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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2025162938
(43)【公開日】2025-10-28
(54)【発明の名称】半導体装置
(51)【国際特許分類】
   G11C 11/16 20060101AFI20251021BHJP
   H10B 61/00 20230101ALI20251021BHJP
【FI】
G11C11/16 214
H10B61/00
G11C11/16 230
【審査請求】未請求
【請求項の数】14
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2024092451
(22)【出願日】2024-06-06
(31)【優先権主張番号】63/634,846
(32)【優先日】2024-04-16
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(71)【出願人】
【識別番号】302062931
【氏名又は名称】ルネサスエレクトロニクス株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002066
【氏名又は名称】弁理士法人筒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】松原 謙
(72)【発明者】
【氏名】発田 充弘
(72)【発明者】
【氏名】武田 晃一
(72)【発明者】
【氏名】舟根 聖忠
(72)【発明者】
【氏名】下井 貴裕
【テーマコード(参考)】
4M119
【Fターム(参考)】
4M119AA11
4M119BB01
4M119CC05
4M119DD32
4M119DD55
4M119EE22
4M119EE27
4M119GG01
(57)【要約】
【課題】小型化を図ることが可能な、メモリアレイを備えた半導体装置を提供する。
【解決手段】半導体装置は、メモリアレイ10を備える。メモリアレイ10は、平面視で見たとき、中央部分に配置されたメモリセル領域MCAと外周部分に配置されたダミーセル領域DCA_U、DCA_Lとを備える。ダミーセル領域DCA_Lには、ワード線DWL2_SLFIXRF<L_0>に接続されたダミーセルD2_SSが配置され、ダミーセルD2_SSは、ワード線DWL2_SLFIXRF<L_0>にゲート端子が接続され、接地電圧Vssがドレイン端子に供給されたトランジスタNM2を備える。メモリセルNの読み出し動作の際に、ソース線CSL<0>~CSL<n>に接地電圧Vssが供給されるように、トランジスタNM2は導通状態にされる。
【選択図】図5
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1方向に延在する一対の第1辺と、前記第1辺と交差する第2方向に延在する一対の第2辺とを備え、前記第1辺と平行な複数の行と前記第2辺と平行な複数の列とを備えたメモリアレイを備える半導体装置であって、
前記メモリアレイは、平面視で見たとき、前記一対の第1辺間に配置されたメモリセル領域と、前記メモリセル領域と前記第1辺との間に配置されたダミーセル領域とを備え、
前記メモリアレイにおいて、前記メモリセル領域に配置されている各行には、第1ワード線と、前記第1ワード線にゲート端子が接続された第1トランジスタと第1記憶素子とを備える複数のメモリセルとが配置され、前記ダミーセル領域に配置されている各行には、第2ワード線と、前記第2ワード線にゲート端子が接続され、所定の電圧がドレイン端子に供給される第2トランジスタを備える複数の第1ダミーセルとが配置され、
前記メモリアレイにおいて、各列には、ソース線とビット線とが配置され、前記メモリセル領域に配置されている各列では、列に配置されたソース線に前記メモリセルの第1トランジスタのソース端子が接続され、列に配置されたビット線に前記メモリセルの第1トランジスタのドレイン端子が、前記第1記憶素子を介して接続され、前記ダミーセル領域に配置されている各列では、列に配置されたソース線に前記第1ダミーセルの第2トランジスタのソース端子が接続され、
前記複数のメモリセルは、前記メモリセル領域において、前記第1方向に第1ピッチで配置され、かつ前記第2方向に第2ピッチで配置され、前記複数の第1ダミーセルは、前記ダミーセル領域において、前記第1方向に前記第1ピッチで配置され、かつ前記第2方向に前記第2ピッチで配置され、
前記半導体装置は、
複数の前記第1ワード線に接続され、読み出し動作の際に、ロウアドレス信号に従った第1ワード線を選択するロウデコーダと、
前記第2ワード線に接続され、前記読み出し動作の際に、前記ソース線に前記所定の電圧が供給されるように、前記第1ダミーセルの第2トランジスタを導通状態にする選択信号を供給する制御回路と、
を備える、
半導体装置。
【請求項2】
請求項1に記載の半導体装置において、
前記ダミーセル領域は、前記第2ワード線とは異なる第3ワード線に接続された複数の第1ダミーセルが配置された行を、さらに備え、
前記第3ワード線は、前記制御回路に接続され、前記制御回路は、前記読み出し動作の際に、前記第3ワード線に接続された複数の第1ダミーセルの第2トランジスタを非導通状態にする、
半導体装置。
【請求項3】
請求項1に記載の半導体装置において、
前記ソース線は、互いに隣接した列間で共用されている、
半導体装置。
【請求項4】
請求項2に記載の半導体装置において、
前記ダミーセル領域は、前記第2ワード線および前記第3ワード線とは異なる第4ワード線が接続された複数の第2ダミーセルが配置された行を備え、
前記第2ダミーセルは、第3トランジスタと前記第3トランジスタのドレイン端子に接続された第2記憶素子とを備え、前記第3トランジスタのゲート端子は、前記第4ワード線に接続され、ソース端子は、前記ソース線に接続され、ドレイン端子は、前記第2記憶素子を介して、前記ビット線に接続され、
前記第2記憶素子のデータは、予め設定され、前記制御回路は、前記第2記憶素子のデータを読み出す際に、前記第4ワード線によって、前記第3トランジスタを導通状態にする、
半導体装置。
【請求項5】
請求項4に記載の半導体装置において、
前記第1記憶素子および前記第2記憶素子は、磁気トンネル接合の固定層、トンネル層および自由層を積層した3層構造の素子である、
半導体装置。
【請求項6】
請求項5に記載の半導体装置において、
前記半導体装置は、前記メモリセル領域内の複数の前記ビット線に接続され、カラムアドレス信号に従ったビット線を選択するカラムデコーダを備え、
前記ロウデコーダ、前記カラムデコーダおよび前記制御回路は、前記メモリアレイの外側に配置されている、
半導体装置。
【請求項7】
第1方向に延在する一対の第1辺と、前記第1辺と交差する第2方向に延在する一対の第2辺とを備え、前記第1辺と平行な複数の行と前記第2辺と平行な複数の列とを備えたメモリアレイを備える半導体装置であって、
前記メモリアレイは、平面視で見たとき、前記一対の第1辺間に配置されたメモリセル領域と、前記メモリセル領域と前記第1辺との間に配置されたダミーセル領域とを備え、
前記メモリアレイにおいて、前記メモリセル領域に配置されている各行には、第1ワード線と、前記第1ワード線にゲート端子が接続された第1トランジスタと第1記憶素子とを備える複数のメモリセルとが配置され、前記ダミーセル領域に配置されている各行には、第2ワード線と、前記第2ワード線にゲート端子が接続された第2トランジスタを備える複数の第1ダミーセルとが配置され、
