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特開2025-162025中波ラジオ放送装置におけるアンテナアース装置
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  • 特開-中波ラジオ放送装置におけるアンテナアース装置 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2025162025
(43)【公開日】2025-10-27
(54)【発明の名称】中波ラジオ放送装置におけるアンテナアース装置
(51)【国際特許分類】
   H01Q 1/50 20060101AFI20251020BHJP
   H05F 3/04 20060101ALN20251020BHJP
【FI】
H01Q1/50
H05F3/04 G
【審査請求】未請求
【請求項の数】4
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2024065111
(22)【出願日】2024-04-15
(71)【出願人】
【識別番号】000003078
【氏名又は名称】株式会社東芝
(74)【代理人】
【識別番号】100111121
【弁理士】
【氏名又は名称】原 拓実
(74)【代理人】
【識別番号】100200218
【弁理士】
【氏名又は名称】沼尾 吉照
(72)【発明者】
【氏名】五木田 直樹
【テーマコード(参考)】
5G067
5J046
【Fターム(参考)】
5G067AA53
5G067DA02
5J046AA17
(57)【要約】
【課題】放送装置のメンテナンス時に、メンテナンス作業員がその都度アース棒を接地線
に接続する必要があるため、アース棒を接地線に接続し忘れて作業をしてしまう可能性が
あり、落雷による感電事故が起きる可能性がある。
【解決手段】実施形態に係る中波ラジオ放送装置におけるアンテナアース装置は、中波ラ
ジオ放送の放送装置の出力をアンテナ線に供給する出力部に設けられるものであって、大
地に接続された接地線と、前記アンテナ線に電気的に接続され、回動することにより前記
接地線に電気的に接続可能なアース棒と、前記アース棒を前記接地線と接続した位置と、
前記接地線と切離した位置との間で回動させる駆動部と、前記アース棒の角度を検出する
センサと、前記センサからのON/OFF信号を検出し、前記ON/OFF信号に基づい
て、前記駆動部を自動で制御する制御部とを備える。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
中波ラジオ放送の放送装置の出力をアンテナ線に供給する出力部に設けられるものであ
って、
大地に接続された接地線と、
前記アンテナ線に電気的に接続され、回動することにより前記接地線に電気的に接続可
能なアース棒と、
前記アース棒を前記接地線と接続した位置と、前記接地線と切離した位置との間で回動
させる駆動部と、
前記アース棒の角度を検出するセンサと、
前記センサからのON/OFF信号を検出し、前記ON/OFF信号に基づいて、前記
駆動部を自動で制御する制御部と、
を備えた中波ラジオ放送装置におけるアンテナアース装置。
【請求項2】
前記センサは、前記アース棒によって押圧されるスイッチである、
請求項1に記載の中波ラジオ放送装置におけるアンテナアース装置。
【請求項3】
前記センサは、前記アース棒の角度を検出するレーザセンサである、
請求項1に記載の中波ラジオ放送装置におけるアンテナアース装置。
【請求項4】
放送装置のメンテナンス作業において、
前記制御部が、作業員の作業開始と作業完了の作業信号を検出して、前記作業信号に基づ
いて前記駆動部を自動で制御する、
請求項1に記載の中波ラジオ放送装置におけるアンテナアース装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、中波ラジオ放送装置におけるアンテナアース装置に関する。
【背景技術】
【0002】
中波ラジオ放送においては、放送装置にてAM波(振幅変調波:Amplitude Modulation
Wave)を生成し、所定の放送サービスエリアへ送出するため、AM波がアンテナに供給
される。
【0003】
ところで、中波ラジオ放送装置のアンテナは、高さが100m級となるため、落雷の影響
を受けやすい。このため、放送装置にはアース棒が装備されており、放送装置のメンテナ
ンス時においては落雷による感電事故を防ぐ目的で、メンテナンス作業員が作業前に手動
