(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2025016309
(43)【公開日】2025-01-31
(54)【発明の名称】プログラム及び情報処理システム
(51)【国際特許分類】
A63F 13/69 20140101AFI20250124BHJP
A63F 13/533 20140101ALI20250124BHJP
A63F 13/79 20140101ALI20250124BHJP
【FI】
A63F13/69 520
A63F13/533
A63F13/79
【審査請求】有
【請求項の数】4
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023119510
(22)【出願日】2023-07-21
(71)【出願人】
【識別番号】509070463
【氏名又は名称】株式会社コロプラ
(74)【代理人】
【識別番号】100126620
【弁理士】
【氏名又は名称】石井 豪
(72)【発明者】
【氏名】山崎 聡士
(72)【発明者】
【氏名】山際 将史
(72)【発明者】
【氏名】梶山 万悠子
(72)【発明者】
【氏名】國府田 隆介
(57)【要約】
【課題】ユーザの利便性を向上させ、ユーザの興趣低下を防止する。
【解決手段】プログラムは、ユーザの選択操作に応じてイベントを選択し、ユーザの開始操作に応じて、選択されたイベントを開始する。オブジェクトをユーザが所持していないと判定した場合に、ユーザの状況に応じて、当該オブジェクトが得られるイベントを、上記選択操作を介さずに選択する。
【選択図】
図10
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ユーザの選択操作に応じてイベントを選択する第一選択手段と、
ユーザの開始操作に応じて、前記選択操作により選択されたイベントを開始する第一開始手段と、
オブジェクトをユーザが所持しているか否かを判定する判定手段と、
前記オブジェクトをユーザが所持していないと判定した場合に、ユーザの状況に応じて、当該オブジェクトが得られるイベントを、前記選択操作を介さずに選択する第二選択手段と、してコンピュータを機能させるプログラム。
【請求項2】
ユーザがイベントをプレイしたことに応じて、当該イベントに対応付けられたオブジェクトのうちから、ユーザに付与する第1のオブジェクトを決定する決定手段と、
前記第1のオブジェクトとユーザが所持する第2のオブジェクトとを少なくとも含む、素材オブジェクトから新たな第3のオブジェクトを生成する生成制御を実行する生成手段と、して前記コンピュータを機能させ、
前記判定手段は、
前記第3のオブジェクトの生成に必要な前記素材オブジェクトが不足しているか否かを判定し、
前記第二選択手段は、
前記素材オブジェクトが不足していると判定された場合に、ユーザの状況に応じて、不足している前記素材オブジェクトが前記第1のオブジェクトとして決定され得るイベントを、前記選択操作を介さずに選択する請求項1に記載のプログラム。
【請求項3】
ユーザの開始操作に応じて、前記第二選択手段によって選択されたイベントを開始する第二開始手段と、して前記コンピュータを機能させる請求項1又は2に記載のプログラム。
【請求項4】
ユーザの選択操作に応じてイベントを選択する第一選択手段と、
ユーザの開始操作に応じて、前記選択操作により選択されたイベントを開始する第一開始手段と、
オブジェクトをユーザが所持しているか否かを判定する判定手段と、
前記オブジェクトをユーザが所持していないと判定した場合に、ユーザの状況に応じて、当該オブジェクトが得られるイベントを、前記選択操作を介さずに選択する第二選択手段と、を備えた情報処理システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、プログラム及び情報処理システムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、いわゆるアイテムや装備品の合成が可能なゲームにおいて、合成に必要な素材アイテムを入手可能なクエストのリストを含むクエスト選択画面をユーザの端末装置に表示するための出力情報を生成することを可能としたプログラムが知られている(特許文献1参照)。クエスト選択画面においてはユーザが開放しているクエスト、開放していないクエストが判別可能に表示されており、ユーザは、必要な素材アイテムを入手することができるクエストが開放されているか否かを容易に把握することが可能となっている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、上記のようなプログラムでは、必要な素材アイテムが獲得できるクエストが表示されるものの、当該クエストを開始するためにはユーザの選択操作、開始操作が必要となる点で煩雑となってしまうという問題があった。なお、上記特許文献1においては、素材アイテムに対する発明となっているものの、この問題は合成に必要な素材アイテムに限らず、ユーザが必要とするその他のアイテムやこれに類するオブジェクトを対象とした場合も同様であり、広く改善が望まれていた。また、ユーザが必要とするアイテムが複数あり、それぞれの素材ごとに入手できるクエストが異なる場合において、ユーザは一つの素材ごとにクエスト選択画面を表示して、クエストを選択操作して、開始操作を行うといった一連の操作を複数回繰り返す必要がある。このような、いわゆるルーティン的な作業は、ユーザのゲームに対するプレイ意欲を減退させてしまい、ユーザの興趣低下を招いていた。
【0005】
本発明は、ユーザの利便性を向上させ、ユーザの興趣低下を防止可能なプログラム及び情報処理システムの提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記した目的を達成するために、本発明は次のように構成されている。
【0007】
