(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2025016244
(43)【公開日】2025-01-31
(54)【発明の名称】取引装置
(51)【国際特許分類】
G03B 17/56 20210101AFI20250124BHJP
G07D 11/10 20190101ALI20250124BHJP
G03B 15/00 20210101ALI20250124BHJP
G03B 11/00 20210101ALI20250124BHJP
H04N 23/50 20230101ALI20250124BHJP
H04N 23/57 20230101ALI20250124BHJP
【FI】
G03B17/56 Z
G07D11/10
G03B15/00 U
G03B15/00 S
G03B11/00
H04N23/50
H04N23/57
【審査請求】未請求
【請求項の数】8
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023119385
(22)【出願日】2023-07-21
(71)【出願人】
【識別番号】000237639
【氏名又は名称】富士通フロンテック株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002147
【氏名又は名称】弁理士法人酒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】池田 峻史
(72)【発明者】
【氏名】西村 理
【テーマコード(参考)】
2H083
2H105
3E141
5C122
【Fターム(参考)】
2H083CC13
2H083CC14
2H083CC15
2H083CC26
2H083CC61
2H105CC23
2H105EE05
2H105EE11
3E141CA08
3E141DA06
5C122EA42
5C122GE01
5C122GE05
5C122GE11
(57)【要約】
【解決手段】撮影部の検査作業を容易に行い、かつ検査精度を向上する。
【課題】取引装置は、筐体と、筐体の前面に配置されて筐体の外側を撮影する撮影部と、撮影部によって撮影される被撮影部を有して撮影部による被撮影部の撮影結果に基づいて撮影部を検査するための検査部材と、を備える。筐体には、検査部材が前面に対して移動可能に設けられている。
【選択図】
図6
【特許請求の範囲】
【請求項1】
筐体と、
前記筐体の前面に配置され、前記筐体の外側を撮影する撮影部と、
前記撮影部によって撮影される被撮影部を有し、前記撮影部による前記被撮影部の撮影結果に基づいて前記撮影部を検査するための検査部材と、を備え、
前記筐体には、前記検査部材が前記前面に対して移動可能に設けられている、取引装置。
【請求項2】
前記検査部材は、前記被撮影部が前記筐体の内部に収容される収容位置と、前記被撮影部が前記筐体の外部に配置される検査位置と、に回動可能に設けられている、
請求項1に記載の取引装置。
【請求項3】
前記検査部材は、前記撮影部を覆うカバー部を有する、
請求項1または2に記載の取引装置。
【請求項4】
前記検査部材は、前記検査位置に回動されたときに前記筐体の前記前面に接することで前記撮影部の視野に対して前記被撮影部を位置決めする位置決め部を有する、
請求項2に記載の取引装置。
【請求項5】
前記検査部材は、前記検査部材を前記収容位置に保持するための保持部を有する、
請求項2に記載の取引装置。
【請求項6】
前記カバー部は、前記撮影部のレンズの光軸が通過する開口を有する、
請求項3に記載の取引装置。
【請求項7】
前記検査部材は、前記収容位置に位置するときに前記筐体の外側に向く前面が、前記筐体の前記前面に沿う形状に形成され、
前記筐体の前記前面には、前記検査部材の前記前面の外形形状と一致する開口部が形成されている、
請求項2に記載の取引装置。
【請求項8】
前記筐体の前記前面には、取り引きするときに利用者が操作する操作部が設けられ、
前記撮影部は、前記操作部側を撮影する、
請求項1または2に記載の取引装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、取引装置に関する。
【背景技術】
【0002】
