(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2025162338
(43)【公開日】2025-10-27
(54)【発明の名称】包装袋
(51)【国際特許分類】
B65D 30/16 20060101AFI20251020BHJP
【FI】
B65D30/16 C
B65D30/16 D
【審査請求】未請求
【請求項の数】4
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2024065578
(22)【出願日】2024-04-15
(71)【出願人】
【識別番号】391003794
【氏名又は名称】押尾産業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100105957
【弁理士】
【氏名又は名称】恩田 誠
(74)【代理人】
【識別番号】100068755
【弁理士】
【氏名又は名称】恩田 博宣
(72)【発明者】
【氏名】佐藤 正昭
(72)【発明者】
【氏名】佐藤 正和
【テーマコード(参考)】
3E064
【Fターム(参考)】
3E064AB11
3E064AB25
3E064AB26
3E064AD14
3E064BA25
3E064BA54
3E064BB03
3E064BC18
3E064EA08
3E064EA30
3E064FA03
3E064GA01
3E064HM01
3E064HN65
3E064HR01
3E064HS04
(57)【要約】
【課題】より多量の内容物を充填することができる包装袋を提供する。
【解決手段】包装袋10は、第1側面シート12aと、第2側面シート12bと、底面シート11とが、溶着部で溶着されてなる。溶着部は、左側溶着部13aと、右側溶着部13bと、底側溶着部とを有している。底側溶着部は、二つ折りされた底面シートの一方である第1底部と第1側面シート12aとを溶着する第1底側溶着部40と、二つ折りされた底面シート11の他方である第2底部と第2側面シート12bとを溶着する第2底側溶着部50とを有している。第1底側溶着部40と第2底側溶着部50とは、形状が異なるとともに、第1底側溶着部40の上端は、第2底側溶着部50の上端よりも上方に位置している。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
対向して配置される第1側面シート及び第2側面シートと、上下二つ折りにされた状態で前記第1側面シート及び前記第2側面シートの間に配置されて底面を形成する底面シートとからなり、前記第1側面シート、前記第2側面シート、及び前記底面シートが溶着部で溶着されてなる包装袋であって、
前記溶着部は、左側溶着部と、右側溶着部と、底側溶着部とを有し、
前記底側溶着部は、二つ折りされた前記底面シートの一方である第1底部と前記第1側面シートとを溶着する第1底側溶着部と、二つ折りされた前記底面シートの他方である第2底部と前記第2側面シートとを溶着する第2底側溶着部とを有し、
前記第1底側溶着部と前記第2底側溶着部とは、形状が異なるとともに、前記第1底側溶着部の上端は、前記第2底側溶着部の上端よりも上方に位置する包装袋。
【請求項2】
前記底面シートは、左側端に左切欠を有するとともに、右側端に右切欠を有し、
前記左側溶着部は、前記左切欠を介して前記第1側面シートと前記第2側面シートとを溶着する左切欠溶着部を有し、
前記右側溶着部は、前記右切欠を介して前記第1側面シートと前記第2側面シートとを溶着する右切欠溶着部を有し、
前記第2底側溶着部の上端は、前記左切欠溶着部及び前記右切欠溶着部よりも下方に位置する請求項1に記載の包装袋。
【請求項3】
前記左側溶着部及び前記右側溶着部は、1つの溶着痕から構成されている請求項1又は2に記載の包装袋。
【請求項4】
前記第2底側溶着部の下端は、前記第2側面シートの下端よりも上方に位置している請求項3に記載の包装袋。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、シート材から形成される包装袋に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、対向して配置される第1側面シート及び第2側面シートと、上下二つ折りにされた状態で前記第1側面シート及び前記第2側面シートの間に配置されて底面を形成する底面シートとから構成される包装袋が開示されている。