(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2025016171
(43)【公開日】2025-01-31
(54)【発明の名称】取付け部材、および電力供給ユニット
(51)【国際特許分類】
E04B 9/06 20060101AFI20250124BHJP
E04B 9/00 20060101ALI20250124BHJP
E04B 9/24 20060101ALI20250124BHJP
【FI】
E04B9/06 A
E04B9/00 G
E04B9/24 H
【審査請求】未請求
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023119274
(22)【出願日】2023-07-21
(71)【出願人】
【識別番号】505455945
【氏名又は名称】コイズミ照明株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000338
【氏名又は名称】弁理士法人 HARAKENZO WORLD PATENT & TRADEMARK
(74)【代理人】
【識別番号】100168583
【弁理士】
【氏名又は名称】前井 宏之
(72)【発明者】
【氏名】上田 崚介
(57)【要約】
【課題】システム天井200の美観を向上することができる取付け部材20を提供する。
【解決手段】本発明に係る取付け部材20は、固定部21と、引掛部30とを備える。固定部21は、水平方向に沿う第1方向に延びるライティングダクト10に固定される。引掛部30は、固定部21に連結されるとともに、固定部21との連結部分よりも水平方向の外側に向けて突出する鉤状を呈し、システム天井200を構成するTバー100の上端縁に引っ掛けられる。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
水平方向に沿う第1方向に延びる取付器具に固定される固定部と、
前記固定部に連結されるとともに、前記固定部との連結部分よりも水平方向の外側に向けて突出する鉤状を呈し、システム天井を構成するTバーの上端縁に引っ掛けられる引掛部と
を備える取付け部材。
【請求項2】
前記引掛部を複数有し、
複数の前記引掛部は、前記固定部と一体に形成されている、請求項1に記載の取付け部材。
【請求項3】
前記固定部は、前記第1方向の全域にわたって前記取付器具を覆う、請求項2に記載の取付け部材。
【請求項4】
前記引掛部は、前記固定部における前記第1方向の両端部に一対設けられる短辺側引掛部を含む、請求項3に記載の取付け部材。
【請求項5】
前記引掛部は、前記固定部のうち、平面視で前記第1方向と直交する第2方向の端部に複数設けられる長辺側引掛部を含み、
前記長辺側引掛部は、前記第1方向に沿って間隔をあけて配置されている、請求項4に記載の取付け部材。
【請求項6】
前記引掛部は、前記固定部から上方に向けて延びる連結片と、
前記連結片の上端部から前記水平方向の外側に向けて突出する突出片と、
前記突出片の外端部から、下方に向けて延びる先端片と
を備え、
前記先端片のうち、前記水平方向の内側を向く内面には、下方から上方に向かうに従って、前記内側に向けて突出する規制片が形成されている、請求項1から5のいずれか1項に記載の取付け部材。
【請求項7】
前記規制片は、前記先端片と一体に形成されている、請求項6に記載の取付け部材。
【請求項8】
前記連結片には、前記連結片を貫く固定孔が形成されている、請求項6に記載の取付け部材。
【請求項9】
速結端子台を更に備え、
前記取付器具は、他の設備に対して電力を供給する電力供給装置を含み、
前記速結端子台は、前記電力供給装置の内部と、前記取付け部材の外部とを電気的に導通する、請求項1から5のいずれか1項に記載の取付け部材。
【請求項10】
請求項1から5のいずれか1項に記載の取付け部材と、
前記固定部が固定された前記電力供給装置と
を備えた電力供給ユニット。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、取付け部材、および電力供給ユニットに関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、システム天井において天井枠を構成するTバーの下端部に形成された溝部に、締結部材を介して固定された取付け治具が開示されている。この取付け治具には、照明器具などの各種機器が取り付けられる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1に記載された取付け治具は、Tバーの下端部から下方に向けて突出した状態で固定される。このため、システム天井において取付け治具が目立つ状態となり、天井の美観を損ねることが懸念される。
【0005】
本発明は上記課題に鑑みてなされたものであり、その目的はシステム天井の美観を向上することができる取付け部材、および電力供給ユニットを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本願に開示する取付け部材は、固定部と、引掛部とを備える。前記固定部は、水平方向に沿う第1方向に延びる取付器具に固定される。前記引掛部は、前記固定部に連結されるとともに、前記固定部との連結部分よりも水平方向の外側に向けて突出する鉤状を呈し、システム天井を構成するTバーの上端縁に引っ掛けられる。
