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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2025162812
(43)【公開日】2025-10-28
(54)【発明の名称】情報処理装置、及び監視システム
(51)【国際特許分類】
   G05B 23/02 20060101AFI20251021BHJP
【FI】
G05B23/02 301W
G05B23/02 T
【審査請求】未請求
【請求項の数】9
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2024066250
(22)【出願日】2024-04-16
(71)【出願人】
【識別番号】000191009
【氏名又は名称】新東工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000338
【氏名又は名称】弁理士法人 HARAKENZO WORLD PATENT & TRADEMARK
(72)【発明者】
【氏名】西垣 智夫
(72)【発明者】
【氏名】青木 秀尚
(72)【発明者】
【氏名】中澤 和也
【テーマコード(参考)】
3C223
【Fターム(参考)】
3C223AA11
3C223BA03
3C223CC02
3C223DD03
3C223EA04
3C223FF14
3C223GG01
3C223HH04
(57)【要約】      (修正有)
【課題】監視対象領域に設けられた複数のセンサからの情報に基づく画像を表示する際の手間を低減する。
【解決手段】情報処理装置は、監視対象領域の中に配置された複数のセンサの検知情報と、各センサの位置を示す位置情報と、を取得する取得ステップ(S1)と、検知情報、および位置情報をカプセル化するカプセル化ステップ(S2)と、カプセル化した検知情報、および位置情報を含む変換用データをベクターデータに変換する変換ステップ(S3)と、ベクターデータに基づくセンサのアイコンを、監視対象領域を示すマップに重畳表示させるための処理を行う出力ステップ(S4)と、を実行する。
【選択図】図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
監視対象領域の中に配置された複数のセンサの検知情報と、各センサの位置を示す位置情報と、を取得する取得ステップと、
前記検知情報、および前記位置情報をカプセル化するカプセル化ステップと、
カプセル化した前記検知情報、および前記位置情報を含む変換用データをベクターデータに変換する変換ステップと、
前記ベクターデータに基づく前記センサのアイコンを、前記監視対象領域を示すマップに重畳表示させるための処理を行う出力ステップと、
を実行するプロセッサを備える、
ことを特徴とする情報処理装置。
【請求項2】
前記プロセッサは、
前記カプセル化ステップにおいて、前記検知情報、前記位置情報、および各センサの種類を示す種類情報をカプセル化し、
前記出力ステップにおいて、前記アイコンを、前記種類情報に応じた形状で重畳表示させるための処理を行う、
ことを特徴とする請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項3】
前記検知情報には、前記センサが出力する計測値が含まれ、
前記プロセッサは、
前記カプセル化ステップにおいて、
前記計測値を、前記センサの閾値と比較し、
前記閾値との比較結果に基づいて、前記アイコンの態様を示す態様情報を生成し、
前記計測値、前記位置情報、および前記態様情報をカプセル化し、
前記出力ステップにおいて、前記アイコンを、前記態様情報に応じた態様で前記マップに重畳表示させるための処理を行う、
ことを特徴とする請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項4】
前記センサには、機械に設けられ、当該機械の運転状態に応じた色で点灯する積層表示灯が含まれ、
前記検知情報には、前記積層表示灯の点灯色を示す点灯色情報が含まれ、
前記プロセッサは、
前記カプセル化ステップにおいて、前記点灯色情報、および前記積層表示灯の位置を示す位置情報をカプセル化し、
前記出力ステップにおいて、前記ベクターデータに基づく前記積層表示灯のアイコンを、前記点灯色情報に応じた色で前記マップに重畳表示させるための処理を行う、
ことを特徴とする請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項5】
所定のマップ追加操作がなされた場合、前記プロセッサは、前記出力ステップにおいて、前記アイコンが重畳表示された新たなマップを表示する処理を行う、
ことを特徴とする請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項6】
