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特開2025-16311特殊清掃現場において用いられるスクレーパー
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  • 特開-特殊清掃現場において用いられるスクレーパー 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2025016311
(43)【公開日】2025-01-31
(54)【発明の名称】特殊清掃現場において用いられるスクレーパー
(51)【国際特許分類】
   A47L 13/08 20060101AFI20250124BHJP
   B08B 1/00 20240101ALI20250124BHJP
【FI】
A47L13/08
B08B1/00
【審査請求】未請求
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023119513
(22)【出願日】2023-07-21
(71)【出願人】
【識別番号】521394657
【氏名又は名称】グッドベア株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100174791
【弁理士】
【氏名又は名称】川口 敬義
(72)【発明者】
【氏名】宮田 昌次
【テーマコード(参考)】
3B116
【Fターム(参考)】
3B116AA31
3B116AA46
3B116AB52
3B116BA03
(57)【要約】      (修正有)
【課題】特殊清掃現場において効率的に用いることが可能なスクレーパーの提供。
【解決手段】ヘラ部材と,ガード部材と,固定部材とからなるスクレーパーであって,ヘラ部材は,把持部の先端にヘラ部を有し,他端に,固定部材に対応した,ネジ部を有し,ガード部材は,ネジ部に対応した,ネジ穴を有し,ガード部材は,ネジ穴を通じてネジ部に挿通され,固定部材により固定されることで,把持部に対し自由な角度で固定可能となる,ことを特徴とするスクレーパー。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ヘラ部材と,ガード部材と,固定部材とからなるスクレーパーであって,
ヘラ部材は,
把持部の先端にヘラ部を有し,
他端に,固定部材に対応した,ネジ部を有し,
ガード部材は,
ネジ部に対応した,ネジ穴を有し,
ガード部材は,ネジ穴を通じてネジ部に挿通され,固定部材により固定されることで,把持部に対し自由な角度で固定可能となる,
ことを特徴とするスクレーパー。
【請求項2】
ガード部材が,第一から第三の3つの辺からなる一の部材で構成され,
ネジ穴を有する第一の辺と,
第一の辺に連続して形成され略垂直となる第二の辺と,
第二の辺に連続して形成され略垂直となる第三の辺と,
からなる請求項1に記載のスクレーパー。
【請求項3】
ガード部材が,さらに第三の辺に連続して形成され略垂直となる第四の辺を備える請求項2に記載のスクレーパー。
【請求項4】
把持部のヘラ部の付け根において,表裏又は/及び左右側面に,凹部を有する請求項1に記載のスクレーパー。
【請求項5】
ヘラ部材が,左右対称かつ表裏対象として構成される請求項1に記載のスクレーパー。
【請求項6】
全ての部材が,耐薬品性金属素材で形成されている請求項1から5のいずれかに記載のスクレーパー。
【請求項7】
特殊清掃の現場において用いることを用途とする請求項6に記載のスクレーパー。



【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は,スクレーパーに関する。より詳細に説明すると本発明は,特殊清掃現場において好適に用いることができるスクレーパーに関する。
【背景技術】
【0002】
一般的にスクレーパー(ヘラ型スクレーパー)は,柄部分の先端に,平らなヘラのような部材が備えられている。このスクレーパーは,シールをはがしたり,塗料などを均一に塗布したり,しつこい汚れを取ったりするなど,様々な用途で用いられる(特許文献1,2)。
【0003】
ところで,特殊清掃の現場においてスクレーパーは,最も重要な道具の一つといってよい。