【0007】
本願に開示する前記取付け部材は、前記引掛部を複数有し、複数の前記引掛部は、前記固定部と一体に形成されていることが好ましい。
【0008】
本願に開示する前記取付け部材において、前記固定部は、前記第1方向の全域にわたって前記取付器具を覆うことが好ましい。
【0009】
本願に開示する前記取付け部材において、前記引掛部は、前記固定部における前記第1方向の両端部に一対設けられる短辺側引掛部を含むことが好ましい。
【0010】
本願に開示する前記取付け部材において、前記引掛部は、前記固定部のうち、平面視で前記第1方向と直交する第2方向の端部に複数設けられる長辺側引掛部を含み、前記長辺側引掛部は、前記第1方向に沿って間隔をあけて配置されていることが好ましい。
【0011】
本願に開示する前記取付け部材において、前記引掛部は、連結片と、突出片と、先端片とを備える。前記連結片は、前記固定部から上方に向けて延びる。前記突出片は、前記連結片の上端部から前記水平方向の外側に向けて突出する。前記先端片は、前記突出片の外端部から、下方に向けて延びる。前記先端片のうち、前記水平方向の内側を向く内面には、下方から上方に向かうに従って、前記内側に向けて突出する規制片が形成されていることが好ましい。
【0012】
本願に開示する前記取付け部材において、前記規制片は、前記先端片と一体に形成されていることが好ましい。
【0013】
本願に開示する前記取付け部材において、前記連結片には、前記連結片を貫く固定孔が形成されていることが好ましい。
【0014】
本願に開示する前記取付け部材は、速結端子台を更に備え、前記取付器具は、他の設備に対して電力を供給する電力供給装置を含み、前記速結端子台は、前記電力供給装置の内部と、前記取付け部材の外部とを電気的に導通することが好ましい。
【0015】
本願に開示する電力供給ユニットは、前記取付け部材と、前記固定部が固定された前記電力供給装置とを備えることが好ましい。
【発明の効果】
【0016】
本発明に係る取付け部材、および電力供給ユニットによれば、天井の美観を向上することができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【
図1】本発明の第1実施形態に係る電力供給ユニットとシステム天井とを示す模式的な平面図である。
【
図2】
図1に示す電力供給ユニットとシステム天井の一部の外観斜視図である。
【
図3】
図2に示す電力供給ユニットの外観斜視図である。
【
図4】
図3に示す電力供給ユニットの分解斜視図である。
【
図5】(a)
図3に示す電力供給ユニットの正面図である。(b)
図3に示す電力供給ユニットの平面図である。
【
図10】本発明に係る電力供給ユニットのシステム天井への配置の第1変形例を示す模式図である。
【
図13】本発明に係る電力供給ユニットのシステム天井への配置の第2変形例を示す模式図である。
【
図15】本発明に係る電力供給ユニットのシステム天井への配置の第3変形例を示す模式図である。
【
図16】第2実施形態に係る電力供給ユニットの外観斜視図である。
【
図17】システム天井の周辺の構成を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
<第1実施形態>
以下、本発明の第1実施形態について、図面を参照しながら説明する。なお、図中、同一又は相当部分については同一の参照符号を付して説明を繰り返さない。また、図中、理解の容易のため、三次元直交座標系のX軸、Y軸、およびZ軸を適宜記載している。X軸およびY軸は水平方向に平行であり、Z軸は上下方向に平行である。Z軸の正方向は上方向を示し、Z軸の負方向は下方向を示す。
【0019】
(1)システム天井200の構成
図1および
図2を参照して、本発明の実施形態に係る電力供給ユニット1が取り付けられるシステム天井200について説明する。
図1は、本発明の実施形態に係る電力供給ユニット1とシステム天井200とを示す模式的な平面図である。
図2は、電力供給ユニット1とシステム天井200の一部の外観斜視図である。
【0020】
図1に示すシステム天井200は、居室の上部空間に配置される構造物である。システム天井200は、例えば建造物の鉄骨から下方に向けて延びる棒状の固定部材(吊りボルトなど)に支持される。すなわち、システム天井200は、建造物の鉄骨に吊り下げられる。システム天井200は、複数のバー材であるTバー100により構成される。Tバー100は、下端部が水平方向に張り出した逆T字型のバー材である(
図6参照)。
【0021】
図2に示すように、Tバー100を井桁状(格子状)に組むことで、システム天井200のフレームが複数構成される。複数のフレームそれぞれにおいて、Tバー100の下端部の張り出した部分に支持させるように天井パネル150(
図9参照)を配置することで、システム天井200の天井面が構成される。
【0022】
図1に示すように、本実施形態では、複数のTバー100の各々は、X軸方向又はY軸方向に沿って伸びている。複数のTバー100は正方形をなす格子状に配置されている。このため、複数のTバー100により形成される領域R1に配置される天井パネル150は、正方形状を呈する。
【0023】