例えば、現金自動預払機等の取引装置としては、筐体の前面に、操作パネル等の筐体の外側を撮影する撮影部を備えるものが知られている。この種の取引装置の製造工程では、製品出荷時に撮影部が正常に作動するか否かを検査する検査工程が行われている。検査工程では、撮影部によって撮影される撮影ターゲットを有する撮影治具を用いて、撮影部による撮影ターゲットの撮影結果に基づいて焦点距離の調節が行われている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上述した撮影部の検査工程では、撮影部のレンズの視野に対して検査治具の撮影ターゲットを所定位置に手作業で位置決めし、検査治具を手で支えながら検査が行われている。また、撮影部の視野に対して位置決めされた検査治具を載せる載置台を用いて検査が行われる場合もある。この場合、取引装置の前面の構造等によっては載置台を安定的に設置できないこともある。そのため、撮影部の検査作業が煩雑となり、検査毎や作業者毎によっても検査精度がばらつく問題があった。
【0005】
開示の技術は、上記に鑑みてなされたものであって、撮影部の検査作業を容易に行い、かつ、検査精度を向上することができる取引装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本願の開示する取引装置の一態様は、筐体と、前記筐体の前面に配置され、前記筐体の外側を撮影する撮影部と、前記撮影部によって撮影される被撮影部を有し、前記撮影部による前記被撮影部の撮影結果に基づいて前記撮影部を検査するための検査部材と、を備え、前記筐体には、前記検査部材が前記前面に対して移動可能に設けられている。
【発明の効果】
【0007】
本願の開示する取引装置の一態様によれば、撮影部の検査作業を容易に行い、かつ、検査精度を向上することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】
図1は、実施例の取引装置の外観を示す斜視図である。
【
図2】
図2は、実施例の取引装置が備える検査部材を示す斜視図である。
【
図3】
図3は、実施例の取引装置が備える検査部材を示す斜視図である。
【
図4】
図4は、実施例の取引装置が備える検査部材を示す側面図である。
【
図5】
図5は、実施例の取引装置が備える検査部材を示す背面図である。
【
図6】
図6は、実施例の取引装置において検査部材が収容位置に位置する状態を示す縦断面図である。
【
図7】
図7は、実施例の取引装置において検査部材が収容位置から回動された状態を示す縦断面図である。
【
図8】
図8は、実施例の取引装置において検査部材が収容位置から更に回動された状態を示す縦断面図である。
【
図9】
図9は、実施例の取引装置において検査部材が検査位置に位置する状態を示す縦断面図である。
【
図10】
図10は、実施例において、撮影部が検査部材の撮影ターゲット部を撮影する状態を示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下に、本願の開示する取引装置の実施例を図面に基づいて詳細に説明する。なお、以下の実施例によって、本願の開示する取引装置が限定されるものではない。
【実施例0010】
(取引装置)
図1は、実施例の取引装置の外観を示す斜視図である。
図1に示すように、取引装置1は、一例として現金自動預払機であり、取引装置1の筐体5と、筐体5の外側を撮影する撮影部6と、取り引きするときに利用者が操作する操作部としての操作パネル部7と、取引装置1に対して貨幣を出し入れするための入出金部8と、撮影部6を検査するための検査部材11と、を備える。実施例における検査部材11は、いわゆる検査治具であり、筐体5に組み込まれている。検査部材11は、撮影部6によって撮影された後述する撮影ターゲット部13の撮影結果に基づいて撮影部6を検査するために用いられる。
【0011】
図1において、取引装置1の幅方向をX方向、取引装置1の奥行方向をY方向、取引装置1の高さ方向をZ方向として示し、
図2以降においても各X、Y、Z方向を同様に示す。なお。本願の開示する取引装置は、現金自動預払機に適用されたが、例えば、各種の券売機や投票券発券機等に適用されてもよい。
【0012】
筐体5は、取引装置1の外筐であり、取り引きする際に利用者が向き合う前面5Fを有する。筐体5の前面5Fには、撮影部6、操作パネル部7、入出金部8、及び検査部材11が設けられている。
【0013】
撮影部6は、例えば、第1カメラ12A及び第2カメラ12Bを有しており、第1カメラ12Aと第2カメラ12BがX方向に並んで配置されている。第1カメラ12A及び第2カメラ12Bは、一次元コード(バーコード)及び二次元コード(QR[Quick Response]コード)を撮影可能である。また、第2カメラ12Bは、操作パネル部7での利用者の操作を撮影する。
