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  • 特開-ガラス化溶融炉発熱体装入装置 図1
  • 特開-ガラス化溶融炉発熱体装入装置 図2
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  • 特開-ガラス化溶融炉発熱体装入装置 図4
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2025163083
(43)【公開日】2025-10-28
(54)【発明の名称】ガラス化溶融炉発熱体装入装置
(51)【国際特許分類】
   G21F 9/30 20060101AFI20251021BHJP
【FI】
G21F9/30 519K
【審査請求】有
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2025125344
(22)【出願日】2025-07-28
(62)【分割の表示】P 2024537099の分割
【原出願日】2023-10-20
(31)【優先権主張番号】10-2023-0002825
(32)【優先日】2023-01-09
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(71)【出願人】
【識別番号】518442000
【氏名又は名称】コリア ハイドロ アンド ニュークリアー パワー カンパニー リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110000671
【氏名又は名称】IBC一番町弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】ファン,ソク ジュ
(72)【発明者】
【氏名】キム,デク マン
(72)【発明者】
【氏名】キム,チョン ウ
(57)【要約】      (修正有)
【課題】放射性廃棄物をガラス化させるためのガラス化溶融炉の非常停止時、ガラス化溶融炉の再稼働のために、ガラス溶融物を加熱するための発熱体を装入する装置を提供する。
【解決手段】ガラス化溶融炉発熱体装入装置は、放射性廃棄物をガラス化するガラス溶融炉内に発熱体を装入するものであり、メインフレームと、前記メインフレームの一端に位置するユニバーサルジョイントと、前記ユニバーサルジョイントと連結されて回動する少なくとも一つの発熱体結着部と、前記発熱体結着部の末端に位置し、前記発熱体を把持するグリッパを含み得る。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
放射性廃棄物をガラス化するガラス溶融炉内に発熱体を装入する装置において、
メインフレーム;
前記メインフレームの一端に位置するユニバーサルジョイント;
前記ユニバーサルジョイントと連結されて回動する少なくとも一つの発熱体結着部;
前記発熱体結着部の末端に位置し、前記発熱体を把持するグリッパ;および
前記メインフレーム上にスライディングされるように位置し、前記発熱体結着部の挙動を調節する基準部を含み、
前記グリッパは支持部と前記支持部と連結される把持部を含み、
前記基準部が前記メインフレームの前記一端方向にスライディングされる場合、
前記発熱体結着部は前記メインフレームから遠くなるように回動される、ガラス化溶融炉発熱体装入装置。
【請求項2】
前記把持部は第1フィンガ部と、前記第1フィンガ部と結合される第2フィンガ部と、前記第1フィンガ部と前記第2フィンガ部を結合する第1ジョイントと、前記第1フィンガ部と前記第2フィンガ部それぞれを前記支持部に結合させる第2ジョイントを含む、請求項1に記載のガラス化溶融炉発熱体装入装置。
【請求項3】
前記第1ジョイントと連結され、前記第1フィンガ部と前記第2フィンガ部の動きを調節して前記第1フィンガ部と前記第2フィンガ部が前記発熱体を把持するか、前記発熱体の把持を解除するようにする調節ワイヤをさらに含む、請求項2に記載のガラス化溶融炉発熱体装入装置。
【請求項4】
前記調節ワイヤの緩めと固定を調節し、前記メインフレームの他端に位置する調節部をさらに含む、請求項3に記載のガラス化溶融炉発熱体装入装置。