でアース棒を接地線に接続している。アンテナへの落雷による電流は、アース棒を経由し
て接地線に流れる仕組みとなっている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】実開平06-070326号公報
【特許文献2】特開2021-175346号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上述したような従来の方法であると、メンテナンス時に作業員がその都度アース棒を接地
線に接続する必要があるため、アース棒を接地線に接続し忘れて作業をしてしまう可能性
がある。
【0006】
また、特許文献1には電源部に存在する高電圧部によるメンテナンス作業員の感電を防止
するため、ドアスイッチをトリガとして(ドアを開放すると)、高電圧部の電圧が放電さ
れる仕組みが記載されている。
【0007】
特許文献2には、電力設備の年次点検等を行うときに、作業者の感電を防止する安全対策
を目的として取り付けられる短絡接地金具が記載されている。
【0008】
いずれも、高電圧部の電圧を放電するための仕組みであって、落雷による感電を防ぐもの
ではない。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記課題を解決するために、実施形態に係る中波ラジオ放送装置におけるアンテナアース
装置は、中波ラジオ放送の放送装置の出力をアンテナ線に供給する出力部に設けられるも
のであって、大地に接続された接地線と、前記アンテナ線に電気的に接続され、回動する
ことにより前記接地線に電気的に接続可能なアース棒と、前記アース棒を前記接地線と接
続した位置と、前記接地線と切離した位置との間で回動させる駆動部と、前記アース棒の
角度を検出するセンサと、前記センサからのON/OFF信号を検出し、前記ON/OF
F信号に基づいて、前記駆動部を自動で制御する制御部とを備える。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】第1の実施形態に係るアース装置の系統ブロック図。
図2】第1の実施形態に係るアース装置の動作フロー図。
図3】第1の実施形態に係るアース装置の動作に伴う各部の状態変化を示す図。
図4】第2の実施形態に係るアース装置の系統ブロック図。
図5】第3の実施形態に係るアース装置の系統ブロック図。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、図面を参照して発明を実施するための実施形態について説明する。
【0012】
(第1の実施形態)
第1の実施形態に係る中波ラジオ放送装置におけるアンテナアース装置(以降、単にア
ース装置と呼ぶ)の概略系統ブロック図を図1に示す。第1の実施形態に係るアース装置
10は、中波ラジオ放送の放送装置の出力をアンテナに接続されている信号線(以降、単
にアンテナ線という)16に供給する出力部に設けられるものであって、電動機からなる
駆動部11と、駆動部11によって回動するアース棒12とを備え、アース棒12の角度
(0度、90度)を検出するセンサであるマイクロスイッチ13a、13bを備える。
【0013】
駆動部11はアース棒12を回動させることができる電動機である。駆動部11は制御線
17によって接続された制御部21によって制御されるもので、制御部21の指示に従っ
て駆動部11はアース棒12を回動させる。回動したアース棒12は接続点14b若しく
は接続点14cに電気的に接続する。接続点14bは送信出力線15を介して放送装置2
0に接続され、接続点14cは接地線19を介してアース(大地)に接続されている。換
言すると、アース棒12はアースと接続した位置とアースと切離した位置との間で回動す
るものである。
アース棒12が接続点14bと接続すると、放送装置20の送信出力線15とアンテナ部
30が接続されて、放送装置20からの出力信号はアンテナ部30へ供給されることにな
る。また、アース棒12が接続点14cと接続すると、アンテナ部30はアース(大地)
へ接続されることとなる。
【0014】
アース棒12は、接続点14aを回動支点とする導体である。接続点14aはアンテナ部
30のアンテナ線16と電気的に接続している。アース棒12の自由端は、接続点14b
又は14cと接続可能となっている。通常運用時には、アース棒12の自由端が接続点1
4bに接続され、放送装置20からの出力信号はアース棒12を介してアンテナ部30へ
供給される。メンテナンス時等には、駆動部11によってアース棒12は回動し、接続点
14bから切離し、接続点14cと接続する。すると、アンテナ部30は放送装置20と