すなわち,特殊清掃の現場では,腐乱して崩れ落ちた皮膚や流れでた腐敗液・血液,抜け落ちた毛髪など,通常では考えられない様々な物が残っている。また,これら残置物は,床や畳,コンクリートなどに強烈にこびりついていることが多く,容易に除去することは困難である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】実用新案登録第3186988号公報
【特許文献2】実用新案登録第3228521号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
発明者は,従来技術として汎用されているスクレーパーを特殊清掃現場で用いるには課題があると感じていた。
すなわち,特殊清掃現場においては作業者の安全性と衛生を保つため,マスクは当然のこと,手袋をすることも必須である。このような状況にあって,強烈にこびりついた残置物を従来技術のスクレーパーで除去する場合,柄の部分を強く握ってこびりついた残置物に対してヘラ部分を強く当てて削り取る必要がある。
しかるに,作業者が必ずしも強力な握力を備えているとは限らず,残置物に対してうまく力が伝わらないという問題があった。また,強力な握力を備えていたとしても,繰り返しの残置物の除去により,徐々に手に力が入らなくなり,作業が非効率化していくという問題があった。
【0006】
上記事情を背景として本発明では,特殊清掃現場において効率的に用いることが可能なスクレーパーの開発を課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
発明者は,鋭意研究の結果,スクレーパーの柄部分に,回転可能(回動可能)なガード部材を備えるとともに,これを取り外しが可能な構成とすることで,持ちやく,かつ,力をうまくヘラ部分に伝えることが可能で,容易に洗浄できるスクレーパーに想到し,発明を完成させたものである。
【0008】
本発明は,以下の構成からなる。
[1]ヘラ部材と,ガード部材と,固定部材とからなるスクレーパーであって,ヘラ部材は,把持部の先端にヘラ部を有し,他端に,固定部材に対応した,ネジ部を有し,ガード部材は,ネジ部に対応した,ネジ穴を有し,ガード部材は,ネジ穴を通じてネジ部に挿通され,固定部材により固定されることで,把持部に対し自由な角度で固定可能となる,ことを特徴とするスクレーパー。
[2]ガード部材が,第一から第三の3つの辺からなる一の部材で構成され,ネジ穴を有する第一の辺と,第一の辺に連続して形成され略垂直となる第二の辺と,第二の辺に連続して形成され略垂直となる第三の辺と,からなる[1]に記載のスクレーパー。
[3]ガード部材が,さらに第三の辺に連続して形成され略垂直となる第四の辺を備える[2]に記載のスクレーパー。
[4]把持部のヘラ部の付け根において,表裏又は/及び左右側面に,凹部を有する[1]に記載のスクレーパー。
[5]ヘラ部材が,左右対称かつ表裏対象として構成される[1]に記載のスクレーパー。
[6]全ての部材が,耐薬品性金属素材で形成されている[1]から[5]のいずれかに記載のスクレーパー。
[7]特殊清掃の現場において用いることを用途とする[6]に記載のスクレーパー。
【発明の効果】
【0009】
本発明により,特殊清掃現場において効率的に用いることが可能なスクレーパーの提供が可能となった。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】スクレーパーの例を示した図。
図2】スクレーパーについて各部材ごとに示した図。
図3】ヘラ部材全体を示した図。
図4】ガード部材全体を示した図。
図5】スクレーパーを上から見た図。
図6】スクレーパーを把持している様子を示した図。
図7】スクレーパーの試作例の仕様を示した図。
図8】スクレーパー試作例の外観を示した図。
図9】スクレーパー試作例を把持している様子を示した図。
【発明を実施するための形態】
【0011】
本発明のスクレーパーについて説明を行う。
本発明のスクレーパーは,ヘラ部材と,ガード部材と,固定部材とからなるスクレーパーであって,ヘラ部材は,把持部の先端にヘラ部を有し,他端に,固定部材に対応した,ネジ部を有し,ガード部材は,ネジ部に対応した,ネジ穴を有し,ガード部材は,ネジ穴を通じてネジ部に挿通され,固定部材により固定されることで,把持部に対し自由な角度で固定可能となる,ことを特徴とする。
