(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2025001627
(43)【公開日】2025-01-08
(54)【発明の名称】作業機
(51)【国際特許分類】
A01B 39/18 20060101AFI20241225BHJP
【FI】
A01B39/18 Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】18
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2024027377
(22)【出願日】2024-02-27
(31)【優先権主張番号】P 2023100973
(32)【優先日】2023-06-20
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(71)【出願人】
【識別番号】000137292
【氏名又は名称】株式会社マキタ
(74)【代理人】
【識別番号】110000110
【氏名又は名称】弁理士法人 快友国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】砂塚 亮
(72)【発明者】
【氏名】杉浦 英明
【テーマコード(参考)】
2B034
【Fターム(参考)】
2B034AA07
2B034BA10
2B034BC04
2B034HA16
2B034HB18
(57)【要約】
【課題】加工しやすい部品を用いて作業部材の取付姿勢を調整することができる技術を提供する。
【解決手段】作業機は、原動機と、原動機の動作により動く出力シャフトと、出力シャフトに着脱可能に取り付けられる第1アジャスト部材と、第1アジャスト部材に着脱可能に取り付けられている作業部材と、を備えている。第1アジャスト部材は、出力シャフトに取り付けられる取付部と、作業部材に取り付けられ、第1アジャスト部材に対する作業部材の取付姿勢を調整可能である調整部と、を備えている。
【選択図】
図15
【特許請求の範囲】
【請求項1】
原動機と、
前記原動機の動作により動く出力シャフトと、
前記出力シャフトに着脱可能に取り付けられる第1アジャスト部材と、
前記第1アジャスト部材に着脱可能に取り付けられている作業部材と、を備えており、
前記第1アジャスト部材は、
前記出力シャフトに取り付けられる取付部と、
前記作業部材に取り付けられ、前記第1アジャスト部材に対する前記作業部材の取付姿勢を調整可能である調整部と、を備えている、作業機。
【請求項2】
前記出力シャフトは、第1シャフト位置決め部を備えており、
前記取付部は、前記出力シャフトが前記取付部に取り付けられているときに前記第1シャフト位置決め部に対して特定の位置に配置される位置決め部を備えている、請求項1に記載の作業機。
【請求項3】
前記出力シャフトは、前記取付部に挿入されており、
前記第1シャフト位置決め部は、前記出力シャフトの外面に配置されており、
前記位置決め部は、前記出力シャフトが前記取付部に挿入されているときに、前記第1シャフト位置決め部に対向して配置される、請求項2に記載の作業機。
【請求項4】
前記第1シャフト位置決め部は、平面形状を有する第1シャフト平面部を備えており、
前記位置決め部は、平面形状を有しており、前記出力シャフトが前記取付部に挿入されているときに前記第1シャフト平面部に対向して当接する第1平面部を備えている、請求項3に記載の作業機。
【請求項5】
前記第1シャフト位置決め部は、平面形状を有している第2シャフト平面部をさらに備えており、
前記位置決め部は、平面形状を有しており、前記出力シャフトが前記取付部に挿入されているときに前記第2シャフト平面部に対向して当接する第2平面部をさらに備えている、請求項4に記載の作業機。
【請求項6】
前記作業部材は、前記出力シャフトの動作により、揺動軸周りを揺動する、請求項1から5のいずれか一項に記載の作業機。
【請求項7】
前記第1アジャスト部材は、前記揺動軸を中心とする円形状を有する外周面を有しており、
前記調整部は、前記第1アジャスト部材の前記外周面の全周の一部分に配置されている、請求項6に記載の作業機。
【請求項8】
前記揺動軸が延びる第1方向に関して、前記調整部の幅は、前記第1アジャスト部材の幅の30%以上かつ70%以下である、請求項6または7に記載の作業機。
【請求項9】
前記調整部と前記作業部材の一方は、前記揺動軸周りに並んで配置されている複数の受入溝を備えており、
前記調整部と前記作業部材の他方は、前記揺動軸周りに並んで配置されている複数の突起を備えており、
前記突起は、前記受入溝に受け入れられ、
前記複数の突起の個数は、前記複数の受入溝の個数よりも少ない、請求項6から8のいずれか一項に記載の作業機。
【請求項10】
前記出力シャフトは、中空形状を有しており、
前記作業部材は、
前記出力シャフトの長手方向の一端に配置されている第1箇所と、
前記出力シャフトの前記長手方向の他端に配置されている第2箇所と、を備えており、
前記作業機は、前記出力シャフトを前記長手方向に貫通するとともに、前記第1箇所と前記第2箇所を挟み込むことにより、前記作業部材を前記出力シャフトに取り付ける締結体をさらに備えており、
前記締結体は、前記出力シャフトに直接取り付けられていない、請求項6から9のいずれか一項に記載の作業機。
【請求項11】
前記締結体は、
前記第1箇所に当接する頭部と、前記出力シャフトを前記長手方向に貫通する胴部と、を備えるボルトと、
前記第2箇所に当接し、前記胴部と螺合するナットと、を備えている、請求項10に記載の作業機。
【請求項12】
前記ナットは、前記第2箇所に着脱不可能に取り付けられている、請求項11に記載の作業機。
【請求項13】
作業機であって、
原動機と、
中空形状を有しており、前記原動機の動作により動作する出力シャフトと、
前記出力シャフトの長手方向の一端に配置されている第1箇所と、前記出力シャフトの前記長手方向の他端に配置されている第2箇所と、を備えており、前記出力シャフトの動作により動作する作業部材と、
前記出力シャフトを前記長手方向に貫通するとともに、前記第1箇所と前記第2箇所を挟み込むことにより前記作業部材を前記出力シャフトに取り付ける締結体と、を備えており、
前記締結体は、前記出力シャフトに直接取り付けられていない、作業機。
【請求項14】
前記締結体は、
前記第1箇所に当接する頭部と、前記出力シャフトを前記長手方向に貫通する胴部と、を備えるボルトと、
前記第2箇所に当接し、前記胴部と螺合するナットと、を備えている、請求項13に記載の作業機。
【請求項15】
前記ナットは、前記第2箇所に着脱不可能に取り付けられている、請求項14に記載の作業機。
【請求項16】
前記作業部材は、前記出力シャフトの動作により、揺動軸周りを揺動する、請求項13から15のいずれか一項に記載の作業機。
【請求項17】
前記出力シャフトに取り付けられている第1中間部材をさらに備えており、
前記第1箇所は、前記第1中間部材を介して前記出力シャフトに取り付けられている、請求項13から16のいずれか一項に記載の作業機。
【請求項18】
前記第1中間部材は、前記第1中間部材に対する前記作業部材の取付姿勢を調整可能である、請求項17に記載の作業機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本明細書で開示する技術は、作業機に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、作業機が開示されている。作業機は、原動機と、原動機の動作により動く出力シャフトと、出力シャフトに着脱可能に取り付けられる中間部材と、中間部材に固定される作業部材と、を備えている。出力シャフトは、出力シャフトに対する中間部材の取付姿勢を調整可能である調整部を備えている。
【0003】
特許文献2には、作業機が開示されている。作業機は、シャフトと、シャフトの長手方向の一端に配置されている第1箇所およびシャフトの長手方向の他端に配置されている第2箇所を備える作業部材と、作業部材の第1箇所とシャフト上の第1ブッシュとの間の挟まれた状態でシャフトの一端に取り付けられており、原動機の動作により揺動する第1揺動部材と、作業部材の第2箇所とシャフト上の第2ブッシュとの間に挟まれた状態でシャフトの他端に取り付けられており、原動機の動作により揺動する第2揺動部材と、シャフトの一端に挿入されており、作業部材の第1箇所をシャフトの一端に取り付ける第1締結体と、シャフトの他端に挿入されており、作業部材の第2箇所をシャフトの他端に取り付ける第2締結体と、を備えている。第1揺動部材と第2揺動部材が揺動すると、作業部材が揺動する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】米国特許出願公開第2013/0098644号明細書
【特許文献2】米国特許第4351396号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上記の特許文献1の作業機では、出力シャフトに調整部が形成されているため、出力シャフトへの調整部の加工が難しい。
【0006】
また、上記の特許文献2の作業機では、作業部材が揺動しているときに作業部材が地面に押し付けられると、作業部材に負荷が加わる。これにより、作業部材の第1箇所が第1揺動部材に対して摺動し、作業部材の第2箇所が第2揺動部材に対して摺動する。このため、作業部材の第1箇所の摺動により、シャフトに取り付けられる第1締結体が緩む。また、作業部材の第2箇所の揺動により、シャフトに取り付けられる第2締結体が緩む。
【0007】
本明細書では、加工しやすい部品を用いて作業部材の取付姿勢を調整することができる技術と作業部材に負荷が加わるときに締結体が緩むことを抑制することができる技術の少なくとも一方を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本明細書は、作業機を開示する。作業機は、原動機と、原動機の動作により動く出力シャフトと、出力シャフトに着脱可能に取り付けられる第1アジャスト部材と、第1アジャスト部材に着脱可能に取り付けられている作業部材と、を備えている。第1アジャスト部材は、出力シャフトに取り付けられる取付部と、作業部材に取り付けられ、第1アジャスト部材に対する作業部材の取付姿勢を調整可能である調整部と、を備えている。
【0009】
上記の構成によれば、出力シャフトと第1アジャスト部材を別々に加工することができる。このため、加工しやすい出力シャフトと第1アジャスト部材を用いて第1アジャスト部材に対する作業部材の取付姿勢を調整することができる。
【0010】
本明細書は、作業機を開示する。作業機は、原動機と、中空形状を有しており、原動機の動作により動作する出力シャフトと、出力シャフトの長手方向の一端に配置されている第1箇所および出力シャフトの長手方向の他端に配置されている第2箇所を備えており、出力シャフトの動作により動作する作業部材と、出力シャフトを長手方向に貫通するとともに、第1箇所と第2箇所を挟み込むことにより作業部材を出力シャフトに取り付ける締結体と、を備えている。締結体は、出力シャフトに直接固定されていない。
【0011】
第1箇所と第2箇所が締結体に挟まれることにより作業部材が出力シャフトに取り付けられており、締結体が出力シャフトに直接取り付けられている構成では、作業部材に負荷が加わるとき、締結体が第1箇所と第2箇所に対して摺動する。これにより、出力シャフトに取り付けられる締結体が緩む。上記の構成によれば、第1箇所と第2箇所が締結体に挟まれることにより、作業部材が出力シャフトに取り付けられている一方で、締結体が出力シャフトに直接取り付けられていない。このため、作業部材に負荷が加わっても、作業部材は、締結体と一体となって動作する。これにより、締結体が緩むことを抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【
図2】第1実施例の作業機2において、後端ユニット8近傍の分解斜視図である。
【
図3】第1実施例の作業機2において、前端ユニット10近傍の斜視図である。
【
図4】第1実施例の作業機2において、前端ユニット10の断面図である。
【
図5】第1実施例の作業機2において、前端右ハウジング42が取り外された状態の側面図である。
【
図6】第1実施例の伝達機構90とブレード86とカウンタウェイト88の分解斜視図である。
【
図7】第1実施例の伝達機構90とブレード86とカウンタウェイト88の分解斜視図である。
【
図8】第1実施例の作業機2において、左カバー46が取り外された状態の側面図である。