遮断されて、接地線19を介してアース(大地)と接続されることとなる。これによって
、アンテナ部30に落雷があっても放送装置20に電流が流れることはなく、放送装置2
0のメンテナンス作業員の感電事故を防ぐことが可能となる。
【0015】
また、アース棒12は所定の長さを有する導体である。各接続点14a、14b、14c
それぞれの離間距離が短いと、落雷等によって極めて大きな電圧が発生した場合に短絡す
る虞がある。短絡を防ぐために各接続点14a、14b、14cそれぞれの離間距離は所
定の距離が必要である。アース棒12の所定の長さは、上述したような離間距離を有する
各接続点同士を接続するために必要な長さである。
【0016】
アース棒12の角度を検出するセンサであるマイクロスイッチ13a、13bは、アー
ス棒12の角度(本実施形態においては0度若しくは90度)を検出し制御部21へ検出
信号であるON/OFF信号を伝送することができる物理的なスイッチである。すなわち
、アース棒12の自由端が接続点14bに接続すると、アース棒12によってマイクロス
イッチ13bが押圧される位置にマイクロスイッチ13bが設けられ、マイクロスイッチ
13bはアース棒12の角度(0度)を検出する。また、アース棒12の自由端が接続点
14cに接続すると、マイクロスイッチ13aが押圧される位置にマイクロスイッチ13
aが設けられ、マイクロスイッチ13aはアース棒12の角度(90度)を検出する。
【0017】
これによって、アース棒12の回動角度(0度若しくは90度)をマイクロスイッチ13
b、13aによって検出することで、アース棒12が放送装置20に接続されている(ア
ースから切り離した位置)かアースに接続されている位置かを検出可能となっている。な
お、本実施形態においてはマイクロスイッチ13b、13aによって検出される角度は0
度、90度であるが、この角度は適宜変更可能な角度である。
【0018】
マイクロスイッチ13a、13bは信号線18を介して制御部21と接続している。例え
ば、アース棒12の角度が90度の時は、マイクロスイッチ13aのスイッチがON状態
で駆動部11は停止している。そこから、後述するような条件でアース棒12が回動する
と、アース棒12の角度が0度になったときに、マイクロスイッチ13bのスイッチがO
N状態となり、このON信号を制御部21が受信することによって駆動部11は制御部2
1によって停止されることになる。
【0019】
また、本実施形態においては、マイクロスイッチ13a、13bから出力されるアース棒
12の角度情報に基づいて制御部21は駆動部11を制御しているが、駆動部11をステ
ッピングモータのような1パルスで一定の角度回転するような電動機を利用することで、
マイクロスイッチ13a、13bを省略するような構成をとることも可能である。すなわ
ち、アース棒12の自由端が接続点14bに接続している位置から、アース棒12の自由
端が接続点14cに接続した位置まで回動させるためには、ステッピングモータに所定数
のパルスを印加すればよいことがあらかじめ判明しているので、ステッピングモータにこ
の所定数のパルスを印加すればよいためである。
【0020】
接続点14a、14b、14cは、アース棒12の接続点である。接続点14aは、回動
可能なアース棒12の回動支点に電気的に接続されていて、アンテナ線16の端部に設け
られる。接続点14bは、アース棒12と送信出力線15が接続される接続点であって、
送信出力線15の端部に設けられる。接続点14cは、アース棒12と接地線19が接続
される接続点であって、接地線19の端部に設けられる。上述したように各接続点14a
、14b、14cは地震等によって接触することがないように所定の距離離間した位置に
配置される。
【0021】
放送装置20は、中波放送(約526~1606khz)の放送装置で、いわゆる送信
機、その周辺機器全般である。放送装置20は、一般的に電気盤に収納されていることが
多く、送信機等のメンテナンス時には電気盤を開けて、電気盤内部を操作することが多い
。通常運用時においては、放送装置20の出力信号は、放送装置20から接続点14b、
アース棒12及び接続点14aを介してアンテナ部30に接続されている。
【0022】
また、放送装置20には制御部21が備えられている。制御部21は駆動部11を制御す
るいわゆるCPU(Central Processing Unit)を備えている。本実施形態においては制
御部21が放送装置20に組込まれているが、別置のコンピュータ、コントローラに組込