システム天井200には、電力供給ユニット1が取り付けられている。電力供給ユニット1は、システム天井200におけるTバー100に取り付けられる。システム天井200において、電力供給ユニット1が取り付けられた領域R2は、開口が長方形となる。このため、電力供給ユニット1が取り付けられた領域R2には、長方形状を呈する天井パネル150が配置される。
【0024】
(2)電力供給ユニット1の全体構成
次に、
図3および
図4を参照して、電力供給ユニット1の全体構成について説明する。
図3は、電力供給ユニット1の外観斜視図である。
図4は、電力供給ユニット1の分解斜視図である。
【0025】
図3および
図4に示すように、電力供給ユニット1は、第1方向に沿って延びる長尺状を呈する。以下の説明において、第1方向を「長手方向LG」と示す。また、平面視で長手方向LGと直交する第2方向を、「短手方向TV」と示す。本実施形態では、長手方向LGは水平面を構成するX軸に平行であり、短手方向TVは水平面を構成するY軸と平行である。電力供給ユニット1は、ライティングダクト10と取付け部材20とを備えている。ライティングダクト10は、取付器具の一例である。
【0026】
取付器具とは、他の設備をシステム天井200に取り付ける用途に用いられる器具である。取付器具には、電力供給装置と、支持装置とが含まれる。電力供給装置は、システム天井200に取り付けられる他の設備に対して電力を供給する給電機能を有する。ライティングダクト10は、電力供給装置に該当する。支持装置は、給電機能を有さずに、システム天井200に取り付けられる他の設備を支持する。支持装置には、給電機能を有さないレースウェイが該当する。
【0027】
(2-1)ライティングダクト10の構成
次に、
図4を参照してライティングダクト10の構成について説明する。
図4に示すように、ライティングダクト10は、長手方向LGに沿って伸びている。ライティングダクト10は、長尺の直方体状を呈するレール形の配線器具である。ライティングダクト10は、筐体11と、エンドキャップ12と、ブラケット13と、電極(図示せず)とを備えている。
【0028】
筐体11はアルミニウム等の軽量な金属材料により形成されている。筐体11は中空状を呈し、下方に向けて開口している。筐体11には、下方に向けて開口する溝が長手方向LGの全域にわたって延びている(
図9参照)。筐体11は、押し出し成形により成形され、長手方向LGの全域にわたって一様な断面形状を有している。筐体11は、長手方向LGの両側に向けて開口している。
【0029】
エンドキャップ12は、筐体11の長手方向LGの一方側の端部に配置されている。エンドキャップ12は、筐体11の長手方向LGの一方側の開口を閉塞している。エンドキャップ12は、例えば合成樹脂材料により形成されている。
【0030】
ブラケット13は、筐体11の長手方向LGの他方側の端部に配置されている。ブラケット13は、筐体11の長手方向LGの他方側の開口を閉塞している。ブラケット13は、例えば合成樹脂材料により形成されている。
【0031】
電極は、筐体11の内部に一対配置されている。電極は、導電性を有する線材により形成されている。電極は、筐体11の内部において長手方向LGの略全域にわたって延びている。電極は、絶縁層を介して筐体11の内部に保持されている。電極は、正電極および負電極を含む。
【0032】
(2-2)取付け部材20の全体構成
次に、
図4を参照して、取付け部材20の全体構成について説明する。
図4に示すように、取付け部材20は、ライティングダクト10に固定される部材である。取付け部材20は、ライティングダクト10をTバー100に取り付ける(
図2参照)。取付け部材20は、板金により構成されている。取付け部材20は、固定部21と引掛部30と速結端子台40を備える。
【0033】
(2-3)固定部21の構成
次に、
図4および
図5を参照して、取付け部材20における固定部21の構成について説明する。
図5(a)は、電力供給ユニット1の正面図である。
図5(b)は、電力供給ユニット1の平面図である。
【0034】
図4に示すように、固定部21は、ライティングダクト10に固定される。固定部21は、上面板21Aと、側面板21Bと、つば部21Cとを備える。上面板21Aは表裏面が上下方向を向き、ライティングダクト10の上面を覆う板状を呈する。上面板21Aは、長手方向LGの全域にわたってライティングダクト10の上面を覆っている。上面板21Aは、平面視で扁平な長方形状を呈する。
【0035】
上面板21Aには、ライティングダクト10を固定する締結ねじが挿入される締結孔21Dが設けられている。締結孔21Dは、長手方向LGに沿って間隔をあけて複数配置されている。上面板21Aのうち、締結孔21Dの周辺には平面視で楕円形状を呈するザグリが形成されている。上面板21Aにおける短手方向TVの一方側の端縁に、側面板21Bが連結されている。
【0036】
側面板21Bは、表裏面が短手方向TVを向き、ライティングダクト10の側面を覆う板状を呈する。側面板21Bは、長手方向LGの全域にわたってライティングダクト10の一方側の側面を覆っている。側面板21Bは、短手方向TVからみた正面視で扁平な長方形状を呈する。側面板21Bにおける下端縁に、つば部21Cが連結されている。
【0037】
つば部21Cは、表裏面が上下方向を向き、側面板21Bの下端縁から短手方向TVにおけるライティングダクト10の外側に向けて突出する板状を呈する。つば部21Cは、長手方向LGの全域にわたって側面板21Bの下端縁に連結されている。側面板21Bは、平面視で扁平な長方形状を呈する。