【
図9】第1実施例の作業機2において、前端ユニット10の断面図である。
【
図10】第1実施例の作業機2において、前端ユニット10の断面図である。
【
図11】第1実施例の伝達機構90とブレード86とカウンタウェイト88の前面図である。
【
図12】第1実施例の作業機2において、左カバー46が取り外された状態の側面図である。
【
図13】第1実施例の作業機2において、前端右ハウジング42が取り外された状態の側面図である。
【
図14】第1実施例の第1伝達ユニット78と第1出力シャフト82とブレード86とアジャスト部材160の分解斜視図である。
【
図15】第1実施例の第1伝達ユニット78と第1出力シャフト82とブレード86とアジャスト部材160の分解斜視図である。
【
図16】第1実施例の第1出力シャフト82と第1アジャスト部材170の分解斜視図である。
【
図17】第1実施例の第1出力シャフト82とブレード86と第1アジャスト部材170の断面図である。
【
図18】第1実施例の第1出力シャフト82と第1アジャスト部材170の断面図である。
【
図19】第1実施例の第1出力シャフト82と第2アジャスト部材172の分解斜視図である。
【
図20】第1実施例の第1出力シャフト82とブレード86と第2アジャスト部材172の断面図である。
【
図21】第1実施例のブレード86の右取付部120の斜視図である。
【
図22】第1実施例のブレード86の左取付部124の斜視図である。
【
図23】第1実施例の作業機2において、ブレードカバー300がブレード部116に取り付けられている状態での前端ユニット10近傍の斜視図である。
【
図24】第1実施例のブレード86とブレードカバー300において、ブレードカバー300がブレード86に取り付けられている状態の横断面図である。
【
図25】第1実施例のブレード86とブレードカバー300において、ブレードカバー300がブレード86に取り付けられている状態の前断面図である。
【
図26】第1実施例のブレード86とブレードカバー300において、ブレードカバー300がブレード86に取り付けられる前の横断面図である。
【
図27】第1実施例の作業機2において、ブレードカバー300がブレード86に取り付けられる途中での前端ユニット10近傍の前面図である。
【
図28】第1実施例の作業機2において、ブレードカバー300がポール4に取り付けられる前の断面図である。
【
図29】第1実施例の作業機2において、ブレードカバー300がポール4に取り付けられている状態の断面図である。
【
図30】第2実施例の作業機2において、前端ユニット10の断面図である。
【
図31】第2実施例の作業機2において、頭部422とその近傍の拡大断面図である。
【
図32】第2実施例の作業機2において、ナット416とその近傍の拡大断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
本発明の代表的かつ非限定的な具体例について、図面を参照して以下に詳細に説明する。この詳細な説明は、本発明の好ましい例を実施するための詳細を当業者に示すことを単純に意図しており、本発明の範囲を限定することを意図したものではない。また、開示された追加的な特徴ならびに発明は、さらに改善された作業機、その製造方法及び使用方法を提供するために、他の特徴や発明とは別に、又は共に用いることができる。
【0014】
また、以下の詳細な説明で開示される特徴や工程の組み合わせは、最も広い意味において本発明を実施する際に必須のものではなく、特に本発明の代表的な具体例を説明するためにのみ記載されるものである。さらに、以下の代表的な具体例の様々な特徴、ならびに、特許請求の範囲に記載されるものの様々な特徴は、本発明の追加的かつ有用な実施形態を提供するにあたって、ここに記載される具体例のとおりに、あるいは列挙された順番のとおりに組合せなければならないものではない。
【0015】
本明細書及び/又は特許請求の範囲に記載された全ての特徴は、実施例及び/又は特許請求の範囲に記載された特徴の構成とは別に、出願当初の開示ならびに特許請求の範囲に記載された特定事項に対する限定として、個別に、かつ互いに独立して開示されることを意図するものである。さらに、全ての数値範囲及びグループ又は集団に関する記載は、出願当初の開示ならびに特許請求の範囲に記載された特定事項に対する限定として、それらの中間の構成を開示する意図を持ってなされている。
【0016】
本明細書は、作業機を開示する。作業機は、原動機と、原動機の動作により動く出力シャフトと、出力シャフトに着脱可能に取り付けられる第1アジャスト部材と、第1アジャスト部材に着脱可能に取り付けられている作業部材と、を備えている。第1アジャスト部材は、出力シャフトに取り付けられる取付部と、作業部材に取り付けられ、第1アジャスト部材に対する作業部材の取付姿勢を調整可能である調整部と、を備えている。
【0017】
1つまたはそれ以上の実施形態において、出力シャフトは、第1シャフト位置決め部を備えていてもよい。取付部は、出力シャフトが取付部に取り付けられているときに第1シャフト位置決め部に対して特定の位置に配置される位置決め部を備えていてもよい。
【0018】
上記の構成によれば、位置決め部を第1シャフト位置決め部に対して特定の位置に配置する簡素な方法により、取付部を出力シャフトに対して特定の位置に配置することができる。
【0019】
1つまたはそれ以上の実施形態において、出力シャフトは、取付部に挿入されていてもよい。第1シャフト位置決め部は、出力シャフトの外面に配置されていてもよい。位置決め部は、出力シャフトが取付部に挿入されているときに、第1シャフト位置決め部に対向して配置されていてもよい。
【0020】
上記の構成によれば、第1シャフト位置決め部を位置決め部に対向させて出力シャフトを取付部に挿入することにより、取付部を出力シャフトに対して特定の位置に容易に配置することができる。
【0021】
1つまたはそれ以上の実施形態において、第1シャフト位置決め部は、平面形状を有する第1シャフト平面部を備えていてもよい。位置決め部は、平面形状を有しており、出力シャフトが取付部に挿入されているときに第1シャフト平面部に対向して当接する第1平面部を備えていてもよい。
【0022】
上記の構成によれば、第1アジャスト部材に出力シャフトの周りの力が加わるとき、第1平面部が第1シャフト平面部に押し付けられる。これにより、第1アジャスト部材が出力シャフト周りを回転することを抑制することができる。
【0023】
1つまたはそれ以上の実施形態において、第1シャフト位置決め部は、平面形状を有している第2シャフト平面部をさらに備えていてもよい。位置決め部は、平面形状を有しており、出力シャフトが取付部に挿入されているときに第2シャフト平面部に対向して当接する第2平面部をさらに備えていてもよい。
【0024】
上記の構成によれば、第1アジャスト部材に出力シャフトの周りの力が加わるとき、第1平面部が第1シャフト平面部に押し付けられ、第2平面部が第2シャフト平面部に押し付けられる。これにより、第1アジャスト部材が出力シャフト周りを回転することをより抑制することができる。
【0025】
1つまたはそれ以上の実施形態において、作業部材は、出力シャフトの動作により、揺動軸周りを揺動してもよい。
【0026】
上記の構成によれば、作業部材が揺動する構成では、ユーザの作業姿勢に合わせて、第1アジャスト部材に対する作業部材の取付姿勢を調整する必要がある。上記のような作業部材が揺動する構成において、加工しやすい出力シャフトと第1アジャスト部材を用いて第1アジャスト部材に対する作業部材の取付姿勢を調整することができる。
【0027】
1つまたはそれ以上の実施形態において、第1アジャスト部材は、揺動軸を中心とする円形状を有する外周面を有していてもよい。調整部は、第1アジャスト部材の外周面の全周の一部分に配置されていてもよい。
【0028】
調整部が第1アジャスト部材の外周面の全周に配置されている構成では、作業部材を第1アジャスト部材に対してある位置に取り付けるとき、作業部材が、作業時に作業機の構成要素、例えば、ハウジングに当接することがある。上記の構成によれば、調整部が第1アジャスト部材の外周面の全周の一部分に配置されているため、作業部材が作業時に作業機の構成要素、例えば、ハウジングに当接することを抑制することができる。
【0029】
1つまたはそれ以上の実施形態において、揺動軸が延びる第1方向に関して、調整部の幅は、第1アジャスト部材の幅の30%以上かつ70%以下であってもよい。
【0030】
上記の構成によれば、調整部の強度と第1アジャスト部材全体の強度の両方が低下しすぎることを抑制することができる。
【0031】
1つまたはそれ以上の実施形態において、調整部と作業部材の一方は、揺動軸周りに並んで配置されている複数の受入溝を備えていてもよい。調整部と作業部材の他方は、揺動軸周りに並んで配置されている複数の突起を備えていてもよい。突起は、受入溝に受け入れられてもよい。複数の突起の個数は、複数の受入溝の個数よりも少なくてもよい。
【0032】
上記の構成によれば、複数の受入溝に対する複数の突起の配置を変更することにより、第1アジャスト部材に対する作業部材の取付姿勢を容易に調整することができる。
【0033】
1つまたはそれ以上の実施形態において、締結体は、第1箇所に当接する頭部および出力シャフトを長手方向に貫通する胴部を備えるボルトと、第2箇所に当接し、胴部と螺合するナットと、を備えていてもよい。
【0034】
上記の構成によれば、締結体の簡素な構成により、締結体が緩むことを抑制することができる。
【0035】
1つまたはそれ以上の実施形態において、ナットは、第2箇所に着脱不可能に取り付けられていてもよい。
【0036】
上記の構成によれば、作業部材に負荷が加わっても、作業部材が、締結体と一体となって動作し易い。これにより、締結体が緩むことをより抑制することができる。
【0037】
本明細書は、作業機を開示する。作業機は、原動機と、中空形状を有しており、原動機の動作により動作する出力シャフトと、出力シャフトの長手方向の一端に配置されている第1箇所および出力シャフトの長手方向の他端に配置されている第2箇所を備えており、出力シャフトの動作により動作する作業部材と、出力シャフトを長手方向に貫通するとともに、第1箇所と第2箇所を挟み込むことにより作業部材を出力シャフトに取り付ける締結体と、を備えている。締結体は、出力シャフトに直接取り付けられていない。
【0038】
1つまたはそれ以上の実施形態において、締結体は、第1箇所に当接する頭部および出力シャフトを長手方向に貫通する胴部を備えるボルトと、第2箇所に当接し、胴部と螺合するナットと、を備えていてもよい。
【0039】
上記の構成によれば、締結体の簡素な構成により、締結体が緩むことを抑制することができる。
【0040】
1つまたはそれ以上の実施形態において、ナットは、第2箇所に着脱不可能に取り付けられていてもよい。
【0041】
上記の構成によれば、作業部材に負荷が加わっても、作業部材が、締結体と一体となって動作し易い。これにより、締結体が緩むことをより抑制することができる。
【0042】
1つまたはそれ以上の実施形態において、作業部材は、出力シャフトの動作により、揺動軸周りを揺動してもよい。
【0043】
例えば、作業部材が回転する構成では、作業部材が地面等に当たるとき、作業部材の回転方向における負荷が作業部材に加わる。これに対して、作業部材が揺動する構成では、作業部材が地面等に当たるとき、作業部材の第1揺動方向における負荷と、第1揺動方向と反対の第2揺動方向における負荷が作業部材に交互に加わる。このため、作業部材が揺動する構成では、作業部材が回転する構成と比較して、締結体が緩み易い。上記の構成によれば、締結体が緩み易い構成において、締結体が緩むことを抑制することができる。
【0044】
1つまたはそれ以上の実施形態において、作業機は、出力シャフトに取り付けられている第1中間部材をさらに備えていてもよい。第1箇所は、第1中間部材を介して出力シャフトに取り付けられていてもよい。
【0045】
上記の構成では、出力シャフトに対する第1中間部材のガタツキが発生し、第1中間部材に対する第1箇所のガタツキが発生することがある。締結体が出力シャフトに直接取り付けられている構成では、作業部材に負荷が加わるときに、出力シャフトに対する第1中間部材のガタツキと第1中間部材に対する第1箇所のガタツキにより、締結体が第1箇所に対して摺動する。これにより、締結体が緩みやすい。これに対して、上記の構成によれば、締結体が出力シャフトに直接取り付けられていないため、作業部材に負荷が加わっても、出力シャフトに対する第1中間部材のガタツキと第1中間部材に対する第1箇所のガタツキにより、締結体が第1箇所に対して摺動することを抑制することができる。これにより、締結体が緩むことを抑制することができる。