特許文献1の包装袋に対する製造工程は、第1側面シートの下辺部分と底面シートとを離間させて包装袋の下端に開口を形成する開口工程と、開口における底面シートと第1側面シートとの間から包装袋内に内容物を充填する充填工程と、底面シートと第1側面シートとを接着する接着工程とを有している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1の包装袋は、底面シートの外面と一対の第1側面シート及び第2側面シートの各内面とが熱溶着されることによって、内容物が充填された充填済包装袋となる。ここで、第1側面シート及び第2側面シートについて、底面シートと重なる部分については、加熱部材が押し当てられて熱溶着される。このため、第1側面シート及び第2側面シートの下端から、底面シートの上下方向における長さ部分については、内容物を収容することができない。したがって、包装袋を構成する一対の第1側面シート及び第2側面シートと、底面シートとの大きさに対して、十分な充填量を確保することが困難であった。
【0005】
この発明は、こうした従来の実情に鑑みてなされたものであり、その目的は、構成するシートの大きさに対して、より多量の内容物を充填することができる包装袋を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記の課題を解決するための包装袋は、対向して配置される第1側面シート及び第2側面シートと、上下二つ折りにされた状態で前記第1側面シート及び前記第2側面シートの間に配置されて底面を形成する底面シートとからなり、前記第1側面シート、前記第2側面シート、及び前記底面シートが溶着部で溶着されてなる包装袋であって、前記溶着部は、左側溶着部と、右側溶着部と、底側溶着部とを有し、前記底側溶着部は、二つ折りされた前記底面シートの一方である第1底部と前記第1側面シートとを溶着する第1底側溶着部と、二つ折りされた前記底面シートの他方である第2底部と前記第2側面シートとを溶着する第2底側溶着部とを有し、前記第1底側溶着部と前記第2底側溶着部とは、形状が異なるとともに、前記第1底側溶着部の上端は、前記第2底側溶着部の上端よりも上方に位置することを特徴とする。
【発明の効果】
【0007】
本発明の包装袋によれば、構成するシートの大きさに対して、より多量の内容物を充填することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図4】本実施形態の包装袋に対する充填方法を順に示す説明図。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本発明に係る包装袋を具体化した実施形態について説明する。
図1に示すように、包装袋10は複数のシート材を組み合わせることによって形成される。包装袋10を構成するシート材としては、包装袋に一般的に用いられる公知の樹脂シート(例えば、ポリエチレン、エチレン-酢酸ビニル共重合体、エチレン-ビニルアルコール共重合体、ポリアミド、及びポリエステル等からなる単層又は多層の樹脂シート)を用いることができる。本実施形態では、シート材として、一方側の表面のみに熱溶着性樹脂からなる熱溶着層を有する樹脂シートを用いている。
【0010】
図1に示すように、包装袋10は、折辺が上方を向くように上下に二つ折りにされた横長長方形状の底面シート11と、その底面シート11を挟み込むように対向配置された第1側面シート12a及び第2側面シート12bとを備えている。以下の説明では、包装袋10において、第1側面シート12aが配置される面を表面、第2側面シート12bが配置される面を裏面とし、表面から見たときを基準に左右と説明する。
【0011】
(底面シート11の構成)
図1に示すように、底面シート11は、熱溶着層を有する側の面が外面側に位置する(外側を向く)ようにして二つ折りにされている。二つ折りにされた底面シート11は、第1側面シート12aに対向する第1底部16aと、第2側面シート12bに対向する第2底部16bとを有している。二つ折りにされた底面シート11の左側端には、一対の半円形状の左切欠11aが設けられている。二つ折りにされた底面シート11の右側端には、一対の半円形状の右切欠11bが設けられている。
【0012】
図2(a)及び
図2(b)は、後に説明する充填方法によって、包装袋10に内容物を充填した後の包装袋10を表している。
図2(a)及び
図2(b)に示すように、底面シート11の左切欠11a及び右切欠11bの左右方向において最も長い幅L2は、後に説明する左側溶着部13a及び右側溶着部13bの左右方向の幅L1よりも大きく形成されている。ここで、幅L1は、底面シート11の折辺に沿った位置での左側溶着部13a及び右側溶着部13bの左右方向の幅を指している。
【0013】