【請求項5】
前記基準部が前記メインフレームの前記一端と反対になる方向にスライディングされる場合、
前記発熱体結着部は前記メインフレームと近接するように回動される、請求項1に記載のガラス化溶融炉発熱体装入装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、放射性廃棄物をガラス化するためのガラス化溶融炉の非常停止時に、ガラス化溶融炉の再稼働のために、ガラス溶融物(Glass Melt)を加熱するための発熱体を装入する装置に関する。
【背景技術】
【0002】
原子力発電所や放射線同位元素利用機関などで発生している放射性廃棄物は、安全に廃棄しなければならない。放射性廃棄物は、放射能の強度によって中・低レベル廃棄物(Low and Intermediate-level Waste)と高レベル廃棄物(High-level Waste)に区分する。中・低レベル放射性廃棄物は、原子力発電所の運転過程で発生する廃棄物、例えば、ろ材、イオン交換樹脂、廃液蒸発器の濃縮残渣、そして放射線作業者が使用した作業服、工具、紙くずなど雑固体がほとんどである。
【0003】
このような中・低レベル放射性廃棄物は、固化材、例えばセメントやパラフィンなどを混合して廃棄物ドラム内に封入した後、固化させるか圧縮して廃棄物ドラム内に封入して廃棄物管理施設など安全な場所に保管しているが、廃棄物管理施設の設備と維持には相当な人力とコストがかかるだけでなく、社会的忌避現象により設備に多くの困難が伴い、深刻な社会問題となっているのが現状である。
【0004】
なお、中・低レベル放射性廃棄物の処理技術として廃棄物を焼却(Combustion)、熱分解(Pyrolysis)した後、ガラスとともに高温溶融させるガラス化技術によってガラス固化体で処理している。このような中・低レベル放射性廃棄物のガラス化技術によっては廃棄物の量を画期的に減量できるだけでなく、放射能の漏出を永久的に遮断することができる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
放射性廃棄物のガラス化のためのガラス化溶融炉のガラス化初期には発熱体を装入するために、別途の装置なしで作業者が直接装入したが、非常時の放射性廃棄物がある環境では作業者の近接作業が難しかった。
【0006】
ガラス化溶融炉の非常停止時に、ガラス溶融物内部のガラスを完全に除去してガラス化過程を再開するため、ガラス除去時の作業者の被ばくや事故発生の危険性があった。
【0007】
ガラス化工程で初期ガラス溶融物の形成のために、内部に発熱体(Ti-ring)が装入されて発熱後に酸化される。放射性廃棄物を処理する過程中に、不時停止が発生すると、内部の溶湯が冷めた状態になり、溶融炉の再稼働のためには発熱体を追加で装入しなければならない。
【0008】
そこで、本発明は上述した問題を解決するために、発熱体を装入する装置を活用して非定常停止時にガラス除去作業を行うことなく内部のガラスが固まった状態で再稼働作業を遂行できるガラス溶融物を加熱するための発熱体を装入する装置を提供することにある。
【0009】
本発明の課題は以上で言及した課題に制限されず、言及されていないまた他の課題は以下の記載から当業者に明確に理解されるものである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
前記課題を達成するための本発明の実施形態によるガラス化溶融炉発熱体装入装置は、放射性廃棄物をガラス化するガラス溶融炉内に発熱体を装入するものであり、メインフレームと、前記メインフレームの一端に位置するユニバーサルジョイントと、前記ユニバーサルジョイントと連結されて回動する少なくとも一つの発熱体結着部と、前記発熱体結着部の末端に位置し、前記発熱体を把持するグリッパを含み得る。
【0011】
前記グリッパは支持部と前記支持部と連結される把持部を含み得る。
【0012】
前記把持部は第1フィンガ部と、前記第1フィンガ部と結合される第2フィンガ部と、前記第1フィンガ部と前記第2フィンガ部を結合する第1ジョイントと、前記第1フィンガ部と前記第2フィンガ部それぞれを前記支持部に結合させる第2ジョイントを含み得る。
【0013】