【0046】
1つまたはそれ以上の実施形態において、第1中間部材は、第1中間部材に対する作業部材の取付姿勢を調整可能であってもよい。
【0047】
第1中間部材が第1中間部材に対する作業部材の取付姿勢を調整可能である構成では、第1中間部材に対する第1箇所のガタツキが発生し易い。上記の構成によれば、第1中間部材に対する第1箇所のガタツキが発生し易い構成において、締結体が緩むことを抑制することができる。
【0048】
(第1実施例)
図1に示すように、作業機2は、ポール式の作業機である。作業機2は、地面の土を掘り起こして草を取り除く草堀機である。作業機2は、ポール4と、ループハンドル6と、後端ユニット8と、前端ユニット10と、を備えている。ユーザは、一方の手でループハンドル6を把持し、他方の手で後端ユニット8を把持して、作業機2を取り回す。
【0049】
ポール4は、細長い棹形状を有する。ポール4は、第1ポール12と、第2ポール14と、を備えている。第1ポール12は、第2ポール14に着脱可能に取り付けられている。ループハンドル6は、第1ポール12に固定されている。以下では、ポール4が延びる方向を前後方向と呼び、前後方向に直交する方向を左右方向と呼び、前後方向と左右方向に直交する方向を上下方向と呼ぶ。
【0050】
後端ユニット8は、ポール4の後端近傍に固定されている。
図2に示すように、後端ユニット8は、後端ハウジング16と、モータハウジング18と、モータ20と、トリガ22と、シャークフィン24と、バッテリパックBPと、を備えている。
【0051】
後端ハウジング16は、後端ハウジング16の右半面の外形形状を規定する後端右ハウジング28と、後端ハウジング16の左半面の外形形状を規定する後端左ハウジング30と、を備えている。後端ハウジング16は、モータ収容部32と、把持部34と、スイッチ収容部36と、を備えている。
【0052】
モータ収容部32の後面には、バッテリパックBPが着脱可能に取り付けられている。バッテリパックBPは、再充電可能な二次電池、例えば、リチウムイオンバッテリを備えている。把持部34は、作業機2による作業時にユーザにより把持される。
【0053】
モータハウジング18とモータ20は、モータ収容部32の内部に配置されている。モータ20は、モータハウジング18の内部に配置されている。
図2では、モータ20が破線により図示されている。モータ20は、原動機の一例である。モータ20は、例えば、ブラシレスモータである。モータ20が回転すると、伝達シャフト38が前後方向に延びる軸を中心に回転する。
図2では、伝達シャフト38が破線により図示されている。伝達シャフト38は、ポール4の内部でポール4に回転可能に支持されている。
【0054】
トリガ22は、スイッチ収容部36の下部に押し込み可能に取り付けられている。シャークフィン24は、把持部34の上部に押し込み可能に取り付けられている。シャークフィン24が押し込まれると、トリガ22が押し込み可能となる。シャークフィン24が把持部34を把持したユーザの手の平で押し込まれた状態で、トリガ22が把持部34を把持したユーザの手の指で押し込まれると、モータ20が回転する。
【0055】
図3に示すように、前端ユニット10は、ポール4の前端に固定されている。前端ユニット10は、ブレードユニットの一例である。前端ユニット10は、前端ハウジング40を備えている。前端ハウジング40は、前端右ハウジング42と、前端左ハウジング44と、左カバー46と、を備えている。前端右ハウジング42は、前端ハウジング40の右部分の外形形状を規定する。前端左ハウジング44と左カバー46は、前端ハウジング40の左部分の外形形状を規定する。
【0056】
前端左ハウジング44は、メイン部48と、サブ部50と、を備えている。メイン部48は、前端右ハウジング42に固定されている。ポール4は、メイン部48と前端右ハウジング42との間に挟まれている。
図4に示すように、メイン部48と前端右ハウジング42は、右収容空間52を画定している。メイン部48は、隔壁54を備えており、サブ部50は、隔壁54から左方向に突出している。サブ部50は、左カバー46に固定されている。サブ部50と左カバー46と隔壁54は、ロッド収容空間56を画定している。隔壁54は、前端ハウジング40の内部空間を右収容空間52とロッド収容空間56を分ける。
【0057】
前端ハウジング40は、ウォームカバー58をさらに備えている。ウォームカバー58は、隔壁54の右側から隔壁54に固定されている。ウォームカバー58は、隔壁54の一部分を覆っている。ウォームカバー58は、右収容空間52を、ウォーム収容空間60とウェイト収容空間62に分ける。ウォーム収容空間60は、隔壁54とウォームカバー58の内面により画定される。ウェイト収容空間62は、前端右ハウジング42とメイン部48とウォームカバー58の外面により画定される。
【0058】
前端ユニット10は、ウォーム64と、ウォームホイール66と、回転シャフト68と、をさらに備えている。ウォーム64とウォームホイール66は、ウォーム収容空間60に配置されている。
図5に示すように、ウォーム64は、伝達シャフト38の前端の外周面に固定されている。伝達シャフト38は、ベアリング69a、69bにより前端ハウジング40に回転可能に支持されており、ウォーム64は、ベアリング69a、69bの間に配置されている。ウォームホイール66は、ウォーム64と噛み合っている。ウォーム64が伝達シャフト38とともに前後方向に延びる軸を中心にして回転すると、ウォームホイール66は、左右方向に延びる回転軸AX1を中心にして回転する。ウォームホイール66の回転数は、ウォーム64の回転数よりも少ない。このため、ウォーム64とウォームホイール66は、減速機構として機能する。
【0059】
図4に示すように、回転シャフト68は、ウォームホイール66に挿入されている。回転シャフト68は、前端ハウジング40の内部に配置されている。回転シャフト68は、ベアリング70を介して前端右ハウジング42に回転可能に支持されている。また、回転シャフト68は、ベアリング72を介して隔壁54に回転可能に支持されている。回転シャフト68は、ウォームホイール66とともに回転軸AX1を中心にして回転する。回転シャフト68は、ウォームカバー58の開口と隔壁54の開口に挿入されている。回転シャフト68の左端近傍は、ロッド収容空間56に配置されている。
【0060】
図6および
図7に示すように、前端ユニット10は、ディスク76と、第1伝達ユニット78と、第2伝達ユニット80と、第1出力シャフト82と、第2出力シャフト84と、ブレード86と、カウンタウェイト88と、を備えている。
図8に示すように、ディスク76(
図4参照)と第1伝達ユニット78と第2伝達ユニット80は、ロッド収容空間56に配置されている。以下では、回転シャフト68と、ディスク76と、第1伝達ユニット78と、第2伝達ユニット80をまとめて伝達機構90と呼ぶことがある。また、回転シャフト68とディスク76をまとめて回転部材91と呼ぶことがある。
【0061】
図6および
図7に示すように、ディスク76は、ディスク76を左右方向に貫通するシャフト挿入孔92を有する。回転シャフト68の左端は、シャフト挿入孔92に挿入されている。ディスク76は、一対の固定プレート93a、93bとの間に挟まれている。これにより、ディスク76は、回転シャフト68の左端に固定される。ディスク76は、回転シャフト68とともに回転軸AX1を中心にして回転する。
【0062】
ディスク76は、中央プレート部94と、右ディスク部96と、左ディスク部98と、を備えている。中央プレート部94は、円板形状を有する。右ディスク部96は、中央プレート部94の右面に配置されている。左ディスク部98は、中央プレート部94の左面に配置されている。ディスク76を回転軸AX1に沿って見たとき、左ディスク部98は、右ディスク部96と少なくとも部分的に重なり合っている。右ディスク部96の外周面と左ディスク部98の外周面は、円形状を有する。右ディスク部96の外周面の中心軸と左ディスク部98の外周面の中心軸は、シャフト挿入孔92の中心軸、即ち、回転軸AX1からオフセットしている。シャフト挿入孔92の中心軸の周りにおいて、右ディスク部96の外周面の中心軸は、0度の位置に配置されており、左ディスク部98の外周面の中心軸は、180度の位置に配置されている。中央プレート部94が回転すると、右ディスク部96と左ディスク部98は、回転軸AX1周りを回転する。右ディスク部96の回転周期の位相は、左ディスク部98の回転周期の位相と180度ずれている。
【0063】
第1伝達ユニット78は、右ディスク部96に取り付けられている。第1伝達ユニット78は、第1出力シャフト82を介して、ブレード86に取り付けられている。第1伝達ユニット78は、第1ロッド100と、第1接続スピンドル102と、第2ロッド104と、を備えている。
【0064】
第1ロッド100は、第1取付部106と、第1アーム部108と、を備えている。第1取付部106は、第1取付部106を左右方向に貫通する第1ディスク挿入孔110を有する。右ディスク部96は、ベアリングを介して第1ディスク挿入孔110に挿入される。第1取付部106は、中央プレート部94と固定プレート93aとの間に配置されている。伝達機構90を回転軸AX1に沿って見たとき、第1取付部106は、中央プレート部94と少なくとも部分的に重なり合っている。第1アーム部108は、第1取付部106から突出している。
【0065】
第1接続スピンドル102は、第1アーム部108の先端に挿入されている。第1接続スピンドル102は、第2ロッド104の一端に挿入されている。第1接続スピンドル102は、左右方向に延びている。
【0066】
第2ロッド104の一端は、第1接続スピンドル102を介して第1アーム部108に取り付けられている。第2ロッド104は、第1ロッド100に対して可動する(回動)ように第1アーム部108に取り付けられている。第1伝達ユニット78を回転軸AX1に沿って見たとき、第1アーム部108は、第2ロッド104と少なくとも部分的に重なり合っている。
【0067】
第1出力シャフト82は、第2ロッド104の他端に挿入されている。第1出力シャフト82は、第2ロッド104の他端に固定されている。第1出力シャフト82は、第2ロッド104の他端とブレード86を接続している。第1出力シャフト82は、左右方向に延びている。第1出力シャフト82の中心軸AX2は、左右方向に延びている。中心軸AX2は、回転軸AX1よりも前側に配置されている。
図9に示すように、中心軸AX2は、回転軸AX1と略平行である。第1出力シャフト82は、ベアリング112a、112bを介して、前端ハウジング40に回動可能に支持されている。第1出力シャフト82の両端は、前端ハウジング40の外部に配置されている。
【0068】
ブレード86は、第1出力シャフト82に取り付けられている。ブレード86は、第1出力シャフト82とともに動く。ブレード86は、作業部材の一例である。ブレード86は、例えば、金属材料からなる。ブレード86は、前端ハウジング40の外部に配置されている。なお、変形例では、ブレード86の一部が前端ハウジング40の外部に配置されていてもよい。ブレード86は、第1出力シャフト82を介して前端ハウジング40に支持されている。
図6および
図7に示すように、ブレード86は、ブレード部116と、右接続部118と、右取付部120と、左接続部122と、左取付部124と、を備えている。
【0069】
ブレード部116は、左右方向と前後に延びる略平板形状を有する。ブレード部116は、左右方向に長手方向を有する。ブレード部116の前端と後端のそれぞれには、複数の刃先116aが形成されている。複数の刃先116aは、ブレード部116の前端と後端のそれぞれにおいて、左右方向に並んで配置されている。
【0070】
右接続部118の一端は、ブレード部116の右端に接続されている。右接続部118は、ブレード部116の右端から上方向に延びた後、屈曲して左方向に延び、さらに屈曲して上方向に延びている。右取付部120は、右接続部118の他端に接続されている。