所定のアイコン追加操作がなされた場合、前記プロセッサは、前記出力ステップにおいて、新たなアイコンを重畳表示させるための処理を行う、
ことを特徴とする請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項7】
前記アイコンに所定の変更操作がなされた場合、前記プロセッサは、前記出力ステップにおいて、当該アイコンの表示位置、およびサイズの少なくとも一方を、前記変更操作の内容に応じて変更する、
ことを特徴とする請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項8】
前記アイコンに所定の情報表示操作がなされた場合、前記プロセッサは、当該アイコンに対応するセンサに関する詳細を示す詳細情報を表示させる処理を行う第2出力ステップを更に実行する、
ことを特徴とする請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項9】
監視対象領域の中に配置される1以上のセンサと、
請求項1から8のいずれか一項に記載の情報処理装置と、
を備える、
ことを特徴とする監視システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報処理装置、及び監視システムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、例えば特許文献1に記載されたような状態監視システムが知られている。このシステムのプロセッサは、複数箇所に設置され、配置される各々の当該箇所の状態に影響する情報を検知する複数の状態センサからの検知結果を取得し、検知結果に応じて各々の箇所の状態を示す状態情報を把握し、区画を含むフロアマップの情報を取得し、各々の状態センサの検知能力に応じた領域であってユーザによって指定された当該領域をフロアマップの情報の区画に対して設定し、フロアマップの情報の区画ごとまたは領域ごとに、把握した状態情報に応じた表示をさせる。
【0003】
また、特許文献2に記載されたような工場設備リソース情報管理システムも知られている。このシステムの工場内リソース情報表示手段は、地図データに基づき、工場設備配置図をウインドウ表示させるとともに、表示された該工場設備配置図を含む表示要素に対する所定の指定に応じて、対応する所定の地図データあるいは官庁届出書類情報あるいは工場の資源情報に基づく情報をウインドウ表示させる。また、このシステムが扱う配置図のデータは、CADデータとなっている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特許第7320233号広報
【特許文献2】特開2001-243295号広報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特許文献1に記載されたような、フロアマップに状態情報に応じた表示をさせるシステムは、フロアマップ、および状態情報に応じた画像をビットマップ形式で生成することが多かった。このため、従来のシステムは、センサの検知結果が変化する度に、フロアマップ、および状態情報に応じた画像を生成し直す必要があった。画像を生成し直す処理は、手間がかかるし、画像表示が遅延する原因にもなる。
【0006】
また、特許文献2に記載されたような、CADデータ(ベクターデータ)を扱うシステムによれば、配置図を、ビットマップ形式のものを生成する場合に比べて少ない手間で生成することができる。しかし、従来のCADデータを扱うシステムには、外部から得られた情報(例えばセンサからのデータ等)に基づく画像を表示する場合に、当該データをCADデータに変換するのに手間がかかるという問題があった。特に、複数の異なる提供元からそれぞれデータを得る場合、各データのCADデータへの変換方法がそれぞれ異なる可能性がある。各データをそれぞれ異なる変換方法で変換する処理は、より多くの手間がかかるし、画像表示の支障となる可能性もある。
【0007】
本発明の一態様は、上記課題に鑑みてなされたもので、監視対象領域に設けられた複数のセンサからの情報に基づく画像を表示する際の手間を低減することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記の課題を解決するために、本発明の一態様に係る情報処理装置は、監視対象領域の中に配置された複数のセンサの検知情報と、各センサの位置を示す位置情報と、を取得する取得ステップと、前記検知情報、および前記位置情報をカプセル化するカプセル化ステップと、カプセル化した前記検知情報、および前記位置情報を含む変換用データをベクターデータに変換する変換ステップと、前記ベクターデータに基づく前記センサのアイコンを、前記監視対象領域を示すマップに重畳表示させるための処理を行う出力ステップと、を実行するプロセッサを備える。
【0009】
また、本発明の他の態様に係る監視システムは、監視対象領域の中に配置される1以上のセンサと、上記の情報処理装置と、を備える。