【0038】
速結端子台40は、取付け部材20の上面板21Aの上面に配置される。速結端子台40は、ライティングダクト10の内部と、取付け部材20の外部とを電気的に導通する部材である。速結端子台40は、上面板21Aのうち、長手方向LGの他方側の端部に配置されている。速結端子台40は、複数の端子を備えている。本実施形態では、速結端子台40は、正極端子、負極端子、およびアース端子を含む。
【0039】
正極端子は、ブラケット13から速結端子台40に連なる導線(不図示)を介して、ブラケット13内の正電極と電気的に接続されている。負極端子は、ブラケット13から速結端子台40に連なる導線(不図示)を介して、ブラケット13内の負電極と電気的に接続されている。アース端子は、ブラケット13から速結端子台40に連なる導線(不図示)を介して、ブラケット13内のアースボルトと電気的に接続されている。
【0040】
そして、速結端子台40における正極端子、負極端子、およびアース端子のうちのいずれかと外部導線を接続すると、ライティングダクト10内の正電極、負電極、およびアースボルトのうち、対応する箇所と外部導線とが導通される。このため、電力供給ユニット1がTバー100に取り付けられた状態で、ライティングダクト10と外部の装置との導通の作業を簡易に行うことができる。
【0041】
上面板21Aの上面には、複数の引掛部30が配置されている。図示の例では、固定部21の上面に4つの引掛部30が配置されている。
【0042】
(2-4)引掛部30の構成
次に、
図5から
図9を参照して、引掛部30の構成について説明する。
図5に示すように、引掛部30は、鉤状を呈する部材であり、固定部21に連結されている。本実施形態では、複数の引掛部30は、固定部21と一体に形成されている。このため、取付け部材20を一体の部材として取り扱うことが可能になり、ライティングダクト10への取付け部材20の固定を容易に行うことができる。なお、引掛部30は固定部21と別体として形成されてもよい。
【0043】
引掛部30は、板金材を折り曲げることで形成されている。
図5(b)に示すように、引掛部30は、固定部21との連結部分よりも水平方向の外側に向けて突出している。引掛部30は、システム天井200を構成するTバー100の上端縁に引っ掛けられる(
図2参照)。このため、ライティングダクト10をTバー100の側方で支持することができ、ライティングダクト10をTバー100から下方に向けて突出させずに保持することができる。これにより、本発明に係る取付け部材20によれば、システム天井200にライティングダクト10を取り付けた際に、天井の美観を向上することができる。
【0044】
本実施形態では、引掛部30は、短辺側引掛部31と長辺側引掛部32とを含む。短辺側引掛部31および長辺側引掛部32は、それぞれが引掛けられるTバー100と直交する断面の形状が、互いに異なっている。以下、短辺側引掛部31および長辺側引掛部32それぞれの構成について詳述する。
【0045】
(2-4-1)短辺側引掛部31の構成
まず、短辺側引掛部31の構成について説明する。
図6は、
図2におけるVI-VI矢視断面図である。
図3に示すように、短辺側引掛部31は、固定部21における長手方向LGの両端部に一対設けられている。
図6に示すように、短辺側引掛部31は、短辺側連結片311と、短辺側突出片312と、短辺側先端片313とを備えている。
【0046】
短辺側連結片311は、固定部21から上方に向けて延びている。短辺側突出片312は、短辺側連結片311の上端部から長手方向LGの外側に向けて突出している。短辺側先端片313は、短辺側突出片312の外端部から、下方に向けて延びている。
【0047】
短辺側引掛部31では、短辺側連結片311および短辺側先端片313それぞれが、上下方向にまっすぐ伸びている。このため、短辺側引掛部31が引掛けられるTバー100と直交する断面(XZ平面と平行な面)において、短辺側引掛部31の水平方向(X方向)の大きさは、上下方向の位置によらず一定となっている。
【0048】
短辺側引掛部31における短辺側先端片313のうち、水平方向の内側を向く内面には、規制片314が形成されている。規制片314は、下方から上方に向かうに従って、内側に向けて突出している。規制片314は、短辺側先端片313と一体に形成されている。このため、規制片314の追加による部品点数の増加を抑え、規制片314を含む取付け部材20を安価な構成とすることができる。
【0049】
図7は、
図3におけるVII矢視図である。
図8は、
図3におけるVIII矢視図である。
図7および
図8に示すように、規制片314は、短辺側先端片313の中央部分に対する切り起こし成型により形成される。このため、短辺側先端片313のうち、規制片314と水平方向に対向する部分には、規制片314の切り起こしにより成形された開口部315が配置されている。
【0050】
図5(b)に示すように、本実施形態に係る取付け部材20において、短辺側引掛部31は、第1の短辺側引掛部31Aと、第2の短辺側引掛部31Bとを備える。第1の短辺側引掛部31Aは、
図5(b)において、長手方向LGのうち、速結端子台40が位置する端部に配置されている。第2の短辺側引掛部31Bは、
図5(b)において、長手方向LGのうち、第1の短辺側引掛部31Aと反対側の端部に配置されている。
【0051】