まれていても良いし、駆動部11自体に組込まれていても良い。制御部21は駆動部11
と制御線17を介して接続されている。制御部21は、上述したように、マイクロスイッ
チ13a、13bからの信号を信号線18を介して受信し、その信号に基づいて駆動部1
1を制御している。
【0023】
さらに、制御部21は放送装置のメンテナンス作業において、作業員の作業開始と作業
完了の作業信号を検出して、その作業信号に基づいて駆動部11を自動で制御する。作業
信号とは、例えば、放送装置20の最終段出力が0であること、すなわち最終段電圧を印
加するMCCB(Molded Case Circuit Breaker;配線用遮断器)がOFFである信号を
作業開始の作業信号として検出する。また、この作業信号は、上述した内容に限られず、
例えば、放送装置20が設置された電気盤のメンテナンス用のドアが開けられた(ドアス
イッチがONされた)こと等による信号であっても良い。
【0024】
なお、放送装置20の近傍に、マイクロスイッチ13a、13bのON/OFF状態を
表示する表示部を設け、アース棒12が接地線19に接続されているか否かを表示するこ
とによって、メンテナンスが可能か否かを作業者に知らせるようにしてもよい。
【0025】
次に、通常運用状態からメンテナンス作業が開始され、メンテナンス作業が完了するま
でのアース装置10の動作フローについて図2図3を用いて説明する。
【0026】
放送装置20のメンテナンス作業の開始に伴って、放送装置の最終段出力を0にするた
めに、メンテナンス作業員はMCCBをOFFにする。本実施形態では、制御部21はM
CCBがOFFとなった作業信号を検出する(S101)。
【0027】
次に、制御部21は駆動部11を起動することで、アース棒12の反時計回り方向への
回動が開始する(S102)。図3によると、これは「メンテナンス開始」状態に該当し
、駆動部11である電動機に電圧がかけられた状態である。
【0028】
アース棒12が回動し、マイクロスイッチ13aをON、すなわち、アース棒12の角
度が90度(アンテナ線16と接地線19が接続された状態)になると(S103)、制
御部21はマイクロスイッチ13aがONされたON信号を受信し、駆動部11の駆動を
停止する(S104)。図3によると、これは「メンテナンス」状態に該当し、駆動部1
1である電動機に電圧がかかっていない状態である。
【0029】
メンテナンス作業が完了すると、メンテナンス作業員はMCCBをONにする。本実施
形態では、制御部21はMCCBがONになった作業信号を検出する(S105)。メン
テナンス作業完了の作業信号は上述したメンテナンス作業開始の作業信号と同様であって
、MCCBのONに限られない。
【0030】
次に、制御部21は駆動部11を起動することで、アース棒12の時計回り方向への回
動が開始する(S106)。この回動は、ステップS102とは逆回転である。図3によ
ると、これは「メンテナンス完了」状態に該当し、駆動部11である電動機はマイナスの
電圧が印加されることによってステップS102とは逆回転している状態である。
【0031】
アース棒12が回動し、マイクロスイッチ13bをON、すなわち、アース棒12の角
度が0度(アンテナ線16と送信出力線15が接続された状態)になると(S107)、
制御部21はマイクロスイッチ13bがONされたON信号を受信し、駆動部11の駆動
を停止する(S108)。図3によると、これは「通常運用」状態に該当し、駆動部11
である電動機に電圧が印加されていない状態である。
【0032】
以上にて、アース装置10の動作フローは終了する。
【0033】
以上より、本実施形態によれば、放送装置のメンテナンス作業開始時にMCCBをOFF
にすると同時にアンテナ線に接続されたアース棒12が自動で接地線19に接続されるた
め、メンテナンス作業員がアース棒12を取り付け忘れて作業することがなくなり、落雷
による感電事故を防止することができる。
【0034】
(第2の実施形態)
第2の実施形態に係るアース装置の概略系統図を図4に示す。なお、第2の実施形態に係
るアース装置40は、構成の一部が第1の実施形態と異なっている。本実施形態に係るア
ース装置40について、図4を参照して説明するが、第1の実施形態に係るアース装置1
0と同等の構成については、第1の実施形態と同じ符号を付与しており、説明を省略する
【0035】
第2の実施形態に係るアース装置40は、第1の実施形態に係るアース装置10のように
放送装置20の送信出力線15とアンテナ線16とがアース棒12を介して接続している
