース及びGPU104のリソースを用いてvRAN機能を実行しているときに、vRANが混雑すると予測された場合に、RAN AI実行部124に割り当てるGPU104のリソースの量を増加してもよい。
【0045】
一具体例として、管理部128は、まず、vRAN実行部122に対してCPU102のリソース及びGPU104のリソースを割り当ててvRAN機能を実行させ、RAN AI実行部124にはRAN AI機能を実行させない状態とする。そして、管理部128は、vRANの実行状況に基づいて、vRANが混雑するか否かを予測する。管理部128は、例えば、vRANにおけるトラフィックパターンから、vRANが混雑するか否かを予測する。管理部128は、複数のvRANの状況に基づいて、vRANが混雑するか否かを予測してもよい。例えば、管理部128は、対象となるvRANが管理する無線通信セルに対する、他のvRANが管理する無線通信セルからの移動体通信端末のハンドオーバが増加傾向にある場合に、対象となるvRANが混雑すると予測する。管理部128は、vRANが混雑すると予測した場合に、RAN AI実行部124に割り当てるGPU104のリソースの量を増加して、RAN AI機能の実行を開始する。RAN AI機能によって、vRANが混雑すると判定した場合に、管理部128は対策を実行する。対策の一つとして、管理部128は、例えば、当該vRANの配下の無線通信セルから、移動体通信端末をハンドオーバさせる等のオフロード処理を実行するよう制御する。他の対策として、管理部128は、例えば、RAN AI実行部124へのGPU104のリソースの割り当てを停止して、その分をvRAN実行部122に割り当てるよう制御する。管理部128は、vRANにおける無線リソースの余り具合に応じた対策を実行してもよい。例えば、管理部128は、無線リソースの残量が予め定められた閾値より多い場合、RAN AI実行部124へのGPU104のリソースの割り当てを停止して、その分をvRAN実行部122に割り当て、無線リソースの残量が閾値より少ない場合、当該vRANの配下の無線通信セルから、移動体通信端末をハンドオーバさせる等のオフロード処理を実行するよう制御する。
【0046】
他の具体例として、管理部128は、まず、vRAN実行部122に対してCPU102のリソース及びGPU104のリソースを割り当ててvRAN機能を実行させ、RAN AI実行部124に対して、vRAN実行部122に割り当てている量よりも少ない量のGPU104のリソースを割り当てて、RAN AI機能を実行させる。管理部128は、RAN AI機能によって、vRANが混雑するか否かを予測する。RAN AI機能によって、vRANが混雑すると判定した場合に、管理部128は、対策を実行してよい。対策の一つとして、管理部128は、例えば、当該vRANの配下の無線通信セルから、移動体通信端末をハンドオーバさせる等のオフロード処理を実行するよう制御する。他の対策として、管理部128は、例えば、RAN AI機能へのGPU104のリソースの割り当てを停止して、その分をvRAN機能に割り当てるよう制御する。管理部128は、無線リソースの余り具合に応じた対策を実行してもよい。例えば、管理部128は、無線リソースの残量が予め定められた閾値より多い場合、RAN AI実行部124へのGPU104のリソースの割り当てを停止して、その分をvRAN実行部122に割り当て、無線リソースの残量が閾値より少ない場合、当該vRANの配下の無線通信セルから、移動体通信端末をハンドオーバさせる等のオフロード処理を実行するよう制御する。
【0047】
例えば、管理部128は、vRAN実行部122、RAN AI実行部124、及びサービス実行部126のうち、GPU104のリソースを、vRAN実行部122、RAN AI実行部124、サービス実行部126の順で優先的に割り当てるよう管理する。すなわち、管理部128は、vRAN実行部122の優先度を最も高くし、その次をRAN AI実行部124、その次をサービス実行部126とする。
【0048】
例えば、管理部128は、CPU102のリソース及びGPU104のリソースをvRAN実行部122に割り当ててvRAN機能を実行させ、GPU104の処理負荷を監視する。管理部128は、GPU104の処理負荷が予め定められた閾値より低くなった場合に、RAN AI実行部124に割り当てるGPU104のリソースの量を増加して、RAN AI機能の実行を開始させる。そして、管理部128は、GPU104の未使用リソースの量を監視して、未使用リソースの量が予め定められた閾値より多い場合に、GPU104のリソースをサービス実行部126に割り当ててサービス提供機能を実行させる。