図9に示すように、右取付部120と右接続部118の他端は、ボルト126により第1出力シャフト82の右端に取り付けられる。以下では、右取付部120と右接続部118の他端を、第1箇所128と呼ぶことがある。第1箇所128は、第1出力シャフト82を介して前端ハウジング40に支持されている。第1箇所128は、中心軸AX2上に配置されている。
【0071】
図6および
図7に示すように、左接続部122の一端は、ブレード部116の左端に接続されている。左接続部122は、ブレード部116の左端から上方向に延びた後、屈曲して右方向に延び、さらに屈曲して上方向に延びている。左取付部124は、左接続部122の他端に接続されている。
図9に示すように、左取付部124と左接続部122の他端は、ボルト130により第1出力シャフト82の左端に取り付けられる。以下では、左取付部124と左接続部122の他端を、第2箇所132と呼ぶことがある。第2箇所132は、第1出力シャフト82を介して前端ハウジング40に支持されている。第2箇所132は、中心軸AX2上に配置されている。
【0072】
図6および
図7に示すように、第2伝達ユニット80は、左ディスク部98に取り付けられている。第2伝達ユニット80は、第2出力シャフト84を介してカウンタウェイト88に取り付けられている。第2伝達ユニット80は、第3ロッド136と、第2接続スピンドル138と、第4ロッド140と、を備えている。
【0073】
第3ロッド136の形状は、第1ロッド100の形状と略同一である。第3ロッド136は、第3取付部142と、第3アーム部144と、を備えている。第3取付部142は、第3取付部142を左右方向に貫通する第3ディスク挿入孔146を有する。左ディスク部98は、ベアリングを介して第3ディスク挿入孔146に挿入される。第3取付部142は、中央プレート部94と固定プレート93bとの間に配置されている。伝達機構90を回転軸AX1に沿って見たとき、第3取付部142は、中央プレート部94と第1取付部106のそれぞれと少なくとも部分的に重なり合っている。第3アーム部144の長さは、第1アーム部108の長さと略同一である。
【0074】
第2接続スピンドル138の形状は、第1接続スピンドル102の形状と略同一である。第2接続スピンドル138は、第3アーム部144の先端に挿入されている。第2接続スピンドル138は、第4ロッド140の一端に挿入されている。第2接続スピンドル138は、左右方向に延びている。
【0075】
第4ロッド140の形状は、第2ロッド104の形状と略同一である。このため、第4ロッド140の長さは、第2ロッド104の長さと略同一である。第4ロッド140の一端は、第2接続スピンドル138を介して第3アーム部144に取り付けられている。第4ロッド140は、第3ロッド136に対して可動する(回動する)ように第3アーム部144に取り付けられている。第2伝達ユニット80を左右方向に沿って見たとき、第3アーム部144は、第4ロッド140と少なくとも部分的に重なり合っている。
【0076】
図10に示すように、第2出力シャフト84は、第4ロッド140の他端に挿入されている。第2出力シャフト84は、第4ロッド140の他端に固定されている。第2出力シャフト84は、第4ロッド140の他端とカウンタウェイト88を接続している。第2出力シャフト84は、左右方向に延びている。第2出力シャフト84の中心軸AX3は、左右方向に延びている。
図5に示すように、中心軸AX3は、回転軸AX1と中心軸AX2よりも前側に配置されている。中心軸AX3は、回転軸AX1と中心軸AX2のそれぞれと略平行である。回転軸AX1と中心軸AX3との距離は、回転軸AX1と中心軸AX2との距離と略同一である。
図10に示すように、第2出力シャフト84は、ベアリング148a、148bを介して、前端ハウジング40に回動可能に支持されている。第2出力シャフト84は、前端ハウジング40の内部に配置されている。
【0077】
カウンタウェイト88は、第2出力シャフト84に固定されている。カウンタウェイト88は、例えば、金属材料からなる。カウンタウェイト88は、略T字形状を有する。カウンタウェイト88の重量は、ブレード86の重量よりも大きい。カウンタウェイト88は、第2出力シャフト84から延びる第1延在部152と、第1延在部152の先端から左方向と右方向に延びる第2延在部154と、を備えている。
図5に示すように、中心軸AX3と第2延在部154との距離は、中心軸AX2とブレード86のブレード部116との距離よりも短い。
図11に示すように、左右方向に関して、カウンタウェイト88は、ブレード86の第1箇所128と第2箇所132との間に配置されている。左右方向に関して、カウンタウェイト88の左右方向の中心の位置は、ブレード86の左右方向の中心の位置と略同一である。
【0078】
図8および
図12に示すように、回転シャフト68が回転軸AX1を中心にして回転すると、ディスク76が回転軸AX1を中心にして回転する。これにより、右ディスク部96(
図7参照)と左ディスク部98(
図7参照)が回転軸AX1周りを回転する。右ディスク部96の回転に伴い、第1アーム部108が動き、第1接続スピンドル102が、第1位置(
図8参照)と第2位置(
図12参照)との間を往復運動する。これにより、第2ロッド104は、中心軸AX2を中心にして揺動し、第1出力シャフト82は、中心軸AX2を中心にして回動する。第1出力シャフト82は、第1接続スピンドル102が第1位置から第2位置に移動するときには中心軸AX2周りを第1方向D1(
図8参照)に移動し、第1接続スピンドル102が第2位置から第1位置に移動するときには、中心軸AX2周りを第2方向D2(
図12参照)に移動する。第1方向D1は、第2方向D2と反対の方向である。この結果、ブレード86は、中心軸AX2を中心にして揺動する。中心軸AX2は、ブレード86の揺動軸に対応する。ブレード86が揺動している状態でブレード86が地面に接触すると、ブレード86により、地面の土が掘り起こされる。これにより、地面から生える草が地面から取り除かれる。
【0079】
また、左ディスク部98の回転に伴い、第3アーム部144が動き、第2接続スピンドル138が、第3位置(
図8参照)と第4位置(
図12参照)との間を往復運動する。これにより、第4ロッド140は、中心軸AX3を中心にして揺動し、第2出力シャフト84は、中心軸AX3を中心にして回動する。第2出力シャフト84の回動速度は、第1出力シャフト82の回動速度と略同一である。第2出力シャフト84は、第2接続スピンドル138が第3位置から第4位置に移動するときには中心軸AX3周りを第3方向D3(
図8参照)に移動し、第2接続スピンドル138が第4位置から第3位置に移動するときには中心軸AX3周りを第4方向D4(
図12参照)に移動する。第3方向D3は、第1方向D1と反対の方向である。第4方向D4は、第3方向D3と第2方向D2のそれぞれと反対の方向である。
図5および
図13に示すように、カウンタウェイト88は、中心軸AX3を中心にして揺動する。中心軸AX3は、カウンタウェイト88の揺動軸に対応する。前端ユニット10を右側から見たとき、ブレード86が時計回りの方向(第1方向D1)に揺動するとき、カウンタウェイト88は、反時計回りの方向(第3方向D3)に揺動する。また、ブレード86が反時計回りの方向(第2方向D2)に揺動するとき、カウンタウェイト88は、時計回りの方向(第4方向D4)に揺動する。即ち、ブレード86がカウンタウェイト88に近づくように揺動したとき、カウンタウェイト88は、ブレード86に近づくように揺動し、ブレード86がカウンタウェイト88から離れるように揺動したとき、カウンタウェイト88は、ブレード86から離れるように揺動する。このため、ブレード86の揺動に起因する前端ハウジング40の振動がカウンタウェイト88の揺動に起因する前端ハウジング40の振動により相殺される。
【0080】
本実施例では、ブレード86は、前端ハウジング40に対するブレード86の取付姿勢が調整可能となるように第1出力シャフト82に取り付けられている。
図14および
図15に示すように、前端ユニット10は、2個のアジャスト部材160を備えている。アジャスト部材160は、第1出力シャフト82に着脱可能に取り付けられる。アジャスト部材160は、例えば、金属材料からなる。変形例では、アジャスト部材160は、樹脂材料からなっていてもよい。以下では、一方のアジャスト部材160を第1アジャスト部材170と呼び、他方のアジャスト部材160を第2アジャスト部材172と呼ぶことがある。なお、第1アジャスト部材170の形状は、第2アジャスト部材172の形状と略同一である。
【0081】
図16に示すように、アジャスト部材160は、基部174と、取付部176と、調整部178と、を備えている。基部174は、略円板形状を有する。基部174は、外周面174aと、第1側面174bと、第2側面174cと、を備えている。外周面174aは、円形状を有する。外周面174aの円中心174dは、中心軸AX2上に配置されている。外周面174aは、第1側面174bの周縁と第2側面174cの周縁を接続している。第1側面174bは、第2側面174cと反対側の面である。
【0082】
取付部176は、貫通孔である。取付部176の断面は、略円形状を有しており、円の複数箇所が直線である形状を有している。取付部176は、基部174を第1側面174bから第2側面174cまで左右方向に貫通している。
図17に示すように、取付部176の断面の中心は、基部174の外周面174aの円中心174d上に、即ち中心軸AX2上に配置されている。取付部176は、円弧部179と、位置決め部180と、を備えている。
【0083】
円弧部179は、第1円弧部182と、第2円弧部184と、第3円弧部186と、を備えている。第1円弧部182と第2円弧部184と第3円弧部186は、互いに離れて配置されている。第1円弧部182と第2円弧部184と第3円弧部186は、同一の円中心174dを有する。の第1円弧部182の長さは、第2円弧部184の長さと、第3円弧部186の長さのそれぞれよりも長い。第2円弧部184の長さは、第3円弧部186の長さと略同一である。
【0084】
位置決め部180は、第1平面部190と、第2平面部192と、第3平面部194と、を備えている。第1平面部190と第2平面部192と第3平面部194は、平面形状を有する。第1平面部190は、第1円弧部182の一端と第2円弧部184の一端に接続されている。第2平面部192は、第2円弧部184の他端と第3円弧部186の一端に接続されている。第3平面部194は、第3円弧部186の他端と第1円弧部182の他端に接続されている。
【0085】
第1平面部190と第2平面部192と第3平面部194は、互いに離れて配置されている。円中心174d周りにおいて、第1平面部190と第2平面部192との間の角度(90度)は、第2平面部192と第3平面部194との間の角度(90度)と略同一である。第1平面部190は、第3平面部194と略平行である。第2平面部192は、第1平面部190と第3平面部194のそれぞれに対して90度傾いている。円中心174d周りの第1平面部190の長さは、円中心174d周りの第2平面部192の長さと、円中心174d周りの第3平面部194の長さのそれぞれと略同一である。
【0086】
図16に示すように、調整部178は、基部174の外周面174aに配置されている。調整部178は、複数(本実施例では7個)の受入溝198を備えている。受入溝198の断面は、略台形形状を有する。受入溝198は、基部174の外周面174aから円中心174dに向かって基部174の半径方向内側に凹んでいる。受入溝198は、基部174の第1側面174bに接続されている。受入溝198は、基部174の第2側面174cに接続されていない。
【0087】
複数の受入溝198は、中心軸AX2周りに等間隔に並んで配置されている。隣接する受入溝198は離れている。複数の受入溝198は、中心軸AX2周りにおいて、基部174の外周面174aの全周の一部分に配置されている。複数の受入溝198は、中心軸AX2周りにおいて、複数の受入溝198のうちの両端に位置する受入溝198の間隔は、160度である。
【0088】
図18に示すように、中心軸AX2が延びる方向(左右方向)に関して、受入溝198の幅W1は、第1側面174bと第2側面174cとの距離、即ち、基部174の幅W2よりも小さい。幅W1は、幅W2の30%以上、かつ70%以下である。これにより、隣接する受入溝198の間の突起の強度とアジャスト部材160全体の強度の両方が低下しすぎることを抑制することができる。幅W1は、幅W2の40%以上、かつ60%以下であってもよい。これにより、隣接する受入溝198の間の突起の強度とアジャスト部材160全体の強度の両方が低下しすぎることをより抑制することができる。本実施例では、幅W1は、幅W2の50%である。