前記メモリアレイにおいて、各列には、ソース線とビット線とが配置され、前記メモリセル領域に配置されている各列では、列に配置されたソース線に前記メモリセルの第1トランジスタのソース端子が接続され、列に配置されたビット線に前記メモリセルの第1トランジスタのドレイン端子が、前記第1記憶素子を介して接続され、前記ダミーセル領域に配置されている各列では、列に配置されたソース線に前記第1ダミーセルの第2トランジスタのソース端子が接続され、列に配置されたビット線に前記第1ダミーセルの第2トランジスタのドレイン端子が接続され、
前記複数のメモリセルは、前記メモリセル領域において、前記第1方向に第1ピッチで配置され、かつ前記第2方向に第2ピッチで配置され、前記複数の第1ダミーセルは、前記ダミーセル領域において、前記第1方向に前記第1ピッチで配置され、かつ前記第2方向に前記第2ピッチで配置され、
前記半導体装置は、
前記第1ワード線に接続され、読み出し動作の際に、ロウアドレス信号に従った第1ワード線を選択するロウデコーダと、
前記第2ワード線に接続され、前記第2トランジスタを導通状態にする選択信号を供給することで、前記ソース線と前記ビット線との間の電位差を低減させる制御回路と、
を備える、
半導体装置。
【請求項8】
請求項7に記載の半導体装置において、
前記ソース線は、互いに隣接した列間で共用されている、
半導体装置。
【請求項9】
請求項8に記載の半導体装置において、
前記ダミーセル領域は、前記第2ワード線とは異なる第3ワード線に接続された複数の第2ダミーセルが配置された行を、さらに備え、
前記第2ダミーセルは、前記第3ワード線にゲート端子が接続され、ソース端子が前記ソース線に接続され、所定の電圧がドレイン端子に供給される第3トランジスタを備え、
前記第3ワード線は、前記制御回路に接続され、前記制御回路は、前記読み出し動作の際に、前記ソース線に前記所定の電圧が供給されるように、前記第3ワード線に、前記第3トランジスタを導通状態にする選択信号を供給する、
半導体装置。
【請求項10】
請求項9に記載の半導体装置において、
前記ダミーセル領域は、前記第2ワード線および前記第3ワード線とは異なる第4ワード線に接続された複数の第2ダミーセルの行を、さらに備え、
前記第4ワード線は、前記制御回路に接続され、前記制御回路は、前記読み出し動作の際に、前記第4ワード線に接続された前記第2ダミーセルの第3トランジスタを非導通状態にする、
半導体装置。
【請求項11】
請求項10に記載の半導体装置において、
前記ダミーセル領域は、前記第2ワード線、前記第3ワード線および前記第4ワード線とは異なる第5ワード線が接続された複数の第3ダミーセルが配置された行を備え、
前記第3ダミーセルは、第4トランジスタと、前記第4トランジスタのドレイン端子に接続された第2記憶素子とを備え、前記第4トランジスタのゲート端子は、前記第5ワード線に接続され、ソース端子は、前記ソース線に接続され、ドレイン端子は、前記第2記憶素子を介して、前記ビット線に接続され、
前記第2記憶素子のデータは、予め設定され、前記制御回路は、前記第2記憶素子のデータを読み出す際に、前記第5ワード線によって、前記第4トランジスタを導通状態にする、
半導体装置。
【請求項12】
請求項11に記載の半導体装置において、
前記第1記憶素子および前記第2記憶素子は、磁気トンネル接合の固定層、トンネル層および自由層を積層した3層構造の素子である、
半導体装置。
【請求項13】
請求項12に記載の半導体装置において、
前記半導体装置は、前記メモリセル領域内の複数の前記ビット線に接続され、カラムアドレス信号に従ったビット線を選択するカラムデコーダを備え、
前記ロウデコーダ、前記カラムデコーダおよび前記制御回路は、前記メモリアレイの外側に配置されている、
半導体装置。
【請求項14】
請求項13に記載の半導体装置において、
前記第3ワード線が接続された複数の第2ダミーセルが配置された行は、前記一対の第1辺のうちの一方の第1辺と前記メモリセル領域との間の第1ダミーセル領域に配置され、
前記第2ワード線が接続された複数の第1ダミーセルが配置された行と、第4ワード線が接続された複数の第1ダミーセルが配置された行は、前記一対の第1辺のうちの他方の第1辺と前記メモリセル領域との間の第2ダミーセル領域に配置され、
第4ワード線に接続された複数の第3ダミーセルが配置された行は、前記第1ダミーセル領域と前記第2ダミーセル領域とに配置されている、
半導体装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、半導体装置に関し、例えば複数の抵抗変化型メモリセルが行列状に配置されたメモリアレイを備えた半導体装置に関する。
【背景技術】
【0002】
抵抗変化型メモリセル(以下、単にメモリセルとも称する)は、記憶する情報(データ)に応じて抵抗値が変化する記憶素子を備えたメモリセルを示している。このようなメモリセルによって構成された電気的に書き換え可能な不揮発性記憶装置(以下、不揮発性記憶装置とも称する)として、例えば磁気抵抗メモリ(Magnetoresistive Random Access Memory、以下MRAMとも称する)がある。
【0003】
複数のメモリセルが行列状に配置されて、メモリアレイが構成され、不揮発性記憶装置に形成される。メモリセルから、例えばデータを読み出す際には、アドレス信号によってメモリアレイからメモリセルが特定され、特定されたメモリセルからデータの読み出しが行われる。この場合、メモリアレイ内の外周部分に配置されているメモリセルの製造バラツキによる特性の変化は、メモリアレイ内の中央部分に配置されているメモリセルの製造バラツキによる特性の変化に比べて、大きくなる。例えば、外周部分に配置されているメモリセルの抵抗値は、製造バラツキによって比較的大きく変化し、正しいデータを読み出すことが困難になる。
【0004】
正しいデータが読み出されるのを保証するために、メモリアレイ内の外周部分には、アドレス信号によって特定されない(使用者に公開しない)メモリセルが形成されたダミーセル領域を配置することが行われる。例えば非特許文献1には、メモリアレイ内の外周部分に、ダミーセル領域を配置し、ダミーセル領域に配置されているメモリセルを、ワンタイムプログラムメモリ(One Time Programmable Memory:以下、OTPとも称する)として用いることが示されている。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0005】
【非特許文献1】“A 16nm 32Mb Emmbedded STT-MRAM with a 6ns Read-Access Time, a 1M-Cycle With Endurance, 20-Year Retention at 150°C and MTJ-OTP Solutions for Magnetic Immunity”, ISSCC 2023/SESSION 33/NON-VOLATILE MEMORY AND COMPUTE-IN-MEMORY/33.1, 2023 IEEE International Solid-State Circuit Conference
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
