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  • 特開-電子レンジ 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2025016219
(43)【公開日】2025-01-31
(54)【発明の名称】電子レンジ
(51)【国際特許分類】
   F24C 7/02 20060101AFI20250124BHJP
   F24C 1/00 20060101ALI20250124BHJP
   F24C 15/20 20060101ALI20250124BHJP
【FI】
F24C7/02 541G
F24C7/02 350A
F24C1/00 310B
F24C15/20 B
【審査請求】未請求
【請求項の数】4
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023119352
(22)【出願日】2023-07-21
(71)【出願人】
【識別番号】507152202
【氏名又は名称】吉村 清己
(71)【出願人】
【識別番号】594079349
【氏名又は名称】広瀬 幸雄
(71)【出願人】
【識別番号】523278191
【氏名又は名称】川口 啓太
(71)【出願人】
【識別番号】523278560
【氏名又は名称】師岡 知弘
(71)【出願人】
【識別番号】523278571
【氏名又は名称】今村 祥宏
(71)【出願人】
【識別番号】309012166
【氏名又は名称】株式会社中島製作所
(71)【出願人】
【識別番号】523278582
【氏名又は名称】藤井 慎太郎
(74)【代理人】
【識別番号】100114074
【弁理士】
【氏名又は名称】大谷 嘉一
(74)【代理人】
【識別番号】100222324
【弁理士】
【氏名又は名称】西野 千明
(72)【発明者】
【氏名】吉村 清己
(72)【発明者】
【氏名】広瀬 幸雄
(72)【発明者】
【氏名】川口 啓太
(72)【発明者】
【氏名】師岡 知弘
(72)【発明者】
【氏名】今村 祥宏
(72)【発明者】
【氏名】中島 弘喜
(72)【発明者】
【氏名】藤井 慎太郎
【テーマコード(参考)】
3L086
【Fターム(参考)】
3L086AA01
3L086BE06
3L086DA15
(57)【要約】
【課題】食材の調理ムラが少なく調理時間が短くなり、機内に食材特有の臭いが残るのを抑えることができる電子レンジの提供を目的とする。
【解決手段】調理室と、前記調理室内にマイクロ波を照射するためのマイクロ波発生手段と、前記調理室内に過熱蒸気を流入させるための過熱蒸気発生手段と、を備え、前記調理室内で食材から発生した油煙等を含む発生ガスを前記過熱蒸気により、前記調理室から排気するものであることを特徴とする。
【選択図】 図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
調理室と、
前記調理室内にマイクロ波を照射するためのマイクロ波発生手段と、
前記調理室内に過熱蒸気を流入させるための過熱蒸気発生手段と、を備え、
前記調理室内で食材から発生した油煙等を含む発生ガスを前記過熱蒸気により、
前記調理室から排気するものであることを特徴とする電子レンジ。
【請求項2】
前記調理室内に流入させる過熱蒸気の量は、調理室内の空気を過熱蒸気で置換できるだけの量であり、
前記調理室内の容量Vmlに対して、(1~10)×Vml/分であることを特徴とする請求項1記載の電子レンジ。
【請求項3】
前記過熱蒸気の温度は、300~400℃であることを特徴とする請求項2記載の電子レンジ。
【請求項4】
前記過熱蒸気発生手段に用いる原水は、100~1,000ppbの水素が含まれる水素水であることを特徴とする請求項3記載の電子レンジ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、過熱蒸気を活用した電子レンジに関する。
【背景技術】
【0002】
電子レンジは食材にマイクロ波を照射することで食材中の水分子が振動し、食材の内部から加熱される調理器である。
一般的には2,450MHzのマイクロ波を発生するマグネトロンが使用されるとともに、調理室内に空気を送り込むためのファンが設けられている。
【0003】
電子レンジを用いて食材を調理する際には、食材から高温のガスや油煙が発生することから食材特有の臭いが発生するとともに機器内(庫内)やキッチン室の汚れの発生原因となる(特許文献1)。