【0089】
図16および
図19に示すように、第1出力シャフト82は、中央部202と、右プレート取付部204と、左プレート取付部206と、を備えている。
図16に示すように、右プレート取付部204は、中央部202の右側に配置されている。右プレート取付部204は、第1出力シャフト82の右端近傍に位置する。右プレート取付部204は、第1アジャスト部材170の取付部176に挿入されている。右プレート取付部204の外面の断面は、略円形状を有しており、円の一部分が直線である形状を有している。右プレート取付部204の外面の直径は、中央部202の外面の直径よりも小さい。このため、右プレート取付部204と中央部202との境界には、右段差部208が形成されている。右プレート取付部204の断面形状は、アジャスト部材160の取付部176の断面形状に対応する形状を有する。右プレート取付部204は、右シャフト円弧部212と、右シャフト位置決め部214と、を備えている。
【0090】
図17に示すように、右シャフト円弧部212は、第1右シャフト円弧部216と、第2右シャフト円弧部218と、第3右シャフト円弧部220と、を備えている。第1右シャフト円弧部216と第2右シャフト円弧部218と第3右シャフト円弧部220は、互いに離れて配置されている。第1右シャフト円弧部216の長さは、第1円弧部182の長さと略同一である。第2右シャフト円弧部218の長さは、第2円弧部184の長さと略同一である。第3右シャフト円弧部220の長さは、第3円弧部186の長さと略同一である。
【0091】
右シャフト位置決め部214は、第1右シャフト平面部222と、第2右シャフト平面部224と、第3右シャフト平面部226と、を備えている。第1右シャフト平面部222と第2右シャフト平面部224と第3右シャフト平面部226は、平面形状を有する。第1右シャフト平面部222は、第1右シャフト円弧部216の一端と第2右シャフト円弧部218の一端に接続されている。第2右シャフト平面部224は、第2右シャフト円弧部218の他端と第3右シャフト円弧部220の一端に接続されている。第3右シャフト平面部226は、第3右シャフト円弧部220の他端と第1右シャフト円弧部216の他端に接続されている。
【0092】
第1右シャフト平面部222と第2右シャフト平面部224との間の角度は、第1平面部190と第2平面部192との間の角度と略同一である。第2右シャフト平面部224と第3右シャフト平面部226との間の角度は、第2平面部192と第3平面部194との間の角度と略同一である。第1右シャフト平面部222は、第3右シャフト平面部226と略平行である。第2右シャフト平面部224は、第1右シャフト平面部222と第3右シャフト平面部226のそれぞれに対して90度傾いている。中心軸AX2周りの第1右シャフト平面部222の長さは、円中心174d周りの第1平面部190の長さと略同一である。中心軸AX2周りの第2右シャフト平面部224の長さは、円中心174d周りの第2平面部192の長さと略同一である。中心軸AX2周りの第3右シャフト平面部226の長さは、円中心174d周りの第3平面部194の長さと略同一である。
【0093】
右プレート取付部204が第1アジャスト部材170の取付部176に挿入されているとき、第1右シャフト円弧部216は、第1円弧部182と対向して配置されている。第2右シャフト円弧部218は、第2円弧部184と対向して配置されている。第3右シャフト円弧部220は、第3円弧部186と対向して配置されている。第1右シャフト平面部222は、第1平面部190と対向して配置されている。第2右シャフト平面部224は、第2平面部192と対向して配置されている。第3右シャフト平面部226は、第3平面部194と対向して配置されている。右シャフト位置決め部214が位置決め部180に対して特定の位置に配置されることにより、第1アジャスト部材170は、右プレート取付部204に対して特定の姿勢で取り付けられる。また、右プレート取付部204に対する第1アジャスト部材170の誤組付を抑制することができる。
【0094】
また、第1右シャフト平面部222は、第1平面部190と当接している。第2右シャフト平面部224は、第2平面部192と当接している。第3右シャフト平面部226は、第3平面部194と当接している。第1アジャスト部材170または右プレート取付部204に中心軸AX2周りの力が加わるとき、第1右シャフト平面部222が第1平面部190に押し付けられ、第2右シャフト平面部224が第2平面部192に押し付けられ、第3右シャフト平面部226が第3平面部194に押し付けられる。これにより、第1アジャスト部材170が右プレート取付部204に対して中心軸AX2周りに回転することが抑制される。
【0095】
図19に示すように、左プレート取付部206は、中央部202の左側に配置されている。左プレート取付部206は、第1出力シャフト82の左端近傍に位置する。左プレート取付部206は、第2アジャスト部材172の取付部176に挿入されている。左プレート取付部206の外面の断面は、略円形状を有しており、円の一部分が直線である形状を有している。左プレート取付部206の外面の直径は、中央部202の外面の直径よりも小さい。このため、左プレート取付部206と中央部202との境界には、左段差部230が形成されている。左プレート取付部206の断面形状は、アジャスト部材160の取付部176の断面形状に対応する形状を有する。また、左プレート取付部206の断面形状は、右プレート取付部204の断面形状と、中心軸AX2に直交する平面に対して面対称である。即ち、左プレート取付部206は、左シャフト円弧部232と、左シャフト位置決め部234と、を備えている。また、
図20に示すように、左シャフト円弧部232は、第1左シャフト円弧部236と、第2左シャフト円弧部238と、第3左シャフト円弧部240と、を備えている。さらに、左シャフト位置決め部234は、第1左シャフト平面部242と、第2左シャフト平面部244と、第3左シャフト平面部246と、を備えている。
【0096】
左プレート取付部206が第2アジャスト部材172の取付部176に挿入されているとき、第1左シャフト円弧部236は、第1円弧部182と対向して配置されている。第2左シャフト円弧部238は、第2円弧部184と対向して配置されている。第3左シャフト円弧部240は、第3円弧部186と対向して配置されている。第1左シャフト平面部242は、第1平面部190と対向して配置されている。第2左シャフト平面部244は、第2平面部192と対向して配置されている。第3左シャフト平面部246は、第3平面部194と対向して配置されている。左シャフト位置決め部234が位置決め部180に対して特定の位置に配置されることにより、第2アジャスト部材172は、左プレート取付部206に対して特定の姿勢で取り付けられる。また、左プレート取付部206に対する第2アジャスト部材172の誤組付を抑制することができる。
【0097】
また、第1左シャフト平面部242は、第1平面部190と当接している。第2左シャフト平面部244は、第2平面部192と当接している。第3左シャフト平面部246は、第3平面部194と当接している。第2アジャスト部材172または左プレート取付部206に中心軸AX2周りの力が加わるとき、第1平面部190が第1左シャフト平面部242に押し付けられ、第2平面部192が第2左シャフト平面部244に押し付けられ、第3平面部194が第3左シャフト平面部246に押し付けられる。これにより、第2アジャスト部材172が左プレート取付部206に対して中心軸AX2周りに回転することが抑制される。
【0098】
また、左プレート取付部206の断面形状は、右プレート取付部204の断面形状と、中心軸AX2に直交する平面に対して面対称である。このため、第1出力シャフト82に対する第1アジャスト部材170の取付姿勢は、第1出力シャフト82に対する第2アジャスト部材172の取付姿勢と略同一である。
【0099】
図21に示すように、ブレード86の右取付部120は、右円板部250と、右周壁部252と、複数(本実施例では5個)の右突起254と、を備えている。
【0100】
右円板部250は、略円板形状を有する。右円板部250は、外周面256と、第1側面258と、第2側面260と、を備えている。外周面256は、円形状を有する。外周面256の円中心256aは、中心軸AX2上に配置されている。外周面256は、第1側面258の周縁と第2側面260の周縁を接続している。第1側面258は、第2側面260と反対側の面である。右円板部250は、挿入孔262を有する。挿入孔262は、右円板部250を第1側面258から第2側面260まで左右方向に貫通している。挿入孔262の断面の中心は、外周面256の円中心256a上に配置されている。挿入孔262には、右プレート取付部204(
図9参照)が挿入されている。このとき、第1側面258は、第1アジャスト部材170の第1側面174b(
図16参照)と対向する。
【0101】
右周壁部252は、第1側面258の周縁から左方向に突出している。右周壁部252は、第1側面258の周縁を一巡している。右周壁部252は、略円筒形状を有する。
【0102】
右突起254は、略台形形状を有する。右突起254は、右周壁部252の内周面から中心軸AX2に向かって右円板部250の半径方向内側に突出している。右突起254は、第1側面258に接続されている。
【0103】
複数の右突起254は、中心軸AX2周りに等間隔に並んで配置されている。隣接する右突起254は、離れている。複数の右突起254は、中心軸AX2周りにおいて、右周壁部252の内周面の全周の一部分に配置されている。
図17に示すように、中心軸AX2周りにおける隣接する右突起254の間の間隔は、中心軸AX2周りにおける隣接する受入溝198の間の間隔と略同一である。右突起254は、受入溝198に受け入れられている。このとき、第1アジャスト部材170は、右周壁部252の内部に配置されている。複数の右突起254の個数は、複数の受入溝198の個数よりも少ない。このため、複数の受入溝198に対する複数の右突起254の配置を変更することにより、第1アジャスト部材170に対する右取付部120の取付姿勢が調整される。
【0104】
図9に示すように、右取付部120は、第1アジャスト部材170に右側から取り付けられている。右取付部120と第1アジャスト部材170と右接続部118の他端は、前端ハウジング40の外部で、ボルト126と右段差部208との間に挟まれている。これにより、第1アジャスト部材170に対する右取付部120の取付姿勢が固定される。また、ボルト126は、右取付部120と第1アジャスト部材170と右接続部118の他端と当接している。これにより、右取付部120と第1アジャスト部材170と右接続部118の他端が右プレート取付部204から抜け出ることが抑制される。
【0105】
図22に示すように、ブレード86の左取付部124の形状は、ブレード86の右取付部120と、中心軸AX2に直交する平面に対して面対称である。即ち、左取付部124は、左円板部270と、左周壁部272と、複数(本実施例では5個)の左突起274と、を備えている。複数の左突起274の個数は、複数の右突起254(
図21参照)の個数と同一である。左円板部270は、外周面276と、第1側面278と、第2側面280と、を備えている。左円板部270は、挿入孔282を有する。挿入孔282の断面の中心は、外周面276の円中心276a上に配置されている。
図20に示すように、左突起274は、受入溝198に受け入れられている。このため、複数の受入溝198に対する複数の左突起274の配置を変更することにより、第2アジャスト部材172に対する左取付部124の取付姿勢が調整される。
【0106】
図9に示すように、左取付部124は、第2アジャスト部材172に左側から取り付けられている。左取付部124と第2アジャスト部材172と左接続部122の他端は、前端ハウジング40の外部で、ボルト130と左段差部230との間に挟まれている。これにより、第2アジャスト部材172に対する左取付部124の取付姿勢が固定される。また、ボルト130は、左取付部124と第2アジャスト部材172と左接続部122の他端と当接している。これにより、左取付部124と第2アジャスト部材172と左接続部122の他端が左プレート取付部206から抜け出ることが抑制される。
【0107】