一般的に、微細化を進めてメモリセルサイズをシュリンクするほど、メモリアレイ内の外周部分に配置されているメモリセルの製造バラツキによる特性の変化が大きくなるため、ダミーセル領域に配置するメモリセルの数を増やすことが必要である。特に、MRAMの場合、メモリセルの抵抗値の差(記憶したデータに対応した高抵抗値と低抵抗値との間の差)が小さく、メモリアレイ内の外周部分に配置されているメモリセルの製造バラツキが大きいと読み出しエラーとなる可能性が高いため、さらにダミーセル領域に配置するメモリセルの数を増やすことが必要となる。
【0007】
非特許文献1に示されているように、ダミーセル領域に配置されているメモリセルを、トリミング情報を格納するOTPとして使用すれば、ダミーセル領域の一部を有効的に利用することが可能である。しかしながら、トリミング情報等は、それほど大きな容量を必要としないため、ダミーセル領域に配置されているメモリセルは、その大部分が未使用となる。また、MRAMのような1つの記憶素子と1つの選択トランジスタで構成されるメモリセルは、記憶素子を備えていない選択トランジスタのみのメモリセルも、ダミーセル領域に配置される。記憶素子を備えていないため、このようなメモリセルは、OTPとして用いることができないため、このようなメモリセルは、未使用のメモリセルとなり、ダミーセル領域に配置されているメモリセルにおいて未使用のものは更に多くなる。
【0008】
メモリセルサイズのシュリンクを行っても、ダミーセル領域に配置するメモリセルの数を増やすことが必要となるため、ダミーセル領域が増加し、メモリアレイにおけるダミーセル領域の面積比率が、シュリンク前よりも高くなり、実効的なメモリセルのサイズが大きくなる。そこで、本発明者らは、ダミーセル領域を有効活用して、メモリアレイを備える半導体装置の小型化を図ることを考えた。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本願において開示される実施の形態のうち代表的なものの概要を簡単に説明すれば下記の通りである。
【0010】
すなわち、一実施の形態に係る半導体装置は、第1方向に延在する一対の第1辺と、第1辺と交差する第2方向に延在する一対の第2辺とを備え、第1辺と平行な複数の行と第2辺と平行な複数の列とを備えたメモリアレイを備えている。
【0011】
ここで、メモリアレイは、平面視で見たとき、一対の第1辺間に配置されたメモリセル領域と、メモリセル領域と第1辺との間に配置されたダミーセル領域とを備えている。メモリアレイにおいて、メモリセル領域に配置されている各行には、第1ワード線と、第1ワード線にゲート端子が接続された第1トランジスタと第1記憶素子とを備える複数のメモリセルとが配置され、ダミーセル領域に配置されている各行には、第2ワード線と、第2ワード線にゲート端子が接続され、所定の電圧がドレイン端子に供給される第2トランジスタを備える複数の第1ダミーセルとが配置されている。また、メモリアレイにおいて、各列には、ソース線とビット線とが配置され、メモリセル領域に配置されている各列では、列に配置されたソース線にメモリセルの第1トランジスタのソース端子が接続され、列に配置されたビット線にメモリセルの第1トランジスタのドレイン端子が、第1記憶素子を介して接続され、ダミーセル領域に配置されている各列では、列に配置されたソース線に第1ダミーセルの第2トランジスタのソース端子が接続されている。
【0012】
複数のメモリセルは、メモリ領域において、第1方向に第1ピッチで配置され、かつ第2方向に第2ピッチで配置され、複数の第1ダミーセルは、ダミーセル領域において、第1方向に前記第1ピッチで配置され、かつ第2方向に第2ピッチで配置されている。
【0013】
さらに、半導体装置は、第1ワード線に接続され、読み出し動作の際に、ロウアドレス信号に従った第1ワード線を選択するロウデコーダと、第2ワード線に接続され、読み出し動作の際に、ソース線に所定の電圧が供給されるように、第1ダミーセルの第2トランジスタを導通状態にする選択信号を供給する制御回路とを備えている。
【0014】
その他の課題と新規な特徴は、本明細書の記述および添付図面から明らかになるであろう。
【発明の効果】
【0015】
一実施の形態によれば、小型化を図ることが可能な、メモリアレイを備えた半導体装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
図1図1は、実施の形態1に係る半導体装置に内蔵されている不揮発性記憶装置の構成を示すブロック図である。
図2図2(A)および図2(B)は、実施の形態1に係るメモリセルおよびダミーセルの構成を示す回路図である。
図3図3は、実施の形態1に係るメモリセルの構造を示す平面図である。
図4図4は、実施の形態1に係るメモリセルの構造を示す断面図である。
図5図5は、実施の形態1に係るメモリアレイの構成を示す回路図である。
図6図6は、実施の形態1に係る半導体装置の構成を示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、本発明の各実施の形態について、図面を参照しつつ説明する。なお、開示はあくまでも一例にすぎず、当業者において、発明の主旨を保っての適宜変更について容易に想到し得るものについては、当然に本発明の範囲に含有されるものである。
【0018】
また、本明細書と各図において、既出の図に関して前述したものと同様の要素には、同一の符号を付して、詳細な説明を適宜省略することがある。
【0019】
(実施の形態1)
<半導体装置の構成>
図6は、実施の形態1に係る半導体装置の構成を示すブロック図である。図6において、1000は半導体装置を示している。半導体装置1000は、内部バス1001と、内部バス1001に接続された複数の回路ブロックとを備えている。半導体装置1000が備える内部バス1001と複数の回路ブロックは、同一の半導体基板上に形成されている。
【0020】
図6では、複数の回路ブロックの一例として、プロセッサ1002、揮発性記憶装置(RAM)1003、不揮発性記憶装置1004、タイマ1005、アナログ/デジタル変換回路(ADC)1006、デジタル/アナログ変換回路(DAC)1007、通信用インタフェース回路(通信IF)1008および周辺回路1009が示されている。勿論、図6に示した回路ブロックは、一例であって、これに限定されるものではない。
【0021】
例えばプロセッサ1002がプログラムに従て動作することで、半導体装置1000により所定の機能が実現される。所定の機能を実現するために、内部バス1001に接続されている回路ブロック(例えば、不揮発性記憶装置1004、周辺回路1009等)が、内部バス1001を介して、プロセッサ1002によってアクセスされる。このアクセスによって、プロセッサ1002が、例えば、不揮発性記憶装置1004に記憶されているデータを読み出す動作が行われる。この読み出し動作では、プロセッサ1002が、アドレス信号(ロウアドレス信号とカラムアドレス信号)と読み出し/書き込みに係る制御信号(以下、リード/ライト制御信号R/Wとも称する)を、内部バス1001を介して、不揮発性記憶装置1004に供給する。リード/ライト制御信号R/Wによって読み出し動作が指示されると、不揮発性記憶装置1004は、供給されたアドレス信号に従って特定(選択)されたメモリセルのデータを、内部バス1001を介してプロセッサ1002へ出力する。
【0022】
実施の形態1では、不揮発性記憶装置1004は、MRAMであり、MRAMのメモリセルが行列状に配置されたメモリアレイを備えるものを例として説明するが、これに限定されず、不揮発性記憶装置1004は、抵抗変化型メモリセルが行列状に配置されたメモリアレイを備えた記憶装置であればよい。