【0049】
例えば、管理部128は、CPU102のリソース及びGPU104のリソースをvRAN実行部122に割り当ててvRAN機能を実行させ、vRAN実行部122へのGPU104のリソースの割り当て量よりも少ない量のGPU104のリソースをRAN AI実行部124に割り当ててRAN AI機能を実行させ、RAN AI実行部124へのGPU104のリソースの割り当て量よりも少ない量のGPU104のリソースをサービス実行部126に割り当ててサービス提供機能を実行させる。そして、管理部128は、vRAN実行部122の処理負荷を監視して、vRAN実行部122の処理負荷が予め定められた閾値より低い場合に、RAN AI実行部124へのGPU104のリソースの割り当て量を増加するか、RAN AI実行部124及びサービス実行部126へのGPU104のリソースの割り当て量を増加する。さらに、管理部128は、vRAN実行部122の処理負荷が予め定められた閾値より高い場合に、サービス実行部126、又はサービス実行部126及びRAN AI実行部124に対するGPU104のリソースの割り当て量を低減して、その分をvRAN実行部122に割り当てる。
【0050】
制御装置100がNear-RT RICとして機能する場合において、RAN AI実行部124は、GPU104のリソースを用いて、Non-RT RICから取得した学習済モデルを用いたvRANの制御に関連する推論処理を実行してよい。例えば、Non-RT RICが、RANノードから、PM counter(Performance Management counter)、FM data(Fault Management data)、及びTM data(Trace Management data)等の各種データを収集し、収集したデータを用いた機械学習を実行することによって、RAN制御に関わるポリシーの役割を担う学習済モデルを生成する。制御装置100は、Non-RT RICから当該学習済モデルを取得し、当該学習済モデルと、RANノードから収集したデータとを用いた、RANノードの制御を実行する。
【0051】
RAN AI実行部124は、Non-RT RICから取得した学習済モデルを、vRANに関連するデータを用いた機械学習を実行することによって更新して、更新した学習済モデルを用いた推論処理を実行してもよい。RAN AI実行部124は、例えば、Non-RT RICから取得した学習済モデルを、vRANに関連するデータを用いてファインチューニングすることによって更新してよい。例えば、RAN AI実行部124は、Non-RT RICから取得した学習済モデルを、Non-RT RICよりも短い周期でRANノードから収集した各種データを用いた機械学習を実行することによって学習済モデルを更新して、更新した学習済モデルと、RANノードから収集したデータとを用いた、RANノードの制御を実行する。
【0052】
図7は、制御装置100による処理の流れの一例を概略的に示す。ここでは、制御装置100が、通常時は、CPU102のリソース(CPURと記載する場合がある)及びGPU104のリソース(GPURと記載する場合がある。)を用いてvRAN機能を実行し、GPU104の処理負荷が低い場合に、RAN AI機能を実行する場合の処理の流れについて、概略的に示す。
【0053】
ステップ(ステップをSと省略して記載する場合がある。)102では、管理部128が、CPUR及びGPURをvRAN実行部122に割り当てて、vRAN実行部122にvRAN機能を実行させる。管理部128は、継続的に、GPU104の処理負荷を監視する。
【0054】
S104では、管理部128が、GPU104の処理負荷が予め定められた閾値より低いか否かを判定する。低くないと判定した場合、S106に進み、低いと判定した場合、S108に進む。
【0055】
S106では、管理部128が、割当調整処理を終了するか否かを判定する。管理部128は、制御装置100の管理者等による割当調整処理の終了指示を受領している場合、割当調整処理を終了すると判定する。割当調整処理を終了した場合、制御装置100は、RAN AI機能や、サービス提供機能を実行せずに、vRAN実行部122によるvRAN機能を実行することになる。終了しないと判定した場合、S104に戻る。