【発明の効果】
【0010】
本発明の各態様によれば、監視対象領域に設けられた複数のセンサからの情報に基づく画像を表示する際の手間を低減することができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】本発明の一態様の実施形態に係る監視システムの一例を示す構成図である。
図2】同システムが備える情報処理装置の電気的構成の一例を示すブロック図である。
図3】同装置が備えるプロセッサが実行する処理の流れの一例を示すフローチャートである。
図4】同装置が実行する検知情報のカプセル化の一例について説明する図である。
図5】同装置が実行するカプセル化した検知情報および位置情報のベクターデータへの変換の一例について説明する図である。
図6】同実施形態に係る監視システムの表示部が表示するマップの一例を示す図である。
図7】同表示部が表示する設定画面の一例を示す図である。
図8】同表示部が表示する詳細情報画面の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、図面を参照して、本発明の実施形態について詳細に説明する。
【0013】
<監視システム>
初めに、監視システムについて説明する。
【0014】
監視システム100は、ユーザが監視対象領域内の状態を監視するのに用いられる。監視対象領域は、特に限定されないが、例えば工場等が挙げられる。図1に示したように、監視システム100は、情報処理装置1と、1以上のセンサ2と、を備える。本実施形態に係る監視システム100は、ゲートウェイ3と、表示装置5と、を更に備える。
【0015】
[情報処理装置]
情報処理装置1は、センサ2の検知情報に基づくマップ511aの表示制御を行う。マップの詳細については後述する。本実施形態に係る情報処理装置1は、クラウドサービスを提供するサーバで構成されている。すなわち、情報処理装置1は、インターネットを介して監視システム100における他の構成と接続されている。なお、情報処理装置1は、一般的なPC(Personal Computer)、携帯端末、専用の装置等で構成されていてもよい。その場合、情報処理装置1は、監視対象領域内やその近傍に設置されてもよい。この情報処理装置1の具体的な動作については後述する。
【0016】
[センサ]
複数のセンサ2は、それぞれ監視対象領域の中に配置されている。監視対象領域が工場である場合、センサ2は、例えば、内部の各種設備(機械等)、建屋の壁、天井、扉等に配置される。そして、複数のセンサ2は、それぞれ情報処理装置1と接続されている。センサ2と情報処理装置1との接続は、有線であってもよいし、無線であってもよい。そして、複数のセンサ2は、それぞれ対象を計測し、その計測値を情報処理装置1へ送信する。センサ2には、電力量計(電力センサ)、振動センサ、温湿度センサ、開閉センサ、運転モニタ等が含まれる。電力量計は、当該電力量計が設けられた設備で消費される電力量を検知する。振動センサは、当該振動センサが設けられた設備の振動の大きさを検知する。温湿度センサは、周囲の空間の温度および湿度を検知する。開閉センサは、扉に設けられ、当該扉の開閉を検知する。運転モニタは、当該運転モニタが設けられた機械の運転状態を検知する。
【0017】
また、センサ2には、積層表示灯4が含まれる。積層表示灯4は、機械、またはその近傍に設けられる。そして、積層表示灯4は、情報処理装置1と接続されている。積層表示灯4と情報処理装置1との接続は、有線であってもよいし、無線であってもよい。そして、積層表示灯4は、機械の運転状態を計測し。その計測値を情報処理装置1へ送信する。すなわち、積層表示灯4は、運転モニタの一態様である。また、積層表示灯4は、機械の運転状態に応じた色(積層表示灯4自身が計測した計測値に基づく色)で点灯する。なお、積層表示灯4は、計測値を送信する代わりに、又は計測値と共に、点灯色情報を情報処理装置1へ送信するよう構成されていてもよい。点灯色情報は、積層表示灯4の現在の点灯色を示す情報である。
【0018】
また、センサ2には、電力量計、振動センサ、温湿度センサ、開閉センサの他、人感センサ、遮断センサ、加速度センサ、マットセンサ等が含まれてもよい。人感センサは、所定範囲内に人が立ち入ったことを検知する。遮断センサは、光を発する発光部と発光部からの光を受ける受講部を備え、発光部からの光が遮られたか否かを検知する。加速度センサは、建屋や設備に設けられ、当該建屋や設備に作用した加速度を検知する。マットセンサは、床に敷かれ、その上を通った人や物からの荷重の大きさを検知する。また、複数のセンサ2は、全て同じ種類のセンサ2であってもよいし、全て異なる種類のセンサ2であってもよい。また、複数のセンサ2のうちの少なくとも二つが同じ種類のセンサ2で、他が異なる種類のセンサ2であってもよい。
【0019】
[ゲートウェイ]
