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特開2025-161729重金属汚染土壌を原位置で生態学的に修復する方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2025161729
(43)【公開日】2025-10-24
(54)【発明の名称】重金属汚染土壌を原位置で生態学的に修復する方法
(51)【国際特許分類】
   B09C 1/10 20060101AFI20251017BHJP
   B09B 3/60 20220101ALI20251017BHJP
【FI】
B09C1/10
B09B3/60
【審査請求】有
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2025004597
(22)【出願日】2025-01-14
(11)【特許番号】
(45)【特許公報発行日】2025-06-03
(31)【優先権主張番号】202410431453.3
(32)【優先日】2024-04-11
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(71)【出願人】
【識別番号】521088468
【氏名又は名称】生態環境部南京環境科学研究所
(74)【代理人】
【識別番号】100216471
【弁理士】
【氏名又は名称】瀬戸 麻希
(72)【発明者】
【氏名】張暁雨
(72)【発明者】
【氏名】応蓉蓉
(72)【発明者】
【氏名】季文兵
(72)【発明者】
【氏名】胡哲偉
(72)【発明者】
【氏名】李▲ち▼
(72)【発明者】
【氏名】趙彩衣
(72)【発明者】
【氏名】芦園園
(72)【発明者】
【氏名】尹愛経
(72)【発明者】
【氏名】馮艶紅
【テーマコード(参考)】
4D004
【Fターム(参考)】
4D004AA41
4D004AB03
4D004AC07
4D004BA04
4D004CA18
4D004CA46
4D004CC04
4D004CC07
(57)【要約】      (修正有)
【課題】本発明は、重金属汚染土壌を原位置で生態学的に修復する方法を提供する。
【解決手段】この方法は、以下ステップを含み:S1、前処理:修復すべき領域を緩耕、耕起、回転耕起し、その後自然風乾し、S2、発酵処理:土壌を円錐形土壌パイルに積み上げ、発酵菌、粗い砂、木炭粉末と混合し、10~20日間自然発酵させ、S3、植物濃縮処理:土壌に草本植物、樹木、マメ科作物を順次植えて、土壌中の重金属を濃縮・浄化し、S4、真菌濃縮処理:土壌に真菌を植えて土壌中の重金属を濃縮・浄化し、S5、消毒減菌処理、S6、pH調整処理。本発明の修復方法は、重金属物質の移行を減少させ、環境と生態系を最大限に保護することができる。
【選択図】なし
【特許請求の範囲】
【請求項1】
以下のステップを含み:
S1、前処理:
まず、重金属汚染土壌を緩耕し、緩耕深さは1.5~2.0mであり、その後耕起し、耕
起深さは0.5~0.8mであり、合計2~5回耕起し、次に2~3回回転耕起し、最後
に15~30日間自然風乾し、前処理土壌を得、前記重金属は鉛、亜鉛およびカドミウム
を含み、
S2、発酵処理:
前記前処理土壌の表層土壌に発酵菌、粗い砂、木炭粉末を混合し、前記表層土壌を円錐形
土壌パイルに積み上げ、前記円錐形土壌パイルを積み上げる過程中、前記円錐形土壌パイ
ルの垂直方向に沿って20~30cmごとに厚さ3~5cmのわら粉末の層を敷き、10
~20日間自然発酵させ、発酵処理後の土壌を得、
ここで、前記表層土壌の厚さは0.5~0.8mであり、発酵菌の混合量は10~20g
/Kgであり、粗い砂の混合量は15~30kg/tであり、粗い砂の粒子径は0.5~
2mmであり、木炭粉末の混合量は5~10kg/tであり、前記円錐形土壌パイルの底
部直径は1.5~2.0mであり、高さは0.8~1.5mであり、
S3、植物濃縮処理:
前記発酵処理後の土壌を耕起し、耕起深さは0.5~0.8mであり、その後草本植物を
植え、草本植物の間隔は0.1~0.5mであり、草本植物が2年間成長した後に根こそ
ぎ抜き取り、
その後土壌を再耕起し、耕起深さは0.5~0.8mであり、樹木を再植し、樹木の間隔
は1~3mであり、樹木の成長期間、同時に樹木間にマメ科作物を植え、前記マメ科作物
の間隔は0.2~0.4mであり、樹木が4~6年間成長した後に根こそぎ抜き取り、植
物濃縮処理後の土壌を得、
S4、真菌濃縮処理:
植物濃縮処理後の土壌を耕起し、耕起深さは0.5~0.8mであり、その後真菌を植え