本発明により,使用者は,把持部を保持しながら,ガード部分に指をかける(又は指で挟む)ことが可能となる。これにより使用者は,握力をそれほど使うことなく,ガード部分に体重をかけることでヘラを押し付けることでき,除去対象である残置物等に対して,効率的に力を加えて除去することが可能となる。
また,本発明のスクレーパーは,ヘラ部材,ガード部材,固定部材,それぞれの部材に容易に分解が可能であるため,使用後は,部材を薬液につけるなどして洗浄と消毒を行うことができ,極めて清潔かつ衛生的な状態を保つことが可能となる。
さらに,ガード部材は,手指部分を保護するための部材として機能することから,本発明のスクレーパーの安全性を向上させることが可能となる。
【0012】
本発明においてヘラ部材は,把持部の先端にヘラ部,他端にネジ部を有し,スクレーパーとしての主要な役割を果たす部分である。ヘラ部材は,かかる構成を備えるとともに,スクレーパーとしての主要な役割を果たす限り特に限定する必要はなく,種々の形状ないし大きさとすることができる。
ヘラ部材は,典型的には,図3のように,把持しやすい一定の厚みを持った把持部と,作業効率を考慮した一定の幅と長さを有するヘラ部と,ネジ部を備えた構成とすればよい。
本発明において,ヘラ部材を左右対称かつ表裏対象とすることが好ましい。これにより,本発明のスクレーパーを使用する際,向きを気にすることなく,ガード部材を固定することができるとともに,表裏を変えて使用しても使用感が変化しないことから,本発明のスクレーパーの取扱性ならびに機能性を向上させる効果を有する。
【0013】
把持部の長さとして,典型的には10から20cm,好ましくは10から18cm,より好ましくは10から16cm,最も好ましくは11から16cmとすることができる。
また,把持部の幅として,最大幅の部分において,典型的には3cmから5cm,好ましくは3cmから4.8cm,より好ましくは3cmから4.5cm,最も好ましくは3cmから4.3cmとすることができる。
さらに把持部の厚さとして,典型的には1.5cmから3.0cm,好ましくは1.5から2.8cm,より好ましくは1.5から2.6cm,最も好ましくは1.5から2.4cmとすることができる。
【0014】
把持部において,ヘラ部の付け根近傍の表裏,左右側面に凹部を有することが好ましい。これにより,凹部に親指をのせることが可能となり,本発明のスクレーパーを使用する際に,より持ちやすく,かつ,力が伝わりやすくなり,本発明のスクレーパーの取扱性ならびに機能を向上させる効果を有する。
このような凹部として例えば,図3のような表裏凹部ないし側面凹部を備えればよい。
表裏凹部としては,親指をあてやすい形状とすればよく,多角形状,三角形状,円状,楕円状など種々の形状とすることができるが,好ましくは三角形状とすることができる。
側面凹部としては,親指を当てやすい形状とすればよく種々の形状とすることができるが,典型的には,円弧状の形状とすることができる。
【0015】
ヘラ部における幅は,最大幅の部分において,典型的には13cmから20cm,好ましくは13cmから18cm,より好ましくは13cmから16cm,最も好ましくは14cmから16cmとすることができる。
また,ヘラ部における長さは,典型的には9cmから13cm,好ましくは9cmから12.5cm,より好ましくは9cmから12cm,最も好ましくは9.5cmから12cmとすることができる。
【0016】
本発明においてネジ部は,把持部の末端側(ヘラの反対側の端部)に備えられ,カード部材を固定するための役割を果たす。ネジ部は,カード部材を固定するための役割を果たす限り特に限定する必要はなく,種々の構成とすることができる。
ネジ部は,典型的には,図3のような円柱状のネジとすることができ,長さとして典型的には13から20mm,好ましくは13から19mm,より好ましくは14から19mm,特に好ましくは14から18mm,最も好ましくは15から18mmとすることができる。
ネジ部の幅として,典型的には3から8mm,好ましくは3から7.5mm,より好ましくは3から7mm,特に好ましくは3から6.5mm,最も好ましくは3から6mmとすることができる。