本発明に係るプログラムは、ユーザの選択操作に応じてイベントを選択する第一選択手段と、ユーザの開始操作に応じて、前記選択操作により選択されたイベントを開始する第一開始手段と、オブジェクトをユーザが所持しているか否かを判定する判定手段と、前記オブジェクトをユーザが所持していないと判定した場合に、ユーザの状況に応じて、当該オブジェクトが得られるイベントを、前記選択操作を介さずに選択する第二選択手段と、してコンピュータを機能させる。
【0008】
本発明に係るプログラムは、ユーザがイベントをプレイしたことに応じて、当該イベントに対応付けられたオブジェクトのうちから、ユーザに付与する第1のオブジェクトを決定する決定手段と、前記第1のオブジェクトとユーザが所持する第2のオブジェクトとを少なくとも含む、素材オブジェクトから新たな第3のオブジェクトを生成する生成制御を実行する生成手段と、して前記コンピュータを機能させ、前記判定手段は、前記第3のオブジェクトの生成に必要な前記素材オブジェクトが不足しているか否かを判定し、前記第二選択手段は、前記素材オブジェクトが不足していると判定された場合に、ユーザの状況に応じて、不足している前記素材オブジェクトが前記第1のオブジェクトとして決定され得るイベントを、前記選択操作を介さずに選択するようにしてもよい。
【0009】
本発明に係るプログラムは、ユーザの開始操作に応じて、前記第二選択手段によって選択されたイベントを開始する第二開始手段と、して前記コンピュータを機能させるようにしてもよい。
【0010】
本発明に係る情報処理システムは、ユーザの選択操作に応じてイベントを選択する第一選択手段と、ユーザの開始操作に応じて、前記選択操作により選択されたイベントを開始する第一開始手段と、オブジェクトをユーザが所持しているか否かを判定する判定手段と、前記オブジェクトをユーザが所持していないと判定した場合に、ユーザの状況に応じて、当該オブジェクトが得られるイベントを、前記選択操作を介さずに選択する第二選択手段と、を備える。
【発明の効果】
【0011】
本発明に係るプログラム及び情報処理システムによれば、ユーザの利便性を向上させ、ユーザの興趣低下を防止できる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【
図1】情報処理システムの全体構成の説明図である。
【
図2】サーバおよびユーザ端末のハードウェア構成の説明図である。
【
図3】サーバ及びユーザ端末の機能的構成の説明図である。
【
図12】特定制御処理の一例を説明するフローチャートである。
【
図14A】錬成画面の変形例の一例を示す説明図である。
【
図14B】錬成画面の変形例の一例を示す説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、本発明の実施形態について、図面を参照しつつ説明する。なお、以下の実施形態は本発明を説明するための一態様に過ぎず、また、本実施形態において示す数値等も一例に過ぎず、本発明を限定するものではない。また、本実施形態で説明される構成の全てが、本発明の必須構成要件であるとは限らない。さらに、本明細書及び図面において、実質的に同一の機能や構成を備える要素については極力同一の符号を付して重複する説明を省略し、本発明と直接関係しない要素については図示を省略する。
【0014】
(情報処理システムSの構成)
本実施形態に係る情報処理システムSは、
図1に示すように、サーバ100とユーザ端末200とがネットワーク300により接続されることで構築された、いわゆるクライアントサーバシステムである。本実施形態では、情報処理システムSによりゲームが提供される場合について説明する。
【0015】
本実施形態に係る情報処理システムSは、サーバ100及びユーザ端末200が協働しゲームを提供する情報処理装置として機能する。サーバ100及びユーザ端末200では、ゲームにおける各種機能の実行やゲームの進行に関する制御がそれぞれ分担されており、サーバ100とユーザ端末200とが協働することにより、上記の各種機能やゲームが実行される。
【0016】
サーバ100は、ネットワーク300を介して複数のユーザ端末200と相互に通信可能に接続される。各ユーザ端末200は、ネットワーク300を介してサーバ100と種々の情報を送受信可能である。また、各ユーザ端末200は、ネットワーク300やサーバ100を介して他のユーザ端末200と種々の情報を送受信可能である。サーバ100は、ユーザ端末200によりゲームをプレイするユーザ(以下、プレイヤともいう)ごとに種々の情報(たとえば、ユーザの情報)を記憶し、また、ゲームに関する種々の情報を記憶可能である。また、サーバ100は、ユーザ端末200による入力操作に基づき、記憶されている情報の更新や、ユーザ端末200に対する画像や各種情報の送信(ダウンロード)等の処理を実行可能である。なお、各ユーザ端末200は、自身が備える無線通信機能により、ネットワーク300やサーバ100を介することなく直接、ユーザ端末200同士で種々の情報を送受信可能であってもよい。
【0017】
ネットワーク300は、インターネット、携帯電話網、LAN(Local Area Network)、WAN(Wide Area Network)、専用回線等で構成されている。サーバ100とユーザ端末200とは、ネットワーク300を介して無線又は有線で接続される。
【0018】
(サーバ100のハードウェア構成)
サーバ100は、
図2に示すように、CPU(Central Processhing Unit)110、メモリ120、記憶部130、通信部140、入力部150,出力部160、入出力インターフェース170等を有している。以下では、サーバ100のCPU110、メモリ120、記憶部130、通信部140、入力部150、出力部160、入力インターフェース170をそれぞれ、サーバCPU110、サーバメモリ120、サーバ記憶部130、サーバ通信部140、サーバ入力部150、サーバ出力部160、サーバ入出力インターフェース170ともいうものとする。
【0019】
サーバCPU110は、サーバメモリ120に記憶されているプログラムやデータに従って、ゲームにおける各種機能の実行やゲームの進行等の各種処理を行う。
【0020】