、3年後に根こそぎ抜き取り、真菌濃縮処理後の土壌を得、
S5、消毒減菌処理:
1~2kg/mの散水量で真菌濃縮処理後の土壌に体積濃度95%のアルコール溶液を
注ぎ、アルコールを燃焼させ、アルコール自体の減菌消毒作用およびアルコール燃焼によ
る高温で土壌を消毒減菌処理し、消毒減菌処理後の土壌を得、
S6、pH調整処理:
1~2kg/mの添加量で消毒減菌処理後の土壌に草木灰を混合し、土壌を5~8回耕
起し、耕起深さは0.5~0.8mであり、草木灰と土壌を完全に混合させ、重金属汚染
土壌の生態学修復を完成する、
ことを特徴とする重金属汚染土壌を原位置で生態学的に修復する方法。
【請求項2】
S1において、前記自然風乾期間、2~3日ごとに土壌を耕起し、耕起深さは0.5~0
.8mである、ことを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項3】
S2において、円錐形土壌パイルに孔径2~3cm、孔深0.2mの通気孔を垂直に開設
し、ミスト散水法により円錐形土壌パイルに水分を供給し、円錐形土壌パイルの表層10
~20cmの土壌の含水率を60~65wt%に維持し、夜間期間中、円錐形土壌パイル
を保温用のプラスチックフィルムで覆う、ことを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項4】
S2において、
前記発酵菌は、バチルス・コアギュランス、枯草菌、バチルス・クラウジー、バチルス・
インディゴティカ、バチルス・リケニフォルミス、エンテロコッカス・フェカリス、クロ
ストリジウム・ブチリカムのいずれか1つから選択される、ことを特徴とする請求項1に
記載の方法。
【請求項5】
S3において、前記草本植物は、第1草本植物、第2草本植物、第3草本植物を含み、前
記第1草本植物、第2草本植物、第3草本植物の植物比は1:1:1であり、前記第1草
本植物、第2草本植物、第3草本植物は均一に混合して植え、
前記第1草本植物は、テフロシア・カンジダ、ヒメオドリコソウ、ビデンス・マキシモヴ
ィッチジアナ、酢漿草、ベチバー、グリーンワイルドアマランサス、ビデンス・マキシモ
ヴィッチジアナ、ムラサキツユクサ、エールワイフ、コニカルサザナミマスタード、レッ
サースケーリーツユクサのいずれか1つから選択され、
前記第2草本植物は、インディアンマスタード、ルー、カブ、サザンカ、ビラコミソハギ
のいずれか1つから選択され、
前記第3草本植物は、ポインセチアコルディフォリア、レッサーフラワーロベリア、フリ
チラリア、マーチャントランド、ロベリア、球根ナスタチウム、ムラサキジャスミン、ク
ジャクソウ、ビデンスピローサのいずれか1つから選択される、ことを特徴とする請求項
1に記載の方法。
【請求項6】
S3において、前記樹木は、ポプラの木、ナシの木、龍井茶木またはアカシアの木のいず
れか1つまたは複数から選択され、前記マメ科作物は、白ルパン、ひよこ豆、黒豆、落花
生、赤インゲン豆のいずれか1つまたは複数から選択される、ことを特徴とする請求項1
に記載の方法。
【請求項7】
S4において、前記真菌は、第1真菌、第2真菌および第3真菌を含み、S4における耕
起後の土壌を面積に応じて3つの等しい大きさの領域に分割し、それぞれ第1領域、第2
領域、第3領域と記し、
まず、第1領域内に第1真菌を植え、第2領域内に第2真菌を植え、第3領域内に第3真
菌を植え、1年後、根こそぎ抜き取り、
次に第1領域内に第2真菌を再植し、第2領域内に第3真菌を再植し、第3領域内に第1
真菌を再植し、1年後、根こそぎ抜き取り、
次に第1領域内に第3真菌を再植し、第2領域内に第1真菌を再植し、第3領域内に第2
真菌を再植し、1年後、根こそぎ抜き取り、
前記第1真菌は、豚バラタケ、アガリクス・ビスポラス、アガリクス・ブラゼイ、毒バエ
傘のいずれか1つから選択され、
前記第2真菌は、キクラゲ、クリタケ、マッシュルーム、竹菌のいずれか1つから選択さ
れ、
前記第3真菌は、椎茸、長根茸、不死鳥茸、トリコロマ・ギガンテウム、傘茸のいずれか
1つから選択される、ことを特徴とする請求項1に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、土壌汚染修復の技術分野に関し、具体的に重金属汚染土壌を原位置で生態学的
に修復する方法に関する。
【背景技術】
【0002】
土壌重金属汚染を修復する方法において、一般的に使用されている客土法、石灰やキレー
ト剤の適用、化学的浸出法などの方法は、汚染土壌の改善または修復において一定の役割
を有するが、実際にはしばしばいくつかの制限がある。例えば、工程が複雑で、時間と労