ゲートウェイ3は、センサ2からの計測値を収集し、情報処理装置1へ送信する。また、ゲートウェイ3は、センサ2に積層表示灯4が含まれている場合であって当該積層表示灯4が点灯色情報を出力するよう構成されている場合、積層表示灯4からの点灯色情報を収取し、情報処理装置1へ送信する。本実施形態に係るゲートウェイ3は、ルーター等で構成されている。
【0020】
[表示装置]
表示装置5は、情報処理装置1と通信する。センサ2と情報処理装置1との通信は、有線であってもよいし、無線であってもよい。本実施形態に係る表示装置5はブラウザを有している。そして、表示装置5は、情報処理装置1から監視対象領域を示すマップ511aのウェブページのデータを受信し、当該データに基づくマップ511aを表示部51に表示する。なお、表示装置5は、ブラウザ以外のアプリケーションでマップ511aを表示してもよい。なお、情報処理装置1が表示部を備えたものである場合、監視システム100は、表示装置5を備えていなくてもよい。
【0021】
本実施形態に係る表示装置5は、ユーザが操作可能な操作部52を備えている。操作部は、キーボード、ポインティングデバイス(マウス等)、タッチパネル等で構成されている。そして、表示装置5は、操作部52を介してユーザによる各種操作を受け付ける。表示装置5が受け付ける操作には、閾値設定操作、マップ追加操作、アイコン追加操作、変更操作、情報表示操作等が含まれる。
【0022】
閾値設定操作は、情報処理装置1に閾値を設定する操作である。閾値設定操作は、例えば、センサのアイコンiが設定された後、設定済みのセンサ2の閾値を変更する前等に行われる。閾値は、後述するセンサ2の計測値と比較するのに用いられる値である。本実施形態に係る閾値設定操作においては、1種類のセンサ2につき、第1の閾値と、当該第1の閾値よりも大きい第2の閾値と、が設定される。なお、設定される閾値は、1つであってもよいし、3つ以上であってもよい。表示装置5は、操作部52を介して閾値となる値が入力されると、当該値を情報処理装置1へ送信する。値を受信した情報処理装置1は、当該値を、対応するセンサ2の閾値として設定する。
【0023】
マップ追加操作、アイコン追加操作、変更操作、および情報表示操作の詳細については後述する。なお、情報処理装置が入力部を備えたものである場合、またはユーザが操作可能な独立した入力装置を監視システム100が備えている場合、表示装置5は、操作部を備えていなくてもよい。
【0024】
<情報処理装置の詳細>
次に、情報処理装置1の詳細について説明する。
【0025】
[情報処理装置の構成]
図2に示したように、情報処理装置1は、プロセッサ11を備える。本実施形態に係る情報処理装置1は、入出力インターフェース12と、一次メモリ13と、二次メモリ14と、を更に備える。プロセッサ11、入出力インターフェース12、一次メモリ13、および二次メモリ14は、バス15を介して接続されている。
【0026】
〔入出力インターフェース〕
入出力インターフェース12は、複数のセンサ2とプロセッサ11とを接続する。そして、入出力インターフェース12には、複数のセンサ2からの計測値が入力される。また、入出力インターフェース12は、表示装置5とプロセッサ11とを接続する。そして、入出力インターフェース12からは、プロセッサ11の処理結果が表示装置5へ出力される。
【0027】
〔一次メモリ・二次メモリ〕
一次メモリ13は、制御プログラムを記憶している。二次メモリ14は、プロセッサ11がセンサ2、積層表示灯4等から取得した各種情報を一時的に記憶する。
【0028】
〔プロセッサ〕
プロセッサ11は、情報処理装置1の動作を制御する。本実施形態に係るプロセッサ11は、一次メモリ13に記憶された制御プログラムに従って、図3に示したように、取得ステップS1と、カプセル化ステップS2と、変換ステップS3と、出力ステップS4と、を実行する。本実施形態に係るプロセッサ11は、第2出力ステップS5を更に実行する。また、本実施形態に係るプロセッサ11は、取得ステップS1、カプセル化ステップS2、変換ステップS3、および出力ステップS4を繰り返し実行する。
【0029】
(取得ステップ)
初めの取得ステップS1において、プロセッサ11は、センサ2の検知情報を取得する。「検知情報」には、センサ2の計測値(信号の高低)が含まれる。監視対象領域にセンサ2が複数設けられている場合、取得ステップS1において、プロセッサ11は、複数のセンサ2の検知情報をそれぞれ取得する。センサ2に積層表示灯4が含まれている場合であって当該積層表示灯4が点灯色情報を出力するよう構成されている場合、「検知情報」には、点灯色情報が含まれてもよい。
【0030】
また、取得ステップS1において、プロセッサ11は、位置情報を更に取得する。位置情報は、センサ2の位置を示す情報である。「位置を示す情報」には、例えば監視対象領域内の所定地点を基準(原点)とする平面座標(x、y)等が含まれる。これにより、センサ2を移動させた場合であっても、その移動を直ちにアイコンiの配置に反映させることができる。なお、情報処理装置1に位置情報が予め設定されている場合、プロセッサ11は、取得ステップS1において位置情報を取得しなくてもよい。