サーバメモリ120は、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)等で構成され、ゲームにおける各種機能の実行やゲームの進行等の処理に用いられる各種プログラムやデータを記憶する。サーバCPU110及びサーバメモリ120は、図示せぬサーバ内部バスを介して互いに接続されている。
【0021】
サーバ記憶部130は、HDD(Hard Disk Drive)、SSD(Solid State Drive)等で構成され、各種プログラムやデータを記憶する。サーバ記憶部130に記憶されたプログラムやデータは、サーバCPU110によってサーバメモリ120に読み出される(ロードされる)。
【0022】
サーバ通信部140は、通信インターフェース等で構成され、ネットワーク300を介してユーザ端末200との間で各種データやプログラム等の情報を送受信する。サーバ100においては、サーバ通信部140によりユーザ端末200から各種情報を受信し、受信した各種情報がサーバメモリ120又はサーバ記憶部130に記憶される。また、サーバCPU110により実行された各種処理の結果に関する情報等が、サーバ通信部140によりユーザ端末200に送信される。
【0023】
サーバ入力部150は、キーボード、マウス等で構成される。サーバ入力部150による入力操作に基づき、サーバメモリ120やサーバ記憶部130への各種プログラムやデータの記憶、記憶している各種プログラムやデータの更新(アップデート)等の各種処理が実行される。
【0024】
サーバ出力部160は、文字や画像等を表示可能なディスプレイ、音声を出力可能なスピーカ等で構成される。サーバ入力部150による入力操作に基づき実行された各種処理の内容は、サーバ出力部160により出力される。
【0025】
そして、サーバ記憶部130、サーバ通信部140、サーバ入力部150、サーバ出力部160は、サーバ入出力インターフェース170に接続され、サーバ入出力インターフェース170は、図示せぬサーバ内部バスに接続されている。
【0026】
(ユーザ端末200のハードウェア構成)
ユーザ端末200としては、例えば、スマートフォン、タブレット、携帯電話、パーソナルコンピュータ、携帯ゲーム機、店舗や家庭に設置される据え置き型ゲーム機等が挙げられる。本実施形態では、ユーザ端末200としてスマートフォンが用いられる場合について説明する。
【0027】
ユーザ端末200は、
図2に示すように、CPU210、メモリ220、記憶部230、通信部240、入力部250,出力部260、入出力インターフェース270等を有している。以下では、ユーザ端末200のCPU210、メモリ220、記憶部230、通信部240、入力部250、出力部260、入出力インターフェース270をそれぞれ、端末CPU210、端末メモリ220、端末記憶部230、端末通信部240、端末入力部250、端末出力部260、端末入出力インターフェース270ともいうものとする。
【0028】
なお、端末CPU210、端末メモリ220、端末記憶部230、端末通信部240、端末入力部250、端末出力部260、図示せぬ端末内部バス、端末入出力インターフェース270はそれぞれ、サーバCPU110、サーバメモリ120、サーバ記憶部130、サーバ通信部140、サーバ入力部150、サーバ出力部160、サーバ内部バス170、サーバ入出力インターフェース170と実質的に同様の構成及び機能であるため、一部を除き、詳細な説明を省略する。
【0029】
ユーザ端末200においては、端末CPU210及び端末メモリ220が図示せぬ端末内部バスを介して互いに接続され、端末記憶部230、端末通信部240、端末入力部250、端末出力部260が端末入出力インターフェース270に接続され、端末入出力インターフェース270が図示せぬ端末内部バスに接続されている。そして、ユーザ端末200においても、端末メモリ220に記憶されているプログラムやデータに従って、ゲームにおける各種機能の実行やゲームの進行等の各種処理を行う。また、ユーザ端末200においては、端末通信部240によりサーバ100から各種情報を受信し、受信した各種情報が端末メモリ220又は端末記憶部230に記憶される。また、端末CPU210により実行された各種処理の結果に関する情報等が、端末通信部240によりサーバ100に送信される。
【0030】
端末入力部250は、例えば、ユーザ端末200に対する操作を入力可能なタッチパネル、キーボード、マウス、コントローラ、物理ボタン等で構成され、ユーザ端末200自体に搭載されたものであっても、ユーザ端末200とは別個に設けられ接続ケーブル等によりユーザ端末200に接続されるものであってもよい。また、端末入力部250は、音声入力が可能なマイク、ユーザ端末200の傾き、移動、振動等を検出し検出した情報を入力可能な加速度センサであってもよい。本実施形態では、ユーザ端末200が、端末入力部250及び端末出力部260の両方の機能を兼ねるタッチパネル262を備えている。
【0031】
(情報処理システムSの機能的構成)
次に、情報処理システムSの機能的構成について、
図3を参照して説明する。サーバ100のサーバメモリ120やユーザ端末200の端末メモリ220には、上記したゲームを実行するためのプログラムやゲームに関する各種の情報、ユーザに関する情報、ゲームデータ等が記憶されている。サーバ100のサーバCPU110は、記憶されている各プログラムを実行させることで、データ送受信部182、記憶処理部184、ゲーム制御部186として機能させる。また、ユーザ端末200の端末CPU210は、記憶されている各プログラムを実行させることで、ユーザ端末200を、データ送受信部280、記憶処理部282、操作制御部284、ゲーム制御部286、画面制御部288として機能させる。
【0032】
なお、これらは一例として挙げた機能部であり、サーバ100やユーザ端末200は、上記以外にも種々の機能部を備えている。また、各機能部はサーバ100又はユーザ端末のいずれに設けられていてもよいし、同一の役割を果たす機能部がサーバ100及びユーザ端末200のいずれにも重複して設けられていてもよい。