【0056】
S108では、管理部128が、RAN AI実行部124にGPURを割り当ててRAN AI機能の実行を開始させる。管理部128は、継続的に、vRAN実行部122の処理負荷を監視する。
【0057】
S110では、管理部128が、vRAN実行部122の処理負荷が予め定められた閾値より高いか否かを判定する。高いと判定した場合、S112に進み、高くないと判定した場合、S114に進む。
【0058】
S114では、管理部128が、割当調整処理を終了するか否かを判定する。終了すると判定した場合、割当調整処理を終了し、終了しないと判定した場合、S110に戻る。
【0059】
S112では、管理部128が、RAN AI実行部124に、RAN AI機能の実行を終了させる。管理部128は、RAN AI実行部124に割り当てていた分のGPURを、vRAN実行部122に割り当ててよい。
【0060】
上記実施形態では、制御装置100が、自身が備えるGPU104のリソースを、vRAN機能に割り当てたり、RAN AI機能に割り当てたり、サービス提供機能に割り当てたりする場合について主に例に挙げて説明したが、これに限られない。制御装置100は、分散して配置された複数のGPU104のリソースを、vRAN機能に割り当てたり、RAN AI機能に割り当てたり、サービス提供機能に割り当てたりしてもよい。制御装置100は、例えば、データセンタ内に分散して配置された複数のGPU104のリソースを、当該複数のGPU104の処理負荷や、リソースの利用状況を考慮して用いてよい。
【0061】
図8は、制御装置100として機能するコンピュータ1200のハードウェア構成の一例を概略的に示す。コンピュータ1200にインストールされたプログラムは、コンピュータ1200を、本実施形態に係る装置の1又は複数の「部」として機能させ、又はコンピュータ1200に、本実施形態に係る装置に関連付けられるオペレーション又は当該1又は複数の「部」を実行させることができ、及び/又はコンピュータ1200に、本実施形態に係るプロセス又は当該プロセスの段階を実行させることができる。そのようなプログラムは、コンピュータ1200に、本明細書に記載のフローチャート及びブロック図のブロックのうちのいくつか又はすべてに関連付けられた特定のオペレーションを実行させるべく、CPU1212によって実行されてよい。
【0062】
本実施形態によるコンピュータ1200は、CPU1212、GPU1213、RAM1214、及びグラフィックコントローラ1216を含み、それらはホストコントローラ1210によって相互に接続されている。コンピュータ1200はまた、通信インタフェース1222、記憶装置1224、DVDドライブ1226、及びICカードドライブのような入出力ユニットを含み、それらは入出力コントローラ1220を介してホストコントローラ1210に接続されている。DVDドライブ1226は、DVD-ROMドライブ及びDVD-RAMドライブ等であってよい。記憶装置1224は、ハードディスクドライブ及びソリッドステートドライブ等であってよい。コンピュータ1200はまた、ROM1230及びキーボードのようなレガシの入出力ユニットを含み、それらは入出力チップ1240を介して入出力コントローラ1220に接続されている。
【0063】
CPU1212は、ROM1230及びRAM1214内に格納されたプログラムに従い動作し、それにより各ユニットを制御する。グラフィックコントローラ1216は、RAM1214内に提供されるフレームバッファ等又はそれ自体の中に、CPU1212によって生成されるイメージデータを取得し、イメージデータがディスプレイデバイス1218上に表示されるようにする。
【0064】
通信インタフェース1222は、ネットワークを介して他の電子デバイスと通信する。記憶装置1224は、コンピュータ1200内のCPU1212によって使用されるプログラム及びデータを格納する。DVDドライブ1226は、プログラム又はデータをDVD-ROM1227等から読み取り、記憶装置1224に提供する。ICカードドライブは、プログラム及びデータをICカードから読み取り、及び/又はプログラム及びデータをICカードに書き込む。
【0065】
ROM1230はその中に、アクティブ化時にコンピュータ1200によって実行されるブートプログラム等、及び/又はコンピュータ1200のハードウェアに依存するプログラムを格納する。入出力チップ1240はまた、様々な入出力ユニットをUSBポート、パラレルポート、シリアルポート、キーボードポート、マウスポート等を介して、入出力コントローラ1220に接続してよい。