【0031】
(カプセル化ステップ)
検知情報を取得した後、プロセッサ11は、カプセル化ステップS2を実行する。カプセル化ステップS2において、プロセッサ11は、検知情報、および位置情報をカプセル化する。本実施形態に係るカプセル化ステップS2において、プロセッサ11は、検知情報、位置情報、および種類情報をカプセル化する。種類情報は、センサ2の種類を示す情報(例えばセンサ名)である。種類情報は、後述するアイコン追加操作が行われることにより設定される。以下、カプセル化した検知情報、および位置情報を少なくとも含む情報を変換用データと称する。
【0032】
検知結果が計測値である場合、本実施形態に係るカプセル化ステップS2において、プロセッサ11は、まず、計測値を、予め入力されているセンサ2の閾値と比較する。そして、プロセッサ11は、閾値との比較結果に基づいて、態様情報を生成する。態様情報は、アイコンiの態様を示す情報である。本実施形態に係るカプセル化ステップS2において、プロセッサ11は、アイコンiの色を示す態様情報を生成する。具体的には、計測値が第1の閾値未満であった場合、プロセッサ11は、正常な態様(例えば緑)を示す態様情報を生成する。また、計測値が第1の閾値以上第2の閾値未満であった場合、プロセッサ11は、注意を促す態様(例えば黄)を示す態様情報を生成する。また、計測値が第2の閾値以上であった場合、プロセッサ11は、警戒を知らせる態様(例えば赤)を示す態様情報を生成する。そして、プロセッサ11は、計測値、位置情報、および態様情報をカプセル化する。具体的には、プロセッサ11は、例えば図4に示したように、検知情報(計測値)、位置情報、および閾値から、カプセル化した種類情報、位置情報、データ形式、検知情報、および態様情報がひとまとめにされた変換用データを生成する。なお、態様情報は、アイコンiのサイズ等を示す情報であってもよい。
【0033】
一方、検知結果が点灯色情報である場合、本実施形態に係るカプセル化ステップにおいて、プロセッサ11は、点灯色情報、および積層表示灯4の位置を示す位置情報をカプセル化する。具体的には、プロセッサ11は、検知情報(点灯色情報)、および位置情報から、カプセル化した種類情報、位置情報、データ形式、および検知情報がひとまとめにされた変換用データを生成する。
【0034】
プロセッサ11は、検知データ等をカプセル化する際、検知情報の各データ形式を所定のデータ形式に統一する。これにより、各センサ2のメーカーが異なる等の理由により、各センサ2が出力する検知情報のデータ形式が異なっていても、変換用データのデータ形式はセンサ2によらず同じになる。このため、プロセッサ11は、後述する変換ステップS3において、ベクターデータへの変換を容易に行うことができる。
【0035】
(変換ステップ)
変換用データを生成した後、プロセッサ11は、変換ステップS3を実行する。変換ステップS3において、プロセッサ11は、カプセル化ステップS2で生成された変換用データをベクターデータに変換する。本実施形態に係る変換ステップS3において、プロセッサ11は、変換用データを、図5に示したように、SVG(Scalable Vector Graphics)形式のベクターデータに変換する。なお、プロセッサ11は、変換用データを、他の形式のベクターデータ(例えば、AI形式、INDD形式、PDF形式、EPS形式、DFX形式、DWF形式等)に変換してもよい。
【0036】
(出力ステップ)
検知情報をベクターデータに変換した後、プロセッサ11は、出力ステップS4を実行する。出力ステップS4において、プロセッサ11は、ベクターデータに基づくセンサ2のアイコンiを、監視対象領域を示すマップ511aに重畳表示させるための処理を行う。本実施形態に係る出力ステップS4において、プロセッサ11は、アイコンiが重畳表示されたマップ511aのウェブページのデータを生成し、当該データを表示装置5へ送信する。データを受信した表示装置5は、マップ表示画面511を表示部51に表示する。マップ表示画面511には、例えば図6に示したように、マップ511aと、アイコン凡例511bと、状態凡例511cと、が表示される。マップ511aは、監視対象領域に設けられた設備、通路等の配置、形状を平面視で示す。マップ511aには、アイコンiが重畳されている。アイコン凡例511bは、アイコンiの形状と、センサ2の種類と、の対応を示す。状態凡例511cは、アイコンiの色と、センサ2の計測対象の状態と、の対応を示す。
【0037】