第1の短辺側引掛部31Aおよび第2の短辺側引掛部31Bは、短辺側突出片312の短手方向TVの大きさが互いに異なっている。この点について、
図7および
図8を参照して詳述する。
【0052】
図7および
図8に示すように、第1の短辺側引掛部31Aにおける短辺側突出片312の短手方向TVの大きさL1は、第2の短辺側引掛部31Bにおける短辺側突出片312の短手方向TVの大きさL2よりも大きくなっている。このように、第1の短辺側引掛部31Aおよび第2の短辺側引掛部31Bにおいて、短手方向TVの大きさが互いに異なる理由については後述する。
【0053】
(2-4-2)長辺側引掛部32の構成
次に、長辺側引掛部32の構成について説明する。
図4に示すように、長辺側引掛部32は、固定部21のうち、短手方向TVの端部に複数設けられている。長辺側引掛部32は、固定部21のうち、短手方向TVにおいて、つば部21Cと反対側の端部に配置されている。複数の長辺側引掛部32は、長手方向LGに沿って間隔をあけて配置されている。
【0054】
図示の例では、2つの長辺側引掛部32が上面板21Aに配置されている。このため、短辺側引掛部31に加えて、長辺側引掛部32を用いてTバー100に電力供給ユニット1を取り付けることで、ライティングダクト10の姿勢をより安定させることができる。なお、長辺側引掛部32の数量は任意に選択することができる。
【0055】
図8に示すように、長辺側引掛部32は、長辺側連結片321と、長辺側突出片322と、長辺側先端片323と、を備えている。
【0056】
長辺側連結片321は、固定部21から上方に向けて延びる部分を示す。長辺側突出片322は、長辺側連結片321の上端部から短手方向TVの外側に向けて突出する部分を示す。長辺側先端片323は、長辺側突出片322の外端部から、下方に向けて延びる部分を示す。
【0057】
長辺側連結片321は、第1連結片3211、第2連結片3212、および第3連結片3213により構成される。第1連結片3211は、長辺側連結片321のうち、最も下方に位置する部分を示す。
図8に示す構造では、第1連結片3211は断面逆L字状を呈する。第1連結片3211は、固定部21の上面板21A部の裏面に固定されている。
【0058】
第2連結片3212は、長辺側連結片321のうち、最も上方に位置する部分を示す。
図8に示す構造では、第2連結片3212は、第1連結片3211よりも短手方向TVの内側(ライティングダクト10側)に配置されている。第2連結片3212の上端部に長辺側突出片322が連結されている。
【0059】
第3連結片3213は、長辺側連結片321のうち、第1連結片3211と第3連結片3213とを連結する部分を示す。第3連結片3213は、下方から上方に向かうに従い、次第に短手方向TVの内側(ライティングダクト10側)に向けて延びている。このため、長辺側連結片321のうち、上下方向に延びる部分については、上端部が下端部よりも短手方向TVの内側に位置している。
【0060】
図4に示すように、長辺側連結片321には、長辺側連結片321を貫く固定孔33が形成されている。固定孔33は、長辺側連結片321のうち、第1連結片3211における長手方向LGの中央に配置されている。
【0061】
固定孔33は、例えば一定の重量のある装置をライティングダクト10に支持させる場合に使用される。具体的には、Tバー100に電力供給ユニット1を強固に取り付ける際に、固定孔33に固定用ねじが取り付けられる。すなわち、Tバー100に貫通孔を別途施工し、固定用ねじを用いて、強固に電力供給ユニット1をTバー100に取り付けることができる。これにより、例えば一定の重量のある装置をライティングダクト10に支持させることが可能になる。なお、長辺側連結片321には、固定孔33が設けられなくてもよい。
【0062】
図8に示すように、長辺側先端片323は、第1先端片3231、第2先端片3232、および第3先端片3233により構成される。第1先端片3231は、長辺側先端片323のうち、最も上方に位置する部分を示す。第1先端片3231は、長辺側突出片322に連結されている。
【0063】
第2先端片3232は、第1先端片3231の下端部に連結されている部分を示す。第2先端片3232は、下方に向かうに従って、短手方向TVの内側(ライティングダクト10側)に向けて延びている。
【0064】
第3先端片3233は、第2先端片3232の下端部に連結されている部分を示す。第3先端片3233は、下方に向かうに従って、短手方向TVの外側(ライティングダクト10と反対側)に向けて延びている。
【0065】
長辺側連結片321のうち、第2先端片3232と第3先端片3233との連結部分が、第1先端片3231に対して短手方向TVの最も内側に位置している。
【0066】
長辺側引掛部32において、長辺側連結片321および長辺側先端片323それぞれは、屈曲しながら上下方向に伸びている。そして、長辺側引掛部32が引掛けられるTバー100と直交する断面(YZ平面と平行な面)において、長辺側引掛部32の水平方向(Y方向)の大きさは、上下方向の中央部分で最も小さくなっている。
【0067】
図5(b)に示すように、本実施形態に係る取付け部材20では、長辺側引掛部32は、第1の長辺側引掛部32Aと、第2の長辺側引掛部32Bとを備える。第1の短辺側引掛部31Aは、
図5(b)において、長手方向LGのうち、速結端子台40が位置する側に配置されている。第2の長辺側引掛部32Bは、