図23に示すように、作業機2は、ブレードカバー300をさらに備えている。ブレードカバー300は、樹脂材料からなる。ブレードカバー300は、ブレード86に取り付けられている。ブレードカバー300は、ブレード86のブレード部116を覆っている。これにより、例えば、作業機2の保管時や作業機2の運搬時にブレード部116がユーザに触れることが抑制される。また、ブレードカバー300は、前端ハウジング40から離れて配置されている。以下では、座標系を以下の座標系に変更して説明する。具体的には、ブレード部116の長手方向を左右方向と呼び、左右方向に直交する方向を前後方向と呼び、左右方向と前後方向に延びる方向を上下方向と呼ぶ。ブレード部116は、左右方向と前後方向を含む平面に沿って配置されている。
【0108】
ブレードカバー300は、左右方向に延びている。ブレードカバー300の断面形状は、左右方向に略同一である。このため、ブレードカバー300は、例えば、押出成形により製造される。
図24に示すように、ブレードアバ―300がブレード部116に取り付けられているとき、ブレード部116の下面は、地面Gに対して略平行である。ブレードカバー300は、カバー部302と、当接部304と、案内部306と、解除部308と、摩擦力付与部310と、を備えている。
【0109】
カバー部302は、ブレード部116を覆う。カバー部302は、第1カバー部314と、第2カバー部316と、を備えている。第1カバー部314は、第2カバー部316よりも前側に配置されている。第1カバー部314は、第2カバー部316と前後方向に離れて配置されている。第1カバー部314と第2カバー部316は、前後方向に対向して配置されている。第1カバー部314は、下端から前方上側に向かって延びている。第2カバー部316は、下端から後方上側に向かって延びている。このため、第1カバー部314と第2カバー部316との間の前後方向の距離は、下端から上端に向かうにつれて増加する。第1カバー部314と第2カバー部316との間の前後方向の最大距離は、ブレード部116の前後方向の長さよりも長い。第1カバー部314は、ブレード部116の前端の複数の刃先116aを覆う。第2カバー部316は、ブレード部116の後端の複数の刃先116aを覆う。
【0110】
当接部304は、ブレード部116の上側に配置されている。当接部304は、第1当接部320と、第2当接部322と、を備えている。第1当接部320は、ブレード部116の前端の複数の刃先116aの上側に配置されている。第2当接部322は、ブレード部116の後端の複数の刃先116aの上側に配置されている。第1当接部320は、第2当接部322よりも前側に配置されている。第1当接部320は、第1カバー部314の上端に接続されている。第2当接部322は、第2カバー部316の上端に接続されている。第1当接部320は、第2当接部322と前後方向に離れて配置されている。第1当接部320は、第2当接部322と前後方向に対向して配置されている。第1当接部320は、下端から後方上側に向かって延びている。第2当接部322は、下端から前方上側に向かって延びている。このため、第1当接部320と第2当接部322の前後方向の距離は、下端から上端に向かうにつれて減少する。第1当接部320と第2当接部322との間の前後方向の最小距離は、ブレード部116の前後方向の長さよりも短い。第1当接部320と第2当接部322は、ブレード部116は、ブレードカバー300に対して上方向に移動するときに、第1当接部320と第2当接部322に当接する。これにより、カバー部302がブレード部116を覆う状態が維持される。
【0111】
案内部306は、第1案内部326と、第2案内部328と、第1屈曲部330と、第2屈曲部332と、を備えている。第1案内部326は、第2案内部328よりも前側に配置されている。第1案内部326は、第1当接部320の上端に接続されている。第2案内部328は、第2当接部322の上端に接続されている。第1案内部326は、第2案内部328と前後方向に離れて配置されている。第1案内部326は、第2案内部328と前後方向に対向して配置されている。第1案内部326は、下端から前方上側に向かって延びている。第2案内部328は、下端から後方上側に向かって延びている。このため、第1案内部326と第2案内部328の前後方向の距離は、下端から上端に向かうにつれて徐々に増加する。
【0112】
第1屈曲部330は、第1案内部326の上端に接続されている。第2屈曲部332は、第2案内部328の上端に接続されている。第1屈曲部330は、第1案内部326の上端から前方下側に向かって延びた後、屈曲して後方下側に向かって延びている。第2屈曲部332は、第2案内部328の上端から後方下側に向かって延びた後、屈曲して前方下側に向かって延びている。これにより、ユーザが案内部306の端に触れてしまうことを抑制することができる。
【0113】
解除部308は、弾性変形可能である。解除部308は、第1操作部336と、第2操作部338と、第1載置部340と、第2載置部342と、第3案内部344と、第4案内部346と、取付部348と、を備えている。第1操作部336は、第2操作部338よりも前側に配置されている。第1操作部336は、第1カバー部314の下端に接続されている。第2操作部338は、第2カバー部316の下端に接続されている。第1操作部336は、第2操作部338と前後方向に離れて配置されている。第1操作部336は、上端から前方下側に向かって延びている。第2操作部338は、上端から後方下側に向かって延びている。このため、第1操作部336と第2操作部338の前後方向の距離は、上端から下端に向かうにつれて増加する。
【0114】
第1載置部340と第2載置部342は、平板形状を有する。第1載置部340は、第2載置部342よりも前側に配置されている。第1載置部340は、第1操作部336の下端に接続されている。第2載置部342は、第2操作部338の下端に接続されている。第1載置部340は、第2載置部342と前後方向に離れて配置されている。第1載置部340は、第1操作部336の下端から後方向に延びている。第2載置部342は、第2操作部338の下端から前方向に延びている。第1載置部340と第2載置部342は、同一平面上に配置されている。ブレードカバー300が地面Gに載置されているとき、第1載置部340と第2載置部342が地面Gに接触する。第1載置部340と第2載置部342は、地面Gに対して略平行である。第1載置部340と第2載置部342は、地面Gに面で接触している。このため、地面G上のブレードカバー300が倒れることを抑制することができる。
【0115】
第3案内部344は、第4案内部346よりも前側に配置されている。第3案内部344は、第1載置部340の後端に接続されている。第4案内部346は、第2載置部342の前端に接続されている。第3案内部344は、第4案内部346と前後方向に離れて配置されている。第3案内部344は、第4案内部346と前後方向に対向して配置されている。第3案内部344は、第1載置部340の後端から後方上側に向かって延びている。第4案内部346は、第2載置部342の前端から前方上側に向かって延びている。第3案内部344と第4案内部346の前後方向の距離は、下端から上端に向かうにつれて徐々に減少する。
【0116】
取付部348は、第3案内部344の上端と第4案内部346の上端に接続されている。取付部348は、第1取付部350と、第2取付部352と、第3取付部354と、を備えている。第1取付部350は、第2取付部352よりも前側に配置されている。第1取付部350は、第3案内部344の上端に接続されている。第2取付部352は、第4案内部346の上端に接続されている。第1取付部350は、第2取付部352と前後方向に離れて配置されている。第1取付部350は、第2取付部352と前後方向に対向して配置されている。第1取付部350は、下端から前方上側に向かって延びた後、屈曲して後方上側に向かって延びている。第2取付部352は、下端から後方上側に向かって延びた後、屈曲して前方上側に向かって延びている。
【0117】
第3取付部354は、第1取付部350の上端と第2取付部352の上端を接続している。第3取付部354は、略前後方向に延びている。第3取付部354は、地面Gとブレード部116の下面のそれぞれに対して略平行である。第3取付部354は、挿入孔356を有する。挿入孔356は、第3取付部354を厚み方向(上下方向)に貫通している。
図25に示すように、挿入孔356は、第3取付部354の長手方向の中心に配置されている。
【0118】
摩擦力付与部310は、例えば、弾性材料からなる。摩擦力付与部310は、例えば、フリクションラバーである。摩擦力付与部310は、挿入孔356に挿入されている。摩擦力付与部310は、第3取付部354に固定されている。摩擦力付与部310は、挿入孔356から上方向に突出するとともに、挿入孔356から下方向に突出している。
【0119】
ブレードカバー300がブレード部116に取り付けられているとき、摩擦力付与部310の上部は、ブレード部116の下面と当接している。ブレードカバー300がブレード部116に対して左方向にスライドする力がブレード部116またはブレードカバー300に加わるとき、摩擦力付与部310は、ブレード部116に対する右方向の摩擦力(左方向と反対の方向の摩擦力)をブレード部116に加える。また、ブレードカバー300がブレード部116に対して右方向にスライドする力がブレード部116またはブレードカバー300に加わるとき、摩擦力付与部310は、ブレード部116に対する左方向の摩擦力(右方向と反対の方向の摩擦力)をブレード部116に加える。これにより、ブレードカバー300がブレード部116に対して左右方向にスライドすることが抑制される。このため、例えば、ブレードカバー300の自重により、ブレードカバー300がブレード部116に対して左右方向にスライドすることが抑制されて、ブレードカバー300がブレード部116から外れることを抑制することができる。また、ブレード部116に対するブレードカバー300のがたつきを抑制することができる。
【0120】
本実施例のブレードカバー300は、3種類の方法により、ブレード部116に取り付け可能である。
図26に示すように、ユーザが、ブレードカバー300が地面Gに載置された状態で、作業機2(
図24参照)を把持してブレード部116を第1案内部326と第2案内部328の上側から下方向に移動させる。これにより、ブレードカバー300が弾性変形して、第1案内部326と第2案内部328が互いに前後方向に離れる。即ち、第1案内部326が初期位置から離反方向D5に移動して、第2案内部328が初期位置から離反方向D5と反対の離反方向D6に移動する。これにより、第1当接部320と第2当接部322が前後方向に互いに離れる。ユーザがブレード部116を第1案内部326の下端と第2案内部328の下端よりも下側まで移動させると、ブレードカバー300の弾性復元力により、第1案内部326と第2案内部328が互いに前後方向に近づく。第1案内部326が初期位置まで離反方向D5と反対の方向に移動し、第2案内部328が初期位置まで離反方向D6と反対の方向に移動する。これにより、第1当接部320と第2当接部322が前後方向に互いに近づき、第1当接部320と第2当接部322がブレード部116の刃先116aの上側に配置される。ユーザは、ブレード部116をブレードカバー300に上側から押し付ける簡素な操作により、ブレードカバー300をブレード部116に容易に取り付けることができる。
【0121】
また、ユーザが、ユーザがブレードカバー300を把持し、解除部308の弾性復元力に抗う力を解除部308に加える。具体的には、ユーザは、第1操作部336と第2操作部338が互いに近づく方向に第1操作部336と第2操作部338を操作する。解除部308の弾性変形により、第1操作部336が初期位置から接近方向D7に移動し、第2操作部338が初期位置から接近方向D7と反対の接近方向D8に移動する。第1操作部336と第2操作部338の移動に伴い、第1案内部326が初期位置から離反方向D5に移動して、第2案内部328が初期位置から離反方向D5と反対の離反方向D6に移動する。これにより、第1当接部320と第2当接部322が前後方向に互いに離れる。次に、ユーザがブレードカバー300をブレード部116に対して上方向に移動させる。これにより、ユーザは、第1操作部336と第2操作部338を操作する簡素な操作により、ブレードカバー300をブレード部116に取り付けることができる
【0122】
さらに、