上述したように、本実施形態に係るカプセル化ステップS2において、プロセッサ11は、検知情報、位置情報、および種類情報をカプセル化する(カプセル化した種類情報を含む変換用データを生成する)。このため、本実施形態に係る出力ステップS4において、プロセッサ11は、アイコンiを、種類情報に応じた形状で重畳表示させるための処理を行う。具体的には、プロセッサ11は、電力量計のアイコンiを、例えば電気をイメージした形状とする。また、積層表示灯4のアイコンiを、例えばその平面視形状(円)とする。また、振動センサのアイコンiを、例えば揺れをイメージした形状(矢印)とする。また、温湿度センサのアイコンiを、例えば温度計を模した形状とする。また、開閉センサのアイコンiを、例えば錠の形状とする。これにより、マップ511a上には、センサ2の種類に応じた形状のアイコンiが重畳表示される。このため、監視システム100のユーザは、注目したアイコンiが、何を検知するセンサ2に対応しているかを容易に把握することができる。
【0038】
また、上述したように、本実施形態に係る出力ステップS4において、プロセッサ11は、計測値、位置情報、および態様情報をカプセル化する(カプセル化した態様情報を含む変換用データを生成する)。このため、本実施形態に係る出力ステップS4において、プロセッサ11は、アイコンiを、カプセル化ステップS2で生成された態様情報に応じた態様でマップ511aに重畳表示させるための処理を行う。上述したように、本実施形態に係る態様情報は、アイコンiの色を示す情報である。このため、本実施形態に係る出力ステップS4において、プロセッサ11は、態様情報が示す色のアイコンiを生成してマップ511aに重畳表示させる。これにより、マップ511a上には、センサ2の計測値の高低に応じた態様のアイコンiが重畳表示される。このため、監視システム100のユーザは、センサ2が設けられた対象の状態を容易に把握することができる。
【0039】
また、上述したように、センサ2に積層表示灯4が含まれている場合であって当該積層表示灯4が点灯色情報を出力するよう構成されている場合、取得ステップS1において、プロセッサ11は、積層表示灯4から、点灯色情報を検知情報として取得してもよい。この場合、出力ステップS4において、プロセッサ11は、ベクターデータに基づく積層表示灯4のアイコンiを、点灯色情報に応じた色でマップ511aに重畳表示させるための処理を行う。これにより、マップ511a上には、積層表示灯4の点灯色と同じ色の積層表示灯4のアイコンiが重畳表示される。このため、監視システム100のユーザは、積層表示灯4が設けられている設備の状況を容易に把握することができる。
【0040】
また、上述したように、表示装置5には、ユーザにより所定のマップ追加操作がなされることがある。マップ追加操作は、情報処理装置1にマップ511aを設定する操作である。マップ追加操作は、例えば、監視対象領域の監視を初めて行う前、監視対象領域に追加・変更があった後等に行われる。プロセッサ11は、所定の画面呼出操作がなされると、設定画面512を表示部51に表示する。設定画面512には、例えば図7に示したように、マップ表示画面511と同様のマップ511aの他、データ入力欄512aが表示される。データ入力欄512aは、マップ511aを示すベクターデータがテキスト形式で入力できるよう構成されている。本実施形態に係るマップ追加操作は、このデータ入力欄512aにベクターデータを入力することである。マップ追加操作がなされた場合、プロセッサ11は、出力ステップS4において、アイコンiが重畳表示された新たなマップ511aを表示する処理を行う。表示装置5は、操作部52を介してマップ511aを示すベクターデータが入力されると、当該ベクターデータを情報処理装置1へ送信する。ベクターデータを受信した情報処理装置1は、当該当該ベクターデータに基づくマップ511aを、監視対象領域のマップ511aとして設定する。これにより、表示装置5は、追加された新たなマップ511aを表示する。このため、監視システムのユーザは、監視対象領域に変更(設備の配置変更、監視対象領域の拡大、縮小等)があった場合であっても、当該変更を直ちに把握することができる。
【0041】
また、上述したように、表示装置5には、ユーザにより所定のアイコン追加操作がなされることがある。アイコン追加操作は、情報処理装置1に種類情報を設定する操作である。アイコン追加操作は、例えば、監視対象領域の監視を初めて行う前、監視対象領域内に設けられるセンサ2に追加・変更があった後等に行われる。設定画面512には、マップ511a、およびデータ入力欄512aの他、操作ボタン512cも表示される。操作ボタン512cには、アイコンiを追加するための追加ボタン(ADD SETTING ICON)、アイコンiを削除するための削除ボタン(REMOVE)、アイコンiの状態を更新するための更新ボタン(UPDATE SVG)等が含まれる。本実施形態に係るアイコン追加操作は、追加ボタンをタッチまたはクリックし、追加したいアイコンiの種類を指定することである。表示装置5は、アイコンiの種類が指定されると、指定された種類に対応する種類情報を情報処理装置1へ送信する。当該種類情報を受信した情報処理装置1は、当該種類情報に対応するセンサ2を、通信対象として設定する。アイコン追加操作がなされた場合、プロセッサ11は、出力ステップS4において、新たなアイコンiを重畳表示させるための処理を行う。これにより、マップ511a上には、新たなアイコンiが追加で重畳表示される。このため、監視システムのユーザは、監視対象領域内に新たなセンサ2が追加された場合であっても、当該新たなセンサ2が設けられている設備等の状態を直ちに把握することができる。