(第1側面シート12a及び第2側面シート12bの構成)
図1に示すように、第1側面シート12a及び第2側面シート12bは熱溶着層を有する側の面を向かい合わせるようにして対向配置されている。第1側面シート12a及び第2側面シート12bは共に同形状をなし、上辺部分の幅が上方へ向かって徐々に小さくなる釣り鐘状に形成されている。また、底面シート11は第1側面シート12a及び第2側面シート12bの下辺に沿って配置されるとともに、底面シート11が挟まれる部位における第1側面シート12a及び第2側面シート12bの幅は、底面シート11の左右方向(折辺方向)の幅に等しい長さに設定されている。
【0014】
(左側溶着部13a及び右側溶着部13bの構成)
図2(a)及び
図2(b)に示すように、包装袋10の両側部分には、第1側面シート12a及び第2側面シート12bの左右両辺に沿って、第1側面シート12a及び第2側面シート12bの内面同士を熱溶着してなる左側溶着部13a及び右側溶着部13bが設けられている。左側溶着部13aは、左切欠11aを介して第1側面シート12aと第2側面シート12bとを溶着する左切欠溶着部60aを有している。左切欠溶着部60aは、左切欠11aよりも大きく形成されている。右側溶着部13bは、右切欠11bを介して第1側面シート12aと第2側面シート12bとを溶着する右切欠溶着部60bを有している。右切欠溶着部60bは、右左切欠11bよりも大きく形成されている。左側溶着部13a及び右側溶着部13bは、1つの溶着痕から構成されている。
【0015】
(上辺接着部14の構成)
図2(a)及び
図2(b)に示すように、包装袋10の上辺部分には、第1側面シート12a及び第2側面シート12bの上辺に沿って、側面シートの内面同士を所定幅で熱溶着してなる上辺接着部14が設けられている。上辺接着部14の中央部分には、取出口となる口具20が一体に固定されている。口具20は内部に流路を形成する筒状の注出部21と、注出部21の上部側の開口を塞ぐキャップ22とから構成されている。口具20は、注出部21の下部が第1側面シート12a及び第2側面シート12bの間に挟まれるようにして配置され、上辺接着部14において、注出部21の外周面と、第1側面シート12a及び第2側面シート12bの内面とが熱溶着されることによって取り付けられている。
【0016】
(第1底側溶着部40、第2底側溶着部50及び第3底側溶着部51の構成)
図2(a)に示すように、第1底部16aの外面と第1側面シート12aの内面とが熱溶着してなる第1底側溶着部40及び第3底側溶着部51が設けられている。第1底側溶着部40は、第1底部16aと第1側面シート12aとが重なる部分のうち、上下方向において円弧状に凹んだ曲線と第1側面シート12aの左辺、右辺及び下辺によって囲まれる部分が溶着してなる。第3底側溶着部51は、第1底部16aと第1側面シート12aとが重なる部分のうち、左右方向に沿って、上下方向における一定の幅の部分が溶着してなる。すなわち、第1底側溶着部40と第3底側溶着部51とは、形状が異なっている。第1底側溶着部40の上端は、第3底側溶着部51の上端よりも上方に位置している。第3底側溶着部51の下端は、第1側面シート12aの下端よりも上方に位置している。
【0017】
図2(b)に示すように、第2底部16bの外面と第2側面シート12bの内面とが熱溶着してなる第2底側溶着部50が設けられている。第2底側溶着部50は、第2底部16bと第2側面シート12bとが重なる部分のうち、左右方向に沿って、上下方向における一定の幅の部分が溶着してなる。第2底側溶着部50の下端は、第2側面シート12bの下端よりも上方に位置している。
【0018】
図2(a)及び
図2(b)に示すように、第2底側溶着部50と第3底側溶着部51とは、形状が同じである。第1底側溶着部40の上端は、第2底側溶着部50の上端よりも上方に位置している。第2底側溶着部50の下端は、第1側面シート12a及び第2側面シート12bの下端よりも上方に位置している。第2底側溶着部50及び第3底側溶着部51の上端は、左切欠溶着部11a及び右切欠溶着部11bよりも下方に位置している。
【0019】
図3は、後に説明する充填方法によって、包装袋10に内容物を充填する前の包装袋10を表している。このとき、第2底側溶着部50及び第3底側溶着部51は、包装袋10に形成されていない。
【0020】