【0023】
<不揮発性記憶装置の構成>
図1は、実施の形態1に係る半導体装置に内蔵されている不揮発性記憶装置の構成を示すブロック図である。
【0024】
実施の形態1に係る不揮発性記憶装置1004は、メモリアレイ10と、ロウデコーダ(R-DEC & R-DRV)11と、カラムデコーダ(C-DEC & C-SW)12と、センスアンプ13と、書き込み回路14と、制御回路15とを備えている。
【0025】
平面視で見たとき、半導体基板上において、ロウデコーダ11と、カラムデコーダ12と、センスアンプ13と、書き込み回路14と、制御回路15は、メモリアレイ10の外側に配置されている。メモリアレイ10の内部は、模式的ではあるが、半導体基板上における実際の配置に合わせて描かれている。
【0026】
メモリアレイ10は、平面視で見たとき、半導体基板上において、第1方向DP1に延在する一対の第1辺10_1と、第1方向DP1と交差(直交)する第2方向DP2に延在する一対の第2辺10_2によって構成された四角形の形状を有している。メモリアレイ10には、第1辺10_1と平行した複数の行と、第2辺10_2と平行した複数の列とによって構成された行列が配置されている。図1では、符号CLMで1列が例示され、符号RLMで1行が例示されている。
【0027】
メモリアレイ10は、メモリアレイ10内の中央部分にメモリセル領域MCAが配置され、メモリセル領域MCAを囲むようにダミーセル領域DCA_U、DCA_L、DCA_R、DCA_Eが配置されている。言い換えると、一対の第1辺10_1間に、メモリセル領域MCAが配置され、一対の第1辺10_1のうちの一方の第1辺10_1Aとメモリセル領域MCAとの間に、第1ダミーセル領域DCA_Uが配置され、一対の第1辺10_1のうちの他方の第1辺10_1Bとメモリセル領域MCAとの間に、第2ダミーセル領域DCA_Lが配置されている。また、一対の第2辺10_2とメモリセル領域MCAとの間に、ダミーセル領域DCA_R、DCA_Eが配置されている。
【0028】
メモリアレイ10に配置されている行列において、メモリセル領域MCAが配置された(メモリセル領域MCAが割り当てられた)行列には、図1に示すように、複数のメモリセルNが配置されている。同様に、メモリアレイ10に配置されている行列において、ダミーセル領域DCA_U、DCA_L、DCA_R、DCA_Eが配置された(ダミーセル領域が割り当てられた)行列には、図1に示すように、複数のダミーセルD1、D2が配置されている。メモリセルNおよびダミーセルD1、D2の構成については、後で図2を用いて一例を説明するので、ここでは説明を省略する。
【0029】
メモリセルおよびダミーセルを、平面視で見たとき、メモリセルNおよびダミーセルD1、D2の第1方向DP1の長さおよび第2方向DP2の長さは、等しくなっている。すなわち、メモリセルNおよびダミーセルD1、D2の第1方向DP1の長さは、同じMLL1であり、第2方向DP2の長さは、同じMLL2である。メモリセルN、ダミーセルD1、D2は、メモリアレイ10内の行列において、隙間なく配置されているため、第1方向DP1において、複数のメモリセルNは、長さMLL1に相当するピッチP1の間隔で配置され、第2方向DP2において、長さMLL2に相当するピッチP2の間隔で配置されていることになる。同様に、複数のダミーセルD1、D2も、第1方向DP1では、長さMLL1に相当するピッチP1で配置され、第2方向DP2では、長さMLL2に相当するピッチP2で配置されていることになる。
【0030】
メモリアレイ10を構成する行列の各列には、ソース線とビット線が配置されている。図1では、メモリセル領域MCAおよびダミーセル領域DCA_U、DCA_Lの列に配置されているソース線が、符号CSL<0>~CSL<n>で示され、ビット線が、符号BL<0>~BL<m>で示されている。また、ダミーセル領域DCA_R、DCA_Eの列に配置されているソース線が、符号CSL<D>で示され、ビット線が符号BL<D>で示されている。
【0031】
図1では、互いに隣接した2列に対して、1本のソース線(例えばCSL<0>)を配置する例が示されているが、これに限定されるものではない。例えば、各列に対して、1本のソース線と1本のビット線を配置するようにしてもよい。しかしながら、図1に示すように、互いに隣接する列間で、ソース線を共用することで、小型化を図る、またはソース線の配線を太くして配線抵抗を小さくすることが可能である。
【0032】
メモリアレイ10を構成する行列の各行には、ワード線が配置されている。図1では、メモリセル領域MCAの行およびダミーセル領域DCA_R、DCA_Eの一部の行に配置されているワード線が、符号WL<0>~WL<N>で示され、ダミーセル領域DCA_R、DCA_Eの一部の行およびダミーセル領域DCA_U、DCA_Lの行に配置されているワード線が、符号DWL2<U_0>~DWL2<U_n>、符号DWL1<U_0>~DWL1<U_n>、符号DWL2<L_0>~DWL2<L_n>、符号DWL1<L_0>~DWL1<L_n>で示されている。
【0033】
<<メモリセルNおよびダミーセルD1、D2>>
ここで、メモリセルNおよびダミーセルD1、D2を、図面を用いて説明しておく。図2は、実施の形態1に係るメモリセルおよびダミーセルの構成を示す回路図である。実施の形態1においては、ダミーセルD1の構成は、メモリセルNと同じである。図2(A)は、メモリセルNおよびダミーセルD1の構成を示しており、図2(B)は、ダミーセルD2の構成を示している。
【0034】
図2(A)に示されているように、メモリセルNおよびダミーセルD1は、Nチャンネル型電界効果トランジスタ(以下、単にトランジスタとも称する)NM1と記憶素子MTJとを備えている。トランジスタNM1のゲート端子は、ワード線WLまたはDWL1に接続され、ドレイン端子TDTは、記憶素子MTJを介して端子TMTに接続されている。図2(A)において、符号TSTは、トランジスタNM1のソース端子を示している。記憶素子MTJは、実施の形態1では、磁気トンネル接合(Magnetic Tunneling Junction)の3層構造の素子である。この3層構造の素子は、固定層(Pinned Layer)、トンネル層(Tunneling Layser)および自由層(Free Layer)を積層した構造の素子であり、書き込んだデータに従って抵抗値が変化する。
【0035】
ダミーセルD2は、図2(B)に示されているように、トランジスタNM2を備えている。トランジスタNM2のゲート端子は、ワード線WL、DWL1またはDWL2に接続されている。図2(B)において、符号TDTは、トランジスタNM2のドレイン端子を示し、符号TSTは、トランジスタNM2のソース端子を示している。
【0036】
なお、図2において、符号MLL1およびMLL2は、メモリセルNおよびダミーセルD1、D2の第1方向DP1および第2方向DP2の長さを模式的示している。
【0037】
図1に戻って、不揮発性記憶装置1004の説明を続ける。
【0038】
ワード線WL<0>~WL<N>は、ロウデコーダ11に接続されている。ロウデコーダ11は、デコーダ回路11_Dとワード線ドライバを備えている。デコーダ回路11_Dは、プロセッサ1002(図6)からのロウアドレス信号(Rアドレス)をデコードし、ロウアドレス信号に従った選択信号を生成する。ワード線ドライバは、ワード線WL<0>~WL<N>に対応した複数のスイッチSSWおよびNSWを備えている。デコーダ回路11_Dによって生成された選択信号に従って、スイッチSSWまたはNSWが導通状態となる。選択信号によってスイッチSSWが導通状態となると、このスイッチSSWを介して、対応するワード線に選択ワード線電圧(電源電圧)Vppが供給される。これに対して、選択信号によってスイッチNSWが導通状態となると、スイッチNSWを介して、対応するワード線に非選択ワード線電圧Vmm(Vppよりも低い電圧、例えば負電圧、接地電圧Vss等)が供給される。