力がかかり、コストが高く、土壌構造や肥沃度が損なわれやすく、低濃度、広範囲の土壌
の重金属汚染の場合、上記の方法の処理には適していない。
土壌原位置修復は、土壌を掘削・移動することなく、汚染現場の土壌を直接浄化・修復す
るため、二次汚染のリスクや運搬コストを低減でき、環境にやさしく効果的な土壌浄化技
術である。土壌原位置修復は、環境保護、省資源、浄化効率の向上、持続可能な開発の推
進のために重要である。このため、本発明は、重金属汚染土壌を原位置で生態学的に修復
する方法を提供する。
【発明の概要】
【0003】
本発明の技術的解決策は以下の通りであり:
重金属汚染土壌を原位置で生態学的に修復する方法は、以下のステップを含み:
S1、前処理:
まず、重金属汚染土壌を緩耕し、緩耕深さ1.5~2.0mであり、その後耕起し、耕起
深さは0.5~0.8mであり、合計2~5回耕起し、次に2~3回回転耕起し、最後に
15~30日間自然風乾し、前処理土壌を得、前記重金属は鉛、亜鉛またはカドミウムで
あり、
ここで、緩耕、耕起および回転耕起は農業生産で一般的に使用される土壌耕起方法である
。緩耕とは、機械的または手作業で土壌をほぐし、土壌構造や通気性を改善することであ
り、耕起とはプラウやその他の農具を使って土をすくい上げ、ほぐし、ひっくり返す土壌
耕作の方法であり、回転耕起とはロータリ耕を用いた整地方法であり、回転耕起の深さは
通常12~15cmと浅く、
S2、発酵処理:
前記前処理土壌の表層土壌に発酵菌、粗い砂、木炭粉末を混合し、前記表層土壌を円錐形
土壌パイルに積み上げ、前記円錐形土壌パイルを積み上げる過程中、前記円錐形土壌パイ
ルの垂直方向に沿って20~30cmごとに厚さ3~5cmのわら粉末の層を敷き、10
~20日間自然発酵し、発酵処理後の土壌を得、
ここで、前記表層土壌の厚さは0.5~0.8mであり、発酵菌の混合量は10~20g
/Kgであり、粗い砂の混合量は15~30kg/tであり、粗い砂の粒子径は0.5~
2mmであり、木炭粉末の混合量は5~10kg/tであり、前記円錐形土壌パイルの底
部直径は1.5~2.0mであり、高さは0.8~1.5mであり、
S3、植物濃縮処理:
前記発酵処理後の土壌を耕起し、耕起深さは0.5~0.8mであり、その後草本植物を
植え、草本植物の間隔は0.1~0.5mであり、草本植物が2年間成長した後に根こそ
ぎ抜き取り、
その後土壌を再耕起し、耕起深さは0.5~0.8mであり、樹木を再植し、樹木の間隔
は1~3mであり、樹木の成長期間、同時に樹木間にマメ科作物を植え、前記マメ科作物
の間隔は0.2~0.4mであり、樹木が4~6年間成長した後に根こそぎ抜き取り、植
物濃縮処理後の土壌を得、
S4、真菌濃縮処理:
植物濃縮処理後の土壌を耕起し、耕起深さは0.5~0.8mであり、その後真菌を植え
、3年後に根こそぎ抜き取り、真菌濃縮処理後の土壌を得、
S5、消毒減菌処理:
1~2kg/mの散水量で真菌濃縮処理後の土壌に体積濃度95%のアルコール溶液を
注ぎ、アルコールを燃焼させ、アルコール自体の減菌消毒作用およびアルコールの燃焼に
よる高温で土壌を消毒減菌処理し、消毒減菌処理後の土壌を得、
S6、pH調整処理:
1~2kg/mの添加量で消毒減菌処理後の土壌に草木灰を添加し、土壌を5~8回耕
起し、耕起深さ0.5~0.8mであり、草木灰と土壌を完全に混合させ、重金属汚染土
壌の生態学修復を完成する。
本発明の一態様として、S1において、前記自然風乾期間、2~3日ごとに土壌を耕起し
、耕起深さは0.5~0.8mである。
本発明の一態様として、S2において、円錐形土壌パイル上に孔径2~3cm、孔深0.
2mの通気孔を垂直に開設し、ミスト散水法により円錐形土壌パイルに水分を供給し、円
錐形土壌パイルの表層10~20cmの土壌の含水率を60~65wt%に維持し、夜間
期間、円錐形土壌パイル上を保温用のプラスチックフィルムで覆う。
本発明の一態様として、S2において、前記発酵菌は、バチルス・コアギュランス、枯草
菌、バチルス・クラウジー、バチルス・インディゴティカ、バチルス・リケニフォルミス
、エンテロコッカス・フェカリス、クロストリジウム・ブチリカムのいずれか1つから選
択される。
本発明の一態様として、S3において、前記草本植物は第1草本植物、第2草本植物、第
3草本植物を含み、前記第1草本植物、第2草本植物、第3草本植物の植物比は1:1:
1であり、前記第1草本植物、第2草本植物、第3草本植物は均一に混合して植え、
前記第1草本植物は、テフロシア・カンジダ、ヒメオドリコソウ、ビデンス・マキシモヴ
ィッチジアナ、酢漿草、ベチバー、グリーンワイルドアマランサス、ビデンス・マキシモ