【0033】
サーバ100のデータ送受信部182及びユーザ端末200のデータ送受信部280はいずれも、サーバ100とユーザ端末200との間で各種情報やデータを送受信する。例えば、サーバ100のデータ送受信部182は、アプリケーション起動時に、ゲームにログインするためのログイン情報をユーザ端末200から受信すると、当該ログイン情報に対応するユーザに関する情報(例えば、アカウント名等)、ゲームに関する情報(使用キャラクタ、所持アイテムや所持通貨、所持している装備品、仲間にしているペトモン等に関する情報やゲームの進行情報等)、ゲームデータ(仮想空間(ゲーム空間)を構築するために必要な各種設定情報等のデータ等)をユーザ端末200に送信する。
【0034】
サーバ100の記憶処理部は、ユーザ端末200から受信した各種情報やデータをサーバ記憶部130に記憶させる。
【0035】
ユーザ端末200の記憶処理部282は、サーバ100から受信した各種情報やデータを端末メモリ220や端末記憶部230に記憶させる。
【0036】
ユーザ端末200の操作制御部284は、タッチパネル262を介して端末入力部250により入力されたプレイヤの操作を受け付けて制御する。操作制御部284は、プレイヤの操作位置および操作方向から入力操作の種類を検出する。例えば、タッチ操作、タップ操作、スライド操作、スワイプ操作、フリック操作、ピンチイン・アウト操作等が挙げられる。また、長押しやタッチオフ操作も検出可能となっている。
【0037】
サーバ100のゲーム制御部186及びユーザ端末200のゲーム制御部286はいずれも、ゲーム全体の進行を制御する。以下、各制御の具体例についてゲーム制御部286における制御を中心に説明する。なお、ゲーム制御部286で行う制御をサーバ100のゲーム制御部186で行ってもよいことはいうまでもない。
【0038】
ゲーム制御部286は、ゲームデータに基づいてゲーム空間(仮想空間)としての仮想フィールドを構築し、プレイヤキャラ、NPC、敵モンスター、ペットモンスター等の各キャラクタオブジェクトや、木々や山、石や岩等を含む各種の建造物、構造物を含む構造オブジェクトを配置する。ゲーム制御部286は、ゲーム空間やゲーム空間に配置されたこれらのオブジェクトを制御する。例えば、ゲーム空間内の天候、昼夜等を変化させたり、オブジェクトに所定の行動をとらせたり、色、形状等を変化させたりする。
【0039】
ゲーム制御部286は、操作制御部284が検出した入力操作をプレイヤからの指示としてゲームを進行させる。例えば、各種のアイコンへのタッチ操作やタップ操作を「決定」「選択」操作と判断して、対応する処理をしたり、ドラッグ操作やスワイプ操作を「移動」操作と判断して、プレイヤキャラを移動させる処理をしたりする。
【0040】
ゲーム制御部286は、ゲーム空間を撮像する仮想カメラを制御する。具体的には、仮想カメラの位置や向き、角度を規定してプレイヤに視認させるゲーム空間の領域を、視認領域として定義する。ゲーム制御部286は、定義されたゲーム空間の領域とこの領域内に配置される各種のオブジェクトを表示するように画面制御部288に指示を送る。ゲーム制御部286は、仮想カメラを調整しプレイヤキャラの動作・移動に追従するよう視認領域を更新制御する。なお、仮想カメラの位置や向き、角度はプレイヤの操作に応じて任意に調整可能としてもよい。
【0041】
ユーザ端末200の画面制御部288は、端末メモリ220や端末記憶部230に記憶された各種データに基づき、タッチパネル262に表示される各種画面を制御する。画面制御部288は、ゲーム制御部286の指示に応じた画像を生成しタッチパネル262に表示する。画面制御部288は、視認領域に重畳して、アイコン、ボタン、ステータス表示、メニュー画面、ゲーム空間のマップ等のゲームの操作やゲームの情報の表示に供するUI(User Interface)を表示する。
【0042】
(情報処理システムSにより提供されるゲームの概要および制御処理)
本実施形態に係る情報処理システムSにより提供されるゲームは、例えば、野山や河川、海などの自然物や各種建物等の人工物が構築された仮想フィールド(ゲーム空間)内を、ユーザが操作するプレイヤキャラとその相棒となるペットモンスター(以下、ペトモンともいう)とで協力して、クエストをクリアしながら、メインストーリーとなるエピソードを進めていくことでゲームが進行していくアクションRPGゲームとなっている。
以下、本実施形態に係る構成を上記ゲームに適用した場合を例として説明する。
【0043】
ゲームを初めて実行するにあたり、ユーザは、専用のゲームアプリケーションを予めユーザ端末200にインストールすると共に、サーバ100にユーザの登録(例えば、ユーザID、ゲームで使用するプレイヤ名等の情報の登録)等を行う。その後、上記アプリケーションを起動すると、ゲーム制御部286は、サーバ100に記憶されている各種データを受信し、画面制御部288に対して、ゲームに係る画像を表示するように指示する。画面制御部288は、ゲーム制御部286からの指示を受け、対応する画像を生成し、表示する。
【0044】
図4は、タッチパネル262にポータルステージPSが表示されている状態を示している。
【0045】
画面制御部288は、ゲーム制御部286からの指示を受けポータルステージPSをタッチパネル262に表示する。ポータルステージPSは、
図4に示すように、バーチャルパッドVPやユーザが操作するプレイヤキャラPと共に、各種のアイコン10、20、30、40が表示される。なお、ポータルステージPSはプレイヤの拠点となる村としてゲーム空間上に構築されており、いわゆるアウトゲームとして機能する。また、図示せぬショップやペトモンの訓練所等の施設の他、NPC等が配置されており、プレイヤキャラPを操作して各施設を利用したり、NPC(Non Player Character)と会話したりすることができるようになっている。
【0046】