【0039】
メモリセル領域MCAの行列に配置されたメモリセルNは、図2(A)で説明したように、トランジスタNM1のゲート端子は、ワード線WL(WL<0>~WL<N>)に接続されている。また、メモリセルN内のトランジスタNM1のソース端子TSTは、ソース線CSL<0>~CSL<n>に接続され、トランジスタNM1のドレイン端子は、記憶素子MTJおよび端子TMTを介してビット線BL<0>~BL<m>に接続されている。
【0040】
ビット線BL<0>~BL<m>は、カラムデコーダ12に接続されている。カラムデコーダ12には、プロセッサ1002(図6)からカラムアドレス信号(Cアドレス)が供給される。カラムデコーダ12は、図示しないが、デコーダ回路(C-DEC)とカラムスイッチ(C-SW)を備えている。デコーダ回路(C-DEC)が、カラムアドレス信号をデコードし、選択信号を生成する。カラムスイッチ(C-SW)は、ビット線BL<0>~BL<m>から、選択信号によって指定されたビット線を選択し、センスアンプ13および書き込み回路14に接続する。
【0041】
例えば、ロウアドレス信号がワード線WL<0>を示し、カラムアドレス信号がビット線BL<0>を示している場合、デコーダ回路11_Dによって生成された選択信号によって、ワード線WL<0>に対応するスイッチSSWが導通状態となり、ワード線WL<0>に接続されている複数のメモリセルN内のトランジスタNM1が導通状態となり、複数のメモリセルN内の記憶素子MTJが、トランジスタNM1を介して対応するビット線とソース線との間に接続されることになる。このとき、デコーダ回路(C-DEC)がカラムアドレス信号に従ってビット線BL<0>を選択する選択信号を生成し、カラムスイッチ(C-SW)がビット線BL<0>を、センスアンプ13と書き込み回路14に接続することになる。なお、このとき、他のワード線(例えばWL<N>)については、対応するスイッチNSWが導通状態となるため、他のワード線に接続されている複数のメモリセルN内のトランジスタNM1は非導通状態となる。その結果、他のワード線に接続されている複数のメモリセルN内の記憶素子MTJは、対応するビット線とは電気的に分離されることになる。
【0042】
センスアンプ13は、読み出し制御信号R_CNTによって制御され、書き込み回路14は、書き込み制御信号W_CNTによって制御される。すなわち、センスアンプ13は、読み出し制御信号R_CNTによって読み出し動作が指示された場合、接続されたビット線における電圧(メモリセルNのデータに従った電圧)を増幅し、読み出しデータOutとして、プロセッサ1002に供給する。これに対して、書き込み制御信号W_CNTによって書き込み動作が指示された場合、書き込み回路14が、プロセッサ1002から供給されている入力データInを、接続されているビット線に供給し、メモリセルNへの書き込みが行われる。
【0043】
制御回路15は、プロセッサ1002からのリード/ライト制御信号R/Wに従って、読み出し動作を示す読み出し制御信号R_CNTおよび書き込み動作を示す書き込み制御信号W_CNTを出力する。
【0044】
また、制御回路15は、ダミーセル領域DCA_U、DCA_Lの行およびDCA_R、DCA_Eの一部の行に配置されているワード線DWL2<U_0>~DWL2<U_n>、DWL1<U_0>~DWL1<U_n>、DWL2<L_0>~DWL2<L_n>、DWL1<L_0>~DWL1<L_n>に接続されている。実施の形態1に係る制御回路15には、アドレス信号(ロウアドレス信号:Rアドレスおよびカラムアドレス信号:Cアドレス)は供給されておらず、予め定められた選択信号および非選択信号を、接続されているワード線に供給する。
【0045】
ダミーセル領域DCA_RおよびDCA_Eの各列に配置されたビット線BL<D>およびソース線CSL<D>は、特に制限されないが、実施の形態1では、図1に示されているように、共通の配線IVLに接続されている。ビット線BL<D>およびソース線CSL<D>は、読み出し動作および書き込み動作では用いられないため、図1では、配線IVLに接地電圧Vssが供給されている。配線IVLに供給する電圧は接地電圧Vssに限定されず、書き込みを禁止する電圧、書き込み時の耐圧緩和電圧であってもよい。あるいは、配線IVLはフローティング状態でもよい。
【0046】
図1に示した不揮発性記憶装置1004においては、メモリアレイ10内の中央部分に、アドレス信号(RアドレスとCアドレス)によって特定されるメモリセルによって構成されたメモリセル領域MCAが配置され、メモリセル領域MCAを囲む、メモリアレイ10内の外周部分に、上記のアドレス信号によっては特定されず、使用者に公開されないダミーセルによって構成されたダミーセル領域DCA_U、DCA_L、DCA_R、DCA_Eが配置されている。これにより、ダミーセル領域によって、メモリセル領域の特性が保証されることになる。
【0047】
図1に示されているように、ダミーセル領域DCA_U、DCA_L、DCA_R、DCA_Eにおいて、メモリセル領域MCAに近接した部分(領域)には、メモリセルNと同様の構成を備えたダミーセルD1が配置され、その外側の部分(領域)には、トランジスタNM2のみを備えたダミーセルD2が配置されている。これにより、メモリセルNを構成するトランジスタと記憶素子の特性は、メモリセルNと同様の構成を備えたダミーセルD1のトランジスタと記憶素子とによって保証され、さらにメモリセルNとダミーセルD1のトランジスタNM1の特性は、ダミーセルD2のトランジスタNM2によって保証されることになる。
【0048】
<<<メモリセルの構造>>>
次に、メモリセルの構造例を、図面を用いて説明する。図3は、実施の形態1に係るメモリセルの構造を示す平面図である。また、図4は、実施の形態1に係るメモリセルの構造を示す断面図である。図4は、図3において破線A-A‘の断面を示している。以下、主に図3および図4を用いて、メモリセルの構造例を説明する。
【0049】
半導体基板上に、P型ウェル領域1000_PWが形成されており、このP型ウェル領域1000_PW内にメモリセルNが形成されている。
【0050】
P型ウェル領域1000_PW内に形成されたN型拡散層DFNが、メモリセルNのトランジスタNM1(図2(A)参照)のソース領域(S)およびドレイン領域(D)を構成する。図示しないゲート絶縁膜を介して、ソース領域(S)およびドレイン領域(D)を構成するN型拡散層DFN間のP型ウェル領域1000_PW上に形成されたポリシリコン層PSGによって、トランジスタNM1のゲート電極が構成されている。また、このポリシリコン層PSGが、ワード線WLとして、第1方向DP1(図1および図2(A)参照)に延在している。
【0051】
図示しない層間絶縁膜に設けられたビアホールに充填された金属V0を介して、N型拡散層DFNによって構成されたソース領域(S)およびドレイン領域(D)は、第1層目の金属層M1に接続されている。ここで、ソース領域(S)に接続された第1層目の金属層M1が、ソース線M1(CSL:例えば図1のCSL<0>等)を構成する。