ヴィッチジアナ、ムラサキツユクサ、エールワイフ、コニカルサザナミマスタード、レッ
サースケーリーツユクサのいずれか1つから選択され、
前記第2草本植物は、インディアンマスタード、ルー、カブ、サザンカ、ビラコミソハギ
のいずれか1つから選択され、
前記第3草本植物は、ポインセチアコルディフォリア、レッサーフラワーロベリア、フリ
チラリア、マーチャントランド、ロベリア、球根ナスタチウム、ムラサキジャスミン、ク
ジャクソウ、ビデンスピローサのいずれか1つから選択される。
ここで、第1草本植物は主に鉛を濃縮するために使用され、第2草本植物は主に亜鉛を濃
縮するために使用され、第3草本植物は主にカドミウムを濃縮するために使用される。
本発明の一態様として、S3において、前記樹木は、ポプラの木、ナシの木、龍井茶木ま
たはアカシアの木のいずれか1つまたは複数から選択され、前記マメ科作物は、白ルパン
、ひよこ豆、黒豆、落花生、赤インゲン豆のいずれか1つまたは複数から選択される。
本発明の一態様として、S4において、前記真菌は第1真菌、第2真菌および第3真菌を
含み、S4における耕起後の土壌を面積に応じて3つの等しい大きさの領域に分割し、そ
れぞれ第1領域、第2領域、第3領域と記し、
まず、第1領域内に第1真菌を植え、第2領域内に第2真菌を植え、第3領域内に第3真
菌を植え、1年後、根こそぎ抜き取り、
次に第1領域内に第2真菌を再植し、第2領域内に第3真菌を再植し、第3領域内に第1
真菌を再植し、1年後、根こそぎ抜き取り、
次に第1領域内に第3真菌を再植し、第2領域内に第1真菌を再植し、第3領域内に第2
真菌を再植し、1年後、根こそぎ抜き取り、
前記第1真菌は、豚バラタケ、アガリクス・ビスポラス、アガリクス・ブラゼイ、毒バエ
傘のいずれか1つから選択され、
前記第2真菌は、キクラゲ、クリタケ、マッシュルーム、竹菌のいずれか1つから選択さ
れ、
前記第3真菌は、椎茸、長根茸、不死鳥茸、トリコロマ・ギガンテウム、傘茸のいずれか
1つから選択される。
ここで、第1真菌は主に鉛を濃縮するために使用され、第2真菌は主に亜鉛を濃縮するた
めに使用され、第3真菌は主にカドミウムを濃縮するために使用される。
【発明の効果】
【0004】
先行技術と比較すると、本発明は以下の有益な効果を有する。
1、本発明の生態学修復方法は、環境の持続可能性を持ち、該修復方法の修復により物質
の移動と排出を減らし、環境と生態系の完全性を最大限に保護でき、環境の持続可能な修
復を実現する。
2、本発明の生態学修復方法は、低コスト、高効率で、伝統的な土壌異所修復方法に比べ
、該修復方法は自然生態系の修復能力を利用し、大規模な土壌掘削と入れ替えを必要とせ
ず、人力、材料資源と財源の消費を削減する。
3、本発明の生態学修復方法は、土壌構造をよりよく保護することができ、土壌構造に与
える損害を減少させることができ、土壌の生態環境を改善することにより、土壌微生物の
成長と活性を促進することができ、土壌自身の修復能力を向上させることができ、土壌の
肥沃度の維持と持続可能な利用に資する。
4、本発明の生態学修復方法は、多機能性を有し、土壌の重金属汚染問題を修復するだけ
でなく、他の付加的な生態サービスを提供することができ、例えば、植物と樹木を植える
ことにより、土壌の保水能力と耐風浸食性を向上させ、土壌浸食と砂嵐の発生を減少させ
ることができる。
5、本発明の生態学修復方法は、実現可能性が高いという特徴があり、該修復方法が比較
的簡単で、実施プロセスが広く適用でき、鉛、亜鉛、カドミウムなどの多くの種類の重金
属汚染に対して同時に修復することが可能である。
【発明を実施するための形態】
【0005】
実施例1:重金属汚染土壌を原位置で生態学的に修復する方法は、以下のステップを含み

S1、前処理:
まず、鉛、亜鉛、カドミウムで共同汚染された土壌を緩耕し、緩耕深さは1.8mであり
、その後耕起し、耕起深さは0.6mであり、3回耕起した後、3回回転耕起し、最後に
25日間自然風乾し、自然風乾期間、3日ごとに土壌を耕起し、耕起深さは0.6mであ
り、前処理土壌を得、
S2、発酵処理:
前処理土壌の表層土壌に発酵菌、粗い砂、木炭粉末を混合し、発酵菌は市販のバチルス・
コアギュランスであり、木炭粉末は市販品であり、表層土壌を円錐形土壌パイルに積み上
げ、円錐形土壌パイルを積み上げる過程中、円錐形土壌パイルの垂直方向に沿って25c
mごとに厚さ4cmのわら粉末の層を敷き、15日間自然発酵し、発酵処理後の土壌を得

円錐形土壌パイル上に孔径3cm、孔深0.2mの通気孔を垂直に開設し、ミスト散水法