図27に示すように、ユーザが、ブレードカバー300を手で把持し、ブレードカバー300をブレード部116に近づけるようにブレード部116に対して左方向(または右方向)に移動させると、ブレード部116は、カバー部302と当接部304との間を左方向(または右方向)に移動する。これにより、ユーザは、ブレードカバー300をブレード部116に対して左右方向にスライドさせる簡素な操作により、ブレードカバー300をブレード部116に容易に取り付けることができる。
【0123】
また、本実施例のブレードカバー300は、2種類の方法により、ブレード部116から取り外し可能である。
図24に示すように、ユーザがブレードカバー300を把持し、解除部308の弾性復元力に抗う力を解除部308に加える。具体的には、ユーザは、第1操作部336と第2操作部338が互いに近づく方向に第1操作部336と第2操作部338を操作する。解除部308の弾性変形により、第1操作部336が初期位置から接近方向D7に移動し、第2操作部338が初期位置から接近方向D7と反対の接近方向D8に移動する。第1操作部336と第2操作部338の移動に伴い、第1案内部326が初期位置から離反方向D5に移動して、第2案内部328が初期位置から離反方向D5と反対の離反方向D6に移動する。これにより、第1当接部320と第2当接部322が前後方向に互いに離れる。次に、ユーザがブレード部116をブレードカバー300に対して上方向に移動させると、ブレードカバー300がブレード部116から取り外される。これにより、ユーザは、第1操作部336と第2操作部338を操作する簡素な操作により、ブレードカバー300をブレード部116から取り外すことができる。
【0124】
また、
図27に示すように、ユーザが、ブレードカバー300がブレード部116に取付けられた状態でブレードカバー300を手で把持して、ブレードカバー300をブレード部116に対して左方向(または右方向)に移動させる。ユーザは、ブレードカバー300をブレード部116に対して左右方向にスライドさせる簡素な操作により、ブレードカバー300をブレード部116から容易に取り外すことができる。
【0125】
また、本実施例のブレードカバー300は、作業機2のポール4に取り付け可能である。
図28に示すように、第3案内部344と第4案内部346との間の前後方向の最短距離は、ポール4の直径よりも短い。ユーザがブレードカバー300を把持し、第3案内部344と第4案内部346をポール4の上側から下方向に移動させると、解除部308が弾性変形して、第3案内部344と第4案内部346が互いに前後方向に離れる。即ち、第3案内部344が初期位置から離反方向D9に移動して、第4案内部346が初期位置から離反方向D9と反対の離反方向D10に移動する。ポール4が取付部348内まで移動すると、解除部308の弾性復元力により、第3案内部344と第4案内部346が前後方向に互いに近づく。第3案内部344が初期位置に向かって離反方向D9と反対の方向に移動し、第4案内部346が初期位置に向かって離反方向D10と反対の方向に移動する。ユーザは、簡素な操作により、ブレードカバー300をポール4に容易に取り付けることができる。
【0126】
図29に示すように、ブレードカバー300がポール4に取り付けられているとき、取付部348は、ポール4を囲んでいる。取付部348は、解除部308の弾性復元力により、ポール4に押し付けられている。これにより、ブレードカバー300がポール4から外れることを抑制することができる。
【0127】
(効果)
本実施例の作業機2は、モータ20(原動機の一例)と、モータ20の動作により動く第1出力シャフト82(出力シャフトの一例)と、第1出力シャフト82に着脱可能に取り付けられる第1アジャスト部材170と、第1アジャスト部材170に着脱可能に取り付けられているブレード86(作業部材の一例)と、を備えている。第1アジャスト部材170は、第1出力シャフト82に取り付けられる取付部176と、ブレード86に取り付けられ、第1アジャスト部材170に対するブレード86の取付姿勢を調整可能である調整部178と、を備えている。
【0128】
上記の構成によれば、第1出力シャフト82と第1アジャスト部材170を別々に加工することができる。このため、加工しやすい第1出力シャフト82と第1アジャスト部材170を用いて第1アジャスト部材170に対するブレード86の取付姿勢を調整することができる。
【0129】
また、第1出力シャフト82は、右シャフト位置決め部214(第1シャフト位置決め部の一例)を備えている。取付部176は、第1出力シャフト82が取付部176に取り付けられているときに右シャフト位置決め部214に対して特定の位置に配置される位置決め部180を備えている。
【0130】
上記の構成によれば、位置決め部180を右シャフト位置決め部214に対して特定の位置に配置する簡素な方法により、取付部176を第1出力シャフト82に対して特定の位置に配置することができる。
【0131】
また、第1出力シャフト82は、取付部176に挿入されている。右シャフト位置決め部214は、第1出力シャフト82の外面に配置されている。位置決め部180は、第1出力シャフト82が取付部176に挿入されているときに、右シャフト位置決め部214に対向して配置されている。
【0132】
上記の構成によれば、右シャフト位置決め部214を位置決め部180に対向させて第1出力シャフト82を取付部176に挿入することにより、取付部176を第1出力シャフト82に対して特定の位置に容易に配置することができる。
【0133】
また、右シャフト位置決め部214は、平面形状を有する第1右シャフト平面部222(第1シャフト平面部の一例)を備えている。位置決め部180は、平面形状を有しており、第1出力シャフト82が取付部176に挿入されているときに第1右シャフト平面部222に対向して当接する第1平面部190を備えている。
【0134】
上記の構成によれば、第1アジャスト部材170に第1出力シャフト82の周りの力が加わるとき、第1平面部190が第1右シャフト平面部222に押し付けられる。これにより、第1アジャスト部材170が第1出力シャフト82周りを回転することを抑制することができる。
【0135】
また、右シャフト位置決め部214は、平面形状を有している第2右シャフト平面部224(第2シャフト平面部の一例)をさらに備えている。位置決め部180は、平面形状を有しており、第1出力シャフト82が取付部176に挿入されているときに第2右シャフト平面部224に対向して当接する第2平面部192をさらに備えている。
【0136】
上記の構成によれば、第1アジャスト部材170に第1出力シャフト82の周りの力が加わるとき、第1平面部190が第1右シャフト平面部222に押し付けられ、第2平面部192が第2右シャフト平面部224に押し付けられる。これにより、第1アジャスト部材170が第1出力シャフト82周りを回転することをより抑制することができる。
【0137】
また、ブレード86は、第1出力シャフト82の動作により、中心軸AX2(揺動軸の一例)周りを揺動する。
【0138】
上記の構成によれば、ブレード86が揺動する構成では、ユーザの作業姿勢に合わせて、第1アジャスト部材170に対するブレード86の取付姿勢を調整する必要がある。上記のようなブレード86が揺動する構成において、加工しやすい第1出力シャフト82と第1アジャスト部材170を用いて第1アジャスト部材170に対するブレード86の取付姿勢を調整することができる。
【0139】
また、第1アジャスト部材170は、中心軸AX2を中心とする円形状を有する外周面174aを有している。調整部178は、第1アジャスト部材170の外周面174aの全周の一部分に配置されている。
【0140】
調整部178が第1アジャスト部材170の外周面174aの全周に配置されている構成では、ブレード86を第1アジャスト部材170に対してある位置に取り付けるとき、ブレード86が、作業時に作業機2の構成要素、例えば、前端ハウジング40に当接することがある。上記の構成によれば、調整部178が第1アジャスト部材170の外周面174aの全周の一部分に配置されているため、ブレード86が作業時に作業機2の構成要素、例えば、前端ハウジング40に当接することを抑制することができる。
【0141】
また、中心軸AX2が延びる左方向(第1方向の一例)に関して、調整部178の幅W1は、第1アジャスト部材170の幅W2の30%以上かつ70%以下である。
【0142】
上記の構成によれば、調整部178の強度と第1アジャスト部材170全体の強度の両方が低下しすぎることを抑制することができる。
【0143】
また、調整部178は、中心軸AX2周りに並んで配置されている複数の受入溝198を備えている。ブレード86は、中心軸AX2周りに並んで配置されている複数の右突起254(突起の一例)を備えている。右突起254は、受入溝198に受け入れられる。複数の右突起254の個数は、複数の受入溝198の個数よりも少ない。
【0144】
上記の構成によれば、複数の受入溝198に対する複数の右突起254の配置を変更することにより、第1アジャスト部材170に対するブレード86の取付姿勢を容易に調整することができる。
【0145】
(第2実施例)
第2実施例では、第1実施例と異なる点のみを説明する。
図30に示すように、第1出力シャフト82は、ベアリング112aとベアリング112bを介して、前端ハウジング40に回転可能に支持されている。また、第1出力シャフト82は、左右方向に延びている。第1出力シャフト82は、前端ハウジング40を左右方向に貫通している。第1出力シャフト82の右端に位置する右プレート取付部204と、第1出力シャフト82の左端に位置する左プレート取付部206は、前端ハウジング40の外部に配置されている。
【0146】
第1出力シャフト82は、中空形状を有する。第1出力シャフト82は、左右方向に延びるシャフト貫通孔400を有する。シャフト貫通孔400は、第1出力シャフト82の内面により形成されている。シャフト貫通孔400は、第1出力シャフト82を左右方向に貫通している。シャフト貫通孔400は、略円柱形状を有する。
【0147】
第1アジャスト部材170は、右プレート取付部204が第1アジャスト部材170の取付部176を貫通することにより、右プレート取付部204に取り付けられている。第1アジャスト部材170は、第1中間部材の一例である。ブレード86の第1箇所128の右取付部120は、第1アジャスト部材170に取り付けられている。第1箇所128は、ブレード86の一端に位置している。第1箇所128には、第1出力シャフト82の右端、即ち、右プレート取付部204が挿入されている。第1箇所128の開口の直径は、右プレート取付部204の直径よりも大きい。第1箇所128は、右プレート取付部204と当接していない。第1箇所128は、第1出力シャフト82の右端に配置されている。第1アジャスト部材170に対する右取付部120の取付姿勢が調整されることにより、第1アジャスト部材170に対するブレード86の取付姿勢が調整される。
【0148】
第2アジャスト部材172は、左プレート取付部206が第2アジャスト部材172の取付部176を貫通することにより、左プレート取付部206に取り付けられている。第2アジャスト部材172は、第2中間部材の一例である。ブレード86の第2箇所132の左取付部124は、第2アジャスト部材172に取り付けられている。第2箇所132は、ブレード86の他端に位置している。第2箇所132には、第1出力シャフト82の左端、即ち、左プレート取付部206が挿入されている。第2箇所132の開口の直径は、左プレート取付部206の直径よりも大きい。第2箇所132は、左プレート取付部206と当接していない。第2箇所132は、第1出力シャフト82の右端に配置されている。第2アジャスト部材172に対する左取付部124の取付姿勢が調整されることにより、第2アジャスト部材172に対するブレード86の取付姿勢が調整される。
【0149】
作業機2は、締結体410をさらに備えている。締結体410は、ブレード86を第1出力シャフト82に取り付ける。締結体410は、ボルト412と、ワッシャ414と、ナット416と、を備えている。
【0150】