【0014】
第1カメラ12Aは、近距離用カメラであり、操作パネル部7の表示画面7aよりも撮影部6の近くに焦点が位置する焦点距離が短いものである。第1カメラ12Aは、第1カメラ12Aの前にかざされた入金票等の媒体に印刷された各種のコードを読み取るために用いられる。
【0015】
第2カメラ12Bは、遠距離用カメラであり、操作パネル部7の表示画面7a上に焦点が位置する焦点距離が長いものである。第2カメラ12Bは、操作パネル部7の上に載せられた入金票等の媒体の各種のコードを読み取るために用いられる。
【0016】
操作パネル部7は、入出金部8の近傍に配置されており、表示画面7aを形成するタッチパネルを有する。また、筐体5の前面5Fには、撮影部6に隣り合う位置に、取引する際に前面5Fを向く利用者の正面を撮影する他の撮影部(正面撮影部)9が設けられている。
【0017】
一例として検査部材11は、撮影部6における第1カメラ12Aの焦点距離を調節するために用いられるが、焦点距離を調節するための用途に限定されず、撮影に関する各種の調節を含む検査に用いられてよい。また、検査部材11によって検査される対象が限定されるものではなく、例えば、第2カメラ12Bの焦点距離等を調節するために用いられてもよい。また、本実施例における検査部材11は、筐体5の外側である操作パネル部7側を撮影する撮影部6を検査するために用いられるが、取引装置1における撮影部を限定するものではなく、上述した正面撮影部7等の他の撮影部を検査するために適用されてもよい。撮影部6によって撮影される筐体5の外側には、筐体5の前面5F等の取引装置1の外周部や、筐体5の外部に位置する利用者等が含まれる。
【0018】
(検査部材)
図2は、実施例の取引装置1が備える検査部材11を示す斜視図であり、筐体5の外側に向く検査部材11の正面側から見た図である。
図3は、実施例の取引装置1が備える検査部材11を示す斜視図であり、
図2と上下逆向きから示す斜視図である。
図4は、実施例の取引装置1が備える検査部材11を示す側面図である。
図5は、実施例の取引装置1が備える検査部材11を示す背面図であり、筐体5の内側に向く検査部材11の背面11R側から見た図である。
【0019】
図2、
図3及び
図4に示すように、検査部材11は、撮影部6によって撮影される被撮影部としての撮影ターゲット部13と、撮影部6を覆うカバー部14と、筐体5の前面5Fに対して回動可能に筐体5に支持される回動支持部15と、を有する。
【0020】
検査部材11は、回動支持部15によって、撮影ターゲット部13が筐体5の内部に収容される収容位置P1(
図6参照)と、撮影ターゲット部13が筐体5の外部に配置される検査位置(撮影位置)P2(
図9参照)と、に回動可能に設けられている。実施例における検査部材11は、回動支持部15によって、筐体5の前面5Fに対してY-Z平面に沿って上下方向に回動可能に設けられている。
【0021】
検査部材11は、
図1に示すように、収容位置P1に位置するときに筐体5の外側に向く前面11Fが、筐体5の前面5Fの形状と一致するように前面5Fに沿う形状に形成されている。筐体5の前面5Fには、検査部材11の前面11Fの外形形状と一致する開口部5aが形成されている。これにより、検査部材11が収容位置P1に配置された状態における筐体5の前面5Fの外観を損なわずに美観を確保できる。
【0022】
図2、
図3及び
図4に示すように、撮影ターゲット部13は、撮影部6の第1カメラ12Aの焦点を合わせる撮影対象となる円盤状の凸部13aを有する平板状に形成されている。撮影ターゲット部13は、検査部材11が検査位置P2に回動されたときに、撮影部6の第1カメラ12Aに対して所定の焦点距離に配置されるように形成されている。撮影ターゲット部13は、検査部材11が検査位置P2に回動されたときに、例えば、凸部13aの中心が第1カメラ12Aの光軸上に位置するように形成されている。また、筐体5の内部には、検査部材11が収容位置P1に回動されたときに、撮影ターゲット部13が収容される収容空間20が設けられている。
【0023】
カバー部14は、撮影部6を筐体5の前面5F側から覆うように断面コ字状に形成されており、検査部材11が収容位置P1に位置するときに第1カメラ12A及び第2カメラ12Bがカバー部14によって覆われる。カバー部14は、検査部材11が収容位置P1に位置するときに第1カメラ12A及び第2カメラ12Bの各レンズの光軸が通過する矩形状の開口14aと、開口14aを塞ぐ透過性を有するカバーパネル14bと、を有する。