前記第1ジョイントと連結され、前記第1フィンガ部と前記第2フィンガ部の動きを調節して前記第1フィンガ部と前記第2フィンガ部が前記発熱体を把持するか、前記発熱体の把持を解除するようにする調節ワイヤをさらに含み得る。
【0014】
前記調節ワイヤの緩めと固定を調節し、前記メインフレームの他端に位置する調節部をさらに含み得る。
【0015】
前記メインフレーム上にスライディングされるように位置し、前記発熱体結着部の挙動を調節する基準部をさらに含み得る。
【0016】
前記基準部が前記メインフレームの前記一端方向にスライディングされる場合、前記発熱体結着部は前記メインフレームから遠くなるように回動され得る。
【0017】
前記基準部が前記メインフレームの前記一端と反対になる方向にスライディングされる場合、前記発熱体結着部は前記メインフレームと近接するように回動され得る。
【0018】
その他実施形態の具体的な内容は詳細な説明および図面に含まれている。
【発明の効果】
【0019】
本発明によれば、発熱体を装入する装置を活用して非定常停止時にガラス除去作業を行うことなく、内部ガラスが固まった状態で再稼働作業を遂行できるガラス溶融物を加熱するための発熱体を装入する装置が提供される。
【図面の簡単な説明】
【0020】
図1】本発明の実施形態によるガラス化溶融炉発熱体装入装置を示す図である。
図2】本発明の実施形態によるガラス化溶融炉発熱体装入装置のグリッパを示す図である。
図3】本発明の実施形態によるガラス化溶融炉発熱体装入装置の基準部の駆動を示す図である。
図4】本発明の実施形態によるガラス化溶融炉発熱体装入装置を用いて発熱体をガラス化溶融炉内に装入することを示す図である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0021】
本発明は、放射性廃棄物をガラス化するガラス溶融炉内に発熱体を装入する装置において、メインフレーム;前記メインフレームの一端に位置するユニバーサルジョイント;前記ユニバーサルジョイントと連結されて回動する少なくとも一つの発熱体結着部;および前記発熱体結着部の末端に位置し、前記発熱体を把持するグリッパを含む。
【発明を実施するための形態】
【0022】
以下、添付する図面を参照して本発明の好ましい実施形態について詳細に説明する。本発明の利点および特徴、並びにこれらを達成する方法は添付する図面と共に詳細に後述する実施形態を参照すると明確になる。しかし、本発明は以下に開示する実施形態に限定されるものではなく、互いに異なる多様な形態で実現することができ、本実施形態は単に本発明の開示を完全にし、本発明が属する技術分野で通常の知識を有する者に発明の範疇を完全に知らせるために提供するものであり、本発明は請求項の範疇によってのみ定義される。明細書全体にわたって同一の参照符号は同一の構成要素を指すものとする。
【0023】
以下、本発明の実施形態によるガラス溶融炉発熱体装入装置について説明する。
【0024】
図1は本発明の実施形態によるガラス化溶融炉発熱体装入装置を示す図であり、図2は本発明の実施形態によるガラス化溶融炉発熱体装入装置のグリッパを示す図であり、図3は本発明の実施形態によるガラス化溶融炉発熱体装入装置の基準部の駆動を示す図であり、図4は本発明の実施形態によるガラス化溶融炉発熱体装入装置を用いて発熱体をガラス化溶融炉内に装入することを示す図である。
【0025】
なお、放射性廃棄物のガラス化処理システムは、放射性廃棄物をより安全に処理する設備であり、中・低レベル放射性廃棄物の体積を画期的に減らすことができるだけでなく、いかなる環境でも放射性物質が周辺に漏出することを最小化することができ、放射性廃棄物の処理安全性を大幅に向上させることができる。
【0026】
放射性廃棄物のガラス化処理システムは、放射性廃棄物をガラス構造と結合させて放射性物質が環境に流出することを根本的に遮断できるだけでなく、放射性廃棄物の体積を革新的に減少させることができる。ガラス化技術は、原子力発電所で発生するすべての可燃性および非可燃性の中・低レベル放射性廃棄物の最初発生体積を1/20以下に減らすことができる。これにより、放射性廃棄物の処分安全性の確保はもちろん管理施設建設のための処分事業の安定的な推進にも大きく寄与することができる。