図5(b)において、長手方向LGのうち、第1の長辺側引掛部32Aと反対側の端部に配置されている。第1の長辺側引掛部32Aおよび第2の長辺側引掛部32Bの形状および大きさは、互いに同等となっている。
【0068】
複数の長辺側引掛部32それぞれにおいて、取付け部材20の長手方向LGの中心からの距離が、互いに異なっている。具体的には、第1の長辺側引掛部32Aから長手方向LGの中心軸Axまでの距離L3は、第2の長辺側引掛部32Bから中心軸Axまでの距離L4よりも大きくなっている。このように、複数の長辺側引掛部32それぞれにおいて、取付け部材20の長手方向LGの中心からの距離が互いに異なっている理由については後述する。
【0069】
(3)Tバー100への取付け状態
次に、
図6および
図9を用いて、引掛部30によるTバー100への取付け状態について説明する。
【0070】
(3-1)短辺側引掛部31による取付け状態
図6に示すように、Tバー100は、支持部110と、溝部120と、接続片130とを備える。支持部110は、上端に位置し、中空略矩形状を呈する。溝部120は、下端に位置し、下方に向けて開口するレール状を呈する。接続片130は、支持部110と溝部120とを接続し、上下方向に延びている。
【0071】
図6に示すように、取付け部材20をTバー100に取り付けた状態において、短辺側引掛部31は、Tバー100の上端縁に引掛けられる。この際、短辺側引掛部31における先端片の内側から突出する規制片314は、Tバー100の支持部110の下方に入り込んだ状態となる。
【0072】
このため、仮に電力供給ユニット1に上方に向けた外力が作用しても、規制片314がTバー100の支持部110に係合することで、短辺側引掛部31がTバー100から離脱するのを抑制することができる。作業者は、短辺側引掛部31の短辺側先端片313を、長手方向LGの外側に向けて広げた状態で、上方に向けて電力供給ユニット1を押し上げることで、Tバー100から電力供給ユニット1を取り外すことができる。
【0073】
(3-2)長辺側引掛部32による取付け状態
図9は、
図2におけるIX-IX線矢視断面図である。
図9に示すように、取付け部材20をTバー100に取り付けた状態において、長辺側引掛部32は、Tバー100の上端縁に引掛けられる。この際、長辺側引掛部32における第2先端片3232と第3先端片3233との連結部分は、Tバー100の支持部110の下方に入り込んだ状態となる。
【0074】
このため、仮に電力供給ユニット1に上方に向けた外力が作用しても、第2先端片3232と第3先端片3233との連結部分がTバー100の支持部110に係合することで、長辺側引掛部32がTバー100から離脱するのを抑制することができる。
【0075】
また、取付け部材20をTバー100に取り付けた状態において、長辺側引掛部32における第2連結片3212は、Tバー100の支持部110の下方に入り込んだ状態になる。このため、仮に電力供給ユニット1に上方に向けた外力が作用しても、第2連結片3212がTバー100の支持部110に係合することで、長辺側引掛部32がTバー100から離脱するのを抑制することができる。
【0076】
作業者は、長辺側引掛部32の第3先端片3233を、短手方向TVの外側に向けて広げた状態で、上方に向けて電力供給ユニット1を押し上げることで、Tバー100から電力供給ユニット1を取り外すことができる。
【0077】
図9に示すように、電力供給ユニット1をTバー100に取り付けた状態において、ライティングダクト10は、Tバー100の側方に位置する。具体的には、ライティングダクト10の下面と、Tバー100の溝部120の下面とが、上下方向に同等の位置となる。そして、取付け部材20のつば部21Cに、天井パネル150が載置される。この状態において、ライティングダクト10の下面と天井パネル150の下面とが、上下方向に同等の位置となる。
【0078】
このため、電力供給ユニット1をTバー100に取り付けた状態では、例えば、ライティングダクト10をTバー100の下方に配置した状態と比較して、ライティングダクト10の天井パネル150からの下方に向けた突出量を顕著に小さくすることができる。すなわち、本発明に係る電力供給ユニット1によれば、システム天井200にライティングダクト10を取り付けた際に、天井の美観を向上することができる。
【0079】
(4)電力供給ユニット1の配置状態の変形例
次に、
図10から
図15を参照して、電力供給ユニット1の配置状態の変形例について説明する。
【0080】
(4-1)第1変形例
図10は、電力供給ユニット1のシステム天井200への配置の第1変形例を示す模式図である。第1変形例では、複数の電力供給ユニット1を長手方向LGに並べた配置状態を説明する。
【0081】
図10に示すように、第1変形例に係る電力供給ユニット1の配置状態では、互いに隣り合う領域Rそれぞれにおいて、長手方向LGに連なるように、複数の電力供給ユニット1がシステム天井200に取り付けられている。
【0082】
図11は、
図10に示す電力供給ユニット1の平面拡大図である。
図11に示すように、2つの電力供給ユニット1を長手方向LGに並べてTバー100に取り付けた状態では、それぞれの短辺側引掛部31が、短手方向TVに並んでTバー100に取り付けられる。すなわち、一方の電力供給ユニット1における第1の短辺側引掛部31Aと、他方の電力供給ユニット1における第2の短辺側引掛部31Bとが、短手方向TVに並んだ状態となる。