【0066】
プログラムは、DVD-ROM1227又はICカードのようなコンピュータ可読記憶媒体によって提供される。プログラムは、コンピュータ可読記憶媒体から読み取られ、コンピュータ可読記憶媒体の例でもある記憶装置1224、RAM1214、又はROM1230にインストールされ、CPU1212によって実行される。これらのプログラム内に記述される情報処理は、コンピュータ1200に読み取られ、プログラムと、上記様々なタイプのハードウェアリソースとの間の連携をもたらす。装置又は方法が、コンピュータ1200の使用に従い情報のオペレーション又は処理を実現することによって構成されてよい。
【0067】
例えば、通信がコンピュータ1200及び外部デバイス間で実行される場合、CPU1212は、RAM1214にロードされた通信プログラムを実行し、通信プログラムに記述された処理に基づいて、通信インタフェース1222に対し、通信処理を命令してよい。通信インタフェース1222は、CPU1212の制御の下、RAM1214、記憶装置1224、DVD-ROM1227、又はICカードのような記録媒体内に提供される送信バッファ領域に格納された送信データを読み取り、読み取られた送信データをネットワークに送信し、又はネットワークから受信した受信データを記録媒体上に提供される受信バッファ領域等に書き込む。
【0068】
また、CPU1212は、記憶装置1224、DVDドライブ1226(DVD-ROM1227)、ICカード等のような外部記録媒体に格納されたファイル又はデータベースの全部又は必要な部分がRAM1214に読み取られるようにし、RAM1214上のデータに対し様々なタイプの処理を実行してよい。CPU1212は次に、処理されたデータを外部記録媒体にライトバックしてよい。
【0069】
様々なタイプのプログラム、データ、テーブル、及びデータベースのような様々なタイプの情報が記録媒体に格納され、情報処理を受けてよい。CPU1212は、RAM1214から読み取られたデータに対し、本開示の随所に記載され、プログラムの命令シーケンスによって指定される様々なタイプのオペレーション、情報処理、条件判断、条件分岐、無条件分岐、情報の検索/置換等を含む、様々なタイプの処理を実行してよく、結果をRAM1214に対しライトバックする。また、CPU1212は、記録媒体内のファイル、データベース等における情報を検索してよい。例えば、各々が第2の属性の属性値に関連付けられた第1の属性の属性値を有する複数のエントリが記録媒体内に格納される場合、CPU1212は、当該複数のエントリの中から、第1の属性の属性値が指定されている条件に一致するエントリを検索し、当該エントリ内に格納された第2の属性の属性値を読み取り、それにより予め定められた条件を満たす第1の属性に関連付けられた第2の属性の属性値を取得してよい。
【0070】
上で説明したプログラム又はソフトウエアモジュールは、コンピュータ1200上又はコンピュータ1200近傍のコンピュータ可読記憶媒体に格納されてよい。また、専用通信ネットワーク又はインターネットに接続されたサーバシステム内に提供されるハードディスク又はRAMのような記録媒体が、コンピュータ可読記憶媒体として使用可能であり、それによりプログラムを、ネットワークを介してコンピュータ1200に提供する。
【0071】
本実施形態におけるフローチャート及びブロック図におけるブロックは、オペレーションが実行されるプロセスの段階又はオペレーションを実行する役割を持つ装置の「部」を表わしてよい。特定の段階及び「部」が、専用回路、コンピュータ可読記憶媒体上に格納されるコンピュータ可読命令と共に供給されるプログラマブル回路、及び/又はコンピュータ可読記憶媒体上に格納されるコンピュータ可読命令と共に供給されるプロセッサによって実装されてよい。専用回路は、デジタル及び/又はアナログハードウェア回路を含んでよく、集積回路(IC)及び/又はディスクリート回路を含んでよい。プログラマブル回路は、例えば、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)、及びプログラマブルロジックアレイ(PLA)等のような、論理積、論理和、排他的論理和、否定論理積、否定論理和、及び他の論理演算、フリップフロップ、レジスタ、並びにメモリエレメントを含む、再構成可能なハードウェア回路を含んでよい。