により円錐形土壌パイルに水分を供給し、円錐形土壌パイルの表層15cmの土壌の含水
率を62wt%に維持し、夜間期間、円錐形土壌パイル上を保温用のプラスチックフィル
ムで覆い、
ここで、表層土壌の厚さは0.6mであり、発酵菌の混合量は15g/Kgであり、粗い
砂の混合量は25kg/tであり、粗い砂の粒子径は1mmであり、木炭粉末の混合量は
8kg/tであり、円錐形土壌パイルの底部直径は1.8mであり、高さは1.2mであ
り、
S3、植物濃縮処理:
発酵処理後の土壌を耕起し、耕起深さは0.6mであり、その後草本植物を植え、草本植
物の間隔は0.3mであり、草本植物が2年間成長した後に根こそぎ抜き取り、
ここで、草本植物は第1草本植物、第2草本植物、第3草本植物を含み、第1草本植物、
第2草本植物、第3草本植物の植物比は1:1:1であり、第1草本植物、第2草本植物
、第3草本植物は均一に混合して植え、
第1草本植物はテフロシア・カンジダであり、第2草本植物はインディアンマスタードで
あり、第3草本植物はポインセチアコルディフォリアであり、
その後土壌を再耕起し、耕起深さは0.6mであり、ポプラの木を再植し、ポプラの木の
間隔は2mであり、ポプラの木成長期間、同時にポプラの木間に白ルパンを植え、白ルパ
ンの間隔は0.3mであり、ポプラの木が5年間成長した後に根こそぎ抜き取り、植物濃
縮処理後の土壌を得、
S4、真菌濃縮処理:
植物濃縮処理後の土壌を耕起し、耕起深さは0.6mであり、耕起後の土壌を面積に応じ
て3つの等しい大きさの3m×3m領域に分割し、それぞれ第1領域、第2領域、第3領
域に記し、
まず、第1領域内に豚バラタケを植え、第2領域内にキクラゲを植え、第3領域内に椎茸
を植え、1年後、根こそぎ抜き取り、
次に第1領域内にクリタケを再植し、第2領域内に長根茸を再植し、第3領域内にアガリ
クス・ビスポラスを再植し、1年後、根こそぎ抜き取り、
次に第1領域内に傘茸を再植し、第2領域内にアガリクス・ブラゼイを再植し、第3領域
内に竹菌を再植し、1年後、根こそぎ抜き取り、
S5、消毒減菌処理:
1.5kg/mの散水量で真菌濃縮処理後の土壌に体積濃度95%のアルコール溶液を
注ぎ、アルコールを燃焼させ、アルコール自体の減菌消毒作用およびアルコール燃焼によ
る高温で土壌を消毒減菌処理し、消毒減菌処理後の土壌を得、
S6、pH調整処理:
1.3kg/mの添加量で消毒減菌処理後の土壌に草木灰を添加し、土壌を6回耕起し
、耕起深さ0.6mであり、草木灰と土壌を完全に混合させ、重金属汚染土壌の生態学修
復を完成する。
2013年以降、市内のある地域の面積1.7kmの汚染土地で重金属修復試験を実施
し、修復前に、該地域土壌中の鉛、亜鉛、カドミウムの含有量を測定し、結果は以下の表
1に示され:
表1 地域土壌の鉛、亜鉛、カドミウムの初期含有量表


10年間の修復後、該地域土壌の重金属含有量を測定し、結果が以下の表2に示され:
表2 修復後の地域土壌の鉛、亜鉛、カドミウムの含有量表




表2の結果から分かるように、本発明の実施例1の方法を用いて重金属汚染土壌を原位置
で生態学的に修復した後、該地域土壌の鉛、亜鉛、カドミウムの含有量が大幅に低下し、
鉛含有量は平均7mg/kgであり、亜鉛含有量は平均13mg/kgであり、カドミウ
ム含有量は平均0.6mg/kgであり、重金属含有量は農地の正常レベルに戻り、該原
位置生態学修復方法は鉛の除去率が99.27%に達し、亜鉛の除去率が98.08%に
達し、カドミウムの除去率が99.45%に達した。
実施例2:本実施例は、以下の点で実施例1と異なり、S1において、緩耕深さは1.5
mであり、耕起深さは0.5mであり、2回耕起し、2回回転耕起した。
実施例3:本実施例は、以下の点で実施例1と異なり、S1において、緩耕深さは2.0
mであり、耕起深さは0.8mであり、5回耕起し、3回回転耕起した。
実施例4:本実施例は、以下の点で実施例1と異なり、S1において、15日間自然風乾
し、自然風乾期間、2日ごとに土壌を耕起し、耕起深さは0.8mであり、前処理土壌を
得た。
実施例5:本実施例は、以下の点で実施例1と異なり、S1において、30日間自然風乾
し、自然風乾期間、3日間土壌を耕起し、耕起深さは0.5mであり、前処理土壌を得た

異なる前処理方法が重金属汚染土壌原位置生態学修復に及ぼす効果を検証するために、汚
染土地の重金属修復試験において、対照試験用に鉛、亜鉛、カドミウム含有量が同じであ
る汚染土地を多数設定し、各汚染土地の領域面積は1kmであり、鉛、亜鉛、カドミウ
ム含有量を調整し、鉛、亜鉛、カドミウム含有量を965±5mg/kg(鉛)、678