図3に示すように、包装袋10の下辺部分においては、第1底側溶着部40によって、底面シート11の第1底部16aの外面と第1側面シート12aの内面とが熱溶着されている。第2側面シート12bの内面と底面シート11の第2底部16bの外面とは、非接着とされている。また、二つ折りにされた底面シート11は、左右方向(折辺方向)における両側部が左側溶着部13a及び右側溶着部13bにおいて第1側面シート12a及び第2側面シート12bに接着された状態となっている。このため、包装袋10は、底面シート11の第2底部16bと第2側面シート12bとを離間させることによって、その下端に開口Aを形成することが可能である。
【0021】
次に、包装袋10に内容物を充填する充填方法を、
図4に基づいて説明する。
上記充填方法は、包装袋10の下端に開口Aを形成する開口工程と、開口Aから内容物を充填する充填工程と、底面シート11と第1及び第2側面シート12a,12bとを接着する接着工程とを有する。
【0022】
(開口工程)
図4(a)に示すように、上下逆向きの状態として包装袋10を保持する。そして、
図4(b)に示すように、包装袋10の第2側面シート12bと底面シート11の第2底部16bの下部を互いに離間させる方向へ移動させて、包装袋10の下端に開口Aを形成する。開口工程における上記の操作は、第1側面シート12a及び第2側面シート12bを吸着保持する先端部を有し、第1側面シート12a及び第2側面シート12bの積層方向に移動可能な吸着部材31を備える開口装置を用いて行うことができる。開口装置としては、例えば、特開2012-126054号公報に開示される開口装置が挙げられる。
【0023】
(充填工程)
図4(c)に示すように、包装袋10の開口Aを通じて、第2側面シート12bと底面シート11の第2底部16bとの間に充填ノズル33を挿入する。ここで、底面シート11の第2底部16bが第1側面シート12a側へ寄せられて、第2側面シート12bと底面シート11の第2底部16bとの間の隙間が大きく確保されている。これにより、底面シート11に干渉することなく、開口A内に充填ノズル33を容易に挿入することができる。
【0024】
そして、充填ノズル33から所定量の内容物を包装袋10内へ充填する。このとき、下側に位置している包装袋10の上辺接着部14側には、底面シート11のような折り曲げ部分が存在しない。そのため、包装袋10は充填された内容物の圧力によって容易に膨らんだ状態となる。充填後、包装袋10内から充填ノズル33を退避させる。
【0025】
(接着工程)
図4(d)に示すように、包装袋10の第1側面シート12a及び第2側面シート12bの下部を互いに接近させる方向へ移動させ、包装袋10下端の開口Aを閉じるとともに、底面シート11の外面と第1側面シート12a及び第2側面シート12bの各内面とを密着させた状態とする。そして、底面シート11の第1底部16aの外面と第1側面シート12aの内面、及び、第2底部16bの外面と第2側面シート12bの内面とを熱溶着する。
【0026】
具体的には、包装袋10において、底面シート11と第1側面シート12a及び第2側面シート12bとが重なる部位のうち上下方向における中央側であって、内容物が充填されていない部分を押さえ部材34で挟持する。そして、第1側面シート12a及び第2側面シート12bに対して、その外面側から加熱部材35を押し当てることにより、底面シート11の外面と、第1側面シート12a及び第2側面シート12bの各内面とを熱溶着する。
【0027】
この接着工程では、すでに第1底側溶着部40として熱溶着されている第1底部16aの外面と第1側面シート12aの内面とが、再度、熱溶着されることで、第3底側溶着部51が形成される。第2底部16bの外面と第2側面シート12bの内面とが、熱溶着されることで、第2底側溶着部50が形成される。これにより、包装袋10の下辺部分が接着される。そして、
図4(e)に示すように、包装袋10は内容物が充填された充填済み包装袋70となる。
【0028】
<実施形態の作用及び効果>
次に、本実施形態の作用効果について説明する。
(1)包装袋10は、対向して配置される第1側面シート12a及び第2側面シート12bと、上下二つ折りにされた状態で第1側面シート12a及び第2側面シート12bの間に配置されて底面を形成する底面シート11とを備えている。第1側面シート12a、第2側面シート12b、及び底面シート11は、溶着部で溶着されている。溶着部は、左側溶着部13aと、右側溶着部13bと、底側溶着部とを有している。底側溶着部は、二つ折りされた底面シート11の一方である第1底部16aと第1側面シート12aとを溶着する第1底側溶着部40と、二つ折りされた底面シート11の他方である第2底部16bと第2側面シート12bとを溶着する第2底側溶着部50とを有している。第1底側溶着部40と第2底側溶着部50とは、形状が異なるとともに、第1底側溶着部40の上端は、第2底側溶着部50の上端よりも上方に位置している。