【0072】
コンピュータ可読記憶媒体は、適切なデバイスによって実行される命令を格納可能な任意の有形なデバイスを含んでよく、その結果、そこに格納される命令を有するコンピュータ可読記憶媒体は、フローチャート又はブロック図で指定されたオペレーションを実行するための手段を作成すべく実行され得る命令を含む、製品を備えることになる。コンピュータ可読記憶媒体の例としては、電子記憶媒体、磁気記憶媒体、光記憶媒体、電磁記憶媒体、半導体記憶媒体等が含まれてよい。コンピュータ可読記憶媒体のより具体的な例としては、フロッピー(登録商標)ディスク、ディスケット、ハードディスク、ランダムアクセスメモリ(RAM)、リードオンリメモリ(ROM)、消去可能プログラマブルリードオンリメモリ(EPROM又はフラッシュメモリ)、電気的消去可能プログラマブルリードオンリメモリ(EEPROM)、静的ランダムアクセスメモリ(SRAM)、コンパクトディスクリードオンリメモリ(CD-ROM)、デジタル多用途ディスク(DVD)、ブルーレイ(登録商標)ディスク、メモリスティック、集積回路カード等が含まれてよい。
【0073】
コンピュータ可読命令は、アセンブラ命令、命令セットアーキテクチャ(ISA)命令、マシン命令、マシン依存命令、マイクロコード、ファームウェア命令、状態設定データ、又はSmalltalk(登録商標)、JAVA(登録商標)、C++等のようなオブジェクト指向プログラミング言語、及び「C」プログラミング言語又は同様のプログラミング言語のような従来の手続型プログラミング言語を含む、1又は複数のプログラミング言語の任意の組み合わせで記述されたソースコード又はオブジェクトコードのいずれかを含んでよい。
【0074】
コンピュータ可読命令は、汎用コンピュータ、特殊目的のコンピュータ、若しくは他のプログラム可能なデータ処理装置のプロセッサ、又はプログラマブル回路が、フローチャート又はブロック図で指定されたオペレーションを実行するための手段を生成するために当該コンピュータ可読命令を実行すべく、ローカルに又はローカルエリアネットワーク(LAN)、インターネット等のようなワイドエリアネットワーク(WAN)を介して、汎用コンピュータ、特殊目的のコンピュータ、若しくは他のプログラム可能なデータ処理装置のプロセッサ、又はプログラマブル回路に提供されてよい。プロセッサの例としては、コンピュータプロセッサ、処理ユニット、マイクロプロセッサ、デジタル信号プロセッサ、コントローラ、マイクロコントローラ等を含む。
【0075】
以上、本発明を実施の形態を用いて説明したが、本発明の技術的範囲は上記実施の形態に記載の範囲には限定されない。上記実施の形態に、多様な変更又は改良を加えることが可能であることが当業者に明らかである。その様な変更又は改良を加えた形態も本発明の技術的範囲に含まれ得ることが、特許請求の範囲の記載から明らかである。
【0076】
特許請求の範囲、明細書、及び図面中において示した装置、システム、プログラム、及び方法における動作、手順、ステップ、及び段階などの各処理の実行順序は、特段「より前に」、「先立って」などと明示しておらず、また、前の処理の出力を後の処理で用いるのでない限り、任意の順序で実現しうることに留意すべきである。特許請求の範囲、明細書、及び図面中の動作フローに関して、便宜上「まず、」、「次に、」などを用いて説明したとしても、この順で実施することが必須であることを意味するものではない。
【符号の説明】
【0077】
12 CPU、14 ACC、16 仮想化層・OS、18 vRAN、20 RAN AI、22 GPUサーバ、24 RAN AI、100 制御装置、102 CPU、104 GPU、106 仮想化層・OS、108 vRAN、110 RAN AI、112 MEC、120 制御部、122 vRAN実行部、124 RAN AI実行部、126 サービス実行部、128 管理部、200 Near-RT RIC、210 Non-RT RIC、220 O-RU、230 O-DU、240 O-CU、1200 コンピュータ、1210 ホストコントローラ、1212 CPU、1213 GPU、1214 RAM、1216 グラフィックコントローラ、1218 ディスプレイデバイス、1220 入出力コントローラ、1222 通信インタフェース、1224 記憶装置、1230 ROM、1240 入出力チップ
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