【0017】
本発明において固定部材は,ネジ部に対応したネジ穴を有する部材として構成すればよい。固定部材は,典型的には図2ないし図8のような中心部にネジ受けを有するキャップ状の部材とすればよい。
【0018】
本発明においてガード部材は,ガードのような形状を有するとともに,指をかける,もしくは指で挟むことで,体重をかけやすくするための役割を果たす。加えて,手指を保護するためのガードとしての役割を果たす。
ガード部材は,かかる役割を果たす限り特に限定する必要はなく,種々の形状を採用することができる。
【0019】
ガード部材は,第一から第三の3つの辺からなる一の部材で構成され,ネジ穴を有する第一の辺と,第一の辺に連続して形成され略垂直(垂直,又は機能的に垂直と同視しうる一定の幅を有する角度)となる第二の辺と,第二の辺に連続して形成され略垂直となる第三の辺として構成することが好ましい。
これにより,ガード部材の役割を十分に果たすことが可能となるとともに,ガード部材の形成が容易となり,本発明のスクレーパーの機能を十分に発揮しつつ,経済性を向上させる効果を有する。
【0020】
ガード部材において第一の辺は,ネジ部を挿通するためのネジ穴を有する。また,第一の辺ないし第三の辺は,これらの長さにより,把持部から第二の辺との距離が決定されることから,把持部と第二の辺との間に,手指が十分に入る程度の長さとすることができる。
第一の辺は,この手指が十分に入る長さを勘案して,典型的には4から10cm,好ましくは4から9cm,より好ましくは4から8cm,特に好ましくは4から7cm,最も好ましくは4から6cmとすることができる。
第一の辺は,第二の辺とのつなぎの反対側の端部近傍にネジ穴を有する構成とすればよい。ネジ穴については,把持部のネジ部に対応したネジ穴とすることができ,典型的には円状の形状とすればよく,直径として3から10mm,好ましくは3から9mm,より好ましくは4から9mm,特に好ましくは5から9mm,最も好ましくは5から8mmとすることができる。
【0021】
ガード部材において第二の辺は,手指のガードとしてメインの辺として機能するものであり,把持部と同等ないしこれより短めの長さを有する構成とすればよい。
第二の辺は,把持部と同等ないしこれより短めの長さを勘案して,典型的には8から15cm,好ましくは8から14cm,より好ましくは8から13cm,特に好ましくは8から12cm,最も好ましくは9から12cmとすることができる。
【0022】
ガード部材において第三の辺は,手指のガードとしての役割と,指を挟むための部材として持ちやすさを向上させる役割を果たす。また,第三の辺により,把持部と第二の辺との距離が決定されることから,第一の辺と同様,手指が十分に入る程度の長さとすることができる。
第三の辺は,この手指が十分に入る長さを勘案して,典型的には2.5から7cm,好ましくは2.5から6.5cm,より好ましくは3から6.5cm,特に好ましくは3.5から6.5cm,最も好ましくは3.5から6cmとすることができる。
【0023】
ガード部材において,さらに第三の辺に連続して形成され略垂直となる第四の辺を備えることが好ましい。これにより,第四の辺に,人差し指や中指をあててスクレーパーを把持することが可能となり,スクレーパーの把持性を向上させ,取扱性を向上させる効果を有する。
第四の辺は,人差し指や中指を充てるための長さを有すればよい。このような第四の辺の長さとして,典型的には2から5cm,好ましくは2から4.5cm,より好ましくは2から4cm,特に好ましくは2.5から4cm,最も好ましくは2.5から3.5cmとすることができる。
【0024】
第一の辺から第三の辺,ないし第一の辺から第四の辺,これらについては,一の部材として構成することが好ましい。これにより,一の部材を折り曲げることでガード部材を作製することが可能となり,ガード部材の形成性と経済性を向上させる効果を有する。
ガード部材は,把持部材に対応した一定程度の厚さを有する構成とすることができる。このようなガード部材の厚さとして,典型的には1から5cm,好ましくは1.5から5cm,より好ましくは1.5から4.5cm,特に好ましくは1.5から4cm,最も好ましくは1.5から3.5cmとすることができる。