【0052】
第1層目の金属層M1上に、図示しない層間絶縁膜に設けられたビアホールに充填された金属V1を介して、第1層目の金属層M1に第2層目の金属層M2が接続され、さらに、第2層目の金属層M2上に、図示しない層間絶縁膜に設けられたビアホールに充填された金属V2を介して、第2層目の金属層M2に第3層目の金属層M3が接続されている。この第3金属層M3と第4金属層との間に、記憶素子MTJが接続され、図示しない層間絶縁膜に設けられたビアホールに充填された金属V4を介して、第4層目の金属層M4に第5層目の金属層M5が接続されている。この第5層目の金属層M5が、ビット線M5(BL:例えば図1のBL<0>等)を構成する。これにより、メモリセルNにおいて、トランジスタNM1のドレイン端子とビット線BLとの間に記憶素子MTJが接続されることになる。なお、ソース線M1(CSL)とビット線M5(BL)とは、第1方向DP1と交差(直交する)第2方向DP2(図1および図2(A)参照)に延在する。
【0053】
1個のメモリセルNは、平面視で見たとき、図3において細い破線で囲まれた領域に形成されており、第1方向DP1の長さがMLL1で、第2方向DP2の長さがMLL2となっている。また、図3に示したメモリセルNの構造では、1本のワード線WLは、ドレイン領域(D)および記憶素子MTJを挟んで配置された2本のポリシリコン層PSG(G_A)、PSG(G_B)によって構成されている。
【0054】
ダミーセルD1は、メモリセルNと構成が同じであるため、図3および図4は、ダミーセルD1の構造を示しているとも見なすことができる。また、ダミーセルD2は、図3および図4から、記憶素子MTJを除いた構造である。平面視で見たときのメモリセルNおよびダミーセルD1、D2の長さ(MLL1、MLL2)および面積は、互いに等しい。
【0055】
勿論、図3および図4に示したメモリセルの構造は、一例であって、これに限定されるものではない。例えば、図1で説明したように、ソース線M1(CSL)は、2つの列で共用しているが、共用無し、あるいは4列以上で共用するようにしてもよい。
【0056】
<メモリアレイの構成>
図5は、実施の形態1に係るメモリアレイ10の構成を示す回路図である。図5には、図1に示したメモリセル領域MCAと、メモリセル領域MCAと第1辺10_1A(図1参照)との間に配置されたダミーセル領域(第2ダミーセル領域)DCA_Uと、メモリセル領域MCAと第1辺10_1B(図1参照)との間に配置されたダミーセル領域(第1ダミーセル領域)DCA_Lのみが示されている。
【0057】
図5において、メモリセル領域MCA内およびダミーセル領域DCA_U、DCA_L内に示されているメモリセル、ダミーセル、ワード線、ビット線およびソース線は、模式的ではあるが、半導体基板における実際の平面的な配置に合わせて描かれている。
【0058】
平面視で見たとき、メモリセル領域MCAの行には、図1で示したように、ワード線(第1ワード線)WL<0>~WL<N>が配置され、ワード線WL<0>~WL<N>には、それが配置された行に配置されているメモリセルNを構成するトランジスタ(第1トランジスタ)NM1のゲート端子が接続されている。図5に示すように、メモリセルNを構成するトランジスタNM1のソース端子TST(図2(A))は対応するソース線(例えばCSL<n>)に接続され、ドレイン端子TDT(図2(A))は、記憶素子(第1記憶素子)MTJ1および端子TMT(図2(A))を介して対応するビット線(例えばBL<m>)に接続されている。
【0059】
ダミーセル領域DCA_Uの行には、ワード線DWL2_EQN<U_0>~DWL2_EQN<U_3>とワード線DWL1_OTP<U_0>~DWL1_OTP<U_5>が配置されている。ここで、ワード線DWL2_EQN<U_0>~DWL2_EQN<U_3>は、図1に示したワード線DWL2<U_0>~DWL2<U_n>に該当し、ダミーセルD2が配置された行に配置されている。また、ワード線DWL1_OTP<U_0>~DWL1_OPT<U_5>は、図1に示したワード線DWL1<U_0>~DWL2<U_n>に該当し、ダミーセルD1が配置された行に配置されている。
【0060】
また、ダミーセル領域DCA_Lの行には、ワード線DWL2_SLFIXRF<L_0>~DWL2_SLFIXRF<L_3>と、ワード線DWL2_NOSL<L_0>~DWL2_NOSL<L_1>と、ワード線DWL1_OTP<L_0>~DWL1_OTP<L_5>が配置されている。ここで、ワード線DWL2_SLFIXRF<L_0>~DWL2_SLFIXRF<L_3>と、ワード線DWL2_NOSL<L_0>~DWL2_NOSL<L_1>は、図1に示したワード線DWL2<L_0>~DWL2<L_n>に該当し、ダミーセルD2が配置された行に配置されている。また、ワード線DWL1_OTP<L_0>~DWL1_OPT<L_5>は、図1に示したワード線DWL1<U_0>~DWL2<U_n>に該当し、ダミーセルD1が配置された行に配置されている。
【0061】
ダミーセル領域DCA_Uについては、後で実施の形態2で説明するので、ここでは、説明を省略する。
【0062】
<<ダミーセル領域DCA_L>>
図5においては、平面視で見たとき、ダミーセル領域DCA_Lに、12行の行列が配列されている。この12行のうち、メモリセル領域MCAに隣接した6行にダミーセルD1(D1_OT)が配置され、その外側の残りの6行にダミーセルD2(D2_SS、D2_NS)が配置されている。勿論、この行数は、一例であって、この行数に限定されるものではない。
【0063】
ダミーセル(第1ダミーセル)D2_SSおよびD2_NSが配置された行には、図5に示されているように、ワード線(第2ワード線)DWL2_SLFIXRF<L_0>~DWL2_SLFIXRF<L_3>およびワード線(第3ワード線)DWL2_NOSL<L_0>~DWL2_NOSL<L_1>が配置されており、ダミーセルD2_SSを構成するトランジスタ(第2トランジスタ)NM2のゲート端子は、当該ダミーセルが配置された行に配置されたワード線DWL2_SLFIXRF<L_0>~DWL2_SLFIXRF<L_3>に接続され、ダミーセルD2_NSを構成するトランジスタNM3のゲート端子は、当該ダミーセルが配置された行に配置されたワード線DWL2_NOSL<L_0>~DWL2_NOSL<L_1>に接続されている。
【0064】
また、ダミーセルD2_SSを構成するトランジスタNM2のソース端子は、当該ダミーセルが配置された列に対応するソース線(例えば、CSL<n>)に接続され、ドレイン端子には所定の電圧(図5では、接地電圧Vss)が供給されている。同様に、ダミーセルD2_NSを構成するトランジスタNM3のソース端子は、当該当該ダミーセルが配置された列に対応するソース線(例えば、CSL<n>)に接続され、ドレイン端子には所定の電圧(図5では、接地電圧Vss)が供給されている。ダミーセルD2_SSを構成するトランジスタとダミーセルD2_NSを構成するトランジスタとで、説明の都合上、異なる符号を用いているが、サイズおよび特性は等しいものである。
【0065】