±5mg/kg(亜鉛)、113±5mg/kg(カドミウム)に維持し、10年間の修
復後、該地域土壌の重金属含有量を測定し、結果は以下の表3に示され:
表3 修復後の地域土壌の鉛、亜鉛、カドミウム含有量表


表3の結果から分かるように、異なる前処理方法は重金属汚染土壌原位置生態学修復効果
に一定の影響を与え、ここで、実施例3、実施例4の処理効果は実施例1とほぼ同様であ
り、実施例2、実施例5は実施例1よりも、鉛、亜鉛、カドミウムの除去率が著しく低下
し、このことから、緩耕、耕起、回転耕起の深さおよび回数を減少し、耕起間隔時間を延
ばし、耕起深さを減少すると、前処理効果がいずれも低下し、
したがって、実施例3、実施例4および実施例1の処理効果が良好であるが、実施例3は
緩耕、耕起、回転耕起の処理労力が多く、実施例4は耕起の処理労力がより多いことを考
慮すると、実施例1の全体的な効果は相対的に優れている。
実施例6:本実施例は、以下の点で実施例1と異なり、S2において、円錐形土壌パイル
の垂直方向に沿って20cmごとに厚さ3cmのわら粉末の層を敷く。
実施例7:本実施例は、以下の点で実施例1と異なり、S2において、円錐形土壌パイル
の垂直方向に沿って30cmごとに厚さ5cmのわら粉末を敷く。
実施例8:本実施例は、以下の点で実施例1と異なり、S2において、自然発酵時間は1
0日間である。
実施例9:本実施例は、以下の点で実施例1と異なり、S2において、自然発酵時間は2
0日間である。
実施例10:本実施例は、以下の点で実施例1と異なり、表層土壌の厚さは0.5mであ
り、発酵菌の混合量は10g/Kgであり、粗い砂の混合量は15kg/tであり、粗い
砂の粒子径は0.5mmであり、木炭粉末の混合量は5kg/tであり、円錐形土壌パイ
ルの底部直径は1.5mであり、高さは0.8mである。
実施例11:本実施例は、以下の点で実施例1と異なり、表層土壌の厚さは0.8mであ
り、発酵菌の混合量は20g/Kgであり、粗い砂の混合量は30kg/tであり、粗い
砂の粒子径は2mmであり、木炭粉末の混合量は10kg/tであり、円錐形土壌パイル
の底部直径は2.0mであり、高さは1.5mである。
実施例12:本実施例は、以下の点で実施例1と異なり、円錐形土壌パイル上に孔径2c
m、孔深0.2mの通気孔を垂直に開設し、ミスト散水法により円錐形土壌パイルに水分
を供給し、円錐形土壌パイルの表層10cmの土壌の含水率を60wt%に維持する。
実施例13:本実施例は、以下の点で実施例1と異なり、円錐形土壌パイル上に孔径3c
m、孔深0.2mの通気孔を垂直に開設し、ミスト散水法により円錐形土壌パイルに水分
を供給し、円錐形土壌パイルの表層20cmの土壌の含水率を65wt%に維持する。
実施例14:本実施例は、以下の点で実施例1と異なり、発酵菌は枯草菌である。
実施例15:本実施例は、以下の点で実施例1と異なり、発酵菌はバチルス・リケニフォ
ルミスである。
異なる発酵処理方法が重金属汚染土壌原位置生態学修復に及ぼす効果を検証すると、汚染
土地の重金属修復試験時、対照試験用に鉛、亜鉛、カドミウム含有量が同じである汚染土
地を多数設定し、各汚染土地の領域面積は1kmであり、鉛、亜鉛、カドミウムの含有
量を調整し、鉛、亜鉛、カドミウムの含有量を965±5mg/kg(鉛)、678±5
mg/kg(亜鉛)、113±5mg/kg(カドミウム)に維持し、10年間の修復後
、該地域土壌の重金属含有量を測定し、結果が以下の表4に示され:
表4 修復後の地域土壌の鉛、亜鉛、カドミウム含有量表


表4の結果から分かるように、異なる発酵処理方法は重金属汚染土壌原位置生態学修復の
効果に一定の影響を与え、ここで、実施例7、実施例9、実施例11、実施例12、実施
例13の処理効果は実施例1とほぼ同様であり、実施例6、実施例8、実施例10、実施
例14、実施例15は実施例1に比べて、鉛、亜鉛、カドミウムの除去率が著しく低下し
、このことから、わら粉末の使用量を減らし、発酵時間を短く、発酵菌などの混合量を減
らし、発酵菌の組成を変化させるなどの例では、いずれも発酵処理効果が低下し、
したがって、実施例7、実施例9、実施例11、実施例12および実施例1の処理効果の
方が良好であるが、実施例7はわら粉末の使用量が多く、実施例9は発酵時間が長く、環
境温度要求は高く、実施例12は孔開け作業量が多く、ミスト散水時間が長いことを考慮
すると、実施例1の全体的な効果は相対的に優れている。
実施例16:本実施例は、以下の点で実施例1と異なり、発酵処理後の土壌を耕起し、耕
起深さは0.5mであり、その後草本植物を植え、草本植物の間隔は0.5mであり、草
本植物が2年間成長した後に根こそぎ抜き取る。