【0024】
検査部材11がカバー部14を有することにより、検査部材11を検査位置P2に回動させることで撮影部6の内部が露出されるので、検査時に撮影部6を覆うカバー部材等を着脱する作業が不要となり、撮影ターゲット部13の撮影結果に基づいて撮影部6の調節作業等を容易に行うことができる。また、カバー部14が開口14aを有することにより、検査部材11が収容位置P1に位置する状態で撮影部6によって撮影を適正に行うことができる。
【0025】
回動支持部15は、筐体5の前面5Fに形成された支持部16(
図6参照)によって回動可能に支持される回動軸15aを有しており、検査部材11におけるX方向の両側に設けられている。本実施例では、検査部材11の回動軸15aが、筐体5に設けられた支持部16に支持されたが、例えば、回動軸が筐体5に設けられると共に、回動軸を支持する軸穴が検査部材11に形成される構造とされてもよい。
【0026】
また、本実施例では、検査部材11が筐体5の前面5Fに対して回動されるように設けられたが、筐体5の前面5Fに対してスライドされる構造や、回動動作とスライド動作を組み合わせて検査部材11が収容位置P1から検査位置P2に移動されるように構成されてもよい。
【0027】
また、
図3、
図4及び
図5に示すように、検査部材11は、撮影部6の第1カメラ12Aの視野に対して撮影ターゲット部13を所定位置に位置決めする位置決め部17と、検査部材11を収容位置P1に保持するための保持部18と、を有する。
【0028】
位置決め部17は、カバー部14の一部であり、検査部材11が検査位置P2に向かって回動された際にカバー部14の一部が筐体5の前面5Fに接したときに撮影ターゲット部13が所定位置に位置決めされる。実施例における検査部材11は、カバー部14の一部である開口14a近傍の角部が位置決め部17を兼ねるが、カバー部14とは別に位置決め部17が形成されてもよい。本実施例では、カバー部14の一部が位置決め部17を兼ねることで、検査部材11の形状の簡素化が図られている。
【0029】
保持部18は、検査部材11が収容位置P1に回動されたときに筐体5の内側に向く検査部材11の背面11Rに形成されている。保持部18は、筐体5の内部と係合される係合穴18bを有するボス18aと、ボス18aの外周面に連結された複数の補強リブ18cと、を有する。各補強リブ18cは、円筒状のボス18aの周方向に十字状に配置されている。各補強リブ18cは、筐体5の内部の構造体に沿って接するように形成されており、保持部18によって検査部材11を収容位置P1に安定的に保持することができる。一方、筐体5の内部には、検査部材11が収容位置P1に回動されたときに保持部18の係合穴18bに係合する係合ピン19(
図7参照)が設けられている。このように検査部材11が保持部18を有することにより、検査部材11を収容位置P1に保持することができる。なお、係合ピン19は、検査部材11が回動するときに撮影ターゲット部13等に衝突しないように設けられている。
【0030】
(検査部材の動作)
以上のように形成された検査部材11について、撮影部6を検査するときの動作を、図面を参照して説明する。
【0031】
図6は、実施例の取引装置1において検査部材11が収容位置P1に位置する状態を示す縦断面図である。
図7は、実施例の取引装置1において検査部材11が収容位置P1から回動された状態を示す縦断面図である。
図8は、実施例の取引装置1において検査部材11が収容位置P1から更に回動された状態を示す縦断面図である。
図9は、実施例の取引装置1において検査部材11が検査位置P2に位置する状態を示す縦断面図である。
図10は、実施例において、撮影部6が検査部材11の撮影ターゲット部13を撮影する状態を示す斜視図である。
【0032】
図6に示すように、検査部材11が収容位置P1に位置する状態では、カバー部14が撮影部6の第1カメラ12A及び第2カメラ12Bを覆っており、第1カメラ12A及び第2カメラ12Bの各光軸がカバー部14のカバーパネル14bを通して、筐体5の外側(操作パネル部7側)を撮影可能となっている。また、検査部材11が収容位置P1に位置する状態では、撮影ターゲット部13が収容空間20に収容されており、保持部18の係合穴18bと係合ピン19が係合されることで、検査部材11が収容位置P1に保持されている。