図1に示した制御回路15は、メモリセルNからデータを読み出す動作の際に、ワード線DWL2_SLFIXRF<L_0>~DWL2_SLFIXRF<L_3>に対して、トランジスタNM2を導通状態にするような選択信号を供給するとともに、ワード線DWL2_NOSL<L_0>~DWL2_NOSL<L_1>に対して、トランジスタNM3を非導通状態にするような選択信号を供給する。これにより、ダミーセルD2_SSを構成するトランジスタNM2を介して、ソース線CSL<0>~CSL<n>に対して所定の電圧(接地電圧Vss)が供給されることになる。ソース線CSL<0>~CSL<n>が所定の電圧となることで、ビット線BL<0>~BL<m>の電圧は、所定の電圧を基準電圧として、記憶素子MTJ1の状態に応じた電圧となり、センスアンプ13(図1)によって増幅され、読み出される。
【0066】
それぞれのソース線(例えば、CSL<n>)には、読み出し動作の際に、複数のトランジスタNM2(図5では、8個のトランジスタ)によって並列的に、所定の電圧が供給されることになるため、ソース線の電圧を、確実に所定の電圧に固定することが可能となり、誤ったデータが読み出されるのを低減することが可能である。
【0067】
読み出し動作の際に、ソース線と所定の電圧との間を接続するトランジスタの数が多い程、ソース線の電圧を確実に固定することが可能であるが、ソース線と所定の電圧との間を流れる電流の増加することになる。そこで、図5では、ダミーセルD2_SSと同等の構成を有するダミーセルD2_NSに接続されたワード線DWL2_NOSL<L_0>~DWL2_NOSL<L_1>に対しては、制御回路15から、ダミーセルD2_NS内のトランジスタNM3を非導通状態にするような選択信号を供給するようにしている。これにより、互いに同等の構成を有する複数のダミーセルD2を、ダミーセル領域DCA_Lにおいて、規則的に配置しながら、消費電流の増加を抑制しつつ、誤ったデータが読み出されるのを低減することが可能である。
【0068】
さらに消費電流の低減を図るために、ダミーセルD2_NSを構成するトランジスタNM3のドレイン端子は、所定の電圧が供給されないようにし、フローティング状態にしても良いし、さらに、トランジスタNM3のソース端子もソース線から分離し、フローティング状態にしても良い。
【0069】
ダミーセル(第2ダミーセル)D1_OTが配置された行には、図5に示されているように、ワード線(第4ワード線)DWL1_OTP<L_0>~DWL1_OTP<L_5>が配置されており、ダミーセルD1_OTを構成するトランジスタ(第3トランジスタ)NM4のゲート端子は、当該ダミーセルが配置された行に配置されたワード線DWL1_OTP<L_0>~DWL1_OTP<L_5>に接続され、トランジスタNM4のソース端子は、当該ダミーセルが配置された列に配置されたソース線(例えば、CSL<n>)に接続され、ドレイン端子は、記憶素子(第2記憶素子)MTJ2を介して、当該ダミーセルが配置された列に配置されたビット線(例えば、BL<m>)に接続されている。
【0070】
ダミーセルD1_OTは、OTP用のメモリセルであり、トリミング情報等が予め書き込まれる。例えば、記憶素子MTJ2を破壊することで、ダミーセルD1_OTにトリミング情報等を構成するデータが書き込まれる。記憶素子MTJ2を破壊するか否かで、データが書き込まれるため、記憶素子MTJ2の非破壊時の抵抗値と、破壊後の抵抗値とのと間の差を大きくすることが可能である。また、ダミーセルD1_OTについては、相補でデータを読み出す構成とすることで、さらに抵抗値の差を大きくすることが可能である。
【0071】
例えば、ソース線CSL<n>と、ワード線DWL1_OPT<L_5>とに接続された2個のダミーセルD1_OTに、相補のデータを書き込み、読み出し時には、ビット線BL<m-1>とBL<m>との間の電圧差を読み出すようにすることで、相補的なデータの読み出しが可能である。このように、抵抗値の差を大きくすることで、メモリセル領域MCAの外側に配置された製造時に抵抗値のバラツキが大きいメモリセルでも、ダミーセルD1_OTから正しいトリミング情報等を読み出すことが可能である。
【0072】
このように、実施の形態1によれば、読み出し動作時に、ソース線に所定の電圧を供給するのに、ダミーセル領域に配置されているダミーセルD2_SSが用いられるため、ダミーセル領域を有効に用いることが可能であり、誤ったデータが読み出されるのも低減することも可能である。また、トリミング情報等も、ダミーセルD1_OTを用いることでダミーセル領域に格納することが可能であり、さらに、ダミーセル領域を有効に用いることが可能である。
【0073】
また、ソース線に所定の電圧を供給するのに、記憶素子MTJは用いていないため、記憶素子MTJのバラツキに影響されずに、ソース線に所定の電圧を供給することが可能である。
【0074】
ソース線と所定の電圧との間は、複数の並列接続されたトランジスタNM2によって接続されることになるため、トランジスタNM2の特性にバラツキが存在しても、ソース線には、確実に所定の電圧を供給することが可能である。また、ダミーセルD2_SSは、メモリアレイ10内の外周部分に配置されているため、トランジスタNM2のオン抵抗が高くなることが考えられるが、図5のように並列接続されたトランジスタNM2が用いられるため、所定の電圧とソース線との間を、低抵抗(並列接続された導通状態のトランジスタNM2の合成抵抗)で接続することが可能である。
【0075】
図5には、ソース線に所定の電圧を供給するのに、4行に配置されたダミーセルDS_SSを用いる例が示されているが、これに限定されず、1行のダミーセルD2_SSあるいは5行以上のダミーセルD2_SSを用いるようにしてもよい。
【0076】
また、ダミーセルD2_SSの代わり、あるいは併用して、記憶素子MTJ2を備えるダミーセルD1(例えば、D1_OT)を、ソース線に所定の電圧を供給するダミーセルとして用いるようにしてもよい。この場合、記憶素子MTJ2は、その抵抗値が小さくなるように書き込み等の処理を行っておくことが望ましい。
【0077】
ダミーセルD2_SSを用いずに、例えば、メモリアレイ10の外側に、所定の電圧(接地電圧Vss)とソース線CSL<0>~CSL<n>との間を接続する複数のトランジスタを設けるようにする構成も考えられる。しかしながら、このような構成の場合、メモリアレイ10の外側に、トランジスタを形成する領域が必要とされるとともに、トランジスタとソース線とを接続する配線を形成する領域が必要なり、面積の増加となる。また、トランジスタとソース線とを接続する配線の寄生容量により、ソース線に接続される寄生容量が増加することが考えられ、ソース線を所定の電圧に設定するまでの時間が長くなることが考えられる。
【0078】
実施の形態1によれば、このようなトランジスタおよび配線が必要とされないため、小型化を図ることが可能であるとともに、ソース線を所定の電圧に設定するまでの時間が長くなるのを防ぐことが可能である。
【0079】
(実施の形態2)
図5を用いて実施の形態2に係るメモリアレイ10を説明する。
【0080】
平面視で見たとき、図5に示したダミーセル領域DCA_Uには、12行の行列が配置されている。12行のうち、メモリセル領域MCAに隣接した6行には、ダミーセルD1(D1_OT)が配置され、その外側の残りの6行にダミーセルD2(D2_EQ)が配置されている。勿論、この行数は、一例であって、この行数に限定されるものではない。
【0081】
ダミーセル(第1ダミーセル)D2_EQが配置された行には、図5に示されているように、ワード線(第2ワード線)DWL2_EQN<U_0>~DWL2_EQN<U_3>が配置されており、ダミーセルD2_EQを構成するトランジスタ(第2トランジスタ)NM5のゲート端子は、当該ダミーセルが配置された行に配置されたワード線DWL2_EQN<U_0>~DWL2_EQN<U_3>に接続されている。