【0083】
この状態において、第1の短辺側引掛部31Aおよび第2の短辺側引掛部31Bが重ならないように、第1の短辺側引掛部31Aおよび第2の短辺側引掛部31Bの位置および大きさが規定される。具体的には、第1の短辺側引掛部31Aおよび第2の短辺側引掛部31Bは、互いに短手方向TVの逆側に配置されている。
【0084】
また、第1の短辺側引掛部31Aおよび第2の短辺側引掛部31Bの短手方向TVの寸法値の合計が、電力供給ユニット1の短手方向TVの寸法値を超えないように設定されている。次に、第1の短辺側引掛部31Aおよび第2の短辺側引掛部31Bの短手方向TVの寸法差について詳述する。
【0085】
図12は、
図10に示す電力供給ユニット1の縦断面図である。
図12では、電力供給ユニット1の利用態様の一例として、居室用のスポットライトSがライティングダクト10に支持されている状態を示している。
【0086】
図12に示すように、スポットライトSのように重心位置Gが電力供給ユニット1の短手方向TVの中央Xから外れている構造物をライティングダクト10が支持している場合、
図12に矢印Fで示すモーメント荷重が電力供給ユニット1に付加される。すなわち、電力供給ユニット1は、支点となる短辺側引掛部31とTバー100の上端縁周りに、時計回りのモーメント荷重を受けることになる。これにより、ライティングダクト10の下端部と、Tバー100の溝部120との間に隙間が生じる方向に、電力供給ユニット1が回動するおそれが生じる。
【0087】
このため、
図11に示すように、第1の短辺側引掛部31Aおよび第2の短辺側引掛部31Bのうち、長手方向LGに延びるTバー100に近い位置に取り付けられる第1の短辺側引掛部31Aの短手方向TVの大きさを大きくすることで、前述したモーメント荷重による電力供給ユニット1のがたつきを抑制している。
言い換えれば、複数の短辺側引掛部31は、長辺側引掛部32が設けられた長辺の近くに配置された短辺側引掛部31(本実施形態では、第1の短辺側引掛部31A)の短手方向TVの寸法を、もう一方の短辺側引掛部31(本実施形態では、第2の短辺側引掛部31B)よりも大きく設定している。
【0088】
(4-2)第2変形例
図13は、電力供給ユニット1のシステム天井200への配置状態の第2変形例を示す模式図である。第2変形例では、複数の電力供給ユニット1を短手方向TVに並べた配置状態を説明する。
【0089】
図13に示すように、第2変形例に係る電力供給ユニット1の配置状態では、互いに隣り合う領域Rそれぞれにおいて、短手方向TVに連なるように、複数の電力供給ユニット1がシステム天井200に取り付けられている。
【0090】
図14は、
図13に示す電力供給ユニット1の平面拡大図である。
図14に示すように、2つの電力供給ユニット1を短手方向TVに並べてTバー100に取り付けた状態では、それぞれの長辺側引掛部32が、長手方向LGに並んでTバー100に取り付けられる。言い換えれば、2つの電力供給ユニット1は、互いに逆向きに1つのTバー100に取り付けられた状態となる。
【0091】
この状態では、一方の電力供給ユニット1における2つの長辺側引掛部32と、他方の電力供給ユニット1における2つの長辺側引掛部32とが、長手方向LGに並んだ状態となる。
【0092】
そして前述のとおり、複数の長辺側引掛部32それぞれにおいて、取付け部材20の長手方向LGの中心からの距離は、互いに異なっている(
図5(b)参照)。このため、互いに逆向きとなるように1つのTバー100に取り付けられた2つの電力供給ユニット1において、それぞれの長辺側引掛部32同士が互いに干渉するのを抑制することができる。
【0093】
(4-3)第3変形例
図15は、電力供給ユニット1のシステム天井200への配置状態の第3変形例を示す模式図である。第3変形例では、電力供給ユニット1をTバー100の中間部分に配置した配置状態を説明する。
【0094】
図15に示すように、第3変形例に係る電力供給ユニット1の配置状態では、領域Rの中央部に電力供給ユニット1が取り付けられている。この状態では、一対の短辺側引掛部31により電力供給ユニット1がTバー100に取り付けられ、長辺側引掛部32は、Tバー100への取付けに寄与していない状態となっている。そして、システム天井200において、電力供給ユニット1が取り付けられた領域R3は2つに分割される。このように、Tバー100により構成されるシステム天井200において、Tバー100の近傍に限られず、任意の位置に、短辺側引掛部31を用いてライティングダクト10を取り付けることができる。
【0095】
<第2実施形態>
次に、
図16を参照して、第2実施形態に係る電力供給ユニット1について説明する。なお、第1実施形態と同一の構成については同一の符号を振り、その説明を省略する。
【0096】
(5)第2実施形態に係る電力供給ユニット1の構成
図16は、第2実施形態に係る電力供給ユニット1の斜視図である。
図16に示すように、本実施形態に係る電力供給ユニット1では、取付け部材20の構造が第1実施形態と異なっている。すなわち、第2実施形態に係る電力供給ユニット1は、複数の取付け部材20を備えている。
【0097】