【0029】
ここで、例えば、第2底側溶着部50が、第1底側溶着部40と同一形状に形成された包装袋では、第1側面シート12a及び第2側面シート12bについて、底面シート11と重なる部分に、加熱部材が押し当てられて熱溶着される。このため、第1側面シート12a及び第2側面シート12bの下端から、底面シート11の上下方向における長さ部分については、内容物を収容することができない。これに対して、本構成によれば、包装袋10は、包装袋10の上端から、第2底側溶着部50及び第3底側溶着部51を形成する際の押さえ部材34が配置される部分まで内容物を充填することができる。したがって、第2底側溶着部50が、第1底側溶着部40と同一形状に形成された包装袋と比較して、より多くの内容物を充填することができる。とくに、第1底側溶着部40の上端と第2底側溶着部50の上端との差分があるほど、より多くの内容物を充填することができる。すなわち、第1側面シート12a及び第2側面シート12bの大きさに対して、より多量の内容物を充填することができる。また、第1底側溶着部40が形成された包装袋10内に内容物を充填した後に、第2底側溶着部50を形成することで充填済包装袋10を得ることができる。すなわち、包装袋10内に内容物を充填した後に、第2底側溶着部50を形成することで包装袋10の封をすることができる。
【0030】
(2)底面シート11は、左側端に左切欠11aを有するとともに、右側端に右切欠11bを有している。左側溶着部13aは、左切欠11aを介して第1側面シート12aと第2側面シート12bとを溶着する左切欠溶着部60aを有している。右側溶着部13bは、右切欠11bを介して第1側面シート12aと第2側面シート12bとを溶着する右切欠溶着部60bを有している。第2底側溶着部50及び第3底側溶着部51の上端は、左切欠溶着部60a及び右切欠溶着部60bよりも下方に位置している。上記構成によれば、包装袋10を構成する第1側面シート12a及び第2側面シート12bの大きさに対して、より多量の内容物を充填することができる。
【0031】
(3)左側溶着部13a及び右側溶着部13bは、1つの溶着痕から構成されている。上記構成によれば、1回の熱溶着によって、左側溶着部13a及び右側溶着部13bが形成されるため、充填済の包装袋10を製造する工程の数を少なくすることができる。したがって、より簡便な方法で、充填済の包装袋10を得ることができる。
【0032】
(4)第2底側溶着部50の下端は、第2側面シート12bの下端よりも上方に位置している。第2底側溶着部50が第2側面シート12bの下端に位置している場合、第2底側溶着部50を形成する際の加熱部材35による熱溶着によって、第2底部16bの熱溶着層と第2側面シート12bの熱溶着層とが、両下端から漏れ出すおそれがある。上記構成によれば、第2底部16bの熱溶着層と第2側面シート12bの熱溶着層とが、両下端から漏れ出すことを抑制できる。
【0033】
本実施形態は、以下のように変更して実施することができる。本実施形態及び以下の変更例は、技術的に矛盾しない範囲で互いに組み合わせて実施することができる。
・上記実施形態では、底面シート11の左切欠11a及び右切欠11bの左右方向において最も長い幅L2は、左側溶着部13a及び右側溶着部13bの左右方向の幅L1よりも大きく形成されていたが、左切欠11a及び右切欠11bの構成はこれに限定されるものではない。
図5に示すように、幅L2は、幅L1よりも小さく形成されていてもよい。このとき、左側溶着部13a及び右側溶着部13bは、第1側面シート12a及び第2側面シート12bの左右両辺に沿って、第1側面シート12a及び第2側面シート12bの内面同士の所定幅を熱溶着してなる。
【0034】
・上記実施形態では、底面シート11の左切欠11a及び右切欠11bは、半円形状であったが、これに限定されるものではない。底面シート11の左切欠11a及び右切欠11bの形状は、適宜、変更することもできる。例えば左切欠11a及び右切欠11bは、長方形状であってもよい。
【0035】
・上記実施形態では、第1側面シート12a及び第2側面シート12bの上辺接着部14に口具20を挟み込むことによって、包装袋10の上辺部分を、取出口を形成可能な封止状態としていたが、包装袋10の上辺部分の構成はこれに限定されるものではない。
【0036】
例えば、