ボルト412は、胴部420と、頭部422と、を備えている。胴部420は、左右方向に延びている。胴部420は、第1出力シャフト82のシャフト貫通孔400を左右方向に貫通している。胴部420の右端と左端は、第1出力シャフト82の外部に配置されている。胴部420は、略円柱形状を有する。胴部420の直径は、シャフト貫通孔400の直径よりも小さい。胴部420は、シャフト貫通孔400を形成する第1出力シャフト82の内面と離れている。胴部420は、第1出力シャフト82と当接していない。胴部420は、ネジ溝426を有する。ネジ溝426は、胴部420の左端と左端近傍に形成されている。ネジ溝426は、第1出力シャフト82と螺合していない。このため、胴部420は、第1出力シャフト82に取り付けられていない。
【0151】
図31に示すように、頭部422は、胴部420の右端に配置されている。頭部422は、第1箇所128の右側に配置されている。頭部422は、ワッシャ414を介して第1箇所128に右側から当接している。右プレート取付部204が第1箇所128を貫通していないため、頭部422とワッシャ414は、第1出力シャフト82に当接していない。第1箇所128は、ワッシャ414を介して、頭部422と第1アジャスト部材170に挟まれている。これにより、ボルト412がナット416(
図32参照)と螺合した状態では、第1箇所128が第1アジャスト部材170から外れることが抑制される。
【0152】
図32に示すように、ナット416は、第2箇所132の左側に配置されている。ナット416は、例えば溶接により、第2箇所132に着脱不可能に取り付けられている。第2箇所132へのナット416の取付方法は、溶接に限られない。例えば、ナット416とブレード86が一体成形されることにより、ナット416が第2箇所132に着脱不可能に取り付けられてもよい。
【0153】
ナット416は、ネジ溝430を有する。ナット416は、ナット416のネジ溝430と胴部420のネジ溝426を介して胴部420と螺合している。ナット416は、第2箇所132に左側から当接している。左プレート取付部206が第2箇所132を貫通していないため、ナット416は、第1出力シャフト82に当接していない。第2箇所132は、ナット416と第2アジャスト部材172に挟まれている。これにより、ボルト412がナット416と螺合した状態では、第2箇所132が第2アジャスト部材172から外れることが抑制される。
【0154】
本実施例では、モータ20(
図2参照)が動作すると、第1出力シャフト82が揺動する。これにより、ブレード86は、第1アジャスト部材170と第2アジャスト部材172とともに揺動する。このとき、第1出力シャフト82に対する第1アジャスト部材170のガタツキと、第1アジャスト部材170に対する第1箇所128のガタツキと、第1出力シャフト82に対する第2アジャスト部材172のガタツキと、第2アジャスト部材172に対する第2箇所132のガタツキが発生することがある。
【0155】
ボルト412が第1出力シャフト82に螺合している比較例において、上記のガタツキが発生している状態でブレード86が地面に対して傾いた状態で地面に当たると、ボルト412の頭部422が、第1箇所128に対して摺動する。これにより、ボルト412が第1出力シャフト82に対して緩む。これに対して、本実施例では、ボルト412が第1出力シャフト82に螺合していない。このため、上記のガタツキが発生している状態でブレード86が地面に対して傾いた状態で地面に当たっても、頭部422が第1箇所128に対して摺動することが抑制される。これにより、締結体410が緩むことが抑制される。
【0156】
(効果)
本実施例の作業機2は、モータ20(原動機の一例)と、中空形状を有しており、モータ20の動作により動作する第1出力シャフト82(出力シャフトの一例)と、第1出力シャフト82の左右方向(長手方向の一例)の右端(一端の一例)に配置されている第1箇所128および第1出力シャフト82の左右方向の左端(他端の一例)に配置されている第2箇所132を備えており、第1出力シャフト82の動作により動作するブレード86(作業部材の一例)と、第1出力シャフト82を左右方向に貫通するとともに、第1箇所128と第2箇所132を挟み込むことによりブレード86を第1出力シャフト82に取り付ける締結体410と、を備えている。締結体410は、第1出力シャフト82に直接取り付けられていない。
【0157】
第1箇所128と第2箇所132が締結体410に挟まれることによりブレード86が第1出力シャフト82に取り付けられており、締結体410が第1出力シャフト82に直接取り付けられている構成では、ブレード86に負荷が加わるとき、締結体410が第1箇所128と第2箇所132に対して摺動する。これにより、第1出力シャフト82に取り付けられる締結体410が緩む。上記の構成によれば、第1箇所128と第2箇所132が締結体410に挟まれることにより、ブレード86が第1出力シャフト82に取り付けられている一方で、締結体410が第1出力シャフト82に直接取り付けられていない。このため、ブレード86に負荷が加わっても、ブレード86は、締結体410と一体となって動作する。これにより、締結体410が緩むことを抑制することができる。
【0158】
また、締結体410は、第1箇所128に当接する頭部422および第1出力シャフト82を左右方向に貫通する胴部420を備えるボルト412と、第2箇所132に当接し、胴部420と螺合するナット416と、を備えている。
【0159】
上記の構成によれば、締結体410の簡素な構成により、締結体410が緩むことを抑制することができる。
【0160】
また、ナット416は、第2箇所132に着脱不可能に取り付けられている。
【0161】
上記の構成によれば、ブレード86に負荷が加わっても、ブレード86が、締結体410と一体となって動作し易い。これにより、締結体410が緩むことをより抑制することができる。
【0162】
また、ブレード86は、第1出力シャフト82の動作により、中心軸AX2(揺動軸の一例)周りを揺動する。
【0163】
例えば、ブレード86が回転する構成では、ブレード86が地面等に当たるとき、ブレード86の回転方向における負荷がブレード86に加わる。これに対して、ブレード86が揺動する構成では、ブレード86が地面等に当たるとき、ブレード86の第1揺動方向における負荷と、第1揺動方向と反対の第2揺動方向における負荷がブレード86に交互に加わる。このため、ブレード86が揺動する構成では、ブレード86が回転する構成と比較して、締結体410が緩み易い。上記の構成によれば、締結体410が緩み易い構成において、締結体410が緩むことを抑制することができる。
【0164】
また、作業機2は、第1出力シャフト82に取り付けられている第1アジャスト部材170(第1中間部材の一例)をさらに備えている。第1箇所128は、第1アジャスト部材170を介して第1出力シャフト82に取り付けられている。
【0165】
上記の構成では、第1出力シャフト82に対する第1アジャスト部材170のガタツキが発生し、第1アジャスト部材170に対する第1箇所128のガタツキが発生することがある。締結体410が第1出力シャフト82に直接取り付けられている構成では、ブレード86に負荷が加わるときに、第1出力シャフト82に対する第1アジャスト部材170のガタツキと第1アジャスト部材170に対する第1箇所128のガタツキにより、締結体410が第1箇所128に対して摺動する。これにより、締結体410が緩みやすい。これに対して、上記の構成によれば、締結体410が第1出力シャフト82に直接取り付けられていないため、ブレード86に負荷が加わっても、第1出力シャフト82に対する第1アジャスト部材170のガタツキと第1アジャスト部材170に対する第1箇所128のガタツキにより、締結体410が第1箇所128に対して摺動することを抑制することができる。これにより、締結体410が緩むことを抑制することができる。
【0166】
また、第1アジャスト部材170は、第1アジャスト部材170に対するブレード86の取付姿勢を調整可能である。
【0167】
第1アジャスト部材170が第1アジャスト部材170に対するブレード86の取付姿勢を調整可能である構成では、第1アジャスト部材170に対する第1箇所128のガタツキが発生し易い。上記の構成によれば、第1アジャスト部材170に対する第1箇所128のガタツキが発生し易い構成において、締結体410が緩むことを抑制することができる。
【0168】
(変形例)
一実施形態に係る作業機2は、草堀機以外の作業機、例えば、芝生バリカン、レシプロソー、ヘッジトリマ、グランドトリマ、ほうき、ブラシ、スイーパであってもよい。
【0169】
一実施形態に係る作業機2は、モータ20以外の原動機、例えば、エンジンを備えていてもよい。
【0170】
一実施形態に係るブレードカバー300は、前端ハウジング40に取り付けられることにより、ブレード部116を覆ってもよい。
【0171】
一実施形態に係るブレードカバー300の断面形状は、左右方向に略同一でなくてもよい。
【0172】
実施例に係る作業機2では、アジャスト部材160の位置決め部180は、3個の平面部190、192、194を備えている。変形例では、平面部の個数は、3個に限られず、例えば、2個であってもよく、4個以上かつ12個以下であってもよい。
【0173】
一実施形態に係る作業機2では、アジャスト部材160は、受入溝198に代えて、突起を備えていてもよい。このとき、ブレード86の右取付部120と左取付部124は、突起254、274に代えて、受入溝を備えていてもよい。
【0174】
一実施形態に係る締結体410は、ワッシャ414を備えていなくてもよい。このとき、ボルト412の頭部422は、第1箇所128に直接当接している。
【0175】
一実施形態に係る締結体410では、ナット416は、第2箇所132に取り外し可能に取り付けられていてもよい。
【0176】
一実施形態に係る締結体410の締結方式は、ボルト412とナット416による螺合方式に限られず、例えばカム構造を有するシャフトと留め具による締結方式であってもよく、スナップフィットによる締結方式であってもよい。
【0177】
一実施形態に係る第1アジャスト部材170は、第1アジャスト部材170に対するブレード86の取付姿勢を調整不可能であってもよい。また、第2アジャスト部材172は、第2アジャスト部材172に対するブレード86の取付姿勢を調整不可能であってもよい。このため、ブレード86は、1つの姿勢でのみ第1アジャスト部材170と第2アジャスト部材172に取り付けられる。
【0178】
一実施形態に係る第1出力シャフト82は、回転してもよい。
【符号の説明】
【0179】
2 :作業機
4 :ポール
6 :ループハンドル
8 :後端ユニット
10 :前端ユニット
20 :モータ
40 :前端ハウジング
68 :回転シャフト
76 :ディスク
78 :第1伝達ユニット
80 :第2伝達ユニット
82 :第1出力シャフト
84 :第2出力シャフト
86 :ブレード
88 :カウンタウェイト
90 :伝達機構
91 :回転部材
100 :第1ロッド
102 :第1接続スピンドル
104 :第2ロッド
116 :ブレード部
120 :右取付部
124 :左取付部
128 :第1箇所
132 :第2箇所
136 :第3ロッド
138 :第2接続スピンドル
140 :第4ロッド
160 :アジャスト部材
170 :第1アジャスト部材
172 :第2アジャスト部材
174a :外周面
176 :取付部
178 :調整部
180 :位置決め部
190 :第1平面部
192 :第2平面部
194 :第3平面部
198 :受入溝
204 :右プレート取付部
206 :左プレート取付部
214 :右シャフト位置決め部
222 :第1右シャフト平面部
224 :第2右シャフト平面部
226 :第3右シャフト平面部
234 :左シャフト位置決め部
242 :第1左シャフト平面部
244 :第2左シャフト平面部
246 :第3左シャフト平面部
254 :右突起
274 :左突起
300 :ブレードカバー
302 :カバー部
304 :当接部
306 :案内部
308 :解除部
310 :摩擦力付与部
314 :第1カバー部
316 :第2カバー部
320 :第1当接部
322 :第2当接部
336 :第1操作部
338 :第2操作部
340 :第1載置部
342 :第2載置部
348 :取付部
400 :シャフト貫通孔
410 :締結体
412 :ボルト
414 :ワッシャ
416 :ナット
420 :胴部
422 :頭部
426 :ネジ溝
430 :ネジ溝
AX1 :回転軸
AX2、AX3:中心軸
AX3 :中心軸
BP :バッテリパック
D1 :第1方向
D2 :第2方向
D3 :第3方向
D4 :第4方向
D5、D6、D9、D10:離反方向
D7、D8:接近方向
G :地面
W1、W2:幅