実施例17:本実施例は、以下の点で実施例1と異なり、発酵処理後の土壌を耕起し、耕
起深さは0.8mであり、その後草本植物を植え、草本植物の間隔は0.1mであり、草
本植物が2年間成長した後に根こそぎ抜き取る。
実施例18:本実施例は、以下の点で実施例1と異なり、第1草本植物はヒメオドリコソ
ウであり、第2草本植物はルーであり、第3草本植物はレッサーフラワーロベリアである

実施例19:本実施例は、以下の点で実施例1と異なり、第1草本植物はグリーンワイル
ドアマランサスであり、第2草本植物はサザンカであり、第3草本植物はビデンスピロー
サである。
実施例20:本実施例は、以下の点で実施例1と異なり、土壌を再耕起し、耕起深さは0
.5mであり、龍井茶木を再植し、龍井茶木の間隔は3mであり、龍井茶木成が4年間成
長した後に根こそぎ抜き取る。
実施例21:本実施例は、以下の点で実施例1と異なり、土壌を再耕起し、耕起深さは0
.8mであり、ポプラの木を再植し、ポプラの木の間隔は1mであり、ポプラの木が6年
間成長した後に根こそぎ抜き取る。
実施例22:本実施例は、以下の点で実施例1と異なり、S3で植える樹木はナシの木で
ある。
実施例23:本実施例は、以下の点で実施例1と異なり、S3で植える樹木はアカシアの
木である。
実施例24:本実施例は、以下の点で実施例1と異なり、S3で植えるマメ科作物はひよ
こ豆である。
実施例25:本実施例は、以下の点で実施例1と異なり、S3で植えるマメ科作物は赤イ
ンゲン豆である。
異なる植物濃縮処理方法による重金属汚染土壌原位置生態学修復の効果を検証するために
、汚染土地の重金属修復試験時、対照試験用に鉛、亜鉛、カドミウム含有量が同じである
汚染土地を多数設定し、各汚染土地の領域面積は1kmであり、鉛、亜鉛、カドミウム
含有量を調整し、鉛、亜鉛、カドミウム含有量を965±5mg/kg(鉛)、678±
5mg/kg(亜鉛)、113±5mg/kg(カドミウム)に維持し、10年間の修復
後、該地域土壌の重金属含有量を測定し、結果が以下の表5に示され:
表5 修復後の地域土壌の鉛、亜鉛、カドミウム含有量表

表5の結果から分かるように、異なる植物濃縮処理方法は重金属汚染土壌原位置生態学修
復の効果に一定の影響を与え、分析は以下の通りであり:
1)耕起深さを低減し、草本植物の間隔を広げ、または耕起深さを増加し、草本植物の間
隔を狭めた後、修復後の地域土壌の鉛、亜鉛、カドミウム含有量が実施例1に比べてある
程度増加し、これは、草本植物が密集しすぎて草本植物の成長に影響を与えるか、または
草本植物がまばらすぎて草本植物の効果に影響を与えることによると考えられ、
2)第1、第2、第3草本植物の異なる組み合わせの下で、修復後の地域土壌の鉛、亜鉛
、カドミウム含有量は実施例1に比べてある程度増加し、このことから、実施例1の第1
、第2、第3草本植物の組み合わせは使用効果が比較的に最適であり、
3)樹木の間隔を増減した後、修復後の地域土壌の鉛、亜鉛、カドミウム含有量は実施例
1に比べてある程度増加し、これは、樹木が密集しすぎて樹木の成長に影響を与えるか、
またはがまばらすぎて樹木の作用効果に影響を与えることによると考えられ、
4)異なる樹木の組み合わせで植える場合、修復後の地域土壌の鉛、亜鉛、カドミウム含
有量は実施例1に比べてある程度増加し、このことから、実施例1の樹木の組み合わせは
使用効果が相対的に最適であり、
5)異なるマメ科作物の組み合わせで植える場合、修復後の地域土壌の鉛、亜鉛、カドミ
ウム含有量は実施例1に比べてある程度増加し、このことから、実施例1の樹木の組み合
わせは使用効果が相対的に最適である。
実施例26:本実施例は、以下の点で実施例1と異なり、植物濃縮処理後の土壌を耕起し
、耕起深さは0.5mであり、その後真菌を植え、3年後に根こそぎ抜き取り、真菌濃縮
処理後の土壌を得る。
実施例27:本実施例は、以下の点で実施例1と異なり、植物濃縮処理後の土壌を耕起し
、耕起深さは0.8mであり、その後真菌を植え、3年後に根こそぎ抜き取り、真菌濃縮
処理後の土壌を得る。
実施例28:本実施例は、以下の点で実施例1と異なり、まず、第1領域内にアガリクス
・ビスポラスを植え、第2領域内にクリタケを植え、第3領域内に長根茸を植え、1年後
、根こそぎ抜き取り、
次に第1領域内に竹菌を再植し、第2領域内に不死鳥茸を再植し、第3領域内にアガリク
ス・ブラゼイを再植し、1年後、根こそぎ抜き取り、
次に第1領域内にトリコロマ・ギガンテウムを再植し、第2領域内に毒バエ傘を再植し、
第3領域内にクリタケを再植し、1年後、根こそぎ抜き取る。