バーチャルパッドVPは、タッチパネル262の左側に表示される略円形状の操作領域V1と、領域V1内の上下左右に表示されるインジケータV2~V5とを備える。操作制御部284は、操作領域V1内において、ユーザがタッチしている座標を検知することが可能となっている。操作制御部284は、検知した座標と原点Oとに基づいてユーザの操作方向を算出する。ゲーム制御部286は、操作制御部284が算出した操作方向に対応してプレイヤキャラPを移動制御する。
【0047】
アイコン10は、クエスト用のアイコンとなっている。ゲーム制御部286は、アイコン10がタップ操作されたことに応じて図示せぬクエスト画面を表示するよう制御する。クエスト画面には、現在プレイ可能なクエストの他、エピソードがリスト形式で表示される。
【0048】
クエストは、メインストーリーを進めるうえで必ずしも必要ではないものの、有益な装備品や素材等を獲得できたり、プレイヤキャラPやその仲間キャラクタ、その他NPC等のサブストーリー等が展開されたりするようになっている。なお、一部のクエストをクリアすることが、メインストーリー(エピソード)を進める上で必須の条件となるようにしてもよい。また、クエストは本発明におけるイベントとして機能する。
【0049】
エピソードは、本ゲームのメインストーリーとなっており、例えば、第1章から第10章までの章立てで段階的に進行するようになっている。ゲーム制御部286は、図示せぬクエスト画面のリストから、ユーザが所望するクエストまたはエピソードをタップ操作(選択操作)し、図示せぬ「クエスト(エピソード)スタート」ボタンがタップ操作(開始操作)されたことに応じて、選択されたクエストを開始するよう制御する。なお、クエストおよびエピソードはいわゆるインゲームとして機能する。また、エピソードは本発明におけるイベントとして機能する。また、以下の記載においては、クエストとエピソードをまとめて単に「クエスト」という場合がある。
【0050】
アイコン20は、探索用のアイコンとなっている。ゲーム制御部286は、アイコン20をタップ操作されたことに応じて図示せぬ探索画面を表示するよう制御する。探索画面には、現在プレイ可能な探索エリアが表示される。ゲーム制御部286は、探索エリアがタップ操作(選択操作)され、図示せぬ「探索スタート」ボタンがタップ操作(開始操作)されたことに応じて、選択された探索を開始するよう制御する。
【0051】
探索では、クエストやエピソードで用意されたエリア(仮想フィールド上の地域)を自由に散策し、素材集めや経験値集めができるようになっている。なお、探索でしかプレイできないエリア(例えば、祠や神殿等)や探索でしか出現しない敵モンスター(例えば、レアモンスターやレアボス等)を設けることで、探索をプレイしないと得られない素材アイテムや報酬アイテムを用意するようにしてもよい。また、探索は本発明におけるイベントとして機能する。また、以下の記載においては、クエストとエピソード、探索をまとめて単に「クエスト」という場合がある。
【0052】
アイコン30は、育成用のアイコンとなっている。ゲーム制御部286は、アイコン30がタップ操作されたことに応じて図示せぬ育成画面を表示するよう制御する。育成画面には、現在仲間にしているペトモンが表示される。また、育成画面から、訓練や交配を選択することで、ペトモンを訓練してパラメータを強化させたり、ペトモン同士を交配させることで新たなペトモンを誕生させたりできるようになっている。
【0053】
アイコン40は、パーティ用のアイコンとなっている。ゲーム制御部286は、アイコン40がタップ操作されたことに応じて、
図5に示すようなパーティ画面41を表示するよう制御する。パーティ画面41においては、
図5に示すように、編成ボタン42、キャラ強化ボタン43、錬成ボタン44、戻るボタン45が表示される。
【0054】
編成ボタン42は、パーティを編成するためのボタンとなっている。ゲーム制御部286は、編成ボタン42がタップ操作されたことに応じて図示せぬパーティ編成画面を表示するよう制御する。本ゲームにおいては、最大3名のキャラクタでパーティを組んでクエストやエピソードに臨むことができる。また、各キャラクタは仲間にしたペットモンスターのいずれかを相棒とすることができる。パーティ編成画面においては、パーティとするキャラクタやペトモンを編成することができる。また、本ゲームにおけるキャラクタは武器やアクセサリ等の装備品を身に着けることで攻撃力や防御力の向上、各種の追加効果を得られるようになっている。パーティ編成画面においては、各キャラクタの武器やアクセサリ等を変更したりすることもできる。
【0055】
キャラ強化ボタン43は、プレイヤキャラPや仲間のキャラクタを強化するためのボタンとなっている。ゲーム制御部286は、キャラ強化ボタン43がタップ操作されたことに応じて図示せぬキャラ強化画面を表示するよう制御する。キャラ強化画面においては、クエストやエピソードをクリアしたり、敵モンスターを倒したりすることで得られる経験値ポイントを消費して任意のキャラクタを強化することができる。
【0056】
錬成ボタン44は、武器やアクセサリ等の装備品を合成するためのボタンとなっている。本実施形態において、ゲーム制御部286は、プレイヤが所持しているオブジェクトを掛け合わせて新たなオブジェクト(第3のオブジェクト)を生成する処理(生成制御)を実行することができる。本実施形態においては、これを「錬成」と称している。錬成に用いられるオブジェクトには、素材オブジェクトと称されるオブジェクトが含まれる。素材オブジェクトは、プレイヤが所持しているオブジェクト(第2のオブジェクト)のうち、錬成に用いることができるオブジェクトとして設定されているものであり、クエストのプレイの途中で得られるアイテムや、クエストのクリア時に得られる報酬アイテム(第1のオブジェクト)、プレイヤが仮想フィールド内に用意されたショップから購入した武器やアクセサリ等の装備品アイテム等が含まれる。なお、以下、「報酬アイテム」のことを単に「報酬」ともいう場合があり、「装備品アイテム」のことを単に「装備品」ともいう場合がある。ゲーム制御部286は、錬成ボタン44がタップ操作されたことに応じて、