【0025】
ガード部材において,第一の辺と第二の辺,第二の辺と第三の辺,第三の辺と第四の辺,それぞれのつなぎ部分において丸みを帯びた加工(R加工)を有することが好ましい。これにより,ガード部材の安全性を向上させることが可能となる。
【0026】
本発明において,全ての部材が,耐薬品性金属素材で形成されていることが好ましい。これにより,特殊清掃現場において用いられる強力な殺菌剤などに対しても劣化することがほとんどなく用いることができるとともに,力を加えても変形などをしにくい構成とすることができ,本発明のスクレーパーの機能性ならびに耐久性を向上させる効果を有する。
耐薬品性金属素材としては,耐薬品性能を有する限り特に限定する必要はなく,種々の金属を用いることができるが,典型的には,ステンレス,チタン,チタン合金などを用いればよい。
【実施例0027】
本発明のスクレーパーについて,図面を例にとり説明を行う。
【0028】
図1は,スクレーパー1の例を示した図である。
図2はスクレーパーについて各部材ごとに示した図であり,ヘラ部材2,ガード部材3,固定部材4が示されている。
図3はヘラ部材2全体を示した図であり,ヘラ21,把持部22,ネジ部23,表凹部24,側面凹部25,25’を備える。なお,表凹部の裏側には,裏凹部24’を備えている(不図示)。
図4はガード部材全体を示した図であり,第一の辺31,第二の辺32,第三の辺33,第四の辺34,ネジ穴35を備えている。
図5は,スクレーパーを上から見た図であり,ガード部材がヘラ部材に対して様々な角度で固定可能であることが分かる。
図6は,スクレーパーを把持している様子を示した図である。
【0029】
スクレーパーは,それぞれヘラ部材2,ガード部材3,固定部材4,これらの部材から構成されている。また,ガード部材3はネジ穴35を有し,このネジ穴35が,ヘラ部材端部に備えられるネジ部23に挿通し,固定部材4によりネジ式に固定される。これにより,ヘラ部材2,ガード部材3,固定部材4が一体となることで,スクレーパー1として用いることができる。なお,ガード部材3は,様々な角度に固定が可能であり,使用者の操作感や使用状況に応じて,好みの角度に設定することができる。
【0030】
本発明のスクレーパーについて,試作例を例にとり説明を行う。
図7は,スクレーパー試作例の仕様を示した図である。図7に基づいて作製された試作例が,図8ないし図9に示すスクレーパーである。
【0031】
スクレーパー試作例は,ヘラ部材,ガード部材,固定部材,これらの部材から構成される(図8A)。かかるスクレーパーにおいては,把持部に対し,自由にガード部材の角度を変更することができ,例えば,把持部に対して略垂直に固定される場合(図8B),略平行に固定される場合(図8C)などがある。
【0032】
スクレーパーは,ガード部材の角度に応じて様々な持ち方をすることができる。
例えば,把持部に対して略垂直に固定される場合において,ガード部材に全ての指を入れて把持することができる(図9E)。かかる場合,人差し指部分を第四の辺にあてることで安定的に把持部を把持することが可能となるとともに,ガード部材の第三の辺に人差し指を押し付けることで,ヘラに効率よく力を伝えることができる。
また,ガード部材の第三の辺を人差し指と中指で挟む形で把持することができる(図8,F,G,I)。かかる場合,中指を第四の辺に当てることで安定的に把持部を把持することが可能となるとともに,ガード部材の第三の辺に中指を押し付けることで,ヘラに効率よく力を伝えることができる。
さらに,いずれの場合においても,ヘラの付け根近傍の表凹部(三角形状のくぼみ)に親指をあてることが可能となり,親指でも効率よくヘラに力を与えることが可能となる。
【0033】
ガード部材が把持部に対して略平行に固定される場合,略垂直の場合と同様に,ガード部材に全ての指を入れて把持してもよいし,第三の辺を挟む形で把持してもよい(図8K)。さらに,把持部の側面凹部(円弧状のくぼみ)に親指をあてることで,安定的な把持と効率的に力を与えることができる。

図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9