図6に示すように、口具20を取り付ける構成に代えて、第1側面シート12a及び第2側面シート12bの上辺部分を熱溶着してなる上辺接着部14を備える構成としてもよい。この場合、上辺接着部14の上端は、第1側面シート12a及び第2側面シート12bの上端よりも下方に位置していてもよい。これにより、上辺接着部14が第1側面シート12a及び第2側面シート12bの上端から漏れ出すことを抑制できる。
【0037】
・包装袋10を形成する第1側面シート12a及び第2側面シート12bの構成は上記実施形態に限定されるものではない。例えば、一枚のシート材を左右に二つ折り又は三つ折りにすることにより、対向する第1側面シート12a及び第2側面シート12bを構成してもよい。また、第1側面シート12a及び第2側面シート12bの形状は、適宜、変更することもできる。例えば、第1側面シート12a及び第2側面シート12bは、長方形状であってもよい。
【0038】
・上記実施形態では、第2底側溶着部50の下端は、第1側面シート12a及び第2側面シート12bの下端よりも上方に位置していたが、これに限定されるものではない。第2底側溶着部50の下端は、第1側面シート12a及び第2側面シート12bの下端と同じ位置にあってもよい。
【0039】
・上記実施形態では、左側溶着部13a及び右側溶着部13bは、1つの溶着痕から構成されていたが、これに限定されるものではない。左側溶着部13a及び右側溶着部13bは、第1側面シート12a及び第2側面シート12bの左右両辺に沿って、第1側面シート12a及び第2側面シート12bの内面同士の所定幅が熱溶着された溶着痕と、左切欠溶着部60a及び右切欠溶着部60bが形成された溶着痕から構成されていてもよい。
【0040】
・上記実施形態では、第2底側溶着部50及び第3底側溶着部51の上端は、左切欠溶着部60a及び右切欠溶着部60bよりも下方に位置していたが、これに限定されるものではない。第2底側溶着部50及び第3底側溶着部51の上端は、左切欠溶着部60a及び右切欠溶着部60bに重なって位置されていてもよい。また、第2底側溶着部50及び第3底側溶着部51の形状は、第1底側溶着部40に重なっていればよく、たとえば円弧状であってもよい。第2底側溶着部50及び第3底側溶着部51の上端は、第1底側溶着部40全体の最上端よりも下方に位置していればよい。
【0041】
・第1底側溶着部40、第2底側溶着部50及び第3底側溶着部51の形状は、上記実施形態に限定されるものではない。とくに、第2底側溶着部50及び第3底側溶着部51の上下方向における幅は、一定でなくてもよい。例えば、第2底側溶着部50及び第3底側溶着部51を構成する各上辺が、凹状に湾曲するように構成されていてもよい。
【0042】
・上記実施形態では、底面シート11は、左側端に左切欠11aを有するとともに、右側端に右切欠11bを有していたが、これに限定されるものではない。底面シート11は、左切欠11a又は右切欠11bの少なくとも一方を省略してもよい。底面シート11に、左切欠11a及び右切欠11bを設けない場合には、例えば以下のような構成を採用することが好ましい。底面シート11として、二つ折りの状態で外面となる側に第1熱溶着層を有するとともに、内面となる側に第1熱溶着層よりも融点の高い第2熱溶着層を有するシートを用いる。そして、左側溶着部13a及び右側溶着部13bを形成する際には、第2熱溶着層の融点以上の温度で溶着を行うことにより、底面シート11の外面の両側部と左側溶着部13a及び右側溶着部13bの内面とを溶着するとともに、底面シート11の両側部における内面同士を溶着する。また、溶着工程においては、底面シート11の内面同士が溶着しないように、第2熱溶着層の融点よりも低い温度、且つ第1熱溶着層の融点以上の温度で溶着を行う。これにより、左切欠11a及び右切欠11bを設けた場合と同様の包装袋10を得ることができる。
【0043】
・上記実施形態では、接着工程において押さえ部材34を使用していたが、押さえ部材34は、省略してもよい。
次に、上記実施形態及び変更例から把握できる技術的思想を以下に記載する。
【0044】
(イ)前記包装袋に内容物を充填するための充填装置であって、前記第2側面シートと前記底面シートの前記第2底部とを互いに離間する方向へ引き寄せて、前記包装袋の下端に開口を形成する開口装置と、前記包装袋内に内容物を充填するノズルと、前記底面シートと前記第1側面シート、及び、前記底面シートと前記第2側面シートとを接着する接着装置と、を備える充填装置。
【符号の説明】
【0045】
10…包装袋
11…底面シート
12a…第1側面シート
12b…第2側面シート
13a…左側溶着部
13b…右側溶着部
16a…第1底部
16b…第2底部
40…第1底側溶着部
50…第2底側溶着部
51…第3底側溶着部