【手続補正書】
【提出日】2024-11-20
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
vRAN(Virtual Radio Access Network)の機能であるvRAN機能をCPU(Central Processing Unit)のリソース及びGPU(Graphics Processing Unit)のリソースを用いて実行するvRAN実行部と、
前記vRANの制御に関連するAIの機能であるRAN AI機能を、前記GPUのリソースを用いて実行するRAN AI実行部と
前記vRAN実行部及び前記RAN AI実行部のうち、前記vRAN実行部に対して優先的に前記GPUのリソースを割り当てるよう管理する管理部と
を備える制御装置。
【請求項2】
前記管理部は、前記vRAN実行部の処理負荷が予め定められた閾値よりも高い場合において、前記vRAN実行部による物理層の信号処理の処理負荷が予め定められた閾値よりも高いと判定した場合に前記vRAN実行部に割り当てる前記GPUのリソースの量を増加し、前記vRAN実行部による、前記vRANにおける移動体通信端末からの接続要求に対する接続処理の処理負荷が予め定められた閾値よりも高いと判定した場合に前記RAN AI実行部に割り当てる前記GPUのリソースの量を増加する、請求項に記載の制御装置。
【請求項3】
前記管理部は、前記vRAN実行部が前記CPUのリソース及び前記GPUのリソースを用いて前記vRAN機能を実行しているときに、前記vRANが混雑すると予測された場合に、前記RAN AI実行部に割り当てる前記GPUのリソースの量を増加する、請求項に記載の制御装置。
【請求項4】
前記vRANにアクセスする移動体通信端末に対してサービスを提供する機能であるサービス提供機能を、前記GPUのリソースを用いて実行するサービス実行部
を備え、
前記管理部は、前記vRAN実行部、前記RAN AI実行部、及び前記サービス実行部のうち、前記GPUのリソースを、前記vRAN実行部、前記RAN AI実行部、前記サービス実行部の順で優先的に割り当てるよう制御する、請求項に記載の制御装置。
【請求項5】
vRANの機能であるvRAN機能をCPUのリソース及びGPUのリソースを用いて実行するvRAN実行部と、
前記vRANの制御に関連するAIの機能であるRAN AI機能を、前記GPUのリソースを用いて実行するRAN AI実行部と、
前記vRAN実行部が前記CPU及び前記GPUを用いて前記vRAN機能を実行しているときに前記GPUの処理負荷を監視し、前記GPUの処理負荷が予め定められた閾値より低くなった場合に、前記RAN AI実行部に割り当てる前記GPUのリソースの量を増加する管理部と
を備える制御装置。
【請求項6】
前記管理部は、前記vRAN実行部に対して前記CPUのリソース及び前記GPUのリソースを割り当てて前記vRAN機能を実行させ、前記RAN AI実行部に対して、前記vRAN実行部に割り当てている量よりも少ない量の前記GPUのリソースを割り当てて、前記RAN AI機能を実行させた後、前記GPUの処理負荷を監視し、前記GPUの処理負荷が予め定められた閾値より低くなった場合に、前記RAN AI実行部に対して前記GPUのリソースを追加して、前記RAN AI機能を強化させる、請求項5に記載の制御装置。
【請求項7】
制御装置であって、
vRANの機能であるvRAN機能をCPUのリソース及びGPUのリソースを用いて実行するvRAN実行部と、
前記vRANの制御に関連するAIの機能であるRAN AI機能を、前記GPUのリソースを用いて実行するRAN AI実行部と
を備え、
前記制御装置は、Near-RT RIC(RAN Intelligent Controller)として機能し、
前記RAN AI実行部は、前記GPUのリソースを用いて、Non-RT RICから取得した学習済モデルを用いた前記vRANの制御に関連する推論処理を実行する
制御装置。
【請求項8】
前記RAN AI実行部は、前記vRANに関連するデータを用いた機械学習を実行することによって前記学習済モデルを更新し、更新した前記学習済モデルを用いた前記推論処理を実行する、請求項に記載の制御装置。
【請求項9】
コンピュータを、請求項1から8のいずれか一項に記載の制御装置として機能させるためのプログラム。
【請求項10】
請求項1から8のいずれか一項に記載の制御装置と、
前記CPUと、
前記GPUと
を備えるシステム。