実施例29:本実施例は、以下の点で実施例1と異なり、まず、第1領域内に毒バエ傘を
植え、第2領域内にマッシュルームを植え、第3領域内に不死鳥茸を植え、1年後、根こ
そぎ抜き取り、
次に第1領域内に竹菌を再植し、第2領域内に椎茸を再植し、第3領域内に毒バエ傘を再
植し、1年後、根こそぎ抜き取り、
次に第1領域内に椎茸を再植し、第2領域内に豚バラタケを再植し、第3領域内にキクラ
ゲを再植し、1年後、根こそぎ抜き取る。
異なる真菌濃縮処理方法による重金属汚染土壌原位置生態学修復の効果を検証するために
、汚染土地の重金属修復試験時、対照試験用に鉛、亜鉛、カドミウム含有量が同じである
汚染土地を多数設定し、各汚染土地の領域面積は1kmであり、鉛、亜鉛、カドミウム
含有量を調整し、鉛、亜鉛、カドミウム含有量を965±5mg/kg(鉛)、678±
5mg/kg(亜鉛)、113±5mg/kg(カドミウム)に維持し、10年間の修復
後、該地域土壌の重金属含有量を測定し、結果が以下の表6に示され:
表6 修復後の地域土壌の鉛、亜鉛、カドミウム含有量表

表6の結果から分かるように、異なる真菌濃縮処理方法は重金属汚染土壌原位置生態学修
復の効果に一定の影響を与え、ここで、実施例27の処理効果は実施例1とほぼ同様であ
り、実施例26、実施例28、実施例29は実施例1に比べて、鉛、亜鉛、カドミウムの
除去率が著しく低下し、このことから、耕起深さを低下し、真菌の組成を変化させると真
菌濃縮効果が低下し、
したがって、実施例27および実施例1の処理効果は良好であるが、実施例27は深耕時
の深さが深く、作業量が多いことを考慮すると、実施例1の全体的な効果は相対的に優れ
ている。
実施例30:本実施例は、以下の点で実施例1と異なり、1kg/mの散水量で真菌濃
縮処理後の土壌に体積濃度95%のアルコール溶液を注ぐ。
実施例31:本実施例は、以下の点で実施例1と異なり、2kg/mの散水量で真菌濃
縮処理後の土壌に体積濃度95%のアルコール溶液を注ぐ。
異なる消毒減菌処理方法による重金属汚染土壌原位置生態学修復の効果を検証するために
、汚染土地の重金属修復試験時、対照試験用に鉛、亜鉛、カドミウム含有量が同じである
汚染土地を多数設定し、各汚染土地の領域面積は1kmであり、鉛、亜鉛、カドミウム
含有量を調整し、鉛、亜鉛、カドミウム含有量を965±5mg/kg(鉛)、678±
5mg/kg(亜鉛)、113±5mg/kg(カドミウム)に維持し、10年間の修復
後、該地域土壌の重金属含有量を測定し、結果が以下の表7に示され:
表7 修復後の地域土壌の鉛、亜鉛、カドミウム含有量表

表7の結果から分かるように、異なる消毒減菌処理方法は重金属汚染土壌原位置生態学修
復の効果に一定の影響を与え、ここで、実施例31の処理効果は実施例1とほぼ同様であ
り、実施例30は実施例1に比べて、鉛、亜鉛、カドミウムの除去率が低下し、このこと
から、アルコール溶液の散水量を低減した後、消毒減菌効果が低下し、
したがって、実施例31および実施例1の処理効果は良好であるが、実施例31のアルコ
ール溶液使用量が多いことを考慮すると、実施例1の全体的な効果は相対的に優れている

実施例32:本実施例は、以下の点で実施例1と異なり、1kg/mの添加量で消毒減
菌処理後の土壌に草木灰を添加し、土壌を5回耕起し、耕起深さは0.5mである。
実施例33:本実施例は、以下の点で実施例1と異なり、2kg/mの添加量で消毒減
菌処理後の土壌に草木灰を添加し、土壌を8回耕起し、耕起深さは0.8mである。
異なるpH調整処理による重金属汚染土壌原位置生態学修復の効果を検証するために、汚
染土地の重金属修復試験時、対照試験用に鉛、亜鉛、カドミウム含有量が同じである汚染
土地を多数設定し、各汚染土地の領域面積は1kmであり、鉛、亜鉛、カドミウム含有
量を調整し、鉛、亜鉛、カドミウム含有量を965±5mg/kg(鉛)、678±5m
g/kg(亜鉛)、113±5mg/kg(カドミウム)に維持し、10年間の修復後、
該地域土壌の重金属含有量を測定し、結果が以下の表8に示され:
表8 修復後の地域土壌の鉛、亜鉛、カドミウム含有量表

表8の結果から分かるように、異なるpH調整処理は重金属汚染土壌原位置生態学修復の
効果に一定の影響を与え、ここで、実施例33の処理効果は実施例1とほぼ同様であり、
実施例32は実施例1に比べて、鉛、亜鉛、カドミウムの除去率が低下し、このことから
、草木灰の使用量を低減した後、pH調整効果が低下する。
したがって、実施例33および実施例1の処理効果は良好であるが、実施例33の草木灰
使用量が多いことを考慮すると、実施例1の全体的な効果は相対的に優れている。