【0082】
また、ダミーセルD2_EQを構成するトランジスタNM5のソース端子は、当該ダミーセルが配置された列に対応するソース線(例えば、CSLM<n>)に接続され、ドレイン端子は、ビット線(例えば、BL<m-1>またはBL<m>)に接続されている。
【0083】
なお、図5において、ゲート端子が、ワード線DWL2_EQN<U_0>またはDWL2_EQN<U_3>に接続され、ソース端子がソース線(CSL<n>)に接続され、ドレイン端子TDTがフローティング状態のトランジスタNM5を備えるセルは、ダミーセルD2を示している。
【0084】
ダミーセルD2_EQは、メモリセルNの読み出し動作の前等において、ビット線とソース線とをイコライズするために用いられる。メモリセルNのデータを読み出す前に、ビット線(例えば、BL<m>)の電圧は、所定の電圧(例えば接地電圧Vss)に固定され、読み出し動作が開始すると、所定の電圧から、メモリセルの記憶素子MTJ1の抵抗値によって定まる電圧へと遷移し、その後センスアンプによって増幅さえる。すなわち、読み出し動作の前に、ビット線とソース線とをイコライズすることが必要である。
【0085】
実施の形態2では、図1に示した制御回路15が、メモリセルNに対する読み出し動作前に、トランジスタNM5を導通状態にするような選択信号を、ワード線DWL2_EQN<U_0>~DWL2_EQN<U_3>に供給する。より具体的に述べると、制御回路15は、メモリセルNに対する読み出し動作の前に、上記の選択信号をワード線DWL2_EQN<U_0>~DWL2_EQN<U_3>へ供給し、その後メモリセルNに対する読み出しを開始すると、トランジスタNM5を非導通状態にするような非選択信号を、DWL2_EQN<U_0>~DWL2_EQN<U_3>へ供給する。これにより、ダミーセルD2_SS内のトランジスタNM2が導通状態になっている期間のうちの一部の期間において、トランジスタNM5が導通状態となり、その後トランジスタNM5は非導通状態となる。
【0086】
その結果、ダミーセルD2_SS内のトランジスタNM2によって、ソース線に所定の電圧が供給されている期間のうちの一部の期間において、ビット線とソース線との間の電位差を低減させるイコライズ動作が行われ、メモリセルNの読み出し動作を開始する前に、ダミーセルD2_EQによる上記のイコライズ動作が終了し、ビット線の電圧がメモリセルNのデータに従って変化するようになる。
【0087】
ダミーセル(第3ダミーセル)D1_OTが配置された行には、図5に示されているように、ワード線(第5ワード線)DWL1_OTP<U_0>~DWL1_OTP<U_5>が配置されている。ダミーセルD1_OTは、実施の形態1のダミーセル領域DCA_Lで説明したダミーセルD1_OTと同じ、OTP用のメモリセルである。ダミーセルD1_OTは、既に実施の形態1で述べているので、詳しい説明は省略する。
【0088】
イコライズを実施するタイミングとして、メモリセルNの読み出し動作の前を説明したが、これに限定されるものではない。例えば、読み出し動作において、カラムデコーダ12(図1)によって非選択とされるビット線は、読み出し動作の期間においても、イコライズを継続することが望ましい。例えば、カラムデコーダ12によって、図5に示したビット線BL<m>が選択される場合、ビット線BL<m-1>は非選択となる。読み出し動作が実施されている期間においても、ビット線BL<m-1>に接続されているダミーセルD2_EQによって、ビット線BL<m-1>とソース線CSL<n>とを接続して、イコライズを継続する。これを実現するためには、例えばカラムアドレス信号(Cアドレス:図1)が制御回路15に供給されるようにし、カラムアドレス信号に基づいて、制御回路15が、ビット線BL<m-1>に接続されているダミーセルD2_EQのワード線(図5の例では、DWL2_EQN<U_0>)に対して、メモリセルNの読み出し動作の期間においても、選択信号を供給するようにすればよい。
【0089】
イコライズにより、ビット線BL<0>~BL<m>に所定の電圧を供給するためには、ソース線CSL<0>~CSL<n>に所定の電圧を供給する必要がある。実施に形態1で説明したように、ダミーセル(第2ダミーセル)D2_SSによって、ソース線CSLには、所定の電圧(接地電圧Vss)が供給される。
【0090】
しかしながら、ダミーセルDS_SSを用いずに、例えば、メモリアレイ10の外側に、所定の電圧(接地電圧Vss)とソース線CSL<0>~CSL<n>との間を接続する複数のトランジスタを設けるような構成にしてもよい。しかしながら、このような構成では、メモリアレイ10の外側に、トランジスタを形成する領域が必要とされるとともに、トランジスタとソース線とを接続する配線を形成する領域が必要なり、面積の増加となる。また、トランジスタとソース線とを接続する配線の寄生容量により、ビット線とソース線に接続される寄生容量が増加することが考えられ、読み出し動作が遅くなることが考えられる。
【0091】
実施の形態2によれば、ダミーセルD2_SS、D2_EQによって、ソース線への所定の電圧の供給とイコライズとが実施されるため、小型化を図ることが可能であるとともに、読み出し動作の高速化を図ることが可能である。
【0092】
実施の形態2によれば、ビット線をイコライズするのに、ダミーセル領域にあるダミーセルD2_EQが用いられるため、ダミーセル領域を有効に用いることが可能である。
【0093】
なお、図5に示すように、ダミーセルD2_EQはメモリアレイ10内の外周部分に配置されている。そのため、ダミーセルD2_EQを構成するトランジスタNM5の特性は悪く、例えば閾値電圧が高くなることが考えられる。しかしながら、トランジスタNM5は、ビット線とソース線とをイコライズするのに用いるものであるため、閾値電圧が高くても問題はない。
【0094】
図5では、イコライズを行うために、記憶素子MTJ2を有しないダミーセルを用いる例を示したが、記憶素子MTJ2を有するダミーセルD1(例えばD1_OT)でイコライズを行うようにしてもよい。この場合、イコライズ時には、ソース線とビット線とが、トランジスタNM4と記憶素子MTJ2を介して接続されることになる。すなわち、比較的高抵抗で、ソース線とビット線とが接続されることになる。
【0095】
図5では、ダミーセル領域DCA_Uに配置されたダミーセルD2_EQでイコライズを行い、ダミーセル領域DCA_Lに配置されたダミーセルD2_SSでソース線に所定の電圧を供給する例を示したが、これに限定されるものではない。例えば、ダミーセル領域DCA_UおよびDCA_Lのそれぞれに、イコライズを行うダミーセルD2_EQと所定の電圧を供給するダミーセルD2_SSを配置するようにしてもよい。
【0096】
以上、本発明者によってなされた発明を実施の形態に基づき具体的に説明したが、本発明は前記実施の形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々変更可能であることはいうまでもない。
【符号の説明】
【0097】
10 メモリアレイ
11 ロウデコーダ
12 カラムデコーダ
15 制御回路
1000 半導体装置
1002 プロセッサ
1004 不揮発性記憶装置
D1、D1_OT、D2、D2_EQ、D2_NS、D2_SS ダミーセル
DCA_E、DCA_L、DCA_R、DCA_U ダミーセル領域
N メモリセル
NM1~NM5 トランジスタ
MCA メモリセル領域
MTJ、MTJ1、MTJ2 記憶素子
図1
図2
図3
図4
図5
図6