図6に示すような錬成画面50を表示するよう制御する。なお、錬成画面50は武器を錬成するための画面となるが、アクセサリを錬成する画面もほぼ同様の作りとなっているため、錬成画面50を用いて説明する。
【0057】
錬成画面50においては、武器のカテゴリに対応したカテゴリ画面が選択できるようになっている。各カテゴリ画面としては。
図6に示すように、剣カテゴリ画面52、斧カテゴリ画面54、槍カテゴリ画面56、杖カテゴリ画面58の4種類用意されている。それぞれのカテゴリ画面の様式は共通のものとなっているため、
図6に示す剣カテゴリ画面52を用いて説明する。
【0058】
剣カテゴリ画面52は、ビジュアル表示部60、素材表示部66、レシピ表示部72、通貨表示部81、名称表示部82、錬成開始ボタン83を含む。
【0059】
ビジュアル表示部60は、
図7Aに示すように、武器オブジェクト62と、星オブジェクト64とが表示される。武器オブジェクト62には錬成後の武器のイメージビジュアルが表示される。星オブジェクト64は、レア度を表示するもので星が増えるほど入手難易度が高くなることを示す。
【0060】
素材表示部66は、
図7Bに示すように、枠部67、枠部68、枠部69、枠部70、枠部71の5つの枠部を有している。この枠部1つにつき、錬成に必要な素材1種類の素材オブジェクト(以下、素材アイテムともいう)が表示される。例えば、枠部67には、素材Aの画像が画像表示部67aに表示され、現在所持している所持数が所持数表示部67bに表示され、錬成に必要な素材Aの必要数が必要数表示部67cに表示されている。枠部68、枠部69、枠部70についても同様のため、説明は省略する。また、枠部71のように、対応する素材オブジェクトのデータがない場合は、外縁のみ表示された(
図7Bにおいて点線で示す)ブランク表示となっている。なお、素材アイテムの入手難易度によってはレア度の表示がなされる場合がある。例えば、画像表示部67aには、星オブジェクト64が二つ並んで表示されているが、これは素材Aのレア度が2であることを示している。
【0061】
なお、素材アイテムとしては、倒した敵モンスターから得られるものや、仮想フィールド上に設置された宝箱から得られるもの、仮想フィールドのエリアに応じて行える採取や発掘等によって得られるもの、NPCから得られるもの、所定の条件を満たすことによって発生するイベントによって得られるもの等がある。但し、当然、これらに限られるわけではない。例えば、クエスト等のクリア時の報酬として得られるようにしてもよい。また、その場合、クエスト等のクリアでしか得られない素材アイテム(いわゆるレア素材と呼ばれ、レア度が相対的に高く設定されている)が含まれる。また、装備品の錬成をするために必要な「レシピ」や、本ゲーム内での通貨にあたる「カイン」を得られるようにしてもよい。また、これらの素材アイテムは、上述のようなインゲーム以外で得られるようにしてもよい。例えば、いわゆるアウトゲームにおける所定の条件を満たしたことによって付与されるようにしても良く、いわゆるガチャの景品としてや、ログインボーナスやキャンペーン等のプレゼントとして付与するものであってもよい。
【0062】
レシピ表示部72は、
図7Cに示すように、レシピ数表示部73とレシピ表示領域74とを含む。レシピ数表示部73には現在所持しているレシピの数が表示される。レシピ表示領域74には、レシピの内容が表示されたレシピデータが表示される。
図7Cにおいては、レシピA~Dの4つのレシピデータ75、76、77、78が表示されている。レシピの内容としては、当該レシピで錬成できる剣の名称、属性等が表示される。レシピデータの上方には錬成が可能か否かを示す錬成可否表示79が表示される場合がある。錬成可非表示79は、表示されているレシピデータについて、錬成が可能である旨を示す表示である。
図7Cにおいては、レシピA~Cの3つのレシピデータ75、76、77の上方に錬成可非表示79がなされているため、これらレシピデータ75、76、77に基づく錬成が可能であることが分かる。一方、レシピDのレシピデータ78の上方には錬成可非表示79がなされていないため、何らかの素材または条件を満たしていないものと推察され、レシピデータ78に基づく錬成が不可能であることが分かる。
【0063】
なお、錬成可非表示79は、錬成が可能な場合に表示するのではなく、錬成が不可能な場合に表示するものであってもよい。その場合は「錬成NG!!」等の表記とするのが好ましい。また、錬成が可能である場合、不可能である場合のいずれにおいても表示を行うようにしてもよい。また、レシピデータには、レア度の表示がなされる場合がある。例えば、レシピCには、星オブジェクト64が三つ並んで表示されているが、これはレシピCで錬成される武器のレア度が3であることを示している。本実施例においては、レア度の数字が大きいほど、武器の攻撃力が相対的に高かったり、装備時にプレイヤキャラに付加される効果が相対的に高くなったりするようになっている。但し、見た目のかわいらしさや、キャンペーン中でしか手に入らない等の希少性等、武器の能力以外の要素でレア度を設定してもよい。また、レシピ表示領域74では、現在選択されているレシピデータを示すカーソル80が表示される。
【0064】
通貨表示部81は、
図6に示すように、プレイヤが現在所持している通貨(カイン)と、錬成に必要な通貨(カイン)が並べて表示される。
【0065】
名称表示部82は、
図6に示すように、カーソル80によって選択されているレシピデータと、このレシピデータで錬成される武器の名称が表示される。
【0066】
錬成開始ボタン83は、
図6に示すように、剣カテゴリ画面52の右下に表示される。
【0067】
以下、主に、
図8~
図10を用いて、本実施例における錬成のシステムについて説明する。ここでは、武器「剣」を錬成する例を用いて説明する。
【0068】
本実施例における錬成には、ベースとなる剣を含む素材アイテムと、ベースとなる剣に対応したレシピ、および、カインが必要になる。例えば、
図6でいう素材Aがベースとなる剣にあたり、素材B~Dが素材アイテム、レシピCがベースとなる剣に対応したレシピとなる。なお、これらの一部を必要としない場合があってもよいし、これら以外の特殊な条件が更に必要となる場合があってもよい。