【0027】
放射性廃棄物のガラス化処理システムは、概略的に次の過程により放射性廃棄物をガラス化することができる。
【0028】
誘導加熱式ガラス化溶融炉にガラス原料を入れて電磁場によって誘導された熱でガラスを溶かす。約1100℃のガラス溶融物が作られると、放射性廃棄物貯蔵部に貯蔵された粉砕した廃棄物が放射性廃棄物供給装置を介してガラス溶融物に供給され、ガラス溶融物上で分解され、放射性物質はガラス成分と固く結合する。誘導加熱式ガラス化溶融炉で処理できる可燃性廃棄物としては作業者が使用した服や手袋、靴、紙くずなどと原子力発電所の水質浄化のために使用した低放射性廃樹脂などがある。
【0029】
ガラス構造をなすようになった放射性核種はいかなる環境条件でもガラス構造から抜け出すことができなくなる。このようなガラス構造と放射性核種の結合堅固性は国際的に認められる浸出試験により確認されている。
【0030】
ガラス化溶融炉内のガラス溶融物は、次のように生成されることができる。すなわち、中・低レベル放射性廃棄物処理のための低温溶融炉でガラス化のために行われているガラスの初期点火方法は、次の方法で行われる。廃棄物を投入する前にガラス溶融物を作るため、まず、一定量(例えば、約60kg)のガラス原料(Glass frit)をガラス化溶融炉の内部空間(例えば、直径55cm)に満たし、ガラス化溶融炉の底から所定の高さ(例えば、16または18cm)地点にガラス中に所定の直径(例えば、内径36cm、外径38cm程度)のチタン(Titanium)金属リングを固相のガラス原料内に装入する。
【0031】
この状態で高周波発電機(High frequency generator)の出力を徐々に増加させてガラス化溶融炉の周辺を囲んでいるインダクタ(inductor)で電磁波(electromagnetic wave)を発生させ、前記チタン金属リング5に集中させると、チタン金属リング5に誘導電流(Induced current)が発生し、高集積電磁波によって誘導電流が集中したチタン金属リング5の一定の地点で発火する。
【0032】
このようにチタン金属リング5で発生する熱的、電気的エネルギがガラスに伝達され、ガラスの点火および溶融を行うようになっている。発火するその時点の状況は肉眼観察からも分かるが、低温ガラス化溶融炉に流入する入力電圧と電流の変化により容易に分かる。チタン金属リング5が発火する前の電圧と電流は、緩やかな上昇曲線を描きながら増加して発火する瞬間、ガラスの物性が変わることにより電圧は急激に下降し、電流は逆に急激に上昇する。このような過程により、ガラス化溶融炉内に装入された発熱体5によりガラス溶融物が形成されることができる。発熱体5は酸化され、再使用が不可能である。
【0033】
なお、放射性廃棄物を処理する過程中に、ガラス化溶融炉などが不時停止する事態が生じ得る。ガラス化溶融炉が不時停止すると、ガラス化溶融炉内の内部溶湯が冷めた状態になり、再稼働のためには溶湯を溶かすために追加的な発熱体の装入が必要である。本発明はガラス化過程中にガラス化処理システムが不時停止する場合、ガラス化溶融炉内の溶湯を再加熱できるように、ガラス化溶融炉内に発熱体を装入する装置に関するものである。
【0034】
図1を参照すると、本発明の実施形態によるガラス化溶融炉発熱体装入装置10は、放射性廃棄物をガラス化するガラス溶融炉内に発熱体を装入するものであり、メインフレーム100と、前記メインフレーム100の一端に位置するユニバーサルジョイント110と、前記ユニバーサルジョイント110と連結されて回動する少なくとも一つの発熱体結着部120と、前記発熱体結着部120の末端に位置し、前記発熱体5を把持するグリッパ130を含み得る。
【0035】
メインフレーム100は、ガラス化溶融炉発熱体装入装置10の本体をなし、一端から他端に延びたバー(bar)形状であり得る。
【0036】
メインフレーム100の一端にはユニバーサルジョイント110が位置する。ユニバーサルジョイント110には発熱体結着部120が結合される。ユニバーサルジョイント110により発熱体結着部120はメインフレーム100の一端で回動することができる。また、ユニバーサルジョイント110はメインフレーム100の一端で回動し結合されることができる。これにより、メインフレーム100もユニバーサルジョイント110により回動することができる。