【0042】
また、上述したように、表示装置5には、ユーザによりアイコンiに所定の変更操作がなされることがある。設定画面512には、マップ511a、およびデータ入力欄512aの他、スライダ512bも表示される。スライダ512bは、ユーザによる操作に応じてスライドする。スライダ512bには、アイコンiの横(X軸)方向の位置を調節するためのもの、アイコンiの縦(Y軸)方向の位置を調節するもの、およびアイコンiの大きさを調節するためのものがある。本実施形態に係る変更操作は、変更したいアイコンiを指定し、スライダ512bをスライドさせることである。変更操作がなされた場合、プロセッサ11は、出力ステップS4において、当該アイコンiの表示位置、およびサイズの少なくとも一方を、変更操作の内容(スライダのスライド量)に応じて変更する。これにより、マップ511a上には、表示位置、およびサイズの少なくとも一方が変更されたアイコンiが重畳表示される。このため、ユーザは、アイコンiが小さくて視認しづらい場合に、当該アイコンiを拡大して視認しやすくすることができる。また、ユーザは、アイコンiが重畳表示されている設備をマップ511a上で確認したい場合に、重畳表示されているアイコンiをどかすことができる。
【0043】
なお、出力ステップS4において、プロセッサ11は、情報処理装置1が備える表示部51にマップ511aを表示させる処理を行ってもよい。また、マップ511aのデータが別に用意されている場合、出力ステップS4において、プロセッサ11は、アイコンiのデータのみを生成して表示装置5へ送信したり、表示部51に表示させたりしてもよい。
【0044】
(第2出力ステップ)
アイコンiに所定の情報表示操作がなされた場合、プロセッサ11は、第2出力ステップS5を更に実行する。「情報表示操作」には、例えば、ポインティングデバイスを用いたアイコンiのクリック、タッチパネルにおけるアイコンiが表示されている部位のタッチ等が含まれる。第2出力ステップS5において、プロセッサ11は、詳細情報を表示させる処理を行う。詳細情報は、アイコンiに対応するセンサ2に関する詳細を示す情報である。本実施形態に係る第2出力ステップS5において、プロセッサ11は、詳細情報画面513を表示部51に表示する。詳細情報画面513の表示は、マップ表示画面511と入れ替えることによって行ってもよいし、マップ表示画面511とともに行ってもよい。詳細情報画面513には、例えば図8に示したように、対象状況513aと、測定値グラフ513bと、閾値513cと、が表示される。対象状況513aは、アイコンiに対応するセンサ2の測定値に基づく検知対象の状況である。センサ2が開閉センサである場合、対象状況513aは、センサ2が取り付けられた扉の開閉状態となる。また、この場合、対象状況513aには、当日扉が開いた回数が含まれる。測定値グラフ513bは、センサ2の測定値の時間推移を示すグラフである。閾値513cは、アイコンiに対応するセンサ2に設定されている閾値(第1の閾値、第2の閾値)である。これにより、ユーザは、センサ2の詳細な状況を容易に把握することができる。
【0045】
[情報処理装置の作用効果]
以上説明してきた情報処理装置1は、ベクターデータに変換するための変換用データを、検知情報等をカプセル化することにより生成する。その際、情報処理装置1は、検知情報のデータ形式を所定のデータ形式に統一する。これにより、各センサ2のメーカーが異なる等の理由により、各センサ2が出力する検知情報のデータ形式が異なっていても、変換用データのデータ形式はセンサ2によらず同じになる。このため、情報処理装置1によれば、監視対象領域に設けられた複数のセンサ2からの検知情報に基づく画像(アイコンi)を表示する際の手間を低減することができる。その結果、マップ511aやアイコンiを遅延することなく、かつ確実に(支障なく)表示部51に表示させることができる。
【0046】
<変形例>
本発明は上述した各実施形態に限定されず、請求項に示した範囲で種々の変更が可能である。すなわち、異なる実施形態にそれぞれ開示された技術的手段を適宜組み合わせて得られる実施形態についても本発明の技術的範囲に含まれる。
【0047】
例えば、上記情報処理装置1は、一つのプロセッサ11を備え、このプロセッサ11が、取得ステップS1、カプセル化ステップS2、変換ステップS3、および出力ステップS4をすべて実行していた。しかし、情報処理装置1は、複数のプロセッサを備え、これらの処理のうちの一部を一のプロセッサが実行し、残りを他のプロセッサが実行するよう構成されていてもよい。また、この場合、情報処理装置1は、単一の装置ではなく、複数のプロセッサが、異なる装置に分散して備えられたシステムを構成していてもよい。