ものではなく、送信出力線15とアンテナ線16とはアース棒12に関係なく常時接続さ
れている。
【0036】
第2の実施形態に係るアース装置40において、アース棒12の回動中心である接続点1
4aは送信出力線15とアンテナ線16の接続点である分岐点41から分岐した分岐線4
2の端部に設けられる。送信出力線15とアンテナ線16は常時接続されているため、第
1の実施形態に係るアース装置10に存在した接続点14bは省略される。アース棒12
は接地線19に接続された接続点14cと接続若しくは切離しすることとなる。
【0037】
第1の実施形態に係るアース装置10と同様に、接続点14cにアース棒12が接続され
るとアンテナ線16はアース(大地)と接続される。このとき、アンテナ線16と送信出
力線15は接続されたまま、つまり、放送装置20とアンテナ部30が接続された状態で
あるが、分岐線42が接地線19と接続されていれば、アンテナ部30に落雷があっても
、落雷による電流はインピーダンスの関係上接地線19側へ流れるため、メンテナンス作
業員の感電事故を防ぐことが可能である。
【0038】
第2の実施形態に係るアース装置の構成によって、メンテナンス時も通常運用時も常に放
送装置20とアンテナ部30は接続されていることになるので、アース装置40が故障し
ても支障をきたすことなく通常運用が可能となる。
【0039】
(第3の実施形態)
第3の実施形態に係るアース装置の概略系統図を図5に示す。なお、第3の実施形態に係
るアース装置50は、構成の一部が第1の実施形態と異なっている。本実施形態に係るア
ース装置50について、図5を参照して説明するが、第1の実施形態に係るアース装置1
0と同等の構成については、第1の実施形態と同じ符号を付与しており、説明を省略する
【0040】
第3の実施形態に係るアース装置50は、第1の実施形態に係るアース装置10における
センサであるマイクロスイッチ13a、13bが、レーザセンサ51a、51bに変更さ
れたものであり、その他の構成は第1の実施形態に係るアース装置10と同様である。
【0041】
レーザセンサ51a、51bは、例えば、一定の波長(パルス幅)をもったレーザをアー
ス棒12に照射し、測定対象であるアース棒12によって反射したレーザを受光するまで
の時間を計測して、アース棒12までの距離を計測するセンサである。レーザセンサの種
類はこれに限られたものでなく、アース棒12までの距離を計測できるものであれば良い
【0042】
本実施形態においては、アース棒12の角度が0度若しくは90度である場合の、レーザ
センサ51a、51bとアース棒12との距離を予め計測し、所定の距離の時にアース棒
12の角度が0度若しくは90度であることを設定する。
【0043】
アース棒12の角度が90度の状態からアース棒12が回動して、レーザセンサ51bが
計測したアース棒12との距離が所定の距離になると、アース棒12の角度は0度である
として、ON/OFF信号を制御部に送信し、制御部21が駆動部11を停止する。
【0044】
このようにレーザセンサ51a、51bによって計測されたアース棒12との距離をアー
ス棒12の角度(0度、90度)に換算して、ON/OFF信号を制御部に送信し、制御
部21は駆動部11を制御する。
【0045】
以上より、本実施形態によれば、第1の実施形態のように機械的なスイッチを利用するこ
とがないのでスイッチの繰り返し利用による劣化、誤作動を防ぐことが可能となる。
【0046】
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したもの
であり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他
の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省
略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要
旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0047】
10…第1の実施形態に係るアース装置、11…駆動部、12…アース棒、13a、13
b…マイクロスイッチ、14a、14b、14c…接続点、15…送信出力線、16…ア
ンテナ線、17…制御線、18…信号線、19…接地線、20…放送装置、21…制御部
、30…アンテナ部、40…第2の実施形態に係るアース装置、41…分岐点、42…分
岐線、50…第3の実施形態に係るアース装置、51a、51b…レーザセンサ
図1
図2
図3
図4
図5