【0069】
ここで、枠部67~70に表示された各素材の所持数が各素材に対する必要数を上回っている場合に錬成開始ボタン83がタップ操作されたことを検出すると、ゲーム制御部286は画面制御部288に指示して確認ウィンドウ84を表示させる。確認ウィンドウ84は、
図8に示すように、錬成するか否かをプレイヤに確認する画面としての機能を担っており、「します!」と表示された肯定領域85、「やめます」と表示された否定領域86のいずれかをタップ操作できる。プレイヤが肯定領域85をタップ操作すると
図9Aに示すように「錬成開始!!」と表示された開始ダイアログ87と共に、釜を模した錬成釜オブジェクト88が表示される。その後、錬成釜オブジェクト88がガタゴトと揺れ動くような所定のアニメーション表示を経て、
図9Bに示すように「錬成成功!!」と表示された成功ダイアログ89と共に武器オブジェクト62と、「トリプルソード」と表示された錬成オブジェクト名90とが表示される。
【0070】
一方、枠部67~70に表示された各素材の所持数が各素材に対する必要数を下回っている場合は、
図6に示すような錬成開始ボタン83は表示されず、代替ボタン91が表示される。具体的には、
図10に示すように「不足素材入手クエストへGO!」と表示された代替ボタン91が表示される。
【0071】
ここで、
図10は、レシピとしてレシピCが選択されており、レシピCに係る「トリプルソード」を錬成するために必要な素材アイテムとして、素材A~Dが表示された錬成画面50が示された状態を示している。また、素材Cの所持数は「9」であるのに対し、必要数は「13」となっている。
【0072】
この場合、本実施例に係るゲームにおいては、プレイヤの任意で不足している素材アイテムが報酬として得られるクエスト等を選択できるようになっている。例えば、枠部69に表示された素材Cを集めたい場合には、枠部69の画像表示部69a(
図7B参照)をタップ操作する。すると、
図11に示す「素材入手」画面が表示され、素材C「グレートフワフワの湿った鱗」が報酬として得られるクエスト等の一覧が表示される。そして、プレイヤが任意のクエスト等に表示されるクエスト開始ボタン96をタップ操作することで、対応するクエスト等が開始されるようになっている。このような構成は、いちいちインターネット等で素材Cが得られるクエスト等を調べる必要がなくなるため、ユーザの利便性を高められるというメリットがある。一方で、クエスト等の知識がないプレイヤにとってはどれを選択するのが好適なのかが分からず不便であり、また、多量の素材アイテムを必要としているプレイヤにとっては、都度、クエスト等を選択するのが手間であるといったデメリットもある。そこで、本実施例に係るゲームにおいては、このようなデメリットを解消する機能を採用している。
【0073】
図10に戻って説明する。同図において、レシピCが選択された際に、ゲーム制御部286は、選択されたレシピデータについて不足している素材アイテムがないかを判定する判定制御を実行している。判定制御において、不足している素材アイテムがある場合には、ゲーム制御部286は、錬成開始ボタン83に替えて代替ボタン91を表示するように画面制御部288に指示する。また、併せて、不足している素材アイテムが報酬として得られるクエストについて、プレイヤの状況に応じて特定する特定制御を実行している。例えば、
図11に示すように、素材C「グレートフワフワの湿った鱗」が報酬として得られるクエストとして、プレイヤのゲームの進行度合(エピソードの進行具合)に応じてプレイすることができる、2つの探索クエスト92、94と2つのエピソード93、95を特定する。なお、「プレイヤの状況」としてはゲームの進行度合の他、プレイヤやパーティのレベルや熟練度、得意な属性、苦手な属性(弱点)、習得スキル、武器やアクセサリ等の装備品の特性や相性、所持アイテムの有無や数量、ペトモンのレベルや熟練度、得意な属性、苦手な属性(弱点)習得スキル、総経験値量や総プレイ時間、クエストのクリア回数、クエストの失敗回数、課金額等、およそプレイヤに関するパラメータとして機能するような値やデータに対応するものとして参照できるものであればよい。
【0074】
そして、代替ボタン91がタップ操作されると、ゲーム制御部286は、特定制御において特定した探索クエスト92、94、エピソード93、95の中から、予め定められた条件にしたがって開始するクエスト等を決定し、決定されたクエスト等を開始する。このような構成によれば、プレイヤがクエスト等を都度選択する必要がなくなり、クエスト等の開始までの工程が短縮でき、プレイヤの利便性が向上するとともに、興趣性が低下することを防止することができる。
【0075】
なお、予め定められた条件としては、例えば単純な抽選としてランダムとなるよう決定してもよいし、素材アイテムが複数不足している場合には、より多い数または種類の素材アイテムが手に入るものを優先するようにしてもよい。また、上記した「プレイヤの状況」と同様の要素に応じてもよく、これらの要素を考慮して、例えば、プレイヤの編成したパーティや装備、属性等を考慮して達成しやすいクエスト等を優先するようにしてもよい。また、クエスト等の難易度が低い順、もしくは難易度が高い順に決定するものであってもよい。
また、決定されたクエスト等の報酬の量が固定されている場合は、素材アイテムの不足分を補うのに最も効率的なクエスト等を決定するようにしてもよい。また、先に実行されたクエスト等の結果(例えば、目的とする素材アイテムの獲得状況等)に基づいて次に開始するクエスト等を決定するようにしてもよい。
【0076】
次に、本実施形態における処理のフローを、
図12を参照して説明する。ここでは、上記した錬成システムに関する処理を中心に説明し、その他の処理については説明を省略する。
【0077】
まず、ゲーム制御部286は、錬成画面に移行すると、選択されているレシピに関する素材アイテムとプレイヤが所持している素材アイテムとを比較して、不足している素材アイテムがあるか否かを判定する(ステップS1)。
【0078】