【0048】
また、上記プロセッサ11の機能の一部または全部は、論理回路により実現することも可能である。例えば、上記各制御ブロックとして機能する論理回路が形成された集積回路も本発明の範疇に含まれる。この他にも、例えば量子コンピュータにより上記各制御ブロックの機能を実現することも可能である。
【0049】
<まとめ>
本発明の態様1に係る情報処理装置は、監視対象領域の中に配置された複数のセンサの検知情報と、各センサの位置を示す位置情報と、を取得する取得ステップと、前記検知情報、および前記位置情報をカプセル化するカプセル化ステップと、カプセル化した前記検知情報、および前記位置情報を含む変換用データをベクターデータに変換する変換ステップと、前記ベクターデータに基づく前記センサのアイコンを、前記監視対象領域を示すマップに重畳表示させるための処理を行う出力ステップと、を実行するプロセッサを備える、構成である。
【0050】
本発明の態様2に係る情報処理装置は、上記の態様1において、前記プロセッサは、前記カプセル化ステップにおいて、前記検知情報、前記位置情報、および各センサの種類を示す種類情報をカプセル化し、前記出力ステップにおいて、前記アイコンを、前記種類情報に応じた形状で重畳表示させるための処理を行う、構成としてもよい。
【0051】
本発明の態様3に係る情報処理装置は、上記の態様1または2において、前記検知情報には、前記センサが出力する計測値が含まれ、前記プロセッサは、前記カプセル化ステップにおいて、前記計測値を、前記センサの閾値と比較し、前記閾値との比較結果に基づいて、前記アイコンの態様を示す態様情報を生成し、前記計測値、前記位置情報、および前記態様情報をカプセル化し、前記出力ステップにおいて、前記アイコンを、前記態様情報に応じた態様で前記マップに重畳表示させるための処理を行う、構成としてもよい。
【0052】
本発明の態様4に係る情報処理装置は、上記の態様1から3のいずれかにおいて、前記センサには、機械に設けられ、当該機械の運転状態に応じた色で点灯する積層表示灯が含まれ、前記検知情報には、前記積層表示灯の点灯色を示す点灯色情報が含まれ、前記プロセッサは、前記カプセル化ステップにおいて、前記点灯色情報、および前記積層表示灯の位置を示す位置情報をカプセル化し、前記出力ステップにおいて、前記ベクターデータに基づく前記積層表示灯のアイコンを、前記点灯色情報に応じた色で前記マップに重畳表示させるための処理を行う、構成としてもよい。
【0053】
本発明の態様5に係る情報処理装置は、上記の態様1から4のいずれかにおいて、所定のマップ追加操作がなされた場合、前記プロセッサは、前記出力ステップにおいて、前記アイコンが重畳表示された新たなマップを表示する処理を行う、構成としてもよい。
【0054】
本発明の態様6に係る情報処理装置は、上記の態様1から5のいずれかにおいて、所定のアイコン追加操作がなされた場合、前記プロセッサは、前記出力ステップにおいて、新たなアイコンを重畳表示させるための処理を行う、構成としてもよい。
【0055】
本発明の態様7に係る情報処理装置は、上記の態様1から6のいずれかにおいて、前記アイコンに所定の変更操作がなされた場合、前記プロセッサは、前記出力ステップにおいて、当該アイコンの表示位置、およびサイズの少なくとも一方を、前記変更操作の内容に応じて変更する、構成としてもよい。
【0056】
本発明の態様8に係る情報処理装置は、上記の態様1から7のいずれかにおいて、前記アイコンに所定の情報表示操作がなされた場合、前記プロセッサは、当該アイコンに対応するセンサに関する詳細を示す詳細情報を表示させる処理を行う第2出力ステップを更に実行する、構成としてもよい。
【0057】
本発明の態様9に係る監視システムは、上記の態様1から8のいずれか一項において、監視対象領域の中に配置される1以上のセンサと、前記情報処理装置と、を備える、構成としてもよい。
【符号の説明】
【0058】
100:監視システム、1:情報処理装置、11:プロセッサ、12:入出力インターフェース、13:一次メモリ、14:二次メモリ、15:バス、2:センサ、3:ゲートウェイ、4:積層表示灯、5:表示装置、51:表示部、511:マップ表示画面、511a:マップ、511b:アイコン凡例、511c:状態凡例、512:設定画面、512a:データ入力欄、512b:スライダ、513:詳細情報画面、513a:対象状況、513b:測定値グラフ、513c:閾値、52:操作部、i:アイコン、S1:取得ステップ、S2:カプセル化ステップ、S3:変換ステップ、S4:出力ステップ、S5:第2出力ステップ
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8