また、食材の調理中に減少する水分を補うのに、スチーム容器を備えた電子レンジが提案されているが、スチームがマイクロ波と過度に反応してしまう恐れがある(特許文献2)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2016-104060号公報
【特許文献2】特開2004-85171号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、食材の調理ムラが少なく調理時間が短くなり、庫内に食材特有の臭いが残るのを抑えることができる電子レンジの提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明に係る電子レンジは、調理室と、前記調理室内にマイクロ波を照射するためのマイクロ波発生手段と、前記調理室内に過熱蒸気を流入させるための過熱蒸気発生手段と、を備え、前記調理室内で食材から発生した油煙等を含む発生ガスを前記過熱蒸気により、前記調理室から排気するものであることを特徴とする。
【0007】
ここで、前記調理室内に流入させる過熱蒸気の量は、調理室内の空気を過熱蒸気で置換できるだけの量であり、前記調理室内の容量Vmlに対して、(1~10)×Vml/分であってよく、前記過熱蒸気の温度は、300~400℃であるのが好ましい。
さらに、前記過熱蒸気発生手段に用いる原水は、100~1,000ppbの水素が含まれる水素水であるのが好ましい。
【発明の効果】
【0008】
本発明に係る電子レンジは、調理室内の空気を過熱蒸気で置換するだけの量でよく、これにより低酸素状態になるために食材の酸化を抑え、適度な量の過熱蒸気からなる水分子と食材中の水分子とがマイクロ波で振動し、マイクロ波単独よりも短時間に食材全体が加熱調理される。
また、過熱蒸気は還元性を有し、食材から発生する臭い成分を分解し、調理室内中の臭い残りや汚れが抑えられる作用がある。
また、過熱蒸気を発生させるための原水に水素水を用いると、さらに還元効果が生じる。
水素濃度は100~1,000ppb、好ましくは400~800ppbである。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】本発明に係る電子レンジの構造例を示す。
【発明を実施するための形態】
【0010】
本発明に係る電子レンジ10の構造を以下、図に基づいて説明する。
電子レンジ10は、調理室11と、この調理室内にマイクロ波を照射するためのマイクロ波発生手段12を有し、一般的にはマグネトロンが用いられている。
マイクロ波は、照射口12aから調理室内に向けて照射される。
過熱蒸気発生手段13を備え、貯水部に水Wを注入し、過熱ヒーター13aで蒸気を発生させ、その上の過熱ヒーター13bで過熱し、300~400℃の過熱蒸気を得る。
過熱蒸気は、噴射口13cから調理室内に向けて噴射される。
調理室11に食材を入れ、過熱蒸気を調理室内に噴射するが、その量は調理室の容量をVmlとすると、1分間当たりその容量の1倍~10倍のVmlでよい。
また、本実施例では水Wの供給途中に水素発生剤を投入してあり、濃度100~1,000ppbの水素水が供給される。
水素水は水を電気分解して得られたものでもよいが、本実施例は戸室石等の岩石の粉末を焼成して製作されたものを用いた。
食材1は、調理室11内が過熱蒸気で充満されているが、過熱蒸気は還元性を有するとともに、ドライ蒸気とも称されるように乾いた蒸気である点で通常のスチームとは相違する。
これにより、調理室11内は低酸素状態になる。
この状態でマイクロ波を食材に向けて照射すると、食材1の酸化を抑えつつ、過熱蒸気が隙間なく食材を包み込んだ状態で加熱調理ができる。
本実施例では、マイクロ波のみで調理する場合には、ファン12bを作動できるようになっている。
【0011】
図1の電子レンジを用いて、過熱蒸気を噴射した状態でマイクロ波で加熱調理した場合と、過熱蒸気の注入を止め、マイクロ波を照射し、ファン12bで空気を送り込みながら、加熱調理した場合を比較した。
じゃがいもを加熱調理したところ、従来のマイクロ波のみでは約5分間要したのに、過熱蒸気を組み合せると、約3分間でよかった。
また、魚の加熱調理ではマイクロ波だけだと、油煙が発生し、排気口11aから魚特有の臭いがあるが、過熱蒸気を組み合せると排気口11aでの魚特有の臭いは少なくなっていた。
【符号の説明】
【0012】
1 食材
10 電子レンジ
11 調理室
12 マイクロ波発生手段
13 過熱蒸気発生手段
図1