【0033】
図7に示すように、検査部材11が回動支持部15の回動軸15aまわりに収容位置P1から回動されることで、保持部18の係合穴18bと係合ピン19との係合状態が解除されて、カバー部14が筐体5の前面5Fの外側に移動される。続いて、
図8に示すように、検査部材11が回動軸15aまわりに更に回動されることで、筐体5の前面5Fの下方にカバー部14が移動すると共に、撮影ターゲット部13が筐体5の前面5Fの外側に移動する。
【0034】
図9及び
図10に示すように、検査位置P2に向かって検査部材11が回動支持部15の回動軸15aまわりに更に回動されることで、カバー部14の一部である位置決め部17が筐体5の前面5Fに接する。これにより、撮影部6の第1カメラ12Aの視野に対して撮影ターゲット部13の凸部13aが所定位置に移動され、検査部材11が検査位置P2に停止される。このとき、筐体5の前面5Fに位置決め部17が接していることで、検査位置P2における検査部材11の姿勢を容易かつ安定的に維持できる。
【0035】
検査部材11が検査位置P2に位置する状態で、撮影部6の第1カメラ12Aによって撮影ターゲット部13の凸部13aを撮影し、第1カメラ12Aによる撮影ターゲット部13の撮影結果に基づいて第1カメラ12Aの焦点距離が適宜調節される。撮影部6の検査の終了後、検査部材11は、検査位置P2から収容位置P1に回動されて、撮影ターゲット部13が筐体5の収容空間20に収容される。
【0036】
なお、検査部材11は、例えば、取引装置1の出荷時の検査工程で用いられるが、取引装置1の出荷後に故障等によって撮影部6を交換した際にも撮影部6を検査するために使用できる。
【0037】
(実施例の効果)
上述したように実施例の取引装置1は、筐体5と、筐体5の前面5Fに配置されて筐体5の外側を撮影する撮影部6と、撮影部6による撮影ターゲット部13の撮影結果に基づいて撮影部6を検査するための検査部材11と、を備える。筐体5には、検査部材11が前面5Fに対して移動可能に設けられている。これにより、筐体5に設けられた検査部材11によって容易に検査を行うことが可能になり、撮影部6の検査作業を簡素化すると共に、検査毎や作業者毎による検査精度にばらつきが生じることを防げる。このため、取引装置1によれば、撮影部6の検査作業を容易に行い、かつ、検査精度を向上することができる。
【0038】
また、実施例の取引装置1の検査部材11は、撮影ターゲット部13が筐体5の内部に収容される収容位置P1と、撮影ターゲット部13が筐体5の外部に配置される検査位置P2と、に回動可能に設けられている。これにより、筐体5に対して検査部材11を回動させることで容易かつ適切に検査作業を行える。
【0039】
また、実施例の取引装置1の検査部材11は、撮影部6を覆うカバー部14を有する。これにより、検査部材11を検査位置P2に回動させることで撮影部6の内部が露出されるので、検査時に撮影部6を覆うカバー部材等を着脱する作業が不要となり、撮影ターゲット部13の撮影結果に基づいて撮影部6の調節作業等を容易に行うことができる。
【0040】
また、実施例の取引装置1の検査部材11は、検査位置P2に回動されたときに筐体5の前面5Fに接することで撮影部6の視野に対して撮影ターゲット部13を位置決めする位置決め部17を有する。これにより、検査部材11を検査位置P2に回動することで、撮影ターゲット部13を撮影部6の視野に対して容易に位置決めすると共に、検査位置P2における検査部材11の姿勢を容易かつ安定的に維持できる。
【0041】
また、実施例の取引装置1の検査部材11は、検査部材11を収容位置P1に保持するための保持部18を有する。これにより、検査部材11を収容位置P1に容易に保持することができる。
【0042】
また、実施例の取引装置1における検査部材11のカバー部14は、撮影部6のレンズの光軸が通過する開口14aを有する。これにより、検査部材11が収容位置P1に位置する状態において撮影部6によって撮影を適正に行うことができる。
【0043】
また、実施例の取引装置1における検査部材11は、収容位置P1に位置するときに筐体5の外側に向く前面11Fが、筐体5の前面5Fに沿う形状に形成されている。筐体5の前面5Fには、検査部材11の前面11Fの外形形状と一致する開口部5aが形成されている。これにより、検査部材11が収容位置P1に配置された状態における筐体5の前面5Fの外観を損なわずに美観を確保できる。