【0037】
発熱体結着部120はユニバーサルジョイント110によりメインフレーム100の一端に位置し得る。
【0038】
発熱体結着部120は棒の形状のバー(bar)形態であり得る。発熱体結着部120は、ユニバーサルジョイント110に複数結合されている。発熱体結着部120が複数で構成されることにより、発熱体結着部120の末端に把持される発熱体5の荷重が複数の発熱体結着部120それぞれに分散することができる。
【0039】
発熱体結着部120の一端はユニバーサルジョイント110と連結され、ユニバーサルジョイント110で回動し結合され得る。例えば、発熱体結着部120は、ユニバーサルジョイント110により90°以内の角度で回動することができる。発熱体結着部120は、メインフレーム100から遠くなるように回動するか、メインフレーム100に近接するように回動することができる。
【0040】
グリッパ130は発熱体結着部120の末端に位置し、発熱体5を把持し得る。グリッパ130は発熱体結着部120それぞれの末端に位置し得る。発熱体結着部120の数が複数の場合、グリッパ130も複数設けられる。図1では、例えば、発熱体結着部120が4個である場合が示されているが、グリッパ130は発熱体結着部120それぞれの末端に設けられる。
【0041】
図2を参照すると、グリッパ130は支持部210と支持部210と連結される把持部220を含み得る。
【0042】
支持部210は発熱体結着部120と結合され、把持部220の第1フィンガ部221と第2フィンガ部222を調節できる調節ワイヤ150が通過するホール(図示せず)を含み得る。支持部210は把持部220の第1および第2フィンガ部221,222が発熱体5を把持できるように、把持部220を支持することができる。
【0043】
グリッパ130の把持部220は第1フィンガ部221と、前記第1フィンガ部221と結合される第2フィンガ部222と、前記第1フィンガ部221と前記第2フィンガ部222を結合する第1ジョイント231と、前記第1フィンガ部221と前記第2フィンガ部222それぞれを前記支持部210に結合させる第2ジョイント232を含み得る。
【0044】
第1フィンガ部221と第2フィンガ部222は、第1ジョイント231および第2ジョイント232により結合され、発熱体5の把持のために動くことができる。すなわち、把持部220の第1フィンガ部221と第2フィンガ部222が発熱体5を把持する場合、第1フィンガ部221と第2フィンガ部222の間隔が近接するように第1フィンガ部221と第2フィンガ部222が動くことができる。
【0045】
反面、把持部220の第1フィンガ部221と第2フィンガ部222が発熱体5をガラス溶融炉に装入して発熱体5の把持を解除する場合、第1フィンガ部221と第2フィンガ部222の間隔が遠くなるように第1フィンガ部221と第2フィンガ部222が動くことができる。
【0046】
前述したように、第1フィンガ部221と第2フィンガ部222の動きを調節するために、調節ワイヤ150を含み得る。すなわち、本発明の実施形態によるガラス化溶融炉発熱体装入装置10は、第1ジョイント231と連結され、第1フィンガ部221と第2フィンガ部222の動きを調節して第1フィンガ部221と第2フィンガ部222が発熱体5を把持するか、発熱体5の把持を解除するようにする調節ワイヤ150を含み得る。
【0047】
調節ワイヤ150は第1ジョイント231のテンションを加えるか、テンションを加えない方法で第1フィンガ部221と第2フィンガ部222の動きを調節することができる。
【0048】
調節ワイヤ150は支持部210のホールを介して第1ジョイント231と連結され得る。また、調節ワイヤ150は発熱体結着部120の内部に形成されている調節ワイヤ貫通ホール(図示せず)により、発熱体結着部120の内部を通過することができる。すなわち、調節ワイヤ150はグリッパ130の支持部210と発熱体結着部120の内部を貫通して位置することができる。なお、調節ワイヤ150は、発熱体結着部120の一部を貫通した後、発熱体結着部120の中間部で外部に引き出すことができる。引き出された調節ワイヤ150は後述する調節部180に連結され得る。