不足している素材がある場合には(ステップS1のY)、当該不足している素材が報酬となっているクエストが存在しているか否かを判定する(ステップS2)。
【0079】
不足している素材がない場合には(ステップS1のN)、処理を抜ける。
【0080】
不足している素材が報酬となっているクエストが存在していると判定した場合(ステップS2のY)には、クエスト等を特定する(ステップS3)。
【0081】
不足している素材が報酬となっているクエストが存在していないと判定した場合(ステップS2のN)には、処理を抜ける。
【0082】
(変形例)
以下、本実施形態の変形例について説明する。
上記実施形態では、ゲーム制御部286の行う判定制御において、不足している素材アイテムがあると判定された場合には、錬成開始ボタン83に替えて代替ボタン91を表示するようになっていたが、これに限定されるものではない。
【0083】
例えば、
図13に示すように、所持数が不足している場合においても錬成開始ボタン83はそのままの表示として、不足している素材アイテムがある場合とない場合とで、錬成開始ボタン83をタップ操作された際の機能を変更するようにしてもよい。具体的には、不足している素材アイテムがないと判定された場合には、そのまま錬成が開始されるが、不足している素材アイテムがある場合には、不足している素材アイテムが報酬として得られる可能性のあるクエスト等を開始する。この場合、錬成のつもりで錬成開始ボタン83をタップ操作したのに、いきなりクエスト等が開始されるとプレイヤが驚いてしまうことが想定されるため、
図14Aに示すような吹出し97を表示して、プレイヤに注意喚起をするとユーザフレンドリーであり好適である。また、単純な注意喚起ではなく、
図14Bに示すような選択ウィンドウ98を表示し、プレイヤがクエスト等を開始するか否かを選択できるようにしてもよい。なお、選択ウィンドウ98には最低限必要となるクエストの回数や、クエストを開始する度に消費する消費ポイント等を例示してもよい。不足している素材アイテムが報酬として得られる可能性のあるクエスト等が二つ以上に跨っていたり、不足している素材が多く、複数回のクエストをこなさなければならなかったりするときのプレイヤの目安になるため好適である。
【0084】
また、プレイヤが集めたい素材アイテムを任意で複数選択できるように構成し、それらの全ての素材アイテムが報酬として得られるクエストを特定して、開始するものであってもよい。この場合、開始されるクエストは複数であってもよい。また、指定したすべての素材アイテムが獲得できるまで連続してクエストを繰り返すようにしてもよい。なお、クエストが複数回となる場合や、連続して実行される場合は、それらのクエストの開始前にプレイヤに本当にクエストを開始するのかどうかを確認し、その可否を選択させるように構成してもよい。また、素材アイテムを複数選択した場合において、合致するクエストが存在しない場合にはその旨を表示するように構成してもよい。また、その際にはプレイヤの希望が最大限叶うような代替案を示唆してあげるようにしてもよい。
【0085】
また、上記実施形態においては、プレイヤが集めたい素材アイテムが報酬として得られるようなクエストを特定して開始するものを例にして説明したが、その対象は素材アイテムに限られない。例えば、エピソード(ストーリー)の進行上、必要なアイテムが得られるクエストを特定して開始するものであってもよい。つまり、プレイヤが所望するアイテムが得られるクエストを、プレイヤの状況に応じて選択可能となるものであればよい。例えば、ゲームの進行上で必要となっているアイテムが入手可能なクエストが複数ある場合に、所定のスタートボタンのタップ操作に基づきこれらの複数のクエストのうちからプレイヤの状況(例えば、クエストの難易度に対するプレイヤのレベルが適正である、プレイヤの属性、スキルや装備がクエストクリア上有利となる等。その他、上記した「プレイヤの状況」の要素を含む)に応じたクエストを特定し、特定されたクエストが開始されるもの等である。このような構成とすることで、ゲームに不慣れなプレイヤであってもゲームの進行がスムーズに行え、ゲームに対するプレイ意欲の減退を抑制することが可能となる。
【0086】
上記実施形態、上記変形例における各処理は、サーバ100及びユーザ端末の少なくともいずれかで実行されればよく、その実行タイミングや実行する装置も特に限定されない。また、サーバ100の機能は、1機のサーバ100が全て備えるようにしてもよいし、複数機のサーバ100に分散して備えるようにしてもよい。
【0087】
上記実施形態、上記変形例では、ユーザ端末200としてスマートフォンが用いられ、ユーザ端末200にインストールした専用のアプリケーションによりゲームを実行できるようになっていたが、ユーザ端末200の種類やゲームを実行するためのツールはこれに限定されるものではない。例えば、ユーザ端末200としてパーソナルコンピュータを用いてもよいし、一般的なWebブラウザによりゲームを実行できるようにしてもよい。
【0088】
上記実施形態、上記変形例では、スマートフォンのタッチパネル262に対するタップ等の操作により、各種情報の入力や選択の処理を実行できるようになっていたが、これらの処理を行うための操作態様は上記内容に限定されるものではない。例えば、ユーザ端末200としてパーソナルコンピュータを用いる場合には、マウスによるクリック、ドラッグ、ドロップ等の操作により上記処理を実行できるようにしてもよい。
【0089】
上記実施形態、上記変形例における処理を実行するためのプログラムは、コンピュータが読み取り可能な記憶媒体に記憶され、記憶媒体として提供されてもよい。また、上記実施形態、上記他の形態、上記変形例は、クライアントサーバ方式の情報処理システムSではなく、上記プログラムを記憶しており、情報処理システムSと同様の処理を単体で実行可能な情報処理装置としてもよいし、各機能及びフローチャートに示すステップを実現する情報処理方法としてもよい。
【符号の説明】
【0090】
S 情報処理システム
50 錬成画面
91 代替ボタン
100 サーバ
200 ユーザ端末
286 ゲーム制御部