複数の取付け部材20は、それぞれが固定部21と引掛部30とを備えている。固定部21と引掛部30は板金材により一体に成形されている。
図16に示す例では、ライティングダクト10の上面に、4つの取付け部材20が固定されている。このような構成にすれば、取付け部材20の固定部21が、ライティングダクト10の長手方向LGの全域を覆う構成と比較して、固定部21をコンパクトにすることができ、電力供給ユニット1の軽量化を図ることができる。
【0098】
(6)システム天井200の周辺の構成
次に、
図17を参照して、システム天井200の周辺の構成について説明する。
図17は、システム天井200のその他の構成例を示す図である。
図17に示すように、Tバー100の溝部120には、各種の設備を連結することができる。
図17の例では、居室内を仕切るパーテーションPを連結している。パーテーションPの連結には、支持部材50を用いている。
【0099】
支持部材50は、
図17の拡大図に示すように、ヘッド部51と軸部52とを備えている。ヘッド部51は、平面視で長辺と短辺を有する矩形状を呈する。ヘッド部51の平面視における外縁には、上方に向けて突出する突出部51Aが形成されている。突出部51Aは、ヘッド部51の4辺それぞれに設けられている。4つの突出部51Aの高さは略同一となっている。
【0100】
軸部52は、ヘッド部51の下面から下方に向けて突出している。軸部52の外周面には、雄ねじが形成されている。支持部材50は、支持対象物を介してナットNを雄ねじに装着することで、支持対象物を支持することができる。
【0101】
このように、本発明の取付け部材20を用いる場合には、ライティングダクト10を従来の取り付け位置であるTバー100の溝部120に取り付ける必要がない。このため、ライティングダクト10を取り付けた状態で、支持部材50を用いて、更に他の設備をTバー100に取り付けることが可能となる。これにより、システム天井200を用いた空間設定に自由度を与えることができる。
【0102】
なお、上記の例では、Tバー100にパーテーションPを取り付けているが、パーテーション以外の設備をTバー100に取り付けてもよい。例えば、本発明の取付け部材20により取り付けられたライティングダクト10とともに、従来の取付け構造により、他のライティングダクト10をTバー100の溝部120に取り付けてもよい。
【0103】
(8)その他の変形例
次に、本発明のその他の変形例について説明する。
【0104】
上記実施形態では、システム天井200が天井パネル150を備える構成を示したが、この限りではない。すなわち、システム天井200は天井パネル150を備えなくてもよい。また、システム天井200は、全面に施工された格子状のTバー100に対して、天井パネル150が配置される領域と、配置されない領域とを含んでもよい。この場合において、天井パネル150が配置されない領域からTバー100を取り除き、Tバー100とは独立して個別に支持されるフレーム部材により、異なる複数の天井を構築してもよい。
【0105】
上記実施形態では、複数のTバー100により、正方形状の領域を形成するシステム天井200を例に挙げて説明したが、この限りではない。例えば、システム天井200は、Tバー100により長辺と短辺を有する長方形状の領域を形成してもよい。この場合において、ライティングダクト10の長手方向LGの大きさは、取り付けられるTバー100の長さと一致しなくてもよい。すなわち、短辺側引掛部31を用いることなく、複数の長辺側引掛部32のみを用いて電力供給ユニット1がTバー100に取り付けられてもよい。
【0106】
上記実施形態では、長辺側引掛部32および短辺側引掛部31それぞれを異なる構造としたが、この限りではない。長辺側引掛部32および短辺側引掛部31は、互いに同一の構造を有していてもよい。
【0107】
本発明に係る電力供給ユニット1に接続される装置としては、照明装置に限られない。例えば、ダクトレールプラグ、空気清浄機、アロマ発生装置、空調設備、換気設備、医療設備、映像設備、および音響設備などのいずれかの装置を電力供給ユニット1に接続することができる。電力供給ユニット1に接続される各装置が、電力供給装置であるライティングダクト10により電力が供給される他の設備の一例に該当する。
【0108】
以上、図面を参照しながら本発明の実施形態を説明した。但し、本発明は、上記の実施形態に限られるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々の態様において実施することが可能である。図面は、理解しやすくするために、それぞれの構成要素を主体に模式的に示しており、図示された各構成要素の厚み、長さ、個数等は、図面作成の都合上から実際とは異なる。また、上記の実施形態で示す各構成要素の材質や形状、寸法等は一例であって、特に限定されるものではなく、本発明の効果から実質的に逸脱しない範囲で種々の変更が可能である。
【符号の説明】
【0109】
1 電力供給ユニット
10 ライティングダクト(取付器具、電力供給装置)
20 取付け部材
21 固定部
30 引掛部
31 短辺側引掛部(引掛部)
311 短辺側連結片(連結片)
312 短辺側突出片(突出片)
313 短辺側先端片(先端片)
314 規制片
32 長辺側引掛部(引掛部)
321 長辺側連結片(連結片)
322 長辺側突出片(突出片)
323 長辺側先端片(先端片)
100 Tバー
200 システム天井