【0049】
調節部180は調節ワイヤ150の緩めと固定を調節し、メインフレーム100の他端に位置し得る。例えば、調節部180の作動によって、調節ワイヤ150を固定すると、第1フィンガ部221と第2フィンガ部222にテンションが加えられ、第1フィンガ部221と第2フィンガ部222が発熱体5を把持することができる。また、調節部180の作動によって、調節ワイヤ150が緩められると、第1フィンガ部221と第2フィンガ部222にテンションが加えられないので、第1フィンガ部221と第2フィンガ部222が発熱体5の把持を解除することができる。
【0050】
なお、本発明の実施形態によるガラス化溶融炉発熱体装入装置10は、メインフレーム100上にスライディングされるように位置し、発熱体結着部120の挙動を調節する基準部170を含み得る。
【0051】
図1および図3を参照すると、基準部170がメインフレーム100の一端方向にスライディングされる場合、発熱体結着部120はメインフレーム100から遠くなるように回動されることができる。発熱体結着部120はメインフレーム100と90°の角度をなすように回動されることができる。
【0052】
なお、基準部170がメインフレーム100の一端と反対になる方向にスライディングされる場合、発熱体結着部120はメインフレーム100と近接するように回動されることができる。発熱体結着部120がメインフレーム100に近接するように回動され、容易にガラス化溶融炉発熱体装入装置10をガラス化溶融炉の外部に引き出すことができる。
【0053】
図4を参照して、本発明の実施形態によるガラス化溶融炉発熱体装入装置10を用いて発熱体5をガラス化溶融炉に装入することについて説明する。
【0054】
ガラス化初期には発熱体を装入するために、別途の装置なしで作業者が直接装入したが、非常時の放射性廃棄物がある環境では作業者の近接作業が難しい。ガラス化溶融炉の非常停止時、ガラス溶融物内部のガラスを完全に除去してガラス化過程を再開するため、ガラス除去時の作業者の被ばくや事故発生の危険性がある。
【0055】
ガラス化工程において、初期ガラス溶融物の形成のために、内部に発熱体(Ti-ring)が装入されて発熱後に酸化される。放射性廃棄物を処理する過程中に、不時停止が発生すると、内部溶湯が冷めた状態になり、溶融炉の再稼働のためには発熱体を追加で装入しなければならない。
【0056】
このために、ガラス化溶融炉1の上部チャンバにあるトラップドア2を開放して発熱体5を追加で装入するための空間を確保する。
【0057】
その後、作業者(またはロボット)が、ガラス化溶融炉発熱体装入装置10を活用して円形の発熱体5をガラス化溶融炉に装入する。より具体的には、発熱体結着部120末端の発熱体5をグリッパ130が把持する。このために、調節ワイヤ150でグリッパ130の第1フィンガ部221および第2フィンガ部222にテンションを加え、調節ワイヤ150を調節部180に固定させる。
【0058】
発熱体5を把持したガラス化溶融炉発熱体装入装置10をトラップドア2を介してガラス化溶融炉1の内部に投入する。その後、グリッパ130に加えられたテンションを調節ワイヤ150を介して緩め、第1および第2フィンガ部221,222に把持された発熱体5をガラス溶融物上に装入する。その後、メインフレーム100上の基準部170を他端方向にスライディングさせ、発熱体結着部120がメインフレーム100に近接するように回動させた後(図3を参照)、ガラス化溶融炉発熱体装入装置10をガラス化溶融炉1から引き出す。
【0059】
本発明の実施形態によるガラス化溶融炉発熱体装入装置10を用いて、前記の過程により発熱体5をガラス化溶融炉1に装入する。
【0060】
以上と添付する図面を参照して本発明の実施形態について説明したが、本発明が属する技術分野で通常の知識を有する者は、本発明がその技術的思想や必須の特徴を変更せず、他の具体的な形態で実施できることを理解することができる。したがって、上記一実施形態はすべての面で例示的なものであり、限定的なものではないと理解しなければならない。
図1
図2
図3
図4